説明

ホログラム読出装置及びその方法並びにホログラム読出/書込装置

【課題】データ読み出し誤り率に関して改善された、ホログラフィック記憶媒体からホログラムを読み出す装置及びその方法、読出/書込装置を提供すること。
【解決手段】ホログラフィック記憶媒体20からホログラムを読み出し、かつホログラフィック記憶媒体20へホログラムを書き込む装置2であって、物体光15及び参照光13を使用し、物体光15と参照光13はどちらも第1のコヒーレンス長を有し、光学系の別々の光分岐14、12に沿って誘導されてホログラフィック記憶媒体20に結像される装置2が記載される。この装置2は、ホログラフィック記憶媒体20からホログラムを読み出すために、参照光13のコヒーレンス長を、第1のコヒーレンス長より短い第2のコヒーレンス長に低減させる手段を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホログラフィック記憶媒体からデータホログラムを読み出すためのホログラム読出装置及びその方法、並びにホログラフィック記憶媒体からデータホログラムを読み出し、かつホログラフィック記憶媒体へデータホログラムを書き込むためのホログラム読出/書込装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ホログラフィックデータ記憶(holographic data strage)では、2つのコヒーレントなレーザビームの重ね合わせによって生成される干渉パターンを記録することによって、デジタルデータが記憶される。一方のビーム、いわゆる「物体光(object beam)」は、空間光変調器(SLM)によって変調されて、記録すべき情報/データを搬送し、第2のビームは、参照光(refernce beam)として働く。干渉パターンにより、記憶材料の特有の特性が修正される。これは、干渉パターンの局所的な強度に依存する。記録されたホログラムの読み出しは、記録中と同じ条件を使用してホログラムを参照光で照らすことによって実行される。この結果、記録された物体光が再生される。すなわち、いわゆる再生物体光(reconstructed object beam)が検出器アレイによって検出される。
【0003】
ホログラフィックデータ記憶の1つの利点は、体積当たりのデータ容量が増大し、データ転送速度がより速くなることである。CD又はDVDなどの従来の媒体で知られるように単一ビットを記憶するのではなく、データはデータページとして記憶される。通常、1つのデータページは、複数のビットを符号化する明暗パターンのマトリックス、すなわち、2次元のバイナリアレイ(binary array)又は濃淡値(grey value)のアレイからなる。これにより、データ記憶密度の増大に加えてデータ速度の向上を実現することができる。
【0004】
従来の光学記憶媒体(optacal strage media)は、単一又は少数の2次元層だけをデータ記憶に使用する。一方、ホログラフィックデータ記憶媒体では、層ではなく、媒体の体積を使用してデータを記憶する。さらに、データ記憶に使用される材料の体積は、データがそこに書き込まれたときに完全に使い果たされるわけではない。ホログラフィックデータ記憶の利点は、複数のデータを同じ体積内に記憶できることである。これは、例えば、物体光と参照光の間の角度を変化させることによって実現される。これを角度多重化(angle multiplexing)という。さらなる選択肢では、大部分が互いに重複する連続するホログラム間に、わずかなシフトを加える。これをシフト多重化(shift multiplexing)という。シフト多重化は、例えば、記憶材料を移動させることによって実行される。
【0005】
特許文献1は、バーコードをホログラムとして記録する方法及び装置を開示している。この特許文献1では、ホログラムの読み出しには、時間的コヒーレンスは必要でないと規定されている。しかし、これは誤りである。この特許文献1の図8からわかるように、特有の像点を生成する光線間には著しい光路差が存在する。時間的コヒーレンス長は、この距離と光の速さの積より大きくなければならない。
【0006】
しかし、時間的コヒーレンスのため、再生物体光は、ホログラフィックデータ記憶の装置の光学系(optacal setup)内で迷光による干渉効果を受ける。そのような干渉効果の結果、再生物体光は妨害されて、データ読み出し誤りをもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】CH681117A5
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、データ読み出し誤り率に関して改善された、ホログラフィック記憶媒体からホログラムを読み出すためのホログラム読出装置及びその方法、並びにホログラフィック記憶媒体からホログラムを読み出し、かつホログラフィック記憶媒体へホログラムを書き込むためのホログラム読出/書込装置を提供することにある。
【0009】
この問題は、独立請求項の主題によって解決される。本発明の有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の目的を考慮すると、ホログラフィック記憶材料からホログラムを読み出し、かつホログラフィック記憶材料へホログラムを書き込むためのホログラム読出/書込装置であって、物体光及び参照光を使用し、物体光と参照光はどちらも第1のコヒーレンス長を有し、また光学系の別々の光分岐に沿って誘導されてホログラフィック記憶媒体に結像される装置が提供される。このホログラム読出/書込装置は、ホログラフィック記憶媒体からホログラムを読み出すために、参照光のコヒーレンス長を、第1のコヒーレンス長より短い第2のコヒーレンス長に低減させる手段を含んでいる。
【0011】
上述したホログラム読出/書込装置の概念は、以下の考慮すべき点に基づく。
【0012】
ホログラムは、物体光と参照光の建設的干渉及び破壊的干渉によって生成される。干渉効果は、コヒーレントなレーザビームの場合だけ観察することができ、すなわち、干渉するビームのコヒーレンス長は、2つの干渉するビーム間の光路差以上でなければならない。書き込み処理に使用されるコヒーレンス長を第1のコヒーレンス長という。読み出し処理中は、第2のコヒーレンス長を有するレーザビームが使用される。
【0013】
再生物体光内の妨害の一部は、再生物体光と干渉する光学系内のコヒーレントな迷光によることがわかった。
【0014】
ホログラムの読み出しに使用される参照光のコヒーレンス長を低減させることによって、この問題に対処する。このコヒーレンス長は、ホログラムを書き込むのに使用される第1のコヒーレンス長より短い第2のコヒーレンス長に設定される。したがって、光学系内で参照光の反射によって生じる迷光と再生物体光の間の干渉効果は、著しく低減される。
【0015】
ホログラム読出/書込装置は、データ読出し誤りを著しく低減させるので有利である。一般に、等しい強度の2つのコヒーレントなビーム間の干渉の結果、完全な建設的干渉の場合、元のビームより4倍高いピーク強度を示すビームが生じる。2つのレーザビームのコヒーレンス長が干渉効果をもたらすには短すぎる場合、2つのレーザビームの重ね合わせは、単なる強度の合計になる。ホログラム読出装置の場合、迷光と再生物体光を重ね合わせた結果は、それぞれの強度の単なる合計になるが、一方、コヒーレントな干渉の場合、強度が2次的に大きく向上する可能性がある。
【0016】
データページ形式のホログラムについて言えば、干渉の結果、画素誤り、すなわち、データビット誤りが生じる。コヒーレントな迷光との建設的又は破壊的干渉のため、データページの1つ又は2つの画素の強度が変化する可能性があるからである。コヒーレントでない迷光と再生物体光の単なる重ね合わせの場合、効果は著しく弱まる。
【0017】
第1の実施形態によれば、第2のコヒーレンス長は、ホログラフィック記憶媒体内のホログラムと、ホログラフィック記憶媒体の外側の最も近い光学面との間の距離以下である。この距離は、物体光及び参照光の伝播方向で決定される。迷光の放出を考慮する第1のステップは、対応する迷光を反射する光学面を決定することである。読み出し処理中の参照光のコヒーレンス長がホログラムから次の光学面までの距離より短い場合、再生された光ビームと迷光が建設的又は破壊的干渉効果を示すのは不可能である。起こりうる唯一の相互作用は、光強度が単に加算されることで、上述したようにその結果、背景レベルが上昇する。
【0018】
しかし、さらなる実施形態によれば、第2のコヒーレンス長、すなわち、読み出し処理中に使用されるコヒーレンス長は、ホログラフィック記憶材料の厚さ以上である。この厚さは、物体光及び参照光の伝播方向で決定される。上述した実施形態によれば、物体光の再生にはコヒーレントな干渉が必ず必要であるため、読み出し処理の信頼性が著しく改善される。
【0019】
したがって、上述した考慮すべき点及び利点は、ホログラフィック記憶媒体からホログラムを読み出すためのホログラム読出装置及びその方法に当てはまる。
【0020】
このホログラム読出装置は、ホログラフィック記憶媒体内のホログラムと、ホログラフィック記憶媒体の外側の最も近い光学面との間の距離以下のコヒーレンス長を有する参照光を生成するレーザダイオードを備える。この距離は、物体光及び参照光の伝播方向で決定される。
【0021】
ホログラフィック記憶媒体からホログラムを読み出すためのホログラム読出方法は、レーザダイオードによって生成される参照光を利用し、この参照光は、ホログラフィック記憶媒体内のデータホログラムと、ホログラフィック記憶媒体の外側の最も近い光学面との間の距離以下のコヒーレンス長を有する。この距離は、参照光の伝播方向で決定される。
【0022】
迷光の放出を考慮する第1のステップは、参照光を反射してコヒーレントな迷光をもたらす光学面を決定することである。読み出し処理中の参照光のコヒーレンス長がホログラムから次の光学面までの距離より短い場合、再生された光ビームと迷光が干渉効果を示すのは不可能である。起こりうる唯一の相互作用は、光強度が単に加算されることで、上述したようにその結果、効果ははるかに弱まる。
【0023】
本発明をより良く理解するために、次に以下の記載で、図を参照してより詳細に説明する。本発明は、この例示的な実施形態に限定されるものではないこと、そして添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲から逸脱することなく、指定の特徴を組み合わせかつ/又は修正することができると得策であることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】ホログラフィック記憶媒体からデータを読み出し、かつホログラフィック記憶媒体へデータを書き込むためのホログラム読出/書込装置を示す図である。
【図2】図1に示したホログラム読出/書込装置の光学系の詳細図である。
【図3】高コヒーレンス参照光及び低コヒーレンス参照光で読み出す場合の「オン」画素及び「オフ」画素の概略的なヒストグラムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下では、本発明について、図を参照してより詳細に説明する。図中の類似の又は対応する細部は、同じ参照番号で示す。本発明は例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明から逸脱することなく、特有の特徴を組み合わせかつ/又は修正することができると得策であることが理解される。
【0026】
ホログラフィックデータ記憶では、2つのコヒーレントなレーザビーム、物体光及び参照光によって生成される干渉パターンを記録することによって、デジタルデータが記憶される。
【0027】
図1は、ホログラフィック記憶媒体からデータを読み出し、かつホログラフィック記憶媒体へデータを書き込むためのホログラム読出/書込装置を示す図である。つまる、ホログラフィック記憶媒体20へホログラムを書き込み、かつホログラフィック記憶媒体20からホログラムを読み出すためのホログラム読出/書込装置2の例示的な構成を示している。
【0028】
このホログラム読出/書込装置2は、光源、好ましくは外部空胴(図示せず)を有するレーザダイオード6を備えている。この光源は、レーザビーム1を放出し、レーザビーム1は、ビームスプリッタ16によって参照光13と物体光15に分割される。2つのビーム13、15は、別々の光分岐に沿って誘導される。第1の分岐12は、参照光13をホログラフィック記憶媒体20へ誘導するのに使用され、第2の分岐14は、物体光15に使用される。レーザダイオード6のコヒーレンス長は、制御ユニット8によって制御される。制御ユニット8は、さらに第1の分岐12及び第2の分岐14内にそれぞれ位置する2つのシャッタ10a、10bを制御する。
【0029】
書き込み処理中は、制御ユニット8は、レーザダイオード6を第1のコヒーレンス長に設定し、また、シャッタ10a、10bは、どちらも開かれ、一方読み出し処理中は、レーザダイオード6は、第2の短い方のコヒーレンス長に設定され、また、物体光15に使用される第2の分岐14内に位置するシャッタ10bは、閉じた状態に設定される。
【0030】
レーザダイオード6は、圧電アクチュエータ(図示せず)上に取り付けられた鏡(図示せず)を有する外部空胴を含んでいる。ホログラムの読み出し処理中、圧電アクチュエータには、高周波変調された駆動電流が供給される。この目的で、制御ユニット8は、圧電アクチュエータのためのアクチュエータ制御装置、すなわち、レーザダイオード6のコヒーレンス長を低減させる手段として働く。圧電アクチュエータによって空胴の鏡が振動することから、レーザダイオード6のコヒーレンス長が低減される。レーザダイオード6の上述した動作状態を「低コヒーレンス状態」という。レーザダイオード6を低コヒーレンス状態で動作させるさらなる選択肢は、高周波変調された駆動電流をレーザダイオード6に供給することである。この目的で、制御ユニット8は、レーザダイオード6のための駆動電流変調器として働く。上述した動作状態がどれも選択されなかった場合、すなわち、レーザダイオード6は、標準的なコヒーレンス長を有するレーザビームを放出する「正常」状態で動作する。この動作モードを「高コヒーレンス状態」という。
【0031】
書き込み処理中、シャッタ10a、10bは、どちらも開かれ、また、レーザダイオード6は、高コヒーレンス状態で動作する。レーザダイオード6によって放出されたレーザビーム1は、ビームスプリッタ16によって、第1の分岐12に沿って進む参照光13と、第2の分岐14に沿って進む物体光15とに分割される。物体光15は、透過型空間光変調器18によって変調される。空間光変調器18として液晶アレイが使用されることが好ましい。しかし、本発明の概念を逸脱することなく、反射型空間光変調器を、適合された光学系と組み合わせて利用することもできる。
【0032】
物体光15と参照光13は、ホログラフィック記憶媒体20内で干渉する。より正確には、上述したビームは、サンドイッチ状のホログラフィック記憶媒体20の中心に位置するホログラフィック記憶材料4内で干渉する。ホログラフィック記憶媒体20の構成については、図2に関連してより詳細に説明する。
【0033】
書き込み処理中のレーザ6のコヒーレンス長は、少なくとも第1の分岐12と第2の分岐14の間の長さの差である値に設定されることが好ましい。これにより、ホログラフィック記憶材料4の位置で参照光13と物体光15が干渉する結果、ホログラムは、十分な格子強度及びコントラストを確実に提供する。
【0034】
読み出し処理中、第2の分岐14内に位置するシャッタ10bは、制御ユニット8によって、閉じた状態に設定される。さらに、制御ユニット8は、レーザダイオード6のコヒーレンス長を、上述した低コヒーレンス動作モードの1つに設定することによって低減させる。低コヒーレントなレーザビーム1は、第1の分岐12に沿って進み、ホログラフィック記憶媒体20に到達する。ホログラフィック記憶材料4内に記憶されたホログラムと参照光13が干渉するため、再生物体光22が生成されて、第2のビームスプリッタ24によってアレイ検出器26に集束される。
【0035】
図1に示したホログラム読出/書込装置2は、ホログラフィック記憶媒体20からデータホログラムの読み出しだけを行うホログラム読出装置2として働くこともできることが理解される。その場合、物体光15の誘導に使用される第2の分岐14は完全に省略される。
【0036】
図2は、図1に示したホログラム読出/書込装置の光学系の詳細図である。ホログラフィック記憶媒体20は、ホログラフィック記憶材料4と並列の厚さ約500μmの2つの基板28からなるサンドイッチ状の構造を示している。ホログラフィック記憶材料4は、好ましくは、100μmから500μmの厚さDを有する。
【0037】
再生物体光22と、ホログラフィック構成の光学面の1つによって反射されるコヒーレントな迷光との間の干渉効果を避けるために、ホログラムの読み出しに使用される参照光13のコヒーレンス長が低減される。参照光13のコヒーレンス長は、参照光13又は物体光15の伝播方向でホログラムと次の光学面の間の距離より短いことが好ましい。例えば、第2のビームスプリッタ24の表面からのコヒーレントな迷光が再生物体光22との干渉効果を引き起こしていることがわかった場合、参照光13のコヒーレンス長を距離S3より短くするべきである。同じことが、ホログラムとホログラフィック記憶媒体20の表面の間の距離及びホログラムと対物レンズ30の表面の間の距離にそれぞれ対応する距離S1及びS2にも当てはまる。
【0038】
図3は、高コヒーレンス参照光及び低コヒーレンス参照光で読み出す場合の「オン」画素及び「オフ」画素の概略的なヒストグラムを示す図である。図3を参照してより詳細に説明するように、ホログラフィック記憶媒体20からホログラムを読み出し、かつホログラフィック記憶媒体20へホログラムを書き込むためのホログラム読出/書込装置の上述した利点は、また、ホログラフィック記憶媒体20からデータホログラムの読み出しだけを行うホログラム読出装置にも当てはまる。図3の縦座標上に任意の単位で示す画素数Nが、横座標上の同じく任意の単位の強度Iに割り当てられる。言い換えれば、図3は、画素数Nが特定の強度Iを示すことを示している。左の高い方のピーク32は、データページ内の暗い画素の数を示し、右の低い方のピーク34は、データページ内の明るい画素に対応する。データページのデータ読出しのため、特定の値I0に閾値が設定され、閾値I0を下回るすべての画素は暗いものとし、閾値I0を上回るすべての画素は明るいものとする。本実施形態によれば、この閾値は、強度レベルI0=50に設定される。閾値I0は、暗い画素を示す高い方のピーク32と明るい画素を示す低い方のピーク34との間の強度内で最小値に設定されることが好ましい。
【0039】
図3内に示した破線は、上述した実施形態とは逆に、読み出し処理が、高いコヒーレンス長を有する参照光13で実行される場合を表す。実線は、読み出し処理が、低いコヒーレント長を有する参照光13で実行される場合を表わしている。データ読み出し誤りの確率は、閾値I0近傍の画素数を見ることで決定される。図3は、低いコヒーレンス長を有する参照光13を使用してホログラムが読み出された場合と比較すると、高いコヒーレンス長を示す参照光で読み出し処理を行った場合、閾値I0前後でより多くの数の画素が見られることをはっきりと示している。閾値I0前後の対応する領域内の画素の量は、データホログラムの読み出しに低コヒーレントな参照光13を使用することによって低減できることが明らかである。したがって、明るい方又は暗い方にはっきりと割り当てることができない強度を有する不確実でないデータ画素が低減される。したがって、データ読み出し誤り率は著しく改善される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホログラフィック記憶媒体からホログラムを読み出し、かつ前記ホログラフィック記憶媒体へホログラムを書き込むためのホログラム読出/書込装置であって、
物体光及び参照光を使用し、前記物体光と前記参照光はどちらも第1のコヒーレンス長を有し、光学系の別々の光分岐に沿って誘導されて前記ホログラフィック記憶媒体に結像され、該ホログラフィック記憶媒体からホログラムを読み出すために、前記参照光のコヒーレンス長を、前記第1のコヒーレンス長より短い第2のコヒーレンス長に低減させる手段を備えることを特徴とするホログラム読出/書込装置。
【請求項2】
前記第2のコヒーレンス長は、前記ホログラフィック記憶媒体内の前記ホログラムと、前記ホログラフィック記憶媒体の外側の最も近い光学面との間の距離以下であり、該距離は、前記物体光及び前記参照光の伝播方向で決定されることを特徴とする請求項1に記載のホログラム読出/書込装置。
【請求項3】
前記第2のコヒーレンス長は、前記物体光及び前記参照光の伝播方向で決定される前記ホログラフィック記憶材料の厚さ以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のホログラム読出/書込装置。
【請求項4】
前記光学系は、レーザビームを放出するレーザダイオードを備え、前記レーザビームは、前記物体光と前記参照光に分割され、前記ホログラムの読み出し中、前記レーザビームのコヒーレンス長を前記第2のコヒーレンス長の値に低減させるために、前記レーザダイオードに高周波変調された駆動電流が供給されることを特徴とする請求項1,2又は3に記載のホログラム読出/書込装置。
【請求項5】
前記光学系は、圧電アクチュエータ上に取り付けられた鏡を有する外部空胴を有するレーザダイオードを備え、該レーザダイオードはレーザビームを放出し、該レーザビームは、前記物体光と前記参照光に分割され、前記ホログラムの読み出し中、前記レーザビームのコヒーレンス長を前記第2のコヒーレンス長の値に低減させるために、前記圧電アクチュエータに高周波変調された駆動電流が供給されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のホログラム読出/書込装置。
【請求項6】
ホログラフィック記憶媒体からホログラムを読み出すためのホログラム読出装置であって、
あるコヒーレンス長を有する参照光を生成するレーザダイオードを備え、前記コヒーレンス長は、前記ホログラフィック記憶媒体内の前記データホログラムと、前記ホログラフィック記憶媒体の外側の最も近い光学面との間の距離以下であり、該距離は、前記参照光の伝播方向で決定されることを特徴とするホログラム読出装置。
【請求項7】
前記コヒーレンス長は、前記参照光の伝播方向で決定される前記ホログラフィック記憶材料の厚さ以上であることを特徴とする請求項6に記載のホログラム読出装置。
【請求項8】
前記ホログラムの読み出し中、前記参照光の前記コヒーレンス長を低減させるために、高周波変調された駆動電流を前記レーザダイオードに供給する駆動電流変調器を備えることを特徴とする請求項6又は7に記載のホログラム読出装置。
【請求項9】
前記レーザダイオードは、圧電アクチュエータ上に取り付けられた鏡を有する外部空胴と、前記ホログラムの読み出し中、前記参照光の前記コヒーレンス長を低減させるために、高周波変調された駆動電流を前記圧電アクチュエータに供給するアクチュエータ制御装置とを有することを特徴とする請求項6,7又は8に記載のホログラム読出装置。
【請求項10】
レーザダイオードによって生成される参照光でホログラフィック記憶媒体からホログラムを読み出すためのホログラム読出方法であって、
前記参照光は、前記ホログラフィック記憶媒体内の前記データホログラムと、前記ホログラフィック記憶媒体の外側の最も近い光学面との間の距離以下のコヒーレンス長を有し、該距離は、前記参照光の伝播方向で決定されることを特徴とするホログラム読出方法。
【請求項11】
前記コヒーレンス長は、前記参照光の伝播方向で決定される前記ホログラフィック記憶材料の厚さ以上であることを特徴とする請求項10に記載のホログラム読出方法。
【請求項12】
前記ホログラムの読み出し中、前記参照光の前記コヒーレンス長を低減させるために、高周波変調された駆動電流を前記レーザダイオードに供給することを特徴とする請求項10又は11に記載のホログラム読出方法。
【請求項13】
前記ホログラムの読み出し中、前記参照光の前記コヒーレンス長を低減させるために、前記レーザダイオードの外部空胴の鏡が取り付けられた圧電アクチュエータに、高周波変調された駆動電流を供給することを特徴とする請求項10,11又は12に記載のホログラム読出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−153023(P2010−153023A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−292150(P2009−292150)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing 
【住所又は居所原語表記】1−5, rue Jeanne d’Arc, 92130 ISSY LES MOULINEAUX, France
【Fターム(参考)】