説明

ホース

【課題】中間ゴム層を排除しても良好な耐久性を示すスパイラル編組構造のホースの提供。
【解決手段】少なくとも、内面ゴム層、2層以上のスパイラル編組構造の補強層および外面ゴム層を、内周側からこの順に備えるホースであって、 前記補強層が、下記式(1)および(2)に示す関係を満たす補強糸で形成されるホース。 0.4%≦135℃下、1.2cN/dtex時の中間伸び≦5.0% ・・・(1) 1.5%≦150℃下、30分処理後の乾熱収縮率≦6.0% ・・・(2)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホースに関し、より詳しくは、補強層を有するスパイラルホースに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両用配管ホースにおいては、耐圧性や耐久性が要求される個所には、複数本の補強糸を用いて形成した補強層を有するホースが使用されている。
この補強層は、繊維や金属の糸をブレード編またはスパイラル状に巻きつけて編組されるものであるが、低コスト化を図る観点から、スパイラル状に巻きつけた編組構造(以下、「スパイラル編組構造」という。)が採用されることが多い。
また、このスパイラル編組構造の場合は、通常、補強糸をスパイラル状に巻き付けた第1補強層と、該第1補強層と逆方向に複数本の補強糸をスパイラル状に巻き付けた第2補強層とを積層させており、高圧ホース等においては、2つの補強層の結合性を高め、相互の摩擦を防止して耐久性を高めるために、補強層間に中間ゴム層を介在させることが知られている(例えば、特許文献1〜3参照。)
【0003】
これに対し、高圧ホース等の更なる低コスト化の観点から、中間ゴム層を排除することが検討されてきているが、中間ゴム層を排除すると、補強層同士の結合性が低くなり、相互の摩擦も抑制することができず、結果的に耐久性が低下してしまうという問題があった。
【0004】
一方、棚落ち防止の観点から、特許文献4には、「内面樹脂チューブと、その外周面上に設けた内側ゴム層と、その外周面上に複数本の補強糸を引き揃えてスパイラル状に巻き付けた第1補強層と、その外周上に複数本の補強糸を引き揃え前記第1補強層と逆方向にスパイラル状に巻き付けた第2補強層と、その外周上に設けた外側ゴム層とで構成され、前記内側ゴム層は温度135℃における50%モジュラスM50が20〜40kgf/cm2のゴム材料からなることを特徴とする冷媒用高圧ホース」が提案されている。
【0005】
【特許文献1】特開平7−68659号公報
【特許文献2】特開平7−144379号公報
【特許文献3】特開平11−325331号公報
【特許文献4】特許第3396975号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、本発明者は、上記特許文献4に記載の冷媒用高圧ホースについて検討してみたところ、中間ゴム層がないため、やはり耐久性が不十分であることが分かった。
そこで、本発明は、中間ゴム層を排除しても良好な耐久性を示すスパイラル編組構造のホースを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、所定の中間伸びと乾熱収縮率を示す補強糸で形成した補強層を備えるホースが、中間ゴム層を排除しても耐久性が良好なホースとなることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
即ち、本発明は、以下の(i)を提供する。
(i)少なくとも、内面ゴム層、2層以上のスパイラル編組構造の補強層および外面ゴム層を、内周側からこの順に備えるホースであって、
上記補強層が、下記式(1)および(2)に示す関係を満たす補強糸で形成されるホース。
0.4%≦135℃下、1.2cN/dtex時の中間伸び≦5.0% ・・・(1)
1.5%≦150℃下、30分処理後の乾熱収縮率≦6.0% ・・・(2)
【発明の効果】
【0009】
以下に説明するように、本発明によれば、中間ゴム層を排除しても良好な耐久性、具体的には、135℃下、0.5Hzの周期で0MPaおよび5.3MPaの圧力を繰返し加える試験(以下、「繰返し加圧試験」という場合もある。)においても40万回以上稼動する耐久性を示す、スパイラル編組構造のホースを提供することができ、高圧ホース等において更なる低コスト化を図ることができるため非常に有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明のホースは、上述したように、少なくとも、内面ゴム層、2層以上のスパイラル編組構造の補強層および外面ゴム層を、内周側からこの順に備えるホースであって、
上記補強層が、下記式(1)および(2)に示す関係を満たす補強糸で形成されるホースである。
0.4%≦135℃下、1.2cN/dtex時の中間伸び≦5.0% ・・・(1)
1.5%≦150℃下、30分処理後の乾熱収縮率≦6.0% ・・・(2)
【0011】
ここで、本発明のホースの好適な実施態様の一例を図1を用いて説明する。図1は、本発明のホースをその各層毎に一部切欠いて示す斜視図である。図1に示すように、ホース1は、内面ゴム層2と外面ゴム層5との間に、繊維材料からなる複数本の補強糸をスパイラル状に巻き付けた2層の補強層を補強糸の巻き付け向きが異なるように埋設した、ホース1の内周側に位置する内側補強層3と外周側に位置する外側補強層4とを備えている。
【0012】
次に、本発明のホースを構成する内面ゴム層、スパイラル編組構造の補強層(内側補強層、外側補強層)および外面ゴム層について詳述する。
【0013】
<内面ゴム層>
本発明のホースを構成する内面ゴム層は、ホースに用いられる従来公知の内面ゴム層を用いることができ、1層単独で形成されていても、複数層で形成されていてもよい。
【0014】
このような内面ゴム層を形成するゴム材料は特に限定されず、その具体例としては、ブチルゴム(IIR)、塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)、臭素化ブチルゴム(Br−IIR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム(HNBR)等が挙げられ、1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
これらのうち、ブチルゴム(IIR)、塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)、臭素化ブチルゴム(Br−IIR)を用いることが、耐熱性、耐ガス透過性、耐水分透過性に優れる理由から好ましい。
【0015】
本発明においては、上記内面ゴム層は、ゴム単独で形成されていてもよいが、本発明のホースが用いられる用途、本発明のホースに要求される物性等に応じて、各種添加剤を含有させたゴム組成物により形成されていてもよい。
必要に応じて含有させてもよい添加剤としては、具体的には、例えば、加硫剤、加硫促進剤、充填剤、補強剤、可塑剤、老化防止剤、軟化剤、粘着付与剤、滑剤、分散剤、加工助剤等を挙げることができる。
【0016】
また、本発明においては、上記内面ゴム層の厚さは、本発明のホースが用いられる用途、本発明のホースに要求される物性等に応じて任意の厚さとすることができるため特に限定されないが、0.5〜4.0mm程度である。
【0017】
<補強層>
本発明のホースを構成する補強層は、下記式(1)および(2)に示す関係を満たす補強糸で形成される。
0.4%≦135℃下、1.2cN/dtex時の中間伸び≦5.0% ・・・(1)
1.5%≦150℃下、30分処理後の乾熱収縮率≦6.0% ・・・(2)
【0018】
ここで、上記式(1)中の「1.2cN/dtex時」とは、5.3MPa程度の圧力をホースに加えた場合における、補強層を形成する補強糸1本あたりに加わる圧力を想定したものである。本発明においては、補強層を形成する補強糸が上記式(1)に示す関係を満たすことにより、5.3MPa程度の圧力をホースに加えた場合のホースの外形変化が適当な範囲に制限され、ホースの連続使用等に伴う繰返し疲労による性能の劣化が防ぎ、耐久性が良好なものとなる。
【0019】
また、上記式(2)中の「150℃下、30分処理後」とは、加硫時の熱処理を想定したものである。加硫時の熱処理の際に乾熱収縮により補強糸が縮むと、該補強糸は内面ゴム層に食い込むこととなり、これによりこれらのゴム層からゴムが吹き出すことによって、2層以上の補強層同士が接着することになる。本発明においては、補強層を形成する補強糸が上記式(2)に示す関係を満たすことにより、補強糸によるゴム層への食い込み量が適当となり、中間ゴム層がなくても、ゴム層から吹き出したゴムによって補強糸の糸擦れが抑制されるとともに、補強層同士の接着性が良好なものとなる。
【0020】
本発明のホースを構成する補強層を形成する補強糸は、繊維材料からなるものであれば特に限定されないが、具体的には、ポリエステル繊維(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等)、ナイロン繊維、レーヨン繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリケトン繊維等からなるコードが挙げられる。これらのうち、コスト面の観点からポリエチレンテレフタレート(PET)繊維を用いるのが好ましい。
【0021】
このような補強糸の撚り合わせ構造は特に限定されず、有撚および無撚のいずれでもよい。
また、このような補強糸を上記式(1)および(2)に示す関係を満たす補強糸とするための処理条件は、補強糸の種類によって異なるため特に限定されない。
更に、このような補強糸は、内面ゴム層および外面ゴム層との接着性の観点から、接着剤に浸漬する処理を施すのが好ましい。接着剤は特に限定されないが、コスト、種々のゴムに対する接着性等の観点から、レゾルシン・ホルマリン初期縮合物水溶液とゴムラテックスとの混合液(RFL)系接着剤が好適に用いられる。
【0022】
本発明のホースを構成する補強層は、上記式(1)および(2)に示す関係を満たす補強糸を内面ゴム層の上にスパイラル状に巻きつけて形成される。
また、本発明のホースにおいては、上記補強層の厚さは、本発明のホースが用いられる用途、本発明のホースに要求される物性等に応じて任意の厚さとすることができる。
【0023】
<外面ゴム層>
本発明のホースを構成する外面ゴム層は、ホースに用いられる従来公知の外面ゴム層を用いることができ、1層単独で形成されていても、複数層で形成されていてもよい。
【0024】
このような外面ゴム層を形成するゴム材料は特に限定されず、その具体例としては、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)、臭素化ブチルゴム(Br−IIR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)等が挙げられ、1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
これらのうち、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)を用いることが、耐候性、耐熱性、耐水分透過性に優れる理由から好ましい。
【0025】
本発明においては、上記外面ゴム層は、ゴム単独で形成されていてもよいが、本発明のホースが用いられる用途、本発明のホースに要求される物性等に応じて、各種添加剤を含有させたゴム組成物により形成されていてもよい。
必要に応じて含有させてもよい添加剤としては、内面ゴム層を形成するゴム組成物として上記で例示した各種添加剤が挙げられる。
【0026】
また、本発明においては、上記外面ゴム層の厚さは、本発明のホースが用いられる用途、本発明のホースに要求される物性等に応じて任意の厚さとすることができるため特に限定されないが、0.5〜3.0mm程度である。
【0027】
本発明のホースは、上述した内面ゴム層、補強層および外面ゴム層以外に、必要に応じて、以下に示す樹脂層を備えていてもよい。
【0028】
(樹脂層)
本発明のホースは、上記内面ゴム層の内側に樹脂層を備えていてもよい。樹脂層は、従来公知の樹脂により形成されるものであれば特に限定されず、1層単独で形成されていても、複数層で形成されていてもよい。
【0029】
このような樹脂層を形成する樹脂材料としては、具体的には、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、塩ビ系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリメタクリレート系樹脂、ポリビニル系樹脂等が挙げられ、1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
これらのうち、最適な樹脂材料は用途によって異なるが、例えば、自動車エアコンホース用途の場合、耐冷媒透過性に特に優れる理由からポリアミド系樹脂を用いるのが好ましく、具体的には、ナイロン6(N6)とナイロン11(N11)との混合樹脂(ブレンド)を用いるのがより好ましい。
【0030】
このような本発明のホースは、上述したように、中間ゴム層がなくても耐久性に優れ、中間ゴム層を排除することよる低コスト化も図ることができるため非常に有用である。そのため、本発明のホースは、自動車用エアコンホース、パワーステアリングホースへの適用のみならず、従来より中間ゴム層を補強層間に介在させていた高圧ホース等にも適用することができる。
【0031】
本発明のホースの製造方法は特に限定されず、ホースの製造方法として従来公知の方法を用いることができ、具体的には、マンドレル上に、上記内面ゴム層、上記内側補強層、上記外側補強層および外面ゴム層をこの順に積層させた後に、それらの層を140〜190℃下、30〜180分の条件で、プレス加硫、蒸気加硫、オーブン加硫(熱気加硫)もしくは温水加硫することにより加硫接着させて製造する方法が好適に例示される。
【実施例】
【0032】
以下に、実施例を用いて本発明のホースについてより詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0033】
(補強糸の作製)
下記の補強糸1〜8のコード構造は、いずれも1100dtex//3の片撚構造(撚数:10回/10cm、S撚)とした。
【0034】
(補強糸1)
ポリエチレンテレフタレートからなるコードをRFL系接着剤固形分濃度10%の浴中に浸漬(ディップ)した後に、−4%のストレッチ下で、235℃で60秒間熱処理した補強糸を用いた。
【0035】
(補強糸2)
ポリエチレンテレフタレートからなるコードをRFL系接着剤固形分濃度10%の浴中に浸漬(ディップ)した後に、+3%のストレッチ下で、235℃で60秒間熱処理した補強糸を用いた。
【0036】
(補強糸3)
ポリエチレンテレフタレートからなるコードをRFL系接着剤固形分濃度10%の浴中に浸漬(ディップ)した後に、±0%のストレッチ下で、235℃で60秒間熱処理した補強糸を用いた。
【0037】
(補強糸4)
ポリエチレンテレフタレートからなるコードをRFL系接着剤固形分濃度10%の浴中に浸漬(ディップ)した後に、−1%のストレッチ下で、235℃で60秒間熱処理した補強糸を用いた。
【0038】
(補強糸5)
ポリエチレンナフタレートからなるコードをRFL系接着剤固形分濃度10%の浴中に浸漬(ディップ)した後に、±0%のストレッチ下で、240℃で60秒間熱処理した補強糸を用いた。
【0039】
(補強糸6)
ポリエチレンテレフタレートからなるコードをRFL系接着剤固形分濃度10%の浴中に浸漬(ディップ)した後に、+5%のストレッチ下で、235℃で60秒間熱処理した補強糸を用いた。
【0040】
(補強糸7)
ポリエチレンナフタレートからなるコードをRFL系接着剤固形分濃度10%の浴中に浸漬(ディップ)した後に、−1%のストレッチ下で、240℃で60秒間熱処理した補強糸を用いた。
【0041】
(補強糸8)
アラミドからなるコードをRFL系接着剤固形分濃度10%の浴中に浸漬(ディップ)した後に、±0%のストレッチ下で、240℃で60秒間熱処理した補強糸を用いた。
【0042】
作製した各補強糸1〜8の中間伸びおよび乾熱収縮率を以下に示す条件で測定した。その結果を下記表1に示す。
【0043】
<中間伸び>
各補強糸1〜8について、135℃下、1.2cN/dtex時の中間伸びを、JIS L1017:02に準じて測定した。
【0044】
<乾熱収縮率>
各補強糸1〜8について、150℃下、30分処理後の乾熱収縮率を、JIS L1017:02に準じて測定した。
【0045】
【表1】

【0046】
(実施例1〜4、比較例1〜4)
得られた各補強糸1〜8からなる補強層を用いたホースを以下に示すように作製した。
まず、外径14mmのマンドレル上にIIR系ゴム組成物よりなる内面ゴム層を厚さ2.0mmとなるように押し出し、内管を形成させた。
ついで、内管上に得られた各補強糸1〜8を一方向にスパイラル状に巻き付け内側補強層を形成させ、その上に同様の補強糸を内側補強層とは反対方向にスパラル状に巻き付けて外側補強層を形成させた。
その後、外側補強層の上に、EPDM系ゴム組成物よりなる外面ゴム層を厚さ1.5mmとなるように押し出し、外管を形成させた。
ついで、リボンラッピングし、加硫缶を用いて約154℃で60分間加熱加硫を行い、その後、アンラッピング、マンドレル抜きを行い、ホースを得た。
【0047】
得られた各ホースについて、マンドレル抜け性、繰返し加圧試験、層間接着性、糸擦れおよび残存強度を以下に示す方法により評価した。その結果を下記表2に示す。
【0048】
<マンドレル抜け性>
マンドレル抜け性の評価は、加硫直後に得られたアンラッピング後のマンドレル入りホースの端部に5MPaの圧力を付加した際のマンドレルの抜け性を確認することにより行い、加圧後5秒未満にマンドレルが抜けはじめたホースをマンドレル抜け性が優れるものとして○と評価し、マンドレルが抜けはじめるまで加圧後5秒以上要する、または、抜けなかったホースをマンドレル抜け性が劣るものとして×と評価した。
【0049】
<繰返し加圧試験>
得られた各ホースを、135℃下、0.5Hzの周期で0MPaおよび5.3MPaの圧力を繰返し加える繰返し加圧試験に供し、耐圧性を評価した。繰返し加圧試験において40万回以上稼動するホースを耐久性に優れるものとして○と評価し、40万回未満しか稼動しないホースを耐久性が劣るものとして×と評価した。
【0050】
<層間接着性>
層間接着性の評価は、JIS K6330−6:98に準じて行い、135℃における、内側補強層と外側補強層との間のはく離強さを測定した。
【0051】
<糸擦れ>
糸擦れの評価は、上記繰返し加圧試験後の各ホースの補強糸の糸擦れを目視により確認した。
【0052】
<残存強度>
上記繰返し加圧試験前後の補強糸をホースから取り出し、JIS L1017:02に準じて強度を測定し、試験前後の強度保持率(インデックス)を調べ、90以上を示すものを残存強度に優れると判断した。
【0053】
【表2】

【0054】
表2に示す結果から、補強糸2〜5を用いた実施例1〜4のホースは、比較例1〜4と比べて、繰返し加圧試験(耐圧性)、層間接着性、糸擦れ、残存強度およびマンドレル抜け性が全てにおいて良好であることが分かった。更に、実施例1〜3のホースでは、補強糸の材料として安価なPETを用いても各物性が優れることから、製造コストも有利であることが分かった。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】図1は、本発明のホースをその各層毎に一部切欠いて示す斜視図である。
【符号の説明】
【0056】
1 ホース
2 内面ゴム層
3 内側補強層
4 外側補強層
5 外面ゴム層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、内面ゴム層、2層以上のスパイラル編組構造の補強層および外面ゴム層を、内周側からこの順に備えるホースであって、
前記補強層が、下記式(1)および(2)に示す関係を満たす補強糸で形成されるホース。
0.4%≦135℃下、1.2cN/dtex時の中間伸び≦5.0% ・・・(1)
1.5%≦150℃下、30分処理後の乾熱収縮率≦6.0% ・・・(2)

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2006−307988(P2006−307988A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−131795(P2005−131795)
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】