説明

ボルト取出補助装置

【課題】作業者へボルトを1本だけ供給することができ、作業者が安定してボルトを受け取ることができるボルト取出補助装置を提供すること。
【解決手段】ボルト取出補助装置1は、流下レール部3、落下受部4、押込操作部5、流下制限部6及び制御手段を有して構成されている。流下レール部3は、斜め下方に向けて配設してあり、ボルトを1列に並べた状態で順次流下させる。落下受部4は、流下レール部3から落下するボルトを受け、ボルト排出口41から排出する。押込操作部5は、落下受部4におけるボルト排出口41の下方に配設してあり、流下制限部6は、流下レール部3の途中に配設してある。制御手段は、押込操作部5を押込み操作したときには、流下制限部6を流下阻止状態から流下許可状態に切り替え、流下レール部3から落下受部4へ1本だけ落下したボルトをボルト排出口41から排出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保管する複数本のボルトの中から1本だけを取り出すためのボルト取出補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、鋼製フレームに溶接用ボルトを溶接して製造する自動車部品等の溶接工程においては、作業者は、複数本のボルトを保管するボックスから1本だけ又は所定本数のボルトを取り出し、このボルトを規定位置に配置して溶接を行っている。
しかしながら、溶接作業等を行う作業者が、複数本のボルトの中から1本だけ又は所定本数のボルトを取り出すことは必ずしも容易ではない。そのため、場合によっては、ボックスから取り出されたものの、つかみ損ねたボルトは、ボックスの外に散乱してしまうおそれがある。
【0003】
また、ボルト等を搬送レール上に整列させる装置としては、例えば、特許文献1に開示された頭付き軸体の多列供給装置がある。この多列供給装置は、回転可能なドラムと、複数の搬送レールを並設してなる多列振動フィーダとを有している。
そして、多列振動フィーダの後部においては、ドラム内から落下された頭付き軸体を各搬送レールに振り分け、この振り分けられた頭付き軸体は、その頭部を係合支持し、その軸部を垂下した姿勢にして各搬送レールに送り込んでいる。これにより、複数本の頭付き軸体を、個別にかつ同時にそれぞれ一定姿勢で供給している。
【0004】
しかしながら、上記多列供給装置においても、作業者に1本ずつボルトを供給する工夫は何らなされておらず、作業者によるボルトの取出作業を容易にすることができる装置の開発が望まれていた。
【0005】
【特許文献1】特開平7−81731号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、作業者へボルトを1本だけ供給することができ、作業者が安定してボルトを受け取ることができるボルト取出補助装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、保管する複数本のボルトの中から1本だけを取り出すためのボルト取出補助装置であって、
複数のボルトを保管する保管ボックスと、
該保管ボックスから斜め下方に向けて配設し、該保管ボックスから流下した上記ボルトを1列に並べた状態で順次流下させる流下レール部と、
該流下レール部の下流側端部の下方に配設し、該下流側端部から落下する上記ボルトを受ける落下受部と、
該落下受部の下部に形成したボルト排出口の下方に配設し、押込み操作される押込操作部と、
上記流下レール部の途中に配設し、該流下レール部における上記ボルトの流下を阻止する流下阻止状態と、上記流下レール部における上記ボルトを上記落下受部に向けて1本だけ流下させる流下許可状態とに切り替わる流下制限部と、
該流下制限部を上記流下阻止状態と上記流下許可状態との間で切り替える制御手段とを有しており、
該制御手段は、上記押込操作部を押込み操作したときには、上記流下制限部を上記流下阻止状態から上記流下許可状態に切り替え、上記流下レール部から上記落下受部へ1本だけ落下した上記ボルトを上記ボルト排出口から排出するよう構成してあることを特徴とするボルト取出補助装置にある(請求項1)。
【0008】
本発明のボルト取出補助装置は、作業者が、保管する複数本のボルトの中から1本だけを容易に取り出すことができる工夫を行っている。
すなわち、本発明のボルト取出補助装置は、上記保管ボックス、流下レール部、落下受部、押込操作部、流下制限部及び制御手段を有している。そして、保管ボックス内に複数本のボルトを保管するときには、保管ボックスから流下レール部へボルトが流下し、流下レール部においては、ボルトの流下方向に向けて1列に並んだ状態でボルトが保持される。また、制御手段は、押込操作部が押込み操作されていないときには、流下制限部を流下阻止状態に維持しており、流下レール部におけるボルトは、流下阻止状態にある流下制限部によって、その流下が阻止されている。
【0009】
次いで、作業者が、押込操作部を押込み操作したときには、制御手段が、流下制限部を流下阻止状態から流下許可状態に切り替える。このとき、流下レール部におけるボルトが1本だけ流下し、この1本のボルトが、流下レール部の下流側端部から落下受部に向けて落下し、落下受部におけるボルト排出口から排出される。これにより、作業者による押込操作部の押込み操作を受けて、ボルト取出補助装置は、作業者へボルトを1本だけ供給することができる。
【0010】
また、上記のごとく、押込操作部は、落下受部の下部に形成したボルト排出口の下方に配設してある。これにより、作業者が、手の平側を上にして押込操作部を操作したときには、落下受部におけるボルト排出口から指の腹の上又は手の平の上にボルトが落下する。そのため、作業者は、ボルト排出口から落下したボルトを直接受け取って把持することができる。
【0011】
それ故、本発明のボルト取出補助装置によれば、作業者へボルトを1本だけ供給することができ、作業者が安定してボルトを受け取ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
上述した本発明における好ましい実施の形態につき説明する。
本発明において、上記流下レール部は、一対の流下壁を備えており、該一対の流下壁の各上端部に上記ボルトの頭部を載せると共に、上記一対の流下壁同士の間に上記ボルトのねじ部を配置して、当該ボルトを流下させるよう構成してあり、上記一対の流下壁の下流側端部には、該一対の流下壁を流下する上記ボルトを落下させるためのレール落下穴が形成してあり、上記落下受部は、上記ボルト排出口の上方に該ボルト排出口の直径よりも拡径したボルト受入口を備え、該ボルト受入口と上記ボルト排出口との間を下方に向けて縮径する円筒壁によって連通させてなる下方縮径カップ形状を有しており、上記レール落下穴の中心を通る仮想中心軸線と、上記ボルト排出口の中心を通る仮想中心軸線とがオフセットしていることが好ましい(請求項2)。
【0013】
この場合には、流下レール部及び落下受部の構成を簡単にすることができ、流下レール部から落下したボルトを、安定して落下受部におけるボルト排出口から排出することができる。
すなわち、作業者による押込操作部の押込み操作を受けて、制御手段が流下制限部を流下阻止状態から流下許可状態に切り替えたときには、流下レール部を流下する1本のボルトは、ボルト受入口から落下受部内に入る。
【0014】
このとき、流下レール部におけるレール落下穴の中心を通る仮想中心軸線と、落下受部におけるボルト排出口の中心を通る仮想中心軸線とがオフセットしていることにより、ボルト受入口から落下受部内に入ったボルトは、円筒壁に衝突して滑り落ちることができる。これにより、流下レール部から落下したボルトが、落下受部におけるボルト排出口に詰まってしまうことを防止することができ、ボルト取出補助装置は、ボルトを安定して円滑に排出することができる。
【0015】
また、上記流下制限部は、上記流下レール部における上記ボルトの流下方向の下流側に配設した第1流下制限シリンダーと、該第1流下シリンダーの上流側に配設した第2流下制限シリンダーとを備えており、該各流下制限シリンダーは、その各可動部を、上記流下レール部における上記一対の流下壁同士の間へ突出させて上記ボルトの流下を阻止する突出位置と、上記流下レール部における上記一対の流下壁同士の間から退避させて上記ボルトの流下を許可する退避位置とにそれぞれ移動させるよう構成してあり、上記各流下制限シリンダーにおける可動部同士の間の配設間隔は、これらの間に上記ボルトを1本だけ配置する間隔になっており、上記制御手段は、上記流下制限状態においては、上記第1流下制限シリンダーにおける可動部を上記突出位置にすると共に、上記第2流下制限シリンダーにおける可動部を上記退避位置にし、一方、上記流下許可状態においては、上記第1流下制限シリンダーにおける可動部を上記退避位置にすると共に、上記第2流下制限シリンダーにおける可動部を上記突出位置にするよう構成してあることが好ましい(請求項3)。
【0016】
この場合には、制御手段が、2つの流下制限シリンダーにおける各可動部を交互に突出位置と退避位置との間で移動させることにより、流下レール部におけるボルトを1本ずつ流下させて、落下受部におけるボルト排出口から排出することができる。
すなわち、流下制限部が流下制限状態にあるときには、第1流下制限シリンダーにおける可動部が突出位置にあると共に、第2流下制限シリンダーにおける可動部が退避位置にある。このとき、流下レール部におけるボルトは、第1流下制限シリンダーにおける可動部によって流下が阻止されている。
【0017】
次いで、作業者による押込操作部の押込み操作を受けて、制御手段が流下制限部を流下阻止状態から流下許可状態に切り替えたときには、第1流下制限シリンダーにおける可動部が退避位置へ移動すると共に、第2流下制限シリンダーにおける可動部が突出位置へ移動する。このとき、流下レール部において、第1流下制限シリンダーにおける可動部に当接する最も下流側に位置する最下流側ボルトが、落下受部に向けて流下すると共に、最下流側ボルトの上流側に隣接する上流側ボルトが、第2流下制限シリンダーにおける可動部によって流下が阻止される。
こうして、流下レール部におけるボルトを1本ずつ容易に流下させることができる。
【0018】
なお、制御手段は、作業者が押込操作部の押込み操作を解除したときに、流下制限部を流下許可状態から流下阻止状態に再び切り替えることができる。そして、第1流下制限シリンダーにおける可動部を突出位置へ復帰させると共に、第2流下制限シリンダーにおける可動部を退避位置へ復帰させることができる。
【0019】
また、上記押込操作部は、上記ボルト排出口の下方において、上記ボルトの流下方向に向けて下方傾斜して配設され、該流下方向の上流側の端部を中心に回動する傾斜操作板を備えており、該傾斜操作板は、上記ボルト排出口の下方に位置する原位置と、押込み操作されて上記原位置から回動した押込操作位置とに移動するよう構成してあると共に、スプリングによって上記原位置に復帰するよう付勢されていることが好ましい(請求項4)。
この場合には、上記構成の傾斜操作板を備えた押込操作部により、作業者は、押込み操作したときに、落下受部におけるボルト排出口から排出されるボルトを、一層容易に手の平に受け取って把持することができる。
【0020】
また、上記押込操作部は、上記傾斜操作板が上記押込操作位置に移動したことを検出する押込検出スイッチを備えており、上記制御手段は、上記流下制限部による上記流下制限状態を形成する原位置と、上記押込検出スイッチの検出を受けて、上記流下制限部による上記流下許可状態を形成する操作位置とに切替制御可能である流下制限用制御バルブを備えていることが好ましい(請求項5)。
この場合には、押込検出スイッチ及び流下制限用制御バルブを用いることにより、押込操作部の押込み操作を受けて、流下制限部を、流下阻止状態から流下許可状態へ容易に切り替えることができる。
【0021】
また、上記保管ボックスは、容器部と、該容器部の底位置に配設し上下に揺動する揺動底部とを備えており、該揺動底部は、その上端部に一対の揺動側壁による揺動レールを備えており、該揺動レールにおける下流側端部と、上記流下レール部における上流側端部とを連通させるよう構成してあると共に、当該揺動レールにおける下流側端部を回転支点とし、該揺動レールにおける上流側端部を上昇させる上昇位置と、該揺動レールにおける上流側端部を下降させる下降位置とに交互に移動して揺動するよう構成してあることが好ましい(請求項6)。
【0022】
この場合には、保管ボックスにおける容器部内に配置されたボルトは、揺動底部における揺動レールの上に配置される。そして、この状態で、揺動底部を上昇位置と下降位置との間で交互に移動させることにより、一対の揺動側壁における各上端部にボルトの頭部が載ると共に、一対の揺動側壁同士の間にボルトのねじ部が配置される。
そして、揺動レールに配置されたボルトは、揺動底部の揺動動作を受けて、揺動レールにおける下流側端部から、流下レール部における上流側端部へと流下する。これにより、保管ボックス内に保管するボルトを、容易に流下レール部へ流下させることができる。
【0023】
また、上記保管ボックスは、上記揺動底部を上記上昇位置と上記下降位置との間で移動させる揺動シリンダーと、上記揺動底部が上記上昇位置になったことを検出する上昇検出スイッチと、上記揺動底部が上記下降位置になったことを検出する下降検出スイッチとを備えており、上記制御手段は、上記下降検出スイッチの検出を受けて、上記揺動シリンダーを操作して上記揺動底部を上記下降位置から上記上昇位置へ移動させる第1操作位置と、上記上昇検出スイッチの検出を受けて、上記揺動シリンダーを操作して上記揺動底部を上記上昇位置から上記下降位置へ移動させる第2操作位置とに切替制御可能である揺動用制御バルブとを備えていることが好ましい(請求項7)。
【0024】
この場合には、揺動シリンダー、上昇検出スイッチ、下降検出スイッチ及び揺動用制御バルブを用いることにより、揺動底部を上昇位置と下降位置との間で一層容易に揺動させることができる。
【0025】
また、上記制御手段は、上記押込検出スイッチの検出を受けて、上記揺動用制御バルブを所定の設定時間動作させるタイマー用制御バルブを備えていることが好ましい(請求項8)。
この場合には、タイマー用制御バルブにおける設定時間を適切に調整し、揺動シリンダーにより揺動底部を所定の設定時間だけ揺動させることにより、流下レール部に適切にボルトを流下させることができる。
【0026】
また、上記第1流下制限シリンダー、上記第2流下制限シリンダー、上記押込検出スイッチ、上記揺動シリンダー、上記上昇検出スイッチ、上記下降検出スイッチ、上記流下制限用制御バルブ、上記揺動用制御バルブ及び上記タイマー用制御バルブは、いずれも空気圧によって動作する空気圧機器であることが好ましい(請求項9)。
この場合には、上記各空気圧機器を用いて、ボルト取出補助装置を制御するエアシーケンス回路を形成することができる。そのため、ボルト取出補助装置に用いる動力源は、空気圧のみとすることができ、ボルト取出補助装置のイニシャルコスト及びランニングコストを低減させることができる。
【0027】
また、上記ボルト取出補助装置は、2つ隣接して配設してあり、第1のボルト取出補助装置は、第1のボルトを流下させる第1の上記流下レール部を有しており、第2のボルト取出補助装置は、上記第1のボルトよりも大きな外径の第2のボルトを流下させる第2の上記流下レール部を有しており、該第2の流下レール部の途中には、上記第2のボルトを流下させる一方上記第1のボルトを落下させて排除するための不要ボルト排除穴が形成してあることが好ましい(請求項10)。
この場合には、2つのボルト取出補助装置により、外径が異なる2種類のボルトを保管し、作業者へ供給することができる。そして、第2のボルト取出補助装置における第2の流下レール部に、第1のボルトが混流してしまったときには、この第1のボルトは、不要ボルト排除穴から落下させて排除することができる。
【実施例】
【0028】
以下に、本発明のボルト取出補助装置にかかる実施例につき、図面と共に説明する。
本例のボルト取出補助装置1は、保管する複数本のボルト8の中から、作業者が1本のボルト8だけを容易に取り出すことができる工夫を行っている。
図1〜図15に示すごとく、このボルト取出補助装置1は、以下の保管ボックス2、流下レール部3、落下受部4、押込操作部5、流下制限部6及び制御手段7を有して構成されている。
【0029】
図2、図7に示すごとく、保管ボックス2は、その内部に複数のボルト8を配置して保管するよう構成してある。図1、図3、図6に示すごとく、流下レール部3は、保管ボックス2から斜め下方に向けて配設してあり、保管ボックス2から流下したボルト8を1列に並べた状態で順次流下させるよう構成してある。
図1、図3に示すごとく、落下受部4は、流下レール部3の下流側端部32の下方に配設してあり、この下流側端部32から落下するボルト8を受け、このボルト8を当該落下受部4の下部に形成したボルト排出口41から排出するよう構成してある。
【0030】
図1、図4、図5に示すごとく、押込操作部5は、落下受部4におけるボルト排出口41の下方に配設してあり、作業者によって押込み操作できるよう構成してある。流下制限部6は、流下レール部3の途中に配設してあり、流下レール部3におけるボルト8の流下を阻止する流下阻止状態601と、流下レール部3におけるボルト8を落下受部4に向けて1本だけ流下させる流下許可状態602とに切り替わるよう構成してある。
【0031】
制御手段7は、流下制限部6を流下阻止状態601(図4、図12参照)と流下許可状態602(図5、図13参照)との間で切り替えるよう構成してある。また、図5に示すごとく、制御手段7は、押込操作部5を押込み操作したときには、流下制限部6を流下阻止状態601から流下許可状態602に切り替え、流下レール部3から落下受部4へ1本だけ落下したボルト8をボルト排出口41から排出するよう構成してある。
【0032】
以下に、本例のボルト取出補助装置1につき、図1〜図15と共に詳説する。
図3に示すごとく、本例のボルト取出補助装置1によって作業者に供給するボルト8は、自動車部品等のワークに溶接を行って用いる溶接用ボルト8である。溶接用ボルト8は、ナット等を螺合するためのねじ部81と、ねじ部81の軸方向端部に設けられ円盤形状を有する頭部82とからなる。そして、溶接用ボルト8は、頭部82をワークに溶接することによって、ワークに固定される。
また、本例のボルト取出補助装置1は、工場内において、溶接用ボルト8の溶接を行う溶接作業工程において用いる。
【0033】
本例においては、図1、図2、図6、図7に示すごとく、サイズの異なる2種類のボルト8をそれぞれ保管するために、2つのボルト取出補助装置1A、Bを隣接配設している。第1のボルト取出補助装置1Aは、第1のボルト8A(本例ではM6のボルト)を流下させる第1の流下レール部3Aを有しており、第2のボルト取出補助装置1Bは、第1のボルト8Aよりも大きな外径の第2のボルト8B(本例ではM8のボルト)を流下させる第2の流下レール部3Bを有している。
【0034】
また、第1のボルト取出補助装置1Aの構成と、第2のボルト取出補助装置1Bの構成とは、流下レール部3等のボルト8のサイズに関係する一部の構成部品が異なるのみであり、以下の各構成部品の説明において、何の断りもないときには両方のボルト取出補助装置1について説明するものとする。
【0035】
図8、図9に示すごとく、上記保管ボックス2は、工場内に設置した立設支柱11に固定してあり、流下レール部3は、立設支柱11から水平方向に固定した水平ベース12に、支持柱121を介して配設してある。また、落下受部4及び押込操作部5は、水平ベース12に固定した固定部材13に配設してあり、流下制限部6は、流下レール部3に配設してある。
【0036】
図1、図6、図10に示すごとく、上記流下レール部3は、一対の流下壁31を備えており、この一対の流下壁31は、互いに対向する内面側の上端部に段差溝311を形成してなる。この段差溝311は、流下レール部3の形成方向(ボルト8の流下方向L)に沿って形成してあり、段差溝311同士の間の間隔(段差溝311の内側面同士の間の間隔)は、ボルト8の頭部82が入る間隔に形成してある。流下壁31同士の間には、ボルト8のねじ部81が入る隙間が形成してある。
そして、図10に示すごとく、本例の流下レール部3は、一対の流下壁31の各段差溝311にボルト8の頭部82を載せると共に、流下壁31同士の間の隙間にボルト8のねじ部81を配置して、当該ボルト8を流下させるよう構成してある。
【0037】
図1、図3、図6に示すごとく、流下レール部3の下流側端部32には、一対の流下壁31を流下するボルト8を落下させるためのレール落下穴321が形成してある。このレール落下穴321は、ボルト8の頭部82の外径よりも大きな内径を有して形成してある。
また、図10に示すごとく、一対の流下壁31の上端部には、各流下壁31における段差溝311等にゴミ等が入ることを防止するカバー34が、開閉可能に配設してある。
【0038】
図1、図3に示すごとく、上記落下受部4は、上記ボルト排出口41の上方にこのボルト排出口41の直径よりも拡径したボルト受入口42を備えている。落下受部4は、ボルト受入口42とボルト排出口41との間を下方に向けて縮径する円筒壁43によって連通させた下方縮径カップ形状を有している。そして、落下受部4におけるボルト排出口41の中心を通る仮想中心軸線C1と、流下レール部3におけるレール落下穴321の中心を通る仮想中心軸線C2とはオフセットしている。
【0039】
図3に示すごとく、本例の落下受部4は、流下レール部3におけるボルト排出口41の形成位置に対して、流下レール部3におけるボルト8の流下方向Lの下流側にオフセットした位置に配設してある。そして、落下受部4におけるボルト排出口41は、流下レール部3におけるレール落下穴321に対して、上記流下方向Lの下流側にオフセットした位置に配設してある。
また、落下受部4は、上記水平ベース12に固定した固定部材13に配設してあり、ボルト排出口41は、固定部材13に形成した貫通口131と連通されている。
【0040】
図1、図6に示すごとく、上記第2のボルト取出補助装置1Bにおける第2の流下レール部3Bの途中には、第2のボルト8B(本例ではM8のボルト)を流下させる一方、第1のボルト8A(本例ではM6のボルト)を落下させて排除するための不要ボルト排除穴35が形成してある。この不要ボルト排除穴35は、第1のボルト8Aの頭部82の外径よりも大きく、第2のボルト8Bの頭部82の外径よりも小さな幅(流下方向Lに直交する方向の幅)を有している。また、不要ボルト排除穴35は、流下レール部3の形成方向に向けて長い長穴状に形成してある。
そして、第2のボルト取出補助装置1Bにおける第2の流下レール部3Bに、第1のボルト8Aが混流してしまったときには、この第1のボルト8Aは、不要ボルト排除穴35から落下させて排除することができる。
【0041】
図1、図4、図6に示すごとく、上記流下制限部6は、流下レール部3におけるボルト8の流下方向Lの下流側に配設した第1流下制限シリンダー61Aと、この第1流下シリンダーの上流側に配設した第2流下制限シリンダー61Bとを備えている。
各流下制限シリンダー61A、Bは、シリンダー本体部611と、このシリンダー本体部611に対して移動する可動部612とを有している。各流下制限シリンダー61A、Bは、空気圧によって動作するエアシリンダーである。
【0042】
図10に示すごとく、各流下制限シリンダー61A、Bは、その各可動部612を、流下レール部3における一対の流下壁31同士の間の隙間へ突出させて、流下レール部3におけるボルト8の流下を阻止する突出位置603と、流下レール部3における一対の流下壁31同士の間の隙間から退避させて、流下レール部3におけるボルト8の流下を許可する退避位置604とにそれぞれ移動させるよう構成してある。
【0043】
図3に示すごとく、各流下制限シリンダー61A、Bにおける可動部612同士の間の配設間隔Wは、これらの間にボルト8のねじ部81を1本だけ配置する間隔になっている。各流下制限シリンダー61A、Bにおける可動部612は、流下レール部3に1列に整列して保持されたボルト8のねじ部81同士の間に挿入配置可能である。
【0044】
上記制御手段7(後述する流下制限用制御バルブ71)は、図3、図6に示すごとく、上記流下阻止状態601においては、第1流下制限シリンダー61Aにおける可動部612を突出位置603にすると共に、第2流下制限シリンダー61Bにおける可動部612を退避位置604にし、一方、図4、図5に示すごとく、上記流下許可状態602においては、第1流下制限シリンダー61Aにおける可動部612を退避位置604にすると共に、第2流下制限シリンダー61Bにおける可動部612を突出位置603にするよう構成してある。
【0045】
また、図10、図12に示すごとく、第1流下制限シリンダー61A及び第2流下制限シリンダー61Bは、空気圧が遮断されたときにはバネSの付勢力によって、可動部612をシリンダー本体部611内に戻す戻り付勢型の単動シリンダーからなる。
そして、第1流下制限シリンダー61Aの下部(上部にしても良い。)には、空気圧が遮断されたときにはバネSの付勢力によって、可動部612をシリンダー本体内から突出させる突出付勢型の単動シリンダーからなるバックアップシリンダー62が配設してある。これにより、稼動停止時に各流下阻止シリンダー61A、Bへ供給される空気圧が遮断されたときには、バックアップシリンダー62の可動部612が、流下レール部3における一対の流下壁31同士の間の隙間に突出して、流下レール部3に保持されたボルト8が不意に流下してしまうことを防止することができる。
【0046】
図1、図4、図5に示すごとく、上記押込操作部5は、上記落下受部4におけるボルト排出口41の下方に配設した傾斜操作板51と、上記落下受部4におけるボルト排出口41の開閉を行う開閉板52と、傾斜操作板51の操作を受けて開閉板52を移動させるリンク機構53とを有している。
傾斜操作板51は、ボルト排出口41の下方において、ボルト8の流下方向Lに向けて下方傾斜して配設してあり、ボルト8の流下方向Lの上流側の端部を中心に回動するよう構成してある。傾斜操作板51は、図4に示すごとく、ボルト排出口41の下方に位置する原位置501と、図5に示すごとく、押込み操作されて原位置501から回動した押込操作位置502とに移動するよう構成してあると共に、スプリング54によって原位置501に復帰するよう付勢されている。
【0047】
図1、図4、図5に示すごとく、リンク機構53は、傾斜操作板51から延長形成した第1リンク部531と、開閉板52から延長形成した第2リンク部532と、第1リンク部531と第2リンク部532とを連結する第3リンク部533とを有している。第1リンク部531は、傾斜操作板51の配設端部とは反対側の端部を中心に回動可能であり、第2リンク部532は、その中間部分を中心に回動可能であり、第3リンク部533は、第1リンク部531の中間部分と、第2リンク部532における開閉板52の配設端部とは反対側の端部とを連結している。スプリング54は、その一端が固定部材13に取り付けてあると共に、その他端が第1リンク部531に取り付けてある。
【0048】
そして、図5に示すごとく、作業者が、傾斜操作板51を原位置501から押込操作位置502へ押込み操作したときには、第1リンク部531が回動すると共に、第3リンク部533によって動力伝達されて第2リンク部532が回動して、開閉板52を、ボルト排出口41を開口する位置へ退避させることができる。
また、作業者が、傾斜操作板51の押込み操作を解除したときには、傾斜操作板51は、スプリング54による付勢力を受けて、押込操作位置502から原位置501へ復帰することができる。
【0049】
図3〜図5に示すごとく、上記押込操作部5は、傾斜操作板51が押込操作位置502に移動したことを検出する押込検出スイッチ75を備えている。
図12に示すごとく、この押込検出スイッチ75は、空気圧によって動作するメカニカルスイッチであり、空気が流入する入力ポートPと、空気が流出する出力ポートAと、空気を排気する排気ポートRとを備えている。押込検出スイッチ75は、入力ポートPを遮断すると共に出力ポートAと排気ポートRとを連通させる排気位置G1と、入力ポートPと出力ポートAとを連通させる供給位置G2とに移動可能である。
【0050】
そして、押込検出スイッチ75は、押込操作部5が押込み操作されていないときには、図12に示すごとく、バネSによる付勢力を受けて排気位置G1にあり、押込操作部5の押込み操作を受けて、検出部751が押されたときには、図13に示すごとく、排気位置G1から供給位置G2に移動するよう構成されている。
【0051】
図2、図7〜図9、図11に示すごとく、上記保管ボックス2は、容器部21と、この容器部21の底位置に配設し上下に揺動する揺動底部22とを備えており、容器部21内に保管するボルト8を、流下レール部3へ1列に整列させて流下させるよう構成してある。
図11に示すごとく、揺動底部22は、その上端部に、一対の揺動側壁222による揺動レール221を備えている。
【0052】
また、図7〜図9に示すごとく、流下レール部3における上流側端部33には、この上流側端部33を、揺動レール221における下流側端部224と連通させるための連通部材36が配設してある。この連通部材36は、流下レール部3における各流下壁31の上流側端部33にそれぞれ設けた一対の差込プレート361によって形成してある。各差込プレート361は、揺動底部22における一対の揺動側壁222同士の間に差し込んであり、揺動底部22における各揺動側壁222の内側面に対向配置してある。
そして、保管ボックス2内のボルト8は、揺動底部22の揺動動作を受けて、揺動レール221内に保持され、連通部材36を介して流下レール部3へ流下し、流下レール部3に保持される。
【0053】
また、図2に示すごとく、保管ボックス2は、揺動底部22を揺動させる揺動シリンダー24を有している。本例の揺動シリンダー24は、空気圧によって作動するエアシリンダーである。揺動底部22は、揺動レール221における下流側端部224を回転支点223として、揺動可能に容器部21に配設してある。
また、揺動底部22は、揺動シリンダー24によって、図8に示すごとく、揺動レール221における上流側端部225を上昇させる上昇位置201と、図9に示すごとく、揺動レール221における上流側端部225を下降させる下降位置202とに交互に移動して揺動するよう構成してある。
【0054】
また、図2、図8、図9に示すごとく、保管ボックス2は、揺動底部22が上昇位置201になったことを検出する上昇検出スイッチ76と、揺動底部22が下降位置202になったことを検出する下降検出スイッチ77とを備えている。また、揺動底部22には、上昇検出スイッチ76及び下降検出スイッチ77のいずれにも当接可能な検出ドッグ23が配設してある。
そして、図8に示すごとく、揺動底部22が上昇位置201に移動したときには、検出ドッグ23が上昇検出スイッチ76における検出部761に当接し、図9に示すごとく、揺動底部22が下降位置202に移動したときには、検出ドッグ23が下降検出スイッチ77における検出部771に当接する。
【0055】
図12に示すごとく、上昇検出スイッチ76及び下降検出スイッチ77は、空気圧によって動作するメカニカルスイッチであり、空気が流入する入力ポートPと、空気が流出する出力ポートAと、空気を排気する排気ポートRとを備えている。各検出スイッチ76、77は、入力ポートPを遮断すると共に出力ポートAと排気ポートRとを連通させる排気位置G1と、入力ポートPと出力ポートAとを連通させる供給位置G2とに移動可能である。
【0056】
そして、図12、図14に示すごとく、各検出スイッチ76、77は、その検出部761、771に検出ドッグ23が当接していないときには、バネSによる付勢力を受けて排気位置G1にあり、その検出部761、771に検出ドッグ23が当接したときには、排気位置G1から供給位置G2に移動するよう構成されている。
【0057】
また、図12に示すごとく、本例のボルト取出補助装置1は、押込検出スイッチ75を押込み操作する毎に(押込検出スイッチ75を排気位置G1から供給位置G2へ移動させる毎に)、音を発する警報笛78を有している。この警報笛78は、押込検出スイッチ75から排気される空気を利用して音を発するよう構成されている。
【0058】
本例のボルト取出補助装置1を構成する揺動シリンダー24、各流下制限シリンダー61A、B及びバックアップシリンダー62は、いずれも空気圧機器を用いて構成してあり、本例の制御手段7は、空気圧で制御動作するエア制御ソレノイドバルブを用いて形成したエアシーケンス回路10によって構成してある。
【0059】
具体的には、図12に示すごとく、本例の制御手段7は、上記各流下制限シリンダー61A、Bの移動制御を行う流下制限用制御バルブ71と、上記揺動シリンダー24の移動制御を行う揺動用制御バルブ72と、揺動用制御バルブ72の動作時間を決定するタイマー用制御バルブ73、74とを備えている。
流下制限用制御バルブ71、揺動用制御バルブ72及びタイマー用制御バルブ73、74は、いずれも空気圧によって切替制御可能なものであり、本例のボルト取出補助装置1を構成する各機器は、いずれも動力源を空気圧とする空気圧機器によって構成してある。
【0060】
上記流下制限用制御バルブ71は、図12に示すごとく、流下制限部6による流下阻止状態601を形成する原位置G1と、図13に示すごとく、押込検出スイッチ75の検出を受けて、流下制限部6による流下許可状態602を形成する操作位置G2とに切替制御可能である。
上記揺動用制御バルブ72は、図12に示すごとく、下降検出スイッチ77の検出を受けて、揺動シリンダー24を操作して揺動底部22を下降位置202から上昇位置201へ移動させる第1操作位置G1と、図14に示すごとく、上昇検出スイッチ76の検出を受けて、揺動シリンダー24を操作して揺動底部22を上昇位置201から下降位置202へ移動させる第2操作位置G2とに切替制御可能である。
【0061】
上記タイマー用制御バルブ73、74は、図12に示すごとく、押込検出スイッチ75の検出を受けて、揺動用制御バルブ72を所定の設定時間動作させるよう構成してある。本例のタイマー用制御バルブ73、74は、タイマー設定を行うタイマー用メイン制御バルブ73と、タイマー設定の補助を行うタイマー用サブ制御バルブ74とからなる。
【0062】
図12に示すごとく、流下制限用制御バルブ71及び揺動用制御バルブ72は、空気が流入する入力ポートPと、空気が流出する2つの出力ポートAと、空気を排気する2つの排気ポートRとをそれぞれ備えている。そして、流下制限用制御バルブ71及び揺動用制御バルブ72は、図12に示すごとく、原位置G1においては、入力ポートPと第1出力ポートA1とを連通させると共に第2出力ポートA2と一方の排気ポートRとを連通させ、図13、図14に示すごとく、操作位置G2においては、入力ポートPと第2出力ポートA2とを連通させると共に第1出力ポートA1と他方の排気ポートRとを連通させるようそれぞれ構成されている。
【0063】
また、図12に示すごとく、流下制限用制御バルブ71は、シングルタイプのバルブであり、この流下制限用制御バルブ71を原位置G1に維持するためのバネSと、当該流下制限用制御バルブ71を操作位置G2に移動させるための制御ポートCとを有している。そして、流下制限用制御バルブ71は、図12に示すごとく、バネSによって原位置G1に維持されており、図13に示すごとく、制御ポートCに空気が供給されているときに、バネSによる付勢力に打ち勝って、操作位置G2に移動するよう構成されている。
【0064】
また、図12に示すごとく、揺動用制御バルブ72は、ダブルタイプのバルブであり、この揺動用制御バルブ72を第1操作位置G1に移動させるための第1制御ポートC1と、当該揺動用制御バルブ72を第2操作位置G2に移動させるための第2制御ポートC2とを有している。そして、揺動用制御バルブ72は、図14に示すごとく、第2制御ポートC2に空気が供給されたときに第2操作位置G2に移動し、図13に示すごとく、第1制御ポートC1に空気が供給されたときに第1操作位置G1に復帰するよう構成されている。
【0065】
図12に示すごとく、タイマー用サブ制御バルブ74は、空気が流入する入力ポートPと、空気が流出する出力ポートAと、空気を排気する排気ポートRとを備えている。そして、タイマー用サブ制御バルブ74は、図12に示すごとく、原位置G1においては、入力ポートPを遮断すると共に出力ポートAと排気ポートRとを連通させ、図13に示すごとく、操作位置G2においては、入力ポートPと出力ポートAとを連通させるよう構成されている。
【0066】
図12に示すごとく、タイマー用サブ制御バルブ74は、ダブルタイプのバルブであり、このタイマー用サブ制御バルブ74を原位置G1に移動させるための第1制御ポートC1と、当該タイマー用サブ制御バルブ74を操作位置G2に移動させるための第2制御ポートC2とを有している。そして、タイマー用サブ制御バルブ74は、図13に示すごとく、第2制御ポートC2に空気が供給されたときに操作位置G2に移動し、図12に示すごとく、第1制御ポートC1に空気が供給されたときに原位置G1に復帰するよう構成されている。
【0067】
また、図12に示すごとく、タイマー用メイン制御バルブ73は、空気が流入する入力ポートPと、空気が流出する出力ポートAと、空気を排気する排気ポートRとを備えている。そして、タイマー用メイン制御バルブ73は、原位置G1においては、出力ポートAと排気ポートRとを連通させ、操作位置G2においては、入力ポートPと出力ポートAとを連通させるよう構成されている。
また、タイマー用メイン制御バルブ73は、シングルタイプのバルブであり、このタイマー用メイン制御バルブ73を原位置G1に維持するためのバネSと、当該タイマー用メイン制御バルブ73を操作位置G2に移動させるためのタイマー制御ポートCとを有している。
【0068】
また、図12に示すごとく、タイマー制御ポートCには、タンクT及びピストンUを備えたタイマー作動部731が接続されている。このタイマー作動部731は、図15に示すごとく、タンクT内に徐々に空気を貯留し、このタンクT内の圧力が所定の設定圧力以上になったときに、バネSによる付勢力に打ち勝ってピストンUを移動させ、タイマー用メイン制御バルブ73を原位置G1から操作位置G2に移動させるよう構成されている。また、タイマー用メイン制御バルブ73は、図12に示すごとく、タンクT内の空気が排気されたときに、バネSの付勢力を受けてピストンUが元の位置に復帰することにより、操作位置G2から原位置G1に復帰するよう構成されている。
【0069】
また、図12に示すごとく、上記流下制限用制御バルブ71、タイマー用メイン制御バルブ73、タイマー用サブ制御バルブ74、押込検出スイッチ75、上昇検出スイッチ76及び下降検出スイッチ77の各入力ポートPには、空気が流れるエア配管15が接続されている。
また、バックアップシリンダー62の供給ポートHにも、空気が供給されるエア配管15が接続されている。
【0070】
また、同図に示すごとく、各エア配管15により、流下制限用制御バルブ71の第1出力ポートA1は、第1流下制限シリンダー61Aの供給ポートHに接続されており、流下制限用制御バルブ71の第2出力ポートA2は、第2流下制限シリンダー61Bの供給ポートHに接続されている。
また、エア配管15により、押込検出スイッチ75の出力ポートAは、流下制限用制御バルブ71の制御ポートCと、タイマー用サブ制御バルブ74の第2制御ポートC2に接続されている。
【0071】
また、図12に示すごとく、エア配管15により、タイマー用サブ制御バルブ74の出力ポートAは、揺動用制御バルブ72の入力ポートPと、タイマー用メイン制御バルブ73のタイマー制御ポートCにおけるタイマー作動部731とに接続されている。
また、エア配管15により、タイマー用メイン制御バルブ73の出力ポートAは、タイマー用サブ制御バルブ74の第1制御ポートC1に接続されている。
また、エア配管15により、押込検出スイッチ75の排気ポートRには、警報笛78が接続されている。
【0072】
また、同図に示すごとく、各エア配管15により、揺動用制御バルブ72の第1出力ポートA1は、揺動シリンダー24の出位置側ポートH1に接続されており、揺動用制御バルブ72の第2出力ポートA2は、揺動シリンダー24の戻位置側ポートH2に接続されている。
また、各エア配管15により、上昇検出スイッチ76の出力ポートAは、揺動用制御バルブ72の第1操作ポートC1に接続されており、下降検出スイッチ77の出力ポートAは、揺動用制御バルブ72の第2操作ポートC2に接続されている。
【0073】
なお、図12〜図15は、2つのボルト取出補助装置1のうちの一方のエアシーケンス回路10の構成を示しているが、他方のエアシーケンス回路10についても構成は同じである。
また、図12のエアシーケンス回路10に対して、図13〜図15のエアシーケンス回路10は、説明をわかりやすくするために、各制御バルブ71、72、73、各スイッチ74、75、76、各シリンダー61A、61B等が空気圧により動作した状態を示す。
【0074】
次に、上記各制御バルブからなる制御手段7を用いて、ボルト取出補助装置1の制御を行う方法につき説明する。
なお、以下の制御方法は、第1のボルト取出補助装置1A及び第2のボルト取出補助装置1Bのいずれについても同じである。
【0075】
まず、図4、図12に示すごとく、作業者によって、押込操作部5における傾斜操作板51が押込み操作されていない状態においては、傾斜操作板51が原位置501にあり、押込検出スイッチ75は排気位置G1に維持されている。この状態においては、図12に示すごとく、流下制限用制御バルブ71も原位置G1に維持されており、図4、図6に示すごとく、流下制限部6が流下阻止状態601にあって、第1流下制限シリンダー61Aにおける可動部612が突出位置603にあると共に、第2流下制限シリンダー61Bにおける可動部612が退避位置604にある。このとき、流下レール部3におけるボルト8は、第1流下制限シリンダー61Aにおける可動部612によって流下が阻止されている。
【0076】
また、図6、図7に示すごとく、保管ボックス2内には複数本のボルト8が保管されており、保管ボックス2から流下レール部3へボルト8が流下している。そして、図10に示すごとく、流下レール部3におけるボルト8は、その頭部82を一対の流下壁31の各段差溝311に載せると共に、そのねじ部81を流下壁31同士の間の隙間に配置して、ボルト8の流下方向Lに向けて1列に並んだ状態で流下して保持される。
【0077】
次いで、図5に示すごとく、作業者が押込操作部5における傾斜操作板51を押込み操作すると、傾斜操作板51が原位置501から押込操作位置502へ移動し、押込検出スイッチ75が排気位置G1から供給位置G2へ移動する。
そして、図13に示すごとく、押込検出スイッチ75を経由して、流下制限用制御バルブ71の制御ポートCに空気が流れ、流下制限用制御バルブ71が原位置G1から操作位置G2へ移動し、流下制限部6が流下許可状態602になる。そして、第1流下制限シリンダー61Aにおける可動部612が退避位置604へ移動すると共に、第2流下制限シリンダー61Bにおける可動部612が突出位置603へ移動する。
【0078】
このとき、図5に示すごとく、流下レール部3において、第1流下制限シリンダー61Aにおける可動部612に当接する最も下流側に位置する最下流側ボルト8aが、落下受部4に向けて流下すると共に、最下流側ボルト8aの上流側に隣接する上流側ボルト8bが、第2流下制限シリンダー61Bにおける可動部612によって流下が阻止される。
そして、1本の最下流側ボルト8aが、流下レール部3の下流側端部32から落下受部4に向けて落下し、落下受部4におけるボルト排出口41から排出される。これにより、作業者による押込操作部5の押込み操作を受けて、ボルト取出補助装置1は、作業者へボルト8を1本だけ供給することができる。
【0079】
その後、作業者が押込操作部5における傾斜操作板51の押込み操作を解除すると、図14に示すごとく、流下制限用制御バルブ71は、バネSの付勢力を受けて操作位置G2から原位置G1へ復帰する。そして、流下制限部6が再び流下許可状態602になって、第1流下制限シリンダー61Aにおける可動部612が再び突出位置603に移動すると共に、第2流下制限シリンダー61Bにおける可動部612が再び退避位置604に移動する。こうして、流下レール部3におけるボルト8は、再び第1流下制限シリンダー61Aにおける可動部612によって流下が阻止される。
また、作業者が傾斜操作板51の押込み操作を解除して、押込検出スイッチ75が供給位置G2から原位置G1へ復帰するときには、警報笛78が鳴って作業者に注意を促がす。
【0080】
また、図13に示すごとく、上記押込検出スイッチ75が排気位置G1から供給位置G2へ移動したときには、押込検出スイッチ75を経由して、タイマー用サブ制御バルブ74の第2制御ポートC2にも空気が流れる。そして、タイマー用サブ制御バルブ74が原位置G1から操作位置G2へ移動し、タイマー用サブ制御バルブ74を経由して、揺動用制御バルブ72の入力ポートPへ空気が供給される。
【0081】
同図に示すごとく、揺動用制御バルブ72の入力ポートPへ空気が供給されると、揺動用制御バルブ72が第1操作位置G1にあるときには、揺動用制御バルブ72の出力ポートAから揺動シリンダー24の出位置側ポートH1に空気が供給される。そして、揺動シリンダー24により揺動底部22が上昇位置201に向けて移動する。
次いで、図8、図14に示すごとく、揺動底部22が上昇位置201まで移動したときには、検出ドッグ23が上昇検出スイッチ76における検出部761に当接し、上昇検出スイッチ76が排気位置G1から供給位置G2へ移動する。これにより、上昇検出スイッチ76を経由して、揺動用制御バルブ72の第2制御ポートC2に空気が流れ、揺動用制御バルブ72が第1操作位置G1から第2操作位置G2へ移動する。
【0082】
揺動用制御バルブ72が第2操作位置G2へ移動したときには、揺動用制御バルブ72の出力ポートAから揺動シリンダー24の戻位置側ポートH2に空気が供給される。そして、揺動シリンダー24により揺動底部22が下降位置202に向けて移動する。
次いで、図9、図13に示すごとく、揺動底部22が下降位置202まで移動したときには、検出ドッグ23が下降検出スイッチ77における検出部771に当接し、下降検出スイッチ77が排気位置G1から供給位置G2へ移動し、揺動用制御バルブ72の第1制御ポートC1に空気が流れ、揺動用制御バルブ72が第2操作位置G2から第1操作位置G1へ再び移動する。
【0083】
以降は、上記と同様にして、揺動用制御バルブ72が第1操作位置G1と第2操作位置G2との間で交互に切り替わり、揺動シリンダー24によって揺動底部22を上昇位置201と下降位置202との間で交互に揺動させる。なお、揺動用制御バルブ72の入力ポートPへ空気が供給されるときには、揺動用制御バルブ72が第2操作位置G2にある場合もあるが、揺動用制御バルブ72、揺動シリンダー24、上昇検出スイッチ76及び下降検出スイッチ77の各動作は上記と同様である。
【0084】
このようにして、保管ボックス2における容器部21内に配置されたボルト8は、揺動底部22における揺動レール221の上に配置され、揺動底部22を上昇位置201と下降位置202との間で交互に移動させることにより、図11に示すごとく、一対の揺動側壁222における各上端部にボルト8の頭部82が載ると共に、一対の揺動側壁222同士の間にボルト8のねじ部81が配置される。そして、図7に示すごとく、揺動レール221に配置されたボルト8は、揺動底部22の揺動動作を受けて、揺動レール221における下流側端部224から、流下レール部3における上流側端部33へと流下する。
【0085】
また、図13に示すごとく、タイマー用サブ制御バルブ74が原位置G1から操作位置G2へ移動したときには、タイマー用サブ制御バルブ74を経由して、タイマー用メイン制御バルブ73のタイマー作動部731にも空気が流れる。
そして、図15に示すごとく、タイマー作動部731に流れた空気は、タンクTに徐々に貯留され、このタンクT内に所定圧力まで空気が貯留されると、ピストンUが作動して、タイマー用メイン制御バルブ73が原位置G1から操作位置G2へ移動する。
【0086】
このとき、タイマー用メイン制御バルブ73の出力ポートAからタイマー用サブ制御バルブ74の第1制御ポートC1へ空気が流れ、タイマー用サブ制御バルブ74が操作位置G2から原位置G1へ復帰する。これにより、揺動用制御バルブ72の入力ポートPへの空気の供給が停止され、揺動シリンダー24の揺動が停止される。
このように、タイマー用メイン制御バルブ73及びタイマー用サブ制御バルブ74を用いることにより、所定の設定時間だけ揺動シリンダー24を動作させることができる。そのため、必要以上に揺動シリンダー24を動作させて、空気を無駄に消費してしまうことを防止することができる。
【0087】
上記のごとく、押込操作部5は、落下受部4の下部に形成したボルト排出口41の下方に配設してある。これにより、作業者が、手の平側を上にして押込操作部5を操作したときには、落下受部4におけるボルト排出口41から指の腹の上又は手の平の上に1本のボルト8が落下する。そのため、作業者は、ボルト排出口41から落下した1本のボルト8を直接受け取って把持することができる。
【0088】
また、上記のごとく、本例の落下受部4におけるボルト排出口41は、流下レール部3におけるレール落下穴321に対して、上記流下方向Lの下流側にオフセットした位置に配設してある。そのため、ボルト受入口42から落下受部4内に入った1本のボルト8は、円筒壁43に衝突して滑り落ちることができる。これにより、流下レール部3から落下した1本のボルト8が、落下受部4におけるボルト排出口41に詰まってしまうことを防止することができ、ボルト取出補助装置1は、1本のボルト8を安定して円滑に排出することができる。
【0089】
それ故、本例のボルト取出補助装置1によれば、作業者へボルト8を1本だけ供給することができ、作業者が安定してボルト8を受け取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】実施例において、流下レール部の下流側端部、落下受部及び押込操作部の周辺を示す斜視図。
【図2】実施例において、保管ボックス及び流下レール部の上流側端部の周辺を示す斜視図。
【図3】実施例において、流下レール部の下流側端部、落下受部及び押込操作部の周辺を示す断面図。
【図4】実施例において、流下レール部の下流側端部、落下受部及び押込操作部の周辺を示す図で、押込操作部が押込み操作されていない状態を示す正面図。
【図5】実施例において、流下レール部の下流側端部、落下受部及び押込操作部の周辺を示す図で、押込操作部が押込み操作された状態を示す正面図。
【図6】実施例において、流下レール部の下流側端部、落下受部及び押込操作部の周辺を示す平面図。
【図7】実施例において、保管ボックス及び流下レール部の上流側端部の周辺を示す平面図。
【図8】実施例において、揺動底部が上昇位置にある状態のボルト取出補助装置を示す正面図。
【図9】実施例において、揺動底部が下降位置にある状態のボルト取出補助装置を示す正面図。
【図10】実施例において、流下レール部におけるボルトの流下を阻止している状態の流下制限部を示す断面図。
【図11】実施例において、揺動底部におけるボルトの配置状態を示す断面図。
【図12】実施例において、ボルト取出補助装置のエアシーケンス回路を示す図で、流下制限用制御バルブが原位置にある状態を示す回路図。
【図13】実施例において、ボルト取出補助装置のエアシーケンス回路を示す図で、流下制限用制御バルブ及びタイマー用サブ制御バルブが操作位置へ移動した状態を示す回路図。
【図14】実施例において、ボルト取出補助装置のエアシーケンス回路を示す図で、揺動用制御バルブが第2操作位置へ移動した状態を示す回路図。
【図15】実施例において、ボルト取出補助装置のエアシーケンス回路を示す図で、タイマー用メイン制御バルブが操作位置へ移動した状態を示す回路図。
【符号の説明】
【0091】
1 ボルト取出補助装置
2 保管ボックス
201 上昇位置
202 下降位置
21 容器部
22 揺動底部
221 揺動レール
23 検出ドッグ
24 揺動シリンダー
3 流下レール部
31 流下壁
32 下流側端部
321 レール落下穴
33 上流側端部
4 落下受部
41 ボルト排出口
42 ボルト受入口
43 円筒壁
5 押込操作部
501 原位置
502 押込操作位置
51 傾斜操作板
6 流下制限部
601 流下阻止状態
602 流下許可状態
603 突出位置
604 退避位置
61A 第1流下制限シリンダー
61B 第2流下制限シリンダー
612 可動部
7 制御手段
71 流下制限用制御バルブ
72 揺動用制御バルブ
73 タイマー用メイン制御バルブ
74 タイマー用サブ制御バルブ
75 押込検出スイッチ
76 上昇検出スイッチ
77 下降検出スイッチ
8 ボルト
81 ねじ部
82 頭部
L 流下方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保管する複数本のボルトの中から1本だけを取り出すためのボルト取出補助装置であって、
複数のボルトを保管する保管ボックスと、
該保管ボックスから斜め下方に向けて配設し、該保管ボックスから流下した上記ボルトを1列に並べた状態で順次流下させる流下レール部と、
該流下レール部の下流側端部の下方に配設し、該下流側端部から落下する上記ボルトを受ける落下受部と、
該落下受部の下部に形成したボルト排出口の下方に配設し、押込み操作される押込操作部と、
上記流下レール部の途中に配設し、該流下レール部における上記ボルトの流下を阻止する流下阻止状態と、上記流下レール部における上記ボルトを上記落下受部に向けて1本だけ流下させる流下許可状態とに切り替わる流下制限部と、
該流下制限部を上記流下阻止状態と上記流下許可状態との間で切り替える制御手段とを有しており、
該制御手段は、上記押込操作部を押込み操作したときには、上記流下制限部を上記流下阻止状態から上記流下許可状態に切り替え、上記流下レール部から上記落下受部へ1本だけ落下した上記ボルトを上記ボルト排出口から排出するよう構成してあることを特徴とするボルト取出補助装置。
【請求項2】
請求項1において、上記流下レール部は、一対の流下壁を備えており、該一対の流下壁の各上端部に上記ボルトの頭部を載せると共に、上記一対の流下壁同士の間に上記ボルトのねじ部を配置して、当該ボルトを流下させるよう構成してあり、上記一対の流下壁の下流側端部には、該一対の流下壁を流下する上記ボルトを落下させるためのレール落下穴が形成してあり、
上記落下受部は、上記ボルト排出口の上方に該ボルト排出口の直径よりも拡径したボルト受入口を備え、該ボルト受入口と上記ボルト排出口との間を下方に向けて縮径する円筒壁によって連通させてなる下方縮径カップ形状を有しており、
上記レール落下穴の中心を通る仮想中心軸線と、上記ボルト排出口の中心を通る仮想中心軸線とがオフセットしていることを特徴とするボルト取出補助装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、上記流下制限部は、上記流下レール部における上記ボルトの流下方向の下流側に配設した第1流下制限シリンダーと、該第1流下シリンダーの上流側に配設した第2流下制限シリンダーとを備えており、
該各流下制限シリンダーは、その各可動部を、上記流下レール部における上記一対の流下壁同士の間へ突出させて上記ボルトの流下を阻止する突出位置と、上記流下レール部における上記一対の流下壁同士の間から退避させて上記ボルトの流下を許可する退避位置とにそれぞれ移動させるよう構成してあり、
上記各流下制限シリンダーにおける可動部同士の間の配設間隔は、これらの間に上記ボルトを1本だけ配置する間隔になっており、
上記制御手段は、上記流下制限状態においては、上記第1流下制限シリンダーにおける可動部を上記突出位置にすると共に、上記第2流下制限シリンダーにおける可動部を上記退避位置にし、一方、上記流下許可状態においては、上記第1流下制限シリンダーにおける可動部を上記退避位置にすると共に、上記第2流下制限シリンダーにおける可動部を上記突出位置にするよう構成してあることを特徴とするボルト取出補助装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項において、上記押込操作部は、上記ボルト排出口の下方において、上記ボルトの流下方向に向けて下方傾斜して配設され該流下方向の上流側の端部を中心に回動する傾斜操作板を備えており、
該傾斜操作板は、上記ボルト排出口の下方に位置する原位置と、押込み操作されて上記原位置から回動した押込操作位置とに移動するよう構成してあると共に、スプリングによって上記原位置に復帰するよう付勢されていることを特徴とするボルト取出補助装置。
【請求項5】
請求項4において、上記押込操作部は、上記傾斜操作板が上記押込操作位置に移動したことを検出する押込検出スイッチを備えており、
上記制御手段は、上記流下制限部による上記流下制限状態を形成する原位置と、上記押込検出スイッチの検出を受けて、上記流下制限部による上記流下許可状態を形成する操作位置とに切替制御可能である流下制限用制御バルブを備えていることを特徴とするボルト取出補助装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項において、上記保管ボックスは、容器部と、該容器部の底位置に配設し上下に揺動する揺動底部とを備えており、
該揺動底部は、その上端部に一対の揺動側壁による揺動レールを備えており、該揺動レールにおける下流側端部と、上記流下レール部における上流側端部とを連通させるよう構成してあると共に、当該揺動レールにおける下流側端部を回転支点とし、該揺動レールにおける上流側端部を上昇させる上昇位置と、該揺動レールにおける上流側端部を下降させる下降位置とに交互に移動して揺動するよう構成してあることを特徴とするボルト取出補助装置。
【請求項7】
請求項6において、上記保管ボックスは、上記揺動底部を上記上昇位置と上記下降位置との間で移動させる揺動シリンダーと、上記揺動底部が上記上昇位置になったことを検出する上昇検出スイッチと、上記揺動底部が上記下降位置になったことを検出する下降検出スイッチとを備えており、
上記制御手段は、上記下降検出スイッチの検出を受けて、上記揺動シリンダーを操作して上記揺動底部を上記下降位置から上記上昇位置へ移動させる第1操作位置と、上記上昇検出スイッチの検出を受けて、上記揺動シリンダーを操作して上記揺動底部を上記上昇位置から上記下降位置へ移動させる第2操作位置とに切替制御可能である揺動用制御バルブとを備えていることを特徴とするボルト取出補助装置。
【請求項8】
請求項7において、上記制御手段は、上記押込検出スイッチの検出を受けて、上記揺動用制御バルブを所定の設定時間動作させるタイマー用制御バルブを備えていることを特徴とするボルト取出補助装置。
【請求項9】
請求項8において、上記第1流下制限シリンダー、上記第2流下制限シリンダー、上記押込検出スイッチ、上記揺動シリンダー、上記上昇検出スイッチ、上記下降検出スイッチ、上記流下制限用制御バルブ、上記揺動用制御バルブ及び上記タイマー用制御バルブは、いずれも空気圧によって動作する空気圧機器であることを特徴とするボルト取出補助装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項において、上記ボルト取出補助装置は、2つ隣接して配設してあり、
第1のボルト取出補助装置は、第1のボルトを流下させる第1の上記流下レール部を有しており、第2のボルト取出補助装置は、上記第1のボルトよりも大きな外径の第2のボルトを流下させる第2の上記流下レール部を有しており、
該第2の流下レール部の途中には、上記第2のボルトを流下させる一方上記第1のボルトを落下させて排除するための不要ボルト排除穴が形成してあることを特徴とするボルト取出補助装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−112539(P2007−112539A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−303281(P2005−303281)
【出願日】平成17年10月18日(2005.10.18)
【出願人】(000142115)株式会社協豊製作所 (26)
【Fターム(参考)】