説明

ポリアミック酸微粒子またはポリイミド微粒子、ポリアミック酸微粒子の製造方法およびポリイミド微粒子の製造方法

【課題】平滑な表面を有する球状複合化ポリイミド微粒子及びポリアミック酸微粒子とその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】芯材微粒子(D)の外層に、少なくとも2層のポリアミック酸層および/またはポリイミド層を有し、表面粗さが20nm未満である表面が平滑なポリアミック酸またはポリイミド微粒子、好ましくは芯材微粒子(D)の外層に設けられたポリアミック酸層および/またはポリイミド層の層厚が0.1〜400μmであるポリアミック酸またはポリイミド微粒子を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリアミック酸微粒子またはポリイミド微粒子、ポリアミック酸微粒子の製造方法およびポリイミド微粒子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリイミドは耐熱性や電気的性質が優れているため、耐熱性材料や絶縁性材料として、フィルム、コーティング剤、微粒子等の各種形態で、電子材料、液晶、接着剤、塗料などの分野で幅広く用いられている。このポリイミドを均一な微粒子として製造することができれば、電機・電子材料等として非常に有用である。
【0003】
従来、ポリイミド微粒子は、例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物をN-メチルピロリドン(NMP)やN,N−ジメチルホルムアミド等のポリアミック酸が可溶な溶媒中で反応させ、ワニスを調製し、このワニスを加熱しイミド化反応を進める過程で溶解性の違いにより析出させる方法や、ポリイミドの固形物を粉砕して微粒子を調整する方法が知られている。しかしながら、これらの方法で得られるポリイミド微粒子は、多くのものが不定形であり、粒子径分布が広く、粒子径も大きいため電子材料分野など各分野への展開があまり進まなかった。
【0004】
そこで、無水テトラカルボン酸類溶液と、ジアミン類溶液を混合し、混合溶液からポリアミック酸を析出させ、粒子形状、粒子径分布等が制御できるポリアミック酸微粒子の製造方法が提案されている。(特許文献1)当該方法によれば、単一組成の粒子形状、粒子分布が揃ったポリイミド微粒子が得ることができた。
【0005】
しかし、近年、電子材料分野など各分野における近年の発展に伴い、微粒子材料にもより高水準の機械的強度、低熱膨張性、絶縁性などが要求されるようになってきており、単一組成のポリイミドではこれらの要求を満たすことができないということが明らかになってきた。
【0006】
このような状況の中、フィルム形状や他の成形体においては異なる特性を有する材料を複合化させ、より高性能化させる技術が用いられており、ポリイミド微粒子においてもこれら複合化の手法を用いた例が提案されている(例えば、特許文献2)。当該方法は、多層化のためにシード粒子表面からポリイミド前駆体の分子鎖を成長させ、これをイミド化させて厚さ3〜1000nm程度のポリイミド微粒子による層を形成させるものであるが、当該方法は、ポリイミド微粒子によって表面層が形成されているため、表面に凹凸が存在し、かつ形状の制御が困難であるといった問題があった。
【0007】
また、上記製造方法ではシード粒子から成長する分子鎖長が層の厚みに影響しており、合成上得られる分子鎖長に限界があるため、層の厚さに制限があった。さらに、反応中にシード粒子上での成長よりも反応液中で起こる副反応(重付加及び重縮合反応)が起こりやすく、反応収率が低いため工業化は困難であった。
【特許文献1】特開平11−140181号公報
【特許文献2】特開2004−10653号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、平滑な表面を有する球状複合化ポリイミド微粒子及びその前駆体である複合化ポリアミック酸微粒子とその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、前記課題を解決すべく、鋭意検討を行った結果、反応条件を制御し、ポリアミック酸微粒子またはポリイミド微粒子表面上に優先的に特性の異なる成分を析出させ、等方的なポリアミック酸層を形成させ、これを分子鎖の運動を抑制できる温度範囲で加熱してイミド化することにより、表面粗さが20nm未満の平滑な表面を有するポリイミド微粒子が得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0010】
すなわち、本発明は、芯材微粒子(D)の外層に、少なくとも2層のポリアミック酸層および/またはポリイミド層を有し、表面粗さが20nm未満である表面が平滑なポリアミック酸またはポリイミド微粒子;芯材微粒子(D)の存在下でテトラカルボン酸無水物(A)とジアミン化合物(B)を混合・反応させ、芯材微粒子(D)上に析出させることにより、芯材微粒子(D)上にポリアミック酸層を形成させ、シード微粒子(C)とした後にさらにテトラカルボン酸無水物(A)とジアミン化合物(B)(ただし、(D)上に成分層を形成させた際に用いたテトラカルボン酸無水物(A)およびジアミン化合物(B)の少なくとも一方は異なるものである)を混合、反応させ、シード微粒子(C)上にさらにポリアミック酸層を形成させることを特徴とするポリアミック酸の製造方法及び、当該方法で得られたポリアミック酸微粒子を構成成分のガラス転移点以下の温度でイミド化することを特徴とするポリイミド微粒子の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、容易に層数、層厚等を制御可能な多層構造を有し、粒子表面が平滑な球状ポリアミック酸複合微粒子及びポリイミド複合微粒子が得られる。また、各層の組成、導入量等を変更することによって所望の物性を有するポリマー微粒子を得することができる。さらにイミド化時の体積収縮率の異なるポリアミック酸層を形成させることにより、層間にポロシティを導入することができる。ポロシティの導入は屈折率を大幅に変更することができるため、光学材料への応用ができる。
【0012】
また、本発明の微粒子は、表面が平滑であるため、例えば、位相差を利用した光学微粒子材料用途に展開することができ、これらに適する1.0〜100μm程度の粒子径の複合微粒子を簡便に製造することができる。粒子表面の平滑性は、光学特性や、機械特性に大きな影響を与え、さらに特に硬質であるが脆いポリイミドについては、例えば、力学特性を必要とする用途において、荷重を加えた際に突起部分の局所的な破壊を起こす原因となるため、本発明の微粒子ではこれら性能の向上に有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明のポリアミック酸またはポリイミド微粒子(以下、ポリアミック酸またはポリイミド微粒子を、ポリイミド等微粒子ということがある。)は、芯材微粒子(D)(以下、(D)成分という)の外層に、少なくとも2層のポリアミック酸層および/またはポリイミド層を有し、表面粗さが20nm未満である表面が平滑なことを特徴としている。ここで、表面粗さは、数式1:表面粗さ(nm)=Σ{(LH1+LH2+LH3+LH4+LH5)/5−(LL1+LL2+LL3+LL4+LL5)/5}/n(式中、LHxは、凸部の半径(nm)であって、測定部分においてx番目に長い半径を表し、LLxは、凹部の半径(nm)であって、測定部分においてx番目に短い半径を表し、nは、サンプル数を表す。)により計算される値である。すなわち、n個(サンプル数)の微粒子の断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察し、それぞれの最も長い半径から5番目に長い半径までの和を5で除して得られた平均値と最も短い半径から5番目に短い半径までの和を5で除して得られた平均値の差を求め、それらを加えた後、nで除することにより得られた値である。
【0014】
本発明に用いられる(D)成分は、本発明のポリアミック酸またはポリイミド微粒子の核となるものである。(D)成分の材質は特に限定されず、公知のものを用いることができる。具体的には、ポリイミド、ポリアミック酸、ポリアミド、ポリウレタン、架橋ポリスチレン系樹脂、架橋アクリル系樹脂、等の有機高分子微粒子の他、シリカ、アルミナ、等の無機微粒子も用いることができる。(D)成分の粒子径は所望とするポリアミック酸またはポリイミド微粒子の粒子径に応じて適宜選択すればよい。なお、最終的に得られるポリアミック酸またはポリイミド微粒子の表面が平滑なものとするため、当該(D)成分の表面は平滑なものを用いることが好ましい。(D)成分としては、例えば、特開2006−183018号公報や特開平11−140181号公報などに記載の方法で調製したポリアミック酸微粒子またはポリイミド微粒子を用いることが好ましい。
【0015】
当該ポリイミド微粒子の前駆体であるポリアミック酸微粒子は、例えば、(D)成分の存在下でテトラカルボン酸無水物(A)(以下、(A)成分という)とジアミン化合物(B)(以下、(B)成分という)を混合・反応させ、(D)上に析出させることにより、(D)成分上にポリアミック酸層を形成させ、シード微粒子(C)(以下、(C)成分という)とした後にさらに(A)成分と(B)成分(ただし、(D)上に成分層を形成させた際に用いたテトラカルボン酸無水物(A)およびジアミン化合物(B)の少なくとも一方は異なるものである)を混合、反応させ、(C)成分上にさらにポリアミック酸層を形成させることにより得られる。ここで(C)成分において、最外層とその1つ下の層のポリアミック酸はその構成原料が異なるものである。そして、このようにして得られた2層のポリアミック酸層を有する微粒子を用いて同様の操作をn−2回繰り返すことにより、n個のポリアミック酸層を有する微粒子を得ることができる。なお、n個の層を持つ多層構造ポリアミック酸微粒子を合成する場合は、(C)成分は(n−1)個の層を持つ多層構造ポリアミック酸微粒子をいう。この様にして得られた多層構造ポリアミック酸微粒子を構成成分のガラス転移点以下の温度でイミド化することで多層構造を有するポリイミド微粒子が得られる。
【0016】
本発明に用いられる(A)成分としては、通常、ポリイミドの製造に用いられるテトラカルボン酸無水物であれば特に限定されず公知のものを使用することができる。具体的には、例えば、3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3´,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、1,3−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、2,3,3´,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2´,3,3´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2´,3,3´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2´,6,6´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、アントラセン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,8,9,10−テトラカルボン酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物;ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物等の脂肪族テトラカルボン酸二無水物;シクロブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物等の脂環族テトラカルボン酸二無水物;チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、ピリジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸無水物等の複素環族テトラカルボン酸二無水物等を用いることができる。これらは、1種を単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。本発明では、特にBTDA、ピロメリット酸二無水物等が好ましい。また、本発明では、無水テトラカルボン酸の一部を相当するテトラ酸クロライドで置換したものを使用することができる。
【0017】
また、本発明の効果を損なわない範囲で、トリメリット酸無水物、ブタン−1,2,4−トリカルボン酸、ナフタレン−1,2,4−トリカルボン酸などのトリカルボン酸類、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ビメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸類の酸無水物、イソフタル酸、テレフタル酸、ジフェニルメタン−4,4´−ジカルボン酸など芳香族ジカルボン酸類の酸無水物を併用することができる。但し、テトラカルボン酸類に対するこれらの割合が多すぎると、得られるポリマーの耐熱性が悪化する傾向があるため、通常、その使用量は(A)成分中、30モル%以下であることが好ましい。
【0018】
本発明に用いられる(B)成分としては、通常、ポリイミドの製造に用いられるジアミン類であれば特に限定されず、公知のものを使用することができる。具体的には、例えば、4,4´−ジアミノジフェニルメタン(DDM)、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル(DPE)、4,4´−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル(BAPB)、1,4´−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−Q)、1,3´−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−R)、1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)アルカン(DA5MG)、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)アルカン(DA4MG)、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)アルカン(DA3MG)、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,4´−ジアミノジフェニルエーテル、4,4´−ジアミノジフェニルスルフォン、3,4−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3´−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4´−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、3,3´−ジメチル−4,4´−ジアミノビフェニル、4,4´−ジアミノジフェニルスルフィド、2,6´−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノクロロベンゼン、1,2−ジアミノアントラキノン、1,4−ジアミノアントラキノン、3,3´−ジアミノベンゾフェノン、3,4−ジアミノベンゾフェノン、4,4´−ジアミノベンゾフェノン、4,4´−ジアミノビベンジル、R(+)−2,2´−ジアミノ−1,1´−ビナフタレン、S(+)−2,2´−ジアミノ−1,1´−ビナフタレン等の芳香族ジアミン;1,2−ジアミノメタン、1,4−ジアミノブタン、テトラメチレンジアミン、1,10−ジアミノドデカン等の脂肪族ジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、4,4´−ジアミノジシクロヘキシルメタン等の脂環族ジアミンのほか、3,4−ジアミノピリジン、1,4−ジアミノ−2−ブタノン等を使用することができる。これらは、1種又は2種以上を混合して用いることができる。また、本発明では、本発明の効果を損なわない範囲で、他のアミン類(モノアミン、トリアミン等)も用いることができ、これらの中では、特にDPE、TPE−R、DA5MG等を用いることが好ましい。
【0019】
(A)成分及び(B)成分は、副反応の進行を抑制する点から、(A)成分、(B)成分をあらかじめ溶媒に溶解して溶液として使用することが好ましい。なお、(A)成分溶液及び(B)成分溶液を調製する際に用いる溶媒としては、(A)成分及び(B)成分と反応せず、(A)成分、及び(B)成分を溶解し、かつ、生成するポリマーが溶解しないものまたは難溶解性のものであれば特に限定されずに公知のものを用いることができる。
【0020】
具体的には、例えば、ケトン系溶媒、塩素系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ニトリル系溶媒、アミド系溶媒、芳香族系溶媒等が挙げられ、これらの一種を単独で用いても2種以上を併用してもよいう。ケトン系溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)等が挙げられる。塩素系溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン等が挙げられる。エーテル系溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル等が挙げられる。エステル系溶媒としては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル等が挙げられる。ニトリル系溶媒としては、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル等が挙げられる。アミド系溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチルピロリドン(NMP)等が挙げられる。芳香族系溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。これらの中では、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、ニトリル系溶媒、エーテル系溶媒を用いることが好ましく、特にケトン系、エーテル系溶媒が好ましい。また、例えばDMF、DMAc、NMP等の非プロトン極性溶媒のようなポリアミック酸の溶解性が高い溶媒であっても、アセトン、酢酸メチル、MEK、トルエン、キシレン等のポリアミック酸の貧溶媒と混合してポリアミック酸微粒子が生成するように調整すれば、これらも使用できる。
【0021】
(A)成分溶液の濃度は、用いる(A)成分の種類、(B)成分溶液の濃度、溶液とした場合の粘度等に応じて適宜設定すれば良いが、通常は0.001〜1モル/リットル程度、好ましくは0.01〜0.1モル/リットルとする。
【0022】
(B)成分溶液の濃度は、用いる(B)成分の種類、(A)成分溶液の濃度、溶液とした場合の粘度等に応じて適宜設定すれば良いが、通常は0.001〜1モル/リットル程度、好ましくは0.01〜0.1モル/リットルとする。
【0023】
本発明に用いられる(C)成分は、製造するポリイミド等微粒子の芯材となるものである。この(C)成分中の最中深部((D)成分)の組成及び粒径は特に限定されず、比重や使用する溶媒系への溶解性、分散安定性、ポリマー成分との密着性および所望とするポリマー微粒子の物性等を勘案して適宜選定すればよい。当該(D)成分は析出させるポリアミック酸と親和性の高い結合様式や官能基を持つことが好ましく、ポリアミック酸またはポリイミドが好適である。また、粒子径としては、0.1〜400μm程度のものを使用することができ、所望とするポリマー微粒子の粒子径よりも小さなものを用いればよい。特に、粒子形状、粒子径の揃ったものを用いることにより、均質なポリマー微粒子を得やすいため特に好ましい。なお、(D)成分を重合溶媒中に安定して分散させる目的で、必要に応じて分散安定剤を使用することもできる。
【0024】
本発明のポリマー微粒子の(C)成分は、例えば、溶媒中、(A)成分と(B)成分を(D)成分の存在下で混合、反応させて、生成するポリマーを(D)成分表面上に析出させ、ポリマー層を形成させることにより得られる。具体的には、例えば、(A)成分、(B)成分、(D)成分および溶媒を一括で仕込み、混合、重合させる方法、(D)成分の存在下で、あらかじめ(A)成分溶液と(B)成分溶液を混合した混合溶液を供給しながら、重合させる方法、(D)成分の存在下で、(A)成分溶液と(B)成分溶液を個別に供給しながら混合、重合させる方法などから選択することができる。特に、重合、粒子成長の制御が容易な点から、(D)成分の存在下で、あらかじめ(A)成分溶液と(B)成分溶液を混合した混合溶液を供給させる方法が好ましい。なお、(A)成分溶液と(B)成分溶液を混合する方法としては、混合効率が高く、温度制御が容易であり、反応制御が容易なためマイクロミキサーを用いて混合する方法が好ましい。なお、本発明において、マイクロミキサーとは、2以上の流入路および1以上の流出路並びに該2以上の流入路が合流する空間を有するものであって、合流空間につながる流入路の口径が、0.01〜100μm程度であるものをいう。なお、あらかじめ(A)成分溶液と(B)成分溶液を混合した混合液を供給する場合、(D)成分表面上でポリマー層を形成させるため、(A)成分溶液と(B)成分溶液を混合して混合液を調製する段階においては、ポリマーの析出が起こらないように反応条件を設定する必要がある。生成したポリマーの(D)成分表面以外でのポリマーの形成が生じた場合、(D)成分をシードとした粒子の成長と新粒子の形成および生成した新粒子をシードとした粒子の成長が同時に起こるため、粒子径分布が広がってしまい粒子径を制御することが難しくなる。また、重合時の混合方法としては、特に限定されず、公知の方法を採用すればよい。具体的には、例えば、攪拌羽根等で攪拌することにより混合してもよく、超音波照射で行ってもよい。超音波照射は、適宜公知の超音波装置、操作条件を採用すればよく、具体的には、例えば、28〜100kHz程度の周波数で行えばよい。
【0025】
本発明の微粒子を得るためには、例えば上記の方法によって得られたポリアミック酸微粒子を(C)成分とし、(A)成分、(B)成分(ただし、(D)上に成分層を形成させた際に用いたテトラカルボン酸無水物(A)およびジアミン化合物(B)の少なくとも一方は異なるものである)を反応させ、(C)成分上に析出させることにより、3層のポリアミック酸を有する微粒子を得ることができる。なお、同様の操作を繰り返すことにより、多層の所望の層を有する微粒子を得ることができる。例えば、(C)成分上にn層(nは2以上の整数)のポリアミック酸および/またはポリイミド層を有する微粒子を調製する場合には、(C)成分上にn−1層のポリアミック酸および/またはポリイミド層を有する微粒子をシード微粒子として用いれば良い。なお、(C)成分としては、ポリアミック酸をそのまま用いてもよいが、一旦、閉環反応をさせ、ポリイミド微粒子としたものを用いてもよい。
【0026】
得られるポリマー微粒子の粒子径は、(D)成分または(n−1)個の層を持つ多層構造粒子からなる(C)成分の粒子径、((A)成分+(B)成分)/(C)成分の比率を調整することにより制御することができる。例えば、((A)成分+(B)成分)/(C)成分の比率を一定にして、より大きな微粒子を製造する場合には、(C)成分の粒子径を大きくすれば良い。また、同じ粒子径の(C)成分を用いて、より大きな微粒子を製造するためには、((A)成分+(B)成分)/(C)成分の比率を高くすれば良い。通常は、平均粒子径は、0.2〜800μm程度とすることが好ましい。
【0027】
なお、(C)成分の粒子径分布が、得られるポリマー微粒子の粒子径分布に反映されるため、既知の方法により製造される粒子径の揃った(D)成分を使用することにより、従来方法では困難であった粒子径の揃った粒子径の大きな微粒子を容易に製造することができる。
【0028】
(A)成分と(B)成分の反応は、特に限定されず公知の条件で行えばよいが、通常は、−10℃〜50℃程度で行うことが、粒子径の制御が容易にできるため好ましい。特に、マイクロミキサーを用いて、あらかじめ(A)成分溶液と(B)成分溶液を混合、供給する場合、(A)成分溶液及び(B)成分溶液の供給速度は、特に限定されず、(A)成分と(B)成分との反応性により適宜選択すればよいが、通常、(A)成分/(B)成分の比(モル)が、0.9〜1.1程度となるようにそれぞれの供給速度を設定する事が収率等の面から好ましい。例えば、0.04モル/リットルの濃度の溶液を供給する場合には0.5〜100ミリリットル/分程度とすればよい。供給速度が遅い場合、製造時間が長時間となり現実的ではなく、供給速度が速すぎた場合には、(C)成分表面以外でのポリアミック酸の形成が起こりやすくなる場合がある。
【0029】
この様にして得られたポリアミック酸の数平均分子量(ゲルパーメーションクロマトグラフィー法によるポリスチレン換算値)は、2千〜50万程度であり、(C)成分及び(D)成分への選択的な析出がスムーズに進行するためには1千〜5万程度であることが好ましい。また、これらの分子量は反応の条件に起因するため、同条件で反応を進める限り、同一層内の分子量はほぼ一定となる。
【0030】
具体的には、例えば、BTDA−DPEからなるポリイミド微粒子を(D)成分として用い、(A)成分としてBTDAを(B)成分としてDA5MGを用いた場合には、BTAD−DPE/BTDA−DA5MGの2層構造を有するポリアミック酸微粒子が得られる。さらに、この2層構造を有するポリアミック酸微粒子を(C)成分として用い、(A)成分としてBTDAを(B)成分としてDPEを用いた場合には、BTAD−DPE/BTDA−DA5MG/BTAD−DPEの3層構造を有するポリアミック酸微粒子が得られる。
【0031】
なお、得られたポリアミック酸微粒子をさらにイミド閉環反応をさせることにより、ポリイミド微粒子が得られる。閉環の際にポリアミック酸のガラス転移点未満の温度であれば、ポリアミック酸微粒子において見られた表面の平滑性及び層構造をそのまま保持する事が出来る。なお、ポリアミック酸のイミド閉環反応は、加熱や触媒を添加する等の公知の方法で行えばよい。
【0032】
このようにして得られるポリイミド微粒子及び、ポリアミック酸微粒子の各層厚は通常0.1μm以上で任意の層厚を設計できるが、通常、0.1〜400μm程度、合成操作の簡便さからは0.4〜4.0μm程度であることが好ましい。
【0033】
なお、ポリアミック酸微粒子のイミド化において、各層の体積収縮率差を利用した微粒子設計によって、ポリイミド微粒子の各層間に5〜50nmのポロシティを形成させることが出来る。具体的には、例えば、外層にイミド化時の体積収縮率の小さなポリアミック酸層、内層にはそれよりもイミド化時の体積収縮率の大きなポリアミック酸層を導入すればよい。体積収縮率の小さなポリアミック酸の組成としては、例えば、PMDA−DPEやBTDA−DPEの組み合わせのような全芳香族系のポリアミック酸が例示でき、体積収縮率の大きなポリアミック酸としては、例えば、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物−DA5MGなどの脂肪族系モノマーを用いた組成や、BTDA−DA5MGなどの(A)成分及び(B)成分のどちらか一方のみが脂肪族系モノマーを使用した組成が例示される。
【実施例】
【0034】
以下に、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
また、平均粒子径等及び表面粗さは下記方法により決定した。
平均粒子径:微粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、任意の100個の微粒子を選び、これらの微粒子の粒子径を測定し、平均値を算出して決定した。
変動係数:前記方法により算出された平均粒子径の値から、数式:
C=[{1/(n−1)×Σ(M−X)}1/2 / X ]×100
C:変動係数、X:平均粒子径、M:粒子径実測値、n:サンプル数を表す。により、変動係数を決定した。変動係数が大きいほどばらつきが大きいことを示す。
表面粗さ:微粒子が埋抱されたマトリクス樹脂をミクロトーム等で切り出し、断面観察サンプルを調製する。これを透過型電子顕微鏡(TEM)で1粒の粒子断面を観察し、最長径がSEMによる表面観察で得られた平均粒子径と誤差±0.5%以内の粒子の断面像を選び、その観察粒子において最短半径の値とその他凹部の4箇所、凸部5箇所の半径の値を測定、以下の十点平均高さを利用した数式から表面粗さを算出した。
数式:
表面粗さ(nm)=Σ{(LH1+LH2+LH3+LH4+LH5)/5−(LL1+LL2+LL3+LL4+LL5)/5}/n
Hx:凸部の半径(nm)、LLx:凹部の半径(nm)(最短半径を含む)、n:サンプル数、(本実施例ではn=10)により、表面粗さを決定した。数値が小さいほど表面が平滑であることを示す。
【0035】
製造例1(芯材微粒子(D)の製造)
3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)のアセトン溶液(0.06モル/l)150mlと、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル(DPE)アセトン溶液(0.06モル/l)150mlを混合した後、38kHzの超音波((株)カイジョー製超音波洗浄機SONO CLEANER 100Zを使用)を照射しながら、25℃、30分間反応させ、ポリアミック酸微粒子のアセトン分散液300mlを得た。この分散液中に含まれる微粒子(D)は3.5gで、表面粗さ8nm、平均粒子径0.31μm、変動係数18.2%であった。
【0036】
実施例1
(A)成分溶液として3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物 (BTDA)のアセトン溶液(0.04モル/l)、(A´)成分溶液3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物 (BTDA)のアセトン溶液として(0.06モル/l)、(B)成分溶液として1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)アルカン(DA5MG)のアセトン溶液(0.04モル/l)、(B’)成分溶液として4,4´−ジアミノジフェニルエーテル(DPE)のアセトン溶液(0.06モル/l)、を調製した。マイクロミキサー(YM−1型、(株)山武製)を用い、図2に示すような反応装置を組み立て、ポリアミック酸微粒子の合成を実施した。攪拌装置がついた容量5000mlの微粒子調製槽に、製造例1で得られたシード微粒子(D)分散液20mlを加え、攪拌しながら(A)成分溶液、(B)成分溶液をそれぞれ40ml/分でマイクロミキサーを通じて混合し、供給した。なお、各溶液、ライン3、ライン4、マイクロミキサー5および微粒子調製槽7は5℃に保った。(A)成分溶液と(B)成分溶液との混合液を合計で3000ml流出させたのち、切り替えバルブを使用し、(A)成分液、(B)成分液の代わりに(A´)成分溶液、(B´)成分溶液をそれぞれ30ml/分の流速でマイクロミキサーを通じて混合し、供給した。液組成が切り替わったところで、送液を続けながら抜き出しバルブを開き2300mLの分散液を抜き出した。その後も送液を続け、(A´)成分溶液と(B´)成分溶液との混合液を合計で3300ml流出させながら反応を行い、得られた微粒子をろ過し、アセトンで洗浄、次いで乾燥させることによって、表面粗さ3nm、平均粒子径2.19μm、変動係数29.7%の3層構造を有するポリアミック酸微粒子48.2g(収率46.1%)を得た。SEM写真を図3に示す。
【0037】
実施例2
実施例1で得られた3層構造を有するポリアミック酸微粒子10.0gを、テトラリンに分散させ、加熱し、還流下4時間反応を行い、表面粗さ8nm、平均粒子径1.93μm、変動係数35.0%の3層構造を有するポリイミド微粒子9.5g(収率95.0%)を得た。SEM写真を図4に示す。また、得られた粒子のIR測定行い、1550cm−1のアミド基吸収帯が消失していること、1720cm−1、1380cm−1、及び720cm−1のイミド基特有の吸収帯の出現からイミド化が進行していること、さらに、図5に示す断面TEM写真にて微粒子が層構造を有すること及び層間に平均10nm程度のポロシティの形成を確認した。
【0038】
比較例1
3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物 (BTDA)のアセトン溶液(0.002モル/l)、及び、2,4,6−トリアミノピリミジン(TAPM)と4,4´−ジアミノジフェニルエーテル(DPE)の混合アセトン溶液(0.002モル/l TAPM:DPEのモル比は1:4)、をそれぞれ用意し、25℃でBTDAのアセトン溶液100mlとTAPMとDPEの混合アセトン溶液100mlを混合して38kHzの超音波((株)カイジョー製超音波洗浄機SONO CLEANER 100Zを使用)を照射しながら、25℃、30分間反応させ、ポリアミック酸微粒子のアセトン分散液200mlを得た。その後、ろ過にて析出物を回収しアセトン3回、キシレン3回で洗浄し、で表面に官能基を有するポリアミック酸微粒子(収率46.0%)を得た。回収したポリアミック酸微粒子0.3gを200mlキシレン中に分散させた後、4時間還流してイミド化を行った。イミド化した微粒子をろ過にて回収した後、キシレンで3回洗浄し、平均粒子径520nm、変動係数17.8%の表面に官能基を有するポリイミド微粒子229mg(収率76.3%)を得た。上記ポリイミド微粒子100mgをジメチルホルムアミド(DMF)10mlに分散させ、BTDA 644mgを加え1時間攪拌し、次にDPE400mgをDMF10mlに溶解した溶液を加え24時間攪拌した。反応終了後、ろ過にて微粒子を回収し、物理的に吸着したポリアミド酸をDMFで3回洗浄した後、キシレンで3回洗浄して表面がポリアミック酸膜で被覆されたポリイミド微粒子112.9mg(収率9.9%)を得た。上記微粒子90.0mgをDMF20mlとトルエン2mlとの混合溶媒中に分散し、4時間還流して表面のポリアミック酸層をイミド化した。反応終了後ろ過にて微粒子を回収し、アセトン3回、キシレン3回で洗浄した後、真空乾燥にて溶媒を留去して、表面粗さ52nm、平均粒子径500nm、変動係数18.5%の層構造化ポリイミド微粒子76.0mg(収率88.4%を得た。SEM写真を図6に示す。

【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は、微粒子の表面粗さを説明するための微粒子モデルの断面図である。
【図2】図2は、ポリマー微粒子製造装置の概念図である。
【図3】図3は、実施例1で得られたポリマー微粒子の走査型電子顕微鏡写真である。
【図4】図4は、実施例2で得られたポリマー微粒子の走査型電子顕微鏡写真である。
【図5】図5は、実施例2で得られたポリマー微粒子断面の透過型電子顕微鏡写真である
【図6】図6は、比較例1で得られたポリマー微粒子の走査型電子顕微鏡写真である。
【符号の説明】
【0040】
1 テトラカルボン酸酸無水物(A)溶液供給手段
2 ジアミン化合物(B)溶液供給手段
3 テトラカルボン酸酸無水物(A)溶液供給ライン
4 ジアミン化合物(B)溶液供給ライン
5 マイクロミキサー
6 混合物排出ライン
7 微粒子調製槽
8 送液切り替えバルブ
9 テトラカルボン酸酸無水物(A´)溶液供給手段
10 ジアミン化合物(B´)溶液供給手段
11 テトラカルボン酸酸無水物(A´)溶液供給ライン
12 ジアミン化合物(B´)溶液供給ライン
13 槽液抜き出しバルブ
14 槽液抜き出しライン


【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯材微粒子(D)の外層に、少なくとも2層のポリアミック酸層および/またはポリイミド層を有し、表面粗さが20nm未満である表面が平滑なポリアミック酸またはポリイミド微粒子。
【請求項2】
芯材微粒子(D)の外層に設けられたポリアミック酸層および/またはポリイミド層の層厚が0.1〜400μmであるポリアミック酸またはポリイミド微粒子。
【請求項3】
平均粒子径が、0.2〜800μmである請求項1または2に記載のポリアミック酸またはポリイミド微粒子。
【請求項4】
ポリアミック酸層および/またはポリイミド層を形成するポリアミック酸および/またはポリイミドの数平均分子量が1000〜500000である請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミック酸またはポリイミド微粒子。
【請求項5】
ポリイミド層間に5〜50nmのポロシティを有するポリイミド微粒子。
【請求項6】
芯材微粒子(D)の存在下でテトラカルボン酸無水物(A)とジアミン化合物(B)を混合・反応させ、芯材微粒子(D)上に析出させることにより、芯材微粒子(D)上にポリアミック酸層を形成させ、シード微粒子(C)とした後にさらにテトラカルボン酸無水物(A)とジアミン化合物(B)(ただし、(D)上に成分層を形成させた際に用いたテトラカルボン酸無水物(A)およびジアミン化合物(B)の少なくとも一方は異なるものである)を混合、反応させ、シード微粒子(C)上にさらにポリアミック酸層を形成させることを特徴とするポリアミック酸の製造方法。
【請求項7】
テトラカルボン酸無水物(A)とジアミン化合物(B)を、テトラカルボン酸無水物溶液、ジアミン化合物溶液としてから混合、反応させる請求項6に記載のポリアミック酸微粒子の製造方法。
【請求項8】
−10℃〜50℃で混合、反応させることを特徴とする請求項6〜7のいずれかに記載のポリアミック酸微粒子の製造方法。
【請求項9】
シード微粒子(C)の粒子径が、0.2〜800μmである請求項6〜8のいずれかに記載のポリアミック酸微粒子の製造方法。
【請求項10】
請求項6〜9のいずれかに記載の方法で得られたポリアミック酸微粒子を構成成分のガラス転移点以下の温度でイミド化することを特徴とするポリイミド微粒子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−13346(P2009−13346A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−178766(P2007−178766)
【出願日】平成19年7月6日(2007.7.6)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成19年5月10日 社団法人 高分子学会発行の「高分子学会予稿集 56巻1号[2007]」に発表
【出願人】(000168414)荒川化学工業株式会社 (301)
【Fターム(参考)】