ポリアルキレンオキサイド単位が櫛形に配列しているポリアミノおよび/またはポリアンモニウム/ポリシロキサン共重合体化合物
本発明は、ポリアルキレンオキサイド単位が櫛形に配列しているポリアミノおよび/またはポリアンモニウム/ポリシロキサン共重合体化合物、この化合物の製造方法および使用、特に布地および他の天然および合成布地材料を処理する使用に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリアルキレンオキサイド単位が櫛様に配列しているポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物、それの製造方法および使用、特に布地および他の天然および合成繊維性材料を処理する使用に関する。
【背景技術】
【0002】
アミノ基含有ポリシロキサンは布地柔軟剤として知られている(特許文献1)。
【0003】
また、α,ω−エポキシ修飾シロキサンとα,ω−アミノ官能アルキレンオキサイドを反応させることができることとその生成物を親水性柔軟剤として用いることができることも公知である(特許文献2、3)。この概念のさらなる進展として、α,ω−エポキシ修飾シロキサンとα,ω−エポキシ修飾ポリエーテルを第一級アルキルアミンを鎖伸長剤として用いて互いに結合させたブロック共重合体が提案された(特許文献4)。そのような化合物の利点は柔らかさが相対的に高くかつ基質を湿らせる能力を有することであると述べられている。
【0004】
同様に、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド単位を側鎖に有するアミノシロキサンも記述されている(特許文献5、6)。
【0005】
ポリシロキサン第四級物(「ポリシロキサン第四級物」=第四級アンモニウム基含有ポリシロキサン)は向上した直接性(substantivity)を示すと期待される。α,ω−ジエポキシドと第三級アミンを酸の存在下で反応させるとα,ω−ジ第四級(α,ω−diquaternary)シロキサンがもたらされ、これは髪手入れの目的で使用可能である(特許文献7)。テトラアルキル置換第四級アンモニウム構造物に加えてまた芳香族イミダゾリニウム誘導体も請求されている。
【0006】
α,ω−ジエポキシドとジ−第三級アミンを酸の存在下で反応させて長鎖ポリ第四級ポリシロキサンを生じさせると髪から洗い流される度合が低下し得る(特許文献8)。芳香族の第四級アンモニウム構造物は開示されていない。
【0007】
そのようなポリ第四級イミダゾリニウム誘導体は特許文献9の中で考察されている。そのようなカチオン性化合物は化粧品調合物に存在するアニオン性界面活性剤との適合性が更に向上していると述べられている。しかしながら、髪から洗い流されることに対する抵抗は、主に水および皮膚を刺激しない非常に穏やかな界面活性剤による短時間の攻撃が基になっているが、布地の場合の耐洗い流し性を示す親水性柔軟剤は油脂および汚れを高度に脱離させる能力を有する濃界面活性剤溶液の攻撃に耐える必要がある。複雑にしている追加的要因は、現代の洗剤組成物には強いアルカリ性の錯化剤、酸化作用を有する漂白剤および複合酵素系が入っておりかつ繊維がしばしばその作用に高温で数時間さらされる点にある。
【0008】
第四級構造物に加えてアルキレンオキサイド基を導入すると親水性が向上すると考えている。
【0009】
同様に、厳格に櫛様のアルキレンオキサイド修飾ポリシロキサン第四級物も記述された。櫛様に置換されているポリエーテルシロキサンのヒドロキシル基にエピクロロヒドリン(特許文献10)またはクロロ酢酸(特許文献11、12)を用いた変換を受けさせるこ
とで相当する塩素誘導体を生じさせている。その後、第三級アミンを用いた第四級化を実施している。特許文献10、11および12に従う解決法の欠点は、第四級基がアルキレンオキサイド単位の結果として主鎖から遠く離れた位置に存在し、その結果として、その分子全体が示す直接性が弱い点にある。
【0010】
α,ω−OH末端ポリシロキサンとトリアルコキシシランを縮合させることで分枝アルキレンオキサイド修飾ポリシロキサン第四級物を合成することが行われた。シランを用いて第四級アンモニウム構造物を導入し、その第四級窒素原子にアルキレンオキサイド単位を用いた置換を受けさせている(特許文献13)。そのような解決法の欠点は第四級内容物のカップリングおよび分枝度が相対的に柔軟でない(inflexible)点にある。
【0011】
各々が個別の第四級アンモニウムとアルキレンオキサイド単位を有するα,ω−二官能シロキサン誘導体が特許文献14に記述されている。しかしながら、そのようなモノ第四級化合物は充分な直接性を示さない。
【0012】
ポリ第四級ポリシロキサンブロック共重合体が仕上げ中かつまた別法として洗剤を用いた洗濯過程中に布地を柔らかくし得る進歩的柔軟剤として特許文献15および16に請求されている。その記述されたシリコーン材料を布地手入れ用製剤で用いることが特許文献17に考察されている。特許文献15、16および17に開示されている材料では、第四級基がアルキレンオキサイド単位からある程度または充分に離れて存在する。そのアルキレンオキサイド単位はα,ω−二官能単位としてブロック共重合体の中に組み込まれている。
【0013】
分枝ポリ第四級ポリシロキサンブロック共重合体が永久的布地柔軟剤として特許文献18に記述されている。その組み込まれた分枝単位には、第四級基から離れて存在する三官能アルキレンオキサイド構造物が含まれ得る。そのような三官能アルキレンオキサイドは架橋剤の特性を有し、その結果として、それを導入することができるのは限られた度合のみである。
【0014】
そのような従来技術から進展させて、処理した繊維に関して達成される柔らかさを犠牲することなく、特に直接性(シロキサン系と繊維の接着)が均一または向上していることに加えてシリコーンが基になったブロック共重合体の親水性、シロキサン系の配合および管理形態における柔軟性を更に向上、特に要する使用量が低くかつ材料の費用が低い方向に更に向上させることができれば、それは非常に望ましいことである。
【0015】
【特許文献1】EP 441 530
【特許文献2】米国特許第5,807,956号
【特許文献3】米国特許第5,981,681号
【特許文献4】米国特許第6,475,568号
【特許文献5】米国特許第5,591,880号
【特許文献6】米国特許第5,650,529号
【特許文献7】ドイツ特許出願公開第37 19 086号
【特許文献8】ヨーロッパ特許出願公開第282720号
【特許文献9】米国特許第6,240,929号
【特許文献10】米国特許第5,098,979号
【特許文献11】米国特許第5,153,294号
【特許文献12】米国特許第5,166,297号
【特許文献13】米国特許第5,602,224号
【特許文献14】米国特許第6,242,554号
【特許文献15】WO 02/10257
【特許文献16】WO 02/10259
【特許文献17】米国特許出願公開第2002/0103094号
【特許文献18】WO 03/78504
【発明の開示】
【0016】
従って、本発明の1つの目的は、布地そして他の天然および合成繊維性材料、例えば紙繊維、羊毛(wool)および毛(hair)などを処理するためのポリ第四級シロキサンブロック共重合体を提供することにあり、これは、シリコーンが典型的に示す柔らかさを示し、弾性が向上しておりかつしわになる傾向を低下させることに加えて、そのような材料または基質、好適には布地材料に親水性を与える度合が向上している。
【0017】
本発明のさらなる目的は、本発明の物質を布地に初期の仕上げを受けさせる系の一部として用いること、アニオン性および/または非イオン性界面活性剤が基になった洗濯洗剤系に入れる柔軟剤として用いること、繊維の洗浄を実施した後の繊維を処理する個別の柔軟剤系として用いること、不織物、例えば紙および布地など用の柔軟剤系の一部として用いること、布地のしわを防止するか或は伸ばすためのアイロンがけ補助剤および組成物として用いること、堅い表面、例えばガラス、セラミック、プラスチックなどの表面、例えば自動車などを処理する調合物の一部として用いること、そして髪および皮膚をトリートメントするための化粧品系の一部として用いることを記述することにある。
【0018】
驚くべきことに、式(I):
−[Q−V]− (I)
{式中、Qは、
−NR−、
−N+R2−
式:
【0019】
【化1】
【0020】
で表される飽和もしくは不飽和ジアミノ官能複素環、および式:
【0021】
【化2】
【0022】
で表される芳香ジアミノ官能複素環、式:
【0023】
【化3】
【0024】
で表される三価基、式:
【0025】
【化4】
【0026】
で表される三価基、または式
【0027】
【化5】
【0028】
で表される四価基
ここで、Rは、各場合とも、水素または一価有機基である、
から成る群から選択され、ここで、
Qは、カルボニルの炭素原子と結合しておらず、
Vは、V1、V2およびV3から成る群から選択され、ここで、
V2は、場合により−O−、−CONH−、
【0029】
【化6】
【0030】
−CONR2−、ここで、R2は、水素であるか、−O−、−NH−、−C(O)−および−C(S)−から選択される基を1個以上含有していてもよくかつ場合によりヒドロキシル基、場合により置換されていてもよい好適には窒素原子を1個以上含有する複素環式基、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アンモニウム、ポリエーテル基およびポリエーテルエステル基から成る群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい炭素原子数が100以下の一価の直鎖、環式もしくは分枝の飽和、不飽和または芳香炭化水素基であり、ここで、−CONR2基が複数存在する時にはそれらは同じまたは異なってもよい、−C(O)−および−C(S)から選択される基を1個以上含有していてもよい炭素原子数(以下に定義するポリシロキサン基Z2の炭素原子数は数えない)が1000以下の二価の直鎖、環式もしくは分枝の飽和、不飽和または芳香炭化水素基から選択されるが、
このV2基は、場合により、1個以上のヒドロキシル基および/または−Si(OR)3−a(R’)a、ここで、aは0から2の整数であり、そしてRおよびR’は、互いに同じまたは異なってもよく、各々、有機基である、で置換されていてもよく、かつ
このV2基は、式
【0031】
【化7】
【0032】
[式中、
R1は、同一もしくは異なってもよく、C1−からC22−アルキル、フルオロ(C1−C10)アルキル、C6−C10アリールおよび−W−Si(OR)3−a(R’)a、ここで、R、R’およびaは、各々、この上で定義した通りであり、そしてWは、−O−、または1個以上の−C(O)−、−O−、−NH−、−S−基を含有していてもよくかつ場合によりヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素原子数が100以下の二価の直鎖、環式もしくは分枝の飽和、不飽和または芳香炭化水素である、から成る群から選択され、そして
n1=20から1000である]
で表される−Z2−基を少なくとも1個含有し、
V1は、場合により−O−、−CONH−、
【0033】
【化8】
【0034】
−CONR2−、ここで、R2は、この上で定義した通りであり、ここで、V1基中のR2基とV2基中のR2基は同一もしくは異なってもよい、−C(O)−、−C(S)−および−Z1−、ここで、−Z1−は、式
【0035】
【化9】
【0036】
[式中、
R1は、この上で定義した通りであり、ここで、V1基中のR1基とV2基中のR1基は同一もしくは異なってもよく、そして
n2=0から19である]
で表される基である
から選択される基を1個以上含有していてもよい炭素原子数が1000以下の二価の直鎖、環式もしくは分枝の飽和、不飽和または芳香炭化水素基から選択され、かつ
このV1基は、場合により、1個以上のヒドロキシル基および/または−Si(OR)3−a(R’)a、ここで、aは0から2の整数であり、そしてRおよびR’は、互いに同じまたは異なってもよく、各々、有機基である、で置換されていてもよく、そして
V3は、場合により−O−、−CONH−、
【0037】
【化10】
【0038】
−CONR2−、ここで、R2は、この上で定義した通りである、−C(O)−、−C(S)−、−Z1−、ここでこれは、この上で定義した通りである、−Z2−、ここでこれは、この上で定義した通りである、およびZ3、ここで、Z3は、三価または結合価がそれ以上のオルガノポリシロキサン単位である、から選択される基を1個以上含有していてもよくかつ場合により1個以上のヒドロキシル基および/または−Si(OR)3−a(R’)a、ここで、aは0から2の整数であり、そしてRおよびR’は、互いに同じまたは異なってもよく、各々、有機基である、で置換されていてもよい炭素原子数が1000以下の三価または結合価がそれ以上の直鎖、環式もしくは分枝の飽和、不飽和または芳香炭化水素基であるが、但し
− 記述したポリシロキサン化合物が−Z1−、−Z2−または−Z3−基を少なくとも1個含有すること、
− 前記三価および四価のQ基のいずれかがQとVで形成される主鎖を分枝させる働きをすることで主鎖中の結合に働かない結合価が−[Q−V]−単位で形成されるさらなる分枝を提供するか(bears)或は三価および四価のQ基が線状主鎖内のV3基で飽和状態になっていることで分枝が形成されていないこと、および
− Q基中の少なくとも1個のR基がポリアルキレンオキサイド含有有機基R0であること、
を条件とし、そして
アンモニウム基の結果としてもたらされる正電荷が有機もしくは無機酸のアニオンで中和されている}
で表される繰り返し単位を有することを特徴とするポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物が上述した本目的を解決し得ることを見いだした。
【0039】
好適な態様における本発明のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物は、R0:Qのモル比が0.001から2、より好適には0.01から1、より好適には0.05から0.8であることを特徴とする。前記モル比が0.001未満であると親水性があまりにも低くなってしまう。0.05から0.8の範囲にすると柔らかさと親水性を最適に均衡させることができる。
【0040】
前記R0基は、好適には、式(III)
−X−E−Y (III)
{式中、
Xは、単結合、または場合により窒素および/または酸素を含有していてもよい炭素原子数が20以下の二価の直鎖、分枝もしくは環式炭化水素基であり、かつXは炭素原子を通してQの窒素原子と結合しており、
Eは、式
−[(CaH2a)O]y−
[式中、a=2から4、y=2から10000]
で表されるポリアルキレンオキサイド基であり、これは、炭素原子を通してX基と結合しておりかつ酸素原子を通してY基と結合しており、
Yは、水素、あるいは酸素および/または窒素および/またはハロゲンを含有していてもよくかつ炭素原子を通してE基と結合している炭素原子数が24以下の一価の直鎖、分枝もしくは環式の飽和、不飽和または芳香炭化水素基である}
で表される基である。
【0041】
R0は、好適には、−E−が式(IV):
【0042】
【化11】
【0043】
[ここで、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド単位をランダムおよびブロック配列で含有されていてもよく、そしてEとの結合はエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド単位を通した結合であってもよく、従って、基(IV)の例示は単に定量的であり、
v=0から200、
w=0から200、
v+w≧1である]
で表される基である式(III)で表される基である。
【0044】
その上、前記式(III)で表される基において、Yを好適にはHおよび直鎖、環式、分枝のC1−からC22−アルキル、アルケニル、アルキニル、フルオロ(C1−C10)アルキルおよびC6−C10アリール基から選択する。
【0045】
更に好適なアルキレンオキサイド単位R0は、好適には、構造:
【0046】
【化12】
【0047】
[ここで、
v=0から200、
w=0から200、
v+w≧1、
Y=Hまたは直鎖、環式、分枝のC1−からC22−アルキル、アルケニル、アルキニル、フルオロ(C1−C10)アルキルおよびC6−C10アリール基]
で表される。
【0048】
この上に示したポリアルキレンオキサイドの一般式において、好適には下記である:
vは0から100、より好適には0から70、特に0から40、非常に特に0から20であり、
wは0から100、より好適には0から70、特に0から40、非常に特に0から20であり、
Yは直鎖、環式、分枝のC1−からC12−アルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはC6−C10アリール基、特にメチル、エチル、イソプロピル、ブチル、ヘキシル、ドデシル、アリル、オレイル、フェニルである。
【0049】
更に好適なアルキレンオキサイド単位R0は、構造
−(C1−C12)−アルキレン−N+R2EY
[ここで、C1−C12−アルキレンは炭素原子数が1から12の直鎖、環式または分枝アルキレン単位であり、そしてR、EおよびYは各々この上で定義した通りである]
で表される。
【0050】
前記式(I)で表される単位を平均で少なくとも2個、好適には少なくとも3個、更により好適には少なくとも4個含有するポリシロキサン化合物では、R0単位が平均で少なくとも2個、より好適には少なくとも3個、更により好適には少なくとも4個存在しかつ平均で少なくとも1個のV1、V2および/またはV3単位が好適には単官能−Q−Rおよび/または−V−R基、即ち例えばアミノ基などで終結しているのが好適である。それは、QおよびVが有する2個の結合部位の中の一方がこの上で定義した如き一価のR基または水素で飽和されることで生じ、それを本明細書では以降VstまたはQstと呼ぶ。変化しなかった他の反応性基、例えばエポキシまたはハロアルキル基などがVstの代わりに存在することもあり得る。
【0051】
前記式(I)で表される単位を平均で少なくとも2個含有し、平均で少なくともR0単位および平均で少なくとも1個のV1、V2および/またはV3単位が存在する本発明のポリシロキサン化合物は、例えば一般式(I’):
−[Q−V]− (I’)
[式中、
Qは、この上で定義した通りであり、
Vおよび少なくとも1個のV1基またはV2基が存在し(V and at least
one V1 group or V2 group is,)、ここで、
V1およびV2は各々この上で定義した通りである]
で表される線状ポリシロキサン共重合体である。加うるに、Vはまた三価もしくは結合価がより高い、特に三価のV3基であってもよい。この場合には、また、この上で定義した如き三価もしくは四価のQ単位も存在させるのが好適であり、そのような三価または結合価がより高いV3基および三価もしくは四価のQ単位の飽和が好適にはもっぱら互いの間で線状主鎖内で達成されることで以下により詳細に説明する如き環式構造物を生じさせる。しかしながら、このケースはあまり好適ではない。
【0052】
一般式(I)または(I’)において、ポリシロキサン化合物におけるV1とV2基のモル比V2/V1は原則として如何なる値も取り得る。従って、本発明は、また、式(I)または(I’)で表されるポリシロキサン化合物がV2単位のみを含有するケースも包含する、即ちそのようなポリシロキサン化合物は式−[Q−V2]−で表される。また、ポリシロキサン化合物がV1単位のみを含有するケースも本発明に含まれる。しかしながら、このケースでは、V1単位がZ1−シロキサン単位を含有していなければならない。
【0053】
しかしながら、本発明の好適な態様における式(I)または(I’)で表されるポリシロキサン化合物はV2単位とV1単位の両方を含有する。
【0054】
本発明の更に好適な態様では、一般式(I)および(I’)で表されるポリシロキサン化合物におけるV1基とV2基のモル比は下記である:
V2/V1=1
式(I)または(I’)で表される線状ポリシロキサン化合物のさらなる態様では、V2/V1が1に相当せず、V2/V1が好適には<1、より好適には<0.9であり、更により好適にはV2/V1が関係
0.0005<V2/V1<0.5、
更により好適には、
0.0005<V2/V1<0.3、
を満足させる。
【0055】
R基を好適にはR2基から選択する。
【0056】
Qの好適な態様は下記である:
式
【0057】
【化13】
【0058】
で表される基の場合には構造
【0059】
【化14】
【0060】
で表される第四級イミダゾール単位、構造
【0061】
【化15】
【0062】
で表される第四級ピラゾール単位、式
【0063】
【化16】
【0064】
で表される基の場合には構造
【0065】
【化17】
【0066】
で表されるジ第四級ピペラジン単位、式
【0067】
【化18】
【0068】
で表される基の場合には構造
【0069】
【化19】
【0070】
で表されるモノ第四級ピペラジン単位、および構造
【0071】
【化20】
【0072】
で表されるモノ第四級ピペラジン単位、式
−N+R2−
で表される基の場合には構造
【0073】
【化21】
【0074】
で表されるジ第四級単位、構造
【0075】
【化22】
【0076】
で表されるモノ第四級単位、構造
【0077】
【化23】
【0078】
で表されるジ第四級単位、および構造
【0079】
【化24】
【0080】
で表されるモノ第四級単位、式
−NR−
で表される基の場合には構造
【0081】
【化25】
【0082】
で表されるモノ第四級単位、構造
【0083】
【化26】
【0084】
で表されるモノ第四級単位、
ここで、
tは、2から10であり、
Rは、この上で定義した通りであり、好適にはR2であり、R2はこの上で定義した通りであり、そしてR2の定義は、この上に示したR2基の定義と同じまたは異なってもよく、
R3は、R2で定義した通りであり、ここで、R2とR3は同じまたは異なってもよいか、或は
R2とR3が正に帯電している窒素原子と一緒になって場合により追加的に窒素、酸素および/または硫黄原子を1個以上有していてもよい5員から7員の複素環を形成しており、
R5、R6、R7は、同じまたは異なってもよく、H、ハロゲン、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、チオール基、カルボキシル基、アルキル基、モノヒドロキシアルキル基、ポリヒドロキシアルキル基、チオアルキル基、シアノアルキル基、アルコキシ基、アシル基、アセチルオキシ基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基および−NHRw型、ここで、RwはH、アルキル基、モノヒドロキシアルキル基、ポリヒドロキシアルキル基、アセチル基、ウレイド基である、で表される基から成る群から選択され、隣接して位置するR5、R6、R7基の中の2つがこれらが結合している炭素原子と一緒になって複素環を形成している場合には、各場合とも、5員から7員の芳香環を形成していてもよく、そして
R8は、R2で定義した通りであり、ここで、R8とR2は同じまたは異なってもよい。特に、R8はポリオキシアルキレン含有基であってもよく、その場合には、R0含有Q基が形成される。
【0085】
Qが式
【0086】
【化27】
【0087】
で表される三価基または四価基
【0088】
【化28】
【0089】
である場合、式(I’)で表される線状共重合体の中のそれらの基は、上述したように、好適には、ポリシロキサン共重合体を分枝させる働きをせず、それらの基はむしろもっぱら特に三価のV3基と結合して線状主鎖の一部である環式構造、例えば式:
【0090】
【化29】
【0091】
で表される構成要素を形成している。
【0092】
式(I)または(I’)で表されるポリシロキサン化合物の好適な態様におけるV2は、式
−V2*−Z2−V2*−
[式中、Z2は、この上に定義した通りであり、そしてV2*は、場合により−O−、−CONH−、−CONR2−、ここで、R2は、この上で定義した通りである、−C(O)−および−C(S)−から選択される基を1個以上含有していてもよい炭素原子数が4
0以下の二価の直鎖、環式もしくは分枝の飽和、不飽和または芳香炭化水素基であり、かつこのV2*基は場合により1個以上のヒドロキシル基で置換されていてもよい]
で表される基である。
【0093】
上述した態様における本発明の線状ポリシロキサン共重合体は下記の繰り返し単位:
−[V2*−Z2−V2*−Q]−
を好適には−[V1−Q]−と一緒に持ち得る。
【0094】
繰り返し単位−[V2*−Z2−V2*−Q]−と−[V1−Q]−のモル比、即ちV2/V1比は、上述したように、約1であってもよいが、1つの態様では、好適には1に相当せず(unequal to 1)、より好適には>1、更により好適には>1から1.5未満である。親水性R0側鎖を櫛の形態で導入すると、柔軟特性に貢献するV2基の比率を親水性を等しくしながら高くすることが可能になる。逆に、柔軟用V2基の比率を一定にした場合、R0基を導入することによって親水性を高くすることができる。
【0095】
上述した線状ポリシロキサン共重合体を製造する方法に関連して以下に詳細に説明するように、製造方法に応じて2個以上の−[V1−Q]−単位が互いに結合しているブロック配列を規則的に(regularly)V2−Q単位と結合させることができるか或は不規則に(irregularly)V2−Q単位と結合させることができる。
【0096】
このことは下記を意味する:
規則的化合物(regular compound)、例えば−Q−[V1−Q]x−基に相当するプレポリマーとV2に相当する単量体単位を1:1のモル比で反応させた規則的化合物などの場合の線状ポリシロキサン共重合体は下記で表され得る:
−{V2−Q−[V1−Q]x−}y−。
【0097】
前記式中、xは2から2000であってもよく、これは分散度の平均であり、そしてyも同様に平均であり、2から1000である。
【0098】
従って、一般に、本発明のポリシロキサン重合体は好適には式
−[Q−V]y’−
[式中、y’は2から1000、より好適には3から500、更により好適には4から200である]
で表される。
【0099】
式−{V2−Q−[V1−Q]x−}y−で表される線状ポリシロキサン共重合体は、互いに結合している−V2−Q−単位を本質的に持たない、言い換えれば、2個の−V2−Q−単位の間に常に−V1−Q−単位が少なくとも1個存在することを特徴とする。
【0100】
不規則的化合物(irregular compound)、例えばQ単位に相当する単量体とV1に相当する単量体単位とV2に相当する単量体単位をQ/(V1+V2)[ここで、例えばV2/V1>1]の比率で反応させた不規則的化合物などの場合の線状ポリシロキサン共重合体は下記で表され得る:
−Q−(V1,V2)−
[式中、VにおけるV2/V1比は>1である]。この場合、V1とV2基は共重合体鎖全体に渡って無作為に分布している。このような共重合体は、前記規則的化合物を用いて生じさせた線状ポリシロキサン共重合体とは対照的に、また、隣接する−Q−V2−単位も持ち得る。
【0101】
本発明に従って用いる式(I)または(I’)で表されるポリシロキサン化合物の好適
な態様では、V1基を、場合により−O−、−CONH−、
【0102】
【化30】
【0103】
−CONR2、ここで、R2は、この上で定義した通りである、−C(O)−、−C(S)−および−Z1−、ここで、−Z1−は、式
【0104】
【化31】
【0105】
(式中、
R1は、場合により1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいC1−C18アルキルまたはフェニルであり、そしてn2はこの上で定義した通りである)
で表される基である
から選択される基を1個以上含有していてもよい炭素原子数が600以下、好適には400以下の二価の直鎖、環式もしくは分枝の飽和、不飽和もしくは芳香炭化水素基から選択する。
【0106】
式(I)または(I’)で表されるポリシロキサン化合物の更に好適な態様では、Q基を
【0107】
【化32】
【0108】
ここで、R2は、好適にはHまたはアルキル、好適には炭素原子数が1から6のアルキルであり、そしてR3は、好適にはH、アルキル、好適には炭素原子数が1から6のアルキル、またはR0である、
から選択する。
【0109】
式(I)および(I’)において、好適には、
R1=C1−からC18−アルキル、特にメチル、エチル、トリフルオロプロピルおよびフェニル、
n1=20から400、より好適には20から300、特に20から200。更に好適な態様におけるn1は20から50または80から200の範囲である。数n1は、Z2基中のジオルガノシロキシ単位のMnからの平均重合度である。
【0110】
n2=0から15、より好適には0から10、特に0から5、より特別には0。数n2は、Z1基中のジオルガノシロキシ単位のMnからの平均重合度である。
【0111】
より好適には、
【0112】
【化33】
【0113】
は−NH2+−、−N(CH3)2+−、−(NHR0)+−である、
V2*は、−O−、−CONH−、−CONR2−、ここで、R2は、この上で定義した通りである、−C(O)−、−C(S)−から選択される基を1個以上含有していてもよくかつ1個以上のヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素原子数が16以下の二価の直鎖、環式もしくは分枝の飽和、不飽和または芳香炭化水素基である。更により好適には、−V2*−を下記の式の群から選択する:
【0114】
【化34】
【0115】
−(CH2)2−、−(CH2)3−、−(CH2)4−、−(CH2)5−、−(CH2)6−、
−CH=CHCH2−、−CH=CHCH2CH2−、
−CH2CH2CH2OC(O)CH2−、−CH2CH2CH2OC(O)CH2CH2−、
−CH=CHCH2OC(O)CH2−、−CH=CHCH2OC(O)CH2CH2−、
【0116】
【化35】
【0117】
−(CH2)3−、−(CH2)4−、−(CH2)5−、−(CH2)6−、
−CH=CHCH2−、−CH=CHCH2CH2−、
−CH2CH2CH2OC(O)CH2−、−CH2CH2CH2OC(O)CH2CH2−
【0118】
V1は、好適には、下記である:
・ −R9−、ここで、R9は、炭素原子数が2から25の二価の飽和または一不飽和もしくは多不飽和の直鎖または分枝炭化水素基である
・ −(CH2)uC(O)O−[(CH2CH2O)q−(CH2CH(CH3)O)r]−C(O)(CH2)u−
・ −(CH2)uC(O)O−R9−O−C(O)(CH2)u−、ここで、R9は定義した通りである
・ −(CH2)u−R10−(CH2)u−、ここで、R10は芳香基である
・ −[CH2CH2O]q−[CH2CH(CH3)O]r−CH2CH2−
・ −CH(CH3)CH2O[CH2CH2O]q−[CH2CH(CH3)O]r−CH2CH(CH3)−
・ −CH2CH(OH)CH2−
・ −CH2CH(OH)(CH2)2CH(OH)CH2−
・ −CH2CH(OH)CH2OCH2CH(OH)CH2OCH2CH(OH)CH2−および
・ −CH2CH(OH)CH2O−[CH2CH2O]q−[CH2CH(CH3)O]r−CH2CH(OH)CH2−
ここで、
uは、1から3であり、
qおよびrは、0から200、好適には0から100、より好適には0から70、特に好適には0から40であり、そして
q+r>0である。
【0119】
V1の好適な変形は下記の式で表される構造物である:
−CH2C(O)O−[CH2CH2O]q−[CH2CH(CH3)O]r−C(O)CH2−、
−CH2CH2C(O)O−[CH2CH2O]q−[CH2CH(CH3)O]r−C(O)CH2CH2−、
−CH2CH2CH2C(O)O−[CH2CH2O]q−[CH2CH(CH3)O]r−C(O)CH2CH2CH2−、
エステル化アルキレン、アルケニレン、アルキニレン単位、特に下記の構造物
−CH2C(O)O−[CH2]o−OC(O)CH2−、
−CH2CH2C(O)O−[CH2]o−OC(O)CH2CH2−、
−CH2CH2CH2C(O)O−[CH2]o−OC(O)CH2CH2CH2−
−CH2C(O)O−CH2C≡CCH2−OC(O)CH2−、
−CH2CH2C(O)O−CH2C≡CCH2−OC(O)CH2CH2−、
−CH2CH2CH2C(O)O−CH2C≡CCH2−OC(O)CH2CH2CH2−、
−CH2C(O)O−CH2CH=CHCH2−OC(O)CH2−,
−CH2CH2C(O)O−CH2CH=CHCH2−OC(O)CH2CH2−、
−CH2CH2CH2C(O)O−CH2CH=CHCH2−OC(O)CH2CH2CH2−、
アルキレン、アルケニレン、アルキニレンおよびアリール単位、特に下記の構造物:
−[CH2]o−、
ここで、o=2から6
−CH2C≡CCH2−、−CH2CH≡CHCH2−、−CH(CH3)CH2CH2−、
【0120】
【化36】
【0121】
ポリアルキレンオキサイド単位、特に下記の構造物
−[CH2CH2O]q−[CH2CH(CH3)O]r−CH2CH2−、
−CH(CH3)CH2O[CH2CH2O]q−[CH2CH(CH3)O]r−CH2CH(CH3)−、
モノ、ジもしくはポリヒドロキシ官能単位、特に下記の構造物
−CH2CH(OH)CH2−、−CH2CH(OH)(CH2)2CH(OH)CH2−、
−CH2CH(OH)CH2OCH2CH(OH)CH2OCH2CH(OH)CH2−、
−CH2CH(OH)CH2O−[CH2CH2O]q−[CH2CH(CH3)O]r−CH2CH(OH)CH2−、
ここで、
q=0から200、
r=0から200。
【0122】
好適には、q=1から50、特に2から50、特別には1から20、非常に特別には1から10、そして1または2、r=0から100、特に0から50、特別には0から20、非常に特別には0から10、そして0または1または2。
【0123】
本発明のポリシロキサンの調製は、例えば、
a)ポリアルキレンオキサイド基を含有する第一級アミンおよび場合によりさらなるアミン化合物をアミノ反応性ポリシロキサン含有化合物および場合によりさらなるアミノ反応性化合物と反応させるか、或は
b)ポリアミノ−ポリシロキサン共重合体(出発)化合物が有するアミノ基にアルキル化をポリアルキレンオキサイド基を含有するアルキル化剤を用いて受けさせる、
方法を用いて実施可能である。
【0124】
出発化合物の化学量(stoichiometry)を適切に選択することで本発明の化合物におけるV1、V2、R0基の比率を調節することができる。
【0125】
V1を導入する適切な単量体は、例えば内部V1単位を有するアルファ,オメガ−ジアミン、例えばアルキレンジアミンまたはジアミノポリエーテルなどである。それらを例えばV2および/またはR0基を含有するアミノ反応性単量体、例えばジエポキシポリシロキサン化合物、ジハロアルキルポリシロキサン化合物、モノアミノポリエーテルなどと反応させる。別法として、また、ジハロアルキル化合物、ジエポキシド化合物または混合基を有する化合物をV2、R0基またはさらなるV1基を導入するアミノ官能性単量体と反応させることでV1を導入することも可能である。
【0126】
そのような調製に関しては、例えばWO 02/10257が参考になり得る。
【0127】
一般式(I)で表される本発明のポリシロキサンに分枝単位V3を含有させることも可能である。V3は、場合により−O−、−CONH−、−CONR2−、ここで、R2は、この上で定義した通りである、−C(O)−、−C(S)−、−Z1−、これは、この上で定義した通りである、−Z2−、これは、この上で定義した通りである、およびZ3、ここで、Z3は、三価または結合価がより高いオルガノポリシロキサン単位である、から選択される基を1個以上含有していてもよい炭素原子数が1000以下の三価または結合価がより高い直鎖、環式もしくは分枝の飽和、不飽和または芳香炭化水素基である。この分枝用(branching)単位V3はシリコーンを含有していなくてもよい。それの例には下記が含まれる:
【0128】
【化37】
【0129】
[ここで、a、bおよびcは、同一もしくは異なってもよく、1から40であってもよい]、
【0130】
【化38】
【0131】
【化39】
【0132】
【化40】
【0133】
[ここで、v+w≧0、ここで、エチレンオキサイド単位とプロピレンオキサイド単位の配列はランダムまたはブロックであってもよく、そしてエチレンオキサイド単位およびプロピレンオキサイド単位によるQとの結合は炭素原子を通した結合であってもよい]。
【0134】
分枝用単位V3は、三価または結合価がより高いオルガノポリシロキサン単位、例えば
【0135】
【化41】
【0136】
[ここで、R1は、この上で定義した通りであり、m=0から1000、そしてm1≧1およびm2≧3]
【0137】
【化42】
【0138】
[ここで、R1は、各場合とも、この上で定義した通りである]
などを含有していてもよい。
【0139】
Z3含有分枝用単位V3の一例は例えば下記である:
【0140】
【化43】
【0141】
本発明のポリシロキサンはR0単位を含有するが、これを好適には第一級、第二級もしくは第三級モノアミノ官能化ポリアルキレンオキサイドに反応性官能化シロキサン前駆体を用いたアルキル化反応を適切に受けさせることで前記重合体に結合させる。Mシリーズ(Huntsman Corp.)のモノ第一級官能化Jeffamine(商標)の使用が好適である。
【0142】
好適な態様では、この上に示した反応で最初に第一級モノアミノ官能化ポリアルキレンオキサイドに反応性官能化シロキサン、好適にはエポキシシロキサンを用いたアルキル化を受けさせることで第三級アミンを生じさせる。その前駆体を次の重合体生成反応でシロキサンのブロック共重合体に結合させる。別の好適な変法では、この上に示した反応を実施しないで、第一級モノアミノ官能化ポリアルキレンオキサイドを重合体生成反応で直接用いることも可能である。
【0143】
あまり好適ではないが、シロキサンブロック重合体をポリアルキレンオキサイド単位で制御した様式で終結させる必要がある場合の出発材料は第二級もしくは第三級アミノ官能化ポリアルキレンオキサイド単位であってもよい。それらを直接入手することができない時には、第一級モノアミノ官能化ポリアルキレンオキサイドとアルキル化剤、例えばモノエポキシド、例えばイソプロピルグリシジルエーテルなどまたは硫酸ジメチルを前以て反応させておくことを通して、それらの調製を行うことも可能である。
【0144】
親水性を制御した様式で向上させる目的で、単官能的に結合する(monofunctionally attached)親水性要素R0を本発明のポリ第四級ポリシロキサン共重合体に導入する。それによって、本発明のポリシロキサン共重合体自身が向上した親水性を示すことで例えば水中でより高い安定性を示すエマルジョンを生じるようになり、かつ本発明のポリシロキサン共重合体で処理した基質が親水性を示す度合が高くなることで例えば水分吸収性の向上がもたらされる。
【0145】
単官能的に結合する親水性単位を本質的に公知のポリシロキサン第四級交互ブロック共重合体(ドイツ特許出願公開第3340708号、米国特許第6240929号、EP 282720、ドイツ特許出願公開第10036533号)に導入することは本発明の範囲内である。
【0146】
単官能的に結合する親水性単位を主重合体鎖に導入することを公知の二官能親水性単位を導入すること(WO 02/10257、WO 02/10259)を組み合わせることは本発明の範囲内である。
【0147】
また、単官能的に結合する親水性単位を主重合体鎖に導入することを三官能および官能性がより高い単位を導入(同様に公知である)すること(WO 03/078504)を組み合わせることも本発明の範囲内である。
【0148】
また、単官能的に結合する親水性単位を主重合体鎖に導入することを高電荷のオリゴマー化第四級構造物を導入(同様に公知である)すること(WO 2004/041912、WO 2004/042136)を組み合わせることも本発明の範囲内である。
【0149】
また、単官能的に結合する親水性単位を主重合体鎖に導入することを反応性単位を導入(同様に記述されている)すること(出願PCT/EP 2004/050472)を組み合わせることも本発明の範囲内である。そのような反応性基には下記の式で表される基が含まれる:
【0150】
【化44】
【0151】
[式中、「a」は、0から2の整数であり、そしてRおよびR’は、同一もしくは異なってもよく、各々、有機基である]。この挙げた反応性基を、本発明に従い、PCT/EP
2004/050472に詳述されているようにして、VまたはQに相当する単位を通して導入することができる。好適な態様では、例えば、式NR2−(C1−C12)アルキレン−Si(OR)3−a(R’)a[式中、Rは、この上で定義した通りである]で表される第一級もしくは第二級アミンを同様にPCT/EP 2004/050472に詳細に説明されているようにして用いることで−Si(OR)3−a(R’)a基を導入することができる。次に、その反応性−Si(OR)3−a(R’)a基を繰り返し単位Q上に位置させる。
【0152】
単官能的に結合する親水性単位の導入を多数の上述した概念と組み合わせることも同様に本発明の範囲内である。
【0153】
本発明の第四級アンモニウム化合物は25℃で固体または液体であり得る。それらが25℃で液体の場合に記述するポリシロキサンの粘度は、好適にはD=1秒−1のせん断速度において25℃で500から50000000mPa.s、25℃で好適には1000から2500000mPa.sの範囲である。
【0154】
本発明は、更に、本発明の化合物を繊維の処理または繊維の仕上げで用いることにも関する。
【0155】
本発明は、更に、本発明の化合物を布地および他の天然および合成繊維性材料(紙、毛および羊毛を包含)の初期仕上げおよび処理で用いることにも関する。
【0156】
本発明の化合物は、同様に、繊維予備処理用の組成物、特に非イオン性および/またはアニオン性界面活性剤が入っている洗浄用組成物調合物に入れて布地および他の天然および合成繊維性材料を処理する時に用いるにも適する。この目的で、本発明の化合物を洗浄用組成物の中に直接混合してもよいか或はさもなければ個別に計量して実施中の洗浄工程に導入することも可能である。本発明の化合物を洗浄工程で用いると、結果として、その処理した基質にシリコーンに典型的な柔らかさ、向上した弾性および低下したしわ傾向が与えられると同時に受け入れられる親水性が維持される。
【0157】
その上、本発明の化合物は、繊維および布地を洗浄した後の個別の柔軟剤系の一部、アイロンがけ補助剤および布地のしわを防止または伸ばすための組成物として用いることも可能である。
【0158】
本発明は、更に、本発明の化合物を堅い表面、例えばガラス、セラミック、タイル、プラスチック表面、金属表面、塗装表面、特に自動車車体の処理および仕上げ、非常に特別には洗車機の乾燥機用調合物で用いることにも関する。
【0159】
また、本発明の配合物を髪および皮膚をトリートメントするための化粧品系に導入することも可能である。
【0160】
本発明は、更に、本発明の少なくとも1種のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物およびまた場合により1種以上の界面活性剤および場合により1種以上の無窒素ポリシロキサン化合物を含有して成る水性エマルジョン、およびこの記述した水性エマルジョンを上述した用途の中の1つで用いることにも関する。
【実施例】
【0161】
実施例1
(単官能的に結合する親水性単位の導入を二官能親水性単位の導入と組み合わせて実施する)
500mlの3つ口フラスコに最初に構造
【0162】
【化45】
【0163】
で表されるシロキサンエポキシドを173.7g(30ミリモル)、構造
H2N[CH(CH3)CH2O]3(CH2CH2O)19CH3
で表される単官能アミノポリエーテルJeffamine(商標)M 1000を4.17g(4ミリモル)および2−プロパノールを30ml仕込んだ後、撹拌しながら80℃に6時間加熱する。この混合物に構造
H2NCH(CH3)CH2[OCH2CH(CH3)]a(OCH2CH2)38.7[OCH2CH(CH3)]bNH2
[ここで、a+b=6]
で表される二官能アミノポリエーテルJeffamine(商標)ED 2003が8.51g(4ミリモル)でN,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミンが3.79g(22ミリモル)で酢酸が1.68g(28ミリモル)でドデカン酸が5.6g(28ミリモル)で2−プロパノールが6mlで脱イオン水が24mlの混合物を加える。その混合物全体を80℃に8時間加熱すると、その反応過程で透明になりかつオレンジ−褐色に変わった。下記の構成要素:
【0164】
【化46】
【0165】
[V1、V2、QおよびR0は、例として、式(I)で表される繰り返し単位または基を示す]
を有する重合体を250g得る。
【0166】
実施例2
(単官能的に結合する親水性単位の導入を重合体末端停止と組み合わせて実施する)
500mlの3つ口フラスコに最初に構造
【0167】
【化47】
【0168】
で表されるシロキサンエポキシドを156.33g(27ミリモル)、構造
H2N[CH(CH3)CH2O]3(CH2CH2O)19CH3
で表される単官能アミノポリエーテルJeffamine(商標)M 1000を6.25g(6ミリモル)および2−プロパノールを30ml仕込んだ後、撹拌しながら80℃に6時間加熱する。この混合物にイソプロピルグリシジルエーテルを0.7g(6ミリモル)加える。次に、その混合物にN,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミンが4.14g(24ミリモル)で酢酸が1.62g(27ミリモル)でドデカン酸が5.4g(27ミリモル)で2−プロパノールが6mlで脱イオン水が24mlの混合物を加える。その混合物全体を80℃に8時間加熱する。明褐色からオレンジ色の溶液を214g得る。この重合体は下記の構成要素を含有する:
【0169】
【化48】
【0170】
実施例3
(単官能的に結合する親水性単位の導入を二官能親水性単位および分枝用親水性単位の導入と組み合わせて実施する)
500mlの3つ口フラスコに最初に構造
【0171】
【化49】
【0172】
で表されるシロキサンエポキシドを173.7g(30ミリモル)、構造
H2N[CH(CH3)CH2O]3(CH2CH2O)19CH3
で表される単官能アミノポリエーテルJeffamine(商標)M 1000を4.17g(4ミリモル)および2−プロパノールを30ml仕込んだ後、撹拌しながら80℃に6時間加熱する。この混合物に構造
H2NCH(CH3)CH2[OCH2CH(CH3)]a(OCH2CH2)38.7[OCH2CH(CH3)]bNH2
[ここで、a+b=6]
で表される二官能アミノポリエーテルJeffamine(商標)ED 2003が6.38g(3ミリモル)で構造
【0173】
【化50】
【0174】
[ここで、a+b+c=50]
で表される三官能アミノポリエーテルJeffamine(商標)T3000が2.1g(0.66ミリモル)でN,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミンが3.79g(22ミリモル)で酢酸が1.68g(28ミリモル)でドデカン酸が5.6g(28ミリモル)で2−プロパノールが6mlで脱イオン水が24mlの混合物を加える。その混合物全体を80℃に8時間加熱する。オレンジ−褐色の溶液を237.3g得る。この重合体は下記の構成要素を含有する:
【0175】
【化51】
【0176】
実施例4
(単官能的に結合する親水性単位の導入を二官能親水性単位および反応性単位の導入と組み合わせて実施する)
4a)ウレトジオン含有ジ第三級アミンの調製
100mlの3つ口フラスコの中で10.17gの酢酸メトキシプロピルに4.36g(9.8ミリモル)の構造
【0177】
【化52】
【0178】
で表されるイソホロンジイソシアネート二量体を30から40℃で溶解させる。撹拌を行いながら2g(19.6ミリモル)のN,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミンを2
0分以内に滴下したが、この間に温度が70から80℃に上昇する。冷却を行うと結果として相分離が起こる。2−プロパノールを1.24g添加すると室温で透明な溶液が生じる。このアミノ修飾イソホロンジイソシアネート二量体は構造
【0179】
【化53】
【0180】
で表される。
実施例4b)
500mlの3つ口フラスコに最初に構造
【0181】
【化54】
【0182】
で表されるシロキサンエポキシドを173.7g(30ミリモル)、構造
H2N[CH(CH3)CH2O]3(CH2CH2O)19CH3
で表される単官能アミノポリエーテルJeffamine(商標)M 1000を4.17g(4ミリモル)および2−プロパノールを30ml仕込んだ後、撹拌しながら82−84℃に5時間加熱する。この混合物に構造
H2NCH(CH3)CH2[OCH2CH(CH3)]a(OCH2CH2)38.7[OCH2CH(CH3)]bNH2
[ここで、a+b=6]
で表される二官能アミノポリエーテルJeffamine(商標)ED 2003が8.51g(4ミリモル)でN,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミンが3.41g(19.8ミリモル)で酢酸が1.68g(28ミリモル)でドデカン酸が5.6g(28ミリモル)で2−プロパノールが6mlで脱イオン水が24mlの混合物を加える。次に、その混合物に実施例4aに従うウレトジオン含有ジ第三級アミンを4g(2.2ミリモル)加えた後、その混合物全体を82−84℃に8時間加熱する。生成物を250g得る。この重合体は下記の構成要素を含有する:
【0183】
【化55】
【0184】
実施例5
(単官能的に結合する親水性単位の導入に加えて第四級アンモニウム基を鎖に一体化させる)
実施例5a)クロロ酢酸エステルの調製
最初に窒素下室温20℃でモル質量分布(molar mass−distributed)オクタエチレングリコールモノアリルエーテルを205.3g(0.5モル)仕込む。撹拌を激しく行いながら63.4g(0.55モル)の塩化クロロアセチルを20分以内に滴下する。この滴下中に温度が67℃に上昇しかつHClの激しい発生が始まる。この滴下が終了した後の混合物を120℃に1時間加熱する。最後に、20hPaにおいて120℃以下で沸騰する成分の全部を留出させた。構造
ClCH2C(O)O(CH2CH2O)8CH2CH=CH2
で表される淡黄色のエステルを246g得た。
実施例5b)
500mlの3つ口フラスコに最初に構造
【0185】
【化56】
【0186】
で表されるシロキサンエポキシドを173.7g(30ミリモル)、N,N−ジメチルプロピレンジアミンを0.92g(9ミリモル)および2−プロパノールを100ml仕込んだ後、撹拌しながら82−84℃に5時間加熱する。次に、実施例5aに従うクロロ酢酸エステルを4.38g(9ミリモル)滴下した後、その混合物を82−84℃に更に5時間加熱する。この混合物にN,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミンが3.62g(21ミリモル)で酢酸が1.26g(21ミリモル)でドデカン酸が4.2g(21ミリモル)で2−プロパノールが6mlで脱イオン水が24mlの混合物を加える。この混合物全体を82−84℃に8時間加熱する。二相生成物を361g得る。この重合体は下記の構造特徴物を含有する:
【0187】
【化57】
【0188】
実施例6
(単官能的に結合する親水性単位の導入)
500mlの3つ口フラスコに最初に構造
【0189】
【化58】
【0190】
で表されるシロキサンエポキシドを184.5g(15ミリモル)、構造
H2N[CH(CH3)CH2O]10(CH2CH2O)32CH3
で表される単官能アミノポリエーテルJeffamine(商標)M 2070を6.25g(3ミリモル)およびジプロピレングリコールモノブチルエーテルを20g仕込んだ後、100から103℃に6時間加熱する。この混合物にN,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミンが2.07g(12ミリモル)で酢酸が0.9g(15ミリモル)でドデカン酸が3.0g(15ミリモル)でジプロピレングリコールモノブチルエーテルが5.5gで脱イオン水が9.25mlの混合物を加える。その混合物全体を100−103℃に10時間加熱する。下記の構成要素を有する重合体が87.3%入っている溶液を210g得る:
【0191】
【化59】
【0192】
本発明ではない実施例7
(二官能的に組み込まれる親水性単位の導入)
500mlの3つ口フラスコに最初に構造
【0193】
【化60】
【0194】
で表されるシロキサンエポキシドを184.5g(15ミリモル)仕込む。この混合物に構造
H2NCH(CH3)CH2[OCH2CH(CH3)]a(OCH2CH2)38.7[OCH2CH(CH3)]bNH2
[ここで、a+b=6]
で表される二官能アミノポリエーテルJeffamine(商標)M 2003が6.38g(3ミリモル)でN,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミンが2.07g(12ミリモル)で酢酸が0.9g(15ミリモル)でドデカン酸が3.0g(15ミリモル)でジプロピレングリコールモノブチルエーテルが25.5gで脱イオン水が9.25mlの混合物を加える。その混合物全体を100−103℃に10時間加熱する。下記の構成要素を有する重合体が86%入っている溶液を205g得る:
【0195】
【化61】
【0196】
実施例8
(ミクロエマルジョン)
下記の20%ミクロエマルジョンを調製する:
【0197】
【表1】
【0198】
実施例9
(布地仕上げ)
漂白綿テリー織布に実施例8に従うミクロエマルジョン1および2を用いた仕上げをPolymat(Mathis)内でその布地に指定された条件で下記の境界条件下で受けさせる:
【0199】
【表2】
【0200】
水分含有量を調整する目的で、綿テリー織布の2つの試験片を大気条件下で24時間貯蔵する。
【0201】
柔軟さ
ミクロエマルジョン1および2を用いた仕上げを受けさせたテリー織布試験片の手触りを4人の被験者に比較してもらった。その被験者のいずれも有意な差を検出することがで
きなかった。
【0202】
親水性
前記テリー織布表面に50μlの水滴を置いて、それらが染み込むまでの時間を秒で測定する。
【0203】
【表3】
【0204】
これらの結果は、材料のアルキレンオキサイド含有量が匹敵する場合には単官能的に結合するアルキレンオキサイド単位を制御して用いると手触り特性に注目すべきほどの悪影響を及ぼすことなく親水性が有意に向上し得ることを示している。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリアルキレンオキサイド単位が櫛様に配列しているポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物、それの製造方法および使用、特に布地および他の天然および合成繊維性材料を処理する使用に関する。
【背景技術】
【0002】
アミノ基含有ポリシロキサンは布地柔軟剤として知られている(特許文献1)。
【0003】
また、α,ω−エポキシ修飾シロキサンとα,ω−アミノ官能アルキレンオキサイドを反応させることができることとその生成物を親水性柔軟剤として用いることができることも公知である(特許文献2、3)。この概念のさらなる進展として、α,ω−エポキシ修飾シロキサンとα,ω−エポキシ修飾ポリエーテルを第一級アルキルアミンを鎖伸長剤として用いて互いに結合させたブロック共重合体が提案された(特許文献4)。そのような化合物の利点は柔らかさが相対的に高くかつ基質を湿らせる能力を有することであると述べられている。
【0004】
同様に、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド単位を側鎖に有するアミノシロキサンも記述されている(特許文献5、6)。
【0005】
ポリシロキサン第四級物(「ポリシロキサン第四級物」=第四級アンモニウム基含有ポリシロキサン)は向上した直接性(substantivity)を示すと期待される。α,ω−ジエポキシドと第三級アミンを酸の存在下で反応させるとα,ω−ジ第四級(α,ω−diquaternary)シロキサンがもたらされ、これは髪手入れの目的で使用可能である(特許文献7)。テトラアルキル置換第四級アンモニウム構造物に加えてまた芳香族イミダゾリニウム誘導体も請求されている。
【0006】
α,ω−ジエポキシドとジ−第三級アミンを酸の存在下で反応させて長鎖ポリ第四級ポリシロキサンを生じさせると髪から洗い流される度合が低下し得る(特許文献8)。芳香族の第四級アンモニウム構造物は開示されていない。
【0007】
そのようなポリ第四級イミダゾリニウム誘導体は特許文献9の中で考察されている。そのようなカチオン性化合物は化粧品調合物に存在するアニオン性界面活性剤との適合性が更に向上していると述べられている。しかしながら、髪から洗い流されることに対する抵抗は、主に水および皮膚を刺激しない非常に穏やかな界面活性剤による短時間の攻撃が基になっているが、布地の場合の耐洗い流し性を示す親水性柔軟剤は油脂および汚れを高度に脱離させる能力を有する濃界面活性剤溶液の攻撃に耐える必要がある。複雑にしている追加的要因は、現代の洗剤組成物には強いアルカリ性の錯化剤、酸化作用を有する漂白剤および複合酵素系が入っておりかつ繊維がしばしばその作用に高温で数時間さらされる点にある。
【0008】
第四級構造物に加えてアルキレンオキサイド基を導入すると親水性が向上すると考えている。
【0009】
同様に、厳格に櫛様のアルキレンオキサイド修飾ポリシロキサン第四級物も記述された。櫛様に置換されているポリエーテルシロキサンのヒドロキシル基にエピクロロヒドリン(特許文献10)またはクロロ酢酸(特許文献11、12)を用いた変換を受けさせるこ
とで相当する塩素誘導体を生じさせている。その後、第三級アミンを用いた第四級化を実施している。特許文献10、11および12に従う解決法の欠点は、第四級基がアルキレンオキサイド単位の結果として主鎖から遠く離れた位置に存在し、その結果として、その分子全体が示す直接性が弱い点にある。
【0010】
α,ω−OH末端ポリシロキサンとトリアルコキシシランを縮合させることで分枝アルキレンオキサイド修飾ポリシロキサン第四級物を合成することが行われた。シランを用いて第四級アンモニウム構造物を導入し、その第四級窒素原子にアルキレンオキサイド単位を用いた置換を受けさせている(特許文献13)。そのような解決法の欠点は第四級内容物のカップリングおよび分枝度が相対的に柔軟でない(inflexible)点にある。
【0011】
各々が個別の第四級アンモニウムとアルキレンオキサイド単位を有するα,ω−二官能シロキサン誘導体が特許文献14に記述されている。しかしながら、そのようなモノ第四級化合物は充分な直接性を示さない。
【0012】
ポリ第四級ポリシロキサンブロック共重合体が仕上げ中かつまた別法として洗剤を用いた洗濯過程中に布地を柔らかくし得る進歩的柔軟剤として特許文献15および16に請求されている。その記述されたシリコーン材料を布地手入れ用製剤で用いることが特許文献17に考察されている。特許文献15、16および17に開示されている材料では、第四級基がアルキレンオキサイド単位からある程度または充分に離れて存在する。そのアルキレンオキサイド単位はα,ω−二官能単位としてブロック共重合体の中に組み込まれている。
【0013】
分枝ポリ第四級ポリシロキサンブロック共重合体が永久的布地柔軟剤として特許文献18に記述されている。その組み込まれた分枝単位には、第四級基から離れて存在する三官能アルキレンオキサイド構造物が含まれ得る。そのような三官能アルキレンオキサイドは架橋剤の特性を有し、その結果として、それを導入することができるのは限られた度合のみである。
【0014】
そのような従来技術から進展させて、処理した繊維に関して達成される柔らかさを犠牲することなく、特に直接性(シロキサン系と繊維の接着)が均一または向上していることに加えてシリコーンが基になったブロック共重合体の親水性、シロキサン系の配合および管理形態における柔軟性を更に向上、特に要する使用量が低くかつ材料の費用が低い方向に更に向上させることができれば、それは非常に望ましいことである。
【0015】
【特許文献1】EP 441 530
【特許文献2】米国特許第5,807,956号
【特許文献3】米国特許第5,981,681号
【特許文献4】米国特許第6,475,568号
【特許文献5】米国特許第5,591,880号
【特許文献6】米国特許第5,650,529号
【特許文献7】ドイツ特許出願公開第37 19 086号
【特許文献8】ヨーロッパ特許出願公開第282720号
【特許文献9】米国特許第6,240,929号
【特許文献10】米国特許第5,098,979号
【特許文献11】米国特許第5,153,294号
【特許文献12】米国特許第5,166,297号
【特許文献13】米国特許第5,602,224号
【特許文献14】米国特許第6,242,554号
【特許文献15】WO 02/10257
【特許文献16】WO 02/10259
【特許文献17】米国特許出願公開第2002/0103094号
【特許文献18】WO 03/78504
【発明の開示】
【0016】
従って、本発明の1つの目的は、布地そして他の天然および合成繊維性材料、例えば紙繊維、羊毛(wool)および毛(hair)などを処理するためのポリ第四級シロキサンブロック共重合体を提供することにあり、これは、シリコーンが典型的に示す柔らかさを示し、弾性が向上しておりかつしわになる傾向を低下させることに加えて、そのような材料または基質、好適には布地材料に親水性を与える度合が向上している。
【0017】
本発明のさらなる目的は、本発明の物質を布地に初期の仕上げを受けさせる系の一部として用いること、アニオン性および/または非イオン性界面活性剤が基になった洗濯洗剤系に入れる柔軟剤として用いること、繊維の洗浄を実施した後の繊維を処理する個別の柔軟剤系として用いること、不織物、例えば紙および布地など用の柔軟剤系の一部として用いること、布地のしわを防止するか或は伸ばすためのアイロンがけ補助剤および組成物として用いること、堅い表面、例えばガラス、セラミック、プラスチックなどの表面、例えば自動車などを処理する調合物の一部として用いること、そして髪および皮膚をトリートメントするための化粧品系の一部として用いることを記述することにある。
【0018】
驚くべきことに、式(I):
−[Q−V]− (I)
{式中、Qは、
−NR−、
−N+R2−
式:
【0019】
【化1】
【0020】
で表される飽和もしくは不飽和ジアミノ官能複素環、および式:
【0021】
【化2】
【0022】
で表される芳香ジアミノ官能複素環、式:
【0023】
【化3】
【0024】
で表される三価基、式:
【0025】
【化4】
【0026】
で表される三価基、または式
【0027】
【化5】
【0028】
で表される四価基
ここで、Rは、各場合とも、水素または一価有機基である、
から成る群から選択され、ここで、
Qは、カルボニルの炭素原子と結合しておらず、
Vは、V1、V2およびV3から成る群から選択され、ここで、
V2は、場合により−O−、−CONH−、
【0029】
【化6】
【0030】
−CONR2−、ここで、R2は、水素であるか、−O−、−NH−、−C(O)−および−C(S)−から選択される基を1個以上含有していてもよくかつ場合によりヒドロキシル基、場合により置換されていてもよい好適には窒素原子を1個以上含有する複素環式基、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アンモニウム、ポリエーテル基およびポリエーテルエステル基から成る群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい炭素原子数が100以下の一価の直鎖、環式もしくは分枝の飽和、不飽和または芳香炭化水素基であり、ここで、−CONR2基が複数存在する時にはそれらは同じまたは異なってもよい、−C(O)−および−C(S)から選択される基を1個以上含有していてもよい炭素原子数(以下に定義するポリシロキサン基Z2の炭素原子数は数えない)が1000以下の二価の直鎖、環式もしくは分枝の飽和、不飽和または芳香炭化水素基から選択されるが、
このV2基は、場合により、1個以上のヒドロキシル基および/または−Si(OR)3−a(R’)a、ここで、aは0から2の整数であり、そしてRおよびR’は、互いに同じまたは異なってもよく、各々、有機基である、で置換されていてもよく、かつ
このV2基は、式
【0031】
【化7】
【0032】
[式中、
R1は、同一もしくは異なってもよく、C1−からC22−アルキル、フルオロ(C1−C10)アルキル、C6−C10アリールおよび−W−Si(OR)3−a(R’)a、ここで、R、R’およびaは、各々、この上で定義した通りであり、そしてWは、−O−、または1個以上の−C(O)−、−O−、−NH−、−S−基を含有していてもよくかつ場合によりヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素原子数が100以下の二価の直鎖、環式もしくは分枝の飽和、不飽和または芳香炭化水素である、から成る群から選択され、そして
n1=20から1000である]
で表される−Z2−基を少なくとも1個含有し、
V1は、場合により−O−、−CONH−、
【0033】
【化8】
【0034】
−CONR2−、ここで、R2は、この上で定義した通りであり、ここで、V1基中のR2基とV2基中のR2基は同一もしくは異なってもよい、−C(O)−、−C(S)−および−Z1−、ここで、−Z1−は、式
【0035】
【化9】
【0036】
[式中、
R1は、この上で定義した通りであり、ここで、V1基中のR1基とV2基中のR1基は同一もしくは異なってもよく、そして
n2=0から19である]
で表される基である
から選択される基を1個以上含有していてもよい炭素原子数が1000以下の二価の直鎖、環式もしくは分枝の飽和、不飽和または芳香炭化水素基から選択され、かつ
このV1基は、場合により、1個以上のヒドロキシル基および/または−Si(OR)3−a(R’)a、ここで、aは0から2の整数であり、そしてRおよびR’は、互いに同じまたは異なってもよく、各々、有機基である、で置換されていてもよく、そして
V3は、場合により−O−、−CONH−、
【0037】
【化10】
【0038】
−CONR2−、ここで、R2は、この上で定義した通りである、−C(O)−、−C(S)−、−Z1−、ここでこれは、この上で定義した通りである、−Z2−、ここでこれは、この上で定義した通りである、およびZ3、ここで、Z3は、三価または結合価がそれ以上のオルガノポリシロキサン単位である、から選択される基を1個以上含有していてもよくかつ場合により1個以上のヒドロキシル基および/または−Si(OR)3−a(R’)a、ここで、aは0から2の整数であり、そしてRおよびR’は、互いに同じまたは異なってもよく、各々、有機基である、で置換されていてもよい炭素原子数が1000以下の三価または結合価がそれ以上の直鎖、環式もしくは分枝の飽和、不飽和または芳香炭化水素基であるが、但し
− 記述したポリシロキサン化合物が−Z1−、−Z2−または−Z3−基を少なくとも1個含有すること、
− 前記三価および四価のQ基のいずれかがQとVで形成される主鎖を分枝させる働きをすることで主鎖中の結合に働かない結合価が−[Q−V]−単位で形成されるさらなる分枝を提供するか(bears)或は三価および四価のQ基が線状主鎖内のV3基で飽和状態になっていることで分枝が形成されていないこと、および
− Q基中の少なくとも1個のR基がポリアルキレンオキサイド含有有機基R0であること、
を条件とし、そして
アンモニウム基の結果としてもたらされる正電荷が有機もしくは無機酸のアニオンで中和されている}
で表される繰り返し単位を有することを特徴とするポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物が上述した本目的を解決し得ることを見いだした。
【0039】
好適な態様における本発明のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物は、R0:Qのモル比が0.001から2、より好適には0.01から1、より好適には0.05から0.8であることを特徴とする。前記モル比が0.001未満であると親水性があまりにも低くなってしまう。0.05から0.8の範囲にすると柔らかさと親水性を最適に均衡させることができる。
【0040】
前記R0基は、好適には、式(III)
−X−E−Y (III)
{式中、
Xは、単結合、または場合により窒素および/または酸素を含有していてもよい炭素原子数が20以下の二価の直鎖、分枝もしくは環式炭化水素基であり、かつXは炭素原子を通してQの窒素原子と結合しており、
Eは、式
−[(CaH2a)O]y−
[式中、a=2から4、y=2から10000]
で表されるポリアルキレンオキサイド基であり、これは、炭素原子を通してX基と結合しておりかつ酸素原子を通してY基と結合しており、
Yは、水素、あるいは酸素および/または窒素および/またはハロゲンを含有していてもよくかつ炭素原子を通してE基と結合している炭素原子数が24以下の一価の直鎖、分枝もしくは環式の飽和、不飽和または芳香炭化水素基である}
で表される基である。
【0041】
R0は、好適には、−E−が式(IV):
【0042】
【化11】
【0043】
[ここで、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド単位をランダムおよびブロック配列で含有されていてもよく、そしてEとの結合はエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド単位を通した結合であってもよく、従って、基(IV)の例示は単に定量的であり、
v=0から200、
w=0から200、
v+w≧1である]
で表される基である式(III)で表される基である。
【0044】
その上、前記式(III)で表される基において、Yを好適にはHおよび直鎖、環式、分枝のC1−からC22−アルキル、アルケニル、アルキニル、フルオロ(C1−C10)アルキルおよびC6−C10アリール基から選択する。
【0045】
更に好適なアルキレンオキサイド単位R0は、好適には、構造:
【0046】
【化12】
【0047】
[ここで、
v=0から200、
w=0から200、
v+w≧1、
Y=Hまたは直鎖、環式、分枝のC1−からC22−アルキル、アルケニル、アルキニル、フルオロ(C1−C10)アルキルおよびC6−C10アリール基]
で表される。
【0048】
この上に示したポリアルキレンオキサイドの一般式において、好適には下記である:
vは0から100、より好適には0から70、特に0から40、非常に特に0から20であり、
wは0から100、より好適には0から70、特に0から40、非常に特に0から20であり、
Yは直鎖、環式、分枝のC1−からC12−アルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはC6−C10アリール基、特にメチル、エチル、イソプロピル、ブチル、ヘキシル、ドデシル、アリル、オレイル、フェニルである。
【0049】
更に好適なアルキレンオキサイド単位R0は、構造
−(C1−C12)−アルキレン−N+R2EY
[ここで、C1−C12−アルキレンは炭素原子数が1から12の直鎖、環式または分枝アルキレン単位であり、そしてR、EおよびYは各々この上で定義した通りである]
で表される。
【0050】
前記式(I)で表される単位を平均で少なくとも2個、好適には少なくとも3個、更により好適には少なくとも4個含有するポリシロキサン化合物では、R0単位が平均で少なくとも2個、より好適には少なくとも3個、更により好適には少なくとも4個存在しかつ平均で少なくとも1個のV1、V2および/またはV3単位が好適には単官能−Q−Rおよび/または−V−R基、即ち例えばアミノ基などで終結しているのが好適である。それは、QおよびVが有する2個の結合部位の中の一方がこの上で定義した如き一価のR基または水素で飽和されることで生じ、それを本明細書では以降VstまたはQstと呼ぶ。変化しなかった他の反応性基、例えばエポキシまたはハロアルキル基などがVstの代わりに存在することもあり得る。
【0051】
前記式(I)で表される単位を平均で少なくとも2個含有し、平均で少なくともR0単位および平均で少なくとも1個のV1、V2および/またはV3単位が存在する本発明のポリシロキサン化合物は、例えば一般式(I’):
−[Q−V]− (I’)
[式中、
Qは、この上で定義した通りであり、
Vおよび少なくとも1個のV1基またはV2基が存在し(V and at least
one V1 group or V2 group is,)、ここで、
V1およびV2は各々この上で定義した通りである]
で表される線状ポリシロキサン共重合体である。加うるに、Vはまた三価もしくは結合価がより高い、特に三価のV3基であってもよい。この場合には、また、この上で定義した如き三価もしくは四価のQ単位も存在させるのが好適であり、そのような三価または結合価がより高いV3基および三価もしくは四価のQ単位の飽和が好適にはもっぱら互いの間で線状主鎖内で達成されることで以下により詳細に説明する如き環式構造物を生じさせる。しかしながら、このケースはあまり好適ではない。
【0052】
一般式(I)または(I’)において、ポリシロキサン化合物におけるV1とV2基のモル比V2/V1は原則として如何なる値も取り得る。従って、本発明は、また、式(I)または(I’)で表されるポリシロキサン化合物がV2単位のみを含有するケースも包含する、即ちそのようなポリシロキサン化合物は式−[Q−V2]−で表される。また、ポリシロキサン化合物がV1単位のみを含有するケースも本発明に含まれる。しかしながら、このケースでは、V1単位がZ1−シロキサン単位を含有していなければならない。
【0053】
しかしながら、本発明の好適な態様における式(I)または(I’)で表されるポリシロキサン化合物はV2単位とV1単位の両方を含有する。
【0054】
本発明の更に好適な態様では、一般式(I)および(I’)で表されるポリシロキサン化合物におけるV1基とV2基のモル比は下記である:
V2/V1=1
式(I)または(I’)で表される線状ポリシロキサン化合物のさらなる態様では、V2/V1が1に相当せず、V2/V1が好適には<1、より好適には<0.9であり、更により好適にはV2/V1が関係
0.0005<V2/V1<0.5、
更により好適には、
0.0005<V2/V1<0.3、
を満足させる。
【0055】
R基を好適にはR2基から選択する。
【0056】
Qの好適な態様は下記である:
式
【0057】
【化13】
【0058】
で表される基の場合には構造
【0059】
【化14】
【0060】
で表される第四級イミダゾール単位、構造
【0061】
【化15】
【0062】
で表される第四級ピラゾール単位、式
【0063】
【化16】
【0064】
で表される基の場合には構造
【0065】
【化17】
【0066】
で表されるジ第四級ピペラジン単位、式
【0067】
【化18】
【0068】
で表される基の場合には構造
【0069】
【化19】
【0070】
で表されるモノ第四級ピペラジン単位、および構造
【0071】
【化20】
【0072】
で表されるモノ第四級ピペラジン単位、式
−N+R2−
で表される基の場合には構造
【0073】
【化21】
【0074】
で表されるジ第四級単位、構造
【0075】
【化22】
【0076】
で表されるモノ第四級単位、構造
【0077】
【化23】
【0078】
で表されるジ第四級単位、および構造
【0079】
【化24】
【0080】
で表されるモノ第四級単位、式
−NR−
で表される基の場合には構造
【0081】
【化25】
【0082】
で表されるモノ第四級単位、構造
【0083】
【化26】
【0084】
で表されるモノ第四級単位、
ここで、
tは、2から10であり、
Rは、この上で定義した通りであり、好適にはR2であり、R2はこの上で定義した通りであり、そしてR2の定義は、この上に示したR2基の定義と同じまたは異なってもよく、
R3は、R2で定義した通りであり、ここで、R2とR3は同じまたは異なってもよいか、或は
R2とR3が正に帯電している窒素原子と一緒になって場合により追加的に窒素、酸素および/または硫黄原子を1個以上有していてもよい5員から7員の複素環を形成しており、
R5、R6、R7は、同じまたは異なってもよく、H、ハロゲン、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、チオール基、カルボキシル基、アルキル基、モノヒドロキシアルキル基、ポリヒドロキシアルキル基、チオアルキル基、シアノアルキル基、アルコキシ基、アシル基、アセチルオキシ基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基および−NHRw型、ここで、RwはH、アルキル基、モノヒドロキシアルキル基、ポリヒドロキシアルキル基、アセチル基、ウレイド基である、で表される基から成る群から選択され、隣接して位置するR5、R6、R7基の中の2つがこれらが結合している炭素原子と一緒になって複素環を形成している場合には、各場合とも、5員から7員の芳香環を形成していてもよく、そして
R8は、R2で定義した通りであり、ここで、R8とR2は同じまたは異なってもよい。特に、R8はポリオキシアルキレン含有基であってもよく、その場合には、R0含有Q基が形成される。
【0085】
Qが式
【0086】
【化27】
【0087】
で表される三価基または四価基
【0088】
【化28】
【0089】
である場合、式(I’)で表される線状共重合体の中のそれらの基は、上述したように、好適には、ポリシロキサン共重合体を分枝させる働きをせず、それらの基はむしろもっぱら特に三価のV3基と結合して線状主鎖の一部である環式構造、例えば式:
【0090】
【化29】
【0091】
で表される構成要素を形成している。
【0092】
式(I)または(I’)で表されるポリシロキサン化合物の好適な態様におけるV2は、式
−V2*−Z2−V2*−
[式中、Z2は、この上に定義した通りであり、そしてV2*は、場合により−O−、−CONH−、−CONR2−、ここで、R2は、この上で定義した通りである、−C(O)−および−C(S)−から選択される基を1個以上含有していてもよい炭素原子数が4
0以下の二価の直鎖、環式もしくは分枝の飽和、不飽和または芳香炭化水素基であり、かつこのV2*基は場合により1個以上のヒドロキシル基で置換されていてもよい]
で表される基である。
【0093】
上述した態様における本発明の線状ポリシロキサン共重合体は下記の繰り返し単位:
−[V2*−Z2−V2*−Q]−
を好適には−[V1−Q]−と一緒に持ち得る。
【0094】
繰り返し単位−[V2*−Z2−V2*−Q]−と−[V1−Q]−のモル比、即ちV2/V1比は、上述したように、約1であってもよいが、1つの態様では、好適には1に相当せず(unequal to 1)、より好適には>1、更により好適には>1から1.5未満である。親水性R0側鎖を櫛の形態で導入すると、柔軟特性に貢献するV2基の比率を親水性を等しくしながら高くすることが可能になる。逆に、柔軟用V2基の比率を一定にした場合、R0基を導入することによって親水性を高くすることができる。
【0095】
上述した線状ポリシロキサン共重合体を製造する方法に関連して以下に詳細に説明するように、製造方法に応じて2個以上の−[V1−Q]−単位が互いに結合しているブロック配列を規則的に(regularly)V2−Q単位と結合させることができるか或は不規則に(irregularly)V2−Q単位と結合させることができる。
【0096】
このことは下記を意味する:
規則的化合物(regular compound)、例えば−Q−[V1−Q]x−基に相当するプレポリマーとV2に相当する単量体単位を1:1のモル比で反応させた規則的化合物などの場合の線状ポリシロキサン共重合体は下記で表され得る:
−{V2−Q−[V1−Q]x−}y−。
【0097】
前記式中、xは2から2000であってもよく、これは分散度の平均であり、そしてyも同様に平均であり、2から1000である。
【0098】
従って、一般に、本発明のポリシロキサン重合体は好適には式
−[Q−V]y’−
[式中、y’は2から1000、より好適には3から500、更により好適には4から200である]
で表される。
【0099】
式−{V2−Q−[V1−Q]x−}y−で表される線状ポリシロキサン共重合体は、互いに結合している−V2−Q−単位を本質的に持たない、言い換えれば、2個の−V2−Q−単位の間に常に−V1−Q−単位が少なくとも1個存在することを特徴とする。
【0100】
不規則的化合物(irregular compound)、例えばQ単位に相当する単量体とV1に相当する単量体単位とV2に相当する単量体単位をQ/(V1+V2)[ここで、例えばV2/V1>1]の比率で反応させた不規則的化合物などの場合の線状ポリシロキサン共重合体は下記で表され得る:
−Q−(V1,V2)−
[式中、VにおけるV2/V1比は>1である]。この場合、V1とV2基は共重合体鎖全体に渡って無作為に分布している。このような共重合体は、前記規則的化合物を用いて生じさせた線状ポリシロキサン共重合体とは対照的に、また、隣接する−Q−V2−単位も持ち得る。
【0101】
本発明に従って用いる式(I)または(I’)で表されるポリシロキサン化合物の好適
な態様では、V1基を、場合により−O−、−CONH−、
【0102】
【化30】
【0103】
−CONR2、ここで、R2は、この上で定義した通りである、−C(O)−、−C(S)−および−Z1−、ここで、−Z1−は、式
【0104】
【化31】
【0105】
(式中、
R1は、場合により1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいC1−C18アルキルまたはフェニルであり、そしてn2はこの上で定義した通りである)
で表される基である
から選択される基を1個以上含有していてもよい炭素原子数が600以下、好適には400以下の二価の直鎖、環式もしくは分枝の飽和、不飽和もしくは芳香炭化水素基から選択する。
【0106】
式(I)または(I’)で表されるポリシロキサン化合物の更に好適な態様では、Q基を
【0107】
【化32】
【0108】
ここで、R2は、好適にはHまたはアルキル、好適には炭素原子数が1から6のアルキルであり、そしてR3は、好適にはH、アルキル、好適には炭素原子数が1から6のアルキル、またはR0である、
から選択する。
【0109】
式(I)および(I’)において、好適には、
R1=C1−からC18−アルキル、特にメチル、エチル、トリフルオロプロピルおよびフェニル、
n1=20から400、より好適には20から300、特に20から200。更に好適な態様におけるn1は20から50または80から200の範囲である。数n1は、Z2基中のジオルガノシロキシ単位のMnからの平均重合度である。
【0110】
n2=0から15、より好適には0から10、特に0から5、より特別には0。数n2は、Z1基中のジオルガノシロキシ単位のMnからの平均重合度である。
【0111】
より好適には、
【0112】
【化33】
【0113】
は−NH2+−、−N(CH3)2+−、−(NHR0)+−である、
V2*は、−O−、−CONH−、−CONR2−、ここで、R2は、この上で定義した通りである、−C(O)−、−C(S)−から選択される基を1個以上含有していてもよくかつ1個以上のヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素原子数が16以下の二価の直鎖、環式もしくは分枝の飽和、不飽和または芳香炭化水素基である。更により好適には、−V2*−を下記の式の群から選択する:
【0114】
【化34】
【0115】
−(CH2)2−、−(CH2)3−、−(CH2)4−、−(CH2)5−、−(CH2)6−、
−CH=CHCH2−、−CH=CHCH2CH2−、
−CH2CH2CH2OC(O)CH2−、−CH2CH2CH2OC(O)CH2CH2−、
−CH=CHCH2OC(O)CH2−、−CH=CHCH2OC(O)CH2CH2−、
【0116】
【化35】
【0117】
−(CH2)3−、−(CH2)4−、−(CH2)5−、−(CH2)6−、
−CH=CHCH2−、−CH=CHCH2CH2−、
−CH2CH2CH2OC(O)CH2−、−CH2CH2CH2OC(O)CH2CH2−
【0118】
V1は、好適には、下記である:
・ −R9−、ここで、R9は、炭素原子数が2から25の二価の飽和または一不飽和もしくは多不飽和の直鎖または分枝炭化水素基である
・ −(CH2)uC(O)O−[(CH2CH2O)q−(CH2CH(CH3)O)r]−C(O)(CH2)u−
・ −(CH2)uC(O)O−R9−O−C(O)(CH2)u−、ここで、R9は定義した通りである
・ −(CH2)u−R10−(CH2)u−、ここで、R10は芳香基である
・ −[CH2CH2O]q−[CH2CH(CH3)O]r−CH2CH2−
・ −CH(CH3)CH2O[CH2CH2O]q−[CH2CH(CH3)O]r−CH2CH(CH3)−
・ −CH2CH(OH)CH2−
・ −CH2CH(OH)(CH2)2CH(OH)CH2−
・ −CH2CH(OH)CH2OCH2CH(OH)CH2OCH2CH(OH)CH2−および
・ −CH2CH(OH)CH2O−[CH2CH2O]q−[CH2CH(CH3)O]r−CH2CH(OH)CH2−
ここで、
uは、1から3であり、
qおよびrは、0から200、好適には0から100、より好適には0から70、特に好適には0から40であり、そして
q+r>0である。
【0119】
V1の好適な変形は下記の式で表される構造物である:
−CH2C(O)O−[CH2CH2O]q−[CH2CH(CH3)O]r−C(O)CH2−、
−CH2CH2C(O)O−[CH2CH2O]q−[CH2CH(CH3)O]r−C(O)CH2CH2−、
−CH2CH2CH2C(O)O−[CH2CH2O]q−[CH2CH(CH3)O]r−C(O)CH2CH2CH2−、
エステル化アルキレン、アルケニレン、アルキニレン単位、特に下記の構造物
−CH2C(O)O−[CH2]o−OC(O)CH2−、
−CH2CH2C(O)O−[CH2]o−OC(O)CH2CH2−、
−CH2CH2CH2C(O)O−[CH2]o−OC(O)CH2CH2CH2−
−CH2C(O)O−CH2C≡CCH2−OC(O)CH2−、
−CH2CH2C(O)O−CH2C≡CCH2−OC(O)CH2CH2−、
−CH2CH2CH2C(O)O−CH2C≡CCH2−OC(O)CH2CH2CH2−、
−CH2C(O)O−CH2CH=CHCH2−OC(O)CH2−,
−CH2CH2C(O)O−CH2CH=CHCH2−OC(O)CH2CH2−、
−CH2CH2CH2C(O)O−CH2CH=CHCH2−OC(O)CH2CH2CH2−、
アルキレン、アルケニレン、アルキニレンおよびアリール単位、特に下記の構造物:
−[CH2]o−、
ここで、o=2から6
−CH2C≡CCH2−、−CH2CH≡CHCH2−、−CH(CH3)CH2CH2−、
【0120】
【化36】
【0121】
ポリアルキレンオキサイド単位、特に下記の構造物
−[CH2CH2O]q−[CH2CH(CH3)O]r−CH2CH2−、
−CH(CH3)CH2O[CH2CH2O]q−[CH2CH(CH3)O]r−CH2CH(CH3)−、
モノ、ジもしくはポリヒドロキシ官能単位、特に下記の構造物
−CH2CH(OH)CH2−、−CH2CH(OH)(CH2)2CH(OH)CH2−、
−CH2CH(OH)CH2OCH2CH(OH)CH2OCH2CH(OH)CH2−、
−CH2CH(OH)CH2O−[CH2CH2O]q−[CH2CH(CH3)O]r−CH2CH(OH)CH2−、
ここで、
q=0から200、
r=0から200。
【0122】
好適には、q=1から50、特に2から50、特別には1から20、非常に特別には1から10、そして1または2、r=0から100、特に0から50、特別には0から20、非常に特別には0から10、そして0または1または2。
【0123】
本発明のポリシロキサンの調製は、例えば、
a)ポリアルキレンオキサイド基を含有する第一級アミンおよび場合によりさらなるアミン化合物をアミノ反応性ポリシロキサン含有化合物および場合によりさらなるアミノ反応性化合物と反応させるか、或は
b)ポリアミノ−ポリシロキサン共重合体(出発)化合物が有するアミノ基にアルキル化をポリアルキレンオキサイド基を含有するアルキル化剤を用いて受けさせる、
方法を用いて実施可能である。
【0124】
出発化合物の化学量(stoichiometry)を適切に選択することで本発明の化合物におけるV1、V2、R0基の比率を調節することができる。
【0125】
V1を導入する適切な単量体は、例えば内部V1単位を有するアルファ,オメガ−ジアミン、例えばアルキレンジアミンまたはジアミノポリエーテルなどである。それらを例えばV2および/またはR0基を含有するアミノ反応性単量体、例えばジエポキシポリシロキサン化合物、ジハロアルキルポリシロキサン化合物、モノアミノポリエーテルなどと反応させる。別法として、また、ジハロアルキル化合物、ジエポキシド化合物または混合基を有する化合物をV2、R0基またはさらなるV1基を導入するアミノ官能性単量体と反応させることでV1を導入することも可能である。
【0126】
そのような調製に関しては、例えばWO 02/10257が参考になり得る。
【0127】
一般式(I)で表される本発明のポリシロキサンに分枝単位V3を含有させることも可能である。V3は、場合により−O−、−CONH−、−CONR2−、ここで、R2は、この上で定義した通りである、−C(O)−、−C(S)−、−Z1−、これは、この上で定義した通りである、−Z2−、これは、この上で定義した通りである、およびZ3、ここで、Z3は、三価または結合価がより高いオルガノポリシロキサン単位である、から選択される基を1個以上含有していてもよい炭素原子数が1000以下の三価または結合価がより高い直鎖、環式もしくは分枝の飽和、不飽和または芳香炭化水素基である。この分枝用(branching)単位V3はシリコーンを含有していなくてもよい。それの例には下記が含まれる:
【0128】
【化37】
【0129】
[ここで、a、bおよびcは、同一もしくは異なってもよく、1から40であってもよい]、
【0130】
【化38】
【0131】
【化39】
【0132】
【化40】
【0133】
[ここで、v+w≧0、ここで、エチレンオキサイド単位とプロピレンオキサイド単位の配列はランダムまたはブロックであってもよく、そしてエチレンオキサイド単位およびプロピレンオキサイド単位によるQとの結合は炭素原子を通した結合であってもよい]。
【0134】
分枝用単位V3は、三価または結合価がより高いオルガノポリシロキサン単位、例えば
【0135】
【化41】
【0136】
[ここで、R1は、この上で定義した通りであり、m=0から1000、そしてm1≧1およびm2≧3]
【0137】
【化42】
【0138】
[ここで、R1は、各場合とも、この上で定義した通りである]
などを含有していてもよい。
【0139】
Z3含有分枝用単位V3の一例は例えば下記である:
【0140】
【化43】
【0141】
本発明のポリシロキサンはR0単位を含有するが、これを好適には第一級、第二級もしくは第三級モノアミノ官能化ポリアルキレンオキサイドに反応性官能化シロキサン前駆体を用いたアルキル化反応を適切に受けさせることで前記重合体に結合させる。Mシリーズ(Huntsman Corp.)のモノ第一級官能化Jeffamine(商標)の使用が好適である。
【0142】
好適な態様では、この上に示した反応で最初に第一級モノアミノ官能化ポリアルキレンオキサイドに反応性官能化シロキサン、好適にはエポキシシロキサンを用いたアルキル化を受けさせることで第三級アミンを生じさせる。その前駆体を次の重合体生成反応でシロキサンのブロック共重合体に結合させる。別の好適な変法では、この上に示した反応を実施しないで、第一級モノアミノ官能化ポリアルキレンオキサイドを重合体生成反応で直接用いることも可能である。
【0143】
あまり好適ではないが、シロキサンブロック重合体をポリアルキレンオキサイド単位で制御した様式で終結させる必要がある場合の出発材料は第二級もしくは第三級アミノ官能化ポリアルキレンオキサイド単位であってもよい。それらを直接入手することができない時には、第一級モノアミノ官能化ポリアルキレンオキサイドとアルキル化剤、例えばモノエポキシド、例えばイソプロピルグリシジルエーテルなどまたは硫酸ジメチルを前以て反応させておくことを通して、それらの調製を行うことも可能である。
【0144】
親水性を制御した様式で向上させる目的で、単官能的に結合する(monofunctionally attached)親水性要素R0を本発明のポリ第四級ポリシロキサン共重合体に導入する。それによって、本発明のポリシロキサン共重合体自身が向上した親水性を示すことで例えば水中でより高い安定性を示すエマルジョンを生じるようになり、かつ本発明のポリシロキサン共重合体で処理した基質が親水性を示す度合が高くなることで例えば水分吸収性の向上がもたらされる。
【0145】
単官能的に結合する親水性単位を本質的に公知のポリシロキサン第四級交互ブロック共重合体(ドイツ特許出願公開第3340708号、米国特許第6240929号、EP 282720、ドイツ特許出願公開第10036533号)に導入することは本発明の範囲内である。
【0146】
単官能的に結合する親水性単位を主重合体鎖に導入することを公知の二官能親水性単位を導入すること(WO 02/10257、WO 02/10259)を組み合わせることは本発明の範囲内である。
【0147】
また、単官能的に結合する親水性単位を主重合体鎖に導入することを三官能および官能性がより高い単位を導入(同様に公知である)すること(WO 03/078504)を組み合わせることも本発明の範囲内である。
【0148】
また、単官能的に結合する親水性単位を主重合体鎖に導入することを高電荷のオリゴマー化第四級構造物を導入(同様に公知である)すること(WO 2004/041912、WO 2004/042136)を組み合わせることも本発明の範囲内である。
【0149】
また、単官能的に結合する親水性単位を主重合体鎖に導入することを反応性単位を導入(同様に記述されている)すること(出願PCT/EP 2004/050472)を組み合わせることも本発明の範囲内である。そのような反応性基には下記の式で表される基が含まれる:
【0150】
【化44】
【0151】
[式中、「a」は、0から2の整数であり、そしてRおよびR’は、同一もしくは異なってもよく、各々、有機基である]。この挙げた反応性基を、本発明に従い、PCT/EP
2004/050472に詳述されているようにして、VまたはQに相当する単位を通して導入することができる。好適な態様では、例えば、式NR2−(C1−C12)アルキレン−Si(OR)3−a(R’)a[式中、Rは、この上で定義した通りである]で表される第一級もしくは第二級アミンを同様にPCT/EP 2004/050472に詳細に説明されているようにして用いることで−Si(OR)3−a(R’)a基を導入することができる。次に、その反応性−Si(OR)3−a(R’)a基を繰り返し単位Q上に位置させる。
【0152】
単官能的に結合する親水性単位の導入を多数の上述した概念と組み合わせることも同様に本発明の範囲内である。
【0153】
本発明の第四級アンモニウム化合物は25℃で固体または液体であり得る。それらが25℃で液体の場合に記述するポリシロキサンの粘度は、好適にはD=1秒−1のせん断速度において25℃で500から50000000mPa.s、25℃で好適には1000から2500000mPa.sの範囲である。
【0154】
本発明は、更に、本発明の化合物を繊維の処理または繊維の仕上げで用いることにも関する。
【0155】
本発明は、更に、本発明の化合物を布地および他の天然および合成繊維性材料(紙、毛および羊毛を包含)の初期仕上げおよび処理で用いることにも関する。
【0156】
本発明の化合物は、同様に、繊維予備処理用の組成物、特に非イオン性および/またはアニオン性界面活性剤が入っている洗浄用組成物調合物に入れて布地および他の天然および合成繊維性材料を処理する時に用いるにも適する。この目的で、本発明の化合物を洗浄用組成物の中に直接混合してもよいか或はさもなければ個別に計量して実施中の洗浄工程に導入することも可能である。本発明の化合物を洗浄工程で用いると、結果として、その処理した基質にシリコーンに典型的な柔らかさ、向上した弾性および低下したしわ傾向が与えられると同時に受け入れられる親水性が維持される。
【0157】
その上、本発明の化合物は、繊維および布地を洗浄した後の個別の柔軟剤系の一部、アイロンがけ補助剤および布地のしわを防止または伸ばすための組成物として用いることも可能である。
【0158】
本発明は、更に、本発明の化合物を堅い表面、例えばガラス、セラミック、タイル、プラスチック表面、金属表面、塗装表面、特に自動車車体の処理および仕上げ、非常に特別には洗車機の乾燥機用調合物で用いることにも関する。
【0159】
また、本発明の配合物を髪および皮膚をトリートメントするための化粧品系に導入することも可能である。
【0160】
本発明は、更に、本発明の少なくとも1種のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物およびまた場合により1種以上の界面活性剤および場合により1種以上の無窒素ポリシロキサン化合物を含有して成る水性エマルジョン、およびこの記述した水性エマルジョンを上述した用途の中の1つで用いることにも関する。
【実施例】
【0161】
実施例1
(単官能的に結合する親水性単位の導入を二官能親水性単位の導入と組み合わせて実施する)
500mlの3つ口フラスコに最初に構造
【0162】
【化45】
【0163】
で表されるシロキサンエポキシドを173.7g(30ミリモル)、構造
H2N[CH(CH3)CH2O]3(CH2CH2O)19CH3
で表される単官能アミノポリエーテルJeffamine(商標)M 1000を4.17g(4ミリモル)および2−プロパノールを30ml仕込んだ後、撹拌しながら80℃に6時間加熱する。この混合物に構造
H2NCH(CH3)CH2[OCH2CH(CH3)]a(OCH2CH2)38.7[OCH2CH(CH3)]bNH2
[ここで、a+b=6]
で表される二官能アミノポリエーテルJeffamine(商標)ED 2003が8.51g(4ミリモル)でN,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミンが3.79g(22ミリモル)で酢酸が1.68g(28ミリモル)でドデカン酸が5.6g(28ミリモル)で2−プロパノールが6mlで脱イオン水が24mlの混合物を加える。その混合物全体を80℃に8時間加熱すると、その反応過程で透明になりかつオレンジ−褐色に変わった。下記の構成要素:
【0164】
【化46】
【0165】
[V1、V2、QおよびR0は、例として、式(I)で表される繰り返し単位または基を示す]
を有する重合体を250g得る。
【0166】
実施例2
(単官能的に結合する親水性単位の導入を重合体末端停止と組み合わせて実施する)
500mlの3つ口フラスコに最初に構造
【0167】
【化47】
【0168】
で表されるシロキサンエポキシドを156.33g(27ミリモル)、構造
H2N[CH(CH3)CH2O]3(CH2CH2O)19CH3
で表される単官能アミノポリエーテルJeffamine(商標)M 1000を6.25g(6ミリモル)および2−プロパノールを30ml仕込んだ後、撹拌しながら80℃に6時間加熱する。この混合物にイソプロピルグリシジルエーテルを0.7g(6ミリモル)加える。次に、その混合物にN,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミンが4.14g(24ミリモル)で酢酸が1.62g(27ミリモル)でドデカン酸が5.4g(27ミリモル)で2−プロパノールが6mlで脱イオン水が24mlの混合物を加える。その混合物全体を80℃に8時間加熱する。明褐色からオレンジ色の溶液を214g得る。この重合体は下記の構成要素を含有する:
【0169】
【化48】
【0170】
実施例3
(単官能的に結合する親水性単位の導入を二官能親水性単位および分枝用親水性単位の導入と組み合わせて実施する)
500mlの3つ口フラスコに最初に構造
【0171】
【化49】
【0172】
で表されるシロキサンエポキシドを173.7g(30ミリモル)、構造
H2N[CH(CH3)CH2O]3(CH2CH2O)19CH3
で表される単官能アミノポリエーテルJeffamine(商標)M 1000を4.17g(4ミリモル)および2−プロパノールを30ml仕込んだ後、撹拌しながら80℃に6時間加熱する。この混合物に構造
H2NCH(CH3)CH2[OCH2CH(CH3)]a(OCH2CH2)38.7[OCH2CH(CH3)]bNH2
[ここで、a+b=6]
で表される二官能アミノポリエーテルJeffamine(商標)ED 2003が6.38g(3ミリモル)で構造
【0173】
【化50】
【0174】
[ここで、a+b+c=50]
で表される三官能アミノポリエーテルJeffamine(商標)T3000が2.1g(0.66ミリモル)でN,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミンが3.79g(22ミリモル)で酢酸が1.68g(28ミリモル)でドデカン酸が5.6g(28ミリモル)で2−プロパノールが6mlで脱イオン水が24mlの混合物を加える。その混合物全体を80℃に8時間加熱する。オレンジ−褐色の溶液を237.3g得る。この重合体は下記の構成要素を含有する:
【0175】
【化51】
【0176】
実施例4
(単官能的に結合する親水性単位の導入を二官能親水性単位および反応性単位の導入と組み合わせて実施する)
4a)ウレトジオン含有ジ第三級アミンの調製
100mlの3つ口フラスコの中で10.17gの酢酸メトキシプロピルに4.36g(9.8ミリモル)の構造
【0177】
【化52】
【0178】
で表されるイソホロンジイソシアネート二量体を30から40℃で溶解させる。撹拌を行いながら2g(19.6ミリモル)のN,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミンを2
0分以内に滴下したが、この間に温度が70から80℃に上昇する。冷却を行うと結果として相分離が起こる。2−プロパノールを1.24g添加すると室温で透明な溶液が生じる。このアミノ修飾イソホロンジイソシアネート二量体は構造
【0179】
【化53】
【0180】
で表される。
実施例4b)
500mlの3つ口フラスコに最初に構造
【0181】
【化54】
【0182】
で表されるシロキサンエポキシドを173.7g(30ミリモル)、構造
H2N[CH(CH3)CH2O]3(CH2CH2O)19CH3
で表される単官能アミノポリエーテルJeffamine(商標)M 1000を4.17g(4ミリモル)および2−プロパノールを30ml仕込んだ後、撹拌しながら82−84℃に5時間加熱する。この混合物に構造
H2NCH(CH3)CH2[OCH2CH(CH3)]a(OCH2CH2)38.7[OCH2CH(CH3)]bNH2
[ここで、a+b=6]
で表される二官能アミノポリエーテルJeffamine(商標)ED 2003が8.51g(4ミリモル)でN,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミンが3.41g(19.8ミリモル)で酢酸が1.68g(28ミリモル)でドデカン酸が5.6g(28ミリモル)で2−プロパノールが6mlで脱イオン水が24mlの混合物を加える。次に、その混合物に実施例4aに従うウレトジオン含有ジ第三級アミンを4g(2.2ミリモル)加えた後、その混合物全体を82−84℃に8時間加熱する。生成物を250g得る。この重合体は下記の構成要素を含有する:
【0183】
【化55】
【0184】
実施例5
(単官能的に結合する親水性単位の導入に加えて第四級アンモニウム基を鎖に一体化させる)
実施例5a)クロロ酢酸エステルの調製
最初に窒素下室温20℃でモル質量分布(molar mass−distributed)オクタエチレングリコールモノアリルエーテルを205.3g(0.5モル)仕込む。撹拌を激しく行いながら63.4g(0.55モル)の塩化クロロアセチルを20分以内に滴下する。この滴下中に温度が67℃に上昇しかつHClの激しい発生が始まる。この滴下が終了した後の混合物を120℃に1時間加熱する。最後に、20hPaにおいて120℃以下で沸騰する成分の全部を留出させた。構造
ClCH2C(O)O(CH2CH2O)8CH2CH=CH2
で表される淡黄色のエステルを246g得た。
実施例5b)
500mlの3つ口フラスコに最初に構造
【0185】
【化56】
【0186】
で表されるシロキサンエポキシドを173.7g(30ミリモル)、N,N−ジメチルプロピレンジアミンを0.92g(9ミリモル)および2−プロパノールを100ml仕込んだ後、撹拌しながら82−84℃に5時間加熱する。次に、実施例5aに従うクロロ酢酸エステルを4.38g(9ミリモル)滴下した後、その混合物を82−84℃に更に5時間加熱する。この混合物にN,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミンが3.62g(21ミリモル)で酢酸が1.26g(21ミリモル)でドデカン酸が4.2g(21ミリモル)で2−プロパノールが6mlで脱イオン水が24mlの混合物を加える。この混合物全体を82−84℃に8時間加熱する。二相生成物を361g得る。この重合体は下記の構造特徴物を含有する:
【0187】
【化57】
【0188】
実施例6
(単官能的に結合する親水性単位の導入)
500mlの3つ口フラスコに最初に構造
【0189】
【化58】
【0190】
で表されるシロキサンエポキシドを184.5g(15ミリモル)、構造
H2N[CH(CH3)CH2O]10(CH2CH2O)32CH3
で表される単官能アミノポリエーテルJeffamine(商標)M 2070を6.25g(3ミリモル)およびジプロピレングリコールモノブチルエーテルを20g仕込んだ後、100から103℃に6時間加熱する。この混合物にN,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミンが2.07g(12ミリモル)で酢酸が0.9g(15ミリモル)でドデカン酸が3.0g(15ミリモル)でジプロピレングリコールモノブチルエーテルが5.5gで脱イオン水が9.25mlの混合物を加える。その混合物全体を100−103℃に10時間加熱する。下記の構成要素を有する重合体が87.3%入っている溶液を210g得る:
【0191】
【化59】
【0192】
本発明ではない実施例7
(二官能的に組み込まれる親水性単位の導入)
500mlの3つ口フラスコに最初に構造
【0193】
【化60】
【0194】
で表されるシロキサンエポキシドを184.5g(15ミリモル)仕込む。この混合物に構造
H2NCH(CH3)CH2[OCH2CH(CH3)]a(OCH2CH2)38.7[OCH2CH(CH3)]bNH2
[ここで、a+b=6]
で表される二官能アミノポリエーテルJeffamine(商標)M 2003が6.38g(3ミリモル)でN,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミンが2.07g(12ミリモル)で酢酸が0.9g(15ミリモル)でドデカン酸が3.0g(15ミリモル)でジプロピレングリコールモノブチルエーテルが25.5gで脱イオン水が9.25mlの混合物を加える。その混合物全体を100−103℃に10時間加熱する。下記の構成要素を有する重合体が86%入っている溶液を205g得る:
【0195】
【化61】
【0196】
実施例8
(ミクロエマルジョン)
下記の20%ミクロエマルジョンを調製する:
【0197】
【表1】
【0198】
実施例9
(布地仕上げ)
漂白綿テリー織布に実施例8に従うミクロエマルジョン1および2を用いた仕上げをPolymat(Mathis)内でその布地に指定された条件で下記の境界条件下で受けさせる:
【0199】
【表2】
【0200】
水分含有量を調整する目的で、綿テリー織布の2つの試験片を大気条件下で24時間貯蔵する。
【0201】
柔軟さ
ミクロエマルジョン1および2を用いた仕上げを受けさせたテリー織布試験片の手触りを4人の被験者に比較してもらった。その被験者のいずれも有意な差を検出することがで
きなかった。
【0202】
親水性
前記テリー織布表面に50μlの水滴を置いて、それらが染み込むまでの時間を秒で測定する。
【0203】
【表3】
【0204】
これらの結果は、材料のアルキレンオキサイド含有量が匹敵する場合には単官能的に結合するアルキレンオキサイド単位を制御して用いると手触り特性に注目すべきほどの悪影響を及ぼすことなく親水性が有意に向上し得ることを示している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物であって、式(I):
−[Q−V]− (I)
{式中、Qは、
−NR−、
−N+R2−
式:
【化1】
で表される飽和もしくは不飽和ジアミノ官能複素環、および式:
【化2】
で表される芳香ジアミノ官能複素環、式:
【化3】
で表される三価基、式:
【化4】
で表される三価基、または式
【化5】
で表される四価基、
ここで、Rは、各場合とも、水素または一価有機基である、
から成る群から選択され、ここで、
Qは、カルボニルの炭素原子と結合しておらず、
Vは、V1、V2およびV3から成る群から選択され、ここで、
V2は、場合により−O−、−CONH−、
【化6】
−CONR2−、ここで、R2は、水素であるか、−O−、−NH−、−C(O)−および−C(S)−から選択される基を1個以上含有していてもよくかつ場合によりヒドロキシル基、場合により置換されていてもよい好適には窒素原子を1個以上含有する複素環式基、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アンモニウム、ポリエーテル基およびポリエーテルエステル基から成る群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい炭素原子数が100以下の一価の直鎖、環式もしくは分枝の飽和、不飽和または芳香炭化水素基であり、ここで、−CONR2基が複数存在する時にはそれらは同じまたは異なってもよい、−C(O)−および−C(S)から選択される基を1個以上含有していてもよい炭素原子数(以下に定義するポリシロキサン基Z2の炭素原子数は数えない)が1000以下の二価の直鎖、環式もしくは分枝の飽和、不飽和または芳香炭化水素基から選択されるが、
このV2基は、場合により、1個以上のヒドロキシル基および/または−Si(OR)3−a(R’)a、ここで、aは0から2の整数であり、そしてRおよびR’は、互いに同じまたは異なってもよく、各々、有機基である、で置換されていてもよく、かつ
このV2基は、式
【化7】
[式中、
R1は、同一もしくは異なってもよく、C1−からC22−アルキル、フルオロ(C1−C10)アルキル、C6−C10アリールおよび−W−Si(OR)3−a(R’)a、ここで、R、R’およびaは、各々、この上で定義した通りであり、そしてWは、−O−、または1個以上の−C(O)−、−O−、−NH−、−S−基を含有していてもよくかつ場合によりヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素原子数が100以下の二価の直鎖、環式もしくは分枝の飽和、不飽和または芳香炭化水素である、から成る群から選択され、そして
n1=20から1000である]
で表される−Z2−基を少なくとも1個含有し、
V1は、場合により−O−、−CONH−、
【化8】
−CONR2−、ここで、R2は、この上で定義した通りであり、ここで、V1中のR2基とV2中のR2基は同一もしくは異なってもよい、−C(O)−、−C(S)−および−Z1−、ここで、−Z1−は、式
【化9】
[式中、
R1は、この上で定義した通りであり、ここで、V1中のR1基とV2中のR1基は同一もしくは異なってもよく、そして
n2=0から19である]
で表される基である
から選択される基を1個以上含有していてもよい炭素原子数が1000以下の二価の直鎖、環式もしくは分枝の飽和、不飽和または芳香炭化水素基から選択され、かつ
このV1基は、場合により、1個以上のヒドロキシル基および/または−Si(OR)3−a(R’)a、ここで、aは0から2の整数であり、そしてRおよびR’は、互いに同じまたは異なってもよく、各々、有機基である、で置換されていてもよく、そして
V3は、場合により−O−、−CONH−、
【化10】
−CONR2−、ここで、R2は、この上で定義した通りである、−C(O)−、−C(S)−、−Z1−、ここでこれは、この上で定義した通りである、−Z2−、ここでこれは、この上で定義した通りである、およびZ3、ここで、Z3は、三価または結合価がそれ以上のオルガノポリシロキサン単位である、から選択される基を1個以上含有していてもよくかつ場合により1個以上のヒドロキシル基および/または−Si(OR)3−a(R’)a、ここで、aは0から2の整数であり、そしてRおよびR’は、互いに同じまたは異なってもよく、各々、有機基である、で置換されていてもよい炭素原子数が1000以下の三価または結合価がそれ以上の直鎖、環式もしくは分枝の飽和、不飽和または芳香炭化水素基であるが、但し
− 記述したポリシロキサン化合物が−Z1−、−Z2−または−Z3−基を少なくとも1個含有すること、
− 前記三価および四価のQ基のいずれかがQとVで形成される主鎖を分枝させる働きをすることで主鎖中の結合に働かない結合価が−[Q−V]−単位で形成されるさらなる分枝を提供するか或は三価および四価のQ基が線状主鎖内のV3基で飽和状態になっていることで分枝が形成されていないこと、および
− Q基中の少なくとも1個のR基がポリアルキレンオキサイド含有有機基R0であること、
を条件とし、そして
アンモニウム基の結果としてもたらされる正電荷が有機もしくは無機酸のアニオンで中和されている}
で表される繰り返し単位を有することを特徴とするポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物。
【請求項2】
R0:Qのモル比が0.001から2であることを特徴とする請求項1記載のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物。
【請求項3】
R0が式(III)
−X−E−Y (III)
{式中、
Xは、単結合、または場合により窒素および/または酸素を含有していてもよい炭素原子数が20以下の二価の直鎖、分枝もしくは環式炭化水素基であり、かつXは炭素原子を通してQの窒素原子と結合しており、
Eは、式
−[(CaH2a)O]y−
[式中、a=2から4、y=2から10000]
で表されるポリアルキレンオキサイド基であり、これは、炭素原子を通してX基と結合しておりかつ酸素原子を通してY基と結合しており、
Yは、水素、あるいは酸素および/または窒素および/またはハロゲンを含有していてもよくかつ炭素原子を通してE基と結合している炭素原子数が24以下の一価の直鎖、分枝もしくは環式の飽和、不飽和または芳香炭化水素基である}
で表される基であることを特徴とする請求項1または2記載のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物。
【請求項4】
R0が、−E−が式(IV):
【化11】
[ここで、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド単位をランダムまたはブロック配列で含有されていてもよく、そしてEとの結合はエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド単位を通した結合であってもよく、ここで、
v=0から200、
w=0から200、
v+w≧1である]
で表される基である式(III)で表される基であることを特徴とする請求項1から3の1項記載のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物。
【請求項5】
R0が、YがHならびに直鎖、環式、分枝のC1−からC22−アルキル、アルケニル、アルキニル、フルオロ(C1−C10)アルキルおよびC6−C10アリール基から選択される式(III)で表される基であることを特徴とする請求項1から4の1項記載のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物。
【請求項6】
Vが式V1およびV2で表される繰り返しを包含することを特徴とする請求項1から5の1項記載のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物。
【請求項7】
Vがポリアルキレンオキサイド含有基を包含することを特徴とする請求項1から6の1
項記載のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物。
【請求項8】
V1とV2基のモル比がV2/V1>1であることを特徴とする請求項1から7の1項記載のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物。
【請求項9】
式(I)で表される繰り返し単位を平均で少なくとも2個有することを特徴とする請求項1から8の1項記載のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物。
【請求項10】
V1基が場合により−O−、−CONH−、−CONR2−、ここで、R2は、この上で定義した通りである、−C(O)−、−C(S)−および−Z1−、ここで、−Z1−は、式
【化12】
(式中、
R1は、場合により1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいC1−C18アルキルまたはフェニルであり、そしてn2はこの上で定義した通りである)
で表される基である
から選択される基を1個以上含有していてもよい炭素原子数が600以下、好適には400以下の二価の直鎖、環式もしくは分枝の飽和、不飽和または芳香炭化水素基から選択されることを特徴とする請求項1から9の1項記載のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物。
【請求項11】
V1基が
・ −R9−、ここで、R9は、炭素原子数が2から25の二価の飽和または一不飽和もしくは多不飽和の直鎖または分枝炭化水素基である
・ −(CH2)uC(O)O−[(CH2CH2O)q−(CH2CH(CH3)O)r]−C(O)(CH2)u−
・ −(CH2)uC(O)O−R9−O−C(O)(CH2)u−、ここで、R9は定義した通りである
・ −(CH2)u−R10−(CH2)u−、ここで、R10は芳香基である
・ −[CH2CH2O]q−[CH2CH(CH3)O]r−CH2CH2−
・ −CH(CH3)CH2O[CH2CH2O]q−[CH2CH(CH3)O]r−CH2CH(CH3)−
・ −CH2CH(OH)CH2−
・ −CH2CH(OH)(CH2)2CH(OH)CH2−
・ −CH2CH(OH)CH2OCH2CH(OH)CH2OCH2CH(OH)CH2−および
・ −CH2CH(OH)CH2O−[CH2CH2O]q−[CH2CH(CH3)O]r−CH2CH(OH)CH2−
ここで、
uは、1から3であり、
qおよびrは、0から200、好適には0から100、より好適には0から70、特に好適には0から40であり、そして
q+r>0である
から選択されることを特徴とする請求項1から10の1項記載のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物。
【請求項12】
請求項1から11の1項記載のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物を製造する方法であって、
a)ポリアルキレンオキサイド基を含有する第一級アミンおよび場合によりさらなるアミン化合物をアミノ反応性ポリシロキサン含有化合物および場合によりさらなるアミノ反応性化合物と反応させるか、或は
b)ポリアミノ−ポリシロキサン共重合体化合物が有するアミノ基にアルキル化をポリアルキレンオキサイド基を含有するアルキル化剤を用いて受けさせる、
ことを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項1から11の1項記載のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物の使用であって、繊維を処理するか或は繊維を仕上げするための使用。
【請求項14】
請求項1から11の1項記載のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物の使用であって、布地そして紙、毛および羊毛を包含する他の天然および合成繊維性材料の初期仕上げおよび処理を行うための使用。
【請求項15】
請求項1から11の1項記載のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物の使用であって、繊維予備処理用組成物、特に非イオン性および/またはアニオン性界面活性剤を含有して成る洗浄用組成物調合物に入れて布地および他の天然および合成繊維性材料を処理するための使用。
【請求項16】
請求項1から11の1項記載のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物の使用であって、繊維および布地を洗浄した後の個別の柔軟剤系の一部、アイロンがけ補助剤および布地のしわを防止または伸ばすための組成物としての使用。
【請求項17】
請求項1から11の1項記載のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物の使用であって、堅い表面、例えばガラス、セラミック、タイル、プラスチック表面、金属表面、塗装表面、特に自動車車体の処理および仕上げ、非常に特別には洗車機の乾燥機用調合物における使用。
【請求項18】
請求項1から11の1項記載のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物の使用であって、髪および皮膚をトリートメントするための化粧品系における使用。
【請求項19】
請求項1から11の1項記載の少なくとも1種のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物および場合により1種以上の界面活性剤および場合により1種以上の無窒素ポリシロキサン化合物を含有して成る水性エマルジョン。
【請求項20】
請求項19記載の水性エマルジョンの使用であって、請求項13から18記載の使用における使用。
【請求項1】
ポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物であって、式(I):
−[Q−V]− (I)
{式中、Qは、
−NR−、
−N+R2−
式:
【化1】
で表される飽和もしくは不飽和ジアミノ官能複素環、および式:
【化2】
で表される芳香ジアミノ官能複素環、式:
【化3】
で表される三価基、式:
【化4】
で表される三価基、または式
【化5】
で表される四価基、
ここで、Rは、各場合とも、水素または一価有機基である、
から成る群から選択され、ここで、
Qは、カルボニルの炭素原子と結合しておらず、
Vは、V1、V2およびV3から成る群から選択され、ここで、
V2は、場合により−O−、−CONH−、
【化6】
−CONR2−、ここで、R2は、水素であるか、−O−、−NH−、−C(O)−および−C(S)−から選択される基を1個以上含有していてもよくかつ場合によりヒドロキシル基、場合により置換されていてもよい好適には窒素原子を1個以上含有する複素環式基、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アンモニウム、ポリエーテル基およびポリエーテルエステル基から成る群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい炭素原子数が100以下の一価の直鎖、環式もしくは分枝の飽和、不飽和または芳香炭化水素基であり、ここで、−CONR2基が複数存在する時にはそれらは同じまたは異なってもよい、−C(O)−および−C(S)から選択される基を1個以上含有していてもよい炭素原子数(以下に定義するポリシロキサン基Z2の炭素原子数は数えない)が1000以下の二価の直鎖、環式もしくは分枝の飽和、不飽和または芳香炭化水素基から選択されるが、
このV2基は、場合により、1個以上のヒドロキシル基および/または−Si(OR)3−a(R’)a、ここで、aは0から2の整数であり、そしてRおよびR’は、互いに同じまたは異なってもよく、各々、有機基である、で置換されていてもよく、かつ
このV2基は、式
【化7】
[式中、
R1は、同一もしくは異なってもよく、C1−からC22−アルキル、フルオロ(C1−C10)アルキル、C6−C10アリールおよび−W−Si(OR)3−a(R’)a、ここで、R、R’およびaは、各々、この上で定義した通りであり、そしてWは、−O−、または1個以上の−C(O)−、−O−、−NH−、−S−基を含有していてもよくかつ場合によりヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素原子数が100以下の二価の直鎖、環式もしくは分枝の飽和、不飽和または芳香炭化水素である、から成る群から選択され、そして
n1=20から1000である]
で表される−Z2−基を少なくとも1個含有し、
V1は、場合により−O−、−CONH−、
【化8】
−CONR2−、ここで、R2は、この上で定義した通りであり、ここで、V1中のR2基とV2中のR2基は同一もしくは異なってもよい、−C(O)−、−C(S)−および−Z1−、ここで、−Z1−は、式
【化9】
[式中、
R1は、この上で定義した通りであり、ここで、V1中のR1基とV2中のR1基は同一もしくは異なってもよく、そして
n2=0から19である]
で表される基である
から選択される基を1個以上含有していてもよい炭素原子数が1000以下の二価の直鎖、環式もしくは分枝の飽和、不飽和または芳香炭化水素基から選択され、かつ
このV1基は、場合により、1個以上のヒドロキシル基および/または−Si(OR)3−a(R’)a、ここで、aは0から2の整数であり、そしてRおよびR’は、互いに同じまたは異なってもよく、各々、有機基である、で置換されていてもよく、そして
V3は、場合により−O−、−CONH−、
【化10】
−CONR2−、ここで、R2は、この上で定義した通りである、−C(O)−、−C(S)−、−Z1−、ここでこれは、この上で定義した通りである、−Z2−、ここでこれは、この上で定義した通りである、およびZ3、ここで、Z3は、三価または結合価がそれ以上のオルガノポリシロキサン単位である、から選択される基を1個以上含有していてもよくかつ場合により1個以上のヒドロキシル基および/または−Si(OR)3−a(R’)a、ここで、aは0から2の整数であり、そしてRおよびR’は、互いに同じまたは異なってもよく、各々、有機基である、で置換されていてもよい炭素原子数が1000以下の三価または結合価がそれ以上の直鎖、環式もしくは分枝の飽和、不飽和または芳香炭化水素基であるが、但し
− 記述したポリシロキサン化合物が−Z1−、−Z2−または−Z3−基を少なくとも1個含有すること、
− 前記三価および四価のQ基のいずれかがQとVで形成される主鎖を分枝させる働きをすることで主鎖中の結合に働かない結合価が−[Q−V]−単位で形成されるさらなる分枝を提供するか或は三価および四価のQ基が線状主鎖内のV3基で飽和状態になっていることで分枝が形成されていないこと、および
− Q基中の少なくとも1個のR基がポリアルキレンオキサイド含有有機基R0であること、
を条件とし、そして
アンモニウム基の結果としてもたらされる正電荷が有機もしくは無機酸のアニオンで中和されている}
で表される繰り返し単位を有することを特徴とするポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物。
【請求項2】
R0:Qのモル比が0.001から2であることを特徴とする請求項1記載のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物。
【請求項3】
R0が式(III)
−X−E−Y (III)
{式中、
Xは、単結合、または場合により窒素および/または酸素を含有していてもよい炭素原子数が20以下の二価の直鎖、分枝もしくは環式炭化水素基であり、かつXは炭素原子を通してQの窒素原子と結合しており、
Eは、式
−[(CaH2a)O]y−
[式中、a=2から4、y=2から10000]
で表されるポリアルキレンオキサイド基であり、これは、炭素原子を通してX基と結合しておりかつ酸素原子を通してY基と結合しており、
Yは、水素、あるいは酸素および/または窒素および/またはハロゲンを含有していてもよくかつ炭素原子を通してE基と結合している炭素原子数が24以下の一価の直鎖、分枝もしくは環式の飽和、不飽和または芳香炭化水素基である}
で表される基であることを特徴とする請求項1または2記載のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物。
【請求項4】
R0が、−E−が式(IV):
【化11】
[ここで、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド単位をランダムまたはブロック配列で含有されていてもよく、そしてEとの結合はエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド単位を通した結合であってもよく、ここで、
v=0から200、
w=0から200、
v+w≧1である]
で表される基である式(III)で表される基であることを特徴とする請求項1から3の1項記載のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物。
【請求項5】
R0が、YがHならびに直鎖、環式、分枝のC1−からC22−アルキル、アルケニル、アルキニル、フルオロ(C1−C10)アルキルおよびC6−C10アリール基から選択される式(III)で表される基であることを特徴とする請求項1から4の1項記載のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物。
【請求項6】
Vが式V1およびV2で表される繰り返しを包含することを特徴とする請求項1から5の1項記載のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物。
【請求項7】
Vがポリアルキレンオキサイド含有基を包含することを特徴とする請求項1から6の1
項記載のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物。
【請求項8】
V1とV2基のモル比がV2/V1>1であることを特徴とする請求項1から7の1項記載のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物。
【請求項9】
式(I)で表される繰り返し単位を平均で少なくとも2個有することを特徴とする請求項1から8の1項記載のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物。
【請求項10】
V1基が場合により−O−、−CONH−、−CONR2−、ここで、R2は、この上で定義した通りである、−C(O)−、−C(S)−および−Z1−、ここで、−Z1−は、式
【化12】
(式中、
R1は、場合により1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいC1−C18アルキルまたはフェニルであり、そしてn2はこの上で定義した通りである)
で表される基である
から選択される基を1個以上含有していてもよい炭素原子数が600以下、好適には400以下の二価の直鎖、環式もしくは分枝の飽和、不飽和または芳香炭化水素基から選択されることを特徴とする請求項1から9の1項記載のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物。
【請求項11】
V1基が
・ −R9−、ここで、R9は、炭素原子数が2から25の二価の飽和または一不飽和もしくは多不飽和の直鎖または分枝炭化水素基である
・ −(CH2)uC(O)O−[(CH2CH2O)q−(CH2CH(CH3)O)r]−C(O)(CH2)u−
・ −(CH2)uC(O)O−R9−O−C(O)(CH2)u−、ここで、R9は定義した通りである
・ −(CH2)u−R10−(CH2)u−、ここで、R10は芳香基である
・ −[CH2CH2O]q−[CH2CH(CH3)O]r−CH2CH2−
・ −CH(CH3)CH2O[CH2CH2O]q−[CH2CH(CH3)O]r−CH2CH(CH3)−
・ −CH2CH(OH)CH2−
・ −CH2CH(OH)(CH2)2CH(OH)CH2−
・ −CH2CH(OH)CH2OCH2CH(OH)CH2OCH2CH(OH)CH2−および
・ −CH2CH(OH)CH2O−[CH2CH2O]q−[CH2CH(CH3)O]r−CH2CH(OH)CH2−
ここで、
uは、1から3であり、
qおよびrは、0から200、好適には0から100、より好適には0から70、特に好適には0から40であり、そして
q+r>0である
から選択されることを特徴とする請求項1から10の1項記載のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物。
【請求項12】
請求項1から11の1項記載のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物を製造する方法であって、
a)ポリアルキレンオキサイド基を含有する第一級アミンおよび場合によりさらなるアミン化合物をアミノ反応性ポリシロキサン含有化合物および場合によりさらなるアミノ反応性化合物と反応させるか、或は
b)ポリアミノ−ポリシロキサン共重合体化合物が有するアミノ基にアルキル化をポリアルキレンオキサイド基を含有するアルキル化剤を用いて受けさせる、
ことを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項1から11の1項記載のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物の使用であって、繊維を処理するか或は繊維を仕上げするための使用。
【請求項14】
請求項1から11の1項記載のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物の使用であって、布地そして紙、毛および羊毛を包含する他の天然および合成繊維性材料の初期仕上げおよび処理を行うための使用。
【請求項15】
請求項1から11の1項記載のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物の使用であって、繊維予備処理用組成物、特に非イオン性および/またはアニオン性界面活性剤を含有して成る洗浄用組成物調合物に入れて布地および他の天然および合成繊維性材料を処理するための使用。
【請求項16】
請求項1から11の1項記載のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物の使用であって、繊維および布地を洗浄した後の個別の柔軟剤系の一部、アイロンがけ補助剤および布地のしわを防止または伸ばすための組成物としての使用。
【請求項17】
請求項1から11の1項記載のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物の使用であって、堅い表面、例えばガラス、セラミック、タイル、プラスチック表面、金属表面、塗装表面、特に自動車車体の処理および仕上げ、非常に特別には洗車機の乾燥機用調合物における使用。
【請求項18】
請求項1から11の1項記載のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物の使用であって、髪および皮膚をトリートメントするための化粧品系における使用。
【請求項19】
請求項1から11の1項記載の少なくとも1種のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物および場合により1種以上の界面活性剤および場合により1種以上の無窒素ポリシロキサン化合物を含有して成る水性エマルジョン。
【請求項20】
請求項19記載の水性エマルジョンの使用であって、請求項13から18記載の使用における使用。
【公表番号】特表2008−534721(P2008−534721A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−503428(P2008−503428)
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際出願番号】PCT/EP2006/002910
【国際公開番号】WO2006/103075
【国際公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(599092697)モーメンテイブ・パーフオーマンス・マテリアルズ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング (9)
【氏名又は名称原語表記】Momentive Performance Materials GmbH
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際出願番号】PCT/EP2006/002910
【国際公開番号】WO2006/103075
【国際公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(599092697)モーメンテイブ・パーフオーマンス・マテリアルズ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング (9)
【氏名又は名称原語表記】Momentive Performance Materials GmbH
【Fターム(参考)】
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