説明

ポリエーテルをグラフトした官能化ポリオレフィンを含む熱可塑性組成物で作られた構造物と、その使用

【課題】ポリエーテルがグラフトした官能化されたポリオレフィンを含む熱可塑性組成物から成る構造物とその使用。
【解決手段】基材とこの基材上の少なくとも一つの第1層とを含む構造物であって、第1層は、ポリオレフィン主鎖と無水物、酸またはエポキシド官能基を含む不飽和モノマーとの共重合またはグラフト化で得られる少なくとも一種の官能化ポリオレフィンを含み、この官能化ポリオレフィンに反応押出によってアミン末端基を有するポリエーテル単位がグラフトされたものを含む熱可塑性組成物で作られ、ASTM E96規格、BW方法(38℃/50%相対湿度)で測定した25μmのフィルムでの水蒸気透過性が少なくとも300g/m224h-1である通気防水材料としての構造物。また、上記組成物の通気防水材料としての使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材とこの基材上の少なくとも一つの第1層とを含む構造物、特に屋根ライナー(sous toiture)用フィルム構造物またはハウスラッピング(bardage)フィルム構造物に関するものである。上記第1層はポリエーテル単位がグラフトした少なくとも一種の官能化ポリオレフィンを含む熱可塑性組成物から得られる。
本発明はさらに、ポリエーテル単位がグラフトした少なくとも一種の官能化ポリオレフィンタイプのコポリマー、例えばポリオキシアルキレングリコール、特にポリオキシエチレングリコール(PEG)を含む熱可塑性組成物の、通気−防水(imper-respirants)材料、すなわち液体の水は通さないが、蒸気状態の水は通す材料の製造での使用に関するものである。
この材料は溶融状態で行う種々の方法、例えばフィルムの押出し注型、押出吹込成形または不織布等の支持体上への被覆または共押出し被覆方法によって得られる。
本発明の材料またはフィルムは建設分野、例えばハウスラッピング、屋根ライナーフィルムや、医療用品、衛生用品、被覆の分野で用いられる。
【背景技術】
【0002】
ポリアミドブロック(特にPA11、PA12およびPA−6)とポリエーテルブロック(特にポリオキシエチレングリコールPEG)とを含むコポリマー、特にアルケマ(Alkema)社から商品名ペバックス(Pebax、登録商標)で市販のコポリマーは通気防水フィルム市場で用いられている。
【0003】
本出願人の下記文献に記載の通気防水フィルムの製造方法は(a)ポリオキシエチレングリコール(PEG)から得られるポリエーテルブロックを有する少なくとも一種の熱可塑性エラストマー(好ましくはポリアミドブロックとポリエーテルブロックとを有するコポリマー)と、(b)不飽和カルボン酸、その無水物または不飽和エポキシドをグラフトまたは共重合した少なくとも一種のエチレンとアルキル(メタ)アクリレートとのコポリマーとの混合物から作られる。
【特許文献1】欧州特許第0,688,826 B1号公報
【0004】
このフィルムは不織布または織布と組み合わせて使用でき、水蒸気透過性が高く(60重量%の化合物(a)との混合物では25μmのフィルムでASTM規格E96、BW方法に従って測定した値が22,000g/m224hに達する)、水吸収量が低く、押出性が良好である。しかし、非常に高価である。
【0005】
エチレンとアルキル(メタ)アクリレートとのコポリマーの組成物を用いて押出し成形または支持体上への塗布によって水蒸気透過性が低いフィルムを得る方法も公知である。
本出願人の下記文献には、高圧のオートクレーブまたは管型反応器内でラジカル触媒を用いて得られる数平均分子量が5000〜65000のエチレンとポリオキシアルキレングリコールの(メタ)アクリルエステル(含有率は50重量%以下)とのコポリマーが記載されている。
【特許文献2】欧州特許第0,848,019 A1号公報
【0006】
このコポリマーを用いるとASTM規格E96、BW方法による水蒸気透過性が10,000g/m2/24hを超えない通気性防水フィルムが得られる。下記文献にはポリオレフィン、例えばポリエチレンまたはポリプロピレンと、マレイン化ポリプロピレン(無水マレイン酸のラジカルグラフト化で得られる)およびポリエーテルアミンのグラフト反応生成物との混合物を含む組成物が記載されている。
【特許文献3】国際特許第WO98/51742号公報
【0007】
この組成物は可染繊維に用いられるが、通気性防水フィルムには用いられない。この文献にはポリエーテルアミンによる官能化エチレン/アクリルエステルコポリマーのグラフト化は記載がない。
【0008】
ポリオレフィン、例えばポリエチレンまたはポリプロピレンと、マレイン化ポリプロピレンまたはマレイン化ポリエチレンのグラフト反応生成物と、ポリエーテルアミンのグラフト反応生成物との混合物を含む組成物は下記文献にも記載されている。
【特許文献4】米国特許第6,093,496号明細書
【特許文献5】米国特許第6,146,574号明細書
【特許文献6】米国特許第6,420,482号明細書
【0009】
これらの組成物は自動車部品または可染繊維の製造に用いることができるが、通気性防水フィルムでの使用は記載がなく、ポリプロピレン(PP)またはポリエチレン(PE)以外の官能化コポリマーのグラフト化法は開示がない。
【0010】
本出願人の下記文献に記載の熱可塑性組成物はポリエーテル単位の少なくとも一種のアミン末端基と反応可能な官能基を有する不飽和モノマーXの共重合またはグラフト化のいずれかによって主鎖が予め官能化された、ポリオレフィン主鎖と少なくとも一種のポリエーテルグラフトとから成るコポリマーをベースにした、ポリエーテル単位がグラフトした官能化ポリオレフィンを含む。
【特許文献7】フランス国特許出願第2,866,891号公報
【0011】
この熱可塑性組成物の特徴は官能化ポリオレフィンが無水物、酸またはエポキシド官能基を含むエチレンと、アルキル(メタ)アクリレートと、少なくとも不飽和モノマーXとのコポリマーである点にあり、これは熱可塑性マトリクス中で永久帯電防止添加剤として用いることができる。
下記文献は親水性ポリマー繊維をベースにした不織布ウェブに関するものである。
【特許文献8】国際特許出願第WO 00/12801 A1号公報
【0012】
このポリマーは無水マレイン酸で変性されたオレフィンポリマーとポリエーテルアミンとの反応で得られる。しかし、このフィルムに関する記載はなく、水蒸気透過性の記載もない。
下記文献は共有結合で互いに結合した熱可塑性ポリマーと親水性可塑剤との反応で得られるポリマー組成物に関する。
【特許文献9】欧州特許出願第1,388,345 A1号公報
【0013】
全ての実施例でポリマー組成物はエマルション中または溶剤中で製造される(ポリマーとしてはUcecoatのようなポリウレタンの水性分散体を用いる)。この組成物で得られる層は水蒸気透過性が少なくとも600g/m2/24hで、少なくとも20μmのフィルム厚さを有する。
下記文献には良好な支持体−接着特性および一定の透湿度(MVTR)(方法は記載されていない)を有する、コポリエステル(化学組成を明確にしていない)とエチレン/アルキルアクリレートコポリマーとの混合物の形をした熱可塑性組成物をベースにしたフィルムを、相溶化剤と一緒に支持体上に押し出す方法が記載されている。このフィルムは液体バリヤー材料として衛生製品中で用いられる。
【特許文献10】国際特許出願第WO 02/43958号公報
【0014】
上記文献の中には、ポリエーテルアミンで変性した無水マレイン酸グラフト化ポリプロピレンを主成分とする官能化ポリオレフィンを含む材料を請求するものがあるが、エチレン/アルキル(メタ)アクリレートコポリマーの使用と、通気防水フィルムの製造でのその使用は開示がない。他の文献では複雑でコストのかかるエマルション法または溶剤法を用いて得られる組成物のフィルムの親水性を向上させている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の対象は、基材とこの基材上に形成された少なくとも一つの第1層とを含む構造物にある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明では、上記第1層がポリオレフィン主鎖に無水物、酸またはエポキシド官能基を有する不飽和モノマーを共重合するか、グラフトして得られる少なくとも一種の官能化ポリオレフィンを含み、この官能化ポリオレフィンには反応押出しによってアミン末端基を有するポリエーテル単位がグラフトされた熱可塑性組成物から得られ、ASTM E96規格BW方法(38℃/50%相対湿度)で測定した25μmのフィルムの水蒸気透過性は少なくとも300g/m224h-1である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の構造物は、機械的に強いだけでなく、特に第1層の存在によって液体の水に対しては非透過性で、蒸気状態の水に対しては透過性がある。この特性によって本発明構造物は屋根ライナーフィルムまたはハウスラッピングフィルムを作るのに用いることができる。
【0018】
一つの有利な変形例では、本発明構造物の基材(支持体)は繊維材料、テキスタイルおよび天然または合成の繊維の不連続マット、不織布の中から選択できる。ポリプロピレン、麻またはケナフの不織布を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0019】
本発明者はさらに、反応押出中に無水物、酸またはエポキシド官能基から成る不飽和モノマーで官能化されたポリオレフィンにポリエーテル単位でグラフトしたものを含む熱可塑性組成物の、水蒸気透過性が高く、製造コストが比較的に低く、加工性も良い通気性防水材料としての有利に使用できることを見出した。
【0020】
この材料の親水性はグラフト化PEGセグメントによって与えられることを指摘しておく。この熱可塑性組成物の合成法は特許文献7(フランス国特許出願第2,866,891号公報)に記載の反応押出しによって得られる。この特許の内容は本明細書の一部を成す。
【0021】
本発明はさらに、ポリオレフィン主鎖と無水物、酸またはエポキシド官能基を含む不飽和モノマーとの共重合またはグラフトで得られる少なくとも一種の官能化ポリオレフィンを含み、この官能化ポリオレフィンに反応押出しによってアミン末端基を含むポリエーテル単位がグラフトされたものを含む熱可塑性組成物の、ASTM E96規格、BW方法(38℃/50%相対湿度)で25μmのフィルムで測定した水蒸気透過性が少なくとも300g/m224h-1である通気性防水材料としての使用に関するものである。
【0022】
本発明の官能化ポリオレフィンのポリオレフィン主鎖はエチレンとアルキル(メタ)アクリレートとのコポリマーであり、アルキル(メタ)アクリレートはメチル(メタ)アクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、オクチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレートの中から選択されるのが好ましい。
【0023】
官能化ポリオレフィンへのポリエーテル単位のグラフトはその無水物、酸またはエポキシド官能基と、アミン末端基を有するポリエーテル、例えばアミンタイプの少なくとも一種の末端鎖を有するポリオキシアルキレングリコールとの反応で得られる。
【0024】
本発明では、不飽和モノマーの無水物官能基は無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸および無水テトラヒドロフタル酸の中から選択される不飽和ジカルボン酸無水物の形で存在するのが好ましい。特に好ましい不飽和ジカルボン酸無水物は無水マレイン酸である。
好ましい一つの実施例では、官能化ポリオレフィンはエチレンと、エチルアクリレートまたはn−ブチルアクリレート(コポリマーの2〜40重量%の含有率)と、無水マレイン酸(コポリマーの0.2〜6重量%の含有率)とのコポリマーである。
【0025】
不飽和モノマーのエポキシド官能基は、脂肪族グリシジルエステルタイプの不飽和エポキシド、例えば特にグリシジルメタクリレート(GMA)の形でも存在する。
アミン末端基を有するポリエーテルのポリオキシアルキレングリコールは、ポリオキシエチレングリコール(PEG)、ポリオキシプロピレングリコール(PPG)、ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)、酸化エチレン、酸化プロピレンおよびテトラヒドロフランのコポリマーおよびこれらの化合物の2種以上の混合物の中から選択するのが好ましい。
【0026】
変形例では、熱可塑性組成物は上記ポリオレフィン主鎖の種類と同じでも異なっていてもよい別のポリオレフィン、特にエチレン/アルキル(メタ)アクリレートコポリマーをさらに含むことができる。他のタイプのポリオレフィン、例えばα−オレフィンまたはジオレフィンのホモポリマーまたはコポリマー、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−オクテンまたはブタジエン、および同様にエチレン/酢酸ビニル(EVA)コポリマーまたはエチレン/アクリル酸(EAA)コポリマーも適している。
【0027】
熱可塑性組成物(混合物)は成形装置でのオンライン希釈、例えばシート押出しダイを備えた単軸押出機を用いて製造することができる。
本発明の好ましい一つの実施例では、本発明の通気性防水材料および構造物を得るのに用いられる上記組成物の使用方法の特徴は、熱可塑性組成物を押出−注型ラインで少なくとも120℃の温度で溶融状態で最小厚さが5μmのフィルムに成形することにある。
【0028】
このタイプの方法を用いることによって、加工条件を最適化して、様々な比率で希釈した本発明材料をオンライン混合して得られる薄い、有利には10〜50μmの厚さ、好ましくは20〜50μmの厚さ、特に約25μmの厚さの、ミクロな孔のないフィルムを製造するができる。ライン温度および延伸速度パラメータを調節することによってフィルムの厚さを制御することができる。
【0029】
本発明の別の好ましい実施例では、本発明の通気性防水材料を得るために用いられる上記組成物の使用方法の特徴は、熱可塑性組成物を押出−注型ラインで基材、例えば繊維材料の不織布または繊維テキスタイル上に溶融状態で塗布し、少なくとも5g/m2の重量の複合体を成形することにある。
本発明の構造物の第1層は公知方法で押出し、溶融状態で固体基材上に塗布して得られる。
【0030】
第1層が基材上に塗布される熱可塑性フィルムの場合、この熱可塑性フィルムの厚さは5〜50μm、好ましくは約5〜10μmである。押出し被覆による塗布では基材上に10〜50g/m2の熱可塑性フィルムを塗布するのが有利である。
【0031】
本発明で得られる通気防水材料、フィルムまたは構造物は建設、例えば屋根ライナーフィルムまたはハウスラッピングフィルムでの使用に特に適しているが、その他の用途、特に医療分野、衛生用品(例えばおむつ)または衣服での使用も考えることができる。
【0032】
本発明の好ましい一つの実施例では、上記熱可塑性組成物の官能化ポリオレフィンへのポリエーテル単位のグラフトは特に150〜300℃の温度、50〜1200回転/分のスクリュー回転速度の押出機での反応押出しによって行われる。ポリエーテル基のグラフト化率(換言すれば、導入したNH2官能基の変換率)は約50%である。
【0033】
官能化ポリオレフィンがエチレン/アルキル(メタ)アクリレート/無水マレイン酸コポリマーの場合、上記反応、例えばPEGモノメチルエーテルモノアミンのようなポリエーテルとの反応でアミド酸が形成され、イミド結合が生成する。
【0034】
本出願人は、形態学的の観点から、エチレンオキシド(EO)/プロピレンオキシド(PO)コポリマータイプの、ポリエーテル単位を含むグラフト化コポリマーはナノ構造化を伴う(グラフト化されていないポリエーテルの)マクロ相分離によって複数の大きさに組織化されているということを見出した。これはTEM(透過電子顕微鏡法)解析で証明されている。
【0035】
ポリオレフィン主鎖は、α−オレフィンまたはジオレフィン、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−オクテンまたはブタジエンのホモポリマーまたはコポリマーのようなポリオレフィンと定義できる。3〜30個の炭素原子を有するα−オレフィンの例としてはプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、1−ドコセン、1−テトラコセン、1−ヘキサコセン、1−オクタコセンおよび1−トリアコンテン等が挙げられる。このα−オレフィンは単独で用いても、2つ以上の混合物として用いてもよい。
【0036】
ポリオレフィンの例としては下記を挙げることができる:
(1)エチレンのホモポリマーおよびコポリマー、特にポリエチレンの例としては、下記を挙げることができる:
低密度ポリエチレン(LDPE)
高密度ポリエチレン(HDPE)
線形低密度ポリエチレン(LLDPE)
超低密度ポリエチレン(VLDPE)
メタロセン触媒によって得られるポリエチレン(すなわち、エチレンと、α−オレフィン、例えばプロピレン、ブテン、ヘキセンまたはオクテンを一般にジルコニウム原子またはチタン原子と金属に結合した2つの環状アルキル分子とで構成される単一サイトの触媒の存在下で共重合して得られるポリエチレン。メタロセン触媒は一般に金属に結合した2つのシクロペンタジエン環から成る。この触媒は共触媒剤または活性剤としてのアルミキサン、好ましくはメチルアルミノキサン(MAO)と一緒に用いることが多い。シクロペンタジエンが結合する金属としてハフニウムを用いることもできる。他のメタロセンはIVA、VAおよびVIA族の遷移金属を含む。ランタニド系の金属を用いることもできる)
【0037】
(2)プロピレンのホモポリマーまたはコポリマー;
(3)エチレン/α−オレフィンコポリマー、例えばエチレン/プロピレンコポリマー、EPR(エチレン−プロピレン−ゴム)およびエチレン/プロピレン/ジエン(EPDM)コポリマー;
【0038】
(4)スチレン/エチレン−ブチレン/スチレン(SEBS)、スチレン/ブタジエン/スチレン(SBS)、スチレン/イソプレン/スチレン(SIS)およびスチレン/エチレン−プロピレン/スチレン(SEPS)のブロックコポリマー;
【0039】
(5)エチレンと、不飽和カルボン酸の塩またはエステルの中から選択される少なくとも1種の化合物、例えばアルキルが24個以下の炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートとのコポリマー。アルキルアクリレートまたはメタクリレートの例は特にメチルメタクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレートおよび2−エチルへキシルアクリレートである;
(6)不飽和カルボン酸のビニルエステル、例えば酢酸ビニルまたはプロピオン酸ビニル;
(7)不飽和エポキシド。
【0040】
不飽和エポキシドの例としては特に下記が挙げられる:
脂肪酸のグリシジルエステルおよびエーテル、例えばアリルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、マレイン酸グリシジル、イタコン酸グリシジル、グリシジルアクリレートおよびグリシジルメタクリレート;および
脂環式グリシジルのエステルおよびエーテル、例えば2−シクロヘキセン−1−グリシジルエーテル、シクロヘキセン−4,5−グリシジルカルボキシレート、シクロヘキセンー4−カルボキシレート、5−ノルボルネン−2−メチル−2−グリシジルカルボキシレートおよびエンド−シス−ビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジグリシジルカルボキシレート。
【0041】
(8)不飽和カルボン酸、その塩および無水物。
不飽和ジカルボン酸の例としては特に無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水
シトラコン酸および無水テトラヒドロフタル酸が挙げられる。
(9)ジエン、例えば1,4−ヘキサジエンまたは飽和カルボン酸の酢酸ビニル、例えば酢酸ビニルとのコポリマー(コモノマーの比率は40重量%以下)。
【0042】
(10)EPR(エチレン−プロピレン−ゴム)エラストマー
(11)EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン)エラストマー
(12)ポリエチレンとEPRまたはEPDMとの混合物
(13)60重量%以下、好ましくは2〜40重量%の(メタ)アクリレートを含むエチレン/アルキル(メタ)アクリレートコポリマー
(14)(メタ)アクリレートの比率が前記コポリマーと同じで、無水マレイン酸の量が10重量%以下、好ましくは0.2〜6重量%である3つのモノマーを共重合して得られるエチレン/アルキル(メタ)アクリレート/無水マレイン酸のコポリマー
(15)比率が上記コポリマーと同じである3つのモノマーを共重合して得られるエチレン/酢酸ビニル/無水マレイン酸のコポリマー。
【0043】
例えば、エチレンコポリマーはエチレンと酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸と1〜24個、好ましくは1〜9個の炭素原子を有するアルコールとの(メタ)アクリルエステルとを高圧ラジカル共重合して得られるコポリマー、エチレンと共重合可能な不飽和モノマー、例えばアクリル酸、無水マレイン酸およびグリシジルメタクリレートの中から選択される第3モノマーとを用いて得られるラジカル重合のターポリマーが挙げられる。この可撓性コポリマーはさらに、エチレンと3〜8個の炭素原子を有するα−オレフィンとのコポリマー、例えばEPRと、メタロセン触媒またはチーグラーナッタ触媒で得られる密度が0.870〜0.910g/cm3のエチレンと、ブテン、ヘキセンまたはオクテンとの超低密度コポリマーでもよい。「可撓性ポリオレフィン」という用語には2種以上の可撓性ポリオレフィンの混合物が含まれる。
【0044】
本発明はエチレン/アルキル(メタ)アクリレートコポリマー(アルキルは24個以下の炭素原子を有する)に特に有用である。(メタ)アクリレートを上記のものから選択するのが好ましい。このコポリマーは40重量%以下、好ましくは3〜35重量%の(メタ)アクリレートを含むのが好ましい。さらに、このコポリマーのMFIは0.1〜50(190℃、2.16kg)であるのが有利である。
【0045】
この不飽和モノマーは、例えば不飽和カルボン酸無水物にすることができる。不飽和カルボン酸無水物は例えば無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水アリル琥珀酸、シクロヘクス−4−エン−1,2−ジカルボン酸無水物、4−メチレンシクロへクス−4−エン−1,2−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物およびx−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,2−ジカルボン酸無水物の中から選択することができる。無水マレイン酸を用いるのが有利である。
無水物の全てまたは一部を不飽和カルボン酸、例えば(メタ)アクリル酸と置換しても本発明から逸脱するものではない。
【0046】
モノマーは脂肪酸のグリシジルエステルまたはエーテルタイプの不飽和エポキシド、例えばアリールグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、マレイン酸グリシジル、イタコン酸グリシジル、グリシジルアクリレートおよびグリシジルメタクリレートにすることもできる。
【0047】
不飽和モノマーXの残基が結合しているポリオレフィン主鎖は、Xがグラフトされたポリエチレンまたは例えばラジカル重合で得られるエチレン/Xのコポリマーであるのが有利である。
エチレン/無水マレイン酸コポリマーおよびエチレン/アルキル(メタ)アクリレート/無水マレイン酸コポリマーを用いるのが有利である。これらのコポリマーは0.2〜10重量%の無水マレイン酸と、0〜40重量%、好ましくは5〜40重量%のアルキル(メタ)アクリレートを含む。コポリマーのMFIは5〜100(190℃/2.16kg)である。アルキル(メタ)アクリレートは上記で説明したものである。融点は60〜100℃である。
【0048】
アミン末端基を有するポリエーテル単位、すなわちポリエーテルアミンは、分子量が約100〜12000g/molのモノアミンであるのが好ましいが、ポリアミンでもよい。このポリエーテルアミンのポリエーテルブロックは酸化エチレン(EO)、酸化プロピレン(PO)またはこれらの混合物の環状エーテルと、グリコール、特にエチレングリコール、グリセロール、1,2−プロパンジオールおよびペンタエリトリトールから成る群の中から選択されるグリコールとの付加生成物である。
【0049】
ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとのコポリマー、ポリ(1,2−ブチレングリコール)およびポリ(テトラメチレングリコール)(PTMG)タイプのポリエーテルブロックを用いるのが好ましい。
本発明で用いるポリエーテルアミンは、特に下記文献に記載されているような周知なアミノ化方法に従って得ることができる。
【特許文献11】米国特許第3,654,370号明細書
【特許文献12】米国特許第4,152,353号明細書
【特許文献13】米国特許第4,618,717号明細書
【特許文献14】米国特許第5,457,147号明細書
【0050】
ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールモノアミンコポリマータイプのポリエーテル単位またはブロックを短いセグメントの形で用いるのが好ましい(Mnは100〜10000、好ましくは250〜5000g/molである)。このようなポリエーテルモノアミン化合物は特に上記国際特許第WO98/51742号および下記文献に記載されている。この特許の内容は本明細書の一部を成す。
【特許文献15】米国特許第6,465,606号公報
【0051】
しかし、その他のポリエーテル、例えばポリプロピレングリコール(PPG)またはポリテトラメチレングリコール(PTMG)またはこれらのコポリマーまたはこれらの混合物を用いることもできる。
ポリエーテルのアミン官能基を不飽和モノマーXと反応させて、不飽和モノマーXを含むポリオレフィンの主鎖にポリエーテルモノアミン単位をへ付加する。不飽和モノマーXが無水物または酸官能基を有し、これによってアミドまたはイミド結合を作るのが有利である。
【0052】
ポリオレフィン主鎖には1つの鎖につき平均して0.1〜25重量%の不飽和モノマーXが結合するのが有利である。この不飽和モノマーXの量はFTIR解析で当業者が容易に決めることができる。
アミン末端基を有するポリエーテルを不飽和モノマーXを含むポリオレフィンの主鎖に加える操作は溶融状態で行うのが好ましい。すなわち、押出機でポリエーテルと主鎖とを一般に150〜300℃の温度で混練する。
ブレンド物への導入比率はアミン末端基を有するポリエーテル/官能化ポリオレフィンの比が重量単位で1/99〜80/20、好ましくは20/80〜50/50となるようにした。
【0053】
本発明のポリエーテル単位をグラフトした官能化ポリオレフィンと混練可能なポリオレフィンとしては、ポリオレフィン主鎖の所で述べたような任意のタイプのポリオレフィンを用いることができる。特に、エチレンとアルキル(メタ)アクリレートとのコポリマーが特に適している。
本発明組成物は押出機(一軸または二軸)、バス(Buss)コニーダ、密閉式混合機および熱可塑性プラスチックを混合する一般的な装置、好ましくは同時回転する二軸押出機で溶融混合して得ることができる。
本発明組成物は押出機で1段階で作ることができる。押出機の第1領域に官能化ポリオレフィン(例えばエチレン/アルキル(メタ)アクリレート/無水マレイン酸コポリマー)を導入し、次いでアミン末端基を有するポリエーテルを導入する。
【0054】
押出し機中での溶融物の平均滞留時間は5秒〜10分、好ましくは10〜60秒である。添加効率は遊離ポリエーテル(すなわち最終のポリエーテルブロックグラフトコポリマーになっていない未反応のもの)を選択的に抽出して評価する。
グラフト化ポリエーテルブロックの比率は導入量の約50%であるのが有利である。
本発明組成物は種々の添加剤、特に潤滑剤、例えばシリカ、N’N−エチレンビスアミド、カルシウムステアレートまたはマグネシウムステアレート等をさらに含むことができる。さらに、抗酸化剤、紫外線防止剤、無機充填剤および顔料を含むことができる。
【実施例】
【0055】
A:反応押出によってポリエーテルをグラフトした官能化ポリオレフィンの合成
実施例A1
複数の混合領域を有する同時回転する直径が30mmのウェルナープフライデラー(Werner and Pfleiderer)二軸押出機(スクリュー速度300回転/分およびフラット温度分布=240℃、真空)で、6重量%のブチルアクリレートと3重量%の無水マレイン酸とを有し、メルトインデックス(MFI)が5g/10分(190℃、2.16kg下で測定)であるエチレンターポリマー(アルケマ社の製品ロタデール(Lotader)(登録商標)3210)を、分子量Mnが2000g/モルのアミン末端基を有し、エチレンオキシド単位/プロピレンオキシド単位モル比が31/10で、Mpが17℃であるハンツマン(Huntsmann社)の製品であるジェファミン(Jeffamine)M2070ポリエーテルと混練する。全流量は15.4kg/時である。押出機への導入比率はターポリマー/ポリエーテル重量比が65/35となるようにした。この量は無水物/アミン化学量論に対応する。
得られた生成物は、MFIが3.8g/10分(190℃/2.16kg)で、FT−IRによって測定されたグラフト化ポリエーテルの量は導入したポリエーテルの量の約半分である。
【0056】
実施例A2
グラフト反応を実施例1のポリエーテルアミンと、18重量%のブチルアクリレートと3重量%の無水マレイン酸とを有するメルトインデックス(MFI)が5g/10分(2.16kg/190℃)のエチレンターポリマーであるアルケマ社の製品ロタデール(登録商標)3410ターポリマーとを用いて実施例1と同様の押出条件下で繰り返した。
こうして製造された生成物はMFIが4.7g/10分(190℃/2.16kg)である。
【0057】
実施例A3
グラフト反応をメルトインデックス(MFI)が6重量%のエチルアクリレートと3重量%の無水マレイン酸とを有する40g/10分(2.16kg/190℃)のエチレンターポリマーであるアルケマ社の製品ロタデール(登録商標)6200ターポリマーを用いて実施例2と同様の押出条件下で繰り返した。
こうして製造された生成物はMFIが33g/10分(190℃/2.16kg)である。
【0058】
実施例A4
グラフト反応を18重量%のエチルアクリレートと3重量%の無水マレイン酸とを有するメルトインデックス(MFI)が70g/10分(2.16kg/190℃)のエチレンターポリマーであるアルケマ社の製品ロタデール(登録商標)7500ターポリマーを用いて実施例2と同様の押出条件下で繰り返した。
こうして製造された生成物は流動性が高く、MFIが>150g/10分(190℃/2.16kg)である。
【0059】
実施例A5
グラフト反応を、ターポリマー/ポリエーテル重量比を57/43にし、流量を12.8kg/時にして、6重量%のブチルアクリレートと3.7重量%の無水マレイン酸とを有するメルトインデックス(MFI)が13.5g/10分(2.16kg/190℃)のエチレンターポリマーであるアルケマ社の製品ロタデール(登録商標)4210ターポリマーを用いて実施例2と同様の押出条件下で繰り返した。
こうして製造された生成物はMFIが20g/10分(190℃/2.16kg)である。
結果は[表1]に示してある。
【0060】
【表1】

【0061】
B:Aで得られたポリマーのオンライン希釈と、押出注型によるフィルムの製造
実施例A1およびA2で調製した材料を、18重量%のアクリレートを有するメルトインデックス(MFI)が2g/10分(2.16kg/190℃)のエチレン/メチルアクリレートコポリマーであるアルケマ社の製品ロトリル(Lotryl、登録商標)18MG02でオンライン希釈して、組成物B1〜B8を作り、直径が30mmで、長さが直径の30倍(混連要素は無い)の単軸押出機、リップ開口部が300μmで、幅が250mmのダイ、およびコリン供給ブロックを備えたコリン(Collin)ラインを用いて押出注型技術で上記組成物をフィルムにする。押出機、ダイおよび供給ブロックの温度は210℃で一定である。
[表2]には、導入したポリエーテルアミン(ジェファミンM2070)の理論量(重量)の値で上記条件下で希釈された実施例A1およびA2のポリマーから得られる約100μmの厚さのフィルムから成る組成物B1〜B8が示されている。組成物B9は不希釈生成物A2に対応する。
【0062】
【表2】

【0063】
C.得られたフィルムの水蒸気透過性
得られたフィルムに対してASTM E96規格、BW方法(38℃/50%相対湿度)で25μmの厚さで測定した水蒸気透過性値を[表3]に示す。
【表3】

【0064】
[表3]の結果から下記のことが分かる:
(1)水蒸気透過性は主として材料中のPEGの量によって制御され、PEGが豊富であればあるほど、この透過性は大きくなり、
(2)次に、水蒸気透過性はグラフト化官能化ポリオレフィンの種類によって制御され、出発材料のポリオレフィンがアクリルモノマー中にある、従って非晶質であればあるほど、この透過性は大きくなる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材とこの基材上の少なくとも一つの第1層とを有する、特に屋根ライナーフィルムまたはハウスラッピングフィルム用の構造物であって、上記第1層はポリオレフィン主鎖に無水物、酸またはエポキシド官能基を有する不飽和モノマーを共重合するか、グラフトして得られる少なくとも一種の官能化ポリオレフィンを含む熱可塑性組成物から得られ、上記官能化ポリオレフィンは反応押出しによってアミン末端基を有するポリエーテル単位がグラフトされた、ASTM E96規格BW方法(38℃/50%相対湿度)で測定した25μmのフィルムの水蒸気透過性が少なくとも300g/m224h-1である通気防水材料としての構造物。
【請求項2】
基材が繊維材料の不織布、特にポリプロピレンの不織布、テキスタイル材料および天然繊維または合成繊維の不連続マットの中から選択する請求項1に記載の構造物。
【請求項3】
官能化ポリオレフィンのポリオレフィン主鎖がエチレンとアルキル(メタ)アクリレートとのコポリマーであり、アルキル(メタ)アクリレートが好ましくはメチル(メタ)アクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、オクチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレートの中から選択される請求項1または2に記載の構造物。
【請求項4】
官能化ポリオレフィンの無水物、酸またはエポキシド官能基とアミン末端基を有するポリエーテル、例えば、アミンタイプの少なくとも一種の末端鎖を有するポリオキシアルキレングリコール、特にポリオキシエチレングリコールとの反応によって上記ポリエーテル単位がグラフトした官能化ポリオレフィンのグラフト化が行われる請求項1〜3のいずれか一項に記載の構造物。
【請求項5】
不飽和モノマーの無水物官能基が不飽和ジカルボン酸無水物の形で存在し、この不飽和ジカルボン酸無水物が好ましくは無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸および無水テトラヒドロフタル酸の中から選択される請求項1〜4のいずれか一項に記載の構造物。
【請求項6】
不飽和モノマーのエポキシド官能基が脂肪族グリシジルエステルタイプの不飽和エポキシド、例えばグリシジルメタクリレート(GMA)の形で存在する請求項1〜4のいずれか一項に記載の構造物。
【請求項7】
ポリオレフィン主鎖と無水物、酸またはエポキシド官能基を有する不飽和モノマーとの共重合またはグラフトで得られる少なくとも一種の官能化ポリオレフィンを含み、この官能化ポリオレフィンに反応押出によってアミン末端基を有するポリエーテル単位がグラフトされた、熱可塑性組成物の、ASTM E96規格BW方法(38℃/50%相対湿度)で25μmのフィルムに対して測定した水蒸気透過性が少なくとも300g/m224h-1である通気防水材料としての使用。
【請求項8】
官能化ポリオレフィンのポリオレフィン主鎖がエチレンとアルキル(メタ)アクリレートとのコポリマーであり、アルキル(メタ)アクリレートが好ましくはメチル(メタ)アクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、オクチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレートの中から選択される請求項7に記載の使用。
【請求項9】
官能化ポリオレフィンの無水物、酸またはエポキシド官能基とアミン末端基を有するポリエーテル、例えば、アミンタイプの少なくとも一種の末端鎖を有するポリオキシアルキレングリコールとの反応によって上記ポリエーテル単位がグラフトした官能化ポリオレフィンのグラフト化が行われる請求項7または8に記載の構造物。
【請求項10】
ポリオキシアルキレングリコールがポリオキシエチレングリコール(PEG)、ポリオキシプロピレングリコール(PPG)、ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)、酸化エチレン、酸化プロピレンおよびテトラヒドロフランのコポリマーおよびこれらの混合物の中から選択される請求項9に記載の使用。
【請求項11】
不飽和モノマーの無水物官能基が不飽和ジカルボン酸無水物の形で存在し、この不飽和ジカルボン酸無水物が好ましくは無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸および無水テトラヒドロフタル酸の中から選択される請求項7〜10のいずれか一項に記載の使用。
【請求項12】
官能化ポリオレフィンがエチレンと、エチルアクリレートまたはn−ブチルアクリレートと、無水マレイン酸とのコポリマーであり、エチルアクリレートまたはn−ブチルアクリレートの含有率がコポリマーの2〜40重量%で、無水マレイン酸の含有率がコポリマーの0.2〜6重量%である請求項7〜11のいずれか一項に記載の使用。
【請求項13】
不飽和モノマーのエポキシド官能基が脂肪族グリシジルエステルタイプの不飽和エポキシド、例えばグリシジルメタクリレート(GMA)の形で存在する請求項7〜10のいずれか一項に記載の使用。
【請求項14】
熱可塑性組成物が別のポリオレフィン、特にエチレン/アルキル(メタ)アクリレートコポリマーをさらに含む請求項7〜13のいずれか一項に記載の使用。
【請求項15】
熱可塑性組成物を押出し注型ライン上に少なくとも120℃の温度で溶融状態で塗布して最小厚さが5μmのフィルムを成形する請求項7〜14のいずれか一項に記載の使用。
【請求項16】
熱可塑性組成物を押出し注型ライン上で基材、例えば不織布上に溶融状態で塗布して少なくとも5g/m2の重量の複合材にする請求項7〜14のいずれか一項に記載の使用。

【公表番号】特表2009−526934(P2009−526934A)
【公表日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−554824(P2008−554824)
【出願日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際出願番号】PCT/FR2007/050805
【国際公開番号】WO2007/093745
【国際公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(505005522)アルケマ フランス (335)
【Fターム(参考)】