説明

ポリオレフィン微多孔膜

【課題】電池用セパレータとして好適に用いられるポリオレフィン微多孔膜、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】粘度平均分子量が5×10以上の超高分子量ポリオレフィンを1重量%以上含むポリオレフィン組成物からなり、空孔率25〜60%であり、枝幹状のフィブリルからなる開孔構造を有するポリオレフィン微多孔膜であって、走査電子顕微鏡で表面観察される開孔部の占める面積が80%以上であり、開孔部において、幹状フィブリルの平均直径が0.01〜0.05μmであり、幹に交差する枝状フィブリルの平均直径が0.01〜0.03μmであることを特徴とするポリオレフィン微多孔膜。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は超高分子量ポリオレフィンを含むポリオレフィン微多孔膜に関するものであり、特にリチウムイオン二次電池等の電池用セパレータとして好適に用いられるポリオレフィン微多孔膜、およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超高分子量ポリオレフィンを含むポリオレフィン微多孔膜は種々提案されており、その製造方法としては超高分子量ポリオレフィン組成物と溶媒からなる溶液を調整し、ダイより押出しゲル状組成物を成形し、次いで、延伸し、しかる後残存溶媒を除去することによって製造するなどの方法がある(特許文献1参照)。
【0003】
これらの方法は、超高分子量ポリオレフィン組成物と溶媒からなる溶液における溶媒量のコントロールについての検討を要し、揮発性および不揮発性の溶媒を組み合わせてポリマー溶液を調整することも提案されている(特許文献2参照)。
【0004】
また電池用セパレータとしての用途に適するフィルムとして各種の超高分子量ポリオレフィンを含むポリオレフィン微多孔膜が種々提案されているが(特許文献3等)、さらに薄くて高強度なものが求められている。
【0005】
【特許文献1】特開平7−138404号公報
【特許文献2】特開平6−228333号公報
【特許文献3】特開平6−325747号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は超高分子量ポリオレフィンを含むポリオレフィン微多孔膜に関するものであり、均一な微細孔構造を有し、電池用セパレータとして好適に用いられるポリオレフィン微多孔膜、およびその製造方法に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は粘度平均分子量が5×10以上の超高分子量ポリオレフィンを1重量%以上含むポリオレフィン組成物からなり、空孔率25〜60%であり、枝幹状のフィブリルからなる開孔構造を有するポリオレフィン微多孔膜であって、走査電子顕微鏡で表面観察される開孔部の占める面積が80%以上であり、開孔部において、幹状フィブリルの平均直径が0.01〜0.05μmであり、幹に交差する枝状フィブリルの平均直径が0.01〜0.03μmであることを特徴とするポリオレフィン微多孔膜である。
【発明の効果】
【0008】
本発明のポリオレフィン微多孔膜は、均一な微細孔構造を有し、低空孔率で適切な透過性を有することから、極薄であっても高強度の電池用セパレータとして好適に用いられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明について詳述する。なお、これらの実施例等および説明は本発明を例示するものであり、本発明の範囲を制限するものではない。
【0010】
本発明のポリオレフィン微多孔膜は、粘度平均分子量が5×10以上の超高分子量ポリオレフィンを少なくとも1重量%含有するポリオレフィン組成物からなる。
【0011】
ポリオレフィン組成物における粘度平均分子量5×10万以上の超高分子量ポリオレフィンの割合は1重量%以上であり、好ましくは10〜90重量%である。ポリオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセンなどを重合した結晶性の単独重合体、または共重合体が挙げられる。なかでもポリエチレン、およびその共重合体が好ましい。
【0012】
また超高分子量ポリオレフィンは2種以上の組合せ、すなわち異種の超高分子量ポリオレフィンの組合せであっても、同種であるが分子量範囲や分子量分布が異なるものの組合せであっても良い。
【0013】
ポリオレフィン組成物における上記超高分子量ポリオレフィン以外の成分としては、粘度平均分子量5×10未満のポリオレフィンが挙げられる。粘度平均分子量5×10未満のポリオレフィンとしては超高分子量のものと同種のポリオレフィンであっても異種のポリオレフィンであっても良い。ポリオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセンなどを重合した結晶性の単独重合体、または共重合体が挙げられる。なかでもポリエチレン、およびその共重合体が好ましい。さらに線状ポリエチレンであることが好ましく、高密度ポリエチレンであることがさらに好ましい。
【0014】
その他のポリオレフィン組成物には必要に応じて紫外線吸収剤、滑剤、アンチブロッキング剤、顔料、染料、無機充填剤などの各種添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
【0015】
本発明のポリオレフィン微多孔膜は極薄で膜の厚さは20μm以下、好ましくは0.1〜16μmである。みかけ密度により求めた空孔率は25〜60%であり、より好ましくは25〜50%である。
【0016】
本発明のポリオレフィン微多孔膜は枝幹状のフィブリルからなる開孔構造を有し、かつ均一な微細孔を有することを特徴とする。すなわち走査電子顕微鏡で表面観察した際に開孔部が占める面積が80%以上であり、開孔部において幹状フィブリルの平均直径が0.01〜0.05μmであり、幹に交差する枝状フィブリルの平均直径が0.01〜0.03μmであることを特徴とする。
【0017】
枝幹状の開孔構造とは、走査電子顕微鏡で表面を観察したときに一方向に幹状のフィブリル群が観察され、幹状フィブリル群とほぼ垂直方向に枝状のフィブリル群が観察される構造をいう。開孔部が占める面積は、走査型電子顕微鏡の2,000倍写真を無作為に複数枚撮影し、閉孔部(黒く写り、拡大すると閉孔状態が観察される部分)とそれ以外の開孔部(白く写る部分)との面積比より求めることができる。開孔部が占める面積は、より好ましくは90%以上である。
【0018】
開孔部における幹状フィブリルおよび枝状フィブリルの平均直径は、開孔部の走査電子顕微鏡写真の50,000倍写真から枝状フィブリルと幹状フィブリルの直径を観察し、その平均値より求めることができる。
【0019】
本発明の膜はコールターポロメータで測定される平均孔径が好ましくは0.01〜0.1μm、より好ましくは0.03〜0.1μmである。
【0020】
また本発明の膜はコールターポロメータで測定される細孔容積が好ましくは0.3〜1ml/g、より好ましくは0.5〜1ml/gである。
【0021】
また本発明の膜は、破断強度が60MPa〜200MPaであることが好ましい。すなわち本発明の膜は、細孔容積が大きいわりに高強度であることを特徴とする。また本発明の膜は、ガーレー値が150〜1000秒/100ccであることが好ましい。
【0022】
以上のように本発明のポリオレフィン微多孔膜は、枝幹状のフィブリルからなる開孔構造を有し、均一な微細孔構造を発現し、低空孔率でも適切な透過性を有することから、極薄であっても高強度で電池性能の良好な電池用セパレータとして好適に用いられる。また、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンポリマー電池等の電池セパレータに好適に用いられる。
【0023】
次に、本発明のポリオレフィン微多孔膜を製造する方法について説明する。本発明のポリオレフィン微多孔膜は粘度平均分子量が5×10以上のポリオレフィンを少なくとも1重量%含むポリオレフィン組成物5〜70重量部と、大気圧における沸点が200℃以上の溶媒(A)および200℃未満の揮発性溶媒(B)とからなる混合溶媒30〜95重量部とを含む溶液を調製し、前記溶液をポリオレフィン組成物の融点+60℃以下の温度でダイより押出し、冷却してゲル状組成物を形成し、前記ゲル状組成物から溶媒(B)を除去した後延伸し、次いで溶媒(A)を除去することにより製造できる。
【0024】
ポリオレフィン組成物については上記で述べたとおりであり、ポリオレフィン組成物と混合溶媒よりポリオレフィン溶液を調整する。ポリオレフィン溶液の濃度は1〜30重量%が好ましく、より好ましくは10〜25重量%である。ポリオレフィン溶液の濃度が1重量%未満では、冷却ゲル化して得られるゲル状成形物が溶媒で高度に膨潤されるため変形し易く取扱いに支障をきたす場合がある。一方、30重量%以上では押し出しの際の圧力が高くなるため吐出量が低くなり生産性が上げられない場合がある。また、押し出し工程での配向が進み、延伸性や均一性が確保できなくなる場合がある。
【0025】
ここでポリオレフィン組成物100重量部に対し、大気圧における沸点が200℃以上の溶媒(A)を50重量部以上用いる。ポリオレフィン組成物100重量部に対し、溶媒(A)を100重量部以上用いることが好ましい。
【0026】
沸点が200℃以上の溶媒(A)と沸点が200℃未満の溶媒(B)の混合比は、Aが5〜95%であり、さらには10〜60%であることが好ましい。
【0027】
沸点が200℃以上の溶媒(A)と沸点が200℃未満の溶媒(B)とのぞれぞれの沸点の差としては、15℃以上、好ましくは25℃、更に好ましくは35℃以上であることが好ましい。
【0028】
またポリオレフィン溶液が製造され処理される温度で溶媒(A)と溶媒(B)とが混和可能であり、それによって均質の溶液を得ることができるものを選択する。
【0029】
大気圧における沸点が200℃以上の溶媒(A)としては、該ポリオレフィンを十分に溶解できるものであれば特に限定されない。以下、溶媒の大気圧における沸点を括弧内に記すが、好ましい溶媒としては例えば、パラフィン(>300℃、17個以上の炭素原子)、パラフィン油(230−300℃)、一部の鉱油(〜300℃)、テトラリン(206℃)、エチレングリコール(>300℃)、グリセリン(290℃)が好ましく挙げられる。なかでもパラフィンが好ましい。ここで括弧内に大気圧における沸点を記す。
【0030】
大気圧における沸点が200℃未満の溶媒(B)としては、該ポリオレフィンを十分に溶解できるものであれば特に限定されない。例えば、トルエン(110℃)、キシレン(138−144℃)、9〜11個の炭素原子を有するアルカン(151−196℃)、又はデカリン(187−196℃)、ジエチレントリアミン(107℃)、エチレンジアミン(116℃)又はジメチルスルホキシド(189℃)好ましく挙げられる。なかでもデカリンが好ましい。
【0031】
該超高分子量ポリオレフィン溶液(懸濁液)は一軸押出機、好ましくは二軸押出機で混練し、増粘した流体を融点+60℃以下の温度でTダイもしくはIダイで押し出し、チルロールまたは、冷却浴に通過させ、ゲル化温度以下に急冷しゲル化することが好ましい。
【0032】
次いでこのゲル状成形物より溶媒(B)を除去する。脱溶媒処理は、加熱等により蒸発させ除去する方法などがあげられる。溶媒(B)を除去することにより、ゲル状成形物中に含まれる溶媒量が10〜80重量%になることが好ましい。更に好ましくは30〜70重量%である。
【0033】
溶媒(B)を加熱により除去するときの加熱温度は50〜100℃、好ましくは70〜90℃であることが好ましい。これにより溶媒(B)はゲル状成形物中から除去され、ゲル状成形物中には溶媒(A)が残存する。
【0034】
ゲル成形物中の溶媒(A)の量としては、5重量%以下では、延伸成形物中に形成される微細孔の孔径が本発明の目的とするところのリチウムイオン二次電池等の電池用セパレータに要求されるものより大きくなり好ましくない。一方、95重量%を越えると、延伸にともなう多量の溶媒の滲み出し等で取扱い上に問題がある。
【0035】
溶媒(B)を除いた後、延伸処理を行う。ここで、延伸処理の前に弛緩処理を行っても良い。
【0036】
延伸処理は、ゲル状成形物を加熱し、通常のテンター法、ロール法、圧延法もしくはこれらの方法の組合せによって所定の倍率で2軸延伸する。2軸延伸は、同時または逐次のどちらであってもよい。また縦多段延伸や3、4段延伸とすることもできる。
【0037】
延伸温度は、90℃〜融点未満であることが好ましく、さらに好ましくは100〜120℃である。加熱温度が融点を越える場合は、ゲル状成形物が溶解するために延伸できない。又、加熱温度が90℃未満の場合は、ゲル状成形物の軟化が不十分で延伸において破膜し易く高倍率の延伸が困難となる場合がある。
【0038】
また、延伸倍率は、原反の厚さによって異なるが、1軸方向で少くとも2倍以上、好ましくは4〜20倍で行う。
【0039】
延伸後の微多孔膜は、抽出溶剤に浸漬して溶媒(A)を抽出する。抽出溶剤としてはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、デカリン、テトラリンなどの炭化水素、塩化メチレン、四塩化炭素、メチレンクロライドなどの塩素化炭化水素、三フッ化エタンなどのフッ化炭化水素、ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類など易揮発性のものを用いることができる。これらの溶剤はポリオレフィン組成物の溶解に用いた溶媒に応じて適宜選択し、単独もしくは混合して用いることができる。溶媒の抽出は、微多孔膜中の溶媒を1重量%未満に迄除去する。
【0040】
しかる後に、必要に応じて80〜150℃の温度範囲において熱セットを行うことにより安定した目的性能を有するポリオレフィン微多孔薄膜を得ることができる。
【0041】
なお、ポリオレフィン微多孔膜は、水処理等親水化が要求される用途においては、親水化の処理を行うことが好ましい。親水化処理としては、公知の種々の方法、例えばグリセリン、エチレングリコール、アルコール等の親水性化合物を含浸させる等の化学的な方法、およびコロナ処理やプラズマ処理やUV処理等の物理処理があげられる。
【実施例】
【0042】
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はそれによって限定されるものではない。なお、実施例における試験方法は次の通りである。
(1)厚み測定
ミツトヨ製のLytematicにアンリツ製の測定子(重量1gの5mmφの円柱測定子)を使用し9.8×10−3Nの接圧で測定した。
(2)空孔率
(1)で測定した厚みd(μm)と電子天秤にて測定した目付け量BW(g/m)から見かけの密度ρapを算出し、ポリエチレン密度ρPEから下記式(I)に代入して求めた。
ρap=BW/d
空孔率=(1−ρap/ρPE)×100%・・・(I)
(3)平均孔径、細孔容積
ベックマンコールター製100cxを使用し、サンプルを50℃にて3時間乾燥し、測定を実施し、平均孔径と細孔容積を求めた。
(4)破断点強度の測定は、ASTMD882に準拠して実施した。
(5)透気度の測定は、JISP8117に準拠して実施した。
(6)開孔度とフィブリルの平均直径
開孔度は、走査型電子顕微鏡の2,000倍写真を無作為に10枚撮影し、閉孔部(黒く写り、拡大すると閉孔状態が観察される部分)と開孔部の面積から割合を算出した。
幹状フィブリルおよび枝状フィブリルの平均直径は、開孔部の電子顕微鏡写真の50,000倍写真を無作為に10枚撮影し、縦1.8μm×横2.3μmの視野像の中で縦横に上下左右の両端を含む、均等な5本のラインを引き、交差する幹状フィブリルおよび枝状フィブリルの平均直径を求め平均値を算出した。
走査型顕微鏡は日立ハイテクノロジーズ製S−5200を使用し、白金を約2nmスパッタリングして表面にコーティングし、加速電圧は2kVで測定した。画像の寸法は、基準サンプルで校正した。
【0043】
[実施例1]
粘度平均分子量が2×10の超高分子量ポリエチレン(三井化学株式会社製「ハイゼックスミリオン」240S)30重量部と3.5×10の高密度ポリエチレン70重量部とデカリン244重量部および流動パラフィン(40℃における粘度が68×10−6/s)244重量部を2軸混練押し出し機を用いて180℃で溶解させてゾル化し、該ゾル化物をフラットフィルム押し出しダイを介して190℃で押し出し、水中に吐出してゲル状シートを成形した。続いてこのゲル状シートを、80℃で加熱してデカリンを1重量%以下まで除いた。次いで115℃で縦方向に5倍、ついで115℃で横方向に10倍で延伸を行い、延伸膜を得た。延伸膜は130℃(溶媒除去後の1stDSCの融点がショルダー含めダブルピークなる熱固定温度)で熱固定され、得られた延伸膜をヘキサンで洗浄して残留する流動パラフィンを抽出除去した後、乾燥及び熱処理を行いポリエチレン微多孔膜を得た。
このポリエチレン微多孔膜の物性および走査電子顕微鏡による表面観察の結果を表1に示す。
【0044】
[実施例2〜5]
表1に記載のとおりの超高分子量ポリエチレン、高密度ポリエチレン、溶媒を用いて、実施例1と同様にポリエチレン微多孔膜を得た。得られたポリエチレン微多孔膜の物性および走査電子顕微鏡による表面観察の結果を表1に示す。
【0045】
【表1】

【0046】
[比較例1〜4]
表2に記載のとおりの超高分子量ポリエチレン、高密度ポリエチレン、溶媒を用いて、実施例1と同様にポリエチレン微多孔膜を得た。得られたポリエチレン微多孔膜の物性および走査電子顕微鏡による表面観察の結果を表2に示す。
【0047】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】実施例1で得られた膜の走査型電子顕微鏡の2,000倍写真図である。
【図2】実施例1で得られた膜の開孔部の電子顕微鏡写真の50,000倍写真図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘度平均分子量が5×10以上の超高分子量ポリオレフィンを1重量%以上含むポリオレフィン組成物からなり、空孔率25〜60%であり、枝幹状のフィブリルからなる開孔構造を有するポリオレフィン微多孔膜であって、走査電子顕微鏡で表面観察される開孔部の占める面積が80%以上であり、開孔部において、幹状フィブリルの平均直径が0.01〜0.05μmであり、幹に交差する枝状フィブリルの平均直径が0.01〜0.03μmであることを特徴とするポリオレフィン微多孔膜。
【請求項2】
コールターポロメータで測定される平均孔径が0.01〜0.1μmである請求項1に記載のポリオレフィン微多孔膜。
【請求項3】
コールターポロメータで測定される細孔容積が0.3〜1.0ml/gである請求項1または2に記載のポリオレフィン微多孔膜。
【請求項4】
粘度平均分子量が5×10以上のポリオレフィンを少なくとも1重量%含むポリオレフィン組成物5〜70重量部と、大気圧における沸点が200℃以上の溶媒(A)および200℃未満の揮発性溶媒(B)とからなる混合溶媒30〜95重量部とを含む溶液を調製し、前記溶液をポリオレフィン組成物の融点+60℃以下の温度でダイより押出し、冷却してゲル状組成物を形成し、前記ゲル状組成物から溶媒(B)を除去した後、延伸し、次いで溶媒(A)を除去することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
【請求項5】
ポリオレフィン組成物100重量部に対し、大気圧における沸点が200℃以上の溶媒(A)を50重量部以上用いる請求項4に記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
【請求項6】
ポリオレフィン組成物100重量部に対し、溶媒(A)を100重量部以上用いる請求項4または5に記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
【請求項7】
溶媒(A)はパラフィン、ひまし油、および鉱油からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項4〜6のいずれかに記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
【請求項8】
溶媒(B)はデカリン、テトラリン、およびヘキサンからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項4〜7のいずれかに記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
【請求項9】
請求項1〜3のいずれかに記載のポリオレフィン微多孔膜の電池用セパレータとしての使用。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−111712(P2006−111712A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−299827(P2004−299827)
【出願日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(504033991)帝人ソルフィル株式会社 (4)
【Fターム(参考)】