説明

ポリカーボネート樹脂、その製造方法及びそれを用いた光学材料

【課題】 耐熱性や機械的強度を保持すると共に、透明性や耐光性にも優れるPC樹脂、その製造方法及びそれを用いた光学材料を提供すること。
【解決手段】 下記一般式(1)で表されるフッ素置換アダマンタン構造からなる繰り返し単位を含むポリカーボネート樹脂である。
【化1】


(式中、nは1〜14の整数を示す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリカーボネート樹脂、その製造方法及びそれを用いた光学材料に関する。本発明のポリカーボネート樹脂は、光ファイバー、レンズ、基板フィルム、光反射材及び光通信用素子などに用いる光学材料、光導波路などの光学部品、LED(発光ダイオード)などの光半導体用の封止材料や接着材料として好適である。
【背景技術】
【0002】
近年、白色LEDを用いた照明が提案され、その実用化が進められており、将来、家庭用の照明や自動車のライトなどへの展開が期待されている。また、電子情報の大容量化・高速化により、光ファイバーや光導波路などが普及している。光ファイバーや光導波路などの高性能化に伴い、これらに用いられる樹脂に要求される特性も厳しいものとなっている。例えば、白色LEDの場合、発光素子から放出される光の短波長化や高エネルギー化に伴って、耐紫外光性及び耐熱性がより一層要求されるようになってきたが、従来の、芳香環を有するビスフェノールA型のエポキシ樹脂やポリカーボネート(以下、PCと略記することがある。)樹脂では、上記要求を十分に満足させることができず、このため、脂肪族炭化水素系樹脂やシリコーン樹脂などが使用されている。
一方、光ファイバーや光導波路では、波長が1300nm付近あるいは1500nm付近の光が使用されているが、通常の炭化水素系樹脂は、その波長領域に吸収があるため、光損失が大きくなるという問題がある。そこで、紫外領域や近赤外領域での透明性に優れるとの理由で、エポキシ基やアクリル基を有する熱硬化型シロキサン系樹脂やUV(紫外線)硬化型のシロキサン系樹脂、あるいは非晶性のフッ素樹脂の適用が検討されている(例えば、特許文献1参照)。これらの樹脂は、透明性や耐光性に優れるものであるが、素子において要求される他の特性、例えば耐熱性、機械的強度及び密着性などがより向上した樹脂が求められている。
【0003】
【特許文献1】特開2004−123687号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、耐熱性や機械的強度を保持すると共に、透明性や耐光性にも優れたポリカーボネート樹脂、その製造方法及びそれを用いた光学材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、耐熱性や機械的強度に優れるアダマンタンをフッ素置換してなるフッ素置換アダマンタン構造を導入したPC樹脂が、耐熱性や機械的強度を保持すると共に、透明性や耐光性にも優れることを見出した。また、このPC樹脂は、誘電率が低く、電気回路などの高周波数化や集積化に対応した樹脂として有用であり、さらに、接着材料や基板フィルムなどとしても有用であることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、以下のポリカーボネート樹脂、その製造方法及びそれを用いた光学材料を提供するものである。
1. 下記一般式(1)
【0006】
【化1】

(式中、nは1〜14の整数を示す。)
【0007】
で表されるフッ素置換アダマンタン構造からなる繰り返し単位を含むことを特徴とするポリカーボネート樹脂。
2. ポリカーボネート樹脂が、さらに下記一般式(2)
【0008】
【化2】

【0009】
[式中、R1及びR2は、それぞれ独立にハロゲン原子、置換又は無置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換又は無置換の炭素数1〜12のアルコキシ基、置換又は無置換の炭素数6〜12のアリール基、置換又は無置換の炭素数7〜13のアリールアルキルもしくはアリールアルケニル基及び炭素数1〜12のフルオロアルキル基から選ばれる基を示す。p及びqは0〜4の整数である。Xは、単結合、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−CR34−(ただし、R3及びR4は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、置換又は無置換のフェニル基及びトリフルオロメチル基から選ばれる基を示す。)、置換又は無置換の炭素数6〜12のシクロアルキリデン基、2,2−アダマンチル基、1,3−アダマンチル基、置換又は無置換の炭素数13〜25の9,9−フルオレニリデン基、1,8−メンタンジイル基、2,8−メンタンジイル基、置換又は無置換の炭素数4〜10のピラジリデン基、置換又は無置換の炭素数6〜12のアリーレン基、及び−C(CH3)2−Ph−C(CH3)2−(Phはフェニレン基を示す。)から選ばれる基を示す。]
で表される繰り返し単位を有する上記1に記載のポリカーボネート樹脂。
3. 一般式(2)で表される繰り返し単位が、下記構造式(3)、(4)及び(5)
【0010】
【化3】

【0011】
から選ばれる少なくとも一つである上記1又は2に記載のリカーボネート樹脂。
4. 下記一般式(1)で表される繰り返し単位と下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂を製造するにあたり、下記一般式(6)で表されるフルオロアダマンタンジオールと、下記一般式(7)で表されるビスフェノール化合物と、炭酸エステル形成性化合物とを反応させることを特徴とするポリカーボネート樹脂の製造方法。
【0012】
【化4】

(式中、R1、R2、n、p、q及びXは上記と同じである。)、
【0013】
5. 上記1〜3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂を用いてなる光学材料。
6. 上記1〜3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂を用いてなる光学部品。
7. 上記1〜3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂を用いてなる光半導体用の封止材料又は接着材料。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、耐熱性や機械的強度を保持すると共に、透明性や耐光性にも優れるPC樹脂、その製造方法及びそれを用いた光学材料を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明のPC樹脂は、下記一般式(1)
【0016】
【化5】

【0017】
で表されるフッ素置換アダマンタン構造からなる繰り返し単位を含むものである。式中、nは1〜14の整数を示し、好ましくは6〜14の整数である。
本発明のPC樹脂は、上記一般式(1)で表される繰り返し単位に加えて、さらに下記一般式(2)
【0018】
【化6】

【0019】
[式中、R1及びR2は、それぞれ独立にハロゲン原子、置換又は無置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換又は無置換の炭素数1〜12のアルコキシ基、置換又は無置換の炭素数6〜12のアリール基、置換又は無置換の炭素数7〜13のアリールアルキルもしくはアリールアルケニル基及び炭素数1〜12のフルオロアルキル基から選ばれる基を示す。p及びqは0〜4の整数である。Xは、単結合、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−CR34−(ただし、R3及びR4は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、置換又は無置換のフェニル基及びトリフルオロメチル基から選ばれる基を示す。)、置換又は無置換の炭素数6〜12のシクロアルキリデン基、2,2−アダマンチル基、1,3−アダマンチル基、置換又は無置換の炭素数13〜25の9,9−フルオレニリデン基、1,8−メンタンジイル基、2,8−メンタンジイル基、置換又は無置換の炭素数4〜10のピラジリデン基、置換又は無置換の炭素数6〜12のアリーレン基、及び−C(CH3)2−Ph−C(CH3)2−(Phはフェニレン基を示す。)から選ばれる基を示す。]
で表される繰り返し単位を有するものであってもよい。
【0020】
上記一般式(1)において、R1及びR2のハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられる。置換又は無置換の炭素数1〜12のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。置換又は無置換の炭素数1〜12のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基などが挙げられる。
置換又は無置換の炭素数6〜12のアリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、トリフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。置換又は無置換の炭素数7〜13のアリールアルキルもしくはアリールアルケニル基としては、ベンジル基、フェネチル基、スチリル基、シンナミル基などが挙げられる。炭素数1〜12のフルオロアルキル基としては、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基などが挙げられる。R1又はR2としては、メチル基、エチル基、シクロヘキシル基、フェニル基が好ましいものとして挙げられる。
【0021】
上記一般式(2)において、Xのうちの−CR34−におけるR3及びR4の炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などが挙げられる。これらのうち、メチル基、エチル基、n−プロピル基が好ましいものとして挙げられる。
Xのうちの置換又は無置換の炭素数6〜12のシクロアルキリデン基としては、シクロヘキシリデン基、シクロヘプチリデン基、シクロオクチリデン基などが挙げられる。置換又は無置換の炭素数6〜12のアリーレン基としては、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)基、1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)基などが挙げられる。
上記一般式(2)で表される繰り返し単位としては、PC樹脂の耐熱性や機械的強度を優れたものとすることから、下記一般式(2−a)
【0022】
【化7】

(式中、R1、R2、p、q及びXは上記と同じである。)
【0023】
で表される繰り返し単位が好ましい。
PC樹脂の耐熱性をより優れたものとする点から、上記一般式(2)及び(2−a)におけるXとしては、−CR34−(ただし、R3及びR4は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、置換又は無置換のフェニル基及びトリフルオロメチル基から選ばれる基を示す。)、置換又は無置換の炭素数6〜12のシクロアルキリデン基、置換又は無置換の炭素数13〜25の9,9−フルオレニリデン基が好ましい。上記一般式(2−a)で表される繰り返し単位は、下記構造式(3)、(4)及び(5)
【0024】
【化8】

【0025】
から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
本発明のPC樹脂において、上記一般式(1)で表される繰り返し単位と、上記一般式(2)で表される繰り返し単位の含有割合は、[繰り返し単位(1)/(繰り返し単位(1)+繰り返し単位(2))](モル比)が0.05〜0.99であることが好ましい。このモル比が0.05以上であると、成形性が良好であると共に、耐熱性の向上効果が発揮され、また、0.99以下であると、溶媒に対する溶解性が良好であるため、成形加工性が良好となる。この共重合型のPC樹脂の場合には、繰り返し単位(1)の全繰り返し単位に対するモル比が、0.05〜0.95であるものが耐熱性や機械的強度と成形加工性のバランスが良好で特に好ましい。
【0026】
上記繰り返し単位を有する本発明のPC樹脂は、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dl溶液の20℃における還元粘度[ηsp/c]が0.1dl/g以上のものである。この還元粘度[ηsp/c]を0.1dl/g以上とすることにより、PC樹脂の耐熱性や機械的強度が十分なものとなる。この還元粘度[ηsp/c]が0.3〜3dl/gであるPC樹脂は、電気・電子部品や光学部品などの成形材料として特に好適である。
【0027】
上記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂、あるいは上記一般式(1)で表される繰り返し単位と上記一般式(2)で表される繰り返し単位を有するPC樹脂の製造方法としては特に制限はなく、適当なモノマーを使用して公知の方法に準じて各種の方法によって製造することができる。上記一般式(1)で表される繰り返し単位を含有するPC樹脂は、例えば下記一般式(6)
【0028】
【化9】

(式中、nは1〜14の整数を示す。)
【0029】
で表されるフルオロアダマンタンジオール(以下[A]成分ともいう。)と、炭酸エステル形成性化合物とを反応させることによって製造することができる。上記一般式(1)で表される繰り返し単位と上記一般式(2)で表される繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂は、例えば、上記フルオロアダマンタンジオールと下記一般式(7)
【0030】
【化10】

(式中、R1、R2、p、q及びXは上記と同じである。)
【0031】
で表されるビスフェノール化合物(以下[B]成分ともいう。)と、炭酸エステル形成性化合物とを反応させることによって製造することができる。このとき、[A]と[B]の割合を変化させることで、分子量調整をすることができる。[B]/([A]+[B])(モル比)は、通常0.05〜0.99程度であり、0.05〜0.95が好ましい。
上記[A]成分のフルオロアダマンタンジオールの具体例としては、1,3−パーフルオロアダマンタンジオール、2−H−1,3−パーフルオロアダマンタンジオール、2,4−H−1,3−パーフルオロアダマンタンジオールなどが挙げられる。これら[A]成分のフルオロアダマンタンジオールは、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、特に1,3−パーフルオロアダマンタンジオールが好ましい。
【0032】
上記[B]成分のビスフェノール化合物の具体例としては、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジフルオロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジフェニル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジシクロヘキシル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニルなどの4,4’−ジヒドロキシビフェニル類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(3−ノニル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、2 −ヒドロキシフェニル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−4メチルフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−4−メチル−6−tert−ブチルフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−4,6−ジメチルフェニル)メタン、
【0033】
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4 −ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)−1−フェニルエタン、2−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1−フェニル−1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−sec−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
【0034】
2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3 ,5 −ジフルオロフェニル)プロパン、2,2 −ビス(4 −ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−クロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(2−ヒドロキシ−4−sec−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−ヒドロキシ−4,6−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(2−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ペンチルフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)ブタン、
【0035】
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,2−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノナン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどのビス(ヒドロキシフェニル)アルカン類;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、1,3−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタンなどのアダマンタン類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エーテルなどのビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル類;
【0036】
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィドなどのビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホキシドなどのビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどのビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン類;4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンなどのビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン類;9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレンなどのビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン類;4,4”−ジヒドロキシ−p−ターフェニルなどのジヒドロキシ−p−ターフェニル類;4,4’’’−ジヒドロキシ−p−クォーターフェニルなどのジヒドロキシ−p−クォーターフェニル類;2,5−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ピラジン、2,5−ビス(4 −ヒドロキシフェニル)−3,6−ジメチルピラジン、2,5−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,6−ジエチルピラジンなどのビス(ヒドロキシフェニル)ピラジン類;1,8−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メンタン、2,8−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メンタン、1,8−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メンタン、1,8−ビス(4 −ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メンタンなどのビス(ヒドロキシフェニル)メンタン類;1,4−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、1,3−ビス〔2−(4 −ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼンなどのビス[2−(4 −ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン類などが挙げられる。これら[B]成分のビスフェノール化合物は1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
【0037】
また、上記炭酸エステル形成性化合物としては、ホスゲンなどの各種ジハロゲン化カルボニルや、クロロホーメートなどのハロホーメート、炭酸エステル化合物などを用いることができる。ホスゲンなどのガス状の炭酸エステル形成性化合物を使用する場合、これを反応系に吹き込む方法が好適に採用できる。そして、この反応において用いる溶媒としては、通常の芳香族ポリカーボネート樹脂の製造に使用されているものが用いられる。例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1,2 −テトラクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ペンタクロロエタン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、アセトフェノンなどが好適なものとして挙げられる。これら溶媒は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。さらに、互いに混ざり合わない2種の溶媒を用いてもよい。
【0038】
また、酸受容体としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウムなどのアルカリ金属水酸化物や、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、ピリジンなどの有機塩基、あるいはこれらの混合物を用いることができる。これら酸受容体の使用割合は、この反応の化学量論比(当量)を考慮して、例えば原料の二価フェノールの水酸基1モル当たり、1当量もしくはそれより若干過剰量、好ましくは1〜5当量の酸受容体を使用すればよい。
【0039】
さらに、末端停止剤としては、一価のフェノール類を用いることができる。例えば、p−tert−ブチル−フェノール、p−フェニルフェノール、p−クミルフェノール、p−パーフルオロノニルフェノール、p−(パーフルオロノニルフェニル)フェノール、p−tert−パーフルオロブチルフェノール、1−(p−ヒドロキシベンジル)パーフルオロデカンなどが用いられる。
【0040】
そして、触媒としては、トリエチルアミンなどの第三級アミン類や第四級アンモニウム塩が好適に用いられる。さらに、この反応系には、亜硫酸ナトリウムやハイドロサルファイドなどの酸化防止剤を少量添加して反応を行う方法を採用してもよい。つぎに、界面重合法による場合の反応条件は、反応温度は、通常0〜150℃、好ましくは5〜40℃であり、反応圧力は減圧、常圧、加圧のいずれでもよいが、常圧もしくは反応系の自圧程度の加圧下に行うのが好ましい。反応時間については、反応温度により左右されるが、0.5分間〜10時間、好ましくは1分間〜2時間程度である。また、この反応は、連続法、半連続法、回分法のいずれの反応方式で実施してもよい。
【0041】
また、エステル交換反応による場合には、減圧下に、120〜350℃において反応させる。この場合、減圧度を反応の進行にそって段階的に強化し、最終的には133Pa以下まで減圧して、生成するフェノール類を反応系外に抜き出すようにする。反応時間は、1〜4時間とすればよく、必要に応じて触媒や酸化防止剤を添加してもよい。
なお、得られるPC樹脂の還元粘度[ηsp/c]を、上記範囲にするには、例えば、上記反応条件、分子量調整剤の使用量などを適切に選択すればよい。また、場合により、得られたPC樹脂に適宜物理的処理(混合、分画等)及び/又は化学的処理(ポリマー反応、架橋処理、部分分解処理など)を施すことにより、所定の還元粘度[ηsp/c]のPC樹脂として得ることもできる。
得られた反応生成物(粗生成物)は公知の分離・精製法などの各種の後処理を施して、所望の純度(精製度)のポリカーボネート樹脂として回収することができる。
【0042】
本発明はまた、上述の本発明のPC樹脂を用いてなる光学材料、光学部品及び光半導体用の封止材料又は接着材料をも提供する。
上記光学材料としては、光ファイバー、レンズ、基板フィルム、光反射材及び光通信用デバイス材料などを例示することができ、光学部品としては、光導波路などを例示することができる。また、上記光半導体としては、例えばLED(発光ダイオード)などが挙げられる。
本発明のPC樹脂を上記の用途に供する場合、公知の酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光色素やフォトクロ色素等の色素、屈折率調整剤、無機微粒子などを添加したPC樹脂組成物として使用することができる。
【実施例】
【0043】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、各例で得られたPC樹脂の評価は下記の方法により行った。
(1)還元粘度
離合社製の自動粘度測定装置VMR−042を用い、自動粘度用ウッベローデ改良型粘度計(RM型)で測定した。
(2)ガラス転移温度(Tg)
セイコー電子社製の測定器DSC220を用い、25℃から350℃まで窒素気流(20ミリリットル/分)下に、昇温速度を10℃/分で加熱した後、直ちに急冷して試料の熱履歴を除去し、さらに昇温速度を10℃/分において、JIS K7121に準拠してガラス転移温度を測定した。
(3)フィルムの透明性
PC樹脂を塩化メチレンに溶解して濃度20質量%の溶液を調製し、この溶液をガラス基板上にキャスト製膜し、室温において半日以上放置した後、ガラス基板上に形成されたフィルムをガラス基板から剥離した。そして、このフィルムを減圧乾燥器中で、70℃において24時間、次いで120℃において12時間加熱することにより、厚さ0.1mmの透明なフィルムを得た。
このフィルムから、長さ40mm、幅40mmの試験片を切り出し、この試験片について、スガ試験機社製のHGM−2DP型ヘイズメーターを用いて、ヘイズ(%)を測定した。
(4)フィルムの屈折率
上記(3)と同様のフィルムから、長さ20mm、幅10mmの試験片を切り出し、この試験片について、アタゴ社製のアッベ屈折率計を用いて、屈折率を測定した。

(5)光損失(ストリーク)
PC樹脂をテトラヒドロフランに溶解して濃度20質量%の溶液を調製し、この溶液を4インチ(101.6mm)のシリコン基板上にキャスト製膜し、室温において半日以上放置した後、ガラス基板上に形成されたフィルムをガラス基板から剥離した。そして、このフィルムを減圧乾燥器中で、70℃において24時間、次いで120℃において12時間加熱することにより、厚さ0.01mmの透明な薄膜層を形成した。この薄膜試料に、プリズムカプラを用いて、830nm、1300nmの波長の光を入射し、薄膜内に光を伝搬させた。その際に、伝搬光に沿ってディスクを走査させて、試料からの散乱光を検出し、その強度の減衰から薄膜伝搬光の光損失を算出した。
【0044】
〔実施例1〕
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン200gを2mol/L濃度の水酸化ナトリウム水溶液920mlに溶解した溶液に、溶媒として塩化メチレン550mlを加えて攪拌しながら、冷却下、この液中にホスゲンガスを800ml/分の割合で30分間吹き込んだ。次いで、この反応液を静置分離し、有機層として、重合度が2〜5であり、分子末端にクロロホーメート基を有するオリゴマーの塩化メチレン溶液を得た。
そして、得られた塩化メチレン溶液に、さらに塩化メチレンを加えて全量を600mlとした後、これに1,3−パーフルオロアダマンタンジオール70gを2mol/L濃度の水酸化ナトリウム水溶液200mlに溶解した溶液を加え、さらに分子量調節剤としてp−tert−ブチルフェノール1gを加えた。次いで、この混合液を激しく攪拌しながら、触媒として7質量%濃度のトリエチルアミン水溶液1.0mlを加え、攪拌下に、25℃で1.5 時間反応させた。
反応終了後、得られた反応生成物を塩化メチレン1Lによって希釈し、水1.5Lで2回洗浄した。次いで、0.05mol/L濃度の塩酸により洗浄した後、さらに水1Lで2回洗浄した。そして、得られた有機相をメタノール中に投入して再沈精製することにより、芳香族PC樹脂の粉末を得た。
ここで得られた芳香族PC樹脂は、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の20℃における還元粘度[ηsp/c]が0.4dl/gであった。この芳香族PC樹脂を上記の方法により評価した。結果を表1に示す。また、この芳香族PC樹脂について1H−NMRスペクトル分析による構造確認の結果、その化学構造は下記の繰り返し単位からなるものであると認められた。
【0045】
【化11】

【0046】
〔実施例2〕
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン200gを2mol/L濃度の水酸化カリウム水溶液920mlに溶解した溶液に、溶媒として塩化メチレン550mlを加えて攪拌しながら、冷却下、この液中にホスゲンガスを800ml/分の割合で30分間吹き込んだ。次いで、この反応液を静置分離し、有機層として、重合度が2〜5であり、分子末端にクロロホーメート基を有するオリゴマーの塩化メチレン溶液を得た。
そして、得られた塩化メチレン溶液に、さらに塩化メチレンを加えて全量を600mlとした後、これに1,3−パーフルオロアダマンタンジオール70gを2mol/L濃度の水酸化カリウム水溶液200mlに溶解した溶液を加え、さらに分子量調節剤としてp−tert−ブチルフェノール5gを加えた。次いで、この混合液を激しく攪拌しながら、触媒として7質量%濃度のトリエチルアミン水溶液1.0mlを加え、攪拌下に、25℃で1.5 時間反応させた。
反応終了後、得られた反応生成物を塩化メチレン1Lによって希釈し、水1.5Lで2回洗浄した。次いで、0.05mol/L濃度の塩酸により洗浄した後、さらに水1Lで2回洗浄した。そして、得られた有機相をメタノール中に投入して再沈精製することにより、芳香族PC樹脂の粉末を得た。
ここで得られた芳香族PC樹脂は、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の20℃における還元粘度[ηsp/c]が0.6dl/gであった。この芳香族PC樹脂を上記の方法により評価した。結果を表1に示す。また、この芳香族PC樹脂について1H−NMRスペクトル分析による構造確認の結果、その化学構造は下記の繰り返し単位からなるものであると認められた。
【0047】
【化12】

【0048】
〔実施例3〕
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン200gを2mol/L濃度の水酸化カリウム水溶液920mlに溶解した溶液に、溶媒として塩化メチレン550mlを加えて攪拌しながら、冷却下、この液中にホスゲンガスを800ml/分の割合で30分間吹き込んだ。次いで、この反応液を静置分離し、有機層として、重合度が2〜5であり、分子末端にクロロホーメート基を有するオリゴマーの塩化メチレン溶液を得た。
そして、得られた塩化メチレン溶液に、さらに塩化メチレンを加えて全量を600mlとした後、これに1,3−パーフルオロアダマンタンジオール65gを2mol/L濃度の水酸化カリウム水溶液200mlに溶解した溶液を加え、さらに分子量調節剤としてp−tert−ブチルフェノール1gを加えた。次いで、この混合液を激しく攪拌しながら、触媒として7質量%濃度のトリエチルアミン水溶液1.0mlを加え、攪拌下に、25℃で1.5 時間反応させた。
反応終了後、得られた反応生成物を塩化メチレン1Lによって希釈し、水1.5Lで2回洗浄した。次いで、0.05mol/L濃度の塩酸により洗浄した後、さらに水1Lで2回洗浄した。そして、得られた有機相をメタノール中に投入して再沈精製することにより、芳香族PC樹脂の粉末を得た。
ここで得られた芳香族PC樹脂は、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の20℃における還元粘度[ηsp/c]が0.5dl/gであった。この芳香族PC樹脂を上記の方法により評価した。結果を表1に示す。また、この芳香族PC樹脂について1H−NMRスペクトル分析による構造確認の結果、その化学構造は下記の繰り返し単位からなるものであると認められた。
【0049】
【化13】

【0050】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明のPC樹脂は、光ファイバー、レンズ、基板フィルム、光反射材及び光通信用デバイスなどに用いる光学材料、光導波路などの光学部品、LEDなどの光半導体用の封止材料や接着材料などの用途に好適である。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)
【化1】

(式中、nは1〜14の整数を示す。)
で表されるフッ素置換アダマンタン構造からなる繰り返し単位を含むことを特徴とするポリカーボネート樹脂。
【請求項2】
ポリカーボネート樹脂が、さらに下記一般式(2)
【化2】

[式中、R1及びR2は、それぞれ独立にハロゲン原子、置換又は無置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換又は無置換の炭素数1〜12のアルコキシ基、置換又は無置換の炭素数6〜12のアリール基、置換又は無置換の炭素数7〜13のアリールアルキルもしくはアリールアルケニル基及び炭素数1〜12のフルオロアルキル基から選ばれる基を示す。p及びqは0〜4の整数である。Xは、単結合、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−CR34−(ただし、R3及びR4は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、置換又は無置換のフェニル基及びトリフルオロメチル基から選ばれる基を示す。)、置換又は無置換の炭素数6〜12のシクロアルキリデン基、2,2−アダマンチル基、1,3−アダマンチル基、置換又は無置換の炭素数13〜25の9,9−フルオレニリデン基、1,8−メンタンジイル基、2,8−メンタンジイル基、置換又は無置換の炭素数4〜10のピラジリデン基、置換又は無置換の炭素数6〜12のアリーレン基、及び−C(CH3)2−Ph−C(CH3)2−(Phはフェニレン基を示す。)から選ばれる基を示す。]
で表される繰り返し単位を有する請求項1に記載のポリカーボネート樹脂。
【請求項3】
一般式(2)で表される繰り返し単位が、下記構造式(3)、(4)及び(5)
【化3】

から選ばれる少なくとも一つである請求項1又は2に記載のリカーボネート樹脂。
【請求項4】
下記一般式(1)で表される繰り返し単位と下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂を製造するにあたり、下記一般式(6)で表されるフルオロアダマンタンジオールと、下記一般式(7)で表されるビスフェノール化合物と、炭酸エステル形成性化合物とを反応させることを特徴とするポリカーボネート樹脂の製造方法。
【化4】

[式中、R1及びR2は、それぞれ独立にハロゲン原子、置換又は無置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換又は無置換の炭素数1〜12のアルコキシ基、置換又は無置換の炭素数6〜12のアリール基、置換又は無置換の炭素数7〜13のアリールアルキルもしくはアリールアルケニル基及び炭素数1〜12のフルオロアルキル基から選ばれる基を示す。nは1〜14の整数、p及びqは0〜4の整数である。Xは、単結合、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−CR34−(ただし、R3及びR4は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、置換又は無置換のフェニル基及びトリフルオロメチル基から選ばれる基を示す。)、置換又は無置換の炭素数6〜12のシクロアルキリデン基、2,2−アダマンチル基、1,3−アダマンチル基、置換又は無置換の炭素数13〜25の9,9−フルオレニリデン基、1,8−メンタンジイル基、2,8−メンタンジイル基、置換又は無置換の炭素数4〜10のピラジリデン基、置換又は無置換の炭素数6〜12のアリーレン基、及び−C(CH3)2−Ph−C(CH3)2−(Phはフェニレン基を示す。)から選ばれる基を示す。]
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂を用いてなる光学材料。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂を用いてなる光学部品。
【請求項7】
請求項1〜3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂を用いてなる光半導体用の封止材料又は接着材料。


【公開番号】特開2006−131775(P2006−131775A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−323158(P2004−323158)
【出願日】平成16年11月8日(2004.11.8)
【出願人】(000183646)出光興産株式会社 (2,069)
【Fターム(参考)】