説明

ポリジアセチレンポリマー組成物および製造の方法

ジアセチレンセグメントを含むポリウレタン系ポリマー組成物が提供される。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ポリジアセチレンセグメントを含むポリマー組成物は、様々な用途のために用いられている。ジアセチレンは典型的に無色であり、熱的にまたは化学線によってのいずれかで追加の重合を受ける。重合が進むにつれて、これらの化合物は、典型的には無色から青色または紫色に対比色変化を受ける。更に、熱、物理的応力あるいは溶媒または対イオンの変化などの外部刺激にさらされた時、ポリジアセチレンは平面主鎖配座のゆがみによって生じる更なる色変化を示す。ポリジアセチレンアセンブリは、ミノ(Mino)ら、Langmuir、第8巻、594ページ、1992年、チャンス(Chance)ら、Journal of Chemistry and Physics、第71巻、206、1979年、シブタグ(Shibutag)、Thin Solid Films、第179巻、433ページ、1989年、カネコ(Kaneko)ら、Thin Solid Films、第210巻、548ページ、1992年、および米国特許第5,672,465号明細書明細書に記載されたように共役主鎖の配座変化のゆえに温度の上昇またはpHの変化により青色から赤色に色を変えることが知られている。化合物のこの類の利用は、米国特許第5,622,872号明細書明細書および国際公開第02/00920号パンフレットで議論されたように生体発色インジケータとして用いるために知られている。
【0002】
モノマージアセチレンの重合に加えて、ジアセチレン官能基をポリマー主鎖の繰返し構造に導入することが可能であることが実証されてきた。ポリマーのこれらのタイプは、UV線を照射すると固相交差重合を受け、ポリジアセチレン鎖を形成させる。これらの材料は、初期ポリマーの主鎖構造内のジアセチレン単位の系統的な重合のゆえにマクロモノマーと呼ばれてきた。二官能性モノマーの1つがジアセチレン基を含む適切な二官能性モノマーを互いに連結することにより形成されたポリマー主鎖の繰返し構造中に反応性ジアセチレン官能基を含むポリマーの例には、米国特許第4,215,208号明細書および第4,242,440号明細書に記載されたジアセチレン−ウレタンコポリマー、米国特許第4,721,769号明細書に記載されたゴム弾性プレポリマーと反応させ、そしてジアセチレンで連鎖延長させたジイソシアネートから形成されたセグメント化コポリマー、米国特許第4,767,826号明細書に記載されたソフトセグメント(ポリエーテル、ポリエステル、ポリジエン、ポリジメチルシロキサン)とジアセチレン含有ハードセグメント(ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレア)を有する直鎖ブロックコポリマーならびに米国特許第4,849,500号明細書および同第4,916,211号明細書に記載されたポリアミド−ジアセチレンコポリマーが挙げられる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、ポリマー組成物、ポリマー組成物を含む物品、組成物を製造し使用する方法に関し、ここで、組成物は、イソシアネート反応性成分と、ジアセチレン含有イソシアネート反応性成分と、イソシアネート官能性成分と、反応性乳化化合物と、任意の触媒と、任意の連鎖延長剤との反応生成物を含むジアセチレン含有ポリマーを含む。
【0004】
一実施形態において、イソシアネート反応性成分およびジアセチレン含有イソシアネート反応性成分はポリオールなどのヒドロキシル官能性材料を含む。幾つかの実施形態において、ジアセチレン含有イソシアネート反応性材料はポリマーの全重量を基準にして約2重量%を構成する。
【0005】
一実施形態において、イソシアネート官能性成分はジイソシアネートを含む。
【0006】
一実施形態において、反応性乳化化合物は式Vによって表される。
【化1】

式中、GはOH、NHRおよびSHからなる群から選択され、XとYの各々は同じかまたは異なってもよく、XとYの各々は独立して反応性官能基のない約1〜約20個の炭素原子を有する脂肪族有機基およびそれらの組み合わせから選択され、Rは水素または反応性官能基のない約1〜約20個の炭素原子を有する脂肪族有機基であることが可能である。
【0007】
もう1つの実施形態において、反応性乳化化合物は式IVによって表される。
【化2】

式中、GはOH、NHRおよびSHからなる群から選択され、QはCOO-またはSO3-から選択された負に帯電した部分、またはイオン化するとそのような負に帯電した部分を形成することができる基であり、X、YおよびR1は同じかまたは異なってもよく、X、Y、RおよびR1は独立して反応性官能基のない好ましくは約1〜約20個の炭素原子を有する脂肪族有機基およびそれらの組み合わせから選択され、Rは水素であることが可能であり、QがCOO-およびSO3-である場合、R1は任意である。
【0008】
殆どの実施形態において、ポリマー組成物は発色性である。一実施形態において、硬化したポリマー組成物は外部刺激にさらされた時に二次発色応答を示す。
【0009】
本明細書で用いられる「a」、「an」、「the」、「少なくとも1つ」および「1つ以上」は互換可能に用いられる。本明細書において同様に、終点による数値範囲の列挙は、当該範囲内に包含されるすべての数値を含む(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5などを含む)。
【0010】
上の発明の開示は、本発明の開示された各実施形態もあらゆる実施も記載することを意図していない。以下に続く説明は、例示的な実施形態をより詳しく例示している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明はジアセチレンセグメントを含むポリマー組成物を提供する。詳しくは、本発明は、熱、検体または特定の環境因子への暴露などの刺激に応答して発色指示することができるポリマー網目を提供するジアセチレンセグメントを含むポリマーに関する。
【0012】
ジアセチレンセグメントは、例えば電磁スペクトルのUV範囲または可視範囲の電磁放射線などのあらゆる化学線を用いて重合され得る整列したアセンブリを形成するために自己組織化する。整列したアセンブリに自己組織化するジアセチレンセグメントの能力は重合がトポケミカルに進むことを可能にする。ジアセチレンの自己組織化は、ジアセチレン出発材料の分子構成およびコポリマーセグメントの性質の2つの要素に大部分依存する。本発明のジアセチレン出発材料は、整列したアセンブリに集まるジアセチレン分子のための「工学的に設計された」分子間親和性を提供することにより、自己組織化するそれらの能力を強化するだけでなく、自己組織化するそれらの能力を送出もする分子構成を有するように設計される。ジアセチレン材料のためのコポリマーセグメントの例は、ジアセチレンの整列したアセンブリの形成のための水素結合テンプレートを提供することによりジアセチレンの自己組織化に寄与するポリウレタンポリマー系である。
【0013】
理論に拘りたくない一方で、ジアセチレン含有ポリマーが整列したモルホロジーに分子レベルで自己組織化するコポリマーの傾向に基づいて発色を示すことが考えられる。従って、ポリマー主鎖内に含まれるジアセチレン部分は、架橋がジアセチレン官能基を横切って起きることが可能であり、よって共役網目をもたらすような程度に整列する。順々に続く観察された発色は、特定の系に存在する共役度の直接的指示であることが可能である。ポリマー網目の中の架橋したジアセチレンは、1)強化された一体性、2)発色という多くの用途で望ましい2つの材料特性を提供する。
【0014】
ジアセチレン成分の重合は、それらの配座および外部因子への暴露に応じて、クロマ(C*)によって測定される種々の濃さおよび色相角(h°)によって測定される色相の可視スペクトル、すなわち、400nm〜600nmの間の波長における色を有する重合反応生成物をもたらす。L*、C*およびh°は、観察された色を定量化するとともに統一性を監視するために用いることが可能である測定値である。L*は、0すなわち純ブラックから100すなわち純ホワイトまでの目盛りの色の明度である。C*(クロマ)は飽和度、すなわち特定の色相または観察された色の濃さの指標である。クロマは、同じ値の中性色(グレー)からの有彩色の起程点の距離として、より公式に定義してもよい。クロマ目盛りは零で始まるが、任意の終わりはない。C*値が増加するにつれて、相対飽和度も増加する。色相(h°)は表された色の色相角を表し、0°〜360°の範囲である。
【0015】
ジアセチレン成分を含むポリマーは、可逆の色変化および/または3状態色変化を示すことが可能である。例えば、重合後、得られた青色相ポリマー網目は、熱、溶媒または対イオンの変化あるいは物理的応力にさらされると赤味−オレンジ色状態に色を変えることが可能である。その後、この赤味−オレンジ色ポリマー網目は、熱、溶媒または対イオンの変化あるいは物理的応力に更にさらされると黄味−オレンジ色状態に色を変えることが可能である。更に、本明細書で開示されたポリマー網目は、これらの赤味−オレンジ色状態と黄味−オレンジ色状態との間で可逆的に循環することが可能である。
【0016】
例えば、紫外線、物理的応力、溶媒の変化および対イオンの変化を含む様々な要素にさらされると可視色変化を受けるポリジアセチレン含有ポリマーの能力は、種々の検出器の製造にとって、ポリジアセチレン含有ポリマーを理想的な候補にする。こうした検出器は、溶液でまたは固体状態でジアセチレン含有ポリマーを用いることが可能である。
【0017】
所定の検出用途のためのジアセチレンポリマーの構造要件は、典型的には用途特有のものである。全体的な鎖長、溶解度、極性、結晶性および更なる分子変性のための官能基の存在はすべて有用な検出材料として機能するジアセチレン含有ポリマーの能力を協働的に決定する。
【0018】
ジアセチレン化合物は、重合が進行するにつれて青色または紫色などの色を発色するポリジアセチレン含有ポリマーに容易且つ効率的に重合させることが可能である。ポリジアセチレン含有ポリマーは、熱、溶媒または利用できるなら対イオンの変化あるいは物理的応力などの外部刺激に応答して所望する色変化を更に受けることが可能である。
【0019】
刺激に対するポリジアセチレン含有ポリマーの発色とポリジアセチレン含有ポリマーの二次色応答の両方は、分子レベルでの系の固有の自己組織化度または整列度の部分的に関数である。自己組織化の所望のレベルは、ポリウレタンなどのコポリマーセグメントの水素結合によって促進することが可能である。自然集合のための水素結合サイトを欠く材料などの整列を押し進めないポリマー系は自己組織化から見てより望ましくない。ポリウレタン系は、重合中の発色に寄与するとともに得られたポリマーの発色応答に寄与するために必要な自己組織化特性を提供することが可能である。
【0020】
従って、本発明の代表的なポリマーはポリウレタン系である。本明細書で用いられる「ポリウレタン」という用語は、ウレタン(カルバメートとしても知られている)連結、ウレア連結またはそれらの組み合わせ、すなわちポリ(ウレタン−ウレア)の場合を含むポリマーを含む。従って、本発明のポリウレタン系ポリマーは、少なくとも1個のウレタン連結および任意にウレア連結を含む。好ましくは、以下で記載する重合プロセスなどの重合プロセス中に形成される少なくとも80%のウレタン繰返し連結および/またはウレア繰返し連結を主鎖が有するポリマーが一般に形成される。一般に、ポリウレタン系ポリマーは、イソシアネート基を好ましくは末端とするプレポリマーから形成される。プレポリマーからポリマーを形成させるために用いられる他の反応物は、重合中に高分子主鎖の中に形成される高分子セグメント間の繰返し連結の少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約90%、より好ましくは少なくとも約95%、最も好ましくは本質的に100%がウレタン連結およびウレア連結であるように選択される。
【0021】
本発明のポリマーは、100%固形物、溶媒系または水性系から誘導してもよい。水性系は一般にコスト、環境、安全および規制の理由のために望ましいと考えられる。従って、多くの実施形態において、本発明のポリウレタン系ポリマーは、一次分散媒体として水を用いる水性系から誘導される。
【0022】
本発明の分散液は、少なくとも1種のイソシアネート反応性(例えば、ポリオールなどのヒドロキシ官能性)成分、少なくとも1種のジアセチレン含有イソシアネート反応性成分、少なくとも1種のイソシアネート官能性(例えばポリイソシアネート)成分および少なくとも1種の反応性乳化化合物を含む成分を反応させて、イソシアネート末端ポリウレタンプレポリマーを形成させることにより調製される。その後、ポリウレタン系プレポリマーは、水などの分散媒体に分散され、連鎖延長されて、本発明のポリウレタン系分散液を形成させる。
【0023】
特定の炭化水素基に言及する際、化学技術の当業者によって理解される特定の用語に関して、本発明のポリウレタン系ポリマーの成分を以下で更に説明する。炭化水素基の高分子版についても本明細書全体を通して記載する。その場合、接頭辞「ポリ」を対応する炭化水素基の名称の前に挿入する。
【0024】
特に注記がある場合を除き、本明細書で用いられるような炭化水素基は、1個以上のヘテロ原子(例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子またはハロゲン原子)および官能基(オキシム基、エステル基、カーボネート基、アミド基、エーテル基、ウレタン基、ウレア基、カルボニル基またはそれらの混合基)を含んでもよい。
【0025】
「脂肪族基」という用語は、飽和または不飽和の直鎖、分岐または環式の炭化水素基を意味する。この用語は、例えば、アルキル、アルキレン(例えば、オキシアルキレン)アラルキレンおよびシクロアルキレン基を包含するために用いられる。
【0026】
「アルキレン基」という用語は、飽和、直鎖または分岐の二価炭化水素基を意味する。特に好ましいアルキレン基はオキシアルキレン基である。
【0027】
「オキシアルキレン基」という用語は、末端酸素原子を有する飽和、直鎖または分岐の二価炭化水素基を意味する。
【0028】
「アラルキレン基」という用語は、少なくとも1個の芳香族基を含む飽和、直鎖または分岐の二価炭化水素基を意味する。
【0029】
「シクロアルキレン基」という用語は、少なくとも1個の環式基を含む飽和、直鎖または分岐の二価炭化水素基を意味する。
【0030】
「オキシシクロアルキレン基」という用語は、少なくとも1個の環式基と末端酸素原子を含む飽和、直鎖または分岐の二価炭化水素基を意味する。
【0031】
「アルケニレン基」という用語は、指定数の炭素原子および1個以上の炭素−炭素二重結合を有する直鎖または分岐鎖あるいは環式の二価炭化水素基を意味する。
【0032】
「芳香族基」という用語は、単核芳香族炭化水素基または多核芳香族炭化水素基を意味する。この用語はアリーレン基を含む。
【0033】
「アリーレン基」という用語は二価芳香族基を意味する。
【0034】
イソシアネート反応性成分
適するいかなるイソシアネート反応性成分も本発明において用いることが可能である。当業者によって理解されるように、イソシアネート反応性成分は少なくとも1個の活性水素を含む。ポリウレタン化学の当業者は、この成分のために多様な材料が適することも理解するであろう。例えば、アミン、チオールおよびポリオールはイソシアネート反応性成分である。
【0035】
一官能性イソシアネート反応性成分とは対照的に多官能性イソシアネート反応性成分は少なくとも2個の活性水素を有する。一般に、二官能性、すなわち2個の活性水素のイソシアネート反応性成分が本発明において用いられる。
【0036】
特定の実施形態において、イソシアネート反応性成分の少なくとも1つはヒドロキシ官能性材料である。ポリオールは本発明において用いられる好ましいヒドロキシ官能性材料である。本発明のポリオールは、「連鎖延長剤」または「連鎖延長薬剤」と一般に呼ばれる比較的低い分子量のポリオール(すなわち、約250未満の重量平均分子量を有する)およびより高い分子量を有するポリオールを含むあらゆる分子量のポリオールであることが可能である。ポリオールは、ポリイソシアネートなどのイソシアネート官能性成分と反応する時にウレタン連結を提供する。
【0037】
一般に、本発明において有用な好ましいポリオールは式IおよびIIによって表すことが可能である。
I HO−W−OH
II W(OH)n
式中、nは3以上に等しい。Wは、脂肪族基、芳香族基、オキシアルキレン、それらの混合基、それらのポリマー基またはそれらのコポリマー基を表す。式IIにおいて、Wはn価である。好ましくは、Wは、ポリアルキレン基、ポリオキシアルキレン基またはそれらの混合基である。
【0038】
本発明において有用なポリオールの例には、ポリエステルポリオール(例えばラクトンポリオール)およびアルキレンオキシド(例えば、エチレンオキシド、1,2−エポキシプロパン、1,2−エポキシブタン、2,3−エポキシブタン、イソブチレンオキシドおよびエピクロロヒドリン)、それらの付加体、ポリエーテルポリオール(例えば、ポリプロピレンオキシドポリオール、ポリエチレンオキシドポリオール、ポリプロピレンオキシドポリエチレンオキシドコポリマーポリオールおよびポリオキシテトラメチレンポリオールなどのポリオキシアルキレンポリオール、ポリオキシシクロアルキレンポリオール、ポリチオエーテルおよびそれらのアルキレンオキシド付加体)、ポリアルキレンポリオール、それらの混合物およびそれらからのコポリマーが挙げられるが、それらに限定されない。
【0039】
ポリオールのコポリマーを用いる時、化学的に似た繰返し単位は、コポリマー全体を通して無秩序に分配されてもよいか、またはコポリマー内でブロックの形態を取ってもよい。同様に、化学的に似た繰返し単位は、コポリマー内で適するいかなる順序でも配列されてよい。例えば、オキシアルキレン繰返し単位は、コポリマー内の内部単位または末端単位であってもよい。オキシアルキレン繰返し単位は無秩序に分配されてもよいか、またはコポリマー内でブロックの形態を取ってもよい。
【0040】
より高い分子量のポリオール(すなわち、少なくとも約2,000の重量平均分子量を有するポリオール)を用いる時、ポリオール成分が米国特許第6,642,304号明細書(ハンセン(Hansen)ら)および同第6,518,359号明細書(クレメンンス(Clemens)ら)に記載されたように「非常に純粋」(すなわち、ポリオールがその理論的官能価、例えば、ジオールに関して2.0、トリオールに関して3.0などに近づいている)であることが好ましい。これらの非常に純粋なポリオールは、少なくとも約800、好ましくは少なくとも約1,000、より好ましくは少なくとも約1,500のポリオール分子量対重量%モノオールの比を好ましく有する。例えば、8重量%モノオールを有する分子量12,000のポリオールは、1,500(すなわち、12,000/8=1,500)のこうした比を有する。好ましくは、非常に純粋なポリオールは約8重量%以下のモノオールを有する。
【0041】
一般に、ポリオールの分子量が増加するにつれて、より高い割合のモノオールがポリオール中に存在してもよい。例えば、約3,000以下の分子量を有するポリオールは、好ましくは約1重量%未満のモノオールを含む。約3,000〜約4,000を上回る分子量を有するポリオールは、好ましくは約3重量%未満のモノオールを含む。約4,000〜約8,000を上回る分子量を有するポリオールは、好ましくは約6重量%未満のモノオールを含む。約8,000〜約12,000を上回る分子量を有するポリオールは、好ましくは約8重量%未満のモノオールを含む。非常に純粋なポリオールの例には、「アクレイム(ACCLAIM)」という商品名でテキサス州ヒューストンのバイエル・コーポレーション(Bayer Corp.(Houston,TX))から入手できるものが挙げられる。
【0042】
非常に純粋なポリオールを用いることから得られる他の利点は、望ましくない架橋レベルなしで比較的高い分子量のポリマーを形成させる能力を含む。過剰の架橋はポリマーの形成中に自己組織化するジアセチレンの能力に影響を及ぼし得る。
【0043】
より高い官能性のポリオール、すなわちトリオールを用いる時、架橋の量は、出願人の同時係属出願、米国特許出願第10/742,420号明細書、発明の名称「ポリウレタン系感圧接着剤および製造の方法(Polyurethane−based Pressure Sensitive Adhesives and Methods of Manufacture)」に記載された封止剤の使用によって制御することが可能である。イソシアネート反応性成分としてのより高い官能性のポリオールの使用に加えて、より高い官能性のポリオールは、イソシアネート反応性成分の中で用いるためのジオール源としても用いることが可能である。転化後に、より高い官能性のポリオールの反応生成物は、米国特許第6,642,304号明細書(ハンセン(Hansen)ら)および同第6,518,359号明細書(クレメンス(Clemens)ら)に記載されたジオールと考えられる。ジオールを調製するためにトリオールを用いる時、エステル−酸反応生成物は、本発明のポリウレタン系分散液を調製する時に、以下で記載されている反応性乳化化合物に加えて乳化効果に寄与する。
【0044】
より広い配合許容範囲のために、ポリオールなどの2種以上のイソシアネート反応性材料をイソシアネート反応性成分のために用いてもよい。例えば、異なる分子量のジオールの混合物は、米国特許第6,642,304号明細書(ハンセン(Hansen)ら)に一般に記載されたようにイソシアネート反応性成分として用いることが可能である。
【0045】
ジアセチレン含有イソシアネート反応性成分
少なくとも1種のジアセチレン含有イソシアネート反応性成分も提供される。殆どの実施形態において、ジアセチレン含有イソシアネート反応性成分はヒドロキシ官能性材料である。ジアセチレンポリオールは本発明において用いられる好ましいヒドロキシ官能性材料である。本発明のポリオールは、比較的低い分子量のポリオールを含むあらゆる分子量のポリオールであることが可能である。ジアセチレンジオールは、例えば、シームセン(Siemsen P.)、リビングストン(Livingston R.C.)、ディードリッヒ(Diederich F.)、Angewandte Chemie International Eddition、2000年、39(15)、2632−2657に記載されたように所望するジアセチレンジオールを形成させるためにアルキン−オールのグラーザーカップリングを行うことにより合成することが可能である。
【0046】
発色のための最低ジアセチレン濃度は、添加されたジアセチレンジオールに部分的に依存する。ジアセチレンジオールによってもたらされるポリマーの発色は、部分的にアセチレンと活性水素との間の直鎖炭化水素鎖の長さの関数である。殆どの実施形態において、ジアセチレン含有ウレタンポリマー系の最適発色は、アセチレンと活性水素との間で少なくとも2個の炭素原子の鎖を有するジアセチレンジオールを用いて達成される。殆どの実施形態において、ジアセチレンジオールは、4、5または6個の炭素原子を有する炭素原子鎖を含む。幾つかの実施形態において、ジアセチレンジオールは9個未満の炭素原子の炭素原子鎖を含む。ジアセチレンジオールの選択は、二次発色応答の濃さにも影響を及ぼす。
【0047】
特定の実施形態において、ジアセチレンジオールは、添加された全ヒドロキシルモルの少なくとも10モル%である。他の実施形態において、ジアセチレンジオールは、添加された全ヒドロキシルモルの約30モル%、すなわち、添加されたヒドロキシルモルの約2重量%を構成する。
【0048】
本発明において有用なジアセチレン反応性ポリオールの例には、5,7−ドデカジイン−1,12−ジオール、6,8−テトラデカジイン−1,14−ジオール、7,9−ヘキサデカジイン−1,16−ジオール、8,10−オクタデカジイン−1,18−ジオール、9,11−エイコサジイン−1,20−ジオールおよび3,5−オクタジイン−1,8−ジオールが挙げられるが、それらに限定されない。
【0049】
特定の実施形態において、ジアセチレン含有イソシアネート反応性成分は、カルボキシル基またはエステル活性化基などの他のイソシアネート反応性官能基を含む。これらの基を有する適するジアセチレン化合物には、出願人の同時係属出願、米国特許出願第10/325,276号明細書および米国特許出願公開第2004/0126897号明細書ならびに同第2004/0132217号明細書で開示された化合物が挙げられる。ジアセチレン化合物には、以下の式の化合物が挙げられる。
【化3】

式中、R1は、
【化4】

であり、
2は、
【化5】

である。
5、R7、R19、R25は独立してアルキレンであり、R6、R18およびR26は独立してアルキレン、アルケニレンまたはアリーレンであり、R17はエステル活性化基であり、pは1〜5であり、R1とR2は同じではない。
【0050】
5の例には、C1〜C14アルキレンおよびC1〜C3アルキレンが挙げられる。R5の追加の例には、エチレン(−CH2CH2−)およびトリメチレン(−CH2CH2CH2−)が挙げられる。
【0051】
6がアルキレンである時、R6の例には、C1〜C14アルキレンおよびC1〜C3アルキレンが挙げられる。R6がアルキレンである時、R6の追加の例には、エチレン(−CH2CH2−)およびトリメチレン(−CH2CH2CH2−)が挙げられる。R6がアルケニレンである時、R6の例には、C2〜C8アルケニレンおよびC2〜C4アルケニレンが挙げられる。R6がアルケニレンである時、R6の追加の例には、エテニレン(−C=C−)が挙げられる。R6がアリーレンである時、R6の例には、C6〜C13アリーレンおよびフェニレンが挙げられる。R6がアリーレンである時、R6の追加の例はベンゼン−1,2−ジイルである。
【0052】
7の例には、C1〜C14アルキレンおよびC2〜C9アルキレンが挙げられる。R7の追加の例には、エチレン(−CH2CH2−)、トリメチレン(−CH2CH2CH2−)、テトラメチレン(−CH2CH2CH2CH2−)、ペンタメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2−)、ヘキサメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2CH2−)、ヘプタメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2CH2−)、オクタメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2−)およびノナメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2−)が挙げられる。
【0053】
17の例には、アシル移行に向けて隣接エステル基を活性化する基が挙げられる。適するエステル活性化基には、ペンタフルオロフェノール、ペンタクロロフェノール、2,4,6−トリクロロフェノール、3−ニトロフェノール、N−ヒドロキシスクシンイミド、N−ヒドロキシフタルイミドおよび例えばボダンスキー(M.Bodanszky)著、「ペプチド合成の原理(Principles of Peptide Synthesis)」(スプリンガー・ベルラグ(Springer−Verlag)、1984年)で開示されたものが挙げられる。R17の追加の例は2,5−ジオキソ−1−ピロリジニルである。
【0054】
18がアルキレンである時、R18の例には、C1〜C14アルキレンおよびC1〜C3アルキレンが挙げられる。R18がアルキレンである時、R18の追加の例には、エチレン(−CH2CH2−)およびトリメチレン(−CH2CH2CH2−)が挙げられる。R18がアルケニレンである時、R18の例には、C2〜C8アルケニレンおよびC2〜C4アルケニレンが挙げられる。R18がアルケニレンである時、R18の追加の例には、エテニレン(−C=C−)が挙げられる。R18がアリーレンである時、R18の例には、C6〜C13アリーレンおよびフェニレンが挙げられる。R18がアリーレンである時、R6の追加の例はベンゼン−1,2−ジイルである。
【0055】
19の例には、C1〜C14アルキレンおよびC2〜C9アルキレンが挙げられる。R19の追加の例には、エチレン(−CH2CH2−)、トリメチレン(−CH2CH2CH2−)、テトラメチレン(−CH2CH2CH2CH2−)、ペンタメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2−)、ヘキサメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2CH2−)、ヘプタメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2CH2−)、オクタメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2−)およびノナメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2−)が挙げられる。
【0056】
25の例には、C1〜C14アルキレンおよびC2〜C9アルキレンが挙げられる。R25の追加の例には、エチレン(−CH2CH2−)、トリメチレン(−CH2CH2CH2−)、テトラメチレン(−CH2CH2CH2CH2−)、ペンタメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2−)、ヘキサメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2CH2−)、ヘプタメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2CH2−)、オクタメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2−)およびノナメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2−)が挙げられる。
【0057】
26がアルキレンである時、R26の例には、C1〜C14アルキレンおよびC1〜C3アルキレンが挙げられる。R26がアルキレンである時、R26の追加の例には、エチレン(−CH2CH2−)およびトリメチレン(−CH2CH2CH2−)が挙げられる。R26がアルケニレンである時、R26の例には、C2〜C8アルケニレンおよびC2〜C4アルケニレンが挙げられる。R26がアルケニレンである時、R26の追加の例には、エテニレン(−C=C−)が挙げられる。R26がアリーレンである時、R26の例には、C6〜C13アリーレンおよびフェニレンが挙げられる。R26がアリーレンである時、R26の追加の例はベンゼン−1,2−ジイルである。
【0058】
より広い配合許容範囲のために、上で記載されたものなどの2種以上のジアセチレン含有イソシアネート反応性材料をジアセチレン含有イソシアネート反応性成分のために用いてもよい。例えば、ジアセチレンジオールの混合物をジアセチレン含有イソシアネート反応性成分として用いることが可能である。
【0059】
イソシアネート官能性成分
イソシアネート反応性成分およびジアセチレン含有イソシアネート反応性成分は、ポリウレタン系ジアセチレン含有プレポリマーの形成中にイソシアネート官能性成分と反応する。イソシアネート官能性成分は、1種のイソシアネート官能性材料またはイソシアネート官能性材料の混合物を含んでもよい。それらの誘導体(例えば、ウレア、ビューレット、アロファネート、ポリイソシアネートの二量体および三量体ならびにそれらの混合物)(「以後集合的に「ポリイソシアネート」と呼ぶ」を含むポリイソシアネートは、イソシアネート官能性成分のための好ましいイソシアネート官能性材料である。ポリイソシアネートは少なくとも2個のイソシアネート官能基を有し、好ましいヒドロキシ官能性ジアセチレン含有イソシアネート反応性成分およびイソシアネート反応性成分と反応させた時に、ウレタン連結を提供する。
【0060】
一般に、ジイソシアネートは好ましいポリイソシアネートである。本発明において有用な特に好ましいジイソシアネートは式III:
OCN−Z−NCO (III)
によって一般に表すことが可能である。
式中、Zは、例えば、ポリマーまたはオリゴマーであってもよい適するあらゆる二価基を表す。例えば、Zは、アリーレン(例えばフェニレン)セグメント、アラルキレンセグメント、アルキレンセグメント、シクロアルキレンセグメント、ポリシロキサン(例えばポリジメチルシロキサン)セグメントまたはポリオキシアルキレン(例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンおよびポリオキシテトラメチレン)セグメントおよびそれらの混合セグメントに基づくことが可能である。Zは、好ましくは約1〜約20個の炭素原子、より好ましくは約6〜約20個の炭素原子を有する。
【0061】
例えば、Zは、2,6−トリレン、2,4−トリレン、4,4’−メチレンジフェニレン、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレン、テトラメチル−m−キシレン、4,4’−メチレンジシクロヘキシレン、3,5,5−トリメチル−3−メチレンシクロヘキシレン、1,6−ヘキサメチレン、1,4−シクロヘキシレン、2,2,4−トリメチルヘキシレンあるいはポリマーまたはオリゴマーのアルキレン、アラルキレンまたはオキシアルキレン基およびそれらの混合基から選択されることが可能である。Zがポリマー材料またはオリゴマー材料である時、それは例えばウレタン連結を含んでもよい。
【0062】
ジアセチレン含有イソシアネート反応性成分に加えて、イソシアネート官能性材料のために用いられるポリイソシアネートのタイプは、ジアセチレン含有ウレタンポリマーの発色などの特性に影響を及ぼし得る。ジイソシアネートと得られたポリマー鎖中のその位置(例えば、ポリマー鎖中のウレタン連結とウレタン連結間の原子成分との間の距離)はポリマーの可撓性に影響を及ぼし得る。より低い可撓性の連結は、ジアセチレンセグメントの自己組織化を妨害するように一般に作用し、発色に潜在的に影響する。
【0063】
ジイソシアネートの構造も、ジアセチレン含有ウレタンポリマーの発色などの特性に影響を及ぼし得る。例えば、幾つかのポリマー系において、直鎖第一ジイソシアネートまたはポリマー主鎖の直線性は、分子レベルでアセンブリを助けることが可能である。しかし、イソシアネート反応性材料と反応することが可能であるあらゆるジイソシアネートは、本発明において潜在的に用いることが可能である。こうしたジイソシアネートの例には、芳香族ジイソシアネート(例えば、2,6−トリレンジイソシアネート、2,5−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、5−クロロ−2,4−トリエンジイソシアネートおよび1−クロロメチル−2,4−ジイソシアナトベンゼン)、芳香族脂肪族ジイソシアネート(例えば、m−キシレンジイソシアネートおよびテトラメチル−m−キシレンジイソシアネート)、脂肪族ジイソシアネート(例えば、1,4−ジイソシアナトブタン、1,6−ジイソシアナトヘキサン、1,12−ジイソシアナトドデカンおよび2−メチル−1,5−ジイソシアナトペンタン)、および脂環式ジイソシアネート(例えば、メチレンジシクロヘキシレン−4,4’−ジイソシアネート、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート)、2,2,4−トリメチルヘキシルジイソシアネートおよびシクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート)および2個のイソシアネート官能基を末端とする他の化合物(例えば、トリエン−2,4−ジイソシアネート末端ポリプロピレンオキシドポリオールのジウレタン)が挙げられるが、それらに限定されない。特に好ましいジイソシアネートには、4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)およびヘキサメチレンジイソシアネートが挙げられる。
【0064】
他のポリイソシアネートもポリイソシアネート成分のために例えばジイソシアネートと組み合わせて用いてよい。例えば、トリイソシアネートを用いてもよい。トリイソシアネートには、ビューレット、イソシアヌレートおよび付加体などから生成したものなどの多官能性イソシアネートが挙げられるが、それらに限定されない。市販されている幾つかのポリイソシアネートには、ペンシルバニア州ピッツバーグのバイエル・コーポレーション(Bayer Corporation(Pittsburgh,PA))製の「デスモドール(DESUMODUR)」シリーズおよび「モンドール(MONDUR)」シリーズ、ミシガン州ミッドランドのダウ・ケミカル・コンパニー(Dow Chemical Company(Midland,MI))のビジネスグループであるダウ・プラスチックス(Dow Plastics)製の「パピ(PAPI)」シリーズの一部が挙げられる。好ましいトリイソシアネートには、「デスモドール(DESUMODUR)」N−3300および「モンドール(MONDUR)」489という商品名でバイエル・コーポレーション(Bayer Corporation)から入手できるものが挙げられる。
【0065】
反応性乳化化合物
本発明のポリウレタン系分散液を調製する時、他の成分は少なくとも1種の反応性乳化化合物と一般に反応させる。反応性乳化化合物は、少なくとも1個のアニオン官能基、カチオン官能基、アニオン官能基またはカチオン反応性基を形成できる基またはそれらの混合基を含む。本明細書で用いられる「反応性乳化化合物」という用語は、化合物が少なくとも1個のイオン化可能な基を含むので内部乳化剤として機能する化合物を表現している。
【0066】
反応性乳化化合物は、ポリウレタンプレポリマーに導入されることになるために、イソシアネート反応性成分、ジアセチレン含有イソシアネート反応性成分およびイソシアネート官能性成分の少なくとも1つと反応することが可能である。従って、反応性乳化化合物は、少なくとも1個、好ましくは少なくとも2個のイソシアネート反応性基および活性水素反応性(例えば、ヒドロキシ反応性)基を含む。イソシアネート反応性基およびヒドロキシ反応性基には、例えば、イソシアネート基、ヒドロキシル基、メルカプト基およびアミン基が挙げられる。
【0067】
ポリウレタンプレポリマーへの反応性乳化化合物の導入は、ポリウレタンプレポリマーおよび得られたポリマーの水分散性を見込んでいる。更に、こうした分散液は安定のために界面活性剤などの外部乳化剤を一般に必要としない。
【0068】
好ましくは、貯蔵安定性分散液を調製するために外部乳化剤を必要としないような十分な量の反応性乳化化合物を反応させる。十分な量の反応性乳化化合物を用いる時、ポリウレタンプレポリマーは、多くの従来の分散液で以前に可能であった剪断力より低い剪断力を用いて、より微細な粒子に分散させることが可能である。十分な量は、得られたポリウレタン系ポリマーが一般には少なくとも約0.5重量%、より好ましくは少なくとも約0.75重量%の、反応性乳化化合物から誘導されたセグメントを含むような量である。この量未満では、製造されたポリウレタンは、分散させるのが難しい場合があり、ポリウレタンから生成した分散液は不安定(すなわち、室温より高い温度でまたは約20℃を上回る温度で脱乳化および/または凝集を受けやすい)な場合がある。しかし、ポリエチレンオキシドを含むポリオールを用いる場合、用いられる反応性乳化化合物の量は、安定な分散液を形成させるためにより少なくてもよい。
【0069】
他方、反応においてより多い反応性乳化化合物を用いるのは、不安定な分散液または水分に影響されやすい生成組成物をもたらす場合がある。幾つかの実施形態において、ポリウレタン系ポリマーは、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下の、反応性乳化化合物から誘導されたセグメントを含む。
【0070】
特定の実施形態において、反応性乳化化合物は、少なくとも1個のアニオン官能基またはイソシアネート反応性成分(例えばポリオール)およびイソシアネート官能性成分(例えばポリイソシアネート)と反応した時にこうした基を形成することができる(すなわちアニオン形成基)基を含む。反応性乳化化合物のアニオン官能基またはアニオン形成基は、反応性乳化化合物のイオン化に寄与する適するあらゆる基であることが可能である。例えば、適する基には、カルボキシレート基、スルフェート基、スルホネート基、ホスフェート基および類似基が挙げられる。
【0071】
アニオン官能基を有する反応性乳化化合物のために好ましい構造は、式IVによって一般に表される。
【化6】

式中、GはOH、NHRまたはSHであり、QはCOO-およびSO3-から選択された負に帯電した部分、またはイオン化するとそのような負に帯電した部分を形成することができる基である。X、YおよびR1の各々は同じかまたは異なってもよく、X、Y、RおよびR1は独立して反応性官能基のない好ましくは約1〜約20の炭素原子を有する脂肪族有機基(例えば、反応性官能基のないアルキレン基)およびそれらの組み合わせから選択される。但し、(i)Rが水素であることが可能であり、(ii)QがCOO-およびSO3-である場合、R1が必要とされないことを条件とする。
【0072】
例として、ジメチロールプロピオン酸(DMPA)は、本発明の特定の実施形態のために有用な反応性乳化化合物である。更に、2,2−ジメチロール酪酸、ジヒドロキシマレイン酸およびスルホポリエステルジオールは有用な他の反応性乳化化合物である。
【0073】
特定の実施形態において、反応性乳化化合物は、少なくとも1個のカチオン官能基またはイソシアネート反応性成分(例えばポリオール)およびイソシアネート官能性成分(例えばポリイソシアネート)と反応した時にこうした基を形成することができる(すなわちカチオン形成基)基を含む。反応性乳化化合物のカチオン官能基またはカチオン形成基は、反応性乳化化合物のイオン化に寄与する適するあらゆる基であることが可能である。殆どの実施形態において、反応性乳化化合物はアミンである。
【0074】
カチオン官能基を有する反応性乳化化合物のために好ましい構造は、式Vによって一般に表される。
【化7】

式中、GはOH、NHRまたはSHである。XとYの各々は同じかまたは異なってもよい。X、YおよびRは独立して反応性官能基のない好ましくは約1〜約20個の炭素原子を有する脂肪族有機基(例えば、反応性官能基のないアルキレン基)およびそれらの組み合わせから選択される。但し、Rが水素であることも可能であることを条件とする。
【0075】
所望する用途に応じて、アニオン反応性乳化化合物またはカチオン反応性乳化化合物は好ましい場合がある。例えば、生物用途において用いられる時、反応性乳化剤がカチオン官能基を含むことが好ましい場合がある。それらの状況において、ポリマーのカチオン機能は、抗菌剤などの他の添加剤と相互作用する可能性を最少にする場合がある。これは、例えば、医療用途における特定の関心事であり得る。
【0076】
反応性乳化化合物のために有用な他の化合物は、米国特許第5,554,868号明細書に水可溶化化合物として記載されたものが挙げられる。当業者は、多様な反応性乳化化合物が本発明において有用であることを認めるであろう。
【0077】
任意の連鎖延長剤
当業者が認めるように、プレポリマーは適する連鎖延長剤を用いて連鎖延長させてもよい。この連鎖延長剤は、100固体、溶媒系または水性系を用いてポリマーが形成されるかどうかにより選択してもよい。
【0078】
連鎖延長剤がポリアミンを含む時、少なくとも2個のアミン官能基を有する適するあらゆる化合物をポリアミンのために用いることが可能である。例えば、こうした化合物は、ジアミン、トリアミンなどであってもよい。ポリアミンの混合物も連鎖延長剤のために用いてよい。本発明において有用なポリアミンの例には、ポリオキシアルキレンポリアミン、アルキレンポリアミンおよびポリシロキサンポリアミンが挙げられるが、それらに限定されない。好ましくは、ポリアミンはジアミンである。
【0079】
ポリオキシアルキレンポリアミンは、例えば、ポリオキシエチレンポリアミン、ポリオキシプロピレンポリアミン、ポリオキシテトラメチレンポリアミンまたはそれらの混合物であってもよい。ポリオキシエチレンポリアミンは、例えば、高い蒸気移送媒体吸収性および/または水吸収性が望ましい場合がある医療用途において特に有用である場合がある。
【0080】
多くのポリオキシアルキレンポリアミンは市販されている。例えば、ポリオキシアルキレンジアミンは、D−230、D−400、D−2000、D−4000、DU−700、ED−2001およびEDR−148(「ジェファミン(JEFAMINE)」という系統商品名でテキサス州ヒューストンのハンツマン・コーポレーション(Huntsman Corporation(Houston,TX))から入手できる)などの商品名で入手できる。代表的なポリオキシアルキレントリアミンは、T−3000およびT−5000(テキサス州ヒューストンのハンツマン・コーポレーション(Huntsman Corporation(Houston,TX))から入手できる)などの商品名で入手できる。
【0081】
アルキレンポリアミンには、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、シクロヘキシレンジアミン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシレンジアミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、3,3’−ジニトロベンジジン、4,4’−メチレンビス(2−クロロアニリン)、3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフェニルジアミン、2,6−ジアミノピリジン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、メンタンジアミン、m−キシレンジアミン、イソホロンジアミンおよびジピペリジルプロパンが挙げられる。多くのアルキレンポリアミンも市販されている。例えば、アルキレンジアミンは、「ディテック(DYTEK)」Aおよび「ディテック(DYTEK)」EP(デラウェア州ウィルミントンのデュポン・ケミカル・カンパニー(DuPont Chemical Company(Wilmington,DE))から入手できる)などの商品名で入手できる。
【0082】
ポリウレタン系ポリマーの調製
一般に、反応性乳化化合物に加えてイソシアネート反応性成分、ジアセチレン含有イソシアネート反応性成分およびイソシアネート官能性成分を放置して反応させ、よってイソシアネート末端ジアセチレン含有ポリウレタンプレポリマー(すなわち、約50,000未満の重量平均分子量を有するポリマー)を形成させる。一旦形成させると、ポリマーは平均で2.5未満のイソシアネート官能基を含む。多くの実施形態において、平均でプレポリマー上のイソシアネート官能基は1.8〜3個の範囲である。一般に、反応物のイソシアネート官能基対イソシアネート反応性基の比は、好ましくは約1.1〜約2.5、最も典型的には約1.5である。イソシアネート官能基対イソシアネート反応性基の比がこの好ましい範囲より低い場合、プレポリマーの粘度は、本発明の一態様により分散液を形成するために有用であるには高すぎる場合がある。
【0083】
多くの用途において、反応速度を高めることにより反応を促進するとともに、所定の反応時間にわたって分子量成長を助けるために触媒を用いることが可能である。適する触媒には、米国特許第5,554,686号明細書にリストアップされた触媒が挙げられる。好ましい触媒はジブチル錫ジラウレート(DBTDL)である。より高い分子量レベルが望ましい用途において、触媒は得られたポリマー系の分子量を助長する。
【0084】
その後、イソシアネート末端プレポリマーは、水性系または溶媒系の中でポリマーを調製する時、連鎖延長剤(例えば、(周囲水分を含む)水、ポリアミン、比較的低い分子量のポリオール(すなわち、約250未満の重量平均分子量を有するポリオール)およびそれらの組み合わせ)で任意に連鎖延長されて、その分子量を高める。イソシアネート末端プレポリマーを連鎖延長する前に、一般に、プレポリマーは、分散媒体または溶媒化媒体(例えば、水あるいはN−メチルピロリドン、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)などの有機溶媒またはそれらの組み合わせ)に最初に導入される。プレポリマー系の中への有機溶媒の添加は、分散液の形成を促進するプレポリマーの粘度を下げるのを助ける場合もある。多くの実施形態において、反応は溶液中で固形物約20%で行われる。
【0085】
水性系において、典型的には、反応性乳化剤と反応することができる中和剤も分散媒体にポリウレタンプレポリマーをより容易に分散させるためにポリウレタンプレポリマーに添加される。こうした中和剤は、米国特許第5,554,686号明細書において塩形成化合物として記載されている。反応性乳化剤の性質、すなわち、カチオン官能性かアニオン官能性かどうかは用いられる中和剤を決定する。例えば、第三アミンまたはアルカリ金属塩などの塩基は、ポリマー鎖の中のあらゆるアミノ形成基を中和するとともに分散媒体にポリウレタンプレポリマーをより容易に分散させるために中和剤として用いることが可能である。中和剤を分散媒体に導入する前に中和剤をポリウレタンプレポリマーに添加することが可能であるか、または別法として、分散媒体にポリウレタンプレポリマーを導入した後に中和を行うことが可能である。多くの実施形態において、中和剤は分散液と同時に導入される。
【0086】
水性系において、プレポリマーは、イソシアネート官能基と水、少なくとも1種のポリアミンまたはそれらの混合物との反応を通して分散工程中に連鎖延長させることが可能である。イソシアネート官能基は水と反応して、不安定なカルバミン酸を生成させる。その後、カルバミン酸は、第一級アミンおよび二酸化炭素に転化する。第一級アミンは、ポリウレタンプレポリマーの残りのあらゆるイソシアネート官能基とウレア連結を形成させる。連鎖延長剤がポリアミンを含む時、ポリアミンはプレポリマーのイソシアネート官能基とウレア連結を形成させる。従って、得られたポリウレタン系ポリマーは、ウレタン連結とウレア連結の両方を含む。
【0087】
殆どのポリマー系に関して、分子量分布は平均分子量ほどに少なくとも大きい影響を及ぼす。すなわち、分子量分布は、ポリマーの最終の発色挙動およびピエゾ発色挙動に影響を及ぼすことが可能である。低分子量鎖が可視発色応答のために必要とされる自己組織化度を提供するのを助ける一方で、高分子量鎖は、二次の色応答をもたらすために共役網目を横切って加えられた応力からエネルギーを伝達するのに十分な絡み合いを提供する。
【0088】
30,000〜50,000の範囲内の数平均分子量を有するより高い分子量のジアセチレン含有ポリマー系は、フィルムとして被覆された時に発色を提供し、得られたポリマーの一体性を強化もする。5,000〜10,000の間の範囲内の数平均分子量のような、より低い分子量のジアセチレン含有ポリマー系は硬化すると容易に色を変える。しかし、このポリマー系は、被覆されたフィルムの剥離強度および剪断強度によって示されるように一体性を殆どから全くもたない場合がある。
【0089】
用途
ポリウレタン系ポリマーが溶媒系または水性系から調製されるかどうかを問わず、一旦溶液または分散液が形成されると、溶液または分散液は基材に容易に被着され、任意に乾燥され、その後、適するいずれかの放射線源を用いて硬化される。放射線源には、UV源、ガンマ源、電子ビーム(e−ビーム)源および太陽源が挙げられる。ジアセチレン含有ポリマーに放射線を照射すると、クリアから典型的に赤色または青色への発色をもたらす。殆どの実施形態において、紫外(UV)線源がポリマーを硬化させるために用いられる。ポリマーにおいて観察された発色は用いられた照射源に無関係であるが、色の濃さ、すなわちクロマは、照射された線量によって部分的に決定される。
【0090】
ポリマーは、溶媒(ソルバトクロミズム)、温度(サーモクロミズム)および加えられた応力(ピエゾクロミズム)などの刺激に応答してポスト照射発色変化、すなわち二次発色変化を示すことが可能である。刺激にさらされると、ポリマー網目は発色された色から黄色などの二次色になおもう1つの色変化を受ける。この二次色変化は、出発材料の選択に応じて可逆性である場合がある。
【0091】
発色のための時間は出発材料の選択に影響を及ぼす場合がある。迅速な発色が不可欠でない用途に関して、ポリマー系の自己組織化を与えるためのより長い時間が材料の選択を決定する場合がある。
【0092】
ジアセチレン含有ポリウレタン系ポリマーは、感圧接着剤(PSA)を形成するために他の材料と合わせて配合してもよい。ジアセチレン含有ポリウレタン系ポリマーを用いて形成されたPSAは種々の添加剤および他の特性改質剤を含んでもよい。例えば、ヒュームドシリカ、繊維(例えば、ガラス繊維、金属繊維、無機繊維または有機繊維)、カーボンブラック、ガラスまたはセラミックのビーズ/バブル、粒子(例えば、金属粒子、無機粒子または有機粒子)およびポリアミド(例えば、「ケブラー(KEVLAR)」という商品名でデラウェア州ウィルミントンのデュポン・ケミカル・カンパニー(DuPont Chemical Company(Wilmington,DE))から入手できるもの)などをポリウレタン系ポリマーの100重量部当たり一般に約50部以下の量で添加することが可能である。但し、こうした添加剤が最終PSA組成物において望まれる特性に有害でないことを条件とする。
【0093】
染料、不活性流体(例えば、炭化水素油)、可塑剤、粘着性付与剤、顔料、難燃剤、安定剤、酸化防止剤、相溶化剤、抗菌剤(例えば酸化亜鉛)、電気導体および熱導体(例えば、酸化アルミニウム、窒化硼素、窒化アルミニウムおよびニッケル粒子)などの他の添加剤を組成物の全体積の一般に約1〜約50%の量でこれらの組成物にブレンドすることが可能である。粘着性付与剤および可塑剤を添加してもよいけれども、こうした添加剤が本発明のポリウレタン系組成物においてPAS特性を得るために必須でない場合があることは留意されるべきである。
【0094】
PSA被膜を多様な基材上に形成させることが可能である。例えば、PSAは、シート製品(例えば、装飾性、反射性およびグラフィック)、印刷用粘着シートおよびテープバッキングに被着させることが可能である。基材は所望する用途に応じて適するあらゆる材料種であることが可能である。典型的には、基材は、ノンウーブン、紙、高分子フィルム(例えば、ポリプロピレン(例えば二軸配向ポリプロピレン(BOPP)))、ポリエチレン、ポリウレア、ポリウレタンまたはポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート)あるいは剥離ライナー(例えば、シリコン処理ライナー)を含む。
【0095】
所望する用途および出発材料の選択に応じて、ポリマーの特性は強靱な熱可塑性樹脂から殆ど一体性のない非晶質材料に及ぶ。ジアセチレン含有ポリマーは、2004年8月19日出願の出願人の同時係属出願、米国特許出願第10/922,091号明細書、発明の名称「ポリジアセチレンポリマーブレンズ(Polydiacetylene Polymer Blends)」に記載されたように発色特性をなお維持しつつ、アクリルPSAのような特定の選択されたブレンド中の添加剤としても用いてよい。
【0096】
本発明の目的および利点を以下の実施例によって更に例示するが、これらの実施例で挙げた特定の材料および材料の量ならびに他の条件および詳細は本発明を不当に限定すると解釈されるべきではない。
【実施例】
【0097】
これらの実施例は単に例示目的のみのためであり、添付した請求の範囲に関して限定する積もりはない。実施例および明細書の残りの中のすべての部、百分率、比などは、特に注記がない限り重量による。更に、実施例および明細書の残りの中の分子量は、特に注記がない限り重量平均分子量である。用いた溶媒は、ウィスコンシン州ミルウォーキーのアルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Company(Milwaukee,WI))から購入した。
【0098】
分散液の被覆および試験
20〜30マイクロメートル(0.8〜1.2ミル)の乾燥フィルム厚さに窒素コロナ処理されたPET上に75ゲージのマイヤーロッドを用いて以下の実施例において記載された分散液を被覆した。被覆されたフィルムを周囲条件で1時間にわたり、70℃で10分にわたり乾燥させ、23℃およびRH50%で一晩貯蔵した。以下で記載された試験方法を用いて、サンプルの180度引き剥がし粘着力および剪断強度を試験した。300WHのランプ、50FPMで2パスを用いてフィルムにUV照射した。UV照射前後の被膜の色をクロマ値(C*)および色相角(h°)と同様に書き留めた。「エックス・ライト(X−Rite)スペクトロデンシトメータ、モデル#528Lを用いて、クロマ値および色相角を照射の前後に決定した。
【0099】
180度引き剥がし粘着力
この引き剥がし粘着力試験はASTM D3330−90に記載された試験方法に似ており、試験に記載されたステンレススチールの代わりにガラス基材を用いる(本目的のために、「ガラス基材引き剥がし粘着力試験」とも呼ぶ)。上述したように調製されたフィルムサンプルを1.27センチメートルの細片に切断した。その後、細片上に2キログラムのロールを一回通すことにより、10センチメートル×20センチメートルの溶媒洗浄された汚れのないガラスクーポンに各細片を接着させた。接着されたアセンブリは室温で約1分にわたり保圧した。
【0100】
IMASS滑り/剥離試験機(モデル3M90、オハイオ州ストロングスビルのインストルメンターズ(Instrumentors Inc.(Strongsville,OH))から市販されている)を用いて、5秒のデータ収集時間を用いて2.3メートル/分(90インチ/分)の速度で、こうして調製された各サンプルの180度引き剥がし粘着力を試験した。各組成物の2つのサンプルを試験した。報告した引き剥がし粘着力値は、2つのサンプルの各々からの引き剥がし粘着力値の平均である。
【0101】
剪断強度
この剪断強度試験は、ASTM D3654−88に記載された試験方法に似ている。上述したように調製されたフィルムサンプルを1.27センチメートル×15センチメートルの細片に切断した。その後、各細片をステンレススチールパネルに接着させ、各細片の1.27センチメートル×1.27センチメートル部分をパネルにしっかりと接触するようにし、細片の一端部分が自由に動くように取り付けた。
【0102】
細片をくっつけたパネルをラックに入れ、細片の伸びた自由端とパネルが178度の角度を形成するようにした。細片の自由端から吊り分銅として加えた1キログラムの力を当てることにより細片をぴんと張った。試験対象のテープの保持力をより正確に決定しようとする試みの中で、180度マイナス2度を用いて一切の剥離力を無効にし、よって剪断強度の力のみを確実に測定した。
【0103】
試験パネルから各サンプルが分離するために経過した時間を剪断強度として記録した。接着剤が(注記したように)より早い時間に破壊しない限り各試験を10,000分で終わらせた。
【0104】
【表1】

【0105】
実施例1
パートI
プレポリマーの調製
ポリオール「テラタン(Terathane)」2000を90℃〜100℃で約6時間にわたり真空で脱水し、使用前に室温に冷却した。ガラス反応容器内で、30.03重量部の「テラタン(Terathane)」2000、1.12重量部のN−MDEA、n=4の0.74重量部のDAD(すなわち、5,7−ドデカジイン−1,12−ジオール)、146重量部のTHF、4.78重量部のHDIおよび0.05重量部のDBTDL触媒を組み合わせた。サーモスタットで調節された温度の浴内で80℃で16時間にわたり密封ガラス反応容器を回転させた。
【0106】
パートII
分散液の調製
0.50重量部の酢酸と160重量部の蒸留水のプレミックスを調製した。その後、「マイクロフルイディクス・ホモジナイザ(Microfluidics Homogenizer)」モデル#HC−5000(マサチューセッツ州ニュートンのマイクロフルイディクス・コーポレーション(Microfluidics Corp.(Newton,MA))から市販されている)内で、パートIで調製された160.00重量部のプレポリマーを0.621MPaのライン空気圧で水/酢酸プレミックスに分散させた。マグネティックスターラーにより分散液を室温で一晩激しく攪拌した。分散液を被覆し、上述したように試験した。データを表1に提示している。
【0107】
実施例1A〜1D
上で製造された分散液のアリコート30.0gに「アクアタック(Aquatac)」6085、0.50g(実施例1A)、1.25g(実施例1B)、2.50(実施例1C)および5.00g(実施例1D)を添加した。これらをマグネティックスターラーにより室温で一晩激しく攪拌した。これらの分散液を被覆し、上述したように試験した。データを表1に提示している。
【0108】
【表2】

【0109】
実施例2
パートI:
プレポリマーの調製
ポリオール「アクレイム(ACCLAIM)」4220Nを90℃〜100℃で約6時間にわたり真空で脱水し、使用前に室温に冷却した。ガラス反応容器内で、30.25重量部の「アクレイム(ACCLAIM)」4220N、1.09重量部のN−MDEA、n=4の0.72重量部のDAD(すなわち、5,7−ドデカジイン−1,12−ジオール)、143重量部のTHF、3.82重量部のHDIおよび0.05重量部のDBTDL触媒を組み合わせた。サーモスタットで調節された温度の浴内で80℃で16時間にわたり密封ガラス反応容器を回転させた。
【0110】
パートII
分散液の調製
実施例1と同じ。得られたデータを以下の表2で示している。
【0111】
実施例3
パートI
プレポリマーの調製
ポリオール「アクレイム(ACCLAIM)」4220Nを90℃〜100℃で約6時間にわたり真空で脱水し、使用前に室温に冷却した。ガラス反応容器内で、30.00重量部の「アクレイム(ACCLAIM)」4220N、1.09重量部のN−MDEA、n=4の0.71重量部のDAD(すなわち、5,7−ドデカジイン−1,12−ジオール)、141重量部のTHF、4.14重量部のHDIおよび0.06重量部のDBTDL触媒を組み合わせた。サーモスタットで調節された温度の浴内で80℃で16時間にわたり密封ガラス反応容器を回転させた。
【0112】
パートII
分散液の調製
0.50重量部の酢酸と164重量部の蒸留水のプレミックスを調製した。その後、「マイクロフルイディクス・ホモジナイザ(Microfluidics Homogenizer)」モデル#HC−5000(マサチューセッツ州ニュートンのマイクロフルイディクス・コーポレーション(Microfluidics Corp.(Newton,MA))から市販されている)内で、パートIで調製された160.00重量部のプレポリマーを0.621MPaのライン空気圧で水/酢酸プレミックスに分散させた。マグネティックスターラーにより分散液を室温で一晩激しく攪拌した。分散液を被覆し、上述したように試験した。データを表2に提示している。
【0113】
実施例4
パートI
プレポリマーの調製
ポリオール「アクレイム(ACCLAIM)」4220Nを90℃〜100℃で約6時間にわたり真空で脱水し、使用前に室温に冷却した。ガラス反応容器内で、30.00重量部の「アクレイム(ACCLAIM)」4220N、1.10重量部のN−MDEA、n=4の0.77重量部のDAD(すなわち、5,7−ドデカジイン−1,12−ジオール)、148重量部のTHF、5.27重量部のHDIおよび0.06重量部のDBTDL触媒を組み合わせた。サーモスタットで調節された温度の浴内で80℃で16時間にわたり密封ガラス反応容器を回転させた。
【0114】
パートII
分散液の調製
0.50重量部の酢酸と159重量部の蒸留水のプレミックスを調製した。その後、「マイクロフルイディクス・ホモジナイザ(Microfluidics Homogenizer)」モデル#HC−5000(マサチューセッツ州ニュートンのマイクロフルイディクス・コーポレーション(Microfluidics Corp.(Newton,MA))から市販されている)内で、パートIで調製された160.00重量部のプレポリマーを0.621MPaのライン空気圧で水/酢酸プレミックスに分散させた。マグネティックスターラーにより分散液を室温で一晩激しく攪拌した。分散液を被覆し、上述したように試験した。データを表2に提示している。
【0115】
【表3】

【0116】
実施例5
パートI
プレポリマーの調製
ポリオール「テラタン(Terathane)」2000を90℃〜100℃で約6時間にわたり真空で脱水し、使用前に室温に冷却した。ガラス反応容器内で、30.22重量部の「テラタン(Terathane)」2000、6.39重量部のSP、n=4の0.74重量部のDAD(すなわち、5,7−ドデカジイン−1,12−ジオール)、167重量部のTHF、4.80重量部のHDIおよび0.05重量部のDBTDL触媒を組み合わせた。サーモスタットで調節された温度の浴内で80℃で16時間にわたり密封ガラス反応容器を回転させた。
【0117】
パートII
分散液の調製
「マイクロフルイディクス・ホモジナイザ(Microfluidics Homogenizer)」モデル#HC−5000(マサチューセッツ州ニュートンのマイクロフルイディクス・コーポレーション(Microfluidics Corp.(Newton,MA))から市販されている)内で、パートIで調製された160.00重量部のプレポリマーを0.621MPaのライン空気圧で160.00重量部の蒸留水に分散させた。マグネティックスターラーにより分散液を室温で一晩激しく攪拌した。分散液を被覆し、上述したように試験した。データを表3に提示している。
【0118】
実施例6
パートI
プレポリマーの調製
ポリオール「テラタン(Terathane)」2000を90℃〜100℃で約6時間にわたり真空で脱水し、使用前に室温に冷却した。ガラス反応容器内で、30.03重量部の「テラタン(Terathane)」2000、1.12重量部のDMPA、n=4の0.74重量部のDAD(すなわち、5,7−ドデカジイン−1,12−ジオール)、146重量部のTHF、4.60重量部のHDIおよび0.05重量部のDBTDL触媒を組み合わせた。サーモスタットで調節された温度の浴内で80℃で16時間にわたり密封ガラス反応容器を回転させた。
【0119】
パートII
分散液の調製
0.75重量部のTEAと159重量部の蒸留水のプレミックスを調製した。その後、「マイクロフルイディクス・ホモジナイザ(Microfluidics Homogenizer)」モデル#HC−5000(マサチューセッツ州ニュートンのマイクロフルイディクス・コーポレーション(Microfluidics Corp.(Newton,MA))から市販されている)内で、パートIで調製された160.00重量部のプレポリマーを0.621MPaのライン空気圧で水/トリエチルアミンプレミックスに分散させた。マグネティックスターラーにより分散液を室温で一晩激しく攪拌した。分散液を被覆し、上述したように試験した。データを表3に提示している。
【0120】
【表4】

【0121】
実施例7
パートI
プレポリマーの調製
ポリオール「アクレイム(ACCLAIM)」4220Nを90℃〜100℃で約6時間にわたり真空で脱水し、使用前に室温に冷却した。ガラス反応容器内で、39.73重量部の「アクレイム(ACCLAIM)」4220N、1.48重量部のN−MDEA、n=4の0.98重量部のDAD(すなわち、5,7−ドデカジイン−1,12−ジオール)、51.30重量部のアセトンおよび6.98重量部のHDIを組み合わせた。サーモスタットで調節された温度の浴内で80℃で16時間にわたり密封ガラス反応容器を回転させた。
【0122】
パートII
分散液の調製
0.67重量部の酢酸と132.5重量部の蒸留水のプレミックスを調製した。その後、「マイクロフルイディクス・ホモジナイザ(Microfluidics Homogenizer)」モデル#HC−5000(マサチューセッツ州ニュートンのマイクロフルイディクス・コーポレーション(Microfluidics Corp.(Newton,MA))から市販されている)内で、パートIで調製された90.00重量部のプレポリマーを0.621MPaのライン空気圧で水/酢酸プレミックスに分散させた。マグネティックスターラーにより分散液を室温で一晩激しく攪拌した。これらの分散液を被覆し、上述したように試験した。データを表4に提示している。
【0123】
【表5】

【0124】
実施例8
実施例1〜6の溶液のサンプルを被覆し、上述したように乾燥させた。上述した試験方法を用いて、これらのサンプルの180度引き剥がし粘着力および剪断力を試験した。データを表5に提示している。
【0125】
【表6】

【0126】
実施例9
10ミリリットルのTHF、2.0グラムのPEG、n=4の0.13グラムのDAD(すなわち、5,7−ドデカジイン−1,12−ジオール)、0.5グラムのN−MDEAおよび1.66グラムのHDLをガラス反応容器に入れた。容器を密封し、窒素で5分にわたりパージし、1滴のDBTDL触媒を添加した。この混合物を攪拌し、65℃で6時間にわたり加熱した。混合物を室温に冷却し、褐色ボトルに入れ、0.5グラムの酢酸を添加した。得られた混合物をボトルローラー上で一晩混合した。得られた溶液を剥離ライナー上に4ミル(102マイクロメートル)の厚さでナイフコーターを用いて被覆し、70℃のオーブンに10分にわたり入れて乾燥させた。
【0127】
実施例10〜12
表6に示した試薬を用いて実施例9と同じ手順に従った。得られた溶液を被覆し、実施例9のように乾燥させた。
【0128】
【表7】

【0129】
実施例13〜16
実施例9〜12の乾燥溶液の各々で被覆された剥離ライナーを滅菌サイクル(ステリス(STERIS)から市販されている)の中で過酢酸緩衝溶液にさらした。ライナー上に被覆された溶液は青色から赤色または黄色に色を変えた。
【0130】
実施例17〜20
実施例9〜12の乾燥溶液の各々で被覆された剥離ライナーを滅菌サイクル(ステラッド(STERRAD)から市販されている)の中で過酸化水素の6ppm溶液にさらした。ライナー上に被覆された溶液は青色から赤色または黄色に色を変えた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イソシアネート反応性成分と、
ジアセチレン含有イソシアネート反応性成分と、
イソシアネート官能性成分と、
反応性乳化化合物と、
任意の触媒と、
任意の連鎖延長剤と、
の反応生成物を含むジアセチレン含有ポリマー。
【請求項2】
前記イソシアネート反応性成分が少なくとも1種のジオールを含むポリオールである、請求項1に記載のポリマー。
【請求項3】
前記ジアセチレン含有イソシアネート反応性成分が少なくとも1種のジアセチレンジオールを含むポリオールである、請求項1に記載のポリマー。
【請求項4】
前記ポリマーが水性系から調製される、請求項1に記載のポリマー。
【請求項5】
前記ポリオールが少なくとも1種のポリオキシアルキレンポリオールを含む、請求項2に記載のポリマー。
【請求項6】
前記イソシアネート官能性成分がジイソシアネートを含む、請求項1に記載のポリマー。
【請求項7】
前記反応性乳化化合物が式V
【化1】

(式中、GはOH、NHRおよびSHからなる群から選択され、
XとYの各々は同じかまたは異なってもよく、
XとYの各々は独立して反応性官能基のない約1〜約20個の炭素原子を有する脂肪族有機基およびそれらの組み合わせから選択され、
Rは水素または反応性官能基のない約1〜約20個の炭素原子を有する脂肪族有機基であることが可能である)
によって表される、請求項1に記載のポリマー。
【請求項8】
前記反応性乳化化合物が式IV
【化2】

(式中、GはOH、NHRおよびSHからなる群から選択され、
QはCOO-またはSO3-から選択された負に帯電した部分、またはイオン化するとそのような負に帯電した部分を形成することができる基であり、
X、YおよびR1の各々は同じかまたは異なってもよく、
X、Y、RおよびR1は独立して反応性官能基のない好ましくは約1〜約20個の炭素原子を有する脂肪族有機基およびそれらの組み合わせから選択され、
Rは水素であることが可能であり、
QがCOO-およびSO3-である場合、R1は任意である)
によって表される、請求項1に記載のポリマー。
【請求項9】
前記反応性乳化化合物が全反応物の少なくとも約0.5wt%を構成する、請求項1に記載のポリマー。
【請求項10】
前記イソシアネート反応性成分が、ジオール以外であるポリオール約10wt%未満を含む、請求項1に記載のポリマー。
【請求項11】
前記ポリマーはポリ(ウレタン−ウレア)分散液から調製される、請求項1に記載のポリマー。
【請求項12】
前記ジアセチレンセグメントが一般構造
【化3】

(式中、nは1〜9である)
を含む、請求項1に記載のポリマー。
【請求項13】
前記ジアセチレン含有イソシアネート反応性成分が一般構造
【化4】

(式中、nは4〜9である)
を含む、請求項1に記載のポリマー。
【請求項14】
前記ジアセチレン含有イソシアネート反応性材料がポリマーの全重量を基準にして約2重量%を構成する、請求項1に記載のポリマー。
【請求項15】
前記ジアセチレン含有イソシアネート反応性成分が一般式
【化5】

(式中、R1
【化6】

であり、
2
【化7】

であり、
5、R7、R25は独立してC1〜C14アルキレンであり、
6、R18、R19およびR26は独立してC1〜C14アルキレン、C2〜C8アルケニレンまたはC6〜C13アリーレンであり、
17はエステル活性化基であり、
pは1〜5であり、
1とR2は同じではない)
を有する、請求項1に記載のポリマー。
【請求項16】
前記ジアセチレン含有イソシアネート反応性成分がヒドロキシル基、アミノ基またはチオール基を含む、請求項1に記載のポリマー。
【請求項17】
前記イソシアネート反応性成分がヒドロキシル基、アミノ基またはチオール基を含む、請求項1に記載のポリマー。
【請求項18】
高分子セグメント間の繰返し連結の少なくとも80%がウレタン連結およびウレア連結である、請求項1に記載のポリマー。
【請求項19】
高分子セグメント間の繰返し連結の少なくとも95%がウレタン連結およびウレア連結である、請求項1に記載のポリマー。
【請求項20】
前記ジアセチレン含有イソシアネート反応性成分が、添加された全ヒドロキシルモルの少なくとも10モル%である、請求項1に記載のポリマー。
【請求項21】
前記ジアセチレン含有イソシアネート反応性成分が、5,7−ドデカジイン−1,12−ジオール、10,12−ドエイコサジイン−1,22−ジオール、10,12−ドエイコサジイン−1,22−ジオール、4,6−デカジイン−1,10−ジオール、2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオール、5,7−ドデカジイン−4,9−ジオール、2,7−ジメチル−3,5−オクタジイン−2,7−ジオールおよび3,5−オクタジイン−1,8−ジオールならびにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載のポリマー。
【請求項22】
前記イソシアネート官能性成分が直鎖第一ジイソシアネートである、請求項1に記載のポリマー。
【請求項23】
前記イソシアネート官能性成分が環含有ジイソシアネートである、請求項1に記載のポリマー。
【請求項24】
前記任意の触媒がジブチル錫ジラウレートである、請求項1に記載のポリマー。
【請求項25】
前記ポリマーが50,000未満の数平均分子量を有する、請求項1に記載のポリマー。
【請求項26】
前記ポリマーが5,000を上回る数平均分子量を有する、請求項1に記載のポリマー。
【請求項27】
請求項1に記載のポリマーを含む感圧接着剤。
【請求項28】
前記接着剤が外部刺激にさらされた時に発色応答を示す、請求項27に記載の感圧接着剤。
【請求項29】
請求項1に記載のポリマーで少なくとも部分的に被覆された基材。
【請求項30】
バッキングと
前記バッキングの少なくとも一部に被覆された請求項1に記載のポリマーと、
を含む物品。
【請求項31】
ポリウレタン系ポリジアセチレン含有ポリマーを調製する方法であって、
イソシアネート反応性成分を提供する工程と、
ジアセチレン含有イソシアネート反応性成分を提供する工程と、
イソシアネート官能性成分を提供する工程と、
反応性乳化化合物を提供する工程と、
任意に触媒を提供する工程と、
前記イソシアネート反応性成分、前記ジアセチレン含有成分、前記イソシアネート官能性成分、前記反応性乳化化合物および前記任意の触媒を反応させて、ジアセチレン含有ポリウレタンプレポリマーを形成する工程と、
前記プレポリマーを連鎖延長する工程と、
を含む方法。
【請求項32】
分散媒体に前記ポリウレタンプレポリマーを分散させる工程を更に含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記分散媒体を被覆し乾燥させて、前記ポリウレタン系ジアセチレン含有ポリマーの被膜を形成する工程を更に含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記ポリウレタン系ジアセチレン含有ポリマーを化学線で照射する工程を更に含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記イソシアネート反応性成分が少なくとも1種のポリオキシアルキレンポリオールを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
前記イソシアネート官能性成分がジイソシアネートを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項37】
ウレタン連結およびウレア連結、ジアセチレンセグメントおよび反応性乳化セグメントを含み、水分散性であるジアセチレン含有ポリウレタン系セグメント化コポリマー。
【請求項38】
水相に分散された、請求項37に記載のコポリマー。
【請求項39】
前記コポリマーが発色性である、請求項37に記載のコポリマー。
【請求項40】
前記放射線源が、UV線、ガンマ線、電子ビームおよび太陽光からなる群から選択される、請求項34に記載の方法。
【請求項41】
基材上に前記ポリマーを被覆する工程を更に含む、請求項32に記載の方法。
【請求項42】
前記ポリマーは硬化すると色を変える、請求項34に記載の方法。
【請求項43】
前記硬化したポリマーが外部刺激にさらされた時に二次発色応答を示す、請求項42に記載の方法。

【公表番号】特表2008−510849(P2008−510849A)
【公表日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−528003(P2007−528003)
【出願日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【国際出願番号】PCT/US2005/029361
【国際公開番号】WO2006/023625
【国際公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】