ポリペプチド
本発明者らは、非マルトース生成性エキソアミラーゼ活性を有する親ポリペプチドから誘導可能なPS4変異体ポリペプチドであって、PS4変異体ポリペプチドは配列番号1に示すシュードモナス・サッカロフィリアエキソアミラーゼ配列の位置ナンバリングを参照してリジン(K)又はアルギニン(R)への307位におけるアミノ酸置換を含む上記ポリペプチドを記載する。好ましくは、PS4変異体ポリペプチドは更に70位におけるアミノ酸置換、好ましくはG70Dを含む。配列の272位及び303位におけるアミノ酸は好ましくはヒスチジン(H)及びグリシン(G)である。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミラーゼ活性を有する親ポリペプチドから誘導可能なPS4変異体ポリペプチドであって、該PS4変異体ポリペプチドが配列番号1に示すシュードモナス・サッカロフィリアエキソアミラーゼ配列の位置ナンバリングを参照してリジン(K)又はアルギニン(R)への307位におけるアミノ酸置換を含む、PS4変異体ポリペプチド。
【請求項2】
エキソアミラーゼ活性、好ましくは非マルトース生成性エキソアミラーゼ活性を有する親ポリペプチドから誘導可能な請求項1記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項3】
307位におけるアミノ酸置換がリジンへの置換(307K)、好ましくはH307K、又はアルギニンへの置換(307R)、好ましくはH307Rである、請求項1記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項4】
70位におけるアミノ酸置換を更に含む請求項1、2又は3に記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項5】
70位におけるアミノ酸置換がアスパラギン酸への置換(70D)、好ましくはG70Dである前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項6】
PS4変異体ポリペプチドの配列の272位におけるアミノ酸がヒスチジン(H)である前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項7】
PS4変異体ポリペプチドの配列の303位におけるアミノ酸がグリシン(G)である前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項8】
PS4変異体ポリペプチドが33、34、121、134、141、146、157、161、178、179、223、229、309、又は334位よりなる群から選択される突然変異1つ以上をさらに含む、前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項9】
PS4変異体ポリペプチドにおける追加的突然変異が33Y、34N、121F、134R、141P、146G、157L、161A、178F、179T、223E、229P、309P、334P、好ましくはN33Y、D34N、G121F、G134R、A141P、Y146G、I157L、S161A、L178F、A179T、G223E、S229P、A309P及びS334Pよりなる群から選択される、前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項10】
PS4変異体ポリペプチドが、配列番号1に示すシュードモナス・サッカロフィリアエキソアミラーゼ配列と相対比較して、以下の置換、即ち:33Y、34N、70D、121F、134R、141P、146G、157L、161A、178F、179T、223E、229P、307K、309P、334P、好ましくはN33Y、D34N、G70D、G121F、G134R、A141P、Y146G、I157L、S161A、L178F、A179T、G223E、S229P、H307K、A309P及びS334Pを含む、前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項11】
PS4変異体ポリペプチドが配列番号21(pSac−pMS382)を含む、前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項12】
PS4変異体ポリペプチドが配列番号1に示すシュードモナス・サッカロフィリアエキソアミラーゼ配列と相対比較して、以下の置換、即ち:33Y、34N、70D、121F、134R、141P、146G、157L、161A、178F、179T、223E、229P、307R、309P、334P、好ましくはN33Y、D34N、G70D、G121F、G134R、A141P、Y146G、I157L、S161A、L178F、A179T、G223E、S229P、H307R、A309P、S334Pを含む、前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項13】
PS4変異体ポリペプチドが配列番号23(pSac−pMS382R)を含む、前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項14】
非マルトース生成性エキソアミラーゼ活性を有する親ポリペプチドから誘導可能なPS4変異体ポリペプチドであって、該PS4変異体ポリペプチドが、配列番号1に示すシュードモナス・サッカロフィリアエキソアミラーゼ配列と相対比較して、以下の置換、即ち:33Y、34N、70D、121F、134R、141P、146G、157L、161A、178F、179T、223E、229P、309P、334P、好ましくはN33Y、D34N、G70D、G121F、G134R、A141P、Y146G、I157L、S161A、L178F、A179T、G223E、S229P、A309P、S334Pを含む、PS4変異体ポリペプチド。
【請求項15】
PS4変異体ポリペプチドが配列番号25(pSac−pMS382H)を含む、前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項16】
親ポリペプチドが非マルトース生成性エキソアミラーゼ、好ましくはグルカン1,4−アルファ−マルトテトラヒドロラーゼ(EC3.2.1.60)を含む、前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項17】
親ポリペプチドがシュードモナス種、好ましくはシュードモナス・サッカロフィリア又はシュードモナス・スツッゼリーであるか、又はそれから誘導可能な、前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項18】
親ポリペプチドが配列番号1又は配列番号5に示す配列を有するシュードモナス・サッカロフィリアエキソアミラーゼ由来の非マルトース生成性エキソアミラーゼである、前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項19】
配列番号1又は配列番号5に少なくとも75%同一であるアミノ酸配列を有する、前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項20】
親ポリペプチドが配列番号7又は配列番号11に示す配列を有するシュードモナス・
スツッゼリー由来の非マルトース生成性エキソアミラーゼである、請求項1〜8の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項21】
配列番号7又は配列番号11に少なくとも75%同一であるアミノ酸配列を有する、請求項1〜8又は11の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項22】
発明の詳細な説明、請求項又は図面に記載した配列を含む、前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項23】
配列番号21(pSac−pMS382)、配列番号23(pSac−pMS382R)、及び配列番号25(pSac−pMS382H)よりなる群から選択される配列を含む、前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項24】
同じ条件下で試験した場合、PS4変異体ポリペプチドが親ポリペプチド又は野生型ポリペプチドと比較して、高値の熱安定性を有する、前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項25】
好ましくは60℃における半減期(t1/2)が親ポリペプチド又は野生型ポリペプチドと相対比較して15%以上、好ましくは50%以上、最も好ましくは100%以上増大している、前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項26】
PS4変異体ポリペプチドで処理された食料品が、親ポリペプチド又は野生型ポリペプチドで処理されている食料品と比較して、以下の特性、即ち:(a)低値の堅固性;(b)高値の復元力;(c)高値の凝集性;(d)低値の易崩壊性;及び(e)高値の折畳性の何れか1つ以上、好ましくは全てを有する、前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項27】
食料品の復元力、凝集性又は折畳性が、親ポリペプチド又は野生型ポリペプチドで処理されている食料品と比較して、15%以上、好ましくは50%以上、最も好ましくは100%以上独立して増大している、請求項26記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項28】
PS4変異体ポリペプチドで処理されている食料品の復元力、凝集性及び折畳性が、親ポリペプチド又は野生型ポリペプチドで処理されている食料品と比較して増大している、請求項26又は27記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項29】
食料品の堅固性又は易崩壊性が、親ポリペプチド又は野生型ポリペプチドで処理されている食料品と相対比較して、15%以上、好ましくは50%以上、最も好ましくは100%以上独立して低下している、請求項26記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項30】
PS4変異体ポリペプチドで処理されている食料品の堅固性及び易崩壊性の各々が親ポリペプチド又は野生型ポリペプチドで処理されている食料品と比較して低下している、請求項26又は29記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項31】
ポリペプチドが非マルトース生成性エキソアミラーゼ活性を有する前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチドの少なくとも20残基のフラグメントを含む、ポリペプチド。
【請求項32】
PS4変異体ポリペプチド配列の残基1つ以上における突然変異により前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチドから誘導可能なポリペプチドであって、該ポリペプチドが、PS4変異体ポリペプチドの親ポリペプチド又は野生型ポリペプチドと比較して高値の熱安定性又は高値のエキソ特異性又は両方を有するか、又は、PS4変異体ポリペプチドで処理された食料品が親ポリペプチド又は野生型ポリペプチドで処理されている食料品と比較して、以下の特性、即ち:(a)低値の堅固性;(b)高値の復元力;(c)高値の凝集性;(d)低値の易崩壊性;または(e)高値の折畳性の何れか1つ以上、好ましくは全てを有する、ポリペプチド。
【請求項33】
食料品又は飼料添加物としての前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチドの使用。
【請求項34】
請求項1〜32の何れかに記載のポリペプチドに澱粉を接触させること、及び、該ポリペプチドに澱粉から線状生成物1つ以上を形成させることを含む、澱粉を処理するための方法。
【請求項35】
食料品又は飼料製品の製造における請求項1〜32の何れかに記載のポリペプチドの使用。
【請求項36】
請求項1〜32の何れかに記載のポリペプチドを食料品又は飼料成分に添加混合することを含む食料品又は飼料製品の製造プロセス。
【請求項37】
食料品がドウ又はドウ製品、好ましくはプロセシングされたドウ製品を含む、請求項35記載の使用又は請求項36記載のプロセス。
【請求項38】
前記食料品がベーカリー製品である請求項35〜37の何れかに記載の使用またはプロセス。
【請求項39】
(a)澱粉媒体を準備すること;(b)澱粉媒体に請求項1〜32の何れかに記載のポリペプチドを添加すること;及び(c)工程(b)の最中又は後に澱粉媒体に熱を適用することによりベーカリー製品を製造すること、を含むベーカリー製品を作成するためのプロセス。
【請求項40】
請求項35〜39の何れかに記載のプロセスにより得られる食料品、飼料製品、ドウ製品又はベーカリー製品。
【請求項41】
ドウのための向上剤組成物であって、向上剤組成物が請求項1〜32の何れかに記載のポリペプチド及び少なくとも1つの追加のドウ成分又はドウ添加物を含む上記組成物。
【請求項42】
穀物粉及び請求項1〜32の何れかに記載のポリペプチドを含む組成物。
【請求項43】
ドウ製品の劣化、好ましくは有害な劣化を遅延又は低減するための、ドウ製品における請求項1〜42の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチドの使用。
【請求項44】
ドウ製品の堅固性、復元力、凝集性、易崩壊性又は折畳性の何れか1つ以上を向上させるための、ドウ製品における請求項1〜42の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチドの使用。
【請求項45】
下記成分:
(a)バチルス・ステアロサーモフィルス由来の、1,4−α−マルトヒドロラーゼ(EC3.2.1.133)とも称されるマルトース生成性アルファアミラーゼ、又はマルトース生成性アルファアミラーゼ活性を有するその変異体、相同体、又は突然変異体;
(b)バチルス種、アスペルギルス種、サーモマイセス種、又はトリコデルマ種由来のベーカリーキシラナーゼ(EC3.2.1.8);
(c)バチルス・アミロリクファシエンス由来のα−アミラーゼ(EC.3.2.1.1)、又はアルファアミラーゼ活性を有するその変異体、相同体、又は突然変異体;及び、
(d)フサリウム・ヘテロスポラム由来のグリコリパーゼのようなリパーゼ;
の何れか1つ以上との、前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチドの複合物。
【請求項46】
前期請求項の何れかに記載の用途のための請求項45記載の複合物の使用。
【請求項47】
請求項31記載の複合物を用いた処理により製造される食料品又は飼料製品。
【請求項48】
請求項1〜32の何れかに記載のポリペプチドをコードすることができる核酸。
【請求項49】
配列番号6及び配列番号12に少なくとも75%同一である核酸配列を有する、請求項48記載の核酸。
【請求項50】
非マルトース生成性エキソアミラーゼ活性を有するポリペプチドをコードすることができる請求項48又は49記載の核酸の少なくとも60残基のフラグメントを含む核酸。
【請求項51】
親配列から誘導可能な核酸配列であって、親配列は非マルトース生成性エキソアミラーゼをコードすることができ、その核酸配列が、307位におけるリジン(R)又はアルギニン(K)残基を核酸がコードするような残基1つ以上における置換を、場合により配列番号1に示すシュードモナス・サッカロフィリアエキソアミラーゼ配列の位置ナンバリングを参照して33Y、34N、121F、134R、141P、146G、157L、161A、178F、179T、223E、229P、309P、334Pよりなる群から選択される残基1つ以上を核酸がコードするような別の突然変異1個以上と共に、含んでいる、核酸配列。
【請求項52】
ヌクレオチド残基1つ以上の置換により非マルトース生成性エキソアミラーゼをコードする親配列から誘導される、請求項48〜52の何れかに記載のPS4核酸配列。
【請求項53】
配列番号22(pSac−pMS382)、配列番号24(pSac−pMS382R)、及び配列番号26(pSac−pMS382H)よりなる群から選択される請求項48〜52の何れかに記載の核酸配列。
【請求項54】
請求項48〜53の何れかに記載のPS4核酸を含むプラスミド。
【請求項55】
請求項48〜54の何れかに記載のPS4核酸を含むか、又は請求項1〜32の何れかに記載のポリペプチドを発現することができる発現ベクター。
【請求項56】
請求項54記載のプラスミド又は請求項55記載の発現ベクターを含む、好ましくはこれにより形質転換された宿主細胞。
【請求項57】
請求項1〜32の何れかに記載のポリペプチドを発現することができる細胞。
【請求項58】
細菌、真菌、又は酵母の細胞である請求項56記載の宿主細胞、又は請求項57記載の細胞。
【請求項59】
PS4変異体ポリペプチドを発現する方法であって、請求項56、57又は58記載の宿主細胞又は細胞を得ること、及び細胞又は宿主細胞からポリペプチドを発現させること、及び場合によりポリペプチドを精製することを含む、方法。
【請求項60】
場合により70位における塩基性又は正荷電の残基へのアミノ酸置換を導入することを、場合により非マルトース生成性エキソアミラーゼ活性を有する親ポリペプチド内への33Y、34N、121F、134R、141P、146G、157L、161A、178F、179T、223E、229P、272H、303G、309P、334P(配列番号1に示すシュードモナス・サッカロフィリアエキソアミラーゼ配列の位置ナンバリングを参照)よりなる群から選択される追加の突然変異1つ以上とともに行うことにより、ポリペプチド、好ましくは非マルトース生成性エキソアミラーゼの配列を改変する方法。
【請求項61】
塩基性又は正荷電の残基がリジン(K)、アルギニン(R)又はヒスチジン(H)を含む、請求項60記載の方法。
【請求項62】
非マルトース生成性エキソアミラーゼをコードする核酸の配列を改変することにより、非マルトース生成性エキソアミラーゼの配列を改編する、請求項60又は61記載の方法。
【請求項63】
PS4ポリペプチド変異体を製造する方法であって、該方法が非マルトース生成性エキソアミラーゼ活性を有する親ポリペプチド内にアミノ酸置換を導入することを含み、該アミノ酸置換は配列番号1に示すシュードモナス・サッカロフィリアエキソアミラーゼ配列の位置ナンバリングを参照して33Y、34N、70K/R/H、121F、134R、141P、146G、157L、161A、178F、179T、223E、229P、272H、303G、309P、334Pよりなる群から選択される、方法。
【請求項64】
親ポリペプチドをコードする核酸の配列がアミノ酸置換を導入するように改変されている、請求項62又は63記載の方法。
【請求項65】
非マルトース生成性エキソアミラーゼをコードする核酸の配列を改変する方法であって、該方法は配列番号1に示すシュードモナス・サッカロフィリアエキソアミラーゼ配列の位置ナンバリングを参照して33Y、34N、70K/R/H、121F、134R、141P、146G、157L、161A、178F、179T、223E、229P、272H、303G、309P、334Pよりなる群から選択されるアミノ酸残基をコードするコドンを配列内に導入することを含む、方法。
【請求項66】
ポリペプチドの熱安定性又はエキソ特異性又は両方を増大させる方法であって、該方法が請求項58〜65の何れかに記載の工程を含む、方法。
【請求項67】
ポリペプチドが単離又は精製、又は両方に付される請求項58〜66の何れかに記載の方法。
【請求項68】
請求項58〜67の何れかに記載の方法により得られるポリペプチド。
【請求項69】
請求項58〜68の何れかに記載の方法により得られるポリペプチド。
【請求項70】
添付図面を参照しながら、そしてそれに示される通り、実質的に上記において説明されたPS4変異体ポリペプチド、使用、プロセス、食料品、飼料製品、ドウ製品、ベーカリー製品、向上剤組成物、組成物、核酸、ベクター又は宿主細胞。
【請求項1】
アミラーゼ活性を有する親ポリペプチドから誘導可能なPS4変異体ポリペプチドであって、該PS4変異体ポリペプチドが配列番号1に示すシュードモナス・サッカロフィリアエキソアミラーゼ配列の位置ナンバリングを参照してリジン(K)又はアルギニン(R)への307位におけるアミノ酸置換を含む、PS4変異体ポリペプチド。
【請求項2】
エキソアミラーゼ活性、好ましくは非マルトース生成性エキソアミラーゼ活性を有する親ポリペプチドから誘導可能な請求項1記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項3】
307位におけるアミノ酸置換がリジンへの置換(307K)、好ましくはH307K、又はアルギニンへの置換(307R)、好ましくはH307Rである、請求項1記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項4】
70位におけるアミノ酸置換を更に含む請求項1、2又は3に記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項5】
70位におけるアミノ酸置換がアスパラギン酸への置換(70D)、好ましくはG70Dである前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項6】
PS4変異体ポリペプチドの配列の272位におけるアミノ酸がヒスチジン(H)である前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項7】
PS4変異体ポリペプチドの配列の303位におけるアミノ酸がグリシン(G)である前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項8】
PS4変異体ポリペプチドが33、34、121、134、141、146、157、161、178、179、223、229、309、又は334位よりなる群から選択される突然変異1つ以上をさらに含む、前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項9】
PS4変異体ポリペプチドにおける追加的突然変異が33Y、34N、121F、134R、141P、146G、157L、161A、178F、179T、223E、229P、309P、334P、好ましくはN33Y、D34N、G121F、G134R、A141P、Y146G、I157L、S161A、L178F、A179T、G223E、S229P、A309P及びS334Pよりなる群から選択される、前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項10】
PS4変異体ポリペプチドが、配列番号1に示すシュードモナス・サッカロフィリアエキソアミラーゼ配列と相対比較して、以下の置換、即ち:33Y、34N、70D、121F、134R、141P、146G、157L、161A、178F、179T、223E、229P、307K、309P、334P、好ましくはN33Y、D34N、G70D、G121F、G134R、A141P、Y146G、I157L、S161A、L178F、A179T、G223E、S229P、H307K、A309P及びS334Pを含む、前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項11】
PS4変異体ポリペプチドが配列番号21(pSac−pMS382)を含む、前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項12】
PS4変異体ポリペプチドが配列番号1に示すシュードモナス・サッカロフィリアエキソアミラーゼ配列と相対比較して、以下の置換、即ち:33Y、34N、70D、121F、134R、141P、146G、157L、161A、178F、179T、223E、229P、307R、309P、334P、好ましくはN33Y、D34N、G70D、G121F、G134R、A141P、Y146G、I157L、S161A、L178F、A179T、G223E、S229P、H307R、A309P、S334Pを含む、前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項13】
PS4変異体ポリペプチドが配列番号23(pSac−pMS382R)を含む、前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項14】
非マルトース生成性エキソアミラーゼ活性を有する親ポリペプチドから誘導可能なPS4変異体ポリペプチドであって、該PS4変異体ポリペプチドが、配列番号1に示すシュードモナス・サッカロフィリアエキソアミラーゼ配列と相対比較して、以下の置換、即ち:33Y、34N、70D、121F、134R、141P、146G、157L、161A、178F、179T、223E、229P、309P、334P、好ましくはN33Y、D34N、G70D、G121F、G134R、A141P、Y146G、I157L、S161A、L178F、A179T、G223E、S229P、A309P、S334Pを含む、PS4変異体ポリペプチド。
【請求項15】
PS4変異体ポリペプチドが配列番号25(pSac−pMS382H)を含む、前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項16】
親ポリペプチドが非マルトース生成性エキソアミラーゼ、好ましくはグルカン1,4−アルファ−マルトテトラヒドロラーゼ(EC3.2.1.60)を含む、前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項17】
親ポリペプチドがシュードモナス種、好ましくはシュードモナス・サッカロフィリア又はシュードモナス・スツッゼリーであるか、又はそれから誘導可能な、前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項18】
親ポリペプチドが配列番号1又は配列番号5に示す配列を有するシュードモナス・サッカロフィリアエキソアミラーゼ由来の非マルトース生成性エキソアミラーゼである、前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項19】
配列番号1又は配列番号5に少なくとも75%同一であるアミノ酸配列を有する、前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項20】
親ポリペプチドが配列番号7又は配列番号11に示す配列を有するシュードモナス・
スツッゼリー由来の非マルトース生成性エキソアミラーゼである、請求項1〜8の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項21】
配列番号7又は配列番号11に少なくとも75%同一であるアミノ酸配列を有する、請求項1〜8又は11の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項22】
発明の詳細な説明、請求項又は図面に記載した配列を含む、前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項23】
配列番号21(pSac−pMS382)、配列番号23(pSac−pMS382R)、及び配列番号25(pSac−pMS382H)よりなる群から選択される配列を含む、前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項24】
同じ条件下で試験した場合、PS4変異体ポリペプチドが親ポリペプチド又は野生型ポリペプチドと比較して、高値の熱安定性を有する、前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項25】
好ましくは60℃における半減期(t1/2)が親ポリペプチド又は野生型ポリペプチドと相対比較して15%以上、好ましくは50%以上、最も好ましくは100%以上増大している、前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項26】
PS4変異体ポリペプチドで処理された食料品が、親ポリペプチド又は野生型ポリペプチドで処理されている食料品と比較して、以下の特性、即ち:(a)低値の堅固性;(b)高値の復元力;(c)高値の凝集性;(d)低値の易崩壊性;及び(e)高値の折畳性の何れか1つ以上、好ましくは全てを有する、前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項27】
食料品の復元力、凝集性又は折畳性が、親ポリペプチド又は野生型ポリペプチドで処理されている食料品と比較して、15%以上、好ましくは50%以上、最も好ましくは100%以上独立して増大している、請求項26記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項28】
PS4変異体ポリペプチドで処理されている食料品の復元力、凝集性及び折畳性が、親ポリペプチド又は野生型ポリペプチドで処理されている食料品と比較して増大している、請求項26又は27記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項29】
食料品の堅固性又は易崩壊性が、親ポリペプチド又は野生型ポリペプチドで処理されている食料品と相対比較して、15%以上、好ましくは50%以上、最も好ましくは100%以上独立して低下している、請求項26記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項30】
PS4変異体ポリペプチドで処理されている食料品の堅固性及び易崩壊性の各々が親ポリペプチド又は野生型ポリペプチドで処理されている食料品と比較して低下している、請求項26又は29記載のPS4変異体ポリペプチド。
【請求項31】
ポリペプチドが非マルトース生成性エキソアミラーゼ活性を有する前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチドの少なくとも20残基のフラグメントを含む、ポリペプチド。
【請求項32】
PS4変異体ポリペプチド配列の残基1つ以上における突然変異により前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチドから誘導可能なポリペプチドであって、該ポリペプチドが、PS4変異体ポリペプチドの親ポリペプチド又は野生型ポリペプチドと比較して高値の熱安定性又は高値のエキソ特異性又は両方を有するか、又は、PS4変異体ポリペプチドで処理された食料品が親ポリペプチド又は野生型ポリペプチドで処理されている食料品と比較して、以下の特性、即ち:(a)低値の堅固性;(b)高値の復元力;(c)高値の凝集性;(d)低値の易崩壊性;または(e)高値の折畳性の何れか1つ以上、好ましくは全てを有する、ポリペプチド。
【請求項33】
食料品又は飼料添加物としての前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチドの使用。
【請求項34】
請求項1〜32の何れかに記載のポリペプチドに澱粉を接触させること、及び、該ポリペプチドに澱粉から線状生成物1つ以上を形成させることを含む、澱粉を処理するための方法。
【請求項35】
食料品又は飼料製品の製造における請求項1〜32の何れかに記載のポリペプチドの使用。
【請求項36】
請求項1〜32の何れかに記載のポリペプチドを食料品又は飼料成分に添加混合することを含む食料品又は飼料製品の製造プロセス。
【請求項37】
食料品がドウ又はドウ製品、好ましくはプロセシングされたドウ製品を含む、請求項35記載の使用又は請求項36記載のプロセス。
【請求項38】
前記食料品がベーカリー製品である請求項35〜37の何れかに記載の使用またはプロセス。
【請求項39】
(a)澱粉媒体を準備すること;(b)澱粉媒体に請求項1〜32の何れかに記載のポリペプチドを添加すること;及び(c)工程(b)の最中又は後に澱粉媒体に熱を適用することによりベーカリー製品を製造すること、を含むベーカリー製品を作成するためのプロセス。
【請求項40】
請求項35〜39の何れかに記載のプロセスにより得られる食料品、飼料製品、ドウ製品又はベーカリー製品。
【請求項41】
ドウのための向上剤組成物であって、向上剤組成物が請求項1〜32の何れかに記載のポリペプチド及び少なくとも1つの追加のドウ成分又はドウ添加物を含む上記組成物。
【請求項42】
穀物粉及び請求項1〜32の何れかに記載のポリペプチドを含む組成物。
【請求項43】
ドウ製品の劣化、好ましくは有害な劣化を遅延又は低減するための、ドウ製品における請求項1〜42の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチドの使用。
【請求項44】
ドウ製品の堅固性、復元力、凝集性、易崩壊性又は折畳性の何れか1つ以上を向上させるための、ドウ製品における請求項1〜42の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチドの使用。
【請求項45】
下記成分:
(a)バチルス・ステアロサーモフィルス由来の、1,4−α−マルトヒドロラーゼ(EC3.2.1.133)とも称されるマルトース生成性アルファアミラーゼ、又はマルトース生成性アルファアミラーゼ活性を有するその変異体、相同体、又は突然変異体;
(b)バチルス種、アスペルギルス種、サーモマイセス種、又はトリコデルマ種由来のベーカリーキシラナーゼ(EC3.2.1.8);
(c)バチルス・アミロリクファシエンス由来のα−アミラーゼ(EC.3.2.1.1)、又はアルファアミラーゼ活性を有するその変異体、相同体、又は突然変異体;及び、
(d)フサリウム・ヘテロスポラム由来のグリコリパーゼのようなリパーゼ;
の何れか1つ以上との、前期請求項の何れかに記載のPS4変異体ポリペプチドの複合物。
【請求項46】
前期請求項の何れかに記載の用途のための請求項45記載の複合物の使用。
【請求項47】
請求項31記載の複合物を用いた処理により製造される食料品又は飼料製品。
【請求項48】
請求項1〜32の何れかに記載のポリペプチドをコードすることができる核酸。
【請求項49】
配列番号6及び配列番号12に少なくとも75%同一である核酸配列を有する、請求項48記載の核酸。
【請求項50】
非マルトース生成性エキソアミラーゼ活性を有するポリペプチドをコードすることができる請求項48又は49記載の核酸の少なくとも60残基のフラグメントを含む核酸。
【請求項51】
親配列から誘導可能な核酸配列であって、親配列は非マルトース生成性エキソアミラーゼをコードすることができ、その核酸配列が、307位におけるリジン(R)又はアルギニン(K)残基を核酸がコードするような残基1つ以上における置換を、場合により配列番号1に示すシュードモナス・サッカロフィリアエキソアミラーゼ配列の位置ナンバリングを参照して33Y、34N、121F、134R、141P、146G、157L、161A、178F、179T、223E、229P、309P、334Pよりなる群から選択される残基1つ以上を核酸がコードするような別の突然変異1個以上と共に、含んでいる、核酸配列。
【請求項52】
ヌクレオチド残基1つ以上の置換により非マルトース生成性エキソアミラーゼをコードする親配列から誘導される、請求項48〜52の何れかに記載のPS4核酸配列。
【請求項53】
配列番号22(pSac−pMS382)、配列番号24(pSac−pMS382R)、及び配列番号26(pSac−pMS382H)よりなる群から選択される請求項48〜52の何れかに記載の核酸配列。
【請求項54】
請求項48〜53の何れかに記載のPS4核酸を含むプラスミド。
【請求項55】
請求項48〜54の何れかに記載のPS4核酸を含むか、又は請求項1〜32の何れかに記載のポリペプチドを発現することができる発現ベクター。
【請求項56】
請求項54記載のプラスミド又は請求項55記載の発現ベクターを含む、好ましくはこれにより形質転換された宿主細胞。
【請求項57】
請求項1〜32の何れかに記載のポリペプチドを発現することができる細胞。
【請求項58】
細菌、真菌、又は酵母の細胞である請求項56記載の宿主細胞、又は請求項57記載の細胞。
【請求項59】
PS4変異体ポリペプチドを発現する方法であって、請求項56、57又は58記載の宿主細胞又は細胞を得ること、及び細胞又は宿主細胞からポリペプチドを発現させること、及び場合によりポリペプチドを精製することを含む、方法。
【請求項60】
場合により70位における塩基性又は正荷電の残基へのアミノ酸置換を導入することを、場合により非マルトース生成性エキソアミラーゼ活性を有する親ポリペプチド内への33Y、34N、121F、134R、141P、146G、157L、161A、178F、179T、223E、229P、272H、303G、309P、334P(配列番号1に示すシュードモナス・サッカロフィリアエキソアミラーゼ配列の位置ナンバリングを参照)よりなる群から選択される追加の突然変異1つ以上とともに行うことにより、ポリペプチド、好ましくは非マルトース生成性エキソアミラーゼの配列を改変する方法。
【請求項61】
塩基性又は正荷電の残基がリジン(K)、アルギニン(R)又はヒスチジン(H)を含む、請求項60記載の方法。
【請求項62】
非マルトース生成性エキソアミラーゼをコードする核酸の配列を改変することにより、非マルトース生成性エキソアミラーゼの配列を改編する、請求項60又は61記載の方法。
【請求項63】
PS4ポリペプチド変異体を製造する方法であって、該方法が非マルトース生成性エキソアミラーゼ活性を有する親ポリペプチド内にアミノ酸置換を導入することを含み、該アミノ酸置換は配列番号1に示すシュードモナス・サッカロフィリアエキソアミラーゼ配列の位置ナンバリングを参照して33Y、34N、70K/R/H、121F、134R、141P、146G、157L、161A、178F、179T、223E、229P、272H、303G、309P、334Pよりなる群から選択される、方法。
【請求項64】
親ポリペプチドをコードする核酸の配列がアミノ酸置換を導入するように改変されている、請求項62又は63記載の方法。
【請求項65】
非マルトース生成性エキソアミラーゼをコードする核酸の配列を改変する方法であって、該方法は配列番号1に示すシュードモナス・サッカロフィリアエキソアミラーゼ配列の位置ナンバリングを参照して33Y、34N、70K/R/H、121F、134R、141P、146G、157L、161A、178F、179T、223E、229P、272H、303G、309P、334Pよりなる群から選択されるアミノ酸残基をコードするコドンを配列内に導入することを含む、方法。
【請求項66】
ポリペプチドの熱安定性又はエキソ特異性又は両方を増大させる方法であって、該方法が請求項58〜65の何れかに記載の工程を含む、方法。
【請求項67】
ポリペプチドが単離又は精製、又は両方に付される請求項58〜66の何れかに記載の方法。
【請求項68】
請求項58〜67の何れかに記載の方法により得られるポリペプチド。
【請求項69】
請求項58〜68の何れかに記載の方法により得られるポリペプチド。
【請求項70】
添付図面を参照しながら、そしてそれに示される通り、実質的に上記において説明されたPS4変異体ポリペプチド、使用、プロセス、食料品、飼料製品、ドウ製品、ベーカリー製品、向上剤組成物、組成物、核酸、ベクター又は宿主細胞。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2009−540818(P2009−540818A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−515989(P2009−515989)
【出願日】平成19年6月19日(2007.6.19)
【国際出願番号】PCT/IB2007/002056
【国際公開番号】WO2007/148224
【国際公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(397060588)ダニスコ エイ/エス (67)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月19日(2007.6.19)
【国際出願番号】PCT/IB2007/002056
【国際公開番号】WO2007/148224
【国際公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(397060588)ダニスコ エイ/エス (67)
【Fターム(参考)】
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