説明

ポリマ−ブレンド、フィルムおよび積層体

【課題】芳香族ポリイミドフィルムの熱的性質、物理的性質、さらに電気的性質などの優れた特性を保持したまま、接着性の良好なポリイミドフィルム、その製法およびその積層体を提供する。
【解決手段】1質量%以上50質量%以下の割合でポリベンズイミダゾ−ルが均一に混合されていることを特徴とするポリイミドとポリベンズイミダゾ−ルのポリマ−ブレンド、上記のポリマ−ブレンドからなるフィルム、前記ポリマ−ブレンドからなる層を少なくとも片面に有するフィルム、および前記ポリマ−ブレンドからなる層の少なくとも片面に直接あるいは耐熱性接着剤を介して基材が積層されてなる積層体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は新規なポリマ−ブレンド、フィルム、およびその積層体に関するものであり、さらに詳しくはポリイミドとポリベンズイミダゾ−ルとが均一に混合された、成形体、例えばフィルムとして高弾性率で接着性の向上したポリマ−ブレンド、フィルムおよびその積層体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリイミドフィルム、特に3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物およびパラフェニレンジアミンをそれぞれ出発酸二無水物成分および出発ジアミン成分とするポリイミドは、そのポリイミドからなるフィルムが低線膨張係数で高弾性率の特徴を有することが知られている。
【0003】
また、このポリイミドからなるフィルムは、熱的性質および電気的性質に優れているため、電子機器類の用途に広く使用されている。しかしながら、通常電子分野で使用される接着剤では大きな接着強度が得られず、金属蒸着やスパッタリングして金属層を設けても剥離強度の大きな積層体が得られないという問題がある。
【0004】
このポリイミドフィルムの有する低い接着性を改良するために種々の試みがなされている。例えば、錫、ビスマスまたはアンチモニ−の化合物を0.02−1質量%含んでいる接着性を改良したポリイミドフィルムが知られている(特許文献1〜3)。しかし、これらのポリイミドフィルムは電気絶縁性などの電気特性が低下する恐れがある。また、ポリイミドフィルムのプラズマ放電処理による接着性の改良技術が知られている(特許文献4〜5)。しかし、この放電処理では、ポリイミドフィルムの接着性改良効果が不十分な場合があり、複雑な後処理工程が必要で生産性が低い。
【0005】
【特許文献1】特開平4−261466号公報
【特許文献2】特開平6−073209号公報
【特許文献3】特表平7−503984号公報
【特許文献4】特開昭59−86634号公報
【特許文献5】特開平2−134241号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明の目的は、ポリイミド、特に3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミンとを主成分とするポリイミドとポリベンズイミダゾ−ルを均一に混合することによって、フィルムの表面処理を行わなくても高弾性率を維持したまま接着性を向上させたポリマ−ブレンド、フィルムおよび積層体を提供することである。ここで言う均一にとは可視光の散乱が起きる程度のマクロな相分離のない状態のことを指し、分子状に分散した状態である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、この発明は、1質量%以上50質量%以下の割合でポリベンズイミダゾ−ルが均一に混合されていることを特徴とするポリイミドとポリベンズイミダゾ−ルのポリマ−ブレンドに関するものである。
【0008】
また、この発明は、前記ポリマ−ブレンドからなるフィルムに関するものである。
さらに、この発明は、前記ポリマ−ブレンドからなる層を少なくとも片面に有するフィルムに関するものである。
さらに、この発明は、前記ポリマ−ブレンドからなる層の少なくとも片面に直接あるいは耐熱性接着剤を介して基材が積層されてなる積層体に関するものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、フィルムに高弾性率で、しかも接着性が向上したポリマ−ブレンドが得られる。
この発明によれば、ポリイミドフィルム、特に従来接着性が低い問題を有していた3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミンから得られるポリイミドフィルムであっても、耐熱性、高弾性率、低線膨張係数といった特徴を維持したまま、接着性を改良したポリマ−ブレンドフィルムを得ることができる。
この発明によれば、ポリイミド層の耐熱性、高弾性率、低線膨張係数といった特徴を維持したまま、接着性が改良されており、高温処理工程による接着界面での剥離が起こりにくい積層基板が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下にこの発明の好ましい態様を列記する。
1)ポリイミドが、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミンとを成分とする上記のポリマ−ブレンド。
2)ポリベンズイミダゾ−ルが、3,3’,4,4’−テトラアミノビフェニルとイソフタル酸を成分とする上記のポリマ−ブレンド。
3)フィルムに成形して測定した引張弾性率が400kg/mm2以上1200kg/mm2未満である上記のポリマ−ブレンド。
4)基材が、金属層である上記の積層体。
【0011】
この発明のポリマ−ブレンドは、好適には1質量%以上50質量%以下の割合のポリベンズイミダゾ−ルとポリイミドを与えるポリイミド前駆体とを有機溶媒に溶解した均一な混合溶液からポリイミド前駆体をイミド化し、溶媒を除去することによって得ることができる。
【0012】
この発明におけるポリイミドとしては、好適には3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下単にs−BPDAと略記することもある。)とパラフェニレンジアミン(以下単にPPDと略記することもある。)と場合によりさらに4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル(以下単にDADEと略記することもある。)とから製造される。この場合PPD/DADE(モル比)は100/0〜85/15であることが好ましい。
【0013】
また、この発明におけるポリイミドは、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とピロメリット酸二無水物(以下単にPMDAと略記することもある。)とパラフェニレンジアミンと4,4’−ジアミノジフェニルエ−テルとから製造される。この場合BPDA/PMDAは15/85〜85/15で、PPD/DADEは90/10〜10/90であることが好ましい。
【0014】
また、この発明におけるポリイミドは、ピロメリット酸二無水物とパラフェニレンジアミンおよび4,4’−ジアミノジフェニルエ−テルとから製造される。この場合DADE/PPDは90/10〜10/90であることが好ましい。
【0015】
さらに、この発明のポリイミドは、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)およびピロメリット酸二無水物とパラフェニレンジアミンおよび4,4’−ジアミノジフェニルエ−テルとから製造される。この場合、酸二無水物中BTDA/PMDAが20/80〜90/10、ジアミン中PPD/DADEが30/70〜90/10であることが好ましい。
【0016】
前記のポリイミド前駆体(以下、ポリアミック酸ということもある。)は、有機溶媒中で前記の芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとの略等モルをランダム重合、ブロック重合、あるいは予めどちらかの成分が過剰である2種類以上のポリアミック酸を合成しておき各ポリアミック酸溶液を一緒に混合する、いずれの方法によっても得ることができる。
【0017】
前記ポリアミック酸の両成分を混合した後、ポリアミック酸のアミン末端を封止するため、ジカルボン酸無水物、例えば無水フタル酸およびその置換体(例えば3−メチル又は4−メチルフタル酸無水物)、ヘキサヒドロ無水フタル酸およびその置換体、無水コハク酸およびその置換体など、好適には無水フタル酸を添加してもよい。前記ポリイミド用のポリアミック酸溶液としては、ポリマ−濃度が8−25質量%程度であるものが好ましい。このポリアミック酸溶液には、リン酸エステル化合物や必要量の無機微粒子充填材を加えてもよい。
【0018】
この発明におけるポリベンズイミダゾ−ルは、芳香族テトラアミンと芳香族ジカルボン酸とから製造される。
【0019】
芳香族テトラアミン類の例としては、3,3’,4,4’−テトラアミノビフェニル;1,2,4,5−テトラアミノベンゼン;1,2,5,6−テトラアミノナフタレン;2,3,6,7−テトラアミノナフタレン;3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルメタン;1,2−ビス(3,4−ジアミノフェニル)エタン;3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニル−2,2−プロパン;3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルスルフィド;及び3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルスルホンが挙げられる。好ましい芳香族テトラアミンは、3,3’,4,4’−テトラアミノビフェニルである。
【0020】
芳香族ジカルボン酸の例としてはイソフタル酸;テレフタル酸;4,4’−ビフェニルジカルボン酸;1,4−ナフタレンジカルボン酸;2,2’−ビフェニルジカルボン酸(ジフェニン酸);フェニルインダンジカルボン酸;1,6−ナフタレンジカルボン酸;2,6−ナフタレンジカルボン酸;4,4’−ジフェニルエ−テルジカルボン酸;4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸;4,4’−ジフェニルスルフィドカルボン酸が挙げられる。イソフタル酸(IPA)は最も好ましいジカルボン酸である。
【0021】
前記のポリベンズイミダゾ−ルを含む溶液は、ポリマ−濃度が1−20質量%程度であることが好ましい。また、溶液にはそれ自体公知の添加剤、例えば必要量の無機微粒子充填材を加えてもよい。この添加剤の種類と量とは、用途に応じて適宜選択すればよい。
【0022】
前記のポリイミド前駆体溶液およびポリベンズイミダゾ−ル溶液の溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、N−メチルカプロラクタムなどの有機溶媒が挙げられる。これらの有機溶媒は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。ポリイミド前駆体製造用の有機溶媒とポリベンズイミダゾ−ル用の有機溶媒とは各々異なっていても同一でもよい。
【0023】
この発明の接着性の改良されたポリマ−ブレンドからなるフィルムは、好適には前記のポリイミドを与えるポリアミック酸の有機溶媒溶液にイミド化触媒を加えた後、前記のポリベンズイミダゾ−ルの溶液と所定量混合し、支持体(例えばガラス板、ステンレス基板、ステンレスベルトなど)上に流延塗布し、自己支持性となる程度(通常のキュア工程前の段階を意味する)、例えば100−180℃で5−60分間程度加熱して製造される。
【0024】
前記のイミド化触媒としては、置換もしくは非置換の含窒素複素環化合物、該含窒素複素環化合物のN−オキシド化合物、置換もしくは非置換のアミノ酸化合物、ヒドロキシル基を有する芳香族炭化水素化合物または芳香族複素環状化合物が挙げられ、特に1,2−ジメチルイミダゾ−ル、N−メチルイミダゾ−ル、N−ベンジル−2−メチルイミダゾ−ル、2−メチルイミダゾ−ル、2−エチル−4−イミダゾ−ル、5−メチルベンズイミダゾ−ルなどの低級アルキルイミダゾ−ル、N−ベンジル−2−メチルイミダゾ−ルなどのベンズイミダゾ−ル、イソキノリン、3,5−ジメチルピリジン、3,4−ジメチルピリジン、2,5−ジメチルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、4−n−プロピルピリジンなどの置換ピリジンなどを好適に使用することができる。このイミド化触媒の使用量は、ポリアミド酸のアミド酸単位に対して0.01−2倍当量、特に0.02−1倍当量程度であることが好ましい。このイミド化触媒を使用することによって、得られるポリマ−ブレンドフィルムの物性、特に伸びや端裂抵抗が改良されるので好ましい。
【0025】
前記の方法において、熱処理は結晶性ポリイミドのガラス転移温度以上の温度で500℃以下の温度、特に350−500℃の最高温度まで加熱して熱処理することが好ましい。特に100−250℃で1−30分程度、次いで400−500℃で0.5−30分程度、多段加熱することが好ましい。
【0026】
前記の方法によれば、ポリイミドとポリベンズイミダゾ−ルとが一体化したポリマ−ブレンドからなるフィルムを得ることができる。この発明の接着性の改良されたポリマ−ブレンドフィルムは、ポリイミドの特性を損なうことがほとんどなく接着性が大幅に改善されている。特に、ポリマ−ブレンドフィルムの厚みが10−100μmである場合、引張強度が30−100kg/mm2 、弾性率が400−1200kg/mm2 、伸びが30−100%、吸水率(23℃、水中浸漬24時間後)が6.0%以下、熱膨張係数(23−300℃、TD、MDとも)が0.55x10−5−2.5x0−5cm/cm/℃である。
【0027】
この発明の積層体は、例えば前記ポリマ−ブレンドからなるフィルムの片面あるいは両面に、耐熱性接着剤層を設け、さらに金属箔を重ね合わせ、加熱・加圧して得ることができる。前記の耐熱性接着剤としては、電子分野で使用されている耐熱性接着剤であれば特に制限はなく、例えばポリイミド系接着剤、エポキシ変性ポリイミド系接着剤、フェノ−ル樹脂変性エポキシ樹脂接着剤、エポキシ変性アクリル樹脂系接着剤、エポキシ変性ポリアミド系接着剤などが挙げられる。この耐熱性接着剤層はそれ自体電子分野で実施されている任意の方法が設けることができ、例えば前記のポリマ−ブレンドフィルム、成形体に接着剤溶液を塗布・乾燥してもよく、別途に形成したフィルム状接着剤と張り合わせてもよい。
【0028】
前記の金属としては、単一金属あるいは合金、例えば、銅、アルミニウム、金、銀、ニッケル、ステンレスの各種金属箔、各種金属メッキ層が挙げられるが、好適には圧延銅、電解銅などがあげられる。金属層の厚さは特に制限はないが、0.1μm〜10mm、特に5〜60μmが好ましい。
【0029】
この発明の積層体には、他の基材、例えばセラミックス、ガラス基板、シリコンウエハ−や同種あるいは異種の金属あるいはポリイミドフィルムなどの成形体をさらに耐熱性接着剤によって接着してもよい。
【0030】
この発明の積層体の一例である金属層積層基板は電子部品用基板として好適に使用できる。例えば、プリント回路基板、電力用回路基板、フレキシブルヒ−タ−、抵抗器用基板として好適に使用することができる。またLSI等のベ−ス基材等の線膨張係数が小さい材料上に形成する絶縁膜、保護膜等の用途に有用である。
【実施例】
【0031】
以下、この発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明する。
ポリイミド前駆体溶液(ド−プ液)の合成例1
反応容器にN、N−ジメチルアセトアミド(DMAc)を加え、撹拌および窒素流通下、パラフェニレンジアミン(PPD)を添加し、50℃に保温し完全に溶解させた。この溶液にジアミン成分とジカルボン酸成分とが等モル量となる割合の3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BPDA)を発熱に注意しながら徐々に添加し、添加終了後50℃を保ったまま3時間反応を続けて、モノマ−濃度18質量%のポリイミド前駆体溶液(黄色粘調液体、30℃における溶液粘度は約1800ポイズ)を得た。さらに、ポリアミック酸に対して0.05倍当量の1,2−ジメチルイミダゾ−ルを添加した。この溶液を第1液と称する。
【0032】
実施例1〜5
第1液と第2液(ポリベンズイミダゾ−ル溶液、クラリアントジャパン株式会社製、PBI MRS0810H)とを表1の比率で混合し、ガラス基板上に最終膜厚12.5μm、25μmとなるように塗布し、135℃で3分加熱して自己支持性フィルムを形成し、ガラス基板から剥離した後、ピンテンタ−に貼り付けて180℃で3分(最終膜厚12.5μm)または130℃で3分、180℃で1分(最終膜厚25μm)、320℃で2分加熱した後、450℃まで5分で昇温し、450℃に2分保持して熱処理することによりポリマ−ブレンドフィルムを得た。また、得られたポリマ−ブレンドフィルムに、デュポン株式会社製アクリル系接着剤(パイララックス)、圧延銅箔(日鉱マテリアル社製BHY−13H−T箔、Ra:0.18μm)を重ね合わせ、プレスにて、180℃、30Kgf/cm2で5分間圧着、さらに180℃で60分間熱処理して積層板を得た。この積層板の界面の90度ピ−ル強度を測定し、接着強度を評価した。結果を表1に示す。これらのフィルムはいずれも450℃以下に明確なガラス転移点を示さなかった。さらに、得られた膜厚25μmポリイミドフィルムの引張り特性を評価した。結果を表1に示す。
【0033】
比較例1
第1液のみを用いた以外は、実施例1と同様の評価を行った。
結果を表1に示す。
【0034】
比較例2
第2液のみを用いた以外は、実施例1と同様の評価を行った。
結果を表1に示す。
【0035】
【表1】

【0036】
実施例6〜9
第1液と第2液を表2の比率で混合し、第3液とした。前記の第1液(コア層)および第3液(表層)を使用して、三層押出しダイスから、平滑な金属製支持体の上面に押出して流延し、135℃で3分加熱して自己支持性フィルムを形成し、ガラス基板から剥離した。
次にピンテンタ−に貼り付けて、130℃で5分、180℃で5分、210℃で5分、320℃で2分加熱した後、450℃まで5分で昇温し、450℃に2分保持して熱処理することにより三層フィルムを得た。得られた三層フィルムは、各層の厚みが1μm/10μm/1μmであった。得られた三層フィルムに、デュポン株式会社製アクリル系接着剤(パイララックスLF−0100)、圧延銅箔(日鉱マテリアル社製BHY−13H−T箔、Ra:0.18μm)を重ね合わせ、プレスにて、180℃、30Kgf/cm2で5分間圧着、さらに180℃で60分間熱処理して積層板を得た。この積層板の界面の90度ピ−ル強度を測定し、接着強度を評価した。結果を表2に示す。
【0037】
比較例3
第1液を用いて基板層のみを形成した他は、実施例4と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
【0038】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
1質量%以上50質量%以下の比率でポリベンズイミダゾ−ルが均一に混合されていることを特徴とするポリイミドとポリベンズイミダゾ−ルのポリマ−ブレンド。
【請求項2】
ポリイミドが、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミンとを成分とすることを特徴とする請求項1に記載のポリマ−ブレンド。
【請求項3】
ポリベンズイミダゾ−ルが、3,3’,4,4’−テトラアミノビフェニルとイソフタル酸を成分とすることを特徴とする請求項1に記載のポリマ−ブレンド。
【請求項4】
フィルムに成形して測定した引張弾性率が400kg/mm2以上1200kg/mm2未満である請求項1に記載のポリマ−ブレンド。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載のポリマ−ブレンドからなるフィルム。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれかに記載のポリマ−ブレンドからなる層を少なくとも片面に有するフィルム。
【請求項7】
請求項1〜3のいずれかに記載のポリマ−ブレンドからなる層の少なくとも片面に直接あるいは耐熱性接着剤を介して基材が積層されてなる積層体。
【請求項8】
基材が、金属層である請求項7に記載の積層体。

【公開番号】特開2006−290967(P2006−290967A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−111188(P2005−111188)
【出願日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(000000206)宇部興産株式会社 (2,022)
【Fターム(参考)】