説明

ポリマーの堆積を低減するためのRF吸収材料を含むプラズマ閉じ込めリング

【課題】プラズマプロセスチャンバ用プラズマ閉じ込めリングのプラズマ曝露面の上へのポリマーの堆積を大幅に低減する。
【解決手段】プラズマプロセスチャンバ用プラズマ閉じ込めリングのプラズマ曝露面の上で十分に高い温度に達するようになされる。プラズマ閉じ込めリングは、リングの部分の加熱を効果的に向上させるRF損失材料を含む。加熱効果を向上させるために低放射率材料をプラズマ閉じ込めリングアセンブリの部分に設けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマーの堆積を低減するためのRF吸収材料を含むプラズマ閉じ込めリングに関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマプロセスチャンバは、上方電極および下方電極を備えることができる。上方電極は、一般に、プラズマプロセス中に半導体基板を支持するように構成された基板支持部に面する。プラズマプロセス中に、電力が一方または両方の電極に供給され、プロセスガスを活性化させ、基板を処理するためのプラズマを生成する。
【0003】
プラズマエッチングは、半導体基板上の層として設けられた選択された材料をエッチングするためにプラズマプロセスにおいて行うことができる。プラズマが層の所望のフィーチャをエッチングするように、処理条件が選択される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5,534,751号
【特許文献2】米国特許第5,998,932号
【特許文献3】米国特許第6,019,060号
【特許文献4】米国特許第6,178,919号
【特許文献5】米国特許第6,527,911号
【特許文献6】米国特許第6,073,577号
【特許文献7】米国特許出願第11/083,241号
【特許文献8】米国特許第6,391,787号
【特許文献9】米国特許出願第10/743,062号
【特許文献10】米国特許第6,090,304号
【発明の概要】
【0005】
プラズマプロセスチャンバ用のプラズマ閉じ込めリングアセンブリのプラズマ閉じ込めリングの実施形態は、表面およびRF損失材料を含む。RF損失材料は、プラズマ閉じ込めリングがプラズマプロセスチャンバ内のプラズマに曝露された場合において、面の上へのポリマーの堆積を大幅に低減するために十分に高い温度に前記面が達するようにRFエネルギーを結合するように機能する。
【0006】
プラズマプロセスチャンバ用のプラズマ閉じ込めリングアセンブリの1つの実施形態は、積み重ねて配置された少なくとも2つのプラズマ閉じ込めリングを備える。それぞれのプラズマ閉じ込めリングは、プラズマ曝露面およびRF損失材料を含む。プラズマ閉じ込めリングがプラズマプロセスチャンバ内のプラズマに曝露された場合において、RF損失材料は、それぞれのプラズマ閉じ込めリングのプラズマ曝露面がプラズマ曝露面の上へのポリマーの堆積を大幅に低減するために十分に高い温度に達するようにRFエネルギーを結合するように機能する。
【0007】
プラズマプロセスチャンバ用のプラズマ閉じ込めリングアセンブリの別の実施形態は、積み重ねて配置された少なくとも2つのプラズマ閉じ込めリングを含む。それぞれのプラズマ閉じ込めリングは、プラズマ曝露面およびRF損失材料を含む。プラズマ閉じ込めリングがプラズマプロセスチャンバ内のプラズマに曝露された場合において、RF損失材料は、それぞれのプラズマ閉じ込めリングのプラズマ曝露面がプラズマ曝露面の上へのポリマーの堆積を大幅に低減するために十分に高い温度に達するようにRFエネルギーを結合するように機能する。
【0008】
プラズマプロセスチャンバ用のプラズマ閉じ込めリングアセンブリの別の実施形態は、積み重ねて配置された少なくとも2つのプラズマ閉じ込めリングを含む。それぞれのプラズマ閉じ込めリングは、プラズマ曝露面およびプラズマに曝露されない埋め込まれたRF損失材料を含む。プラズマ閉じ込めリングがプラズマプロセスチャンバ内のプラズマに曝露された場合において、RF損失材料は、それぞれのプラズマ閉じ込めリングのプラズマ曝露面がプラズマ曝露面の上へのポリマーの堆積を大幅に低減するために十分に高い温度に達するようにRFエネルギーを結合するように機能する。
【0009】
プラズマプロセスチャンバ用のプラズマ閉じ込めリングアセンブリの別の実施形態は、外側リングに支持されるようになされた内側リングを有する装着リングを含む。内側リングは、プラズマ曝露内面、内面の反対側の外面、および外面の上の電導性の低放射率材料の被覆を含む。少なくとも2つのプラズマ閉じ込めリングが積み重ねて配置され、装着リングから懸架されるようになされる。
【0010】
プラズマプロセスチャンバ内の半導体基板を加工する方法の1つの実施形態は、積み重ねて配置された少なくとも2つのプラズマ閉じ込めリングを備えるプラズマプロセスチャンバにプロセスガスを供給するステップを含み、そのステップでは、それぞれのプラズマ閉じ込めリングは、プラズマ曝露面およびRF損失材料を含み、プロセスガスからプラズマを生成し、プラズマプロセスチャンバ内の半導体基板をエッチングする。エッチング中に、RF損失材料は、それぞれのプラズマ閉じ込めリングのプラズマ曝露面がプラズマ曝露面の上へのポリマーの堆積を大幅に低減するために十分に高い温度に達するようにRFエネルギーを結合する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】プラズマ閉じ込めリングアセンブリの1つの実施形態の部分を示す図である。
【図2】2片構造を有するプラズマ閉じ込めリングの別の実施形態の側面図である。
【図3A】埋め込まれたRF損失材料を備えるプラズマ閉じ込めリングの別の実施形態の上面図である。
【図3B】線3B〜3Bに沿った図3Aに示されたプラズマ閉じ込めリングの断面図である。
【図4A】2片の装着リングを備えるプラズマ閉じ込めリングアセンブリの別の実施形態の部分を示す図である。
【図4B】支持要素が外側リング内の窪みから取り外された、図4Aに示された装着リングの外側リングの拡大部分図である。
【図4C】支持要素が外側リングの窪みに受けられた、図4Bに示される装着リングの外側リングを示す図である。
【図5】プラズマ閉じ込めリングアセンブリの1つの実施形態を備えるプラズマプロセスチャンバを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
容量結合チャンバなどの平行平板プラズマプロセスチャンバは、シャワーヘッド電極などの上方電極、および下方電極を含む。上方電極は、一般に、処理される半導体基板に面する。プラズマプロセス中に、電力が一方または両方の電極に供給され、プロセスガスを活性化させ、基板を加工するためのプラズマを生成する。
【0013】
そのようなプラズマプロセスチャンバの内側の面は、(たとえば「RF加熱面」などの)電力面、接地面、または(絶縁材料からなる)浮遊面であることができる。異なるエネルギーが、プラズマプロセス中にこれらの異なるタイプの面に供給され、または衝突する。平行平板プラズマプロセスチャンバ内のチャンバ部分の加熱特性は、部分の曝露される面に供給されるイオンエネルギーおよびイオン流束に依存し、部分の赤外線(IR)エネルギー吸収特性にも依存する。接地(リターンパス)面および電力面は、プラズマからかなりのイオンエネルギーを受ける。その結果、これらの面は浮遊部分または浮遊面よりも加熱される傾向があり、同時にかなり異なる温度に達する傾向がある。
【0014】
フルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、またはそのようなガスの前駆物質を含むプロセスガスなどの高重合度化プロセスガスの化学的性質は、酸化ケイ素などの誘電物質をエッチングするために使用できる。そのようなプラズマエッチングプロセス中に、ポリマーがプラズマプロセスチャンバの内側の面に堆積する可能性がある。ポリマーの堆積は、面から剥離し、処理された基板(たとえば、処理されたウェーハなど)を汚染し、同時にチャンバを汚染する可能性があるので望ましくない。しかし、デバイスのフィーチャが縮小しつづけると、繰返し可能な処理の結果を得るために、基板およびプラズマ曝露チャンバ面をウェーハからウェーハにわたって清浄に維持することが次第に望ましくなる。したがって、ポリマーエッチング堆積がチャンバ部分の内側の面に形成されることを低減し、好ましくは防止することが望ましい。
【0015】
プラズマプロセス作業中に、熱が部分およびその他のチャンバ面から、および/またはそれらに(部分が別の面と物理的に接触している場合に)熱伝導によって、(電磁波が熱を部分におよび/またはそこから運ぶ場合に)放射によって、および(熱がチャンバ内の移動流体によって運搬される場合に)対流によって伝達できる。部分からの対流熱損失は、チャンバ圧力が増加するとともに上昇する。プラズマプロセス中のプラズマ曝露部分または面の温度上昇ΔTは、Q=mcΔTの関係式に従って、部分または面に加えられた熱量Q、ならびに部分の質量mおよび比熱cに依存する。したがって、部分に加えられる所与の熱量に対して、部分の質量を増加させると部分の温度上昇が低下する。したがって、高い質量(または高い熱容量)を有する部分は、プラズマプロセス中に、部分のプラズマ曝露される面の上へのポリマーの堆積をなくすために十分に高い温度に達しない可能性がある。
【0016】
一般に、ポリマーの堆積は、プラズマプロセス動作中にプラズマプロセスチャンバのより冷たいプラズマ曝露面により多く形成される傾向がある。浮遊面は、より冷たい面である傾向があり、それによって一般にそれらを動力面または接地面と比べてポリマーの蓄積を形成する傾向が大きい。
【0017】
プラズマプロセスチャンバ内のある部分のプラズマ曝露面の上へのポリマーの堆積の問題は、その部分を活性的に加熱することによって対処できる。たとえば、チャンバ壁は、面の上へのポリマーの堆積をなくすために十分高い温度に、それらのプラズマ曝露の内側の面を保つように加熱できる。シャワーヘッド電極アセンブリおよび静電チャックの活性化温度の制御も使用できる。しかし、そのような面は、電力供給または接地され、その結果として高いイオンエネルギーを受けるので、電力供給または接地される面を活性的に加熱しなくても、ポリマーは浮遊面よりもこれらの面の上に堆積する傾向が少ない。
【0018】
あるいは、ポリマーの堆積の問題は、チャンバ面から形成されたポリマーの堆積を除去することによって対処できる。たとえば、ポリマーの堆積は、アグレッシブなプラズマ化学を用いて除去することができる。あるいは、プラズマチャンバはポリマーの堆積をチャンバ面から除去するために、湿式洗浄されうる。しかし、そのような洗浄技術は、プロセスのスループットを低下させる。
【0019】
所望のプロセスの効率化およびエッチングの均一性を得る目的で、平行平板プラズマプロセスチャンバの上方電極と下方電極の間に画定されるプラズマ閉じ込め領域内にプラズマを閉じ込めることができる。プラズマ閉じ込めリングアセンブリは、そのようなプラズマの閉じ込めを形成するのに使用できる。例示のプラズマ閉じ込めリングアセンブリが、本出願人が所有する米国特許第5,534,751号、米国特許第5,998,932号、米国特許第6,019,060号、米国特許第6,178,919号、および米国特許第6,527,911号に開示されている。米国特許第5,534,751号に記載されるように、プラズマ閉じ込めリングアセンブリは、複数のプラズマ閉じ込めリングを備えることができる。リングは、内面から外面に隣接するリングの間に径方向に延出する複数のガス経路を画定するために積み重ねて配置される。プラズマ内の荷電粒子は、粒子が通路を通過すると中性化され、それによってプラズマ閉じ込め領域の外側での放電(すなわちプラズマの「閉じ込め解除」)の傾向を最小限に抑える。
【0020】
同様に米国特許第5,534,751号に記載されているように、プラズマ閉じ込めリングアセンブリは、プラズマエッチングプロセス中にポリマーの堆積をプラズマ閉じ込めリングそれ自体にのみ閉じ込めることができる。しかし、チャンバおよび基板の汚染問題を大幅に低減し、好ましくは防止し、同時にプラズマ閉じ込めリングから形成されたポリマーの堆積を除去するために行われる追加のチャンバ清掃ステップをなくす目的で、閉じ込めリング上へのそのようなポリマーの堆積を大幅に低減し、好ましくは防止することが望ましい。
【0021】
上述のポリマーの堆積の問題に照らして、面を活性的に加熱することなくそれらの面の上へのポリマーの堆積を大幅に低減し、好ましくは防止するために、リングのプラズマ曝露面の上で十分に高い温度に達するようになされたプラズマ閉じ込めリングが提供できることが定められる。より好ましくは、プラズマ閉じ込めリングは、プラズマ曝露面を備えるリングの選択された部分に加熱を局所化できる。加熱は、RF損失材料によって局所化できる。
【0022】
本明細書では、「RF損失材料」は、RFエネルギーを吸収できる電導性材料、すなわちRF放射線に対して透過性でない材料である。したがって、RF損失材料は、RFエネルギーを結合できる。したがって、RF損失材料が加熱される。プラズマ閉じ込めリングに使用できる例示のRF損失材料には、それには限定されないが、ドープされたSi(すなわちその電気抵抗率を制御するための適切なタイプおよび量のドーパントを使用してドープされたケイ素)、およびSiCが含まれる。さらに、RF損失材料は、プラズマ閉じ込めリングのいくつかの実施形態に関して金属、金属合金、および磁気材料を含む金属材料であることができる。
【0023】
RF損失材料は、表皮深さを有する。「表皮深さ」は、一般に電流が面での電流の1/e(0.37)にある、導体の面の下の深さとして定義される。表皮深さdは、以下の式d=(2ρ/ωμ)1/2で与えられる。ただし、ρは材料の電気抵抗率、ωは電流の角周波数(すなわちω=2πf、ただしfは周波数)、およびμは、材料の絶対透磁率である。この式によれば、表皮深さは、RF損失材料の電気抵抗率が上昇すると増加する。たとえば、SiCの電気抵抗率は、約10μΩ−cmから10μΩ−cmまで変化する可能性があることが報告されている。したがって、この電気抵抗率の範囲にわたって、また13.56MHzのRF周波数で、SiCの表皮深さは、約150μmから約5000μmの範囲にあることができる。
【0024】
電導性であることに加えて、RF損失材料は、その上のポリマーの堆積を大幅に低減し、好ましくは防止するために十分に高い温度にそれが達するように、プラズマプロセスチャンバにプラズマが生成される周期中にそれが十分なRFエネルギーを吸収できるように十分な体積(すなわち熱質量)を有することが好ましい。1つの実施形態では、RF損失材料は、RFエネルギーを結合し、十分な熱質量をもたらすのに適切な厚さを有することができる。たとえば、使用されるRF損失材料の厚さは、プラズマプロセスチャンバ内のRF損失材料に入射するRF周波数に関するRF損失材料のおよそ表皮深さから表皮深さの3倍までの範囲にあることができる。1つまたは複数の周波数でRFパワーを供給できる1つまたは複数のRF供給源を備えるプラズマプロセスチャンバ内での使用に関しては、RF材料の厚さは、たとえばプラズマプロセスチャンバ内でRF材料がそれに対して曝露される最低の周波数に基づいて選択できる。
【0025】
プラズマ閉じ込めリング内では、RF損失材料がプラズマプロセスチャンバ内のプラズマに曝露できる。別の実施形態では、RF損失材料は、プラズマに曝露されないように保護できる。たとえば、RF損失材料は、プラズマ閉じ込めリングの1つまたは複数の面の上の被覆であることができる。別の実施形態では、1つまたは複数のプラズマ閉じ込めリングの1つの部分がRF損失材料から作製できる。別の実施形態では、RF損失材料は、それがプラズマに曝露されないように1つまたは複数のプラズマ閉じ込めリングに埋め込むことができる(すなわちプラズマに曝露される別の材料によって密封される)。
【0026】
図1は、プラズマ閉じ込めリングアセンブリ10の実施形態を示す。プラズマ閉じ込めリングアセンブリ10の実施形態は、少なくとも2つのプラズマ閉じ込めリングを備える。図1に示されるプラズマ閉じ込めリングアセンブリ10は、同心円の配置で、装着リング12、ならびに装着リング12から懸架された4つのプラズマ閉じ込めリング14、16、18、および20を備える。装着リング12ならびにプラズマ閉じ込めリング14、16、18、および20は、プラズマプロセスチャンバ内でそれらの位置を調整するために、たとえばプラズマ閉じ込めリング間の間隙の寸法を制御するように垂直方向に移動可能であることが好ましい。図1では、プラズマ閉じ込めリング14、16、18、および20は、それぞれの対のリング14、16;16、18;および18、20の間に径方向に延出する間隙を含む積み重ねられた配置として示される。間隙は、ガス流れ通路を形成する。
【0027】
装着リング12ならびにプラズマ閉じ込めリング14、16、18、および20は、石英、融解石英、窒化ケイ素、またはアルミナなど電気絶縁(誘電)材料からなる電気的に浮遊する部分である。高純度石英は、これらの部分に関して、特に誘電材料のエッチングプロセスに使用するために好ましい材料である。石英は、RF透過性である。
【0028】
図1に示される実施形態では、装着リング12ならびにそれぞれのプラズマ閉じ込めリング14、16、18、および20は、単一片の絶縁材料からなる。
【0029】
図1に示されるように、プラズマ閉じ込めリング14、16、18、および20は、1つまたは複数のハンガ22を備える要素などの装着要素によって装着リング12に連結でき、ハンガ22は、それぞれのプラズマ閉じ込めリング14、16、18、および20に形成されたそれぞれの穴24を通って延出する。ハンガ22とプラズマ閉じ込めリング14、16、18、および20の間の直接的な接触を防止するために、インサート部26をそれぞれの穴24に挿入できる。ハンガ22をフィッティング32に対して弾性的に付勢するために、ハンガ22の内部シャフト30にばね28を装着できる。
【0030】
丸みのある半導体基板をエッチングするために、プラズマ閉じ込めリング14、16、18、および20は、それぞれ内径面34、36、38、および40、ならびにそれぞれ外径面42、44、46、および48を備える。内径面34、36、38、および40は、プラズマ曝露面である。プラズマ閉じ込めリング14、16、18、および20は、300mmのウェーハを加工するためのたとえば約17インチの内径などの、加工される基板寸法に関する適切な寸法を有する。図1に示されるように、それぞれのプラズマ閉じ込めリング14、16、18、および20の内径面34、36、38、および40は、互いに、および装着リング12に垂直に整列されることが好ましい。
【0031】
実施形態では、RF損失材料がそれぞれのプラズマ閉じ込めリング14、16、18、および20の1つまたは複数の、好ましくは各内径面34、36、38、および40上に被覆として加えられる。たとえば、被覆はドープされたケイ素またはSiCからなることができる。被覆は、スパッタ堆積、化学気相堆積(CVD)、熱または電子ビーム蒸着、あるいはプラズマ溶射堆積などの任意の適切な堆積技術によって加えることができる。被覆は、加熱される表面積を最大にするためにプラズマ閉じ込めリングの内径面全体を覆うことが好ましい。別の実施形態では、被覆は1つまたは複数のプラズマ閉じ込めリングの内径面全体より少ない部分を覆うことができる。
【0032】
RF損失材料の被覆は、たとえばプラズマプロセスチャンバ内のRF損失材料に入射するRF周波数に関するRF損失材料のおよそ表皮深さから表皮深さの3倍までの適切な厚さの範囲を有することができる。
【0033】
半導体基板のプラズマプロセス中に、プラズマ閉じ込めリング14、16、18、および20は、プラズマによって加熱され、プラズマプロセスチャンバ内のその他の熱伝達のメカニズムにも曝される。RF損失材料はRFエネルギーと結合し、したがって優先的に加熱される。その結果、それぞれのプラズマ閉じ込めリング14、16、18、および20の内径面34、36、38、および40は、プラズマプロセス中にこれらの面の上へのポリマーの堆積を大幅に低減し、好ましくは防止するために十分に高い温度に達することができる。
【0034】
別の実施形態では、閉じ込めリングアセンブリの1つまたは複数の、より好ましくはそれぞれのプラズマ閉じ込めリングは、RF損失材料を含む閉じ込めリングの部分からRF損失材料に隣接する閉じ込めリングの部分への熱伝導を低減するように構築され、それによって閉じ込めリング上へのポリマーの堆積を大幅に低減し、好ましくは防止するのに十分高い温度にRF損失材料を維持する。実施形態では、1つまたは複数の、好ましくはそれぞれのプラズマ閉じ込めリングは、RF損失材料から隣接するプラズマ閉じ込めリングの部分への熱伝導を低減することができるサーマルチョーク部を備える。
【0035】
実施形態では、プラズマ閉じ込めリングアセンブリ10のプラズマ閉じ込めリングのうちの少なくとも1つが複数片の構造を有することができる。たとえば、図2に示されるプラズマ閉じ込めリング220の実施形態は、外側リング223に支持される内側リング221を備える。内側リング221および外側リング223は、石英などの誘電材料からなることができる。内側リング221はプラズマ曝露内径面240を備え、その上にRF損失材料の被覆241が加えられる。
【0036】
別の実施形態では、内側リング221全体がRF損失材料からなる。たとえば、内側リング221はドープされたケイ素またはSiCからなることができる。外側リング223は、石英などの適切な誘電材料からなることができる。
【0037】
プラズマ閉じ込めリング220では、内側リング221が外側リング223に支持されて内側リング221と外側リング223の対向する面の間に少なくとも1つの間隙225を画定する。間隙225はサーマルチョークとして作用し、それは、特に内側リング221の内径面240がプラズマに曝露された場合に、内側リング221から外側リング223への熱伝導を低減するように機能する。間隙225を提供することによって、内径面240は、プラズマプロセス中に面240上へのポリマーの堆積を大幅に低減し、好ましくは防止するのに十分高い温度に維持できる。
【0038】
図3Aおよび3Bは、内径面340および埋め込まれたすなわち密封されたRF損失材料360を含むプラズマ閉じ込めリング320の別の実施形態を示す。埋め込まれたRF損失材料360は、閉じ込めリングアセンブリの1つまたは複数の、好ましくはそれぞれのプラズマ閉じ込めリングに設けることができる。
【0039】
図3Aに示されるように、RF損失材料は、円形の構成を有することができる。プラズマプロセス中にRF損失材料360の加熱によって生じる内径面340の加熱を最大にするために、RF損失材料360と内径面340の間の径方向の距離は最小限に抑えることができる。
【0040】
図3Bに示されるように、プラズマ閉じ込めリング320は、境界面370に沿って接合された上方リング部分362および下方リング部分364を含む2片構造を有することができる。RF損失材料360は、上方リング部分362および/または下方リング部分364に形成された窪み361に配置できる。窪み361は、半円形、(図示されるような)円形、溝形状などの適切な形状を有することができる。窪み361は、レーザアブレーションまたはエッチングなどのプラズマ閉じ込めリング320の材料を加工するのに適した技術によって形成できる。RF損失材料360は、内径面340全体の周囲の加熱の均一性を向上させるために窪み361に沿って連続的に延出できる。あるいは、RF損失材料360は、非連続的に延出することができる。RF損失材料360は、たとえば、固体のビードまたは粉末の形態であることができる。
【0041】
プラズマ閉じ込めリング320の上方リング部分362および下方リング部分364は、任意の適切な接合技術によって境界面370に沿って接合できる。たとえば、上方リング部分362および下方リング部分364は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる、本願の権利者が所有する米国特許第6,073,577号に記載されるような半導体基板のプラズマプロセス中にプラズマ閉じ込めリングが一般に面するチャンバの状態と親和性のあるエラストマー材料などの適切な接着剤によって接着できる。エラストマー材料は、任意選択で熱伝導性粒子の充填物を含むことができる。
【0042】
エラストマーは、エラストマーの熱伝導性を向上させるために、熱伝導性材料の粒子、たとえばSi、SiC、金属、または金属合金を含むことができる。金属は、プラズマプロセスチャンバの不純物に感度の高い環境で使用するのに適している。内径面340への熱伝達を向上させ、それによって内径面340のポリマーの堆積を最小限に抑えるために、熱伝導性エラストマーをRF損失材料360と内径面340の間の境界面370に加えることができる。
【0043】
別の実施形態では、上方リング部分362および下方リング部分364は、溶接技術によって境界面370で接合できる。たとえば、溶接技術は、COレーザなどを使用するレーザ溶接であることができる。上方リング部分362および下方リング部分364は、内径面340および外径面348の周囲の境界面370でレーザ溶接できる。
【0044】
RF損失材料360をプラズマ閉じ込めリング320に埋め込むことによって、RF損失材料360は、プラズマに曝露されないように保護される。したがって、RF損失材料360は、RF結合をもたらす金属、金属合金、または磁気材料(たとえばフェライト)などの材料であることができる。選択された材料は、プラズマプロセス中に、内径面340上へのポリマーの堆積を大幅に低減し、好ましくは防止するために十分なプラズマ曝露内径面の加熱を生じるのに十分高い温度に達するための適切な熱伝導性および体積を有することができる。
【0045】
図4A〜4Cは、プラズマ閉じ込めリングアセンブリ400の別の実施形態を示す。閉じ込めリングアセンブリ400は、装着リング402、ならびに装着リング402から懸架されたプラズマ閉じ込めリング420、430、および440の積み重ねを備える。装着リング402は、外側リング405の上に支持された内側リング410を備える。内側リング410は、プラズマ曝露内面412、内面412の反対側の外面413、および外面413上の被覆414を備える。被覆414は、サーマルチョークを与える、間隙416によって外側リング405から分離される。
【0046】
プラズマ閉じ込めリング420、430、および440は、それぞれのプラズマ曝露内面422、432、442、および外面428、438、448を備える。実施形態では、プラズマ閉じ込めリングアセンブリ400は、4つ以上のリングなどの、3つ以上のプラズマ閉じ込めリング420、430、および440、または2つのリングを備えることができる。
【0047】
実施形態では、内側リング410は、石英などのRF透過性材料であることが好ましい。間隙416は、内側リング410から外側リング405への伝導性の熱伝達を低減することができる。内側リング410から405への熱損失は、大半が放射損失であるとすることができる(Tの放射率によって大半を占める)。そのような放射損失を低減する目的で、内側リング410の外面413上の被覆414は、電導性の低放射率材料からなる。たとえば、被覆414は、ニッケル、インジウムスズ酸化物(ITO)、フッ化スズ酸化物(FTO)などの適切な材料であることができる。被覆414を外面413に加えると、内側リング410は外側リング405により少ないパワーを放射し、すなわち熱損失が低減し、それによって内側リング410を効果的により熱く保つことができる。内側リング410は、RFに対して透過性であるので、RFは被覆414で電流を生じ、それによってパワーが被覆内で消散される。被覆414は内側リング410に接着されるので、被覆414は内側リング410の加熱出力を補うことができる。
【0048】
内側リング410は、任意の適切な寸法を有することができる。たとえば、内側リング410の厚さは、約0.05インチから約0.30インチ、好ましくは約0.10インチから約0.20インチの間にあることができる。
【0049】
実施形態では、外側リング405はその内周部に形成された複数の円周方向に間隔を置いて配置された窪み417を備える。図4Bおよび4Cは、窪み417、および窪み417(図4C)に取外し可能に受けられる支持要素415を含む外側リング405の一部分を示す。図4Aに示されるように、内側リング410は支持要素415に支持される。支持要素415は、たとえば丸い球であることができ、またはそれらはその他の適切な形状を有することができる。そのような丸い球は、支持要素415と内側リング410の間の接触領域を低減し、それによって内側リング410から外側リング405への熱伝達を低減することができる。支持要素415は、TEFLON(登録商標)(ポリテトラフルオロエチレン)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)などからなることができる。
【0050】
図4Aに示されるように、プラズマ閉じ込めリング420および430は、それぞれサーマルチョーク424、426、および434、436を備えることができる。閉じ込めリング440は、同様に1つまたは複数のサーマルチョークを備えることができる。サーマルチョーク424、426、および434、436は、それぞれのプラズマ閉じ込めリング420、430に形成されたスロットであることができる。サーマルチョークは、プラズマ曝露内面422、432がプラズマプロセス作業中にプラズマに曝露された場合に、それぞれの内面422、432からの熱伝達を低減することができる。したがって、内面422、432は、プラズマプロセス中に内面422、432上へのポリマーの堆積を大幅に低減し、好ましくは防止するために十分に高い温度に達することができる。プラズマ閉じ込めリングアセンブリ400のプラズマ閉じ込めリング420、430、および440に使用できる適切なサーマルチョークは、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる、本願の権利者が所有する米国特許出願第11/083,241号に記載されている。
【0051】
プラズマ閉じ込めリングアセンブリのその他の実施形態のプラズマ閉じ込めリングは、同様にサーマルチョークを備えることができる。たとえば、図1に示されるプラズマ閉じ込めリングアセンブリ10の1つまたは複数のプラズマ閉じ込めリング14、16、18、および20は、プラズマプロセス中にそれぞれの内面34、36、38、および40の加熱をさらに向上させるための1つまたは複数のスロットを備えることができる。
【0052】
RF損失材料は、(RF損失材料がプラズマに曝露される実施形態で)RF損失材料が配置されるプラズマ閉じ込めリングの面の上、または(RF損失材料がプラズマに曝露されない実施形態で)RF損失材料に隣接する面の上へのポリマーの堆積を大幅に低減し、好ましくは防止することができる。しかし、プラズマプロセス作業中にプラズマ閉じ込めリングのうちの任意の1つの上に少量のポリマーが堆積すると、そのようなポリマーの堆積は、連続的なウェーハのプロセスの間に行われる酸素プラズマ処理を使用してプラズマ閉じ込めリングから除去できる。プラズマ閉じ込めリングによって達成される温度は1つまたは複数のプラズマ閉じ込めリング上に堆積するポリマーが酸素プラズマによって大幅に除去できるように十分に高いことが望ましい。酸素プラズマ処理中のチャンバ圧力は、たとえば約500mTorrから700mTorrであることができる。
【0053】
別の実施形態では、閉じ込めリングアセンブリの1つまたは複数のプラズマ閉じ込めリングが、プラズマ閉じ込めリングのポリマーの付着を向上させる表面粗さ特性を有する外面を備えることができる。実施形態では、半導体基板のプラズマプロセス中に粗面化された面の上に堆積する可能性のあるポリマーは、ウェーハ面または半導体基板の上に剥がれ落ちないように面に付着する。たとえば、図2に示される複数片のプラズマ閉じ込めリング220では、外側リング部分223の上方および/または下方面が、面の上へのポリマーの付着を促進するように(たとえばショットブラスティングによって)粗面化できる。
【0054】
図5は、プラズマ閉じ込めリングアセンブリ10がその中に装着される容量結合プラズマプロセスチャンバ500の例示の実施形態を示す。プラズマプロセスチャンバ500は、底面504を有する上方電極502を備える。実施形態では、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第6,391,787号に記載されるように、底面504は、上方電極502の曝露面に隣接して形成されるプラズマの局所化された密度を制御するようになされるステップ506を備える。実施形態では、上方電極502は、プラズマプロセスチャンバ500内にプロセスガスを分配するために配置されたガス通路508を備えるシャワーヘッド電極である。上方電極502は、シリコン(たとえば単結晶シリコンまたは多結晶シリコン)、または炭化ケイ素からなることができる。
【0055】
実施形態では、上方電極502は、(たとえば200mmのウェーハプロセスなどの)単一片の電極である。上方電極502は、グラファイトまたは炭化ケイ素などの適切な材料からなる下地部材510に(たとえばエラストマー接着など)装着できる。下地部材510は、上方電極502での対応するガス通路508と流れ連通するガス通路512を備える。
【0056】
別の実施形態では、上方電極502は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる、本願の権利者が所有する米国特許出願第10/743,062号に記載されるなどの、2片構造(たとえば300mmウェーハプロセシングに関して)を有することができ、単片の内側電極部材、および内側電極部材を囲む外側の電極部材を備えることができる。実施形態では、下地部材510は、米国特許出願第10/743,062号に記載されるように、内側電極部材と同じ広がりの範囲の下地プレート、および外側電極部材と同じ広がり範囲の下地リングを備えることができる。
【0057】
図5に示されるプラズマプロセスチャンバ500の実施形態では、熱制御プレート514が下地部材510上に支持されている。熱制御プレート514は、米国特許出願第10/743,062号に記載されるように、上方電極502の温度を制御するように動作可能である1つまたは複数のヒータを備えることができる。
【0058】
プラズマプロセスチャンバ500は、上方電極502にプロセスガスを供給するためのガス供給源(図示されない)を備える。プロセスガスは、上方電極502でのガス通路508によってチャンバ内に分配される。上方電極502は、整合回路を介してRF電源516によって電力供給される。別の実施形態では、上方電極502は、プラズマプロセスチャンバ500の基板支持部520の底部電極によって供給される電力に関するリターンパスを形成するために電気的に接地できる。
【0059】
実施形態では、プロセスガスが上方電極502と、たとえば基板支持部520上に支持された半導体ウェーハなどの半導体基板522の間の空間との間のプラズマ発生領域でプラズマプロセスチャンバ500内に供給される。基板支持部520は、静電的な締付け力によって半導体基板522を基板支持部に固定する静電チャック524を備えることができる。静電チャック524は、底部電極として作用し、(一般的に整合回路を介して)RF電源525、527のうちの少なくとも1つによって付勢できる。
【0060】
半導体基板522のプラズマプロセス中に、プラズマ閉じ込めリングアセンブリ10は、上方電極502と半導体基板522の間のプラズマ閉じ込め領域内にプラズマを閉じ込める。縁部リング526、528は、エッチングの均一性を改善するべくプラズマを集中するために、半導体基板522を囲むように配置できる。
【0061】
真空ポンプ(図示されない)が、プラズマプロセスチャンバ500の内側の所望の真空圧を維持するようになされる。
【0062】
使用できる例示の平行平板のプラズマ反応器は、2周波数のプラズマエッチング反応器である(たとえば、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる、本願の権利者が所有する米国特許第6,090,304号を参照されたい)。そのような反応器では、エッチングガスがガス供給部からシャワーヘッド電極に供給でき、少なくとも2つのRF供給源からシャワーヘッド電極および/または底部電極に異なる周波数でRFエネルギーを供給することによってプラズマを反応器内で生成でき、あるいはシャワーヘッド電極は電気的に接地でき、RFエネルギーは2つ以上の異なる周波数で底部電極に供給できる。
【0063】
上記に本発明の原理、好ましい実施形態、および動作モードを説明した。しかし、本発明は論じられた特定の実施形態に限定されると解釈すべきではない。したがって、上述の実施形態は限定的ではなく例示的であると見なすべきであり、別紙の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱せずに当業者によってそれらの実施形態において変形形態が作製できることを理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマプロセスチャンバ用のプラズマ閉じ込めリングアセンブリのプラズマ閉じ込めリングであって、
表面と、
RF損失材料とを備え、
前記表面が前記プラズマプロセスチャンバ内のプラズマに曝露された場合に、前記表面の上へのポリマーの堆積を大幅に低減するために十分に高い温度に前記表面が達するように、前記RF損失材料がRFエネルギーを結合するように機能することを特徴とするプラズマ閉じ込めリング。
【請求項2】
前記RF損失材料がSiCまたはドープされたケイ素であることを特徴とする、請求項1に記載のプラズマ閉じ込めリング。
【請求項3】
前記RF損失材料が前記プラズマ閉じ込めリングの内径面の上の被覆であることを特徴とする、請求項1に記載のプラズマ閉じ込めリング。
【請求項4】
RF透過性材料を含むことを特徴とする、請求項1に記載のプラズマ閉じ込めリング。
【請求項5】
前記プラズマ閉じ込めリングが、
前記RF損失材料を含む内側リングと、
外側リングと、
前記内側リングと外側リングの間に画定された少なくとも1つの間隙とを備え、前記間隙が前記内側リングから前記外側リングへの熱伝達を低減するように機能することを特徴とする、請求項1に記載のプラズマ閉じ込めリング。
【請求項6】
前記内側リングが、基本的に前記RF損失材料からなることを特徴とする、請求項5に記載のプラズマ閉じ込めリング。
【請求項7】
積み重ねて配置された少なくとも2つのプラズマ閉じ込めリングであって、それぞれの前記プラズマ閉じ込めリングがプラズマ曝露面およびRF損失材料を備えるプラズマ閉じ込めリングを備え、
前記プラズマ閉じ込めリングが前記プラズマプロセスチャンバ内のプラズマに曝露された場合に、それぞれのプラズマ閉じ込めリングの前記プラズマ曝露面が前記プラズマ曝露面の上へのポリマーの堆積を大幅に低減するために十分に高い温度に達するように、前記RF損失材料がRFエネルギーを結合するように機能することを特徴とする、プラズマプロセスチャンバ用のプラズマ閉じ込めリングアセンブリ。
【請求項8】
それぞれのプラズマ閉じ込めリングがRF透過性材料を含むことを特徴とする、請求項7に記載のプラズマ閉じ込めリングアセンブリ。
【請求項9】
装着リングと、
前記プラズマ閉じ込めリングを前記装着リングから懸架するための装着要素とを備えることを特徴とする、請求項7に記載のプラズマ閉じ込めリングアセンブリ。
【請求項10】
前記プラズマ閉じ込めリングのうちの少なくとも1つが、
前記プラズマ曝露面および前記RF損失材料を備える内側リングと、
間隙が前記内側リングと外側リングの間に画定されるように、前記内側リングを支持するようになされた外側リングとを備え、前記間隙が前記内側リングから前記外側リングへの熱伝達を低減するように機能することを特徴とする、請求項7に記載のプラズマ閉じ込めリングアセンブリ。
【請求項11】
上方のシャワーヘッド電極と、
下方電極を備える基板支持部と、
前記シャワーヘッド電極と前記基板支持部の間の空間にプラズマを閉じ込めるように配置された、請求項7に記載のプラズマ閉じ込めリングアセンブリとを備えることを特徴とする、プラズマプロセスチャンバ。
【請求項12】
積み重ねて配置された少なくとも2つのプラズマ閉じ込めリングであって、それぞれの前記プラズマ閉じ込めリングがプラズマ曝露面およびRF損失材料を備え、
前記プラズマ閉じ込めリングが前記プラズマプロセスチャンバ内のプラズマに曝露された場合に、それぞれのプラズマ閉じ込めリングの前記プラズマ曝露面が前記プラズマ曝露面の上へのポリマーの堆積を大幅に低減するために十分に高い温度に達するように、前記RF損失材料がRFエネルギーを結合するように機能することを特徴とする、プラズマプロセスチャンバ用のプラズマ閉じ込めリングアセンブリ。
【請求項13】
前記RF損失材料がSiCまたはドープされたケイ素であることを特徴とする、請求項12に記載のプラズマ閉じ込めリングアセンブリ。
【請求項14】
前記RF損失材料が前記プラズマ閉じ込めリングの内径面の上の被覆であることを特徴とする、請求項12に記載のプラズマ閉じ込めリングアセンブリ。
【請求項15】
それぞれの前記プラズマ閉じ込めリングがRF透過性材料を含むことを特徴とする、請求項12に記載のプラズマ閉じ込めリングアセンブリ。
【請求項16】
装着リングと、
前記プラズマ閉じ込めリングを前記装着リングから懸架するための装着要素とを備えることを特徴とする、請求項12に記載のプラズマ閉じ込めリングアセンブリ。
【請求項17】
前記プラズマ閉じ込めリングのうちの少なくとも1つが、
前記RF損失材料を備える内側リングと、
外側リングと、
前記内側リングと外側リングの間に画定された少なくとも1つの間隙とを備え、前記間隙が前記内側リングから前記外側リングへの熱伝達を低減するように機能することを特徴とする、請求項12に記載のプラズマ閉じ込めリングアセンブリ。
【請求項18】
前記内側リングが、基本的に前記RF損失材料からなることを特徴とする、請求項17に記載のプラズマ閉じ込めリングアセンブリ。
【請求項19】
前記RF損失材料がドープされたケイ素またはSiCであることを特徴とする、請求項12に記載のプラズマ閉じ込めリングアセンブリ。
【請求項20】
上方のシャワーヘッド電極と、
下方電極を備える基板支持部と、
前記シャワーヘッド電極と前記基板支持部の間の空間にプラズマを閉じ込めるように配置された、請求項12に記載のプラズマ閉じ込めリングアセンブリとを備えることを特徴とする、プラズマプロセスチャンバ。
【請求項21】
積み重ねて配置された少なくとも2つのプラズマ閉じ込めリングであって、それぞれの前記プラズマ閉じ込めリングが、プラズマ曝露面、および前記プラズマプロセスチャンバ内でプラズマに曝露されない埋め込まれたRF損失材料を備え、
前記プラズマ閉じ込めリングが前記プラズマプロセスチャンバ内のプラズマに曝露された場合に、それぞれのプラズマ閉じ込めリングの前記プラズマ曝露面が前記プラズマ曝露面の上へのポリマーの堆積を大幅に低減するために十分に高い温度に達するように、前記RF損失材料がRFエネルギーを結合するように機能することを特徴とする、プラズマプロセスチャンバ用のプラズマ閉じ込めリングアセンブリ。
【請求項22】
前記RF損失材料が金属材料であることを特徴とする、請求項21に記載のプラズマ閉じ込めリングアセンブリ。
【請求項23】
それぞれの前記プラズマ閉じ込めリングが前記RF損失材料を密封するRF透過性材料を含むことを特徴とする、請求項21に記載のプラズマ閉じ込めリングアセンブリ。
【請求項24】
前記プラズマ閉じ込めリングのうちの少なくとも1つが第1の部分、前記第1の部分に接合された第2の部分、および前記第1の部分と第2の部分との間に配置された前記RF損失材料を備えることを特徴とする、請求項21に記載のプラズマ閉じ込めリングアセンブリ。
【請求項25】
前記第1の部分が、エラストマー接合部によって前記第2の部分に接合されることを特徴とする、請求項24に記載のプラズマ閉じ込めリングアセンブリ。
【請求項26】
前記第1の部分が前記第2の部分に溶接されることを特徴とする、請求項24に記載のプラズマ閉じ込めリングアセンブリ。
【請求項27】
上方のシャワーヘッド電極と、
下方電極を備える基板支持部と、
前記シャワーヘッド電極と前記基板支持部の間の空間にプラズマを閉じ込めるように配置された、請求項21に記載のプラズマ閉じ込めリングアセンブリとを備えることを特徴とするプラズマプロセスチャンバ。
【請求項28】
外側リングに支持されるようになされた内側リングを備える装着リングであって、前記内側リングがプラズマ曝露内面、前記内面の反対側の外面、および前記外面の電導性の低放射率材料の被覆を備える装着リングと、
積み重ねて配置され、前記装着リングから懸架される、少なくとも2つのプラズマ閉じ込めリングとを備えることを特徴とする、プラズマプロセスチャンバ用のプラズマ閉じ込めリングアセンブリ。
【請求項29】
前記被覆が金属、フッ化スズ酸化物、またはインジウムスズ酸化物からなることを特徴とする、請求項28に記載のプラズマ閉じ込めリングアセンブリ。
【請求項30】
前記外側リングが、複数の円周方向に間隔を置いて配置された窪みと、
前記それぞれの窪みごとに取外し可能に受けられる支持要素とを備え、
前記内側リングが前記支持要素に支持されるようになされることを特徴とする、請求項28に記載のプラズマ閉じ込めリングアセンブリ。
【請求項31】
プラズマプロセスチャンバ内で半導体基板を加工する方法であって、
請求項28に記載のプラズマ閉じ込めリングアセンブリを備えるプラズマプロセスチャンバ内にプロセスガスを供給するステップと、
前記プロセスガスからプラズマを生成し、前記プラズマプロセスチャンバ内で半導体基板をエッチングするステップとを含み、
前記エッチング中に、前記内面が前記内面の上へのポリマーの堆積を大幅に低減するために十分に高い温度に達するように、前記被覆が前記内側リングの前記内面の加熱を向上させることを特徴とする方法。
【請求項32】
上方のシャワーヘッド電極と、
下方電極を備える基板支持部と、
前記上方電極と前記基板支持部の間の空間にプラズマを閉じ込めるように配置された、請求項28に記載のプラズマ閉じ込めリングアセンブリとを備えることを特徴とするプラズマプロセスチャンバ。
【請求項33】
プラズマプロセスチャンバ内で半導体基板を加工する方法であって、
積み重ねて配置された少なくとも2つのプラズマ閉じ込めリングを備えるプラズマプロセスチャンバ内にプロセスガスを供給するステップであって、それぞれの前記プラズマ閉じ込めリングがプラズマ曝露面およびRF損失材料を備えるステップと、
前記プロセスガスからプラズマを生成し、前記プラズマプロセスチャンバ内で半導体基板をエッチングするステップとを含み、
前記エッチング中に、前記RF損失材料が、それぞれのプラズマ閉じ込めリングの前記プラズマ曝露面が前記プラズマ曝露面の上へのポリマーの堆積を大幅に低減するために十分に高い温度に達するようにRFエネルギーを結合することを特徴とする方法。
【請求項34】
前記半導体基板が、前記プラズマによってエッチングされる誘電材料を備え、
前記プロセスガスが、フルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、フルオロカーボンの前駆物質、およびハイドロフルオロカーボンの前駆物質からなる群から選択される少なくとも1つの成分を含むことを特徴とする、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記プラズマプロセスチャンバが、接地された上方のシャワーヘッド電極、異なる周波数で電力がそれに加えられる下方電極を備えることを特徴とする、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記半導体基板を前記プラズマプロセスチャンバから除去するステップと、
前記プラズマプロセスチャンバ内で酸素プラズマを生成するステップとをさらに含み、前記酸素プラズマが前記プラズマ閉じ込めリングからポリマーの堆積を除去するように機能することを特徴とする、請求項33に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−99829(P2012−99829A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−269370(P2011−269370)
【出願日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【分割の表示】特願2008−517075(P2008−517075)の分割
【原出願日】平成18年6月14日(2006.6.14)
【出願人】(592010081)ラム リサーチ コーポレーション (467)
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
【Fターム(参考)】