説明

ポリマーマトリックス・エレクトロルミネッセンス材料及び装置

【課題】カラーディスプレーに対する高い順応性をもち、純粋な色特性を備えたエレク
トロルミネッセンス装置を得ること。
【解決手段】芳香族反復単位を含むなるマトリックスと、発光性金属イオンもしく
は発光性金属イオン錯体とを含有してなる光ルミネッセンスおよびエレクトロル
ミネッセンス組成物が提供される。かかる組成物を製造する方法、および該組成
物から形成されるエレクトロルミネッセンス装置(10)が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香族反復単位を含むマトリックスおよび発光性金属イオンまたは発光性金属イオン錯体を含んでなる、光ミネッセンスおよびエレクトロルミネッセンス組成物に関する。また、本発明はこのような組成物を製造する方法および該組成物を使用してエレクトロルミネッセンス装置を製造する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
多くの全ソリッドステート装置を含む多くの種類の発光装置が存在する。ソリッドステートの装置は、より明るく、よりコンパクトで、より小さく製造でき、且つより高い効率を有することができる点で、白熱球および蛍光球よりも好ましい。ソリッドステート発光装置の例は、ガリウム砒素、または炭化シリコン製LEDのような発光ダイオード(LED)、UniaxコーポレーションおよびCDT Ltdが販売するOLEDディスプレーのような有機発光ダイオード(OLED)、および長年に亘って、例えばLimelite(商標名)常夜灯としてGE(登録商標)により、またNitelite(商標名)としてAmerican Tack and Hardware, Co. Inc.,(Monsey, NY)により販売されてきたドープされた硫化亜鉛装置である。これら装置は何れも、数字もしくは文字または絵を表すアレイに製造することができる。
【0003】
種々の発光装置および発光ディスプレーのうち、OLEDは最も新しく且つ最も未熟な技術である。OLEDは、典型的には透明な電極、通常はガラスまたはプラスチック支持層上のインジウムドープされた酸化錫(ITO)を含む薄膜構造からなっており、該ITOは任意に、ポリアニリンまたはポリ(エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT);一以上の有機物含有層、典型的には、例えばトリフェニルアミン誘導体のホール導電層;発光層、例えばポリフェニレンビニレン誘導体もしくはポリフルオレン誘導体;電子導電層、例えばオキサジアゾール誘導体;および第二の電極、例えばカルシウム、マグネシウム、アルミニウム等でコーティングされる。
OLED装置の利点は、軽量、潜在的低コスト(これは未だ商業的には立証されていない)、薄膜を製造する能力、可撓性構造、広い視角、および高い輝度である。OLEDの欠点は、短い装置寿命、一定電流モードで動作するときの電圧増大、および広いスペクトル幅である。OLEDの効率は、有機分子の励起状態の性質によって制限される。典型的には、OLEDの動作の際には、一重項励起状態および三重項励起状態の両方が存在する。不運なことに、一重項状態からの崩壊のみが有用な光を生じる。三重項状態から一重項基底状態への崩壊は、スピン禁止されるので遅く、より多くの時間を要する非放射性のプロセスを与える。三重項状態は3倍に宿重され、一重項状態は宿重されていないので、励起された電子の3/4が三重項状態に入り、これらは僅かの光しか生じないか或いは光を生じない。
【0004】
OLEDの更なる欠点は、有機分子の励起状態の寿命が比較的短いことである。ディスプレーへの応用において、各画素は毎秒10〜100回走査される。画素からの光は略同じ時間スケールで減衰するのが望ましい。画素の減衰が遅すぎると、未だ消失していない先の画像を覆って後続の各画像が走査され、画像がぼやけるであろう。画素の減衰が速過ぎると、顕著なフリッカーが存在することになるであろう。
OLEDの短い寿命に制限されないソリッドステート装置が必要とされている。OLEDの短い寿命は、動作の際の有機層の分解または変質から生じることが疑われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
カラーディスプレーに対する高い順応性をもち、純粋な色特性を備えたエレクトロルミネッセンス装置が必要とされている。カラーテレビモニター等のためは、厳密な色を備えた赤、青および緑の装置が必要とされる。
また、より高い効率を持った、非発光性の三重項状態からの崩壊に制限されないエレクトロルミネッセンス装置が必要とされている。
走査型ディスプレーおよび受動ディスプレーのための、適切な範囲の燐光減衰時間をもったエレクトロルミネッセンス装置も必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの側面において、本発明は、下記からなる群から選択される反復単位、および一以上の蛍光性金属イオンを含むポリマー組成物に向けられている。
【0007】
【化1】

【0008】
【化2】

【0009】
(式中、RはH、D、F、Cl、Br、I、アルコキシ、アリールオキシ、アルキル、アリール、アルキルケトン、アリールケトン、アルキルエステル、アリールエステル、アミド、カルボン酸、フルオロアルキル、フルオロアリール、ポリアルカレンオキシであり、R基のいずれか二つは架橋されてもよく、mは0〜2であり、nは0〜3であり、oは0〜4であり、pは0〜5であり、qは0〜6であり、rは0〜7であり、AおよびBは-O-、-S-、-NR1-および-CR1R2-、-CR1R2CR3R4-、-N=CR1、-CR1=CR2-、-N=N-、および-(CO)-からなる群から独立に選択され、ここでR1〜R4はH、D、F、Cl、Br、I、アルキル、アリール、アルキレンオキシ、ポリアルキレンオキシ、アルコキシ、アリールオキシ、フルオロアルキル、およびフルオロアリールであり、該R基の二つは架橋されてもよく、またEはO、NHおよびSからなる群から選択される。)
もう一つの側面において、本発明は、上記組成物を含んでなるエレクトロルミネッセンス装置に向けられている。一実施態様において、このエレクトロルミネッセンス装置は、第一の電極と、一以上の電荷輸送層と、上記組成物を含むエレクトロルミネッセンス層と、第二の電極とを含んでなるものである。
本発明のこれらおよび他の特徴、側面および利点は、以下の詳細な説明、特許請求の範囲、および添付の図面に関して考慮することによって、更に充分に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の実施に従って提供されるエレクトロルミネッセンス装置の一実施例を示す半模式的側面図である。
【図2】図2は、図1のエレクトロルミネッセンス装置の半模式的分解図である。
【図3】図3は、本発明の実施に従って提供された、二次元に広がるエレクトロルミネッセンス装置のアレイを示している。
【図4】図4は、本発明の実施に従って提供された、エレクトロルミネッセンス装置のもう一つの実施例を示す半模式的側面図であり、これは電子輸送層を備えているが、ホール輸送層は備えていない。
【図5】図5は、本発明の実施に従って提供されるエレクトロルミネッセンス装置を示す半模式的側面図であり、次第に変化するエレクトロルミネッセンス層を有している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
従来の発光装置の欠点を克服するためには、現在のOLEDよりも更に高い効率および長い寿命をもった装置を得るのが望ましいであろう。また、低電圧、好ましくは20ボルトDC未満、より好ましくは15ボルトDC未満、更に好ましくは10ボルトDC未満、最も好ましくは5ボルトDC未満で動作する装置を得るのが望ましいであろう。良好な色品質および適切な燐光減衰時間を備えた装置を得るのも望ましいであろう。
我々は、OLEDの多くの欠点が、蛍光性金属イオンおよび該蛍光性金属イオンの中にエネルギーを集め且つ挿入するように設計された有機マトリックスの組合せを、エレクトロルミネッセンス装置における発光層として使用することによって克服され得ることを見出した。該マトリックスは、典型的にはポリマーを含んでなるものであるが、オリゴマーまたは個々の分子を含んでなるものであってもよい。該マトリックスは、電極から電子および/またはホールを受け取り、これらを当該装置の中心に向けて輸送する。該中心ではそれらが再結合し、マトリクス中において励起された電子状態を生じる。充分に蛍光を発する材料は、エレクトロルミネッセンスをも充分に発する傾向があり、従って本発明の材料の良好な候補である。マトリックスのバンドギャップ(または他の用語ではHOMO・LUMO差)は、励起状態のエネルギーを決定し、また発光性金属を励起するために如何なる量のエネルギーが利用されるかを決定する。一般に、二光子以上の異常な高次プロセスの場合を除き、赤に発光するポリマーマトリックスは、青を発光する金属にエネルギーを輸送することはできない。従って、青、緑、または赤を発光する金属への輸送が可能であるように、青、藍、紫または紫外、即ち、高エネルギーのスペクトル部分を発光するポリマーマトリックスを選択するのが望ましい。
【0012】
有機ポリマー、有機オリゴマーおよび個々の有機分子の蛍光スペクトルは、典型的には非常に広く、50 nm幅または100 nm幅であることが多い。ランタニド金属の吸収および発光バンドは、外側の満たされたd軌道およびs軌道内に「埋込まれた」f軌道の間での遷移から生じるので、非常に狭く、典型的には5〜20 nmである。それらは外側のd軌道およびs軌道によって遮蔽されるので、外部電界による影響が少なく、f集合体内での遷移は広げられない。この狭いバンドは、ディスプレーの蛍光発色団のための望ましい特徴である非常に純粋な色を提供する。
ランタニド金属は、長年に亘り、通常は陰極線管(CRT)と呼ばれるカラーテレビ画像管におけるカソードルミネッセンス材料として使用されて来た。一定のランタニド金属は、CRTにおける赤、青および緑のための理想的な色コーディネートに非常に近い蛍光バンドを有することは周知である。ポリマーマトリックス(そのバンドスペクトルは広い)を使用してランタニド金属(そのスペクトルは狭く、良好な色コーディネートを備えている)を励起することにより、遥かに良好な演色性が達成される。ランタニド類は、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、およびルテチウムである。
【0013】
ランタニド金属および他の発光性金属は、有機材料の寿命よりも、ディスプレーのために必要な寿命により近い励起状態寿命を有する。
ランタニドイオンの励起状態は、励起された有機化合物よりも遥かに多くの光(約4倍以上)を生じる。また、発光性金属イオンまたは錯体は、一重項状態および三重項状態の有機分子の両方からエネルギーを受けることができる。こうして、さもなければ非放射性遷移に失われる運命にあった有機一重項状態の励起エネルギーが、金属に転移されて放射される。
金属イオンは、有機種よりも、蛍光団を破壊する漂白または化学反応を遥かに受け難い。蛍光団の用語は、ここでは、エネルギーを吸収してそれを再放出する化学系を意味するために使用され、典型的には、ここで放出されるエネルギーは、吸収されたエネルギーよりもエネルギーの低い光である。この化学系は、エネルギーを交換できる原子、イオン、分子、金属錯体、オリゴマー、ポリマー、または近接した二以上の原子、イオンもしくは分子であってよい。蛍光団は、光ルミネッセンス性、蛍光性、燐光性、カソードルミネッセンス性またはエレクトロルミネッセンス性であることができるが、これらに限定されない。本発明の装置は未だ部分的に有機性であるが、金属イオンは、有機物の励起状態からエネルギーを除去することによって保護効果を働かせる。従って、本発明の装置は、全てが有機性の装置よりも長い寿命を有することが期待される。
【0014】
本発明の実施において、好ましくはランタニド金属イオンまたは錯体であるルミネッセンス性または蛍光性の金属イオンまたは錯体は、蛍光性の有機マトリックス内に埋設され、これにより生じる系においては、有機マトリックスが励起状態にまで高められ、次いでそのエネルギーが金属イオンまたは錯体に転移され、続いてこの金属イオンまたは錯体が発光する。有機マトリックスと金属との間のエネルギー転移は、有機マトリックスに金属のための配位部位を与えることによって向上させることができる。
発光性金属イオンは、発光する如何なる金属イオンまたは金属錯体であってもよく、例えばマンガン、銀、ルテニウム、イリジウムおよび白金のような遷移金属イオン、ランタニドイオン、およびそれらの錯体が含まれるが、これらに限定されない。ランタニドイオンは、そのスペクトル線幅が狭いので好ましい。
【0015】
本発明のエレクトロルミネッセンス(EL)組成物およびEL装置は、発光が主にランタニド金属イオンから生じるので、非常に狭い発光線を有するであろう。上記で述べたように、ランタニド金属イオンは狭い発光バンド、典型的には5〜20 nm幅(半最大値の完全幅:full width at half maximum, FWHM)を有している。本発明のエレクトロルミネッセンス組成物および装置のFWHMは、約50 nm未満、好ましくは約20 nm未満、より好ましくは約10 nm未満、更に好ましくは約8 nm未満、更に好ましくは約5 nm未満、更に好ましくは約4 nm未満、最も好ましくは3 nm未満である。
発光性金属イオンは、リガンドによって配位または錯化され、またはポリマーによって錯化または配位される。また、一以上の対イオンが存在してもよく、これらは金属に配位しても配位しなくてもよい。発光性金属イオンはクラスターを形成してもよく、または金属のクラスターの一部であってもよい。リガンドおよび対イオンは、二以上の発光性金属に架橋形態で配位してもよい。
【0016】
発光性金属イオンは、無機固体の一部として存在してもよい。例えば、発光性金属イオンを含む無機粉末を、ルミネッセンスポリマーと混合すればよい。この無機粉末は、好ましくは400メッシュ(平均粒子サイズは約88ミクロン未満)またはそれよりも微細であり、より好ましくは約20ミクロン未満、更に好ましくは約5ミクロン未満、最も好ましくは約3ミクロン未満である。該無機粉末は、1〜1000ナノメータ、好ましくは約500ナノメータ未満、より好ましくは約100ナノメータ未満の平均物理寸法を持ったナノサイズの粉末であってよい。ナノメータサイズの粒子は非常に高い表面積/容積比を有し、また粒子表面または該表面の数オングストローム(数十ナノメータ)以内に高い画分の金属イオンが存在し、これは当該粉末が埋設されているポリマーからのエネルギー輸送を可能にする。約300 nm未満のナノサイズ粒子は可視光を散乱しない。本発明の実施において、当該発光膜は1000 nm未満であることがあり、粒子を使用するならば、該粒子はこの膜厚よりも小さくなければならない。前記無機固体は半導体であってよい。半導体の非限定的な例は、窒化ガリウム、酸化錫、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、酸化鉛などである。II族およびVI族の元素を含んでなる半導体(II−VI半導体)は、しばしば湿式化学法により調製することができ、従って好ましいものである。
【0017】
蛍光性ポリマーに蛍光性金属イオンまたは錯体を単に混合するだけでは、エネルギーが該ポリマーから金属に転移されることは保証されない。該ポリマーの励起状態は金属の励起状態よりも高いエネルギーレベルになければならず、そうでなければエネルギーは少ししか転移されず、または全く転移されない。我々は更に、前記蛍光性の金属イオンまたは金属錯体に結合または配位する官能基(側鎖基、主鎖基、または末端基)をもったポリマーを与えることにより、エネルギー転移の可能性が増大し得ることを見出した。金属に配位する如何なる官能基を使用してもよい。当業者は、例えばIR、可視光またはNMRスペクトルにおける官能基のスペクトル変化を観察することによって、或る官能基が配位されるかどうかを決定する方法を理解するであろう。官能基は一座配位(monodentate)、またはキレート化性の多座配位(multidentate)であってもよく、または大環状であってもよい。使用し得る官能基には、アミン類、アミド類、アルコール類、αジケトン類、βジケトン類、βケトアルコール類、βケト酸類、ビピリジン類、ビキノリン類、ボレート類、カルボン酸類、カテコール類、ジオール類、ヒドロキシキノリン類、フェナントレン類、フェノール類、ホスフェート類、ポリアミン類、ポリエステル類、ピリジン類、この燐類、サリチレート類、サルフェート類、チオエーテル類、チオール類、チオフェン類などが含まれるが、これらに限定されない。官能基は、蛍光性金属イオンに配位する際に、一以上のプロトンを喪失し得る。
【0018】
ポリマー上の当該官能基が、蛍光性金属上のリガンドの全部または幾つかを置換してもよい。即ち、該金属はポリマー官能基以外に、配位した溶媒および配位した対イオンを含む追加のリガンドを有してもよい。
我々はまた、ポリマーから金属へのエネルギー転移を高めるように、発光性金属イオン錯体を選択し得ることを見出した。該金属が共有結合または配位結合によって直接ポリマーに結合されなくても、例えばファンデルワールス力、水素結合、双極子/双極子相互作用、双極子に誘導された双極子、または他の非共有結合性相互作用により該ポリマーと相互作用するリガンドを選択することによって、エネルギー転移を高めることができる。エネルギー転移は、分極性基、例えば芳香族基、特にビフェニル、トリフェニル、四元フェニル(quaterphenyl)、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、ピリジル、キノリニル、フェナントロリニル、ベンゾオキサゾリル等のような、多環もしくは縮環系の芳香族基を有するリガンドを使用することによって向上することができる。分極性リガンドは一般に、電場または電磁場に反応できる電子を有する。本発明の目的のために、分極性リガンドは少なくとも一つの二重結合、好ましくは炭素-炭素二重結合を有するであろう。より好ましくは、該分極性リガンドは二以上の二重結合を有し、更に好ましくは三以上の二重結合、更に好ましくは四以上の二重結合、更に好ましくは五以上の二重結合、最も好ましくは六以上の二重結合を有するであろう。これら二重結合の幾つかまたは全部は、相互に共役しているのが更に好ましい。これらの二重結合は、ベンゼン環、ピリジン環またはキノリン環のような、一つの芳香族環またはヘテロ芳香族環の一部であってもよい。この芳香族環は末端にあってもよく(例えばフェニル)、または中間にあってもよい(例えばフェニレン)。本発明の目的について、共役リガンドは分極性リガンドである。
【0019】
分極性リガンドの非限定的例には、ベンゾイルアセトン、ジベンゾイルメタン、ベンゾイン、フェナントロレン、フェニルフェナントロレン、ビピリジン、フェニルビピリジン、ジフェニルビピリジン、Ar(CO)(CHOH)Ar'、Ar(CO)CH2(CO)Ar'、サリチル酸、サリチルアルデヒド、フェニルサリチル酸、フェニルサリチルアルデヒド、アデニン、プリン、2-アミノベンゾフェノン、2-アミノ-4-クロロベンゾフェノン、2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾール、2-(2-ヒドロキシフェニル)キノリン、1-ナフトール-2-カルボキキシアルデヒド、1,2-ジヒドロキシベンゼン、1,2-ジヒドロキシナフタレン、2,3-ジヒドロキシナフタレン、1,8-ジヒドロキシナフタレン、1-ヒドロキシベンゾフェノン、1-ヒドロキシフルオレノン、7-ヒドロキシインデン-1-オン、7-ヒドロキシ-3-フェニリデン-1-オン、サレン、8-ヒドロキシキノリン、8-ヒドロキシキナゾリン、8-ヒドロキシキノキサリン、4-ヒドロキシベンゾオキサゾール、7-ヒドロキシベンゾオキサゾール、4-ヒドロキシ-2-フェニルベンゾオキサゾール、7-ヒドロキシ-2-フェニルベンゾオキサゾール、ヒポキサンチン等が含まれる。アリール、ArおよびAr'は、任意にD(重水素)、F、Cl、Br、I、アルキル、アルコキシ、ポリアルカレンオキシおよびフルオロアルキルで置換された、フェニル、2-ビフェニル、3-ビフェニル、4-ビフェニル、1-ナルチル、2-ナフチル、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、三元フェニル(全ての異性体)、四元フェニル(全ての異性体)、アントラセニル、フェナントレニル、ピリジル、キノリニル、フェナントロリニル、ベンゾオキサゾリル、およびキナゾリニルからなる群から独立に選択される。好ましくは、リガンドは少なくとも一つの芳香族環を有し、より好ましくは、リガンドは少なくとも二つの芳香族環を有し、更に好ましくは、リガンドは少なくとも三つの芳香族環を有するであろう。好ましくは、リガンドは二つのアリール基間の直接結合を有し、これらアリール基がビアリール基を形成するか、または縮合環系における二つの環を有するようになっている。ビアリール類および縮合環は単一環系よりも高い分極性を有しており、従って、励起状態のポリマーに更に良好にカップリングするであろう。また、該リガンドがトリアリール基または三環系の縮環基を有するのも好ましい。
分極性リガンドの一般的構造式の非限定的な例を下記に示す。
【0020】
【化3】

【0021】
【化4】

【0022】
(式中、RはH、D、F、Cl、Br、I、アルコキシ、アリールオキシ、アルキル、アリール、アルキルケトン、アリールケトン、アルキルエステル、アリールエステル、アミド、カルボン酸、フルオロアルキル、フルオロアリール、ポリアルカレンオキシ(例えばメトキシエトキシエトキシ、エトキシエトキシ、および -(OCH2CH2)xOH;x=1〜100)から選択され、二つのR基は架橋されてもよく、mは0〜nであり、nは0〜3であり、oは0〜4であり、pは0〜5であり、qは0〜6であり、rは0〜7であり、sは0〜8である。)。R基は、複数の環構造における何れの環に存在してもよい。例えば構造12において、Rはヘテロ環、フェノール環、またはその両方にあってもよい。架橋R基の例は、下記の構造20で与えられる。構造20は構造8から誘導され、ここでは二つのR基が一緒になって-CH=CH-CH=CH-である。
【0023】
【化5】

分極性リガンドの追加の例には、R-C6H4-CO2H、R-C6H4-SO3H、R-C6H4-PO3H2、置換ニコチン酸、R-C5H3N-CO2H、置換サリチル酸などが含まれる。
分極性リガンドは、それがポリマー鎖に共有結合されれば官能基として使用し得ることが当業者には明らかであろう。例えば、当該構造における何れかのRはポリマー鎖を表すことができるであろう。また、分極性リガンドはポリマー鎖の骨格の一部を形成してもよく、例えば、Rを介して結合されていてもよい(Rがポリマー鎖で置換され得る水素を有するもの、例えばF、Brでなはなく、例えばアリール、アルキルである場合)。
ポリマー鎖の骨格の一部としての分極性リガンドの一般式は、-(R-分極性リガンド-R)-(Y)-であり、ここでYは一般化された反復単位である。
【0024】
上記の特別の例は下記の通りである:
【化6】

構造21において、Yは一般化された反復単位であり、例えば、下記の反復単位I〜XIIの何れであってもよいであろう。
【0025】
【化7】

【0026】
【化8】

【0027】
(式中、RはH、D、F、Cl、Br、I、アルコキシ、アリールオキシ、アルキル、アリール、アルキルケトン、アリールケトン、アルキルエステル、アリールエステル、アミド、カルボン酸、フルオロアルキル、フルオロアリール、ポリアルカレンオキシから独立に選択され、R基の何れか二つは架橋されてもよく、mは0〜2であり、nは0〜3であり、oは0〜4であり、pは0〜5であり、qは0〜6であり、rは0〜7であり、AおよびBは-O-、-S-、-NR1-、-PR1-、および-CR1R2-、-CR1R2CR3R4-、-N=CR1、-CR1=CR2-、-N=N-、および-(CO)-からなる群から独立に選択され、ここでR1〜R4はH、D、F、Cl、Br、I、アルキル、アリール、アルキレンオキシ、ポリアルキレンオキシ、アルコキシ、アリールオキシ、フルオロアルキル、およびフルオロアリールであり、該R基の二つは架橋されてもよく、またEはO、NHおよびSからなる群から選択される。)
【0028】
本発明のポリマーは典型的には芳香族ポリマーであり、青ないし紫外領域の蛍光をもたらす比較的短い共役長を有する。好ましくは、この共役長は2〜50の共役環であり、より好ましくは3〜10の共役環であり、更に好ましくは3〜6の共役環である。これら環の幾つかまたは全部は縮環系の一部であってもよい。共役長、従って吸収波長および発光波長は、非芳香族性のスペーサ基によって制御することができる。スペーサ基または反復単位の非限定的な例は、-O-、-S-、-NR-、-CR1R2-、-(CH2)n-、-(CF2)n-、エステル、アミド等である。当該ポリマーはホモポリマーであってもよく、または共重合体であってもよい。これらのポリマー類は直鎖型、分岐型、超分岐型、樹状型、架橋型、ランダム型、ブロック型、グラフト型など、如何なる構造タイプのものであってもよい。樹状ポリマーまたは超分岐ポリマーを利用して、該ポリマー分子のコアまたはその近傍に保持された発光性金属の中にエネルギーをチャンネリングさせるのが望ましいであろう。この方法において、発光性金属は当然に相互に単離されて濃度効果を回避し、またポリマーマトリックス中により均一に分布されて、より高い金属濃度および大きな輝度を可能にする。ポリマーの例は、下記からなる群から選択される反復単位を有するものである:
【0029】
【化9】

【0030】
【化10】

【0031】
(式中、RはH、D、F、Cl、Br、I、アルコキシ、アリールオキシ、アルキル、アリール、アルキルケトン、アリールケトン、アルキルエステル、アリールエステル、アミド、カルボン酸、フルオロアルキル、フルオロアリール、ポリアルカレンオキシであり、R基のいずれか二つは架橋されてもよく、mは0〜2であり、nは0〜3であり、oは0〜4であり、pは0〜5であり、qは0〜6であり、AおよびBは-O-、-S-、-NR1-および-CR1R2-、-CR1R2CR3R4-、-N=CR1、-CR1=CR2-、-N=N-、および-(CO)-からなる群から独立に選択され、ここでR1〜R4はH、D、F、アルキル、アリール、アルキレンオキシ、ポリアルキレンオキシ、アルコキシ、アリールオキシ、フルオロアルキル、およびフルオロアリールであり、該R基の二つは架橋されてもよく、mは0〜2であり、nは0〜3であり、oは0〜4であり、pは0〜5であり、qは0〜6であり、rは0〜7であり、またEはO、NHおよびS、および一以上の蛍光性金属イオンからなる群から選択される。)
【0032】
有機マトリックス、芳香族マトリックス、または芳香族炭化水素マトリックスの分子量(MW)は、当該装置の特性および該装置の製造の容易さに大きく影響するであろう。ポリマーはマトリックスとして使用されるが、その理由の一部は、比較的低コストの方法であるスピンコーティングによって、ポリマーを薄膜にキャストし得るからである。スクリーン印刷およびインクジェット印刷のような他の方法は、印刷すべき材料を含有する溶液の制御された粘度を必要とする。ポリマーは、それらのMWおよび濃度を調節することによって、粘度を制御するのが非常に効果的である。共役ポリマーのMWはまた、得られる膜の導電性に対する影響を有するであろう。このMWは、当該分野で周知の技術を使用し、ポリスチレン標準を参照としてゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定したときに、好ましくは約30,000ダルトンよりも大きく、より好ましくは約50,000ダルトンよりも大きく、更に好ましくは約100,000ダルトンよりも大きく、更に好ましくは150,000ダルトンよりも大きく、最も好ましくは約200,000ダルトンよりも大きくすべきである。大きなMWは、スピンコーティングおよび印刷の操作を助けるであろう。大きなMWはまた、装置性能に有害な使用中における材料の結晶化を防止するであろう。
【0033】
また、溶液粘度はMWの相対的尺度として用いることができる。該粘度は、例えば、Ubbelohde粘度系を使用して幾つかの濃度での比粘性を見付け、真正粘度(intrinsic viscosity)を補外することによって測定すればよい。本発明の剛性ポリマーおよび半剛性ポリマーの真正粘度は、好ましくは0.8 dL/gよりも大きく、より好ましくは1 dL/gよりも大きく、更に好ましくは約1.5 dL/gよりも大きく、最も好ましくは約2 dL/gよりも大きい。3 dL/gよりも大きい真正粘度もまた、一定の場合には望ましいものであり得る。完全には共役せず、且つ非芳香族スペーサ基を有するポリマーの粘度はより低くてもよく、好ましくは0.3 dL/gよりも大きく、より好ましくは0.5 dL/gよりも大きく、最も好ましくは0.6 dL/gよりも大きい。固有粘度(inherent viscosity)は、あるときは真正粘性よりも単純な尺度として使用される。本発明の目的では、剛性または高度の共役ポリマーについて、1よりも大きい固有粘度が好ましく、より好ましくは1.5よりも大きく、更に好ましくは2 dL/gよりも大きい。非剛性で完全には共役していないポリマーについては、より低い固有粘度が好ましく、例えば0.3 dL/g、より好ましくは0.5 dL/gよりも大きく、最も好ましくは0.6 dL/gよりも大きい。
【0034】
ポリマーマトリックスは熱可塑性であってもよく、または熱硬化性であってもよい。架橋型または熱硬化型ポリマーを使用して、EL層の安定性を改善するのが望ましいかもしれない。この場合、金属イオンまたは錯体をポリマー前駆体と混合して、好ましくは均一な混合物を形成し、次いで当該技術で既知の何れかの手段を用いてこれを硬化させる。その手段には、熱硬化、UV硬化、eビーム硬化、マイクロ波硬化、光硬化および化学硬化が含まれるが、これらに限定されない。例えば、高度に芳香族性のビスエポキシドに、(任意に高度に芳香族性の)硬化剤、および芳香族基を含むランタニド金属錯体をブレンドする。金属錯体上のリガンドは、エポキシを硬化する最中および硬化後に、該金属錯体が均一に分布したまま残り、且つ相分離しないように選択される。また、該リガンドは熱硬化基を含んでいてもよく、例えば、硬化するとポリマーマトリックスの一部になるエポキシ基を有するリガンドであってもよい。該リガンドはまた、エポキシ鎖の切片の励起状態から、金属錯体またはイオンへのエネルギー転移が効率的であるように選択される。次いで、このエポキシ/硬化剤/ランタニド金属の混合物は、必要なときに、例えば薄膜として塗布されて硬化される。該エポキシ/硬化剤/ランタニド金属の混合物中に溶媒を含めて、膜形成を補助するのが望ましいかもしれない。この溶媒は、硬化の前、最中または後に除去される。同様に、他の熱硬化系を使用してもよい。このような系にはシアン酸エステル、エチニル、マレイミド、ナジミド(nadimide)、オレフィン/加硫剤、フェノール、フェニルエチニル、シリコーン、スチレン、ウレタン等が含まれるが、これらに限定されない。
【0035】
当該マトリックスは、反復単位の比較的短い鎖であるオリゴマーであってもよい。より低い溶融粘度または合成の容易さを達成するためには、ポリマーよりもオリゴマー類が望ましいかもしれない。オリゴマー類は、より容易に加工して非晶質膜を与える点において、小分子を凌駕する利点を有する。
また、当該マトリックスは小分子で構成されてもよい。非晶質またはガラス質の膜に加工できる分子、または該分子の混合物を使用するのが好ましい。例えば、22(J. Salbeck, J. Bauer, and F. Weissortel, Polymer Preprints, 38, (1) 1997)のようなスピロ型分子は、高度に蛍光性のガラス質膜を形成することが当該技術において知られている。Salbeck et al.の論文は、本明細書の一部として本願に援用する。
【0036】
【化11】

Slbeck et al.が報告した分子の重要な特徴は、結晶性を崩壊させ、且つ共役を与える長い腕である。フェニル、ビフェニル、三元フェニルまたは四元フェニル基、好ましくは三元フェニルまたは四元フェニル基を有する発光性金属錯体は、長腕スピロ分子と共に均一な非晶質の混合膜を形成するであろう。長腕スピロ分子上の芳香族基および芳香族リガンドは、スピロ分子から金属へのエネルギー転移を高める。蛍光性金属の色を主に発光するガラス質の膜を形成するために、22のようなスピロ分子を、蛍光性金属錯体、好ましくはランタニド錯体と組合せてもよい。
【0037】
本発明の有機マトリックスは芳香族マトリックス、好ましくは、炭素および水素だけ、好ましくは芳香族環のみを含む芳香族炭化水素マトリックスであることができる。芳香族環は、フェノールもしくはフェニレンであってよく、またはナフタレン、アントラセン、フェナントレンなどのような縮環構造であってよい。この芳香族炭化水素マトリックスは、個別の分子(即ち、単一の分子量のみの分子を有する)で構成されてもよく、またはオリゴマーもしくはポリマーのフェニレン(即ち、或る範囲の分子量を有する)であってもよい。芳香族炭化水素マトリックスは、構造22のようなスピロ構造であってもよく、または9,9-ジフェニルフルオレンのような構造を含むフルオレンであってもよい。芳香族炭化水素マトリックスは、個別の分子、オリゴマーおよび/またはポリマーの混合物であってよい。芳香族マトリックスは直鎖状であってもよく、分岐していてもよい。芳香族マトリックスの非限定的な例は、1,3-ジ(2-ベンゾオキサゾール)ベンゼン、2,4-ジフェニルキノリン、2,3-ジフェニルキノキサリン、1,4-ジ(6-ヨード-4-フェニルキノリン-2-イル)ベンゼン、6,6'-ジ(2,4-ジフェニルキノリン)、4,4'-ジフェニル-4,4'-ジピリジル、トリフェニルトリアジン、N,N,N',N'-テトラフェニルベンジジン、ポリ(4,4'-トリフェニルアミン)、トリ-1-ナフチルアミン、ポリアニリン、ポリ(N-フェニルアニリン)、ポリ(2,3-ジオクチル-1,4-チオフェン)、ポリ(2,3-エチレンジオキシ-1,4-チオフェン)等である。個別の芳香族炭化水素分子の非限定的な例は、ターフェニル、9,9-ジフェニルアントラセン、ペンタセン、テトラフェニルエチレン、トリフェニルエチレン、トリフェニルメタン、トリフェニレン、テトラフェニルベンゼン等である。オリゴマーもしくはポリマー芳香族炭化水素マトリックスの非限定的な例は、ポリ(フェニルフェニレン)、ポリ(フェニル-1,4-フェニレン-co-フェニル-1,3-フェニレン)、超分岐ポリフェニレン、ポリ(9,9'-ジオクチルフルオレン)等である。
【0038】
この有機マトリックスは、電子もしくはホールの輸送材料であるように選択すればよい。このような材料は、高い電子移動度、好ましくは10-6 cm2/V-sよりも高く、より好ましくは10-5 cm2/V-sよりも高く、最も好ましくは10-4 cm2/V-sよりも高い電子移動度を有するであろう。
ポリマー、オリゴマーまたは小分子の何れであっても、当該マトリックスの機能は、電荷(ホールおよび/または電子)および励起状態のエネルギー(励起子)を運ぶことである。芳香族の重合性分子は、その共役長および空間を通してエネルギーを輸送する能力(例えば、Forsterカップリング)に応じた範囲で、これらの性質を有する。例えば、本明細書の一部として本願に援用するBlasseおよびGrabmaier著の「エレクトロルミネッセンス材料」第5章、Springer-Verlag(1994)を参照されたい。
【0039】
エネルギーを金属に転移させるマトリックスの有効性、またはエネルギーをマトリックスから金属に転移させるリガンドの有効性は、スペクトルの測定によって決定することができる。マトリックスのUV-visスペクトルが測定され、354 nmにおける消光係数(または他の波長での消光係数;354 nmを用いるのは、それが水銀ランプから容易に得られ、また近UVにあるからである)が計算され、Ematrixとして記述される。Ematrixはリットル/mol・cmの単位を有する。0.1重量%金属の金属錯体濃度で、マトリックス+金属錯体の一連の光ルミネッセンススペクトルを取り、夫々について可視領域の最大波長での量子収量を計算し、Phicomplexとして記述する。Phicomplexは無単位である。Phicomplex/Ematrixの比は、メリットFの数字である。このメリットFの数字は、mol・cm/リットルの単位を有する。より高いFをもった系は、低いFをもった系よりも良好である。この基準は、特定の場合には変更してもよい。例えば、より低い濃度の金属錯体を使用して濃度消光を回避し、またより高い濃度を使用して感度を改善するのが望ましいかもしれない。最大強度での波長を使用する代りに、限定された波長範囲に亘って光ルミネッセンス強度を積分するのが望ましいこともある(それに従って単位も変化することに注意)。この基準は、励起状態のマトリックスから金属へのエネルギー転移(リガンドその他を介して)、および励起された金属からの放出の組合された効率を測定する。
【0040】
本発明のルミネッセンスマトリックスは、エレクトロルミネッセンス(EL)装置に有用である。El装置において、EL材料は二つの電極の間に挟まれて電圧が印加される。典型的には、一方の電極は透明電極である。透明電極の例には、酸化インジウム錫(ITO)、酸化アンチモン錫、ドープされた金属酸化物(例えばドープした酸化亜鉛、ドープした酸化チタン)、ポリアニリン、PEDOT、50nmの金膜のような極薄金属膜、およびこれらの組合せが含まれるが、これらに限定されない。
EL装置は追加の層を含んでもよく、該追加の層にはホール輸送層(HTL)、電子輸送層(ETL)、導電性ポリマー層(CPL)、金属層、および該装置を待機からシールする層が含まれるが、これらに限定されない。
この装置は混合層、例えば、ホール輸送材料およびルミネッセンス材料を含んでなる層を有していてもよい。或いは、ホール輸送材料、ルミネッセンス材料および電子輸送材料を含んでなる層を有していてもよい。当業者は、HTL材料およびETL材料をどのように選択するかを知るであろう。
【0041】
当該装置は、徐々に変化するまたは勾配のある層を有していてもよい。即ち、ホール輸送材料、ルミネッセンス材料または電子輸送材料の濃度が、電極からの距離に従って連続的に変化してもよい。徐々に変化する層は、一つの層を下地層の中に拡散させることによって、または該層を堆積するときにその組成を変化させることによって調製すればよい。
図1を見ると、そこには本発明の実施によって提供されるエレクトロルミネッセンス装置10の、一つの実施態様が示されている。このエレクトロルミネッセンス装置10は、第一の電極として作用する透明電極12を含んでいる。ホール輸送層14および電子輸送層16は、それぞれホールおよび電子をエレクトロルミネッセンス層18に供給する。第二の電極20が回路を完成させる。この実施態様において、エレクトロルミネッセンス装置10は基板22の上にマウントされており、該基板は、幾つかの実施態様ではガラスであることができる。所望であれば、プラスチックのような他の基板を使用することができる。これらの基板は、透明、半透明または不透明であることができる。基板が不透明であれば、頂部電極は好ましくは透明である。次に図2を見ると、そこには図1のエレクトロルミネッセンス装置の分解図が示されており、ここでは、同様の部品には図1の参照番号が付されている。
【0042】
図3を見ると、そこには本発明の実施に従って提供される、エレクトロルミネッセンス装置30のセルアレイが示されている。夫々のエレクトロルミネッセンス装置は、二つの電極32および34を具備しており、それらの間にはエレクトロルミネッセンス層36が挟まれている。必要に応じて、ホール輸送層および/または電子輸送層を、エレクトロルミネッセンス層の夫々の側に設けることができる。駆動回路40は、頂部電極32に電流を供給する。電流を運ぶライン42が底部電極34に接続されており、アドレスライン44を使用して、駆動回路40および駆動ライン46を通って供給される電流が制御される。各セルは、それらが異なる色を発光するように、層36に異なるエレクトロルミネッセンス材料を有していてもよい。図3に示したアレイは単なる例示であり、本発明に従って提供されるアレイの幾何学的配置はこの図面の配置によって制限されない。
次に図4を参照すると、ここにはエレクトロルミネッセンス装置50が示されており、該装置は、基板60の上にマウントされた底部電極52、頂部電極54、電子輸送層56およびエレクトロルミネッセンス層58を具備している。この実施態様には、ホール輸送層が存在せず、または電極54が電子輸送層56を通して電流を供給する。
【0043】
次に図5を参照すると、ここには本発明の実施に従って提供されるエレクトロルミネッセンス装置の更にもう一つの実施態様70が示されている。このエレクトロルミネッセンス装置70は、電極74および76の間に挟まれた、徐々に変化するエレクトロルミネッセンス層72を組込んでいる。該エレクトロルミネッセンス装置70は、基板層78上に支持されている。この実施態様において、上記の徐々に変化する層は、有機マトリックスおよび発光性金属イオンまたは発光性金属錯体を含んでおり、また必要に応じてホール輸送材料および/または電子輸送材料を含んでいる。発光性金属イオンまたは発光性金属錯体の濃度は位置に依存し、例えば、その濃度は電極74および76の近傍において低く、またはゼロに近づき、層72の中央で最も高い。この配置は、電極による発光のクエンチングを防止する。同様に、例えば、電極74の近傍でのゼロから電極76の近傍での最高値まで略直線的に変化するホール輸送層の勾配は、電極76からのホール輸送を補助するが、ホールを電極74には到達させない。同様に、電極77の近傍でのゼロから電極74の近傍での最高値までの電子輸送層の勾配は、電子輸送を補助するであろう。
【0044】
電子輸送層および/またはホール輸送層が存在しないときは、エレクトロルミネッセンス層を含む有機マトリックスが、それぞれ電子および/またはホールを運ばなければならない。
【実施例】
【0045】
実施例1
【化12】

構造23
ポリマー23、ポリ-p-(N,N-ジメチルアミドフェニレン)(10 mg)を、乾燥塩化ニッケル(60 mg、0.46 mmol)、トリフェニルホスフィン(0.917 mg、3.5 mmol)、2,2-ビスピリジン(64.7 mg、0.41 mmol)、ヨウ化ナトリウム(0.39 mg、1.44 mmol)および亜鉛粉末(0.92 mg、14.1 mmol)を100 mLの丸底フラスコの中に配置することにより、(本明細書の一部として本願に援用する米国特許第5,227,457号の例XVに記載されているようにして)調製する。動的減圧の下で、該フラスコおよびその内容物を90分間50℃に加熱して、痕跡量の水を除去する。排気を中断し、アルゴンを該フラスコに入れる。乾燥ジメチルホルムアミド(DMF)(8mL)を添加し、温度を80℃に上昇させる。5分以内に、該混合物は深い赤色に変化する。20分間アルゴン下で撹拌した後、DMF(5 mL)中の2,5-ジクロロ-N,N-ジメチルベンズアミド(2.016 mg、9.1 mmol)の溶液を添加する。2時間後、該混合物を室温に冷却し、次いで200 mLの15%HCL水溶液中に投入し、ベンゼンで抽出する。このベンゼン中の懸濁液としての生成物を、5%HClで洗浄する。この濃厚な白色のベンゼン懸濁液にジクロロメタンを添加して僅かに曇った溶液を得、これを残りの水から分離し、ロータリーエバポレータ上で乾固して、0.5gのポリ-p-(N,N-ジメチルアミドフェニレン)を白色粉末として得る。該ポリマー23を、1,5gのN-メチルピロリジノン(NMP)の中に溶解した。別途、15 mgのEuCl3・6H2Oを1.7 gのNMP中に溶解させた。これらの溶液を、約120℃で2分間混合および撹拌した。この溶液の一部を、120〜130℃の空気中において、熱プレート上の顕微鏡スライド上にキャストした。数分後に、本質的に乾燥した膜が得られた。この膜を長波長(〜366 nm)のUV照射に露出させたときに、赤い発光が観察された。標準のレファレンスとして15 mgのポリマー23を1.2 gのNMP中に溶解し、上記のようにしてキャストした。長波長のUV照射に露出すると、明るい青色の発光が観察された。ポリマー23/Eu3+膜の赤い発光は、長時間空気中に放置すると減衰した。水滴を該膜の上に置いた。水と接触した膜の領域は青色の蛍光を発した。
【0046】
実施例2
【化13】

構造24
ポリ(1,3-(5-ジエチルアミノ)フェニレン、24
無水NMP(50mL)中のN,N-ジメチル-3,5-ジクロロアニリン(1.90 g、0.01 mol)に、窒素下において、二塩化ニッケル(ビストリフェニルホスフィン)(0.109 g、0.167 mmol)、臭化ナトリウム(0.103 g、1 mmol)、およびトリフェニルホスフィン(0.262 g、1 mmol)、および亜鉛ダスト(1.9 g、1 mmol)を加えた。亜鉛を添加すると、反応混合物は発熱する。必要に応じて冷却浴または加熱浴を使用することにより、温度を70℃〜85℃に4時間保持する。次いで、この反応混合物を50℃未満に冷却し、100 mLのイソプロパノール中に投入する。凝固したポリマーを濾過し、NMP中に再溶解させる。この溶液を濾過して亜鉛を除去し、イソプロパノール中で二回目の凝固を行わせる。この凝固したポリマーを濾過し、乾燥する。
ポリマー24、即ち、ポリ(1,3-(5-ジメチルアミノ)フェニレン)(12 mg)を、1.2gのNMP中に溶解する。10 mgのEuCl3・6H2Oを1.2 gのNMP中に溶解する。夫々の溶液の半分を一緒に混合し、実施例1のようにしてキャストする。他の半分のポリマーPP3溶液を別途キャストし、乾燥する。長波長UV照射に露出すると、純粋なPP3の膜は青に発光するのに対して、PP3/Eu3+の膜は発光しない。
【0047】
実施例3
【化14】

構造25
ポリ(2,5-ベンゾフェノン-co-1,4-フェニレン-co-1,3-フェニレン)、25 窒素パージの下で、次の化合物を丸底フラスコに加えた:2,5-ジクロロベンゾフェノン(1.511 g、6.00 mmol)、1,4-ジクロロベンゼン(0.88 g、6.00 mmol)、1,3-ジクロロベンゼン(7.06 mL、48 mmol)、NMP(53.9 mL)、NaI(0.84 g、5.60 mmol)、トリフェニルホスフィン(3.15 g、13.6 mmol)、二塩化ニッケルビストリフェニルホスフィン(0.523 g、0.800 mmol)およびZnダスト(5.6 g、85.6 mmol)。この反応を65℃に設定した油浴中で加熱した。反応混合物の温度は81.1℃まで上昇し、次いで65℃に戻った。該反応混合物を65℃で一晩保持し、その後、この混合物をエタノールおよび濃塩酸の混合物中で凝固させた。この凝固したポリマーを熱エタノールおよび熱アセトンで洗浄し、乾燥した。その重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって32,33と決定された。収量は5.265グラムのポリマー25であり、凝固したポリマーの中には幾らかの不純物が未だ存在していることが示された。熱NMPから膜をキャストした。これらの膜は、長波長紫外線照射の下で青色の蛍光を発する。
【0048】
20 mgのポリフェニレンポリマー25を、1.5 gのNMP中に溶解する。別途、10 mgのEuCl3・6H2Oを1.2 gのNMP中に溶解する。これらの溶液を混合し、実施例1と同様にしてキャストする。UV照射(366 nm)に露出すると、ユーロピウム塩の添加による観察可能な強度減衰または色シフトを伴わずに、ポリマー25の典型的な青色発光が観察される。
実施例1および実施例2、最も顕著には実施例1において、混合物の発光色は、ポリマーの励起状態から希土類金属へのエネルギー転移、およびこれに続く該金属イオンからの放出によって、ホストポリマーの青色から変化した。実施例1における赤色発光は、励起されたEu3+イオンからの発光、および23の励起状態からEu3+イオンへのエネルギー転移のみを示す。
希土類イオンおよびポリマーの錯化または配位は、エネルギー転移にとって重要であると思われる。ポリマー23および24は、それらの構造の中にアミド部分およびアミン部分を含んでいるのに対して、ポリマー25は純粋な炭化水素である。窒素または酸素を含有するポリマーの錯化は、エネルギー転移を容易にするように見える。実施例3において、ポリマー25は、ユーロピウムイオンと強く相互作用する基を含んでおらず、従って相互作用およびエネルギー転移は起こらない。実施例2において、ポリマー24は金属イオンに配位できるアミン側鎖基を有している。ポリマー発光の消光によって示されるように、エネルギーは該ポリマーから転移するが、ユーロピウムの発光は観察されず、他の因子が希土類発光の消光を起こし得ることを示している。
【0049】
実施例4:ポリフルオレン26
9,9-ジ-n-ブチル-2,7-ジブロモフルオレン27を、Woo, et al.の米国特許第5,962,631号の方法によって調製する。この特許の関連部分は、本明細書の一部として本願に援用する。該ポリマー27のGPC分子量は、50,000〜60,000である。
無水NMP(50 mL)中の27(4.36 g、0.01 mol)に、窒素下において、二塩化ニッケル(ビストリフェニルホスフィン)(0.109 g、0.167 mmol)、臭化ナトリウム(0.103 g、1 mmol)、およびトリフェニルホスフィン(0.262 g、1 mmol)、並びに亜鉛ダスト(1.96 g、0.03 mol)を加える。亜鉛の添加の際に反応混合物は発熱する。必要に応じて冷却浴または加熱浴を使用することにより、温度を70℃〜85℃に4時間保持する。次いで、この反応混合物を50℃未満に冷却し、100 mLのイソプロパノール中に投入する。凝固したポリマーを濾過し、NMP中に再溶解させる。この溶液を濾過して亜鉛を除去し、イソプロパノール中で二回目の凝固を行わせる。この凝固したポリマー26を濾過し、乾燥する。
【0050】
実施例5:ポリフルオレン共重合体28
9,9-ジ-n-ブチル-2,7-ジブロモフルオレン27を、Woo, et al.の方法によって上記の様に調製する。
2,7-ジブロモフルオレン-9-スピロ-2'-(1',3',6',9',12',15'-ヘキサオキアシクロヘプタデカン)、29
【化15】

トルエン(250 mL)中の2,7-ジブロモ-9-フルオレノン(33.8 g、0.1 mol)に、ペンタ(エチレングリコール)(23.8 g、0.1 mol)およびDOWEX(登録商標)50WX4-100イオン交換樹脂(5 g)を加える。この混合物をディーン・シュタルク装置中で緩やかに8時間還流させて水を除去し、その後に該混合物を室温に冷却し、イオン交換樹脂を濾過により除く。ロータリーエバポレータを使用して、減圧での蒸留により溶媒を除去する。得られた生成物はそのまま、またはカラムクロマトグラフィーにより精製して使用すればよい。
【0051】
或いは、クラウンエーテル29は、9-フルオレノンを2,7-ビスブロモ-9-フルオレノンに置換することを除き、Oshima et al, Bull. Chem. Soc. Japan, 59, 3979〜3980に従って調製してもよい。
無水NMP(50 mL)中の29(5.58 g、0.01 mol)に、窒素下において、27(4.36 g、0.01 mol)、二塩化ニッケル(ビストリフェニルホスフィン)(0.109 g、0.167 mmol)およびトリフェニルホスフィン(0.262 g、1 mmol)、並びに亜鉛ダスト(1.96 g、0.03 mol)を加える。亜鉛の添加の際に反応混合物が発熱する。必要に応じて冷却浴または加熱浴を使用することにより、温度を70℃〜85℃に4時間保持する。次いで、この反応混合物を50℃未満に冷却し、100 mLのイソプロパノール中に投入する。凝固したポリマー28を濾過し、NMP中に再溶解させる。この溶液を濾過して亜鉛を除去し、イソプロパノール中で二回目の凝固を行わせる。この凝固したポリマーを濾過し、乾燥する。
【0052】
実施例6〜8:ポリフルオレン型の蛍光団
ポリフルオレン28(10.0 g)および表1に示す金属塩を、100 mLのNMP中に溶解する。この溶液を、ITOでコートしたガラス基板上で厚さ約100 nmにスピンコートする。このコートされた基板を、減圧において100℃で約3時間乾燥する。これらの膜は、366 nmで照射したときに、表1に示したような蛍光を発する。厚さ約200 nmのアルミニウム層を、約10-6torrでポリマー/金属塩膜上に蒸着する。イリジウム/錫半田を用いて、前記ITOおよびアルミニウム層への接続を行う。ITOが正およびアルミニウムが負になる方向(順バイアス)に電圧を印加して、該装置に、光ルミネッセンスに対応する色の発光を起こさせる。
【表1】

【0053】
実施例9〜11:ポリフルオレンおよび分極性蛍光金属錯体の膜
ポリフルオレン28(10.0 g)および表2に示す金属錯体(dbmはジベンゾイルメタンである)を、100 mLのNMP中に溶解する。この溶液を、ITOでコートしたガラス基板上で厚さ約100 nmにスピンコートする。このコートされた基板を、減圧において100℃で約3時間乾燥する。これらの膜は、366 nmで照射したときに、表2に示したような蛍光を発する。厚さ約200 nmのアルミニウム層を、約10-6torrでポリマー/金属塩膜上に蒸着する。アルミニウムで覆われる面積は、開放領域が1 cm2のマスクを使用して制御する。イリジウム/錫半田を用いて、前記ITOおよびアルミニウム層への接続を行う。ITOが正およびアルミニウムが負になる方向(順バイアス)に電圧を印加して、該装置に、光ルミネッセンスに対応する色の発光を起こさせる。
【0054】
【表2】

【0055】
実施例12
ユーロピウムをドープしたイットリア、Y2O3:Eu(100 g)(Superior MicroPowders, Albuquerque, NM)を、NMP(1リットル)中のポリマー23(100 g)の溶液に加える。この懸濁液を充分に混合し、ITOでコートしたガラス基板上に膜をキャストして、厚さ約2ミクロンの膜を得る。この膜の1平方センチ区画を覆うマスクを通して、該膜の上にアルミニウム接点を蒸着する。順方向バイアスの下で、該膜は赤色光を発する。
【0056】
実施例13〜16:ナノ結晶の燐/ポリマーマトリックス型エレクトロルミネッセンス系
ナノ結晶の燐を、Society for Information Display, International Symposium, 1999に報告されたようにして、Thara et alに従って調製する。平均粒子サイズは2〜3ナノメータである。10gのナノ結晶性燐を、50 mLのNMP中の5 gのポリマー26(またはポリマー23)の溶液に加える。得られた懸濁液を、ITOでコートしたガラス基板上にキャストして、100〜500ナノメータの薄膜を形成する。
これらの膜は、366 nmの照射下において、表3に纏めたような蛍光(PL)を発する。次いで、5 mm×10 mmの孔を備えたマスクを通した真空蒸着により、これらの膜をアルミニウムでコートする。ITO電極を正になるように、該装置を横切って5〜10Vの電圧を印加すると、表3に列記したようなエレクトロルミネッセンス(EL)を生じる。
【0057】
【表3】

【0058】
実施17〜20:ポリマー/希土類金属錯体
芳香族ポリマーとランタニドイオンとの間のエネルギー転移を定量的に試験した。全ての混合物のための共溶媒としてNMPを使用し、該混合物から膜をキャストして、空気中において略100℃で乾燥した。全ての種の希薄な略等濃度溶液を、NMP中において作製した。次いで、等量のポリマー溶液および金属塩溶液を混合することにより、望ましい溶液混合物を調製した。これらの溶液混合物をスライド上にキャスティングし、ホットプレートを用いて空気中で〜100℃で乾燥することにより、膜を調製した。次いで、この乾燥した膜を長波長のUV照射(366 nm)で励起して、発光を観察した。表4は、出発材料のルミネッセンス特性を示している。表5は、これら混合物についての結果を要約している。
【0059】
【表4】

【0060】
【表5】

【0061】
例18、19、および20において、おそらくは励起状態のポリマーから希土類金属へのエネルギー転移、およびその後の金属イオンの格子からの放出により、膜蛍光の色は増感剤またはホストポリマーの青色から大きく変化する。これは実施例18において最も顕著であり、ここでの赤色は励起したEu3+イオンからだけの発光、および励起状態のポリマー23からイオンへのエネルギーの転移を示している。実施例19では、ポリマーの蛍光がクエンチされてエネルギー転移が示されたが、赤のEu蛍光は弱過ぎて見えなかった。実施例20においては、弱い青色蛍光によってTbへの部分的なエネルギー転移だけが示され、Tb蛍光の緑色は観察されなかった。この一組の実験において、ポリマー28のN,N-ジメチルアミノ基が、Eu3+へのエネルギー転移において最も効果的であった。
【0062】
実施例21:架橋マトリックス
4,4'-ビフェニルのビスグリシジルエーテルに、20モル%の1-ナフチルアミン、500モル%のアニソール、および2モル%のEu(acac)2を混合する。任意に、10〜50モル%の構造I〜XIIのポリマーを加える。この混合物を膜にキャストし、減圧下で80℃に加熱し、アニソールの蒸発およびエポキシ基の硬化を同時に生じさせる。この硬化した膜は赤の蛍光を発する。
実施例22: 光架橋したマトリックス
モノマーとしての1-ビニルナルタレン(0.1 mol)およびジビニルベンゼン(0.005 mol)、光開始剤(0.001 mol)、並びにトリス(8-ヒドロキシキノリナト)テルビウムを混合し、スピンコーティングにより、ITOコートしたガラス基板上に薄膜としてキャストする。この膜を、直ちに254 nmの光に露出させて光開始剤を活性化させる。次いで、この膜を100℃で5分間加熱して未反応のモノマーを除去する。該膜は緑の蛍光を発する。アルミニウムの第二の電極を、スパッタリングにより発光層の上に堆積する。
【0063】
実施例23:光架橋したマトリックス
スピンコーティングの前に、ポリスチレン(0.05 mol)を混合物に添加して該混合物の粘度を調整した以外は、実施例22と同じである。
実施例24:小分子マトリックス−スピロ化合物マトリックス
スピロ化合物22(0.1 mol)を、トルエン(50 mL)およびテトラヒドロフラン(50 mL)の混合物中に溶解し、トリス(ベンゾイルナフトイルメタン)テルビウム(0.05 mol)およびポリスチレン(0.01 mol)を加える。得られた混合物を、ガラス、ITO、および窒素下に300℃で1時間硬化させたトリス(4-フェニルエチニルフェニル)アミンからなる多層構造の頂部にスピンコートする。得られた多層構造は緑に発光する。頂部電極は、アルミニウムの蒸着により形成する。
トリス(4-フェニルエチニルフェニル)アミン
トリ(4-ブロモフェニル)アミン(0.1 mol)およびフェニルアセチレン(0.3 mol)を、NMP(100mL)中において、80℃で16時間、二酢酸パラジウム(0.006 mol)、トリトリルホスフィン(0.012 mol)およびトリエチルアミン(0.3 mol)と反応させる。臭化トリエチルアンモニウムを濾去し、生成物をヘキサンからの再結晶化により精製する。
【0064】
実施例25
モノマー27(9,9-ジ-n-ブチル-2,7-ジブロモフルオレン)(43.6 g、0.1 mol)および2,7-ジブロモ-9-フルオレノン(8.45 g、0.025 mol)を、実施例5の条件を用いて重合し、次の構造を有する共重合体30を得る。
【化16】

NMP(10 mL)中の30(1 g)および三塩化ユーロピウム水和物(0.1 g)の溶液から、膜をキャストする。この膜は赤の蛍光を発する。
実施例26: ホール輸送剤を含有する膜
ポリマー23に加えて、N,N'-ジフェニル-N,N'-ビス(3-メチルフェニル)-(1,1'-ビフェニル)-4,4'-ジアミン(TPD)5 mgを添加する以外は、実施例1の方法を繰り返す。得られた膜は、366 nmで照射したときに赤の蛍光を有する。
【0065】
実施例27:
無水塩化ニッケル(II)(50 mg、0.39 mmol)、トリフェニルホスフィン(750 mg、2.86 mmol)、ヨウ化ナトリウム(150 mg、1.0 mmol)、および325メッシュの活性化された亜鉛粉末(1.2 g、18 mmol)を、5 mLの無水N-メチル-ピロリジノン(NMP)と共に、不活性雰囲気下で100 mLの丸底フラスコの中に配置することにより、(本明細書の一部として本願に援用する米国特許第5,227,457号の例XVIIに記載されているようにして)、ポリ(パラ-ベンゾイルモルホリン)31を調製する。この混合物を50℃で約10分間撹拌し、深い赤の着色を導く。次いで、3 g(11.5 mmol)の2,5-ジクロロベンゾイルモルホリン(HPLC分析で>99%純度)の10 mLの無水NMP中溶液を、シリンジにより加える。約60分間撹拌した後、得られた高粘性溶液を、エタノール中の1モル塩酸100 mL中に投入して過剰の亜鉛金属を溶解し、ポリマーを沈殿させる。この懸濁液を濾過し、沈殿をアセトンと共に粉砕し、単離および乾燥の後、2.2 g(収率100%)のポリパラベンゾイルモルホリンを明褐色粉末として得る。その固有粘度は約1.8 dL/gである。ポリマー31、10 mgを1.5 gのNMP中に溶解する。別途、15 mgのEu(NO3)3・H2Oおよび6 mgのフェナントロリンを1.5 gのNMP中に溶解する。これらの溶液を混合し、120℃で2分間撹拌する。該溶液の一部を120〜130℃でガラスプレート上にキャストし、乾燥するまで熱いまま維持し、次いで室温に冷却する。366 nmのUVに露出させると赤色の発光が観察された。ポリマー31のみを含有する溶液から同様に調製された膜は、青色の蛍光を発する。
【0066】
実施例28
共重合{1,4-(ベンゾイルフェニレン)}−{1,4-フェニレン}32は、無水塩化ニッケル(II)(3.75 g、5.7 mmol)、トリフェニルホスフィン(18 g、68.6 mmol)、塩化ナトリウム(2 g、34.2 mmol)、325メッシュの活性化された亜鉛粉末(19.5 g、298 mmol)および250 mLの無水NMPを、不活性雰囲気下で、オーブン乾燥した1リットルのフラスコの中に配置することにより、(本明細書の一部として本願に援用する米国特許第5,227,457号の例XVIIに記載されているようにして)調製する。(活性化亜鉛粉末は、商業的に入手可能な325メッシュの亜鉛ダストを、ジエチルエーテル(無水)中の1モル塩化水素で2〜3回洗浄し、真空または不活性雰囲気下において、約100〜120℃で数時間乾燥した後に得られる。得られた粉末は、大きな塊を除去して高活性を保証するためにシフトすべきである(例えば、150メッシュの篩が充分であるように思える)。この材料は直ちに使用するか、または酸素および水分を排除した不活性雰囲気下で保存すべきである)。この混合物を約15分間撹拌すると、深い赤色の着色が導かれる。次いで、2,5-ジクロロベンゾフェノン(45 g、179 mmol)および1,4-ジクロロ-ベンゼン(2.95 g、20 mmol)をフラスコに加える。激しく撹拌されている反応混合物の温度を、該混合物が濃くなるまで(約30分)60〜70℃に保持する。反応混合物を室温に一晩冷却した後、得られた粘性溶液を、1.2 Lのエタノール中1モル塩酸の中に投入し、過剰な亜鉛金属を溶解してポリマーを沈殿させる。この懸濁液を濾過し、沈殿物をアセトンで洗い、乾燥して粗製樹脂を得る。高純度を達成するために、この粗製ポリマーを約1.5 LのNMPの中に溶解し、約4 Lのアセトンの中で凝集させ、アセトンで連続的に抽出し、乾燥して、30 g(収率89%)のオフホワイト色の粉末を得る。真正粘度は、NMP中の0.05モルの集荷リチウム中において、40℃で4.2 dL/gである。
【0067】
ポリマー32、1.8 gを、フェネチルアルコール中のナトリウムボロハイドライド(32の夫々のベンゾイル基について1.1モル当量のナトリウムボロハイドライド)を使用して還元し、ポリマー33を得る。ポリマー33を過剰の無水酢酸で処理して、ナトリウムボロハイドライド還元で生じたアルコール基をエステル化し、ポリマー34を得る。
ポリマー34の層(厚さ約300 nm)を、酸化インジウム錫の透明導電層(これは厚さ約500 nmのBaytron P(登録商標、Bayer)でコートされている)でコートしたガラス基板上にスピンキャストする。カソードとして、カルシウムの層をポリマー34の層の頂部に蒸着する。最後に、カルシウムの頂部にマグネシウムの層を蒸着して、カルシウムを空気から保護する。酸化インジウム錫アノードとカルシウムカソードとの間に電圧を印加すると、青色の光が放出される。
【0068】
実施例29
無水塩化ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)(10 g、15 mmol)、トリフェニルホスフィン(50 g、0.19 mol)、ヨウ化ナトリウム(15 g、80 mmol)、および325メッシュの活性化された亜鉛粉末(60 g、0.92 mol)を、不活性雰囲気下で瓶の中に配置し、激しい窒素向流に抗して、800 mLの無水NMPを含むオーブン乾燥した2リットルのフラスコの中に加えることにより、共重合{1,4-(ベンゾイルフェニレン)}−{1,3-フェニレン}35を(本明細書の一部として本願に援用する米国特許第5,654,392号の例16に記載されているようにして)調製する。この混合物を約15分間撹拌すると、深い赤色の着色が導かれる。次いで、2,5-ジクロロベンゾフェノン(127 g、0.51 mol)および1,3-ジクロロ-ベンゼン(11 mL、96 mmol)をフラスコに加える。初期の僅かな吸熱(モノマーの溶解による)の後、激しく撹拌される反応混合物の温度は約30分に亘って80〜85℃に上昇する。更に10〜15分間撹拌した後、反応混合物の粘度は劇的に増大し、撹拌は停止される。反応混合物を室温に一晩冷却した後、得られた粘性溶液を、6 Lのエタノール中の1モル塩酸中に投入し、過剰な亜鉛金属を溶解してポリマーを沈殿させる。この懸濁液を濾過し、沈殿物をエタノール、次いでアセトンで連続的に抽出し乾燥して、93 g(収率94%)の粗製白色樹脂を得る。高純度を達成するために、この粗製ポリマーを約600 mLの塩化メチレン中に溶解し、1.2ミクロン(公称)のポリプロピレン繊維フィルターを通して加圧濾過し、約2 Lのアセトンの中で凝集させ、アセトンで連続的に抽出し乾燥して、92 g(収率93%)の微細な白色粉末を得る。ポリスチレンに対するGPC MWは150,000〜200,000である。
【0069】
ポリマー35、2 gを、フェネチルアルコール中のナトリウムボロハイドライド(35の夫々のベンゾイル基について2モル当量のナトリウムボロハイドライド)を使用して還元し、ポリマー36を得る。ポリマー36を過剰の無水酢酸で処理して、ナトリウムボロハイドライド還元で生じたアルコール基をエステル化し、ポリマー37を得る。ポリマー37は、ポリスチレンに対して150,000〜200,000のGPC MWを有する。ポリマー37は、366 nmで照射すると青色の蛍光を発する。ポリマー36の層(厚さ約250 nm)を、酸化インジウム錫の透明導電層(これは厚さ約500 nmのBaytron P(登録商標、Bayer)でコートされている)でコートしたガラス基板上にスピンキャストする。カソードとして、カルシウムの層をポリマー34の層の頂部に蒸着する。最後に、カルシウムの頂部にマグネシウムの層を蒸着して、カルシウムを空気から保護する。酸化インジウム錫アノードとカルシウムカソードとの間に電圧を印加すると、青色の光が放出される。
【0070】
実施例30
上記の実施例28で調製したポリマー37、1 gを、15 mLのNMP中における0.4 gのEu(NO3)3・6H2Oおよび0.15 gのフェナントレンと混合する。この溶液を、酸化インジウムチンおよびBaytron P(登録商標、Bayer)でプレコートされたガラスプレート上にキャストして、厚さ約200 nmの膜を得る。この膜は、366 nmで照射したときに赤色の蛍光を発する。マグネシウム/銀カソードを、一方のプレート上のポリマー37の層の頂部に蒸着する。第二のプレート上には、2,4-ジナフチルオキソジアゾールをポリマー37の層の上に蒸着し、続いてマグネシウム/銀カソードを蒸着する。両装置は、アノードおよびカソードを横切って電圧を印加したときに赤色光を放出する。
光ルミネッセンスおよびエレクトロルミネッセンス組成物、かかる組成物を製造する方法、およびそれによって製造される光ルミネッセンスおよびエレクトロルミネッセンス装置の実施例に関する上記の説明は、例示目的のためのものである。当業者に明かな変形の故に、本発明は上記で述べた特定の実施例に限定されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲において定義される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の群から選択される反復単位を含むポリマー、および一以上の発光性金属イオンまたは発光性金属イオン錯体を含んでなる組成物。
【化1】

【化2】

(式中、RはH、D、F、アルコキシ、アリールオキシ、アルキル、アリール、アルキルケトン、アリールケトン、アルキルエステル、アリールエステル、アミド、カルボン酸、フルオロアルキル、フルオロアリール、ポリアルカレンオキシであり、R基のいずれか二つは架橋されてもよく、mは0〜2であり、nは0〜3であり、oは0〜4であり、pは0〜5であり、qは0〜6であり、AおよびBは-O-、-S-、-NR1-および-CR1R2-、-CR1R2CR3R4-、-N=CR1、-CR1=CR2-、-N=N-、および-(CO)-からなる群から独立に選択され、ここでR1〜R4はH、D、F、アルキル、アリール、アルキレンオキシ、ポリアルキレンオキシ、アルコキシ、アリールオキシ、フルオロアルキル、およびフルオロアリールであり、該R基の二つは架橋されてもよく、mは0〜2であり、nは0〜3であり、oは0〜4であり、pは0〜5であり、qは0〜6であり、rは0〜7であり、またEはO、NHおよびSからなる群から選択される。)
【請求項2】
前記発光性金属イオンまたは発光性金属イオン錯体はランタニド金属イオンを含んでなる請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ポリマーは共重合体である請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記ポリマーは樹状ポリマーまたは超分岐ポリマーである請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記ポリマーは構造IIの反復単位を含んでなる請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記発光性金属イオンまたは発光性金属イオン錯体はセリウムを含んでなる請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記発光性金属イオンまたは発行金属イオン錯体はユーロピウムを含んでなる請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記発光性金属イオンまたは発行金属イオン錯体はテルビウムを含んでなる請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記ポリマーは共重合体である請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記反復単位の一つは構造IIを有する請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
構造IIを有する反復単位の一つについて、qは0であり、Aは-CR1R2-であり、R1およびR2はアルキルである請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
第二の反復単位は構造IIを有し、こおでqは0であり、Aは-CR1R2-であり、R1およびR2はH、D、F、アルキル、アリール、アルキレンオキシ、ポリアルキレンオキシ、アルコキシ、アリールオキシ、フルオロアルキル、およびフルオロアリールからなる群から選択される請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記発光性金属イオンまたは発光性金属イオン錯体は無機固体の一部として存在する請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記無機固体は1〜1000ナノメータの物理的大きさを持ったナノサイズの粉末である請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記無機固体は半導体である請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記半導体はII−IV半導体である請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記発光性金属イオンまたは発光性金属イオン錯体は、クロム、マンガン、鉄、コバルト、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、およびウランからなる群から選択される金属イオンを含んでなる請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
請求項1に記載の組成物を含んでなるエレクトロルミネッセンス装置。
【請求項19】
前記無機固体は半導体である、請求項13に記載の組成物。
【請求項20】
前記半導体はII−IV半導体である、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
20 nm以下の発光バンドを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項22】
10 nm以下の発光バンドを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項23】
5 nm以下の発光バンドを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項24】
3 nm以下の発光バンドを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項25】
前記発光性金属イオンまたは発光性金属イオン錯体は、分極性リガンドを含んでなる請求項1に記載の組成物。
【請求項26】
前記分極性リガンドは下記からなる群から選択される請求項25に記載の組成物。
【化3】

【化4】

【請求項27】
前記分極性リガンドはポリマー鎖の一部である請求項25に記載の組成物。
【請求項28】
前記ポリマー鎖は共役ポリマー鎖である請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
前記ポリマーは架橋ポリマーである請求項1に記載の組成物物。
【請求項30】
前記ポリマーはオリゴマーである請求項1に記載の組成物。
【請求項31】
前記ポリマーは分岐ポリマーである請求項1に記載の組成物。
【請求項32】
前記ポリマーはブロック共重合体である請求項1に記載の組成物。
【請求項33】
前記ポリマーはランダム共重合体である請求項1に記載の組成物。
【請求項34】
前記ポリマーはグラフト共重合体である請求項1に記載の組成物。
【請求項35】
前記ポリマーの共役長さは非芳香族スペーサ基で制御される請求項1に記載の組成物。
【請求項36】
前記スペーサ基は-O-、-S-、-NR-、-CR1R2-、-(CH2)n-、エステル、およびアミドからなる群から選択される請求項35に記載の組成物。
【請求項37】
前記共役長さは2〜50共役環である請求項35に記載の組成物。
【請求項38】
前記共役長さは3〜10共役環である請求項35に記載の組成物。
【請求項39】
請求項36に記載の組成物であって、前記共役長さは3〜6共役環である組成物。
【請求項40】
請求項1の組成物を含んでなるエレクトロルミネッセンス装置。
【請求項41】
前記ポリマーが架橋ポリマーである請求項40に記載の装置。
【請求項42】
第一の電極と;
一以上の電荷輸送材料と;
請求項1の組成物および第二の電極を含んでなるエレクトロルミネッセンス層とを具備するエレクトロルミネッセンス装置。
【請求項43】
前記電極の一方または両方が透明電極である請求項42に記載のエレクトロルミネッセンス装置。
【請求項44】
前記電極の一方または両方が酸化錫またはドープされた酸化錫を含んでなる請求項42に記載のエレクトロルミネッセンス装置。
【請求項45】
前記電荷移動材料の一つは、異なる層として設けられたホール輸送材料である請求項42に記載のエレクトロルミネッセンス装置。
【請求項46】
二つの層、即ち、ホール輸送材料を含む第一の層と、電子輸送材料を含むエレクトロルミネッセンス層とを具備してなる請求項42に記載のエレクトロルミネッセンス装置。
【請求項47】
電子輸送材料が異なる層として設けられる請求項42に記載のエレクトロルミネッセンス装置。
【請求項48】
二つの層、即ち、電子輸送材料を含む第一の層と、ホール輸送材料を含むエレクトロルミネッセンス層とを具備してなる請求項42に記載のエレクトロルミネッセンス装置。
【請求項49】
三つの層、即ち、電子輸送材料の層とホール輸送材料の層の間に挟まれたエレクトロルミネッセンス層を具備してなる請求項42に記載のエレクトロルミネッセンス装置。
【請求項50】
前記層は異なるものではなく、徐々に変化する請求項49に記載のエレクトロルミネッセンス装置。
【請求項51】
ホール輸送材料および電子輸送材料をを含んでなり、その両者がエレクトロルミネッセンス層の中で徐々に変化している請求項42に記載のエレクトロルミネッセンス装置。
【請求項52】
発光バンドが20 nm以下である請求項42に記載のエレクトロルミネッセンス装置。
【請求項53】
発光バンドが10 nm以下である請求項42に記載のエレクトロルミネッセンス装置。
【請求項54】
発光バンドが5 nm以下である請求項42に記載のエレクトロルミネッセンス装置。
【請求項55】
発光バンドが3 nm以下である請求項42に記載のエレクトロルミネッセンス装置。
【請求項56】
前記エレクトロルミネッセンス層は、1〜1000ナノメータ範囲の物理的大きさのナノサイズ粉末を含んでなる請求項42に記載のエレクトロルミネッセンス装置。
【請求項57】
ターンオン電圧が15V未満である請求項42に記載のエレクトロルミネッセンス装置。
【請求項58】
ターンオン電圧が10V未満である請求項42に記載のエレクトロルミネッセンス装置。
【請求項59】
ターンオン電圧が5V未満である請求項42に記載のエレクトロルミネッセンス装置。
【請求項60】
芳香族炭化水素マトリックスと;
芳香族リガンドを有するランタニド金属錯体とを含有してなるエレクトロルミネッセンス組成物。
【請求項61】
前記芳香族リガンドがジアリール基を有する請求項60に記載の組成物。
【請求項62】
前記芳香族リガンドは二つの環が縮環した環状基を有する請求項60に記載の組成物。
【請求項63】
前記芳香族リガンドがトリアリール基を有する請求項60に記載の組成物。
【請求項64】
前記芳香族リガンドは三つの環が縮環した環状基を有する請求項60に記載の組成物。
【請求項65】
前記芳香族リガンドがポリアリール基を有する請求項60に記載の組成物。
【請求項66】
請求項60の組成物を含んでなるエレクトロルミネッセンス装置。
【請求項67】
第一の電極と;
一以上の電荷輸送層と;
請求項60の組成物および第二の電極を含んだエレクトロルミネッセンス層とを具備してなるエレクトロルミネッセンス装置。
【請求項68】
請求項67に記載の装置であって、前記電極の一方または両方が透明電極である装置。
【請求項69】
請求項67に記載の装置であって、前記電極の一方または両方が、酸化錫またはドープされた酸化錫を含んでなる装置。
【請求項70】
請求項67に記載の装置であって、前記層の一つがホール輸送層である装置。
【請求項71】
請求項67に記載の装置であって、前記層の一つがホール輸送層であり、前記層のもう一つは発光性金属および電子輸送材料を含んでなる混合層である装置。
【請求項72】
請求項67に記載の装置であって、前記層の一つは電子輸送層である装置。
【請求項73】
請求項67に記載の装置であって、前記電極の一つは電子輸送層であり、前記層のもう一つは発光性金属およびホール輸送材料を含んでなる混合層である装置。
【請求項74】
請求項67に記載の装置であって、前記層の一つはホール輸送層であり、前記層のもう一つは発光層であり、また前記層のもう一つは電子輸送層である装置。
【請求項75】
請求項73に記載のエレクトロルミネッセンス装置であって、前記混合層は徐々に変化している装置。
【請求項76】
異なる分子および発光性ランタニド金属イオンを含有する分極性マトリックスを含んでなる組成物。
【請求項77】
請求項76に記載の組成物であって、前記分極性マトリックスは長腕スピロ化合物である組成物。
【請求項78】
請求項76に記載の組成物であって、前記分極性マトリックスは次式で表さされる化合物である組成物。
【化5】

【請求項79】
次式で表される反復単位を含むポリマー並びに一以上の発光性金属イオンまたは発光性金属イオン錯体を含有してなる組成物であって、前記ポリマーが約30,000ダルトンよりも大きい分子量を有する前記組成物。
【化6】

(式中、RはH、D、F、Cl、Br、I、アルコキシ、アリールオキシ、アルキル、アリール、アルキルケトン、アリールケトン、アルキルエステル、アリールエステル、アミド、カルボン酸、フルオロアルキル、フルオロアリール、ポリアルカレンオキシであり、R基のいずれか二つは架橋されてもよく、mは0〜2であり、nは0〜3であり、oは0〜4であり、pは0〜5であり、qは0〜6であり、AおよびBは-O-、-S-、-NR1-および-CR1R2-、-CR1R2CR3R4-、-N=CR1、-CR1=CR2-、-N=N-、および-(CO)-からなる群から独立に選択され、ここでR1〜R4はH、D、F、アルキル、アリール、アルキレンオキシ、ポリアルキレンオキシ、アルコキシ、アリールオキシ、フルオロアルキル、およびフルオロアリールであり、該R基の二つは架橋されてもよく、mは0〜2であり、nは0〜3であり、oは0〜4であり、pは0〜5であり、qは0〜6であり、rは0〜7であり、またEはO、NHおよびSからなる群から選択される。)。
【請求項80】
請求項79に記載の組成物であって、前記ポリマーが約50,000ダルトンよりも大きい分子量を有する組成物。
【請求項81】
請求項79に記載の組成物であって、前記ポリマーが約60,000ダルトンよりも大きい分子量を有する組成物。
【請求項82】
請求項79に記載の組成物であって、前記ポリマーが約100,000ダルトンよりも大きい分子量を有する組成物。
【請求項83】
請求項79に記載の組成物であって、前記ポリマーが約150,000ダルトンよりも大きい分子量を有する組成物。
【請求項84】
請求項79に記載の組成物であって、前記ポリマーが約200,000ダルトンよりも大きい分子量を有する組成物。
【請求項85】
請求項79に記載の組成物であって、前記ポリマーは少なくとも1.8 dL/gの固有粘度を有する組成物。
【請求項86】
請求項79に記載の組成物であって、前記ポリマーは少なくとも4.2 dL/gの固有粘度を有する組成物。
【請求項87】
請求項79に記載の組成物であって、oは1であり、Rは-(C=O)NR1R2、ベンゾイル、-NR1R2、-OR1、-CHR1R2、-フェニル、-ナフチル、および-2-ベンゾオキサゾールからなる群から選択され、R1およびR2は上記で定義した通りである組成物。
【請求項88】
請求項79に記載の組成物であって、前記発光性金属イオンまたは発光性金属イオン錯体は、ランタニド金属イオンを含んでなる組成物。
【請求項89】
請求項79に記載の組成物であって、前記ポリマーは共重合体である組成物。
【請求項90】
請求項79に記載の組成物であって、前記ポリマーは樹状ポリマーまたは超分岐ポリマーである組成物。
【請求項91】
請求項79に記載の組成物であって、前記発光性金属または発光性金属錯体がセリウムを含んでなる組成物。
【請求項92】
請求項79に記載の組成物であって、前記発光性金属または発光性金属錯体がユーロピウムを含んでなる組成物。
【請求項93】
請求項79に記載の組成物であって、前記発光性金属または発光性金属錯体がテルビウムを含んでなる組成物。
【請求項94】
請求項79に記載の組成物であって、前記発光性金属または発光性金属錯体が無機固体の一部として存在する組成物。
【請求項95】
請求項94に記載の組成物であって、前記無機固体は、1〜1000ナノメータ範囲の物理的大きさを持ったナノサイズの粉末である組成物。
【請求項96】
請求項94に記載の組成物であって、前記無機固体は半導体である組成物。
【請求項97】
請求項96に記載の組成物であって、前記半導体がII−VI半導体である組成物。
【請求項98】
請求項79に記載の組成物であって、前記発光性金属イオンまたは亜発光性金属イオン錯体は、クロム、マンガン、鉄、コバルト、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、およびウランからなる群から選択される組成物。
【請求項99】
請求項79に記載の組成物を含んでなるエレクトロルミネッセンス装置。
【請求項100】
請求項95に記載の組成物であって、前記無機固体が半導体である組成物。
【請求項101】
請求項95に記載の組成物であって、前記半導体がII−VI半導体である組成物。
【請求項102】
20 nm以下の発光バンドを有する請求項101に記載の組成物。
【請求項103】
10 nm以下の発光バンドを有する請求項101に記載の組成物。
【請求項104】
5 nm以下の発光バンドを有する請求項79に記載の組成物。
【請求項105】
3 nm以下の発光バンドを有する請求項79に記載の組成物。
【請求項106】
請求項79に記載の組成物であって、前記発光性金属または発光性金属イオン錯体が分極性リガンドを含んでなる組成物。
【請求項107】
前記分極性リガンドが下記からなる群から選択される請求項106に記載の組成物。
【化7】

【化8】

【請求項108】
請求項106に記載の組成物であって、前記分極性リガンドがポリマー鎖の一部である組成物。
【請求項109】
請求項108に記載の組成物であって、前記ポリマー鎖が共役したポリマー鎖である組成物。
【請求項110】
請求項79に記載の組成物であって、前記ポリマーが架橋ポリマーである組成物。
【請求項111】
請求項79に記載の組成物であって、前記ポリマーがオリゴマーである組成物。
【請求項112】
請求項79に記載の組成物であって、前記ポリマーが分岐ポリマーである組成物。
【請求項113】
請求項79に記載の組成物であって、前記ポリマーがブロック共重合体である組成物。
【請求項114】
請求項79に記載の組成物であって、前記ポリマーがランダム共重合体である組成物。
【請求項115】
請求項79に記載の組成物であって、前記ポリマーがグラフト共重合体である組成物。
【請求項116】
請求項79に記載の組成物であって、前記ポリマーの共役長が非芳香族スペーサ基によって制御される組成物。
【請求項117】
請求項116に記載の組成物であって、前記スペーサ基が-O-、-S-、-NR-、-CR1R2-、-C(H2)n-、-C(F2)n-、エステル、およびアミドからなる群から選択される組成物。
【請求項118】
請求項116に記載の組成物であって、前記共役長が2〜50共役環の間である組成物。
【請求項119】
請求項116に記載の組成物であって、前記共役長が3〜10共役環の間である組成物。
【請求項120】
請求項116に記載の組成物であって、前記共役長が3〜6共役環の間である組成物。
【請求項121】
第一の電極と;
一以上の電荷輸送層と;
請求項79の組成物および第二の電極を含むエレクトロルミネッセンス層とを具備してなるエレクトロルミネッセンス装置。
【請求項122】
請求項121に記載のエレクトロルミネッセンス装置であって、前記電極の一方または両方が透明電極である装置。
【請求項123】
請求項121に記載の装置であって、前記電極の一方または両方が酸化錫またはドープされた酸化錫を含んでなる装置。
【請求項124】
請求項121に記載の装置であって、前記電荷輸送材料の一つは、別個の層として設けられたホール輸送材料である装置。
【請求項125】
請求項121に記載の装置であって、二つの層、即ち、ホール輸送材料を含む第一の層およびエレクトロルミネッセンス層を具備してなる装置。
【請求項126】
請求項121に記載の装置であって、電子輸送材料が一つの層として与えられる装置。
【請求項127】
請求項121に記載の装置であって、二つの層、即ち、電子輸送材料を含んでなる第一の層と、追加のホール輸送材料を含むエレクトロルミネッセンス層とを具備してなる装置。
【請求項128】
請求項121に記載の装置であって、三つの層、即ち、電子輸送材料層とホール輸送材料層との間に挟まれたエレクトロルミネッセンス層を具備してなる装置。
【請求項129】
請求項128に記載の装置であって、前記三つの層は明瞭に異なっておらず、徐々に変化している装置。
【請求項130】
請求項121に記載のエレクトロルミネッセンス装置であって、ホール輸送材料および電子輸送材料を含んでなり、これら両者は前記エレクトロルミネッセンス層の中で徐々に変化している装置。
【請求項131】
請求項121に記載の装置であって、発光バンドが20 nm以下である装置。
【請求項132】
請求項121に記載の装置であって、発光バンドが10 nm以下である装置。
【請求項133】
請求項121に記載の装置であって、発光バンドが5 nm以下である装置。
【請求項134】
請求項121に記載の装置であって、発光バンドが3 nm以下である装置。
【請求項135】
請求項121に記載の装置であって、前記エレクトロルミネッセンス層が、1〜1000ナノメータの範囲の物理的大きさを持ったナノサイズの粉末を含んでなる装置。。
【請求項136】
請求項121に記載の装置であって、ターンオン電圧が15V未満である装置。
【請求項137】
請求項121に記載の装置であって、ターンオン電圧が10V未満である装置。
【請求項138】
請求項121に記載の装置であって、ターンオン電圧が5V未満である装置。
【請求項139】
下記の構造のポリマーと;一以上の発光性の金属イオンまたは金属イオン錯体とを含んでなる組成物:
-(R-分極性リガンド-R)-(Y)-
ここで、RはH、D、F、Cl、Br、I、アルコキシ、アリールオキシ、アルキル、アリール、アルキルケトン、アリールケトン、アルキルエステル、アリールエステル、アミド、カルボン酸、フルオロアルキル、フルオロアリール、ポリアルカレンオキシ〜独立に選択され、R基の何れか二つは架橋されてもよく、Yはポリマー反復単位である。
【請求項140】
請求項139に記載の組成物であって、前記発光性金属イオンまたは発光性金属イオン錯体は、クロム、マンガン、鉄、コバルト、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金およびウランからなる群から選択される金属イオンを含んでなる組成物。
【請求項141】
請求項139に記載の組成物であって、前記分極性リガンドが下記からなる群から選択される組成物。
【化9】

【化10】

【請求項142】
Yが下記からなる群から選択される請求項139に記載の組成物。
【化11】

【化12】

(式中、Y反復単位上のRは、H、D、F、Cl、Br、I、アルコキシ、アリールオキシ、アルキル、アリール、アルキルケトン、アリールケトン、アルキルエステル、アリールエステル、アミド、カルボン酸、フルオロアルキル、フルオロアリール、ポリアルカレンオキシから独立に選択され、Y反復単位R基の何れか二つは架橋されてもよく、mは0〜2であり、nは0〜3であり、oは0〜4であり、pは0〜5であり、qは0〜6であり、AおよびBは-O-、-S-、-NR1-、および-CR1R2-、-CR1R2CR3R4-、-N=CR1、-CR1=CR2-、-N=N-、および-(CO)-からなる群から独立に選択され、ここでR1〜R4はH、D、F、Cl、Br、I、アルコキシ、アリールオキシ、アルキル、アリール、アルキレンオキシ、ポリアルキレンオキシ、アルコキシ、アリールオキシ、フルオロアルキル、およびフルオロアリールであり、該R基の二つは架橋されてもよく、mは0〜2であり、nは0〜3であり、oは0〜4であり、pは0〜5であり、qは0〜6であり、rは0〜7であり、またEはO、NHおよびSからなる群から選択され
る。)
【請求項143】
下記からなる群から選択される反復単位を含むポリマーと、一以上の発光性金属イオンまたは発光性金属イオン錯体とを含有してなる組成物。
【化13】

【化14】

(式中、Rは、H、D、F、Cl、Br、I、アルコキシ、アリールオキシ、アルキル、アリール、アルキルケトン、アリールケトン、アルキルエステル、アリールエステル、アミド、カルボン酸、フルオロアルキル、フルオロアリール、ポリアルカレンオキシから独立に選択され、R基の何れか二つは架橋されてもよく、mは0〜2であり、nは0〜3であり、oは0〜4であり、pは0〜5であり、qは0〜6であり、AおよびBは-O-、-S-、-NR1-、および-CR1R2-、-CR1R2CR3R4-、-N=CR1、-CR1=CR2-、-N=N-、および-(CO)-からなる群から独立に選択され、ここでR1〜R4はH、D、F、アルキル、アリール、アルキレンオキシ、ポリアルキレンオキシ、アルコキシ、アリールオキシ、フルオロアルキル、およびフルオロアリールであり、該R基の二つは架橋されてもよく、mは0〜2であり、nは0〜3であり、oは0〜4であり、pは0〜5であり、qは0〜6であり、rは0〜7であり、またEはO、NHおよびSからなる群から選択される。)
【請求項144】
前記ポリマーは約50,000ダルトンよりも大きい分子量を有する請求項143に記載の組成物。
【請求項145】
前記ポリマーは約60,000ダルトンよりも大きい分子量を有する請求項143に記載の組成物。
【請求項146】
前記ポリマーは約100,000ダルトンよりも大きい分子量を有する請求項143に記載の組成物。
【請求項147】
前記ポリマーは約150,000ダルトンよりも大きい分子量を有する請求項143に記載の組成物。
【請求項148】
前記ポリマーは約200,000ダルトンよりも大きい分子量を有する請求項143に記載の組成物。
【請求項149】
前記ポリマーは少なくとも1.8 dL/gの固有粘度を有する請求項143に記載の組成物。
【請求項150】
前記ポリマーは少なくとも4.2 dL/gの固有粘度を有する請求項143に記載の組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−144733(P2012−144733A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−52308(P2012−52308)
【出願日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【分割の表示】特願2002−510583(P2002−510583)の分割
【原出願日】平成13年6月12日(2001.6.12)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】