説明

ポリマー製造プロセス

本発明の態様は、ポリエチレンテレフタレート(PET)または商業的に使用されているその他のポリマー等の縮合ポリマーを、他のモノマーを含有する改質モノマーミックスとエステル交換し、事前に縮合された部分を含有する新しいポリマーを製造する工程を含む、比較的に急速なエステル交換プロセスに関する。該プロセスでは、好ましくは、反応機構としてエステル交換のみが関与する。該プロセスは、好ましくは、縮合ポリマーの改質モノマー混合物との高温度でのエステル交換により、分子量の急速な増加および/またはポリマーの均一性を生み出す。該プロセスは、押出ラインを含むいかなる好適な槽においても実行可能であり、PETの他の材料へのリサイクル等の現在用いられている縮合ポリマー利用プロセスに勝る、サイクル時間の大幅な低減という利点を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、概して、新規なポリマーを生成するための、少なくともテレフタル酸ポリエステル(PET)または商業的に使用されるその他のポリエステルの、改質モノマー混合物とのエステル交換を含むエステル交換プロセスに関する。そのようにして生成された新規なポリマーは、例えば、種々のカーペット製品およびその他の織物の製造における接着剤として、またはその他の接着剤用途に有用である。
【背景技術】
【0002】
[0002]エステル化とは、典型的には、エステル結合を生成する有機カルボン酸とアルコールの縮合である。ポリエステルは、多官能カルボン酸類が多官能アルコール類と反応して反復エステル単位を含有するポリマーを生成すると形成される。ポリエステルは、種々の産業において使用される重要なポリマー成分となっている。
【0003】
[0003]ポリエステルポリマーを製造するために必要なエステル化反応は、通常、他の重合反応と比較して、著しい時間を要する。例えば、中程度の分子量の典型的な芳香族ポリエステルは、終了まで12時間から24時間を必要とする場合があり、一方フリーラジカル重合により調製される芳香族スチレンポリマーは、完了まで1時間しかかからない場合がある。この時間の増加には、いくつかの理由がある。1つの理由は、摂氏70度から100度の温度しか必要としないフリーラジカル重合等の他の反応の温度と比較して、エステル化に必要な温度が、約摂氏200度から250度とずっと高いということである。もう一つの理由は、より高い分子量のポリエステル(例えば数平均分子量が10,000を超えるもの)が必要である場合には、より長い時間が必要となることである。より高い分子量のポリエステルの場合、ヒドロキシル成分および酸成分の相当物が均等に近付くにつれて反応がより長くなる。
【0004】
[0004]初期は該反応が急速に進行するが、一旦反応温度に達すると、遊離酸およびヒドロキシル基の混合物中での濃縮度が低下していくため、反応速度が低下し始める。該反応速度が低下すると、さらなる工程および技術を使用して反応を継続させ、ますます大きな分子量を形成させる。非常に大きな分子量(分子量が30,000を超えるもの)では、ほとんどの場合、材料は、最初の槽から、より大きな表面積、熱、および/または撹拌を適用することができる槽へ移される。固相反応またはエステル交換等のさらなる処理工程を使用することにより、さらに大きな分子量を得ることができる。
【0005】
[0005]以下は、MorrisonおよびBoydによるOrganic Chemistry、679〜680頁、第2版からの抜粋である。「酸のエステル化ではアルコールは求核試薬として機能し、エステルの加水分解ではアルコールは求核試薬で置き換えられる。これを踏まえれば、1つのアルコールがエステルからの別のアルコールと置き換わることが分かっても驚くべきことではない。このエステルのアルコール分解(アルコールによる開裂)は、エステル交換と呼ばれる。」「エステル交換は、平衡反応である。平衡を右に傾けるためには、作製を望んでいるエステルの大過剰のアルコールを使用すること、または反応混合物から生成物の1つを除去することが必要である。第2の手法が、そのようにして反応を完了に導くことができるため、実行可能であればより望ましい手法である。」
[0006]縮合ポリエステルを合成する際、エステル交換をさらなる処理工程として使用して、すでに縮合したポリマーまたはモノマーによるより高い分子量を達成することができる。より高い温度では、真空によるアルコールの脱離およびそれに続く除去が、分子量を著しく増加させる。ある点で、熱および/または真空により末端基を遊離させて除去することができ、したがって分子量が増加する。予備形成ポリマーの分子量を拡張するために、最初のエステル化工程の後にエステル交換が続く場合があり、まず通常過剰のグリコールを含有するモノマーミックスが、遊離カルボン酸基のほとんどが使用し尽くされる時点まで反応する。あるいは、エステル交換を単独で使用してポリマーを形成することができ、カルボン酸基が、容易に揮発するアルコール、最も一般的にはメタノールによりエステルに予備形成される。したがって、ポリエステル製造プロセスにおいて、エステル化およびエステル交換を別個に、または一緒に使用することができる。
【0006】
[0007]長年、ポリエステルの製造のために多くのプロセスが開発されてきた。1940年代、透明度および高衝撃強度等の非常に望ましい特性を有するポリエステルポリマーが、より高い分子量を達成するために高温および長い反応時間を使用した芳香族ジカルボン酸のグリコールとの縮合により合成できることが発見された。今日最も重要な合成ポリエステルは、断然ポリエチレンテレフタレート(PET)である。このポリマーは、多官能カルボン酸がテレフタレートまたはテレフタル酸であり、多官能アルコールがエチレングリコールであるものである。PETは、フィルム状織物、繊維、飲料ボトル、およびその他の種類の容器等の種々の品物に使用可能な結晶性ポリマーである。
【0007】
[0008]PETの1つの作製方法は、テレフタル酸ジメチルで開始し、エチレングリコールとのエステル交換を行いメタノールを遊離させることである。該プロセスからメタノールを除去すると、分子量が増加していく。この方法では、いくつかのエステル交換触媒が使用されている。メタノールと関連した環境上の課題に起因して、テレフタル酸およびエチレングリコールを、好適なエステル化触媒と使用することがより一般的となってきている。その場合もまたいくつかのそのような触媒が使用されている。
【0008】
[0009]テレフタル酸のエステル化は、200℃を超える高温、および24時間を超える場合もある長い反応時間を必要とする。したがって、これは合成するのに非常にエネルギーを必要とするポリマーとなる。50,000以上(これは他のポリマーと比較して低いと考えられる)の非常に高い分子量が必要である場合、固相反応器を使用して可能な限り多くのグリコールを真空除去し、したがってエステル交換およびグリコールの除去により鎖長を拡張する。さらなる熱および時間が必要である。
【0009】
[0010]ポリマー産業のPET製造部門は非常に大規模となったため、PETポリマーの原材料の費用は、他の同様の機能性のポリマーと比較して低い。完全にPETポリマーの製造に特化した大規模PET処理ラインは、連続的にPETポリマーを生産する。この生産に起因して、消費財廃棄物ストリームから回収されている大量のPETをめぐり数々の議論がなされている。このような膨大な消費財廃棄物に起因して、このPET廃棄物の利用に関する多数の特許が発行されている。他のモノマーの製造技術が進歩し、またより高性能の材料の必要性が高まるにつれて、廃棄物ストリームにおいて大半を占める程度まで他の縮合ポリマーが利用されてくることが、当然考えられる。これはすでに、他のバリア材料を含有するPETや、PEN、つまりポリエチレンナフタレートにおいて見られ始めている。
【0010】
[0011]リサイクルからの廃棄物ストリームが膨大な廃棄物PETを生成し始めたため、この潜在的な原材料を利用することを記載したいくつかの特許があった。これらの特許はそれぞれ独自の技術となった。PETの使用の第1の手法は、水による加水分解または解糖によるエステル連結の分解を対象にしたものである。解糖は、過剰のグリコールを分子量の低下に使用する、エステル交換の特定の形態である。このようにして、PETの個々の成分を再生することができる。Malikらに発行された、「Process for depolymerizing waste ethylene terephthalate polyester」という名称の米国特許第4,078,143号では、PETを再形成するために利用可能なモノマーであるビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートまで、PETを解糖により分解するプロセスが記載されている。Delatteらに発行された、「process for obtaining dimethyl terephthalate from polyester scrap」という名称の米国特許第4,163,860号では、メタノールを使用して廃棄PETを再びテレフタル酸ジメチルにエステル交換し、これをPET製造プロセスで使用するために精製する。Pasztaszeriに発行された、「Method for recovery to terephthalic acid from polyester scrap」という名称の米国特許第4,355,175号では、PETを加水分解し、テレフタル酸を精製および回収する方法が記載されている。Cudmoreに発行された、「Polyethylene telephthalate saponification process」という名称の米国特許第4,578,502号では、アルカリによる鹸化でPETがそのモノマー構成物質に分解されるプロセスが記載されている。Guptaらに発行された、「Production of terephthalate esters by degradative transesterification of scrap or virgin terephthalate polyesters」という名称の米国特許第4,929,749号では、より高沸点のアルコールを使用して、他のポリマーの製造のための原材料として使用するためのより低い分子量の材料に、PETをエステル交換している。Dupontらに発行された、「Production of terephthalate esters by degradative transesterification of scrap or virgin terephthalate polyesters」という名称の米国特許第5,101,064号では、6個から20個の炭素を有する基を使用してPETを分解し、グリコール副生成物を留去し、ジエステルを回収するプロセスが記載されている。
【0011】
[0012]Kyberらに発行された、「Process for preparing polybutylene terephthalate from PET scrap」という名称の米国特許第5,266,601号では、解糖および1,4ブタンジオールとのエステル交換ならびに続く重縮合による、PETの使用方法が記載されている。Dupontらに発行された、「Production of terephthalate esters by degradative transesterification of scrap or virgin terephthalate polyesters」という名称の米国特許第5,319,128号では、6個から20個の炭素を有するより高い分子量のアルコールを使用してPETをエステル交換し、次いでテレフタレートのジエステルを回収する方法が記載されている。Rohらに発行された、「Process for manufacturing terephthalic acid」という名称の米国特許第6,031,128号および第6,075,163号では、PETをテレフタル酸二ナトリウムに加水分解し、次いで酸中和して遊離テレフタル酸を回収する、廃棄物PETからテレフタル酸を製造するためのプロセスが記載されている。Pell, Jr.らに発行された、「Process for recycling polyesters」という名称の米国特許第6,472,557号では、PETをジメチルテレフタレートに解重合し、次いで再利用のためにそれをテレフタル酸に加水分解するためのプロセスが記載されている。これらのプロセスのすべてが有効であるが、それらはすべて非常にエネルギーを必要とするPETのリサイクル手法であり、PETポリエステルの合成にすでに使用された時間およびエネルギーを利用していない。また、これらのプロセスは、再生しようとしているモノマーの費用と同等またはさらにそれ以上の費用を要することになる場合が非常に多い。これは主に、最初のPET供給原料の低費用、および出発モノマーへの変換のための精緻な方法に起因する。リサイクルPETからのモノマーの再生に必要なさらなるエネルギーも、実質的に費用を増大させる。
【0012】
[0013]以下で使用する技術において、PETポリマーを完全にそのモノマー構成物質とする必要はなく、したがって、テレフタル酸およびエチレングリコールの変換の時間およびエネルギーの少なくとも一部は節約される。しかしながら、すべての場合において、エステル交換による変換は、後続の反応の前に、PET結合を分解して分子量をずっと小さいオリゴマー形態まで低下させるために行う。
【0013】
[0014]また、テレフタル酸および/またはエチレングリコールを成分の1つとして統合することができる、他のポリマーの製造のための原材料としてPETを利用するためのいくつかの方法がある。1つのそのような領域は、ウレタンフォームの製造に使用するポリオールを製造するためのPETの使用にある。Brennanに発行された、「Novel aromatic polyester polyol mixtures made from polyethylene telephthalate residues and alkylene oxides」という名称の米国特許第4,439,549号では、PETをグリコールと反応させてオリゴマーポリオールに分解する方法、次いで剛性フォームを形成するためのポリオールとイソシアネート部分との後続反応を記載している。Gigsby, Jr.らに発行された、「Liquid terephthalic ester polyols and polyisocyanate foams therefrom」という名称の米国特許第4,469,824号では、PETは、ジエチレングリコールおよびエチレングリコールの一部を有するその他のグリコールで消化され、次いで除去され、イソシアネートと反応してポリイソシアネートフォームを形成するポリオールを形成する。Speranzaに発行された、「Liquid phase polyols which are alkylene oxide adducts of terephthalic esters」という名称の米国特許第4,485,196号では、ウレタンフォームへのさらなる処理のためのポリオールを製造する技術が記載されている。該ポリオールは、さらにエトキシル化またはプロポキシル化により反応して液化し、結晶化を阻害する。それは、次いで、ポリウレタンへのさらなる変換に有用である。Reckに発行された、「Technology development and consultancy」という名称の米国特許第5,948,828号では、再生PETがジエチレングリコールにより消化され、不溶物が除去され、エチレングリコールおよび遊離ジエチレングリコールが除去されて、ポリオールの最終ヒドロキシル価が達成される。2003年6月にDurantに発行された、「Method for obtaining polyols and polyol thus obtained」という名称の米国特許第6,573,304号では、グリコールとのエステル交換、およびそれに続く狭い分子量範囲に留まる遊離グリコールの除去のプロセスが記載されている。これらの方法は、過剰のグリコールおよびエステル交換を利用して、さらに処理することのできるより低い分子量の物質側に平衡を傾ける。
【0014】
[0015]PETを利用して開発されたいくつかの技術は、少なくとも部分的に、エステル部分の一部を維持しており、したがってPETの製造にすでに費やした時間およびエネルギーの一部が保たれる。Salsmanに発行された、「Water−soluble or water dispersible polyester sizing compositions」という名称の米国特許第4,977,191号では、まずテレフタレート部分を含有するオリゴマーにPETを分解し、次に他の芳香族酸または脂肪酸を使用して分子量を再び増加させることにより、他のポリマーを製造するプロセスが記載されている。Salsmanに発行された、「Adhesive compositions from phthalate polymer and the preparation thereof」という名称の米国特許第5,726,277号では、グリコール、およびエトキシル化もしくはプロポキシル化されたオキシアルキル化ポリオールにより消化またはエステル交換されるPETから製造される接着剤組成物が記載されている Salsmanに発行された、「Water dispersible/redispersible hydrophobic polyesters resins and their application in coatings」という名称の米国特許第5,958,601号でも、同様の種類の反応が使用されている。しかしながら、この特許では、さらなる芳香族酸により分子量の増加を行う前に、PETポリマーをより低い分子量の種に分解するために、脂肪酸と遊離ヒドロキシル基を含有するアルコールとのエステルを、グリコールと併用して使用する。
【0015】
[0016]PETが同様に原材料として使用されているさらなるポリマー用途がある。Salsmanに発行された、「Sulfoaryl modified water−soluble or water−dispersible resins from polyethylene telephthalate or terephthalates」という名称の米国特許第5,820,982号では、スルホネート化芳香族基とともにテレフタレート部分を含有する組成物が記載されている。そのような樹脂は、接着剤、インク樹脂、ポリエステルおよびナイロン繊維の染料レベリングに有用である。これらの組成物の調製のためのプロセスは、PET解糖工程、次いでさらなる酸および分子量増加エステル化工程を必要とする。該処理時間は、12時間から24時間となり得る。Shiehらに発行された、「Thermoplastic polyester resin composition」という名称の米国特許第6,133,329号では、PETをまずグリコール混合物で高温で3時間消化し、次いで、炭化水素およびハイドロフルオロカーボン発泡剤に適合させるための天然オイルと反応させる組成物が記載されている。Uenoらに発行された、「Polymerizable unsaturated polyester resin composition」という名称の米国特許第6,512,046号では、 まずPETを解重合してポリエステル骨格を得、次いで、二塩基酸により再構築し、不飽和モノマーとさらに反応させるいくつかの組成物が記載されている。Itoらに発行された、「process for producing alkyd resins」という名称の米国特許第6,534,624号では、ポリエステルを解重合し、次いでアルコール、グリコール、脂肪酸等の混合物中でエステル化させるプロセスが記載されている。この特許では、テレフタル酸の使用は、この成分がフタル酸またはフタル酸無水物よりも高価であるため、アルキド技術により過去に実践されていないことに注意する。ここでも、これらの特許のすべては、このうちいくつかはごく最近であるが、他の使用分野に好適なポリマーを製造するために、まず解重合工程を、次いで分子量を増加させるためのエステル化工程を説明している。
【0016】
[0017]その他の技術は、他の廃棄物からPETを清浄化し、押出機の前または押出機中で、純PETまたはPETと共押出可能な他のポリマーとのコブレンドとしてそれを使用することによる再生PETの使用を扱っている。再加熱されると、PETは固有粘度(I.V.)を失う。固有粘度は、他のより時間のかかる方法よりもずっと容易なPETの分子量の比較方法となった。処理されると、固有粘度は低下し、製造される元の製品の供給原料としてのその使用は限られるようになる。Deiringerに発行された、「Process for reclaiming thermally strained polyester scrap material」という名称の米国特許第5,225,130号では、リサイクルPETの混合ストリームが浄化され、後に純PETで濃縮される。Clementsに発行された、「Method of producing disposable articles utilizing regrind polyethylene telephthalate」という名称の米国特許第5,503,790号では、リサイクルPETを使用して、より高い固有粘度の要求がより小さい製品を形成する。Brownscombeらに発行された、「Process for recycling mixed polymer containing polyethylene telephthalate」米国特許第5,554,657号では、リサイクルストリームからのPETの溶解、溶媒の除去、およびPETの濯ぎを含む、PETの回収のためのプロセスが記載されている。Moriwakiらに発行された、「Thermoplastic polyester resin composition」という名称の米国特許第6,399,695号では、PETをポリオレフィンまたはメタクリル酸グリシジルと溶融して複合材料を生成する。Liらに発行された、「Composite material composed of fly ash and waste polyethylene telephthalate」という名称の米国特許第6,583,217号では、PETを該標記材料と混合して押し出す。上記参考文献においては、後続の再処理工程があるにもかかわらず、PETの反応は生じない。リサイクルPETが洗浄されて、ボトル、フィルム等の製品に戻る混合物の一部として使用される、多くの他の参考文献が存在する。リサイクルPETのより低い固有粘度に起因する制限は、重要な用途において使用する量を、5%またはそれ以下まで低下させる。
【0017】
[0018]また、ポリエーテルとのエステル交換によりPETを改質することも、現在実践されている。これらは、エトキシル化またはプロポキシル化されているグリコールまたはアルコールであってもよい。これらのポリマーは、ポリエーテルのブロックセグメントとともにPETのブロックセグメントを含有し、したがって、通常、双方の特性を示す。Naglerに発行された、「Soil release promoting PET−POET copolymer, method of producing same and use thereof in detergent composition having soil release promoting property」という名称の米国特許第4,785,060号では、 PETおよびポリオキシエチレンポリマーを反応器内で互いに反応させ、平衡に達するようにする。この反応は、ポリエーテルのヒドロキシル末端基の、PETに含有されるエステル連結とのエステル交換に基づく。Branumに発行された、「Mehod of preparing polyethylene modified polyester filaments」という名称の米国特許第6,454,982号では、エステル交換条件下でポリエチレングリコールをPETに反応させ、より高い固有粘度に固相化する方法が記載されている。
【0018】
[0019]参照した文献において、エポキシを形成するための接着剤成分としてグリシジルエーテルとともに使用する、あるいはコーティングおよび/または接着剤として使用するための、ウレタンのポリオール源としてさらに利用することができるテレフタル酸のモノマーまたはオリゴマー形態にするために、グリコール、ポリエーテル、または単純なグリコールモノエステルを使用してPETを分解する、またはその分子量を低下させる。
【0019】
[0020]別の商業的ポリマーは、ポリエチレンナフタレートPENである。過去数年内で、PETのPENポリマーとの使用に関して非常に多くの取組みがあった。これは、PENにより得られる、透明度、強度、増加した結晶化度、すなわちより良好なバリア特性等といったより良好な特性に一部起因する。しかしながら、PENは、PETよりはるかに高価である。したがって、この2つのコポリマーを製造するいくつかのプロセスが開発された。Schmidtらに発行された、「Process for making PEN/PET blends and transparent articles therefrom」という名称の米国特許第5,902,539号では、エチレングリコールを使用して固有粘度を低下させ、PETとPENのコポリマーの使用範囲を増加させるプロセスが記載されている。
【0020】
[0021]以下は、Bassamらに発行された、「Nucleated pet/pen polyester compositions」という名称の米国特許第6,414,063号からの抜粋である。「中間的含有量のPET/PEN組成物(PET:PEN比率が約50:50の組成)は、本来非晶質である。この非晶質の挙動を示す組成の範囲は、2社のPEN製造会社、すなわちShell(1995年春、米国での「BevPak」会議のプレゼンテーションの図1を参照)およびHoechst−Trevira(Polyclear.RTM.N技術文書の4頁を参照)により説明されるように、概して、約PET:PEN=20:80からPET:PEN=80:20であることが認められる。この挙動の不利点は、80/20から20/80の領域にある組成物の使用温度が、実質的に低下するということである。該使用温度は、この領域でのガラス転移温度(Tg)に依存する。対照的に、20%PET未満または20%PEN未満のPET/PEN組成物の使用温度は、結晶溶融温度(Tm)に依存する。PET/PEN組成物では、TmはTgよりも100℃超高く、したがって、20/80から80/20の組成領域において、使用温度の実質的な低下が観察されるようになる。また、PET/PEN組成物の非晶質性/結晶質性に対する同一の観察が、LuおよびWindle(Polymer 36 (1995)、451〜459頁の図2を参照)、ならびにAndresenおよびZachmann(Colloid & Polymer Science 272 (1994)、1352頁)によりなされている。AndresenおよびZachmannはまた、PETとPENのブレンドが、溶融2分以内に単一相を形成することを発見した。これは、通常、エステル交換によるPET/PENコポリエステルの急速形成の良い証拠である。したがって、PET/PENブレンドおよびコポリマーの挙動は、全溶融処理操作中の結晶化に関して同一であると予測することができる。PET/PENコポリマーおよびブレンドを使用したボトル製造の場合、(Continental PET Technologies Inc.に対する)米国特許第5,628,957号は、20から80%のPENを含有する中間範囲のPET/PEN組成物が実質的に非晶質であることを述べており、これらの中間範囲のPET/PENのボトルに対する、歪み硬化可能な(すなわち結晶化可能な)さらなる追加の層の使用について説明している。
【0021】
[0022]この特許において特に興味深いのは、ブレンドが溶融2分以内に単一相を形成するという点である。この点から、および説明において示された情報から、おそらく、エステルの適合性がエステル交換の割合を増加させることを推量することができる。また、PETとPENのコポリマーの組み合わせが、2種のポリマーの組み合わせが開始されてから、溶融および/または処理により形成されていることを推察することができる。ここでも、この2つのポリマーのエステル交換が、これを生じさせる化学反応である。Schmidtらに発行された、「Process for making PEN/PET blends and transparent articles therefrom」という名称の米国特許第6,586,558号では、固有粘度を低下させ、これらの2種のポリマーのブレンドのためのより処理可能な粘度を実現するために、グリコールを使用している。この場合も、エステル交換がこれを生じさせている。
【0022】
[0023]他のポリマーの製造のための原材料として、または複合材料としてのPETの利用に向けて数多くの取り組みがなされているが、PETはこれらのポリマーにおいて原材料として利用されていない。これらの従来技術に存在する課題は、原材料の汚染、反応の困難性、および1つもしくは複数のその他の反応基との不適合性を含む。例えば、McNeelyらに発行された、「Modified polyethylene telephthalate」という名称の米国特許第5,250,333号では、他のアルコキシル化ポリオールおよびジカルボン酸を、テレフタル酸およびエチレングリコールと組み合わせて使用し、より結晶性の低い形態のPETを生成する組成物が記載されている。確かに、テレフタレート部分を使用するがPETの結晶化度よりも低い結晶化度を必要とする多くの用途がある。例えば、より大きなエラストマー特性のためにより低い結晶化度を必要とする多くのフィルム用途がある。別の例は、前段で述べたポリオールである。Wangに発行された、「Sulfonated copolyester based water dispersible hot melt adhesive」という名称の米国特許第6,428,900号では、水分散性スルホネート化分岐コポリエステルポリマーを含有するポリエステルが記載されている。これらのコポリエステルポリマーは、その構成においてテレフタル酸等の二官能性カルボン酸を使用する。結晶化度は、本開示の重要な態様である水再分散性を阻害する。Yangらに発行された、「Preparation of unsaturated polyesters」という名称の米国特許第6,555,623号では、テレフタル酸および無水マレイン酸のような芳香族二塩基酸とともにMPD(メチルプロパンジオール)を使用して、不飽和基を介したさらなる反応に好適な不飽和ポリエステルを生成するプロセスが記載されている。ここでも、ポリマーの結晶化度は避けられるべきである。
【0023】
[0024]現在好ましい二官能性芳香族酸として無水フタル酸を利用しているいくつかのポリマーがある。この1つの理由は、実施上の配慮として、酸基の1つがすでに反応しており、無水物であるということである。これは、後に製造さるポリマーにおいて必要とされる重量パーセントを低下させる。加えて、無水フタル酸は、テレフタル酸よりも低い温度でエステル化する。代替としてテレフタル酸を使用することは、そもそもそれほど経済的ではない。しかし、この経済的差異を排除する、リサイクルPETを使用する適正なプロセスが利用可能であれば、テレフタル酸を使用することができる。
【0024】
[0025]エステル連結を含有するいくつかのポリマーがあるが、PETまたは他の商業的縮合ポリマーを構成する原材料を利用する、または利用することができるポリマーの数および範囲は、本明細書の範囲内で列挙するにはあまりに多数である。以下の広範囲の製品は、すべて、そのモノマー構成においてテレフタル酸(またはフタル酸もしくは無水物等の芳香族酸)および/またはエチレングリコールを使用するか、または使用したものである。
【0025】
(1)接着剤:ホットメルト、水性、または反応型;
(2)インク樹脂:結合剤およびキャリアビヒクルの両方として;
(3)不飽和樹脂:単体で、またはガラス繊維、炭素繊維に等との複合混合物用の、アクリルまたはスチレン等の反応性希釈剤との組み合わせとして;
(4)アルキド樹脂:コーティングおよび塗料用途の長鎖および短鎖アルキドの両方;
(5)ウレタン:イソシアネートとともに接着剤、構造用樹脂、またはフォームを形成するための、ポリオール部分として;
(6)フィルム:シュリンクラップ、ラミネート等用のより結晶性の低いフィルム;ならびに
(7)粉末コーティングまたは融合可能コーティング用のポリオール。
【0026】
[0026]前述のように、PET(純粋またはリサイクル)は、より多くのPET、PET複合体、またはテレフタレート基を含有するその他のポリマーを製造するために使用できる材料として認識される。これらの材料を製造するために使用するプロセスは、その工程内に、エステル化を介して反応してより多くのPETまたはその他のポリマーを生成する、テレフタル酸等の出発モノマー、または、さらにより小さい分子量のテレフタレートオリゴマーを形成する、エステル連結の解糖(または加水分解)を含有する。より低分子量のポリエステルとのエステル交換を介し、PET(ポリエステルポリマー)の高分子量を使用して約10,000から20,000のより高い分子量を構築することの利用を示唆する取り組みは全くなされていない。
【0027】
[0027]Salsmanに発行された(2007年1月)米国特許第7,157,139号では、PETの高分子量の保持の問題が検討されている。PETにおける高分子量を使用して、より低分子量の改質ポリマーの分子量が構築されている。この文献に記載されているプロセスは、好ましくは、PET等の事前に縮合されたポリマーの高分子量を最大限に利用して新しい高分子量ポリマーを生成するために使用可能な2つの工程を含む。商業的ポリマーを含まない第1工程は、最終ポリマー内に含有されるべきその他のすべてのモノマーを使用し、それらをまずエステル化を介して反応させて、末端ヒドロキシル基を含有する改質ポリマーを形成する。第2の工程において、熱および撹拌を使用して、PET等の市販の縮合ポリマーを改質ポリマーとエステル交換し、最終ポリマーを形成する。
【0028】
[0028]他の文献に記載される種々の特徴、実施態様、方法、および装置のある特定の利点および不利点の本明細書における説明は、本発明の態様の範囲を制限することを意図しない。実際に、好ましい実施態様は、同一の不利点の影響を受けることなく、上述の特徴、実施態様、方法、および装置の一部またはすべてを含み得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0029】
【特許文献1】米国特許第4,078,143号
【特許文献2】米国特許第4,163,860号
【特許文献3】米国特許第4,355,175号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0030】
[0029]本発明の態様の特徴は、ポリエステルポリマーを製造するためのプロセスを提供することである。さらに別の特徴は、PETまたはその他の市販の縮合ポリマーから、ポリエステルポリマーを製造するためのプロセスを提供することである。
【0031】
[0030]本発明の態様のさらなる特徴は、PETまたはその他の市販の縮合ポリマーを改質するためのプロセスを提供することである。さらに別の特徴は、高分子量の架橋ポリマーを形成するために、分解することなくPETまたはその他の市販の縮合ポリマーを改質するためのプロセスを提供することである。
【0032】
[0031]本発明の態様のさらなる特徴は、複数の適切なモノマーを利用することにより、PETまたはその他の市販の縮合ポリマーを改質するためのプロセスを提供することである。さらに追加の特徴は、適切なモノマーミックスをPETまたはその他の市販の縮合ポリマーとエステル交換することにより、PETまたはその他の市販の縮合ポリマーを改質するためのプロセスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0033】
[0032]これらの特徴およびその他の関連した特徴によれば、本発明の態様は、PETまたはその他の市販の縮合ポリマーからポリエステルポリマーを製造するためのプロセスを提供する。該プロセスは、複数の適切なモノマーから出発モノマーミックスを選択する工程と、PETまたはその他の市販の縮合ポリマーをエステル交換して有用な新しいポリマーを形成する工程とを含む。該プロセスにおいては、ポリエステル重縮合を使用しない。
【発明を実施するための形態】
【0034】
[0033]本明細書において使用する用語は、具体的な実施態様を説明することのみを目的としており、本発明の範囲を制限することを意図しない。本開示全体を通して使用する場合、文脈上異なる定義が明示されていない限り、単数形は複数形の呼称も含む。したがって、例えば、「1つのカーペット裏地」という言及は、単一のカーペット裏地だけでなく複数のそのようなカーペット裏地も含み、「1つの接着剤組成物」という言及は、1つもしくは複数の接着剤組成物および当業者に知られたそれらの同等物を言及している。
【0035】
[0034]別途特記しない限り、本明細書において使用する技術用語および科学用語は、本発明が関与する技術分野の当業者により一般に理解されるものと同一の意味を有する。本発明の実践または試験において、本明細書に記載するものと類似するまたは同等物である任意の方法および材料を使用することができるが、好ましい方法、デバイス、および材料をここに記載する。本明細書において言及するすべての出版物は、出版物に報告され、本発明と関連して使用される可能性のある種々の材料、組成物、およびカーペット製造方法の説明および開示を目的として引用する。本明細書におけるいかなるものも、本明細書に記載する実施態様が、先願発明を理由にそのような開示に先行する権利を有さないことを認めるものとして解釈しない。
【0036】
[0035]本明細書に開示するプロセスにおいて、モノマーは、典型的には、1,500未満の分子量を有し、エステルとエステル交換可能な1つ、2つ、または3つ以上の反応性ヒドロキシル基またはエステル基を含有する分子である。本明細書において使用する場合、「改質モノマーミックス」という語句は、エステル交換を介してPET、PEN、またはその他の商業的高分子量ポリエステル(本明細書においてPETと呼ぶ)を改質し、新しい所望の特性を有する新しいポリマーを得るために使用するモノマーまたはモノマー混合物を含む。
【0037】
[0036]本明細書に記載するプロセスは、好ましくは、PETまたはその他の高分子量ポリエステルを使用して新しいポリマーを構築するために使用する1工程反応を伴う。該1工程は、PETの溶解およびエステル交換の両方を行う特性を有する改質モノマーミックスに、PETを添加する段階において達成することができる。エステル交換は、OH基またはアルコール基が求核剤となる時に生じる反応であり、交換は、エステル連結部で生じる。ポリマーは、好ましくは、末端基およびエステル化連結部の組み合わせとしてこれらの基を含有するように製造する。いかなる動作理論にも束縛されることを意図しないが、発明者は、PETを添加すると、モノマーがPETに貫入して官能基を含有するオリゴマー鎖となるために分子量が増加すると考える。後続のPETは、このようにしてテレフタレート部分を有するオリゴマーによってより急速に溶解すると考えられるだけでなく、より多くのPETが添加されるにつれて、より大きな分子量を生成すると考えられる。ポリマーのTg(ガラス転移温度)を超える温度ではエステル交換が連続的に生じ、求核置換から生成されたアルコール自体が、さらに反応することができる求核剤となる。このようにして、該反応は、ある時点でポリマー混合物に変化がそれ以上生じない平衡に達するまで継続することができ、この状態では、形成される新しい末端基の数が、形成される新しいエステル連結部の量および種類と平衡化し、該混合物が均質な新しいポリマーとなる。改質モノマーミックスが反応末端基の間に大きなセグメントを含有する場合には、均質な新しいポリマーは、大きなセグメントにより類似した特性を呈することができる。該混合物が、多かれ少なかれエステル交換プロセスに同等に関与する末端基を有するセグメントを含有する場合は、新しいポリマーは、出発材料と比較して新しい特性を有する均質なポリマーとなる。
【0038】
[0037]ポリマー合成における制御のために発明者が重要と考えるパラメータの1つは、分子量である。本明細書で説明するプロセスにおいて、改質モノマーミックス中の3つ以上の反応基を含有する多官能モノマーが、架橋密度を提供する部位を導入すると考えられる。架橋密度は、分子量特性を維持する上で重要となり得る。最終分子量は、改質モノマーミックス中の3つ以上の反応基を含有するモノマーの量、およびPETと反応するその改質モノマーミックスの割合により制御することができる。例えば、60パーセントを超える量でPETを使用する場合、PETは、十分な分子量のポリマーを製造するために必要となる直線的な分子量を供給するため、改質モノマーミックスにおいて必要な3つ以上の反応基を含有する多官能モノマーの量がより低くなる。十分な分子量は、所望の最終特性に依存し、通常、ある程度の引張強さおよび/またはフィルム強度を達成するために十分高い。しかしながら、新しいポリマーのさらなる処理が望ましい場合がある。
【0039】
[0038]縮合のみによるポリエステルの製造では、分子の増大は、最初は急速であり、分子量が増加するにつれて著しく緩やかとなる。本明細書に記載するプロセスは、エステル化反応が必要ではないという点で、PETを利用するその他のプロセスとは実質的に異なる。該ポリマープロセスは、完全にエステル交換に基づいている。ポリマー合成において、エステル交換はポリエステル重縮合よりもずっと急速な反応であるため、これはずっと広範囲の反応槽の使用を可能とするだけでなく、処理時間を大幅に短縮する。
【0040】
[0039]本発明の態様において説明するプロセスは、前述した既知のプロセスに関連した多くの課題を排除する。既知のプロセスは、PETを消化して元の出発材料に再構成し、これは多くの場合、出発材料の製造コストよりも高価である。消化されると、材料を再び縮合しなければならず、これは本質的にエネルギー効率が低く、廃棄物ストリーム中に毒性レベルのグリコールおよびジオキサンを生成する。したがって、このように再処理されるのはごく少量のPETである。対照的に、本発明の態様のプロセスは、モノマーまたはオリゴマーの再縮合が不要となるように市販の縮合ポリマー中にすでに形成されているエステル連結を維持するため、これらの課題を排除する。この点で、より低分子量の改質モノマーミックスの分子量増加工程としてエステル交換を考慮することがより容易となる。PETを添加すると、分子量が増加し、3つ以上の反応基を含有するモノマーの量に応じて、架橋密度が増加する。より多くのPETを添加し反応が進行するにつれて、反応物はモノマーからオリゴマー、次いでポリマーへと変化する。
【0041】
[0040]本発明の態様のプロセスは、好ましくは、PETポリマーの改質モノマーミックスとの急速なエステル交換を含む。温度および反応速度の慎重な監視は必要なく、唯一の要件は、混合物を平衡状態までエステル交換するための十分な熱である。反応速度は、(1)時間、(2)温度、(3)改質モノマーミックス、(4)改質モノマーミックスの親水性、(5)改質モノマーミックスに含有されるヒドロキシル官能基の数および種類、および(6)エステル交換触媒を含む、いくつかの因子に依存する。これらの因子のうち、より高い温度が、反応を完了させるために必要な時間に最も影響すると考えられる。例えば、触媒に依存して、テレフタレートの良好なエステル交換は約200℃で開始し、約240℃で大きく促進し、約260℃で非常に急速となる。PETをジエチレングリコールのようなグリコールとエステル交換するための反応時間は、200℃において約10時間である。反応速度は、240℃では約1時間に短縮され、260℃ではわずか15分である。水が生成して温度の増加を妨げることはないため、加熱は大きな問題ではない。より疎水性の改質モノマー、および二次ヒドロキシル基またはエステルを有する改質モノマーの場合、PETの溶解度がより低いため、これらの反応時間はより長くなる。より急速な分解を提供する出発改質モノマーの選択が、これらのより長い反応時間の相殺に有用となり得るため、出発改質モノマーミックスの選択が反応時間を短縮し得ることが、当業者には理解される。
【0042】
[0041]いくつかの場合において、本発明の態様のプロセスは、典型的なエステル化槽において必要となる濃縮器または縮合物容器を必要とせず、その結果、より安価な機器を使用することができる。実際、必要とされる滞留時間および必要な撹拌のために押出装置内で反応を完了することができる。縮合物を除去しない場合は、換気も濃縮器も必要ない。高分子量ポリエステル合成において時間を要する主要な工程であるさらなるエステル化を必要とせずに、所望の最終ポリマーを合成することができる。したがって、本明細書において開示する実施態様は、より短い反応時間、より少ない廃棄物ストリーム、より高いPET利用率、および、より低いエネルギーおよび時間でのより高い最終分子量等の利点を提供する。
【0043】
[0042]好ましい実施態様において説明するプロセスを利用する場合、反応において平衡状態の生成されたより低分子量のグリコールの一部を排除することが有利となり得る。例えば、PETの場合、エチレングリコールが形成された際にその一部を除去することが有利となり得る。このようにして、改質モノマーミックスによりもたらされる特性を増幅することができる。一部のエチレングリコールの除去はまた、平衡をより高い分子量側に傾けることができるため、架橋密度による分子量の増大に必要となる3つ以上の反応基を含有するモノマーがより少なくなる。これによって、より直線的なポリマーの生成が可能となる。メチルエステル等のエステル末端基を有するモノマーを使用する場合は、反応においてメタノールが生成され、分子量を拡張するために除去することができる。
【0044】
[0043]新しいポリマーの製造に使用する総レベルが約40パーセントより高く増加すると、PETまたは縮合ポリマーの段階的添加がより意味を持つようになる可能性がある。この時点では、PETを反応器中で懸濁した状態に維持することが困難となり得、PETが融点に達し、改質モノマーミックスよりも自己との適合性がより高くなると、問題が生じ得る。PETを段階的な増加量で改質モノマーミックスに添加する場合、90パーセント以上のPETを含有する新しいポリマーを生成することが可能である。
【0045】
[0044]縮合ポリマーの添加を段階化すること、および各段階においてある程度の平衡に到達させることにより、撹拌反応器における問題を軽減することができる。該プロセスを押出機内で行なえば、問題ははるかに低減する。しかしながら、PETと改質モノマーミックスとの間の不適合性等の他の問題が、撹拌反応器と比較して押出機での反応をより困難なものとし得る。
【0046】
[0045]本明細書に記載するプロセスは、2段階のポリマー生成を可能とする。まず、分子量等の特性を構築するためにPETを使用しながら、ポリマーを反応器内で製造し得る。次いで、さらなるPETを押出機に添加して、非常に高い分子量のポリエステルポリマーが達成することができる特性を有する、さらに高い分子量のポリマーを形成することができる。
【0047】
[0046]PETの添加を段階化する目的の1つは、さらなる材料を添加する前に各添加量を反応させることである。第2の目的は、急速なエステル交換が生じ得るレベルまで温度を復帰させることである。適切な機器の使用により、PETの段階化は、必要なPETの総量が添加されるまで反応条件を最適温度および新鮮なPETの最適量に維持する連続供給システムの一部となり得ることが容易に理解できる。
【0048】
[0047]このプロセスは、種々の用途のためのポリマーの生成に使用することができる。より低い分子量のポリマーは、結果としてより低い融点を有するが、優れた接着剤を提供する。本明細書に記載する実施態様に従い調製するヒドロキシ末端樹脂は、ウレタン生成におけるエポキシまたはイソシアネートとのさらなる反応のためのポリオールとして使用することができる。本発明の態様に従い調製するわずかにより高い分子量のポリマーは、ホットメルトコーティングまたは粉末コーティング等のコーティングとして使用することができる。本発明の態様に従い調製するより高い分子量のポリマーはまた、繊維として使用することができる。さらなる使用は、現行のフィルムまたは繊維形成樹脂の強化を含む。本発明の態様に従い調製するポリマーの無水物によるさらなる処理は、塩基との中和および改善した水分散性のための酸末端ポリマーを生成する。
【0049】
[0048]本明細書に記載する好ましい実施態様は、改質モノマーミックスを選択する工程と、改質モノマーミックスを、最終用途により決まる量で市販の縮合ポリエステルとエステル交換し、最終ポリマーを生成する工程とを含む、市販の縮合ポリエステルを原材料として使用したポリマーの製造方法に関する。該プロセスによれば、改質モノマーミックスは、少なくとも1つのモノマーを含み、該少なくとも1つのモノマーは、好ましくは、ヒドロキシルまたはエステルを含む分子であり、エステル交換反応に関与することができ、また1500未満の分子量を有する。改質モノマーミックスは、好ましくは、市販の縮合ポリエステルから得られる成分を含まない。
【0050】
[0049]本明細書に記載するプロセスにおいて、原材料として有用である好適な市販の縮合ポリエステルは、改質モノマー混合物とエステル交換可能なものを含む。好ましくは、市販の縮合ポリエステルは、PET、PBT、PEN、PTT(ポリトリメチレンテレフタレート)から選択するものであり、最も好ましくは、これらの縮合ポリマーは、これらの材料を含有する既存の材料からリサイクルする。市販の縮合ポリエステルは、典型的には、生成するポリマーの総重量を基準として、約30重量パーセントから約96重量パーセントの範囲の量で使用し、好ましくは、約60重量パーセントから約80重量パーセントの範囲で使用する。熟練者は、本明細書に提供される指針を用いて、実施態様における使用に好適な市販の縮合ポリエステルを選択することができる。
【0051】
[0050]本明細書に記載するプロセスにおいて有用な改質モノマーミックスは、好ましくは、ペンダントヒドロキシル基またはエステル基を有するものを含み、好ましくは、必須ではないが、約1500未満の分子量を有する。該分子量は、モノマーの構造から計算することができ、または、マニュアルからすでに知られている(例えば、トリメチロールプロパンは、約134の分子量を有する)。好ましくは、モノマーミックスの分子量は、約1,300未満であり、より好ましくは、約1,200未満であり、ここで分子量は、混合物中に使用されているモノマーすべての総分子量である。
【0052】
[0051]該モノマーミックスは、単一のモノマー、またはモノマーの混合物を含み得る。好適なモノマーは、アルコール、酸、ポリエトキシレート、エトキシレート縮合物、エステル、ジエステル、トリエステル、ならびに、官能性アルコール基を有するアミンおよびアミドを含むが、これらに限定されない。好適なアルコールは、ブタノール、ヘキサノール、ラウリルアルコール、デカノール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、ソルビトール、ペンタエリスリトール、シクロヘキサンジメタノール、ステアリルアルコール等を含むが、これらに限定されない。好適な酸は、アジピン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸、リノレン酸、コハク酸、無水マレイン酸、ブタン酸、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水トリメリト酸等を含むが、これらに限定されない。好適なポリエトキシレートは、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール600、ポリエチレングリコール800、ポリエチレングリコール1000等を含むが、これらに限定されない。好適なエトキシレート縮合物は、上に列挙したアルコールまたは酸上の1モルから25モルのエチレンオキシドを含むが、これらに限定されない。好適なエステル、ジエステル、およびトリエステルは、ラウリン酸ブチル、ジステアリン酸エチレングリコール、シクロヘキサンジメタノールジオレエート等の上記の酸および(アルコール、ポリエトキシレート、またはエトキシレート縮合物)を含むが、これらに限定されない。好適な官能性アルコール基を有するアミンまたはアミドは、アミンのエチレンオキシド縮合物を含むが、これに限定されない。本発明の態様において、モノマーミックスを配合するために使用するモノマーは、反応させる市販のポリエステルを製造するために使用するモノマーと同一ではない。
【0053】
[0052]モノマーミックスに使用されるモノマーの量は、典型的には、得られるポリマーの所望の使用に応じて変動する。当業者は、本明細書に記載される指針を用いて、記載されたプロセスにおいて有用なモノマーミックスの量を決定することができる。
【0054】
[0053]反応時間および反応温度もまた、モノマーミックスおよび市販のポリエステルに応じて変動し得る。好ましくは、反応は、約150℃から約350℃、好ましくは約200℃から約290℃の範囲内の温度で、約0.5分から約10分、好ましくは約1分から約5分の期間生じる。ここで、非限定的な実施例を参照して本発明の態様を説明する。
【実施例】
【0055】
[0054]以下の実施例は、別段に指定しない限り、すべて、濃縮器、添加ポリマー導入用の漏斗、速度可変撹拌器、不活性ガス導入用の管、およびスケール付レオスタットコントローラを備えた加熱マントルを取り付けた250ミリリットルフラスコ内で調製した。実施例における表は、成分、それぞれのパーセンテージ、グラム単位の投入量、段階的添加の回数およびグラム単位の量を示している。使用したPET(ポリエチレンテレフタレート)は、PET飲料容器のリサイクルから得られた再ペレット化したPETであった。PEN(ポリエチレンナフタレート)は、ペレット化した純粋な材料であった。
【実施例1】
【0056】
【表1】

【0057】
[0055]アジピン酸ビス−ジエチレングリコールおよびTyzor TPTをフラスコに加え、撹拌しながら200℃に加熱した。次いで、PETを段階的に添加した。各添加後、撹拌しながら温度を250℃に上げ、次の段階的添加の前に完全に均質で透明となるようにした。最終ポリマーを、さらに30分間250℃に保持してから冷却した。この反応の合計時間は、2時間10分であった。ポリマーの特性は、PETの各添加で改善した。まだ幾分粘着性であったが、該ポリマーは室温で結晶化度の低下を示した。フラスコ内にはさらなるPET添加のための十分な余地がなかったが、PETのレベルの増加によって、より高い分子量を得ることができることが明らかであった。
【実施例2】
【0058】
【表2】

【0059】
[0056]アジピン酸ビス−ジエチレングリコールおよびTyzor TPTをフラスコに加え、撹拌しながら200℃に加熱した。次いで、PETを段階的に添加した。各添加後、撹拌しながら温度を250℃に上げ、次の段階的添加の前に完全に均質で透明となるようにした。すべて添加した後、ポリマーを250℃で30分間保持した。この反応の合計時間は、2時間30分であった。生成したポリマーは、実施例1と比較してはるかに高い強度特性を有していた。より高い分子量を有するPETは、レベル増加に伴い新しいポリマー分子量を増加させている。この樹脂は、ホットメルト接着剤の好適な候補と思われた。
【実施例3】
【0060】
【表3】

【0061】
[0057]イソフタル酸ビス−ジエチレングリコールおよびTyzor TPTをフラスコに加え、撹拌しながら200℃に加熱した。次いで、PETを段階的に添加した。各添加後、撹拌しながら温度を250℃に上げ、次の段階的添加の前に完全に均質で透明となるようにした。最後のPETを添加した後、ポリマーを250℃でさらに30分間保持した。この反応の合計時間は、2時間40分であった。生成したポリマーは、より非結晶性のPETポリマーの様相を有し、徐々に冷却した後でも透明な外観であった。このレベルの線形モノマーでは、強度特性は、PETよりもむしろホットメルト樹脂のようであった。イソフタル酸部分(PETの既知の脱結晶化剤)は完全に反応しており、高結晶性PET鎖の脱結晶化を補助すると考えられた。
【実施例4】
【0062】
【表4】

【0063】
[0058]イソフタル酸ビス−ジエチレングリコール、エトキシル化グリセリンおよびTyzor TPTを反応槽に加え、200℃に加熱した。グリセリン単体では同様の条件を使用して十分な結果が得られなかったため、エトキシル化グリセリンを使用したが、他の操作条件下ではグリセリン単体でも十分な可能性がある。PETを段階的に添加し、各段階で250℃に上げた。すべてのPETを添加した後、ポリマーをさらに30分間250℃に保持し、ポリマーの平衡および均質性を確実とした。この反応は問題なく進行した。終了後、ポリマーは175℃で4ポアズの初期粘度を有していた。生成したポリマーは、強度があまりにも低かったため、コーティングポリマーには好適ではないと考えられたが、得られたポリマーは、その他のポリマー用途に好適な特性を有していた。
【実施例5】
【0064】
[0059]実施例4のポリマーに、250℃で4分間、20In.Hgの真空を適用した。粘度は175℃で9ポアズとなった。このポリマーの粘度は175℃で9ポアズであった。強度は良好で、実施例4よりも良好であったが、ポリマーは、コーティングポリマーとしての使用のための適度な弾性を有していなかった。得られたポリマーは、その他のポリマー用途に好適と思われる。
【実施例6】
【0065】
【表5】

【0066】
[0060]イソフタル酸ビス−ジエチレングリコール、グリセリン−25、トリメチロールプロパン、およびTyzor TPTを反応フラスコに加え、温度を可能な限り急速に200℃に上げた。PETの第1の段階的添加およびその後の各添加の後、透明で均質な反応物が得られた後、レオスタットを80%に設定して該温度を急速に250℃に上げた。最後の添加後に該温度を250℃に上げた後、10分間保持し、次いで、250℃で20分間の真空処理を完了してから冷却した。
【0067】
[0061]この反応は、前述の反応よりはるかに急速であった。トリメチロールプロパンは、容易にPETとエステル交換し、初期段階においてより良好な溶媒として機能するようであった。すべての添加が完了した後、初期粘度は175℃で3ポアズであり、250℃で20分間の真空処理の後では、175℃で7ポアズであった。この材料はより結晶性が低いようであったが、これは、分子量または架橋密度が結晶化の阻止に寄与していることを示唆している。
【実施例7】
【0068】
【表6】

【0069】
[0062]シクロヘキサンジメタノール、エトキシル化グリセリンおよびTyzor TPTを反応槽に加え、200℃に加熱した。PETを段階的に添加し、各段階で250℃に上げ、次の段階の前に均質で透明となるようにした。すべてのPETを添加した後、該ポリマーをさらに1時間250℃に保持し、ポリマーの平衡および均質性を確実にした。
【0070】
[0063]この反応は問題なく進行した。該ポリマーは175℃で3ポアズの初期粘度を有していた。結晶化度を低下させるために、PETの既知の脱結晶化剤であるシクロヘキサンジメタノールを添加した。驚くべきことに、実施例4に従い生成したポリマーと比較して、この添加は結晶化温度を低下させないようであり、イソフタレートおよび架橋密度を低下させないようであった。この材料は、容易に粉末まで粉砕され、また温度により再び融合した。より結晶性の高い材料の考えられる利点は、単独で、または、より低いガラス転移温度を有するが室温ではまだ粉末であるコーティングまたは熱成形組成物を提供するための、他の反応性成分もしくは保護成分と組み合わせて使用できる融合可能コーティングまたは熱成形ポリマーもしくは組成物を生成することである。この配合物は、融合可能コーティングまたは熱成形用途のための化合物として有用である。
【実施例8】
【0071】
【表7】

【0072】
[0064]ポリプロピレングリコール(分子量1000)、トリメチロールプロパン、およびTyzor TPTを反応フラスコに加え、温度を可能な限り急速に200℃に上げた。PETの第1の段階的添加およびその後の各添加の後、直前の添加から均質な反応物が得られた後、レオスタットを80%に設定して温度を急速に250℃に上げた。わずか100グラムのPETを添加した後に、ポリマーの粘度が極めて急速に増加しているようであった。
【0073】
[0065]この反応は、PET添加後に透明相が得られなかったという点で異なっていた。該ポリプロピレングリコールは、ある溶解度の問題を有していた可能性があり、これは、第二級ヒドロキシ基の反応性に影響した可能性がある。該反応は、結果的にポリプロピレングリコール中に懸濁したゲル化ポリマーを合成した。フラスコから材料を取り出すと、ゲル化ポリマーがポリプロピレングリコールから分離した。このポリマーは、トリメチロールプロパンおよびPETからなるが、強靭で弾性があり、ゴム様で非結晶性であった。該粘度は200℃で100ポアズを超えていた。該架橋密度は非常に高く、分子量は本質的に急速に無限大に近付いていたが、別個の相としてのポリプロピレングリコールの存在が有益であった。
【0074】
[0066]ホットメルト接着剤は、通常種々の基板に対する良好な接着性を有するポリマーである。それらは、比較的低い融点を有し、急速に硬化して弾性のある強靭なポリマーに接着する。
【実施例9】
【0075】
【表8】

【0076】
[0067]エトキシル化グリセリン、トリメチロールプロパン、およびTyzor TPTを反応フラスコに加え、温度を可能な限り急速に200℃に上げた。PETの第1の段階的添加およびその後の各添加の後、直前の添加から均質で透明な反応物が得られた後、レオスタットを80%に設定して温度を急速に250℃に上げた。最後の添加物が透明で均質になった後、該反応物を250℃でさらに30分間保持した。PETのすべてを容易に添加した。
【0077】
[0068]この反応は、グリセリン上の余分なエチレンオキシドが、容易に利用可能な第一級ヒドロキシルを生成しただけでなく、むしろPETの溶媒としてもみなされるという点で、ポリプロピレングリコールまたはグリセリンを使用するよりもはるかに良好であった。各添加において透明相が容易に得られた。最後のPETを添加した後の粘度は、175℃で6ポアズであったが、30分保持した後は10ポアズとなった。この材料は、弾性、引張強さ、種々の基板への接着性、および比較的低い融点という改善された特性を有していた。得られたポリマーは、良好なホットメルト接着剤を提供するか、またはその他の接着剤用途に適している。
【実施例10】
【0078】
【表9】

【0079】
[0069]エトキシル化グリセリン、トリメチロールプロパン、およびTyzor TPTを反応フラスコに加え、温度を可能な限り急速に200℃に上げた。PETの第1の段階的添加およびその後の各添加の後、直前の添加から均質で透明な反応物が得られた後、レオスタットを80%に設定して温度を急速に250℃に上げた。最後の添加物が透明で均質になった後、該反応物を250℃でさらに30分間保持した。PETのすべてを容易に添加した。
【0080】
[0070]この反応は、より高いパーセンテージのPETを使用したという点だけが実施例8と類似していた。すべての条件が同一であり、最後の添加の後、250℃に達し、透明な反応物をさらに30分間保持した。該ポリマーは175℃で13ポアズの粘度を有し、また実施例8よりさらに優れた特性を有した。該ポリマーは、極めてゆっくりと冷却された場合、結晶化する傾向がある。
【実施例11】
【0081】
【表10】

【0082】
[0071]分子量が400のポリエチレングリコールおよびTyzor TPTを反応フラスコに加え、温度を可能な限り急速に200℃に上げた。PETの第1の段階的添加およびその後の各添加の後、直前の添加から均質で透明な反応物が得られた後、レオスタットを80%に設定して温度を急速に250℃に上げた。最後の添加物が透明で均質になった後、該反応物を250℃でさらに30分間保持した。
【0083】
[0072]この反応は主に、水溶性を提供するように十分なPETが分解されたかどうかを確かめるために行った。この多くのエチレンオキシドを含有する材料では、反応が完了すれば水分散性が達成されるはずである。該材料は、容易に水中に分散し、1時間以上透明性を維持した。このポリマー上ではヒドロキシル価が高く、液体状態のままであるため、さらなる反応のための優れたポリオールとなる。
【実施例12】
【0084】
[0073]実施例10の反応生成物をさらに処理した。該初期粘度が175℃で1ポアズと低かったため、真空を適用し、250℃、20mmHgの真空下で全体で1時間該反応生成物を保持した。試料を20分毎に取り出した。該初期粘度は真空下で20分後に175℃で3ポアズとなり、さらに20分後に8ポアズ、最後の20分後に17ポアズとなった。エチレングリコールが形成された時にそれを除去することによって、より大きな分子量が形成され、分子量がかなり高くなるまで真空の適用を継続することができると考えられる。
【実施例13】
【0085】
【表11】

【0086】
[0074]PEG400、20+アルコール(炭素数20の直鎖アルコール)、およびTyzor TPTを反応フラスコに加え、温度を可能な限り急速に200℃に上げた。PETの第1の段階的添加およびその後の各添加の後、直前の添加から均質であるが若干透明性の低い反応物が得られた後、レオスタットを80%に設定して温度を急速に250℃に上げた。最後の添加物が透明で均質になった後、該反応物を250℃でさらに30分間保持した。PETは、容易に溶解し反応するようであった。
【0087】
[0075]20+アルコールを、より長鎖の脂肪族基でのある程度の連鎖停止が、該ポリマーを室温でより粘着性の低いものとするかどうかを評価するために添加した。これは明らかに極めて良好に作用したが、静置すると、より少ない未反応20+アルコールの一部が表面に移動した。一部は反応したものの、明らかに、20+アルコールのすべてが反応したわけではなかった。この表面への移動は、いくつかの用途では有用となり得るが、他の用途では望ましくない。該ポリマーは、熱い状態で基板上に注いだ場合には優れた接着性を示すようであった。その結果、該ポリマーは、良好なホットメルト接着剤の候補となりえる。
【実施例14】
【0088】
【表12】

【0089】
[0076]PEG400、エトキシル化ステアリルアルコール、およびTyzor TPTを反応フラスコに加え、温度を可能な限り急速に200℃に上げた。PETの第1の段階的添加およびその後の各添加の後、直前の添加から均質で透明な反応物が得られた後、レオスタットを80%に設定して温度を急速に250℃に上げた。最後の添加物が透明で均質になった後、該反応物を250℃でさらに30分間保持した。該PETは、容易に溶解し反応するようであった。
【0090】
[0077]エトキシル化ステアリルアルコールを、より長鎖の脂肪族基でのある程度の停止が、ポリマーを室温でより粘着性の低いものとするかどうかを評価するために添加した。エトキシル化C−18アルコールを、実施例12の未改質アルコールに比べ、エトキシレート基が該反応に反応性および溶解性を追加するかどうかを決定するために選択した。透明な溶融物となること、および未反応材料の表面への明らかなブルーミングが見られないことにより、該エトキシル化ステアリルアルコールが、該反応に反応性および溶解性を付加したことが確認された。該ポリマーは、熱い状態で基板上に注いだ場合には改善された接着性を有するようであったが、あまりに急速に結晶化したため、一部のコーティング用途には十分強靭でない可能性があった。該粘度は175℃で2ポアズであった。
【実施例15】
【0091】
【表13】

【0092】
[0078]PEG400、エトキシル化ステアリルアルコール、トリメチロールプロパン、およびTyzor TPTを反応フラスコに加え、温度を可能な限り急速に200℃に上げた。PETの第1の段階的添加およびその後の各添加の後、直前の添加から均質で透明な反応物が得られた後、レオスタットを80%に設定して温度を急速に250℃に上げた。最後の添加物が透明で均質になった後、該反応物を250℃でさらに30分間保持した。該PETは、容易に溶解し反応するようであった。
【0093】
[0079]実施例13のポリマーへのトリメチロールプロパンの添加は、該ポリマーの強度および弾性を改善した。該ポリマーは、熱い状態で基板上に注いだ場合には優れた接着性を示すようであり、良好なフィルム強度に近付いていた。硬化すると、ある程度の結晶化が生じた。該粘度は175℃で5ポアズであった。
【実施例16】
【0094】
【表14】

【0095】
[0080]エトキシル化グリセリン、エトキシル化ステアリルアルコール、トリメチロールプロパン、およびTyzor TPTを反応フラスコに加え、温度を可能な限り急速に200℃に上げた。PETの第1の段階的添加およびその後の各添加の後、直前の添加から均質で透明な反応物が得られた後、レオスタットを80%に設定して温度を急速に250℃に上げた。最後の添加物が透明で均質になった後、該反応物を250℃でさらに30分間保持した。10分間真空引きした。該PETは、容易に溶解し反応するようであった。
【0096】
[0081]実施例14に従い調製したポリマーと比較して、架橋密度の増加による強度特性のためのさらなる分岐部位を提供するために、エトキシル化グリセリンを添加した。結果は、この添加が175℃で5ポアズまで若干粘度を押し上げたことを示した。この粘度の増加は、分子量の増加に起因すると考えられる。該ポリマーは丈夫で弾性を有し、実施例14に従い調製したポリマーよりも結晶性が若干低かった。250℃で10分間20インチHgの真空を適用すると、粘度は175℃で12ポアズであった。このポリマーを使用して化合物を製造したが、これはホットメルトコーティング用途に好適であることが判明した。
【実施例17】
【0097】
【表15】

【0098】
[0082]触媒用のTyzor TPTを使用せずに、実施例11の反応を繰り返した。分子量が400のポリエチレングリコールを反応フラスコに加え、温度を可能な限り急速に200℃に上げた。PETの第1の段階的添加およびその後の各添加の後、直前の添加から均質で透明な反応物が得られた後、レオスタットを80%に設定して温度を急速に270℃に上げた。最後の添加物が透明で均質になった後、該反応物を270℃でさらに30分間保持した。
【0099】
[0083]この実施例は、該PETが触媒なしでエステル交換するかどうかを評価するために行った。該PETはより緩やかに付加するようであり、その結果温度は20℃増加したが、これは触媒がないことを幾分相殺しているようであった。さらなる触媒がない場合でもある形態のPETとエステル交換が生じるだろう。
【0100】
[0084]サイズ組成物―水中に分散または溶解可能なフィルム形成ポリマーが、織物繊維および紙製品のサイジングに広く使用されている。これらのポリマーは、多くの場合、後に除去されるためにその溶解度を維持する必要がある。
【実施例18】
【0101】
【表16】

【0102】
[0085]ビス−ジエチレングリコールスルホイソフタレート(ナトリウム塩)、グリセリンエトキシレート、トリメチロールプロパン、およびTyzor TPTを反応槽に加え、200℃に加熱した。PETを段階的に添加し、各段階で次の段階の前に250℃に上げた。すべてのPETを添加した後、ポリマーをさらに1時間250℃に保持し、ポリマーの平衡および均質性を確実にした。
【0103】
[0086]この反応は問題なく進行した。該ポリマーは175℃で3ポアズの初期粘度を有していた。20インチHgの真空を10分間適用すると、該ポリマーの粘度は175℃で12ポアズとなった。この樹脂は、熱水に容易に分散した。該ポリマーに水溶性基を提供するために、ビス−ジエチレングリコールスルホイソフタレート、ナトリウム塩を添加した。このポリマーは、サイズ組成物、インクジェット樹脂、および水分散性を必要とする任意のフィルム形成組成物の好適な候補となる。
【0104】
[0087]より高分子量の繊維またはフィルム―繊維またはフィルムの生成において、溶融樹脂の粘度または弾性またはその他の特性は、溶融材料を使用したさらなる処理を可能とするに十分高い必要がある。多くのフィルムにおいて、これを達成するためにある程度の架橋密度がポリマーに組み込まれる。時折、これらの継続特性を達成するために、ポリマーのゲル化点に近付くことが必要となる。好ましい本発明の態様のプロセスにおいて、当業者は、改質モノマーミックスにおける適切な架橋密度を選択することにより、ゲル化点に近付くことができ、それにより、高い正確性をもって今までになかった特性を達成することができる。実際、多くの場合、ゲル化は高強度および粘着特性を達成するための望ましい特性である。このプロセスにより、また出発多官能アルコールまたはエステルの適切な選択により、大量の市販の縮合ポリマーにおいてゲル化に近付くことができる。
【実施例19】
【0105】
【表17】

【0106】
[0088]PEG400、エトキシル化ステアリルアルコール、トリメチロールプロパン、およびTyzor TPTを反応フラスコに加え、温度を可能な限り急速に200℃に上げた。PETの第1の段階的添加およびその後添加7までの各添加の後、直前の添加から均質で透明な反応物が得られた後、レオスタットを80%に設定して温度を急速に250℃に上げた。添加8の前に、該反応物の温度を270℃に上げ、粘度の増加を相殺した。添加8の後、該反応を270℃に戻した。添加9の後、該反応物を290℃に上げ、添加10および11の後、再び290℃に戻した。最後の添加物が透明で均質になった後、該反応物を250℃でさらに1時間保持した。
【0107】
[0089]そのような少量の改質モノマーミックスを任意の量のPETと撹拌するのは困難であった。初めは、少量の撹拌用に設計されたケトルがより好ましい。したがって、この実施例において利用した反応器は、少量の初期添加量および慎重な配慮が必要であった。最後のPETの添加で生じた明らかな粘度増加のために、PETをそれ以上添加しなかった。最終のポリマーは、200℃で100ポアズを超える溶融粘度を有したが、より高い温度ではまだ移動可能であった。溶融物から容易に繊維を引き出し、無制限に引き出し続けることができるだろう。これは、良好なフィルムおよび繊維形成ポリマーであった。
【0108】
[0090]ポリオール―本明細書に記載のプロセスは、種々のポリオールを製造するためにも使用可能である。ポリオールは、概して、他の反応に関与してより高い分子量の材料を形成することができる末端ヒドロキシル基を含有する、より低分子量の材料である。これらのポリオールは、一般的にポリウレタンの製造に使用される。ポリウレタンは、接着剤、絶縁フォーム、靴の中敷等のフォーム構造物、ゴム様構造物、および剛性構造物等のいくつかの材料を製造するために使用できる、剛性、半剛性、または可撓性のポリマーである。
【実施例20】
【0109】
【表18】

【0110】
[0091]ポリウレタンフォームを生成するために、実施例17のポリオールを上記配合に従いさらに反応させた。すべての成分は、1つのカップ内で混合した。良好な混合を確実にするために、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを最後に添加した。数分後、該反応が開始してある体積のフォームを生成した。冷却するとフォームは剛性で丈夫であり、ある構造フォーム用途に好適であった。
【実施例21】
【0111】
【表19】

【0112】
[0092]ポリウレタンを生成するために、実施例4のポリオールを上記配合に従いさらに反応させた。該ポリマーを130℃に加熱後、すべての成分をビーカー内で混合した。良好な混合を確実にするために、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを最後に添加し、可能な限り急速に混合した。
【0113】
[0093]該反応は極めて急速であり、該反応を開始する前に、成分を適度に混合するために激しく撹拌した。著しい熱が生成した。冷却すると、該ポリマーは極めて丈夫であり、ある成形用途に好適であった。これは、手で撹拌できるほぼ最大の分子量のポリマーである。混合を押出機内で行えば、さらに少ないポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートおよびより高い分子量のポリマーで製品を生成することが容易である。
【0114】
[0094]フィルム形成、酸末端、水分散性組成物または粉末コーティング:
【実施例22】
【0115】
[0095]実施例14からのポリマーを、さらに溶融し反応フラスコ内に注ぎ戻すことで処理した。該ポリマーが180℃となるまで加熱を続けた。さらに無水トリメリト酸10%を176.9gの反応物に添加し、196.6グラムの最終重量を得た。該反応物を再び180℃に上げ、1時間保持した。
【0116】
[0096]このさらなる処理から生成したポリマーは、分子量がより高く、175℃で15ポアズの最終粘度を有していた。これは比較的高いTgを有しており、熱により再融合可能な粉末へと容易に粉砕された。該粉末はまた、1%の水酸化アンモニウムを含有する70℃の熱水中に分散し、水分散性コーティング組成物として好適な20%分散液を形成した。このポリマーは、サイズ組成物、インクジェット樹脂、および水分散性を必要とする任意のフィルム形成組成物の好適な候補となる。これはまた、その比較的高いガラス転移温度に起因して、酸末端粉末コーティングの良好な候補となる。
【0117】
[0097]ポリエチレンナフタレート(PEN)からのフィルム組成物―PENは、比較的新しいポリマーである。具体的には、AmocoによりPENの中間体であるNDCつまりジメチル−2,6−ナフタレンジカルボキシレートの製造所が建設される前は、PENのコストは、最も要求の厳しい用途以外極めて高いものであった。しかしながら、今日では多くの製品がPENを利用している。
【0118】
[0098]ある特定の製品の包装では、PETよりもPENの使用に利点がある。例えば、PETのバリア特性は、バリア特性が望ましいある特定の用途では適性であるとは考えられない。PETは、ビールのボトル封入に使用されているが、酸素の浸透性が高いため、風味の急速な低下をもたらす場合がある。これを補おうとする、高酸素バリアフィルムでPETがラミネート加工されたいくつかの製品がある。PENは、必要とされるバリア特性を有する。この点、およびある液体を殺菌するために使用される温度より高い温度に耐え得るという事実から、今後10年でPENの使用が増加すると予測される。
【0119】
[0099]本明細書に記載の実施態様は、市販の縮合ポリマーとしてPENを使用することができる。このプロセスをPENに対し使用するために通常必要な温度は、PETに対するものより高く、典型的には、約250℃から280℃である。
【実施例23】
【0120】
【表20】

【0121】
[0100]PEG400、トリメチロールプロパン、およびTyzor TPTを反応フラスコに加え、温度を可能な限り急速に200℃に上げた。PENの第1の段階的添加の後、該温度を260℃に上げ、モノマーミックスの沸騰によりある量のフォームを生成した。これが鎮まり、その後添加8までの各添加の後、直前の添加から均質で透明な反応物が得られた後、レオスタットを80%に設定して該温度を急速に265℃に上げた。添加8の後、該反応を280℃に戻し、1時間保持した。この材料は、PETに類似した挙動を示すようであったが、エステル交換を急速に生じさせるためにはより高い温度が必要であった。最終ポリマーは可撓性であり、良好なフィルム形成材料であった。
【0122】
[0101]以下の実施例において、配合しカーペットに適用するのに十分な材料を製造するのに好適な小型反応器中で、本明細書に開示するプロセスを行った。
【実施例24】
【0123】
【表21】

【0124】
[0102]エトキシル化グリセリン、トリメチロールプロパン、およびTyzor TPTを反応器に加え、温度を可能な限り急速に430°Fに上げた。PETの第1の段階的添加の後、該温度を450°Fに、第2および第3の添加の後460°Fに、第4および第5の添加の後470°Fに、第6の添加の後475°Fに、第7および第8の添加の後480°Fに、第9および最終添加の後490°F〜500°Fに、1時間上げた。PETのすべてを容易に添加した。
【0125】
[0103]該反応は、実験室での反応と非常に類似して進行した。生成したホットメルトポリマーを、カーペット裏地に好適な裏地材料にさらに配合した。該材料をカーペットに適用し、カーペット試料を試験したところ、商業的用途に好適であることが判明した。
【実施例25】
【0126】
【表22】

【0127】
[0104]エトキシル化グリセリン、トリメチロールプロパン、エトキシル化ステアリルアルコール、およびTyzor TPTを反応器に加え、温度を可能な限り急速に430°Fに上げた。PETの第1の段階的添加の後、該温度を450°Fに、第2および第3の添加の後460°Fに、第4および第5の添加の後470°Fに、第6の添加の後475°Fに、第7の添加の後480°Fに、第8および最終添加の後490°F〜500°Fに、1時間上げた。PETのすべてを容易に添加し、透明で均質な溶融物を生成した。
【0128】
[0105]この実施例から製造したホットメルトポリマーを、さらに合成物に加工し、カーペットの裏地に適用した。完成品は、タフト結合(tuft bond)、可撓性、ベルクロ等の良好な特性を有するカーペット裏地材料に理想的であった。上述の製造したポリマーを実験室に送り、分子量を測定するためGPC(ゲル透過クロマトグラフィー)を行った。該分子量は、4.64の多分散性で12,579と決定された。
【0129】
[0106]特に好ましい本発明の態様および実施例を参照して実施態様を説明した。その精神および範囲から大きく逸脱しない限り、本発明の態様に種々の修正を行うことができることが、当業者には理解される。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
市販の縮合ポリエステルを原材料として使用するポリマーの製造方法であって、
改質モノマーミックスを選択する工程であって、前記改質モノマーミックスが、少なくとも1つのモノマーを含み、前記少なくとも1つのモノマーが、ヒドロキシルまたはエステルを含む分子であり、エステル交換反応に関与することができ、また1500未満の分子量を有し、前記改質モノマーミックスが、前記市販の縮合ポリエステルから得られる成分を含まない、該工程と、
前記改質モノマーミックスを、所定の量の前記市販の縮合ポリエステルとエステル交換し、最終ポリマーを生成する工程と、を含む前記方法。
【請求項2】
前記市販の縮合ポリエステルが、ポリエチレンテレフタレートである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記市販の縮合ポリエステルが、ポリエチレンナフタレートである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つのモノマーが、エステルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのモノマーが、エトキシル化されている、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記最終ポリマーが、ポリオールである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ポリオールをイソシアネートと反応させてポリウレタンを生成する工程をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
エステル交換する工程が、真空を適用する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記最終ポリマーを無水物と反応させて酸末端ポリマーを生成する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法により生成された前記最終ポリマーを含む、ホットメルト接着剤。
【請求項11】
請求項1に記載の方法により生成された前記最終ポリマーを含む、フィルム形成コーティング。
【請求項12】
請求項1に記載の方法により生成された前記最終ポリマーを含む、可融性コーティングシステムの粉末コーティング樹脂または成分。
【請求項13】
請求項1に記載の方法により生成された前記最終ポリマーを含む、可撓性フィルム。
【請求項14】
請求項1に記載の方法により生成された前記最終ポリマーを含む、水性塗料、サイズ剤形、およびインクジェット処方のための水分散性ポリマー。
【請求項15】
市販の縮合ポリエステルを原材料として使用するポリマーの製造方法であって、
改質モノマーミックスを選択する工程であって、前記改質モノマーミックスが、前記市販の縮合ポリエステルから得られる成分を含まない工程と、
前記改質モノマーミックスを、所定の量の前記市販の縮合ポリエステルとエステル交換する工程であって、エステル交換は、約5時間未満の時間、約200℃から約290℃の温度で実行し、該エステル交換により最終ポリマーを生成する工程と、を含む前記方法。
【請求項16】
前記市販の縮合ポリエステルが、ポリエチレンテレフタレートである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記市販の縮合ポリエステルが、ポリエチレンナフタレートである、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つのモノマーが、エステルを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つのモノマーが、エトキシル化されている、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記最終ポリマーが、ポリオールである、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記ポリオールをイソシアネートと反応させてポリウレタンを生成する工程をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
エステル交換の工程の間に真空を適用する工程をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
前記最終ポリマーを無水物と反応させて酸末端ポリマーを生成する工程をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
請求項15に記載の方法により生成された前記最終ポリマーを含む、ホットメルト接着剤。
【請求項25】
請求項15に記載の方法により生成された前記最終ポリマーを含む、フィルム形成コーティング。
【請求項26】
請求項15に記載の方法により生成された前記最終ポリマーを含む、可融性コーティングシステムの粉末コーティング樹脂または成分。
【請求項27】
請求項15に記載の方法により生成された前記最終ポリマーを含む、可撓性フィルム。
【請求項28】
請求項15に記載の方法により生成された前記最終ポリマーを含む、水性塗料、サイズ剤、およびインクジェット処方のための水分散性ポリマー。

【公表番号】特表2010−522805(P2010−522805A)
【公表日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−501007(P2010−501007)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【国際出願番号】PCT/US2008/004079
【国際公開番号】WO2008/121337
【国際公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【出願人】(507403791)ボーリュー・グループ・エルエルシー・ドゥーイング/ビジネス/アズ・ボーリュー・オブ・アメリカ (2)
【Fターム(参考)】