説明

ポンプ、ポンプの状況点検確認方法及び状況点検確認装置

【課題】ポンプを引き上げることがなく、各点検部の磨耗状況や劣化状況の点検確認ができ、維持管理の容易なポンプ、ポンプの状況点検確認方法及び状況点検確認装置を提供すること。
【解決手段】小型カメラ32と、該小型カメラ32を搭載する台車30と、該台車30に取り付けられた磁力を発する車輪31を具備する車輪機構とを備え、台車30の車輪機構が発する磁力を磁性体からなるポンプケーシング面に作用させ、ポンプケーシング面に沿って台車30を移動させることにより、小型カメラ32を介してポンプ状況の画像情報を取得し、ポンプ状況を点検確認する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、河川水や排水等を揚水するポンプ、ポンプの状況を点検確認するポンプの状況点検確認方法及び状況点検確認装置に関し、特に立軸ポンプの各部の摩耗状況、劣化状況を点検確認するのに好適なポンプの状況点検確認方法及び状況点検確認装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、立軸ポンプは、水槽上部のポンプ据付床に設置され、吊下管を介してガイドベーンや羽根車に収容ポンプボウルや吸込ベルマウスが吊り下げられている。このような立軸ポンプは、羽根車や水中軸受が水中に浸漬された状態で運転され、運転時間の経過とともにこれらの部材が徐々に摩耗する。このため、立軸ポンプの点検作業を定期的に行なって羽根車や水中軸受の摩耗状況を確認し、必要に応じて補修又は交換を行なうことが必要となる。
【0003】
従来、立軸ポンプの羽根車や水中軸受の摩耗状況を確認する方法には、立軸ポンプをクレーン等を用いて引き上げ、ケーシング(吊り下げ管、ポンプボウル、吐出曲管等)を開放して確認する方法。ポンプを引き上げないで確認する方法として、小型カメラをポンプ内に入れ内部状況の画像情報を得、この画像情報から補修が必要か否を判断する方法がある。特許文献1に示すように、ファイバースコープなどの画像取得手段をポンプケーシングの外部からポンプケーシングの内部の所定の消耗部材まで案内する導管とを備えたものもある。
【特許文献1】特開2006−161790号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記立軸ポンプのケーシングを開放して確認する方法では、下記のような課題がある。
・天井クレーン等によりポンプの引き上げにも作業員及びクレーンオペレータ等が必要となり、引き上げのための作業費用が高価となる。
・立軸ポンプの引き上げ、点検作業には、引き上げ作業終了後、目視点検、再設置、芯だし、試運転という、かなりの日数を要する。そのため対象となるポンプはその期間が運転ができないため、その期間排水設備は必要量の排水ができない状態となる。即ち、緊急時の排水に対応できないという問題がある。
・点検、取替時でも、常に排水できるようにする場合には、仮設ポンプを設置する等の対策が必要となる。
・作業は重量物の引き上げ、点検であり、危険の伴う作業となる。
【0005】
上記小型カメラをポンプケーシング内に入れる点検確認方法では、下記のような課題がある。
・画像情報がポンプ内部のどの位置(部分)の画像情報かの判断が非常に難しい。
・前の点検で撮影した箇所と同一の部分を撮影することが難しく、前の点検時に取得した画像情報と比較してどの程度、摩耗や劣化が進行しているのか傾向管理ができない。
【0006】
前記特許文献1に開示するものは、ファイバースコープなどの画像取得手段をポンプケーシングの外部からポンプケーシングの内部の所定の消耗部材まで案内する導管をポンプに付属させる必要があり、ポンプ製作コストが高くなる。
【0007】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、ポンプを引き上げることなく、各点検部の摩耗状況や劣化状況の点検確認ができ、維持管理の容易なポンプ、ポンプの状況点検確認方法及び状況点検確認装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため本発明は、車輪機構を備え、磁気吸引力を磁性体からなるポンプケーシング面に作用させ、該ポンプケーシング面に沿って移動できる台車にカメラを搭載し、台車をポンプケーシング面に沿って移動させることにより、カメラを介してポンプ状況の画像情報を取得し、ポンプ状況を点検確認することを特徴とするポンプの状況点検確認方法にある。
【0009】
上記のように磁気吸引力をポンプケーシング面に作用させ、ポンプケーシング面に沿って移動できる台車にカメラを搭載するので、カメラは安定した状態となり、ポンプ状況の安定した画像情報を取得することが可能となる。
【0010】
また、本発明は、車輪機構を備え、磁気吸引力を磁性体からなるポンプケーシング面に作用させ、該ポンプケーシング面に沿って移動できる台車と、台車をポンプケーシング面に沿って移動させる台車移動手段と、台車に搭載したカメラと、カメラを介してポンプ状況の画像情報を取得する画像情報取得手段とを備え、画像情報取得手段で取得した画像情報からポンプの状況を点検確認することを特徴とするポンプの状況点検確認装置にある。
【0011】
上記のように磁気吸引力をポンプケーシング面に作用させ、該ポンプケーシング面に沿って移動できる台車に搭載したカメラを介してポンプ状況の画像情報を取得する画像情報取得手段を備えているので、上記発明と同様、台車に搭載されたカメラは安定した状態で移動停止でき、ポンプ状況の安定した画像情報を取得することが可能となる。
【0012】
また、本発明は、上記ポンプの状況点検確認装置において、車輪機構はポンプケーシング面に沿って回転する車輪を備え、該車輪に磁力を発する磁力発生手段を設けたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記ポンプの状況点検確認装置において、前記磁力発生手段は車輪が接触するポンプケーシング面から離間して取り付けられていることを特徴とする。
【0014】
磁力発生手段(永久磁石又は電磁石)は車輪が接触するポンプケーシング面から離間して取り付けているので、磁力発生手段から発生する磁力のポンプケーシングに作用する吸着力を調整することが可能となり、ポンプケーシング面で台車が移動しやすくなる。更に、前記磁力発生手段とポンプケーシングの間には、ゴム又はプラスチック等の緩衝材を設けて、吸着力を調整することも可能である。
【0015】
また、本発明は、上記ポンプの状況点検確認装置において、ポンプケーシング面に施す塗装を多層とし、各層の塗装色を異なる色としたことを特徴とする。
【0016】
上記のようにポンプケーシング面の塗装を多層とし、各層の塗装色を異なる色としたので、ポンプの運転による塗装の剥がれ状況により、ポンプの劣化状況等を定量的に確認することが可能となる。
【0017】
また、本発明は、上記ポンプの状況点検確認装置において、状況点検確認が定期的な状況点検確認であって、カメラで同一箇所の画像を取得するためポンプケーシング内に位置確認用部材を設けたことを特徴とする。
【0018】
上記のようにポンプケーシング内に位置確認用部材を設けたことにより、確実に同じ箇所の画像情報を取得することが可能となり、劣化状況の傾向管理(例えば腐食領域の広がり具合等)が可能となり、腐食進展の予測による計画的な維持管理を行うことができる。
【0019】
また、本発明は、回転軸に固定された羽根車と、回転軸を回転自在に支持する水中軸受と、回転軸及び羽根車を収容するポンプケーシングとを備えたポンプの水中軸受の摩耗量を点検確認するポンプの状況点検確認装置において、ポンプケーシングの所定の位置に設けた回転軸が貫通する水中軸受又は摩耗量検出部材とを設け、請求項2に記載のポンプの状況点検確認装置により、回転軸と水中軸受又は摩耗量検出部材の間隙量を点検し、該間隙量から水中軸受の摩耗量を確認することを特徴とする。
【0020】
上記のように回転軸が貫通する水中軸受又は摩耗量検出部材と、回転軸と水中軸受又は摩耗量検出部材の間隙量を請求項2に記載のポンプの状況点検確認装置により点検し、水中軸受の摩耗量を確認するので、安定したカメラ映像により簡単にしかも精度よく水中軸受の摩耗状況を点検確認することが可能となる。
【0021】
また、本発明は、回転軸に固定された羽根車と、前記回転軸を回転自在に支持する水中軸受と、回転軸及び羽根車を収容するポンプケーシングとを備えたポンプの水中軸受の摩耗量を点検確認するポンプの状況点検確認装置において、ポンプケーシングの所定の位置に回転軸が貫通し且つ該回転軸の外周面との間に所定間隙を有する貫通穴を有する軸振れ検出部材と、軸振れにより回転軸が軸振れ検出部材に接触した際の軸振れ検出部材の変位又は変位量から水中軸受の摩耗量を点検確認する摩耗量点検確認手段を設けたことを特徴とする。
【0022】
上記のように軸振れ検出部材と、軸振れ検出部材の変位又は変位量から水中軸受の摩耗量を点検確認する摩耗量点検確認手段を設けたことにより、水中軸受の摩耗量を容易に点検確認することができる。
【0023】
また、本発明は、回転軸に固定された羽根車と、回転軸を回転自在に支持する水中軸受と、回転軸及び羽根車を収容するポンプケーシングとを備えたポンプにおいて、水中軸受を構成する軸受構成部材に挿入配置した温度センサと、該温度センサの出力から温度管理を行なうことで水中軸受の摩耗状態の傾向管理をする摩耗状態傾向管理手段を設けたことを特徴とする。
【0024】
上記のように軸受構成部材に挿入配置した温度センサと、摩耗状態傾向管理手段を設けたことにより、水中軸受の摩耗に伴い、軸受構成部材の回転軸接触面から温度センサまで回転軸の接触熱の伝達距離が短くなり、計測温度が上昇するから、摩耗状態傾向管理手段で温度管理をすることで、水中軸受の摩耗状況を点検確認できる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、磁気吸引力をポンプケーシング面に作用させ、該ポンプケーシング面に沿って移動できる台車に搭載したカメラを介してポンプ状況の画像情報を取得し、ポンプ状況を点検確認するので、カメラが安定した状態となり、ポンプの安定した画像情報を得ることが可能となる。
【0026】
また、磁気吸引力をポンプケーシング面に作用させ、台車移動手段によって該ポンプケーシング面に沿って移動できる台車に搭載したカメラを介してポンプ状況の画像情報を取得する画像情報取得手段を用いて、ポンプの状況を点検確認するので、台車に搭載されたカメラは安定した状態で移動停止でき、ポンプ状況の安定した画像情報を取得することが可能となる。
【0027】
また、磁力発生手段(永久磁石又は電磁石)は車輪が接触するポンプケーシング面から離間して取り付けることにより、磁力発生手段から発生する磁力のポンプケーシングに作用する吸着力を調整することが可能となり、ポンプケーシング面で台車が移動しやすくなる。また、磁力発生手段とポンプケーシング面の間には、ゴム又はプラスチック等の緩衝材を用いて吸着力を調整することも可能である。
【0028】
また、ポンプケーシング面の塗装を多層とし、各層の塗装色を異なる色とすることにより、ポンプの運転による塗装の剥がれ状況により、ポンプの劣化状況等を定量的に確認することが可能となる。
【0029】
また、ポンプケーシング内に位置確認用部材を設けたことにより、確実に同じ箇所の画像情報を取得することが可能となり、劣化状況の傾向管理(例えば腐食領域の広がり具合等)が可能となり、腐食進展の予測による計画的な維持管理を行うことができる。
【0030】
また、回転軸が貫通する水中軸受又は摩耗量検出部材を設け、回転軸と水中軸受又は摩耗量検出部材との間隙から水中軸受の摩耗量を点検確認することにより、簡単に水中軸受の摩耗状況を目視又はカメラで点検確認することが可能となる。
【0031】
また、軸振れ検出部材を設けことにより、ポンプ運転時に回転軸が軸振れし該軸振れ検出部材に接触するから、この軸振れ検出部材の変位又は変位量から水中軸受の摩耗量が規定値に達したことが容易に点検確認できる。
【0032】
また、軸受構成部材に温度センサを挿入配置することにより、水中軸受の摩耗に伴い、軸受構成部材の回転軸接触面から温度センサまで回転軸の接触熱の伝達距離が短くなり、計測温度が上昇する現象を利用し、この計測温度から水中軸受の摩耗状況の傾向を管理できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下本発明の実施形態例を図面に基いて説明する。各図において、同一符号を付した部分は同一又は相当部分を示す。図1は本発明に係るポンプの状況点検確認方法及び状況点検確認装置を適用する立軸ポンプの全体構成例及び排水機場を示す断面図である。図示するように、立軸ポンプは吸込ベルマウス1とポンプボウル2とからなるポンプ部ケーシング3と吊り下げ管4と吐出曲管5を備えている。6は回転軸であり、該回転軸6はポンプボウル2、吊り下げ管4、吐出曲管5を貫通して配置され、ポンプボウル2内に配置された水中軸受7と吐出曲管5の外側に配置した外軸受8により回転自在に支持されている。なお、ポンプボウル2、吊り下げ管4及び吐出曲管5の全体を後述する台車30が移動するポンプケーシングということもある。
【0034】
回転軸6の先端部(図では下端部)には羽根車(インペラ)10が固定され、回転軸6と羽根車10は一体的に回転するようになっている。この羽根車10は複数の羽根を有し、羽根車10の上方(吐出側)には複数のガイドベーン13が配置されている。ガイドベーン13はポンプボウル2の内周面に固定されている。回転軸6の後端(図では上端)は継ぎ手14を介して原動機15の駆動軸16に連結されている。吊り下げ管4はポンプベース18を介してポンプ据付床19に取り付けられている。ポンプ据付床19の下部は水(取扱い液)が流入する水槽20となっており、吸込ベルマウス1、ポンプボウル2、吊り下げ管4は水槽20内に配置され、吐出曲管5は水槽20の外側に配置されている。なお、図中Wは水槽20内の水面を示す。
【0035】
上記構造の立軸ポンプを備えた排水機場において、原動機15を起動して、その駆動軸16に連結された回転軸6を回転すると羽根車10が回転する。羽根車10の回転により、吸込ベルマウス1の吸込み口1aから吸込まれた水はポンプボウル2内、吊り下げ管4内、吐出曲管5内を通って、該吐出曲管5の吐出口に接続された吐出し配管(図示せず)に流入し、所定の場所に送水される。ポンプ据付床19の上部はポンプの点検確認が可能なエリアであり、ポンプ据付床19の下部の水槽20内は通常は水があり、ポンプの点検確認が不可能なエリアである。なお、図1において、21は後に詳述する小型カメラ32を搭載した台車30を搬入し、ポンプ内部を点検するための点検穴であり、常時は蓋体で閉塞されており、点検時該蓋体を外して点検穴21を開放し、台車30を内部に搬入することができるようになっている。
【0036】
図2は本発明に係るポンプの状況点検確認のために用いる小型カメラ32を搭載した台車30の概略構成を示す図で、図2(a)は平面図、図2(b)は側面図である。図示するように台車30は複数個(図では、前輪2個、後輪2個の計4個)の車輪31を有する車輪機構を具備している。各車輪31は2枚の非磁性体からなる円板体31aと円板体31aの間に円板状の磁石体31bを介在させた構成である。このように非磁性体からなる円板体31a,31aで磁石体31bを挟み込むことにより、台車転倒時にケーシング等の接地面に固着し、動かなくなることを防ぐことが可能となる。また、台車30に小型カメラ(ファイバースコープ、CCD等)32が搭載されている。小型カメラ32は2枚の円板等から構成されるカメラ回動機構33に支持されており、該カメラ回動機構33により、小型カメラ32はその先端が上下方向に所定角度回動できるようになっている。小型カメラ32には該小型カメラ32と制御部(図示せず)との間で画像情報等の種々の信号を送受するための信号線34、カメラ回動機構33を駆動するための駆動用ワイヤ35が取り付けられている。なお、磁石体31bとしてはここでは永久磁石を用いるが電磁石でもよいことは当然である。
【0037】
図3は上記小型カメラ32を搭載した台車30を用いて立軸ポンプの内部を点検確認している状態を示す図である。図示するように、点検穴21から台車30を搬入して吊り下げ管4内に吊り下げ用ワイヤ(台車30を下降上昇させるためのワイヤ)36を介して吊り下げる。これにより台車30の車輪31の磁石体31bからの磁力が磁性体(鋼材)からなる吊り下げ管4の内面に作用し、車輪31が吊り下げ管4の内面に吸着される。吊り下げ用ワイヤ36を上下動させることにより、台車30は吊り下げ管4の内面に沿って上下動する。これにより小型カメラ32も吊り下げ管4の内面に沿って上下動し、更に下降させるとポンプボウル2の内曲面に沿って下降する。小型カメラ32を吊り下げ用ワイヤ36を介して吊り下げ管4やポンプボウル2内に吊るしただけでは、小型カメラ32が不安定な状態(ふらつく)となり、安定した画像情報が得られないが、ここでは台車30の4個の車輪31が吊り下げ管4やポンプボウル2の内面に吸着され、該内面に沿って安定して上下動及び停止するから小型カメラ32も安定して上下動及び停止する。また、小型カメラ32の上下動や台車30の水平度、向きを検知できる機構を設けることで、更に安定した精度良い画像情報を得る位置を決定することも可能である。
【0038】
立軸ポンプ(特に斜流ポンプ)は、ガイドベーン13を有するポンプボウル2の部分が曲部になっており、且つガイドベーン13が邪魔して、小型カメラをワイヤで吊り下げるだけでは点検箇所の一つである羽根車10部の画像をうまく撮影できないという問題がある。ここでは台車30の車輪31が磁石体31bの磁力によってポンプボウル2の曲部内面に吸着された状態で移動するから、小型カメラ32を羽根車10の羽根にも誘導することが可能であり、目的箇所の安定した画像情報を取得することが可能となる。台車30を吊り下げる吊り下げ用ワイヤ36を点検員37が操作し、台車30を移動させてもよいが、電動機等の駆動機(図示せず)及び無線装置等を台車30に搭載し、遠隔操作で台車30を移動させるようにしてもよい。
【0039】
図4は台車30の車輪31の他の構成例を示す図である。図2に示す車輪31では2枚の非磁性体からなる円板体31aと磁石体31bの外周面を同一面としているが、ここでは磁石体31bの径を円板体31aの径より小さくし、磁石体31bの外周面を両側面に位置する非磁性体からなる円板体31aと円板体31aの外周面より所定寸法g1だけ凹ませている。この様な構成を採用することにより、車輪31を磁石で構成した場合や、図2に示すように、磁石体31bの外周面をその両側円板体31a、31aの外周面を同一面とした場合は磁気吸着力が強くなり、台車30が自重で降下しない場合がある。また、引き上げる場合も大きな引き上げ力が必要となる。図4に示すように磁石体31bの外周面を円板体31a、31aの外周面より所定寸法g1だけ凹ませ、磁石体31bの外周面を車輪31が接触するポンプケーシング(吊り下げ管4やポンプボウル2の内面等)38から一定距離g1だけ離すことにより、磁気吸着力を調整し、動作しやすい台車30を構成することが可能となる。
【0040】
図5は台車30の車輪31の他の構成例を示す図である。ここでは磁石体31bの外周面にゴム材又はプラスチック材の緩衝材40を取り付けている。吊り下げ管4やポンプボウル2の内面等台車30の車輪31が接触するポンプケーシング38には継ぎ目やガイド等の凹凸が多いため、図4に示すように磁石体31bの外周面と車輪31のポンプケーシング38の距離を離しても、場合によっては、磁石体31bがこれら継ぎ目やガイド等の凹凸に接触し固着し、台車30を引き上げできない場合がある。そこで図5に示すように、磁石体31の外周面に緩衝材40を取り付ければ、磁石体31bがポンプケーシング38の継ぎ目やガイド等の凹凸に固着するのを確実に防止できる。また、吊り下げ管4やポンプボウル2等のポンプケーシング38は曲面を有しているが、図5に示すように緩衝材40の外周面を曲面とすることにより、この曲面を有するポンプケーシング38の面内をスムーズに移動することが可能となる。
【0041】
図6は上記小型カメラ32を搭載した台車30を用いて立軸ポンプの内外部を点検確認している状態を示す図である。図示するように、ポンプ内部を点検確認する場合は、点検穴21から台車30を搬入して吊り下げ管4内に吊り下げ用ワイヤ36を介して吊り下げる。また、ポンプ外面を点検確認する場合は、ポンプベース18に開閉可能に設けた機材搬出入口45から台車30を水槽20内の吊り下げ管4の外側に吊り下げ用ワイヤ36を介して搬入吊り下げ、吊り下げ管4の外周面に沿って台車30を上げ下げして行う。本立軸ポンプでは水中軸受7の他に吊り下げ管4内に水中軸受支え43を介して水中軸受42を設けている。
【0042】
吊り下げ管4や内面に施す塗装50を図7に示すように、多層とし(図では、第1層51、第2層52、第3層53の3層)、各層の塗装色を各層で異ならせている。これによりポンプの運転による塗装の剥がれ状況により、定量的に内部劣化状況を点検確認することが可能となる。図7は内面状態をイメージしたものではあるが、吊り下げ管4の外面にも塗装色の異なる多層の塗装を施すことにより、塗装の剥がれ状況により、定量的に外部状況を点検確認することが可能となる。図7では吊り下げ管4の内外面に塗装色の異なる多層の塗装を施す例を説明したが、当然ポンプボウル2の内外面、吸込ベルマウス1の内外面に塗装色の異なる多層の塗装を施しても定量的に外部の劣化状況を点検確認することが可能となる。なお、図6ではケーシング外面に吸着させ、目的位置へ導く手段としているが、ケーシング外部に設けられた(又は点検用として設ける)、小配管やレール等の鋼材に吸着させ、点検台車を目的位置に移動させても良い。また、横軸ポンプの場合、ポンプに付属されている上部の点検カバーを開けることにより、容易にポンプ内部を確認することが可能であるので、本構造及び手段は、特に立軸ポンプに効果を発揮する。但し、横軸ポンプの吸込配管の内外面調査においては、本構造及び手段を適用することが可能である。
【0043】
ポンプ内部状況の点検確認において、定期的な点検確認では同一箇所の画像情報を取得し、傾向管理する為に、図8、図9に示すように吊り下げ管4の内面に無塗装状態の鋼(ステンレス等)を位置確認部材55として設置する。このように位置確認部材55を設置することにより、確実に同じ箇所の画像情報を取得することが可能となり、劣化状況の傾向管理(腐食域の広がり具合等)を行うことができる。これにより腐食進展の予想による計画的な維持管理が行える。また、位置確認部材55をステンレス鋼のような無塗装状態で使用可能な鋼材で構成したことにより、小型カメラ32又は台車30等に設けられた光源からの光を反射しやすい構成となり、容易に位置を確認することができる。図8、図9では吊り下げ管4の内面に位置確認部材55を設置する例を説明したが当然、ポンプボウル2の内面に位置確認部材55を設置することで、上記劣化状況の傾向管理が可能となる。
【0044】
また、位置確認部材55としては、図8、図9に示すように長尺状部材に限定されるものではなく、図10(a)に示すように小径の円板状でもよい。また、その位置が、更に特定できるように、図10(b)に示すように数字や文字を刻印してもよい。
【0045】
また、位置確認部材55により、小型カメラ32の位置(取得画像の場所)を特定するが、既設のポンプ等、位置確認部材が設置できない場合等については、ICタグ(チップ)を小型カメラ32(又は台車30)に搭載することにより、ICタグの通信、位置特定機能を利用し、小型カメラ32の位置を特定するようにしてもよい。
【0046】
図11は上記小型カメラ32を搭載した台車30を用いて立軸ポンプの内部状況を点検確認している状態を示す図である。図示するように、ポンプボウル2の上端部に回転軸6が貫通する貫通穴を有する水中軸受又は摩耗量検出部材57を設け、回転軸6と水中軸受又は摩耗量検出部材57との間隙から水中軸受7及び水中軸受42の摩耗量を目視或いは台車30に搭載した小型カメラ32で取得した画像情報により点検確認する。
【0047】
図12は立軸ポンプの水中軸受摩耗量検知機構の構成例を示す図である。水中軸受摩耗量検知機構60は、図示するように、水中軸受7の上部に回転軸6の外径より大きい内径の貫通穴61aが形成された円板状部材61とその上下両面に貫通穴61aの内径より大きい内径の穴62aが形成された円板状部材62が配置された構成である。円板状部材61と円板状部材62は回転軸6が貫通穴61aの内周面に接触することにより破断(又は変形)するシャーピン等により位置決めし、設置されている。水中軸受7が摩耗し、回転軸6が円板状部材61の貫通穴61aの内周面に接触するようになる。この状態でポンプが運転すると、回転軸6の回転力(トルク)が伝達され、円板状部材61は変位(回転等)する。これにより、円板状部材61に形成した穴61bと円板状部材62、62に形成した穴62b、62bの位置が図12(b)の正常状態から図12の(c)の状態に変位(ズレ)し、水中軸受7の摩耗量が規定値に達したことを確認できる。
【0048】
また、上記水中軸受摩耗量検知機構60において、図12(d)に示すように、円板状部材61と円板状部材62、62の外周面にけがき線63を形成しておき図12(d)の正常状態から図12(e)のようにけがき線63が変位(ズレ)した状態になった場合、水中軸受7の摩耗量が規定値に達したことを確認できる。なお、図12(a)は水中軸受摩耗量検知機構の断面図、図12(b)、(c)はA―A矢視図、図12(d)、(e)はB―B矢視図である。
【0049】
また、上記水中軸受摩耗量検知機構60において、図13に示すように、円板状部材61と円板状部材62、62に導線64を通し、回転軸6の円板状部材61の貫通穴61a内周面への接触による相対的に変位(回転等)により導線64が破断するように構成し、この導線64の破断を検出装置65で検出できるようにすれば、台車30に搭載した小型カメラ32等で確認しなくても、常時、検出装置65で状態を監視でき、規定摩耗量になった時点で、迅速な水中軸受の交換が可能となり、信頼性を上げることが可能となる。
【0050】
図14は立軸ポンプの内部状況を点検確認する状態例を示す図である。水中軸受摩耗量検出機構70を羽根車10の下部に設けている。この水中軸受摩耗量検出機構70は羽根車10の中心から軸方向下方に伸びる円柱部材72と該円柱部材72を回転自在に支持する摩耗量検出部材71から構成されている。ポンプの運転に伴い円柱部材72が回転し、水中軸受7の摩耗量に比例して摩耗量検出部材71と円柱部材72の間の間隙も大きくなる。水槽20内に点検員73が入る場合、水中軸受摩耗量検出機構70の摩耗量検出部材71と円柱部材72の間の間隙を目視し、水中軸受7の摩耗量を確認することができる。
【0051】
図15は立軸ポンプの水中軸受の摩耗量を検出する他の例を示す図である。図示するように、水中軸受7を構成する軸受構成部材7aに温度センサ75を挿入配置し、その出力から温度計測装置76で温度を測定する。温度センサ75の先端位置を軸受構成部材の回転軸6と接触する面から所定距離g3(例えば10mm以下)離れた位置とし、温度計測装置76で測定した温度管理を行うことで、水中軸受7の摩耗状態の傾向を管理、即ち摩耗量が増えていることを監視し、水中軸受摩耗量検知機構60で水中軸受7の摩耗の点検確認する確認時期を判断することが可能となる。確認時期と判断した場合は、図12の(a)〜(e)で説明したように、水中軸受摩耗量検知機構60により水中軸受7の摩耗量の点検確認を行う。
【0052】
図16は温度計測装置76で測定される温度とポンプ運転時間(=水中軸受摩耗量)の関係を示す概念図である。水中軸受7の摩耗(ポンプ運転時間)に伴い、軸受構成部材7aの回転軸6との接触面と温度センサ75の先端までの距離g3が短くなり、温度計測装置76で測定される温度が上昇する。即ち、水中軸受摩耗量と測定温度との相関関係を利用し、温度計測装置76で測定される温度を管理することで、水中軸受7の摩耗傾向を管理することができる。軸受構成部材7a以外の部材に温度センサ75を設置すると部材同士の熱伝達の影響があり、温度の上昇を捉えにくい。また、軸受構成部材7aの回転軸6との接触面より遠い位置に軸受構成部材7aの先端を設置(例えば軸受ケース等の表面温度等)では、伝達距離が大きすぎて、温度の上昇傾向が捉えにくい。そこでここでは、軸受構成部材7aに直接温度センサ75を挿入設置している。軸受構成部材7aの回転軸6との接触面から温度センサ75の先端までの所定距離g3は10mm以内とすることが好ましい。
【0053】
上記のように水中軸受7の摩耗傾向が管理できることにより、水中軸受7の交換準備(手配等)を事前に行うことができ、迅速なポンプ機能の復旧が可能となる。水中軸受摩耗量検知機構60で水中軸受の摩耗量が規定の交換時期に達したことを検出してから手配をする場合に比べ、製作期間(数ヶ月)の短縮が可能となる。予備のポンプを有しない排水機場等においては、ポンプ排水機能を最小限に抑えることができるので、浸水被害を未然に抑える等、経済性・信頼性に大きく寄与できる。
【0054】
なお、小型カメラ32を搭載する台車30は、図17に示すように、後車輪31、31が左右に所定角度自由に旋回できる構造であり、ポンプ据付床19の面上にいる点検員37がワイヤ66、67を操作することにより、台車30は左右に移動できる。また、台車30の上下動については、台車30の自重による降下(吊り下げ用ワイヤ36の引っ張り降下速度を調整)と吊り下げ用ワイヤ36の引き上げにより上昇動作を行うことができる。なお、上記例では後車輪31、31が左右に所定角度自由に旋回できる構造としたが、前車輪31、31を左右に所定角度自由に旋回できる構造としてもよい。
【0055】
また、上記例では台車30はワイヤを介して手動で操作する構造例を示したが、台車30の上昇下降動作、左右旋回動作、搭載されている小型カメラ32の上下方向回動等を行わせるため複数台の小型電動機を台車30に搭載し、遠隔操作等によりこれら小型電動機を操作して、台車30の上昇下降動作、左右旋回動作、小型カメラ32の上下揺動動作等を行わせてもよい。
【0056】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。例えば上記実施形態例では、磁力を発生する磁力発生手段として車輪機構の各車輪31に磁石体31bを設けているが、これに限定されるものではなく、要は磁気吸引力を磁性体からなるポンプケーシング面に作用させることにより、台車に該台車をポンプケーシング面に押し付ける磁気吸引力を作用させる構成であれば、磁石の取付け位置は特に限定されない。また、磁力を発生する磁力発生手段も永久磁石に限定されるものではなく、電磁石でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明に係るポンプの状況点検確認方法及び状況点検確認装置を適用する立軸ポンプの全体構成例及び排水機場を示す断面図である。
【図2】本発明に係る状況点検確認のために用いる小型カメラを搭載した台車の概略構成を示す図で、図2(a)は平面図、図2(b)は側面図である。
【図3】本発明に係るポンプの状況点検確認を実施している立軸ポンプの全体構成例及び排水機場を示す断面図である。
【図4】本発明に係る状況点検確認のために用いる小型カメラを搭載した台車の車輪の構成を示す図である。
【図5】本発明に係る状況点検確認のために用いる小型カメラを搭載した台車の車輪の構成を示す図である。
【図6】本発明に係るポンプの状況点検確認を実施している立軸ポンプの全体構成例及び排水機場を示す断面図である。
【図7】本発明に係るポンプの状況点検確認を実施するため吊り下げ管に設けた多層塗装の概略構成を示す図である。
【図8】本発明に係るポンプの状況点検確認を実施するため吊り下げ管に設けた位置確認部材を示す図である。
【図9】本発明に係るポンプの状況点検確認を実施するため吊り下げ管に設けた位置確認部材を示す図である。
【図10】本発明に係るポンプの状況点検確認を実施するため吊り下げ管に設けた位置確認部材を示す図である。
【図11】本発明に係るポンプの状況点検確認を実施している立軸ポンプの全体構成例及び排水機場を示す断面図である。
【図12】本発明に係るポンプの状況点検確認を実施するために用いる水中軸受摩耗量検知機構の構成例を示す図で、図12(a)は側断面図、図12(b)、(c)はA―A矢視図、図12(d)、(e)はB―B矢視図である。
【図13】本発明に係るポンプの状況点検確認を実施するために用いる水中軸受摩耗量検知機構の構成例を示す図である。
【図14】本発明に係るポンプの状況点検確認を実施している立軸ポンプの全体構成例及び排水機場を示す断面図である。
【図15】本発明に係るポンプの状況点検確認を実施するために用いる水中軸受摩耗量検知機構の構成例を示す図である。
【図16】水中軸受構成部材に挿入配置した温度センサによる測定温度とポンプ運転時間の関係を示す概念図である。
【図17】本発明に係る状況点検確認のために用いる小型カメラを搭載した台車の概略構成を示す平面図である。
【符号の説明】
【0058】
1 吸込ベルマウス
2 ポンプボウル
3 ポンプ部ケーシング
4 吊り下げ管
5 吐出曲管
6 回転軸
7 水中軸受
8 外軸受
10 羽根車
13 ガイドベーン
14 継ぎ手
15 原動機
16 駆動軸
18 ポンプベース
19 ポンプ据付床
20 水槽
21 点検穴
30 台車
31 車輪
31a 円板体
31b 磁石体
32 小型カメラ
33 カメラ回動機構
34 信号線
35 駆動用ワイヤ
36 吊り下げ用ワイヤ
37 点検員
38 ポンプケーシング
40 緩衝材
42 水中軸受け
43 水中軸受支え
50 塗装
51 第1層
52 第2層
53 第3層
55 位置確認部材
60 水中軸受摩耗量検知機構
61 円板状部材
62 円板状部材
63 けがき線
64 導線
65 検出装置
70 水中軸受摩耗量検出機構
71 摩耗量検出部材
72 円柱部材
73 点検員
75 温度センサ
76 温度計測装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪機構を備え、磁気吸引力を磁性体からなるポンプケーシング面に作用させ、該ポンプケーシング面に沿って移動できる台車にカメラを搭載し、
前記台車を前記ポンプケーシング面に沿って移動させることにより、前記カメラを介してポンプ状況の画像情報を取得し、ポンプ状況を点検確認することを特徴とするポンプの状況点検確認方法。
【請求項2】
車輪機構を備え、磁気吸引力を磁性体からなるポンプケーシング面に作用させ、該ポンプケーシング面に沿って移動できる台車と、
前記台車を前記ポンプケーシング面に沿って移動させる台車移動手段と、
前記台車に搭載したカメラと、
前記カメラを介してポンプ状況の画像情報を取得する画像情報取得手段とを備え、
前記画像情報取得手段で取得した画像情報からポンプの状況を点検確認することを特徴とするポンプの状況点検確認装置。
【請求項3】
請求項2に記載のポンプの状況点検確認装置において、
前記車輪機構は前記ポンプケーシング面に沿って回転する車輪を備え、該車輪に前記磁力を発する磁力発生手段を設けたことを特徴とするポンプの状況点検確認装置。
【請求項4】
請求項3に記載のポンプの状況点検確認装置において、
前記磁力発生手段は前記車輪が接触する前記ポンプケーシング面から離間して取り付けられていることを特徴とするポンプの状況点検確認装置。
【請求項5】
請求項2に記載のポンプの状況点検確認装置において、
前記ポンプケーシング面に施す塗装を多層とし、各層の塗装色を異なる色としたことを特徴とするポンプの状況点検確認装置。
【請求項6】
請求項2に記載のポンプの状況点検確認装置において、
前記状況点検確認が定期的な状況点検確認であって、前記カメラで同一箇所の画像を取得するため前記ポンプケーシング内に位置確認用部材を設けたことを特徴とするポンプの状況確認装置。
【請求項7】
回転軸に固定された羽根車と、前記回転軸を回転自在に支持する水中軸受と、前記回転軸及び羽根車を収容するポンプケーシングとを備えたポンプの前記水中軸受の摩耗量を点検確認するポンプの状況点検確認装置において、
前記ポンプケーシングの所定の位置に設けた前記回転軸が貫通する水中軸受又は摩耗量検出部材とを設け、請求項2に記載のポンプの状況点検確認装置により、前記回転軸と水中軸受又は摩耗量検出部材の間隙量を点検し、該間隙量から前記水中軸受の摩耗量を確認することを特徴とするポンプの状況点検確認装置。
【請求項8】
回転軸に固定された羽根車と、前記回転軸を回転自在に支持する水中軸受と、前記回転軸及び羽根車を収容するポンプケーシングとを備えたポンプの前記水中軸受の摩耗量を点検確認するポンプの状況点検確認装置において、
前記ポンプケーシングの所定の位置に前記回転軸が貫通し且つ該回転軸の外周面との間に所定間隙を有する貫通穴を有する軸振れ検出部材と、軸振れにより前記回転軸が前記軸振れ検出部材に接触した際の前記軸振れ検出部材の変位又は変位量から前記水中軸受の摩耗量を点検確認する摩耗量点検確認手段を設けたことを特徴とするポンプの状況点検確認装置。
【請求項9】
回転軸に固定された羽根車と、前記回転軸を回転自在に支持する水中軸受と、前記回転軸及び羽根車を収容するポンプケーシングとを備えたポンプにおいて、
前記水中軸受を構成する軸受構成部材に挿入配置した温度センサと、該温度センサの出力から温度管理を行なうことで前記水中軸受の摩耗状態の傾向管理をする摩耗状態傾向管理手段を設けたことを特徴とするポンプ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2009−150262(P2009−150262A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−327378(P2007−327378)
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)
【Fターム(参考)】