説明

ポンプ

【課題】リリーフバルブの応答遅れの発生を無くして所望のオイル吐出量を確保すると共に、駆動トルクを低減できるようにしたポンプを提供するものである。
【解決手段】吐出通路70の流体圧力が所定の圧力未満の状態では吐出通路70と吸入通路68とを遮断し、吐出通路70の流体圧力が所定以上の圧力になった場合に吐出通路70と吸入通路68とを連絡するためのリリーフバルブ66を備えるポンプ60において、駆動軸20をリリーフバルブ66の作動用ガイドとする。これによって、リリーフバルブ66の動作を引っ掛かりなくスムースに行わせることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば内燃機関等の潤滑油を吐出するためのポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関等の潤滑油を吐出するオイルポンプの構造は従来から知られている。この従来既知のオイルポンプ(トロコイドポンプ)は、2つのハウジングに挟まれた空間内に回転自在なアウターロータとインナーロータとを備え、駆動軸でインナーロータを回転させることによって、アウターロータとインナーロータとの間に形成されるオイル収容空間に収容したオイルをポンプ内で移動させ、その後外部に吐出するものである。
【0003】
従来のオイルポンプでは、一方のハウジングとインナーロータやアウターロータとの接合面にはオイルが移動できる吹抜け(隙間)があり、吐出通路側のオイル圧力が高くなった時に、その吹抜けを介して吐出通路側のオイルが吸入通路に若干漏れるようなものとなっていた。吐出通路におけるオイルの吐出圧力は、エンジン側の通路抵抗等により発生するが、オイルの温度やエンジン回転数等によって変動する。このため、吐出通路から吸入通路へのオイルの吹抜けがあると、吐出通路の吐出圧力が減少し、その結果所望のオイル吐出量が得られないという不具合が生じるおそれがあった。
【0004】
この不具合を解消するものとして、所望のオイル吐出量を確保すると共に、異常振動の発生を防止するオイルポンプが特許文献1に提供された。この特許文献1のオイルポンプを図5及び図6に示す。オイルポンプ10は、第一ハウジング12と、第二ハウジング14と、それら2つのハウジングとに挟まれた空間内に回転自在な筒状のアウターロータ16と、そのアウターロータ16の内部で回転自在しながらそのアウターロータ16も回転させるインナーロータ18と、インナーロータ18を回転させるための駆動軸20とを有する。
【0005】
図6に示すように、筒状のアウターロータ16は、その内壁に例えば5個の凸部22と凹部24とを有するものである。このアウターロータ16は、第一ハウジング12に形成された円筒内壁26の中心点Pを中心に、円筒内壁26に摺接しながら回転可能となっている。インナーロータ18は駆動軸20により、駆動軸20と共に中心点Qを中心に回転する。インナーロータ18の外壁には、アウターロータ16の5個の凸部22と噛み合う例えば4個の突起部28を有している。アウターロータ16の内壁とインナーロータ18の外壁との間には、複数のオイル収容空間30が形成される。駆動軸20が図6で時計方向(矢印方向)に回転すると、インナーロータ18とアウターロータ16とが回転し、それに伴ってインナーロータ18とアウターロータ16とで形成される複数のオイル収容空間30はそれぞれ形状と容積を変えながら時計方向に回転移動する。
【0006】
図5に示すように、アウターロータ16とインナーロータ18の一方の側面に配置される第一ハウジング12には、オイルを吸入するための吸入通路32と、エンジン潤滑用にオイルを吐出する吐出通路34とが形成されている。これら吸入通路32と吐出通路34とは、前記オイル収容空間30と連絡するように設定されている。第一ハウジング12には、駆動軸20を中心位置として外側に向けて突出する筒状で先端閉鎖の突出部38が形成され、その突出部38の内部に内部空間40が形成される。内部空間40には、一端閉鎖の筒状形状のリリーフバルブ46と、そのリリーフバルブ46をインナーロータ18の側面に接触させる方向に付勢するスプリング48とが備えられる。リリーフバルブ46は、閉鎖面である端面50と、それと一体に形成される筒状部52とから成る。リリーフバルブ46の筒状部52の外面は、突出部38の筒状の内面と摺接するように設定されている。
【0007】
吐出通路34にかかるオイルの吐出圧が所定の圧力未満の状態(図5に示す状態)では、リリーフバルブ46の端面50がスプリング48によってインナーロータ18の側面に接触させられる。この図5の状態では、吸入通路32と吐出通路34とがリリーフバルブ46によって遮断され、オイルの吹抜けが防止される。
【0008】
オイルの吐出工程において、吐出通路34の圧力が所定以上の圧力になると、リリーフバルブ46の端面50とインナーロータ18の側面との間にオイルが入り込み、スプリング48に抗してリリーフバルブ46を図5で右方向に移動させる。この結果、図7に示すように、リリーフバルブ46の端面50とインナーロータ18の側面との間に連絡空間54が現れ、この連絡空間54を介して吐出通路34と吸入通路32とが連絡し、吐出通路34の高い圧力は連絡空間54を介して吸入通路32に逃れる。これによって、吐出通路34の圧力が安定して、所望のオイル吐出量を得ることができる。
【0009】
【特許文献1】WO2005/010369号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1のオイルポンプにおいては、リリーフバルブ46の作動時に、リリーフバルブ46の吸入通路32側に負圧がかかると共に、リリーフバルブ46の吐出通路34側に正圧がかかり、それらの圧力がリリーフバルブ46を傾斜させる力となる。この結果、リリーフバルブ46が傾斜しながら作動し、リリーフバルブ46の筒状部52の外壁が第一ハウジング12の突出部38の筒状の内壁に引っ掛かり、応答遅れやリリーフ圧のオーバーシュートが発生するおそれがあった。
【0011】
この不具合を解消する案として、リリーフバルブ46の移動用ガイドの軸方向の長さLと直径Dとの比L/D(図7参照)を大きくすることで、リーフバルブ46の傾斜を防ぐことが考えられた。このガイドの長さLはリリーフバルブ46の筒状部52の軸方向の長さであり、ガイドの直径Dはリリーフバルブ46の筒状部52の直径となる。しかし、この比L/Dを大きくするとなると、リリーフバルブ46の軸方向の長さLが長くなって、第一ハウジング12の大きさが大きくなり、全体コストも高くなるので、採用することができないものであった。更に、この案でも、リリーフバルブ46の第一ハウジング12への引っ掛かりを完全に解消できるものではなかった。
【0012】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、リリーフバルブの応答遅れの発生を無くして所望のオイル吐出量を確保すると共に、駆動トルクを低減できるようにしたポンプを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係るポンプは、ハウジングと、前記ハウジング内に備えられるものであって流体収容空間を有する流体移動手段と、前記流体移動手段を回転させるための駆動軸と、流体を前記ハウジングの内部に吸入するための吸入通路と、流体を前記ハウジング内から外部に吐出するための吐出通路と、吐出工程における前記吐出通路の流体圧力が所定の圧力未満の状態では前記吐出通路と前記吸入通路とを遮断すると共に吐出工程における前記吐出通路の流体圧力が所定以上の圧力になった場合に前記吐出通路と前記吸入通路とを連絡するためのバルブと、そのバルブを所定の方向に付勢するための付勢手段とを備えたポンプにおいて、前記駆動軸を前記バルブの移動用ガイドとしたことを特徴とするものである。本発明は、前記駆動軸を前記バルブの移動用ガイドとする構成が、前記バルブに前記駆動軸の外側に嵌合する筒状部を設けることを特徴とするものである。本発明は、前記ハウジングに段部を形成し、吐出工程における前記吐出通路の流体圧力が所定の圧力未満の状態では、前記段部を前記付勢手段による前記バルブの移動方向のストッパとしたことを特徴とするものである。本発明は、前記流体移動手段における前記流体収容空間の一方側の開口位置に前記バルブを備え、前記流体収容空間の他方側の開口位置に前記吐出通路及び前記吸入通路を備えることを特徴とするものである。本発明は、前記流体移動手段が、インナーロータとアウターロータから成ることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るポンプによれば、吐出工程でオイルが所定以上の圧力になった場合に、リリーフバルブを介してオイルを吐出通路と吸入通路とを連絡するので、所望のオイル吐出圧とオイル吐出量を得ることができる。
本発明では、吐出通路と吸入通路とを連絡遮断するリリーフバルブは駆動軸をガイドとして移動するので、リリーフバルブが従来のようなハウジングに引っ掛かることが無くなり、応答遅れを無くしてスムースなバルブ作動を行うことができる。また、ガイドとする駆動軸そのものが回転しているため、リリーフバルブの倒れを補正することができる。
本発明では更に、ハウジングにリリーフバルブの移動方向のストッパとしての段部を形成するので、スプリングによる付勢力がインナーロータやアウターロータに直接かからないようにする。これによって、インナーロータやアウターロータにかかる回転抵抗を従来より少なくして、従来と比べて駆動トルクを低減して消費馬力を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明に係るポンプは、リリーフバルブの応答をスムースに行えるようにすると共に、駆動トルクを低減できるようにするものである。
【実施例1】
【0016】
次に本発明を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係るポンプの要部断面図、図2は図1のA−A線断面図である。図1及び図2において、図5及び図6と同一符号は同一部材を示す。オイルポンプ(ポンプ)60は第一ハウジング62と第二ハウジング64とを有する。それら第一ハウジング62と第二ハウジング64との間に、流体移動手段としてのアウターロータ16並びにインナーロータ18と、インナーロータ18を回転させるための駆動軸20と、リリーフバルブ66と、付勢手段であるスプリング48とを備えるものである。流体移動手段であるアウターロータ16とインナーロータ18との間には複数のオイル収容空間(流体収容空間)30(30a,30b,――)が形成されている。なお、流体移動手段は、アウターロータ16とインナーロータ18に限るものではない。
【0017】
第二ハウジング64には、吸入ポートである吸入通路68と吐出ポートである吐出通路70が形成されている。第一ハウジング62と、アウターロータ16やインナーロータ18の側面と、リリーフバルブ66との間に、リリーフバルブ66によって互いに区画される吸入連絡空間72と吐出連絡空間74と形成される。リリーフバルブ66は、吸入連絡空間72と吐出連絡空間74とを連絡または遮断するものである。吸入連絡空間72は、オイル収容空間30aを介して吸入通路68と連絡し、吐出連絡空間74は、オイル収容空間30bを介して吐出通路70と連絡している。吸入通路68や吐出通路70は、アウターロータ16やインナーロータ18を中心としてリリーフバルブ66と反対側に備えられる。
【0018】
リリーフバルブ66は、駆動軸20に嵌合する筒状部76と、筒状部76の一端と一体に形成されてインナーロータ18の側面と接触可能な端面78と、端面78と一体に形成されて筒状部76の外側に間隔を空けて配置される径大の外側筒状部80とから成る。リリーフバルブ66の筒状部76の内壁面は、駆動軸20の外壁面と嵌合摺接する形状や寸法に設定されている。即ち、この実施例1では、駆動軸20をリリーフバルブ66の開閉作動用のガイドとし、リリーフバルブ66はガイドである駆動軸20に沿って往復移動する。このリリーフバルブ66のガイド箇所の長さLは筒状部76の長さになり、ガイド箇所の直径Dは駆動軸20の直径となる。この実施例1では駆動軸20の直径Dは小さいので、筒状部76の長さLを特に長くしなくても、L/Dの比は大きいものとなり、リリーフバルブ66の駆動軸20に対する傾斜が小さいものとなる。リリーフバルブ66に形成される外側筒状部80は、吐出連絡空間74と吸入連絡空間72とを遮断するためのものであるが、その外側筒状部80の外壁面は第一ハウジング12と近接しているが接触しない状態に設定する。
【0019】
吐出通路70内のオイル圧力が所定の圧力未満の状態(図1に示す状態)では、スプリング48の付勢力によって、リリーフバルブ66の端面78がインナーロータ18に接触押圧させられる。リリーフバルブ66の端面78がインナーロータ18と接触した状態においては、リリーフバルブ66(外側筒状部80)によって吸入連絡通路72と吐出連絡通路74とは遮断されている。一方、吐出通路70やオイル収容空間30bにおけるオイルの圧力が所定以上の圧力になった場合には、その圧力が吐出連絡通路74に及び、スプリング48に抗してリリーフバルブ66を図1で右方向に移動させる(図3の状態)。これによって、リリーフバルブ66の端面78とインナーロータ18の側面との間に連絡空間82が現れ、この連絡空間82を介して吐出連絡通路74と吸入連絡通路72とが連絡し、この結果、吐出通路70と吸入通路68とが連絡する。このように、吐出工程で吐出通路70やオイル収容空間30bに高い圧力が発生した場合でも、この高い圧力は連絡空間82を介して吸入通路68に逃れるため、過大圧力によるオイルポンプ60の異常振動を防止することができ、所望のオイル吐出量を得ることができる。
【0020】
本発明では、リリーフバルブ66の作動時に、リリーフバルブ66は駆動軸20をガイドとして往復移動するので、リリーフバルブ66が第一ハウジング62に引っ掛かることが無くなり、応答遅れを無くしてスムースな作動を達成することができる。また、リリーフバルブ66が第一ハウジング62への引っ掛かりが無くなることから、引っ掛かりによる吐出圧の上昇が無くなり、吐出圧上昇による駆動トルクを低減して消費馬力を小さくすることができる。リリーフバルブ66のガイド箇所の直径D(駆動軸20の直径)が小さいので、ガイド箇所における長さLと直径Dの比L/Dが大きくなるので、オイルポンプ60全体と大きさに影響を及ぼすこと無く、リリーフバルブ66の傾斜を小さくすることができる。また、ガイドである駆動軸20そのものが回転しているため、その駆動軸20をガイドとするリリーフバルブ66の倒れを補正することができる。
【実施例2】
【0021】
次に、本発明の他の実施例について説明する。図4は本発明に係る他のポンプの要部断面図である。図4において、図1乃至図3と同一符号は同一部材を示す。実施例1は、リリーフバルブ66の直径が小さく、吸入連絡通路通路72と吐出連絡空間74とを設けたが、この実施例2では、リリーフバルブの直径を大きくして、吸入連絡通路と吐出連絡空間とを設け無いようにするものである。この実施例2におけるオイルポンプ(ポンプ)90は、実施例1の第一ハウジング62や第二ハウジング64とは形状は異なる第一ハウジング92と第二ハウジング94とを有する。これら第一ハウジング92と第二ハウジング94との間に、アウターロータ16並びにインナーロータ18と、駆動軸20と、リリーフバルブ96と、付勢手段であるスプリング48とを備える。
【0022】
アウターロータ16並びにインナーロータ18の片側の側面に、第一ハウジング92と第二ハウジング94とによって空間98が形成される。この空間98内にリリーフバルブ96とスプリング48とが備えられる。第二ハウジング94には、吸入通路68と吐出通路70とが形成されている。即ち、吸入通路68と吐出通路70は、アウターロータ16並びにインナーロータ18を中心としてリリーフバルブ96と反対側に配置される。
【0023】
リリーフバルブ96は、駆動軸20と嵌合する筒状部100と、筒状部100の一端に対して直角方向に外側に広がる端面102とから成る。このリリーフバルブ96の筒状部100の内壁面は、駆動軸20の外壁面と嵌合摺接する形状や寸法に設定されている。即ち、この実施例2においても、駆動軸20をリリーフバルブ96の開閉作動用のガイドとし、リリーフバルブ96はガイドである駆動軸20に沿って往復移動する。このリリーフバルブ96のガイド箇所の長さLは筒状部100の長さになり、ガイド箇所の直径Dは駆動軸20の直径となる。このL/Dは実施例1と同様大きいものとなり、リリーフバルブ96の駆動軸20に対する傾斜が小さいものとなる。
【0024】
リリーフバルブ96の端面102は、吸入通路68に連絡するオイル収容空間30aと、吐出通路70に連絡するオイル収容空間30bとを連絡遮断するものである。即ち、リリーフバルブ96の端面102は、吸入通路68と吐出通路70とを連絡遮断するものである。この端面102の外周側面103は、リリーフバルブ96がどのような位置にあっても、第二ハウジング94と接触しないように設定する。第二ハウジング94には、アウターロータ16並びにインナーロータ18の片側の側面とほぼ同じ平面位置に段部104が形成される。スプリング48によってリリーフバルブ96がアウターロータ16並びにインナーロータ18側に付勢されているが、吐出通路70内のオイルの圧力が所定の圧力未満の状態(図4に示す状態)では、段部104がリリーフバルブ96の端面102のストッパとなり、リリーフバルブ96がアウターロータ16やインナーロータ18を直押ししないように設定する。
【0025】
この図4に示す状態では、リリーフバルブ96はオイル収容空間30aとオイル収容空間30bとの連絡を遮断し、この結果、吸入通路68と吐出通路70とが遮断される。一方、吐出通路70やオイル収容空間30aにおけるオイルの圧力が所定以上の圧力になった場合には、オイルの高い圧力がスプリング48に抗してリリーフバルブ96を図4で右方向に移動させる。これによって、オイル収容空間30aとオイル収容空間30bとが連絡し、この結果、吐出通路70と吸入通路68とが連絡する。このように、吐出工程で吐出通路70に高い圧力が発生した場合でも、この高い圧力は吐出通路70から吸入通路68に逃れるため、オイルポンプ60の異常振動を防止できると共に、所望のオイル吐出量を得ることができる。
【0026】
この実施例2においても、実施例1と同様の効果を得ることができる。この実施例2では更に、第一ハウジング92の段部104がリリーフバルブ96の移動方向のストッパとなっているので、スプリング48による付勢力がインナーロータ18やアウターロータ16を直押しすることはない。このため、インナーロータ18やアウターロータ16の回転抵抗を従来のものより少なくすることができ、従来と比べて駆動トルクを低減して消費馬力を低減することができる。
【0027】
なお、前記実施例1,2では、本発明をオイルポンプとして説明したが、本発明はオイルポンプに限らず、各種のポンプに適用することができる。このため、オイル以外の各種流体に適用することができる。また、前記実施例1,2では、インナーロータ18やアウターロータ16の一方側の側面にリリーフバルブ66,96を配置し、他方側の側面に吸入通路68と吐出通路70を配置したが、図5(従来例)と同様に、吸入通路68や吐出通路70をリリーフバルブ66,96と同じ側に配置しても良い。この場合には、吸入連絡通路72の位置が吸入通路となり、吐出連絡通路74の位置が吐出通路となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係るポンプの一実施例を示す断面図である。
【図2】図1のA−A線の要部断面図である。
【図3】図1の状態からバルブが開いた状態を示す要部断面図である。
【図4】本発明に係る他のポンプの実施例を示す断面図である。
【図5】従来のオイルポンプの縦断面図である。
【図6】図5のB−B線の要部断面図である。
【図7】図5の状態からバルブが開いた状態を示す要部断面図である。
【符号の説明】
【0029】
16 アウターロータ
18 インナーロータ
30 オイル収容空間
48 スプリング
60 ポンプ
62 第一ハウジング
64 第二ハウジング
66 リリーフバルブ
68 吸入通路
70 吐出通路
72 吸入連絡通路
74 吐出連絡通路
76 筒状部
78 端面
82 連絡空間
90 ポンプ
92 第一ハウジング
94 第二ハウジング
96 リリーフバルブ
100 筒状部
102 端面
104 段部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、前記ハウジング内に備えられるものであって流体収容空間を有する流体移動手段と、前記流体移動手段を回転させるための駆動軸と、流体を前記ハウジングの内部に吸入するための吸入通路と、流体を前記ハウジング内から外部に吐出するための吐出通路と、吐出工程における前記吐出通路の流体圧力が所定の圧力未満の状態では前記吐出通路と前記吸入通路とを遮断すると共に吐出工程における前記吐出通路の流体圧力が所定以上の圧力になった場合に前記吐出通路と前記吸入通路とを連絡するためのバルブと、そのバルブを所定の方向に付勢するための付勢手段とを備えたポンプにおいて、前記駆動軸を前記バルブの移動用ガイドとしたことを特徴とするポンプ。
【請求項2】
前記駆動軸を前記バルブの移動用ガイドとする構成が、前記バルブに前記駆動軸の外側に嵌合する筒状部を設けることを特徴とする請求項1記載のポンプ。
【請求項3】
前記ハウジングに段部を形成し、吐出工程における前記吐出通路の流体圧力が所定の圧力未満の状態では、前記段部を前記付勢手段による前記バルブの移動方向のストッパとしたことを特徴とする請求項1記載のポンプ。
【請求項4】
前記流体移動手段における前記流体収容空間の一方側の開口位置に前記バルブを備え、前記流体収容空間の他方側の開口位置に前記吐出通路及び前記吸入通路を備えることを特徴とする請求項1記載のポンプ。
【請求項5】
前記流体移動手段が、インナーロータとアウターロータから成ることを特徴とする請求項1乃至4記載のポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−187005(P2007−187005A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−3291(P2006−3291)
【出願日】平成18年1月11日(2006.1.11)
【出願人】(000177612)株式会社ミクニ (332)
【Fターム(参考)】