説明

マイクロチャネル技術を用いる酸化方法およびそのために有用な新規触媒

炭化水素反応物をCOとHへ変換する方法が開示される。方法は、(A)炭化水素反応物(116)および酸素または酸素源(118)を含む反応組成物をマイクロチャネル反応器(100)に流して反応条件下で触媒と接触させて生成物を形成するステップを含む。ステップ(A)で形成された生成物はマイクロチャネル反応器中でCOとHOを含む生成物に変換することができる。式MAlで表される組成物を含む触媒が開示され、式中、MはRh、Ni、Pd、Pt、Ru、Co、またはその2種以上の混合物であり、MはCe、Pr、Tb、またはその2種以上の混合物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照により本明細書に組み込まれている、2003年5月16日に出願の米国特許出願第10/440,053号の一部継続出願である。
【0002】
本発明は、マイクロチャネル技術を用いる酸化方法、および酸化方法に有用な新規の触媒に関する。
【背景技術】
【0003】
メタンおよび高級炭化水素を、燃料リッチ条件下、マイクロチャネル反応器中で比較的短い接触時間で完全に燃焼することは困難である。燃焼は不完全であり、これは望ましくないレベルの一酸化炭素と炭素の堆積を招く。したがって、問題はマイクロチャネル反応器中で完全な燃焼反応を行う方法を見出すことである。本発明はこの問題に対する解決を提供する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
部分酸化反応は典型的に触媒の存在下で炭化水素を酸素と反応させ水素と一酸化炭素を形成することを含む。例には、メタンの水素と一酸化炭素への変換が含まれる。これらの反応の問題は、それらが発熱反応であり、典型的に熱点を形成しやすい固定床反応器中で行われることである。これらの熱点の形成は、触媒の不活性化の傾向を増加させる。本発明はこの問題に対する解決を提供する。
【0005】
本発明は、部分酸化反応または燃焼反応と結びついた部分酸化反応がマイクロチャネル反応器中で行われる方法に関し、熱点の形成しやすさが低減され、望ましい製品の選択性が高まる。本発明の方法によるこれらの熱点の低減は、少なくとも部分的に、マイクロチャネル反応器が熱移動特性を高め、滞留時間のより正確な制御を提供することによるものと考えられる。一実施形態において、新規な、安定性のある活性の高い部分酸化触媒が本発明の方法に用いられる。
【0006】
本発明の方法によって、マイクロチャネル反応器を使用しない従来技術の方法に比べ、比較的高い熱と質量の移動およびより短い接触時間を得ることができる。これは従来技術よりも正確な温度制御を提供する。すなわち、これは触媒の耐久性の増加と望ましくない副生成物の形成の低減をもたらす。この方法によって、それらの従来技術に比べて、炭化水素反応物の比較的高レベルの変換と、望ましい生成物への高レベルの選択性を得ることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、炭化水素反応物をCOとHを含む生成物に変換する方法に関し、
(A)炭化水素反応物および酸素または酸素源を含む反応組成物をマイクロチャネル反応器に流し、反応条件下で触媒に接触させて流し生成物を形成するステップを含み、マイクロチャネル反応器が少なくとも1つのプロセスマイクロチャネルを含み、触媒がプロセスマイクロチャネル内に配置され、炭化水素反応物がメタンを含み、プロセスマイクロチャネル内の反応組成物の接触時間は約500ミリ秒以下であり、プロセスマイクロチャネル内の反応組成物と生成物の温度は約1150℃以下であり、炭化水素反応物の変換は少なくとも約50%である方法に関する。
【0008】
本発明の一実施形態において、ステップ(A)に使用される触媒は部分酸化触媒であり、ステップ(A)で形成された生成物は中間生成物であり、方法はステップ(A)に続く以下の追加のステップをさらに含む。
(B)ステップ(A)で形成された中間生成物を、マイクロチャネル反応器を通して流して反応条件下で燃焼触媒に接触させてCOとHOを含む最終生成物を形成する。
【0009】
一実施形態において、反応組成物はHOをさらに含み、生成物はH、CO、COを含む。
【0010】
一実施形態において、本発明は、下記式によって表される組成物を含む触媒であって、基材上に被覆されるか、あるいは発泡体、フェルト、ワッドまたはフィン上に担持される触媒に関する。
Al
(式中、MはRh、Ni、Pd、Pt、Ru、Co、またはその2種以上の混合物であり、
はCe、Pr、Tb、またはその2種以上の混合物であり、
はLa、Ba、Zr、Mg、Ca、またはその2種以上の混合物であり、
aは約0.0001〜約1の範囲の数字であり、
bは0〜約0.9999の範囲の数字であり、
cは約0.0001〜約0.9999の範囲の数字であり、
dは約0.0001〜約0.9999の範囲の数字であり、
xは存在する元素の要求する原子価を満足するのに必要な酸素の数である)
【0011】
一実施形態において、本発明は、
(A)Alの層を少なくとも担体構造の一部に塗工するステップと、
(B)ステップ(A)で形成した被処理担体構造を焼成するステップと、
(C)ステップ(B)で形成した焼成担体構造の表面に助触媒または安定剤を加えるステップであって、助触媒または安定剤がLa、Ba、Zr、Mg、Ca、またはその酸化物もしくは硝酸塩、あるいその2種以上の混合物を含むステップと、
(D)ステップ(C)で形成した被処理担体構造を焼成するステップと、
(E)ステップ(D)で形成した焼成担体構造の表面に触媒金属またはその酸化物もしくは硝酸塩を塗工するステップであって、触媒金属がRh、Ni、Pd、Pt、Ru、Co、またはその2種以上の混合物を含むステップと、
(F)ステップ(E)で形成した被処理担体構造を焼成して担持触媒を形成するステップとを含む、担持触媒の製造方法に関する。
【0012】
添付の図面において、同様の部品および特徴は同様の記号を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
「マイクロチャネル」という用語は、約10ミリメートル(mm)までの高さまたは幅の少なくとも1個の内部寸法を有するチャネルを指し、一実施形態において約5mmまで、一実施形態において約2mmまで、一実施形態において約1mmまでである。一実施形態において、高さまたは幅は約0.05〜約10mmの範囲であり、一実施形態において約0.05〜約5mm、一実施形態において約0.05〜約2mm、一実施形態において約0.05〜約1.5mm、一実施形態において約0.05〜約1mm、一実施形態において約0.05〜約0.75mm、一実施形態において約0.05〜約0.5mmである。高さおよび幅は両方ともマイクロチャネルを通る流れ方向に垂直である。
【0014】
1個のチャネルの位置を他のチャネルの位置に関して参照するときの用語「隣接する」は、壁が2個のチャネルを分離するように直接隣接することを意味する。この壁は厚さが変化してもよい。しかし、「隣接する」チャネルは、チャネル間の熱伝達を妨害するであろう介在チャネルによって分離されない。
【0015】
「流体」という用語は、ガス、液体、または分散した固体を含むガスもしくは液体、またはその混合物を指す。流体は分散された液滴を含むガスの形とすることができる。
【0016】
「接触時間」という用語は、マイクロチャネル反応器内の反応ゾーンの容積を温度0℃、1気圧の反応組成物の容積流量で除したものを指す。
【0017】
「滞留時間」という用語は、空間を通って流れる流体によって占拠された空間の内部容積(例えばマイクロチャネル反応器内の反応ゾーン)を、使用される温度と圧力で空間を通って流れる流体の平均容積流量で除したものを指す。
【0018】
「反応ゾーン」という用語は、反応物が触媒に接触するマイクロチャネル反応器内の空間を指す。
【0019】
「炭化水素反応物の変換」という用語は、反応組成物と生成物間の炭化水素反応物のモル変化を反応組成物中の炭化水素反応物のモルで除したものを指す。
【0020】
「所望の生成物への選択性」という用語は、生成された所望の酸素化またはニトリルのモルを、生成された所望の酸素化またはニトリルのモル+他の生成された生成物のモル(例えばCO、CO)で除し、それらの各々の化学量論的因子を乗じたものを指す。例えば、望ましくない副生成物として二酸化炭素を含む、エチレンの酸化エチレンへの酸化では、1モルの酸化エチレンと1モルの二酸化炭素の生成は、選択性が100×(1/(1+0.5))=67%になる。
【0021】
「炭化水素」という用語は、炭化水素または主として炭化水素の特性を有する化合物を指す。これらの炭化水素化合物は、以下を含む。
(1)純粋な炭化水素化合物:すなわち、脂肪族化合物(例えばアルカンまたはアルキレン)、脂環式化合物(例えばシクロアルカン、シクロアルキレン)、芳香族化合物、脂肪族および脂環式化合物で置換した芳香族化合物、芳香族で置換した脂肪族化合物、芳香族で置換した脂環式化合物等。例には、メタン、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、エチルシクロヘキサン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン等が含まれる。
(2)置換した炭化水素化合物:すなわち、化合物の炭化水素特性を大きく変化させない非炭化水素置換基を含む炭化水素化合物。非炭化水素置換基の例には、ヒドロキシ、アシル、ニトロ等が含まれる。
(3)ヘテロ置換炭化水素化合物:すなわち、特性では主として炭化水素であるが、鎖または環中に炭素以外の原子を含み、他は炭素原子からなる炭化水素化合物。適切なヘテロ原子には、例えば、窒素、酸素、硫黄が含まれる。
【0022】
本発明の方法は図1および図2に示した通りに行うことができる。図1を参照すれば、方法は、マイクロチャネル反応器コア101と、反応物ヘッダ102と、酸化物ヘッダ104と、生成物フッタ106と、熱交換ヘッダ110と、熱交換フッタ112とを含むマイクロチャネル反応器100を用いて運転される。マイクロチャネル反応器コア101は反応器ゾーン107と、マニホールドおよび回収熱交換機108とを含む。炭化水素反応物を含む反応組成物は、方向矢印116で示すように、反応物ヘッダ102を通ってマイクロチャネル反応器100の中へ流れる。酸素もしくは酸素源は、方向矢印118で示すように、酸化物ヘッダ104を通ってマイクロチャネル反応器100の中へ流れる。炭化水素反応物および酸素または酸素源はマニホールドおよび回収熱交換機108を通って反応器ゾーン107へ流れ、そこでそれらは触媒に接触し、反応して所望の生成物を形成する。生成物は反応器ゾーン107からマニホールドおよび回収熱交換機108を通って生成物フッタ106へ流れ、方向矢印120で示すように生成物フッタ106を出る。熱交換流体は、方向矢印124で示すように、熱交換ヘッダ110の中へ流れることができ、熱交換ヘッダ110からマイクロチャネル反応器コア101を通って熱交換フッタ112へ流れ、方向矢印126で示すように、熱交換フッタ112を出ることができる。反応物は反応器ゾーンへ入る前に予備加熱することができる。炭化水素反応物および酸素または酸素源は反応器ゾーンへ入る前に混合することができ、あるいはそれらは反応器ゾーン中で混合することができる。
【0023】
マイクロチャネル反応器コア101内で、酸素または酸素源は段階的添加を用いて炭化水素反応物に加えることができる。これは、図1に示したマイクロチャネル反応器100に使用される繰り返しユニット130を説明する図2に示されている。繰り返しユニット130は筐体ユニット131内に収納され、プロセスマイクロチャネル140および150、酸化物マイクロチャネル160、オリフィス170、熱交換マイクロチャネル180および190を含む。炭化水素反応物は、方向矢印141および151でそれぞれ示すように、プロセスマイクロチャネル140および150を通って流れる。酸素または酸素源は、方向矢印161で示すように、酸化物マイクロチャネル160を通ってオリフィス170へ流れる。酸素または酸素源はプロセスマイクロチャネル140および150中で炭化水素反応物と混合する。プロセスマイクロチャネル140および150は、触媒が存在し反応物が触媒に接触して反応を行い、所望の生成物を形成するそれぞれの反応ゾーン142および152と、前述の触媒または異なる触媒にさらに接触することができ、あるいは生成物の冷却および/または急冷を行うことのできるそれぞれのチャネルゾーン143および153とを有する。反応ゾーンに配置された触媒は部分酸化触媒である。一実施形態において、燃焼触媒は、反応ゾーン142および152、ならびに/またはチャネルゾーン143および153中の部分酸化触媒の下流に配置することができる。生成物は、それぞれ方向矢印144および154で示すように、プロセスマイクロチャネル140および150を出る。プロセスマイクロチャネル140および150を出る生成物は、方向矢印120で示すように、マニホールドおよび回収熱交換機108を流れ、マニホールドおよび回収熱交換機108から生成物フッタ106へ流れる。熱交換流体は、方向矢印181、191および192でそれぞれ示すように、ヘッダ110から熱交換チャネル180および190を通って熱交換フッタ112へ流れる。熱交換チャネル180および190は、矢印181、191、192で示すように、プロセスマイクロチャネル140および150に関して直交する方向への流れを提供するように配列される。プロセスマイクロチャネル140および150は熱を熱交換チャネルへ伝達する。熱交換流体は既知の技術を用いて再循環することができる。代りに、熱交換チャネルは、プロセスマイクロチャネル140および150の流体の流れ方向に関して並流または対向流の熱交換流体の流れを与えるように配置することができる。図2に示した繰り返しユニット130は、マイクロチャネル反応器100内で1回行うことができ、あるいは、任意の回数、例えば、2回、3回、4回、5回、10回、20回、50回、100回、数百回、千回、数千回、一万回、数万回、十万回、数十万回、または数百万回行うことができる。この方法に設けられた段階的な酸素添加によって、局部的な酸素圧力を下げる利点と、高い規模に匹敵する望ましくない燃焼反応よりも望ましい低い規模の部分酸化反応を優先する利点とを提供する。
【0024】
プロセスマイクロチャネル140と150および酸化物マイクロチャネル160の各々は、約10mmまでの高さまたは幅の少なくとも1個の内部寸法を有することができ、一実施形態において約0.05〜約10mm、一実施形態において約0.05〜約5mm、一実施形態において約0.05〜約2mm、一実施形態において約0.05〜約1.5mm、一実施形態において約0.05〜約1mm、一実施形態において約0.05〜約0.5mmである。高さまたは幅の他の内部寸法は任意の値とすることができ、例えば、約0.1cm〜約100cmの範囲とすることができ、一実施形態において約0.1〜約75cm、一実施形態において約0.1〜約50cm、一実施形態において約0.2cm〜約25cmである。プロセスマイクロチャネル140と250、および酸化物マイクロチャネル160の各々の長さは任意の値とすることができ、例えば、長さは約1cm〜約500cmの範囲とすることができ、一実施形態において1cm〜約250cm、一実施形態において1cm〜約100cm、一実施形態において1cm〜約50cm、一実施形態において約2cm〜約25cmである。
【0025】
熱交換チャネル180および190の各々は、約10mmまでの高さまたは幅の少なくとも1個の内部寸法を有することができ、一実施形態において約0.05〜約10mm、一実施形態において約0.05〜約5mm、一実施形態において約0.05〜約2mm、一実施形態において約0.05〜約1mmである。他の内部寸法は、約1mm〜約1mの範囲とすることができ、一実施形態において約1mm〜約0.5m、一実施形態において約2mm〜約10cmである。熱交換チャネルの長さは、約1mm〜約1mの範囲とすることができ、一実施形態において約1cm〜約0.5mである。これらの熱交換チャネルはマイクロチャネルとすることができる。各プロセスマイクロチャネル140または150と次の隣接する熱交換チャネル180または190間の分離は、約0.05mm〜約5mmの範囲とすることができ、一実施形態において約0.2mm〜約2mmである。
【0026】
マイクロチャネル反応器100は既知の技術を用いて作製することができる。これらは、挟み込んだシムの積層を含み、プロセスマイクロチャネル、酸化物マイクロチャネル、および熱交換マイクロチャネル用に設計されたシムが挟み込まれる。
【0027】
筐体131、プロセスマイクロチャネル140および150、酸化物マイクロチャネル160、および熱交換チャネル180および190は、本発明の方法の実行を可能にするのに十分な強度、寸法安定性、および熱伝達特性を提供する任意の材料から作製することができる。これらの材料は、鋼(例えばステンレス鋼、炭素鋼等)、モネル、インコネル、アルミニウム、チタン、ニッケル、白金、ロジウム、銅、クロム、真鍮、任意の前述の金属の合金、ポリマー(例えば熱硬化性樹脂)、セラミック、ガラス、1種もしくは複数種のポリマー(例えば熱硬化樹脂)およびファイバーグラスを含む複合材、石英、シリコン、またはその2種以上の組合せを含む。
【0028】
代わりに、酸素または酸素源のマイクロチャネル反応器への段階的添加は、分離した装置を使用し、ひとつの装置内の小さなオリフィスまたはジェットの使用によって、あるいは微小孔メンブレンまたは代りの噴霧シートから行うことができる。部分酸化反応および特殊な酸化性脱水素反応への酸素の段階的添加は、Tonkovich、Zilka、Jimenz、Roberts、およびCoxの1996年「Experimental Investigation of Inorganic Membrane Reactors:a Distributed Feed Approach for Partial Oxidation Reactions」、Chemical Engineering Science、51(5)、789〜806)に開示されており、参照により本明細書に組み込まれている。
【0029】
一実施形態において、プロセスマイクロチャネル140および150はバルク流路を含むことができる。「バルク流路」という用語はプロセスマイクロチャネル内の開放通路(連続的なバルク流れの領域)を指す。連続的なバルク流領域は、大きな圧力降下なしにマイクロチャネルを通る急速な流体の流れを可能にする。一実施形態において、バルク流領域中の流体の流れは層流である。各プロセスマイクロチャネル内のバルク流領域は、約0.05〜約10,000mmの断面積を有することができ、一実施形態において約0.05〜約5000mm、一実施形態において約0.1〜約2500mm、一実施形態において約0.2〜約1000mm、一実施形態において約0.3〜約500mm、一実施形態において約0.4〜約250mm、一実施形態において約0.5〜約125mmである。バルク流領域は、プロセスマイクロチャネル140および150の断面積の約5%〜約95%を含むことができ、一実施形態において約30%〜約80%である。
【0030】
反応組成物は流体の形とすることができる。この流体は液体またはガスとすることができ、一実施形態においてそれはガスの形である。この流体は分散した液体液滴を含むガスの形とすることができる。反応組成物はメタンを含み、1種または複数種の追加の炭化水素反応物をさらに含むことができる。メタンと1種または複数種の追加の炭化水素反応物との混合物中のメタンの濃度は、メタン約100%までの濃度の範囲とすることができ、一実施形態においてメタン約10〜約90体積%、一実施形態においてメタン約50〜約90体積%である。
【0031】
反応組成物の純度は重要ではないが、触媒を阻害し得る化合物の存在は避けることが望ましい。結果として、反応組成物は空気、二酸化炭素等などの不純物をさらに含むことができる。
【0032】
反応組成物は希釈材料を含むことができる。それらの希釈剤の例には、窒素、ヘリウム、二酸化炭素、液体の水、蒸気等が含まれる。反応組成物中の炭化水素反応物に対する希釈剤の体積比は、0〜約80体積%の範囲とすることができ、一実施形態において0〜約50体積%である。しかし、本発明の少なくとも一実施形態の利点は、本発明の方法をそれらの希釈剤なしで行うことができ、したがってより効率的かつ簡潔な方法を提供できることである。
【0033】
炭化水素反応物はメタンを含むことができ、さらに、酸化反応を行うことができ、プロセスマイクロチャネル内で使用される温度と圧力で流体(および一実施形態において蒸気)である1種または複数種の追加の炭化水素化合物を含むことができる。例には、飽和脂肪族化合物(例えばアルカン)、不飽和脂肪族化合物(例えばモノエン、ポリエン等)、アルキル置換芳香族化合物、アルキレン置換芳香族化合物、油、通常の流体燃料等が含まれる。
【0034】
飽和脂肪族化合物は、分子当たり2〜約20個の炭素原子を含むアルカンを含み、一実施形態において2〜約18個の炭素原子、一実施形態において2〜約16個の炭素原子、一実施形態において2〜約14個の炭素原子、一実施形態において2〜約12個の炭素原子、一実施形態において2〜約10個の炭素原子、一実施形態において2〜約8個の炭素原子、一実施形態において2〜約6個の炭素原子、一実施形態において2〜約4個の炭素原子である。これらは、エタン、プロパン、イソプロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等を含む。
【0035】
不飽和脂肪族化合物は2〜約20個の炭素原子を含むアルケンまたはアルキレンを含み、一実施形態において2〜約18個の炭素原子、一実施形態において2〜約16個の炭素原子、一実施形態において2〜約14個の炭素原子、一実施形態において2〜約12個の炭素原子、一実施形態において2〜約10個の炭素原子、一実施形態において2〜約8個の炭素原子、一実施形態において分子当たり2〜約6個の炭素原子、一実施形態において2〜約4個の炭素原子である。これらは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、2−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、1−ヘキセン、2,3−ジメチルー2−ブテン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等を含む。
【0036】
不飽和脂肪族化合物はポリエンを含むことができる。これらは、ジエン、トリエン等を含む。これらの化合物は、分子当たり3〜約20個の炭素原子を含むことができ、一実施形態において3〜約18個の炭素原子、一実施形態において3〜約16個の炭素原子、一実施形態において3〜約14個の炭素原子、一実施形態において3〜約12個の炭素原子、一実施形態において3〜約10個の炭素原子、一実施形態において約4〜約8個の炭素原子、一実施形態において分子当たり約4〜約6個の炭素原子である。例には、1,2−プロパジエン(アレンとしても知られる)、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレンとしても知られる)1,3−ペンタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が含まれる。
【0037】
アルキルまたはアルキレン置換芳香族化合物は、1個もしくは複数のアルキルまたはアルキレン置換基を含むことができる。これらの化合物は単環式(例えばフェニル)または多環式(例えばナフチル)を含むことができる。これらの化合物は、1〜約20個の炭素原子を含有する1個または複数のアルキル基を含むアルキル置換芳香族化合物を含み、一実施形態において1〜約18個の炭素原子、一実施形態において1〜約16個の炭素原子、一実施形態において1〜約14個の炭素原子、一実施形態において1〜約12個の炭素原子、一実施形態において1〜約10個の炭素原子、一実施形態において1〜約8個の炭素原子、一実施形態において約2〜約6個の炭素原子、一実施形態において約2〜約4個の炭素原子である。また、これらは、2〜約20個の炭素原子を含有する1個または複数のアルキレン基を含むアルキレン置換芳香族化合物を含み、一実施形態において2〜約18個の炭素原子、一実施形態において2〜約16個の炭素原子、一実施形態において2〜約14個の炭素原子、一実施形態において2〜約12個の炭素原子、一実施形態において2〜約10個の炭素原子、一実施形態において2〜約8個の炭素原子、一実施形態において約2〜約6個の炭素原子、一実施形態において約2〜約4個の炭素原子である。例には、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、ヘミメリテン、プソイドクメン、メシチレン、プレーニテン、イソジュレン、ジュレン、ペンタメチルベンゼン、ヘキサメチルベンゼン、エチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、クメン、n−ブチルベンゼン、イソブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、p−シメン、スチレン等が含まれる。
【0038】
炭化水素反応物は、天然油、合成油、またはその混合物をさらに含むことができる。天然油は、動物油および植物油(例えばひまし油、ラード油)、ならびに液体石油などの鉱物油を含む。石炭またはシェール油から誘導された油を用いることができる。合成油には、重合および中間重合オレフィン、ポリフェニル、アルキル化ジフェニルエステル、アルキル化した硫化ジフェニル等などの炭化水素油が含まれる。酸化アルキレンポリマーおよび中間ポリマー、および熱的ヒドロキシル基がエステル化やエーテル化等によって修飾されたその誘導体は、炭化水素反応物として使用することのできる既知の他の種類の合成油を構成する。炭化水素反応物として有用な合成油は、ジカルボン酸と様々なアルコールとのエステルを含む。炭化水素反応物はポリ−α−オレフィンを含むことができる。炭化水素反応物は、フィッシャー−トロプシュ合成炭化水素を含むことができる。炭化水素反応物は、オイル精製の間に発生する方法蒸気、化学合成等から得ることができる。
【0039】
炭化水素反応物は通常の液体炭化水素燃料をさらに含むことができる。これらは、自動車ガソリン、ディーゼル燃料または燃料油など蒸留燃料を含む。植物原料、鉱物原料、およびその混合物に由来する炭化水素反応物を使用することができる。これらは、大豆、菜種、ヤシ、頁岩、石炭、タール砂等から誘導された炭化水素反応物を含む。
【0040】
酸素または酸素源は分子状酸素、空気または酸素源として機能することのできる窒素酸化物などの他の酸化物を含むことができる。酸素源は二酸化炭素、一酸化炭素または過酸化物(例えば過酸化水素)とすることができる。酸素と空気の混合物などの酸素を含む気体混合物、または酸素と不活性ガス(例えばヘリウム、アルゴン等)もしくは希釈ガス(例えば二酸化炭素、水蒸気等)との混合物を用いることができる。
【0041】
酸素に対する炭化水素反応物中の炭素のモル比は、約10:1〜約1:1の範囲とすることができ、一実施形態において約4:1〜約1:1、一実施形態において約2.4:1〜約1.6:1である。
【0042】
熱交換流体は任意の流体とすることができる。これらは、空気、蒸気、液体水、気体窒素、液体窒素、不活性ガスを含む他のガス、一酸化炭素、溶融塩、鉱物油などの油、ならびにDow−Union Carbideから入手可能なDowtherm AおよびTherminolなどの熱交換流体を含む。
【0043】
熱交換流体は1種または複数種の反応物蒸気を含むことができる。これは本方法の予備加熱を与えることができ、方法の全体的な熱効率を増加させる。
【0044】
一実施形態において、熱交換チャネルは、吸熱反応が行われる方法チャネルを含む。これらの熱交換方法チャネルはマイクロチャネルとすることができる。熱交換チャネル中で行われる吸熱反応の例には、蒸気精製および脱水素反応を含む。マイクロチャネル反応器中の対流冷却の典型的な熱フラックスは、約1〜約10W/cmの程度である。熱放散を向上させるために吸熱反応を同時に組み込むと、典型的な熱フラックスをほぼ対流冷却熱フラックスを超える程度の大きさにすることができる。発熱反応と吸熱反応を同時に使用して、マイクロチャネル反応器中で熱交換を行うことは、2002年8月15日出願の米国特許出願第10/222,196号に開示されており、参照により本明細書に組み込まれている。
【0045】
一実施形態において、熱交換流体はそれが熱交換チャネルを通過すると相変化を行う。この相変化は、プロセスマイクロチャネルから対流冷却を超える追加の熱を除去する。蒸発される液体熱交換流体では、プロセスマイクロチャネルから伝達される追加の熱は、熱交換流体に必要な蒸発潜熱から由来するであろう。それらの相変化の例は、沸騰する油または水である。
【0046】
本発明の方法中のプロセスマイクロチャネル140および150の冷却は、一実施形態において、それらの加えられた冷却が、より高い活性化エネルギーでの望ましくない並列反応による望ましくない副生成物の形成を低減しまたは排除するため、主要または望ましい生成物に向けて選択性を制御するのに有利である。この冷却の結果、一実施形態において、プロセスマイクロチャネル140および150の入口での反応組成物の温度を、プロセスマイクロチャネルの出口で、生成物(または生成物と未反応反応物の混合物)の温度の約200℃内にすることができ、一実施形態において約150℃内、一実施形態において約100℃内、一実施形態において約50℃内、一実施形態において約25℃内、一実施形態において約10℃内である。
【0047】
マイクロチャネル反応器中で使用される触媒は、プロセスマイクロチャネル内に適合する任意のサイズと幾何形状を有することができる。触媒は、約1〜約1000μmの中心粒子直径を有する粒子状固体の形(例えばペレット、粉、繊維等)とすることができ、一実施形態において約10〜約500μm、一実施形態において約25〜約250μmである。触媒は発泡体、フェルト、ワッド、またはその組合せなどの多孔質構造体中に担持することができる。用語「発泡体」は、本明細書では構造全体の孔を画定する連続壁を備える構造を指す。用語「フェルト」は、本明細書ではその間に介在する空間を有する繊維の構造を指す。用語「ワッド(wad)」は、本明細書では鋼ウールなどの絡み合った束の構造を指す。触媒はハニカム構造に担持することができる。
【0048】
触媒は、隣接する間隙を有するフェルト、隣接する間隙を有する発泡体、間隙を有するフィン構造、挿入された任意の基材上のウォッシュコート、または流れに対応する間隙を有する、流れ方向に平行な金網(gauze)などの側流構造の形とすることができる。側流構造の例は図3に示される。図3において、触媒300はプロセスマイクロチャネル302内に含まれる。開放通路304は、矢印306および308で示すように、流体がプロセスマイクロチャネル302を通って触媒300に接触して流れることを可能にする。
【0049】
触媒は、発泡体、ワッド、ペレット、粉、または金網などの貫通流構造とすることができる。貫通流構造の例は図4に示される。図4において、貫通流触媒400はプロセスマイクロチャネル402内に含まれ、流体は矢印404および406で示すように触媒400を通って流れる。
【0050】
触媒は、プロセスマイクロチャネルの内壁に直接塗工することができ、溶液から壁上に成長させることができ、またはフィン構造にイン・シトゥーに塗工することができる。触媒は、単一の多孔質連続材料片、または物理的に接触した多数の片の形とすることができる。一実施形態において、触媒は連続材料からなり、分子が触媒を通って拡散できるように、連続多孔質である。この実施形態において、流体は触媒の周りではなくそれを貫通して流れる。一実施形態において、触媒の断面積はプロセスマイクロチャネルの断面積の約1〜約99%であり、一実施形態において約10〜約95%である。触媒は、BETで測定して約0.5m/gを超える表面積を有し、一実施形態において約2m/gを超える。
【0051】
触媒は、多孔質担体と、多孔質担体上の界面層と、および界面層上の触媒材料とを含むことができる。界面層は担体上に溶液析出させることができ、あるいは化学蒸着、または物理的蒸着によって堆積させることができる。一実施形態において、触媒は多孔質担体と、緩衝層と、界面層と、触媒材料とを有する。前述の層のいずれも連続的、または斑点または点のように不連続的、または間隙もしくは孔を有する層の形とすることができる。
【0052】
多孔質担体は、水銀多孔質計で測定して少なくとも約5%の空隙率、および平均孔サイズ(孔直径の総和を孔の数で除したもの)約1〜約1000μmを有することができる。多孔質担体は多孔質セラミックまたは金属発泡体とすることができる。他の使用することのできる多孔質担体は、炭化物、窒化物および複合材料を含む。多孔質担体は約30%〜約99%の空隙率を有することができ、一実施形態において約60%〜約98%である。多孔質担体は、発泡体、フェルト、ワッド、またはその組合せの形とすることができる。金属発泡体の開放セルはインチ当たり約20穴(ppi)〜約3000ppiの範囲とすることができ、一実施形態において約20〜約1000ppi、一実施形態において約40〜約120ppiである。用語「ppi」は、インチ当たりの孔の最大数を指す(等方性材料において測定の方向は関係しないが、異方性材料では、測定は孔数が最大になる方向で行われる)。
【0053】
緩衝層は、存在すれば、多孔質担体と界面層とは異なる組成物および/または密度を有することができ、一実施形態において多孔質担体と界面層の熱膨張係数の中間の熱膨張係数を有する。緩衝層は金属酸化物または金属炭化物とすることができる。緩衝層はAl、TiO、SiO、ZrO、またはその組合せからなることができる。Alはα−Al、γ−Al、またはその組合せとすることができる。α−Alは、酸素拡散に対して優れた抵抗性の利点を提供する。緩衝層は2種またはそれ以上の組成物の異なる副層から形成することができる。例えば、多孔質担体が金属、例えばステンレス鋼発泡体であるとき、2種の組成物の異なる副層から形成された緩衝層を使用することができる。第1副層(多孔質担体に接触する)はTiOとすることができる。第2副層はTiOの上に配置されたα−Alとすることができる。一実施形態において、α−Al副層は下地金属表面を保護する高密度層である。次いで、アルミナなどの密度の低い大表面積の界面層を触媒活性層の担体として堆積することができる。
【0054】
多孔質担体は、界面層の熱膨張係数とは異なる熱膨張係数を有することができる。その場合、緩衝層は2種類の熱膨張係数の間に転移するために必要であろう。緩衝層の熱膨張係数は、その組成物を制御することによって微調整し、多孔質担体と界面層の膨張係数に適合性のある膨張係数を得ることができる。緩衝層は下地担体に対して優れた保護を提供するために開口部またはピンホールがあってはならない。緩衝層は非多孔質とすることができる。緩衝層は多孔質担体の平均孔サイズの1/2未満の厚さを有することができる。緩衝層は約0.05〜約10μmの厚さを有することができ、一実施形態において約0.05〜約5μmである。
【0055】
本発明の一実施形態において、緩衝層なしで十分な接着と化学的安定性を得ることができる。この実施形態において、緩衝層は省くことができる。
【0056】
界面層は窒化物、炭化物、硫化物、ハロゲン化物、金属酸化物、炭素、またはその組合せを含むことができる。界面層は、大きな表面積を提供し、かつ/または担持触媒のための望ましい触媒−担体相互作用を提供する。界面層は触媒担体として従来使用される任意の材料からなることができる。界面層は金属酸化物からなることができる。使用することのできる金属酸化物の例には、γ−Al、SiO、ZrO、TiO、酸化タングステン、酸化マグネシウム、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化銅、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化スズ、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、ランタン族酸化物、ゼオライト、およびその組合せが含まれる。界面層は、その上にさらに他の触媒活性材料を堆積することなく触媒活性層として働くことができる。しかし、通常、界面層は触媒活性層と組合わせて使用される。界面層は2種またはそれ以上の組成物の異なる副層から形成することができる。界面層は多孔質担体の平均孔サイズの1/2未満の厚さを有することができる。界面層の厚さは約0.5〜約100μmの範囲とすることができ、一実施形態において約1〜約50μmである。界面層は結晶質または非晶質のいずれでもよい。界面層は少なくとも約1m/gのBET表面積を有することができる。
【0057】
触媒は界面層上に堆積させることができる。代りに、触媒材料を界面層と同時に堆積させることができる。触媒層は界面層に緊密に分散することができる。触媒層が界面層上に「分散される」または「堆積させる」ことは、微視的触媒粒子が、担体層(すなわち界面層)表面、担体層の亀裂中、担体層の開放孔中に分散される従来の解釈を含む。
【0058】
触媒はプロセスマイクロチャネルの各々の内部に配置することのできる1個または複数のフィンの組立体上に担持することができる。例は図5〜図7に示される。図5を参照すれば、フィン組立体500は、プロセスマイクロチャネル508の基底壁506を覆うフィン担体504上に搭載されたフィン502を含む。フィン502はフィン担体504からプロセスマイクロチャネル508の内部へ突出する。フィン502はプロセスマイクロチャネル508の上部壁510の内部表面に展延して接触する。フィン502の間のフィンチャネル512は、流体がプロセスマイクロチャネル508の長さ方向に平行に流れるための通路を提供する。フィン502の各々はその側部の各々に外部表面を有し、この外部表面は触媒の支持基盤を提供する。本発明の方法では、反応組成物はフィンチャネル512を通って流れ、フィン502の外部表面に担持触媒と接触し、反応して生成物を形成する。図6に示したフィン組立体500aは、フィン502aがマイクロチャネル508の上部壁510の内部表面まで完全に展延しないことを除いて、図5に示したフィン組立体500と類似している。図7に示したフィン組立体500bは、フィン組立体500bのフィン502bが台形の断面形状を有することを除いて、図5に示したフィン組立体500と類似している。フィンの各々は約0.02mmからプロセスマイクロチャネル508の高さまでの範囲の高さを有することができ、一実施形態において約0.02〜約10mm、一実施形態において約0.02〜約5mm、一実施形態において約0.02〜約2mmである。各フィンの幅は約0.02〜約5mmの範囲とすることができ、一実施形態において約0.02〜約2mm、一実施形態において約0.02〜約1mmである。各フィンの長さは、プロセスマイクロチャネル508の長さまでの任意の長さとすることができ、一実施形態において約5mm〜約500cm、一実施形態において約1cm〜約250cm、一実施形態において約1cm〜約100cm、一実施形態において約2cm〜約25cmである。各フィンの間の間隔は任意の値とすることができ、約0.02〜約5mmの範囲とすることができ、一実施形態において約0.02〜約2mm、一実施形態において約0.02〜約1mmである。プロセスマイクロチャネル508中のフィンの数は、プロセスマイクロチャネル508の幅のセンチメートル当たり約1〜約50フィンの範囲とすることができ、一実施形態においてセンチメートル当たり約1〜約30フィン、一実施形態においてセンチメートル当たり約1〜約10フィン、一実施形態においてセンチメートル当たり約1〜約5フィン、一実施形態においてセンチメートル当たり約1〜約3フィンである。フィンの各々は図5および図6に示すような矩形または正方形、もしくは図7に示すような台形の形状の断面を有することができる。その長さに沿って見たとき、各フィンは、直線、テーパー付き、または蛇行形状を有することができる。フィンは、プロセスマイクロチャネルに意図された動作を可能にする、十分な強度、寸法安定性、および熱伝達特性を提供する任意の材料から形成することができる。これらの材料は、鋼(例えばステンレス鋼、炭素鋼等)、モネル、インコネル、アルミニウム、チタン、ニッケル、白金、ロジウム、銅、クロム、真鍮、任意の前述の金属の合金、ポリマー(例えば熱硬化性樹脂)、セラミック、ガラス、1種または複数種のポリマー(例えば熱硬化樹脂)およびファイバーグラスを含む複合材、石英、シリコン、またはその2種以上の組合せを含む。フィンは、Fe、Cr、Al、Yを含む合金などAl形成材料、またはNi、Cr、Feの合金などのCr形成材料から作製することができる。
【0059】
触媒は、Rh、Pt、Ni、Cr、Ru、Pd、Os、Ir、もしくはその酸化物、またはその2種以上の混合物を含むことができる。前述の1種または複数種に基づく部分酸化触媒は、米国特許第5,648,582号、および第6,409,940B1号、米国特許出願第2002/0004450A1号、第2002/0012624A1号、および第2002/0115730A1号、PCT国際公開WO99/48805、WO01/80992A2、およびWO02/066403A1、ならびに欧州特許出願EP0640561A1、EP0725038A1、およびEP0741107A1に開示されている。これらの触媒は、任意の形状、または上述の任意の担体構造に担持された形とすることができる。
【0060】
部分酸化触媒は、米国特許第5,648,582号に開示されているセラミック担体上に堆積させた白金またはその酸化物を含むことができ、これは参照により本明細書に組み込まれている。
【0061】
部分酸化触媒は、スピネル、ペロブスカイト、酸化マグネシウム、パイロクロア、ブラウンミラーライト、リン酸ジルコニウム、マグネシウム安定化ジルコニア、ジルコニア安定化アルミナ、シリコンカーバイド、イットリウム安定化ジルコニア、カルシウム安定化ジルコニア、イットリウムアルミニウムガーネット、アルミナ、コージェライト、ZrO、MgAlO、SiO、もしくはTiOから作製された担体構造上に堆積させたニッケルおよびロジウム、またはその酸化物を含むことができる。これらは米国特許第6,409,940B1号に開示され、参照により本明細書に組み込まれている。
【0062】
部分酸化触媒は、米国特許第2002/0115730A1号に開示されているように、ランタニドを助触媒とするロジウム触媒を含むことができ、参照により本明細書に組み込まれている。
【0063】
部分酸化触媒は、米国特許第2002/0012624A1号に開示されているように、Ni−Cr、Ni−Co−Cr、またはNi−Rh合金を含むことができ、参照により本明細書に組み込まれている。
【0064】
部分酸化触媒は、米国特許第2002/0004450A1号に開示されているように、セラミック酸化物繊維上に担持されたロジウム、ニッケル、クロム、またはその組合わせを含むことができ、参照により本明細書に組み込まれている。
【0065】
部分酸化触媒は、PCT国際公開WO99/48805に開示されているように、耐火酸化物担体上に担持されたロジウムを含むことができ、参照により本明細書に組み込まれている。
【0066】
部分酸化触媒は、PCT国際公開WO01/80992A2に開示されているように、ロジウム金網、またはロジウムフェルトを含むことができ、参照により本明細書に組み込まれている。
【0067】
部分酸化触媒は、PCT国際公開WO02/066403A1に開示されているように、ロジウム−スピネル触媒を含むことができ、参照により本明細書に組み込まれている。
【0068】
部分酸化触媒は、欧州特許EP0640561A1に開示されているように、少なくとも2種類のカチオンを有する耐火酸化物上に担持されたVIII族金属(例えばRu、Rh、Pd、Os、Ir、Pt)を含むことができ、参照により本明細書に組み込まれている。
【0069】
部分酸化触媒は、欧州特許EP0725038A1に開示されているように、層状ヒドロタルサイト型構造を有するロジウムおよび/またはルテニウムを含むことができ、参照により本明細書に組み込まれている。
【0070】
部分酸化触媒は、欧州特許EP0741107A2に開示されているように、ニッケル系触媒またはルテニウム系触媒を含むことができ、参照により本明細書に組み込まれている。
【0071】
部分酸化触媒は、式
Al (I)
で表される組成物を含むことができ、
式(I)中、MはRh、Ni、Pd、Pt、Ru、Co、またはその2種以上の混合物であり、MはCe、Pr、Tb、またはその2種以上の混合物であり、MはLa、Ba、Zr、Mg、Ca、またはその2種以上の混合物であり、aは約0.0001〜約1の範囲の数字であり、一実施形態において0.01〜約1であり、bは0〜約0.9999の範囲の数字であり、一実施形態において0〜約0.2であり、cは約0.0001〜約0.9999の範囲の数字であり、一実施形態において約0.01〜約0.2であり、dは約0.0001〜約0.9999の範囲の数字であり、一実施形態において約0.1〜約0.9であり、xは存在する元素の要求する原子価を満足するのに必要な酸素の数であり、触媒は基材上に被覆され、または発泡体、フェルト、ワッドもしくはフィン上に担持される一実施形態においてMはRhまたはNiであり、一実施形態においてそれはRhである。一実施形態においてMはLaまたはMgであり、一実施形態においてそれはLaである。一実施形態において触媒は式Rh/LaAl1118またはRh/LaAlOによって表すことができる。
【0072】
一実施形態において、式(I)で表される触媒を作製する方法は、
(A)Alの層を天然の酸化物層に塗工して被処理担体構造を形成するステップと、
(B)ステップ(A)で形成した被処理担体構造を焼成するステップと、
(C)ステップ(B)で形成した焼成され担体構造の表面に助触媒または安定剤を塗工するステップであって、助触媒または安定剤がLa、Ba、Zr、Mg、Ca、またはその酸化物もしくは硝酸塩、あるいはその2種以上の混合物を含むステップと、
(D)ステップ(C)で形成した被処理担体構造を焼成するステップと、
(E)ステップ(D)で形成した焼成担体構造の表面に触媒金属またはその酸化物もしくは硝酸塩を塗工するステップであって、触媒金属がRh、Ni、Pd、Pt、Ru、Co、またはその2種以上の混合物を含むステップと、
(F)ステップ(E)で形成した被処理担体構造を焼成して担体構造を形成するステップとを含む。一実施形態において、ステップ(F)で形成された触媒は水素中で還元することができる。
【0073】
担体構造は、鋼、アルミニウム、チタン、鉄、ニッケル、白金、ロジウム、銅、クロム、真鍮、任意の前述の金属の合金、ポリマー、セラミック、ガラス、ポリマーおよびファイバーグラスを含む複合材、石英、シリコン、またはその2種以上の組合せを含む材料から作製することができる。一実施形態において、担体構造はFe、Cr、Al、およびYを含む合金から作製することができ、天然酸化物層はAlを含むことができる。一実施形態において、担体構造はNi、Cr、およびFeを含む合金から作製することができ、天然の酸化物層はCrを含むことができる。一実施形態において、助触媒または安定剤はLaまたはMgとすることができ、一実施形態においてそれはLaである。一実施形態において、触媒金属はRhまたはNiであり、一実施形態においてそれはRhである。
【0074】
担体構造は、ステップ(A)の前に約300℃〜約1400℃の範囲の温度に加熱することができ、一実施形態において約700〜約1200℃で約0.1〜約1000時間、一実施形態において約1〜約10時間である。担体構造が金属から作製されるとき、この熱処理ステップは担体構造の表面に天然の酸化物層を有利に提供する。
【0075】
ステップ(A)の間に、Alを含むスラリーまたはAlを含むコロイド分散液(すなわちゾル)を天然酸化物層の上に塗工することができる。スラリーは、約1〜約50重量%のAl、約20重量%までのZrO、約25重量%までのLa(NO)・6HOを含むことができ、残りは水である。スラリー被覆は約10〜約100ミクロンの厚さを有することができる。コロイド分散液は、約1重量%〜約30重量%のAlを含むことができ、残りは水である。コロイド分散液被覆は約1〜約50ミクロンの厚さを有することができる。
【0076】
ステップ(B)の間に、被処理担体構造は空気中約150℃〜約1200℃の範囲の温度で焼成することができ、一実施形態において約300〜約700℃で約0.1〜約1000時間、一実施形態において約1〜約10時間である。
【0077】
ステップ(C)の間に、La(NOを含む溶液を焼成した担体構造の表面に塗工することができる。
【0078】
ステップ(D)の間に、被処理担体構造は空気中約150℃〜約1200℃の範囲の温度で焼成することができ、一実施形態において約500〜約1100℃で約0.1〜約1000時間、一実施形態において約1〜約10時間である。
【0079】
ステップ(E)の間に、Rh(NOを含む組成物を焼成した担体構造の表面に塗工することができる。
【0080】
ステップ(F)の間に、被処理担体構造は空気中約150℃〜約1200℃の範囲の温度で焼成することができ、一実施形態において約400〜約1100℃で約0.1〜約1000時間、一実施形態において約1〜約10時間である。
【0081】
燃焼触媒は任意の燃焼触媒を含むことができる。これらは、例えばPt、Rh、Pd、Co、Cu、Mn、Fe、Niなどの貴金属、任意のこれらの金属の酸化物、ペロブスカイトおよびアルミン酸塩を含む。一実施形態において、燃焼触媒はCe、Tb、またはPr、それらの酸化物、およびその組合せなどの増感助触媒を伴う。一実施形態において、助触媒元素は活性触媒元素または複数の活性触媒元素に比較して少なくとも約1:1のモル比で存在し、一実施形態において助触媒元素は活性触媒元素に比較して約0.5:1〜約10:1のモル比(助触媒モル:活性触媒元素モル)の範囲で存在する。これらの触媒は任意の形状または上述の任意の担体構造に担持することができる。
【0082】
プロセスマイクロチャネル内での反応物および/または生成物と触媒との接触時間は、約500ミリ秒までの範囲とすることができ、一実施形態において約0.1msから約500ms、一実施形態において約0.1msから約400ms、一実施形態において約0.1msから約300ms、一実施形態において約0.1msから約200ms、一実施形態において約0.1msから約100ms、一実施形態において約1msから約75ms、一実施形態において約1msから約50ms、一実施形態において約1msから約25ms、一実施形態において約1msから約10ms、一実施形態において約1msから約5msである。
【0083】
反応組成物および生成物がプロセスマイクロチャネルを流れる空間速度(またはガスの時間当たり空間速度)は、少なくとも約100hr−1(炭化水素のノーマルリットル/時間/反応室のリットル)または少なくとも約100ml供給/(触媒g)(hr)である。空間速度は、プロセスマイクロチャネルの容積基準で約100〜約2,000,000hr−1または約100〜約2,000,000ml供給/(触媒g)(hr)の範囲とすることができる。空間速度は、一実施形態において約500〜約1,000,000hr−1または約500〜約1,000,000ml供給/(触媒g)(hr)の範囲とすることができ、一実施形態において約1000〜約1,000,000hr−1または約1000〜約1,000,000ml供給/(触媒g)(hr)の範囲である。
【0084】
プロセスマイクロチャネルに入る反応組成物の温度は、約200℃〜約1000℃の範囲とすることができ、一実施形態において約150℃〜約700℃、一実施形態において約150℃〜約600℃、一実施形態において約200℃〜約600℃である。一実施形態において、温度は約150℃〜約500℃の範囲とすることができ、一実施形態において約150℃〜約400°、一実施形態において約200℃〜約300°である。一実施形態において温度は約335℃〜約1000℃の範囲とすることができる。
【0085】
プロセスマイクロチャネル内の反応組成物および生成物の温度は約1150℃までの温度範囲とすることができ、一実施形態において約1100℃まで、一実施形態において約1050℃まで、一実施形態において約1000℃まで、一実施形態において約950℃まで、一実施形態において約900℃まで、一実施形態において約850℃まで、一実施形態において約800℃まで、一実施形態において約750℃まで、一実施形態において約700℃までである。
【0086】
プロセスマイクロチャネルに入る反応組成物の圧力は、少なくとも約0.1気圧とすることができ、一実施形態において少なくとも約0.5気圧である。一実施形態において、圧力は約0.1〜約100気圧の範囲とすることができ、一実施形態において約0.5〜約50気圧、一実施形態において約1〜約40気圧、一実施形態において約1〜約35気圧である。
【0087】
反応物および/または生成物がプロセスマイクロチャネルを通過する際の反応物および/または生成物の圧力降下は、プロセスマイクロチャネルの長さ1メートル当たり約2気圧(気圧/m)までの範囲とすることができ、一実施形態において約1気圧/mまで、一実施形態において約0.5気圧/mまで、一実施形態において約0.2気圧/mまでである。
【0088】
プロセスマイクロチャネルを通過する反応組成物および/または生成物の流れは、層流または過渡流(transition)とすることができ、一実施形態において層流である。プロセスマイクロチャネルを通過する反応組成物および/または生成物の流れのレイノルド(Reynolds)数は、約4000までとすることができ、一実施形態において約2300、一実施形態において約10〜約2000の範囲、一実施形態において約100〜約1500である。
【0089】
熱交換チャネルに入る熱交換流体の温度は約−70℃〜約650℃とすることができ、一実施形態において約0℃〜約500℃、一実施形態において約100℃〜約300℃である。熱交換チャネルを出る熱交換流体の温度は約−60℃〜約630℃とすることができ、一実施形態において約10℃〜約490℃である。熱交換チャネル中の熱交換流体の滞留時間は、約1〜約1000msの範囲とすることができ、一実施形態において約1〜約500ms、一実施形態において約1〜約100msである。熱交換流体が熱交換チャネルを通過する際の熱交換流体の圧力降下は、約0.05〜約50psi/ftの範囲とすることができ、一実施形態において約1〜約25psi/ftである。熱交換チャネルを通過する熱交換流体の流れは、層流または過渡流とすることができ、一実施形態において層流である。熱交換チャネルを通過する熱交換流体の流れのレイノルド数は、約4000までとすることができ、一実施形態において約2300、一実施形態において約10〜約2000の範囲、一実施形態において約10〜約1500である。
【0090】
マイクロチャネル反応器を出る生成物の温度は、約100℃〜約1000℃の範囲とすることができ、一実施形態において約200℃〜約800℃、一実施形態において約300℃〜約600℃である。生成物は約5〜約100msで約50℃〜約300℃、一実施形態において約50℃〜約200℃、一実施形態において約50℃〜約150℃、一実施形態において約50℃〜約100℃の範囲の温度に、一実施形態においては約5〜約75msで、一実施形態においては約5〜約50msで、一実施形態においては約10〜約50msで冷却することができる。
【0091】
本発明の方法の利点は、炭化水素反応物、酸素または酸素源、および触媒の間の接触が最大化されることと、望ましくない反応を最小化することを含む。
【0092】
本発明の方法の利点は工程を強化できることである。従来技術の従来の工程は暴走反応を防止するために、しばしば反応物を希釈した条件で運転されるが、本発明の工程は、所望であれば、さらに強化条件で運転することができ、処理量がより多くなる。触媒マイクロチャネル加工と熱交換を組み合わせることによって、従来では高い温度と選択性を失うであろうが、熱交換によって急速に熱を取り除くことによって、プロセスマイクロチャネル中の温度を比較的低く、例えば約700度以下、一実施形態において約600℃以下、一実施形態において約500℃以下に維持することのできる、炭化水素供給/酸素の比で運転することが可能であり、したがって所望の生成物への選択性を最大化することができる。
【0093】
本発明の方法の利点は、マイクロチャネル反応器の寸法のため反応の選択性が高められることを含む。従来寸法の反応器では、ガス相中で均一に進む反応が生成物の総生成量に大きく貢献する。これらの反応は、無差別に起きやすく、しばしばCOやCO、または炭化水素の熱分解生成物などの望ましくない副生成物を招く。例えば、反応混合物がプロパンを含むならば、熱分解同様に全体または部分酸化が起きてエタンとメタンを生成する。
【0094】
炭化水素反応物の変換レベルは、約50%またはそれよりも高くすることができ、一実施形態において約60%またはそれよりも高く、一実施形態において約70%またはそれよりも高く、一実施形態において約80%またはそれよりも高い。
【0095】
所望の生成物の選択性のレベルは、約30%またはそれよりも高くすることができ、一実施形態において約50%またはそれよりも高く、一実施形態において約60%またはそれよりも高く、一実施形態において約70%またはそれよりも高く、一実施形態において約80%またはそれよりも高く、一実施形態において約85%またはそれよりも高く、一実施形態において約90%またはそれよりも高く、一実施形態において約95%またはそれよりも高い。一実施形態において、所望の生成物への選択性のレベルは約50%〜約95%の範囲とすることができ、一実施形態において約75%〜約95%である。
【0096】
所望の生成物の収率はサイクル当たり約9%またはそれよりも高くすることができ、一実施形態においてサイクル当たり約20%またはそれよりも高く、一実施形態においてサイクル当たり約40%またはそれよりも高く、一実施形態においてサイクル当たり約50%またはそれよりも高く、一実施形態においてサイクル当たり約70%またはそれよりも高く、一実施形態においてサイクル当たり約80%またはそれよりも高く、一実施形態においてサイクル当たり約90%またはそれよりも高い。用語「サイクル」は、本明細書において反応物のプロセスマイクロチャネルへの1回の通過を指す。
【0097】
一実施形態において、炭化水素反応物の変換レベルは、サイクル当たり少なくとも約30%であり、所望の生成物の選択性のレベルは少なくとも約30%であり、所望の生成物の収率はサイクル当たり少なくとも約9%である。
【0098】
一実施形態において、方法は並列で運転される複数の熱交換チャネルを含む反応器中で行われ、熱交換チャネルを流れる熱交換流体の全圧力降下は約10気圧までであり、一実施形態において約5気圧までであり、一実施形態において約2気圧までである。
【実施例1】
【0099】
Laで安定化したAlは以下のゾル−ゲル技術を用いて合成される。24.7gのアルミニウムブトキシドをビーカー中で74.5gの2−ブタノールに一定に攪拌しながら溶解する。もう1個のビーカー中で、4.0gのLa(NO・6HOを59.7gのエタノールに一定に攪拌しながら溶解する。2つの溶液を混合し、15分間攪拌する。続いて4.4gの脱イオンHOを混合物にゆっくり加える。得られた溶液を80〜100℃に加熱し、この温度で2時間保つ。この間にアルコールを蒸発させる。得られる固体を120℃で一夜乾燥し、4℃/分の昇温および冷却速度で空気中で24時間1000℃で焼成する。得られる材料は22重量%のLaと78重量%のAlを有する。そのBET表面積および孔容積はそれぞれ64m/gおよび0.35cm/gである。固体を粉砕し88〜150ミクロンの粒子を触媒担体として選別する。
【0100】
Rh/La−Al触媒を以下のようにして初期湿式含浸によって調製する。0.96gの10重量%Rh(NO溶液を0.8gのLa−Al粒子に滴下する。120℃で1時間乾燥した後、サンプルを3.5℃/分の昇温および冷却速度で、500℃で1時間空気中で焼成する。この含浸方法は1回繰り返す。触媒を800℃で1時間焼成する。Rh装填は8.0重量%である。
【0101】
30mgの触媒を管反応器に装填してメタン活性度の部分酸化を試験する。触媒は使用する前にHで450℃30分間還元する。供給ガス組成物は29.6%のCHと70.4%の空気(CH/O=2/1)を含み、毎分3.4標準リットル(SLPM)である。ガスの毎時空間速度(GHSV)は5.8×10−1である。CH変換は、メタン流量の反応前後の差から計算される。CO選択性は[CO]/([CO]+[CO])で得られ、H2選択性は[H]/([H]+[HO])で計算される。700℃の管の外皮温度で、88%のCH変換、97%のCO選択性、および91%のH選択性が得られる。O変換は100%である。
【実施例2】
【0102】
Laで安定化したAlは以下のゾル−ゲル技術を用いて合成された。24.7gのアルミニウムブトキシドをビーカー中で74.5gの2−ブタノールに一定に攪拌しながら溶解する。もう1個のビーカー中で、4.0gのLa(NO・6HOを59.7gのエタノールに一定に攪拌しながら溶解する。2つの溶液を混合し、15分間攪拌する。続いて4.4gの脱イオンHOを混合物にゆっくり加える。得られた溶液を80〜100℃に加熱し、この温度で2時間保つ。この間にアルコールを蒸発させる。得られる固体を120℃で一夜乾燥し、4℃/分の昇温および冷却速度で空気中で24時間1000℃で焼成する。得られる材料は22重量%のLaと78重量%のAlを有する。そのBET表面積および孔容積はそれぞれ64m/gおよび0.35cm/gである。固体を粉砕し88〜150ミクロンの粒子を触媒担体として選別する。
【0103】
Rh/La−Al触媒を以下のようにして初期湿式含浸によって調製する。0.96gの10重量%Rh(NO溶液を0.8gのLa−Al粒子に滴下する。120℃で1時間乾燥した後、サンプルを3.5℃/分の昇温および冷却速度で、500℃で1時間空気中で焼成する。この含浸方法は1回繰り返す。触媒を1000℃で1時間焼成する。Rh装填は8.0重量%である。
【0104】
30mgの触媒を管反応器に装填してメタン活性度の部分酸化を試験する。触媒は使用する前にHで450℃30分間還元する。供給ガス組成物は3.4SLPMで29.6%のCHと70.4%の空気(CH/O=2/1)を含む。GHSVは5.8×10−1である。管の外皮の温度は700℃である。90%のCH変換、97%のCO選択性、および87%のH選択性が得られる。O変換は100%である。方法は260時間行われる。結果を図8に示す。
【0105】
これらの試験結果はこの触媒が非常に安定であることを示す。図8に示すように、CH変換、CO選択性、およびH選択性は260時間の経過時間中実質上変化しない。これらの結果はRh/La−Al触媒が、極めて高い空間速度で、メタンのCOとHへの部分酸化において非常に活性が高いことを示す。
【実施例3】
【0106】
図7は、プロセスマイクロチャネル中で部分酸化反応方法を行うために有用なフィンの幾何形状を示す。フィンの台形形状はフィンの基底に機械的な剛性を与える。フィンのすべては矩形の基底上に支持され、フィンの熱伝達特性を高める。フィンはワイヤEDM法を用いてFeCrAlYから作製される。次の表はフィンの寸法をまとめたものである。
【表1】

【0107】
Alスラリーは7.2gのγ−Al粉、12gの脱イオンHO、および42gの直径3mmのAlビーズを混合することによって調製される。pH値は硝酸を用いて3.5〜4に調節する。Alは酸性γAlであり、150マイクロメートルより小さな粉に粉砕する。混合物を8時間ボールミルで粉砕する。0.8gの25重量%Alゾル(Sasol 14N4−25)を4.2gのスラリーに攪拌しながら加える。
【0108】
FeCrAlYフィンをイソプロパノール中で20分間超音波をかけて洗浄する。100℃で1時間乾燥し室温に冷却した後、フィンを20重量%のHNO溶液で20分間超音波をかけて洗浄する。次いでフィンをpH値が7になるまで脱イオン水で洗う。120℃で1時間乾燥した後、フィンを昇温速度3.5℃/分で、1000℃で空気中で加熱し、1000℃で8時間空気中で焼成する。焼成の後、高密度Al層が形成される。Al層は保護皮膜として機能し、被覆とフィンの間の接着も高める。Alスラリーは浸漬によってフィン上にウォッシュコートされる。過剰のスラリーは被覆された表面に空気を噴射して除去される。フィンは120℃で1時間乾燥し、次いで昇温および冷却速度3.5℃/分で450℃4時間焼成する。7.5重量%のLa(NO溶液を浸漬によってフィンに含浸する。フィンは120℃で1時間乾燥され、次いで昇温および冷却速度3.5℃/分で1000℃4時間空気中で焼成する。表面のLaはAlを安定化する。スラリーの装填はフィン当たり25.4mgである。10重量%のRh(NO溶液をフィンの上に滴下し、過剰の溶液を圧縮空気で吹き払う。フィンに担持された、得られる触媒は120℃で1時間乾燥し、次いで1000℃で1時間空気中で焼成する。Rh装填はフィン当たり4.8mgである。
【0109】
フィンに担持された触媒は、ペレットで、メタンの1気圧での合成ガスへの部分酸化について試験する。ペレットは直径0.5インチ、長さ2インチの円筒状の金属棒である。ペレットは、中心に矩形のマイクロチャネル切断部を有する。切断部はその内部軸に沿って棒の長さ全体を展延する。切断部は0.05インチの高さおよび0.18インチの幅を有する。担持触媒を試験のため切断部に置く。切断部の両側に気密性接続を設ける。反応物は配管から切断部へ流入し、切断部を通ってフィンに担持された触媒と接触する。ペレットは炉中に置かれる。炉の温度はペレットの中間長さ部の外皮温度を850℃に保つように昇温される。炉の入口の供給流の温度は室温であり、ペレットに入る前に予備加熱される。炉の入口からペレットまでの配管の長さは10フィートである。生成物流の出口圧力は大気圧である。ペレット中の圧力降下はCapsuhelic差動圧力計で測定される。生成物の組成物を2カラムガスクロマトグラフで分析する。フィンに担持された触媒の性能をCH変換、H選択性、およびCO選択性について測定する。
CH変換(%)=(VCH4,in−VCH4,out)/(VCH4,in)×100
選択性(%)=(VH2,out測定値)/(VH2,out理論値)×100
CO選択性(%)=(VCO,out)/(VCO2,out+VCO2,out)×100
【0110】
触媒を使用する前にHで400℃30分間還元する。供給ガス組成物は29.6%のCHと70.4%の空気(CH/O=2/1)であり、総流量2030ml/分である(標準条件)。接触時間は3.3msである。接触時間は容積流量に対するフィンのないペレット中の流れ容積の比として定義される。以下の表はフィンに担持された触媒の157時間運転後の性能を示す。
【表2】

【実施例4】
【0111】
部分酸化反応方法に使用する代替のフィンは圧力降下を少なくする利点を提供する。流動面積はフィンの数を低減することによって増加する。フィン支持対から突出する5個のフィンがある。フィンは図7に示すように台形断面を有する。フィンの台形形状と共にフィンの厚さはフィンの基底で機械的な剛性を提供する。フィンは矩形の担体または基底部に支持されフィンの熱伝達特性を高める。フィンはFeCrAlYから作られる。フィンはワイヤEDM法によって作製される。以下の表にフィンの寸法をまとめる。
【表3】

【0112】
Alスラリーは7.2gのγ−Al粉、12gの脱イオンHO、および42gの直径3mmのAlビーズを混合することによって調製される。pH値は硝酸を用いて3.5〜4に調節する。Alは酸性γAlであり、150マイクロメートルより小さな粉に粉砕される。混合物を8時間ボールミルで粉砕する。0.8gの25重量%Alゾル(Sasol 14N4−25)を4.2gのスラリーに攪拌しながら加える。
【0113】
FeCrAlYフィンをイソプロパノール中で20分間超音波をかけて洗浄する。100℃で1時間乾燥し室温に冷却した後、フィンを20重量%のHNO溶液で20分間超音波をかけて洗浄する。フィンをpH値が7になるまで脱イオン水で洗う。120℃で1時間乾燥した後、フィンを昇温速度3.5℃/分で、1000℃で空気中で加熱し、1000℃で8時間空気中で焼成する。Alスラリーが浸漬によってフィン上にウォッシュコートされる。過剰のスラリーは被覆された表面に空気を噴射して除去される。フィンは120℃で1時間乾燥し、次いで昇温および冷却速度3.5℃/分で450℃4時間焼成する。7.5重量%のLa(NO溶液を浸漬によってスラリーを被覆したフィンに含浸する。フィンは120℃で1時間乾燥し、次いで昇温および冷却速度3.5℃/分で1000℃4時間空気中で焼成する。スラリーの装填はフィン当たり6.0mgである。10重量%のRh(NO溶液をフィンの上に滴下し、過剰の溶液を圧縮空気で吹き払う。フィンは120℃で1時間乾燥し、次いで1000℃で1時間空気中で焼成する。Rh装填はフィン当たり1.0mgである。
【0114】
得られるフィンに担持された触媒を、実施例3に述べたペレットで、メタンの1気圧での合成ガスへの部分酸化について試験する。ペレットは炉中に置かれる。炉の温度はペレットの中間長さ部の外皮温度を805℃に保つように調節される。炉の入口の供給流の温度は室温である。供給流はペレットに入る前に予備加熱される。炉の入口からペレットまでの配管の長さは10フィートである。生成物流の出口圧力は大気圧である。ペレット中の圧力降下は、入口と出口の圧力の間の差である。生成物の組成物を2カラムガスクロマトグラフで分析する。フィンの性能をCH変換、H選択性、およびCO選択性について測定する。以下の表に115時間の運転後のフィンの触媒性能をまとめる。
【表4】

【実施例5】
【0115】
FeCrAlYフィンは鋸切断法によって作製され、触媒性能が試験される。以下の表にフィンの寸法をまとめる。
【表5】

【0116】
Alスラリーは7.2gのγ−Al粉、12gの脱イオンHO、および42gの直径3mmのAlビーズを混合することによって調製される。pH値は硝酸を用いて3.5〜4に調節する。Alは酸性γAlであり、150マイクロメートルより小さな粉に粉砕される。次いで、混合物を8時間ボールミルで粉砕する。0.8gの25重量%Alゾル(Sasol 14N4−25)を4.2gのスラリーに攪拌しながら加える。
【0117】
FeCrAlYフィンをイソプロパノール中で20分間超音波をかけて洗浄する。100℃で1時間乾燥し室温に冷却した後、フィンを20重量%のHNO溶液で20分間超音波をかけて洗浄する。次いで、フィンをpH値が7になるまで脱イオン水で洗う。120℃で1時間乾燥した後、フィンを昇温速度3.5℃/分で、1000℃で空気中で加熱し、1000℃で8時間空気中で焼成する。Alスラリーが浸漬によってフィン上にウォッシュコートされる。過剰のスラリーは被覆された表面に空気を噴射して除去される。フィンは120℃で1時間乾燥し、次いで昇温および冷却速度3.5℃/分で450℃4時間焼成する。7.5重量%のLa(NO溶液を浸漬によってスラリーを被覆したフィン上に含浸する。フィンは120℃で1時間乾燥し、次いで昇温および冷却速度3.5℃/分で1000℃4時間空気中で焼成する。スラリーの装填はフィン当たり18.7mgである。10重量%のRh(NO溶液をフィンの上に滴下し、過剰の溶液を圧縮空気で吹き払う。フィンは120℃で1時間乾燥し、次いで1000℃で4時間空気中で焼成する。Rh装填はフィン当たり3.2mgである。
【0118】
得られるフィンに担持された触媒を、実施例3に述べたペレットで、メタンの1気圧での部分酸化について試験する。ペレットは炉中に置かれる。触媒は使用する前にHで400℃30分間還元する。供給ガス組成物は29.6%のCHと70.4%の空気(CH/O=2/1)であり、総流量(標準条件)2372ml/分である。接触時間は3.3である。炉の温度はペレットの中間長さ部の外皮温度を850℃に保つように調節される。炉の入口の供給流の温度は室温である。供給流はペレットに入る前に予備加熱される。炉の入口からペレットまでの配管の長さは10フィートである。生成物流の出口圧力は大気圧である。ペレット中の圧力降下はCapsuhelic差動圧力計で測定される。生成物の組成物を2カラムガスクロマトグラフで分析する。フィンの性能をCH変換、H選択性、およびCO選択性について測定する。以下の表に、担持触媒の400時間運転後の性能をまとめる。
【表6】

【実施例6】
【0119】
実施例5のフィンと同じ寸法を有するフィンをイソプロパノール中で20分間超音波をかけて洗浄する。100℃で1時間乾燥し室温まで冷却した後、フィンを20重量%のHNO溶液中で20分間超音波をかけて洗浄する。フィンをpH値が7になるまで脱イオン水で洗う。120℃で1時間乾燥した後、フィンを昇温速度3.5℃/分で、1000℃で空気中で加熱し、1000℃で8時間空気中で焼成する。焼成後、高密度のAl層が形成される。Al層は保護皮膜として機能し、被覆とフィンの間の接着も高める。Alゾル(25重量%、Sasol 14N4−25)が浸漬によってフィン上に被覆される。過剰のゾルは被覆された表面に空気を噴射して除去される。フィンは120℃で1時間乾燥し、次いで昇温および冷却速度3.5℃/分で450℃4時間焼成する。ゾル被覆方法はフィン当たり17mgのAl装填が達成されるまで3〜4回繰り返す。7.5重量%のLa(NO溶液を浸漬によってフィンに含浸する。フィンは120℃で1時間乾燥され、次いで昇温および冷却速度3.5℃/分で1000℃4時間空気中で焼成する。10重量%のRh(NO溶液をフィンの上に滴下し、過剰の溶液を圧縮空気で吹き払う。フィンは120℃で1時間乾燥し、次いで500℃で1時間空気中で焼成する。Rh(NO溶液被覆は1回繰り返し、フィンを1000℃で4時間焼成する。Rh装填はフィン当たり5.2mgである。
【0120】
得られるフィンに担持された触媒を、実施例3に述べたペレットを用いて、メタンの1気圧での合成ガスへの部分酸化について試験する。ペレットは炉中に置かれる。触媒は使用する前にHで450℃30分間還元する。供給ガス組成物は29.6%のCHと70.4%の空気(CH/O=2/1)であり、総流量(標準条件)2361ml/分であった。接触時間は3.3msである。炉の温度はペレットの中間長さ部の外皮温度を800℃に保つように調節される。炉の入口の供給流の温度は室温である。供給流はペレットに入る前に予備加熱される。炉の入口からペレットまでの配管の長さは10フィートである。生成物流の出口圧力は大気圧である。ペレット中の圧力降下はCapsuhelic差動圧力計で測定される。生成物の組成物を2カラムガスクロマトグラフで分析する。フィンの性能をCH変換、H選択性、およびCO選択性について測定する。以下に、フィンに担持された触媒の600時間定常運転後の性能を示す。
【表7】

【0121】
前述のフィンに担持された触媒をn―ブタンとCHの燃料混合物で試験する。供給ガスは、7.2%のCH、7.2%のn−ブタン、および85.6%の空気を含み、総流量2091ml/分である。4カラムガスクロマトグラフを用いて出口ガス組成物の分析を行う。炉の温度はペレットの中間長さ部の外皮温度を800℃に保つように調節される。フィンに担持された触媒の300時間運転後の性能を以下にまとめる。
【表8】

【実施例7】
【0122】
実施例3のフィンと同じ寸法を有するフィンをイソプロパノール中で超音波をかけて20分間洗浄する。100℃で1時間乾燥し室温まで冷却した後、フィンを20重量%のHNO溶液中で20分間超音波をかけて洗浄する。フィンをpH値が7になるまで脱イオン水で洗う。120℃で1時間乾燥した後、フィンを昇温速度3.5℃/分で、1000℃で空気中で加熱し、1000℃で8時間空気中で焼成する。焼成後、高密度のAl層が形成される。Al層は保護皮膜として機能し、被覆とフィンの間の接着も高める。Alゾル(25重量%、Sasol 14N4−25)が浸漬によってフィン上に被覆される。過剰のゾルは被覆された表面に空気を噴射して除去される。フィンは120℃で1時間乾燥し、次いで昇温および冷却速度3.5℃/分で450℃4時間焼成する。ゾル被覆方法はフィン当たり22mgのAl装填が達成されるまで4〜5回繰り返す。7.5重量%のLa(NO溶液を浸漬によってフィンに含浸する。フィンは120℃で1時間乾燥し、次いで昇温および冷却速度3.5℃/分で1000℃4時間空気中で焼成する。10重量%のRh(NO溶液をフィンの上に滴下し、過剰の溶液を圧縮空気で吹き払う。フィンは120℃で1時間乾燥し、1000℃で1時間空気中で焼成する。Rh装填はフィン当たり1.5mgである。
【0123】
得られるフィンに担持された触媒は、実施例3に述べたペレットを用いて、メタンの1気圧でのCOとHへの部分酸化について試験する。ペレットは炉中に置かれる。触媒は使用する前にHで450℃30分間還元する。供給ガス組成物は29.6%のCHと70.4%の空気(CH/O=2/1)であり、総流量(標準条件)2030ml/分である。炉の温度はペレットの中間長さ部の外皮温度を850℃に保つように調節される。炉の入口の供給流の温度は室温である。供給流はペレットに入る前に予備加熱される。炉の入口からペレットまでの配管の長さは10フィートである。生成物流の出口圧力は大気圧である。接触時間は3.3msである。ペレット中の圧力降下は、Capsuhelic差動圧力計で測定して3.7psiである。生成物の組成物を2カラムガスクロマトグラフで分析する。フィンの性能をCH変換、H選択性、およびCO選択性について測定する。図9に結果を示す。
【0124】
試験結果は、この触媒が安定であることを示す。図9に示すように、CH変換、CO選択性、およびH選択性は840時間の経過時間中実質上変化しない。
【実施例8】
【0125】
溶接したインコネル反応器を作製してメタン燃焼性能を試験する。反応器は燃焼用の2個の平行なチャネルを含む。各チャネルは幅0.160インチ、および高さ0.025インチである。反応器の長さは7.00インチである。チャネルはチャネル間の0.060インチのリブで分離される。燃焼チャネルの一方の側に、同一の1対のチャネル(空気チャネルと呼ぶ)を配置し、燃料の燃焼に必要な空気が流れる。燃焼チャネルおよび空気チャネルは、反応器の長さに沿って間隔を置く12個の円形オリフィス(直径0.012インチ)を有するオリフィスプレートによって分離され、燃料に空気を分配する。オリフィスは不均一な間隔を置き、燃焼チャネルへ空気を分配する。第1オリフィスは反応器の始まりに配置される。後続のオリフィスは、第1オリフィスから0.252インチ、0.555インチ、0.905インチ、1.304インチ、1.751インチ、2.248インチ、2.794インチ、3.393インチ、4.047インチ、4.760インチ、5.528インチの距離に配置される。燃焼チャネルの他の側には、単一の熱交換チャネルが配置され、燃焼熱放散として機能する流体を輸送する。チャネルは幅0.380インチおよび高さ0.012インチである。チャネルの長さは燃焼チャネルの長さと同じである。異なるチャネルの配置を図10に示す。
【0126】
燃焼チャネルは溶液コーティングで燃焼触媒が被覆される。デバイスは最初に空気中で1000℃1時間焼成して表面にクロミア層を形成する。加熱および冷却速度は3.5℃/分である。続いて、5.7重量%のPd(NOおよび43重量%のCe(NO・6HOを含む溶液をチャネルにドーピングする。過剰の溶液は圧縮空気で吹き払う。次いで被覆されたチャネルを100℃で1時間乾燥する。Pd被覆方法は2回繰り返す。次いで、被覆されたチャネルを空気中で850℃1時間焼成する。
【0127】
燃焼に用いる燃料はメタンである。燃焼チャネルへのメタンの総流量は毎分1.0標準リットル(SLPM)である。空気チャネル中の総空気流量は11.5SLPMである。空気はそれを燃料と混合する前に反応器温度まで予備加熱される。蒸気メタン精製反応によって熱放散が提供される。放散チャネル(SMRチャネルと呼ぶ)は蒸気メタン精製(SMR)触媒で被覆される。1.09SLPMおよび2.63ccの水蒸気の混合物をSMRチャネルに流す。SMRチャネルの流れの入口温度は800℃〜850℃である。燃焼チャネルの平均温度は850℃〜925℃である。燃焼チャネルの容積に基づく接触時間は4.4msである。燃焼チャネル中のメタン変換は、
CH4変換(%)=(VCH4,in−VCH4,out)/(VCH4,in)×100
で計算される。燃焼触媒については、メタン変換は平均温度862℃で30.6%である。このデバイスでは、平均9.3W/cmがSMR反応へ伝達される。燃焼チャネル中の圧力降下は2.5〜5.0psiである。
【実施例9】
【0128】
他のインコネル反応器デバイスを作製し、担持された部分酸化触媒を用いて燃焼性能を試験する。デバイスは、総部分酸化および燃焼チャネルの長さを除いて、実施例8で用いたマイクロチャネル反応器と同じ燃焼チャネルおよび空気チャネル寸法を有する。図11に示すフィンのような鋸歯状の金属シートが用いられる。2個のフィンが2個の部分酸化および燃焼チャネルの始まりに導入される。部分酸化および燃焼チャネルの総長さはフィンを収容するために8.5インチであり、フィンは長さ1.5インチ、後続の燃焼チャネルは長さ7インチである。フィンはFeCrAlYから作られる。フィンの寸法を以下の表にまとめる。
【表9】

【0129】
フィンはメタンを燃焼前にCOとHへ変換するために部分酸化触媒で被覆される。フィンはイソプロパノール中で超音波をかけて20分間洗浄される。100℃で1時間乾燥し室温まで冷却した後、フィンを20重量%のHNO溶液中で20分間超音波をかけて洗浄する。フィンをpH値が7になるまで脱イオン水で洗う。120℃で1時間乾燥した後、フィンを昇温速度3.5℃/分で、1000℃で空気中で加熱し、1000℃で8時間空気中で焼成する。焼成後、高密度のAl層が形成され、Al層は保護皮膜として機能し、被覆とフィンの間の接着も高める。また、AlとZrOを含有するスラリーを被覆用に調製する。10gのZrO粉と、55gの脱イオンHOと、1.2mlの濃硝酸と、200gの直径3mmのAlビーズを容器中で混合する。次いで、混合物を2日間ボールミルで粉砕する。その後、2.0gのZrOスラリーと、0.54gのγ−Al粉と、0.46gのLa(NO・6HOと、0.5gのHOとを攪拌しながら混合する。酸性γ−AlであるAlを53ミクロンよりも小さな粉に粉砕する。続いて、上記Al−ZrOスラリーを浸漬によってフィンにウォッシュコートする。スラリーを被覆したフィンを120℃で1時間乾燥し、次いで加熱および冷却速度3.5℃/分で1000℃で1時間焼成する。スラリー装填はフィン当たり6.4mgである。その後、10重量%のRh(NO溶液をフィン上に滴下し、過剰の溶液を圧縮空気で吹き払う。最終的にスラリーを被覆した触媒は120℃で1時間乾燥し、500℃で1時間空気中で焼成する。Rh装填はフィン当たり約0.6mgである。
【0130】
燃焼チャネルにおいて、燃料中に空気を分配するためのオリフィスプレートは、オリフィス数を17個に増加すること、および非円形オリフィスの導入によって修正される。第1オリフィスは、燃焼チャネル中に、部分酸化ゾーンの後方0.01インチ〜0.20インチの距離に配置される。第1オリフィスは直径0.012インチの半円形末端部を有する矩形のスロットからなる。スロットの最大長さは流れ方向にある。第2オリフィスは、0.012インチの側部長さを有する正三角形の形状であり、第1オリフィスから0.133インチの距離に配置される。第3および第4オリフィスは第1オリフィスから0.267インチの距離に配置された直径0.012インチの孔である。第5オリフィスは、再び第1オリフィスから0.386インチの距離に配置された三角形スロットである。第6オリフィスから第15オリフィスは、直径0.012インチの円形孔であり、第1オリフィスから0.594インチ、0.769インチ、0.969インチ、1.168インチ、1.615インチ、2.112インチ、2.658インチ、3.257インチ、3.257インチ、3.857インチ、4.624インチに配置される。第16オリフィスおよび第17オリフィスは直径0.012インチの孔であり第1オリフィスから5.392インチの位置である。このオリフィスのパターンは、理想的な酸素当量比0.5を与え、
【数1】

で定義される。式中、YO2は酸素のモル割合であり、YO2,stoicは完全な燃焼に必要な化学量論的酸素モル割合である。
【0131】
燃焼チャネルは燃焼触媒で被覆される。デバイスは最初に空気中で1000℃で3時間焼成し、表面にクロミア層を形成する。加熱および冷却速度は3.5℃/分である。次いで、10重量%のRh(NO溶液を燃焼チャネル上に滴下し、過剰の溶液を圧縮空気で吹き払う。100℃で1時間乾燥した後、被覆したチャネルを800℃で1時間空気中で焼成する。続いて、5.7重量%のPd(NOと43重量%のCe(NO・6HOを含む溶液をチャネル上に滴下する。過剰の溶液は圧縮空気で吹き払う。次いで、被覆したチャネルを100℃で1時間乾燥する。Pd被覆方法は1回繰り返す。次いで、被覆したチャネルを1000℃で1時間焼成する。最終的に10重量%のPt(NH(NO溶液をチャネル上に滴下する。100℃で1時間乾燥した後、被覆したチャネルを900℃で1時間空気中で焼成する。
【0132】
部分酸化と燃焼反応とを一体化した反応器の性能を試験する。2個の燃焼チャネル中のメタン総流量は1.33SLPMである。部分酸化チャネル中のCH:O比が2:1となるように、メタンは空気と予備混合される。空気チャネル中の空気の総流量は10.9SLPMである。空気は燃料に混合する前に反応器の温度まで予備加熱される。熱放散が蒸気メタン精製反応によって提供される。放散チャネル(SMRチャネルと呼ぶ)は蒸気メタン精製(SMR)触媒で被覆される。2.18SLPMおよび5.27ccの水蒸気の混合物がSMRチャネルを流れる。SMRチャネルの流れの入口温度は800℃〜850℃である。平均部分酸化ゾーン温度は750℃〜800℃であり、平均燃焼ゾーン温度は850℃〜925℃である。燃焼チャネルの容積に基づいて、燃焼チャネル中の接触時間は4.5msである。総CH変換は92.2%であり、部分酸化触媒のないものと比較して61.6%の増加である。これは、部分酸化がメタン燃焼を大きく助けていることを示す。このデバイスでは平均18.8W/cmがSMR反応へ伝達される。燃焼チャネル中の圧力降下は2.5〜5.0psiである。
【0133】
本発明を様々な詳細な実施形態について説明したが、当業者であれば、本明細書を読めばその様々な変更が明らかになることを理解すべきである。したがって、本明細書に開示した本発明は、添付の特許請求の範囲に含まれるそれらの変更を包含することを意図していると理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】炭化水素反応物と酸素または酸素源がマイクロチャネル反応器中で本発明の触媒に接触して反応し、水素と酸化炭素を含む生成物を形成する、本発明の部分酸化方法の特定の形を示すフロー概要図である。
【図2】本発明の部分酸化方法に使用されるマイクロチャネル反応器の特定の形の動作を示すフロー概要図である。
【図3】本発明の部分酸化方法に使用される、側流(flow−by)構成を有する触媒を含むプロセスマイクロチャネルの概要図である。
【図4】本発明の部分酸化方法に使用される、貫通流(flow−through)構成を有する触媒を含むプロセスマイクロチャネルの概要図である。
【図5】本発明の部分酸化方法に使用される、複数のフィンを含み本発明の触媒がフィンによって担持されるフィン組立体を含むプロセスマイクロチャネルの概要図である。
【図6】図5に示したプロセスマイクロチャネルおよびフィン組立体の代替の実施形態を示す図である。
【図7】図5に示したフィン組立体の代替の実施形態を示す図である。
【図8】実施例2に開示した試験において、時間に対する工程性能のプロット図である。
【図9】実施例7に開示した試験において、時間に対する工程性能のプロット図である。
【図10】実施例8に開示した試験において、使用したマイクロチャネル反応器のチャネル配置を示す図である。
【図11】実施例9に用いたマイクロチャネル反応器のフィン組立体を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化水素反応物をCOとHからなる生成物に変換する方法であって、
(A)該炭化水素反応物および酸素または酸素源からなる反応組成物をマイクロチャネル反応器に流し、反応条件下で触媒に接触させて該生成物を形成するステップからなり、該マイクロチャネル反応器が少なくとも1つのプロセスマイクロチャネルからなり、該触媒が該プロセスマイクロチャネル内に配置され、該炭化水素反応物がメタンからなり、該プロセスマイクロチャネル内の該反応組成物の接触時間が約500ミリ秒以下であり、該プロセスマイクロチャネル内の該反応組成物と生成物の温度が約1150℃以下であり、該炭化水素反応物の変換が少なくとも約50%である方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、ステップ(A)の間、前記触媒は部分酸化触媒であり、ステップ(A)で形成された前記生成物は中間生成物であり、さらにステップ(A)に続く以下の追加のステップ、
(B)ステップ(A)で形成された該中間生成物をマイクロチャネル反応器に流し、反応条件下で燃焼触媒に接触させてCOとHOからなる最終生成物を形成するステップからなる方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、前記反応組成物がさらにHOからなり、前記生成物がH、CO、COからなる方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、前記反応組成物がステップ(A)の前に予備加熱される方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、前記反応組成物と酸素または酸素源がステップ(A)の前に混合される方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、前記反応組成物と酸素または酸素源がステップ(A)の間に混合される方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、前記マイクロチャネル反応器が、前記触媒を含む複数のプロセスマイクロチャネルと、流体を該プロセスマイクロチャネルへ流入させる流路を提供するヘッダと、流体を該プロセスマイクロチャネルから離れさせる流路を提供するフッタとからなる方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法において、各プロセスマイクロチャネルが約10mm以下の幅と高さの内部寸法を有する方法。
【請求項9】
請求項7に記載の方法において、前記プロセスマイクロチャネルの各々が、入口と、出口と、該入口と該出口の間に展延する伸張部分とからなり、前記プロセスマイクロチャネルがさらに該伸張部分における少なくとも1つの追加の入口からなり、少なくとも1種の反応物が該少なくとも1つの追加の入口を経て前記プロセスマイクロチャネルへ流入する方法。
【請求項10】
請求項7に記載の方法において、前記プロセスマイクロチャネルが、鋼、モネル、インコネル、アルミニウム、チタン、ニッケル、銅、真鍮、任意の該金属の合金、ポリマー、セラミック、ガラス、ポリマーとファイバーグラスからなる複合材、石英、シリコン、またはその2種以上の組合せからなる材料から作製される方法。
【請求項11】
請求項7に記載の方法において、前記マイクロチャネル反応器がさらに前記プロセスマイクロチャネルに熱的に接触している熱交換チャネルからなる方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法において、前記熱交換チャネルがマイクロチャネルからなる方法。
【請求項13】
請求項11に記載の方法において、各熱交換チャネルが約10mm以下の幅と高さの内部寸法を有する方法。
【請求項14】
請求項11に記載の方法において、前記熱交換マイクロチャネルが、鋼、モネル、インコネル、アルミニウム、チタン、ニッケル、銅、真鍮、任意の該金属の合金、ポリマー、セラミック、ガラス、ポリマーとファイバーグラスからなる複合材、石英、シリコン、またはその2種以上の組合せからなる材料から作製される方法。
【請求項15】
請求項9に記載の方法において、少なくとも1つの追加の入口を経て前記プロセスマイクロチャネルへ流入する前記少なくとも1種の反応物が酸素または酸素源からなる方法。
【請求項16】
請求項1に記載の方法において、前記炭化水素反応物が脂肪族化合物、芳香族化合物、またはその混合物をさらに含む方法。
【請求項17】
請求項1に記載の方法において、前記炭化水素反応物がさらに分子当たり2〜約20個の炭素原子を含むアルカンからなる方法。
【請求項18】
請求項1に記載の方法において、前記炭化水素反応物がさらにエタン、プロパン、イソプロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、またはその2種以上の混合物からなる方法。
【請求項19】
請求項1に記載の方法において、前記炭化水素反応物が天然ガスからなる方法。
【請求項20】
請求項1に記載の方法において、前記炭化水素反応物がさらに2〜約20個の炭素原子を含むアルケンからなる方法。
【請求項21】
請求項1に記載の方法において、前記炭化水素反応物がさらにエチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、2−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、1−ヘキセン、2,3−ジメチル−2−ブテン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、またはその2種以上の混合物からなる方法。
【請求項22】
請求項1に記載の方法において、前記炭化水素反応物がさらに3〜約20個の炭素原子からなる方法。
【請求項23】
請求項1に記載の方法において、前記炭化水素反応物がさらに1,2−プロパジエン、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、またはその2種以上の混合物からなる方法。
【請求項24】
請求項1に記載の方法において、前記炭化水素反応物がさらにアルキルまたはアルキレン置換芳香族化合物からなる方法。
【請求項25】
請求項1に記載の方法において、炭化水素反応物がトルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、ヘミメリテン、プソイドクメン、メシチレン、プレーニテン、イソジュレン、ジュレン、ペンタメチルベンゼン、ヘキサメチルベンゼン、エチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、クメン、n−ブチルベンゼン、イソブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、p−シメン、スチレン、またはその2種以上の混合物からなる方法。
【請求項26】
請求項1に記載の方法において、前記炭化水素反応物がさらに天然油、合成油、またはその混合物からなる方法。
【請求項27】
請求項1に記載の方法において、前記炭化水素反応物が蒸留燃料からなる方法。
【請求項28】
請求項1に記載の方法において、前記炭化水素反応物がさらにナフサ、ディーゼル燃料、燃料油、ケロセンまたはガソリンからなる方法。
【請求項29】
請求項1に記載の方法において、前記炭化水素反応物がさらに植物原料、鉱物原料、またはその混合物に由来する炭化水素からなる方法。
【請求項30】
請求項1に記載の方法において、前記炭化水素反応物がさらに大豆、菜種、ヤシ、頁岩、石炭、タール砂、またはその2種以上の混合物に由来する炭化水素からなる方法。
【請求項31】
請求項1に記載の方法において、前記酸素源が空気からなる方法。
【請求項32】
請求項1に記載の方法において、前記反応組成物がさらに希釈材料からなる方法。
【請求項33】
請求項11に記載の方法において、前記プロセスマイクロチャネルが前記熱交換チャネルを流れる熱交換流体と熱を交換する方法。
【請求項34】
請求項33に記載の方法において、前記熱交換流体が前記熱交換チャネルを流れる際に相変化を起こす方法。
【請求項35】
請求項11に記載の方法において、前記プロセスマイクロチャネルが前記熱交換チャネル中で行われる吸熱化学反応によって冷却される方法。
【請求項36】
請求項35に記載の方法において、前記吸熱化学反応が蒸気改質反応または脱水素反応からなる方法。
【請求項37】
請求項11に記載の方法において、前記反応組成物が前記プロセスマイクロチャネルを第1方向に流れ、熱交換流体が前記熱交換チャネルを第2方向に流れ、該第2方向が該第1方向に対して向流である方法。
【請求項38】
請求項11に記載の方法において、前記反応組成物が前記プロセスマイクロチャネルを第1方向に流れ、熱交換流体が前記熱交換チャネルを第2方向に流れ、該第2方向が該第1方向に対して並流である方法。
【請求項39】
請求項11に記載の方法において、前記炭化水素反応組成物が前記プロセスマイクロチャネルを第1方向に流れ、熱交換流体が前記熱交換チャネルを第2方向に流れ、該第2方向が該第1方向に対して向流である方法。
【請求項40】
請求項11に記載の方法において、前記熱交換流体が前記方法熱交換チャネルを流れ、該熱交換流体が空気、蒸気、液体、水、二酸化炭素、気体窒素、液体窒素、気体炭化水素または液体炭化水素からなる方法。
【請求項41】
請求項1に記載の方法において、前記触媒が粒子状固体の形である方法。
【請求項42】
請求項1に記載の方法において、前記触媒がNi、Cr、Feからなる合金、またはFe、Cr、Al、Yからなる合金からなる材料から作られた担体構造によって担持される方法。
【請求項43】
請求項1に記載の方法において、前記触媒が側流構成、貫通流構成、または蛇行構成を有する担体構造によって担持される方法。
【請求項44】
請求項1に記載の方法において、前記触媒が発泡体、フェルト、ワッド、フィン、またはその2種以上の組合わせの構成を有する担体構造によって担持される方法。
【請求項45】
請求項1に記載の方法において、前記触媒が隣接する間隙を備える側流構成、隣接する間隙を備える発泡体構成、間隙を備えるフィン構造、基材上のウォッシュコート、または流動用の間隙を備える金網構成を有する担体構造によって担持される方法。
【請求項46】
請求項1に記載の方法において、前記触媒が少なくとも1個のフィンからなるフィン組立体の形の担体構造に担持される方法。
【請求項47】
請求項46に記載の方法において、前記フィン組立体が複数の平行な間隔を置くフィンからなる方法。
【請求項48】
請求項46に記載の方法において、前記フィンが外部表面を有し、多孔質材料が前記フィンの該外部表面の少なくとも一部を被覆し、前記触媒が該多孔質材料によって担持される方法。
【請求項49】
請求項48に記載の方法において、前記多孔質材料がコーティング、繊維、発泡体、またはフェルトからなる方法。
【請求項50】
請求項46に記載の方法において、前記フィンが外部表面を有し、複数の繊維または突起が前記フィンの該外部表面の少なくとも一部から展延し、前記触媒が該突起によって担持される方法。
【請求項51】
請求項46に記載の方法において、前記フィンが外部表面を有し、前記触媒が、前記フィンの該外部表面の少なくとも一部上にウォッシュコートされるか、前記フィンの該外部表面の少なくとも一部上に溶液から成長するか、あるいは前記フィンの該外部表面の少なくとも一部上に蒸着を用いて堆積される方法。
【請求項52】
請求項46に記載の方法において、前記フィン組立体が複数の平行な間隔を置くフィンからなり、該フィンの少なくとも1個が他の該フィンの長さとは異なる長さを有する方法。
【請求項53】
請求項46に記載の方法において、前記フィン組立体が複数の平行な間隔を置くフィンからなり、該フィンの少なくとも1個が他の該フィンの高さとは異なる高さを有する方法。
【請求項54】
請求項46に記載の方法において、前記フィンが正方形または矩形の形状の断面を有する方法。
【請求項55】
請求項46に記載の方法において、前記フィンが台形の形状の断面を有する方法。
【請求項56】
請求項46に記載の方法において、前記フィンが鋼、アルミニウム、チタン、鉄、ニッケル、白金、ロジウム、銅、クロム、真鍮、任意の該金属の合金、ポリマー、セラミック、ガラス、ポリマーとファイバーグラスからなる複合材、石英、シリコン、またはその2種以上の組合せからなる材料から作製される方法。
【請求項57】
請求項46に記載の方法において、前記フィンが、Ni、Cr、Feからなる合金、またはFe、Cr、Al、Yからなる合金から作製される方法。
【請求項58】
請求項46に記載の方法において、前記フィンがAl形成材料から作製される方法。
【請求項59】
請求項46に記載の方法において、前記フィンがCr形成材料から作製される方法。
【請求項60】
請求項1に記載の方法において、前記触媒がRh、Pt、Ni、Cr、Ru、Pd、Os、Ir、またはその酸化物、あるいはその2種以上の混合物からなる方法。
【請求項61】
請求項1に記載の方法において、前記触媒が下記式で表される組成物からなり、前記触媒は前記プロセスマイクロチャネルの内部壁上にコーティングされるか、あるいは前記プロセスマイクロチャネル内に配置された発泡体、フェルト、ワッドまたはフィン上に担持される方法。
Al
式中、MはRh、Ni、Pd、Pt、Ru、Co、またはその2種以上の混合物であり、
はCe、Pr、Tb、またはその2種以上の混合物であり、
はLa、Ba、Zr、Mg、Ca、またはその2種以上の混合物であり、
aは約0.0001〜約1の範囲の数字であり、
bは約0〜約0.9999の範囲の数字であり、
cは約0.0001〜約0.9999の範囲の数字であり、
dは約0.0001〜約0.9999の範囲の数字であり、
xは該存在する元素の要求する原子価を満足するのに必要な酸素の数である。
【請求項62】
請求項2に記載の方法において、前記燃焼触媒が貴金属またはその酸化物、ペロブスカイトあるいはアルミン酸塩からなる方法。
【請求項63】
請求項62に記載の方法において、前記燃焼触媒がさらにCe、Tb、もしくはPr、またはその酸化物、あるいはその2種以上の混合物からなる方法。
【請求項64】
請求項2に記載の方法において、前記燃焼触媒が、Pt、Rh、Pd、Co、Mn、Fe、Ni、またはその酸化物、あるいはその2種以上の混合物からなる方法。
【請求項65】
請求項1に記載の方法において、前記反応組成物および/または生成物と前記触媒との接触時間が約0.1ミリ秒〜約100秒である方法。
【請求項66】
請求項1に記載の方法において、前記プロセスマイクロチャネルに流入する前記反応組成物の温度が約200℃〜約1000℃の範囲である方法。
【請求項67】
請求項1に記載の方法において、前記プロセスマイクロチャネルに流入する前記反応組成物の圧力が約0.1〜約100気圧の範囲である方法。
【請求項68】
請求項1に記載の方法において、前記プロセスマイクロチャネルを流れる前記反応組成物および生成物の空間速度が少なくとも約100hr−1である方法。
【請求項69】
請求項1に記載の方法において、前記プロセスマイクロチャネルを流れる前記反応組成物および生成物の圧力降下が、前記プロセスマイクロチャネルの長さ1メートル当たり約2気圧以下である方法。
【請求項70】
請求項11に記載の方法において、熱交換流体が前記熱交換チャネルを流れ、前記熱交換チャネルを流れる該熱交換流体の全圧力降下が約10気圧以下である方法。
【請求項71】
炭化水素反応物をHとCOからなる生成物に変換する方法であって、
(A)該炭化水素反応物および酸素または酸素源からなる反応組成物をマイクロチャネル反応器に流して、反応条件下で触媒に接触させて該反応組成物を該生成物に変換するステップからなり、該炭化水素反応物はメタンからなり、該触媒は下記式で表される組成物からなり、該触媒は該プロセスマイクロチャネルの内部壁上にコーティングされるか、あるいは該プロセスマイクロチャネル内に配置された発泡体、フェルト、ワッドまたはフィン上に担持される方法。
Al
式中、MはRh、Ni、Pd、Pt、Ru、Co、またはその2種以上の混合物であり、
はCe、Pr、Tb、またはその2種以上の混合物であり、
はLa、Ba、Zr、Mg、Ca、またはその2種以上の混合物であり、
aは約0.0001〜約1の範囲の数字であり、
bは約0〜約0.9999の範囲の数字であり、
cは約0.0001〜約0.9999の範囲の数字であり、
dは約0.0001〜約0.9999の範囲の数字であり、
xは該存在する元素の要求する原子価を満足するのに必要な酸素の数である。
【請求項72】
下記式で表される組成物からなる触媒であって、基材上にコーティングされるか、あるいは発泡体、フェルト、ワッドまたはフィン上に担持される触媒。
Al
式中、MはRh、Ni、Pd、Pt、Ru、Co、またはその2種以上の混合物であり、
はCe、Pr、Tb、またはその2種以上の混合物であり、
はLa、Ba、Zr、Mg、Ca、またはその2種以上の混合物であり、
aは約0.0001〜約1の範囲の数字であり、
bは約0〜約0.9999の範囲の数字であり、
cは約0.0001〜約0.9999の範囲の数字であり、
dは約0.0001〜約0.9999の範囲の数字であり、
xは該存在する元素の要求する原子価を満足するのに必要な酸素の数である。
【請求項73】
請求項67に記載の触媒において、MがRhまたはNiである触媒。
【請求項74】
請求項72に記載の触媒において、MがRhである触媒。
【請求項75】
請求項72に記載の触媒において、MがLaまたはMgである触媒。
【請求項76】
下記式で表される組成物からなる触媒。
RhLaAl
式中、aは約0.0001〜約0.9999の範囲の数字であり、
cは約0.0001〜約0.9999の範囲の数字であり、
dは約0.0001〜約0.9999の範囲の数字であり、
xは該存在する元素の要求する原子価を満足するのに必要な酸素の数である。
【請求項77】
(A)Alの層を担体構造の少なくとも一部に塗工するステップと、
(B)ステップ(A)で形成した被処理担体構造を焼成するステップと、
(C)ステップ(B)で形成した焼成担体構造の表面に助触媒または安定剤を塗工して被処理担体構造を形成するステップであって、該助触媒または安定剤がLa、Ba、Zr、Mg、Ca、またはその酸化物もしくは硝酸塩、あるいはその2種以上の混合物からなるステップと、
(D)ステップ(C)で形成した被処理担体構造を焼成するステップと、
(E)ステップ(D)で形成した焼成担体構造の表面に触媒金属またはその酸化物もしくは硝酸塩を塗工して、被処理担体構造を形成するステップであって、該触媒金属がRh、Ni、Pd、Pt、Ru、Co、またはその2種以上の混合物からなるステップと、
(F)ステップ(E)で形成した被処理担体構造を焼成して担持触媒を形成するステップからなる、担持触媒の作製方法。
【請求項78】
請求項77に記載の方法において、前記ステップ(F)で形成された担持触媒が水素中で還元される方法。
【請求項79】
請求項77に記載の方法において、前記担体構造が鋼、アルミニウム、チタン、鉄、ニッケル、白金、ロジウム、銅、クロム、真鍮、任意の該金属の合金、ポリマー、セラミック、ガラス、ポリマーとファイバーグラスからなる複合材、石英、シリコン、またはその2種以上の組合せからなる材料から作製される方法。
【請求項80】
請求項77に記載の方法において、前記担体構造がFe、Cr、Al、Yからなる合金から作製され、前記天然酸化物層がAlからなる方法。
【請求項81】
請求項77に記載の方法において、前記担体構造がNi、Cr、Feからなる合金から作製され、前記天然酸化物層がCrからなる方法。
【請求項82】
請求項77に記載の方法において、前記助触媒または安定剤がLaまたはMgからなる方法。
【請求項83】
請求項77に記載の方法において、前記助触媒または安定剤がLaからなる方法。
【請求項84】
請求項77に記載の方法において、前記触媒金属がRhからなる方法。
【請求項85】
請求項77に記載の方法において、ステップ(A)の前に、前記担体構造が約300℃〜約1400℃の範囲の温度で約0.1〜約1000時間加熱される方法。
【請求項86】
請求項77に記載の方法において、ステップ(A)の間に、Alからなるスラリーが前記天然酸化物層の上に塗工される方法。
【請求項87】
請求項77に記載の方法において、ステップ(A)の間に、Alからなるコロイド分散液が前記天然酸化物層の上に塗工される方法。
【請求項88】
請求項77に記載の方法において、ステップ(B)の間に、前記被処理担体構造が約150℃〜約1200℃の範囲の温度で約0.1〜約1000時間焼成される方法。
【請求項89】
請求項77に記載の方法において、ステップ(C)の間に、La(NOからなる溶液が前記焼成担体構造の前記表面に塗工される方法。
【請求項90】
請求項77に記載の方法において、ステップ(D)の間に、前記被処理担体構造が約150℃〜約1200℃の範囲の温度で約0.1〜約1000時間焼成される方法。
【請求項91】
請求項77に記載の方法において、ステップ(E)の間に、Rh(NOからなる組成物が前記焼成担体構造の前記表面に塗工される方法。
【請求項92】
請求項77に記載の方法において、ステップ(F)の間に、前記被処理担体構造が約150℃〜約1200℃の範囲の温度で約0.1〜約1000時間焼成される方法。
【請求項93】
請求項1に記載の方法において、前記触媒が式Rh/LaAl1118またはRh/LaAlOで表される方法。
【請求項94】
請求項76に記載の触媒において、前記触媒が式Rh/LaAl1118またはRh/LaAlOで表される触媒。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2007−515362(P2007−515362A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−532382(P2006−532382)
【出願日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【国際出願番号】PCT/US2004/010611
【国際公開番号】WO2004/103549
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(505056694)ヴェロシス,インク. (20)
【Fターム(参考)】