説明

マイクロリソグラフィ投影対物レンズ

【課題】物体平面に配置されるパターンを像平面内に結像するマイクロリソグラフィ投影対物レンズにおいて迷光を抑制する。
【解決手段】物体平面に配置されるパターンを像平面内に結像するマイクロリソグラフィ投影対物レンズ10が提供され、第1対物レンズ部16と、第2対物レンズ部18と、少なくとも一つの第3対物レンズ部20とを備え、第2対物レンズ部18は、第1対物レンズ部10における光伝搬方向および第3対物レンズ部20における光伝搬方向と異なる光伝搬方向を規定し、かつ第1対物レンズ部10と第2対物レンズ部18との間および第2対物レンズ部18と第3対物レンズ部20との間に少なくとも一つのビーム偏向装置22をさらに備え、少なくとも一つのシールド24が、第1対物レンズ部16から第3対物レンズ部内20への直接光漏れが少なくとも減少するようにしてビーム偏向装置22の領域に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体平面に配置されるパターンを像平面に結像するマイクロリソグラフィ投影対物レンズに関する。
本発明は、さらに、そのような投影対物レンズを有する投影露光機に関する。
本発明は、さらに、半導体部品および他の微細構造サブアセンブリを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロリソグラフィ投影対物レンズは、半導体部品および他の微細構造部品を製造する投影露光機であり、特にウエハスキャナーおよびウエハステッパーにおいて用いられる。そのような投影露光機は、一般にマスクまたはレティクルとしても呼ばれるフォトマスクまたは焦点板からのパターンを、感光層で被覆された対象物(基板)上に非常に高い解像度で投影する目的を果たす。この場合、マスクは物体平面に配置され、かつ基板は投影対物レンズの像平面に配置される。
【0003】
投影対物レンズの中で公知であるのは、光学素子を屈折することおよび反射することの組み合わせ、たとえば特にレンズと鏡との組み合わせとなるものである。そのような投影対物レンズは、カタディオプトリック(反射屈折)と呼ばれる。
カタディオプトリック投影対物レンズの例は、下記特許文献1に開示されている。カタディオプトリック投影対物レンズのさらなる例は、下記特許文献2から理解される。
【0004】
たとえば、下記特許文献1に開示されているカタディオプトリック投影対物レンズは、物体平面から、第1対物レンズ部ならびそれに隣接する第2対物レンズ部、およびそれに隣接する第3対物レンズ部を有している。ビーム偏向は、第1対物レンズ部から第2対物レンズ部までの移行部において、第1折畳み鏡によって形成されるビーム偏向装置によって生じる。第2対物レンズ部は、ビーム偏向装置に再び光を逆反射する凹面鏡を有し、かつ第2対物レンズ部から第3対物レンズ部までの移行部においてさらなる折畳み鏡を有するビーム偏向装置は、次に光を第3対物レンズ部内に方向づける。2つの折畳み鏡は、互いにほぼ90度の角度である。しかも、この公知の投影対物レンズの場合には、光学配置は、中間像が第3対物レンズ部において生成されるように行われている。
【0005】
本発明の意味において、ビーム偏向装置は、折畳み鏡によって形成されることが可能であるだけでなく、装置を偏向させる装置は、たとえば、ビーム偏向に好適なビームスプリッタキューブまたは他の光学素子を有することができる。
ビーム偏向を有する投影対物レンズの場合に生じることがある問題は、投影対物レンズを通過する光の一部分が、ビーム偏向装置において、第2対物レンズ部を抜かして第1投影対物レンズ部から第3対物レンズ部内に直接漏れることである。したがって、規定順序ですべての光学素子を横断する光のみが適切な結像に貢献することができるように投影対物レンズが設計されているので、そのような迷光または偽光は投影対物レンズのすべての光学素子を横断せず、ひいては投影対物レンズの像平面内に、投影対物レンズの物体平面に配置されるパターンを正しく結像することができない。
【0006】
上記特許文献1は、迷光または偽光を減少させるために、中間像の領域に迷光絞りを配置することを提案している。しかしながら、このことは、第1対物レンズ部から第3対物レンズ部内への部分的な直接光漏れの問題を効果的に軽減するものではなく、まして解決もしない。
すでに上述したように、マイクロリソグラフィ投影露光機は、ステッパーとしてまたはスキャナーとして設計されている。ステッパーの場合には、正方形視野または長方形視野が静止ウエハ上に露光される。円形視野は、完全なウエハ表面を活用することができないという作用を有するものであり、よって半導体の大量生産用施設では用いられない。
【0007】
スキャナーの場合には、パターン(レティクル)およびウエハが移動し、ウエハおよびレティクル上に露光される視野は、正方形または長方形である。スキャナーは、好ましくは、半導体の大量生産において用いられている。
長方形視野形状は、後の工程段階、特にウエハを個別片に分割する工程から好ましいが、生産技術の理由で、ステッパーおよびスキャナーで用いるための投影対物レンズは、一般に円形レンズ素子から構成されている。
【0008】
長方形視野露光の場合もまた、投影されたパターンの結像に貢献しない偽光が生じる。ビーム偏向を有する投影対物レンズの場合の上述の作用に加えて、偽光が、特定の対物レンズ部を抜かして一つの対物レンズ部から他の対物レンズ部内に漏れる場合が、偽光は、一般に個々のレンズ表面およびウエハのパターン(レティクル)の表面での反射からも生じることがあり、レンズ表面上の反射防止層の使用にもかかわらず、そのような反射はなくならない。
【0009】
特定の原因にかかわらず、偽光は、露光工程によって結像される構造が偽光の背景のせいで広がるので、ウエハ上に落ちるとすぐ、リソグラフィ工程を妨げる。言い換えると、投影対物レンズにおいて伝搬しておりかつ投影対物レンズの像平面に達する偽光は、パターンの像平面内への結像のコントラストを妨げる。
すでに上述したように、投影対物レンズは、結像のために用いることができる結像ビーム経路が規定順序ですべての光学作用表面を横断する場合のみ、機能の点で適切に動作する。投影対象物のすべての光学作用表面を横断しない、または投影対物レンズのすべての光学活性表面を実際に横断する間に適切な結像に必要とされる以外の順序で横断する偽光によって、偽像が投影対物レンズにおいて生じている。偽光がウエハに達するために、偶数回のさらなる反射が起きなければならない。さらなる反射は、屈折するように設計されているレンズ表面での反射から始まる。今後、光は他のレンズ表面で、またはカタディオプトリック投影対物レンズの場合には鏡で逆反射することができる。
【0010】
この新規ビーム経路に属する光学システムは、「拡大」光学システムとして呼ばれる。そのような「拡大」システムは、実際の投影対物レンズのように結像する。この結像に貢献する偽光は、多くは反射を減少させるための層も有する屈折表面での反射から主として生じるので、確かに弱いものである。
投影対物レンズの「拡大」光学システムは、偽像が投影対物レンズの像平面の近傍に生成されるように、偽光をウエハの方向に誘導する。
【0011】
いずれにしても、偽光ができるだけ効果的に抑制される投影対物レンズが必要であるように、投影対物レンズにおける偽光は投影対物レンズの結像特性を悪化させる。
マイクロリソグラフィ投影対物レンズにおけるさらに他の問題は、使用視野全体にわたって均一な開口を設けるという要求に関連して生じるものである。マイクロリソグラフィ用の投影対物レンズでは、たとえば、フォトリソグラフィ用対物レンズにおいて公知であるような口径食は望ましくない。先行技術から公知である投影対物レンズでは、投影対物レンズの瞳孔平面において一つの開口絞りのみを提供するのが一般的である。しかしながら、一つの開口絞りのみでは、使用視野にわたって所望の均一開口を保証することができないという光学設計が存在する。
【0012】
視野にわたる不均一開口の理由は、いくつかの光線は、投影対物レンズの設計開口より大きい開口を有する物体平面から始まり、かつそのとき非常に強い収差があるので、それらの実際の瞳孔平面が、設計開口に等しいまたはそれより小さい開口を有する光線に属する瞳孔平面から間隔が開けられているものもあるということである。よって、これらのいわゆるオーバ開口光線は、システム開口絞りによって必ずしもつぶされるものではないが、光学部品が光伝搬を横切る方向に十分延びる場合は像平面に達することができる。これらのオーバ開口光線は、典型的には強い収差があり、かつ像平面に達するとき像視野の均一性を妨げる。
【0013】
前述した問題に加え、またそれとは無関係に、像平面が完全に露光されないままであるように投影対物レンズのビーム経路における光をマスクすることが、マイクロリソグラフィ投影対物レンズにおける目的となる。そのようにする動機は、レンズ加熱修正のための情報を得るために、回折強度分布を測定することであってもよい。さらに、露光工程の中断中、所望であれば、たとえば、できるだけ均一でかつ回転対称である投影対物レンズを加熱するために、投影対物レンズに、結像に用いられる光と相補的である照明を供給することが考えられる。この場合もまた、光が像平面に入らないことを確認しなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】独国特許出願公開第101 27 227号明細書
【特許文献2】国際公開第2004/019128号パンフレット
【特許文献3】米国特許出願公開第2005/0190435号明細書
【特許文献4】国際公開第2004/107011号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、その結像特性が、迷光または偽光のより効果的な抑制によって改良される、最初に述べた種類のマクロリソグラフィ投影対物レンズを提供することである。
本発明のさらなる目的は、そのような投影対物レンズを有する投影露光機、およびそのような投影対物レンズを用いて半導体部品を製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の第1態様によれば、物体平面に配置されるパターンを像平面内に結像するマイクロリソグラフィ投影対物レンズが提供され、第1対物レンズ部と、第2対物レンズ部と、少なくとも一つの第3対物レンズ部とを備え、第2対物レンズ部は、第1対物レンズ部における光伝搬方向および第3対物レンズ部における光伝搬方向と異なる光伝搬方向を規定し、かつ第1対物レンズ部と第2対物レンズ部との間および第2対物レンズ部と第3対物レンズ部との間に少なくとも一つのビーム偏向装置をさらに備え、少なくとも一つのシールドは、第1対物レンズ部から第3対物レンズ部内への直接光漏れが少なくとも減少するようにしてビーム偏向装置の領域に配置される。
【0017】
第2対物レンズ部を抜かしつつ第1対物レンズ部から第3対物レンズ部内への直接光漏れを、ビーム偏向装置の領域にシールドを設けることによって回避することができる。ビーム偏向装置を通り過ぎて第1対物レンズ部から第3対物レンズ部内へ直接漏れ、かつパターンの像平面内への結像を歪める一因となる可能性のある反射は、シールドによって無害となる。像平面の迷光または偽光の部分は、ビーム偏向装置の領域に少なくとも一つのシールドを設けることによって少なくとも減少する。
【0018】
シールドは、好ましくは、結像ビーム経路を制限しないように配置および/または設計されるべきである。
本発明による投影対物レンズの場合に設けられるようなシールドは、システム開口絞りまたはそのような投影対物レンズに通常設けられる開口絞りと区別される。システム開口絞りは結像ビーム経路を制限し、一方シールドは、開口としてまたは開口がないシールド板として設計されるなら、結像に用いられる光の部分をできる限り制限または減少させてはならない。
【0019】
公知の投影対物レンズの場合のように、ビーム偏向装置が互いに対してある角度で配置される第1反射面および第2反射面を有するなら、少なくとも一つのシールドは、ビーム偏向装置の角頂点から第2対物レンズ部の方向に、すなわち部分的に該第2対物レンズ部内へ延びている。
この場合、シールドは、好ましくは板であり、好ましくは吸収性物質から、たとえば吸収性金属から作られる。あるいは、板上の吸収層によって吸収を達成することもできる。理想的には、吸収特性は用いる光の波長となる。
【0020】
シールドに加えて、ビーム偏向装置の領域では、投影対物レンズが第2および/または第3対物レンズ部に少なくとも一つの中間像を生成するときはいつでも、少なくとも一つのさらなる迷光シールドを中間像の領域に配置するのがさらに好ましい。
このようにして、像平面に入りかつ像平面においてパターンの像を悪化させる迷光および偽光の部分をさらに減少させることが可能である。
【0021】
中間像の領域に配置されるシールドは、好ましくは結像ビーム経路を制限しない迷光絞りである。
さらに、少なくとも一つの迷光シールドをその活性断面に対して位置調整することができおよび/または可変であるのが好ましい。
この場合、迷光の減少を、少なくとも一つの迷光シールドの活性断面の位置調整および/または設定によって、たとえば板状のシールドを拡大または縮小することによって、それぞれの投影対物レンズについて最適化することができ、少なくとも一つの迷光シールドの活性断面の位置調整または設定によって結像ビーム経路が少なくとも実質的に制限されないという点で、最適化工程が制限されるのは有利である。
【0022】
迷光シールドの活性断面の位置調整および/または設定は、好ましくは用いられる対物レンズ視野サイズの開口の照明モード(設定)に基づいて行われる。
すでに上述したように、先に記載した迷光絞りのみが、投影対物レンズの迷光または偽光のレベルを減少するが、照明ビーム経路を制限しないという機能を有している。
本発明による投影対物レンズは、特にカタディオプトリック投影対物レンズであり、その場合第2対物レンズ部がたとえばカタディオプトリックであり、かつ第3対物レンズ部がディオプトリック(屈折)であり、後者はこのように屈折光学素子からのみ構成される。
【0023】
本発明のさらなる態様にしたがって、物体平面に配置されるパターンを像平面内に結像するマイクロリソグラフィ投影対物レンズが提供され、少なくとも一つの光学作用表面をそれぞれ有する複数の光学部品を備え、複数の光学作用表面のうち、投影対物レンズ作動中、パターンを像平面内に結像する結像ビーム経路によって用いられない第1表面領域を有する少なくとも一つの第1光学作用表面を有する少なくとも一つの第1光学部品が存在し、少なくとも一つの第1光学作用表面には、偽光を抑制するために第1光学作用表面の、結像ビーム経路によって用いられない第1表面領域をマスクする少なくとも一つの第1シールドが割り当てられる。
【0024】
本発明の本態様の基本的な考え方は、特に、ステッパー/スキャナーとして設計される投影露光機において用いられるそれらの投影対物レンズの場合、およびウェハ上の四角または長方形視野が露光される場合、レンズまたは鏡であってもよい光学部品のいくつかは、結像ビーム経路によってそれらの表面全体にわたって用いられないということである。ここで、投影対物レンズにおいて偽光の伝搬を回避するためには、本発明による投影対物レンズの場合、少なくとも一つの光学部品、好ましくは多数の光学部品、特にレンズの未使用表面領域は、結像ビーム経路のために用いられないこれらの光学部品の表面領域内を偽光が伝搬できないように、少なくとも一つのシールドによってマスクされる。それによって、偽光の効果的な抑制を達成することが可能である。
【0025】
この場合には、少なくとも一つの第1シールドが、少なくとも一つの第1光学作用表面の直近傍に配置される板または開口絞りであることが好ましく、該開口絞りは、好ましくは結像ビーム経路の断面形状に適合する開口部を開口の位置に有している。
シールドとしての開口部を有する板または開口絞りの存在は、板または開口が可動設計のものであってもよいという利点を有し、その結果として、板または開口を適切に位置決めすることによって、偽光の抑制を最適化することが可能である。さらに、開口絞りは、簡単な手段によって、全視野照明用投影対物レンズから除去されてもよい。
【0026】
開口部は、少なくとも一つのシールドが開口部を有する開口絞りである場合、好ましくは実質的に長方形である。
開口絞りの形態である少なくとも一つのシールドは、この手段によって、ステッパーまたはスキャナーに存在するような長方形の結像ビーム経路に最適に適合される。
少なくとも一つの第1シールドは、結像ビーム経路によって用いられない光学部品の少なくとも一つの第1光学作用表面の第1表面領域上の遮蔽コーティングである場合特に好ましい。
【0027】
本手段の利点は、光学部品を製造する際に、このようなコーティングがすでに設けられているということにあり、光学部品の有効表面領域を計算によって事前に決定することが可能であるということである。
少なくとも一つのシールドが、板または開口絞りの形態で設けられるかコーティングの形態で設けられるかにかかわらず、少なくとも一つの第1シールドが、結像に用いられる光の波長について反射性である場合がさらに好ましい。
【0028】
あるいは、または偽光の反射に加えて、少なくとも一つの第1シールドが結像に用いられる光の波長について吸収性であるか、または該シールドに吸収コーティングが設けられる場合がさらに好ましい。
反射偽光と対比した吸収偽光の利点は、偽光のさらにより有効な抑制にある。
シールドの吸光度は、好ましくは少なくとも約95%であり、好ましくは少なくとも約98%である。
【0029】
このようにして、偽光は吸収によって特に有効に抑制され、かつ有害なフレアーは大幅に回避される。
さらに、吸収シールドの場合には、少なくとも一つの第1シールドが光触媒特性を有する場合が好ましい。
光触媒特性を用いて、少なくとも一つのシールドが少なくとも一つの光学部品の表面上で板または開口絞りの形態であってもコーティングの形態であっても、さらに、シールドの表面上で吸収された物質を分解または該分解を補助するのに有利な方法で用いることが可能である。たとえば、炭化水素等の有害物質の光触媒分解は、投影対物レンズの気層におけるこのような物質の濃度を減少させ、かつそれによって、透過または反射における減少をともなうような物質は、投影対物レンズの、たとえばレンズまたは鏡の有効領域上に沈殿しないようにする。
【0030】
さらなる好ましい改良形態では、少なくとも一つの第1シールドが割り当てられる少なくとも一つの第1光学作用表面は、近傍表面、特に結像ビーム経路の中間像の近傍または像平面もしくは物体平面の近傍に位置決めされる表面である。
投影対物レンズの他の光学部品と比較して、視野、特に中間像の近傍に配置される光学部品は、小さな光学使用表面のみを有し、一方光学表面の大きな部分は、結像ビーム経路には用いられない。特にこれらの部品にコーティングの形態のシールドが割り当てられるとき、偽光を抑制するのに特に好適であるのはまさにそのような部品である。特に、シールドを、物体平面と第1レンズとの間および/または最後のレンズと像平面との間に設けることができる。
【0031】
少なくとも一つの光学活性表面に少なくとも一つのシールドが割り当てられる光学部品は、鏡または他のレンズであってもよい。
さらに、本発明の第1態様による投影対物レンズの場合のように、少なくとも一つの第1シールドをその活性断面に対して位置調整および/または可変設定することができる場合が好ましい。
【0032】
同様に、少なくとも一つの第1シールドの設定を、結像ビーム経路を制限する投影対物レンズの開口の設定と共通して行うことができる場合もやはり好ましい。
少なくとも一つの第1シールドの設定は、好ましくは特にステッパーまたはスキャナー用の投影対物レンズと同様に、この場合結像のために用いられる像視野の大きさに応じたものとなる。
【0033】
少なくとも一つの第1シールドの設定は、好ましくは照明設定に応じて行われる。
照明設定は、使用される視野の大きさ、およびレティクル(パターン)を照明するために用いられる光の角度分布として理解される。
本発明の第2態様は、好都合なことに、カタディオプトリック投影対物レンズと同様に、特に、レティクルとウエハとの間に一つ以上の中間像を生成するそれらの投影対物レンズに使用される。
【0034】
そのような場合、複数の光学部品は、投影対物レンズの作動中、パターンを像平面内に結像するための結像ビーム経路によって用いられないさらなる表面領域を有する、少なくとも一つのさらなる光学作用表面を有する少なくとも一つのさらなる光学動作部品を有し、少なくとも一つのさらなる光学作用表面には、さらなる光学動作表面の結像ビーム経路によって用いられないさらなる表面領域をマスクする少なくとも一つのさらなるシールドが割り当てられる。
【0035】
特にコーティングの形態のシールドが割り当てられるウエハ上にレティクルを結像するための結像ビーム経路によって光学作用表面のみが用いられる光学部品が多いほど、より効果的に偽光を抑制することができ、それによって投影対物レンズの結像特性はさらに改良される。
本発明の第2態様を、好都合なことに、特に複数の光学部品が少なくとも2つの鏡または少なくとも4つの鏡を有する投影対物レンズの場合に使用することができる。
【0036】
さらに、本発明は、いわゆる乾式対物レンズの場合に使用されるだけでなく、投影対物レンズのウエハと終端素子との間に、光の有効波長を減少させかつ開口数を増加させる浸液が存在する液浸対物レンズに使用することができる。
本発明のまたさらなる態様によれば、物体平面に配置されるパターンを像平面内に結像するマイクロリソグラフィ投影対物レンズが提供され、少なくとも一つの鏡を含む複数の光学部品を備え、パターンを像平面内に結像するために用いることができる結像ビーム経路は、少なくとも一つの鏡の領域において、互いに対して斜めに延び、重複領域で少なくとも部分的に互いに重複し、かつ重複領域の外部で間隙によって互いに間隔が開けられているビーム経路セグメントを有し、偽光を抑制するための少なくとも一つのシールドが間隙に配置される。
【0037】
本発明の本態様の基本的な考え方は、少なくとも一つの鏡を有するカタディオプトリック対物レンズの場合に、少なくとも一つの鏡における反射によって少なくとも部分的に重複するが、重複領域の外部で別々に延び、そのときその間に確かに狭い間隙を残しておく、結像ビーム経路のビーム経路セグメントがあるということである。
そのようなビーム経路セグメントは、特にビーム経路が繰り返し通過する光学素子を有するカタディオプトリック投影対物レンズにおいて見られる。
【0038】
本発明の第3態様によれば、偽光の伝搬を抑制するために、シールドがこの間隙に導入される。それによって、偽光を抑制するためのシールドは2つのビームまたはビーム経路セグメント間の隙間を埋める。この場合、シールドは適切な結像ビーム経路と干渉しないが、偽光が間隙を越えて伝搬しないようにする。
本発明の第3の態様は、複数の光学部品が少なくとも一つの第1鏡および少なくとも一つの第2鏡を含む投影対物レンズの場合に特に有効に用いることができ、ビーム経路セグメントの一つは、第2鏡によって反射されるビーム経路セグメントであり、かつビーム経路セグメントの他の一つは、第1鏡によって反射されるビーム経路セグメントであり、該少なくとも一つのシールドは第1鏡と少なくとも一つの第2鏡との間に配置されている。
【0039】
この場合、2つの鏡間に配置されるシールドは、具体的には第2鏡の方へ伝搬するビームがシールドの像側でさえぎられ、一方シールドを通過する光ビームが、第2鏡での反射の後シールドの物体側によってさえぎられるということによって、両側で作用することができることが有利である。
2つの鏡間の空間の多くの順次導入されたシールドによっても遮断効果を達成することができる。
【0040】
好ましくは、少なくとも一つのシールドとして開口部を有する板または開口を提供することが可能であり、該少なくとも一つのシールドは好ましくは、第1または第2鏡上に固定される。
しかしながら、本発明の第3態様を、2つの鏡を有する投影対物レンズに使用することができるのみならず、好都合なことに3つ以上の鏡を有する他のカタディオプトリック対物レンズに使用することもできる。
【0041】
本発明の第4態様によれば、物体平面に配置されるパターンを像平面内に結像するマイクロリソグラフィ投影対物レンズが提供され、複数の光学部品と、第1瞳孔平面および少なくとも第2瞳孔平面とを備え、システム開口を規定する第1開口絞りは第1瞳孔平面の近くに少なくとも配置され、かつ少なくとも第2開口絞りをさらに備える。
本発明の本態様によれば、本発明によるマイクロリソグラフィ投影対物レンズには、少なくとも2つの開口絞りが設けられ、一方は公知の投影対物レンズにすでに存在するシステム開口を規定し、少なくとも一つのさらなる開口絞りは、物体平面から出るオーバ開口光を、このオーバ開口光が像平面に達するのを妨げるように遮蔽するのに特に役に立つことがある。該少なくとも一つの第2開口絞りは、好ましくは、オーバ開口光線が結像に用いられる光線から分離される投影対物レンズにおけるある位置に配置される。
【0042】
好ましくは、少なくとも一つの第2開口絞りは、特にオーバ開口光が結像のために用いられる光線からこの第2瞳孔平面において分離される場合、投影対物レンズの第1または第2瞳孔平面の近くまたは第2瞳孔平面に配置される。
少なくとも第2開口絞りがオーバ開口光をマスクするために用いられる場合、好ましくは、結像に用いられる光線からのオーバ開口光線の分離が最大である位置に配置される。
【0043】
少なくとも一つの第2開口絞りは、好ましくは、瞳孔平面からのある距離Lに配置され、Lは0.5D<L<2Dとなるように選択され、式中Dは複数の光学部品のうちの光学部品の最大直径を有する一つの光学部品の直径である。
さらに好ましい実施形態では、少なくとも一つの第2開口絞りは、複数の光学部品のうちの一つの光学部品上の非透過コーティングによって形成される。
【0044】
本手段は、開口絞りとして板を導入するのに十分な空間がない場合に有利である。非透過コーティングを、たとえばそれぞれの光学部品の表面の一部を黒くすることによって形成することができる。
少なくとも一つの第2開口絞りを、オーバ開口光線をマスクするためだけでなく、システム開口絞りと共動してビーム経路を遮断するために用いることができる。
【0045】
投影対物レンズに少なくとも第2開口絞りを設けることは、投影対物レンズが、非球面光学作用表面を有する少なくとも一つの光学部品を有する場合に特に有利である。
少なくとも一つの第2開口絞りを設けることは、投影対物レンズが、中間像平面によって分離される少なくとも2つの瞳孔平面を有する場合にも有利である。
少なくとも第2開口絞りを設けることのさらなる利点は、少なくとも一つの第2開口絞りが、最大開口のためのシステム開口絞りの機能にとって代わることができるので、調整可能なシステム開口絞りによって提供される最大口径の機械公差に対する要求を引き下げることができるということである。
【0046】
本発明のまたさらなる利点によれば、マイクロリソグラフィ投影露光機は、前述した種類の投影対物レンズを有する。
本発明のまたさらなる態様によれば、半導体部品および他の微細構造部品を製造するための方法が提供され、規定パターンを有するマスクが設けられ、マスクは、規定波長の紫外光で照射され、投影対物レンズの像平面の領域に配置される感光性基板上にパターンが結像される。
【0047】
さらなる利点および特徴は、次の説明から明らかとなろう。
以下でなお説明する上記の特徴を、それぞれ特定された組み合わせのみならず、本発明の範囲から逸脱することなく単独で用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】投影対物レンズの第1の例示的な実施形態を側面図で示す。
【図2】投影対物レンズのビーム偏向装置の領域における図1の投影対物レンズの拡 大断面図を示す。
【図3】投影対物レンズのさらなる例示的な実施形態を側面図で示す。
【図3A】図3の投影対物レンズの断面を拡大して示す。
【図4】図1の投影対物レンズを備える投影露光機を模式的に示す。
【図5】図1の投影対物レンズを、偽光抑制に関する修正を加えて示す。
【図6】偽光抑制の手段を有する投影対物レンズのさらなる例示的な実施形態を示す。
【図7】偽光抑制の手段を有する投影対物レンズのまたさらなる例示的な実施形態を示す。
【図8】偽光抑制の手段を有する投影対物レンズのまたさらなる例示的な実施形態を示す。
【図9】偽光抑制の手段を有する投影対物レンズのまたさらなる例示的な実施形態を示す。
【図10】偽光抑制の手段を有する投影対物レンズのまたさらなる例示的な実施形態を示す。
【図11】偽光抑制の手段を有する投影対物レンズのまたさらなる例示的な実施形態を示す。
【図12】本発明の他の態様による投影対物レンズのまたさらなる例示的な実施形態を示す。
【図12A】図12に示される投影対物レンズの部分拡大図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0049】
本発明の例証的な実施形態を、図面に図示し、かつそれを参照して以下でより詳細に説明する。
図1は、物体平面12に配置されるパターン(図示せず)を像平面14内に結像するための、一般参照符号10を付けたマイクロリソグラフィ投影対物レンズを示している。
投影対物レンズ10は、第1対物レンズ部16、第2対物レンズ部18、および第3対物レンズ部20を有している。
【0050】
第1対物レンズ部16は、ディオプトリックであり、かつレンズL1によって形成されている。
第2対物レンズ部18は、カタディオプトリックであり、かつレンズL2、L3および凹面鏡M2を有している。
第3対物レンズ部20は、ディオプトリックであり、かつレンズL4〜L17および端部平面L18を有している。
【0051】
図1に示すように、第2対物レンズ部18における光伝搬方向は、第1対物レンズ部12および第3対物レンズ部20における光伝搬方向と異なっている。この結果、投影対物レンズ10は、2つの折畳み鏡M1およびM3によって示される、例示的な実施形態において形成されるビーム偏向装置22を有している。折畳み鏡M1は、第1対物レンズ部16から鏡M2に向かって第2対物レンズ部内18に入る光ビームを偏向し、第2折畳み鏡M3は、第2対物レンズ部18から第3対物レンズ部20内に入る光ビームを偏向する。
【0052】
第3対物レンズ部20における光伝搬方向は、第1対物レンズ部16における光伝搬方向に対応する。
光を透過しないシールド24はビーム偏向装置22の領域に、第1対物レンズ部16から第3対物レンズ部20への直接の光漏れ、たとえばレンズL1の表面からの反射を回避するために設けられている。特にシールド24は、第2対物レンズ部18を抜かして第1対物レンズ部16から第3対物レンズ部20内へ光が漏れるのを防ぎ、すなわち、光がレンズL2,L3を通過しないで鏡M2で反射されるのを防ぐ。
【0053】
すでに述べたように、図1および図2に図示するように、ビーム偏向装置22はその反射表面が互いに対してある角度で配置される2つの折畳み鏡M1およびM3によって形成されている。2つの反射表面、すなわち鏡M1およびM3は、互いに対してある角度(ここではほぼ90度)で行われるビーム偏向に従って配置され、シールド24は、第2対物レンズ部分18の方向において2つの鏡M1およびM3の角頂点から延びている。
【0054】
シールド24は、板26、たとえば、用いられる光の波長領域において吸収する金属板である。さらに、この板には吸収層を設けることができる。しかしながら、金属板の代わりに、吸収性となるように被覆されていてもよい他の材料から作られる素子を用いることもできる。図2によれば、2つの鏡M1およびM3は板26をそこに位置決めすることができ、かつ有効な光をマスクしないように、角頂点で互いにわずかに間隔が開けられている。
【0055】
シールド24は、結像ビーム経路、すなわち、結像のために用いられる光のビーム経路を制限しないように設計され、配置されている。第2対物レンズ部18内への光伝搬の方向における板26の位置決めおよび範囲は、相応して設計される。
さらなるシールド28は、投影対物レンズ10における迷光のレベルをさらに減少させるために、第3対物レンズ部20において作成される中間像30の領域に配置されている。
【0056】
シールド28は、迷光の通過を減少させる迷光絞り32を備えている。しかしながら、迷光絞り32は、結像ビーム経路を制限するのに役立つシステム開口絞り34と区別される。対照的に、迷光絞り32は、結像ビーム経路を制限しないが、投影対物レンズ10における迷光部分を減少させるのに役立つ。
好ましくは、シールド24および/またはシールド28を、活性断面に対して位置調整および/または可変設定することができると規定されている。たとえば迷光を減少させるために、シールド24の板26は、板26の最適位置および最適活性断面を設定することができるように可動でありかつ可変長であってよい。迷光シールドの活性断面の位置調整および/または設定は、好ましくは、対物レンズの開口および/または用いられる物体視野の大きさの照明モード(設定)に応じて行われる。
【0057】
たとえば、迷光絞り32の場合には、迷光絞り32の開口部断面を変更および/または迷光絞り32が最適位置となるように位置調整することができるように構成すると規定することができる。
投影対物レンズ10における迷光のレベルを減少させるために、投影対物レンズ10にさらなるシールドを設けることができるのは自明なことである。
【0058】
好適に装着されたシールドによって、約30%以上の迷光の減少が、て可能な範囲内にあることが明らかになってきた。
図3は、物体平面42に配置されるパターン(図示せず)を像平面44に結像する、さらなるマイクロリソグラフィ投影対物レンズ40を図示している。
投影対物レンズ40は、設計のより正確な説明のために参照が可能な上記特許文献2に開示されている。
【0059】
投影対物レンズ10と同様、投影対物レンズ40は、カタディオプトリック投影対物レンズであり、投影対物レンズ40は、板L1およびレンズL2〜L11を有する第1対物レンズ部46、レンズL12,L13および鏡M2を有する第2対物レンズ部48、およびレンズL14〜L28を有する第3対物レンズ部50を有している。
図1の例示的な実施形態の場合におけるように、折畳み鏡M1および折畳み鏡M3を備えるビーム偏向装置52は、第1対物レンズ部46と第2対物レンズ部48との間または第2対物レンズ部48と第3対物レンズ部50との間に配置される。
【0060】
投影対物レンズ40の場合もまた、偏向装置52の領域には、投影対物レンズ10のシールド24に相当するシールド54が設けられており、迷光が第1対物レンズ部46から第3対物レンズ部50内へ漏れないようにする効果がある。
ビーム偏向装置52の領域における投影対物レンズ40の拡大断面を、図3Aに図示する。シールド54に加えて、投影対物レンズ40の場合には、投影対物レンズ40の中間像の領域にそれぞれ配置されるさらなるシールド54aおよびさらなるシールド54bが設けられている。シールド54および54bは、迷光絞りとして設計されている。
【0061】
その他の点については、シールド54の構成に関して図1のシールド24の説明を参照することが可能であり、すなわちシールド54の構成はシールド24の構成に対応している。
図4の一般参照符号60は、たとえば、投影対物レンズ10が用いられる投影露光機を示している。投影露光機は、レーザの帯域幅を狭める装置64を有するレーザ光源62を備えている。照明システム66は、下流の投影対物レンズ10のテレセントリック要求に適合している、大きく、境界がはっきりしており、かつ非常に均質に照射された像視野を作成する。照明システム66は、照明モードを選択する装置を有し、かつ該照明システムを、たとえば、さまざまな種類のコヒーレンスを有する従来の照明、環状視野照明、および双極子または四重極照明間で切り替えることができる。照明システムの後に配置されるのは、マスク70が投影対物レンズ10の物体平面12に存在し、かつこの平面内で走査動作のために移動することができるようにマスク70を保持しかつ操作する装置68である。装置68は同様に走査駆動装置を備えている。
【0062】
物体平面12に続くのは、マスク70の像を感光層で被覆され、かつ投影対物レンズ10の像平面14に配置される基板、つまりウエハ72上に縮小して投影する投影対物レンズ10である。基板、つまりウエハ72は、マスク70と同期して該ウエハを移動させるためにスキャナー駆動装置を備える装置74によって保持されている。すべてのシステムは、制御ユニット74によって制御される。そのようなシステムの設計は、それらの動作モードと同様に、それ自体公知であり、それゆえここではより詳細に説明しない。
【0063】
半導体部品および他の微細構造アセンブリを製造する方法の場合、マスク70には規定パターン(図示せず)が設けられる。照明装置66を用いて、マスク70はレーザ62から所定波長の紫外光で照射される。この場合、文献から十分周知であるさまざまな照明モードを設定することが可能である。次に、マスク70のパターンは、投影対物レンズ10を用いて、基板、つまりウエハ72上にかつ投影対物レンズ10の像平面14内に結像される。この場合、さまざまな開口の開口部を設定することができる。
【0064】
図5は、図1の投影対物レンズ10をもう一度示し、偽光抑制のさらなる手段が投影対物レンズ10に設けられている。
偽光を抑制するために以下で説明するシールドは、これらのシールドが割り当てられる光学部品のそれぞれの未使用表面領域をマスクするのに役に立つ。したがって、これらのシールドの機能は、すでに上述し、かつ第2対物レンズ18を抜かして第1対物レンズ部16から第3対物レンズ部20内へ光が伝搬しないようにする機能があるシールド24とは異なっている。
【0065】
図5によれば、レンズL5は、対物レンズ12を像平面14内に結像する結像ビーム経路によって用いられない表面領域UL5を有している。偽光を抑制するためにレンズL5の未使用表面領域UL5をマスクするシールド80は、この未使用表面領域UL5に割り当てられる。シールド80は、特に結像に用いられる光の波長を吸収するコーティング82の形態で設計される。シールド80の吸光度は、この場合少なくとも約95%であり、好ましくは少なくとも約98%である。しかしながら、コーティング82の形態のシールド80は、代替的にまたは付加的に反射特性を持つこともできる。
【0066】
シールド80は、さらに好ましくは、その上に堆積される汚染物質、たとえば炭化水素を分解するために光触媒特性を有する。それによって、光学部品間に位置決めされる投影対物レンズ10の気層は、それによってこれらの汚染物質が除かれる。
レンズL5は、視野平面の近傍、具体的には中間像30の近傍に位置決めされている。しかしながら、迷光絞り32と対照してみると、シールド80はレンズL5に直接割り当てられ、かつコーティング82の形態でレンズL5に直接塗布されている。
【0067】
偽光を抑制するためのシールドの割り当に好適なさらなる光学部品は、結像ビーム経路によって用いられない表面領域UL6を有するレンズL6である。レンズL6は、やはりレンズL6の光学活性表面上にコーティング86の形態で塗布されるシールドが同様に割り当てられている。
像平面14に直接隣接している最後のレンズ素子L18は、図5に図示するように、結像ビーム経路によって用いられない表面領域UL18を有する。コーティング90から形成されるさらなるシールド88は、同様に、両側で最後のレンズ素子L18に割り当てられる。最後のレンズ素子L18の場合には、コーティング90は、有効な光がコーティングの形態のシールド88の開口部を像平面14までコーティングの形態で貫通することができるように、その上に環状で形成される。
【0068】
図6は、図5を参照して前述したように、偽光抑制の手段が提供されるさらなるカタディオプトリック投影対物レンズ100を示している。投影対物レンズ100は、設計のより正確な説明について参照してもよい上記特許文献3に開示されている。
投影対物レンズ100は、像平面102内に物体平面101を結像する。投影対物レンズ100は、物体平面101と像平面102との間に、カタディオプトリック対物レンズ部105に位置決めされ、その上流に屈折対物レンズ部106が位置決めされ、かつその下流に屈折対物レンズ部107が位置決めされる、2つの中間像103および104を生成する。
【0069】
レンズおよび2つの鏡を備える投影対物レンズ100の複数の光学部品のなかには、少なくとも一つの光学作用表面が、投影対物レンズの動作中、物体平面101を像平面102内に結像するための結像ビーム経路によって用いられない表面領域を有するものがある。これらの光学部品は、シールドに直接割り当てられるのに好適である。
コーティング112の形態のシールドに割り当てられるレンズ108は、これらの光学部品に属している。コーティング112は、像側ではレンズ108の光学作用表面に塗布され、かつ好ましくは、図5を参照してすでに説明したコーティング82、86および90の特性も同様に有している。
【0070】
投影対物レンズ100の鏡114は、同様に、光によって用いられずかつ遮蔽コーティング116が設けられる表面領域を有している。
鏡114に直接隣接するレンズ118は、結像ビーム経路によって用いられない表面領域を有し、かつ同様に遮蔽コーティング120が設けられる光学作用表面を有している。
最後に、最後のレンズ素子122には、同様に遮蔽コーティング124が設けられる。
【0071】
記載したようなシールドが割り当てられる上述した光学部品は、すべて視野の近くにあり、レンズ108,118および鏡116は、中間像103および104の近傍に配置され、一方最後のレンズ素子122は、像平面102の近傍に配置されている。このような近視野光学部品は、特に偽光を抑制する目的で、それぞれの光学部品の光学作用表面のそれぞれの未使用表面領域をマスクするシールドが直接割り当てられるのに好適である。
【0072】
図7はさらなる投影対物レンズ200を示し、その場合偽光を抑制するために、図5および図6に類似の手段が提供される。投影対物レンズ200は、同様に上記特許文献3に開示されている。
投影対物レンズ200は、物体平面201を像平面202内に結像する複数の光学部品を有している。投影対物レンズ200は、屈折第1対物レンズ部210、2つの鏡221および222から形成されるカトプトリック(反射)第2対物レンズ部220、および屈折第3対物レンズ部230を有している。
【0073】
中間像203および中間像204は、カトプトリック対物レンズ部220に生成される。
第1対物レンズ部210の最後のレンズ232には、遮蔽コーティング234が設けられる。第3対物レンズ部230の第1レンズ236には、遮蔽コーティング238が設けられる。最後のレンズ素子240には、遮蔽コーティング242が設けられる。
【0074】
ここでもやはり、近視野光学部品は、偽光を抑制する手段のために選択されてきた。
最後に、図8は、さらなる投影対物レンズ300を示し、その場合偽光を抑制する手段が提供される。投影対物レンズ300は、同様に上記特許文献3に開示されている。
投影対物レンズ部300は、物体平面301を像平面302内に結像するカタディオプトリック投影対物レンズである。投影対物レンズ300は、屈折第1対物レンズ部310、カトプリック第2対物レンズ部320、および屈折第3対物レンズ部330を有している。
【0075】
カトプリック対物レンズ部320は、4つの鏡306,307,321および322を有している。
投影対物レンズ300は、カトプリック対物レンズ部320に中間像を生成する。
視野の近くの位置に位置決めされるレンズ332は、結像ビーム経路によって用いられない表面領域を有し、かつ該レンズには遮蔽コーティング334が設けられる。さらなるレンズ336には、遮蔽コーティング338が設けられ、かつさらなるレンズ340には、遮蔽コーティング342が設けられる。
【0076】
最後のレンズ素子344には、同様に遮蔽コーティング346が設けられる。
特にこのような投影対物レンズ部が液浸対物レンズとして設計される場合、最後のレンズ素子、たとえばレンズ素子344には、好ましくは、最後のレンズ素子344を浸液による劣化から保護するコーティングが設けられる。このような場合、この保護コーティングを、特に遮蔽作用を用いて設計することも可能であり、すなわち保護層はそのとき最後のレンズ素子344を保護するだけでなく、偽光を抑制するのにも役立つ。
【0077】
図9〜図11は投影対物レンズを示し、その場合本発明にしたがって偽光抑制の手段が提供される。
以下で説明する投影対物レンズの場合に行う偽光抑制の手段は、次の原理に基づいている。少なくとも一つの鏡を有する投影対物レンズの場合には、パターンを像平面内に結像するために用いることができる結像ビーム経路は、少なくとも一つの鏡の領域において、互いに対して斜めに走行し、かつ重複領域において少なくとも部分的に互いに重複するビーム経路セグメントを有することができる。ビーム経路セグメントは、重複領域の外部の間隙または自由空間によって互いに間隔が開けられている。シールドは、この場合、偽光を抑制するために間隙に配置される。このような投影対物レンズが、ビーム経路セグメント間または光束間に多数のこのような間隙または自由空間を有する場合、好ましくは、これらの自由空間または間隙が偽光の伝搬にもはや利用できないように、たとえば、一つ以上の迷光絞りの形態でこれらの自由空間の各々にシールドを導入することが可能である。このようにして偽光を有効に抑制することができる。
【0078】
図9は、物体平面402と像平面404との間に、第1カタディオプトリック対物部分406および第2ディオプトリック対物部分408を有する投影対物レンズ400を示している。投影対物レンズ400は、上記特許文献4の図5に記載されている。
カタディオプトリック対物レンズ部406は、第1鏡410および第2鏡412を有している。
【0079】
偽光の伝搬を抑制するために、第1シールド414は迷光絞り416の形態で設けられ、かつ第2シールド418は迷光絞り420の形態で設けられている。仕切のない設計の迷光絞りの部分としても設計してもよい迷光絞り416および420は、図9からわかるように、鏡410および412の近傍に位置決めされ、迷光絞り416は鏡410と鏡412との間の領域に延びている。迷光絞り420は、鏡410と鏡412との間の領域に突出する部分422も有している。迷光絞り416および420は、光束間の自由空間が2つの鏡410および412の間で埋められるように設置されている。迷光絞り416および420の、光学軸440に対して半径方向に延びている部分416aおよび420aにより、偽光が、後者すなわち迷光絞り416および420を抜かしつつ物体平面402から第1鏡410に沿ってまたは第2鏡412に沿って通過しないようにし、かつレンズが第2対物レンズ部408を像平面404上に結像しないようにする。
【0080】
図10は、同様に、上記特許文献4の図9に示され、かつ該文献に記載される投影対物レンズ500を示している。
投影対物レンズ500は、物体平面502と像平面504との間に、投影対物レンズ500が構成される、投影対物レンズ500の2つの対物レンズ部514および516に属する4つの鏡506,508,510および512を有している。
【0081】
シールド518,520および522は、投影対物レンズ500の場合には、偽光の伝搬を抑制するために設けられる。シールド518は、一つのサブアセンブリとして設計することができる部分526,528および530を有する迷光絞り524であり、適切な通路が、結像のために設けられる結像光用迷光絞り424に設けられている。シールド520および522は、同様に結像光の光束間の自由空間に配置される迷光絞りの形態で設計される。
【0082】
最後に、図11は、上記特許文献4の図14に図示され、かつ該文献に記載される投影対物レンズ600を示している。
投影対物レンズは、物体平面602と像平面604との間、具体的には伝搬の方向に第1鏡606、第2鏡608、第3鏡610、第4鏡612、第5鏡614、および第6鏡616の合計6つの鏡を有している。
【0083】
投影対物レンズ600における偽光の伝搬を防ぐために、多数のシールドが、鏡606〜616の領域における迷光絞り618,620,622および624の形態で配置され、これらもやはり同様に偽光の伝搬にさからって結像のために用いられる光束間の自由空間を遮蔽する。
図12は、物体平面702に配置されるパターンを像平面704内に結像するマイクロリソグラフィ投影対物レンズ700の他の実施形態を示している。
【0084】
投影対物レンズ700は、複数の光学部品705〜733を備え、光学部品713,717および718は鏡であり、光学部品705〜733のうちの残りの部品はレンズである。
投影対物レンズ700は、第1開口絞り738が配置される第1瞳孔平面736をさらに有している。断面で調整可能である開口絞り738は、投影対物レンズ700のシステムまたは設計開口を規定する。第2瞳孔平面740は、光学部品707と光学部品708との間に存在する。
【0085】
図12の図示において、物体平面702のパターンの照射領域を説明する、物体平面702の2つの視野点742および744を示す。光線は、視野点742および744から光学部品705〜733を伝搬し、領域746の像平面704に達する。領域746の像平面746に達する光線は、物体平面702に配置されるパターンを物体平面704内に結像するために用いられる。
【0086】
図12に示すように、他の光線、たとえば同じく視野点742から始まる光線749の開口よりも大きい開口で始まる、物体面702の視野点742からの光線748がある。光線748は、オーバ開口光線と呼ばれる。
図12Aは、4つの第1光学部品705〜708を拡大して示し、視野点742および744からの光線をより詳細に示している。
【0087】
実際には小さな光線束であるオーバ開口光線748は、結像に用いられる光線から部分的に分離され、結像に用いられる光線から部分的に分離される投影対物レンズ700を伝搬し、一部は結像のために用いられる光線から分離されず、後者の光線は領域746の像平面704に達する。その代わりに、オーバ開口光線は領域750の像平面704に達する。オーバ開口光線748は、特に像平面704に不均一視野を生成することによって結像を妨げる。
【0088】
オーバ開口光線748が像平面704に達しないようにするために、システム開口絞り738に加えて、少なくとも第2開口絞りが以下に説明するように、投影対物レンズ700に設けられる。
第2開口絞りは、好ましくは、投影対物レンズ700のある位置に配置され、そこでオーバ開口光線748は、結像に役に立つ「通常」光線から分離される。このような位置は、たとえば、光学部品706と光学部品707との間の空間(図12Aの矢印752を参照)および/または光学部品707と708との間の位置(図12Aの矢印754を参照)であってもよい。後者の場合、光学部品707と光学部品708との間の空間が小さいため、第2開口絞りを、露光作業に用いられる光に対して非透過的である光学部品707または708上にコーティング756によって形成することができる。コーティングを、たとえば、光学部品707の表面のそれぞれの部分を黒くすることによって形成することができる。
【0089】
矢印752によって示す位置では、少なくとも一つの第2開口絞りを、オーバ開口光線748を遮蔽するまたはマスクするための適切な遮蔽特性を有する板によって形成することができる。
オーバ開口光線748をマスクするための少なくとも第2開口絞りを配置するのに非常に好適である他の位置は、投影対物レンズ700の領域758にあり、そこでオーバ開口光線748は、結像に用いられ、かつ光学軸に対して最も高い光線である光線760から大幅に分離される。「通常」光線よりはるかに大きい光線748が部品724から出る場合、強く屈折されるまたは収差があることが、図12から分かる。
【0090】
たとえば、第2すなわちさらなる開口絞り762を、光学部品725と光学部品726との間および/または光学部品726と727との間等に配置することができる。
第2すなわちさらなる開口絞り762の位置は、好ましくは、システム開口738からの開口絞り762の距離Lが0.5D<L<2Dであるように選択され、式中Dはこの領域の光学部品の最大直径である。
【0091】
たとえば、矢印752によって示す位置に配置した際の少なくとも一つの第2開口絞り、すなわち開口絞り762は、好ましくは固定開口絞りであり、かつシステム開口を規定する開口絞り738は、その有効断面に関して調整可能である。
投影対物レンズ700は、第1瞳孔平面738と第2瞳孔平面740との間に少なくとも一つの中間像平面を有している。さらに、投影対物レンズ700の光学部品705〜733の少なくも一つは、非球面光学作用表面を有していてもよい。特に非球面作用表面を持つ部品を有する投影対物レンズでは、オーバ開口光線748のようなオーバ開口光線は、非球面部品がない投影対物レンズにおけるように大きな収差がある。したがって、少なくとも第2開口絞りを非球面部品を有するそのような投影対物レンズに設けることは特に有利である。
【0092】
図12を参照して説明したような少なくとも第2開口絞りを、適切であれば図1〜図11に示す投影対物レンズのうちの任意のものにも設けることができる。逆に、図1〜図11に関して説明した偽光を遮蔽するシールドを、投影対物レンズ700内にも設けることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体平面に配置されるパターンを像平面内に結像するマイクロリソグラフィ投影対物レンズであって、第1対物レンズ部と、第2対物レンズ部と、少なくとも一つの第3対物レンズ部とを備え、
前記第2対物レンズ部は、前記第1対物レンズ部における光伝搬方向および前記第3対物レンズ部における光伝搬方向と異なる光伝搬方向を規定し、
前記第1対物レンズ部と前記第2対物レンズ部との間および前記第2対物レンズ部と前記第3対物レンズ部との間に少なくとも一つのビーム偏向装置をさらに備え、
少なくとも一つのシールドが、前記第1対物レンズ部から第3対物レンズ部内への直接光漏れが少なくとも減少するようにして前記ビーム偏向装置の領域に配置される、マイクロリソグラフィ投影対物レンズ。
【請求項2】
前記シールドは、前記結像ビーム経路を制限しない、請求項1に記載の投影対物レンズ。
【請求項3】
前記ビーム偏向装置は、互いに対してある角度で配置される第1反射面および第2反射面を有し、かつ前記少なくとも一つのシールドは、前記ビーム偏向装置の角頂点から前記第2対物レンズ部の方向に延びている、請求項1または2に記載の投影対物レンズ。
【請求項4】
前記シールドは、板である、請求項3に記載の投影対物レンズ。
【請求項5】
前記シールドは、吸収性であるまたは吸収層で被覆されている、請求項3または4に記載の投影対物レンズ。
【請求項6】
少なくとも一つの中間像は、前記第2および/または第3対物レンズ部で生成され、かつ少なくとも一つのさらなるシールドは、前記中間像の領域に配置される、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の投影対物レンズ。
【請求項7】
前記少なくとも一つのさらなるシールドは、前記結像ビーム経路を制限しない開口である、請求項6に記載の投影対物レンズ。
【請求項8】
前記第2対物レンズ部は、カタディオプトリックである、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の投影対物レンズ。
【請求項9】
前記第3対物レンズ部は、ディオプトリックである、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の投影対物レンズ。
【請求項10】
前記少なくとも一つのシールドをその活性断面に対して位置調整および/または可変設定することができる、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の投影対物レンズ。
【請求項11】
前記シールドの設定を、前記結像ビーム経路を制限する前記対物レンズの開口の設定と共通に行うことができる、請求項10に記載の投影対物レンズ。
【請求項12】
前記シールドの設定は、結像に用いられる前記像視野の大きさに応じて行われる、請求項10または11に記載の投影対物レンズ。
【請求項13】
前記シールドの設定を、照明設定として行うことができる、請求項10ないし12のいずれか1項に記載の投影対物レンズ。
【請求項14】
少なくともさらなるシールドが前記物体平面からオーバ開口光を遮蔽するように配置される、請求項1ないし13のいずれか1項に記載の投影対物レンズ。
【請求項15】
物体平面に配置されるパターンを像平面内に結像するマイクロリソグラフィ投影対物レンズであって、少なくとも一つの光学活性表面をそれぞれ有する複数の光学部品を備え、
前記複数の光学部品のうち、前記投影対物レンズの作動中、前記パターンを前記像平面内に結像する前記結像ビーム経路に用いられない第1表面領域を有する少なくとも一つの第1光学作用表面を持った少なくとも一つの第1光学部品が存在し、
前記少なくとも一つの第1光学作用表面には、偽光を抑制するために前記第1光学作用表面の、前記結像ビーム経路に用いられない前記第1表面領域をマスクする少なくとも一つの第1シールドが割り当てられる、投影対物レンズ。
【請求項16】
前記少なくとも一つの第1シールドは、前記少なくとも一つの第1光学作用表面の直近傍に配置される平面である、請求項15に記載の投影対物レンズ。
【請求項17】
前記少なくとも一つの第1シールドは、前記少なくとも一つの第1光学作用表面の前記直近傍に配置される開口であり、かつ前記結像ビーム経路の断面形状に適合する開口部を前記開口の位置に有する、請求項15に記載の投影対物レンズ。
【請求項18】
前記開口部は実質的に長方形である、請求項17に記載の投影対物レンズ。
【請求項19】
前記少なくとも一つの第1シールドは、前記結像ビーム経路によって用いられない前記第1表面領域上の遮蔽コーティングである、請求項15に記載の投影対物レンズ。
【請求項20】
前記少なくとも一つの第1シールドは、結像に用いられる前記光の波長において反射性である、請求項15ないし19のいずれか1項に記載の投影対物レンズ。
【請求項21】
前記少なくとも一つの第1シールドは、結像に用いられる前記光の波長について吸収性である、または吸収コーティングが設けられる、請求項15ないし19のいずれか1項に記載の投影対物レンズ。
【請求項22】
前記シールドの吸収度は、少なくとも約95%であり、好ましくは少なくとも約98%である、請求項21に記載の投影対物レンズ。
【請求項23】
前記少なくとも一つの第1シールドは光触媒特性を有する、請求項21または22に記載の投影対物レンズ。
【請求項24】
前記少なくとも一つの第1シールドが割り当てられる前記少なくとも一つの第1光学作用表面は、近傍表面、特に前記結像ビーム経路の中間像の近傍または前記像平面もしくは前記物体表面の近傍に位置決めされる表面である、請求項15ないし23のいずれか1項に記載の投影対物レンズ。
【請求項25】
前記少なくとも一つのシールドは、前記物体平面と前記投影対物レンズの前記第1光学部品との間および/または前記投影対物レンズの最後の光学部品と前記像平面との間に配置される、請求項15ないし24のいずれか1項に記載の投影対物レンズ。
【請求項26】
少なくとも一つの光学作用表面に前記少なくとも一つのシールドが割り当てられる前記少なくとも一つの光学部品は鏡である、請求項15ないし25のいずれか1項に記載の投影対物レンズ。
【請求項27】
少なくとも一つの光学作用表面に前記少なくとも一つのシールドが割り当てられる前記少なくとも一つの光学部品はレンズである、請求項15ないし26のいずれか1項に記載の投影対物レンズ。
【請求項28】
前記少なくとも一つの第1シールドをその活性断面に対して位置調整および/または可変設定することができる、請求項15ないし27のいずれか1項に記載の投影対物レンズ。
【請求項29】
前記少なくとも一つの第1シールドの設定を、前記結像ビーム経路を制限する前記投影対物レンズの開口の設定と共通に行うことができる、請求項28に記載の投影対物レンズ。
【請求項30】
前記少なくとも一つの第1シールドの設定は、結像に用いられる前記像視野の大きさに応じて行われる、請求項28または29に記載の投影対物レンズ。
【請求項31】
前記少なくとも一つの第1シールドの設定を、照明設定として行うことができる、請求項28ないし30のいずれか1項に記載の投影対物レンズ。
【請求項32】
前記複数の光学部品は、前記投影対物レンズの作動中、前記パターンを前記像平面内に結像するための前記結像ビーム経路によって用いられないさらなる表面領域を有する、少なくとも一つのさらなる光学作用表面を有する少なくとも一つのさらなる光学部品を有し、前記少なくとも一つのさらなる光学作用表面は、前記さらなる光学作用表面の前記結像ビーム経路によって用いられない前記さらなる表面領域をマスクする少なくとも一つのさらなるシールドが割り当てられる、請求項15ないし31のいずれか1項に記載の投影対物レンズ。
【請求項33】
前記複数の光学部品は少なくとも2つの鏡を備える、請求項15ないし32のいずれか1項に記載の投影対物レンズ。
【請求項34】
前記複数の光学部品は少なくとも4つの鏡を備える、請求項33に記載の投影対物レンズ。
【請求項35】
液浸対物レンズとして設計される、請求項15ないし34のいずれか1項に記載の投影対物レンズ。
【請求項36】
少なくともさらなるシールドが前記物体平面からのオーバ開口光を遮蔽するように配置される、請求項15ないし35のいずれか1項に記載の投影対物レンズ。
【請求項37】
物体平面に配置されるパターンを像平面内に結像するマイクロリソグラフィ投影対物レンズであって、複数の光学部品と、第1瞳孔平面および少なくとも第2瞳孔平面とを備え、
システム開口を規定する第1開口絞りは、前記第1瞳孔平面の近くに少なくとも配置され、少なくとも第2開口絞りをさらに備える、投影対物レンズ。
【請求項38】
前記少なくとも一つの第2開口絞りは前記第1または第2瞳孔平面の近くに配置される、請求項37に記載の投影対物レンズ。
【請求項39】
前記少なくとも一つの第2開口絞りは前記少なくとも一つの第2瞳孔平面に配置される、請求項38に記載の投影対物レンズ。
【請求項40】
前記少なくとも一つの第2開口絞りは固定開口絞りである、請求項37ないし39のいずれか1項に記載の投影対物レンズ。
【請求項41】
前記少なくとも一つの第1開口絞りはその有効断面に対して調整可能である、請求項37ないし40のいずれか1項に記載の投影対物レンズ。
【請求項42】
前記少なくとも一つの第2開口絞りは前記複数の光学部品のうちの一つの光学部品上の非透過コーティングによって形成される、請求項37ないし41のいずれか1項に記載の投影対物レンズ。
【請求項43】
前記少なくとも一つの第2開口絞りは前記複数の光学部品のうち2つの隣接する部品間に配置される板によって形成される、請求項37ないし41のいずれか1項に記載の投影対物レンズ。
【請求項44】
前記複数の光学部品のうちの前記光学部品の少なくとも一つは、非球面光学作用表面を有する、請求項37ないし43のいずれか1項に記載の投影対物レンズ。
【請求項45】
約0.8より大きく、好ましくは約1より大きい像側の開口数を有する、請求項37ないし44のいずれか1項に記載の投影対物レンズ。
【請求項46】
前記少なくとも一つの第2開口絞りの前記像平面に最も近い前記瞳孔平面からの距離Lは、0.5D<L<2Dとなるように選択され、式中Dは前記複数の光学部品のうち、前記光学部品の最大直径を有する一つの光学部品の直径である、請求項37ないし47のいずれか1項に記載の投影対物レンズ。
【請求項47】
前記第1瞳孔平面と前記少なくとも一つの第2瞳孔平面との間に、少なくとも一つの中間像平面を有する、請求項37ないし46のいずれか1項に記載の投影対物レンズ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図12A】
image rotate


【公開番号】特開2012−186508(P2012−186508A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−139049(P2012−139049)
【出願日】平成24年6月20日(2012.6.20)
【分割の表示】特願2008−513975(P2008−513975)の分割
【原出願日】平成18年5月23日(2006.5.23)
【出願人】(503263355)カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー (435)
【Fターム(参考)】