説明

マイクロ波無線通信システム

【課題】マイクロ波通信ネットワークのアップグレード時に確度良く適切な伝送品質を確保できるマイクロ波無線通信システムを提供する。
【解決手段】一方が有線通信にて連結され、他方がマイクロ波無線通信にて連結される複数のマイクロ波通信装置10と、複数のマイクロ波通信装置10により構成されるマイクロ波通信ネットワークを監視および制御するネットワーク監視装置30と、を備えたマイクロ波無線通信システムであって、ネットワーク監視装置30は、所定区間のマイクロ波通信装置10のアップグレードの際に、当該マイクロ波通信装置10の通信制御用設定値の変更を受け付ける受付部208と、変更に従って、当該マイクロ波通信装置10をアップグレードする装置制御部210と、アップグレードされたマイクロ波通信ネットワークの伝送品質を測定するデータ収集部220と、測定した伝送品質を提示するモニタ34と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ波無線通信システムに関し、特に、マイクロ波通信ネットワークの所定区間のマイクロ波無線通信装置をアップグレード可能なマイクロ波無線通信システム、マイクロ波通信ネットワーク監視装置、マイクロ波通信装置、ネットワーク監視プログラム、および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のマイクロ波無線通信システムとしては、例えば特許文献1に記載されたものがある。同文献に記載された無線通信システムは、最上位のマスタ局のマイクロ波無線通信装置からその配下の複数のマイクロ波無線通信装置への効率的な監視制御を実現可能な無線通信システムである。また、従来のマイクロ波無線通信装置で系構成されるシステムにおいては、通常、各無線装置の監視および制御を行う監視制御装置がマスタ局に接続され、マスタ局の配下の複数のマイクロ波無線通信装置の監視および制御を行うことができる。
【0003】
ところで、図9に示すように、従来のマイクロ波無線通信システムのアップグレード作業時においては、はじめに、客先からアップグレード要求を受領すると(ステップS301)、アップグレード後の伝送品質を推定するための机上計算を実施する(ステップS303)。そして、計算結果に従って、システムの変更内容を決定する(ステップS305)。決定内容に従って、アップグレード装置への置き換えを実施する(ステップS307)。そして、システムを動作させ、監視データを収集し、伝送品質を測定する(ステップS309)。そして、測定結果を分析し(ステップS311)、結果が悪い場合、ステップS303に戻り、再度、ステップS303〜ステップS309を繰り返し、期待される伝送品質が得られるまで作業が繰り返される。結果が良い場合、アップグレードが完了する(ステップS313)。
【特許文献1】特開2005−347982号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記文献記載の従来技術は、以下の点で改善の余地を有していた。
システムをアップグレードする時は、アップグレード後の伝送品質を机上検討で推定するしか方法はなく、かつ、その推定結果に基づき、実際にシステムの置き換えを実施しなければならず、実回線で推定外の要素があった場合、伝送品質が客先規格内にならないことがあった。そのため、実際にシステムの置き換えた後に伝送品質を測定し、結果が客先規格に入るまで、繰り返しシステム変更を実施する必要があった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところはシステムのアップグレード時に確度良く適切な伝送品質を確保できるマイクロ波無線通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、一方が有線通信にて連結され、他方がマイクロ波無線通信にて連結される複数のマイクロ波通信装置と、前記複数のマイクロ波通信装置により構成されるマイクロ波通信ネットワークを監視および制御するネットワーク監視装置と、を備えたマイクロ波無線通信システムであって、
前記ネットワーク監視装置は、
所定区間の前記マイクロ波通信装置のアップグレードの際に、当該マイクロ波通信装置の通信制御用設定値の変更を受け付ける受付部と、
前記受付部が受け付けた前記通信制御用設定値の変更に従って、当該マイクロ波通信装置をアップグレードする更新部と、
前記アップグレードされた前記マイクロ波通信ネットワークの伝送品質を測定する測定部と、
前記測定部が測定した前記伝送品質を提示する提示部と、を備えるマイクロ波無線通信システムが提供される。
【0007】
ここで、伝送品質とは、たとえば、各マイクロ波通信装置の受信電界特性値や、送受信波の波形など様々なデータに基づいて計測することができる。
【0008】
この発明によれば、ある区間のマイクロ波通信装置の設定値を仮に変更してネットワークの伝送品質を測定し、結果を確認することができるので、設定値、たとえば、伝送容量や変調方式などの変更による伝送品質の低下を事前に推定することが可能となり、推定結果に基づいて、適切なシステム変更を実施することが可能となる。また、提示された結果に応じて設定をさらに変更することにより、より適切なシステム変更を実施することが可能となる。
【0009】
上記マイクロ波無線通信システムにおいて、前記マイクロ波通信装置は、前記マイクロ波通信ネットワーク上の他の前記マイクロ波通信装置と有線通信を行う有線通信インタフェース部と、前記マイクロ波通信ネットワーク上の別の他の前記マイクロ波通信装置とマイクロ波無線通信を行う無線通信部と、可変の通信制御用設定値を記憶する設定記憶部と、前記ネットワーク監視装置から前記通信制御用設定値の変更指示を受け付ける変更受付部と、前記変更指示に従って、前記設定記憶部の前記通信制御用設定値を変更する変更部と、前記設定記憶部の前記通信制御用設定値に従って通信制御を行う制御部と、を備えることができる。
【0010】
上記マイクロ波無線通信システムにおいて、前記ネットワーク監視装置は、前記通信制御用設定値の変更を復帰させる指示を受け付ける復帰指示受付部と、前記復帰させる指示を受け付けた時、前記マイクロ波通信装置に前記通信制御用設定値を変更前の値に復帰させる指示を行う復帰指示部と、をさらに含むことができ、前記マイクロ波通信装置は、前記変更受付部が前記変更指示を受け付けたとき、前記設定記憶部の前記通信制御用設定値をバックアップするバックアップ部と、前記ネットワーク監視装置から前記復帰させる指示を受け付ける復帰指示受付部と、前記復帰指示受付部が前記復帰させる指示を受け付けたとき、前記バックアップ部によってバックアップされていた前記通信制御用設定値を前記設定記憶部に復帰させる復帰部と、をさらに含むことができる。
【0011】
この構成によれば、設定を仮に変更した後、伝送品質が許容範囲を超えるような場合に、設定値を変更前の値に復帰させて、伝送品質を元に戻すことが可能となり、アンテナなどの実機の再交換などを必要とせず、アップグレード時の作業効率が向上し、不要となる実機のコストを低減できる。
【0012】
上記マイクロ波無線通信システムにおいて、前記通信制御用設定値は、伝送容量または変調方式を含むことができる。また、上記マイクロ波無線通信システムにおいて、前記ネットワーク監視装置の前記測定部に前記伝送品質を所定期間に亘り測定させ、測定された前記伝送品質の履歴を蓄積する履歴蓄積部をさらに備えることができ、前記提示部は、前記履歴をさらに提示することができる。
【0013】
この構成によれば、所定期間の伝送品質を確認することができるので、天候や電波状況などの環境変化に応じた伝送品質の確認が可能となり、システムの信頼性が向上する。
【0014】
本発明によれば、一方が有線通信にて連結され、他方がマイクロ波無線通信にて連結される複数のマイクロ波通信装置により構成されるマイクロ波通信ネットワークを監視および制御するマイクロ波通信ネットワーク監視装置であって、
所定区間の前記マイクロ波通信装置のアップグレードの際に、当該マイクロ波通信装置の通信制御用設定値の変更を受け付ける受付部と、
前記受付部が受け付けた前記通信制御用設定値の変更に従って、当該マイクロ波通信装置をアップグレードする更新部と、
前記アップグレードされたマイクロ波通信装置の前記マイクロ波通信ネットワークの伝送品質を測定する測定部と、
前記測定部が測定した前記伝送品質を提示する提示部と、を備えるマイクロ波通信ネットワーク監視装置が提供される。
【0015】
本発明によれば、マイクロ波通信ネットワークを構成するマイクロ波通信装置であって、
前記マイクロ波通信ネットワーク上の他のマイクロ波通信装置と有線通信を行う有線通信インタフェース部と、
前記マイクロ波通信ネットワーク上の別の他のマイクロ波通信装置とマイクロ波無線通信を行う無線通信部と、
可変の通信制御用設定値を記憶する設定記憶部と、
前記通信制御用設定値の変更指示を受け付ける変更受付部と、
前記変更指示に従って、前記設定記憶部の前記通信制御用設定値を変更する変更部と、
前記設定記憶部の前記通信制御用設定値に従って通信制御を行う制御部と、を備えるマイクロ波通信装置が提供される。
【0016】
本発明によれば、一方が有線通信にて連結され、他方がマイクロ波無線通信にて連結される複数のマイクロ波通信装置により構成されるマイクロ波通信ネットワークを監視および制御するネットワーク監視プログラムであって、
コンピュータを、
所定区間の前記マイクロ波通信装置のアップグレードの際に、当該マイクロ波通信装置の通信制御用設定値の変更を受け付ける手段、
前記変更を受け付ける手段が受け付けた前記通信制御用設定値の変更に従って、当該マイクロ波通信装置をアップグレードする手段、
前記アップグレードされた前記マイクロ波通信ネットワークの伝送品質を測定する手段、
前記測定する手段が測定した前記伝送品質を提示する手段として機能させるためのネットワーク監視プログラムが提供される。
【0017】
本発明によれば、マイクロ波通信ネットワークを構成するマイクロ波通信装置を制御する制御プログラムであって、
前記マイクロ波通信装置の可変の通信制御用設定値を記憶する設定記憶部を備えるコンピュータを、
前記マイクロ波通信ネットワーク上の他の前記マイクロ波通信装置と有線通信を制御する手段、
前記マイクロ波通信ネットワーク上の別の他の前記マイクロ波通信装置とマイクロ波無線通信を制御する手段、
前記通信制御用設定値の変更指示を受け付ける手段、
前記変更指示に従って、前記設定記憶部の前記通信制御用設定値を変更する手段、
前記設定記憶部の前記通信制御用設定値に従って通信制御を行う手段として機能させるための制御プログラムが提供される。
【0018】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、マイクロ波通信ネットワークのアップグレード時に確度良く適切な伝送品質を確保できるマイクロ波無線通信システムが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態に係るマイクロ波無線通信システムの構成を示すネットワーク構成図である。本実施形態のマイクロ波無線通信システムは、マイクロ波無線通信にて互いに連結される複数のマイクロ波通信装置10がマイクロ波通信ネットワーク1を構成する。そして、ネットワーク監視装置30はマイクロ波通信ネットワーク1を監視および制御し、必要に応じてマイクロ波通信ネットワーク1のアップグレード時に、マイクロ波通信ネットワーク1上の所定区間のマイクロ波通信装置10に対して通信制御用設定値を仮に変更し、伝送状況をモニタするものである。
【0022】
各マイクロ波通信装置10は、アンテナ12を備え、相対するマイクロ波通信装置10のアンテナ12と無線通信を行う。なお、図1において、複数のマイクロ波通信装置10は、互いに直列に接続されているが、これに限定されず、たとえば、一マイクロ波通信装置10から分岐して別系統のネットワークを構成することもできる。なお、以下の各図において、本発明の本質に関わらない部分の構成については省略してある。
【0023】
本実施形態のマイクロ波無線通信システムは、一方が有線通信にて連結され、他方がマイクロ波無線通信にて連結される複数のマイクロ波通信装置10と、複数のマイクロ波通信装置により構成されるマイクロ波通信ネットワーク1を監視および制御するネットワーク監視装置30と、を備えたマイクロ波無線通信システムであって、ネットワーク監視装置30は、所定区間のマイクロ波通信装置10のアップグレードの際に、当該マイクロ波通信装置10の通信制御用設定値の変更を受け付け、受け付けた通信制御用設定値の変更に従って、当該マイクロ波通信装置10をアップグレードし、アップグレードされたマイクロ波通信ネットワーク1の伝送品質を測定し、測定した伝送品質を提示する。
【0024】
具体的には、マイクロ波無線通信システムは、ネットワーク監視装置(図中、「NMS」と示す)30と、端末40と、を備える。ネットワーク監視装置30は、パーソナルコンピュータなどであり、オペレータ5の操作を受け付ける操作部32と、画面表示を行うモニタ34と、印字出力するプリンタ36と、を備える。ネットワーク監視装置30は、たとえば、No.1のマイクロ波通信ネットワーク1のマイクロ波通信装置10に接続され、マイクロ波通信ネットワーク1上の複数のマイクロ波通信装置10の監視、制御、およびプログラムや設定変更などを行う。マイクロ波通信装置10およびネットワーク監視装置30間は、特に限定されないが、たとえば、USBケーブルなどで接続することができる。
【0025】
操作部32は、たとえば、キーボード、マウス、タブレット、操作ボタン、スイッチ、タッチパネルなどである。モニタ34は、たとえば、ランプ、LED、CRTモニタ、液晶ディスプレイなどである。
【0026】
端末40は、マイクロ波通信ネットワーク1のマイクロ波通信装置10に接続され、接続したマイクロ波通信装置10の設定変更や監視を行う。マイクロ波通信装置10および端末40間は、特に限定されないが、たとえば、USBケーブルなどで接続することができる。端末40については、詳細な説明は省略するが、パーソナルコンピュータなどであり、マイクロ波通信ネットワーク1上の任意のマイクロ波通信装置10にUSBケーブルなどを介して接続可能である。端末40は、マイクロ波通信ネットワーク1上のマイクロ波通信装置10の監視や設定変更などを行うことができる。
【0027】
なお、以下の図2および図3に示すマイクロ波通信装置10およびネットワーク監視装置30の各構成要素は、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされた本図の構成要素を実現するプログラム、そのプログラムを格納するハードディスクなどの記憶ユニット、ネットワーク接続用インタフェースを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。以下説明する各図は、ハードウエア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。
【0028】
図2は、マイクロ波通信装置10の構成を示す機能ブロック図である。本実施形態のマイクロ波通信装置10は、マイクロ波通信ネットワーク1上の他のマイクロ波通信装置10と有線通信を行う有線通信インタフェース部(通信インタフェース部102)と、マイクロ波通信ネットワーク1上の別の他のマイクロ波通信装置10とマイクロ波無線通信を行う無線通信部(無線制御部108およびアンテナ12)と、可変の通信制御用設定値を記憶する設定記憶部(記憶部112)と、ネットワーク監視装置30から通信制御用設定値の変更指示を受け付ける変更受付部(NMSインタフェース部114および制御部110)と、変更指示に従って、設定記憶部(記憶部112)の通信制御用設定値を変更する変更部120と、設定記憶部(記憶部112)の通信制御用設定値に従って通信制御を行う制御部(制御部110、データ処理部104、変復調部106、および無線制御部108)と、を備える。
【0029】
また、マイクロ波通信装置10は、変更受付部(NMSインタフェース部114および制御部110)が変更指示を受け付けたとき、設定記憶部(記憶部112)の通信制御用設定値をバックアップするバックアップ部(変更部120)と、ネットワーク監視装置30から復帰させる指示を受け付ける復帰指示受付部(NMSインタフェース部114および制御部110)と、復帰指示受付部が復帰させる指示を受け付けたとき、バックアップ部によってバックアップされていた通信制御用設定値を設定記憶部に復帰させる復帰部(変更部120)と、をさらに含むことができる。
【0030】
本実施形態のマイクロ波通信装置10は、マイクロコンピュータなどから構成でき、ROMなどに格納された制御プログラムをCPUにより実行することにより実現可能である。本実施形態のマイクロ波通信装置10の制御プログラムは、マイクロ波通信装置10の可変の通信制御用設定値を記憶する設定記憶部(記憶部112)を備えるコンピュータを、マイクロ波通信ネットワーク1上の他のマイクロ波通信装置10と有線通信を制御する手段(制御部110および通信インタフェース部102)、マイクロ波通信ネットワーク1上の別の他のマイクロ波通信装置10とマイクロ波無線通信を制御する手段(制御部110および無線制御部108)、通信制御用設定値の変更指示を受け付ける手段(NMSインタフェース部114および制御部110)、変更指示に従って、設定記憶部の通信制御用設定値を変更する手段(変更部120)、設定記憶部(記憶部112)の通信制御用設定値に従って通信制御を行う手段(制御部110、データ処理部104、変復調部106、および無線制御部108)として機能させるための制御プログラムとすることができる。
【0031】
具体的には、マイクロ波通信装置10は、通信インタフェース部(通信I/F)102と、データ処理部104と、変復調部106と、無線制御部108と、制御部110と、記憶部112と、NMSインタフェース部(NMS I/F)114と、端末インタフェース部(端末I/F)116と、変更部120と、を備える。
【0032】
通信インタフェース部102は、相対する他のマイクロ波通信装置10、たとえば、図1のNo.2のマイクロ波通信装置10であれば、No.3のマイクロ波通信装置10に通信インタフェース部102を介して互いに接続され、通信を行う。通信インタフェース部102は、たとえば、PDH(Pre synchronous Digital Hierarchy)インタフェースや、SDH(Synchronous Digital Hierarchy)インタフェース、あるいはLANインタフェースである。相対するマイクロ波通信装置10の通信インタフェース部102間でやりとりされる信号としては、主信号および補助信号を含むことができる。
【0033】
データ処理部104は、通信インタフェース部102を介して他のマイクロ波通信装置10とやりとりした信号をデータ処理し、変復調部106および制御部110に受け渡す。具体的には、たとえば、デジタルプロセッサユニット(DPU)などであり、通信インタフェース部102との入出力の数に応じて、伝送速度のスピードを変更する。
【0034】
変復調部106は、データ処理部104が入力した信号を変調し、無線制御部108に受け渡す。一方、無線制御部108から入力した信号を復調し、データ処理部104に受け渡す。変調方式は、後述するネットワーク監視装置30からの指示従って、制御部110によって制御され、変更することができる。変調方式は、たとえば、4PSK、16QAM、32QAM、128QAMなどがある。無線制御部108は、アンテナ12を介して他のマイクロ波通信装置10とマイクロ波無線通信を行う。制御部110は、マイクロ波通信装置10の各要素とともに装置全体を制御する。
【0035】
記憶部112は、通信制御用設定値と、本マイクロ波通信装置10を制御する制御プログラムを記憶する。制御部110は、記憶部112に記憶された制御プログラムを実行することにより、装置全体を制御する。さらに、通信制御用設定値に従ってデータ処理部104、変復調部106、および無線制御部108の動作を制御し、通信制御を行う。記憶部112に格納される制御プログラムおよび通信制御用設定値は、NMSインタフェース部114を介してたとえば、ネットワーク監視装置30からダウンロード可能であり、バージョンアップなどの制御プログラムや通信制御用設定値の更新や設定を行うことができる。
【0036】
NMSインタフェース部114は、ネットワーク監視装置30と通信を行う。NMSインタフェース部114は、これに限定されないが、たとえば、USBやLANなどである。端末インタフェース部116は、端末40と通信を行う。本実施形態では、NMSインタフェース部114および端末インタフェース部116の両方を設けた構成としたが、これに限定されない。NMSインタフェース部114のみを備え、NMSインタフェース部114が端末40を接続するよう機能させることもできる。
【0037】
変更部120は、NMSインタフェース部114または通信インタフェース部102を介して後述するネットワーク監視装置30から設定された通信制御用設定値を、制御部110を介して受け取り、記憶部112に記憶されている通信制御用設定値として変更する。あるいは、変更部120は、ネットワーク監視装置30からダウンロードされたバージョンアップ版の制御プログラムにより記憶部112に記憶されている制御プログラムを更新することができる。また、変更部120は、通信制御用設定値を変更する際、旧通信制御用設定値のバックアップを取り、ネットワーク監視装置30からの要求に応じて、変更された通信制御用設定値をバックアップされた値に戻す。
【0038】
図3は、本実施形態のネットワーク監視装置30の構成を示す機能ブロック図である。本実施形態のネットワーク監視装置30は、所定区間のマイクロ波通信装置10のアップグレードの際に、当該マイクロ波通信装置10の通信制御用設定値の変更を受け付ける受付部208と、受付部208が受け付けた通信制御用設定値の変更に従って、当該マイクロ波通信装置10をアップグレードする更新部(装置制御部210)と、アップグレードされたマイクロ波通信ネットワーク1の伝送品質を測定する測定部(データ収集部220および分析部224)と、測定部が測定した伝送品質を提示する提示部(表示制御部228およびモニタ34)と、を備える。
【0039】
また、ネットワーク監視装置30は、通信制御用設定値の変更を復帰させる指示を受け付ける復帰指示受付部(受付部208)と、復帰させる指示を受け付けた時、マイクロ波通信装置10に通信制御用設定値を変更前の値に復帰させる指示を行う復帰指示部(装置制御部210)と、をさらに含むことができる。
【0040】
ネットワーク監視装置30は、コンピュータにインストールされたネットワーク監視プログラムを実行することによって実現させることができる。本実施形態のネットワーク監視プログラムは、一方が有線通信にて連結され、他方がマイクロ波無線通信にて連結される複数のマイクロ波通信装置10により構成されるマイクロ波通信ネットワーク1を監視および制御するネットワーク監視プログラムであって、コンピュータ(ネットワーク監視装置30)を、所定区間のマイクロ波通信装置10のアップグレードの際に、当該マイクロ波通信装置10の通信制御用設定値の変更を受け付ける手段(受付部208)、変更を受け付ける手段が受け付けた通信制御用設定値の変更に従って、当該マイクロ波通信装置10をアップグレードする手段(装置制御部210)、アップグレードされたマイクロ波通信ネットワーク1の伝送品質を測定する手段(データ収集部220および分析部224)、測定する手段が測定した伝送品質を提示する手段(表示制御部228)として機能させるためのネットワーク監視プログラムとすることができる。
【0041】
具体的には、ネットワーク監視装置30は、インタフェース部(I/F)202と、ダウンロード部(DL部)204と、受付部208と、装置制御部210と、データ収集部220と、監視データ記憶部(図中、「監視データ」と示す)222と、分析部224と、分析結果記憶部(図中、「分析結果」と示す)226と、表示制御部228と、を備える。
【0042】
インタフェース部202は、マイクロ波通信装置10との通信を行う。ネットワーク監視装置30およびマイクロ波通信装置10間は、特に限定されないが、たとえば、USBケーブルなどで接続することができる。
【0043】
ダウンロード部204は、インタフェース部202を介してマイクロ波通信装置10からマイクロ波通信装置10の可変の通信制御用設定値を設定するための設定画面をダウンロードする。具体的には、オペレータ5が所定区間のマイクロ波通信装置10のアップグレードを、操作部32の操作により要求する。所定区間の指定は後述する受付部208が受け付け、ダウンロード部204に通知する。ダウンロード部204がアップグレード要求を受け付けたとき、所定区間のマイクロ波通信装置10からインタフェース部202を介して設定画面をダウンロードして、モニタ34に表示する。
【0044】
図4に設定画面の一例を示す。機器セットアップ画面300は、設定一覧302と、設定ボタン(図中「セットアップ」と示す)304とを含む。設定一覧302には、複数のアイテム306に対応するステータス308が含まれ、設定ボタン304をオペレータ5が操作部32を用いてダブルクリックなどにより選択することにより、各アイテム306に対するステータス308の変更画面(不図示)へと移行する。
【0045】
アイテム306としては、たとえば、ユーザインタフェース310、変調方式312、および伝送容量314が含まれる。図4では、ユーザインタフェース310として「SDH STM−1」、変調方式312として「128QAM方式」、伝送容量314として「156(MB)」が指定されている例を示している。
【0046】
また、「アップグレード」とは、図5に示すように、たとえば、システム1の仕様からシステム2、システム3、あるいはシステム4へと仕様を変更することであり、伝送容量を増大させたり、変調方式を変更したりすることができる。
【0047】
図3に戻り、受付部208は、マイクロ波通信ネットワーク1を構成する複数のマイクロ波通信装置10のうち、いずれの区間のマイクロ波通信装置10の設定を変更するかを受け付ける。具体的には、オペレータ5が操作部32を操作して指定した区間を受け付け、ダウンロード部204および装置制御部210に受け渡す。さらに、受付部208は、ダウンロード部204でダウンロードされモニタ34上に表示されている設定画面を用いて指定した各種設定値を受け付ける。上述したように、ユーザインタフェース310、変調方式312、伝送容量314などの指定を受け付けることができる。また、受付部208は、マイクロ波通信装置10における設定値のバックアップの復帰指示をオペレータ5から受け付け、装置制御部210に通知する。
【0048】
装置制御部210は、受付部208が受け付けた区間のマイクロ波通信装置10に、受付部208が受け付けた設定値を変更するように、インタフェース部202を介してマイクロ波通信ネットワーク1上の該当するマイクロ波通信装置10を制御する。また、装置制御部210は、受付部208が受け付けた設定値のバックアップの復帰するように、該当するマイクロ波通信装置10を制御する。マイクロ波通信装置10では、ネットワーク監視装置30からの復帰指示に呼応して、設定変更時にバックアップした旧設定値を復帰させる。
【0049】
データ収集部220は、インタフェース部202を介してマイクロ波通信装置10の監視を行うためのデータを収集する。なお、マイクロ波通信装置10から受信するデータフォーマットは、たとえば、主信号(ペイロード)が、指定された伝送速度(入出力の数)に対応するフォーマットで構成され、後に補助信号が続く構成を有する。補助信号には、たとえば、誤り訂正用信号などを含む各種信号が含まれ、マイクロ波通信装置10とネットワーク監視装置30間での制御に使用する追加制御用信号を含むことができる。追加制御用信号は、いずれのマイクロ波通信装置10に対して制御を行うか、いずれの設定の変更を行うのか、およびその設定値を含むことができる。
【0050】
監視データ記憶部222は、データ収集部220が収集した監視データを記憶する。監視項目としては、例として、信号誤り、機器故障、受信電界、送信電力、各種設定情報、たとえば、周波数、伝送容量、変調方式など)を含むことができる。監視データ記憶部222には、データ収集部220が所定期間収集した監視データの履歴を蓄積する。分析部224は、監視データ記憶部222に記憶された監視データに基づいて、伝送品質を分析する。分析結果記憶部226は、分析部224が分析した結果を記憶する。
【0051】
表示制御部228は、操作部32を介してオペレータ5の指示を受け付け、指示された分析結果を示す画面をモニタ34に表示させる。表示制御部228は、監視データ記憶部222および分析結果記憶部226に記憶されているデータに基づいて、分析結果を示す画面を表示する。例として、図6(a)に示すような受信電界特性ログ画面320を表示することができる。受信電界特性ログ画面320は、指定された区間のNo.1のマイクロ波通信装置10とNo.2のマイクロ波通信装置10のそれぞれの受信電界特性を1秒毎に収集した履歴を示す一覧を含む。また、図6(b)のように、受信電界特性グラフ表示画面330を表示することができる。受信電界特性グラフ表示画面330は、受信電界特性ログ画面320の履歴を、横軸を経過時間としてグラフ化したものである
【0052】
このように構成されたマイクロ波無線通信システムの動作について、以下に説明する。図7は、本実施形態のマイクロ波無線通信システムのアップグレード作業の流れおよび作業時の各装置の動作の一例を示すフローチャートである。以下、図1乃至図7を用いて説明する。
【0053】
はじめに、オペレータ5がネットワーク監視装置30を用いてマイクロ波通信ネットワーク1の所定区間のマイクロ波通信装置10のアップグレードを開始する(ステップS11)。オペレータ5は、ネットワーク監視装置30の操作部32を操作して、アップグレードする区間を指定する(ステップS13)。ネットワーク監視装置30において、受付部208がオペレータ5によって指定された区間を受け付ける(ステップS101)。ネットワーク監視装置30では、ダウンロード部204が所定区間のマイクロ波通信装置10に対して機器セットアップ画面300のダウンロードを要求し(ステップS103)、マイクロ波通信装置10ではネットワーク監視装置30からの要求に応じて機器セットアップ画面300をアップロードする(ステップS201)。
【0054】
ネットワーク監視装置30において、図4に示す機器セットアップ画面300がモニタ34に表示される(ステップS105)。そして、オペレータ5は、機器セットアップ画面300の設定ボタン304を押下し、設定画面へと移行させて、操作部32を用いて、設定値の入力操作を行う(ステップS15)。ネットワーク監視装置30において、入力された設定値は受付部208が受け付ける(ステップS107)。そして、装置制御部210が、受付部208が受け付けた区間のマイクロ波通信装置10に対して、受付部208が受け付けた設定値を変更するように、インタフェース部202を介して制御する(ステップS109)。たとえば、上述したデータの追加制御用信号に設定値の変更指示を含ませることができる。
【0055】
マイクロ波通信装置10では、設定値変更の指示をネットワーク監視装置30からNMSインタフェース部114を介して制御部110が受信と、はじめに記憶部112に記憶されていた旧設定値のバックアップを行う(ステップS203)。これらは、後述するように一旦設定値を仮に変更して伝送品質を分析した後、結果に応じて設定を元に戻すためにバックアップを取っておくものである。
【0056】
そして、制御部110は、端末インタフェース部116を介して受信した新しい設定値で記憶部112に記憶されている設定値を更新する(ステップS205)。たとえば、該当するマイクロ波通信装置10の設定が図5に示すシステム1の設定であった場合、アップグレード時の設定がシステム2に示す設定であるとする。すなわち、伝送容量は34Mbpsから68Mbpsに、変調方式は4PSKから16QAMに変更されるものとする。その後、制御部110は、記憶部112に記憶された新しい設定、すなわち伝送容量68Mbps、変調方式16QAMに従って変復調部106を制御し、相対するマイクロ波通信装置10との通信を無線制御部108により開始する(ステップS207)。
【0057】
ネットワーク監視装置30において、マイクロ波通信装置10にて通信制御が開始されると、伝送品質の監視を行うために、監視データの収集をデータ収集部220が開始する(ステップS111)。データ収集部220が収集した監視データは、監視データ記憶部222に順次記憶され、蓄積される(ステップS113)。そして、分析部224が監視データ記憶部222に蓄積された監視データに基づいて伝送品質を分析する(ステップS115)。分析した結果は分析結果記憶部226に記憶される。表示制御部228は、監視データ記憶部222に蓄積された履歴情報や分析結果記憶部226に記憶された分析結果を、モニタ34に、たとえば図6(a)の受信電界特性ログ画面320として表示する(ステップS117)。あるいは、履歴情報や分析結果は、プリンタ(不図示)から印字させることもできる。
【0058】
オペレータ5は、提示された分析結果や履歴情報に基づいて、伝送品質が所定の品質を保っているか否かを確認する(ステップS17)。ここではアップグレードとして、たとえば、スペースダイバーシティの追加の実施を計画したものとする。図8(a)に示すように、受信電界特性(RSL)が、メインシステムとスペースダイバーシティ(SD)システムとの間で低下位置にズレがある場合、メインシステムとSDシステムが互いに補間し合っている状態であるので、良好な状態であると判断される。一方、図8(b)に示すように、RSLがメインシステムとSDシステムとで、低下位置が一致してしまっている場合、良好な状態でないと判断される。
【0059】
図7に戻り、品質が満足であれば(ステップS19のYES)、処理を終了する。一方、品質に問題がある場合(ステップS19のNO)、オペレータ5が設定値の変更を要求したか否かを判断し(ステップS21)、変更がある場合(ステップS21のYES)、ステップS13に戻り、ネットワーク監視装置30は、オペレータ5からの区間指定待ち状態となる。ここで、品質の可否の判断をオペレータ5が行い、その結果を操作部32を用いてオペレータ5が指定することができる。あるいは、分析部224において、伝送品質が許容範囲に入っているか否か、予め設定した閾値と比較して判断し、その結果をモニタ34上に表示させることもできる。
【0060】
一方、仮の変更を辞める必要がある場合(ステップS21のNO)、設定値のバックアップの復帰指示をオペレータ5が操作部32を用いて行い(ステップS23)、ネットワーク監視装置30において、受付部208が復帰指示を受け付け、装置制御部210がインタフェース部202を介して該当するマイクロ波通信装置10に対して設定値の復帰の指示を行う(ステップS119)。該当するマイクロ波通信装置10において、NMSインタフェース部114を介して制御部110が復帰指示を受け付け、変更部120に記憶部112の設定値のバックアップを復帰させる(ステップS209)。
【0061】
なお、必要に応じて、仮変更された設定の状態で、ネットワーク監視装置30にて、所定期間に亘って、マイクロ波通信ネットワーク1の伝送品質を測定した結果の履歴を監視データ記憶部222に蓄積することができる。これにより、所定期間の伝送品質を確認することができるので、天候や電波状況などの環境変化に応じた伝送品質の確認が可能となり、システムの信頼性が向上する。適切な伝送品質が安定して得られることが確認された後、実際にシステムのアップグレードを実施することができる。
【0062】
以上説明したように、本発明の実施の形態のマイクロ波無線通信システムによれば、ある区間のマイクロ波通信装置の設定値を仮に変更してネットワークの伝送品質を測定し、結果を確認することができるので、設定値、たとえば、伝送容量や変調方式などの変更による伝送品質の低下を事前に推定することが可能となり、適切なシステム変更を実施することが可能となる。また、提示された結果に応じて設定をさらに変更することにより、より適切なシステム変更を推定することが可能となる。
【0063】
また、設定を仮に変更した後、伝送品質が許容範囲を超えるような場合に、設定値を変更前の値に復帰させて、伝送品質を元に戻すことが可能となり、アンテナなどの実機の再交換などを必要とせず、アップグレード時の作業効率が向上し、不要となる実機のコストを低減できる。
【0064】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施の形態に係るマイクロ波無線通信システムの構成を示すネットワーク構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るマイクロ波通信装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るネットワーク監視装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図4】本実施形態のネットワーク監視装置の設定画面の一例を示す図である。
【図5】本実施形態のマイクロ波通信ネットワークのシステムアップグレードの一例を示す図である。
【図6】本実施形態におけるマイクロ波通信ネットワークの監視画面の一例を示す図である。
【図7】本実施形態のマイクロ波無線通信システムのアップグレード作業の流れおよび作業時の各装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】本実施形態のマイクロ波無線通信システムの分析結果を説明するための図である。
【図9】従来のマイクロ波無線通信システムのアップグレード作業の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0066】
1 マイクロ波通信ネットワーク
10 マイクロ波通信装置
12 アンテナ
30 ネットワーク監視装置
32 操作部
34 モニタ
36 プリンタ
40 端末
102 通信インタフェース部
104 データ処理部
106 変復調部
108 無線制御部
110 制御部
112 記憶部
114 NMSインタフェース部
116 端末インタフェース部
120 変更部
202 インタフェース部
204 ダウンロード部
208 受付部
210 装置制御部
220 データ収集部
222 監視データ記憶部
224 分析部
226 分析結果記憶部
228 表示制御部
300 機器セットアップ画面
302 設定一覧
304 設定ボタン
320 受信電界特性ログ画面
330 受信電界特性グラフ表示画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方が有線通信にて連結され、他方がマイクロ波無線通信にて連結される複数のマイクロ波通信装置と、前記複数のマイクロ波通信装置により構成されるマイクロ波通信ネットワークを監視および制御するネットワーク監視装置と、を備えたマイクロ波無線通信システムであって、
前記ネットワーク監視装置は、
所定区間の前記マイクロ波通信装置のアップグレードの際に、当該マイクロ波通信装置の通信制御用設定値の変更を受け付ける受付部と、
前記受付部が受け付けた前記通信制御用設定値の変更に従って、当該マイクロ波通信装置をアップグレードする更新部と、
前記アップグレードされた前記マイクロ波通信ネットワークの伝送品質を測定する測定部と、
前記測定部が測定した前記伝送品質を提示する提示部と、を備えるマイクロ波無線通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載のマイクロ波無線通信システムにおいて、
前記マイクロ波通信装置は、
前記マイクロ波通信ネットワーク上の他の前記マイクロ波通信装置と有線通信を行う有線通信インタフェース部と、
前記マイクロ波通信ネットワーク上の別の他の前記マイクロ波通信装置とマイクロ波無線通信を行う無線通信部と、
可変の通信制御用設定値を記憶する設定記憶部と、
前記ネットワーク監視装置から前記通信制御用設定値の変更指示を受け付ける変更受付部と、
前記変更指示に従って、前記設定記憶部の前記通信制御用設定値を変更する変更部と、
前記設定記憶部の前記通信制御用設定値に従って通信制御を行う制御部と、を備えるマイクロ波無線通信システム。
【請求項3】
請求項2に記載のマイクロ波無線通信システムにおいて、
前記ネットワーク監視装置は、
前記通信制御用設定値の変更を復帰させる指示を受け付ける復帰指示受付部と、
前記復帰させる指示を受け付けた時、前記マイクロ波通信装置に前記通信制御用設定値を変更前の値に復帰させる指示を行う復帰指示部と、をさらに含み、
前記マイクロ波通信装置は、
前記変更受付部が前記変更指示を受け付けたとき、前記設定記憶部の前記通信制御用設定値をバックアップするバックアップ部と、
前記ネットワーク監視装置から前記復帰させる指示を受け付ける復帰指示受付部と、
前記復帰指示受付部が前記復帰させる指示を受け付けたとき、前記バックアップ部によってバックアップされていた前記通信制御用設定値を前記設定記憶部に復帰させる復帰部と、
をさらに含むマイクロ波無線通信システム。
【請求項4】
請求項1乃至3いずれかに記載のマイクロ波無線通信システムにおいて、
前記通信制御用設定値は、伝送容量または変調方式を含むマイクロ波無線通信システム。
【請求項5】
請求項1乃至4いずれかに記載のマイクロ波無線通信システムにおいて、
前記ネットワーク監視装置の前記測定部に前記伝送品質を所定期間に亘り測定させ、測定された前記伝送品質の履歴を蓄積する履歴蓄積部をさらに備え、
前記提示部は、前記履歴をさらに提示するマイクロ波無線通信システム。
【請求項6】
一方が有線通信にて連結され、他方がマイクロ波無線通信にて連結される複数のマイクロ波通信装置により構成されるマイクロ波通信ネットワークを監視および制御するマイクロ波通信ネットワーク監視装置であって、
所定区間の前記マイクロ波通信装置のアップグレードの際に、当該マイクロ波通信装置の通信制御用設定値の変更を受け付ける受付部と、
前記受付部が受け付けた前記通信制御用設定値の変更に従って、当該マイクロ波通信装置をアップグレードする更新部と、
前記アップグレードされたマイクロ波通信装置の前記マイクロ波通信ネットワークの伝送品質を測定する測定部と、
前記測定部が測定した前記伝送品質を提示する提示部と、を備えるマイクロ波通信ネットワーク監視装置。
【請求項7】
マイクロ波通信ネットワークを構成するマイクロ波通信装置であって、
前記マイクロ波通信ネットワーク上の他のマイクロ波通信装置と有線通信を行う有線通信インタフェース部と、
前記マイクロ波通信ネットワーク上の別の他のマイクロ波通信装置とマイクロ波無線通信を行う無線通信部と、
可変の通信制御用設定値を記憶する設定記憶部と、
前記通信制御用設定値の変更指示を受け付ける変更受付部と、
前記変更指示に従って、前記設定記憶部の前記通信制御用設定値を変更する変更部と、
前記設定記憶部の前記通信制御用設定値に従って通信制御を行う制御部と、を備えるマイクロ波通信装置。
【請求項8】
一方が有線通信にて連結され、他方がマイクロ波無線通信にて連結される複数のマイクロ波通信装置により構成されるマイクロ波通信ネットワークを監視および制御するネットワーク監視プログラムであって、
コンピュータを、
所定区間の前記マイクロ波通信装置のアップグレードの際に、当該マイクロ波通信装置の通信制御用設定値の変更を受け付ける手段、
前記変更を受け付ける手段が受け付けた前記通信制御用設定値の変更に従って、当該マイクロ波通信装置をアップグレードする手段、
前記アップグレードされた前記マイクロ波通信ネットワークの伝送品質を測定する手段、
前記測定する手段が測定した前記伝送品質を提示する手段として機能させるためのネットワーク監視プログラム。
【請求項9】
マイクロ波通信ネットワークを構成するマイクロ波通信装置を制御する制御プログラムであって、
前記マイクロ波通信装置の可変の通信制御用設定値を記憶する設定記憶部を備えるコンピュータを、
前記マイクロ波通信ネットワーク上の他の前記マイクロ波通信装置と有線通信を制御する手段、
前記マイクロ波通信ネットワーク上の別の他の前記マイクロ波通信装置とマイクロ波無線通信を制御する手段、
前記通信制御用設定値の変更指示を受け付ける手段、
前記変更指示に従って、前記設定記憶部の前記通信制御用設定値を変更する手段、
前記設定記憶部の前記通信制御用設定値に従って通信制御を行う手段として機能させるための制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−66960(P2008−66960A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−241516(P2006−241516)
【出願日】平成18年9月6日(2006.9.6)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】