説明

マイクロ流体のプラットフォームに試料液を収容、検査又は操作するための装置、測定装置及び方法

【課題】試料液を収容、特に検査又は操作するための多数のマイクロ流体のプラットフォームを有する装置、マイクロ流体のプラットフォームを用いて試料液を検査するための測定装置、及びマイクロ流体のプラットフォームを用いて試料液を検査又は操作するための方法を改良して、試料液の必要に応じた個別の収容、特に検査又は操作、有利には前の検査若しくは操作とは無関係の個々の検査若しくは操作が可能となり、この場合に、特に衛生的な理由から、使用された個々のプラットフォームを使用直後に、別のプラットフォームとは無関係に廃棄することができるものを提供する。
【解決手段】プラットフォーム(2)が、それぞれ個別に分離可能になっており、個別に開放可能になっているようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料液、例えばグルコース検出のための血液を収容、特に検査又は操作するための多数のマイクロ流体のプラットフォームを有する装置であって、プラットフォームが閉じられた状態では互いに直接に結合されており、かつ/又は共通のキャリアに配置されている形式のもの、及び試料液、例えばグルコース検出のための血液を、マイクロ流体のプラットフォームを用いて検査するための測定装置、及び試料液、例えばグルコース検出のための血液を、試料液を収容するマイクロ流体のプラットフォームを用いて、特に請求項1から20までのいずれか1項記載の装置を用いて検査又は操作するための方法であって、多数のプラットフォームが搬送され、該プラットフォームが、閉鎖された状態では互いに直接に結合されており、かつ/又は共通のキャリアに配置されている形式の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
「マイクロ流体のプラットフォーム」という概念(以下ではしばしば短くプラットフォームと呼ぶ)は、本発明では、特に毛管力により、検査又は操作しようとする試料液を収容することのできる試料キャリア、テストストリップ又はこれに類するものを含む。特にプラットフォームは個々のテストの実施又は測定、例えば血液のグルコース検出のために用いられる。しかしながら、プラットフォームはその他のそれぞれの検査、試料液として特にヒト又は動物の体液の検査のためにも用いることができる。試料液の検査若しくは操作のためには、プラットフォームは特に試料液のための試薬、フィルタ又はこれに類するものを有している。貯蔵若しくは保管のためには、プラットフォームは通常は閉じられている。
【0003】
この形式のプラットフォームは、例えば血糖値を検出するための(グルコース検出のための)テストストリップの形で使用される。この場合に、これまでは個々のテストストリップを貯蔵パッケージから取り出し、試料液としての血液により濡らし、次いでこの試料液はテストストリップにより吸収される必要があった。次いでテストストリップは手により対応した測定若しくはテスト装置内へ挿入され、次いでこの測定若しくはテスト装置は、まず十分な量の血液が収容されたかを示し、最後にグルコース値を検出する。次いでテストストリップは再び取り出され、廃棄されなければならない。上に述べたプロセスは手間がかかり、ある程度の不確実性に結びついている。比較的小さいテストストリップの取扱いは、特に不慣れな使用者のためには困難である。好ましくない汚染の危険性がある。さらに、しばしば血液は不十分な量しか収容されないが、しかしながら、このことはテストストリップを測定装置内へ挿入した後にはじめて確認可能なので、この場合には、同じ手順がもう一度行われなければならなくなる。
【0004】
本発明の出発点をなす国際公開第03/045557号明細書につき、多数のプラットフォームのベルト状の装置が公知であり、これらのプラットフォームは、試料液の互いに直接に続く自動化された検査若しくは操作のために次々に使用可能である。しかしながら、この公知の装置は、試料液の個別の検査若しくは操作のためには設けられていないか、又は適していない。
【特許文献1】国際公開第03/045557号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明の課題は、試料液を収容、特に検査又は操作するための多数のマイクロ流体のプラットフォームを有する装置、マイクロ流体のプラットフォームを用いて試料液を検査するための測定装置、及びマイクロ流体のプラットフォームを用いて試料液を検査又は操作するための方法を改良して、試料液の必要に応じた個別の収容、特に検査又は操作、有利には前の検査若しくは操作とは無関係の個々の検査若しくは操作が可能となり、この場合に、特に衛生的な理由から、使用された個々のプラットフォームを使用直後に、別のプラットフォームとは無関係に廃棄することができるものを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決した本発明の手段によれば、プラットフォームが、それぞれ個別に分離可能になっており、個別に開放可能になっており、測定装置が、特に請求項1から15までのいずれか1項記載の複数のプラットフォームを有する装置の、それぞれ一度だけ使用可能な複数のプラットフォームを収容するために形成されており、プラットフォームを個別に、必要な場合にのみ、試料液の直接に続く検査若しくは操作のために開放し、かつ分離する。有利な発展形が従属請求項の対象である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の観点は、特にベルト状の、例えば巻き上げられた又はスタックされた配置で提供された多数のプラットフォームにおいて、これらのプラットフォームを個別に分離し、個別に開放し、これにより、必要に応じてプラットフォームが個別に、試料液の収容、特に検査又は操作のために使用され、次いで、まだ使用されていないプラットフォームとは無関係に廃棄することができることにある。このことは、例えば、所定の時間間隔をおいて血糖値を検査しなければならない使用者のための極めて簡易化された処理を可能にする。すなわち、本発明によれば、多数のプラットフォームを有する測定装置を使用し、この測定装置が、使用者がまず血液の収容後に個々のテストストリップを測定装置内へ挿入し、次いで再び取り出さなければならないことなしに、血糖値の検出(グルコース検出)を必要に応じて可能にすることが可能である。さらに、測定装置は有利にはプラットフォームの自動化された開放後に直接に血液の収容、及び例えばグルコース値の検出のために使用可能であり、この場合に、検出の直後に、使用されたプラットフォームを直接に取り出し、廃棄することができる。このことは、取扱いが簡単な場合に最適な必要に応じた衛生的な使用を可能にする。
【0008】
特に有利には、個々のプラットフォームはそれぞれ強制的に試料液のを収容するために分離により開放される。このことは、個々のプラットフォームの極めて簡単な処理及び使用を可能にする。
【0009】
本発明の別の利点、特徴、特性及び観点が、請求項、図面を用いた有利な実施態様の以下の説明から明らかである。
【0010】
本発明の別の利点、特徴、特性及び観点が、請求項、後続の図面に基づく有利な実施例の説明に明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に本発明の実施の形態を図面につき詳しく説明する。
【0012】
図1は、冒頭で述べた形式の多数のマイクロ流体プラットフォーム2を有する、第1の実施態様により提案された装置1である。このプラットフォーム2は、特に試料液3、例えば、図2に試料液3を既に指Fから採取した、分離されたプラットフォームのために示したように、グルコース測定のための血液を収容、検査又は操作するために用いられる。
【0013】
図1、図2及び図3に示した、装置1の第1の実施態様では、プラットフォーム2が、使用されていない、閉じられた状態では、破線で示唆した結合部4を介して互いに直接に結合されている。
【0014】
それぞれのプラットフォーム2は、有利には試料液3を収容するための収容通路5と、これに接続された試料室と6を有しており、この試料室6は、必要に応じて、あらかじめ試料室6内に挿入された、特に乾燥された試薬又はこれに類するものの作用下に、特に試料液3を検査及び/又は操作するために用いられ、必要に応じて、試料室6に接続された通気通路7を有している。有利には、試料室6の出口には、通気通路7に向かって流体ストップが形成されており、これにより、図2に示唆したように、有利には毛管力によってのみ収容通路5及び試料室6内へ流入する試料液3が通気通路7内に吸い込まれるか、若しくは流入することがないようになっている。
【0015】
図3による横断面図からは、有利には適宜な材料、有利にはプラスチック又は場合によってはガラスから成るプラットフォーム2のキャビティ、例えば収容通路5、試料室6及び通気通路7が、図では上方へ開かれて形成されており、カバー8により覆われている、すなわち上側で閉じられていることが判る。カバー8は、図示の実施例では、有利には帯状の延びの方向に連続的に形成されており、場合によっては結合部4に対応して規定破断箇所が設けられている。
【0016】
カバー8は、有利には薄膜から成っている。しかしながら、このカバー8は他の適宜な材料から形成されていてよい。有利にはカバー8は貼り合わされているか、溶接されているか、接着されているか、又はその他の適宜な形式で、プラットフォーム2のキャビティを形成する、プレート状の材料に結合されており、これにより、有利にはキャビティの望ましい気密な閉鎖が保証される。
【0017】
第1の実施態様では、収容通路5と通気通路7とは、結合部4を越えてそれぞれ次のプラットフォーム2まで延びている。このような形式で、プラットフォーム2がつなぎ合わされている場合には収容通路5と通気通路7とは閉じられている、すなわち、個々のプラットフォーム2は試料液3を収容するためにまだ開かれていない。
【0018】
前記構成は、プラットフォーム2が個々に分離可能であり、個々に開放可能であることをもたらす。特に第1の実施態様では個々のプラットフォーム2は分離、すなわち、結合部4の領域の分離により強制的に試料液3の収容のために開かれる。なぜならば、これにより、それぞれ対応した収容通路5及び通気通路7が開かれるからである。次いで、図2に示したようにそれぞれのプラットフォーム2は、個々に試料液3を収容するために、かつ続いて試料室6内の試料液3を検査又は操作するために準備されている。
【0019】
プラットフォーム2は、必要及び構成に応じて、例えば結合箇所4の領域の切断、破壊又は引裂きにより、選択的には手により、又は特に適宜な装置を用いて、必要に応じて簡単に互いに分離することができるが、しかしながら、この場合に、有利に設けられている規定破断箇所は必ずしも必要ではない。
【0020】
図4は、第1の実施態様に対して幾らかだけ変更された、装置1若しくはプラットフォームエレメント2の第2の実施態様を示している。この第2の実施態様では、通気通路7が通常は閉じられている通気室9に通じており、この通気室9の容積は次のような大きさに選択されている、すなわち、収容通路5が開かれている場合には、試料液3が試料室6内へ流れ込み、この試料室6内に含まれた空気を、通気通路7を介して通気室9内へ追いやることができるような大きさに選択されている。すなわち、試料液3を収容するために通気部を開放することは、第2の実施態様では必要ない。
【0021】
図5及び図6は、提案による、多数のプラットフォーム2を有する装置1の第3の実施態様を示している。図5は部分的な平面図であり、図6は部分的な側方横断面図である。
【0022】
第3の実施態様では、選択的に堅固に、又は柔軟に形成されたプラットフォーム2は互いに直接に結合されているのではなく、共通のキャリア10に配置されており、このキャリア10は、有利にはベルト状に形成されており、特に同時に搬送若しくはコンベヤベルトとして働く。この実施態様においてもプラットフォーム2は有利には少なくともほぼベルト状に互いに次々に配置されている。
【0023】
第3の実施態様では、キャビティ、特に収容通路5及び通気通路7は、有利にはもっぱらそれぞれのプラットフォーム2内に延びており、隣接したプラットフォーム2内へは延びていない。その代わりに、両方の通路5,7は有利にはそれぞれのプラットフォーム2の内部の長手方向縁部の領域内で終了している。第3の実施態様では、試料室6は少なくともほぼ前記通路の間に、しかしながら別の長手方向側の領域に、又はそれぞれのプラットフォーム2の中央に配置されている。
【0024】
プラットフォーム2はここでもカバー8によりカバーされており、このカバー8は、図示の実施例では連続的に形成されているが、しかしながら、必要に応じて個々のプラットフォーム2に対応配置された別個の部材から形成されていてもよい。
【0025】
カバー8はここでも、有利には薄膜又はその他の適宜な材料から成っている。特にカバー8は、全てのキャビティ、例えば収容通路5、試料室6及び通気通路7、個々のプラットフォーム2を閉じられた状態でカバーしている。図示の実施例では、カバー8は個別に解除可能な、又は開放可能な領域を有しており、この領域は、有利には連続的な長手方向ストリップ11の形で形成されており、これにより、試料液3を収容するためのプラットフォーム2、特に少なくとも収容通路5の個別の開放が可能となる。
【0026】
第3の実施態様では、カバー8は少なくとも部分的に、特にストリップ11に関しては次のように形成されている、すなわち、プラットフォーム2から再び取外し可能になっており、これにより、プラットフォーム2若しくはこれらのプラットフォーム2の収容通路5と通気通路7とを個々に開放することができるようになっているが、しかしながら、図7に概略的に示したように収容通路5及び通気通路7のカバーを完全に開くことなしに、かつ試料室6のカバーを開くことなしに開放することができるようになっている。これにより、試料液3を収容し、特に検査又は操作するための個々のプラットフォーム2の望ましい機能性が維持されている。
【0027】
キャリア10からのプラットフォーム2の簡単な分離を可能にするためには、プラットフォーム2は個々にキャリア10から持上げ可能、又は特に引離し可能になっている。有利には、対応して解除可能な接着結合がプラットフォーム2とキャリア10との間に存在している。
【0028】
択一的には、キャリア10はプラットフォーム2と同じ材料から成っていてもよく、場合によってはキャリア10と一体的に形成されていてもよい。
【0029】
装置1は、第1、第2又は第3の実施態様によれば、有利には次のように形成されている、すなわち、装置1若しくはまだ分離されていないプラットフォーム2が、プラットフォーム2及び/又はキャリア10の固有の柔軟性に基づき、かつ/又は対応して柔軟な結合部に基づき巻上げ可能又はスタック可能に形成されている。
【0030】
装置1若しくはプラットフォーム2には、有利には機械的及び/又は光学的なマーキング、切欠き、孔、減衰部、先細り部12(図1及び図4)又はアンダカット13(図10)が設けられており、これにより、個々のプラットフォーム2の搬送、位置決め、把持及び/又は分離が可能となるか、又は簡易化される。
【0031】
以下にまず第3の実施態様による装置1のための提案された測定装置14の第1の実施態様を図8及び図9につき詳しく説明し、それから装置1の第4の実施態様をさらに詳しく説明する。
【0032】
この測定装置14は、複数の、それぞれ有利には一度のみ使用可能なプラットフォーム2、特に複数のプラットフォーム2を有する装置1を収容するために働く。この測定装置は、有利には、装置1若しくはプラットフォーム2を収容又は保管するための交換可能なカートリッジ15を有している。
【0033】
測定装置14は、プラットフォーム2を搬送するための搬送若しくは送り装置16を有している。図示の実施例では、測定装置14は、第3の実施態様による装置1を収容するために形成されている。キャリア10は、特にコンベヤベルトの形式で使用され、この場合に、例えば歯付き車又は歯車(図示していない)が、キャリア10、ひいてはプラットフォーム2の規定された送り及び位置決めのために使用可能である。駆動は、例えば機械的又は電気的に、特にステッピングモータ又はこれに類するものにより行うことができる。図示の実施例では、送り装置16が場合によっては案内ローラ17の周囲を案内されたキャリア10を必要に応じて巻き上げる。
【0034】
さらに測定装置14は、試料液3を収容するためのプラットフォーム2を個別に開放するための開放装置18を有している。図示の実施例では、このことは開放したいプラットフォーム2からストリップ11を引き離すことにより行われる。有利にはカバー8のストリップ11は案内ローラ19を介して案内され、開放装置18により直接に巻き上げられる。
【0035】
図示の実施例では、開かれたプラットフォーム2は既に送られた位置へ搬送されており、この位置ではプラットフォーム2は少なくとも収容通路5を有する領域によって測定装置14から突出しているか、又は露出しており、これにより、図8に例として指Fにより示唆したように、次いで試料液3の収容を行うことができる、すなわち、特に試料液3を収容するためにプラットフォーム2を直接に手により処理するは必要ない。むしろ開かれたプラットフォーム2は、測定装置14により使用者が確実に保持することができる。
【0036】
試料液3、例えば血液の収容後には、試料液3の検査若しくは操作が行われる。例えば、試料液3は毛管力に基づき試料室6内へ流入し、そこで有利にはあらかじめ挿入された試薬と協働し、これにより、特に望ましい測定若しくは検出、例えばグリコース検出を行うことができる。このためには、測定装置14が有利には対応した測定装置20、例えば光学的なディテクタ又はセンサ、及び検出された値を示すための表示装置21を有している。
【0037】
次いで使用されたプラットフォームは(完全に)キャリア10から分離され、排出される。測定装置14はこのために対応した分離装置及び排出装置を有している。図示の実施例では、このことは単に図8内に示した位置を越えて外側への、図9に示したようにキャリア10のさらなる搬送によって行われる。
【0038】
使用された、又は使用しようとするプラットフォーム2の、キャリア10からの、又は例えば後続のプラットフォーム2からの切離し若しくは分離は、択一的に試料液3を収容するためのプラットフォーム2の開放及び/又はそれぞれのプラットフォーム2内の試料液3の収容及び/又は検査の直前、同時的又は後に行うことができることを述べておかなければならない。
【0039】
測定装置14は、有利には可動、特に持運び可能に形成されている。扱いやすい、軽い装置を可能にするためには、装置1若しくは個々のプラットフォーム2に機械的に作用する装置が、有利には手による操作によってのみ得られる、若しくは駆動される。
【0040】
図10、図11及び図12は、第2の実施態様による対応配置された測定装置14を備えた、第4の実施態様による多数のプラットフォーム2を有する装置1を示している。
【0041】
プラットフォーム2は、ここでは再び互いに直接に、しかしながら有利には比較的薄い、若しくは著しく減衰された結合部4を介して連結されている。必要に応じて、プラットフォーム2は付加的に安定化のためのキャリア10に配置されており、かつ/又は安定化のための連続的な、若しくは共通のカバー8を設けられていてよい。しかしながら、カバー8(図10〜図12には示していない)は、必要に応じて、連続的にではなく、それぞれ個々のプラットフォーム2にのみ設けられていてもよい。
【0042】
プラットフォーム2の構造及び構成に応じて、場合によっては後から取り付けられるカバー8を完全に省略することもできることを述べておかなければならない。しかしながら、平坦側に向かって開かれたキャビティの形成が極めて簡単な製造及び必要に応じて試料室6内への試薬のあらかじめの挿入を可能にする場合には、カバー8はプラットフォーム2を閉鎖するために必要である。
【0043】
第4の実施態様では、試料室6はプラットフォーム2の搬送方向で見て、それぞれのプラットフォーム2の後方側の部分内に配置されている。通路5及び7は、有利にはそれぞれのプラットフォーム2の側方の縁部領域で行き止まりになっている。
【0044】
第2の実施態様による測定装置14は、特にばね力に抗して内外に摺動可能な、若しくは互いに対して摺動可能な2つのハウジング部分22及び23を有している。図10に示した出発点から出発した場合、前部22は左方へ、すなわち、次に使用しようとするプラットフォーム2に対して相対的に摺動可能である。この場合、図示の実施例では特に切断エッジ、刃、はさみ又はこれに類するものにより形成されている開放装置18により操作可能若しくは可動になっており、これにより、プラットフォーム2が次のように切断される、すなわち、少なくとも収容通路5、有利には通気通路7も開放されるように切断される。
【0045】
図示の実施例では、分離若しくは切断は、長手方向に、すなわち、プラットフォーム2の搬送方向に、若しくは装置1の長手方向延びの方向に行われる。特に、開放時には縁部ストリップは、先細り部若しくはアンダカット13まで切断され、この場合に、切断線と交差する通路5及び7は強制的に開放される。
【0046】
図11に示した開放された状態では、切断されたプラットフォーム2は特に収容通路5により突出しており、これにより、いま試料液が収容可能である。収容された試料液3は、次いで図示の実施例では有利には、プラットフォーム2の、測定装置14内にまだ位置している端部の領域に位置する試料室6内へ流れ込み、これにより、望ましい検査若しくは操作が、有利には再び適宜な測定装置20により可能になる。この場合にここでも検出された値は表示装置21を介して表示される。
【0047】
測定が行われた後には、使用されたプラットフォーム2は別のプラットフォーム2から分離される。図示の実施例では、このために前部22が例えばロック(図示していない)の解除、及び有利にはばね力により再び反対方向に、図11では右方へ運動せしめられ、この場合に使用されたプラットフォーム2は対応した連行器24により前方へ、すなわち、運動方向に連行され、この場合に別のプラットフォーム2から分離され、これらの別のプラットフォーム2は、例えば拘束装置(図示していない)により拘束される。使用されたプラットフォーム2は次いで取り除かれるか、又は場合によっては直接に排出される。
【0048】
最後に、使用されていないプラットフォーム2は、図10、図11及び図12には極めて概略的にのみばねにより示唆した搬送若しくは送り装置16により、例えばロックの解除後にさらに搬送することができ、これにより、次のプラットフォーム2が、図10による出発位置へ押し出され、かつ場合によってはさらに使用されたプラットフォーム2の前記吐出がもたらされる。
【0049】
上に述べた実施態様の個々の局面、コンポーネントが必要に応じて組合せ可能である。さらに同じ原理に基づき作動する多数の種々異なった構造的な手段が可能であり、この場合に特に動的な逆転も容易に可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第1の実施態様による、多数のプラットフォームを有する装置の部分的な平面図である。
【図2】第1の実施態様による装置の、試料液の収容時に分離されたプラットフォームの概略図である。
【図3】図1のIII−III線に沿った横断面図である。
【図4】本発明の第2の実施態様による、多数のプラットフォームを有する装置の部分的な平面図である。
【図5】第3の実施態様による、本発明の装置の部分的な平面図である。
【図6】図5のVI−VI線に沿った横断面図である。
【図7】第3の実施態様による装置のプラットフォームの開放時を示す図である。
【図8】第3の実施例による装置を有する、第1の実施態様による測定装置の、試料液の収容時の概略図である。
【図9】第1の実施態様による測定装置において使用されたプラットフォームの排出を示す図である。
【図10】第4の実施態様による装置を有する、第2の実施態様による測定装置の概略的な平面図である。
【図11】試料液を収容するために開放されたプラットフォームを有する第2の実施態様による装置を示す概略的な平面図である。
【図12】試料液の検査後に使用されたプラットフォームを排出するところを示す、第2の実施態様による測定装置の概略的な平面図である。
【符号の説明】
【0051】
1 装置、2 プラットフォーム、 3 試料液、 4 結合部、 5 収容通路、 6 試料室、 7 通気通路、 8 カバー、 9 通気室、 10 キャリア、 11 長手方向ストリップ、 12 先細り部、 13 アンダカット、 14 測定装置、 15 カートリッジ、 16 送り装置、 17 案内ローラ、 18 開口装置、 19 案内ローラ、 20 測定装置、 21 表示装置、 22,23 ハウジング部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料液(3)、例えばグルコース検出のための血液を収容、特に検査又は操作するための多数のマイクロ流体のプラットフォーム(2)を有する装置であって、該プラットフォーム(2)が、閉じられた状態では互いに直接に結合されており、かつ/又は共通のキャリア(10)に配置されている形式のものにおいて、プラットフォーム(2)が、それぞれ個別に分離可能になっており、個別に開放可能になっていることを特徴とする、試料液(3)を収容、特に検査又は操作するための多数のマイクロ流体のためのプラットフォーム(2)を有する装置。
【請求項2】
個々のプラットフォーム(2)が、それぞれ強制的に分離により、試料液(3)を収容するために開放される、請求項1記載の装置。
【請求項3】
プラットフォーム(2)が、結合部(4)を介して互いに直接に結合されている場合に、それぞれのプラットフォーム(2)が、試料液(3)を収容するための収容通路(5)及び/又は通気通路(7)を有しており、該収容通路(5)及び/又は通気通路(7)が、結合部(4)を介して後続のプラットフォーム(2)内まで延びており、これにより、1つ又は複数の通路(5,7)が、結合部(4)の分離により開放されるようになっている、請求項2記載の装置。
【請求項4】
互いに直接に結合されたプラットフォーム(2)の結合部(4)が、規定破断箇所の形で形成されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の装置。
【請求項5】
プラットフォーム(2)が、連続的なカバー(8)によりカバーされている、請求項1から4までのいずれか1項記載の装置。
【請求項6】
カバー(8)が、試料液(3)を収容するための収容通路(5)及び/又はプラットフォーム(2)の通気通路(7)若しくは該通気通路(7)の1つ又は複数の開口をカバーする、請求項5記載の装置。
【請求項7】
カバー(8)が、少なくとも部分的に、特にストリップ(11)が開放可能又は取外し可能、特に引離し可能になっており、これにより、通路(5,7)又は該通路(5,7)の開口が開放される、請求項6記載の装置。
【請求項8】
カバー(8)が、少なくとも1つのキャビティ、有利には全てのキャビティ、例えば収容通路(5)、試料室(6)、通気通路(7)及びプラットフォーム(2)をカバーしている、請求項5から7までのいずれか1項記載の装置。
【請求項9】
カバー(8)が、薄膜から成っている、請求項5から8までのいずれか1項記載の装置。
【請求項10】
プラットフォーム(2)が、互いに次々にベルト状に配置されている、請求項1から9までのいずれか1項記載の装置。
【請求項11】
キャリア(10)が、ベルト状に形成されている、請求項1から10までのいずれか1項記載の装置。
【請求項12】
キャリア(10)が、薄膜から成っている、請求項1から11までのいずれか1項記載の装置。
【請求項13】
まだ分離されていないプラットフォーム(2)が、特に固有の柔軟性、互いの柔軟な結合部(4)及び/又はキャリア(10)の柔軟性に基づき巻き上げ可能になっている、請求項1から12までのいずれか1項記載の装置。
【請求項14】
まだ分離されていないプラットフォーム(2)が、特に互いの柔軟な結合部(4)及び/又はキャリア(10)の柔軟性に基づきスタック可能である、請求項1から13までのいずれか1項記載の装置。
【請求項15】
装置(1)、特にプラットフォーム(2)、キャリア(10)及び/又はプラットフォーム(2)のカバー(8)に、機械的及び/又は光学的なマーキング、切欠き、孔、先細り部、減衰部又はアンダカット(12)が設けられており、これにより、個々のプラットフォーム(2)の搬送、位置決め、把持及び/又は分離が可能になっている、請求項1から14までのいずれか1項記載の装置。
【請求項16】
それぞれのプラットフォーム(2)が、同時に開放され、分離される、すなわち、残りのプラットフォーム(2)からの分離により開放される、請求項1から15までのいずれか1項記載の装置。
【請求項17】
プラットフォーム(2)が、試料液(3)を収容するため及び通気のために、外部に対して別個の開口を有している、請求項1から16までのいずれか1項記載の装置。
【請求項18】
プラットフォーム(2)の収容通路(5)及び通気通路(7)の少なくとも一方又は両方が、2つのプラットフォームの間の破断しやすい結合部(4)まで延びているか、又は該結合部(4)を越えて延びている、請求項1から17までのいずれか1項記載の装置。
【請求項19】
通路(5,7)が、最初のプラットフォーム(2)から、次の(後続の)プラットフォーム(2)の破断しやすい結合部へ延びており、これにより、最初のプラットフォーム(2)が、該最初のプラットフォーム(2)を次のプラットフォーム(2)から分離することにより開放されるようになっている、請求項1から18までのいずれか1項記載の装置。
【請求項20】
有利には請求項1から19までのいずれか1項記載の、試料液(3)を収容、検査又は操作するための多数のマイクロ流体のプラットフォーム(2)を有する装置において、プラットフォーム(2)が、閉鎖された状態では、共通の、又は連続的なカバー(8)によりカバーされており、該カバー(8)が、それぞれのプラットフォーム(2)の、試料液を収容するための収容通路(5)の開口及び通気通路(7)の開口の少なくとも一方をカバーしており、それぞれのプラットフォーム(2)が、前記カバー(8)の少なくとも一部を取り除くことにより個々に分離され、個々に開放されるようになっており、これにより、少なくとも1つの前記通路が開放される、請求項1から19までのいずれか1項記載の、試料液を収容、検査及び操作するための多数のマイクロ流体のプラットフォーム(2)を有する装置。
【請求項21】
試料液(3)、例えばグルコース検出のための血液を、マイクロ流体のプラットフォーム(2)を用いて検査するための測定装置(14)において、該測定装置(14)が、特に請求項1から15までのいずれか1項記載の複数のプラットフォーム(2)を有する装置(1)の、それぞれ一度だけ使用可能な複数のプラットフォーム(2)を収容するために形成されていることを特徴とする、試料液(3)を検査するための測定装置(14)。
【請求項22】
測定装置(14)が、装置(1)若しくはプラットフォーム(2)を収容するための、有利には交換可能なカートリッジ(15)を有している、請求項21記載の測定装置。
【請求項23】
測定装置(14)が、プラットフォーム(2)を搬送するための送り装置(16)を有している、請求項21又は22記載の測定装置。
【請求項24】
測定装置(14)が、試料液(3)を収容するためプラットフォーム(2)を個別に開放するための開放装置(18)を有している、請求項21から23までのいずれか1項記載の測定装置。
【請求項25】
測定装置(14)が、プラットフォーム(2)を個別に分離するための分離装置を有している、請求項21から24までのいずれか1項記載の測定装置。
【請求項26】
測定装置(14)が、使用されたプラットフォーム(2)を個別に送出するための排出装置を有している、請求項21から25までのいずれか1項記載の装置。
【請求項27】
測定装置(14)又は少なくとも該測定装置(14)の送り装置(16)、開放装置(18)、分離装置及び/又は排出装置が、純粋に機械的に、手による操作により作動する、請求項21から26までのいずれか1項記載の測定装置。
【請求項28】
測定装置(14)が、可動、特に持運び可能に形成されている、請求項21から26までのいずれか1項記載の測定装置。
【請求項29】
試料液(3)、例えばグルコース検出のための血液を、試料液(3)を収容するマイクロ流体のプラットフォーム(2)を用いて、特に請求項1から20までのいずれか1項記載の装置(1)を用いて検査又は操作するための方法であって、多数のプラットフォーム(2)が搬送され、該プラットフォーム(2)が、閉鎖された状態では互いに直接に結合されており、かつ/又は共通のキャリア(10)に配置されている形式の方法において、プラットフォーム(2)を個別に、必要に応じてのみ、試料液(3)の直接に続く検査若しくは操作のために開放し、かつ分離することを特徴とする、試料液(3)を検査又は操作するための方法。
【請求項30】
プラットフォーム(2)が、個別にそれぞれ分離の直前、同時又は直後に試料液(2)を収容するために開放される、請求項29記載の方法。
【請求項31】
プラットフォーム(2)が、個別に、共通のキャリア(10)からの持上げ又は引離しにより開放される、請求項29又は30記載の方法。
【請求項32】
プラットフォーム(2)が、個別に、有利には共通のカバー(8)の持上げ又は引離しにより開放される、請求項29又は30記載の方法。
【請求項33】
プラットフォーム(2)が、個別に、隣接したプラットフォーム(2)との結合部(4)の分離により開放される、請求項29又は30記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2006−113068(P2006−113068A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−299361(P2005−299361)
【出願日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(503277020)ベーリンガー インゲルハイム マイクロパーツ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (17)
【氏名又は名称原語表記】Boehringer Ingelheim microParts GmbH
【住所又は居所原語表記】Hauert 7,D−44227 Dortmund,Germany
【Fターム(参考)】