説明

マグネットユニット及びアクセルペダル装置

【課題】アーマチャ又はステータにマグネットを接合するにあたり、低コスト化を図り、マグネット形状の自由度を高め、耐外部磁力性等を向上させる。
【解決手段】アーマチャ110及びステータ130,140の一方に固定されるマグネット120を含むマグネットユニットにおいて、マグネット120をアーマチャ110に接合する場合、アーマチャ110は、積層された状態で凹部110bを画定するように形成された薄板状をなす複数の積層板111,112により形成され、マグネット120は、その一部が凹部110b内に埋没するように接合される。これによれば、マグネット120が複数の積層板の凹部内に挟み込まれた状態で固定されるため、一体品に凹部を形成して固定される場合に比べてコストが低減され、設計の自由度が増し、複雑な輪郭をなすマグネットであっても容易に固定できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気回路において磁力を生じるマグネットを備えたマグネットユニット及びこのマグネットユニットを用いたアクセルペダル装置に関し、特に、アーマチャ(可動子)、ステータ(固定子)、アーマチャ又はステータに固定したマグネットを含むマグネットユニット及びこのマグネットユニットを含む磁気式位置センサ等を備えたアクセルペダル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、センサ用のマグネットを固定する手法としては、ロータコアを回転自在に支持するシャフト、シャフトに挿入された止め輪、環状をなすマグネット、マグネットの内周に圧入して一体化されかつシャフトに嵌合されたカラー、カラーの端面に当接する玉軸受等を備え、止め輪とカラーにてマグネットを挟み込んで固定するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この固定手法においては、カラーの一部をマグネットの内周に圧入するため、圧入による締め代(嵌合代)が大き過ぎるとマグネットが破損する虞があり、又、この手法ではマグネットを一体的に成形(モールド)することが困難であり、焼結品として予め形成したマグネットに対して適用できるものである。したがって、マグネット、カラー等を複雑な形状に対応させるのは困難であり、寸法を高精度に管理する必要もあり、全体として高コスト化を招き生産性が悪い。
【0003】
また、他の固定手法としては、コア、マグネット、ヨーク、リード端子、ボビン等を含む磁気式回転センサにおいて、マグネット、コイル、端子等を合成樹脂材料により一体成型(モールド)したもの(例えば、特許文献2参照)、又、電機子の回転軸、回転軸に固定されて整流子を支持すると共に環状溝を画定する樹脂部、センサ用のマグネット等を備え、マグネットを樹脂部の環状溝に一体的に成形したものが知られている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、これらの固定手法においては、マグネットを樹脂により一体成型するため、製造工程において、樹脂モールド工程が必要になり、又、樹脂により直接支持する場合はマグネットの位置決めが容易ではなく、さらに、樹脂の経時劣化等によりマグネットが脱落する虞がある。
【0004】
さらに、他の固定手法としては、二重円筒状をなすロータヨーク、センサ用のマグネット、界磁用のマグネット、マグネットカバー等を備え、ロータヨークのボス部にセンサ用のマグネットを外嵌させ、ロータヨークの内周面に界磁用のマグネットを内嵌させ、両方のマグネットを押さえ込むようにロータヨークに対してマグネットカバーを嵌め込んだものが知られている(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、この固定手法においては、ロータヨークに対してマグネットを外嵌及び内嵌により圧入するため、圧入による締め代(嵌合代)が大き過ぎるとマグネットが破損する虞があり、又、この手法ではマグネットを一体的に成形することが困難であり、焼結品として予め形成したマグネットに対して適用できるものである。したがって、マグネット、ロータヨーク等を複雑な形状に対応させるのは困難であり、寸法を高精度に管理する必要もあり、全体として高コスト化を招き生産性が悪い。さらに、専用のマグネットカバーが必要であり、組付け工程の複雑化、高コスト化等を招く。
【0005】
一方、自動車等に搭載のエンジンにおいて、電子制御スロットルシステム(ドライブバイワイヤシステム)に適用されるアクセルペダル装置としては、アクセルペダルを一体的に有しハウジングに対して揺動自在に支持されたペダルアーム、ペダルアームを揺動自在に支持する揺動支軸、ペダルアームを休止位置に戻す復帰バネ、揺動支軸の周りに配置されてペダルアームの角度位置を検出する位置センサ等を備え、位置センサによりアクセルペダル(ペダルアーム)の踏み込み量(角度位置)を検出し、その検出信号に基づいて、エンジンの出力制御を行なうものが知られている(例えば、特許文献5参照)。
この位置センサは、ペダルアームと一体的に回転する円弧状のアーマチャ及びアーマチャに固着された円弧状のマグネット、ハウジングに固定された2つのステータ及びホール素子により形成されている。したがって、アーマチャ及びマグネットとステータとの相対的な位置ずれは、出力信号に影響を及ぼすことになるため、アクセル開度を高精度に制御するためにも、高精度に位置決めして組み付けられることが要求される。
しかしながら、このアーマチャは一体品として形成され、その円弧面に対してマグネットが単に接合されているだけであるため、両者の位置決めが容易ではなく、又、外乱(他からの磁力)の影響を受けないように遮磁板等の対策を講じる必要がある。
【0006】
【特許文献1】特開平10−322976号公報
【特許文献2】特開平06−102054号公報
【特許文献3】特開平11−308812号公報
【特許文献4】特開2002−199660号公報
【特許文献5】特開2004−155375号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、構造の簡素化、軽量化、低コスト化、設計自由度の向上、組付け作業性の向上、生産性の向上、外乱磁力による影響を防止でき(耐外部磁力性向上)、センサ精度の向上等を図ることができ、又、アクセルペダル(ペダルアーム)の角度位置を高精度に検出することができるマグネットユニット及びこれを用いたアクセルペダル装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のマグネットユニットは、アーマチャ及びステータの一方に固定されるマグネットを含むマグネットユニットであって、上記アーマチャ及びステータの一方は、積層された状態で凹部を画定するように形成された薄板状をなす複数の積層板を含み、上記マグネットは、その一部が凹部内に埋没するように接合されている、構成となっている。
この構成によれば、アーマチャ又はステータにマグネットを固定するために、複数の積層板を用い、複数の積層板が積層された状態で画定する凹部内にマグネットの一部を埋没させる(挟み込む)ため、異なる種類の積層板を用いることで容易に凹部を形成することができ、一体品に凹部を加工する場合に比べて、コストが低減され、設計の自由度が増し、複雑な輪郭をなすマグネット(例えば、予め成型された焼結品、一体的に成形された成形品)であっても容易に固定することができる。
【0009】
上記構成をなすマグネットユニットにおいて、複数の積層板は、磁路を形成する磁性材料により形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、複数の積層板が、マグネットから発せられる磁束を通す磁路をなすため、積層板を磁気回路の一部として適用することができ、又、磁束の漏れを抑制して所望の磁束流れを得ることができる。
【0010】
上記構成をなすマグネットユニットにおいて、複数の積層板は、その積層方向において、マグネットを挟み込むように形成された一対の外板と、一対の外板の内側に積層されて凹部を画定する凹状切り欠き部を有する複数の中間板とを含む、構成を採用することができる。
この構成によれば、マグネットが予め形成された焼結品の場合、一方の外板に複数の中間板を積層した状態で、各々の凹状切り欠き部により画定される凹部内にマグネットを嵌め込み、その外側から他方の外板を積層してマグネットを挟み込むことで、マグネットを積層板に固定することができ、又、マグネットを積層板に一体的に成形する場合、一対の外板及び複数の中間板を予め積層し、この積層板の凹部に対してマグネットを一体的に成形することができる。また、外板及び中間板の厚さを適宜調整することにより、又、中間板の枚数を適宜調整することにより、種々の形状及び大きさをなすマグネットを固定することができる。
【0011】
上記構成をなすマグネットユニットにおいて、複数の中間板は、マグネットを位置決めするべく、凹状切り欠き部に続けて形成された位置決め用切り欠き部を有し、マグネットは、位置決め用切り欠き部に嵌め込まれる突起を有する、構成を採用することができる。
この構成によれば、位置決め用切り欠き部にマグネットの突起を嵌め込むことで、マグネットが凹部から脱落するのをより確実に防止でき、又、積層板の所定位置に対してマグネットを高精度に位置決めすることができる。
【0012】
上記構成をなすマグネットユニットにおいて、一対の外板は同一形状に形成され、複数の中間板は同一形状に形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、薄板状の金属板に打ち抜き加工を施すことにより、外板及び中間板を形成することができるため、生産性の向上、低コスト化等を達成することができる。
【0013】
上記構成をなすマグネットユニットにおいて、複数の積層板は、略環状に形成されると共にその内周面において凹部を画定するように形成され、マグネットは、径方向の外側において凹部に接合される外側円弧面,積層方向において凹部に接合される両側面,周方向において凹部に接合される両端面,及び径方向内側に向けて露出する内側円弧面を画定するべく、径方向において所定の厚みをなす円弧状に形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、円弧状をなすマグネットを複数の積層板の凹部に接合するにあたり、マグネットの外側円弧面が凹部の底面に接合され、マグネットの両側面が外側に積層される積層板により挟持され、マグネットの両端面が周方向における凹部の内壁面に接合されて、マグネットは所定位置に確実に位置決めされて固定される。特に、マグネットの両端面及びそれに接合する凹部の内壁面を所定の中心角をなすように形成することで、マグネットが径方向内側へ抜け落ちるのを確実に防止することができる。
また、磁気回路の一部をなす他の部品と対向させるマグネットの内側円弧面を除いて、マグネットの周りを積層板で覆うように形成することで、外部から影響を及ぼす磁力を遮断することもでき、耐外部磁力性を向上させることができる。
【0014】
上記構成をなすマグネットユニットにおいて、複数の積層板は、凹凸嵌合により相互に固着されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、複数の積層板を積層して組み付ける際に、お互いを凹凸嵌合させるだけであるため、組付け作業が簡単であり、生産性の向上にも寄与する。
【0015】
上記構成をなすマグネットユニットにおいて、マグネットは、複数の積層板が積層された状態で、この積層板に対して一体的に成形する成形法により形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、マグネットを複数の積層板の凹部に対して一体的に成形することで、より密着した状態でマグネットを所定位置に高精度に位置決めして確実に固定することができ、又、複雑な形状のマグネットであっても容易に形成することができる。
【0016】
本発明のアクセルペダル装置は、アクセルペダルを有するペダルアームと、ペダルアームを休止位置と最大踏込み位置の間で所定の揺動軸線回りに揺動自在に支持するハウジングと、ペダルアームを休止位置に戻す付勢力を及ぼす復帰バネと、ペダルアームの角度位置を検出する磁気式位置センサを備えたアクセルペダル装置であって、上記ペダルアームは、揺動軸線を中心とする円筒部を有し、上記ハウジングは、円筒部を揺動軸線回りに摺動自在に嵌合させる嵌合部と、円筒部の内側に非接触にて配置される突出部を有し、上記磁気式位置センサは、円筒部に嵌合して固定された環状のアーマチャと、アーマチャに接合されたマグネットと、突出部に一緒に固定されて磁路を形成するステータ及び磁束を検出するセンサ素子を含み、アーマチャは、積層された状態でその内周面に凹部を画定するように形成された薄板状をなす複数の積層板を含み、マグネットは、その一部が凹部内に埋没するように接合されている、構成となっている。
この構成によれば、ペダルアームの円筒部がハウジングの嵌合部(例えば、円筒部の内周面に嵌合する凸状嵌合部、円筒部の外周面に嵌合する凹状嵌合部)により揺動自在に支持され、ペダルアームの円筒部に環状のアーマチャが固定され、ハウジングの突出部にステータ及びセンサ素子が固定され、ペダルアームの円筒部がハウジングの突出部に対して相対的に回動することで、アクセルペダル(ペダルアーム)の角度位置が検出されるようになっている。
ここで、アーマチャにマグネットを固定するために、複数の積層板を用い、複数の積層板が積層された状態で画定する凹部内にマグネットの一部を埋没させる(挟み込む)ため、異なる種類の積層板を用いることで容易に凹部を形成することができ、一体品に凹部を加工する場合に比べて、コストが低減され、設計の自由度が増し、複雑な輪郭をなすマグネット(例えば、予め成型された焼結品、一体的に成形された成形品)であっても容易に固定することができる。
【0017】
上記構成をなすアクセルペダル装置において、複数の積層板は、磁路を形成する磁性材料により形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、複数の積層板が、マグネットから発せられる磁束を通す磁路をなすため、積層板を磁気回路の一部として適用することができ、又、磁束の漏れを抑制して所望の磁束流れを得ることができる。
【0018】
上記構成をなすアクセルペダル装置において、複数の積層板は、その積層方向において、マグネットを挟み込むように形成された一対の外板と、一対の外板の内側に積層されて凹部を画定する凹状切り欠き部を有する複数の中間板とを含む、構成を採用することができる。
この構成によれば、マグネットが予め形成された焼結品の場合、一方の外板に複数の中間板を積層した状態で、各々の凹状切り欠き部により画定される凹部内にマグネットを嵌め込み、その外側から他方の外板を積層してマグネットを挟み込むことで、マグネットを積層板に固定することができ、又、マグネットを一体的に成形する場合、一対の外板及び複数の中間板を予め積層し、この積層板の凹部に対してマグネットを一体的に成形することができる。また、外板及び中間板の厚さを適宜調整することにより、又、中間板の枚数を適宜調整することにより、種々の形状及び大きさをなすマグネットを固定することができる。
【0019】
上記構成をなすアクセルペダル装置において、一対の外板は同一形状に形成され、複数の中間板は同一形状に形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、薄板状の金属板に打ち抜き加工を施すことにより、外板及び中間板を形成することができるため、生産性の向上、低コスト化等を達成することができる。
【0020】
上記構成をなすアクセルペダル装置において、マグネットは、径方向の外側において凹部に接合される外側円弧面,積層方向において凹部に接合される両側面,周方向において凹部に接合される両端面,及び径方向内側に向けて露出し突出部と非接触にて対向する内側円弧面を画定するべく、径方向において所定の厚みをなす円弧状に形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、円弧状をなすマグネットを複数の積層板の凹部に接合するにあたり、マグネットの外側円弧面が凹部の底面に接合され、マグネットの両側面が外側に積層される積層板により挟持され、マグネットの両端面が周方向における凹部の内壁面に接合されて、マグネットは所定位置に確実に位置決めされて固定される。特に、マグネットの両端面及びそれに接合する凹部の内壁面を所定の中心角をなすように形成することで、マグネットが径方向内側へ抜け落ちるのを確実に防止することができる。
また、磁気回路の一部をなす他の部品と対向させるマグネットの内側円弧面を除いて、マグネットの周りを積層板で覆うように形成することで、外部からの影響を及ぼす磁力を遮断することもでき、耐外部磁力性を向上させることができる。したがって、アクセルペダルを操作する操作者(車の運転者)が足首あるいは脹脛等に血流促進用のマグネット等を装着している場合でも、その磁力の影響を抑制あるいは防止することができ、磁気式位置センサのセンサ精度を向上させることができる。
【0021】
上記構成をなすアクセルペダル装置において、複数の中間板は、マグネットを位置決めするべく、凹状切り欠き部に続けて形成された位置決め用切り欠き部を有し、マグネットは、位置決め用切り欠き部に嵌め込まれる突起を有する、構成を採用することができる。
この構成によれば、位置決め用切り欠き部にマグネットの突起を嵌め込むことで、マグネットが凹部から脱落するのをより確実に防止でき、又、積層板の所定位置に対してマグネットを高精度に位置決めすることができ、磁気式位置センサのセンサ精度を向上させることができる。
【0022】
上記構成をなすアクセルペダル装置において、複数の積層板は、凹凸嵌合により相互に固着されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、複数の積層板を積層して組み付ける際に、お互いを凹凸嵌合させるだけであるため、組付け作業が簡単であり、生産性の向上にも寄与する。
【0023】
上記構成をなすアクセルペダル装置において、マグネットは、複数の積層板が積層された状態で、この積層板に対して一体的に成形する成形法により形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、マグネットを複数の積層板の凹部に対して一体的に成形することで、より密着した状態でマグネットを所定位置に高精度に位置決めして確実に固定することができ、又、複雑な形状のマグネットであっても容易に形成することができる。
【発明の効果】
【0024】
上記構成をなすマグネットユニットによれば、構造の簡素化、軽量化、低コスト化、設計自由度の向上、組付け作業性の向上、生産性の向上、外乱磁力による影響を防止でき(耐外部磁力性向上)、センサ精度の向上等を達成することができる。また、このようなマグネットユニットを適用することで、低コスト化、生産性の向上、設計自由度の向上等を達成しつつ、外乱磁力による影響を防止でき、アクセルペダル(ペダルアーム)の角度位置を高精度に検出することができるアクセルペダル装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1ないし図8は、本発明に係るマグネットユニットを備えたアクセルペダル装置の一実施形態を示すものであり、図1は装置の側面図、図2は装置の内部を示す側面図、図3は装置の内部を示す断面図、図4はマグネットユニットを含む磁気式位置センサを示す平面図及び断面図、図5はマグネットユニット及びマグネットを示す斜視図、図6はマグネットユニット及びマグネットを示す断面図及び平面図、図7はマグネットユニットに含まれる複数の積層板を示す平面図、図8は複数の積層板を積層する前の状態を示す断面図である。
【0026】
このアクセルペダル装置は、図1ないし図3に示すように、自動車等の車体Mに固定されるハウジングとしてのハウジング本体10及びハウジングカバー20、アクセルペダル30aを有しハウジング(ハウジング本体10及びハウジングカバー20)により規定される所定の揺動軸線Lを中心として揺動自在に支持されたペダルアーム30、ペダルアーム30を休止位置に戻す復帰バネ40、踏力(ペダル荷重)にヒステリシスを生じさせるべく第1スライダ51,第2スライダ52,及び復帰バネ53を含むヒステリシス発生機構50、ペダルアーム30の回転角度位置を検出する磁気式位置センサ100等を備えている。
ここで、磁気式位置センサ100は、環状のアーマチャ110,アーマチャ110に接合された一対のマグネット120,ステータ130,140,磁束(の変化)を検出するセンサ素子150等を備えている。
【0027】
ハウジング本体10は、全体が樹脂材料により成形されており、図1ないし図3に示すように、後述するペダルアーム30の円筒部31に摺動自在に嵌合(内嵌)される凸状嵌合部11、円筒部31を揺動軸線L方向において支持するスラスト受部12、復帰バネ40を収容する凹部13、ヒステリシス発生機構50を収容する凹部14、ペダルアーム30を休止位置に停止させる休止ストッパ15、ペダルアーム30を全開位置(最大踏込み位置)に停止させる全開ストッパ16、車体M等に固定するためのフランジ部17、ハウジングカバー20を結合するための結合部18等を備えている。
【0028】
ハウジングカバー20は、全体が樹脂材料により成形されており、図1ないし図3に示すように、後述するペダルアーム30の円筒部32を摺動自在に嵌合(外嵌)させる凹状嵌合部21、円筒部32を揺動軸線L方向において支持するスラスト受部22、凹状嵌合部21の内側において同軸上に形成された突出部23、後述する磁気式位置センサ100の配線を接続するためのコネクタ24、ハウジング本体10に結合するための結合部25等を備えている。
突出部23は、図3に示すように、ペダルアーム30の揺動軸線Lを中心とする円柱状に形成され、その内部に磁気式位置センサ100の一部(ステータ130,140、及びセンサ素子150)を埋設(固定)している。そして、突出部23は、後述するペダルアーム30の円筒部32の内側領域に非接触にて配置されるようになっている。
【0029】
ペダルアーム30は、全体が樹脂材料により成形されており、図1ないし図3に示すように、ハウジング(10,20)に組み付けた状態で揺動軸線Lを中心とする円筒状に形成された円筒部31,32、円筒部31,32から下方に伸長した下端に形成されたアクセルペダル30a、円筒部31,32から上方に伸長した上端に形成されて休止ストッパ15に離脱自在に当接する当接部35及びヒステリシス発生機構50の第1スライダ51に離脱自在に係合する上端部36、復帰バネ40の端部を受ける座部37、ハウジング本体10の全開ストッパ16に離脱自在に当接する当接部38、環状のアーマチャ110を嵌合して固定する内周面39等を備えている。
円筒部31は、図3に示すように、ハウジング本体10の凸状嵌合部11に対して揺動軸線L回りに摺動自在に嵌合(外嵌)されるように形成されている。
円筒部32は、図3に示すように、ハウジングカバー20の凹状嵌合部21に対して揺動軸線L回りに摺動自在に嵌合(内嵌)されるように形成されている。
内周面39は、マグネット120を接合したアーマチャ110を所定の角度位置に位置決めしつつ嵌合(嵌入)して固定するように形成されている。
【0030】
復帰バネ40は、図2に示すように、バネ鋼等により形成された圧縮型のコイルバネであり、ハウジング本体10の凹部13に圧縮した状態で配置されて、ペダルアーム30の座部37に端部が当接されて、ペダルアーム30を休止位置に戻す付勢力を発生するようになっている。
【0031】
ヒステリシス発生機構50は、図2に示すように、ハウジング10の凹部14に収容されており、第1スライダ51、第2スライダ52、復帰バネ53により形成されている。
そして、ペダルアーム30を最大踏込み位置(全開位置)に向けて踏み込む場合は、上端部36が復帰バネ53の付勢力に抗して第1スライダ51を図2中の左向きに押し、第1スライダ51と第2スライダ52のくさび作用により、復帰バネ53の付勢力の増加に伴って直線的に増加する摩擦力を生じ、一方、復帰バネ40,53の付勢力に応じて、ペダルアーム30を休止位置に向けて戻す場合は、復帰バネ53の付勢力により第1スライダ51及び第2スライダ52が、元の位置に向けて図2中の右向きに移動し、復帰バネ53の付勢力の減少に伴ってくさび作用による摩擦力も弱くなり直線的に減少する摩擦力を生じる。ここで、戻り動作の際の摩擦力は、踏込み動作の際の摩擦力よりも小さくなるため、踏込み動作から戻し動作までの全体の踏力(ペダル荷重)を、ヒステリシス荷重とすることができる。
【0032】
磁気式位置センサ100は、非接触式の磁気式センサであり、図3に示すように、ペダルアーム30の内周面39に固定された環状のアーマチャ110、アーマチャ110の凹部110bに接合された円弧状の一対のマグネット120、ハウジングカバー20の突出部23に埋設して固定されたステータ130,140、ステータ130,140の間に配置された(ホール素子等の)2つのセンサ素子150等により形成され、その他に関連する部品として、ハウジングカバー20内に埋設された端子160及び種々の電子部品が実装された回路基板170等を備えている。
【0033】
環状のアーマチャ110は、図4ないし図8に示すように、磁性材料からなる薄板状をなす複数の積層板により形成されて、所定内径(2R1)をなす円筒状の内周面110a、内周面110aの対向する二箇所において中心角θをなす円弧状の2つの凹部110bを画定している。
すなわち、アーマチャ110は、その積層方向においてマグネット120を挟み込むように形成された略環状をなす一対の外板111、一対の外板111の内側に積層されて内周面110a及び凹部110bを画定するように形成された略環状をなす5つの中間板112を含み、一対の外板111及び5つの中間板112は積層されて、お互いに凹凸嵌合により固着されている。
【0034】
一対の外板111は、図5(a)、図6(a)、図7(a)に示すように、所定板厚Dの磁性板に打ち抜き加工を施すことにより同一形状に形成されており、それぞれ、内周面110aを画定する半径R1をなす円形開口部111a、凸部111c、凹部111d等を備えている。
5つの中間板112は、図5(a)、図6(a)、図7(b)に示すように、所定板厚Dの磁性板に打ち抜き加工を施すことにより同一の形状に形成されており、それぞれ、内周面110aを画定する曲率半径R1をなす内側円弧部112a、積層された状態で凹部110bを画定するべく曲率半径R2及び中心角θをなす円弧状に形成された凹状切り欠き部112b、凸部112c、凹部112d等を備えている。
このように、一対の外板111は同一形状をなし、又、5つの中間板112も同一形状をなすため、薄板状の金属板に打ち抜き加工を施すことにより、それぞれ容易に形成することができ、生産性の向上、低コスト化等を達成することができる。
【0035】
ここで、一対の外板111及び5つの中間板112は、図8に示すように、お互いに凸部111c、112cと凹部112d,111dを凹凸嵌合するように積層されて固着されるようになっている。
そして、一対の外板111及び5つの中間板112(アーマチャ110)は、積層された状態において、その内周面110aにおいて、円弧状の2つの凹部110bを画定するようになっている。
このように、一対の外板111及び5つの中間板112を積層して積層板を形成する際に、お互いを凹凸嵌合させるだけであるため、組付け作業が簡単であり、生産性の向上にも寄与する。尚、凸部111c,112c及び凹部111d,112dは、外板111及び中間板112を打ち抜きにより形成した時点では設けず、外板111及び中間板112を積層した後に凹凸嵌合させるようにプレス加工を施して凸部及び凹部が形成されるようにしてもよい。
【0036】
上記のように、アーマチャ110は、一対の外板111と、凹部110bを画定する凹状切り欠き部112bを有する5つの中間板112により形成されるため、マグネット120が予め形成された焼結品の場合、一方の外板111に5つの中間板112を積層した状態で、5つの凹状切り欠き部112bにより画定される凹部110b内にマグネット120を嵌め込み、その外側から他方の外板111を積層してマグネット120を挟み込むことで、マグネット120を固定することができる。
また、マグネット120を積層板に一体的に成形する成形法(射出成形、インサート成形等)により形成する場合、一対の外板111及び5つの中間板112を予め積層して固着した積層板として形成し、この積層板の凹部110bに対してマグネット120を成形(モールド)することができる。
【0037】
マグネット120は、図4ないし図6に示すように、内側の曲率半径がr1及び外側の曲率半径がr2をなし、径方向において所定厚み(r2−r1)、積層方向(揺動軸線方向L)において所定幅Wをなす円弧状に形成されている。
すなわち、マグネット120は、径方向の外側においてアーマチャ110の凹部110bの底面(すなわち、中間板112の凹状切り欠き部112bの円弧縁)に接合される曲率半径R2をなす外側円弧面121、積層方向(揺動軸線方向L)において凹部110bの両側面(すなわち、一対の外板111の内壁面)に接合される両側面122、周方向において凹部110bの内壁面(すなわち、中間板112の凹状切り欠き部112bの直線縁)に接合される両端面123、及び径方向内側に向けて露出し突出部23と非接触にて対向する曲率半径R1をなす内側円弧面124を画定している。
ここで、マグネット120の幅Wは、5つの中間板112の厚さ(5D)に等しくなるように形成されている。また、マグネット120の外側円弧面121の曲率半径r2は、中間板112の凹状切り欠き部112bの曲率半径R2に等しくなるように形成されている。一方、マグネット120の内側内周面124の曲率半径r1は、アーマチャ110の内周面110aの半径R1よりも小さくなるように形成されている。
【0038】
したがって、マグネット120が予め形成された焼結品の場合、アーマチャ110の凹部110bに接合するにあたり、外側円弧面121が凹部110bの底面に接合され、両側面122が一対の外板111により挟持され、両端面123が周方向における凹部110bの内壁面に接合されるようにして固定される。一方、マグネット120が、アーマチャ110に対して一体的に成形される場合は、一対の外板111及び5つの中間板112を積層して凹凸嵌合により固着して積層板とした後に、この積層板を所定の金型内に配置して成形し、着磁及び熱処理(熱からし)が行われる。
これによれば、マグネット120を、より密着した状態で凹部110bに高精度に位置決めして確実に固定することができ、又、複雑な形状のマグネットであっても容易に形成することができる。
ここでは、特にマグネット120の両端面123及び凹部110bの内壁面が、所定の中心角θをなすと共に曲率半径の中心に向うように形成されているため、マグネット120が予め形成された焼結品又は成形品のいずれであっても、マグネット120が凹部110bから径方向内側へ抜け落ちるのを確実に防止することができる。
【0039】
また、マグネット120は、その内側円弧面124を除いて、積層板(外板111及び中間及び112)により覆われているため、適宜内周面110aの寸法(円形開口部111aの内径寸法)を選定することにより、専用の遮磁板等を採用することなく、外部から影響を及ぼす磁力を遮断することもでき、耐外部磁力性を向上させることができる。したがって、アクセルペダル30aを操作する操作者(車の運転者)が足首あるいは脹脛等に血流促進用のマグネット等を装着している場合でも、その磁力の影響を抑制あるいは防止することができ、磁気式位置センサ100のセンサ精度を向上させることができる。
さらに、外板111及び中間板112の厚さDを適宜調整することにより、又、中間板112の枚数を適宜調整することにより、種々の形状及び大きさをなすマグネット120をアーマチャ110に対して固定することができる。
【0040】
そして、マグネット120を固定したアーマチャ110は、ペダルアーム30の内周面39に嵌め込まれて、マグネット120が突出部23の外周面(すなわちステータ130)と所定の間隔をあけて非接触の状態で回動するように形成されている。
ステータ130,140は、磁性材料により形成され、マグネット120から発せられた磁束を積極的に通す磁路を画定するものである。
センサ素子150は、ホール素子等であり、通過する磁束密度の変化に応じた電圧信号を出力するものである。
したがって、ペダルアーム30すなわちアーマチャ110及びマグネット120が回動することにより、ステータ130,140の間を通過する磁束密度が変化し、この変化をセンサ素子150が検出して電圧信号として出力する。これにより、磁気式位置センサ100は、ペダルアーム30の回転角度位置を検出するようになっている。
【0041】
以上述べたように、アーマチャ110にマグネット120を固定するために、複数の積層板(一対の外板111及び5つの中間板112)を用い、複数の積層板が積層された状態で画定する凹部110b内にマグネット120の一部を埋没させる(挟み込む)ため、一体品(バルク品)に凹部を加工する場合に比べて、コストが低減され、設計の自由度が増し、複雑な輪郭をなすマグネットであっても容易に固定することができる。
【0042】
次に、このアクセルペダル装置の動作について簡単に説明すると、先ず、操作者(運転者)がアクセルペダル30aを踏み込まない休止位置にあるとき、復帰バネ40,53の付勢力により、当接部35が休止ストッパ15に当接して、ペダルアーム30は図1中の実線で示す位置に停止している。
この状態から、操作者(運転者)がアクセルペダル30aを踏み込むと、ペダルアーム30は、復帰バネ40,53の付勢力に抗して図1及び図2中の反時計回りに回転し、ヒステリシス発生機構50が発生する抵抗荷重(押返し荷重)を増しながら、図1中の二点差線にて示す最大踏込み位置(全開位置)まで回転して、その当接部38がハウジング本体10の全開ストッパ16に当接して停止する。
【0043】
一方、操作者(運転者)が踏力を緩めると、踏込み時の抵抗荷重(ペダル荷重)よりも小さい抵抗荷重(ペダル荷重)を操作者(運転者)に及ぼしながら、ペダルアーム30は復帰バネ40,53の付勢力により休止位置に向けて移動し、そのペダルアーム30の当接部35がハウジング本体10の休止ストッパ15に当接して停止する。
上記のように、操作者(運転者)がアクセルペダル30aを操作して、ペダルアーム30を休止位置と最大踏み込み位置の間で揺動させる際に、ペダルアーム30はガタツキを生じることなく安定して揺動し、又、休止する際にも再現性よく所定の休止位置に位置付けられ、磁気式位置センサ100は、ペダルアーム30の角度位置を再現性よく高精度に検出(出力)することができる。
特に、操作者(運転者)が足首あるいは脹脛等に血流促進用のマグネット等を装着している場合でも、マグネット120を積層板で覆うように固定してかつセンサ素子150へ外部からの磁束が直接の流れ込むのを防止しているため、その磁力の影響を抑制あるいは防止することができ、磁気式位置センサのセンサ精度を向上させることができる。
【0044】
図9ないし図11は、本発明に係るマグネットユニットの他の実施形態を示すものである。尚、前述の実施形態と同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
この実施形態において、アーマチャ110は、一対の外板111、及び5つの中間板112´を積層した積層板により形成されている。
中間板112´は、図10及び図11に示すように、凹状切り欠き部112bに続けて、その周方向両端近傍に形成された位置決め用切り欠き部112b´を備えている。
マグネット120´は、外側円弧面121、両側面122、両端面123、内側円弧面124、両端面123の近傍に形成された円柱状の突起125を備えている。
突起125は、位置決め用切り欠き部112´に嵌め込まれるようになっている。
【0045】
したがって、位置決め用切り欠き部112´にマグネット120´の突起125を嵌め込むことで、マグネット120´が凹部110bから脱落するのをより確実に防止でき、又、積層板(外板111、中間板112)の所定位置に対してマグネット120´を高精度に位置決めすることができ、磁気式位置センサ100のセンサ精度を向上させることができる。
【0046】
上記実施形態においては、マグネット120,120´をアーマチャ110に固定する場合を示したが、これに限定されるものではなく、ステータが複数の積層板を含むように形成することで、マグネットをステータに固定することも可能である。
上記実施形態においては、複数の積層板として、一対の外板111と5つの中間板112を示したが、これに限定されるものではなく、マグネット120の幅Wに応じて中間板112の枚数を適宜調整してもよい。
【0047】
上記実施形態においては、アーマチャ110が環状に形成され、その内周面に画定された凹部110bに対して円弧状のマグネット120,120´を接合した場合を示したが、これに限定されるものではなく、環状をなすアーマチャの外周面に画定された凹部に対して円弧状のマグネットを接合してもよい。
上記実施形態においては、複数の積層板として、2種類の積層板(外板111及び中間板112、又は、外板111及び中間板112´)を採用した場合を示したが、これに限定されるものではなく、外板111、中間板112,112´の3種類の積層板を採用してもよく、4種類以上の積層板を採用してもよい。
【0048】
上記実施形態においては、積層板(一対の外板111及び複数の中間板112,112´)として、磁性材料により形成される金属板を適用した場合を示したが、これに限定されるものではなく、その他の材料により形成された薄板状の複数の積層板を採用することができる。
上記実施形態においては、マグネットユニットが、アクセルペダル装置の磁気式位置センサ100に適用された場合について示したが、これに限定されるものではなく、アーマチャ(可動子)、ステータ(固定子)、マグネットを含むものであれば、その他の電子機器及び機械製品等においても適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
以上述べたように、本発明のマグネットユニットは、構造の簡素化、軽量化、低コスト化、設計自由度の向上、組付け作業性の向上、生産性の向上、外乱磁力による影響を防止でき(耐外部磁力性向上)、センサ精度の向上等を達成することができるため、センサユニット例えば、アクセルペダル装置の磁気式位置センサとして適用できるのは勿論のこと、アーマチャ(可動子)、ステータ(固定子)、マグネットを構成要素として含む分野であれば、電子機器、その他の機械部品等にも有用である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係るマグネットユニットを備えたアクセルペダル装置の一実施形態を示す側面図である。
【図2】アクセルペダル装置の内部構造を示す側面図である。
【図3】アクセルペダル装置の内部構造を示す断面図である。
【図4】本発明に係るマグネットユニットを含む磁気式位置センサを示すものであり、(a)その平面図、(b)は(a)中のE1−E1における断面図である。
【図5】(a)は本発明に係るマグネットユニットを示す斜視図、(b)はマグネットユニットの一部をなすマグネットを示す斜視図である。
【図6】(a)はマグネットユニットの一部をなすアーマチャにおいて一部の積層板を省いた状態を示す平面図、(b)はマグネットユニットに含まれるマグネットを示す平面図である。
【図7】アーマチャを形成する積層板を示すものであり、(a)は外板を示す平面図、(b)は中間板を示す平面図である。
【図8】アーマチャを形成する一対の外板及び複数の中間板を積層して嵌合固着する前の状態を示す断面図である。
【図9】本発明に係るマグネットユニットの他の実施形態を示すものであり、(a)はマグネットユニットを示す斜視図、(b)はマグネットユニットの一部をなすマグネットを示す斜視図である。
【図10】(a)は図9に示すマグネットユニットの一部をなすアーマチャにおいて一部の積層板を省いた状態を示す平面図、(b)は図9に示すマグネットユニットに含まれるマグネットを示す平面図である。
【図11】図9に示すマグネットユニットのアーマチャを形成する積層板を示すものであり、(a)は外板を示す平面図、(b)は中間板を示す平面図である。
【符号の説明】
【0051】
L 揺動軸線
10 ハウジング本体(ハウジング)
11 凸状嵌合部
12 スラスト受部
15 休止ストッパ
16 全開ストッパ
20 ハウジングカバー(ハウジング)
21 凹状嵌合部
23 突出部
30 ペダルアーム
30a アクセルペダル
31,32 円筒部
35 当接部
36 上端部
37 座部
38 当接部
39 内周面
40 復帰バネ
50 ヒステリシス発生機構
51 第1スライダ
52 第2スライダ
53 復帰バネ
100 磁気式位置センサ
110 アーマチャ
110a 内周面
110b 凹部
111 一対の外板
111a 円形開口部
111c 凸部
111d 凹部
112 中間板
112a 内側円弧部
112b 凹状切り欠き部
112b´ 位置決め用切り欠き部
112c 凸部
112d 凹部
120,120´ マグネット
121 外側円弧面
122 両側面
123 両端面
124 内側円弧面
125 突起
130,140 ステータ
150 センサ素子
160 端子
170 回路基板


【特許請求の範囲】
【請求項1】
アーマチャ及びステータの一方に固定されるマグネットを含むマグネットユニットであって、
前記アーマチャ及びステータの一方は、積層された状態で凹部を画定するように形成された薄板状をなす複数の積層板を含み、
前記マグネットは、その一部が前記凹部内に埋没するように接合されている、
ことを特徴とするマグネットユニット。
【請求項2】
前記複数の積層板は、磁路を形成する磁性材料により形成されている、
ことを特徴とする請求項1記載のマグネットユニット。
【請求項3】
前記複数の積層板は、その積層方向において、前記マグネットを挟み込むように形成された一対の外板と、前記一対の外板の内側に積層されて前記凹部を画定する凹状切り欠き部を有する複数の中間板とを含む、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のマグネットユニット。
【請求項4】
前記複数の中間板は、前記マグネットを位置決めするべく、前記凹状切り欠き部に続けて形成された位置決め用切り欠き部を有し、
前記マグネットは、前記位置決め用きり欠き部に嵌め込まれる突起を有する、
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載のマグネットユニット。
【請求項5】
前記一対の外板は、同一形状に形成され、
前記複数の中間板は、同一形状に形成されている、
ことを特徴とする請求項3又は4に記載のマグネットユニット。
【請求項6】
前記複数の積層板は、略環状に形成されると共にその内周面において前記凹部を画定するように形成され、
前記マグネットは、径方向の外側において前記凹部に接合される外側円弧面,前記積層方向において前記凹部に接合される両側面,周方向において前記凹部に接合される両端面,及び径方向内側に向けて露出する内側円弧面を画定するべく、径方向において所定の厚みをなす円弧状に形成されている、
ことを特徴とする請求項1ないし5いずれかに記載のマグネットユニット。
【請求項7】
前記複数の積層板は、凹凸嵌合により相互に固着されている、
ことを特徴とする請求項1ないし6いずれかに記載のマグネットユニット。
【請求項8】
前記マグネットは、前記複数の積層板が積層された状態で、前記積層板に一体的に成形する成形法により形成されている、
ことを特徴とする請求項1ないし7いずれかに記載のマグネットユニット。
【請求項9】
アクセルペダルを有するペダルアームと、ペダルアームを休止位置と最大踏込み位置の間で所定の揺動軸線回りに揺動自在に支持するハウジングと、前記ペダルアームを休止位置に戻す付勢力を及ぼす復帰バネと、前記ペダルアームの角度位置を検出する磁気式位置センサを備えたアクセルペダル装置であって、
前記ペダルアームは、前記揺動軸線を中心とする円筒部を有し、
前記ハウジングは、前記円筒部を前記揺動軸線回りに摺動自在に嵌合させる嵌合部と、前記円筒部の内側に非接触にて配置される突出部を有し、
前記磁気式位置センサは、前記円筒部に嵌合して固定された環状のアーマチャと、前記アーマチャに接合されたマグネットと、前記突出部に一緒に固定されて磁路を形成するステータ及び磁束を検出するセンサ素子を含み、
前記アーマチャは、積層された状態でその内周面に凹部を画定するように形成された薄板状をなす複数の積層板を含み、
前記マグネットは、その一部が前記凹部内に埋没するように接合されている、
ことを特徴とするアクセルペダル装置。
【請求項10】
前記複数の積層板は、磁路を形成する磁性材料により形成されている、
ことを特徴とする請求項9記載のアクセルペダル装置。
【請求項11】
前記複数の積層板は、その積層方向において、前記マグネットを挟み込むように形成された一対の外板と、前記一対の外板の内側に積層されて前記凹部を画定する凹状切り欠き部を有する複数の中間板とを含む、
ことを特徴とする請求項9又は10に記載のアクセルペダル装置。
【請求項12】
前記一対の外板は、同一形状に形成され、
前記複数の中間板は、同一形状に形成されている、
ことを特徴とする請求項11記載のアクセルペダル装置。
【請求項13】
前記マグネットは、径方向の外側において前記凹部に接合される外側円弧面,前記積層方向において前記凹部に接合される両側面,周方向において前記凹部に接合される両端面,及び径方向内側に向けて露出し前記突出部と非接触にて対向する内側円弧面を画定するべく、径方向において所定の厚みをなす円弧状に形成されている、
ことを特徴とする請求項9ないし12いずれかに記載のアクセルペダル装置。
【請求項14】
前記複数の中間板は、前記マグネットを位置決めするべく、前記凹状切り欠き部に続けて形成された位置決め用切り欠き部を有し、
前記マグネットは、前記位置決め用きり欠き部に嵌め込まれる突起を有する、
ことを特徴とする請求項9ないし13いずれかに記載のアクセルペダル装置。
【請求項15】
前記複数の積層板は、凹凸嵌合により相互に固着されている、
ことを特徴とする請求項9ないし14いずれかに記載のアクセルペダル装置。
【請求項16】
前記マグネットは、前記複数の積層板が積層された状態で、前記積層板に一体的に成形する成形法により形成されている、
ことを特徴とする請求項9ないし15いずれかに記載のアクセルペダル装置。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2008−267966(P2008−267966A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−110632(P2007−110632)
【出願日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(000177612)株式会社ミクニ (332)
【Fターム(参考)】