説明

マスキング治具、および塗布材料の塗布方法

【課題】マスク領域に塗布材料が塗布されることを好適に防止しつつ、塗布面に対して塗布材料を塗布することを可能にし、マスキング治具の使用に伴って生じ得る塗膜の品質の低下を防止するマスキング治具、および塗布材料の塗布方法を提供する。
【解決手段】マスキング治具100は、塗布材料92を塗布する下型30の成形面31と、段差部40を介して成形面から突出して形成され塗布材料を塗布しない型合わせ面33とを有する下型30に着脱自在なマスキング治具であって、型合わせ面に配置される本体部110と、本体部から成形面の側に向けて伸び成形面との間に隙間を形成するオーバーハング部120と、を有し、オーバーハング部は、塗布材料が飛来する方向に向かって成形面から離反するように伸びるフランジ部125を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスキング治具、および塗布材料の塗布方法に関する。
【背景技術】
【0002】
塗布材料を塗布する塗布対象物に対して所定の塗布面と塗布材料を塗布しないマスク領域とを区分けしつつ塗布材料を塗布する場合には、一般的に、マスキング治具を利用した塗布作業を実施する(特許文献1を参照)。特許文献1に記載された発明にあっては、塗布対象物に塗布材料を塗布するに際し、マスキング治具を利用し、設計された意匠外観に基づいた塗膜を塗布面に形成させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−261775
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
塗布対象物の塗布面においてマスク領域との境界に位置する部位に塗布材料を塗布する場合には、一般的に、塗布面とマスク領域の境界となる位置にマスキング治具の端部を配置する。マスク領域に塗布材料が塗布されることを防止しつつ、塗布面への塗布材料の塗布を行うことが可能になる。
【0005】
しかしながら、マスキング治具の端部を塗布面との境界に配置した状態で塗布材料を塗布するため、塗布材料がマスキング治具にまで塗布されることになる。塗布面とマスキング治具とに連なった塗膜が形成される虞がある。
【0006】
塗布面とマスキング治具とに連なった塗膜が形成されると、塗布作業後におけるマスキング治具の取り外しに伴って、塗布面に形成された塗膜が引っ張られて塗膜の剥がれを生じさせる。塗膜の剥がれによって、塗布面における塗膜の品質が低下するという問題が生じる。
【0007】
そこで本発明は、マスク領域に塗布材料が塗布されることを防止しつつ、塗布面に対して塗布材料を塗布することを可能にし、マスキング治具の利用に伴って生じる塗膜の品質の低下を防止し得るマスキング治具、および塗布材料の塗布方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、塗布材料を塗布する塗布面と、段差部を介して塗布面から突出して形成され塗布材料を塗布しないマスク領域とを有する塗布対象物に着脱自在なマスキング治具である。そして、マスク領域に配置される本体部と、本体部から塗布面の側に向けて伸び塗布面との間に隙間を形成するオーバーハング部と、を有している。さらに、オーバーハング部は、塗布材料が飛来する方向に向かって塗布面から離反するように伸びるフランジ部を有している。
【0009】
また、本発明は、塗布材料を塗布する塗布面と、段差部を介して塗布面から突出して形成され塗布材料を塗布しないマスク領域とを有する塗布対象物の塗布面に対して塗布材料を塗布する塗布方法である。そして、マスク領域に配置される本体部と、本体部から塗布面の側に向けて伸びるオーバーハング部と、を有するマスキング治具を、オーバーハング部と塗布面との間に隙間を形成させて配置する工程を有している。さらに、マスク領域を本体部によってマスクしながら塗布面に対して塗布材料を塗布する工程を有している。オーバーハング部は、塗布材料が飛来する方向に向かって塗布面から離反するように伸びるフランジ部を有しており、塗布材料を塗布する工程は、塗布面とフランジ部とがなす傾斜角度に沿って塗布材料を塗布している。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、マスク領域に配置された本体部によってマスク領域に塗布材料が塗布されることを好適に防止しつつ、塗布面との間に隙間を形成させるオーバーハング部によって塗布面とマスキング治具とに連なった塗膜が形成されることを防止し、マスキング治具の利用に伴って生じ得る塗膜の品質の低下を防止できる。さらに、フランジ部によって、塗布領域を維持できる。そして、塗膜カスが塗布面に落下することを防止することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1(A)および(B)は、本実施形態に係る成形用金型、およびマスキング治具を簡略化して示す図であり、図1(A)は、成形用金型とともにマスキング治具を示す平面図、図1(B)は、図1(A)の1B−1B線に沿う断面図である。
【図2】図2(A)〜(C)は、本実施形態に係る成形用金型、およびマスキング治具を簡略化して示す図であり、図2(A)は、図1(A)の矢印2A方向から見た矢視図、図2(B)は、図1(B)の矢印2B方向から見た矢視図、図2Cは、図2Aにおいて破線で囲んだ部位を拡大して示す図である。
【図3】図3(A)および(B)はそれぞれ、本実施形態に係る成形方法、および塗布材料の塗布方法を説明するための断面図である。
【図4】図4(A)および(B)はそれぞれ、本実施形態に係る成形方法、および塗布材料の塗布方法を説明するための断面図である。
【図5】図5(A)および(B)はそれぞれ、本実施形態に係る成形方法、および塗布材料の塗布方法を説明するための断面図である。
【図6】図6(A)および(B)はそれぞれ、マスキング治具の要部を説明するための図であり、図6(A)は、図3(B)の破線で囲んだ部位を拡大して示す図であり、図6(B)は、図4(A)の破線で囲んだ部位を拡大して示す図である。
【図7】図7(A)および(B)はそれぞれ、対比例に係るマスキング治具を利用した塗布材料の塗布方法を説明するための断面図である。
【図8】図8(A)および(B)はそれぞれ、型合わせ面に塗布材料が塗布された成形用金型を利用した際に生じる問題を説明するための断面図である。
【図9】図9(A)および(B)はそれぞれ、適用例1に係るマスキング治具を説明するための断面図である。
【図10】図10(A)および(B)はそれぞれ、適用例2に係るマスキング治具を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0013】
図1(A)および(B)には、本実施形態に係る成形用金型10を示す。本実施形態にあっては、型内に射出された樹脂材料91を成形して樹脂成形品90を取得する成形用金型10の下型30の成形面31に対する塗布材料92の塗布に本発明のマスキング治具、および塗布材料の塗布方法を適用している(図5(B)を参照)。成形用金型10の下型30の成形面31を塗布面とし、その下型30の成形面31に連なる型合わせ面33、および型合わせ面33の端部34をマスク領域として塗布材料92を塗布している。
【0014】
図1、および図2を参照して、マスキング治具100を概説すれば、塗布材料92を塗布する下型30の成形面31(塗布面に相当する)と、段差部40を介して成形面31から突出して形成され塗布材料92を塗布しない型合わせ面33(マスク領域に相当する)とを有する下型30(塗布対象物に相当する)に着脱自在なマスキング治具100であって、型合わせ面33に配置される本体部110と、本体部110から成形面31の側に向けて伸び成形面31との間に隙間g1を形成するオーバーハング部120と、を有している。オーバーハング部120は、塗布材料92が飛来する方向に向かって下型30の成形面31から離反するように伸びるフランジ部125を有している(図6(B)をも参照)。
【0015】
段差部40は、下型30の成形面31よりも窪んで形成されたマスク用凹部50を有し、マスキング治具100の本体部110は、マスク用凹部50に向けて突出して形成されたマスク用凸部111を有している(図6(B)をも参照)。
【0016】
マスキング治具100の本体部110は、下型30に配置するときに下型30に設けられた位置決めピン60(係合部材に相当する)に係合して下型30に対する位置決めをする固定用フランジ部115(係合部に相当する)を有している。さらに、マスキング治具100の本体部110は、下型30に配置するときに下型30に設けられた位置決めロッド70(係合部材に相当する)に係合して下型30に対する位置決めをする係合穴118(係合部に相当する)を有している(図6(A)をも参照)。
【0017】
以下、本実施形態について詳述する。
【0018】
図1、および図2を参照して、成形用金型10は、樹脂成形品90の外形形状に合わせて形成された成形面21を備える上型20と、上型20の成形面21とともに樹脂成形品90の外形形状に合わせて形成された成形面31を備える下型30と、を有している。
【0019】
上型20は、下型30に対して接近離反移動自在に設けられており、下型30への接近移動(図1(B)中の矢印a方向への移動)によって型閉じを行う。型を閉じて、上型20の成形面21と下型30の成形面31との間に樹脂成形品91の外形形状に合致したキャビティ85を形成する(図5(A)を参照)。上型20の型合わせ面23には、型を閉じた際に、下型30に設けた位置決めロッド70との干渉を防止するための凹部24を設けている。
【0020】
樹脂成形品90の成形に際して、下型30の成形面31には、塗布材料92を塗布する。塗布材料92には、樹脂成形品90の表層をなす塗膜93を形成させるための塗料を利用している(図4(A)を参照)。
【0021】
塗布材料92を塗布した後、型を閉じてキャビティ85内に樹脂材料91を注入する。下型30の成形面31に形成した塗膜93は、注入された樹脂材料91と一体化し、樹脂成形品90を形成する(図5(A)を参照)。
【0022】
樹脂成形品90が成形された後、上型20を下型30に対して離反移動(図1(B)中の矢印b方向への移動)させて型開きを行う。型開きをした後、樹脂成形品90を成形用金型10から取り出す(図5(B)を参照)。
【0023】
図示例にあっては、1つの下型30に対して第1〜4の4つのマスキング治具101〜104を配置している。第1のマスキング治具101と第2のマスキング治具102には、係合部として固定用フランジ部115を設けている。第3のマスキング治具103と第4のマスキング治具104には、係合部として係合穴118を設けている。その他各マスキング治具101〜104には、構成上の大きな違いがないため、同一の構成、および作用についての重複した説明は以下省略する。
【0024】
下型30には、下型30に対する第1のマスキング治具101および第2のマスキング治具102の位置決めをするための位置決め部材としての位置決めピン60を設けている。さらに、下型30には、下型30に対する第3のマスキング治具103、および第4のマスキング治具104の位置決めをするための位置決め部材としての位置決めロッド70を設けている。
【0025】
下型30に設けられた位置決めピン60は、ピン本体部61と、ピン本体部61の先端に形成された突起部62と、を有している。第1のマスキング治具101、および第2のマスキング治具102に設けられた固定用フランジ部115をピン本体部61に係合させながら配置することによって、下型30に対する位置決めを行うことが可能になっている。
【0026】
突起部62は、ピン本体部61に係合させた固定用フランジ部115を固定し、第1のマスキング治具101および第2のマスキング治具102が位置ずれすることを防止する。固定用フランジ部115は、図示しないねじ部材によって第1のマスキング治具101の本体部110および第2のマスキング治具102の本体部110にそれぞれ固定している。
【0027】
図2(C)を参照して、第1のマスキング治具101および第2のマスキング治具102のそれぞれに設けられた固定用フランジ部115は、位置決めピン60に係合させるためのU字形の溝部116と、成形用金型10への配置方向(図2(A)中の矢印で示す方向)に対して傾斜して形成された挿入ガイド117と、を有している。挿入ガイド117を位置決めピン60に沿わせながら下型30に配置することによって、下型30の型合わせ面33に対する本体部110の位置決め精度、および下型30の成形面31に対するオーバーハング部120の位置決め精度を向上させることが可能になっている。
【0028】
下型30に設けられた位置決めロッド70は、下型30から上型20に向けて突出した円柱形状に形成している。位置決めロッド70は、下型30の型合わせ面32に配置している。
【0029】
第3のマスキング治具103および第4のマスキング治具104にそれぞれ設けられた係合穴118は、位置決めロッド70に挿入させる。位置決めロッド70を挿入させながら配置することによって、型合わせ面33に対する本体部110の位置決め精度、および成形面32に対するオーバーハング部120の位置決め精度を向上させて下型30に配置させることが可能になる(図6(A)を参照)。位置決めロッド70に対して係合穴118を挿入させる簡易な作業によって位置決めを行うことができる。
【0030】
このように、マスキング治具100の本体部110に係合部115、118を設け、下型30に係合部材60、70を設け、両者を係合させながらマスキング治具100の配置作業を行うことによって、マスキング治具100の配置作業と位置決め作業を同時に行うことが可能になる。下型30に対する位置決め精度を向上させてマスキング治具100を配置することが可能になるとともに、マスキング治具100を使用することによって生じ得る作業遅延を低減させることが可能になる。
【0031】
図4(A)、および図6(B)を参照して、下型30の成形面31に対する塗布材料92の塗布は、下型30にマスキング治具100を配置した状態で行う。マスク領域である下型30の型合わせ面33には、本体部110を配置し、本体部110から伸びるオーバーハング部120は、段差部40および下型30の成形面32の一部を覆うようにして配置する。塗布材料92の塗布には、塗布材料92を吹き付けて塗布する公知の塗布用ガン81を利用している。
【0032】
下型30の型合わせ面33に塗膜93が形成されると、型を閉めた際に上型20の型合わせ面23と、下型30の型合わせ面33との間に隙間が生じる虞がある(図8(A)および(B)を参照)。下型30の型合わせ面33にマスキング治具100の本体部110を配置することによって、型合わせ面33に塗布材料92が塗布されることを防止し、型を閉じた際に型合わせ面33、34の間に隙間が生じることを防止している。
【0033】
下型30の成形面31と下型30の型合わせ面33との間に形成された段差部40は、下型30から上型20に向かう方向へ型合わせ面33を突出させている。段差部40は、成形面31の側に位置する第1の縦壁部41と、型合わせ面33の側に位置する第2の縦壁部42と、両者の間に位置する平坦部43と、を有している。第1の縦壁部41の高さ寸法と、第2の縦壁部42の高さ寸法とに寸法差を持たせることによって成形面31から型合わせ面33を突出させている。
【0034】
マスキング治具100は、オーバーハング部120と下型30の成形面31との間に隙間g1を形成させて配置している。下型30の成形面31に塗布材料92を塗布すると、オーバーハング部120の先端部の側にも塗布材料92が塗布されることになるが、下型30の成形面31とオーバーハング部120との間に形成した隙間g1によって、オーバーハング部120と成形面31とに連なった塗膜93が形成されることを防止することができる。隙間g1を介して成形面31の周縁部32にまで塗布材料92を塗布させることが可能になる。
【0035】
マスキング治具100は、オーバーハング部120の先端部の側が下型30の成形面31に乗り出すように配置している。下型30の成形面31の周縁部32へ向けて吹き付けた塗布材料92が型合わせ面33の端部34に塗布されることを防止している。下型30の成形面31に必要以上に塗布材料92が塗布されることを防止することが可能になる。
【0036】
マスキング治具100の本体部110に設けられたマスク用凸部111は、段差部40に形成されたマスク用凹部50内に配置している。マスク用凸部111によって、下型30の型合わせ面33の端部34に塗布材料92が塗布されることをより確実に防止することが可能になる。
【0037】
マスク用凹部50の成形面側の縦壁部とマスク用凸部111との間に隙間g2を形成させてマスキング治具100を配置している。隙間g2によって、マスク用凸部111と段差部40とに連なった塗膜93が形成されることを防止するためである。
【0038】
マスク用凸部111を、段差部40の第2の縦壁面42に沿わせながらマスキング治具100を配置することによって、マスキング治具100の位置決め精度をより向上させることが可能になっている。
【0039】
フランジ部125は、オーバーハング部120を屈曲させて形成している。フランジ部125は、塗布用ガン81から下型30の成形面31に向けて吹き付けた塗布材料92が飛来する方向に向かうようにして形成している。
【0040】
フランジ部125は、オーバーハング部120の先端部の側に塗布された塗布材料94によって形成された塗膜カス96が成形面31に落下することを防止する。成形面31に形成した塗膜93に塗膜カス96が混入して塗膜93の品質が低下することを防止する(図4(B)を参照)。
【0041】
塗布材料92は、成形面31とフランジ部125とがなす傾斜角度θに沿って吹き付けている(図6(B)を参照)。フランジ部125によって塗布領域を維持しつつ、成形面31の周縁部32に対する塗布材料92の塗布をより確実に行うことを可能にするためである。
【0042】
下型30の成形面31に対する塗布材料92の塗布に先立って、成形面21、31、および型合わせ面23、33に離型剤94を塗布している(図3(A)を参照)。離型剤94を下型30の型合わせ面33に予備的に塗布することによって、型合わせ面33に塗膜93が形成された場合であっても塗膜93を容易に除去することが可能になる。成形用金型10を繰り返して利用する場合において、下型30の型合わせ面33に塗膜93が残存した状態で成形作業が行われることを防止し、樹脂成形品90の成形品質が低下することを防止する。離型剤94は、公知の離型剤用ガン82によって塗布している。
【0043】
マスキング治具100の本体部110、およびオーバーハング部120は、樹脂材料から形成している。金属材料によってマスキング治具を形成する場合と比較して製造コストの削減、および軽量化を図ることが可能になっている。
【0044】
樹脂材料には、耐熱性や形状保持性能、および滑り特性を備えた材料を用いることが望ましい。耐熱性や形状保持性能を備える材料を用いることによって、加温された金型に適用した場合において、マスキング治具100に変形が生じることを防止することが可能になる。滑り特性を備えた材料を用いることによって、付着した塗膜93を容易に除去することが可能になる。
【0045】
次に、作用について説明する。
【0046】
図3(A)を参照して、マスキング治具100を配置する工程に先立って、上型20および下型30に対して離型剤94を塗布する工程を行う。
【0047】
離型剤94は、成形面21、31および型合わせ面23、33にそれぞれ塗布する。下型30の型合わせ面33に予備的に離型剤94を塗布することによって、型合わせ面33に塗膜93が形成された場合であっても、その塗膜93を容易に除去することが可能になる。
【0048】
図3(B)を参照して、下型30にマスキング治具100を配置する工程を行う。
【0049】
マスキング治具100のうち、本体部110は、下型30の型合わせ面33に配置し、オーバーハング部120は、先端部の側が下型30の成形面31に乗り出すように配置する。下型30の成形面31とオーバーハング部120との間には、隙間g1を形成させる(図6(B)を参照)。
【0050】
第1のマスキング治具101、および第2のマスキング治具102を配置する際には、固定用フランジ部115に設けられた挿入ガイド117を位置決めピン60に沿わせながら配置する(図2(C)を参照)。
【0051】
下型30の型合わせ面33に対する本体部110の位置決め、および下型30の成形面31に対するオーバーハング部120の位置決めをし、下型30に対する位置決め精度を向上させる。位置決めピン60に設けられた突起部62は、ピン本体部61に係合させた固定用フランジ部115を固定し、マスキング治具100が位置ずれすることを防止する。
【0052】
第3のマスキング治具103、および第4のマスキング治具104を配置する際には、係合穴118を位置決めロッド70に挿入しながら配置する(図6(A)を参照)。
【0053】
下型30の型合わせ面33に対する本体部110の位置決め、および下型30の成形面31に対するオーバーハング部120の位置決めをし、下型30に対する位置決め精度を向上させる。位置決めピン60に対して係合穴118を挿入させる簡易な作業によって、下型30に対する位置決めを行うことができる。
【0054】
マスキング治具100の本体部110に設けた係合部115、118と、下型30に設けた係合部材60、70とを係合させながらマスキング治具100を配置し、マスキング治具100の配置作業とともに位置決め作業を行う。下型30に対するマスキング治具100の位置決め精度を向上させることができるとともに、マスキング治具100を使用することによって生じ得る作業遅延を低減させることができる。
【0055】
マスキング治具100を配置する際、マスク用凸部111を段差部40の第2の縦壁面42に沿わせながら配置する。マスキング治具100の位置決め精度をより向上させることが可能になる。
【0056】
図4(A)を参照して、下型30にマスキング治具100を配置した状態で塗布材料92を塗布する工程を行う。
【0057】
塗布材料92を下型30の成形面31に向けて吹き付ける。隙間g1を介して下型30の成形面31の周縁部32にまで塗布材料92を塗布させる。マスキング治具100の本体部110は、下型30の型合わせ面33、および型合わせ面33の端部34に塗布材料92が塗布されることを防止する(図6(B)を参照)。
【0058】
オーバーハング部120の先端部の側を下型30の成形面31に乗り出すように配置しているため、型合わせ面33の端部34に塗布材料92が塗布されることをより確実に防止することができる。下型30の成形面31に必要以上に塗布材料92が塗布されることを防止することができる。
【0059】
オーバーハング部120と下型30の成形面31との間に形成させた隙間g1は、オーバーハング部120の先端部の側に形成された塗膜93と、下型30の成形面31に形成された塗膜93とが連なって形成されることを防止する。
【0060】
図7(A)および(B)には、塗布対象物200の塗布面210とマスク領域220との境界に配置したマスキング治具230によって、マスク領域220に塗布材料92が塗布されることを防止する一般的な塗布材料の塗布方法を示す。
【0061】
塗布材料92が塗布面210とマスキング治具230との間を通り抜けてマスク領域220に塗布されてしまうことを防止する必要があるため、塗布面210の周縁部215とマスク領域220との境界にマスクキング治具230の端部面を配置させている。この状態で塗布面210の周縁部215に向けて塗布材料92を吹き付けると、マスキング治具230にも塗布材料92が塗布されることになり、塗布面210とマスキング治具230とに連なった塗膜93が形成されることになる(図7(A)を参照)。
【0062】
塗布面210とマスキング治具230とに連なった塗膜93が形成された状態でマスキング治具230を取り外すと、塗布面210に形成された塗膜93が引っ張られて塗膜93の剥がれが生じる。塗膜93の剥がれが生じることによって、塗布作業後における塗膜93の品質の低下や、塗布作業を実施した塗布対象物の外観品質の低下を招くことになる(図7(B)を参照)。
【0063】
これに対して、本実施形態にあっては、塗布面である成形面31から段差部40を介して突出させた型合わせ面33にマスキング治具100の本体部110を配置し、本体部110から成形面31の側に向けて伸びるオーバーハング部120を成形面31との間に隙間g1を形成させて配置し、その状態で成形面31に向けて塗布材料92の塗布を行う。型合わせ面33に塗布材料92が塗布されることを好適に防止しつつ、成形面31および成形面31の周縁部32にまで塗布材料92を塗布することができる。オーバーハング部120と成形面31との間に形成させた隙間g1によって、オーバーハング部120に形成された塗膜93と、成形面31に形成された塗膜93とが連なることを防止でき、マスキング治具100の使用によって生じ得る塗布作業後における塗膜93の品質の低下や、塗布作業を実施した塗布対象物の外観品質の低下が生じることを防止できる。
【0064】
マスク用凹部50内に配置されたマスク用凸部111は、下型30の型合わせ面33の端部34に塗布材料92が塗布されることをより確実に防止する。
【0065】
塗布材料92は、下型30の成形面31とフランジ部125とがなす傾斜角度θに沿って吹き付ける。下型30の成形面31の周縁部32に対して塗布材料92をより確実に塗布させることが可能になる。
【0066】
図4(B)を参照して、下型30の成形面31に塗布材料92を塗布する工程が終了した後、マスキング治具100を取り外す作業を行う。成形面31とマスキング治具100とに連なって塗膜93が形成されることを防止したため、マスキング治具100を取り外す際に成形面31に形成された塗膜93に剥がれが生じることがない。
【0067】
フランジ部125は、オーバーハング部120の先端部の側に塗布された塗布材料94によって形成された塗膜カス96が下型30の成形面31に落下することを防止する。成形面31に形成した塗膜93に塗膜カス96が混入して塗膜93の品質が低下することを防止する。
【0068】
図5(A)を参照して、成形用金型10の型を閉じる工程を行う。
【0069】
下型30の型合わせ面33、および下型30の型合わせ面33の端部34に塗膜93が形成されることを防止したため、上型20の型合わせ面23と、下型30の型合わせ面33との間に隙間を形成させずに成形用金型10を閉じることができる。
【0070】
成形用金型10を閉じることによって、上型20の成形面21と下型30の成形面31との間に樹脂成形品90の外形形状に合致した形状のキャビティ85を形成させる。
【0071】
次に、型を閉じた状態で図示しない充填手段によってキャビティ85内に樹脂材料91を充填させる。
【0072】
ここで、図8(A)、および(B)を参照して、下型30の型合わせ面33や、下型30の型合わせ面33の端部34に塗膜93が形成された状態で型閉め、および樹脂材料91の充填を実施した場合に発生し得る問題について説明する。
【0073】
下型30の型合わせ面33に塗膜93が形成された状態で型を閉じると、上型20の型合わせ面23と、下型30の型合わせ面33との間に隙間が形成されることになる。隙間が形成された状態でキャビティ85内に樹脂材料91を充填すると、樹脂材料91がキャビティ85外部へ漏洩し、成形不良が生じることになる(図8(A)を参照)。
【0074】
下型30の型合わせ面33の端部34に塗膜93が固着された状態で成形用金型10の型閉めを実施すると、塗膜93が固着した部位に過剰に圧力が付与されることになる。型閉めによって、型合わせ面33の端部34を破損させる虞がある(図8(B)を参照)。
【0075】
上述したように、本実施形態にあっては、マスキング治具100の本体部110、およびオーバーハング部120によって型合わせ面33、および型合わせ面33の端部34に対して塗布材料91が塗布されることを好適に防止することができる。型合わせ面33や、型合わせ面33の端部34に塗膜93が形成されることによって生じ得る成形不良、および型合わせ面33の破損を未然に防止することができる。
【0076】
図5(B)を参照して、樹脂材料91が硬化し、樹脂材料91と塗膜93とが一体化した樹脂成形品90が成形された後、成形用金型10を開く。成形用金型10から樹脂成形品90を取得する。取得した樹脂成形品90において製品として不要な部位は、適宜トリミングをする。
【0077】
マスキング治具100の使用によって生じ得る塗膜93の剥がれを防止したため、塗膜93の品質を損なわずに成形された樹脂成形品90を取得することができる。
【0078】
上述したように、本実施形態にあっては、塗布面である成形面31から段差部40を介して突出させた型合わせ面33にマスキング治具100の本体部110を配置し、本体部110から成形面31の側に向けて伸びるオーバーハング部120を成形面31との間に隙間g1を形成させて配置し、その状態で成形面31に向けて塗布材料92の塗布を行う。型合わせ面33に塗布材料92が塗布されることを好適に防止しつつ、成形面31および成形面31の周縁部32にまで塗布材料92を塗布することができる。オーバーハング部120と成形面31との間に形成させた隙間g1によって、オーバーハング部120に形成された塗膜93と、成形面31に形成された塗膜93とが連なることを防止でき、マスキング治具100の使用によって生じ得る塗布作業後における塗膜93の品質の低下や、塗布作業を実施した塗布対象物の外観品質の低下が生じることを防止できる。フランジ部125は、塗布用ガン81から成形面31に向けて吹き付けた塗布材料92の飛来する方向に向かうようにして形成している。オーバーハング部120の先端部の側に塗布された塗布材料94によって形成された塗膜カス96が成形面31に落下することを防止できる。成形面31に形成した塗膜93に塗膜カス96が混入して塗膜93の品質が低下することを防止できる。
【0079】
マスキング治具100の本体部110に設けられたマスク用凸部111を、段差部40に形成されたマスク用凹部50内に配置することによって、型合わせ面33の端部34に塗布材料92が塗布されることをより確実に防止することができる。
【0080】
マスキング治具100の本体部110に設けた係合部115、118と、下型30に設けた係合部材60、70とを係合させながらマスキング治具100を配置し、マスキング治具100の配置作業とともに位置決め作業を行う。下型30に対するマスキング治具100の位置決め精度を向上させることができるとともに、マスキング治具100を使用することによって生じ得る作業遅延を低減させることができる。
【0081】
マスキング治具100の本体部110、およびオーバーハング部120は、樹脂材料から形成しているため、金属材料によってマスキング治具を形成する場合と比較して製造コストの削減、および軽量化を図ることが可能になっている。
【0082】
成形面31とフランジ部125とがなす傾斜角度θに沿って塗布材料92を吹き付けるため、フランジ部125によって塗布領域を維持しつつ、成形面31の周縁部32に対して塗布材料92を確実に塗布することができる。
【0083】
下型30の型合わせ面33に予備的に離型剤94を塗布するため、型合わせ面33に塗膜93が形成された場合であっても、その塗膜93を容易に除去することができる。
【0084】
本実施形態は、適宜改変することが可能である。
【0085】
塗布面とマスキング治具100とに連なった塗膜が形成されることを防止するためには、マスク領域に配置される本体部110と、塗布面との間に隙間を形成して配置されるオーバーハング部120と、フランジ部125とを備えた構成にマスキング治具100が製作されていればよい。このため、本体部110に形成されたマスク用凸部111を付加しない構成とすることも可能である。本体部110にマスク用凸部111を付加することによって、マスク領域の端部に塗布材料92が塗布されることをより確実に防止する効果を得ることが可能になる。
【0086】
マスキング治具の材質、外形形状、および係合部の個数や形状は、図示されたものに限定されず適宜変更することが可能である。例えば、塗布対象物に設定されたマスク領域を、1つのマスキング治具によってマスクさせることが可能な外形形状に製作することも可能である。
【0087】
マスキング治具、および塗布材料の塗布方法を適用する塗布対象物は、金型のみに限定されるものではない。例えば、設計された意匠外観に基づいた着色が施される自動車用の内装部品や、コーティング剤が塗布される加工部材を塗布対象物に用いることも可能である。また、塗布材料の材質や、種類も特に限定されるものではなく、適宜選択することが可能である。例えば、自動車用の内装部品等を着色するために用いられる塗料や、塗布対象物としての加工部材をコーティングするために用いられるコーティング剤等を塗布材料として利用することも可能である。マスキング治具によってマスクした領域に他の塗布材料を塗布して塗布対象物を色分けしたり、用途に合わせてコーティング剤等を塗布したりすることも可能である。
【0088】
(適用例1)
図9を参照して、本適用例に係るマスキング治具100は、段差部40にマスク用凹部50が設けられていない塗布対象物30に好適に用いることが可能なマスキング治具100である。マスキング治具100の本体部110には、マスク用凸部111を設けていない。前述した実施形態と同一の部材については、同一の符号を付しその説明を一部省略する。
【0089】
図9(A)および(B)を参照して、マスク用凹部50が設けられていない塗布対象物30への塗布材料92の塗布に適用する場合には、マスク用凸部111を排除したより簡素な外形形状のマスキング治具100を用いる。
【0090】
図示された形状のマスキング治具100を利用した場合にあっても、オーバーハング部120と、塗布面31との間に隙間g1を形成させることによって、オーバーハング部120と塗布面31とに連なった塗膜93が形成されることを防止することができる。隙間g1を通して塗布面31、および塗布面31の周縁部32にまで塗布材料92を塗布することができる。
【0091】
塗布対象物30に設けられた係合部材70に係合部118を係合させながらマスキング治具100を配置することによって、マスキング治具100の配置作業と同時に位置決め作業を行うことが可能である。
【0092】
本適用例に係るマスキング治具100にあっても、マスキング治具100の本体部110によってマスク領域33に塗布材料92が塗布されることを好適に防止しつつ、塗布面31に塗布材料92を塗布することができる。
【0093】
(適用例2)
図10を参照して、本適用例に係るマスキング治具100は、段差部40の周辺においてマスク領域33と本体部110との間に隙間g3を形成させるための屈曲部112を有している。前述した実施形態と同一の部材については、同一の符号を付しその説明を一部省略する。
【0094】
図10(A)および(B)を参照して、マスキング治具100を塗布対象物30に配置すると、本体部110に形成した屈曲部112によって、段差部40の周辺に位置するマスク領域33と本体部110との間には、隙間g3が生じる。この隙間g3を形成させることによって、塗布面31に形成された塗膜93と、オーバーハング部120に形成された塗膜93とが連なって形成されることをより確実に防止することが可能になる。
【0095】
図示される形状のマスキング治具100を利用した場合にあっても、隙間g1を通して塗布面31、および塗布面31の周縁部32にまで塗布材料92を塗布することが可能である。
【0096】
塗布対象物30に設けられた係合部材70に係合部118を係合させながらマスキング治具100を配置することによって、マスキング治具100の配置作業と同時に位置決め作業を行うことが可能である。
【0097】
本適用例に係るマスキング治具100にあっても、マスキング治具100の本体部110によってマスク領域33に塗布材料92が塗布されることを好適に防止しつつ、塗布面31に塗布材料92を塗布することができる。
【符号の説明】
【0098】
10 成形用金型(金型)、
20 上型、
21 上型の成形面、
23 上型の型合わせ面、
30 下型(塗布対象物)、
31 下型の成形面(塗布面)、
32 下型の成形面の周縁部、
33 下型の型合わせ面(マスク領域)、
34 下型の型合わせ面の端部(マスク領域)、
40 段差部、
41 第1の縦壁部、
42 第2の縦壁部、
43 平坦部、
50 マスク用凹部、
60 位置決めピン(係合部材)、
61 ピン本体部、
62 突起部、
70 位置決めロッド(係合部材)、
81 塗布用ガン、
82 離型剤用ガン、
85 キャビティ、
90 樹脂成形品、
91 樹脂材料、
92 塗布材料、
93 塗膜、
94 離型剤、
96 塗膜カス、
100 マスキング治具、
110 本体部、
111 マスク用凸部、
112 屈曲部、
115 固定用フランジ部(係合部)、
116 溝部、
117 挿入ガイド、
118 係合穴(係合部)、
120 オーバーハング部、
125 フランジ部、
g1 塗布面とオーバーハング部との間の隙間、
θ 傾斜角度。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗布材料を塗布する塗布面と、段差部を介して前記塗布面から突出して形成され前記塗布材料を塗布しないマスク領域とを有する塗布対象物に着脱自在なマスキング治具であって、
前記マスク領域に配置される本体部と、
前記本体部から前記塗布面の側に向けて伸び前記塗布面との間に隙間を形成するオーバーハング部と、を有し、
前記オーバーハング部は、前記塗布材料が飛来する方向に向かって前記塗布面から離反するように伸びるフランジ部を有するマスキング治具。
【請求項2】
前記段差部は、前記塗布面よりも窪んで形成されたマスク用凹部を有し、
前記本体部は、前記凹部に向けて突出して形成されたマスク用凸部を有する請求項1に記載のマスキング治具。
【請求項3】
前記塗布対象物は、金型であり、前記塗布面は、前記金型の成形面であって、
前記本体部は、前記金型に配置するときに前記金型に設けられた係合部材に係合して前記金型に対する位置決めをする係合部を有する請求項1または請求項2に記載のマスキング治具。
【請求項4】
前記本体部、および前記オーバーハング部が樹脂材料によって形成された請求項1〜3のいずれか1項に記載のマスキング治具。
【請求項5】
塗布材料を塗布する塗布面と、段差部を介して前記塗布面から突出して形成され前記塗布材料を塗布しないマスク領域とを有する塗布対象物の前記塗布面に対して前記塗布材料を塗布する塗布方法であって、
前記マスク領域に配置される本体部と、前記本体部から前記塗布面の側に向けて伸びるオーバーハング部と、を有するマスキング治具を、前記オーバーハング部と前記塗布面との間に隙間を形成させて配置する工程と、
前記マスク領域を前記本体部によってマスクしながら前記塗布面に対して前記塗布材料を塗布する工程と、を有し、
前記オーバーハング部は、前記塗布材料が飛来する方向に向かって前記塗布面から離反するように伸びるフランジ部を有し、前記塗布材料を塗布する工程は、前記塗布面と前記フランジ部とがなす傾斜角度に沿って前記塗布材料を塗布する、塗布材料の塗布方法。
【請求項6】
前記塗布対象物は、金型であり、前記塗布面は、前記金型の成形面であって、
前記マスキング治具を配置する工程は、前記金型に設けられた係合部材に前記本体部に設けられた係合部を係合させながら配置することによって前記金型に対する前記マスキング治具の位置決めをする、請求項5に記載の塗布材料の塗布方法。
【請求項7】
前記マスキング治具を配置する工程の前に、前記成形面に離型剤を塗布する工程をさらに有する請求項6に記載の塗布材料の塗布方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2010−234204(P2010−234204A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−83183(P2009−83183)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】