説明

マスクパターン作成装置および作成方法

【課題】補正値ライブラリを用いるOPCを効率的に処理することのできるマスクパターン作成装置および作成方法を提供する。
【解決手段】マスクパターン作成装置1は、計算機グループ化部11が、ネットワーク回線を介して接続されている複数の計算機を計算機グループ1〜mに振り分け、エッジ座標群抽出部12が、設計パターンからエッジ座標群を抽出し、エッジ座標群分配部13が、抽出されたエッジ座標群を複数の計算機に振り分け、補正値ライブラリ複写部14が、計算機グループ1〜mの記憶装置M1〜Mmに補正値ライブラリを複写し、それぞれの計算機が記憶装置M1〜Mmに複写された補正値ライブラリから読み出した、振り分けられたエッジ座標群に対する補正値群を、補正値群集約部15が、1つの補正値群データに集約し、マスクパターン生成部16が、その集約された補正値群データを用いて設計パターンを補正し、マスクパターンを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスクパターン作成装置および作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の半導体装置の微細化の進展に伴い、マスクパターンをウェーハに転写する際の光近接効果の影響が大きくなっている。そこで、マスク作成時に、設計パターンに予め光近接効果を補正してマスクパターンを生成する光近接効果補正(OPC:Optical Proximity Correction)を施すことが行われている。
【0003】
そのようなOPC手法の1つに、モデルベースOPCがある。モデルベースOPCでは、リソグラフィ・シミュレーションやプロセス・シミュレーションなどのシミュレーションによってウェーハ仕上がり形状を予測し、設計パターンに対する補正値を算出する。
【0004】
このように、モデルベースOPCは、シミュレーションにもとづいて設計パターンに対する補正値を算出するため高精度の補正を行うことができるが、その反面、シミュレーションの計算に時間がかかり、マスクパターンデータの生成に時間がかかるという問題があった。
【0005】
そこで、従来、過去に行われたシミュレーション結果から得られた、設計パターンのエッジ座標群に対する補正値群を1つの対にし、この対を補正ライブラリとして蓄積し、この補正ライブラリを使用することにより現在のOPC処理におけるシミュレーション回数の低減を図る、マスクパターン作成方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
それでも、半導体装置の大規模化が進み、設計パターンのパターン量が増大すると、上述の方法をとったとしても、シミュレーションの計算に時間がかかる。そのような場合、一般的には、複数の計算機を用いて並列・分散処理を行うことにより、処理の高速化が図られる。近年では、数百台の計算機を利用した並列・分散処理も行われている。
【0007】
ところが、分散規模の増大に伴って新たな問題が顕在化してきた。それは、ネットワークによって相互に接続された多数の計算機に処理を分散させる際、補正値ライブラリが多数の計算機から同時にアクセスされ、補正値ライブラリが格納されているハードディスクおよびネットワークの負荷が増大するという問題である。このような負荷の増大により、OPC処理全体の処理効率が低下し、マスクパターンデータの生成時間が増加するという問題が発生する。
【特許文献1】特開2004−109453号公報 (第5−6ページ、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明の目的は、補正値ライブラリを用いるOPCを効率的に処理することのできるマスクパターン作成装置および作成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、過去に実行されたシミュレーション結果から得られたエッジ座標群と補正値群の対が蓄積された補正値ライブラリを用いて設計パターンに対する補正を行なうマスクパターン作成装置であって、ネットワークを介して接続されている複数の計算機を複数の計算機グループに振り分ける計算機グループ化手段と、入力された設計パターンからエッジ座標群を抽出するエッジ座標群抽出手段と、前記エッジ座標群を前記複数の計算機に振り分けるエッジ座標群分配手段と、前記複数の計算機グループのそれぞれに備えられている記憶装置に前記補正値ライブラリを複写する補正値ライブラリ複写手段と、前記複数の計算機のそれぞれが自身の属するグループに備えられた前記記憶装置にアクセスして前記複写された補正値ライブラリから読み出した、前記振り分けられたエッジ座標群に対する補正値群を1つの補正値群データに集約する補正値群集約手段と、前記補正値群データを用いて前記設計パターンを補正し、マスクパターンを生成するマスクパターン生成手段とを備えることを特徴とするマスクパターン作成装置が提供される。
【0010】
また、本発明の別の一態様によれば、過去に実行されたシミュレーション結果から得られたエッジ座標群と補正値群の対が蓄積された補正値ライブラリを用いて設計パターンに対する補正を行なうマスクパターン作成方法であって、ネットワークを介して接続されている複数の計算機を複数の計算機グループに振り分ける計算機グループ化ステップと、入力された設計パターンからエッジ座標群を抽出するエッジ座標群抽出ステップと、前記エッジ座標群を前記複数の計算機に振り分けるエッジ座標群分配ステップと、前記複数の計算機グループのそれぞれに備えられている記憶装置に前記補正値ライブラリを複写する補正値ライブラリ複写ステップと、前記複数の計算機のそれぞれが自身の属するグループに備えられた前記記憶装置にアクセスして前記複写された補正値ライブラリから読み出した、前記振り分けられたエッジ座標群に対する補正値群を1つの補正値群データに集約する補正値群集約ステップと、前記補正値群データを用いて前記設計パターンを補正し、マスクパターンを生成するマスクパターン生成ステップとを備えることを特徴とするマスクパターン作成方法が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、補正値ライブラリを用いるOPCを効率的に処理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明の実施例1に係るマスクパターン作成装置の構成の例を示すブロック図である。
【0014】
本実施例のマスクパターン作成装置1は、ネットワーク回線を介して接続されている複数の計算機を複数の計算機グループに振り分ける計算機グループ化部11と、入力された設計パターンからエッジ座標群を抽出するエッジ座標群抽出部12と、エッジ座標群抽出部12より抽出されたエッジ座標群を上述の複数の計算機に振り分けるエッジ座標群分配部13と、複数の計算機グループのそれぞれに備えられている記憶装置に補正値ライブラリを複写する補正値ライブラリ複写部14と、複数の計算機のそれぞれが自身の属するグループに備えられた記憶装置にアクセスしてその記憶装置に複写された補正値ライブラリから読み出した、エッジ座標群分配部13により振り分けられたエッジ座標群に対する補正値群を、それぞれの計算機から受け取って、1つの補正値群データに集約する補正値群集約部15と、補正値群集約部15により集約された補正値群データを用いて入力された設計パターンを補正し、マスクパターンを生成するマスクパターン生成部16と、を備える。
【0015】
計算機グループ化部11は、利用可能である計算機が記載されている計算機リスト100にもとづいて、ネットワーク回線を介して接続されている計算機を複数の計算機グループに振り分ける。図1では、計算機グループ1から計算機グループmのm個の計算機グループに振り分けた例を示す。各計算機グループには、少なくとも1台の計算機が含まれる。
【0016】
エッジ座標群抽出部12は、設計パターンデータ200から設計パターンを読み出して、その設計パターンから、角部や辺に対応して設定される基準点を中心に光近接効果の及ぶ領域を切り出し、その領域に含まれるパターンのエッジ座標を抽出する。このとき、1つの領域に対して複数のエッジ座標が抽出されることがあるので、ここでは、この複数のエッジ座標をエッジ座標群と称する。
【0017】
エッジ座標群分配部13は、計算機グループ化部11から出力される計算機グループ情報にもとづいて、エッジ座標群抽出部12より抽出されたエッジ座標群を、計算機グループ1〜mの各計算機に振り分け、ネットワーク回線を介して各計算機へ送出する。
【0018】
補正値ライブラリ複写部14は、過去に実行されたシミュレーション結果から得られたエッジ座標群と補正値群の対が蓄積された補正値ライブラリ300を、計算機グループ1〜mのそれぞれに備えられている記憶装置M1〜Mmに複写する。
【0019】
なお、補正値ライブラリ300に蓄積されたエッジ座標群と補正値群の対の数がゼロの場合は、上述の記憶装置M1〜Mmへの複写を省略してもよい。
【0020】
ここで、各計算機グループの計算機は、自身の計算機グループに備えられた記憶装置にのみアクセスするものとする。すなわち、計算機グループ1の計算機は記憶装置M1にアクセスし、計算機グループ2の計算機は記憶装置M2にアクセスし、計算機グループmの計算機は記憶装置Mmにアクセする。
【0021】
これにより、各計算機グループの各計算機は、エッジ座標群分配部13により自身に振り分けられたエッジ座標群に対する補正値群を、記憶装置M1〜Mmのそれぞれに複写された補正値ライブラリから読み出す。
【0022】
補正値群集約部15は、各計算機により読み出された補正値群をそれぞれの計算機から受け取って、1つの補正値群データに集約する。
【0023】
マスクパターン生成部16は、補正値群集約部15により集約された補正値群データを用いて、設計パターンデータ200から入力された設計パターンを補正し、マスクパターンを生成する。生成されたマスクパターンは、マスクパターンデータ400として出力される。
【0024】
次に、本実施例のマスクパターン作成装置1を用いたマスクパターン作成方法について説明する。
【0025】
図2に、マスクパターン作成装置1によるマスクパターン作成処理フローの例をフロー図で示す。
【0026】
マスクパターン作成装置1を用いてマスクパターン作成処理を開始すると、まず、計算機グループ化部11が、利用可能である計算機が記載されている計算機リスト100にもとづいて、ネットワーク回線を介して接続されている計算機を複数の計算機グループに振り分ける(ステップS01)。
【0027】
次に、エッジ座標群抽出部12が、設計パターンデータ200の各設計パターンからエッジ座標群を抽出する(ステップS02)。
【0028】
続いて、補正値ライブラリ複写部14が、補正値ライブラリ300を、計算機グループ1〜mのそれぞれに備えられている記憶装置M1〜Mmに複写する(ステップS03)。
【0029】
次に、エッジ座標群分配部13が、計算機グループ化部11から出力される計算機グループ情報にもとづいて、エッジ座標群抽出部12より抽出されたエッジ座標群を、計算機グループ1〜mの各計算機に振り分け、ネットワーク回線を介して各計算機へ送出する(ステップS04)。
【0030】
このエッジ座標群の振り分けを受けると、各計算機は、自身の計算機グループに備えられている記憶装置にアクセスし、その記憶装置に複写されている補正値ライブラリから、振り分けられたエッジ座標群に対する補正値群の読み出しを行う(ステップS05)。
【0031】
このとき、補正値ライブラリに、振り分けられたエッジ座標群に該当するエッジ座標群のデータが格納されていないこともあり得る。そのような場合、各計算機は、そのエッジ座標群に対する補正値群を算出し、自身の計算機グループに備えられている記憶装置に複写されている補正値ライブラリに、そのエッジ座標群と補正値群の対を追加する。
【0032】
図3に、この各計算機における処理のフローを示す。
【0033】
各計算機は、エッジ座標群分配部13により振り分けられたエッジ座標群のデータを受領すると(ステップS11)、自身の計算機グループに備えられている記憶装置にアクセスし、その記憶装置に複写されている補正値ライブラリの検索を行ない(ステップS12)、その補正値ライブラリに、振り分けられたエッジ座標群に該当するエッジ座標群のデータが格納されているかどうかをチェックする(ステップS13)。
【0034】
このとき、補正値ライブラリに該当のエッジ座標群のデータが格納されていないときは(NO)、光学シミュレーション、または補正値を多項式で表した数式等を用いたOPCおよびプロセス・シミュレーション、あるいは補正値を多項式で表した数式等を用いたプロセス近接効果補正により、その座標群に対する補正値を算出する。そして、そのエッジ座標群と補正値群の対を、自身の計算機グループに備えられている記憶装置に複写されている補正値ライブラリに追加し、ステップS12へ戻る(ステップS14)。
【0035】
一方、ステップS13におけるチェックで、補正値ライブラリに該当のエッジ座標群のデータが格納されていることが判明したときは(YES)、補正値ライブラリから該当のエッジ座標群に対する補正値群を読み出し(ステップS15)、補正値群集約部15へ送出する(ステップS16)。
【0036】
各計算機から補正値群が送出されると、図2のフローに戻って、補正値群集約部15が、その補正値群を1つの補正値群データに集約する(ステップS06)。
【0037】
最後に、マスクパターン生成部16が、この補正値群データを用いて、設計パターンデータ200から入力された設計パターンを補正してマスクパターンを生成し、マスクパターンデータ400として出力する(ステップS07)。これにより、本フローの処理が終了する。
【0038】
このような本実施例によれば、ネットワークを介して接続されている複数の計算機を複数の計算機グループに振り分け、それぞれの計算機グループに備えられている記憶装置に補正値ライブラリを複写し、各計算機が自身の計算機グループに備えられている記憶装置のみにアクセスする。これにより、補正値ライブラリの読み出しが各記憶装置に分散し、オリジナルの補正値ライブラリが格納されるハードディスクへアクセスが集中することを避けることができる。また、補正値ライブラリの読み出しが、各計算機グループ内で行われるため、ネットワークの負荷を軽減することができる。
【0039】
その結果、補正値ライブラリを用いるOPCを効率的に処理することができる。
【実施例2】
【0040】
図1に示した補正値ライブラリ300には、過去に実行されたシミュレーション結果から得られたエッジ座標群と補正値群の対が蓄積されているため、シミュレーションの実行回数が増えるほど、データ量が増大して行く。そのため、これから補正を行なおうとする設計パターンに対する補正値群が含まれる確率は時間の経過とともに高くなる。しかし、一方では、これから補正を行なおうとする設計パターンの処理に必要でない補正値群のデータも増えて行く。
【0041】
実施例1では、このような補正値ライブラリ300をそのまま各計算機グループに備えられている記憶装置に複写している。その結果、これから補正を行なおうとする設計パターンの処理に必要でない補正値群のデータを大量に複写することもある。そのような場合、複写に要する時間に無駄が生じる。また、各計算機が複写された補正値ライブラリを検索するときにも、無駄な検索時間が生じる。
【0042】
そこで、本実施例では、補正値ライブラリ300をそのまま各計算機グループに備えられている記憶装置に複写するのではなく、これから補正を行なおうとする設計パターンに必要なエッジ座標群と補正値の対のみを、各計算機グループに備えられている記憶装置に複写するようにする。
【0043】
図4は、本発明の実施例2に係るマスクパターン作成装置の構成の例を示すブロック図である。
【0044】
本実施例のマスクパターン作成装置2は、図1に示した実施例1のマスクパターン作成装置に専用補正値ライブラリ生成部21を追加したものである。そこで、図2において、図1に示すブロックと同一の機能のブロックには図1と同一の符号を付し、ここではその詳細な説明を省略する。
【0045】
専用補正値ライブラリ生成部21は、エッジ座標群抽出部12により抽出されたエッジ座標群に関し、補正値ライブラリ300にそのエッジ座標群に該当するエッジ座標群のデータが格納されていれば、そのエッジ座標群と補正値群の対を補正値ライブラリ300から抽出し、設計パターンデータ200に対する専用補正値ライブラリとする。
【0046】
図5に、この専用補正値ライブラリ生成部21の処理に関連する部分の処理フローを示す。図5に示すフローの前後のフローは図2に示したフローと同じである。
【0047】
エッジ座標群抽出部12が、設計パターンデータ200の各設計パターンからエッジ座標群を抽出すると(ステップS02)、専用補正値ライブラリ生成部21が、補正値ライブラリ300から、そのエッジ座標群に関するエッジ座標群と補正値群の対を抽出し(ステップS31)、入力された設計パターンデータ200に対する専用補正値ライブラリを作成する(ステップS32)。
【0048】
補正値ライブラリ複写部14は、この専用補正値ライブラリを、計算機グループ1〜mのそれぞれに備えられている記憶装置M1〜Mmに複写する(ステップS33)。
【0049】
その後、実施例1と同様、エッジ座標群分配部13が、エッジ座標群抽出部12より抽出されたエッジ座標群を、計算機グループ1〜mの各計算機に振り分け、ネットワーク回線を介して各計算機へ送出する(ステップS04)。
【0050】
本実施例では、各計算機は、自身の計算機グループに備えられている記憶装置に複写された専用補正値ライブラリから、振り分けられたエッジ座標群に対する補正値群の読み出しを行う。
【0051】
このとき、各計算機は、実施例1と同様、図3に示すフローに従って処理を行う。なお、本実施例では、専用補正値ライブラリが、図3のフローの補正値ライブラリに該当する。
【0052】
このような本実施例によれば、これから補正を行なおうとする設計パターンに必要なエッジ座標群と補正値の対のみが格納された専用補正値ライブラリを各計算機グループに備えられている記憶装置に複写するので、複写するデータ量が削減され、複写に要する時間を短縮することができる。また、複写時のネットワークの負荷を軽減することができる。
【0053】
また、各計算機も、複写された専用補正値ライブラリを検索するので、補正値の抽出に無関係なデータの検索を行なわなくて済み、検索時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施例1に係るマスクパターン作成装置の構成の例を示すブロック図。
【図2】実施例1のマスクパターン作成装置によるマスクパターン作成処理フローの例を示すフロー図。
【図3】本発明の実施例のマスクパターン作成装置に接続される計算機における処理フローの例を示すフロー図。
【図4】本発明の実施例2に係るマスクパターン作成装置の構成の例を示すブロック図。
【図5】実施例2のマスクパターン作成装置によるマスクパターン作成処理フローの要部を示すフロー図。
【符号の説明】
【0055】
1、2 マスクパターン作成装置
11 計算機グループ化部
12 エッジ座標群抽出部
13 エッジ座標群分配部
14 補正値ライブラリ複写部
15 補正値群集約部
16 マスクパターン生成部
21 専用補正値ライブラリ生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
過去に実行されたシミュレーション結果から得られたエッジ座標群と補正値群の対が蓄積された補正値ライブラリを用いて設計パターンに対する補正を行なうマスクパターン作成装置であって、
ネットワークを介して接続されている複数の計算機を複数の計算機グループに振り分ける計算機グループ化手段と、
入力された設計パターンからエッジ座標群を抽出するエッジ座標群抽出手段と、
前記エッジ座標群を前記複数の計算機に振り分けるエッジ座標群分配手段と、
前記複数の計算機グループのそれぞれに備えられている記憶装置に前記補正値ライブラリを複写する補正値ライブラリ複写手段と、
前記複数の計算機のそれぞれが自身の属するグループに備えられた前記記憶装置にアクセスして前記複写された補正値ライブラリから読み出した、前記振り分けられたエッジ座標群に対する補正値群を1つの補正値群データに集約する補正値群集約手段と、
前記補正値群データを用いて前記設計パターンを補正し、マスクパターンを生成するマスクパターン生成手段と
を備えることを特徴とするマスクパターン作成装置。
【請求項2】
前記記憶装置に複写される補正値ライブラリが、
前記補正値ライブラリから、前記設計パターンに含まれるエッジ座標群に関する前記補正値の対のみが抽出された前記設計パターン用の専用補正値ライブラリである
ことを特徴とする請求項1に記載のマスクパターン作成装置。
【請求項3】
過去に実行されたシミュレーション結果から得られたエッジ座標群と補正値群の対が蓄積された補正値ライブラリを用いて設計パターンに対する補正を行なうマスクパターン作成方法であって、
ネットワークを介して接続されている複数の計算機を複数の計算機グループに振り分ける計算機グループ化ステップと、
入力された設計パターンからエッジ座標群を抽出するエッジ座標群抽出ステップと、
前記エッジ座標群を前記複数の計算機に振り分けるエッジ座標群分配ステップと、
前記複数の計算機グループのそれぞれに備えられている記憶装置に前記補正値ライブラリを複写する補正値ライブラリ複写ステップと、
前記複数の計算機のそれぞれが前記複写された補正値ライブラリを検索したときに、前記振り分けられたエッジ座標群に一致するエッジ座標群が検出されないときは、そのエッジ座標群に対する補正値群を算出し、そのエッジ座標群と補正値群の対を前記複写された補正値ライブラリに追加するステップと、
前記複数の計算機のそれぞれが自身の属するグループに備えられた前記記憶装置にアクセスして前記複写された補正値ライブラリから読み出した、前記振り分けられたエッジ座標群に対する補正値群を1つの補正値群データに集約する補正値群集約ステップと、
前記補正値群データを用いて前記設計パターンを補正し、マスクパターンを生成するマスクパターン生成ステップと
を備えることを特徴とするマスクパターン作成方法。
【請求項4】
前記複数の計算機グループのそれぞれに複写される補正値ライブラリが、
前記補正値ライブラリから、前記設計パターンに含まれるエッジ座標群に関する前記補正値の対のみが抽出された前記設計パターン用の専用補正値ライブラリである
ことを特徴とする請求項3に記載のマスクパターン作成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−156983(P2009−156983A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−333006(P2007−333006)
【出願日】平成19年12月25日(2007.12.25)
【出願人】(000221199)東芝マイクロエレクトロニクス株式会社 (376)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】