マッサージ機能付きオットマン
【課題】 単なるオットマンとしても使用できるとともに、ふくらはぎ及び足裏の両方を効果的にマッサージすることができるマッサージ機能付きオットマンを提供することを目的としている。
【解決手段】 脚載置面2の傾斜角度を水平状態から使用者側が下がった方向の所定角度にまで調節可能な角度調節機構を有するオットマン1である。脚載せ部の回動中心は、オットマン全高の半分未満の高さに位置している。
【解決手段】 脚載置面2の傾斜角度を水平状態から使用者側が下がった方向の所定角度にまで調節可能な角度調節機構を有するオットマン1である。脚載せ部の回動中心は、オットマン全高の半分未満の高さに位置している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オットマン(脚載せ台)にマッサージ機能が付加されたマッサージ機能付きオットマンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
オットマン(脚載せ台)は、ソファやダイニングチェア等の椅子に腰掛けながら脚のふくらはぎ等を載せる台として従来から知られている。近年、このオットマンにマッサージ機能を付加したマッサージ機能付きオットマンが提案されている。
特許文献1には、足裏とふくらはぎとをマッサージできるフットマッサージャが記載されている。このフットマッサージャには、支軸を中心として回動し裏表両面が使用できる両面マッサージャ本体が取り付けられるとともに、第1および第2の所定位置で回動を固定できる回動規制手段を備えている。第1の所定位置で固定すると、両面マッサージャ本体の一方の面が椅子の座面とほぼ等しい高さで略水平に固定でき、該一方の面にふくらはぎを載せることによりオットマンあるいはふくらはぎのマッサージ機として使用することができる。また第2の所定位置で固定すると、両面マッサージャが裏返って該両面マッサージャの他方の面が前記第1所定位置よりも奥側(使用者から遠い側)において傾斜した状態で固定される。そして、該他方の面に足裏を載せることにより足裏のマッサージ機として使用することができる。
【特許文献1】特公昭63−52902号公報(特許請求の範囲1、第5図、第6図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の従来型マッサージ機能付きオットマンでは、足裏をマッサージする際に脚載置面が使用者から遠い位置に配置されてしまうため、使用者の脚が届かなかったり、足裏を脚載置面に対して押し付けにくくなったりして、効果的な足裏マッサージ効果が得られないという問題があった。さらに、上記の従来技術では、ふくらはぎ及び足裏の両方をマッサージ可能とするためには、マッサージ機構をオットマンの両面、即ち表面及び裏面の両方に設けなければならなかった。したがって、マッサージ機構が複雑化しやすく、小型化、軽量化及びコストダウンを実現しにくいものとなっていた。
【0004】
本発明はかかる状況に鑑みなされたものであって、マッサージ機能を作動させずに単なるオットマンとしても使用できるとともに、ふくらはぎ及び足裏の両方を効果的にマッサージすることができるマッサージ機能付きオットマンを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のマッサージ機能付きオットマンは、使用者の脚を載せることのできる脚載置面を有するとともに該脚載置面には非作動時に略平坦としうるマッサージ機構を有する脚載せ部と、この脚載せ部を回動可能に支持する基台とを有し、前記脚載置面の傾斜角度を水平状態から使用者側が下がった方向の所定角度にまで傾斜角度を調節可能な角度調節機構を有するオットマンであって、前記脚載せ部の回動中心は、オットマン全高の半分未満の高さに位置していることを特徴とする。
【0006】
このマッサージ機能付きオットマンは、非作動時に略平坦としうるマッサージ機構が脚載置面に設けられているから、略平坦とした脚載置面を水平な状態で固定することにより単なるオットマンとして使用することができる。また、単なるオットマンとして使用する場合の脚載置面と、ふくらはぎをマッサージする際の脚載置面と、更には足裏をマッサージする際の脚載置面とが全て共通の面とすることができる。よって、オットマンの片面のみの使用で済み、オットマンの両面にマッサージ機構を設ける必要がない。したがって、オットマンを180度回転させることなく、足裏とふくらはぎの両方を効果的にマッサージできる。そして、脚載せ部の回動中心は、オットマン全高の半分未満の高さに位置しているので、脚載せ部の回動半径を大きくすることができ、脚載置面を使用者側が下がった方向の所定角度にまで傾斜するように回動させた場合に、脚載置面が使用者側かつ下側に移動しやすくなり、足裏マッサージに適した位置に配置されやすくなる。
【0007】
他の観点からみた本発明のマッサージ機能付きオットマンは、使用者の脚を載せることのできる脚載置面を有するとともに該脚載置面には非作動時に略平坦としうるマッサージ機構を有する脚載せ部と、この脚載せ部を回動可能に支持する基台とを有し、前記脚載置面の傾斜角度を水平状態から使用者側が下がった方向の所定角度にまで傾斜角度を調節可能な角度調節機構を有するオットマンであって、前記脚載置面を使用者側が下がった方向に傾斜させることにより、前記脚載置面の中心点位置を、水平状態における該中心点位置よりも水平方向使用者側且つ鉛直方向下側に位置させることができることを特徴とする。
【0008】
このマッサージ機能付きオットマンも、非作動時に略平坦としうるマッサージ機構が脚載置面に設けられているから、略平坦とした脚載置面を水平な状態で固定することにより単なるオットマンとして使用することができる。また、単なるオットマンとして使用する場合の脚載置面と、ふくらはぎをマッサージする際の脚載置面と、更には足裏をマッサージする際の脚載置面とが全て共通の面とすることができる。よって、オットマンの片面のみの使用で済み、オットマンの両面にマッサージ機構を設ける必要がない。したがって、オットマンを180度回転させることなく、足裏とふくらはぎの両方を効果的にマッサージできる。そして、脚載置面を使用者側が下がった方向に傾斜させることにより、脚載置面の中心点位置を、水平状態よりも平方向使用者側且つ鉛直方向下側に位置させることができるから、足裏マッサージを効果的に且つ心地よい体勢で行うことができる。
【0009】
上記の各マッサージ機能付きオットマンにおいて、更にオットマンを移動させることのできるキャスターを備えている構成としてもよい。この場合、オットマンをキャスターにて移動させることにより、脚載置面の位置の微調整が容易となる。
【0010】
また、前記脚載せ部の回動は、単一の回動軸まわりになされるのが好ましい。このようにすると、比較的簡素な機構により上記マッサージ機能付きオットマンが得られ、小型化、軽量化、あるいはコストダウンなどに極めて有利な構成とすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、略平坦化しうるマッサージ機構を設けるとともに、脚載置面の回動位置を適切に設定したので、同一の脚載置面でふくらはぎ及び足裏を効果的にマッサージすることができ、且つ単なるオットマンとしても使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
図4は、本発明の一実施形態であるマッサージ機能付きオットマン1(以下、単にオットマン1ともいう)の全体を示す斜視図である。このマッサージ機能付きオットマン1は、マッサージ機構を備えた脚載置面2を有する脚載せ部3と、この脚載せ部3を、単一の回動軸まわりに回動可能に支持する基台4とを有する。さらに、オットマン1の使用者側には、脚載せ部3の傾斜角度を調整するためのレバー5が設けられている。
なお、オットマン1の「使用者側」とは、図5に示すようなオットマンの通常の使用状態(椅子70組み合わせて用いられる使用状態)における使用者71側(椅子70側)を意味する。また以下の記載においては、この使用者側に対する反対側をオットマンの「奥側」とする。更に、使用者側から奥側に至る方向を「手前−奥方向」とし、この手前−奥方向に直交しオットマン1の両側面を結ぶ方向を「左右方向」とする。
【0013】
図2及び図3は、オットマン1の側面図である。図2は、脚載置面2が水平の状態を示すものであり、オットマン1を単なるオットマン(脚載せ台)として用いる場合や、ふくらはぎを施療する場合には通常このような状態で用いられる。これに対して図3は、使用者側が下がった所定角度まで脚載置面2の角度が傾斜した状態であり、脚載置面2に足裏を当接させてマッサージを受ける場合には通常このような状態で用いられる。このようにオットマン1は、脚載置面2の傾斜角度を水平状態(図2の状態)から使用者側が下がった方向に所定角度傾斜の状態(図3の状態)までの範囲において傾斜角度が調節可能とされている。
【0014】
レバー5は、上方向10(図2及び図3における符号10を付した矢印方向)と下方向11(図2及び図3における符号11を付した矢印方向)の2方向に操作することができる。レバーを操作しない状態(レバーに触れていない状態)では脚載せ部3の回動が固定され、レバー5を操作することにより該固定が解除されて脚載せ部3が回動するようになっている。レバー5は、上方向10及び下方向11のいずれの方向に操作されても脚載せ部3の固定が解除される。したがって、脚載置面2の傾斜角度は、レバー5を上方向10または下方向11に操作するだけで極めて容易に調整することができる。よって、手を用いて操作することなく脚だけでも傾斜角度の調節が可能である。
【0015】
図7は、脚載せ部3と基台4とを分解して表示した斜視図である。基台4は、全体として半円柱状の外形をなしており、その上面12には、脚載せ部3の回動による該脚載せ部3との干渉を防止し該脚載せ部3の回動を許容するための中央開口部13及び左右開口部14が設けられている。完成されたオットマン1の状態では、脚載せ部3の左右側面部21が基台4の左右側面部22の外側に位置する。なお、基台4の左右側面部22の下側部分であって脚載せ部3の左右側面部21に覆われない箇所に、電源コード23及び主電源スイッチ34が取り付けられている。
【0016】
また、基台4の底面部奥側には、オットマン1の手前−奥方向の移動を円滑にするためのキャスター15が左右2箇所に設けられている。このように、キャスター15は基台4の底面部四隅に4箇所設けられているのではなく、奥側の左右2箇所のみに設けられているので、通常の使用状態においては、基台4の底面部前側突起16が接地しておりオットマン1は容易に移動しない。しかし、オットマン1の使用者側を持ち上げてオットマン1の接地部分をキャスター15のみとすることにより、オットマン1は手前−奥方向に容易に移動する。また、オットマン1の使用者側を持ち上げることは、例えば脚のみの操作でも比較的容易に行うことができる。よって、キャスター15を基台4の底面部奥側のみに設けることにより、通常の使用状態ではオットマン1が動きすぎることがなく、逆にオットマン1を手前−奥方向に動かしたい場合は、オットマン1の使用者側のみを持ち上げれば良いので、脚のみによっても容易にオットマン1を移動させることができる。
【0017】
図1は、オットマン1の側面図であり、脚載置面2が水平状態の場合と傾斜(使用者側が下がった方向に傾斜)した状態とを重ねて描いた図である。
図1に示すように、オットマン1は、脚載置面2を使用者側が下がった方向に角度θだけ傾斜させることにより、脚載置面2の中心点Pの位置が水平状態における該中心点P位置よりも水平方向使用者側で且つ鉛直方向下側となっている。
【0018】
そして、脚載せ部3の回動中心である全体回動軸37は、オットマン全高zh(脚載置面2を水平状態とした場合における全高を意味する。図1参照。)の半分未満の高さに位置している。よって、脚載置面2の回動半径が比較的大きくなり、脚載置面2を使用者側が下がった方向に傾斜するように回動させた場合に、脚載置面2が使用者側且つ下側に移動しやすくなり、足裏マッサージに適した位置に配置されやすくなる。
【0019】
脚載せ部3の傾斜角度範囲は特に限定しないが、水平状態から20度程度以上傾斜するように(θ≧20度程度まで)回動することができるのが好ましく、より好ましくは35度以上、更に好ましくは40度以上の角度範囲まで調節可能としておくのがよい。図6に示すような姿勢で足裏をマッサージする場合、脚載置面2の傾斜角度θは20度〜40度、特に25度から35度の場合に比較的心地よくマッサージできると考えられるからである。
【0020】
調節可能角度範囲の上限は特に無いが、60度以下程度とするのが好ましく、50度以下とするのが更に好ましい。前述したように本発明では同一の面でふくらはぎと足裏の両方をマッサージできるので脚載せ部3を180度回動可能としておく必要が無く、極めて特異な体勢を好むような使用者を考慮したとしても、45度程度まで傾斜させることができれば通常は充分だからである。また回動角度範囲が大きいとその分だけオットマン1の構造上の制約が大きくなってオットマン1の小型化、軽量化、及びコストダウン等に不利となるからである。
【0021】
このオットマン1が通常の使用状態と同様、水平面上に置かれた場合を考える。使用者側が下がった方向に所定角度θ度傾斜した状態における脚載置面2の中心点P(図1及び図4参照)の位置は、水平状態における同中心点Pの位置よりも所定距離(Xmm)だけ水平方向使用者側に近くなり、且つ鉛直方向下側に所定距離(Ymm)だけ下がっている。そのため、図6に示すような足裏マッサージの際に、脚載置面2の位置が適切に設定され、足裏マッサージの際に心地よい体勢をとりやすくなり、且つ足裏マッサージがより効果的になされる。
【0022】
脚載置面2の中心点Pとは、図4に示すように脚載置面2の手前−奥方向及び左右方向における中心点を意味し、本発明では、脚載置面2の位置を規定するための基準点となっている。なお、脚載置面2が柔らかい構造であり、使用者の脚30を載せると当該脚載置面2が沈み込むような場合には、中心点Pは、当該沈み込んだ位置における仮想載置面P1(図2及び図3参照)を基準とし、該仮想載置面P1の中心点を中心点Pとしうる。
【0023】
上述のように、足裏マッサージの際に脚載置面2が水平状態よりも使用者側且つ下側の配置となるのが、足裏マッサージを心地よく且つ効果的とするのに有効であると判明した。その理由は、人体の構造と密接に関連していると考えられ、官能評価に基づく微妙な部分もあるものの、基本的には次のような理由が主であるといえる。まず、脚載置面2が水平状態の場合よりも高くなると、足裏マッサージ時に使用者の脚が過度に高くなって楽な体勢をとることができなくなるが、本実施形態のように脚載置面2が低くなることで、使用者71は図6に示すような楽な体勢をとることが可能になる。また、脚載置面2が水平状態の場合よりも使用者側に近づくと、使用者の脚30は、膝が比較的折れた状態となるが(図6参照)、この体勢が人間にとって楽な体勢となっている。更に、膝が折れた状態であるから、脚に特段の力を加えなくても自然な体勢のままで足裏を脚載置面2に対して押し付ける力が作用し、足裏が固定されやすくなって施療効果を高めることができる。
これに対して、水平状態と使用者側が下がった傾斜状態とで脚載置面2の高さや手前−奥方向位置が変わらないとした場合、足裏マッサージの際に膝が曲がりすぎて窮屈となったり、この窮屈さを解消しようとしてお尻の位置が前方にズレてしまったり、このお尻位置のズレに伴って肩位置が下がってしまったりするため、最適なマッサージを受けることができない恐れがある。
【0024】
図5及び図6は、椅子70と共に通常の状態で使用されているオットマン1の様子を示す図であり、図5では脚載置面2が水平な状態とされ、図6では脚載置面2が使用者71側が下がった方向に傾斜した状態である。図5に示すように、オットマン1の脚載置面を水平の状態とすると、使用者の脚30のふくらはぎをマッサージするのに好適であり、またマッサージをすることなく単なるオットマンとして使用するのにも好適となる。なおこのように脚載置面2を水平な状態で使用する場合は、脚載置面2の高さは椅子70の座面72の高さと略同一としておくと、使用者71が脚30を伸ばした楽な体勢をとれるため好ましい。
【0025】
一方、図6に示すように、脚載置面2を使用者側が下がった方向に傾斜させた状態では、使用者の脚30における足裏を脚載置面2に当接させた状態でマッサージを受けるのに好適となる。そして上述のように、図5の状態から図6の状態への変換に伴い、脚載置面2が水平状態よりも使用者側且つ下側に移動するようにしたので、単に脚載せ部3を回動させるだけで、ふくらはぎマッサージと足裏マッサージとの両方を心地よく且つ効果的とできる。この際、キャスター15によりオットマン1を手前−奥方向に移動させることにより、脚載置面2の位置を微調整することができ、位置調整の自由度が更に大きくなる。ただし、上述のように水平状態から傾斜状態に変換するだけで脚載置面2が使用者側且つ下側に移動するので、キャスター15での移動を不要もしくは最小限に抑えることも可能とされている。
【0026】
なお、本実施形態では、図1に示すように、θ度傾斜したときの上記所定距離X(mm)及びY(mm)を以下のように設定した。
(イ):θが25度のとき、Xが120mmで且つYが60mm
(ロ):θが35度のとき、Xが160mmで且つYが80mm
上記(イ)のように設定したのは、θが25度のとき、Xが100mm 〜140mmで且つYが45mm〜75mmであると、足裏マッサージを楽な体勢で且つ効果的とするのに好ましいからである。
また、上記(ロ)のように設定したのは、θが35度のとき、Xが140mm 〜180mmで且つYが65mm〜95mmであると、足裏マッサージを楽な体勢で且つ効果的とするのに好ましいからである。
【0027】
上述のように、足裏マッサージの際における好ましい角度θ、距離X及び距離Yが所定の幅をもった数値範囲となっているのは、体格の差やマッサージの好みの個人差等があるからであるが、上記数値範囲とすることにより、足裏マッサージ及びふくらはぎのマッサージ(及び単なるオットマンとしての使用)のいずれについても脚載置面2の配置を好適なものとすることができる。さらに、レバー5を上方向10及び下方向11に操作するだけで傾斜角度を変更できるから、足裏マッサージとふくらはぎマッサージ(又は単なるオットマンとしての使用)との変換が極めて簡便且つ円滑に行われる。また上述したキャスター15を用いてオットマン1の手前−奥方向の位置を調整することにより、更にきめ細かく脚載置面2の配置を調節することも可能となる。
【0028】
そして、本発明では、水平状態と使用者側が下がった傾斜状態とにおける脚載置面2の上記位置関係を、単一の回動軸である全体回動軸37まわりの回動のみで実現している。かかる位置関係は、例えば回動機構とスライド機構(水平方向へのスライド機構)を組み合わせることによっても実現可能であるが、本実施形態では単一の回動軸まわりの回動のみによって上記位置関係を実現している。かかる位置関係を実現すべく、全体回動軸37の位置が適宜調整されている。よって、スライド機構等を組み合わせることなく、比較的単純な機構で上記位置関係を実現している。
【0029】
次に、脚載置面2に設けられたマッサージ機構6について説明する。
図8は、脚載せ部3を使用者側から見た図である。脚載せ部3の脚載置面2には、脚をマッサージするためのマッサージ機構6が設けられている。なお、図2〜図6に示すように、マッサージ機構6は皮革や布等を素材とするカバー20で覆われているが、これら図2〜図6以外の図面では、内部機構を理解しやすいようにするため該カバー20の記載を省略している。マッサージ機構6は、エアセル(空気袋)を膨縮させることにより施療者の脚30をマッサージするものであり、具体的には、脚載置面2の左右方向略中央に配置された中央エアセル23と、脚載置面2の左右両側に配置された外側エアセル24が膨縮することにより、脚をマッサージするものである。
【0030】
図8が、各エアセルが収縮した状態であるのに対して、図9は、各エアセルが膨張した状態において脚載せ部3を使用者側から見た図である。図8に示すように、マッサージ機構6は、各エアセルが収縮した状態では略平坦となる。よって、マッサージ機構6の非作動時には脚載置面2を略平坦とすることができ、マッサージ機構6を使用しない場合に単なるオットマンとして使用できる。しかも、マッサージ機構6を有する面(マッサージ面)と単なるオットマンとして使用する略平坦面(オットマン面)とが共通の面となるから、マッサージ面とオットマン面とが互いに反対側の面とされている場合のように、オットマンを180度回転させるといった手間及び構造が不要となる。
【0031】
図9に示すように、中央エアセル23は、脚載置面2の左右方向中心位置を挟んだ右側及び左側にそれぞれ別個のものが設けられている。また、各中央エアセル23は、互いに連通する複数(図8及び図9の実施形態では3つ)のエアセルが重ねられてなり、図9のように使用者側から見た場合において扇状に膨張する構造となっている。即ち中央エアセル23は、蛇腹状のエアセルの一方側のみの拡張を拘束することにより扇状に開くようになっている。各中央エアセル23は、それぞれ左右方向外側を中心として扇状に膨張するように配置されており、該膨張に伴い通常の使用状態における施療者の脚30(図9及び図8で破線にて断面を表示)を左右方向外側に向かって押圧することができる構成とされている。なお図8及び図9では、図2で示すように、脚載置面2に脚のふくらはぎ付近が載置された状態における脚30を図示しているが、特に脚載置面2を使用者側が下がるように傾斜させた場合には、図3及び図6に示すように脚30の足裏を脚載置面2にあてるようにして、足裏をはじめかかとや足の甲などをマッサージすることができる。
【0032】
一方、脚載置面2の左右両側に配置された各外側エアセル24は、下側に設けられた第一外側エアセル25と、この第一外側エアセル25の上側に設けられた第二外側エアセル26とからなる。各外側エアセル25,26は、中央エアセル23と同様、互いに連通する複数(図8及び図9では3枚)のエアセルが重ねられてなり、図9のように使用者側からみた場合において扇状に膨張する構造となっている。各外側エアセル25,26は、それぞれ左右方向内側を中心として扇状に膨張するように配置されており、通常の使用状態における施療者の脚30を左右方向外側から押圧することができる。さらに、第一外側エアセル25の上側(図8のような収縮状態における上側)には、球面状の凸面を有する施療突起27が支持板28を介して設けられており、外側エアセル25,26が膨張することにより施療突起27が脚30を押圧することができる。また、第一外側エアセル25と第二外側エアセル26とを重ねて配置することにより、施療突起27の押圧位置の自由度を高め、図9のように脚30を斜め上側から押圧するといったことも可能となる。
なお、前述のカバー20は、各エアセル23,25,26の扇状の膨張を妨げないような蛇腹状構造20aを備えている(図2及び図3参照)。
【0033】
支持板28の左右方向内側端部のみに片側支持された状態で、該支持板28と中央エアセル23との間の部分を覆うようにアクリル樹脂製の薄板29が固定されている。この薄板29は、各エアセル23,24を固定するためのねじ31等から施療者の脚30を保護するために設けられている。また図9に示すように、この薄板29は各エアセルの膨張に対応して弾性変形し、施療動作を妨げることがない。なお実際には、図8及び図9で図示を省略する前述のカバー20が薄板29等を含むマッサージ機構6全体を覆っており、このカバー20によっても脚30が保護されている。
【0034】
次に、本実施形態におけるオットマン1の内部構造について詳細に説明する。
図10〜図12は、オットマン1の内部構造を示す図であり、図10は使用者側から見た図、図11はオットマン1の内側から内部構造の側面を見た図、図12はオットマン1の外側(図11の反対側)から内部構造の側面を見た図である。これらの図においては、オットマン1の角度調節機構の説明に不要な部分は適宜記載を省略している。
【0035】
図10に示すように、基台4の内部には、図示しないホース、チューブあるいはパイプ等を介して各エアセル23,24に空気を供給するエアポンプ32と、このエアポンプ32から各エアセル23,24までの間において空気弁を開閉する電磁弁33とを有している。エアポンプ32及び電磁弁33は、図示しない制御機構により、各エアセル23,25,26の膨縮のタイミングをエアセル毎に制御して、所望の施療動作が得られるようになっている。
【0036】
本実施形態では、エアポンプ32及び電磁弁33を基台4に内蔵する構成としたので、脚載せ部3にはこれらエアポンプ32や電磁弁33を設ける必要が無い。よって、脚載せ部3の内部空間に余裕が生まれ、全体回動軸37の配置自由度が向上している。よって、単一の回動軸回りの回動のみで上記Xmm及びYmmを適切に設定することが容易とされている。
【0037】
オットマン1の角度調節機構7は、図10に示すように左右対称の構成を成しており、図11及び図12で示される構成が角度調節機構7の両側面側において互いに左右対称に設けられている。角度調節機構7を構成する各部分は、脚載せ部3及び基台4の両方に亘っており、脚載せ部3と基台4とが組み立てられることにより角度調節機構7が完成する。
オットマン1の角度調節機構7は、上方向10および下方向11に操作可能な前記レバー5と、このレバー5を操作しない状態では脚載せ部3の回動を固定しレバー5を操作することにより該固定を解除する切換え機構8と、レバー5と切換え機構8とを連動させる連動機構9とを有しており、レバー5が上方向10及び下方向11のいずれの方向に操作されても切換え機構8による回動固定が解除されるようになっている。
【0038】
図10〜図12に示すように、脚載せ部3は、マッサージ機構6を支持固定するための支持面35と、この支持面35と一体を成すとともに該支持面35の左右側縁部から基台4側に向かって延在し基台4との接合部を構成する略平板状の上側接合部36とを有する。
一方、基台4は、底面部40と、この底面部40と一体を成すとともに該底面部40の左右側縁部から脚載せ部3に向かって延在し脚載せ部3との接合部を構成する略平板状の下側接合部41とを有する。上側接合部36と下側接合部41は、共に脚載せ部3の左右側面部21や基台4の左右側面部22と平行に延在している。
そして、上側接合部36と下側接合部41とは、全体回動軸37により互いに回動可能に支持されている。なお、全体回動軸37の位置は、脚載置面2が水平の状態において脚載せ部3の重心位置(図示しない)よりも奥側に位置している。
【0039】
図11及び図12に示すように、切換え機構8は、全体回動軸37を中心とした円弧に沿って下側接合部41に設けられたガイド長穴42と、脚載せ部3側に設けられガイド長穴42を貫通するとともにガイド長穴42の幅方向(全体回動軸37に対する径方向)に移動可能なストッパー43(図11参照)と、このストッパー43を前記ガイド長穴の内周側に付勢するストッパーばね44と、を有する。また、このストッパーばね44で付勢される側、即ち内周側のガイド長穴42縁部には、ストッパー43が係合しうる複数の凹部45が周方向に並んで設けられている。ストッパー43は断面円形の略円柱状部材であり、このストッパー43がストッパーばね44の付勢力でガイド長穴42の凹部45に落ち込むことにより、ストッパー43が凹部44と係合して脚載せ部3の回動が固定される。ストッパー43が、どの凹部45と係合するかによって脚載せ部3の傾斜角度を調節することができる。図11に示すように、ストッパー43は、上側接合部36に設けられた第二ガイド長穴46及びガイド長穴42を貫通するとともに、その一端はストッパーばね44の一端と接続されている。またストッパー43の他端は、ガイド長穴42の幅方向に移動可能な状態で上側接合部36に支持されている。第二ガイド長穴46は、ストッパー43の移動(ガイド長穴42の幅方向への移動)を許容して凹部45との係合切換えを可能とすべく、ガイド長穴42の幅方向に長い穴とされている。
【0040】
連動機構9は、レバー5が上方向10及び下方向11のいずれの方向に操作されても、ストッパーばね44の付勢方向とは逆の方向にストッパー43を移動させ、これによりストッパー43と凹部45との係合を解消して脚載せ部3の回動固定を解除できる構成とされている。
【0041】
かかる連動機構9の詳細構成を説明する。
連動機構9は、レバー5と一体をなしレバー5の上方向11及び下方向11の操作に伴い軸回転(図10において両矢印50にて示す)できるように脚載せ部3側に回動可能に支持されるとともに、前記軸回転の軸線z(図10参照)方向に対して略垂直に突出しレバー5と同じ方向に動く突出回動部47を有する第一連結部48と、一端部が第一連結部48の突端側と回動可能に連結した棒状部材である第二連結部49と、一端部が第二連結部49の他端部と回動可能に連結し他端部が棒状の中継部材51(図11参照)を介してストッパー43と連結し且つその中間位置において脚載せ部側の上側接合部36に所定の中間回動軸52まわりに回動可能に支持された第三連結部53と、を有している。
【0042】
次に、レバー5を上方向10及び下方向11のそれぞれの方向に操作した場合の連動機構9の動作について、図11を参照しつつ説明する。
まず、レバー5を上方向10に操作すると、第一連結部48の突出回動部47の突端t1が矢印R1のように回動し、これに連動して第三連結部53が中間回動軸52を中心として回転し、該第三連結部53の端部t2が矢印R4のように回動する。よって中継部材51がストッパーばね44の付勢力に抗して上方に引っぱられ、ストッパー43と凹部45との係合が外れる。
次に、レバー5を下方向11に操作すると、第一連結部48の突出回動部47の突端t1が矢印R2のように回動し、これに連動して第三連結部53が中間回動軸52を中心として回転し、該第三連結部53の端部t2が矢印R3のように回動する。よってこの場合も、中継部材51がストッパーばね44の付勢力に抗して上方に引っぱられ、ストッパー43と凹部45との係合が外れることとなる。
このように、連動機構9は、レバー5が上方向10及び下方向11のいずれの方向に操作されても、ストッパー43を略上方に移動させて凹部45とストッパー43との係合を解消することにより、脚載せ部3の回動固定を解除できる。そして、レバー5を操作しない状態では、ストッパーばね44の付勢力によりストッパー43がいずれかの凹部45と係合して、脚載せ部3の回動が固定される。
【0043】
また、オットマン1には、上述したストッパーばね44とは別のばねである傾倒制御ばね54が設けられている(図10及び図12参照)。この傾倒制御ばね54は、脚載せ部3と基台4との間に介在しており、その基台4側における端部固定位置を全体回動軸37とは異なる所定位置60に設定して、前記脚載せ部の傾斜角度が大きくなるほど伸長するようにされている。このことを以下に説明する。図12に示すように、傾倒制御ばね54は、脚載せ部3側の上側接合部36における所定位置61と、基台4側の前記所定位置60との間に設けられている。脚載せ部3が全体回動軸37を中心軸として回動すると、脚載せ部3側の所定位置61も全体回動軸37を中心として回動することとなる(図12の円弧状破線参照)。一方、脚載せ部3が回動しても基台4側の所定位置60の位置は不変である。ここで、基台4側所定位置60は全体回動軸37とは異なる位置に設けられており、具体的には図12に示すように、脚載せ部3の脚載置面2が水平の状態における基台4側の所定位置60は、脚載せ部3側の所定位置61と全体回動軸37とを結ぶ直線上の中間地点に位置している。したがって、脚載せ部3が傾斜するほど傾倒制御ばね54はそのばね力に抗して伸ばされることとなる(図12の2点鎖線参照)。
【0044】
上記のマッサージ機能付きオットマン1では、レバー5を上方向10及び下方向11のいずれの方向に操作しても回動固定が解除される。よって、脚載せ部3を下方向11に(使用者側が下がる方向に)回動させたい場合には、レバー5を下方向11に操作することにより、レバー5を下に押す力と重力とが作用して容易に下方向11に(使用者側が下がる方向に)回動させることができ、傾斜角度を大きくすることができる。また、脚載せ部3を上方向10に(使用者側が上がる方向に)回動させたい場合には、レバー5を上方向10に操作することにより、レバー5を上に押す力が作用して容易に上方向10に(使用者側が上がる方向に)回動させることができ、傾斜角度を小さくすることができる。しかも、レバー5を操作しない状態では回動が固定される。したがって、手を使わなくても脚だけで容易に脚載せ部の角度調節ができる。よって、使用者は椅子に座ったまま上体を起こすこともなく脚だけで角度調節でき、足裏マッサージとふくらはぎマッサージ(及び単なるオットマンとしての使用)との変換が容易となる。よって、足裏とふくらはぎとのいずれもマッサージでき且つ単なるオットマンとしても使用できるものとして、極めて利便性が高くなる。また、オットマン1のような構成とすると、角度調整機構7、切換え機構8、および連動機構9を、比較的簡素な機械的手段により構成することができる。
【0045】
一方、脚載せ部3を下方向11に回動させる際においては、レバー5を下に押す力に重力が加わって急激に回動しやすく、例えば最大の傾斜角度まで一気に傾いてしまうなど、所望の角度に調整しにくい傾向がある。一方、脚載せ部3を上方向10に回動させる場合は、重力に抗して回動させるため回動しにくく、特に脚だけで角度調整をしようとする場合には過度の力が必要となるなど、角度調整がしにくくなる傾向がある。しかしながら、上述のように傾倒制御ばね54を設けることにより、下方向11に回動させる際には傾倒制御ばね54を伸ばすことになり、該傾倒制御ばね54のばね力が回動と逆方向に作用し急激な回動が抑制される。逆に上方向10に回動させる際には、伸ばされた状態の傾倒制御ばね54が縮もうとするばね力が回動方向に作用して回動を補助する。よって、上方向10および下方向11における脚載せ部3の回動及びその制御がより一層容易となる。よって、脚だけで脚載せ部3の傾斜角度を調節するのに極めて適したものとなる。
【0046】
なお、上記の実施形態では、連動機構9や切換え機構8として機械的手段を用いたがこれに限られず、例えば電気的手段等を用いても良い。電気的手段の例としては、例えばレバー5を上方向10及び下方向11のいずれに操作してもスイッチオンの信号が発信され、これにより切換え機構8の固定−固定解除の切換えがなされたり、脚載せ部3を回動させるためのモーターが作動したりするものを例示することができる。ただし上記の機械的手段によれば比較的簡素な構造により本発明を構成することができる。
【0047】
また、マッサージ機構6としても上記に限られず、例えば脚載置面2の法線方向に施療突起が出退動作するといった比較的単純なものでもよい。ただし、上記の実施形態のようにすると、左右の脚30を中央エアセル23及び外側エアセル24で挟み込むように施療するため、マッサージ効果を高めることができる。なお、上記実施形態のオットマン1では、ガイド長穴42の範囲を適宜設定することにより、角度調節の範囲を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】角度θだけ傾斜した状態と水平状態との間における、脚載置面の中心点の水平方向及び鉛直方向への相違距離を説明するための図である。
【図2】本発明の一実施形態におけるマッサージ機能付きオットマンにおいて、脚載置面を水平状態とした場合の側面図である。
【図3】図2のマッサージ機能付きオットマンにおいて、脚載置面を使用者側が下がった方向に傾斜させた場合の側面図である。
【図4】図2のマッサージ機能付きオットマンの全体を示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態におけるマッサージ機能付きオットマンが、脚載置面を水平とした状態で椅子と共に用いられている様子を示す全体図である。
【図6】本発明の一実施形態におけるマッサージ機能付きオットマンが、脚載置面を傾斜させた状態で椅子と共に用いられている様子を示す全体図である。
【図7】脚載せ部と基台とを分解した状態の斜視図である。
【図8】マッサージ機構を含めた脚載せ部の全体を示す正面図であり、エアセルが収縮した状態の図である。
【図9】マッサージ機構を含めた脚載せ部の全体を示す正面図であり、エアセルが膨張した状態の図である。
【図10】図2のマッサージ機能付きオットマンの内部機構を使用者側から見た正面図である。
【図11】図10の内部機構をオットマンの内側から見た側面図である。
【図12】図10の内部機構をオットマンの外側から見た側面図である。
【符号の説明】
【0049】
1 マッサージ機能付きオットマン
2 脚載置面
3 脚載せ部
4 基台
6 マッサージ機構
7 角度調節機構
30 使用者の脚
37 全体回動軸(単一の回動軸)
X 水平状態と傾斜状態とにおける脚載置面の中心点位置の水平方向における相違距離
Y 水平状態と傾斜状態とにおける脚載置面の中心点位置の鉛直方向における相違距離
θ 脚載置面の傾斜角度
【技術分野】
【0001】
本発明は、オットマン(脚載せ台)にマッサージ機能が付加されたマッサージ機能付きオットマンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
オットマン(脚載せ台)は、ソファやダイニングチェア等の椅子に腰掛けながら脚のふくらはぎ等を載せる台として従来から知られている。近年、このオットマンにマッサージ機能を付加したマッサージ機能付きオットマンが提案されている。
特許文献1には、足裏とふくらはぎとをマッサージできるフットマッサージャが記載されている。このフットマッサージャには、支軸を中心として回動し裏表両面が使用できる両面マッサージャ本体が取り付けられるとともに、第1および第2の所定位置で回動を固定できる回動規制手段を備えている。第1の所定位置で固定すると、両面マッサージャ本体の一方の面が椅子の座面とほぼ等しい高さで略水平に固定でき、該一方の面にふくらはぎを載せることによりオットマンあるいはふくらはぎのマッサージ機として使用することができる。また第2の所定位置で固定すると、両面マッサージャが裏返って該両面マッサージャの他方の面が前記第1所定位置よりも奥側(使用者から遠い側)において傾斜した状態で固定される。そして、該他方の面に足裏を載せることにより足裏のマッサージ機として使用することができる。
【特許文献1】特公昭63−52902号公報(特許請求の範囲1、第5図、第6図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の従来型マッサージ機能付きオットマンでは、足裏をマッサージする際に脚載置面が使用者から遠い位置に配置されてしまうため、使用者の脚が届かなかったり、足裏を脚載置面に対して押し付けにくくなったりして、効果的な足裏マッサージ効果が得られないという問題があった。さらに、上記の従来技術では、ふくらはぎ及び足裏の両方をマッサージ可能とするためには、マッサージ機構をオットマンの両面、即ち表面及び裏面の両方に設けなければならなかった。したがって、マッサージ機構が複雑化しやすく、小型化、軽量化及びコストダウンを実現しにくいものとなっていた。
【0004】
本発明はかかる状況に鑑みなされたものであって、マッサージ機能を作動させずに単なるオットマンとしても使用できるとともに、ふくらはぎ及び足裏の両方を効果的にマッサージすることができるマッサージ機能付きオットマンを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のマッサージ機能付きオットマンは、使用者の脚を載せることのできる脚載置面を有するとともに該脚載置面には非作動時に略平坦としうるマッサージ機構を有する脚載せ部と、この脚載せ部を回動可能に支持する基台とを有し、前記脚載置面の傾斜角度を水平状態から使用者側が下がった方向の所定角度にまで傾斜角度を調節可能な角度調節機構を有するオットマンであって、前記脚載せ部の回動中心は、オットマン全高の半分未満の高さに位置していることを特徴とする。
【0006】
このマッサージ機能付きオットマンは、非作動時に略平坦としうるマッサージ機構が脚載置面に設けられているから、略平坦とした脚載置面を水平な状態で固定することにより単なるオットマンとして使用することができる。また、単なるオットマンとして使用する場合の脚載置面と、ふくらはぎをマッサージする際の脚載置面と、更には足裏をマッサージする際の脚載置面とが全て共通の面とすることができる。よって、オットマンの片面のみの使用で済み、オットマンの両面にマッサージ機構を設ける必要がない。したがって、オットマンを180度回転させることなく、足裏とふくらはぎの両方を効果的にマッサージできる。そして、脚載せ部の回動中心は、オットマン全高の半分未満の高さに位置しているので、脚載せ部の回動半径を大きくすることができ、脚載置面を使用者側が下がった方向の所定角度にまで傾斜するように回動させた場合に、脚載置面が使用者側かつ下側に移動しやすくなり、足裏マッサージに適した位置に配置されやすくなる。
【0007】
他の観点からみた本発明のマッサージ機能付きオットマンは、使用者の脚を載せることのできる脚載置面を有するとともに該脚載置面には非作動時に略平坦としうるマッサージ機構を有する脚載せ部と、この脚載せ部を回動可能に支持する基台とを有し、前記脚載置面の傾斜角度を水平状態から使用者側が下がった方向の所定角度にまで傾斜角度を調節可能な角度調節機構を有するオットマンであって、前記脚載置面を使用者側が下がった方向に傾斜させることにより、前記脚載置面の中心点位置を、水平状態における該中心点位置よりも水平方向使用者側且つ鉛直方向下側に位置させることができることを特徴とする。
【0008】
このマッサージ機能付きオットマンも、非作動時に略平坦としうるマッサージ機構が脚載置面に設けられているから、略平坦とした脚載置面を水平な状態で固定することにより単なるオットマンとして使用することができる。また、単なるオットマンとして使用する場合の脚載置面と、ふくらはぎをマッサージする際の脚載置面と、更には足裏をマッサージする際の脚載置面とが全て共通の面とすることができる。よって、オットマンの片面のみの使用で済み、オットマンの両面にマッサージ機構を設ける必要がない。したがって、オットマンを180度回転させることなく、足裏とふくらはぎの両方を効果的にマッサージできる。そして、脚載置面を使用者側が下がった方向に傾斜させることにより、脚載置面の中心点位置を、水平状態よりも平方向使用者側且つ鉛直方向下側に位置させることができるから、足裏マッサージを効果的に且つ心地よい体勢で行うことができる。
【0009】
上記の各マッサージ機能付きオットマンにおいて、更にオットマンを移動させることのできるキャスターを備えている構成としてもよい。この場合、オットマンをキャスターにて移動させることにより、脚載置面の位置の微調整が容易となる。
【0010】
また、前記脚載せ部の回動は、単一の回動軸まわりになされるのが好ましい。このようにすると、比較的簡素な機構により上記マッサージ機能付きオットマンが得られ、小型化、軽量化、あるいはコストダウンなどに極めて有利な構成とすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、略平坦化しうるマッサージ機構を設けるとともに、脚載置面の回動位置を適切に設定したので、同一の脚載置面でふくらはぎ及び足裏を効果的にマッサージすることができ、且つ単なるオットマンとしても使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
図4は、本発明の一実施形態であるマッサージ機能付きオットマン1(以下、単にオットマン1ともいう)の全体を示す斜視図である。このマッサージ機能付きオットマン1は、マッサージ機構を備えた脚載置面2を有する脚載せ部3と、この脚載せ部3を、単一の回動軸まわりに回動可能に支持する基台4とを有する。さらに、オットマン1の使用者側には、脚載せ部3の傾斜角度を調整するためのレバー5が設けられている。
なお、オットマン1の「使用者側」とは、図5に示すようなオットマンの通常の使用状態(椅子70組み合わせて用いられる使用状態)における使用者71側(椅子70側)を意味する。また以下の記載においては、この使用者側に対する反対側をオットマンの「奥側」とする。更に、使用者側から奥側に至る方向を「手前−奥方向」とし、この手前−奥方向に直交しオットマン1の両側面を結ぶ方向を「左右方向」とする。
【0013】
図2及び図3は、オットマン1の側面図である。図2は、脚載置面2が水平の状態を示すものであり、オットマン1を単なるオットマン(脚載せ台)として用いる場合や、ふくらはぎを施療する場合には通常このような状態で用いられる。これに対して図3は、使用者側が下がった所定角度まで脚載置面2の角度が傾斜した状態であり、脚載置面2に足裏を当接させてマッサージを受ける場合には通常このような状態で用いられる。このようにオットマン1は、脚載置面2の傾斜角度を水平状態(図2の状態)から使用者側が下がった方向に所定角度傾斜の状態(図3の状態)までの範囲において傾斜角度が調節可能とされている。
【0014】
レバー5は、上方向10(図2及び図3における符号10を付した矢印方向)と下方向11(図2及び図3における符号11を付した矢印方向)の2方向に操作することができる。レバーを操作しない状態(レバーに触れていない状態)では脚載せ部3の回動が固定され、レバー5を操作することにより該固定が解除されて脚載せ部3が回動するようになっている。レバー5は、上方向10及び下方向11のいずれの方向に操作されても脚載せ部3の固定が解除される。したがって、脚載置面2の傾斜角度は、レバー5を上方向10または下方向11に操作するだけで極めて容易に調整することができる。よって、手を用いて操作することなく脚だけでも傾斜角度の調節が可能である。
【0015】
図7は、脚載せ部3と基台4とを分解して表示した斜視図である。基台4は、全体として半円柱状の外形をなしており、その上面12には、脚載せ部3の回動による該脚載せ部3との干渉を防止し該脚載せ部3の回動を許容するための中央開口部13及び左右開口部14が設けられている。完成されたオットマン1の状態では、脚載せ部3の左右側面部21が基台4の左右側面部22の外側に位置する。なお、基台4の左右側面部22の下側部分であって脚載せ部3の左右側面部21に覆われない箇所に、電源コード23及び主電源スイッチ34が取り付けられている。
【0016】
また、基台4の底面部奥側には、オットマン1の手前−奥方向の移動を円滑にするためのキャスター15が左右2箇所に設けられている。このように、キャスター15は基台4の底面部四隅に4箇所設けられているのではなく、奥側の左右2箇所のみに設けられているので、通常の使用状態においては、基台4の底面部前側突起16が接地しておりオットマン1は容易に移動しない。しかし、オットマン1の使用者側を持ち上げてオットマン1の接地部分をキャスター15のみとすることにより、オットマン1は手前−奥方向に容易に移動する。また、オットマン1の使用者側を持ち上げることは、例えば脚のみの操作でも比較的容易に行うことができる。よって、キャスター15を基台4の底面部奥側のみに設けることにより、通常の使用状態ではオットマン1が動きすぎることがなく、逆にオットマン1を手前−奥方向に動かしたい場合は、オットマン1の使用者側のみを持ち上げれば良いので、脚のみによっても容易にオットマン1を移動させることができる。
【0017】
図1は、オットマン1の側面図であり、脚載置面2が水平状態の場合と傾斜(使用者側が下がった方向に傾斜)した状態とを重ねて描いた図である。
図1に示すように、オットマン1は、脚載置面2を使用者側が下がった方向に角度θだけ傾斜させることにより、脚載置面2の中心点Pの位置が水平状態における該中心点P位置よりも水平方向使用者側で且つ鉛直方向下側となっている。
【0018】
そして、脚載せ部3の回動中心である全体回動軸37は、オットマン全高zh(脚載置面2を水平状態とした場合における全高を意味する。図1参照。)の半分未満の高さに位置している。よって、脚載置面2の回動半径が比較的大きくなり、脚載置面2を使用者側が下がった方向に傾斜するように回動させた場合に、脚載置面2が使用者側且つ下側に移動しやすくなり、足裏マッサージに適した位置に配置されやすくなる。
【0019】
脚載せ部3の傾斜角度範囲は特に限定しないが、水平状態から20度程度以上傾斜するように(θ≧20度程度まで)回動することができるのが好ましく、より好ましくは35度以上、更に好ましくは40度以上の角度範囲まで調節可能としておくのがよい。図6に示すような姿勢で足裏をマッサージする場合、脚載置面2の傾斜角度θは20度〜40度、特に25度から35度の場合に比較的心地よくマッサージできると考えられるからである。
【0020】
調節可能角度範囲の上限は特に無いが、60度以下程度とするのが好ましく、50度以下とするのが更に好ましい。前述したように本発明では同一の面でふくらはぎと足裏の両方をマッサージできるので脚載せ部3を180度回動可能としておく必要が無く、極めて特異な体勢を好むような使用者を考慮したとしても、45度程度まで傾斜させることができれば通常は充分だからである。また回動角度範囲が大きいとその分だけオットマン1の構造上の制約が大きくなってオットマン1の小型化、軽量化、及びコストダウン等に不利となるからである。
【0021】
このオットマン1が通常の使用状態と同様、水平面上に置かれた場合を考える。使用者側が下がった方向に所定角度θ度傾斜した状態における脚載置面2の中心点P(図1及び図4参照)の位置は、水平状態における同中心点Pの位置よりも所定距離(Xmm)だけ水平方向使用者側に近くなり、且つ鉛直方向下側に所定距離(Ymm)だけ下がっている。そのため、図6に示すような足裏マッサージの際に、脚載置面2の位置が適切に設定され、足裏マッサージの際に心地よい体勢をとりやすくなり、且つ足裏マッサージがより効果的になされる。
【0022】
脚載置面2の中心点Pとは、図4に示すように脚載置面2の手前−奥方向及び左右方向における中心点を意味し、本発明では、脚載置面2の位置を規定するための基準点となっている。なお、脚載置面2が柔らかい構造であり、使用者の脚30を載せると当該脚載置面2が沈み込むような場合には、中心点Pは、当該沈み込んだ位置における仮想載置面P1(図2及び図3参照)を基準とし、該仮想載置面P1の中心点を中心点Pとしうる。
【0023】
上述のように、足裏マッサージの際に脚載置面2が水平状態よりも使用者側且つ下側の配置となるのが、足裏マッサージを心地よく且つ効果的とするのに有効であると判明した。その理由は、人体の構造と密接に関連していると考えられ、官能評価に基づく微妙な部分もあるものの、基本的には次のような理由が主であるといえる。まず、脚載置面2が水平状態の場合よりも高くなると、足裏マッサージ時に使用者の脚が過度に高くなって楽な体勢をとることができなくなるが、本実施形態のように脚載置面2が低くなることで、使用者71は図6に示すような楽な体勢をとることが可能になる。また、脚載置面2が水平状態の場合よりも使用者側に近づくと、使用者の脚30は、膝が比較的折れた状態となるが(図6参照)、この体勢が人間にとって楽な体勢となっている。更に、膝が折れた状態であるから、脚に特段の力を加えなくても自然な体勢のままで足裏を脚載置面2に対して押し付ける力が作用し、足裏が固定されやすくなって施療効果を高めることができる。
これに対して、水平状態と使用者側が下がった傾斜状態とで脚載置面2の高さや手前−奥方向位置が変わらないとした場合、足裏マッサージの際に膝が曲がりすぎて窮屈となったり、この窮屈さを解消しようとしてお尻の位置が前方にズレてしまったり、このお尻位置のズレに伴って肩位置が下がってしまったりするため、最適なマッサージを受けることができない恐れがある。
【0024】
図5及び図6は、椅子70と共に通常の状態で使用されているオットマン1の様子を示す図であり、図5では脚載置面2が水平な状態とされ、図6では脚載置面2が使用者71側が下がった方向に傾斜した状態である。図5に示すように、オットマン1の脚載置面を水平の状態とすると、使用者の脚30のふくらはぎをマッサージするのに好適であり、またマッサージをすることなく単なるオットマンとして使用するのにも好適となる。なおこのように脚載置面2を水平な状態で使用する場合は、脚載置面2の高さは椅子70の座面72の高さと略同一としておくと、使用者71が脚30を伸ばした楽な体勢をとれるため好ましい。
【0025】
一方、図6に示すように、脚載置面2を使用者側が下がった方向に傾斜させた状態では、使用者の脚30における足裏を脚載置面2に当接させた状態でマッサージを受けるのに好適となる。そして上述のように、図5の状態から図6の状態への変換に伴い、脚載置面2が水平状態よりも使用者側且つ下側に移動するようにしたので、単に脚載せ部3を回動させるだけで、ふくらはぎマッサージと足裏マッサージとの両方を心地よく且つ効果的とできる。この際、キャスター15によりオットマン1を手前−奥方向に移動させることにより、脚載置面2の位置を微調整することができ、位置調整の自由度が更に大きくなる。ただし、上述のように水平状態から傾斜状態に変換するだけで脚載置面2が使用者側且つ下側に移動するので、キャスター15での移動を不要もしくは最小限に抑えることも可能とされている。
【0026】
なお、本実施形態では、図1に示すように、θ度傾斜したときの上記所定距離X(mm)及びY(mm)を以下のように設定した。
(イ):θが25度のとき、Xが120mmで且つYが60mm
(ロ):θが35度のとき、Xが160mmで且つYが80mm
上記(イ)のように設定したのは、θが25度のとき、Xが100mm 〜140mmで且つYが45mm〜75mmであると、足裏マッサージを楽な体勢で且つ効果的とするのに好ましいからである。
また、上記(ロ)のように設定したのは、θが35度のとき、Xが140mm 〜180mmで且つYが65mm〜95mmであると、足裏マッサージを楽な体勢で且つ効果的とするのに好ましいからである。
【0027】
上述のように、足裏マッサージの際における好ましい角度θ、距離X及び距離Yが所定の幅をもった数値範囲となっているのは、体格の差やマッサージの好みの個人差等があるからであるが、上記数値範囲とすることにより、足裏マッサージ及びふくらはぎのマッサージ(及び単なるオットマンとしての使用)のいずれについても脚載置面2の配置を好適なものとすることができる。さらに、レバー5を上方向10及び下方向11に操作するだけで傾斜角度を変更できるから、足裏マッサージとふくらはぎマッサージ(又は単なるオットマンとしての使用)との変換が極めて簡便且つ円滑に行われる。また上述したキャスター15を用いてオットマン1の手前−奥方向の位置を調整することにより、更にきめ細かく脚載置面2の配置を調節することも可能となる。
【0028】
そして、本発明では、水平状態と使用者側が下がった傾斜状態とにおける脚載置面2の上記位置関係を、単一の回動軸である全体回動軸37まわりの回動のみで実現している。かかる位置関係は、例えば回動機構とスライド機構(水平方向へのスライド機構)を組み合わせることによっても実現可能であるが、本実施形態では単一の回動軸まわりの回動のみによって上記位置関係を実現している。かかる位置関係を実現すべく、全体回動軸37の位置が適宜調整されている。よって、スライド機構等を組み合わせることなく、比較的単純な機構で上記位置関係を実現している。
【0029】
次に、脚載置面2に設けられたマッサージ機構6について説明する。
図8は、脚載せ部3を使用者側から見た図である。脚載せ部3の脚載置面2には、脚をマッサージするためのマッサージ機構6が設けられている。なお、図2〜図6に示すように、マッサージ機構6は皮革や布等を素材とするカバー20で覆われているが、これら図2〜図6以外の図面では、内部機構を理解しやすいようにするため該カバー20の記載を省略している。マッサージ機構6は、エアセル(空気袋)を膨縮させることにより施療者の脚30をマッサージするものであり、具体的には、脚載置面2の左右方向略中央に配置された中央エアセル23と、脚載置面2の左右両側に配置された外側エアセル24が膨縮することにより、脚をマッサージするものである。
【0030】
図8が、各エアセルが収縮した状態であるのに対して、図9は、各エアセルが膨張した状態において脚載せ部3を使用者側から見た図である。図8に示すように、マッサージ機構6は、各エアセルが収縮した状態では略平坦となる。よって、マッサージ機構6の非作動時には脚載置面2を略平坦とすることができ、マッサージ機構6を使用しない場合に単なるオットマンとして使用できる。しかも、マッサージ機構6を有する面(マッサージ面)と単なるオットマンとして使用する略平坦面(オットマン面)とが共通の面となるから、マッサージ面とオットマン面とが互いに反対側の面とされている場合のように、オットマンを180度回転させるといった手間及び構造が不要となる。
【0031】
図9に示すように、中央エアセル23は、脚載置面2の左右方向中心位置を挟んだ右側及び左側にそれぞれ別個のものが設けられている。また、各中央エアセル23は、互いに連通する複数(図8及び図9の実施形態では3つ)のエアセルが重ねられてなり、図9のように使用者側から見た場合において扇状に膨張する構造となっている。即ち中央エアセル23は、蛇腹状のエアセルの一方側のみの拡張を拘束することにより扇状に開くようになっている。各中央エアセル23は、それぞれ左右方向外側を中心として扇状に膨張するように配置されており、該膨張に伴い通常の使用状態における施療者の脚30(図9及び図8で破線にて断面を表示)を左右方向外側に向かって押圧することができる構成とされている。なお図8及び図9では、図2で示すように、脚載置面2に脚のふくらはぎ付近が載置された状態における脚30を図示しているが、特に脚載置面2を使用者側が下がるように傾斜させた場合には、図3及び図6に示すように脚30の足裏を脚載置面2にあてるようにして、足裏をはじめかかとや足の甲などをマッサージすることができる。
【0032】
一方、脚載置面2の左右両側に配置された各外側エアセル24は、下側に設けられた第一外側エアセル25と、この第一外側エアセル25の上側に設けられた第二外側エアセル26とからなる。各外側エアセル25,26は、中央エアセル23と同様、互いに連通する複数(図8及び図9では3枚)のエアセルが重ねられてなり、図9のように使用者側からみた場合において扇状に膨張する構造となっている。各外側エアセル25,26は、それぞれ左右方向内側を中心として扇状に膨張するように配置されており、通常の使用状態における施療者の脚30を左右方向外側から押圧することができる。さらに、第一外側エアセル25の上側(図8のような収縮状態における上側)には、球面状の凸面を有する施療突起27が支持板28を介して設けられており、外側エアセル25,26が膨張することにより施療突起27が脚30を押圧することができる。また、第一外側エアセル25と第二外側エアセル26とを重ねて配置することにより、施療突起27の押圧位置の自由度を高め、図9のように脚30を斜め上側から押圧するといったことも可能となる。
なお、前述のカバー20は、各エアセル23,25,26の扇状の膨張を妨げないような蛇腹状構造20aを備えている(図2及び図3参照)。
【0033】
支持板28の左右方向内側端部のみに片側支持された状態で、該支持板28と中央エアセル23との間の部分を覆うようにアクリル樹脂製の薄板29が固定されている。この薄板29は、各エアセル23,24を固定するためのねじ31等から施療者の脚30を保護するために設けられている。また図9に示すように、この薄板29は各エアセルの膨張に対応して弾性変形し、施療動作を妨げることがない。なお実際には、図8及び図9で図示を省略する前述のカバー20が薄板29等を含むマッサージ機構6全体を覆っており、このカバー20によっても脚30が保護されている。
【0034】
次に、本実施形態におけるオットマン1の内部構造について詳細に説明する。
図10〜図12は、オットマン1の内部構造を示す図であり、図10は使用者側から見た図、図11はオットマン1の内側から内部構造の側面を見た図、図12はオットマン1の外側(図11の反対側)から内部構造の側面を見た図である。これらの図においては、オットマン1の角度調節機構の説明に不要な部分は適宜記載を省略している。
【0035】
図10に示すように、基台4の内部には、図示しないホース、チューブあるいはパイプ等を介して各エアセル23,24に空気を供給するエアポンプ32と、このエアポンプ32から各エアセル23,24までの間において空気弁を開閉する電磁弁33とを有している。エアポンプ32及び電磁弁33は、図示しない制御機構により、各エアセル23,25,26の膨縮のタイミングをエアセル毎に制御して、所望の施療動作が得られるようになっている。
【0036】
本実施形態では、エアポンプ32及び電磁弁33を基台4に内蔵する構成としたので、脚載せ部3にはこれらエアポンプ32や電磁弁33を設ける必要が無い。よって、脚載せ部3の内部空間に余裕が生まれ、全体回動軸37の配置自由度が向上している。よって、単一の回動軸回りの回動のみで上記Xmm及びYmmを適切に設定することが容易とされている。
【0037】
オットマン1の角度調節機構7は、図10に示すように左右対称の構成を成しており、図11及び図12で示される構成が角度調節機構7の両側面側において互いに左右対称に設けられている。角度調節機構7を構成する各部分は、脚載せ部3及び基台4の両方に亘っており、脚載せ部3と基台4とが組み立てられることにより角度調節機構7が完成する。
オットマン1の角度調節機構7は、上方向10および下方向11に操作可能な前記レバー5と、このレバー5を操作しない状態では脚載せ部3の回動を固定しレバー5を操作することにより該固定を解除する切換え機構8と、レバー5と切換え機構8とを連動させる連動機構9とを有しており、レバー5が上方向10及び下方向11のいずれの方向に操作されても切換え機構8による回動固定が解除されるようになっている。
【0038】
図10〜図12に示すように、脚載せ部3は、マッサージ機構6を支持固定するための支持面35と、この支持面35と一体を成すとともに該支持面35の左右側縁部から基台4側に向かって延在し基台4との接合部を構成する略平板状の上側接合部36とを有する。
一方、基台4は、底面部40と、この底面部40と一体を成すとともに該底面部40の左右側縁部から脚載せ部3に向かって延在し脚載せ部3との接合部を構成する略平板状の下側接合部41とを有する。上側接合部36と下側接合部41は、共に脚載せ部3の左右側面部21や基台4の左右側面部22と平行に延在している。
そして、上側接合部36と下側接合部41とは、全体回動軸37により互いに回動可能に支持されている。なお、全体回動軸37の位置は、脚載置面2が水平の状態において脚載せ部3の重心位置(図示しない)よりも奥側に位置している。
【0039】
図11及び図12に示すように、切換え機構8は、全体回動軸37を中心とした円弧に沿って下側接合部41に設けられたガイド長穴42と、脚載せ部3側に設けられガイド長穴42を貫通するとともにガイド長穴42の幅方向(全体回動軸37に対する径方向)に移動可能なストッパー43(図11参照)と、このストッパー43を前記ガイド長穴の内周側に付勢するストッパーばね44と、を有する。また、このストッパーばね44で付勢される側、即ち内周側のガイド長穴42縁部には、ストッパー43が係合しうる複数の凹部45が周方向に並んで設けられている。ストッパー43は断面円形の略円柱状部材であり、このストッパー43がストッパーばね44の付勢力でガイド長穴42の凹部45に落ち込むことにより、ストッパー43が凹部44と係合して脚載せ部3の回動が固定される。ストッパー43が、どの凹部45と係合するかによって脚載せ部3の傾斜角度を調節することができる。図11に示すように、ストッパー43は、上側接合部36に設けられた第二ガイド長穴46及びガイド長穴42を貫通するとともに、その一端はストッパーばね44の一端と接続されている。またストッパー43の他端は、ガイド長穴42の幅方向に移動可能な状態で上側接合部36に支持されている。第二ガイド長穴46は、ストッパー43の移動(ガイド長穴42の幅方向への移動)を許容して凹部45との係合切換えを可能とすべく、ガイド長穴42の幅方向に長い穴とされている。
【0040】
連動機構9は、レバー5が上方向10及び下方向11のいずれの方向に操作されても、ストッパーばね44の付勢方向とは逆の方向にストッパー43を移動させ、これによりストッパー43と凹部45との係合を解消して脚載せ部3の回動固定を解除できる構成とされている。
【0041】
かかる連動機構9の詳細構成を説明する。
連動機構9は、レバー5と一体をなしレバー5の上方向11及び下方向11の操作に伴い軸回転(図10において両矢印50にて示す)できるように脚載せ部3側に回動可能に支持されるとともに、前記軸回転の軸線z(図10参照)方向に対して略垂直に突出しレバー5と同じ方向に動く突出回動部47を有する第一連結部48と、一端部が第一連結部48の突端側と回動可能に連結した棒状部材である第二連結部49と、一端部が第二連結部49の他端部と回動可能に連結し他端部が棒状の中継部材51(図11参照)を介してストッパー43と連結し且つその中間位置において脚載せ部側の上側接合部36に所定の中間回動軸52まわりに回動可能に支持された第三連結部53と、を有している。
【0042】
次に、レバー5を上方向10及び下方向11のそれぞれの方向に操作した場合の連動機構9の動作について、図11を参照しつつ説明する。
まず、レバー5を上方向10に操作すると、第一連結部48の突出回動部47の突端t1が矢印R1のように回動し、これに連動して第三連結部53が中間回動軸52を中心として回転し、該第三連結部53の端部t2が矢印R4のように回動する。よって中継部材51がストッパーばね44の付勢力に抗して上方に引っぱられ、ストッパー43と凹部45との係合が外れる。
次に、レバー5を下方向11に操作すると、第一連結部48の突出回動部47の突端t1が矢印R2のように回動し、これに連動して第三連結部53が中間回動軸52を中心として回転し、該第三連結部53の端部t2が矢印R3のように回動する。よってこの場合も、中継部材51がストッパーばね44の付勢力に抗して上方に引っぱられ、ストッパー43と凹部45との係合が外れることとなる。
このように、連動機構9は、レバー5が上方向10及び下方向11のいずれの方向に操作されても、ストッパー43を略上方に移動させて凹部45とストッパー43との係合を解消することにより、脚載せ部3の回動固定を解除できる。そして、レバー5を操作しない状態では、ストッパーばね44の付勢力によりストッパー43がいずれかの凹部45と係合して、脚載せ部3の回動が固定される。
【0043】
また、オットマン1には、上述したストッパーばね44とは別のばねである傾倒制御ばね54が設けられている(図10及び図12参照)。この傾倒制御ばね54は、脚載せ部3と基台4との間に介在しており、その基台4側における端部固定位置を全体回動軸37とは異なる所定位置60に設定して、前記脚載せ部の傾斜角度が大きくなるほど伸長するようにされている。このことを以下に説明する。図12に示すように、傾倒制御ばね54は、脚載せ部3側の上側接合部36における所定位置61と、基台4側の前記所定位置60との間に設けられている。脚載せ部3が全体回動軸37を中心軸として回動すると、脚載せ部3側の所定位置61も全体回動軸37を中心として回動することとなる(図12の円弧状破線参照)。一方、脚載せ部3が回動しても基台4側の所定位置60の位置は不変である。ここで、基台4側所定位置60は全体回動軸37とは異なる位置に設けられており、具体的には図12に示すように、脚載せ部3の脚載置面2が水平の状態における基台4側の所定位置60は、脚載せ部3側の所定位置61と全体回動軸37とを結ぶ直線上の中間地点に位置している。したがって、脚載せ部3が傾斜するほど傾倒制御ばね54はそのばね力に抗して伸ばされることとなる(図12の2点鎖線参照)。
【0044】
上記のマッサージ機能付きオットマン1では、レバー5を上方向10及び下方向11のいずれの方向に操作しても回動固定が解除される。よって、脚載せ部3を下方向11に(使用者側が下がる方向に)回動させたい場合には、レバー5を下方向11に操作することにより、レバー5を下に押す力と重力とが作用して容易に下方向11に(使用者側が下がる方向に)回動させることができ、傾斜角度を大きくすることができる。また、脚載せ部3を上方向10に(使用者側が上がる方向に)回動させたい場合には、レバー5を上方向10に操作することにより、レバー5を上に押す力が作用して容易に上方向10に(使用者側が上がる方向に)回動させることができ、傾斜角度を小さくすることができる。しかも、レバー5を操作しない状態では回動が固定される。したがって、手を使わなくても脚だけで容易に脚載せ部の角度調節ができる。よって、使用者は椅子に座ったまま上体を起こすこともなく脚だけで角度調節でき、足裏マッサージとふくらはぎマッサージ(及び単なるオットマンとしての使用)との変換が容易となる。よって、足裏とふくらはぎとのいずれもマッサージでき且つ単なるオットマンとしても使用できるものとして、極めて利便性が高くなる。また、オットマン1のような構成とすると、角度調整機構7、切換え機構8、および連動機構9を、比較的簡素な機械的手段により構成することができる。
【0045】
一方、脚載せ部3を下方向11に回動させる際においては、レバー5を下に押す力に重力が加わって急激に回動しやすく、例えば最大の傾斜角度まで一気に傾いてしまうなど、所望の角度に調整しにくい傾向がある。一方、脚載せ部3を上方向10に回動させる場合は、重力に抗して回動させるため回動しにくく、特に脚だけで角度調整をしようとする場合には過度の力が必要となるなど、角度調整がしにくくなる傾向がある。しかしながら、上述のように傾倒制御ばね54を設けることにより、下方向11に回動させる際には傾倒制御ばね54を伸ばすことになり、該傾倒制御ばね54のばね力が回動と逆方向に作用し急激な回動が抑制される。逆に上方向10に回動させる際には、伸ばされた状態の傾倒制御ばね54が縮もうとするばね力が回動方向に作用して回動を補助する。よって、上方向10および下方向11における脚載せ部3の回動及びその制御がより一層容易となる。よって、脚だけで脚載せ部3の傾斜角度を調節するのに極めて適したものとなる。
【0046】
なお、上記の実施形態では、連動機構9や切換え機構8として機械的手段を用いたがこれに限られず、例えば電気的手段等を用いても良い。電気的手段の例としては、例えばレバー5を上方向10及び下方向11のいずれに操作してもスイッチオンの信号が発信され、これにより切換え機構8の固定−固定解除の切換えがなされたり、脚載せ部3を回動させるためのモーターが作動したりするものを例示することができる。ただし上記の機械的手段によれば比較的簡素な構造により本発明を構成することができる。
【0047】
また、マッサージ機構6としても上記に限られず、例えば脚載置面2の法線方向に施療突起が出退動作するといった比較的単純なものでもよい。ただし、上記の実施形態のようにすると、左右の脚30を中央エアセル23及び外側エアセル24で挟み込むように施療するため、マッサージ効果を高めることができる。なお、上記実施形態のオットマン1では、ガイド長穴42の範囲を適宜設定することにより、角度調節の範囲を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】角度θだけ傾斜した状態と水平状態との間における、脚載置面の中心点の水平方向及び鉛直方向への相違距離を説明するための図である。
【図2】本発明の一実施形態におけるマッサージ機能付きオットマンにおいて、脚載置面を水平状態とした場合の側面図である。
【図3】図2のマッサージ機能付きオットマンにおいて、脚載置面を使用者側が下がった方向に傾斜させた場合の側面図である。
【図4】図2のマッサージ機能付きオットマンの全体を示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態におけるマッサージ機能付きオットマンが、脚載置面を水平とした状態で椅子と共に用いられている様子を示す全体図である。
【図6】本発明の一実施形態におけるマッサージ機能付きオットマンが、脚載置面を傾斜させた状態で椅子と共に用いられている様子を示す全体図である。
【図7】脚載せ部と基台とを分解した状態の斜視図である。
【図8】マッサージ機構を含めた脚載せ部の全体を示す正面図であり、エアセルが収縮した状態の図である。
【図9】マッサージ機構を含めた脚載せ部の全体を示す正面図であり、エアセルが膨張した状態の図である。
【図10】図2のマッサージ機能付きオットマンの内部機構を使用者側から見た正面図である。
【図11】図10の内部機構をオットマンの内側から見た側面図である。
【図12】図10の内部機構をオットマンの外側から見た側面図である。
【符号の説明】
【0049】
1 マッサージ機能付きオットマン
2 脚載置面
3 脚載せ部
4 基台
6 マッサージ機構
7 角度調節機構
30 使用者の脚
37 全体回動軸(単一の回動軸)
X 水平状態と傾斜状態とにおける脚載置面の中心点位置の水平方向における相違距離
Y 水平状態と傾斜状態とにおける脚載置面の中心点位置の鉛直方向における相違距離
θ 脚載置面の傾斜角度
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の脚を載せることのできる脚載置面を有するとともに該脚載置面には非作動時に略平坦としうるマッサージ機構を有する脚載せ部と、この脚載せ部を回動可能に支持する基台とを有し、前記脚載置面の傾斜角度を水平状態から使用者側が下がった方向の所定角度にまで傾斜角度を調節可能な角度調節機構を有するオットマンであって、
前記脚載せ部の回動中心は、オットマン全高の半分未満の高さに位置していることを特徴とするマッサージ機能付きオットマン。
【請求項2】
使用者の脚を載せることのできる脚載置面を有するとともに該脚載置面には非作動時に略平坦としうるマッサージ機構を有する脚載せ部と、この脚載せ部を回動可能に支持する基台とを有し、前記脚載置面の傾斜角度を水平状態から使用者側が下がった方向の所定角度にまで傾斜角度を調節可能な角度調節機構を有するオットマンであって、
前記脚載置面を使用者側が下がった方向に傾斜させることにより、前記脚載置面の中心点位置を、水平状態における該中心点位置よりも水平方向使用者側且つ鉛直方向下側に位置させることができることを特徴とするマッサージ機能付きオットマン。
【請求項3】
オットマンを移動させることのできるキャスターを備えていることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のマッサージ機能付きオットマン。
【請求項4】
前記脚載せ部の回動は、単一の回動軸まわりになされることを特徴とする請求項2に記載のマッサージ機能付きオットマン。
【請求項1】
使用者の脚を載せることのできる脚載置面を有するとともに該脚載置面には非作動時に略平坦としうるマッサージ機構を有する脚載せ部と、この脚載せ部を回動可能に支持する基台とを有し、前記脚載置面の傾斜角度を水平状態から使用者側が下がった方向の所定角度にまで傾斜角度を調節可能な角度調節機構を有するオットマンであって、
前記脚載せ部の回動中心は、オットマン全高の半分未満の高さに位置していることを特徴とするマッサージ機能付きオットマン。
【請求項2】
使用者の脚を載せることのできる脚載置面を有するとともに該脚載置面には非作動時に略平坦としうるマッサージ機構を有する脚載せ部と、この脚載せ部を回動可能に支持する基台とを有し、前記脚載置面の傾斜角度を水平状態から使用者側が下がった方向の所定角度にまで傾斜角度を調節可能な角度調節機構を有するオットマンであって、
前記脚載置面を使用者側が下がった方向に傾斜させることにより、前記脚載置面の中心点位置を、水平状態における該中心点位置よりも水平方向使用者側且つ鉛直方向下側に位置させることができることを特徴とするマッサージ機能付きオットマン。
【請求項3】
オットマンを移動させることのできるキャスターを備えていることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のマッサージ機能付きオットマン。
【請求項4】
前記脚載せ部の回動は、単一の回動軸まわりになされることを特徴とする請求項2に記載のマッサージ機能付きオットマン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−101988(P2006−101988A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−290266(P2004−290266)
【出願日】平成16年10月1日(2004.10.1)
【出願人】(000112406)ファミリー株式会社 (175)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月1日(2004.10.1)
【出願人】(000112406)ファミリー株式会社 (175)
【Fターム(参考)】
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