説明

マルチキャリア通信装置及び通信システム

【課題】マルチキャリア通信システムにおいて、参照信号を含むOFDMシンボルにおけるデータ電力と、参照信号を含まないOFDMシンボルにおけるデータ電力と、を一意に定める。
【解決手段】送信装置は、まず参照信号の電力を、次に参照信号とパワーブースト値PBを設定し、参照信号の存在しないOFDMシンボルにおけるデータ信号の電力を求た後、R+D=Dの関係が成り立つよう、参照信号の存在するOFDMシンボルにおけるデータ信号の電力の合計を定める。各サブキャリア当たりのデータ電力は、この合計を、各OFDMシンボルにおけるRB内のデータ信号のREのサブキャリア数で除すことにより求められる。次に、各RBペア毎にパワーコントロールのレベルを設定し、設定した参照信号の電力、および、導出した各RBペア毎のデータ電力を送信信号の電力として送信を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信技術を利用したマルチキャリア通信技術に関し、特に、複数送信アンテナを用いて信号を送信する際に使用される、各送信アンテナへの電力割り当て方法の通知技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、進化した第三世代無線アクセス(Evolved Universal Terrestrial Radio Access、以下、「EUTRA」と称する。)及び進化した第三世代無線アクセスネットワーク(Evolvde Universal Terrestrial Radio Access Network、以下、「EUTRAN」と称する。)が検討されている。EUTRAの下りリンクとしては、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiplexing Access)方式が提案されている。EUTRA技術として、複数の送信アンテナを使用して通信能力の向上を図る送信ダイバシティ技術の適用が提案されている。この技術は、例えば4本の送信アンテナを2本ずつの2組に分けてペアとし、ペア毎に送信を行うものである。
【0003】
以下の上記の技術の内容について簡単に説明する。
【0004】
1)EUTRAの下りリンク無線フレーム構成に関する説明
OFDMA方式における下りリンク無線チャネルの配置については、OFDM信号の周波数軸(サブキャリア)と時間軸(OFDMシンボル)とのリソースを用いて、時間分割多重TDM(Time Divion Multiplexing)、周波数分割多重FDM(Frequency Divion Multiplexing)、またはTDM・FDMの組み合わせで、時間・周波数に多重する方法が提案されている。
【0005】
また、3GPPのEUTRA技術検討の国際会合により作成された技術仕様文書において、下りリンク無線フレームの構成、無線チャネルのマッピング方法が提案されている。
【0006】
図2は、3GPPで提案されているEUTRAの下りリンク無線フレーム構成例であり、無線チャネルマッピングの例を示す図である。図2に示す下りリンク無線フレームは、周波数軸(縦軸)の複数サブキャリアのかたまりで周波数帯域幅Bchと時間軸(横軸)のシンボルにより構成されている。図示するように、1スロットは7シンボルからなっており、2スロットで1サブフレームを構成する。12サブキャリア×7シンボルにより、2次元の無線リソースブロックが構成されており、時間軸上において連続する2つの無線リソースブロックにより、図において太線で囲まれているリソースブロックペア(RBペア)が構成されている。このリソースブロックペア(RBペア)が複数集まって、無線フレームを構成する。尚、1つのサブキャリアと1つのOFDMシンボルから構成される、最小の単位をリソースエレメントと称する。
【0007】
例えば、図2に示すように、周波数軸では、下りリンクの全体のスペクトル(基地局固有のシステム周波数帯域幅Bch)が20MHz、1つの無線フレームが10ms、サブフレームSFが1msであり、12本のサブキャリアと1つのサブフレームとでリソースブロックペア(RBペア)が構成される。サブキャリア周波数帯域幅Bscを15kHzとする場合、リソースブロックの周波数帯域幅Bchは180kHz(15kHz×12)であり、下りリンクでは、20MHz帯域全体で1200本のサブキャリアが含まれる。無線フレームには1000個のRBが含まれる。
【0008】
4送信アンテナの場合には、全体で見ると、第1、第5、第8、第12のOFDMシンボルに、第1のアンテナ(Ant1)の参照(リファレンス)信号RS1と第2のアンテナ(Ant2)の参照信号RS2とが含まれていることがわかる。また、第2、第9OFDMシンボルには、第3のアンテナの参照信号RS3と、第4のアンテナの参照信号RS4とが同様に配置されている(下記非特許文献1参照)。
【0009】
2)送信ダイバシティに関する説明
通信品質の向上を図るための技術として、複数のアンテナを用いるアンテナダイバシティ技術がある(下記非特許文献2参照)。2本の送信アンテナを用いた送信ダイバシティ方式として、SFBC(Space Frequency Block code:空間周波数ブロック符号)、4本の送信アンテナを用いた送信ダイバシティ方式としてSFBC+FSTD(Frequency Switched Transmit Diversity:周波数切換送信ダイバシティ)の適用が、EUTRAにおいて提案されている(下記非特許文献3参照)。
【0010】
図3A、図3Bは、送信ダイバシティ方法を説明するための図である。図3A(a)は、2本の送信アンテナ(Ant1、Ant2)を用いたSFBCを示す図である。2つの送信信号(s1、s2)と、この2つの送信信号に対し冗長化のために符号反転、共役転置した信号(s1、−s2)とを、各周波数領域、すなわち各サブキャリア(f1、f2)で各送信アンテナから同時に送信する。図3A(b)は、4本の送信アンテナ(Ant1、Ant2、Ant3、Ant4)を用いたダイバシティ技術であるSFBC+FSTDを示す図である。4つの送信信号(s1、s2、s3、s4)と、これら4つの送信信号に対し冗長化のために符号反転、共役転置した信号(s1、−s2、s3、−s4)とを、各周波数領域(f1、f2、f3、f4)で各送信アンテナから送信する。Ant1とAnt2とのペアで1つの空間周波数ブロック符号SFBCを構成し、また、Ant3とAnt4とのペアで1つの空間周波数ブロック符号SFBCを構成する。上記の各ペアを異なる周波数領域(f1とf2、f3とf4)で送信するFSTDが適用される。図3A(c)は、SFBC+FSTDで、図3A(b)の場合の、SFBCのアンテナペアをAnt1とAnt3とのペアおよびAnt2とAnt4とのペアとした場合の構成例を示す図である。各ペアを同様に異なる周波数領域で送信するFSTDが適用される。EUTRAでは図3A(c)のSFBC+FSTDが使用される。
また、通信容量を増大させるための技術として、複数のアンテナを用いて複数の信号を送信する多入力・多出力(Multiple Input Multiple Output:MIMO)技術がある(非特許文献11参照)。送信ダイバシティとは異なり、それぞれのアンテナで異なる信号を送信する。図3BはMIMOにおける各アンテナと各周波数領域において送信するデータを表す図である。各周波数、各アンテナにおいて同時に異なる信号の送受を行なうことで通信容量の増大を図ることができる。
【0011】
3)リソースブロックへの送信データのアンテナペアの配置
図4は、SFBC+FSTDを適用した場合の各アンテナペアの送信信号の配置の例を示す図である。図4では、12本のサブキャリアと14個のOFDMシンボルからなる1リソースブロックペアを表している。Ant1とAnt3とを1つのアンテナペア、Ant2とAnt4とをもう1つのアンテナペアとすることが提案されている(非特許文献4参照)。図4において、例えば、リソースエレメントD13においては、Ant1とAnt3とのペアのデータ信号の送信信号がこの位置で送信されることを表し、リソースエレメントD24においては、Ant2とAnt4とのペアのデータ信号の送信信号がこの位置で送信されることを示す。すなわち、Dの後の2つの数字が、ペアとなるアンテナを示す。尚、EUTRAでは各リソースブロックペアの第1から、最大第3OFDMシンボルについては、一部の制御信号の送信に使用される。図4では第1、第2OFDMシンボルが制御信号の送信に使用される場合の例を示しており、これを符号Cで表すものとする。符号のあとの数字の意味はデータ信号の場合と同じである。これらアンテナペアは、各々2個のリソースエレメントを一組としており、1OFDMシンボル内で、参照信号(R)の配置されている部分を除いて、周波数が増加する順に、Ant1とAnt3とのペアの組と、Ant2とAnt4とのペアの組と、が交互に配置されている。
【0012】
一方、Ant1とAnt2とを1つのアンテナペア、Ant3とAnt4とをもう1つのアンテナペアとすることも提案されている。
【0013】
尚、例えば、リソースエレメントR1は、Ant1の参照信号がこの位置で送信されることを示す。すなわち、Rの後の数字が、対応するアンテナの参照信号を表す。
【0014】
また、前述したMIMOにおいては、FSTDを適用しないで空間多重のみが適用される。図5は、空間多重を適用した場合の各アンテナペアの送信信号の配置の例を示す図である。リソースエレメントD1234においては、Ant1、Ant2、Ant3、Ant4のデータ信号の送信信号がこの位置で送信されることを表している。
【0015】
4)各アンテナのサブキャリアの電力
EUTRAでは、参照信号が全てのOFDMシンボルには配置されず、また、1つのOFDMシンボルにおいては一部のアンテナに関する参照信号しか配置されない。従って、OFDMシンボル間およびアンテナ間で送信される電力にアンバランスが生じ、これを解消するための様々な提案がなされている。
【0016】
参照信号を送信するOFDMシンボルと、送信しない送信シンボルと、の間でのシンボル間の電力のアンバランスを解消するために、参照信号を送信するOFDMシンボルと参照信号を送信しないシンボルとで、データ電力の値を異なるものとすることが提案されている(非特許文献5参照)。この提案では、参照信号を送信するOFDMシンボルについては参照信号の電力を除いた電力をデータ電力とすることにより、シンボル間の電力バランスを保つものである。
【0017】
また、送信ダイバシティを適応する際に、アンテナ間の電力のアンバランス解消のために、アンテナ毎にサブキャリア当たりの電力を異なる値とすることも提案されている。(非特許文献6参照)。この提案は、参照信号を送信しないアンテナについては、参照信号に相当する電力をデータのサブキャリアへ充当することにより、各アンテナ間の電力バランスを保つものであり、アンテナ間スケーリング方式と称される。
【0018】
さらに、FSTDのアンテナペアをAnt1とAnt2とを1つのアンテナペア、Ant3とAnt4とをもう1つのアンテナペアとした場合には、少なくともAnt1とAnt2の間、および、Ant3とAnt4との間では電力バランスを保つことができるため、参照信号のあるシンボルについてはAnt1とAnt2、および、Ant3とAnt4、をペアにしようという提案も行われている(非特許文献7参照)。
【0019】
【非特許文献1】3GPP TS 36.211、V8.0.0(2007−09)、Technical Specification Group Radio Access Network; Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E−UTRA); Physical Channels and Modulation (Release 8).http://www.3gpp.org/ftp/Specs/html−info/36211.htm
【非特許文献2】立川 敬二、“W−CDMA移動通信方式”、ISBN4−621−04894−5、P103、P115など。
【非特許文献3】3GPP TSG RAN1 #49bis,Orlando,US,25−29 June,2007,R1−072770 “Further Study on TxD Scheme for 4−Tx”
【非特許文献4】3GPP TSG RAN1 #49bis,Orlando,Florida−USA,25−29 June,2007 “Draft Report of 3GPP TSG RAN WG1 #49b v0.1.0”
【非特許文献5】3GPP TSG RAN1 #51,Jeju,Korea,5−9 November,2007,R1−07970 “Data Power Setting for PDSCH across OFDM Symbols”
【非特許文献6】3GPP TSG RAN1 #51,Jeju,Korea,5−9 November,2007,R1−074796 “Power Scaling and DL RS boosting”
【非特許文献7】3GPP TSG RAN1 #50,Athens,Greece,20−24 Augutst,2007,R1−073302 “Further Discussion on RE Mapping of SFBC+FSTD Based TxD for Shared Data Channel”
【非特許文献8】3GPP TSG RAN1 #51,Jeju,Korea,5−9 November,2007,R1−075116 “Update of 36.213”
【非特許文献9】S.M.Alamouti, “A Simple Transmit Diversity Technique for Wireless Communicatins”,IEEE,Journal on Selected Areas of Communicatins,1998 Vol.16 No.8
【非特許文献10】3GPP TSG RAN1 #50bis,Shanghai,China,8−12 October,2007,R1−074291 “Usage of Remaining Resource Elements in Resource Block Multiplexed with PBCH and SCH”
【非特許文献11】唐沢好男:“MIMO伝搬チャネルモデリング”,信学論B, Vol.J86−B, No.9,pp.1706-1720,2003
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
非特許文献5に開示されている技術を用いて、参照信号を送信するOFDMシンボルと、送信しない送信シンボルと、の間でのシンボル間の電力のアンバランスを解消する方法を実現する手段として、例えば、各送信アンテナと各送信RF部のアンプとをそれぞれ複数用意して、使用するアンテナやアンプをマトリックス構造で接続して切替えることで電力融通を行う方法や、アダプティブアレイアンテナ技術を適用し各送信RF部への送信データへ重み付けを行うことにより、各送信アンテナからの合成波を1つのアンテナからの送信とみなして送信する方法がある。これらは、受信装置では特に対応を要しないという利点がある。特に、後者の場合には、重み付けを送信ダイバシティ処理部6や、多重部7の重み付け部で行えば、重み付けの処理を行うための手段を付加しなくても良いという利点がある。多重部7の内部構成の一例を図11に表す。多重部7に入力されたデータや制御信号は各送信部別に、重み付け部73〜80によって重み付けがなされている。
【0021】
しかしながら、マトリックス構造でアンテナやアンプを切替える場合に、アンプやアンテナのマトリックスを用意しなければならず複雑になる。また、アダプティブアレイアンテナ技術を適用する場合には、送信信号を広帯域に広げるのが難しいという問題もある。
【0022】
従って、システム内の全ての送信装置に非特許文献5記載の技術を適用することはせず、一部の送信装置についてのみ適用する考えもある。しかしながら、この場合下記問題が生じる。EUTRAでは変調方式としては、例えば、PSK(Phase Shift Keying:位相偏移変調)や、QAM(Quadrature Amplitude Modulation:直交振幅変調)が用いられる。この中で、QAM変調においては、受信側において振幅情報を知る必要があり、EUTRAでは基準となる参照信号の電力、および、参照信号とデータ電力との差、を送信装置から受信装置へと通知することが考えられている。
【0023】
しかしながら、シンボル間でデータ電力の値を異なる値とする場合、それぞれについての振幅情報を受信側で知る必要があり、それぞれの電力の値をシグナリングすると余分にシグナリングが必要であった。
【0024】
非特許文献5においては、この、シンボル間でデータ電力の値を異なる値とすることに起因する余分なシグナリングを避けるために、この値を参照信号とデータ電力との差から導出する提案も合わせてなされている。図6A(a−1)、図6A(a−2)は、図5の空間多重について、参照信号を含むOFDMシンボルおよび参照信号を含まないOFDMシンボルについて、各Ant毎におけるリソースエレメント(RE)の配置例を表した図である。
【0025】
図6A(b−1)、図6A(b−2)は、図6A(a−1)、図6A(a−2)の、1つのRBペアにおける参照信号を含むOFDMシンボルおよび、参照信号を含まないOFDMシンボルについての参照信号とデータ信号とのそれぞれ各アンテナの合計についての電力割合を模式的に表した図である。Rは参照信号を、Dは参照信号を含むOFDMシンボルにおけるデータ信号電力の合計を、Dは参照信号を含まないOFDMシンボルにおけるデータ信号電力の合計を、それぞれ表している。リソースエレメント(RE)1つ当たりの電力は、各OFDMシンボルについて、それぞれその中に含まれるデータREの電力が全て等しいのであれば、これらをそれぞれの1シンボルあたりに含まれるデータREの数で除することにより求められる。
【0026】
上記非特許文献5に記載のデータ電力の関係の導出方法は、参照信号を含むOFDMシンボルの電力の合計、すなわち参照信号Rとデータ信号Dとの和が、参照信号を含まないOFDMシンボルのデータ電力の合計Dと等しいという関係に基づき、それぞれのOFDMシンボルでのデータ電力の関係を求めるものである。すなわち、
R+D=D
の関係が成り立つように、D、Dを決める。これにより、DとDとの比D/Dを一意に決めることが出来る。このように、D、Dの電力をそれぞれ決めなくとも、参照照信号Rと、D、Dのうちのどちらかを決めれば、他方も求めることが出来る。
【0027】
図6A(c−1)、図6A(c−2)は、複数のRBペアについての参照信号Rとデータ信号D、Dとのそれぞれ各アンテナの合計についての電力割合を模式的に表した図である。ここでは1つの基地局が、受信装置(イ)、(ロ)、(ハ)のそれぞれに向けて、それぞれ参照信号を含むOFDMシンボルにおけるデータ信号を送信するものとする。参照信号を含むOFDMシンボルにおけるデータ信号の電力の合計を図6A(c−1)に示すDAイ、DAロ、DAハで、参照信号を含まないOFDMシンボルにおけるデータ信号の電力の合計を図6A(c−2)に示すDBイ、DBロ、DBハで送信するものとする。ここでは、各受信装置に向けての電力は等しい例を示した。図13は、4Antの場合について、さらに各OFDMシンボルおよび各アンテナにおいての電力配分例を示す図である。Reference、R1、R2、R3、R4は参照信号であり、Data、D1、D2、D3、D4はデータ信号を表す。RもしくはDの後の数字1から4までは、各アンテナの番号に対応している。ここでは、各参照信号のサブキャリア当たりの電力は、参照信号のないOFDMシンボル、すなわち第3OFDMシンボルにおけるデータ信号のサブキャリア当たりの電力の倍の値としている。
【0028】
図13の(a−1)から(a−3)は、それぞれ、第1OFDMシンボル、第2OFDMシンボル、第3OFDMシンボルにおける4送信アンテナの合計電力、および、その中での参照信号の占める電力(Reference)とデータ信号(Data)の占める電力とを示している。
【0029】
図13の(b−1)から(b−3)までは、それぞれ、第1、第2、第3OFDMシンボルについて、アンテナマトリックス構造を使用してアンテナ間で電力融通を行い電力配分を行った場合の、アンテナ毎の電力配分を示した図である(アンテナ1から4までが右から順番に割り当てられている)。第1、第2OFDMシンボルについて、参照信号を割り当てた後の残りの電力を、各アンテナにおいてそれぞれ合計40個のリソースエレメントへ均等に配分する。
【0030】
図13の(c−1)から(c−3)までは、それぞれ、第1OFDMシンボル、第2OFDMシンボル、第3OFDMシンボルについて、アンテナマトリックス構造を使用せずに、アダプティブアレイアンテナ技術を適応してアンテナ毎の電力配分を示した場合の例を示す図である(アンテナ1から4までが右から順番に割り当てられている)。第1、第2OFDMシンボルについては、アンテナ間での電力融通ができないため、アンテナ毎に、参照信号を割り当てた後の残りの電力を、アンテナ毎に各々8個のリソースエレメントへ均等配分する。このため、各リソースエレメントのデータ電力はアンテナマトリックス構造を使用する場合に比べて小さくなる。参照信号を送信しないアンテナのリソースエレメントのデータ電力は、参照信号を送信するアンテナのリソースエレメントのデータ電力と等しくする(破線部分参照)。また、4送信アンテナの合計電力についても、アンテナマトリックス構造を使用した場合よりも小さい値となる。
【0031】
第4から第14までのOFDMシンボルについては第1から第3までのOFDMシンボルのいずれかと同じであるためここでは説明を省略する。
【0032】
このように、アンテナマトリックス構造を使用する場合(図13(b―1)、(b−2))と使用しない場合(図13(c―1)、(c−2))とでは、参照信号のあるOFDMシンボルにおけるリソースエレメントのデータ信号の電力が異なるものとなる。このため、上記非特許文献5のように、参照信号の存在するOFDMシンボルにおけるデータ電力を直接通知せずに、参照信号とデータ電力との差から導出する場合に、受信装置はアンテナマトリックスの使用の有無を知る必要がある。しかしながら、EUTRAにおいてはアンテナマトリックス構造の使用の有無を通知する仕組みは考慮されていない。
【0033】
すなわち、システム内の全ての送信装置に非特許文献5記載の技術を適用することはせずに一部の送信装置についてのみ適用する場合には、送信装置がこの技術を適用しているのか否かにより、参照信号を含まないOFDMシンボルのデータ電力の値が異なるものとなるため、受信装置側で適応の有無を知る必要がある。
【0034】
非特許文献6に開示されている技術(アンテナ間スケーリング方式)を用いて、送信ダイバシティを適応する際にも、アンテナ間の電力のアンバランス解消のために、アンテナ毎にサブキャリア当たりの電力を異なる値とする場合でも同様に、送信装置側での受信装置の適応の有無を受信装置側で知る必要が生じる。
【0035】
図15は、アンテナ間スケーリング方式に用いるSFBCの周波数およびアンテナへのデータのマッピングの例を示す図である。非特許文献6に開示されているアンテナ間スケーリング方式では、参照信号の存在するOFDMシンボルにおいては、参照信号を送信しないアンテナについては、データ信号の電力にスケーリング係数αを乗じた電力にして送信する。図4の配置の場合、アンテナ1およびアンテナ2から参照信号を送出する第1、第5、第8、第12OFDMシンボルについては、図15(a)に示すように、アンテナ3およびアンテナ4のデータ電力をα倍して送信する。アンテナ3およびアンテナ4から参照信号を送出する第2OFDMシンボル、第9OFDMシンボルについては、図15(b)に示すように、アンテナ1およびアンテナ2のデータ電力をα倍して送信する。図13に対応する図14に示すように、図14(c)はスケーリングを用いた場合の各アンテナにおける参照信号およびデータ信号の電力配分を表した図である。図14(b)の、アンテナ間スケーリングを使用しない場合に比べて、破線部分にまで電力が考慮され、アンテナ間の電力のアンバランスが解消されていることがわかる。
【0036】
しかしながら、このアンテナ間スケーリング方式では、係数αが受信装置においては一方の伝搬路が等価的にα倍されたものと見えてしまうため、受信側で単純に非特許文献11により示されているアラモウチ復調を行っても、アラモウチ復調の特徴である、送信データs1、s2相互の干渉のキャンセレーションが正しく行なわれず、特性が劣化し復調が困難になる。これを避けるためには、受信側で予めアンテナ間スケーリングがなされていることおよび、その係数αを知っておいてその係数を用いて補正された復調処理を行う必要があり、このために送信装置から受信装置へシグナリングを行なうと、シグナリング量が増加するという問題がある。
【0037】
さらに、このアンテナ間スケーリング方式においては、これらのシグナリングを行なう場合に加えて次のような問題が生じる。EUTRAでは、送信装置から受信装置との間のシグナリングは、主に、そのセル内の全ての受信装置向けに同じ情報を送信する報知チャネルと、個々の受信装置向けに情報を送信する共通制御チャネルと、が使用される。報知チャネルは比較的短い周期で定められた位置で、重要な情報のみを送信する第1報知チャネルと、第1報知チャネルにおいて位置を定められ、比較的長い周期で多くの情報を送信する第2報知チャネルと、を有する。共通制御チャネルは、各リソースブロックペアの最初の1ないし3OFDMシンボルを用いて送信される。図24は、EUTRAの信号送信配置の一例を表すブロック図である。ここでは、各リソースブロックペアの最初の1および2OFDMシンボルが共通制御チャネルに割りあてられている場合を例として示す。EUTRAでは、第1報知チャネルは特定のサブフレームにおいて、周波数帯域Bchのセンター62サブキャリアにおいて、8、9、10、11OFDMシンボルに、参照信号以外のリソースエレメントに配置される。第2報知チャネルは、特定のリソースブロックペアにおいて、参照信号と共通制御チャネル以外のリソースエレメントに割り当てられている。
【0038】
これら報知チャネルと共通制御チャネルとは、等振幅変調であるQPSK(Quadrature Phase Shift Keying;4相位相偏移変調)が用いられるため、位相情報のみが受信側で判断できれば、受信信号の振幅に関わりなく復調が行なえのる。しかしながら、アンテナ間スケーリング方式をEUTRAにおいて、SFBC+FSTDのアンテナダイバシティ方式と組み合わせて適用する場合に、SFBCを構成するAntペアであるAnt1とAnt3との電力が異なるものとなる。この場合、前述したように、受信側であらかじめスケーリング係数を知っておいて補正処理を行わないとアラモウチ復調処理が困難となるが、この値をシグナリングするにあたっても、シグナリングを行なうこれらの報知チャネル、共通制御チャネル自身にアンテナ間スケーリングが適応されているため、正しく復調してこれらの値を受信側で知ることが困難となるという問題がある。
【0039】
本発明は、複数アンテナを使用するマルチキャリア通信システムにおいて、送信ブロック毎に異なる電力でデータ信号を送信するシステムにおいて、参照信号を含むOFDMシンボルにおけるデータ信号の電力および参照信号を含まないOFDMシンボルにおけるデータ信号の電力を受信装置側において適切に求めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0040】
本発明は、複数アンテナを使用するマルチキャリア通信システムにおいて、送信装置は、少なくともシステム全体として、送信電力の各送信アンテナへの電力配分モードを複数備えるとともに、参照信号の電力と、参照信号の電力と参照信号を含む送信シンボルにおけるデータ信号の電力、もしくは、参照信号の電力と参照信号を含まない送信シンボルにおけるデータ信号の電力との関係、もしくはそれら相互の関係、を送信する手段を持ち、受信装置は少なくとも、前記参照信号を受信する手段と、前記参照信号の電力と参照信号を含む送信シンボルにおけるデータ信号の電力との関係、もしくは前記参照信号の電力と参照信号を含まない送信シンボルにおけるデータ信号の電力との関係、もしくは前記それら相互の関係、の少なくとも一方を受信する手段と、前記送信装置の使用する送信電力の各送信アンテナへの電力配分モードを決定する手段と、参照信号の電力と参照信号を含む送信シンボルにおけるデータ信号の電力との関係データ信号の電力、もしくは参照信号の電力と参照信号を含まない送信シンボルにおけるデータ信号の電力との関係、もしくは前記それら相互の関係、との少なくともいずれか一方と、前記決定した電力配分モードとから、受信した参照信号を含む送信シンボルにおけるデータ信号の電力および、参照信号を含まない送信シンボルにおけるデータ信号の電力を決定する手段とを有するものである。
【0041】
「前記参照信号を含む送信シンボルにおけるデータ信号の電力と、参照信号を含まない送信信号におけるデータ信号の電力との関係を、前記参照信号の電力とデータ信号の電力とから決定する手段」が、送信装置側および受信装置側の双方に備えられている。双方の装置が同じ仕組みで電力を決定することにより、送信装置と受信装置との間で、参照信号を含む送信シンボルにおけるデータ信号の電力と、参照信号を含まない送信信号におけるデータ信号の電力との関係をやり取りせずに済む。
【0042】
尚、「送信電力の各送信アンテナへの電力配分モードを複数備える」とは、1つの送信装置自体が電力配分モードを複数備えていても良く、システム内の送信装置の各々が1つの電力配分モードしか備えてはいなくても、システム全体として複数の電力配分モードを備えている構成であっても良い。
【0043】
また、これらの該電力配分モードを各受信装置共通の報知チャネルによって受信装置に通知する。
【0044】
さらに送信電力の各送信アンテナへの電力配分モードについては、各受信装置共通の報知チャネルにより通知する。
【0045】
また、この各受信装置共通の報知チャネルに使用するダイバシティ方式は、常にアンテナ間の電力配分モードに関わらずSFBCペアに用いるアンテナ間の電力を等しくするようにして送信するか、もしくは、SFTDのアンテナペアが、第1のアンテナと第2のアンテナ、および第3のアンテナと第4のアンテナから構成するか、もしくは、参照信号を含まないOFDMシンボルに配置する。
【0046】
もしくは、各送信アンテナへの電力配分モードは、送信装置の特性に応じて決定する。
【0047】
本発明の他の観点によれば、マルチキャリア通信システムにおける送信方法であって、
参照信号の電力と、参照信号を含む送信シンボルにおけるデータ信号の電力と、参照信号を含まない送信信号におけるデータ信号の電力とをそれぞれ決定する過程と、前記参照信号の電力とデータ信号の電力との関係、および使用する各送信アンテナへの電力配分モードを、各受信装置共通の報知チャネルにて送信する過程と、前記参照信号を含む送信シンボルにおけるデータ信号の電力と、参照信号を含まない送信信号におけるデータ信号の電力との関係を、前記参照信号の電力とデータ信号の電力と、前記決定した電力配分モードとから決定する過程と、複数のサブキャリアより構成される送信ブロック毎にデータ信号の電力を決定する過程と、を持つことを特徴とする送信方法が提供される。
【0048】
本発明は、受信装置側の通信方法、あるいは、それぞれの通信方法を実行するためのプログラムであっても良く、このプログラムを記録するコンピュータ読みとり可能なプログラムであっても良い。さらに、このプログラムは、インターネットなどの伝送媒体を介して取得できるようになっていても良い。
【0049】
尚、上記各発明において、送信側、受信側のそれぞれの、装置、方法、プログラムに関するそれぞれの構成は、個別の発明としても特定することができるものである。従って、システムに関する構成は、送信装置又は受信装置のそれぞれにも追加して発明を特定することができる。
【発明の効果】
【0050】
本発明によれば、複数アンテナを使用するマルチキャリア通信システムにおいて、送信ブロック毎に異なる電力でデータ信号を送信するシステムにおいて、参照信号を含むOFDMシンボルにおけるデータ信号の電力および参照信号を含まないOFDMシンボルにおけるデータ信号の電力を受信装置側において適切に求めることができる。
【0051】
また、複数の電力配分モードを切替えて使用することで、柔軟な運用を可能とする。
【0052】
また、使用する電力配分モードを各受信装置共通の報知チャネルで通知することで、送信装置のアンテナ設定に関わらず、受信装置側において、電力分配モードの情報を復調することが可能となる。
【0053】
また、各受信装置共通の報知チャネルに使用するダイバシティ方式はSFTDのアンテナペアが、第1のアンテナと第2のアンテナ、および第3のアンテナと第4のアンテナから構成することで、送信装置のアンテナ構成に関わらず受信装置側で電力分配モードの情報を復調することを可能とする。
【0054】
もしくは、参照信号を含まないOFDMシンボルに配置することで、アンテナ間の電力分配モードに関わらず、受信装置側で電力分配モードの情報を復調することを可能とする。
【0055】
もしくは、各送信アンテナへの電力配分モードは、送信装置の特性に応じて決定することで、電力分配モードの情報に関するシグナリング量を削減することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
以下に、本発明の実施の形態によるマルチキャリア通信システムについて図面を参照して説明する。図1は、本発明を4送信アンテナに適用した場合の、一実施の形態によるマルチキャリア通信装置における送信装置の一構成例を示す機能ブロック図である。
【0057】
送信装置1には、送信されるデータが入力される。また、使用する電力配分モードやダイバシティ方式等の情報(報知情報、通知情報)もデータ信号の形式で合わせて入力される。これらのデータは、データ信号処理部3のターボ符号部4へ入力される。
【0058】
ターボ符号部4は、制御部(CPU)15からの符号化率の指示に従い、入力されたデータの誤り耐性を高めるためのターボ符号による誤り訂正符号化を行う。データ変調部5は、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying;4相位相偏移変調)、16QAM(16Quadrature Amplitude Modulation;16値直交振幅変調)、64QAM(64Quadrature Amplitude Modulation;64値直交振幅変調)等のようないくつかの変調方式のうち制御部15から指示された変調方式で、ターボ符号部4により誤り訂正符号化されたデータを変調する。送信ダイバシティ処理部6は、データ変調部5により変調された信号Snを、制御部15から指示されたダイバシティ方式を用いて、符号反転、共役転置、重み付けして信号Sn*、−Sn*を生成することにより、各移動局装置宛に送信する信号を冗長化し、冗長化による信号の組とし、制御部15から指示された送信ダイバシティ方式の各アンテナの周波数セットを生成する。複数のデータ系列を処理するため、データ信号処理部3は複数存在するが、それぞれの処理は同じである。
【0059】
参照信号発生部2は、送信装置1の各送信アンテナ12が送信する参照信号を生成する。
【0060】
多重部13では、それぞれのデータ信号処理部3および参照信号発生部2から出力された各送信データおよび参照信号を、電力配分モード決定部14で決定した電力配分モードに応じて重み付けを行い、制御部15から指示された送信ダイバシティ方式に従い、リソースエレメントへの配置を決定し、アンテナ毎の信号を生成して、各アンテナのOFDM送信部13へ送る。図11は、多重部7の詳細な構成例を示す図である。
【0061】
各OFDM送信部13は、入力側から順番に、それぞれ、IFFT部8、CP挿入部9、D/A部10、送信RF部11、送信アンテナ12、を具備する。複数のOFDM送信部13の機能は同じである。
【0062】
IFFT部8は、多重部7から入力された信号を高速逆フーリエ変換し、OFDM方式の変調を行う。CP挿入部9は、OFDM変調済みの信号にサイクリックプレフィクス(CP)を付加することにより、OFDM方式におけるシンボルを生成する。サイクリックプレフィクスは、伝送するシンボルの先頭又は末尾の一部を複製する公知の方法によって得ることができる。D/A部10は、CP挿入部9から入力されたベースバンドのディジタル信号をアナログ信号に変換する。送信RF部11は、D/A部10から入力されたアナログ信号から、中間周波数の同相成分及び直交成分を生成し、中間周波数帯域に対する余分な周波数成分を除去し、中間周波数の信号を高周波数の信号に変換(アップコンバート)し、余分な周波数成分を除去し、電力増幅し、送信アンテナ12に出力する。
【0063】
尚、本実施の形態では、OFDM送信部を4つ具備する例を示しているが、1アンテナ、2アンテナの場合はそれぞれ1つ、2つで良い。
【0064】
図7は、本発明の一実施の形態によるマルチキャリア通信装置の受信装置の一構成例を示す機能ブロック図である。図7に示すように、受信装置の受信処理部21は、受信RF部23と、A/D部24と、CP除去部25と、FFT部26と、多重分離部27と、伝搬路推定部28と、伝搬路補償部29と、送信ダイバシティ合成部30と、データ復調部31と、ターボ復号部32と、を具備する。
【0065】
受信RF部23は、受信アンテナ22を介して受信した信号を増幅し、中間周波数に変換し(ダウンコンバート)、不要な周波数成分を除去し、信号レベルが適切に維持されるように増幅レベルを制御し、受信した信号の同相成分及び直交成分に基づいて、直交復調する。A/D部24は、受信RF部23により直交復調されたアナログ信号をディジタル信号に変換する。CP除去部25は、A/D部24の出力したディジタル信号からサイクリックプレフィクスに相当する部分を除去する。FFT部26は、CP除去部25から入力された信号を高速フーリエ変換し、OFDM方式の復調を行う。
【0066】
多重分離部27は、制御部33からの指示に基づき、FFT部26がフーリエ変換した信号、すなわちOFDM方式により復調された受信信号から参照信号を、配置されたリソースエレメントから抽出して出力する。具体的には、多重分離部27は固定の配置である参照信号を抽出して、伝搬路推定部28に出力する。
【0067】
伝搬路推定部28は、多重分離部27が分離、抽出した既知の参照信号の受信結果に基づいて送信装置1の送信アンテナ1〜送信アンテナ4各々に対する伝搬路変動を推定し、伝搬路変動補償値を出力する。伝搬路補償部29は、伝搬路推定部28からの伝搬路変動補償値に基づいて、入力された信号の伝搬路変動の補償を行う。送信ダイバシティ合成部30は、伝搬路補償部29が伝搬路変動の補償を行った信号について、送信装置が使用する送信ダイバシティ方式に基づき、電力配分モード決定部35が決定した電力配分モードおよび、データ電力決定部34が決定したデータ電力を考慮して、送信装置が生成した送信信号の各アンテナの周波数セットを再生し、合成して冗長化前の信号を生成する。
【0068】
この送信ダイバシティ合成部の処理は、例えば送信ダイバシティ方式にSFBCを用いる場合は、アンテナペアのデータそれぞれに対して、アラモウチ(Alamouti)合成を行う(上記非特許文献9参照)。
【0069】
具体的には、参照信号R1より送信アンテナ1からの送信信号に対する伝搬路推定値H1、参照信号R3より送信アンテナ3からの送信信号に対する伝搬路推定値H3を得る。次に、伝搬路推定値H1の共役転置H1と受信信号r1とを乗算し、伝搬路推定値H3と受信信号r2の共役転置r2とを乗算し、両結果を加算して、s1に対する合成信号c1を得る。次に、伝搬路推定値H3の共役転置H3と受信信号r1とを乗算し、伝搬路推定値H1の符号反転(−H1)と受信信号r2の共役転置r2とを乗算し、両結果を加算して、s2の合成信号c2を得る。結果として、s1に対する合成信号c1、s2の合成信号c2のそれぞれは、伝搬路推定値H1と伝搬路推定値H3の振幅を二乗したものでs1、s2のそれぞれを重み付け合成した信号であり、重み付けによりデータ復調部31における復調性能を向上させる。データ復調部31は、送信ダイバシティ合成部30により生成されたデータ信号の復調を行う。この復調は、送信装置1のデータ変調部5で用いた変調方式に対応したものが行われ、変調方式に関する情報は制御部33から指示される。ターボ復号部32は、データ復調部31が復調したデータ信号を復号する。復号されたデータのうち、電力配分モードや送信ダイバシティ方式に関する情報は抽出されて、電力配分モード決定部35における電力配分モードの決定や、アンテナダイバシティ方式の決定に使用される。データ電力決定部34では、多重分離部27で分離した参照信号の電力と、電力配分モード決定部34で決定した電力配分モードの決定や、アンテナダイバシティ方式等の情報から、受信信号のデータ電力を決定する。
【0070】
次に、各受信装置に向けての、参照信号を含むOFDMシンボルにおけるデータ信号の電力、及び参照信号を含まないOFDMシンボルにおけるデータ信号の電力の設定方法について説明する。
【0071】
図8は、本発明の一実施の形態による、送信装置でのデータ電力の設定手順例を示すフローチャート図である。送信装置は、まず参照信号の電力を設定し(ステップS1)、次に、参照信号とパワーブースト値PB(ここでの説明では、例として、各RBペア毎のパワーコントロール非適用時の参照信号の存在しないOFDMシンボルにおけるデータ信号との電力比として定義する。)を設定する(ステップS2)。すなわち、図6A(c−1)、図6A(c−2)に示すように、各RBペアの電力が等しい時の電力比を設定する。これにより参照信号の存在しないOFDMシンボルにおけるデータ信号の電力が求まる(ステップS3)。この値が求まれば、前述のように、
R+D=D
の関係が成り立つよう、参照信号の存在するOFDMシンボルにおけるデータ信号の電力の合計を定めることができる。各サブキャリア当たりのデータ電力は、このデータ信号の電力の合計を、各OFDMシンボルにおけるRB内のデータ信号のREのサブキャリア数で除すことにより求めることができる(ステップS4)。
【0072】
次に、各RBペア毎にパワーコントロールのレベルを設定する(ステップS5)。この値は1つのRBペア内では、図6B(d−1、d−2)のように参照信号の存在するOFDMシンボル、存在しないOFDMシンボル共に共通の係数を使用する。例えば、この値をRBペア(イ)、(ロ)、(ハ)についてそれぞれka、kb、kcとすると、それぞれのRBペアにおける参照信号の存在するOFDMシンボルにおけるデータ電力の合計、参照信号の存在しないシンボルにおけるデータ電力の合計は、
(イ) DAイ=ka*D、DBイ=ka*D、 DAイ/DBイ=D/D
(ロ) DAロ=kb*D、DBロ=kb*D、 DAロ/DBロ=D/D
(ハ) DAハ=kc*D、DBハ=kc*D、 DAハ/DBハ=D/D
となり(ステップS6・S7)パワーコントロールの値に関わらず両者の比は一定となり、パワーコントロールが小さな値のRBペアで参照信号の存在するOFDMシンボルにおけるデータ電力が過度に小さな値となることを避けることができる。各サブキャリア当たりのデータ電力は、このデータ信号の電力の合計を、各OFDMシンボルにおけるRB内のデータ信号のREのサブキャリア数で除すことにより求めることができる。
【0073】
その後、設定した参照信号の電力、および、導出した各RBペア毎のデータ電力を送信信号の電力と設定して送信を行う(ステップS8)。また、パワーコントロール非適用時の参照信号の存在しないOFDMシンボルにおけるデータ信号との1REあたりの電力比をパワーブースト値として、送信装置から受信装置へ送信する(ステップS9)。また、各RBペアについてのパワーコントロールのレベルも受信装置へ送信する(ステップS10)。尚、各々のステップSの順番は、必ずしも図示した順番であることが必須というわけではなく適宜入れ替えることができる。例えば、ステップS1からステップS3までは、まず送信電力の総和を鑑みて参照信号を含まないOFDMシンボルにおけるデータ電力を決めてから、参照信号の電力、続いて参照信号を含むOFDMシンボルにおけるデータ電力を決めても良い。
【0074】
また、パワーブースト値として、この図に示す例では、各RBペア毎のパワーコントロール非適用時の参照信号の存在しないOFDMシンボルにおけるデータ信号との1RE当たりの電力比を選んだが、参照信号の存在するOFDMシンボルにおけるデータ電力と、存在しないシンボルにおけるデータ電力とは、参照信号の値と、それら一方が決まれば他方も決まるため、参照信号の存在しないOFDMシンボルにおけるデータ電力をパワーブースト値として選んでも良い。また、両者の平均値等を選んでも構わない。もしくは、参照信号の存在するOFDMシンボルにおけるデータ電力と、参照信号の存在しないOFDMシンボルにおけるデータ電力と、の相互関係、例えば両者の比でも良い。また、1RE当たりの電力比でなく、合計での電力比としても良い。
【0075】
図9は、本発明の一実施の形態にとる受信装置での受信した各RBペアの電力を決定する手順例を示すフローチャート図である。受信装置は、まず、受信信号から分離した参照信号の電力の測定を行い、参照信号の電力を決定する(ステップS11)。次に、受信信号から報知情報もしくは通知情報を復号し、パワーブースト値PBを得る(ステップS12)。ここでは、パワーブースト値は、送信装置の説明で使用したのと同じ、パワーコントロール非適用時の参照信号の存在しないOFDMシンボルにおけるデータ信号との電力比をパワーブースト値として説明する。この2つの値から、パワーコントロール非適用時の参照信号の存在しないOFDMシンボルにおけるデータ信号の電力の合計Dが、
=R/PB
として導出できる(ステップS13)。この値が求まれば、前述のように、
R+D=D
の関係が成り立っているので、パワーコントロール非適用時の参照信号の存在するOFDMシンボルにおけるデータ信号の電力の合計Dは、
=D−R
として決定することができる(ステップS14)。
【0076】
各サブキャリア当たりのデータ電力は、これらのデータ信号の電力の合計を、各OFDMシンボルにおけるRB内のデータ信号のREのサブキャリア数で除すことにより求めることができる。
【0077】
次に、受信信号から報知情報もしくは通知情報を復号して、復調するRBペアのパワーコントロールレベルを決定する。(ステップS15)。例えば、受信装置がRBペア(イ)を復調する場合、RBペア(イ)向けのパワーコントロールレベルを報知情報もしくは通知情報より選択する。これにより、RBペア(イ)における参照信号の存在するOFDMシンボルにおけるデータ電力の合計および、参照信号の存在しないシンボルにおけるデータ電力の合計は、
(イ) DAイ=ka*D、DBイ=ka*D
として求めることができる(ステップS16、ステップS17)。
【0078】
各サブキャリア当たりのデータ電力は、これらのデータ信号の電力の合計を、各OFDMシンボルにおけるRB内のデータ信号のREのサブキャリア数で除すことにより求めることができる。
【0079】
尚、この説明においては、伝搬路補償部29や送信ダイバシティ合成部30における等価処理や、合成処理は、送信装置で設定した電力の、受信装置での決定には直接関係しないので説明を省略している。
【0080】
以上に説明した、送信装置及び受信装置での処理のフローチャート図は一例であり、並列処理が可能な部分があれば並列処理を行っても良く、また、その順番を入替えてもよく、必ずしも、例示したこの順番に限定されるものではない。
【0081】
尚、EUTRAでは送信装置が対象とする全ての受信装置に共通の情報は報知チャネルを用いて報知を行い、各受信装置について個別の情報は、通知チャネルを用いて通知することが提案されている。このため、パワーブースト値(ここでの説明では、パワーコントロール非適用時の、参照信号と、参照信号を含まないOFDMシンボルにおけるデータ信号と、の電力比)は、報知チャネルを用いて報知するのが好ましい。また、各受信装置向け個別のデータは1、ないし、複数のRBペアを用いて送信されることとなっているが、これらのRBペアのパワーコントロールレベルは、各受信装置について異なる値を用いることが提案されている。このため、パワーコントロールレベルは、各受信装置個別に向けて通知される通知チャネルを用いて報知することが望ましい。この場合の送信装置と受信装置との間のフローチャートの一例を図10に示す。
【0082】
図23は、送信装置が、アンテナマトリックスの使用の有無を通知する場合のシグナリングを加味した、受信装置が参照信号の存在するOFDMシンボルにおけるデータ電力と、参照信号の存在しないOFDMシンボルにおけるデータ電力と、の導出に関する、送信装置と受信装置との間の処理の流れの一例を示すフローチャート図である。
【0083】
図23に示すように、送信装置1から受信装置21に参照信号L21が送信される。ここで、受信装置21において参照信号電力が決定される(L22)。次いで、送信装置1から受信装置21に対して報知チャネルにおいて、パワーブースト値の報知、アンテナマトリックスの有無の報知が行われる。受信装置21において、パワーブースト値、アンテナマトリックスの適用情報を受信し、パワーコントロール適用前の、参照信号の存在しないシンボル/存在するシンボルでのデータ電力を決定する。次いで、送信装置1から受信装置21に対して、通知チャネルにおいて、受信装置向けのパワーコントロールレベルの報知が行われ(L25)、パワーコントロールレベルを受信し、パワーコントロール適用後の、参照信号の存在しないシンボル/存在するシンボルでのデータ電力を決定する。
【0084】
次に、本発明の第2の実施の形態である、複数の電力分配モードを持つ場合について、各送信アンテナへの電力配分モードを、送信装置の特性に応じて決定することにより、電力配分モードに関するシグナリングを回避する手法について説明する。
【0085】
前述したように、非特許文献5に開示されている技術を用いて、参照信号を送信するOFDMシンボルと、送信しない送信シンボルとの間でのデータ電力をシンボル間で異なるものとする場合において、送信装置側での複雑さや送信信号の帯域の問題を鑑みて、システム内の一部の送信装置にのみ、参照信号を送信するOFDMシンボルと、送信しない送信シンボルとの間でのデータ電力を異なるようにする場合、余分にシグナリングが必要となる問題があった。
【0086】
本実施の形態では、通信システムにおいて、アンテナ間で電力融通を行う送信装置と、電力融通を行わない送信装置と、を設け、これらを送信装置のカバレッジの大きさに応じて切替を行なう。一般に、カバレッジ範囲が大きい送信装置は、大出力の送信装置を用いる。この場合、極力電力を有効に利用することが望ましいため、電力融通を行うようにする。
【0087】
一方、カバレッジ範囲が小さい送信装置はアンプの出力も小さいため、電力が有効利用できないことによる損失は小さい。また構成をできるだけ簡単にすることが望ましいことから、電力融通を行わないようにする。図12(a)は概念図である。EUTRAでは、カバレッジの大きい送信装置と、小さい装置と、でサイクリックプレフィクス(CP)の値を変えることが提案されている。このため、サイクリックプレフィクスの長さと、電力融通の有無と、を切り替えるようにしても良い。もしくは、特定の受信装置を対象とした送信装置でのみ電力融通の対応を行い、通常の受信装置を対象とした送信装置では電力融通を行わないものとしても良い。
【0088】
さらに、パワーブースト値が大きい送信装置は、電力のアンバランスも大きくなることから電力融通を行い、パワーブースト値がある閾値より小さい送信装置は電力融通を行わないようにしても良い。これらのCPの値や、パワーブースト値の値と電力融通の有無とを関連付ける場合に、元々、受信装置にこれらの値を通知することになっているので、電力融通のための情報を受信装置に対して特別に通知せずとも良い利点もある。
【0089】
本実施の形態においては、送信装置でのアンテナマトリックスの使用の有無を送信装置が通知したり、カバレッジエリアの大きさや、パワーブーストの有無とアンテナマトリックスの使用の有無を関連付けしたりすることで、受信装置が参照信号の存在するOFDMシンボルにおけるデータ電力と、参照信号の存在しないOFDMシンボルにおけるデータ電力とを導出することを可能としている。
【0090】
以下の説明は、上記非特許文献6に記載のアンテナ間スケーリング方式を適用して同一OFDMシンボルにおいて、参照信号を送信するアンテナにおけるデータ電力と、参照信号を送信しないアンテナにおけるデータ電力と、を異なるものとする場合に、送信装置の特性に応じてアンテナ間スケーリング方式の適用の有無を決定することにより、電力配分モードに関するシグナリングを回避する一実施の形態について説明する例である。アンテナ間スケーリング方式と称される本発明の実施の形態による技術を用いると、アンテナマトリックスを使用しないでOFDMシンボル間の電力のアンバランスおよびアンテナ間のアンバランスが解消できるが、アンテナ間の伝搬路が非対称であることから、スケーリングを行なってデータ電力を増大させた側の伝搬路の状況が悪い場合、効果が低減される問題がある。また、前述したようにスケーリング係数αを受信側へ通知する必要がありシグナリング量が増加する問題があった。そのため、アンテナ間スケーリングを採用する場合でも、必要に応じてアンテナ間スケーリングの使用/不使用を切替えるようできることが望ましい。
【0091】
本実施の形態では、アンテナマトリックスを使用する場合と同様に、カバレッジの大きさやサイクリックプレフィクスの有無、パワーブースト値の大きさとアンテナ間スケーリングの有無とを関連づけるようにすることで、アンテナスケーリングの適応の有無に関するシグナリングを削減する。
【0092】
尚、アンテナ間スケーリングを行なうための送信装置側の追加構成は複雑でないので、アンテナマトリックスを使用する場合とは反対に、カバレッジの小さい送信装置に対してアンテナ間スケーリングを適用するようにしても良い。図12(b)は、その場合の概念図を示す図である。図12(b)に示す通信システムのサービスエリアでは、アンテナ間スケーリングのないカバレッジエリアの大きい送信装置Aと、カバレッジエリアの小さい送信装置であって、アンテナ間スケーリングのある送信装置B、アンテナ間スケーリングのある送信装置Cと、が設けられている。
【0093】
一般に、カバレッジの小さい送信装置(例えば、B、C)では、受信装置の密度が高く、同時に通信を行なう受信装置の数が多い一方、送信装置は単純にする必要があり、また使用するアンプの送信出力も小さいため電力を有効利用する必要があり、この点でも好都合である。一方、カバレッジの大きい送信装置(例えばA)では、特に遠距離の受信装置に対しては伝搬状況も悪くなりやすいためアンテナ間スケーリングを行なわないようにする。
【0094】
次の実施の形態では、アンテナ間スケーリング情報を通知する報知チャネルについてのみは、送信装置がアンテナ間スケーリングを適用するか否かに関わらず、常にアンテナ間スケーリングを適用しないようにすることで、受信側でアンテナ間スケーリングの使用の有無を正しく知ることが出来るようするものである。
【0095】
図16は、送信装置1がアンテナ間スケーリングの適用の有無を通知する場合の、受信装置21が参照信号の存在するOFDMシンボルにおけるデータ電力と、参照信号の存在しないOFDMシンボルにおけるデータ電力と、の導出に関する送信装置と受信装置との間のやり取りの例を示すフローチャート図である。
【0096】
EUTRAでは、報知チャネルを、信頼性の高い第1報知チャネルと、それよりも信頼性の低い第2報知チャネルと、に分けて、重要な情報は第1報知チャネルにおいて送信することが提案されている。図16では第1報知チャネルと第2報知チャネルとを使用する場合を例に挙げて説明する。
【0097】
送信装置1は、受信装置21に対して参照信号を送信する(L11)。受信装置21は、参照信号を受信し参照信号の電力を決定する(L12)。送信装置1は、受信装置21に対して第1報知チャネルを送信し(L13)、受信装置21が報知チャネルを受信する。第1の報知チャネルには、送信装置がアンテナ間スケーリングを適用しているかどうか(アンテナ間スケーリングの有無の報知)に関する情報が含まれている。この第1の報知チャネルに対しては、送信装置1がアンテナ間スケーリングを適用しているかどうかに関わらず、アンテナ間スケーリングを適用しない。これにより、受信装置21は、第1の報知チャネルの情報を正しく復調することができ、送信装置1がアンテナ間スケーリングを適用しているかどうかを決定することができる。
【0098】
次に、送信装置1が第2報知チャネルを送信し、受信装置21は第2報知チャネルを受信する(L15)。第2報知チャネルには、第1報知チャネルで報知される情報に基づいて、アンテナ間スケーリングが適用/非適用される。第1報知チャネルを受信した時点で、受信装置21はアンテナ間スケーリングの適用の有無を判断することができているので、第2報知チャネルの情報を正しく復調することができる。第2報知チャネルにはパワーブースト値の情報が含まれており、これにより受信装置21は、パワーコントロール適用前の、参照信号の存在しないOFDMシンボルにおけるデータ電力、参照信号の存在するOFDMシンボルにおける参照信号を送信するアンテナでのデータ電力、参照信号の存在しないOFDMシンボルにおける参照信号を送信するアンテナでのデータ電力を決定する(L16)。
【0099】
次に、送信装置1は通知チャネルを送信し、受信装置21が通知チャネルを受信して(L15)、受信装置向けのパワーコントロールレベルの報知を受信し、パワーコントロール適用後のそれぞれのデータ電力を決定する(L18)。
【0100】
尚、本実施の形態では、アンテナ間スケーリング情報を通知する報知チャネルについてのみは、常にアンテナ間スケーリングを適用しない場合の例を挙げたが、逆にアンテナ間スケーリング情報を通知する報知チャネルについてのみ、常にアンテナ間スケーリングを適用するようにしても良い。
【0101】
システム内の送信装置が、主としてアンテナ間スケーリングを適応する送信装置である場合には、報知チャネルについて常にアンテナ間スケーリングを適用するようにした方が、データの受信時にもアンテナ間スケーリングが適用されているため、受信装置が報知チャネルとデータとの受信の間にアンテナ間スケーリングの有無を切替える機会が少なくなり効率的である。反対に、システム内の送信装置が、主としてアンテナ間スケーリングを適応しない送信装置である場合には、逆に報知チャネルについては常にアンテナ間スケーリングを適用しないようにした方が効率的である。
【0102】
図17は、本発明の他の実施の形態による通信技術である、第1報知チャネルの周囲のリソースブロックを使用するかどうかを、第1報知チャネルへのアンテナ間のスケーリング情報と関連付けた例を説明するために、図24の最初のサブフレームに関して、各チャネル配置をリソースブロックペア群で示す図である。尚、図17では、参照信号は、まとめて、模式的にR12およびR34として示している。EUTRAでは、第1報知チャネルは中心の6リソースブロックペアの62サブキャリアを使用して送信することが提案されているが、1リソースブロックは12サブキャリアで構成されるため、10サブキャリアが使用されないことになる。この未使用サブキャリアは他のデータ送信に使用する提案がなされている(上記非特許文献10参照)が、第1報知チャネルにアンテナ間スケーリングが適用されない場合、アンテナ間の電力アンバランスが大きくなる。このアンバランスを低減するため、未使用サブキャリアのうち、参照信号を送信しているアンテナについては未使用のままとしておいて、参照信号を送信していないアンテナについてのみ他のデータ送信等に使用することを特徴とする。
【0103】
より具体的には、第1報知チャネルが一部しか使用していないリソースブロックペアの第8OFDMシンボルの横線の部分は、このシンボルにおいて、アンテナ1とアンテナ2とで参照信号が送信されているため、アンテナ1およびアンテナ2からは、他のデータ信号等を送信しないようにする。また、第9OFDMシンボルの横線の部分は、このシンボルにおいて、アンテナ3とアンテナ4とで参照信号が送信されているため、アンテナ3およびアンテナ4からは他のデータ信号等を送信しないようにする。
【0104】
前述のアンテナ間スケーリング方式では、SFBCに使用するアンテナのペア間で電力が異なっていることから、受信装置で、予めアンテナ間スケーリングの適用の有無を知る必要があり、報知チャネルではアンテナ間スケーリングを適用しないものとして説明したが、以下の実施の形態では、報知チャネルにもアンテナ間スケーリングを適用しつつ、スケーリングの適用された報知チャネルの情報を復調できるようにした例について説明する。
【0105】
図18は、本実施の形態による通信技術における報知チャネルを送信するリソースブロックペアにおけるデータ配置例を示す図であり、図4に対応する図である。図18において、第8、第9、第10、第11OFDMシンボルで報知情報を送信するものとして説明する。本実施の形態では、報知チャネルについてはSFBCに使用するアンテナペアをアンテナ1とアンテナ3、および、アンテナ2とアンテナ4ではなく、アンテナ1とアンテナ2、アンテナ3とアンテナ4とする。
【0106】
図19は、本実施の形態による通信技術におけるSFBC+FSTDの周波数およびアンテナへのデータのマッピングを示す図である。図18の配置の場合には、アンテナ1およびアンテナ2から参照信号を送出する第8OFDMシンボルについては、図19(a)に示すように、アンテナ3およびアンテナ4のデータ電力をα倍して送信する。アンテナ3およびアンテナ4から参照信号を送出する第9OFDMシンボルについては図19(b)のように、アンテナ1およびアンテナ2のデータ電力をα倍して送信する。参照信号を送出しない第9、10OFDMシンボルについては、図19(c)のように、アンテナ間スケーリングを行わないが、アンテナペアはアンテナ1とアンテナ2、および、アンテナ3とアンテナ4をペアとする。
【0107】
このようなアンテナペアとすることにより、アンテナ間スケーリングを適用する場合であっても適用しない場合であっても、常にSFBCを構成するアンテナペアの間では、リソースエレメントのデータ電力を等しいものとすることができる。このため、前述した送信データ相互のキャンセレーションが、アラモウチ復調を行なった場合に正しく働き、容易に復調を行うことができる。
【0108】
尚、本実施の形態において、参照信号を送出しないのでアンテナ間スケーリングを施さない第10、11OFDMシンボルについては、上記のアンテナ1とアンテナ2、および、アンテナ3とアンテナ4ではなく、アンテナ1とアンテナ3、および、アンテナ2とアンテナ4とをペアとしても良い。
【0109】
本実施の形態によれば、全ての送信ダイバシティに対して統一したアンテナ間スケーリングを適用できるという利点がある。
【0110】
図22は、報知チャネルに限定せず、参照信号R1〜4までのいずれかを含むOFDMシンボルの全てのデータ信号について、SFBCに使用するアンテナペアをアンテナ1とアンテナ2、アンテナ3とアンテナ4とした場合の実施の形態における、リソースブロックペア群を表した図である。
【0111】
このときには、送信ダイバシティのSFBC+FSTDのマトリックスには、図19のマトリクスを用いたアンテナ間スケーリングを適用しても良い。前述のように、SFBCのアンテナペアの間で、リソースエレメントのデータ電力を等しいものとすることができるため、前述した送信データ相互のキャンセレーションが、アラモウチの合成を行なった場合に正しく働き、容易に復調を行うことができる。
【0112】
尚、通信システムにおいて、本実施の形態を適用する送信装置と適用しない送信装置とを設ける場合には、受信装置側では本実施の形態による技術が適用されているのかどうかを知る必要がある。この様なシステムの場合には、報知チャネルについては、送信装置が、本実施の形態を適用するか適用しないかに関わらず、SFBCに使用するアンテナペアをアンテナ1とアンテナ2、および、アンテナ3とアンテナ4ではなく、アンテナ1とアンテナ3、アンテナ2とアンテナ4とし、どちらのアンテナペアを使用しているかを報知チャネルで通知する。受信装置では、報知チャネルをアンテナ1とアンテナ3、アンテナ2とアンテナ4で受信し、他のデータ信号で適用されているSFBC+FSTDがどちらのアンテナペアの組み合わせであるかを知ることができる。
【0113】
図20は、本発明の他の実施の形態である、第1の報知チャネルを参照信号の存在しないOFDMシンボルにおいて送信するようにした場合のリソースブロックペアを表した図である。参照信号を送信しないOFDMシンボルではスケーリングを適用する必要は無いので(図20における報知チャネル)、送信装置がアンテナ間スケーリングを適用しているかどうかに関わらず、第1の報知チャネルに含まれる情報を読むことができる。
【0114】
図21は、さらに第1の報知チャネルを参照信号の存在しないOFDMシンボルにおいて送信するようにした場合に、第1の報知チャネルの領域の一部もしくは全部のOFDMシンボルに参照信号Rを新たに追加して、受信装置でのチャネル推定能力の向上を図った構成を示す図である。上記の図20に示した実施例では、従来の第1の報知チャネルの配置に比べて、第1の報知チャネルに割り当てる領域を多く取ることができるという利点がある一方で、第1の報知チャネルには参照信号を含まないためチャネル推定精度が若干劣化する。
【0115】
図21に示す実施の形態では、領域の一部のOFDMシンボルに参照信号を追加することにより、チャネル推定精度の向上を図ることができる。尚、追加する参照信号は、各アンテナ間の電力バランスを維持するために、各OFDMシンボルについて同数とすることが望ましい。
【0116】
(まとめ)
以上に説明したように、本実施の形態による通信技術によれば、複数アンテナを使用するマルチキャリア通信システムにおいて、送信ブロック毎に異なる電力でデータ信号を送信するシステムにおいて、参照信号を含むOFDMシンボルにおけるデータ信号の電力および参照信号を含まないOFDMシンボルにおけるデータ信号の電力を、適切に受信装置が求めることができる。また、複数の電力配分モードを切替えて使用することで柔軟な運用を可能とする。
【0117】
また、使用する電力配分モードを各受信装置共通の報知チャネルで通知することにより、送信装置のアンテナ設定に関わらず、受信装置側で電力分配モードの情報を復調することが可能となる。
【0118】
また、上記各受信装置共通の報知チャネルに使用するダイバシティ方式は、SFTDのアンテナペアが、第1のアンテナと第2のアンテナ、および、第3のアンテナと第4のアンテナから構成することで、送信装置のアンテナ構成に関わらず受信装置側で電力分配モードの情報を復調することが可能となる。
【0119】
或いは、参照信号を含まないOFDMシンボルに電力分配モードの情報を配置することにより、アンテナ間の電力分配モードに関わらず、受信装置側で電力分配モードの情報を復調することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0120】
本発明は、通信装置に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本発明の一実施の形態によるマルチキャリア通信装置における送信装置の一構成例を示す機能ブロック図である。
【図2】一般的なEUTRAにおける下りリンクフレームの概略構成例を示す図である。
【図3A】送信ダイバシティのマトリックスを表す図である。
【図3B】送信ダイバシティのマトリックスを表す図である。
【図4】一般的なEUTRAにおける下りリンクにおける1リソースブロックペアにおける各アンテナの参照信号および送信信号の配置位置を示す図である。
【図5】一般的なEUTRAにおける下りリンクにおける1リソースブロックペアにおける各アンテナの参照信号および送信信号の配置位置を示す図である。
【図6A】OFDMシンボルにおける、参照信号とデータ信号の電力とを示す図である。
【図6B】OFDMシンボルにおける、参照信号とデータ信号の電力とを示す図である。
【図7】本実施の形態によるマルチキャリア通信装置における受信装置の一構成例を示す機能ブロック図である。
【図8】本発明の一実施の形態における送信装置でのデータ電力の設定手順を表すフローチャート図である。
【図9】本発明の一実施の形態における受信装置での受信した各RBペアの電力を決定する手順を表すフローチャート図である。
【図10】本発明の一実施の形態における送信装置と受信装置との間の通信手順を表すフローチャート図である。
【図11】本発明の実施の形態によるマルチキャリア通信装置における送信装置の多重部の一構成例を示す機能ブロック図である。
【図12】本発明の一実施の形態における送信装置の特性と、電力融通の有無、アンテナ間スケーリングの有無との関係の一例を示す図である。
【図13】OFDMシンボルにおける、参照信号とデータ信号の電力とを示す図である。
【図14】OFDMシンボルにおける、参照信号とデータ信号の電力とを示す図である。
【図15】送信ダイバシティのマトリックスを表す図である。
【図16】本発明の一実施の形態における送信装置と受信装置との間の通信手順を示すフローチャート図である。
【図17】本発明の一実施の形態における、下りリンクフレームにおける参照信号、データ信号、報知チャネルの配置位置の例を示す図である。
【図18】本発明の一実施の形態における、1リソースブロックペアにおける参照信号、データ信号、報知チャネルの他の配置位置の例を示す図である。
【図19】送信ダイバシティのマトリックスを表す図である。
【図20】本発明の一実施の形態における、1リソースブロックペアにおける参照信号、データ信号、報知チャネルの配置位置の例を示す図である。
【図21】本発明の一実施の形態における、1リソースブロックペアにおける参照信号、データ信号、報知チャネルの配置位置の例を示す図である。
【図22】本発明の一実施の形態における、1リソースブロックペアにおける参照信号、データ信号の配置位置の例を示す図である。
【図23】本発明の一実施の形態における送信装置と受信装置との間の通信手順を表すフローチャート図である。
【図24】本発明の一実施の形態における、下りリンクフレームにおける参照信号、データ信号、報知チャネルの配置位置の例を示す図である。
【符号の説明】
【0122】
1…送信装置、2…参照信号発生部、3…データ信号処理部、4…ターボ符号部、5…データ変調部、6…送信ダイバーシティ処理部、7…多重部、8…IFFT部、9…CP挿入部、10…D/A部、11…送信RF部、12…送信アンテナ、13…各アンテナのOFDM送信部、14…電力配分モード決定部、15…制御部、21…受信装置、22…参照アンテナ、23…受信RF部、24…A/D部、25…CP除去部、26…FFT部、27…多重分離部、28…伝搬路推定部、29…伝搬路補償部、30…送信ダイバーシティ合成部、31…データ復調部、32…ターボ復号部、33…制御部、34…データ電力決定部、35…電力配分モード決定部、71〜72…S/P変換部、73〜80…重み付け部、81〜84…マッピング部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチキャリア通信システムであって、参照信号を含む送信シンボルと、参照信号を含まない送信シンボルとを有する通信システムにおいて、
送信装置は少なくとも、前記マルチキャリア通信システム全体として、送信電力の各送信アンテナへの電力配分モードを複数備えるとともに、
前記参照信号の電力と、参照信号を含む送信シンボルにおけるデータ信号の電力と、参照信号を含まない送信信号におけるデータ信号の電力とをそれぞれ決定する手段と、
少なくとも、前記参照信号の電力と参照信号を含む送信シンボルにおけるデータ信号の電力、もしくは、前記参照信号の電力と参照信号を含まない送信シンボルにおけるデータ信号の電力との関係、もしくは、それら相互の関係を送信する手段と、
前記参照信号を含む送信シンボルにおけるデータ信号の電力と、参照信号を含まない送信信号におけるデータ信号の電力との関係を、前記参照信号の電力とデータ信号の電力とから決定する手段と、を有し、
受信装置は少なくとも、
前記参照信号を受信する手段と、前記参照信号の電力と参照信号を含む送信シンボルにおけるデータ信号の電力との関係、もしくは、前記参照信号の電力と参照信号を含まない送信シンボルにおけるデータ信号の電力との関係、もしくは、それら相互の関係の少なくとも一方を受信する手段と、前記送信装置の使用する送信電力の各送信アンテナへの電力配分モードを決定する手段と、参照信号の電力と参照信号を含む送信シンボルにおけるデータ信号の電力との関係、もしくは、参照信号の電力と参照信号を含まない送信シンボルにおけるデータ信号の電力との関係、もしくは、前記それら相互の関係との少なくともいずれか一方と、前記決定した電力配分モードとから、受信した参照信号を含む送信シンボルにおけるデータ信号の電力、および、参照信号を含まない送信シンボルにおけるデータ信号の電力を決定する手段とを有することを特徴とするマルチキャリア通信システム。
【請求項2】
参照信号を含む送信シンボルと、参照信号を含まない送信シンボルと、を有するマルチキャリア通信システムにおける送信装置であって、
前記参照信号の電力と、参照信号を含む送信シンボルにおけるデータ信号の電力と、参照信号を含まない送信信号におけるデータ信号の電力と、をそれぞれ決定する手段と、
前記参照信号の電力と、参照信号を含む送信シンボルにおけるデータ信号の電力、もしくは、前記参照信号の電力と、参照信号を含まない送信シンボルにおけるデータ信号の電力と、の関係、もしくは、それら相互の関係を送信する手段と、
前記参照信号を含む送信シンボルにおけるデータ信号の電力と、参照信号を含まない送信信号におけるデータ信号の電力と、の関係を、前記参照信号の電力とデータ信号の電力とから決定する手段と
を有することを特徴とする送信装置。
【請求項3】
送信電力の各送信アンテナへの電力配分モードを複数備え、
選択した電力配分モードを受信装置に通知する手段を有することを特徴とする請求項2に記載の送信装置。
【請求項4】
参照信号を含む送信シンボルと、参照信号を含まない送信シンボルとを有するマルチキャリア通信システムにおける受信装置であって、
前記参照信号を受信する手段と、
前記参照信号の電力と参照信号を含む送信シンボルにおけるデータ信号の電力との関係、もしくは、前記参照信号の電力と参照信号を含まない送信シンボルにおけるデータ信号の電力との関係、もしくは、それら相互の関係の少なくとも一方を受信する手段と、前記送信装置の使用する送信電力の各送信アンテナへの電力配分モードを決定する手段と、
参照信号の電力と参照信号を含む送信シンボルにおけるデータ信号の電力との関係、もしくは、参照信号の電力と参照信号を含まない送信シンボルにおけるデータ信号の電力との関係、もしくは、前記それら相互の関係との少なくともいずれか一方と、前記決定した電力配分モードとから、受信した参照信号を含む送信シンボルにおけるデータ信号の電力、および、参照信号を含まない送信シンボルにおけるデータ信号の電力を決定する手段と
を有することを特徴とする受信装置。
【請求項5】
4本の送信アンテナを使用するマルチキャリア通信システムであって、そのアンテナダイバシティ方式はSFTD(Space Frequency Block Code;空間周波数ブロック符号)+FSBC(Frequency Switched Transmit Diversity;周波数切換送信ダイバシティ)方式を用い、その送信フォーマットは少なくとも、第1のアンテナおよび第2のアンテナに関する参照信号を含むOFDMシンボルと、第3のアンテナおよび第4のアンテナに関する参照信号を含む送信シンボルと、参照信号を含まない送信シンボルとから構成され、アンテナダイバシティ方式のSFTDのアンテナペアが、第1のアンテナと第3のアンテナ、および第2のアンテナと第4のアンテナから構成され、
第1のアンテナと第3のアンテナとのデータ電力の値、および第2のアンテナと第4のアンテナとのデータ電力の値とをそれぞれ異なる値に設定する手段および、
第1のアンテナのデータ電力と第3のアンテナのデータ電力との関係、
および第2のアンテナのデータ電力と第4のアンテナのデータ電力との関係を前記参照信号の電力とデータ信号の電力とから決定する手段を有することを特徴とする請求項1に記載のマルチキャリア通信システム。
【請求項6】
4本の送信アンテナを使用するマルチキャリア通信システムであって、そのアンテナダイバシティ方式はSFTD(Space Frequency Block Code;空間周波数ブロック符号)+FSBC(Frequency Switched Transmit Diversity;周波数切換送信ダイバシティ)方式を用い、その送信フォーマットは少なくとも、第1のアンテナおよび第2のアンテナに関する参照信号を含むOFDMシンボルと、第3のアンテナおよび第4のアンテナに関する参照信号を含む送信シンボルと、参照信号を含まない送信シンボルとから構成され、少なくとも参照信号を含む送信シンボルについては、アンテナダイバシティ方式のSFTDのアンテナペアを、第1のアンテナと第2のアンテナ、および第3のアンテナと第4のアンテナから構成し、
第1のアンテナおよび第2のアンテナのデータ電力の値と、第3のアンテナおよび第4のアンテナのデータ電力の値とを異なる値に設定する手段および、
第1のアンテナのデータ電力および第2のアンテナのデータ電力の値と、第3のアンテナのデータ電力および第4のアンテナのデータ電力の値との関係前記参照信号の電力とデータ信号の電力とから決定する手段を有することを特徴とする請求項1に記載のマルチキャリア通信システム。
【請求項7】
前記送信電力の各送信アンテナへの電力配分モードは、送信装置の特性に応じて決定することを特徴とする請求項1又は6に記載のマルチキャリア通信システム。
【請求項8】
前記電力配分モードの通知を行う各受信装置共通の報知チャネルは、前記複数のサブキャリアより構成される送信ブロックの複数より構成され、一部の送信ブロックについては全部のサブキャリアを使用しない構成において、
第1のアンテナと第3のアンテナとのデータ電力の値、および第2のアンテナと第4のアンテナとのデータ電力の値とをそれぞれ異なる値に設定する電力配分モードの場合には、該使用しないサブキャリアについては他の用途に使用しないことを特徴とする請求項1又は6に記載のマルチキャリア通信システム。
【請求項9】
前記電力配分モードの通知を行う各受信装置共通の報知チャネルは、参照信号を含まない送信シンボルにて送信を行うことを特徴とする請求項1又は6に記載のマルチキャリア通信システム。
【請求項10】
前記電力配分モードの通知を行う各受信装置共通の報知チャネルを配置する領域に参照信号を配置することを特徴とする請求項9に記載のマルチキャリア通信システム。
【請求項11】
前記電力配分モードの通知を行う各受信装置共通の報知チャネルは、アンテナダイバシティ方式のSFTDのアンテナペアを、第1のアンテナと第2のアンテナ、および第3のアンテナと第4のアンテナとで構成することを特徴とする請求項5に記載のマルチキャリア通信システム。
【請求項12】
前記電力配分モードの通知を行う各受信装置共通の報知チャネルは、アンテナダイバシティ方式のSFTDのアンテナペアを、第1のアンテナと第3のアンテナ、および第2のアンテナと第4のアンテナとで構成することを特徴とする請求項6に記載のマルチキャリア通信システム。
【請求項13】
マルチキャリア通信システムにおける送信方法であって、
参照信号の電力と、参照信号を含む送信シンボルにおけるデータ信号の電力と、参照信号を含まない送信信号におけるデータ信号の電力とをそれぞれ決定する過程と、
前記参照信号の電力とデータ信号の電力との関係、および使用する各送信アンテナへの電力配分モードを、送信する過程と、
前記参照信号を含む送信シンボルにおけるデータ信号の電力と、参照信号を含まない送信信号におけるデータ信号の電力との関係を、前記参照信号の電力とデータ信号の電力と、使用する各送信アンテナへの電力配分モードとから決定する過程と、
を有することを特徴とする送信方法。
【請求項14】
参照信号の電力と、参照信号を含む送信シンボルにおけるデータ信号の電力と、参照信号を含まない送信信号におけるデータ信号の電力とをそれぞれ決定する過程と、使用する各送信アンテナへの電力配分モードを決定する過程と、
前記参照信号の電力とデータ信号の電力との関係、および使用する各送信アンテナへの電力配分モードを、送信する過程と、前記参照信号を含む送信シンボルにおけるデータ信号の電力と、参照信号を含まない送信信号におけるデータ信号の電力との関係を、前記参照信号の電力とデータ信号の電力と、使用する各送信アンテナへの電力配分モードとから決定する過程と
をマルチキャリア通信システムの送信装置に実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2009−218706(P2009−218706A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−58117(P2008−58117)
【出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】