説明

マルチパス抑制装置およびマルチパス抑制方法

【課題】マルチパスが重畳する環境における、電波の伝達時間に基づく測距の困難を抑制する。従来のマルチパス抑制方法は、予め直接波とマルチパス1波との計2波から構成されるモデルを仮定しているため、マルチパスが存在しない場合や、マルチパスが2波以上重畳する場合には、誤差が大きくなるという問題があった。
【解決手段】マルチパスが重畳するモデルを複数仮定し、それらモデルの信頼度を評価し、信頼度の高いモデルを選択し、選択したモデルに基づいて、直接波の伝達時間を得て、信号源と受信機との間の距離を得ることで、マルチパスを抑制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は送信源から送信された信号(電波)を用いて、送信源と受信機との距離や位置などを計測する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
GPS(Global Positioning System:地球測位システム)やレーダシステムでは、マルチパスの影響が測距・測位における大きな誤差要因の一つとなっている。これまで、マルチパス誤差を低減するために、MMT(Multipath Mitigation Technology)(特許文献1)やNarrow Correlator(非特許文献1の120ページ)が開発されてきた。
MMTは、直接波1波とマルチパス1波の信号モデルにおいて、最尤推定法により信号モデルのパラメータ推定を行うことにより、従来困難であった遅延距離の短いマルチパスの影響を低減できることで知られている。
また、非特許文献2には情報量規準についての記載があり、非特許文献3にはモデル選択についての記載がある。
【0003】
【特許文献1】米国特許番号 6370207
【非特許文献1】Global Positioning Systems, Inertial Navigation, and Integration Mohinder S. Grewal, Lawrence R. Weill, Angus P. Andrews John Wiley & Sons, Inc., 2001
【非特許文献2】小西、北川:「情報量規準」、朝倉書店 (2004年)
【非特許文献3】下平、伊藤、久保川、竹内:「モデル選択」、岩波書店(2004年)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のマルチパス抑制装置は、予め直接波とマルチパス1波との計2波から構成されるモデルを仮定しているため、マルチパスが存在しない場合や、マルチパスが2波以上重畳する場合には、誤差が大きくなるという問題があった。本発明は、マルチパスがもたらす測距の困難の抑制を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のマルチパス抑制装置は、送信源から送信された信号を受信機で取得する信号取得手段と、信号にマルチパスが重畳する複数のモデルを仮定して、複数のモデルの中で信頼度の高いモデルに基づいて直接波の伝達時間を分析し、伝達時間を用いて送信源と受信機との間の距離を算出する信号分析手段と、信号分析手段で得られた結果を出力する出力手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0006】
また、本発明のマルチパス抑制方法は、送信源から送信された信号を受信機で取得する信号取得工程と、信号にマルチパスが重畳する複数のモデルを仮定して、複数のモデルの中で信頼度の高いモデルに基づいて直接波の伝達時間を分析し、伝達時間を用いて送信源と受信機との間の距離を算出する信号分析工程と、信号分析工程で得られた結果を出力する出力工程とを備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明のマルチパス抑制装置は、送信源から送信された信号を受信機で取得する信号取得手段と、信号にマルチパスが重畳する複数のモデルを仮定して、複数のモデルの中で信頼度の高いモデルに基づいて直接波の伝達時間を分析し、伝達時間を用いて送信源と受信機との間の距離を算出する信号分析手段と、信号分析手段で得られた結果を出力する出力手段とを備えたので、波数が未定のマルチパスが重畳した受信信号に対して、マルチパスを抑制することができる。
【0008】
また、本発明のマルチパス抑制方法は、送信源から送信された信号を受信機で取得する信号取得工程と、信号にマルチパスが重畳する複数のモデルを仮定して、複数のモデルの中で信頼度の高いモデルに基づいて直接波の伝達時間を分析し、伝達時間を用いて送信源と受信機との間の距離を算出する信号分析工程と、信号分析工程で得られた結果を出力する出力工程とを備えたので、波数が未定のマルチパスが重畳した受信信号に対して、マルチパスを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
実施の形態1.
電波は、障害物がないとき直進し、その伝搬速度は光速と呼ばれる一定速度である。地点Aで発せられた電波が直進して別の地点Bまで至るまでの伝達時間を計測して光速を乗ずると、2点AB間の距離が計測される。多くの系が、電波の伝達時間を計測して、測距に利用している。例えば、GPSは、信号がGPS衛星から端末に届くまでの伝達時間を計測することで、衛星と端末との間の距離を同定する。また、レーダは、送信電波が目標によって反射され、戻るまでの遅延時間を計測し、レーダと目標との間の距離を同定する。
【0010】
例えば、地点Aから直進した電波が別地点Cで反射され、その反射波が直進して地点Bに達する場合には、この経路を通る電波の伝達時間は、2点AC間の距離と2点CB間の距離との和を光速で除したものに等しくなる。電波が複数の経路を通って伝達する現象は、マルチパスと呼ばれる。マルチパスが起きている場合、地点Aで発せられた電波が、異なる伝達時間で地点Bに達するため、一意的に伝達時間を定めることが困難になる。そのため、2点AB間の距離を一意的に定めることも困難になる。このマルチパスによる困難は、GPS測位、レーダ目標識別など多くの応用でしばしば深刻な問題となっている。
【0011】
GPS衛星やレーダ送信機が送信する信号情報を受信機が予め知ることは可能である。例えば、GPS衛星は、長さ1023チップのゴールド・コードとして知られるものに属しているC/Aコードによって拡散されているが、この内容は予め公表されている。このコードm(t)を用いて、時刻tにおける送信信号s(t)は、下記の式(1)で表現される。

【0012】
ここで、Aは送信信号の複素振幅、iは虚数単位、ωは角振動数をそれぞれ表す。GPS信号を例に選んで説明しているが、式(1)で表現される、コードm(t)を用いて拡散された信号を利用する系に対して適用可能である。
【0013】
送信された信号を受信した受信機は、搬送波成分を取り除いたベースバンド信号を得る。時刻tにおける受信信号r(t)は、式(2)でモデル化される。

ここで、モデルとは、物理的な対象である信号に対応する、数学的な表現を指す。a、bを実数として、a+ibは受信信号の複素振幅、τは信号源から受信機までの信号伝達時間、n(t)は時刻tにおける雑音をそれぞれ表す。
【0014】
受信機が直接波とマルチパス波とをあわせてP波重畳した信号を受信した場合、受信信号は、式(3)によるP波モデルで表される。

ここで、ap+ibpとτpとは、第p番目の信号の複素振幅と伝達時間とをそれぞれ表す。(3)式が表すP波モデルは、これらP波のベースバンド信号に雑音が重畳した信号を表している。もしも、観測標本から、直接波の伝達時間の値が得られると、その値を利用して送信機と受信機との間の距離を得ることが可能になる。
【0015】
いま、十分に短い時間周期を持つ時刻tn(n=1,2,3,...,N)に於いて受信機のベースバンド信号の標本{r(tn)}nを採取したとする。ここでNは、標本数である。このとき、パラメータ値θP={{ap}p,{bp}p,{τp}p}を固定したときのP波モデルに基づく、確率密度関数の採取標本{r(tn)}nに対する値をfP({r(tn)}nP)と表す。この値をθPの関数と見なして、尤度関数と呼び、その自然対数を対数尤度関数と呼ぶ。その尤度関数値が最大になるパラメータ値θP,MLをパラメータの推定値に選ぶ方法が最尤法である。

【0016】
ここで、記号arg maxθg(θ)は、関数g(θ)を最大にする変数θの値を表す。マルチパス波以外の系統的な誤差を抑えた受信機に残る誤差要因は、熱雑音である。熱雑音とは、熱エネルギーによって生成された電磁波であり、その分布関数は、平均0標準偏差σのガウス分布で記述される。この熱雑音の確率密度分布関数から、(3)式のP波モデルにおける観測信号の確率密度分布関数は、式(5)で表される。

しかし、このP波モデルの分布関数に、最尤法を適用すると、波数Pが発散するという困難が発生する。
【0017】
P波モデルのパラメータのうち、第p番目の複素振幅を0(a+ib=0)に選ぶと、(P−1)波モデルに一致するから、P波モデルは、(P−1)波モデルを含む。従って、(P−1)波モデルの中で尤度を最大にするモデルは、P波モデルに含まれる。その結果、(P−1)波モデルの中で最大となる尤度値はP波モデルの尤度値に含まれる。従って、尤度を最大にするパラメータ値はより多くの波数を持つモデルの中に含まれことになり、最尤推定で選ばれるモデルの波数Pが発散するという困難が生じる。従って、予めマルチパス波の個数が決定できない環境では、単純な最尤法で直接波の伝達時間を推定することは不可能である。
【0018】
図1は、本発明のマルチパス抑制装置のブロック図である。モデル波数が発散する困難を克服するため、本発明では、図1に示す手段を利用する。信号取得手段1は、物理的な信号をアンテナ11で受信し、周波数変換手段12により周波数変換し、標本化手段13により標本化する。信号取得手段1では送信源から送信された信号を受信機で取得することになる。信号処理手段2は、信号取得手段1で得た標本をベースバンド信号変換手段21によってベースバンド信号に変換し、保存手段22に保存する。これらは、公知の技術を用いて構成して良い。信号分析手段3は、信号処理手段2で保存されたベースバンド信号に対して、波数を順次増加させたモデルのパラメータ空間において尤度関数最適化手段31により、尤度関数の最適化を実施する。この尤度関数最適化手段31は、ニュートン法など公知の技術で構成して良い。モデル評価選択手段32は、モデルの信頼度に基づいてモデルを比較し、選択する。ここで、信頼度とは、標本がそのモデルから採取された蓋然性を定量化したものである。出力手段4は、選択されたモデルに基づいて得た、直接波の伝達時間を含むパラメータ値を出力する。信号分析手段3では、信号にマルチパスが重畳する複数のモデルを仮定して、複数のモデルの中で信頼度の高いモデルに基づいて直接波の伝達時間を分析し、伝達時間を用いて送信源と受信機との間の距離を算出することになる。
【0019】
図2はマルチパス抑制装置のブロック図である。例えば、送信源となるGPS衛星から送信されるGPS信号を受信機のアンテナ11で受信する。受信した信号は、RF(Radio Frequency)モジュール52で中間周波数信号に周波数変換され、A/D変換機53において所定周期でデジタル信号としてサンプリングされる。サンプリングされた信号は、ベースバンド信号変換手段21によってベースバンド信号(上記の{r(tn)}nに当たる)に変換される。ベースバンド信号は保存手段22であるRAM57に保存される。信号処理分析手段3は、プログラムとしてROM56に保存され、CPU55で実行される。
【0020】
図3は、本発明のマルチパス抑制方式のフローチャートの図である。具体的なモデル選択のステップは、図3に示す以下のとおりである。波数パラメータをP=1と初期化する(ST10)。P波モデルパラメータに採取標本による最尤法を適用し、尤度関数の最適化をしてその結果を保存する(ST11)。(P+1)波モデルパラメータに採取標本で最尤法を適用し、結果を保存する(ST12)。P波モデルの信頼度と(P+1)波モデルの信頼度とをそれぞれ評価する(ST13)。もし、P波モデルの信頼度が、(P+1)波モデルの信頼度以上の場合には、P波モデルを選択する(ST13)。それ以外の場合には、波数パラメータPの値を1増加させる(ST14)。新たなPの値に対して、P+1波モデルパラメータに採取標本で最尤法を適用し、結果を保存する(ST12)。以下、終了まで繰り返す。信頼度の定義から、波数パラメータPの有限の値で停止すことになる。最後に、選択されたモデルのパラメータ最尤値、およびそれらを使って測距あるいは測位結果を出力して終了する(ST15)。
【0021】
本実施例でモデル比較手段32は、ベースバンド信号標本が採取されたとき、想定する各P波モデルMPからその信号標本が生成された確率、即ち事後確率p(MP|{r(tn)}n)の近似値を想定する各P波モデルで比較し、値の大きいモデルを信頼度が高いとして選択する。事後確率pは、採取信号{r(tn)}nが、P波モデルMPから生成された確率であり、P波モデルで採取データが生成される確率pP({r(tn)}n)と、P波モデルが生成する確率P(MP)とから導かれる式(6)で定義される条件付き確率のことをいう。

【0022】
ここで、P波モデルが生成する確率P(MP)は一定だと仮定し、さらに、標本数Nが大きいと仮定して、この事後確率を式(7)に示すベイズ型情報量規準

で近似しても良い。近似すると式(8)となる。

【0023】
この近似の妥当性は、非特許文献2の156頁の(6.19)式で記述されている。なお、本実施例では、ベイズ型情報量規準による事後確率値の近似を記載しているが、この近似方法に限定されるものではなく、事後確率値によってモデルの信頼度を評価できるものであればよい。マルチパスを含む信号生成モデルを複数利用し、それらの信頼度を評価し、信頼度の高いモデルを選択することで、波数が未定のマルチパスが重畳した受信信号に対しても、マルチパスを抑制することができる。しかも、最尤値とパラメータ数のみから、事後確率の大小を精度良く近似することが可能になり、モデルの信頼性を精度高く評価することが可能となり、マルチパス抑制の精度を高くすることができる。また、計算量を少なくすることができる。
【0024】
また、本実施の形態のマルチパス抑制装置を組み込み測距装置又は測位装置を構成することで、マルチパス抑制の精度が高い測距装置又は測位装置を得ることができる。
【0025】
図4は、実測データに対する第1到来波と第2到来波の伝達時間の図である。実際に屋外で採取したGPS信号に対して、適用した結果である。ここで、横軸は、計測開始からの経過時間、縦軸は伝達時間である。また、選択された波数モデルにおける第1到来波を点のマーカーで示し、2波以上モデルを選択した場合の第2到来波を十字のマーカーで示している。なお、第1到来波のコード遅延推定量における1次成分は消去し、第1到来波の平均コード遅延量を0としている。図から、およそ50m遅延したマルチパス波を識別できていることが分かるが、これは計測条件から妥当な値となっている。
【0026】
実施の形態2.
モデル比較手段32は、実施の形態1で利用した事後確率に代えて、本実施の形態では、標本から最尤法により得たパラメータ値を持つP波モデルの確率密度関数f({r(tn)}nML)と、標本の分布関数とのリスクRISKPを想定する各P波モデルで比較し、値の小さいモデルを信頼度が高いとして選択する。リスクRISKPは、最尤推定値を用いて、新たな標本値を採取したとき真の分布からずれる危険度を表しており、式(9)で定義される積分値のことをいう。

【0027】
ここで、表現rk=r(tk)を利用した。また、q(rk)(k=1,2,...,n)は、標本の分布関数を示す。標本数Nが大きいため、これらのリスクを赤池情報量規準(式10)

【0028】
で近似しても良い(式11)。

【0029】
この近似の妥当性は、非特許文献3の39〜45頁に記述されている。なお、本実施例では、赤池情報量規準によるリスク値の近似を記載しているが、この近似方法に限定されなるものではなく、信号の標本の分布を近似するリスク値を評価できるものであればよい。採取標本ベースバンド信号標本が採取されたとき、その信号が仮定したモデルから生成された事後確率を評価し、事後確率値の高いものを信頼度が高いとして選択することになる。
【0030】
マルチパスを含む信号生成モデルを複数利用し、それらの信頼度を評価し、信頼度の高いモデルを選択することで、波数が未定のマルチパスが重畳した受信信号に対しても、マルチパスを抑制することができる。赤池情報量規準を演算し、リスク値を近似することで、簡便な計算から、事後確率の大小を精度良く近似することが可能になり、モデルの信頼性を精度高く評価することが可能になり、マルチパス抑制の精度が高くなる。
【0031】
また、本実施の形態のマルチパス抑制装置を組み込み測距装置又は測位装置を構成することで、マルチパス抑制の精度が高い測距装置又は測位装置を得ることができる。
【0032】
実施の形態3.
実施の形態1及び2では、マルチパスを抑制して受信機と1個の送信源との距離を測位する方法について説明したが、複数の送信源から送信される信号の伝播遅延時間を用いて受信機の位置を算出することができる。また、測位をする場合には、送信源となる人工衛星は、少なくとも3個必要となる。4個の送信源から送信された信号を受信した場合には、受信機が備える内部時計の時間のオフセットを調整することができ、正確な測位が可能となる。これに対して、3個の送信源から送信された信号を受信した場合には、例えば、受信機側で地表面データを別途保有することで、正確な測位が可能となる。このように、信号取得手段1では少なくとも3個の送信源から信号を取得し、信号分析手段3では送信源と受信機との距離を測距して、その結果を用いて受信機の位置を測位することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施の形態1におけるマルチパス抑制装置のブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1におけるマルチパス抑制装置のブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1におけるマルチパス抑制方法のフローチャートの図である。
【図4】本発明の実施の形態1における、実測データに対する第1到来波と第2到来波の伝達時間の図である。
【符号の説明】
【0034】
1 信号取得手段、2 信号処理手段、3 信号分析手段、4 出力手段、11 アンテナ、12 周波数変換手段、13 標本化手段、21 ベースバンド信号変換手段、22 保存手段、31 尤度関数最適化手段、32 モデル評価選択手段、52 RFモジュール、53 A/D変換機、55 CPU、56 ROM、57 RAM。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信源から送信された信号を受信機で取得する信号取得手段と、
前記信号にマルチパスが重畳する複数のモデルを仮定して、前記複数のモデルの中で信頼度の高いモデルに基づいて直接波の伝達時間を分析し、前記伝達時間を用いて前記送信源と前記受信機との間の距離を算出する信号分析手段と、
前記信号分析手段で得られた結果を出力する出力手段とを備えたことを特徴とするマルチパス抑制装置。
【請求項2】
信号分析手段は、信号から生成される事後確率を複数のモデルで評価して、前記事後確率値の高いモデルを信頼度が高い前記モデルとして選択することを特徴とする請求項1に記載のマルチパス抑制装置。
【請求項3】
事後確率値は、ベイズ型情報量規準を演算して近似することを特徴とする請求項2に記載のマルチパス抑制装置。
【請求項4】
信号分析手段は、信号の標本の分布を近似するリスク値を複数のモデルで評価して、前記リスク値の低いモデルを信頼度が高い前記モデルとして選択することを特徴とする請求項1に記載のマルチパス抑制装置。
【請求項5】
リスク値は、赤池情報量規準を演算して近似することを特徴とする請求項4に記載のマルチパス抑制装置。
【請求項6】
信号取得手段は、少なくとも3個の送信源から信号を取得し、
信号分析手段は、算出した距離を用いて受信機の位置を測位することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のマルチパス抑制装置。
【請求項7】
送信源から送信された信号を受信機で取得する信号取得工程と、
前記信号にマルチパスが重畳する複数のモデルを仮定して、前記複数のモデルの中で信頼度の高いモデルに基づいて直接波の伝達時間を分析し、前記伝達時間を用いて前記送信源と前記受信機との間の距離を算出する信号分析工程と、
前記信号分析工程で得られた結果を出力する出力工程とを備えたことを特徴とするマルチパス抑制方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−219571(P2008−219571A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−55476(P2007−55476)
【出願日】平成19年3月6日(2007.3.6)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】