説明

メイクアップ化粧料

【課題】塗布時の延展性に優れ、自然なツヤ感を付与することができるとともに、ごわついた皮膜感や突っ張り感がなく、化粧もちに優れるメイクアップ化粧料の提供。
【解決手段】(A)水、(B)カルボキシル基含有皮膜形成ポリマーおよび(C)アミンアルキレンオキサイド付加物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有してなるメイクアップ化粧料とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メイクアップ化粧料に関する。尚、本発明のメイクアップ化粧料とは、マスカラ;アイライナー、アイブロー、アイシャドウ、口紅、ファンデーションなどの皮膚に適用するもの;マニキュア、ペディキュアなどの爪に用いるものを言う。
【背景技術】
【0002】
従来より、メイクアップ化粧料には、密着性を高め、化粧くずれを防止する観点から、種々の皮膜形成ポリマーが用いられている。中でも、化粧もちに優れるカルボキシル基を含有するアニオン性の皮膜形成ポリマーが汎用されている。しかしながら、化粧くずれを防止する有効な量のカルボキシル基含有皮膜形成ポリマーを配合すると、塗布時の延展性に劣り、ごわついた皮膜感や突っ張り感が生じるため、使用感に劣るといった問題がある。また、皮膜形成ポリマーのギラギラとした不自然なツヤが生じるといった問題もある。
【0003】
このような問題点を解決するために、皮膜形成ポリマーを含有するメイクアップ化粧料において、優れた使用感を付与し、化粧もち効果を向上させる試みがなされている。具体的には、特定の板状ポリマーおよび/又は粉体、特定の増粘剤、皮膜形成剤、液状油を含有するメイクアップ化粧料(例えば、特許文献1を参照)、特定のシリコーングラフト共重合アクリル樹脂、固形状物質、疎水化処理粉体を含有する乳化型メイクアップ化粧料(例えば、特許文献2を参照)、特定のエステル化合物、皮膜形成剤、無水ケイ酸を含有するアイメイクアップ化粧料(例えば、特許文献3を参照)などが提案されている。
【0004】
しかしながら、このような試みに拠って化粧もちをある程度持続させることはできるものの、塗布時の延展性に劣り、ごわついた皮膜感や突っ張り感のなさにおいて満足いくものではない。
【0005】
一方、自然なツヤを付与する試みもなされている。具体的には、光沢皮膜形成剤、増粘剤、ワックスを含有する高光沢マスカラ(例えば、特許文献4を参照)などが提案されている。しかしながら、このような試みに拠って自然なツヤを付与することはできるものの、化粧もちに劣るといった問題がある。
【0006】
【特許文献1】特開2001−294514号公報
【特許文献2】特開2002−212033号公報
【特許文献3】特開2008−56600号公報
【特許文献4】特表2003−521489号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、塗布時の延展性に優れ、自然なツヤ感を付与することができるとともに、ごわついた皮膜感や突っ張り感がなく、化粧もちに優れるメイクアップ化粧料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
即ち、請求項1に係る発明は、(A)水、(B)カルボキシル基含有皮膜形成ポリマーおよび(C)下記一般式(式1)で表されるアミンアルキレンオキサイド付加物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有してなるメイクアップ化粧料に関する。
【0009】
【化1】

(式中、Rは、炭素数8〜20のアルキル基若しくはアルケニル基又は下記一般式(式2)を示す。Rは、水素原子又はメチル基を示し、nは、1〜25の整数を示す。)
【0010】
【化2】

(式中、RおよびRは、式1と同じである。)
【0011】
請求項2に係る発明は、(B)成分を(C)成分により中和することを特徴とする請求項1記載のメイクアップ化粧料に関する。
【0012】
請求項3に係る発明は、マスカラ、アイライナー、アイシャドウ、又はマニキュアとして用いることを特徴とする請求項1又は2に記載のメイクアップ化粧料に関する。
【発明の効果】
【0013】
本発明のメイクアップ化粧料は、塗布時の延展性に優れ、自然なツヤ感を付与することができるとともに、化粧もちに優れるという効果を奏する。また、本発明のメイクアップ化粧料は、前記効果に加え、マスカラやマニキュアとして用いた場合、睫や爪上のごわついた皮膜感を抑えるという効果を奏する。また、アイライナー、アイシャドウとして用いた場合には、皮膚上の突っ張り感を抑えるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明のメイクアップ化粧料は、(A)水、(B)カルボキシル基含有皮膜形成ポリマーおよび(C)アミンアルキレンオキサイド付加物を含有する。
【0015】
(A)成分の水は、化粧料原料として使用できるものであれば特に限定はされないが、通常、精製水が用いられる。本発明における水の含有量は、所望の効果を発揮することができれば特に限定されないが、化粧料中、15〜98重量%の範囲で調製されることが好ましく、より好ましくは20〜95重量%である。
【0016】
(B)成分のカルボキシル基含有皮膜形成ポリマーの具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸アルキル・メタクリル酸ポリオキシエチレンアルキルエーテル共重合体、アクリル酸アルキル・ジアセトンアクリルアミド・アモジメチコン共重合体、アクリル酸アルキル・スチレン共重合体、アクリル酸アミド・スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸・アクリル酸2−エチルヘキシル・スチレン共重合体、アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体、(メタ)アクリル酸・アクリル酸アミド・(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸ヒドロキシエチル・アクリル酸メトキシエチル共重合体、(メタ)アクリル酸アルキル・(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル共重合体、アクリル酸オクチルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体、アクリル酸アルキル・オクチルアクリルアミド共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸/ネオデカン酸ビニル共重合体、アクリル酸アルキル・メタクリル酸・シリコン共重合体、アクリレーツ/アクリル酸ヒドロキシエステル共重合体、ビニルメチルエーテル/マレイン酸エチル共重合体、ビニルメチルエーテル/マレイン酸ブチル共重合体などを例示することができる。本発明においては、上記した共重合体を水性媒体に分散したエマルションを用いてもよい。これら成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組合せて用いることもできる。好適な(B)成分としては、化粧もちに優れる観点から、(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸アルキル・スチレン共重合体、アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体、アクリル酸アルキル・オクチルアクリルアミド共重合体を用いることが好ましい。尚、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」および「メタクリル」の双方を意味する。
【0017】
(B)成分の含有量は、所望の効果が充分に付与されるのであれば特に限定されないが、通常、整髪保持力の観点から、化粧料中、0.1重量%以上が好ましく、より好ましくは1重量%以上である。また、使用感の観点から、35重量%以下が好ましく、より好ましくは25重量%以下である。これらの観点から、(B)成分の含有量は、0.1〜35重量%が好ましく、より好ましくは1〜25重量%である。
【0018】
(B)成分のカルボキシル基含有皮膜形成ポリマーは、通常、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、アミノメチルプロパノールなどのアルカノールアミン類、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機塩基;アルギニンなどの塩基性アミノ酸などの塩基性物質により中和される。しかしながら、本発明においては、自然なツヤ感を付与するとともに、(B)成分特有のごわついた皮膜感や突っ張り感を低減する観点から、後述する(C)成分の特定のアミンアルキレンオキサイド付加物を用いて、(B)成分を中和することが好ましい。
【0019】
(C)成分のアミンアルキレンオキサイド付加物は、下記一般式(式1)で表される化合物である。
【0020】
【化3】

(式中、Rは、炭素数8〜20のアルキル基若しくはアルケニル基又は下記一般式(式2)を示す。Rは、水素原子又はメチル基を示し、nは、1〜25の整数を示す。)
【0021】
【化4】

(式中、RおよびRは、式1と同じである。)
【0022】
尚、上記(C)成分は、公知の方法により製造することができる。例えば、アルキルアミン、アルケニルアミンおよびこれらの混合物などのアミン化合物、若しくは、N−アルキル−1,3−ジアミノプロパン、N−アルケニル−1,3−ジアミノプロパンおよびこれらの混合物などのジアミン化合物に、アルキレンオキサイドを付加反応させることにより製造する方法などを例示することができる。
【0023】
具体的なアミン化合物としては、例えば、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、ノナデシルアミン、イコシルアミンなどのアルキルアミン;オクタデセニルアミン、オクタデカジエニルアミンなどのアルケニルアミン;牛脂アルキルアミン、硬化牛脂アルキルアミン、ヤシアルキルアミン、パームアルキルアミン、大豆アルキルアミンなどのアルキルアミンとアルケニルアミンの混合物などを例示することができる。これらアミン化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組合せて用いることもできる。
【0024】
具体的なジアミン化合物としては、例えば、N−オクチル−1,3−ジアミノプロパン、N−ノニル−1,3−ジアミノプロパン、N−デシル−1,3−ジアミノプロパン、N−ウンデシル−1,3−ジアミノプロパン、N−ドデシル−1,3−ジアミノプロパン、N−トリデシル−1,3−ジアミノプロパン、N−テトラデシル−1,3−ジアミノプロパン、N−ペンタデシル−1,3−ジアミノプロパン、N−ヘキサデシル−1,3−ジアミノプロパン、N−ヘプタデシル−1,3−ジアミノプロパン、N−オクタデシル−1,3−ジアミノプロパン、N−ノナデシル−1,3−ジアミノプロパン、N−イコシル−1,3−ジアミノプロパンなどのN−アルキル−1,3−ジアミノプロパン;N−オクタデセニル−1,3−ジアミノプロパン、N−オクタデカジエニル−1,3−ジアミノプロパンなどのN−アルケニル−1,3−ジアミノプロパン;N−牛脂アルキル−1,3−ジアミノプロパン、N−硬化牛脂アルキル−1,3−ジアミノプロパン、N−ヤシアルキル−1,3−ジアミノプロパン、N−パームアルキル−1,3−ジアミノプロパン、N−大豆アルキル−1,3−ジアミノプロパンなどのN−アルキル−1,3−ジアミノプロパンとN−アルケニル−1,3−ジアミノプロパンの混合物などを例示することができる。これらジアミン化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組合せて用いることもできる。
【0025】
アルキレンオキサイドを付加させるには、まず、アミン化合物をオートクレーブなどの耐圧容器に加え、窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガスで置換し、90〜140℃に昇温する。次いで、アミン化合物1モルに対し、1.5〜2モル(ジアミン化合物を用いた場合は、2.5〜3モル)のアルキレンオキサイドを1〜5時間かけて徐々に圧入させ、下記一般式(式3)で表される化合物を生成させる。
【0026】
【化5】

(式中、RおよびRは、式1と同じである。)
【0027】
次いで、必要モル数のアルキレンオキサイドを、70〜110℃の温度条件下で、先と同様に1〜10時間かけて徐々に圧入させることで、上記一般式(式1)で表されるアミンアルキレンオキサイド付加物とすることができる。また、付加反応の圧力条件は、特に限定されないが、温度管理や反応時間の観点から、0.1〜1MPaの条件下が好ましく、より好ましくは0.1〜0.5MPaである。
【0028】
付加させる好適なアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドを例示することができる。これらアルキレンオキサイドは、それぞれ単独で用いてもよく、組合せて用いることもできる。また、本発明においては、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドを併用する場合、ブロック状に付加されていても、ランダム状に付加されていても、何れの形態でも良い。
【0029】
また、上記付加反応においては、生産性の観点から、触媒を用いて反応させることが好ましい。用いられる触媒としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、N,N−ジエチルメチルアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノールなどの第3アルキルアミン;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化ルビジウムなどのアルカリ金属水酸化物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、セシウムメトキシド、セシウムエトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムクロライドなどを例示することができる。これら触媒の添加量は、特に限定されないが、生産性の観点から、原料の全仕込み量の0.01〜3重量%を添加させることが好ましい。
【0030】
上記の製造方法により得られうる具体的な(C)成分としては、例えば、ポリオキシエチレン(2)ヤシアルキルアミン、ポリオキシエチレン(15)ヤシアルキルアミン、ポリオキシエチレン(2)オレイルアミン、ポリオキシエチレン(10)オレイルアミン、ポリオキシエチレン(5)大豆アルキルアミン、ポリオキシエチレン(15)大豆アルキルアミン、ポリオキシエチレン(2)牛脂アルキルアミン、ポリオキシエチレン(15)牛脂アルキルアミン、ポリオキシエチレン(2)硬化牛脂アルキルアミン、ポリオキシエチレン(10)硬化牛脂アルキルアミンなどのアミンエチレンオキサイド付加物;ポリオキシプロピレン(2)ポリオキシエチレン(2)ココアルキルアミン、ポリオキシプロピレン(4)ポリオキシエチレン(4)ココアルキルアミン、ポリオキシプロピレン(8)ポリオキシエチレン(8)ココアルキルアミンなどのアミンエチレンオキサイドプロピレンオキサイド付加物;N,N’,N’−ポリオキシエチレン(3)−N−牛脂アルキル−1,3−ジアミノプロパン、N,N’,N’−ポリオキシエチレン(15)−N−牛脂アルキル−1,3−ジアミノプロパンなどのジアミンエチレンオキサイド付加物などを例示することができる。これら成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組合せて用いることもできる。尚、上記括弧内は、アルキレンオキサイドの付加モル数を表す。
【0031】
尚、本発明に用い得る(C)成分は、市販品をそのまま使用することもできる。アミンエチレンオキサイド付加物の市販品としては、例えば、エソミンC/12、C/25、O/12、O/20、S/15、S/25、T/12、T/25、HT/12、HT/20(商品名,何れもライオン・アクゾ社製)などを例示することができる。アミンエチレンオキサイドプロピレンオキサイド付加物の市販品としては、例えば、エソプロポミンC18/18(商品名,ライオン・アクゾ社製)などを例示することができる。ジアミンエチレンオキサイド付加物の市販品としては、例えば、エソデュオミンT/13、T/25(商品名,何れもライオン・アクゾ社製)などを例示することができる。
【0032】
(C)成分の含有量は、(B)成分の一部若しくは全部を中和することができる量であれば特に限定されないが、通常、化粧料中、0.01重量%以上が好ましく、より好ましくは0.1重量%以上である。また、使用感の悪化の観点から、70重量%以下が好ましく、より好ましくは60重量%以下である。これらの観点から、(B)成分の含有量は、0.01〜70重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜60重量%である。
【0033】
また、本発明のメイクアップ化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、上記した成分の他、化粧料に通常用いられる成分を適宜に配合することができる。例えば、無機粉体、有機粉体、有機顔料、パール顔料などの粉体;油脂、ロウ類、炭化水素、シリコーン類、脂肪酸エステル、高級アルコール、高級脂肪酸などの油性成分;非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤の各種界面活性剤;低級アルコール、多価アルコール、糖類、ステロール類などのアルコール類;増粘剤;紫外線吸収剤;酸化防止剤;金属イオン封鎖剤;防腐剤;動植物抽出物、酸・アルカリなどの添加成分を例示することができる。
【0034】
具体的な無機粉体としては、例えば、タルク、カオリン、マイカ、セリサイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、窒化ホウ素、ヒドロキシアパタイト、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、群青、群青ピンク、紺青、酸化クロム、酸化コバルト、カーボンブラック、アルミナなどを例示することができる。
【0035】
具体的な有機粉体としては、例えば、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、シリコーンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタンパウダー、セルロース、シルクパウダー、ナイロンパウダー、アクリルパウダー、ラウロイルリジン、スチレン・アクリル酸共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂などを例示することができる。
【0036】
具体的な有機顔料としては、例えば、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色213号、赤色214号、赤色215号、赤色218号、赤色223号、赤色226号、赤色227号、赤色230号、赤色231号、赤色232号、赤色401号、赤色404号、赤色405号、赤色501号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、赤色505号、赤色506号、黄色4号、黄色5号、黄色201号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色402号、黄色403号、黄色404号、黄色405号、黄色406号、黄色407号、緑色3号、緑色201号、緑色202号、緑色204号、緑色205号、緑色402号、青色1号、青色2号、青色201号、青色204号、青色205号、青色403号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色205号、橙色206号、橙色207号、橙色401号、橙色402号、橙色403号、紫色201号、紫色401号、黒色401号などを例示することができる。尚、有機顔料としては、上記した酸性染料、塩基性染料などの染料の他、染料のアルミニウムなどのレーキ顔料などであっても良い。
【0037】
具体的なパール顔料としては、例えば、雲母チタン、ベンガラ被覆雲母、ベンガラ被覆雲母チタン、酸化チタン被覆シリカ、(PET/ポリオレフィン)ラミネート、(PET/Al/エポキシ樹脂)ラミネート、ホウケイ酸(Ca/Na)などを例示することができる。
【0038】
油性成分としては、例えば、オリーブ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、アボカド油などの油脂;カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ホホバ油、ミツロウ、ラノリンなどのロウ類;流動パラフィン、パラフィン、ワセリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、スクワレン、スクワランなどの炭化水素;メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロペンタシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサンなどのシリコーン類;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、2−エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセロール、オレイン酸2−オクチルドデシル、トリイソステアリン酸グリセロール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセロール、オレイン酸2−オクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、トリイソステアリン酸グリセロール、2−エチルヘキサン酸ジグリセリドなどの脂肪酸エステル;セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、オレイルアルコールなどの高級アルコール類;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸などの高級脂肪酸などを例示することができる。
【0039】
界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ヒマシ油、硬化ヒマシ油およびこれらのアルキレンオキシド付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノール、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチレンステロールおよびその誘導体、ポリオキシエチレンラノリンおよびその誘導体、ポリオキシエチレンミツロウ誘導体、シュガーエステル類などの非イオン界面活性剤;高級脂肪酸石鹸、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルリン酸エステル、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−アシル−N−メチル−β−アラニン塩、N−アシルグリシン塩、N−アシルグルタミン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルカルボン酸塩、アルキルフェニルエーテルスルホン酸塩、N−アシルサルコシンおよびその塩、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸塩などの陰イオン界面活性剤;アルキルアミン塩、脂肪酸アミドアミン塩、エステル含有3級アミン塩などのアミン塩、モノアルキル型4級アンモニウム塩、ジアルキル型4級アンモニウム塩、トリアルキル型4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム型4級アンモニウム塩などのアルキル4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩などの環式4級アンモニウム塩、塩化ベンゼエトニウムなどの陽イオン界面活性剤;アルキルグリシン塩、カルボキシメチルグリシン塩、N−アシルアミノエチル−N−2−ヒドロキシエチルグリシン塩などのグリシン型両性界面活性剤、アルキルアミノプロピオン酸塩、アルキルイミノジプロピオン酸塩などのアミノプロピオン酸型両性界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアミノ酢酸ベタイン型両性界面活性剤、アルキルヒドロキシスルホベタインなどのスルホベタイン型両性界面活性剤などの両性界面活性剤などを例示することができる。
【0040】
アルコール類としては、例えば、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどの低級アルコール;1,3−ブタンジオール、グリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどの多価アルコール類;ソルビトール、マンニトール、グルコース、ショ糖、キシリトール、ラクトース、トレハロースなどの糖類;コレステロール、フィトステロールなどのステロール類などを例示することができる。
【0041】
増粘剤としては、例えば、ベントナイト、スメクタイトの他、バイデライト系、ノントロナイト系、サポナイト系、ヘクトライト系、ソーコナイト系、スチーブンサイト系などの粘度鉱物;カラギーナン、グアーガム、キサンタンガム、アラビアガム、カラヤガム、トラガントガム、デキストラン、アミロース、アミロペクチン、アガロース、プルラン、コンドロイチン硫酸、ペクチン酸ナトリウム、アルギン酸、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの水溶性多糖類;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどのビニル系高分子などを例示することができる。
【0042】
紫外線吸収剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸モノグリセリンエステルなどの安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸メチル、ホモメンチル−N−アセチルアントラニレートなどのアントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸メチルなどのサリチル酸系紫外線吸収剤;パラメトキシケイ皮酸オクチル、エチル−4−イソプロピルシンナメートなどのケイ皮酸系紫外線吸収剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤;アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ベンジルサリシレートなどのサリチル酸系紫外線吸収剤;ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルなどのウロカニン酸系紫外線吸収剤などを例示することができる。
【0043】
酸化防止剤としては、例えば、α−トコフェロールおよびその誘導体、アスコルビン酸およびその誘導体、エリソルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類、亜硫酸、重亜硫酸、チオ硫酸、チオ乳酸、チオグリコール酸、L−システイン、N−アセチル−L−システインなどを例示することができる。
【0044】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、エデト酸塩、リン酸、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、アラニン、シュウ酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸、1,2−ジアミノシクロヘキサン−四酢酸、N−オキシエチルエチレンジアミン−三酢酸、エチレングリコールビス−四酢酸、エチレンジアミン−四プロピオン酸、1−ヒドロキシヘキサン−1,1−ジホスホン酸、ホスホノ酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸、エチレンジアミン二酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸などを例示することができる。
【0045】
防腐剤としては、例えば、メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベンなどのパラベン類、イソプロピルメチルフェノール、グルコン酸クロルヘキシジン液、トリクロロカルバニリド、フェノキシエタノール、石炭酸、ヘキサクロロフェンなどのフェノール類、安息香酸およびその塩、ウンデシレン酸、サリチル酸、ソルビン酸およびその塩、デヒドロ酢酸およびその塩、感光素101号、感光素201号、感光素401号、ヒノキチオール、トリクロサンなどを例示することができる。
【0046】
本発明のメイクアップ化粧料は、マスカラ;アイライナー、アイブロー、アイシャドウ、口紅、ファンデーションなどの皮膚に適用するもの;マニキュア、ペディキュアなどの爪に適用するものとして用いることができる。中でも、ごわついた皮膜感や突っ張り感がなく、化粧もちに優れることから、マスカラ、アイライナー、アイシャドウ、マニキュアとして好適に用いることができる。
【実施例】
【0047】
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
【0048】
(試料の調製1)
表1および表2に記した組成に従い、各メイクアップ化粧料を常法に準じてマスカラとして調製後、下記評価に供した。結果をそれぞれ表1および表2に併記する。尚、配合量は、特記しない限り「重量%」を表す。
【0049】
(試験例1:延展性の評価)
マスカラを施していない女性専門パネル20名により、実施例および比較例で得られた各試料を実際に睫に塗布してもらい、「塗布時の延展性」を下記評価基準に従って官能評価した。
【0050】
<延展性の評価基準>
○:20名中16名以上が延びに優れると回答
△:20名中10〜15名が延びに優れると回答
×:20名中9名以下が延びに優れると回答
【0051】
(試験例2:ツヤ感の評価)
同評価パネルにより、試験例1の評価5分後の睫の「ツヤ感」について、下記の評価基準に従って官能評価した。
【0052】
<ツヤ感の評価基準>
○:20名中16名以上が自然なツヤ感があると回答
△:20名中10〜15名が自然なツヤ感があると回答
×:20名中9名以下が自然なツヤ感があると回答
【0053】
(試験例3:皮膜感および化粧もちの評価)
同評価パネルにより、試験例2の評価2時間後の「皮膜感」および「化粧もち」について下記の評価基準に従って官能評価した。
【0054】
尚、「皮膜感」の評価は、評価パネルにより、瞬きを10回してもらい、瞬き中に「ごわついた皮膜感」を感じるか否かで評価した。
【0055】
<皮膜感の評価基準>
○:20名中16名以上がごわついた皮膜感はないと回答
△:20名中10〜15名がごわついた皮膜感はないと回答
×:20名中9名以下がごわついた皮膜感はないと回答
【0056】
<化粧もちの評価基準>
○:20名中16名以上が塗布時の睫の形状が維持されていると回答
△:20名中10〜15名が塗布時の睫の形状が維持されていると回答
×:20名中9名以下が塗布時の睫の形状が維持されていると回答
【0057】
【表1】

【0058】
【表2】

【0059】
表1および表2に示された結果から、各実施例のメイクアップ化粧料は、各比較例のものと対比して、塗布時の延展性に優れ、自然なツヤ感を付与することができるとともに、ごわついた皮膜感や突っ張り感がなく、化粧もちに優れていることが分かる。
【0060】
以下に示す実施例4のアイシャドウおよび実施例5のアイライナーを調製し、下記評価に供した。結果を表3に記する。尚、含有量は重量%である。
【0061】
(実施例4:アイシャドウ)
酸化チタン 5.0
マイカ 4.0
タルク 10.0
無水ケイ酸 2.0
群青ピンク 1.0
黄酸化鉄 2.2
ベンガラ被覆雲母チタン 9.0
アクリル酸アルキル・オクチルアクリルアミド共重合体 5.0
ポリオキシエチレンアルキル(C8−C18)アミン 10.0
メチルセルロース 1.5
1,3−ブチレングリコール 7.0
エデト酸二ナトリウム 0.3
メチルパラベン 0.3
精製水 42.7
合 計 100.0
【0062】
(実施例5:アイライナー)
黒酸化鉄 15.0
ベントナイト 0.5
アクリル酸アルキル・オクチルアクリルアミド共重合体 5.0
ポリオキシプロピレンポリオキシエチレン
アルキル(C8−C18)アミン 12.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
ポリメチルシルセスキオキサン 2.0
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20E.O.) 4.0
エデト酸二ナトリウム 0.3
メチルパラベン 0.3
精製水 55.9
合 計 100.0
【0063】
(試験例4:延展性およびツヤ感の評価)
アイシャドウおよびアイライナーを施していない女性評価パネル20名に実際に使用してもらい、上記試験例1および試験例2と同様に、「塗布時の延展性」および「ツヤ感」について官能評価を行った。
【0064】
(試験例5:突っ張り感および化粧もちも評価)
同評価パネルにより、試験例4の評価2時間後の「突っ張り感」および「化粧もち」について下記の評価基準に従って官能評価した。
【0065】
尚、「突っ張り感」の評価は、評価パネルにより、瞬きを10回してもらい、瞬き中の「皮膚の突っ張り」について評価した。また、「化粧もち」の評価は、瞬き後、コットンで押さえつけてもらい、コットンへの色移りがあるか否かで評価した。
【0066】
<突っ張り感の評価基準>
○:20名中16名以上が突っ張り感はないと回答
△:20名中10〜15名が突っ張り感はないと回答
×:20名中9名以下が突っ張り感はないと回答
【0067】
<化粧もちの評価基準>
○:20名中16名以上がコットンへの色移りはないと回答
△:20名中10〜15名がコットンへの色移りはないと回答
×:20名中9名以下がコットンへの色移りはないと回答
【0068】
【表3】

【0069】
試験の結果、実施例4のアイシャドウおよび実施例5のアイライナーは、塗布時の延展性に優れ、自然なツヤ感を付与することができるとともに、瞬きした時の突っ張り感がなく、化粧もちに優れていることが分かる。
【0070】
以下に示す実施例6のマニキュアを調製し、下記評価に供した。結果を表4に記する。尚、含有量は重量%である。
【0071】
(実施例6:マニキュア)
アクリル酸アルキル・オクチルアクリルアミド共重合体 35.0
N,N’,N’−ポリオキシエチレン−N−アルキル(C14−C18)
−1,3−ジアミノプロパン 16.0
トリエタノールアミン 10.0
モノステアリン酸グリセリン 2.0
エタノール 8.0
1,3−ブチレングリコール 1.0
ジメチルポリシロキサン 0.02
キサンタンガム 0.3
赤色226号 2.0
マイカ 5.0
黄酸化鉄 0.5
メチルパラベン 0.3
精製水 19.88
合 計 100.0
【0072】
(試験例6:延展性およびツヤ感の評価)
マニキュアを施していない女性評価パネル20名に実際に使用してもらい、上記試験例1および試験例2と同様に、「塗布時の延展性」および「ツヤ感」について官能評価を行った。
【0073】
(試験例7:皮膜感および化粧もちの評価)
同評価パネルにより、試験例6の評価2時間後の「皮膜感」および「化粧もち」について下記の評価基準に従って官能評価した。
【0074】
尚、「皮膜感」の評価は、評価パネルにより、爪に触れてもらい、「ごわついた皮膜感」があるか否かで評価した。また、「化粧もち」の評価は、塗布時のツヤ感が持続しているか否かで評価した。
【0075】
<皮膜感の評価基準>
○:20名中16名以上がごわついた皮膜感はないと回答
△:20名中10〜15名がごわついた皮膜感はないと回答
×:20名中9名以下がごわついた皮膜感はないと回答
【0076】
<化粧もちの評価基準>
○:20名中16名以上が塗布時のツヤ感が維持していると回答
△:20名中10〜15名が塗布時のツヤ感が維持していると回答
×:20名中9名以下が塗布時の睫のツヤ感が維持していると回答
【0077】
【表4】

【0078】
試験の結果、実施例6のマニキュアは塗布時の延展性に優れるとともに、自然なツヤ感があり、ごわついた皮膜感がなく、化粧もちに優れるものであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)水、(B)カルボキシル基含有皮膜形成ポリマーおよび(C)下記一般式(式1)で表されるアミンアルキレンオキサイド付加物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有してなるメイクアップ化粧料。
【化1】

(式中、Rは、炭素数8〜20のアルキル基若しくはアルケニル基又は下記一般式(式2)を示す。Rは、水素原子又はメチル基を示し、nは、1〜25の整数を示す。)
【化2】

(式中、RおよびRは、式1と同じである。)
【請求項2】
(B)成分を(C)成分により中和することを特徴とする請求項1記載のメイクアップ化粧料。
【請求項3】
マスカラ、アイライナー、アイシャドウ、又はマニキュアとして用いることを特徴とする請求項1又は2に記載のメイクアップ化粧料。

【公開番号】特開2010−83817(P2010−83817A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−255544(P2008−255544)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(390011442)株式会社マンダム (305)
【Fターム(参考)】