説明

メモリカード用アダプタ

【課題】部品点数を増やすことなくソケット用コンタクト部を短絡でき、その上、ソケット用コンタクト部を確実に規定の順番でソケットの端子に接続できるメモリカード用アダプタを提供することにある。
【解決手段】メモリカード用アダプタ1は、メモリカードとソケットとを電気的に接続するコンタクトブロック3を備え、コンタクトブロック3は、前面側に設けられた接触面41によりソケットの端子に接続されるソケット用コンタクト部4と、ソケット用コンタクト部4間を短絡する短絡部7と、インサート成形により形成されてソケット用コンタクト部4の接触面41を露出するとともに短絡部7を埋設する形でこれらを保持する保持部9とを備え、短絡部7は、ソケット用コンタクト部4におけるソケットへの接続方向側の端面40から一体に延設されるとともに、前面7aが接触面41よりも後方に位置するように構成されてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリカードを当該メモリカードよりも外形が大きい大型メモリカード用のソケットに接続するためのメモリカード用アダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機や、PDAなどの機器の小型化に伴って、SDメモリカードや、マルチメディアカード(MMC)などのメモリカードの小型化が望まれており、例えば、SDメモリカードの外形を一回り小さくしたミニSDメモリカードや、SDメモリカードの外形をさらに一回り(ミニSDメモリカードの外形を一回り)小さくしたマイクロSDメモリカードが提供されている。
【0003】
ここで、ミニSDメモリカードは、SDメモリカードよりも外形が小さいので、SDメモリカード用のソケットに直接的に接続できず、また、マイクロSDメモリカードは、ミニSDメモリカードよりも外形が小さいので、ミニSDメモリカードやSDメモリカード用のソケットに直接的に接続できない。
【0004】
そこで、メモリカードを当該メモリカードよりも外形が大きい大型のメモリカード用のソケットに接続可能とするメモリカード用アダプタが提案されている。
【0005】
この種のメモリカード用アダプタは、大型メモリカードの外形と同サイズの箱状に形成され、側面に開口したカード挿入口を通してメモリカードが挿抜されるアダプタ本体と、アダプタ本体に収納されてメモリカードとソケットとの電気的接続に用いられるコンタクトブロックとを備えている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0006】
ここで、コンタクトブロックは、ソケットへの接続方向に直交する厚み方向における一端側に設けられた接触面によりソケットの複数の端子それぞれに電気的に接続される複数のソケット用コンタクト部と、メモリカードの複数の端子それぞれに電気的に接続される複数のメモリカード用コンタクト部とを備え、ソケット用コンタクト部とメモリカード用コンタクト部とは、メモリカードおよび大型メモリカードそれぞれの端子配列に基づいて電気的に接続される。
【0007】
例えば、特許文献1,2それぞれには、ミニSDメモリカードをSDメモリカード用のソケットに接続するためのメモリカード用アダプタが例示されている。ここで、SDメモリカードは9つの端子を備え、そのうちの2つがグランド用の端子となっている。また、ミニSDメモリカードは、SDメモリカードと同様の9つの端子に予備の端子を2つ加えた合計11の端子を備えている。
【0008】
したがって、ミニSDメモリカードを、ミニSDメモリカードより大型のメモリカードであるSDメモリカード用のソケットに接続するためのメモリカード用アダプタでは、ソケット用コンタクト部と、メモリカード用コンタクト部とが、一対一対応で電気的に接続される。
【0009】
一方、マイクロSDメモリカードでは、SDメモリカードと同様の9つの端子から2つあるグランド用の端子の一方が省略されているので、マイクロSDメモリカードは合計8つの端子を備えている。そのため、マイクロSDメモリカードをミニSDメモリカード(あるいはSDメモリカード)用のソケットに接続するためのメモリカード用アダプタでは、グランド用の端子に相当する2つのソケット用コンタクト部の両方を、マイクロSDメモリカードのグランド用の端子に接続されるメモリカード用コンタクト部に電気的に接続する、すなわち上記2つのソケット用コンタクト部間を短絡する必要がある。
【0010】
ここで、SDメモリカードおよびミニSDメモリカードでは、2つのグランド用の端子が隣接していないため、これらを一体に形成して短絡することは難しく、上記2つのソケット用コンタクト部間を短絡するにあたっては、当該2つのソケット用コンタクト部を短絡ための短絡部となる導電部材を新たに設ける必要があった。
【0011】
このように導電部材を新たに設けた場合、部品点数が増え、これに伴って導電部材を組み込む作業が必要になり、その結果、製造コストが増えるという問題が生じていた。
【0012】
かかる問題点に鑑み、部品点数を増やすことなくソケット用コンタクト部を短絡可能としたメモリカード用アダプタが提案されている(例えば、特許文献3)。
【0013】
この特許文献3におけるコンタクトブロックでは、ソケット用コンタクト部間を短絡する短絡部が、ソケットへの接続方向側のソケット用コンタクト部の端面から一体に延設されている。また、コンタクトブロックは、インサート成形により形成されて複数のソケット用コンタクト部の上記接触面および複数のメモリカード用コンタクト部を露出するとともに短絡部を埋設する形で複数のソケット用コンタクト部および複数のメモリカード用コンタクト部および短絡部を保持する保持部を備えている。
【特許文献1】特開2004−272704号公報
【特許文献2】特開2004−280718号公報
【特許文献3】特開2005−242448号公報(段落番号〔0019〕〜〔0021〕、および図1,4参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ところで、上記のようなメモリカードでは、メモリカードの端子がソケットの端子に接続される順番が規定されていること(つまり、シーケンス構造を有していること)が好ましい。例えば、データ伝送用の端子よりも先に、グランド用の端子がソケットの端子に接続されることが好ましい。
【0015】
ここで、ソケットへの装着時に当該ソケットの端子に接続されるソケット用コンタクト部の順番は、ソケット用コンタクト部の上記端面の位置をソケットへの接続方向に沿った方向において異ならせることによって規定される。
【0016】
そのため、上記特許文献3に示すメモリカード用アダプタのように、ソケット用コンタクト部間を短絡する短絡部がソケット用コンタクト部の上記端面から一体に延設されていると、ソケット用コンタクト部の接触面が保持部形成用の樹脂材料によって覆われたり、短絡部の一部が保持部から露出したりするおそれがあり、その結果、ソケット用コンタクト部を規定の順番でソケットの端子に接続することができない(つまり、所望のシーケンス構造が得られない)という問題が生じていた。
【0017】
本発明は上述の点に鑑みて為されたもので、その目的は、部品点数を増やすことなくソケット用コンタクト部を短絡でき、その上、ソケット用コンタクト部を確実に規定の順番でソケットの端子に接続できるメモリカード用アダプタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上述の課題を解決するために、請求項1の発明では、メモリカードよりも外形が大きい大型メモリカード用のソケットに上記メモリカードを電気的かつ機械的に接続する際に利用されるメモリカード用アダプタであって、上記大型メモリカードの外形と同サイズの箱状に形成され側面に開口したカード挿入口を通して上記メモリカードが挿抜されるアダプタ本体と、アダプタ本体に収納されて上記メモリカードと上記ソケットとの電気的接続に用いられるコンタクトブロックとを備え、コンタクトブロックは、上記ソケットへの接続方向に直交する厚み方向における一端側に設けられた接触面により上記ソケットの複数の端子それぞれに電気的に接続される複数のソケット用コンタクト部と、上記メモリカードの複数の端子それぞれに電気的に接続される複数のメモリカード用コンタクト部と、上記メモリカードおよび上記大型メモリカードそれぞれの端子配列に基づいてソケット用コンタクト部同士を電気的に接続する短絡部と、インサート成形により形成されて複数のソケット用コンタクト部の上記接触面および複数のメモリカード用コンタクト部を露出するとともに短絡部を埋設する形で複数のソケット用コンタクト部および複数のメモリカード用コンタクト部および短絡部を保持する保持部とを備え、複数のメモリカード用コンタクト部は、上記メモリカードおよび上記大型メモリカードそれぞれの端子配列に基づいてソケット用コンタクト部に電気的に接続され、複数のソケット用コンタクト部は、上記ソケットへの接続方向側の端面の位置を上記接続方向に沿った方向において異ならせることで、上記ソケットへの装着時に当該ソケットの端子に接続される順番が規定され、短絡部は、ソケット用コンタクト部の上記端面から一体に延設されるとともに、上記厚み方向における一端側の面がソケット用コンタクト部の上記接触面よりも上記厚み方向における他端側に位置するように構成されてなることを特徴とする。
【0019】
請求項1の発明によれば、ソケット用コンタクト部同士を電気的に接続して短絡する短絡部を、ソケット用コンタクト部におけるソケットへの接続方向側の端面から一体に延設しているので、ソケット用コンタクト部を短絡するための導電部材を新たに設けなくて済むから、部品点数を増やすことなくソケット用コンタクト部を短絡できる。その上、短絡部は、厚み方向における一端側を向いた面が、ソケット用コンタクト部の上記厚み方向における一端側の面からなる接触面よりも、上記厚み方向における他端側に位置しているので、保持部の形成時に保持部形成用の樹脂材料が短絡部を伝ってソケット用コンタクト部の接触面に到達し難くなるから、接触面が保持部形成用の樹脂材料で覆われることを防止できるとともに短絡部の一部が保持部から露出することを防止でき、その結果、ソケット用コンタクト部の接触面を設計どおりに保持部9から露出させることができるようになり、ソケット用コンタクト部を確実に規定の順番でソケットの端子に接続できる。また、ソケット用コンタクト部に一体に形成された短絡部が保持部に埋設されているから、短絡部が設けられたソケット用コンタクト部が保持部から剥離してしまうことを抑制できる。
【0020】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、短絡部は、2つのソケット用コンタクト部同士を電気的に接続するように構成され、上記2つのソケット用コンタクト部の上記端面それぞれから上記接続方向に沿って延設され先端部の位置が揃えられた一対の延設部と、ソケット用コンタクト部の上記接触面に平行する面内で上記ソケットへの接続方向と直交する幅方向を長手方向とする形に形成され一対の延設部を一体に連結する連結部とを備え、一対の延設部は、いずれもソケット用コンタクト部の上記端面との距離が所定値となる部位で折曲され、連結部には、一対の延設部の長さの違いに応じて圧延されて上記幅方向を長手方向とする形に連結部の形状を維持する圧延部が形成されてなることを特徴とする。
【0021】
請求項2の発明によれば、短絡部により短絡するソケット用コンタクト部の端面の位置が異なっていても、連結部を、ソケット用コンタクト部の接触面に平行する面内でソケットへの接続方向と直交する幅方向を長手方向とする形状に維持できるから、連結部が上記幅方向を長手方向とする形状となるように延設部を折曲することにより、延設部を折曲する部位を間違ってしまうことを防止できる。
【0022】
請求項3の発明では、請求項1または2の発明において、短絡部は、上記厚み方向においてソケット用コンタクト部と重なる形に折曲された状態で、保持部に埋設されていることを特徴とする。
【0023】
請求項3の発明によれば、短絡部により短絡しないソケット用コンタクト部と、短絡部との絶縁距離を確保でき、その上、短絡部が設けられたソケット用コンタクト部が保持部から剥離してしまうことをさらに抑制できる。
【0024】
請求項4の発明では、請求項1〜3のうちいずれか1項の発明において、短絡部が設けられていないソケット用コンタクト部の上記端面には保持部に埋設される剥離防止部が一体に突設され、剥離防止部は、上記厚み方向における他端側に折曲されるとともに、上記厚み方向における一端側の面が、上記接触面よりも上記厚み方向における他端側に位置するように構成されていることを特徴とする。
【0025】
請求項4の発明によれば、短絡部が設けられていないソケット用コンタクト部が保持部から剥離してしまうことを抑制できる。その上、剥離防止部は、厚み方向における一端側を向いた面が、ソケット用コンタクト部の上記厚み方向における一端側の面からなる接触面よりも、上記厚み方向における他端側に位置しているので、保持部の形成時に保持部形成用の樹脂材料が剥離防止部を伝ってソケット用コンタクト部の接触面に到達し難くなるから、接触面が保持部形成用の樹脂材料で覆われることを防止できるとともに剥離防止部の一部が保持部から露出することを防止でき、その結果、ソケット用コンタクト部の接触面を設計どおりに保持部から露出させることができるようになり、ソケット用コンタクト部を確実に規定の順番でソケットの端子に接続できる。
【0026】
請求項5の発明では、請求項1〜4のうちいずれか1項の発明において、メモリカード用コンタクト部には、上記メモリカードの端子に接触される接触ばね片が設けられ、上記接触ばね片は、メモリカード用コンタクト部における上記接続方向側とは反対側の部位から上記接続方向側に向かって延設されてなることを特徴とする。
【0027】
請求項5の発明によれば、メモリカード用コンタクト部における上記接続方向側の部位から接触ばね片を延設する場合に比べれば、メモリカード用コンタクト部における上記接続方向側の部位とその反対側の部位との間の距離だけばね長を長くできるから、狭いスペースでも所望のばね力を確保できる。
【0028】
請求項6の発明では、請求項5の発明において、接触ばね片は、上記接続方向側にいくにつれてアダプタ本体に収納されたメモリカードに近接する形に形成されてなることを特徴とする。
【0029】
請求項6の発明によれば、メモリカードの端子に接触ばね片が接触し易くなるとともに、所定の接圧が確保できるようになるから、メモリカード用コンタクト部とメモリカードの端子との接触信頼性が向上する。
【0030】
請求項7の発明では、請求項1〜6のうちいずれか1項の発明において、アダプタ本体におけるメモリカード用コンタクト部とカード挿入口との間には、メモリカード用コンタクト部におけるカード挿入口側の端面と上記メモリカードとの接触を防止するリブが形成されていることを特徴とする。
【0031】
請求項7の発明によれば、メモリカード用コンタクト部におけるカード挿入口側の端面に、メモリカードが衝突して、メモリカード用コンタクト部が折れ曲がって(座屈して)しまうことを防止できる。
【発明の効果】
【0032】
本発明は、部品点数を増やすことなくソケット用コンタクト部を短絡でき、その上、ソケット用コンタクト部を確実に規定の順番でソケットの端子に接続できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明の一実施形態のメモリカード用アダプタ(以下、単に「アダプタ」と称する)1は、図2に示すように、メモリカード(本実施形態では、マイクロSDメモリカード)100(図4参照)を、当該メモリカード100よりも外形が大きい大型メモリカード(本実施形態では、ミニSDメモリカード)用のソケット(図示せず)に接続する際に利用されるものである。なお、以下の説明では、説明の簡略化のため、特に断りが無い場合、図2における矢印a−b方向を前後方向、矢印c−d方向を左右方向、矢印e−f方向を奥行き方向として説明する。
【0034】
本実施形態のアダプタ1は、図2に示すように、大型メモリカードの外形と同サイズの箱状に形成され、側面(図2に矢印fで示す手前側の面)に開口したカード挿入口2aを通してメモリカード100が挿抜されるアダプタ本体2と、アダプタ本体2に収納されてメモリカード100と上記ソケットとの電気的接続に用いられるコンタクトブロック3とを備えている。
【0035】
コンタクトブロック3は、図1(a)および図5(a),(b)に示すように、導電部として、上記ソケットへの接続方向(図2に矢印eで示す奥方向)に直交する厚み方向(図2に矢印a,bで示す前後方向)における一端側(つまり前方)に設けられた接触面41により上記ソケットの複数の端子それぞれに電気的に接続される長尺板状の複数のソケット用コンタクト部4と、メモリカード100の複数の端子それぞれに電気的に接続される長尺板状の複数のメモリカード用コンタクト部5と、メモリカード100および上記大型メモリカードそれぞれの端子配列に基づいてソケット用コンタクト部4同士を電気的に接続(ソケット用コンタクト部4間を短絡)する短絡部7とを備えている。
【0036】
また、コンタクトブロック3は、図7(a),(b)に示すように、絶縁部として、インサート成形により形成されて、複数のソケット用コンタクト部4の接触面41および複数のメモリカード用コンタクト部5を露出するとともに短絡部7を埋設する形で複数のソケット用コンタクト部4および複数のメモリカード用コンタクト部5および短絡部7を保持する保持部9とを備えている。
【0037】
ところで、本実施形態のアダプタ1は、マイクロSDメモリカードをミニSDメモリカード用のソケットに接続するためのものであるから、上記ソケットの端子は11あり、これに伴って、コンタクトブロック3は11のソケット用コンタクト部4を備えている。なお、以下の説明では、必要に応じて11のソケット用コンタクト部4を区別するために、ソケット用コンタクト部4を左側から符号4A〜4Kで表す。
【0038】
また、本実施形態におけるメモリカード100は、マイクロSDメモリカードであり、マイクロSDメモリカードは、左右方向に所定間隔で並べられた8つの端子を備えており、これに伴って、コンタクトブロック3は8つのメモリカード用コンタクト部5を備えている。なお、以下の説明では、必要に応じて8つのメモリカード用コンタクト部5を区別するために、メモリカード用コンタクト部5を左側から符号5A〜5Hで表す。
【0039】
ソケット用コンタクト部4A〜4Kは、上記ソケットの複数の端子それぞれに対応する形(すなわち上記ソケットの複数の端子と同ピッチで、奥行き方向を長さ方向として左右方向)に並ぶ形に設けられており、このソケット用コンタクト部4は、上記接触面41が上記ソケットの端子に接触することによって、上記ソケットの端子に電気的に接続される。また、ソケット用コンタクト部4A〜4Kは、上記ソケットへの接続方向側(すなわち図2に示す矢印e方向)の端面40の位置を上記接続方向に沿った方向において異ならせるように配置されている。
【0040】
本実施形態のコンタクトブロック3では、ソケット用コンタクト部4D,4Gの端面40が他のソケット用コンタクト部4A〜4C,4E,4F,4H〜4Kそれぞれの端面40よりも上記接続方向側に位置している。したがって、メモリカード用アダプタ1を上記ソケットに装着した際には、ソケット用コンタクト部4D,4Gが最初に上記ソケットの端子に接続(ソケット用コンタクト部4D,4Gの接触面41が最初に上記ソケットの端子に接触)され、その後に、他のソケット用コンタクト部4A〜4C,4E,4F,4H〜4Kが同時に上記ソケットの端子に接続(他のソケット用コンタクト部4A〜4C,4E,4F,4H〜4Kの接触面41が同時に上記ソケットに接触)される。
【0041】
つまり、これらソケット用コンタクト部4A〜4Kは、端面40の位置を上記接続方向に沿った方向において異ならせることで、メモリカード用アダプタ1を上記ソケットに装着する際に上記ソケットの端子に接続される順番が規定されている。
【0042】
メモリカード用コンタクト部5A〜5Hは、メモリカード100の複数の端子それぞれに対応する形(すなわちメモリカード100の複数の端子と同ピッチで、奥行き方向を長さ方向として左右方向)に並ぶ形に設けられている。また、メモリカード用コンタクト部5A〜5Kは、上記ソケットへの接続方向側(すなわち図2に示す矢印e方向)とは反対側(図2に示す矢印f方向)の端面の位置を上記接続方向に沿った方向において揃えるように配置されている。
【0043】
メモリカード用コンタクト部5それぞれには、上記接続方向に沿った方向を長手方向とする矩形状の開孔部50が厚み方向に貫設されている。また、メモリカード用コンタクト部5における手前側(接続方向側とは反対側)の部位となる開孔部50の手前側の内側面からは、図1(b)に示すように、メモリカード100の端子に接触される接触ばね片51が上記接続方向側に向かって延設されている。このように接触ばね片51をメモリカード用コンタクト部5に設けることにより、メモリカード用コンタクト部5における接続方向側の部位から接触ばね片51を延設する場合や、メモリカード用コンタクト部5自体をばね形状に形成する場合に比べれば、メモリカード用コンタクト部5における接続方向側の部位とその反対側の部位との間の距離だけばね長を長くできるから、狭いスペースでも所望のばね力を確保できる。
【0044】
また、接触ばね片51は、接触ばね片51の先部からなる端子接触部51aの後面と、メモリカード用コンタクト部5の後面との間に段差が生じるように、上記接続方向側にいくにつれて後方に突出する形(すなわち、アダプタ本体2に収納されたメモリカード100に近接する形)に突出する形に形成されてなる。これによって、メモリカード100の端子に接触ばね片51が接触し易くなるとともに、所定の接圧が確保できるようになるから、メモリカード用コンタクト部5とメモリカード100の端子との接触信頼性が向上する。
【0045】
このようなメモリカード用コンタクト部5は、メモリカード100および上記大型メモリカードそれぞれの端子配列に基づいて、ソケット用コンタクト部4にメモリカード用コンタクト部5を電気的に接続される。本実施形態におけるメモリカード用コンタクト部5は、電気接続部6によりソケット用コンタクト部4に電気的に接続されている。なお、以下の説明では、必要に応じて電気接続部6を区別するために、電気接続部6を左側から符号6A〜6Hで表す。
【0046】
ここで、上記大型メモリカードはミニSDメモリカードであるから、ソケット用コンタクト部4A,4B,4J,4KそれぞれはミニSDメモリカードのデータ伝送用の端子に、ソケット用コンタクト部4CはミニSDメモリカードのコマンド用の端子に、ソケット用コンタクト部4D,4IそれぞれはミニSDメモリカードのグランド用の端子に、ソケット用コンタクト部4E,FはミニSDメモリカードの予備の端子に、ソケット用コンタクト部4GはミニSDメモリカードの電源用の端子に、ソケット用コンタクト部4HはミニSDメモリカードのクロック用の端子に、それぞれ相当する。
【0047】
一方、マイクロSDメモリカードからなるメモリカード100は上述したように8つの端子を備えており、左(図4では右)から1,2,7,8番目の端子それぞれがデータ伝送用の端子、左から3番目の端子がコマンド用の端子、左から4番目の端子が電源用の端子、左から5番目の端子がクロック用の端子、左から6番目の端子がグランド用の端子となっている。
【0048】
そのため、メモリカード用コンタクト部5A,5B,5G,5HそれぞれはマイクロSDメモリカードのデータ伝送用の端子に、メモリカード用コンタクト部5CはマイクロSDメモリカードのコマンド用の端子に、メモリカード用コンタクト部5DはマイクロSDメモリカードの電源用の端子に、メモリカード用コンタクト部5EはマイクロSDメモリカードのクロック用の端子に、メモリカード用コンタクト部5FはマイクロSDメモリカードのグランド用の端子に、それぞれ相当する。
【0049】
したがって、本実施形態におけるコンタクトブロック3では、ソケット用コンタクト部4Aとメモリカード用コンタクト部5Aとが電気接続部6Aにより電気的に接続されるように、ソケット用コンタクト部4Aとメモリカード用コンタクト部5Aと電気接続部6Aとが連続一体に形成されている。同様に、図5(a),(b)に示すように、ソケット用コンタクト部4B、4C,4G,4H,4I,4J,4Kそれぞれとメモリカード用コンタクト部5B〜5Hそれぞれと電気接続部6B〜6Hそれぞれとが連続一体に形成されている。
【0050】
短絡部7は、ミニSDメモリカードのグランド用の端子に相当するソケット用コンタクト部4D,4I間を短絡することにより、これらソケット用コンタクト部4D,4Iの両方を、マイクロSDメモリカードのグランド用の端子に接続されるメモリカード用コンタクト部5Fに電気的に接続するためのものである。
【0051】
この短絡部7は、図6(a)に示すように、ソケット用コンタクト部4D,4Iの上記端面40それぞれから上記接続方向(奥方向)に沿って延設され先端部の位置が揃えられた一対の延設部70と、左右方向(すなわち、ソケット用コンタクト部4の接触面41に平行する面内で上記接続方向と直交する幅方向)に長手方向が沿った形に形成され一対の延設部70の先端部間を一体に連結する連結部71とを備えている。短絡部7は、延設部70を、ソケット用コンタクト部4の端面40との距離が所定値となる部位で後方に90度折曲した後に、当該部位よりも先端部側で端面40との距離が所定値となる部位で手前側に90度折曲することにより、連絡部71が保持部9の対向面90の面方向に沿った方向(つまり前後方向)においてソケット用コンタクト部4と重なる形に形成されている。なお、図6(a)に示す形状が得られるのであれば、延設部70を折曲する順番は逆であっても問題はない。
【0052】
ここで、ソケット用コンタクト部4D,4Iの端面40の位置が揃っていれば問題はないが、ソケット用コンタクト部4D,4Iは、端面40の位置が異なっているので、ソケット用コンタクト部4Dの端面40から延設された延設部70と、ソケット用コンタクト部4Iの端面40から延設された延設部70とは長さが異なっている。
【0053】
そのため、延設部70それぞれを上述したように折曲した場合には、延設部70の先端部の位置は揃わなくなり、その結果、連結部71の長手方向が左右方向に沿わなくなってしまう。そこで、本実施形態における短絡部7では、図6(b)に示すように、連結部71の一部(図示例では中腹部)に段加工を施して圧延することにより連結部7の端部を長さが足りない延設部70の一部として利用し、これによって、連結部7の形状を、左右方向を長手方向とする形に維持するようにしている。つまり、連結部7において段加工が施された一部が、一対の延設部70の長さの違いに応じて圧延されて左右方向を長手方向とする形に連結部7の形状を維持する圧延部71となる。
【0054】
このように連結部7に圧延部71を設ければ、短絡部7により短絡するソケット用コンタクト部4の端面40の位置が異なっていても、連結部71を、左右方向を長手方向とする形状に維持できるから、連結部71が左右方向を長手方向とする形状となるように延設部70を折曲することにより、延設部70を折曲する部位を間違ってしまうことを防止できる。
【0055】
また、短絡部7は、図1(b)に示すように、厚み方向における一端側の面、つまり前面7aがソケット用コンタクト部4の接触面41よりも後方(すなわち厚み方向における他端側)に位置するように構成されている。なお、図1(b)は、短絡部7の前面7aとソケット用コンタクト部の接触面41との位置関係を分かり易く表示するために、図1(a)よりも厚み方向に引き伸ばしてある。
【0056】
ところで、短絡部7が設けられていないソケット用コンタクト部4A〜4C,4E〜4H,4J,4Kには、剥離防止部8が設けられている。
【0057】
剥離防止部8は、ソケット用コンタクト部4が保持部9から剥離することを防止するためのものであって、短絡部7が設けられていないソケット用コンタクト部4A〜4C,4E〜4H,4J,4Kそれぞれの端面40に一体に突設されている。この剥離防止部8は、先端側の幅寸法が基端側の幅寸法より大きいT字状に形成され、これにより保持部9から抜け難くしている。また、剥離防止部8は、先端側が後方を向くようにその基端側が後方に90度折曲されている。さらに、剥離防止部8は、短絡部7と同様に、厚み方向における一端側の面、つまり前面8aがソケット用コンタクト部4の接触面41よりも後方に位置するように構成されている。
【0058】
以上述べたようなソケット用コンタクト部4、メモリカード用コンタクト部5、電気接続部6、短絡部7、および剥離防止部8は、例えば、弾性を有する金属板を打ち抜き加工することによって形成されている。
【0059】
保持部9は、絶縁性を有する樹脂材料からなる樹脂成形品であって、左右方向を長手方向とする矩形板状に形成されている。保持部9の左右方向両端側それぞれには、コンタクトブロック3をアダプタ本体2に固定するために用いられる円形状の嵌合孔部9aが厚み方向(前後方向)に貫設されている。この保持部9には、図1(b)および7(a)に示すように、ソケット用コンタクト部4が、その接触面41を保持部9の前面90側に露出する形でインサートされている。ここで、ソケット用コンタクト部4の接触面41を含む平面と、保持部9の前面90を含む平面とが同一の平面となるようにしている。一方、メモリカード用コンタクト部5は、保持部9の手前側から突出する形で、保持部9にインサートされている。また、短絡部7および各剥離防止部8は、いずれも保持部9に完全に埋設する形で保持部9にインサートされている。そのため、短絡部7が設けられたソケット用コンタクト部4D,4I、および短絡部7が設けられていないソケット用コンタクト部4A〜4C,4E〜4H,4J,4Kが保持部9から剥離(特に、ソケット用コンタクト部4の端面41側が保持部9から剥離)してしまうことを抑制できる。
【0060】
特に、短絡部7は、厚み方向に沿った方向においてソケット用コンタクト部4D〜4Iと重なる形に折曲された状態で、保持部9に埋設されているので、短絡部7により短絡しないソケット用コンタクト部4A〜4C,4E〜4H,4J,4Kと、短絡部7との絶縁距離を確保でき、その上、短絡部7が設けられたソケット用コンタクト部4D,4Iが保持部7から剥離してしまうことをさらに抑制できる。
【0061】
アダプタ本体2は、上述したようにミニSDメモリカードの外形と同サイズに形成されたものであって、図3に示すように、前面が開口した箱状のベース20と、ベース20の前面開口を覆う形でベース20に被着されるカバー21とを備えている。これらベース20およびカバー21それぞれは絶縁性を有する樹脂材料からなる樹脂成形品である。
【0062】
ベース20の前面側の奥側(図2に矢印eで示す方向側)には、コンタクトブロック3用の第1収納部20aが形成されている。この第1収納部20aの底面には、保持部9の一対の嵌合孔部9aそれぞれと凹凸嵌合してコンタクトブロック3を固定するための一対の円柱状の嵌合突部20bが左右方向に離間する形に一体に形成されている。一方、ベース20の前面側の手前側(図2に矢印fで示す方向側)には、メモリカード100用の第2収納部20cが第1収納部20aと連通する形に形成され、ベース20における手前側の端部には、メモリカード100を第2収納部20cに挿入するための第1開口部20dが形成されている。
【0063】
ところで、アダプタ本体2には、アダプタ1からメモリカード100が不意に外れることを防止するために係止部材22が設けられている。この係止部材22は、例えば、弾性を有する帯状の金属板から曲成され、ベース20に固定されるコ字状の固定片22aと、メモリカード100がアダプタ1に対する定位置に位置した際にメモリカード100の切欠部110(図4参照)と凹凸嵌合するく字状の係止片22bとを一体に備える。これに対応して、ベース20の第2収納部20cの左側(図2に矢印cで示す方向側)には、係止部材22を収納する第3収納部20eが形成されている。この第3収納部20eには、係止部材22の固定片22aと凹凸嵌合して係止部材22を固定する固定溝部20fと、係止片22bを第2収納部20b側に進出させる孔部20gが設けられており、係止部材22は、係止片22bが孔部20gを通じて第2収納部20bに進退自在に第3収納部20eに収納される。
【0064】
上述したベース20には、図3に示すように、コンタクトブロック3が、ソケット用コンタクト部4の接触面41が露出する前面90を前方に向けるとともに、メモリカード用コンタクト部5を第2収納部20cに進出させた形で第1収納部20aに収納され、保持部9の嵌合凹部9aに嵌合突部20bを嵌め込むことによって、コンタクトブロック3がベース20に対して固定される。
【0065】
カバー21において第1収納部20aに対応する部位には、コンタクトブロック3を露出させる矩形状の窓部21aが形成されている。この窓孔21aは、窓孔21aからコンタクトブロック3が脱落することがないように、左右方向の寸法が、コンタクトブロック3よりも小さく設定されている。また、カバー21の後面側において第2収納部20cに対応する部位には、第2収納部20cとともにメモリカード100用の収納スペースを構成する第4収納部(図示せず)が形成され、カバー21の手前側の端部には、メモリカード100を上記第4収納部に挿入するための第2開口部21bが形成されている。
【0066】
上述したカバー21は、窓孔21aからコンタクトブロック3を前方に臨ませる形でベース20に被着され、この後にベース20と溶着される。そして、このようにカバー21をベース20に被着した際には、第2収納部20cと上記第4収納部とによってメモリカード100用の収納スペースが構成され、第1開口部20dと第2開口部21bとによって、上記収納スペースにメモリカード100を挿入または上記収納スペースからメモリカード100を引抜するためのカード用挿入口2aが構成される。
【0067】
ところで、アダプタ本体2(本実施形態ではカバー21)におけるメモリカード用コンタクト部5とカード挿入口5aとの間には、図8に示すように、メモリカード100をアダプタ本体2に装着する際に、メモリカード100が、メモリカード用コンタクト部5におけるカード挿入口2a側(つまりは、上記接続方向とは反対側の手前側)の端面に接触することを防止するリブ23が形成されている。したがって、このようなリブ23によれば、メモリカード100の装着時に、メモリカード用コンタクト部5におけるカード挿入口2a側の端面に、メモリカード100が接触、衝突して、メモリカード用コンタクト部5が折れ曲がって(座屈)しまうことを防止できる。
【0068】
以上述べたアダプタ1にメモリカード100を装着するにあたっては、図4に示すように、カード用挿入口2aを通してメモリカード100を上記収納スペースに挿入(収納)すればよく、メモリカード100がアダプタ1に対する定位置に位置した際には、メモリカード100の各端子がメモリカード用コンタクト部5それぞれに電気的に接続される。
【0069】
その結果、ミニSDメモリカードのデータ伝送用の端子に対応するソケット用コンタクト部4A,4B,4J,4KそれぞれがマイクロSDメモリカードのデータ伝送用の端子それぞれに電気的に接続され、ミニSDメモリカードのコマンド用の端子に対応するソケット用コンタクト部4CがマイクロSDメモリカードのコマンド用の端子に電気的に接続される。また、ミニSDメモリカードの電源用の端子に対応するソケット用コンタクト部4GがマイクロSDメモリカードの電源用の端子に電気的に接続され、ミニSDメモリカードのクロック用の端子に対応するソケット用コンタクト部4HがマイクロSDメモリカードのクロック用の端子に電気的に接続され、ミニSDメモリカードのグランド用の端子に対応するソケット用コンタクト部4IがマイクロSDメモリカードのグランド用の端子に電気的に接続される。そして、ミニSDメモリカードのグランド用の端子に対応するソケット用コンタクト部4Dは、短絡部7を通じてマイクロSDメモリカードのグランド用の端子に電気的に接続される。
【0070】
また、メモリカード100がアダプタ1に対する定位置に位置した際には、係止片22bがメモリカード100の切欠部110に凹凸嵌合して、メモリカード100がメモリカード用アダプタ1から不意に外れることが防止される。
【0071】
以上述べた本実施形態のアダプタ1によれば、ソケット用コンタクト部4同士を電気的に接続して短絡する短絡部7を、ソケット用コンタクト部4におけるソケットへの接続方向側の端面40から一体に延設しているので、ソケット用コンタクト部4を短絡するための導電部材を新たに設けなくて済むから、部品点数を増やすことなくソケット用コンタクト部4を短絡できる。
【0072】
その上、短絡部7および剥離防止部8の前面7a,8aは、ソケット用コンタクト部4の前面である接触面41よりも後方に位置しているので、保持部9の形成時に保持部形成用の樹脂材料が短絡部7または剥離防止部8を伝ってソケット用コンタクト部4の接触面41に到達し難くなるから、接触面41が保持部形成用の樹脂材料で覆われることを防止できるとともに短絡部7または剥離防止部8の一部が保持部9から露出することを防止でき、その結果、ソケット用コンタクト部4の接触面41を設計どおりに保持部9から露出させることができるようになり、ソケット用コンタクト部4を確実に規定の順番で上記ソケットの端子に接続できる。
【0073】
ところで、本発明における短絡部7は、上記の実施形態に示す構成に限られるものではなく、例えば部分たたきなどによって前面7aに、図9(a)に示すような直方体状の突起部73を設けるようにしてもよく、このようにすれば、保持部形成用の樹脂材料がソケット用コンタクト部4の端面40側に移動し難くなって、保持部形成用の樹脂材料によって接触面41が覆われることがさらに防止される。なお、突起部73の形状は図9(a)に示す例に限られるものではなく、例えば図9(b)に示すような側面が三角形状となったものであってもよく、これらに限定されない。また、剥離防止部8に上記突起部73と同様の突起部(図示せず)を設けるようにしてもよい。
【0074】
なお、本実施形態では、マイクロSDメモリカードをミニSDメモリカード用のソケットに接続する際に利用されるメモリカード用アダプタを例示しているが、この例に限られるものではなく、例えば、マイクロSDメモリカードをSDメモリカード用のソケットに接続する際に利用されるメモリカード用アダプタであってもよく、要は、隣接していないソケット用コンタクト部4を短絡する必要があるメモリカード用アダプタであればよい。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】(a)は本発明の一実施形態のメモリカード用アダプタのコンタクトブロックの斜視図、(b)は同図(a)におけるA−A線矢視図である。
【図2】同上におけるメモリカード用アダプタの斜視図である。
【図3】同上におけるメモリカード用アダプタの分解斜視図である。
【図4】同上におけるメモリカード用アダプタへのメモリカードの装着方法の説明図である。
【図5】同上におけるコンタクトブロックの導電部を示し、(a)は前方から見た斜視図、(b)は後方から見た斜視図である。
【図6】同上におけるコンタクトブロックの導電部を示し、(a)は後面図、(b)は同図(a)の部分拡大図である
【図7】同上におけるコンタクトブロックを示し、(a)は前方から見た斜視図、(b)は後方から見た斜視図である。
【図8】同上におけるメモリカード用アダプタの部分断面図である。
【図9】同上におけるコンタクトブロックの他例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0076】
1 メモリカード
2 アダプタ本体
2a カード挿入口
3 コンタクトブロック
4,4A〜4k ソケット用コンタクト部
5,5A〜5H メモリカード用コンタクト部
6,6A〜6H 電気接続部
7 短絡部
7a 前面(厚み方向における一端側の面)
8 剥離防止部
8a 前面(厚み方向における一端側の面)
9 保持部
23 リブ
40 端面
41 接触面
50 接触ばね片
70 延設部
71 連結部
71a 圧延部
100 メモリカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリカードよりも外形が大きい大型メモリカード用のソケットに上記メモリカードを電気的かつ機械的に接続する際に利用されるメモリカード用アダプタであって、
上記大型メモリカードの外形と同サイズの箱状に形成され側面に開口したカード挿入口を通して上記メモリカードが挿抜されるアダプタ本体と、アダプタ本体に収納されて上記メモリカードと上記ソケットとの電気的接続に用いられるコンタクトブロックとを備え、
コンタクトブロックは、上記ソケットへの接続方向に直交する厚み方向における一端側に設けられた接触面により上記ソケットの複数の端子それぞれに電気的に接続される複数のソケット用コンタクト部と、上記メモリカードの複数の端子それぞれに電気的に接続される複数のメモリカード用コンタクト部と、上記メモリカードおよび上記大型メモリカードそれぞれの端子配列に基づいてソケット用コンタクト部同士を電気的に接続する短絡部と、インサート成形により形成されて複数のソケット用コンタクト部の上記接触面および複数のメモリカード用コンタクト部を露出するとともに短絡部を埋設する形で複数のソケット用コンタクト部および複数のメモリカード用コンタクト部および短絡部を保持する保持部とを備え、
複数のメモリカード用コンタクト部は、上記メモリカードおよび上記大型メモリカードそれぞれの端子配列に基づいてソケット用コンタクト部に電気的に接続され、
複数のソケット用コンタクト部は、上記ソケットへの接続方向側の端面の位置を上記接続方向に沿った方向において異ならせることで、上記ソケットへの装着時に当該ソケットの端子に接続される順番が規定され、
短絡部は、ソケット用コンタクト部の上記端面から一体に延設されるとともに、上記厚み方向における一端側の面がソケット用コンタクト部の上記接触面よりも上記厚み方向における他端側に位置するように構成されてなることを特徴とするメモリカード用アダプタ。
【請求項2】
短絡部は、2つのソケット用コンタクト部同士を電気的に接続するように構成され、上記2つのソケット用コンタクト部の上記端面それぞれから上記接続方向に沿って延設され先端部の位置が揃えられた一対の延設部と、ソケット用コンタクト部の上記接触面に平行する面内で上記ソケットへの接続方向と直交する幅方向を長手方向とする形に形成され一対の延設部を一体に連結する連結部とを備え、一対の延設部は、いずれもソケット用コンタクト部の上記端面との距離が所定値となる部位で折曲され、連結部には、一対の延設部の長さの違いに応じて圧延されて上記幅方向を長手方向とする形に連結部の形状を維持する圧延部が形成されてなることを特徴とする請求項1記載のメモリカード用アダプタ。
【請求項3】
短絡部は、上記厚み方向においてソケット用コンタクト部と重なる形に折曲された状態で、保持部に埋設されていることを特徴とする請求項1または2記載のメモリカード用アダプタ。
【請求項4】
短絡部が設けられていないソケット用コンタクト部の上記端面には保持部に埋設される剥離防止部が一体に突設され、剥離防止部は、上記厚み方向における他端側に折曲されるとともに、上記厚み方向における一端側の面が、上記接触面よりも上記厚み方向における他端側に位置するように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項記載のメモリカード用アダプタ。
【請求項5】
メモリカード用コンタクト部には、上記メモリカードの端子に接触される接触ばね片が設けられ、上記接触ばね片は、メモリカード用コンタクト部における上記接続方向側とは反対側の部位から上記接続方向側に向かって延設されてなることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項記載のメモリカード用アダプタ。
【請求項6】
接触ばね片は、上記接続方向側にいくにつれてアダプタ本体に収納されたメモリカードに近接する形に形成されてなることを特徴とする請求項5記載のメモリカード用アダプタ。
【請求項7】
アダプタ本体におけるメモリカード用コンタクト部とカード挿入口との間には、メモリカード用コンタクト部におけるカード挿入口側の端面と上記メモリカードとの接触を防止するリブが形成されていることを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか1項記載のメモリカード用アダプタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−251509(P2008−251509A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−95249(P2007−95249)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】