説明

モジュール型コネクタ

【課題】確実な電気的コネクタ接続ができるモジュール型コネクタを実現する。
【解決手段】プリント基板に取付けられる位置決めピンとソルダータブとコネクタ接続側に設けられた誘導ガイド孔とを有するピンコネクタと、このピンコネクタがコネクタ接続され前記誘導ガイド孔に挿入される誘導ガイド爪と取付けパネルに取付けられる左右のフランジの高さ位置が左右でフランジ厚さ分オフセットしており、取付けパネルに左右方向にフローティングできるようにされているソケットコネクタとを有するモジュール型コネクタである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多極の電気接続を実現するためのモジュール型コネクタに関するもので、特に高密度、多極コンタクトピン構造に関するものである。
本発明は、例えば、LSI試験装置のテストヘッド内のプリント基板のエッジに表面実装されるカードエッジコネクタでDUT(Device Under Test)とのインターフェース用コネクタが接続され、プリント基板のエッジに沿って列状に配置される高密度、多極コネクタの構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
モジュール型コネクタに関連する先行技術文献としては次のようなものがある。
【0003】
【特許文献1】特開2000−164289号公報
【特許文献2】特開2004−047478号公報
【0004】
図13は従来より一般に使用されている従来例の要部構成説明図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図、図14は図13の要部拡大図で、(a)は正面図、(b)は底面図、図15は図13のコネクタのハウジングの一例で、(a)は正面図、(b)は底面図である。
【0005】
コネクタのハウジング同士を相互に連結してモジュール型コネクタを構成することは従来より知られている。その一例は特開2000−164289「モジュール型コネクタ」または特開2004−47478「コネクタ」に開示される。
モジュール型コネクタ1は回路基板に接続されるコンタクト2を含む複数のハウジング3が長さ方向に連結されたものであり、図示しない他の回路基板に長さ方向に並べて固定される複数のコネクタに一括して接続されるものである。
【0006】
従来例によれば、相手側の5つのコネクタに接続されるために、モジュール型コネクタ1の長さ方向に沿って、5つのハウジング3によって同数のコネクタ構造4が設定される。
5つのハウジング3がそれらの端位置で、互いに機械的に噛合う形状とされるとともに、その両側から細長の金属板5に挟まれるようにして固定される。
【0007】
ハウジング3は頂側からみて互いに嵌合しあう形状の嵌合端6,7を有し、その両側面に沿って金属板5が置かれる。両側の金属板5は孔8に受容されるねじによってハウジング3とともに結合される。
図103において、9はハウジング、11は壁、12は薄厚部,13は孔である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような装置においては、以下の間題点がある。
この種のモジュール型コネクタにおいて、相手側の一つまたは複数のコネクタを一括嵌合させることが要求される。
そのために、相手側との間で嵌合のための高い位置決め精度が要求される。
それを保証するのに金属板5を両側から挟みこみ、各モジュールコネクタが位置ずれしないようにしている。
【0009】
この結果、高い加工精度を有する金属板5を要するため、高価になるばかりか、モジュール型コネクタとしての特徴である、モジュール単位でのコネクタの継ぎ足しを行う場合、その単位で細長の金属板5を種々用意しておく必要があり、高価になるという問題がある。
また、種々の長さの金属板5を用意しなければならず、在庫管理が大変で、管理コストが上昇する。
【0010】
本発明の目的は、上記の課題を解決するもので、製造組立が容易で、かつ十分な機械的強度を有し、さらに、コンタクトと相手側部材との確実な電気的接続を保証することのできるモジュール型コネクタを安価に提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このような課題を達成するために、本発明では、請求項1のモジュール型コネクタにおいては、
プリント基板の端部の一面側に取付けられピンテイルがプリント基板に半田付けされるピンコネクタと、取り付けパネルに取付けられ前記ピンコネクタがコネクタ接続されるソケットコネクタとを具備するモジュール型コネクタにおいて、
前記ピンコネクタの両側面にそれぞれ設けられ一端が前記ピンコネクタの側面に固定され他端が前記プリント基板に半田付けされて前記コネクタ接続時の接続力により前記ピンコネクタの前記プリント基板から分離するのを防止するL字形板状のソルダータブと、前記ピンコネクタの底面に直交して設けられ前記プリント基板に設けられた位置決め孔に挿入されて前記プリント基板への前記ピンコネクタの位置決めと前記コネクタ接続時の接続力による前記ピンコネクタが前記プリント基板から分離するのを防止する柱状の位置決めピンと、前記取り付けパネルに平行に設けられ前記ソケットコネクタの一方の側面に一端が取付けられ他端側が前記取り付けパネルに前記取り付けパネルの面方向に所定値移動可能に取付けられる板状の第1のフランジと、前記取り付けパネルの面より前記第1のフランジの板厚分の隙間を有して前記取り付けパネルに平行に設けられ前記ソケットコネクタの他方の側面に一端が取付けられ他端側が前記第1のフランジと同じ厚さのスペーサを介して前記取り付けパネルに前記取り付けパネルの面方向に所定値移動可能に取付けられる板状の第2のフランジと、前記ピンコネクタと前記ソケットコネクタとに設けられ前記ソケットコネクタに前記ピンコネクタをガイドするガイド手段とを具備したことを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項2のモジュール型コネクタにおいては、請求項1記載のモジュール型コネクタにおいて、
前記ガイド手段は、前記ピンコネクタに設けられたガイド孔と、前記ソケットコネクタに設けられ前記ガイド孔に挿入されるガイド突起体とを具備したことを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項3のモジュール型コネクタにおいては、請求項1又は請求項2記載のモジュール型コネクタにおいて、
前記位置決めピンは、長軸が前記ピンコネクタの長手方向に直交して設けられた断面楕円形状の第1,第2のピンと断面円形状の第3のピンとを有し、前記ピンコネクタの底面の長手方向に順次前記第1のピン,前記第2のピン,前記第3のピンと所定間隔を置いて配置されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の請求項1によれば、次のような効果がある。
ソルダータブが設けられたので、ピンテイルのプリント基板への半田付けと共同して、コネクタ接続時のコネクタ接続力による、ピンコネクタのプリント基板からの剥離を防止できるモジュール型コネクタが得られる。
【0015】
位置決めピンが設けられたので、ピンコネクタのプリント基板への表面実装が容易に出来るモジュール型コネクタが得られる。また、コネクタ接続時のコネクタ接続力による、ピンコネクタのプリント基板からのせん断分離を防止できるモジュール型コネクタが得られる。
【0016】
この結果、ピンコネクタをプリント基板に、あらためてねじなどの機械的接合をする必要がなくなり、基板への表面実装時に位置決め接合されるので、工程が短縮され、かつ安価に接合強度を保持しうるモジュール型コネクタを提供できる。
【0017】
第1のフランジと第2のフランジとが設けられたので、所要個数のソケットコネクタを順次連続して並べて使用する場合に、スペーサの代わりに,2番目のソケットコネクタの第1のフランジを使用して、2番目のソケットコネクタの第1のフランジに重ねて、1番目のソケットコネクタの第2のフランジを取付けることが出来、全体として、多極・高密度なコンタクトを有するコンパクトな構成にすることが出来るモジュール型コネクタが得られる。
【0018】
ガイド手段が設けられたので、ピンコネクタとソケットコネクタとのコネクタ接続が容易に出来るモジュール型コネクタが得られる。特に、所要個数のモジュール型コネクタを順次連続して並べて使用する場合に、位置寸法誤差の累積を考慮する必要がなく、安価なモジュール型コネクタが得られる。
【0019】
取り付けパネル側のソケットコネクタにフローティング機構が設けられたので、個々に独立していて、相互の位置寸法精度が出し難い個々のプリント基板に、それぞれ設けられたピンコネクタをソケットコネクタに挿入し易く、コンタクトの信頼性の高い安定した電気的接続を保証できるモジュール型コネクタが得られる。
【0020】
本発明の請求項2によれば、次のような効果がある。
ガイド手段は、ピンコネクタに設けられたガイド孔と、ソケットコネクタに設けられ、ガイド孔に挿入されるガイド突起体とが設けられ、それぞれプラスチック成形されるため非常に安価に構成される。このような一体型の誘導ガイド構造は、構成が簡潔になり安価なモジュール型コネクタが得られる。
【0021】
本発明の請求項3によれば、次のような効果がある。
位置決めピンは、長軸が取り付けパネルの面に直交して設けられた断面楕円形状の第1,第2のピンと断面円形状の第3のピンとを有し、ピンコネクタの底面の長手方向で、且つ取り付けパネルの取付け面に平行方向に順次、第1のピン,第2のピン,第3のピンと所定間隔を置いて配置されたので、ピンコネクタがソケットコネクタに斜めに挿入される恐れが、更に少なくなるモジュール型コネクタが得られる。
【0022】
相対するモジュール型コネクタとの高い位置決め精度を有することなく、安価で高い安定性を有する電気的接続を保証できるモジュール型コネクタが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下本発明を図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例の要部構成説明図で、プリント基板に取付けられた図で、(a)は正面図、(b)は側面図、図2は図1のピンコネクタ図で、プリント基板に取付けられた図で、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は底面図、図3は図1のピンソケット図で、(a)は正面図、(b)は側面図、図4は図1のピンコネクタの単体の図で、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は底面図、図5は図4のソルダータブ図で、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は底面図、図6(a)は図1のピンコネクタが実装されるプリント基板のパターン図、図6(b)はプリント基板のパターン図に対比して配置されたピンコネクタの底面図、図7は位置決めピンとプリント基板に設けられた位置決め孔との関係を模式的に示した図、図8は図1のソケットコネクタ図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図、図9は図6のソケットコネクタに取付けられケーブルを整列させるためのコネクタハウシングで、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図、図10は図2のピンコネクタが4個使用された実施例で、(a)は平面図(基板の部品取付面側)(b)は正面図(c)は底面図(基板の半田面側)(d)はA−A断面図、図11はピンコネクタが実装されるプリント基板のパターン図で、(a)は平面図(基板の部品取付面側)(b)は底面図(基板の半田面側)、図12はソケットコネクタが4個使用された実施例で、(a)は平面図(基板の部品取付面側)(b)は正面図(c)は底面図(基板の半田面側)(d)はA−A断面図である。
【0024】
図1において、ピンコネクタ21は、図2に示す如く、プリント基板Aの端部の一面側A1に取付けられる。
ピンコネクタ21の単体の図面を図4に示す。
211はシグナルピン,212はグランドピンで、213はシグナルピンテイル、214はグランドピンテイルである。
ピンテイル213,214がプリント基板Aに半田付けされる。
【0025】
ソケットコネクタ22は、図3に示す如く、取り付けパネルBに取付けられ、ピンコネクタ21がコネクタ接続される。Cは配線ケーブルである。
ソケットコネクタ22の単体の図面を図8に示す。
ピンコネクタ21とソケットコネクタ22とは、本体部分は樹脂成形品で構成されている。
【0026】
ソルダータブ23は、図4に示す如く、ピンコネクタ21の両側面にそれぞれ設けられ、一端がピンコネクタ21の側面に固定され、他端がプリント基板Aに半田付けされて、コネクタ接続時の接続力により、ピンコネクタ21がプリント基板Aから分離するのを防止し、L字形板状をなす。
ソルダータブ23の単体の図面を図5に示す。
【0027】
位置決めピン24は、図4に示す如く、ピンコネクタ21の底面に直交して設けられ、プリント基板Aに設けられた位置決め孔A2に挿入されて、プリント基板Aへのピンコネクタ21の位置決めと、コネクタ接続時の接続力による、ピンコネクタ21がプリント基板Aから分離するのを防止し、柱状をなす。
【0028】
この場合は、図4に示す如く、位置決めピン24は、長軸がピンコネクタ21の長手方向に直交して設けられた断面楕円形状の第1,第2のピン241,242と断面円形状の第3のピン243とを有し、ピンコネクタ21の底面の長手方向に、順次第1のピン241,第2のピン242,第3のピン243と所定間隔を置いて配置されている。
【0029】
図6(a)はピンコネクタ21が取付けられるプリント基板Aのパタ−ン図で、(b)は説明を分り易くするためにプリント基板Aに対応して配置されたピンコネクタ21の底面図である。
【0030】
ピンコネクタ21の底面図(b)において矢印X方向に順に,第1のピン241,第2のピン242,第3のピン243が配置されており、第1のピン241と第2のピン242が矢印Y方向に,縦長の楕円形状をしている。また、最後の第3のピン243は真円形状をしている。

【0031】
プリント基板Aのパタ−ン図(a)は基板部品面を表しているが、プリント基板Aの裏側の基板半田面にも対称パターンが存在してもよい。
プリント基板Aには,ピンコネクタ21を表面実装する際に,ピンコネクタ21のピン241,242,243が挿入されて位置決めされる、位置決め用真円孔が、6つのスルーホールA21〜A26としてあけられている。
そうすると、プリント基板Aの表裏に計2個ピンコネクタ21が配置できる。
【0032】
図6では、ピンコネクタ21は底面側から見ているので、プリント基板Aのパタ−ン図(a)の裏側に表面実装される。
つまり、楕円型の第1のピン241はスルーホールA21に、楕円型の第2のピン242はスルーホールA23にそれぞれ挿入配置される。また、真円型の第3のピン243はスルーホールA25に挿入配置される。
図7に、模式的な配置図を示す。
【0033】
同様に同じピンコネクタ21がプリント基板Aのパタ−ン図(a)の表側に表面実装される場合は、真円型の第3のピン243がスルーホールA22に対応し、楕円型の第2のピン242はスルーホールA24に、楕円型の第1のピン241はスルーホールA26にそれぞれ挿入配置される。
つまり、3つのピンは対称に配置されていないため、表面実装基板の両面に対称形で実装することができる。
【0034】
楕円型の第1のピン241,第2のピン242は矢印Y方向に長円の楕円形であり、プリント基板A上では、位置決め用真円孔のスルーホールのY方向に嵌合する寸法公差は小さく、X方向の寸法公差は大きくなる。
3つあるうちの端の真円型の第3のピン243は、位置決め用真円孔のスルーホールにX方向、Y方向には寸法公差は小さい。
【0035】
以上のようなピン形状の配置であるから、ピンコネクタ21をプリント基板A上に実装した場合、ピンコネクタ21のプリント基板A上での傾き角θを小さく抑えることができる.
A3はプリント基板に設けられたソルダータブ用のパターン、A4はグランドプレーンパターン、A5はシグナルピンテイル213用のシグナルピンパターン、A6はグランドピンテイル214用のグランドピンパターンである。
【0036】
図8に示す如く、第1のフランジ25は、取り付けパネルBに平行に設けられ、ソケットコネクタ22の一方の側面に一端が取付けられ、他端側が取り付けパネルBに、取り付けパネルBの面方向に所定値移動可能に取付けられ、板状をなす。
【0037】
図8に示す如く、第2のフランジ26は、取り付けパネルBの面より、第1のフランジ25の板厚分の隙間を有して、取り付けパネルに平行に設けられ、ソケットコネクタ22の他方の側面に一端が取付けられ、他端側が第1のフランジ25と同じ厚さのスペーサ27を介して、取り付けパネルBに、取り付けパネルBの面方向に所定値移動可能に取付けられ、板状をなす。
【0038】
ここで、取り付けパネルBの面方向に所定値移動可能に取付けられるとは、例えば、この場合は、取り付けねじの直径寸法に対して、取り付けねじ孔251の直径寸法は、遊びが生ずるように所定寸法大きめに開けるようにされている。
即ち、ソケットコネクタ22は、取り付けパネルBの面方向にフローティング状態にある。
221はソケットコネクタ22に設けられたシグナルピンソケット、222はソケットコネクタ22に設けられたグランドピンソケットである。
【0039】
ガイド手段28は、図4,図8に示す如く、ピンコネクタ21とソケットコネクタ22とに設けられ、ソケットコネクタ22にピンコネクタ21をガイドする。
この場合は、ガイド手段28は、ピンコネクタ21に設けられたガイド孔281と、ソケットコネクタ22に設けられ、ガイド孔281に挿入されるガイド突起体282を有する。
ガイド孔281とガイド突起体282とは、それぞれピンコネクタ21とソケットコネクタ22に一体的にプラスチック成形されている。
【0040】
図9はソケットコネクタ22に取付けられる配線ケーブル整列カバーで、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図である。
31は配線ケーブル整列カバー本体である。
32は配線ケーブル整列カバー本体31に設けられたソケットコネクタ結合爪で、この場合は、4個使用され、ソケットコネクタ22に設けられた結合孔に結合される。
33は配線ケーブル整列溝で、この配線ケーブル整列溝33にそれぞれ配線ケーブルCが整列して配置される。
【0041】
配線ケーブル整列カバー本体31は、ソケットコネクタ22に挿入されているコンタクトピンが抜けないようにクリップする機能と、コンタクトピンに実装されているケーブルの根元にかかるケーブルの曲げ応力に対しても保護する機能を併せ有する。
【0042】
以上の構成において、図2のピンコネクタ21を、図3のソケットコネクタ22にコネクタ接続する場合には、ソケットコネクタ22は、ガイド突起体282がピンコネクタ21のガイド孔281に沿って接近し、つづいて電気的接続コンタクトピンが嵌合する。
このため、ピンコネクタ21とソケットコネクタ22のいずれにおいても、位置決め精度を確保するために高い加工精度を必要とする部材を用意する必要がない。
【0043】
この結果、
ソルダータブ23が設けられたので、ピンテイル211のプリント基板への半田付けと共同して、コネクタ接続時のコネクタ接続力による、ピンコネクタ21のプリント基板Aからの剥離を防止できるモジュール型コネクタが得られる。
【0044】
位置決めピン24が設けられたので、ピンコネクタ21のプリント基板Aへの表面実装が容易に出来るモジュール型コネクタが得られる。
また、コネクタ接続時のコネクタ接続力による、ピンコネクタ21のプリント基板Aからのせん断分離を防止できるモジュール型コネクタが得られる。
【0045】
この結果、ピンコネクタ21をプリント基板Aに、あらためてねじなどの機械的接合をする必要がなくなり、基板Aへの表面実装時に位置決め接合されるので、工程が短縮され、かつ安価に接合強度を保持しうるモジュール型コネクタを提供できる。
【0046】
第1のフランジ25と第2のフランジ26とが設けられたので、所要個数のソケットコネクタ22を順次連続して並べて使用する場合に、スペーサ27の代わりに,2番目のソケットコネクタ22の第1のフランジ25を使用して、2番目のソケットコネクタ22の第1のフランジ25に重ねて、1番目のソケットコネクタ22の第2のフランジ26を取付けることが出来、全体として、多極・高密度なコンタクトを有するコンパクトな構成にすることが出来るモジュール型コネクタが得られる。
【0047】
ガイド手段28が設けられたので、ピンコネクタ21とソケットコネクタ22とのコネクタ接続が容易に出来るモジュール型コネクタが得られる。特に、所要個数のモジュール型コネクタを順次連続して並べて使用する場合に、位置寸法誤差の累積を考慮する必要がなく、安価なモジュール型コネクタが得られる。
【0048】
取り付けパネルB側のソケットコネクタ22にフローティング機構が設けられたので、個々に独立していて、個々に独立していて、相互の位置寸法精度が出し難い個々のプリント基板Aに、それぞれ設けられたピンコネクタ21をソケットコネクタ22に挿入し易く、コンタクトの信頼性の高い安定した電気的接続を保証できるモジュール型コネクタが得られる。
【0049】
ガイド手段28は、ピンコネクタ21に設けられたガイド孔281と、ソケットコネクタ22に設けられ、ガイド孔281に挿入されるガイド突起体282とが設けられ、それぞれプラスチック成形されるため非常に安価に構成される。このような一体型の誘導ガイド構造は、構成が簡潔になり安価なモジュール型コネクタが得られる。
【0050】
位置決めピン24は、長軸が取り付けパネルの面に直交して設けられた断面楕円形状の第1,第2のピン241,242と断面円形状の第3のピン243とを有し、ピンコネクタ21の底面の長手方向で、且つ取り付けパネルの取付け面に平行方向に順次、第1のピン241,第2のピン242,第3のピン243と所定間隔を置いて配置されたので、ピンコネクタ21がソケットコネクタ22に斜めに挿入される恐れが、更に少なくなるモジュール型コネクタが得られる。
【0051】
相対するモジュール型コネクタ21,22との高い位置決め精度を有することなく、安価で高い安定性を有する電気的接続を保証できるモジュール型コネクタが得られる。
【0052】
図10は図2のピンコネクタが4個使用された実施例で、(a)は平面図(基板の部品取付面側)(b)は正面図(c)は底面図(基板の半田面側)(d)はA−A断面図、
図11はピンコネクタが実装されるプリント基板のパターン図で、(a)は平面図(基板の部品取付面側)(b)は底面図(基板の半田面側)、図12はソケットコネクタが4個使用された実施例で、(a)は平面図(基板の部品取付面側)(b)は正面図(c)は底面図(基板の半田面側)(d)はA−A断面図である。
【0053】
ピンコネクタ21とソケットコネクタ22の本体部分はすべて樹脂成形品で構成され、この中にたとえば金属コンタクトを有するコネクタが配置されている。
位置決めはすべて樹脂成形品でなされ、ソケットコネクタ22の左右にはお互いを連結するフランジ25,26が配置されているが、フランジ25,26は、互いに、そのフランジの厚み分だけ上下にシフトしている。
【0054】
このために、図12に示す如く、左右のソケットコネクタ22でフランジ25,26を重ねて、ねじなどで互いに結合できる。
ここで、個々のソケットコネクタ22は取付けパネルBに、前述したように、いわゆるフローティング状態にある。
【0055】
以上の構成において、図10のピンコネクタ21の集まりを、図12のソケットコネクタ22の集まりにコネクタ接続する場合には、個々のソケットコネクタ22は、ガイド突起体282がピンコネクタ21のガイド孔281に沿って接近し、つづいて電気的接続コンタクトピンがそれぞれに嵌合する。
【0056】
この結果、
ピンコネクタ21とソケットコネクタ22のいずれにおいても、位置決め精度を確保するために、高い加工精度を必要とする部材を用意する必要がない。
また、原理的に、いくつも並べて増やしていくことができるモジュール型コネクタが得られる。
複数のモジュール型コネクタを並べて使用する場合に、モジュール型コネクタの互いの位置精度を確保するために、高い寸法精度で製作された金属板によって挟み込む必要はなく、安価で、在庫管理コストを低減できるモジュール型コネクタが得られる。
【0057】
なお、以上の説明は、本発明の説明および例示を目的として特定の好適な実施例を示したに過ぎない。
したがって本発明は、上記実施例に限定されることなく、その本質から逸脱しない範囲で更に多くの変更、変形をも含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の一実施例の要部構成説明図で、プリント基板に取付けられた図で、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図2】図1のピンコネクタ図で、プリント基板に取付けられた図で、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。
【図3】図1のピンソケット図で、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図4】図1のピンコネクタの単体の図で、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は底面図である。
【図5】図4のソルダータブ図で、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。
【図6】(a)は図1のピンコネクタが実装されるプリント基板のパターン図、(b)はプリント基板のパターン図に対比して配置されたピンコネクタの底面図である。
【図7】位置決めピンとプリント基板に設けられた位置決め孔との関係を模式的に示した図である。
【図8】図1のソケットコネクタ図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図である。
【図9】図6のソケットコネクタに取付けられケーブルを整列させるためのコネクタハウシングで、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図である。
【図10】図2のピンコネクタが4個使用された実施例で、(a)は平面図(基板の部品取付面側)(b)は正面図(c)は底面図(基板の半田面側)(d)はA−A断面図である。
【図11】ピンコネクタが実装されるプリント基板のパターン図で、(a)は平面図(基板の部品取付面側)(b)は底面図(基板の半田面側)である。
【図12】ソケットコネクタが4個使用された実施例で、(a)は平面図(基板の部品取付面側)(b)は正面図(c)は底面図(基板の半田面側)(d)はA−A断面図である。
【図13】従来より一般に使用されている従来例の要部構成説明図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図である。
【図14】図13の要部拡大図で、(a)は正面図、(b)は底面図である。
【図15】図13のコネクタのハウジングの一例で、(a)は正面図、(b)は底面図である。
【符号の説明】
【0059】
1 モジュール型コネクタ
2 コンタクト
3 ハウジング
4 コネクタ構造
5 金属板
6 嵌合端
7 嵌合端
8 孔
9 ハウジング
11 壁
12 薄厚部
13 孔
21 ピンコネクタ
211 シグナルピン
212 グランドピン
213 シグナルピンテイル
214 グランドピンテイル
211 ピンテイル
22 ソケットコネクタ
221 シグナルピンソケット
222 グランドピンソケット
23 ソルダータブ
24 位置決めピン
241 第1のピン
242 第2のピン
243 第3のピン
25 第1のフランジ
26 第2のフランジ
27 スペーサ
28 ガイド手段
281 ガイド孔
282 ガイド突起体
31 配線ケーブル整列カバー本体
32 ソケットコネクタ結合爪
33 配線ケーブル整列溝
A プリント基板
A1 一面側
A2 位置決め孔
A21 スルーホール
A22 スルーホール
A23 スルーホール
A24 スルーホール
A25 スルーホール
A26 スルーホール
A3 ソルダータブ用のパターン
A4 グランドプレーンパターン
A5 シグナルピンパターン
A6 グランドピンパターン
B 取り付けパネル
C 配線ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント基板の端部の一面側に取付けられピンテイルがプリント基板に半田付けされるピンコネクタと、取り付けパネルに取付けられ前記ピンコネクタがコネクタ接続されるソケットコネクタとを具備するモジュール型コネクタにおいて、
前記ピンコネクタの両側面にそれぞれ設けられ一端が前記ピンコネクタの側面に固定され他端が前記プリント基板に半田付けされて前記コネクタ接続時の接続力により前記ピンコネクタの前記プリント基板から分離するのを防止するL字形板状のソルダータブと、
前記ピンコネクタの底面に直交して設けられ前記プリント基板に設けられた位置決め孔に挿入されて前記プリント基板への前記ピンコネクタの位置決めと前記コネクタ接続時の接続力による前記ピンコネクタが前記プリント基板から分離するのを防止する柱状の位置決めピンと、
前記取り付けパネルに平行に設けられ前記ソケットコネクタの一方の側面に一端が取付けられ他端側が前記取り付けパネルに前記取り付けパネルの面方向に所定値移動可能に取付けられる板状の第1のフランジと、
前記取り付けパネルの面より前記第1のフランジの板厚分の隙間を有して前記取り付けパネルに平行に設けられ前記ソケットコネクタの他方の側面に一端が取付けられ他端側が前記第1のフランジと同じ厚さのスペーサを介して前記取り付けパネルに前記取り付けパネルの面方向に所定値移動可能に取付けられる板状の第2のフランジと、
前記ピンコネクタと前記ソケットコネクタとに設けられ前記ソケットコネクタに前記ピンコネクタをガイドするガイド手段と
を具備したことを特徴とするモジュール型コネクタ。
【請求項2】
前記ガイド手段は、前記ピンコネクタに設けられたガイド孔と、
前記ソケットコネクタに設けられ前記ガイド孔に挿入されるガイド突起体と
を具備したこと
を特徴とする請求項1記載のモジュール型コネクタ。
【請求項3】
前記位置決めピンは、長軸が前記ピンコネクタの長手方向に直交して設けられた断面楕円形状の第1,第2のピンと断面円形状の第3のピンとを有し、
前記ピンコネクタの底面の長手方向に順次前記第1のピン,前記第2のピン,前記第3のピンと所定間隔を置いて配置されたこと
を特徴とする請求項1又は請求項2記載のモジュール型コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−102933(P2010−102933A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−273036(P2008−273036)
【出願日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】