説明

モデル化された軽量フォーム音響障壁およびそれの作成方法

音響障壁が、環境の音響要件に整合するように全体的に構成され、かつ音伝達基板に接して取り付けられ、また、フォーム層に重なる薄い不浸透性の障壁層を有して、または有さずに、基板に面する側面に沿ってパターン化された凹みの1つまたは複数の領域、または音伝達基板を経て伝達された音の強度に適応された変化する厚さを有することができる成形堅固柔軟フォームの層を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、本明細書に完全に組み込まれている、米国仮出願60/319,840、2003年、1月7日出願の利益を主張する。
【0002】
本発明は、モータ車両の音響障壁に関し、より具体的には、車両の乗員区画に入る音を低減する音響障壁に関する。態様の1つでは、本発明は、現在のモータ車両の音減衰規格および伝達規格を満たす軽量な音響障壁に関する。他の態様では、本発明は、モータ車両のエンジン区画とキャビンとの間において雑音を低減する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
音響障壁は、乗員区画に入るエンジンおよび道路の雑音を低減するために、現在のモータ車両において一般的に使用されている。ほとんどの車両は、エンジン区画と乗員区画を分離する防火壁、ドア・パネル、およびフロア・パネルなど、シート金属で作成された乗員区画を形成する壁を有する。これらの金属壁は、車両の外部およびエンジン区画から乗員区画内に容易に音を伝達する。したがって、音響障壁が、そのような音を低減するために、車両にしばしば組み込まれる。
【0004】
音響障壁は、異なる周波数範囲の音を低減するように設計することができる。例えば、100〜4000Hzの範囲にわたって音を低減することができる音響障壁が、実質的にすべての望ましくない音について、車両乗員区画の音響条件を改善する。従来の技術の音障壁は、低減される周波数の通常の範囲を表す200から1200Hzの範囲の周波数について開発されている。
【0005】
従来の技術の音響障壁は、一般に、合成ゴム、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル・コポリマー、改質ポリプロピレン、または硫化バリウムなどの高密度充填剤で充填された他の熱可塑性ポリマーもしくは熱硬化性ポリマーなど、成形マス層に結合されたポリウレタン、PETのファイバ・パネル、ポリマーおよび天然ファイバの混合物など、軟質柔軟性フォームの音吸収パネルを備える2部分パネルを備える。マス層は、音の伝達を減衰させ、柔軟フォーム層は、音を吸収し、マス層をシート金属壁から分離する。音減衰パネルは、通常、乗員区画内のシート金属壁と接触する。
【0006】
2部分音響障壁の例が、参照によって本明細書に組み込まれている、リゼマ(Ritzema)への米国特許第6,024,190号において開示されている。リゼマの特許は、フォーム層が、フォーム層と防火壁との接触面積を低減する複数のコアまたはエア・ポケット有する、上述された2層音響障壁を開示する。
【0007】
キャンベル(Campbell)らへの米国特許第5,886,305号は、弾性ポリプロピレンなどの充填弾性成形可能ポリマーおよびマス層と防火壁との間に挿入されるフォーム吸収剤層を有する2層音響障壁を備えるダッシュ・マット・アセンブリに組み込まれたデッド・ペダルを開示する。
【0008】
ゼンゾウ・フジタらへの英国特許出願GB2216081Aは、防火壁などの音伝達壁と接触する音響マットを開示し、これは、プレス成形PVC樹脂、ゴム材料、または他のプラスチック材料で作成されたマス層を備え、複数のスペーサ・リブによって防火壁から選択距離に維持される。フェルト、ウレタン・フォーム、ガラス・ウールなどを備える吸収層を、マス層と防火壁との間に挿入することができる。
【0009】
オオシマ・ヒデキらへの日本特許JP2000230431号は、20%以上の閉鎖セル・パーセンテージを有する車両エンジンなどの音源用の防音カバーを開示する。ミヤカワらへの米国特許第6,631,937号は、8から10%の多孔度を有するウレタン・フォームまたはゴム・フォームなどのポリマー・フォーム材料を備える防音カバーを開示し、カバーは、カバーを音源に添付するために内部に成形された取付けストラップを備える。
【0010】
軟性柔軟フォームは、望ましい音吸収特性を有し、障壁層を下在基板から構造的に分離することができる。しかし、それ自体では低伝達損失を有する。したがって、マス/障壁層が、必要な音伝達損失特性を提供し、ならびにある程度の完全性を柔軟フォームに提供するために、吸収層を有する2層積層において通常使用される。結果的な2層積層は、非常に可撓性であり、部分的にのみ自立性である。
【0011】
上述された2層積層は、少なくとも3工程において製造される。マス層は、射出成形または熱形成される。吸収層は、音響吸収要件を満たすように一様な厚さのシートを切断することによって、または層を特定の形状に成形することによって形成される。そのように形成された吸収層は、次いで、接着剤で、または機械的にマス層に添付され、あるいは代替として、マス層は、吸収層を製作するための形に挿入され、次いで、障壁および吸収層が、共に切り出される。
【0012】
2層音響障壁は、一部には充填マス層を使用するために、通常、比較的重い。さらに、積層は、比較的可撓性であり、処理がいくらか困難である。閉鎖セル・ポリオレフィン・フォームなどのより軽量の材料が、障壁の重量を低減するためにマス層に使用されてきた。しかし、そのような材料から作成された積層の音遮断特性は、著しく低減される。
【0013】
熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂で充填されている成形不織布および他の繊維性バッティングも、提案された。これらの音絶縁層は、良好な吸収特性を有するが、不浸透性障壁層がないので、達成される音伝達損失は低減される。例えば、日本特許第600090741号、1985年5月21日発行、および日本特許第57041229号、1982年、3月8日発行を参照されたい。
【特許文献1】米国特許第6,024,190号
【特許文献2】米国特許第5,886,305号
【特許文献3】英国特許出願GB2216081A
【特許文献4】日本特許JP2000230431号
【特許文献5】米国特許第6,631,937号
【特許文献6】日本特許第600090741号
【特許文献7】日本特許第57041229号
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明によれば、軽量堅固柔軟フォームのシートを備え、このシートは、音伝達基板に取り付けられるように適合され、かつ必要な音吸収規格および音伝達減衰規格の両方を満たす音響特性を単独で有する形状に形成される。通常、シートは、複雑な形状に成形され、処理、出荷、および装備中にその形状を保持する十分な剛性を有する。
【0015】
音響障壁は、通常、観測側面および反対側面を有し、反対側面は、音伝達基板と接触して配置されるように適合される。一実施形態では、パターン凹みが、反対側面の少なくとも一部において形成され、パターン凹みは、音響障壁の反対側面が接して配置されるように適合される音伝達基板からの音の伝達を減衰させるように適合される。一実施形態では、凹みの間隔およびパターンは、規則アレイを画定する。他の実施形態では、凹みの間隔およびパターンは、不規則アレイを画定する。通常、凹みの間隔およびパターンは、音響障壁が音伝達基板の上に装備されるとき、音伝達基板と接触するように適合される間隔をおいて配置される支持カラムの規則アレイを画定する。
【0016】
他の実施形態では、シートの厚さは、シートの異なる位置において異なる音響特性を提示するように変化する。
【0017】
フォームの剛性は、処理、出荷、および装備中にフォーム・シートの構造完全性を維持し、かつ伝達損失特性を改善するために重要である。一般に、フォーム・シートの密度は、1立方フィート当たり約2から9lbsの範囲にあり、1立方フィート当たり約3.5lbsであることが好ましい。さらに、フォームは、ASTM D3574−01仕様に準拠する20”×20”×2”試験サンプルを使用する25%押込み力偏向(IFD)において、少なくとも30、一般的には30と300ポンド力との間の剛性を有する。フォームの多孔度は、広範な範囲にわたって変化することができる。通常、フォームは、1インチあたり20から120ポア、好ましくは1インチあたり40から75の範囲のポア・サイズを有する開放多孔度を有する。
【0018】
本発明の他の実施形態では、モータ車両の防火壁に接して、かつ車両の乗員区画内において装備されるように適合されたダッシュ・マットが、車両の防火壁にほぼ合致する形状を有し、かつ本明細書の図7に示される曲線72と少なくとも同程度に良好の音響伝達損失特性を有する成形軽量堅固柔軟フォームの層を備える。
【0019】
好ましい実施形態では、音響伝達損失特性は、あるパターンの凹みが使用されるとき、曲線74と同程度に良好であり、凹みが使用されないとき、少なくとも曲線72と同程度に良好である。
【0020】
好ましい実施形態では、フォーム層は、防火壁の選択された対応する領域において所定の音伝達要件と整合するために、フォーム層の音響特性を調節するために構成される選択領域について設計される。これらの選択領域は、フォーム層の反対側面に沿って凹ませることができ、フォーム層を経て伝達音を減衰させる。さらに、または代替として、選択領域は、拡大された壁の厚さを備えることができ、それにより、より低い周波数の音の吸収が促進される。特定の実施形態において、拡大された壁の厚さは、フォーム層の開口を少なくとも部分的に囲む。他の実施形態では、フォームの選択領域は、防火パネルとの密接な接触を有し、それにより、より低い周波数のダンピングを改善する。フォーム層は、実装、出荷、および装備中にその形状を保持するのに十分な剛性を有する。
【0021】
さらに本発明によれば、エンジン区画を乗員区画から分離する防火壁を有する車両が、防火壁に接して乗員区画内に配置される上述されたダッシュ・マットを有する。
【0022】
さらに本発明によれば、車両のモータ区画とキャビンとの間において防火壁を経て音伝達損失を提供する方法が、
エンジン区画とキャビンとの間の防火壁を経た音強度を、キャビンに面する防火壁のキャビン表面の1組の座標の関数としてマッピングする工程と、
音伝達特性および音吸収特性の両方を有し、かつ処理、出荷、および装備のために構造完全性を有する堅固柔軟フォームを選択する工程と、
防火壁のキャビン表面にほぼ合致する形状において、かつ座標の組の関数としてマッピングされた音伝達特性に対応する異なる音響特性を有する構成で設計される選択領域を有する柔軟堅固フォームの層を設計する工程と、
設計された堅固柔軟フォームの層を、防火壁キャビン表面にほぼ一致する形状に好ましくは成形によって形成する工程とを含む。
【0023】
本発明の好ましい実施形態では、防火壁を経て音伝達を減衰させる方法は、形成された層を車両の防火壁キャビン表面の上に装備する工程をさらに含む。
【0024】
一実施形態では、設計工程は、フォーム層の反対側面に沿って凹みを有し、かつフォーム層を経て伝達音を減衰させる少なくとも1つの選択領域を設計することを含む。凹みの間隔およびパターンは、規則アレイまたは不規則アレイを画定することができる。他の実施形態では、設計工程は、フォーム層を経た音吸収を増大させるために、拡大された壁の厚さを有する少なくとも1つの選択領域を設計する工程を含む。
【0025】
他の実施形態では、1つまたは複数の開口が、フォーム層の中に設計され、拡大された壁の厚さが、フォーム層の開口を少なくとも部分的に囲むように設計される。設計工程は、フォーム層が、実装、出荷、および装備中にその形状を保持するのに十分な剛性を有するように、フォーム層のフォーム材料、厚さ、および形状を設計する工程をさらに含む。
【0026】
設計工程は、好ましい実施形態において、防火壁キャビネットの選択座標に対応するフォーム層の異なる位置において異なる音響特性を提示するように、フォーム層において厚さの変動を設計する工程を含む。本発明による方法のフォーム層は、ダッシュ・マットに関して上記で確定されたのと同じ特性を有する。
【0027】
本発明による音響パネルは、パネルの一側面に形成された複数の規則的な間隔の規則的なサイズの複数のコアを有するほぼ一定の厚さの音響障壁を有することができる。代替として、またはさらに、音響パネルは、パネルの一側面上に形成された不規則な間隔の不規則なサイズの複数のコアを有するほぼ一定の厚さの音響障壁を有することができる。さらに、音響パネルは、パネルの反対側面上に形成されたコアを組み込んで、または省略して、変動する厚さを有することができる。
【0028】
本発明は、モータ車両の乗員区画に入る音を低減するための、軽量障壁層を有するまたは有さない単一層フォームのダッシュ・マットとして実現される軽量フォーム障壁を提供する。事前に選択された音減衰仕様が、重量および剛性の要件を満たすダッシュ・マットにおいて満たされる。さらに、成形音響パネルは、処理、出荷、および自動車での装備中に形状を保持するように構造完全性を有するダッシュ・マットなどの大きな区画に形成することができる。本発明による音吸収特性および音伝達減衰特性の両方を有する音響パネルは、所望であれば、単一の従来の成形工程において、または追加の積層工程で、製作することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
ここで図面および特に図1を参照すると、本発明は、乗員区画と車両エンジン区画とを分離する防火壁に関して記述される。通常の防火壁は、電気および機械制御線、ステアリング機構、加熱導管および冷却導管などのカットアウトを備える不規則な形状のパネルである。これは、加熱および空気調節ユニットなどの補助装置、および機器パネルをも支持する。防火壁を貫通する音は、防火壁の形状および厚さ、カットアウトの数および位置、ならびに音源と防火壁との接近度などの変数に依拠する。音響障壁の構成は、そのような変動ファクタを考慮にいれなければならない。
【0030】
図1は、機器パネル14、シート16、ステアリング・カラム18、防火壁20、フロア22、および乗員区画の加熱および冷却を提供するための環境制御線24を備えるほぼ従来の構成のモータ車両12の乗員区画の内部の一部を示す。防火壁20は、ほぼ周知の方式で、エンジン区画を乗員区画から分離する。フロア22は、乗員区画を車両12の外部から分離し、シート16を支持し、通常、カーペットまたはゴムの床板が重なる。本発明による成形軽量フォーム音響障壁10が、防火壁20およびフロア22を備える基板28の上に重なる。音響障壁は、ダッシュ・マット10以外の、例えば音響ドア・パネルまたは音響車両ルーフ・パネルの形態を取ることができ、これらのパネル用のそれぞれの支持基板に添付することができる。
【0031】
ここで図2を参照すると、ダッシュ・マット10は、フロア・セクション30および防火壁セクション32を備える不規則な形状のパネルであり、ステアリング・カラム18が通過するためのステアリング・カラム・カットアウト34および環境制御線24が通過するための環境制御線カットアウト36など、エンジン区画と乗員区画との間において動作区画が通過するための複数のカットアウト26を備える。カットアウト26は、ダッシュ・マット10が添付される防火壁20またはフロア22などの基板28の開口26と共動するように位置合わせされる。
【0032】
ダッシュ・マット10は、不当な湾曲または変形を有さずに、処理、出荷、および装備のために成形形状の完全性を維持するように十分堅固である軽量堅固柔軟フォームで作成される。成形ダッシュ・マットが堅固で低重量であることにより、ダッシュ・マットは、従来の方式で処理されるとき、崩壊せずに自立する。しかし、フォームは、より軟性の柔軟フォームと同様の音吸収特性を保持するように弾性的であるという意味で柔軟である。したがって、フォームは、特定の応用例の商用音響要件を満たすように弾性的であり、かつ十分な音吸収特性を有するように十分な剛性を有し、また、この特定の応用例について音響要件のこの態様を満たすように、自立し、かつ必要な音伝達減衰特性を有する十分な硬さまたは硬度を有する。
【0033】
通常、成形フォーム・ダッシュ・マット10の硬度は、一部にはその剛性に反映され、ASTM D3574−01仕様による20”×20”×2試験サンプルを使用する25%押込み力偏向(IFD)において30ポンド力より大きい。このIFDは、剛性または硬度の尺度であり、柔軟性に逆に関係付けられる、すなわち、柔軟性は、IFD値の減少に反映される。
【0034】
フォームは、開放セルの形態であることが好ましく、任意の適切な熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂から作成することができる。樹脂は、ポリウレタンなど、熱硬化性樹脂であることが好ましい。フォームの音響特性は、フォームの密度、剛性、および多孔度を選択することによって達成することができる。フォームの密度は、比較的広範囲にわたって変化することができるが、2から9lb/cu ft.の範囲にあることが好ましい。好ましい実施形態では、フォームは、約3.5lb/cu ftの密度、およびASTM D3574−01仕様による20”×20”×2試験サンプルを使用する25%押込み力偏向(IFD)において30ポンド力(200ニュートン)より大きい剛性を有する。フォームの多孔度は、約95〜96%であり、1インチあたり20から120ポア、通常は1インチあたり40と75ポアとの間、好ましくは1インチあたり約60ポアを有する。
【0035】
例として、フォームは、ダウ・ケミカル・カンパニ(Dow Chemical Company)DNS648.01ポリオールなどのポリオール、およびダウ・ケミカルのスペックフレックス(Specflex)(登録商標)NS1540イソシアネートなどのイソシアネートを備える、適切な音響特性を有する2成分低密度堅固柔軟ポリウレタン・フォームとすることができる。ポリオール対イソシアネートの重量の割合は、1.818から1.212にわたり、好ましい割合は1.333である。好ましい割合において、フォームは、単一層音響障壁として使用されるのに好ましい剛性を提示する。表1は、いくつかのそれぞれのフォームについて、ポリオールおよびイソシアネートの割合、ならびに結果的な密度および剛性を概述する。
【0036】
【表1】

【0037】
ダッシュ・マットは、開放注入プロセスまたは閉鎖注入プロセスによって形成することができ、好ましいプロセスは、2部品鋳型を使用する開放注入である。構成要素は、適切な混合/押出し機械において混合され、フォームの膨張が行われる下方鋳型の中に押し出される、または注入される。次いで、上方鋳型が、硬化中にダッシュ・マットの上面を成形するように、下方鋳型に関して位置決めされる。鋳型は、押出しおよび硬化プロセス中に、120〜150°Fの温度に維持されることが好ましい。
【0038】
本発明によるダッシュ・マットは、特定の応用例の商用要件を満たす音響特性を有する。
【0039】
図2に示されるように、第1実施形態において、ダッシュ・マット10は、乗員区画の内部に面する観測側面40、ならびに基板28、すなわち防火壁20およびフロア22と接触する反対側面42を備える。観測側面40は、カーペットまたはゴムの床板を添付するのに適切な平滑表面44を有して完成される。図3に示されるように、反対側面42は、コア有り表面46を備える。コア有り表面46は、行および列に構成され、表面46の下に延びるように反対側面42の中に切り込まれる、間隔をおいて位置する凹み48の規則アレイを備える。このアレイは、格子状接触表面50を形成する。凹み48および接触表面50は、一般に、ダッシュ・マット10の周囲が欠けている点において終端するように、ダッシュ・マット10にわたって規則アレイにおいて延びる。代替として、凹み48は、不規則アレイを形成することができ、または、不規則な形状とすることができる。図4に示されるように、凹み48は、カットアウト34、36を囲むカットアウト・フランジ60、61を残すために、カットアウト34、36から間隔をおいた領域おいて終端する。カットアウト・フランジ61は、図4に示されるように、アットアウトの回りに追加の強化を提供するために、厚くすることができる。
【0040】
凹み48は、ダッシュ・マット10と基板28との間において、コア62においてダッシュ・マット10を経た音の伝達を防止する複数のフォーム・コア62を提供する。コア62は、基板28のプロファイル、および基板28に沿った選択点における音強度の変動に対応するように、変化する間隔、形状、および深さを有することができる。したがって、図3に示される規則パターンではなく、反対側面42は、形状および深さが不規則である凹みを有することができる。コア62は、接触表面64によって中断され、この接触表面は、それが周知の固定具により添付される基板28と隣接する。コア62の上のフォーム38の厚さは、減衰される音強度、望ましい構造完全性、およびダッシュ・アット10による占有に利用可能な空間に依拠する。カットアウト構成要素の回りにおいてなど、より大きな高周波数および中間周波数の音に対応するダッシュ・マット10の領域は、ダッシュ・マット10を通る漏音経路に近接するように選択されたコア62を備える。したがって、各コア有り領域は、一般に、他のコア有り領域から分離される。
【0041】
図5に示されるように、より大きな中間周波数の音の領域では、多くのコア62が、ダッシュ・マット10と下在基板28との接触面積を最小限に抑えるために提供される。接点66は、円錐または角錐の支持本体78によって画定することができ、それにより、ダッシュ・マット10と基板28との接触がさらに最小限に抑えられる。コア62より上のフォーム38の厚さは、より高い強度の音を減衰させるのに十分である。より少ないカットアウトおよび形状の変化を有する領域は、より少ない接点66を有することができ、それにより、基板表面において最大のコア面積を提供する。
【0042】
図6に示されるように、防火壁20に沿ってなど、より大きな高周波数の音の領域では、コア62は、切頭円錐または角錐の支持本体80によって画定される接点68を提供するように構造化することができ、それにより、基板表面におけるコア面積が最大になる。コア62より上のフォーム38の厚さは、高周波数の音の低減を改善し、一方、負荷支持、形状、はめ込みについて十分な構造強度を提供するように、低減することができる。
【0043】
図6Aに示されるように、より大きな低周波数の音の領域では、ダッシュ・マット10と下在基板28との接触面積を最大にするために、コアのない完全な厚さのフォーム38のパネルを提供することができる。この比較的高レベルの接触は、基板28内における低周波数の音の構造ダンピングを提供し、基板28から間隔をおいて位置する軽量障壁層によって創出される低周波数伝達損失の低減を回避する。
【0044】
フォーム38は、2から9lb/cu ftの範囲の密度、およびASTM D3574−01仕様に準拠する20”×20”×2”試験サンプルを使用する25%押込み力偏向(IFD)において、30ポンド力より大きい剛性を有する。ダッシュ・マット10は、周知の開放注入プロセスもしくは閉鎖注入プロセス、または従来の反応射出成形プロセスによって製作されることが好ましく、それが添付される基板28の輪郭に適合される。
【0045】
軽量フォームの音響性能の音響試験が、ある範囲のポリオールおよびイソシアネートの混合物、すなわちある範囲の指標を備えるコア有りプラーク・サンプルについて実施された。図13に示されるように、プラーク・サンプルは、20ゲージ・スチールに添付された規則的な寸法および間隔のコア128のアレイを有する薄いフォーム・パネル120からなっていた。コア128の深さ122、長さ124、および幅126は、表2に示されるように変更された。
【0046】
【表2】

【0047】
修正力偏向試験が、フォームの相対剛性を確立するために、フォームのサンプルについて実施された。修正力偏向試験の結果は、フォームのサンプルに接触する1インチの直径の表面を有する偏向装置シューで、1”の厚さのサンプルを0.5”に凹ませるために必要な最大力を定量化する。「修正」力偏向は、ASTM D3574−01 25%IFD試験の約3.5分の1になる。
【0048】
プラーク試験は、24”かける24”平方のフォーム・サンプルからなるプラークについて実施された。フォームの厚さは、1”から5”の範囲であった。各プラークは、実際の使用条件を再現するように、20ゲージ・スチールの基板に接して配置された。2つのスピーカが、プラークの基板側に配置され、これは、各周波数において同じ強度レベルを有する広い周波数スペクトル雑音であるピンク雑音を生成した。マイクロフォンが、プラークの各側に配置され、基板側のマイクロフォンは、源マイクロフォンとして作用し、フォーム側のマイクロフォンは、無響マクロフォンまたは受信器マクロフォンとして作用した。ピンク雑音を生成するスピーカで、各マイクロフォンの応答、すなわち音レベルが測定され、平均された。受信器マイクロフォンからの平均音レベルは、源マイクロフォンからの平均音レベルから減算され、この差は、フォームによって提供される雑音低減である。データは、異なる試験環境から得られるデータを正規化する標準試験を確定するSAEJ−1400に準拠して調整された。
【0049】
試験結果は、表2および図17〜24に概述され、曲線130〜146によって示される。図17〜24は、125Hzから10,000Hzの周波数の範囲にわたって音伝達の低減を示す。一般に、結果は、剛性が増大すると、音伝達損失が増大することを示す。コア・サイズ、具体的には深さの増大も、音伝達損失を増大させる。
【0050】
吸収による音低減も、フォームの剛性の増大で改善される。図25は、10ポンド力の剛性を有する80指標フォーム(曲線150)および32ポンド力の剛性を有する110指標フォーム(曲線148)に対して、周知のインピーダンス管試験手続きを使用した吸収係数の測定結果を示す。異なる周波数および選択強度の音が、14ミリメートルの厚さの固体鋳造フォーム・サンプルに向けてインピーダンス管を下に向けられ、反射音の強度が測定された。強度の差は、吸収された音の測定である。係数は、インピーダンス管音強度の強度のパーセンテージとして表される吸収音である。図25に示されるように、より高い剛性のフォーム148は、より低い剛性のフォーム150より大きい係数を有し、これは、より多くの吸収を示す。
【0051】
図7は、プラーク試験の結果として、3つの異なるダッシュ・マット構成について、音周波数と音伝達損失の改善との関係を示す。曲線70は、一定の厚さの軟性柔軟層を有する防火壁を経た伝達損失を表す。曲線72は、防火壁に完全に接触する一定の厚さの堅固柔軟フォーム・ダッシュ・マットを経た伝達損失を表す。曲線74は、図4に一般的に示されるコア有り堅固柔軟フォーム・ダッシュ・マットを使用した伝達損失を表す。図7が示すように、コア有り堅固柔軟フォームは、軟性フォームまたは完全接触堅固柔軟フォームより高い周波数のかなりの範囲にわたって、一般により優れた音低減を提供する。また曲線72によって示されるように、完全接触堅固柔軟フォームは、コア有り堅固柔軟フォーム(曲線74)または軟性フォーム(曲線70)より改善された低周波数伝達損失を提供する。
【0052】
図8は、軽量堅固柔軟フォーム・ダッシュ・マット90を備える本発明の代替実施形態を示し、コア構造は、94などの領域に限定され、それにより、ダッシュ・マット90は、防火壁20とほぼ完全に接触する。この構成では、貫通構成要素の回りにおいてフォームの厚さを増大することにより、高周波数伝達損失が改善される。以前に記述されたダッシュ・マット10の場合と同様に、ダッシュ・マット90は、防火壁20の形状とほぼ合致して防火壁に重なるように適合される。
【0053】
ダッシュ・マット90は、防火壁20に沿った音特性の変動に基づいて変化する厚さを有する。音がより高周波数である領域では、より薄いセクションが使用される。対照的に、音強度が高い領域では、より厚いセクションが使用される。防火壁カットアウト26に隣接して、ダッシュ・マット90は、カットアウトに関連付けられる音の減衰を改善するために、適切な厚さおよび構造を提供するように、空気調節装置/ヒータ・モジュールなど、カットアウトによって作用される装置の構成に合わせた輪郭とすることができる。
【0054】
図9および11は、防火壁20に沿った音響度の変動に対応するように変化する厚さを有するダッシュ・マット90のセクションを示す。図11の最小矢印82によって示されるように、音強度が低周波数の音からなる薄いセクション92が、使用される。薄いセクション92は、中間サイズ矢印84によって示されるように、音がいくらかより大きい強度を有する中間セクション96に移行し、中間セクション96は、音が、最大矢印86によって示されるように、最大高周波数強度を有する大きな凹みを有する薄いセクション94に移行する。図10および12に示されるように、ダッシュ・マット90は、図12の開口26を通って延びる矢印102によって示されるように、開口26に関連付けられる音の減衰を改善するように適合された、いくらかより厚い厚さ、およびこの例では弓状である選択された形状を有する防火壁開口26に隣接するカットアウト・セクション98を備える。
【0055】
図11Aに示されるように、セクション94は、代替として、基板28に沿った位置において特定の周波数および強度を有する音に対応するように、コアのないフォームの厚いセクションを備えることができる。
【0056】
図14は、周波数スペクトルにわたって軽量フォームおよび従来の2層マットの音響性能を試験した結果を示す。試験は、従来の車両防火壁の上に装備されたダッシュ・マットを備えるバック試験サンプルを使用して実験室設定において実施された。表1において概述される110I軽量フォームは、バック試験のために選択された。110I軽量フォームの結果は、図14の曲線104によって例示される。
【0057】
バック試験サンプルは、従来の車両防火壁に接して装備されたダッシュ・マットのほぼ完全規模の原寸模型からなっていた。防火壁は、ピラーにおいて、およびフロアにわたって、加熱/空気調節コンソール、機器パネル・フレーム、ステアリング・ホイールなど、含まれる部分のすべてを有するストック自動車から除去された。反響源室が、バック試験サンプルのエンジン側に配置され、無響室が、バック試験サンプルの乗員側に配置された。
【0058】
2つのスピーカが、試験サンプルの防火壁側に配置され、各周波数において等しい強度レベルを有する広い周波数スペクトル雑音であるピンク雑音を生成した。マイクロフォンが、試験サンプルの各側に配置され、防火壁側のマイクロフォンは、源マイクロフォンとして作用し、フォーム側のマイクロフォンは、無響マイクロフォンまたは受信器マイクロフォンとして作用した。ピンク雑音を生成するスピーカで、各マイクロフォンの応答、すなわち音レベルが測定された。音レベルの差は、ダッシュ・マットによる音の低減を表した。この差は、110Iの指標値を有する本明細書において記述される軽量フォーム・ダッシュ・マット、およびリエータ・ウルトラ・ライト(Rieter Ultra Light)(商標)ダッシュ・マットの両方について比較された。
【0059】
従来の2層マットは、曲線106によって例示され、商標名リエータ・ウルトラ・ライト(商標)で市販されている、従来のマス層に結合された繊維性吸収層を備えるマットからなっていた。リエータ・ウルトラ・ライト(商標)ダッシュ・マットは、車両の乗員区画に面する表面において、およびそのいくらか下において樹脂が注入されたリサイクル済みファイバで形成されたコットン・ショディを備え、スクリムが、ショディの上に完成表面を形成する。材料は、基板において規則的なコットン・ショディを備え、樹脂の注入の結果として、スクリムに向かって密度が段階的に増大する。図14が示すように、軽量フォーム障壁の雑音低減特性は、リエータ・ウルトラ・ライト(商標)マットと等しく、ある周波数ではそれより良好であるが、重量は著しく低減される。
【0060】
図15は、実際の動作を再現するように動作された車両における軽量フォーム・ダッシュ・マットおよびリエータ・ウルトラ・ライト(商標)ダッシュ・マットの音響性能の試験結果を示す。試験は、半無響室内においてローラ動力計の第1ギアにおいて、ワイドオープン・スロットル加速度で車両を動作させることからなっていた。軽量フォーム障壁は、曲線108で示される。リエータ・ウルトラ・ライト(商標)ダッシュ・マットは、曲線110で例示される。図14が示すように、軽量フォーム障壁の雑音低減特性は、リエータ・ウルトラ・ライト(商標)マットと等価であるか、またはそれより良好であるが、重量は著しく低減される。
【0061】
ダッシュ・マット90の音低減特性のさらなる改善は、フォームの選択位置において、図1〜6に示されるコア構造などのコア、もしくは適切な形状のコアの構成を組み込むことによって、または選択位置においてフォームに加えられた薄い軽量のマス層を使用することによって、達成することができる。
【0062】
以前に記述されたダッシュ・マット10の場合と同様に、ダッシュ・マット90は、不当に湾曲または変形せずに、処理、出荷、および装備のために、成形された形状の完全性を維持するように十分堅固である堅固柔軟フォームで作成される。
【0063】
図16に示されるように、基板28と接触するフォーム38は、薄い液量マス層100を重ねることができる。マス層100は、ポリエチレン膜など、ポリマー材料を備えるほぼ不浸透性の障壁を備えることができる。好ましい実施形態では、膜は、せいぜい1ミリメートルの厚さを有する。マス層100は、軽量フォーム・ダッシュ・マット10に構造強度をわずかに追加する、またはまったく追加しないが、選択領域においてフォーム38の音遮断特性を向上させる。
【0064】
薄い軽量マス層を有する軽量フォームの音響性能の試験が、フォーム層が表2のサンプル5と同一であるコア有りプラーク・サンプルについて実施された。マス層は、0.008”の厚さを有するポリプロピレン膜からなっていた。伝達損失の結果は、表3に示され、サンプル5の結果に匹敵する。マス層を有するフォームについて予期されたように、高周波数伝達損失が改善された。
【0065】
【表3】

【0066】
ダッシュ・マットは、開放注入プロセスまたは閉鎖注入プロセスによって形成することができ、好ましいプロセスは、2部品鋳型を使用する開放注入である。構成要素は、適切な混合/送達機械において混合され、フォームの膨張が行われる下方鋳型の中に送達される。次いで、上方鋳型が、硬化中にダッシュ・マットの上面を形成するように、下方鋳型の上に配置される。鋳型は、送達および硬化プロセス中、120〜150°Fの温度に維持される。
【0067】
本明細書において記述された成形軽量フォーム音響障壁は、2重層障壁で通常達成される望ましい音減衰特性を提供するが、重量低減は著しく改善され、それにより、燃料の経済性に寄与する。堅固柔軟フォームの構造完全性により、より軟性のフォームに関連する処理(例えば変形)または添付の問題を有さずに、音響障壁を容易に製作、出荷、および基板に添付することが可能になる。従来の2層ダッシュ・マットは、マス層または障壁層についての第1成形プロセス(射出または熱形成)、および成形音吸収フォーム層についての第2成形プロセスを必要とし、これに、成形フォーム層を障壁層またはマス層に添付することが続く。この複数工程製作プロセスは、単一層フォーム障壁では排除される著しいコストをダッシュ・マットに追加することがある。
【0068】
障壁の音減衰特性は、基板に沿った音強度の変動に対応するために、コア、厚さの変動、または両方の組合わせを使用することにより、精確に適応することができ、それにより、車両乗員区画への音減衰を最大にし、一方、音響障壁の重量を最小限に抑える。
【0069】
本発明は、そのある特定の実施形態に関して具体的に記述されたが、これは、例示であり、限定ではないことを理解されたい。妥当な変更および修正が、本発明の精神から逸脱せずに、以上の記述および図面の範囲内において可能であり、これは、添付の請求項において記述される。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明による成形軽量フォーム・ダッシュ・マットを備える音響障壁の第1実施形態を示す、モータ車両の乗員区画の内部の一部の透視図である。
【図2】図1のダッシュ・マットの観測側面の近接透視図である。
【図3】図2のダッシュ・マットの反対側面の一部の近接図である。
【図4】図2の視線4−4に沿って取られたダッシュ・マットの第1断面図である。
【図5】図2の視線5−5に沿って取られたダッシュ・マットの第2断面図である。
【図6】図2の視線6−6に沿って取られたダッシュ・マットの第3断面図である。
【図6A】図2の視線6−6に沿って取られたダッシュ・マットの代替実施形態の断面図である。
【図7】3つの異なる音響障壁について音の低減を周波数の関数として示すグラフである。
【図8】本発明による成形軽量フォーム・ダッシュ・マットを備える音響障壁の第2実施形態を示す、モータ車両の乗員区画の内部の一部の透視図である。
【図9】音強度の変動に対応するようにダッシュ・マットの厚さを変更することを示す、図8のダッシュ・マットの第1部分の近接透視図である。
【図10】音強度の変動に対応するようにダッシュ・マットの厚さを変更することを示す、図8ダッシュ・マットの第2部分の近接透視図である。
【図11】図9の視線11−11に沿って取られたダッシュ・マットの断面図である。
【図11A】図9の視線11−11に沿って取られたダッシュ・マットの代替実施形態の断面図である。
【図12】図10の視線12−12に沿って取られたダッシュ・マットの断面図である。
【図13】可変寸法を有するコアのアレイを示す軽量フォーム・プラーク試験サンプルの透視図である。
【図14】本発明による音響障壁および従来の2層障壁について、音の低減を周波数の関数として示す第1グラフである。
【図15】本発明による音響障壁および従来の2層障壁について、音の低減を周波数の関数として示す第2グラフである。
【図16】本発明による音響障壁の第3実施形態の近接切断図である。
【図17】ある範囲の軽量フォーム・サンプルについて、音の低減を周波数の関数として示す第1グラフである。
【図18】図17に示される軽量フォーム・サンプルの第1グループについて、音の低減を周波数の関数として示す第2グラフである。
【図19】図17に示される軽量フォーム・サンプルの第2グループについて、音の低減を周波数の関数として示す第3グラフである。
【図20】図17に示される軽量フォーム・サンプルの第3グループについて、音の低減を周波数の関数として示す第4グラフである。
【図21】図17に示される軽量フォーム・サンプルの第4グループについて、音の低減を周波数の関数として示す第5グラフである。
【図22】図17に示される軽量フォーム・サンプルの第5グループについて、音の低減を周波数の関数として示す第6グラフである。
【図23】図17に示される軽量フォーム・サンプルの第6グループについて、音の低減を周波数の関数として示す第7グラフである。
【図24】図17に示される軽量フォーム・サンプルの第7グループについて、音の低減を周波数の関数として示す第8グラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音伝達基板に取り付けられるように適合される形状に形成され、かつ必要な音吸収規格および音伝達減衰規格の両方を満たす音響特性を有する軽量堅固柔軟フォームのシートを備える音響障壁。
【請求項2】
前記シートが、複雑な形状に成形される、請求項1に記載の音響障壁。
【請求項3】
前記形成されたフォーム・シートが、処理、出荷、および装備中にその形状を保持する十分な剛性を有する、請求項1に記載の音響障壁。
【請求項4】
音響障壁が、観測表面および反対側面を有し、パターン化された凹みが、前記反対側面の少なくとも一部において形成され、前記パターン化された凹みが、音響障壁の前記反対側面が接して配置されるように適合される音伝達基板からの音の伝達を減衰させるように適合される、請求項3に記載の音響障壁。
【請求項5】
前記凹みの間隔およびパターンが、規則アレイを画定する、請求項4に記載の音響障壁。
【請求項6】
前記凹みの前記間隔およびパターンが、不規則アレイを画定する、請求項4に記載の音響障壁。
【請求項7】
前記凹みの前記間隔およびパターンが、音響障壁が前記音伝達基板の上に装備されるとき、前記音伝達基板と接触するように適合される間隔をおいて位置するカラムの規則アレイを画定する、請求項4に記載の音響障壁。
【請求項8】
前記シートの厚さが、前記シートの異なる部分において異なる音響特性を提示するように変化する、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の音響障壁。
【請求項9】
前記フォームが、約2から9lb/cu ftの範囲の密度を有する、請求項1に記載の音響障壁。
【請求項10】
前記フォームが、約3.5lb/cu ftの密度を有する、請求項9に記載の音響障壁。
【請求項11】
前記フォームが、ASTM D3574−01仕様に準拠する20”×20”×2”試験サンプルを使用する25%押込み力偏向(IFD)において、30と300ポンド力との間の剛性を有する、請求項10に記載の音響障壁。
【請求項12】
前記フォームが、ASTM D3574−01仕様に準拠する20”×20”×2”試験サンプルを使用する25%押込み力偏向(IFD)において、少なくとも30ポンド力の剛性を有する、請求項11に記載の音響障壁。
【請求項13】
前記フォームが、ASTM D3574−01仕様に準拠する20”×20”×2”試験サンプルを使用する25%押込み力偏向(IFD)において、30と300ポンド力との間の剛性を有する、請求項9に記載の音響障壁。
【請求項14】
前記フォームが、ASTM D3574−01仕様に準拠する20”×20”×2”試験サンプルを使用する25%押込み力偏向(IFD)において、30と300ポンド力との間の剛性を有する、請求項1に記載の音響障壁。
【請求項15】
フォーム層に重なる薄い不浸透性障壁層をさらに備える、請求項1に記載の音響障壁。
【請求項16】
前記フォーム・シートが、スチール基板に取り付けられるとき、図15のグラフの曲線108で示されるのと少なくとも同程度に優れた音伝達損失特性を有する、請求項1に記載の音響障壁。
【請求項17】
前記フォーム・シートが、スチール基板の上に取り付けられるとき、図7のグラフの曲線72で示されるのと少なくとも同程度に優れた音伝達損失特性を有する、請求項1に記載の音響障壁。
【請求項18】
前記フォームが、1インチあたり約20から120セルの範囲の多孔度を有する、請求項1に記載の音響障壁。
【請求項19】
車両の防火壁にほぼ合致する形状を有し、かつ図7に示される曲線74によって表されるのと同程度に優れた音伝達損失特性を有する成形軽量堅固柔軟フォームの単一層を備える、モータ車両の防火壁に接して、かつ車両の乗員区画内に装備されるように適合されるダッシュ・マット。
【請求項20】
前記フォーム層が、前記防火壁の選択された対応する領域において所定の音伝達要件と整合するために、前記フォーム層の前記音響特性を調節するように構成される選択領域を有する、請求項19に記載のダッシュ・マット。
【請求項21】
前記選択領域の少なくとも1つが、前記フォーム層を経て伝達音を減衰させる、前記フォーム層の反対側面に沿ってパターン化された凹みを有する、請求項20に記載のダッシュ・マット。
【請求項22】
前記凹みの間隔およびパターンが、規則アレイを画定する、請求項21に記載のダッシュ・マット。
【請求項23】
前記凹みの間隔およびパターンが、不規則アレイを画定する、請求項21に記載のダッシュ・マット。
【請求項24】
前記選択領域の少なくとも1つが、前記フォーム層を経た音吸収を増大させるために、拡大された壁の厚さを有する、請求項21に記載のダッシュ・マット。
【請求項25】
前記拡大された壁の厚さが、前記フォーム層の開口を少なくとも部分的に囲む、請求項24に記載のダッシュ・マット。
【請求項26】
前記フォーム層が、実装、出荷、および装備中にその形状を保持するように十分な剛性を有する、請求項20に記載のダッシュ・マット。
【請求項27】
前記フォーム層が、実装、出荷、および装備中にその形状を保持するように十分な剛性を有する、請求項19に記載のダッシュ・マット。
【請求項28】
前記フォーム層の厚さが、ダッシュ・マットの異なる部分において異なる音響特性を提示するように変化する、請求項19に記載のダッシュ・マット。
【請求項29】
前記フォーム層が、約2から9lb/cu ftの範囲の密度を有する、請求項19に記載のダッシュ・マット。
【請求項30】
前記フォーム層が、約3.5lb/cu ftの密度を有する、請求項29に記載のダッシュ・マット。
【請求項31】
前記フォーム層が、ASTM D3574−01仕様に準拠する20”×20”×2”試験サンプルを使用する25%押込み力偏向(IFD)において、30と300ポンド力との間の剛性を有する、請求項30に記載のダッシュ・マット。
【請求項32】
前記フォーム層が、ASTM D3574−01仕様に準拠する20”×20”×2”試験サンプルを使用する25%押込み力偏向(IFD)において、30と300ポンド力との間の剛性を有する、請求項29に記載のダッシュ・マット。
【請求項33】
前記フォーム層が、ASTM D3574−01仕様に準拠する20”×20”×2”試験サンプルを使用する25%押込み力偏向(IFD)において、少なくとも30ポンド力の剛性を有する、請求項19に記載のダッシュ・マット。
【請求項34】
前記フォーム層が、ASTM D3574−01仕様に準拠する20”×20”×2”試験サンプルを使用する25%押込み力偏向(IFD)において、30と300ポンド力との間の剛性を有する、請求項19に記載のダッシュ・マット。
【請求項35】
前記フォーム層に重なる薄い不浸透性の障壁層をさらに備える、請求項19に記載のダッシュ・マット。
【請求項36】
前記フォームが、1インチあたり20から120ポアの範囲の多孔度を有する、請求項19に記載のダッシュ・マット。
【請求項37】
ダッシュ・マットが、図15に示されるグラフの曲線108によって表されるのと少なくとも同程度に優れた音伝達損失特性を有する、請求項19乃至36のいずれか1項に記載のダッシュ・マット。
【請求項38】
乗員区画からエンジン区画を分離する防火壁を有し、かつ前記防火壁に接して前記乗員区画内に配置される請求項19乃至37のいずれか1項に記載のダッシュ・マットを有する車両。
【請求項39】
車両のモータ区画とキャビンとの間において防火壁を経て音を減衰させる方法であって、
前記エンジン区画と前記キャビンとの間における前記防火壁を経た音伝達を、前記キャビンに面する前記防火壁のキャビン表面の1組の座標の関数としてマッピングする工程と、
音伝達特性および音吸収特性の両方を有し、かつ処理、出荷、および装備中に構造完全性を有する堅固柔軟フォームを選択する工程と、
前記防火壁の前記キャビン表面にほぼ合致する形状において、前記座標の組の関数として前記マッピングされた音伝達特性に対応する異なる音響特性を有する構成で設計される前記選択領域を有する前記選択された堅固柔軟フォームの層を設計する工程と、
前記設計された層を、前記キャビン表面にほぼ合致する形状に成形する工程とを含む方法。
【請求項40】
前記成形層を前記車両の前記防火壁キャビン表面の上に装備する工程をさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記設計工程が、前記フォーム層を経て伝達音を減衰させる前記フォーム層の反対側面に沿ってパターン化された凹みを有する少なくとも1つの選択領域を設計する工程を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記凹みの間隔およびパターンが、規則アレイを画定する、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記凹みの間隔およびパターンが、不規則アレイを画定する、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記設計工程が、前記フォーム層を経た音の吸収を増大させるように、拡大された壁の厚さを有する少なくとも1つの選択領域を設計する工程を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
前記設計工程が、前記フォーム層において開口を設計して、前記フォーム層の前記開口を少なくとも部分的に囲むように、前記拡大された壁の厚さを設計する工程を含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
成形フォーム層が、実装、出荷、および装備中にその形状を保持するように十分な剛性を有するように、前記設計工程が、前記フォーム層のフォーム材料、厚さ、および形状を設計することをさらに備える、請求項39に記載の方法。
【請求項47】
前記設計工程が、前記防火壁キャビン表面の選択座標に対応する前記ダッシュ・マットの異なる部分において異なる音響特性を提示するように、前記フォーム層において厚さの変動を設計する工程を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項48】
前記フォーム層が、約2から9lb/cu ftの範囲の密度を有する、請求項39に記載の方法。
【請求項49】
前記フォーム層が、約3.5lb/cu ftの密度を有する、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記フォーム層が、ASTM D3574−01仕様に準拠する20”×20”×2”試験サンプルを使用する25%押込み力偏向(IFD)において、30と300ポンド力との間の剛性を有する、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記フォーム層が、ASTM D3574−01仕様に準拠する20”×20”×2”試験サンプルを使用する25%押込み力偏向(IFD)において、30と300ポンド力との間の剛性を有する、請求項48に記載の方法。
【請求項52】
前記フォーム層が、ASTM D3574−01仕様に準拠する20”×20”×2”試験サンプルを使用する25%押込み力偏向(IFD)において、少なくとも30ポンド力の剛性を有する、請求項39に記載の方法。
【請求項53】
前記フォーム層が、ASTM D3574−01仕様に準拠する20”×20”×2”試験サンプルを使用する25%押込み力偏向(IFD)において、30と300ポンド力との間の剛性を有する、請求項39に記載の方法。
【請求項54】
前記防火壁キャビン表面と完全接触して前記フォーム層の少なくとも一部を配置する工程をさらに含む、請求項40に記載の方法。
【請求項55】
前記フォームが、1インチあたり約20から120セルの範囲の多孔度を有する、請求項39に記載の方法。
【請求項56】
前記設計工程が、図7に示される曲線72と少なくとも同程度に優れた音響伝達損失特性を有するように、前記ダッシュ・マットの前記音減衰特性を設計することを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項57】
前記設計工程が、図7に示される曲線74によって表されるのと少なくとも同程度に優れた音響伝達損失特性を有するように、前記ダッシュ・マットの前記音減衰特性を設計することを含む、請求項39に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図11A】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate


【公表番号】特表2006−519399(P2006−519399A)
【公表日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−500791(P2006−500791)
【出願日】平成16年1月6日(2004.1.6)
【国際出願番号】PCT/US2004/000142
【国際公開番号】WO2004/062966
【国際公開日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(500373655)キャスケイド エンジニアリング,インク. (1)
【Fターム(参考)】