説明

モータ圧縮機システムおよび方法

【課題】電気モータにより駆動される圧縮機において、故障した部品またはメンテナンスを必要とする部品にアクセスすることを容易にする。
【解決手段】モータが圧縮機を作動させるように構成されているモータ圧縮機システム400は、共通ケーシング403と、モータを収容し、共通ケーシングの内側に取外し可能に設けられるモータカートリッジ402と、モータに取外し可能に連結される圧縮機を収容し、共通ケーシングの内側に取外し可能に設けられる圧縮機カートリッジ401とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示されている主題の実施形態は、全般的に、方法およびシステムに関し、さらに詳細には、単一のケーシング内にモータおよび圧縮機を効率的に設ける機構および技術に関する。
【背景技術】
【0002】
石油化学産業では、流動する気体または液体の圧力を上昇させて、その送り先まで移動させ続けるために、ブースタポンプまたはブースタ圧縮機が、液体製品またはガスのパイプラインに沿って間隔を置いて配置されている可能性がある。ブースタポンプまたはブースタ圧縮機はまた、他のパイプライン内で使用されてもよく、石油化学製品の探査、精製および輸送に関連する種々の工程まで、かつそれらを経て、気体または液体を移動させる。ブースタ圧縮機の例は、パイプラインを通してガス状の石油化学製品または副産物を移動させるのに使用されるインライン遠心圧縮機および軸流圧縮機である。これらのパイプラインブースタは、石油化学工程の上流(探査および産出中)、中流(処理、貯蔵および輸送中)または下流(天然ガス/石油化学製品の精製、送出および分配中)で使用することができる。
【0003】
天然ガスまたは他のガスを移動させるために、遠心圧縮機が、成形ハウジング内の回転ディスクまたは回転羽根車を使用して、羽根車の縁部にガスを押しやり、ガスの速度を増加させる。ディフューザ(ダイバージェントダクト)部分が、速度エネルギーを圧力エネルギーに変換する。
【0004】
いくつかの場合には、標準的なケーシング寸法で、異なる数の羽根車を収容して、効率性、圧縮比および動作範囲の観点から性能を最適化することができる。圧縮機ケーシングは、鍛鋼製として、材料強度および冶金学的安定性を最大化することができる。振動低減が、両ケーシング端部に配置されている軸受により実現されてもよい。ドライガスシールを使用して、ガスの漏出を防止してもよい。また、浮動ブシュ(floating bushing)オイルシールが使用されてもよい。
【0005】
電気モータ、ガスタービンまたは他のモータを含む種々のモータを使用して、ブースタポンプまたはブースタ圧縮機を駆動することができる。例えば、ブースタステーションが、ガス発生器として動作しているタービンを出力タービンと結合させて、ブースタ圧縮機を駆動することがある。あるいは、電気モータが、特にパイプライン内で使用されてもよい。
【0006】
上記の通り、種々の産業が、電気モータにより駆動される圧縮機を使用している。これら2つの機械は複雑であり、また互いに連結されているので、圧縮機の部品が故障したかまたはメンテナンスを必要とする場合、機械全体を停止しなければならず、技師が故障した部品またはメンテナンスを必要とする部品にアクセスすることができるまで、圧縮機を1つ1つ分解する必要がある。従来の圧縮機は多くの部品を有するので、この作業は面倒で時間がかかる。
【0007】
図1は、図示されていない外部電気モータに連結されるように構成されている従来の遠心圧縮機の分解図を示す。この遠心圧縮機の部品の多くは、簡単にするために図から取り除かれている。それでも、圧縮機のメンテナンス時に組立て/分解の必要がある部品数が注目される。圧縮機またはモータを除去する前に、外部タービンまたは連結部をそれらから取り外す必要があるため、この種の機械のメンテナンスまたは交換のためにプラントを停止しなければならない時間は非常に長い。
【0008】
図1に示されている機械と比較して組立て/分解時間を減少させるターボ機械の例が、図2および図3に示されている通り互いに連結されている圧縮機カートリッジ102とモータ104とを有するターボ機械アセンブリ100である。図2に示されている通り、本開発は、圧縮機全体を圧縮機カートリッジ102内に、かつ早急な取付け/除去のために設計されているその電気モータ104を対応するハウジング103内に収容することを含む。ここで、モジュール式圧縮機アセンブリが、圧縮機カートリッジ102を圧縮機ケーシング106から除去し/(その中に)取り付けることができるように設計されている。圧縮機カートリッジ102は、圧縮機の構成要素の全て(例えば、羽根車、軸受、シール、固定流路構成要素等)をカートリッジの内部に含む。取り付けられると、モジュール式圧縮機アセンブリは、対応する電気モータ104に連結される。
【0009】
圧縮機カートリッジ102と電気モータ104とを連結または分離するために、図3に示されている通り、格納可能なカバー201が操作される。図2が格納されて連結部203を露出させている格納可能なカバー201を示している一方で、図3は、圧縮機カートリッジ102と電気モータ104との間の連結部を覆っている格納可能なカバー201を示す。機構205および207が、格納可能なカバー201を作動させることを特徴とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、前述の問題および欠点を回避するシステムおよび方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一例示的実施形態によれば、モータが圧縮機を作動させるように構成されているモータ圧縮機システムがある。このシステムは、共通ケーシングと、モータを収容しているモータカートリッジであり、共通ケーシングの内側に取外し可能に配置されるモータカートリッジと、モータに取外し可能に連結される圧縮機を収容している圧縮機カートリッジであり、共通ケーシングの内側に取外し可能に配置される圧縮機カートリッジとを含む。
【0012】
別の例示的実施形態によれば、共通ケーシングの内側に取外し可能に設けられるように構成されているモータカートリッジと、モータカートリッジの内部に収容されておりかつ圧縮機に取外し可能に連結されるように構成されているモータとを含み、圧縮機はガスパイプライン内での輸送のためにガスを圧縮するように構成されている、モータカートリッジシステムがある。
【0013】
さらに別の例示的実施形態によれば、モータが圧縮機を作動させるように構成されているモータ圧縮機システムがある。このシステムは、共通ケーシングと、モータを収容しているモータカートリッジであり、共通ケーシングの内側に取外し可能に設けられるモータカートリッジと、モータに取外し可能に連結される圧縮機を収容している圧縮機カートリッジであり、共通ケーシングの内側に取外し可能に設けられる圧縮機カートリッジと、共通ケーシングの内側でモータのモータシャフトを圧縮機の圧縮機シャフトに連結する機械連結器と、モータシャフトを取り巻くようにモータに設けられている磁気軸受と、ガスを供給してモータを冷却するために、共通ケーシングに連結されている下流ガス供給管または上流ガス供給管を、モータカートリッジのモータ入口ダクトに連結するように構成されている管とを含む。
【0014】
さらに別の例示的実施形態によれば、圧縮機を有する圧縮機カートリッジを含むシステムを修理する方法があり、このシステムはまた、モータを有するモータカートリッジを含み、このシステムはガスを受容し、ガスを圧縮し、圧縮ガスを吐出するように構成されている。本方法は、モータをオフにするステップと、圧縮機を通過するガス流を遮断するかまたは側管に通すステップと、モータのモータシャフトを圧縮機の圧縮機シャフトに連結している機械継ぎ手を取り外すことにより、モータを圧縮機から分離するステップと、モータカートリッジおよび/または圧縮機カートリッジを共通ケーシングから取り外し除去するステップとを含む。圧縮機カートリッジおよびモータカートリッジは、共通ケーシングの内側に設けられる。
【0015】
さらに別の例示的実施形態によれば、ガスを圧縮する方法がある。本方法は、第1の圧力で、ガスをパイプラインダクトからモータ圧縮機システム内に受容するステップであり、モータ圧縮機システムは、磁性軸受を有するモータにより駆動される圧縮機を含む、受容するステップと、圧縮機でガスを圧縮するステップと、第1の圧力より高い第2の圧力で、圧縮ガスを出力パイプラインに吐出するステップとを含む。
【0016】
本明細書に組み込まれておりかつその一部を成す添付図面は、1つまたは複数の実施形態を示しており、その記述と共に、これらの実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】関連技術の遠心圧縮機の簡易図である。
【図2】モータに連結されている遠心圧縮機を有しかつ格納可能なカバーを有するターボ機械の概略図である。
【図3】閉じられた格納可能なカバーを有する図2のターボ機械の概略図である。
【図4】本発明の実施形態の概略図である。
【図5】本発明の実施形態の概略図である。
【図6】本発明の実施形態の概略図である。
【図7】本発明の実施形態による地上ガス圧縮ステーションの例示的実施形態の図である。
【図8】本発明の実施形態による流れ図である。
【図9】本発明の実施形態による流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
例示的実施形態の以下の記載は、添付図面に言及する。異なる図面内の同一参照番号は、同一または類似の要素を特定している。以下の詳細な説明は、本発明を限定しない。代わりに、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲により定められる。以下の実施形態は、簡単にするために、共通ケーシングを有する永久磁石圧縮機およびモータアセンブリの専門用語および構造に関して論じられている。しかし、次に論じられる実施形態は、これらのシステムに限定されず、共通ケーシング内で2つの機械を合体させる他のシステムに適用されてもよい。
【0019】
本明細書の全体に亘る「一実施形態」または「ある実施形態」への言及は、ある実施形態に関連して記載されている特定の特徴、構造、または特性が、開示されている主題の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書の全体に亘って様々な箇所に出現する語句「一実施形態では」または「ある実施形態では」が、必ずしも同一の実施形態を指すとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態において、任意の適切な方法で組み合わせられていてもよい。
【0020】
ある例示的実施形態によれば、モータの構成要素が、モータカートリッジ内に設けられており、圧縮機の構成要素が、圧縮機カートリッジ内に設けられており、機械アセンブリを形成している。圧縮機カートリッジとモータカートリッジとは互いに独立しており、共通ケーシングの内側で互いに連結されている。したがって、モータまたは圧縮機のどちらかの部品にアクセスし変更する必要がある場合、その部品を含むカートリッジ全体が、共通ケーシングから除去されてもよく、機械アセンブリの早急な再始動のために、別の新しいカートリッジが、共通ケーシング内に滑動し戻されてもよい。
【0021】
図4は、本発明の実施形態の概略図である。図4は、内蔵型モータカートリッジ402に連結可能な内蔵型圧縮機カートリッジ401を含むモータ圧縮機システム400を示す。圧縮機カートリッジ401は、遠心圧縮機405を含んでいてもよく、モータカートリッジ402は、電気モータ407を含んでいてもよい。圧縮機カートリッジ401とモータカートリッジ402とは各々、共通ケーシング403内で互いに連結されるように構成されている。一用途では、共通ケーシング403は単一の部品で作製されている。一用途では、圧縮機カートリッジ401およびモータカートリッジ402はどちらも、共通ケーシング403の内側に進入するように構成されている。モータカートリッジ402は、ボルト穴部4031に一致しているボルト4021とボルト穴部4032に一致しているボルト4022とにより、共通ケーシング403内にボルト留めされていてもよい。2つ以上のボルトが使用されていてもよい。また、他の固定方法が使用されていてもよい。圧縮機カートリッジ401は、例えば、共通ケーシング403の内側に完全に進入するように構成されている。
【0022】
圧縮機カートリッジ401のシャフト409とモータカートリッジ402のシャフト410とが、Hirth連結部(Hirth connection)404Aとピン404Bとにより互いに連結されていてもよい。Hirth連結部は、シャフトの2つの部分を連結するのに使用され、各半分のシャフトの端面上で噛み合う歯を特徴とする。他の実施形態では、遠心圧縮機カートリッジ401のシャフトとモータカートリッジ402のシャフトとの間の他の連結器が、共通ケーシング403の内側に入るメンテナンス員を必要とすることなくその連結部が連結または分離され得る限り、使用されてもよい。そのような連結部は、当該技術分野で既知の、磁性連結器または可撓性連結器またはHirth連結部またはフランジまたは他の種類の連結部であってもよい。
【0023】
一例示的実施形態では、一組または複数組の磁性軸受408がある。磁性軸受408は、摩擦および/または機械的磨耗が非常に低い相対運動を可能にする。また、磁性軸受は潤滑油を必要としないため、潤滑油による汚染の危険性がなく、前記潤滑油を補給する必要がない。共通ケーシング403の内面は、モータカートリッジ402と圧縮機カートリッジ401とが、取付け段階中に反対方向に滑動することを可能にするように構成されていることが好ましい。図4は、圧縮機シャフト409と、モータシャフト410と、圧縮機カートリッジ401およびモータカートリッジ402の停止位置を設けるために共通ケーシング403の内側に設けられている肩状部412Aおよび412Bとをさらに示す。ある用途では、モータカートリッジ402の種々の部品を冷却するためにダクト416から来る冷却ガスを駆動するために、ファン414がモータシャフト410上に設けられている。別の用途では、モータカートリッジ402に対応する共通ケーシング403の内径D1は、圧縮機カートリッジ401に対応する共通ケーシング403の内径D2より大きく、またはその逆の場合もある。
【0024】
図5は、圧縮機カートリッジ401とモータカートリッジ402とが連結されておりかつ共通ケーシング403に結合されている場合の、圧縮機およびモータの概略図である。圧縮機の構成要素全体が圧縮機カートリッジ401内に組み立てられておりかつモータに関しても同様であることにより、ある部品が故障した場合はカートリッジ全体が除去されるので、圧縮機および/またはモータの組立ておよび分解が迅速であり、かつ新しいカートリッジが挿入されて、プラントまたは他の施設が迅速にオンラインに戻り得ることに留意されたい。
【0025】
図5は、モータ圧縮機アセンブリ400のさらなる詳細を示す。モータカートリッジ402は、モータシャフト410と、モータシャフト410を支持するように構成されている磁性軸受420と、モータ支持体422と、モータステータ部(motor statoric part)424と、磁性軸受420およびモータカートリッジの他の構成要素に電力を供給するように構成されている電気配線426とを含む。図4を参照して論じた通り、モータカートリッジは、モータシャフト410の端部に取り付けられておりかつモータを冷却するためにダクト416からの冷却流体を駆動するように構成されているファン414を含んでいてもよい。流体、例えば圧縮機カートリッジ401により処理されたガスは、後で論じられる管428から供給されてもよい。
【0026】
図5に示されている圧縮機カートリッジ401を参照すると、圧縮機カートリッジが圧縮機シャフト409と、圧縮機シャフト409を支持するように構成されている磁性軸受430と、圧縮機群432(モータシャフトおよび圧縮機のステータダイヤフラムの全てを含み得る)と、圧縮機ダイヤフラムおよびディフューザ434と、圧縮機の種々の構成要素に電力および/またはデータを供給するための圧縮機および軸受の電気配線436とを含むことに留意されたい。また、この図は、少なくとも部分的に、圧縮機カートリッジ401およびモータカートリッジがどのようにして共通ケーシング403の内側に進入するかを示している。さらに、両カートリッジが、例えば共通ケーシングまたはカートリッジのどちらかに組み込まれている車輪に乗って、共通ケーシング403の内側で滑動するように構成されていることに留意されたい。肩状部412Aおよび412Bが、互いに向かう2つのカートリッジの滑動を停止させるように構成されている。また、圧縮機カートリッジは、熱膨張により、動作中に滑動するように構成されている。この組立て段階後、カートリッジが定位置にある場合、両カートリッジは共通ケーシング403に固定される。例えば、図5は、モータカートリッジ402が、例えばボルト4021および4022により共通ケーシング403に取り付けられるように構成されているそれ自体の外部ケーシング402Aを有することを示す。一用途では、圧縮機カートリッジ401は、圧縮機カートリッジ全体が共通ケーシング403の内側に進入するので、外部ケーシングを有さない。カバー401Aが、圧縮機カートリッジ401を共通ケーシング403の内側に閉じ込めるために、このケーシングに取り付けられている。
【0027】
圧縮機カートリッジ401は、圧縮機に供給する共通ケーシング403の入口452にガスを供給するための上流ガス供給部に連結されるように構成されている入口ダクト450を有するように構成されている。圧縮機カートリッジ401はまた、下流ガスパイプラインに取り付けられるように構成されている出口ダクト454を有する。出口ダクト454は、圧縮機からの加圧ガスを受容する、共通ケーシング403の出口456に連結されている。管428が、モータの部品を冷却するためのガスを供給するために、入口ダクト450または出口ダクト454に連結されてもよい。
【0028】
図6に示されている例示的実施形態では、遠心圧縮機カートリッジ401に対するガス入口601およびガス出口602、ならびにモータカートリッジ402に対するガスポート603が示されている。ガスポート603は、ガス入口601からの圧縮ガスを、モータカートリッジ402の内部にあるモータに供給し、そこでガスが膨張することにより、モータを冷却する。あるいは、図5に示されているように、ファンが使用されてもよい。使用されたガスは、次いで、圧縮機に戻される。
【0029】
図4〜図6に示されているモジュール式永久磁石モータ圧縮機システムの利点には、a)より短い組立て/分解時間、b)圧縮機およびモータの簡略化した連結/分離、c)共通ケーシングに対する高レベルの標準化、d)システムのより小さい全体設置面積、およびe)共通ケーシングの内部での、組立て前のカートリッジのより容易な検査、が含まれるが、それらに限定されない。また、前述の関連技術とは異なり、図4〜図6に示されているモジュール式永久磁石モータ圧縮機システムは、格納可能なポートを必要とせず、カートリッジの連結/分離を容易にするので、システム全体の構造的完全性を向上させる。
【0030】
図4〜図6に示されているターボ機械は、0〜100barの範囲の入口圧力、150〜350barの範囲の出口圧力、2〜10メガワットの範囲の単位電力で動作してもよい。この新規の機械は多段式機械であってもよい。したがって、この機械は、例えば350barより高い極めて高い出力圧力など、様々な入口圧力範囲もしくは出口圧力範囲または電力範囲を実現する可能性がある。他の段構成では、他の圧力定格および馬力定格が可能である。
【0031】
図7は、ガス圧縮ステーション500の例示的実施形態である。ガスパイプライン502が、モータ508により動力を供給されるガス圧縮機506内にガス流が入ることを可能にする吸引ヘッダ504に連結されている。圧縮機506に進入するガスは、圧縮され、吐出ヘッダ510経由でパイプライン502に戻される。圧縮機の入口遮断バルブ512および出口遮断バルブ514が、圧縮機506の制御を容易にする。側管ヘッダ516が、圧縮ステーションの側管遮断バルブを含む。洗浄器518が、吸引ヘッダ504内に流動連通状態で結合されており、圧縮機506内にガスを導入する前にガスから汚染物質を除去することを容易にする。一実施形態では、圧縮機506およびモータ508が、圧縮機/モータ共通シャフト520に結合されている。別の実施形態では、図4〜図6に示されている通り、圧縮機506とモータ508とが、Hirth連結部とピンとにより連結されている。
【0032】
図7に含まれている矢印で示されている通り、ガスが、パイプライン502から、ステーション500を通って流動する。吸引ヘッダ504が、遮断バルブ512、遮断バルブ514および遮断バルブ516の相対位置に基づいて、ガスを圧縮機506まで導管を通して送る。例えば、遮断バルブ512および514は、通常は開いており、ガスがステーション500を通って流動することを可能にする。その後、ガスは、圧縮機506に流入し、より高い密度およびより小さい体積に圧縮される。モータ508が、共通シャフト520を介して圧縮機506を駆動する。圧縮ガスが、吐出ヘッダ510を通って圧縮機506を出る。バルブ512および514は、メンテナンス作業中に洗浄器518、圧縮機506および/またはモータ508などの構成要素を隔離するために閉鎖されてもよい。
【0033】
圧縮機506が、通過して流動しているガスの圧力を増大させる少なくとも1つの圧縮段を含む。圧縮機506は、内面および外面を有するハウジングであり、この内面は冷却プレナムと圧縮機吸気プレナムとを画定している、ハウジングを含む。また、モータ508の内部での膨張により冷却するために、出口ガス流の一部がモータ508へ方向転換されるように、吐出ヘッダ510に連結されているガス供給ヘッダがある。モータ508がガスタービンおよび燃焼器を含む場合、ハウジングの外面から上流にある入口ガス流の流れの一部が吸引ヘッダから方向転換されかつ燃料源としてガスタービンに導管を通して送られるように、ブースタは、吸引ヘッダ504に連結されているガス供給ヘッダを含んでいてもよい。
【0034】
図8は、遠心圧縮機を含む圧縮機カートリッジを含むモータ圧縮機システムを修理する本発明の例示的方法の流れ図であり、このシステムはまた、モータを含むモータカートリッジを含み、このシステムは、ガスを受容し、そのガスを圧縮し、その圧縮ガスを吐出するように構成されている。本方法は、モータをオフにするステップS801と、ガスを側管に通してシステムを迂回させるステップS802と、モータを圧縮機に連結しているHirth連結器を取り外すことS803により、モータを圧縮機から分離するステップS804と、モータカートリッジをケーシングから分離し除去するステップS805とを含む。本方法は、モータカートリッジの内部のモータ(または同一のもしくは異なるモータカートリッジ内の交換モータ)を圧縮機に再連結するステップS806と、モータカートリッジをケーシングに再連結するステップS807と、ガスをブースタに再供給するステップS808と、モータを始動させるステップS809とをさらに含んでいてもよい。同一のステップは、圧縮機をモータと連結するかつ/またはそれから分離するために適用されてもよい。
【0035】
図9は、パイプラインを通してガスを輸送する本発明の例示的方法の流れ図である。本方法は、第1の圧力で、ガスをパイプラインの第1の部分からモータ圧縮機システム内に受容するステップS901であり、システムは永久に磁化された軸受を有するモータにより駆動される圧縮機を含む、受容するステップと、遠心圧縮機でガスを圧縮するステップS902と、第1の圧力より高い第2の圧力で、パイプラインの第2の部分に圧縮ガスを吐出するステップS903とを含む。ここで、本システムは、共通ケーシングと、モータを収容しておりかつ共通ケーシングに取外し可能に連結されているモータカートリッジと、共通ケーシングに取外し可能に連結されておりかつ圧縮機を収容している圧縮機カートリッジであり、圧縮機はHirth連結器によりモータに取外し可能に連結されている、圧縮機カートリッジとを含む。本方法は、圧縮ガスでモータを冷却するステップS904をさらに含んでいてもよい。
【0036】
アップグレードに、プラントのニーズの変更により良く適合するために新規の機械の圧縮機カートリッジまたはモータカートリッジを新しいものと交換することが含まれるので、前段で論じられた1つまたは複数の実施形態の利点が、ターボ機械はプラントの一部であると同時にアップグレードするのが簡単であることである。
【0037】
開示された例示的実施形態は、内蔵型モータカートリッジに連結可能な内蔵型圧縮機カートリッジを含むモータ圧縮機システムを提供し、圧縮機カートリッジおよびモータカートリッジは各々、共通ケーシング内に取り付けられるように構成されている。この記載は本発明を限定することを目的としていないことが、理解されるべきである。反対に、本例示的実施形態は、添付の特許請求の範囲により定められる本発明の精神および範囲に含まれる代替形態、修正形態、等価物を包含することを目的としている。さらに、例示的実施形態の詳細な記載では、特許請求されている本発明の包括的な理解を実現するために、多数の特定の詳細が記載されている。しかし、当業者は、種々の実施形態がそのような特定の詳細なしに実施され得ることを理解するであろう。
【0038】
本例示的実施形態の特徴および要素は、特定の組合せの実施形態において記載されているが、各特徴または各要素は、実施形態のその他の特徴および要素なしで単独で、または本明細書に開示されている他の特徴および要素の有無に関わらず様々な組合せで、用いることができる。
【0039】
本明細書は、開示されている主題の例を用いて、任意のデバイスまたはシステムを作製することおよび任意の援用されている方法を実施することを含めて、当業者の誰もが同を実践することを可能にしている。本主題の特許性のある範囲は、特許請求の範囲により定められ、かつ当業者に思い付く他の例を含み得る。そのような他の例は、特許請求の範囲の範囲内に入るものとする。
【符号の説明】
【0040】
100 ターボ機械アセンブリ
102 圧縮機カートリッジ
103 ハウジング
104、407 電気モータ
106 圧縮機ケーシング
201 格納可能なカバー
203 連結部
205、207 機構
400 モータ圧縮機システム/モータ圧縮機アセンブリ
401 (内蔵型)圧縮機カートリッジ
401A カバー
402 (内蔵型)モータカートリッジ
402A 外部ケーシング
403 共通ケーシング
404A Hirth連結部
404B ピン
405 遠心圧縮機
408、420、430 磁性軸受
409 圧縮機(カートリッジの)シャフト
410 モータ(カートリッジの)シャフト
412A、412B 肩状部
414 ファン
416 ダクト
422 モータ支持体
424 モータステータ部
426、436 電気配線
428 管
432 圧縮機群
434 ディフューザ
450 入口ダクト
452 (共通ケーシングの)入口
454 出口ダクト
456 (共通ケーシングの)出口
500 ガス圧縮ステーション
502 ガスパイプライン
504 吸引ヘッダ
506 ガス圧縮機
508 モータ
510 吐出ヘッダ
512 (圧縮機の)入口遮断バルブ
514 (圧縮機の)出口遮断バルブ
516 側管ヘッダ/遮断バルブ
518 洗浄器
520 圧縮機/モータ共通シャフト
601 ガス入口
602 ガス出口
603 ガスポート
4021、4022 ボルト
4031、4032 ボルト穴部
S801、S802、S803、S804、S805、S806、S807、S808、S809 (図8の流れ図の)ステップ
S901、S902、S903、S904 (図9の流れ図の)ステップ
D1、D2 (共通ケーシングの)内径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータが圧縮機を作動させるように構成されているモータ圧縮機システムであって、
共通ケーシングと、
モータを収容しているモータカートリッジであり、前記共通ケーシングの内側に取外し可能に配置されているモータカートリッジと、
前記モータに取外し可能に連結されている圧縮機を収容している圧縮機カートリッジであり、前記共通ケーシングの内側に取外し可能に配置されている圧縮機カートリッジと
を含む、システム。
【請求項2】
前記モータを駆動するように構成されているモータシャフトと、
前記圧縮機を駆動するように構成されている圧縮機シャフトと、
前記共通ケーシングの内部で前記モータシャフトを前記圧縮機シャフトに連結するように構成されている機械連結器であり、Hirth連結器または磁性連結器または可撓性連結器のうちの1つである、機械連結器と
をさらに含む、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記圧縮機全体は、前記圧縮機カートリッジの内部にあり、前記モータ全体は、前記モータカートリッジの内部にある、請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記モータカートリッジおよび/または前記圧縮機カートリッジは、少なくとも組立て段階の間に、前記共通ケーシングの内側で滑動するように構成されており、前記モータカートリッジおよび/または前記圧縮機カートリッジは、前記組立て段階の最後に、前記共通ケーシングの内側で剛連結される、請求項1記載のシステム。
【請求項5】
上流ガス供給管に連結されるように構成されておりかつ前記共通ケーシングの入口にガスを供給するように構成されている入口ダクトと、
下流ガス供給管に連結されるように構成されておりかつ前記共通ケーシングの出口からのガスを供給するように構成されている出口ダクトと
をさらに含む、請求項1記載のシステム。
【請求項6】
前記ガスを供給して前記モータを冷却するために、前記下流ガス供給管または前記上流ガス供給管を前記モータカートリッジのモータ入口ダクトに連結するように構成されている管
をさらに含む、請求項5記載のシステム。
【請求項7】
前記圧縮機カートリッジと前記モータカートリッジとの間に格納可能なカバーがない、請求項1記載のシステム。
【請求項8】
モータが圧縮機を作動させるように構成されているモータ圧縮機システムであって、
共通ケーシングと、
前記モータを収容しているモータカートリッジであり、前記共通ケーシングの内側に取外し可能に設けられているモータカートリッジと、
前記モータに取外し可能に連結されている前記圧縮機を収容している圧縮機カートリッジであり、前記共通ケーシングの内側に取外し可能に設けられている圧縮機カートリッジと、
前記共通ケーシングの内部で前記モータのモータシャフトを前記圧縮機の圧縮機シャフトに連結している機械連結器と、
前記モータシャフトを取り巻くように前記モータに設けられている磁性軸受と、
前記ガスを供給して前記モータを冷却するために、前記共通ケーシングに連結されている下流ガス供給管または上流ガス供給管を、前記モータカートリッジのモータ入口ダクトに連結するように構成されている管と
を含む、システム。
【請求項9】
圧縮機を有する圧縮機カートリッジを含むシステムを修理する方法であって、前記システムはさらに、モータを有するモータカートリッジを含み、前記システムはガスを受容し、前記ガスを圧縮し、前記圧縮ガスを吐出するように構成されており、前記方法は、
前記モータをオフにするステップと、
前記圧縮機を通過するガス流を遮断するかまたは側管に通すステップと、
前記モータのモータシャフトを前記圧縮機の圧縮機シャフトに連結している機械継ぎ手を取り外すことにより、前記モータを前記圧縮機から分離するステップと、
前記モータカートリッジおよび/または前記圧縮機カートリッジを前記共通ケーシングから分離し除去するステップであり、前記圧縮機カートリッジおよび前記モータカートリッジは前記共通ケーシングの内側に設けられている、分離し除去するステップと
を含む、方法。
【請求項10】
ガスを圧縮する方法であって、
第1の圧力で、前記ガスをパイプラインダクトからモータ圧縮機システム内に受容するステップであり、前記モータ圧縮機システムは、磁性軸受を有するモータにより駆動される圧縮機を含む、受容するステップと、
前記圧縮機で前記ガスを圧縮するステップと、
前記第1の圧力より高い第2の圧力で、前記圧縮ガスを出力パイプラインに吐出するステップと
を含み、
前記モータ圧縮機システムは、共通ケーシングと、前記モータを収容しておりかつ前記共通ケーシングの内側に取外し可能に設けられているモータカートリッジと、前記共通ケーシングの内側に取外し可能に設けられておりかつ前記圧縮機を収容している圧縮機カートリッジであり、前記圧縮機は機械連結器により前記モータに取外し可能に連結される、圧縮機カートリッジとを含む、
方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−140943(P2012−140943A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−281131(P2011−281131)
【出願日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【出願人】(505347503)ヌオーヴォ ピニォーネ ソシエタ ペル アチオニ (112)
【Fターム(参考)】