モートを用いた複数送り先アイテム選択のための方法及び装置
モートを用いた複数送り先ピッキングのための方法及び装置。実施形態では、各レセプタクルを送り先に割り当てることができ、そのレセプタクルは、インジケータを含むことができるモートを有することができ、そのインジケータは、レセプタクルがピッキングアイテムに対する送り先レセプタクルであることをエージェントに示すために制御システムによって起動されることができる。次いで、エージェントは、指示された送り先レセプタクル内にアイテムを収納することができる。モートは、アドホックネットワーク内の制御システム及び他のモートと通信するための通信インターフェースを含むことができる。一実施形態では、送り先レセプタクル上のモートは、ピッキングアイテムがエージェントによってスキャンされる時に起動されることができる。幾つかの実施形態では、各レセプタクルは、レセプタクル内にアイテムが収納された時点を検出して、インジケータを停止させる、及び/又はアイテムが正しいレセプタクル内に収納されたことを検証するセンサを有することもできる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注文処理用在庫選択システム等の在庫選択システムに関する。
【背景技術】
【0002】
様々なタイプの企業は、アイテムを選択できる在庫を維持することができる。例えば小売業者、卸売業者、その他の製品販売業者(総称的に販売業者と呼ぶことができる)は通常、クライアント又は顧客が注文する様々なアイテムの在庫を維持する。別の例として、製造業者は、部品、原材料、及び/又は部分的又は完全に組み立てられた製品の在庫を維持する場合がある。この在庫は、限定ではないが、倉庫、流通センター、クロスドッキング施設、注文処理施設、梱包施設、出荷施設、又は他の施設、或いはマテリアル(在庫)ハンドリングの1つ又はそれ以上の機能を実施するための施設の組み合わせのうちの1つ又はそれ以上を含むマテリアルハンドリング施設において維持及び処理する。顧客が注文をすると、その注文で指定された1つ又は幾つかの在庫アイテムは、在庫から取り出されすなわち「ピッキング」され、顧客への配達に向けて準備される。ピッキングされたアイテムの配達を準備するために、ピッキングアイテムは、限定ではないが、仕分けステーションや梱包ステーションを含むマテリアルハンドリング施設内の様々な送り先のいずれかに送り出すことができる。
【0003】
図1は、従来のマテリアルハンドリング施設の作業の概略を示している。販売業者に対して複数の顧客10が注文20を出すことができ、各注文20は、在庫30から、注文を出した顧客に対して出荷されることになる1つ又はそれ以上のアイテムを特定する。顧客の注文20を履行するために、各注文で指定された1つ又はそれ以上のアイテムは、40で示すように在庫30(ストック保管庫とも呼ぶことができる)から、及び/又はマテリアルハンドリング施設内の他の場所から取り出し又は「ピッキング」する。ピッキングアイテムは、そのアイテムを注文に仕分けするための仕分けステーション等などのマテリアルハンドリング施設内の1つ又はそれ以上のピッキング送り先に送る。これらのピッキング送り先50は、限定ではないが、仕分けステーション54、仕分けステーション54に向かう待ち列52、他の処理のためのステーション58、他の処理ステーションに向かう待ち列56、梱包ステーション60のうちの1つ又はそれ以上を含む。ピッキング送り先50とすることができる他の処理ステーション58は、例えば付加価値サービスを提供する様々なステーションを含むことができる。付加価値サービスの例は、限定ではないが、ギフト包装、モノグラミング、バッテリ充電、その他の同様のものの1つ又はそれ以上を含む。一般に、ピッキングの後で且つ顧客への出荷前にアイテムに対して実施するあらゆるサービス又は処理は、ピッキングアイテムに対して実施可能なピッキング送り先50とすることができる。マテリアル処理施設におけるこれらのピッキング送り先50の物理的な場所は、本明細書では「ステーション」と呼ぶことがある。ステーションは、追加処理用の1つ又はそれ以上の他のステーションからアイテムを受け取ることもできる点に留意されたい。
【0004】
バッチ処理は、1つのピッキング送り先50に対して複数の注文を共にグループ化するための1つの手法である点に留意されたい。マテリアルハンドリング施設を、バッチ処理又は非バッチ処理施設として稼働するように構成することができる。バッチ処理施設では、バッチ自体をピッキング送り先50と考えることができる。バッチは、バッチが作成された時に発生し、バッチが終了し処理された時に消滅するピッキング送り先とみることができる。バッチ処理状態では、従来、ピッカーは一度に単一のバッチ(又は送り先)にピッキングを行う。
【0005】
一部のピッキングアイテムは、そのアイテムをそれぞれの注文に仕分けすることができる仕分けステーション54に向けた仕分け待ち列52に送る。高優先注文に対するアイテム等の他のピッキングアイテムについては、仕分け待ち列52をバイパスし、直接仕分けステーション54に送ることができる。仕分けされた注文品は、仕分けステーション54から梱包ステーション60に直接搬送することができ、或いは、追加仕分け用の別の仕分けステーション54に搬送することができることに留意されたい。図示しないが、幾つかの実施においては、仕分けされた注文品は、梱包ステーション60に搬送される前に追加処理のために他の処理ステーション58又は処理ステーション待ち列56に搬送される。
【0006】
従来、仕分けは、自動仕分け機構又は手作業仕分けシステムを用いて実施されていた。マテリアルハンドリング施設における仕分けステーション54は、1つ又はそれ以上の自動仕分け機構、1つ又はそれ以上の手作業仕分けステーション、或いは、1つ又はそれ以上の自動仕分け機構と1つ又はそれ以上の手作業仕分けステーションとの組み合わせを含むことができる。個々の注文に従って特定のタイプの在庫アイテムを仕分けするための自動仕分け機構は、限定ではないが、Crisplant(登録商標)仕分け機、Eurosort(登録商標)仕分け機、その他の供給メーカから提供される自動仕分け機構を含む。自動仕分け機構を用いると、複数の異なる顧客注文に対する入来ピッキングアイテムのバッチ又はストリームは自動仕分け機構において受け取られ、個々の注文に従って自動機構によって仕分けられる。
【0007】
マテリアルハンドリング施設内の異なる仕分けステーション54は、アイテムの異なるタイプ及び/又はサイズ、或いは、注文の異なるタイプ又はサイズの仕分けを実施するように構成させることができる。本明細書で用いるように、注文のサイズとは一般に、組み立てられた注文アイテムの物理的寸法を意味し、その注文での個々のアイテムの個数を意味するものではない。従って、ピッキングアイテムの「バッチ」に対するピッキング送り先50は、そのアイテムのタイプ又はサイズ、或いはそのアイテムがピッキングされた注文のタイプ又はサイズを仕分けするように構成された特定の仕分けステーション54とすることができる。
【0008】
一部のマテリアルハンドリング施設では、あるピッキングアイテムは、仕分けステーション54ではなく他の何らかの処理ステーション58の待ち列56に配送することができ、ここでは、何らかの付加価値サービスの実施などのピッキングアイテムの追加処理を実施することができる。優先注文に対するアイテム等の他のピッキングアイテムは、待ち列56をバイパスして、処理ステーション58に直接送られる。処理されたアイテムを、注文に仕分けするために仕分けステーション54又は仕分けステーション待ち列52に搬送することができ、或いは、処理ステーション58から直接梱包ステーション60に搬送することができる点に留意されたい。アイテムによっては、仕分け及び/又は梱包の前に追加処理のために他の何らかの処理ステーション58に搬送することができる点に留意されたい。
【0009】
仕分け又は他の処理を必要としない完了した注文を構成する1つ又はそれ以上のアイテムのグループなどの一部のピッキングアイテムは、直接梱包ステーション60に配送され
る。梱包後、注文品は顧客10に出荷されることになる出荷70に送られる。
【0010】
マテリアルハンドリング施設内の異なる梱包ステーション60を、注文の異なるタイプ及び/又はサイズを梱包するように構成することができる。本明細書で用いるように、注文のサイズとは一般に、注文の集められたアイテムの物理的寸法を意味し、注文における個々のアイテムの個数を意味するものではない。従って、ピッキングアイテムの「バッチ」に対するピッキング送り先は、アイテムがピッキングされた注文のタイプ又はサイズを梱包するように構成された特定の梱包ステーション60である。
【0011】
ピッキングされ、梱包され、出荷された注文は、必ずしも顧客が注文したアイテムの全てを含む必要はなく、出荷した注文は、1つの在庫保管場所から一度に出荷することが可能な注文アイテムのサブセットだけを含めてもよい点に留意されたい。また、マテリアルハンドリング施設は通常、様々な供給メーカからストックの発送品を受け取り、受け取ったストックをストック保管庫内に収納するための受け取り業務を含む点にも留意されたい。更に、マテリアルハンドリング施設の様々の業務は、1つのビルディング又は施設内に配置することができ、或いは、2つ又はそれ以上のビルディング又は施設にわたって展開し、細分化することができる点に留意されたい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
図2は、従来のマテリアルハンドリング施設、具体的には注文処理施設又は注文処理センターの例示的な物理レイアウトを示している。常時、販売業者の1又はそれ以上のエージェント42は各々、1つ又はそれ以上の注文の一部又は全てを履行するために在庫30からアイテムをピッキングする。これによって、複数の不完全な注文又は完全な注文に対するピッキングアイテムのストリーム及び/又はバッチが生じ、次いで、これらを出荷70前の処理のためにマテリアルハンドリング施設内の例えば仕分け又は梱包ステーションなどの様々なステーション(ピッキング送り先50)に送ることができる。ストリームは、ステーションに到着するピッキングアイテムの連続した又はほぼ連続した流れとすることができ、一方、ステーションに定期的又は非定期的に到着するアイテムのグループをバッチと呼ぶことができる。注文の一部は、異なる時間においてステーションでピッカー42から、又は他のステーションから受け取る可能性があり、従って、ステーションにおける処理は、注文処理の完了前にピッキング及び/又は別のステーションからステーションに送られるべきある注文に対する1つ又はそれ以上のアイテムを待機しなければならない場合がある点に留意されたい。
【0013】
従来、ピッカー42は、一度に1つだけのピッキング送り先50用に在庫30からアイテムをピッキングする。例えば、ピッカー42に対して、一度に1つの注文のアイテム、又は全て1つのピッキング送り先50(例えば特定の自動仕分けステーション、手作業の仕分けステーション、梱包ステーション、又は他の処理ステーション)に向かう注文バッチのアイテム、或いは全て特定の送り先に向かう種々の注文からのアイテムリストなどをピッキングするように指示することができる。従って、ピッカー42は、そのアイテムの1つのストリーム又は処理経路に対してアイテムをピッキングし、ピッキングしたアイテムをこれらの共通のピッキング送り先50に送り、そのピッキングアイテムの個々の注文への処理と仕分けを下流側のステーションに任せる。次いで、ピッカーは、場合によっては異なるピッキング送り先50用に別のアイテムリストの処理を繰り返す。
【0014】
入来ピッキングアイテムのストリーム又はバッチはステーションにおいて処理され、例えば、仕分けステーションにおいてこれらのそれぞれの注文に仕分けされる。ステーションにおいて注文に対するアイテムの処理が完了すると、これらのアイテムは、注文に仕分けされることになる仕分けステーション、又は出荷70においてパッケージ化されることになる梱包ステーション等、別の処理のために別のステーションに送ることができる。注文処理センターはまた、様々な供給メーカからのストックの発送品を受け取るために1つ又はそれ以上の受け取りステーションを含むことができる点に留意されたい。次いで、受け取ったストックはストック保管庫に置くことができる。更に、注文処理センターの様々な業務とステーションは、1つのビルディング又は施設内に配置することができ、或いは、2つ又はそれ以上のビルディング又は施設にわたって展開又は細分化することができる点に留意されたい。
【0015】
モート
モートの「コア」は、本質的に極めて小さく、低コスト・低出力で、無線通信能力を有するコンピュータであり、モートの目的とする機能に応じて様々なタイプの1つ又はそれ以上の外部構成要素に結合することができる。モートの演算コアは、小さな回路基板又はカード、或いは単一の「チップ」上に実装することができる。モートの構成要素は、限定ではないが、CPU、メモリ、無線送信器/受信器か他のタイプの無線送信器/受信器を含むことができる。モートのコアは、センサデータ用のA/Dコンバータ等の他の構成要素を含むことができる。モートのこの演算「コア」を、限定ではないが、バッテリ又は他の電源、アンテナを含む1つ又はそれ以上の他の構成要素に結合することができる。現在、モートは通常、バッテリによって電力が供給されているが、代替的には、特定の用途において電力網を活用してもよい。センサ等の他の構成要素も同様にモートに結合することができる。
【0016】
モートは、無線リンクを介して外部と接続する。モートは小さく、低価格の低出力デバイスであるので、低出力無線リンクが一般的である。モートにおいて用いられる最も一般的な無線リンクは、モートが10から200フィート(3から61メートル)の範囲で送信を行うことを可能にする。より長い送信範囲の障壁となるのは、電力消費量、サイズ、価格である。一部のモートはより大きくすることができ、及び/又はより強力な電力供給を有することができ、従って、これらのモートはより強力な無線リンクを有することができる点に留意されたい。技術の進歩及び/又はより高価な構成要素の使用により、幾つかのモートは典型的なモートよりも強力な無線リンクを備えることができる点にも留意されたい。
【0017】
これらの構成要素の全ては、小さなパッケージにまとめてパッケージとすることができる。本明細書で用語「モート」を用いる場合には、モートの構成要素の全てを含むこの「パッケージ」のことを意味する点に留意されたい。現在、バッテリやアンテナを含むモートは、5枚又は6枚の25セント硬貨を積み重ねたサイズから1組のトランプのサイズまでの範囲にわたる。バッテリは典型的にはモートの最も大きな要素である。将来的には小さなモートが実施可能である。モートのサイズ及び電力消費が小さくなると、太陽電力又は振動電力等の他の電源を導入することができる。
【0018】
プログラマーは、望ましい機能を実行するようにモートを制御し、構成するソフトウェアを書くことができる。モートは、ある用途において、互いに通信し一方から他方にデータを渡すことができる、ほぼ2から1000のモートのアドホックネットワークを生成するのに用いることができる。1つ又は複数のモートがかかる実装に付加されると、各モートは「起動」し、次いで隣接するモートを見つけるために無線電信信号を送出する。この実装におけるモートは、中央モート又は他の受信ステーションに配信されることになるある領域からのセンサデータを収集する等、何らかのタスクを実行するための不定形アドホックネットワークを生成するように協働することができる。
【課題を解決するための手段】
【0019】
販売業者及び/又は製造業者によって用いられるマテリアルハンドリング施設等のマテリアルハンドリング施設においてモートを用いた複数送り先アイテム選択(又はピッキング)を可能にするための方法及び装置の実施態様を説明する。実施態様では、ピッキング密度は、マテリアルハンドリング施設のエージェントに一度に2つ又はそれ以上のピッキング送り先(以下単に送り先と呼ぶことができる)に対するアイテムをピッキングさせ、その結果、ピッキング中に少なくともある程度の注文の事前仕分を実行することによって高めることができる。実施態様では、ピッキングアイテムを受け取るための各レセプタクルを送り先に割り当て、そのレセプタクルは、インジケータを含むか又はこれに結合させることができるモートを有することができ、そのインジケータは、特定のレセプタクルがピッキングアイテムに対する送り先レセプタクルであることをエージェントに示すために起動される。次いで、エージェントは、指示された送り先レセプタクル内にアイテムを収納することができ、これにより誤仕分けが回避される。
【0020】
本明細書で用いるレセプタクルは、マテリアルハンドリング施設内でピッキングアイテムを受け取るように構成された、あらゆる固定又は移動機構、物体、備品、棚、コンテナ、ビン、トート、バスケット、箱、スロット、区画等を含むことができる。幾つかの実施態様では、トート又はビン等の1つ又はそれ以上のレセプタクルは、移動体とすることができ、従って、手押しカート、コンベヤベルト、ローラー、又はマテリアルハンドリング施設内でレセプタクルを搬送するための他のデバイス上に置き又は取り除くように構成させることができる。一実施態様では、レセプタクルは、例えばビン、トート、又は棚における区画又は分割部分とすることができる。一実施態様では、2つ又はそれ以上の区画に細分化することができ各々がレセプタクルであるビン、トート、バスケット、又は同様の容器は、組み込み車輪、ローラー、又はマテリアルハンドリング施設内でこれらの容器を搬送するための他の何らかの機構を含むことができる。他の実施態様では、レセプタクルを固定することができ、例えばフロア又は棚ユニット上に固定することができる。
【0021】
一実施態様では、マテリアルハンドリング施設のエージェントは、2つ又はそれ以上の送り先に対してピッキングされるアイテムリストを取得する。エージェントは、そのエージェントが携帯する通信デバイスを介して制御システムと対話し、このリストを受信してピッキング処理を誘導する。一実施態様では、エージェントは、保管ビン、箱、又はトート、或いは2つ又はそれ以上の区画に仕切られ各区画がレセプタクルであるビン、トート、又は同様の容器等の複数のレセプタクルを保持するように構成されたカートを備えている。エージェントは、エージェントに割り当てられた送り先に対応する特定の送り先に割り当てられた2つ又はそれ以上のレセプタクルを取得し、これらのレセプタクルをカート上に置くことができる。カート上のレセプタクルの個数と配列を変えることができる。レセプタクルは移動体とすることができ、従って、レセプタクルを、カートからの取り外し又はカートへ追加すること、異なるカートへ移動すること、カート上での再配列すること、送り先へ配送すること、ピッキング処理を継続するための別のエージェントへの受け渡しすることなどを行うことができる。
【0022】
一実施態様では、モートは、アドホックネットワーク内のマテリアルハンドリング施設制御システムや他のモートと通信するための通信インターフェースを含むことができる。幾つかの実施態様では、各モートは、1つ又はそれ以上の発光ダイオード(LED)等のインジケータを含み、又はこれに結合されることができる。一実施態様では、正しい送り先レセプタクル上のモートのインジケータは、エージェントによってそのエージェントの通信デバイス上でピッキングアイテムがスキャンされるか、或いはさもなければ入力され又は指示された時に起動される。スキャンデバイスは制御システムと通信し、どのアイテムがピッキングされたかを示す。次に、制御システムは、要求メッセージを送信してアイテムに対する正しい送り先レセプタクル上のモートのインジケータを起動することによって応答する。各モートは一意のコードによって識別され、その結果、特定のモートがその通信インターフェースを介してメッセージを受信した時に、そのモートが応答してそのインジケータを起動することができる。他の方法を用いてモートを起動し、ピッキングアイテムに対する送り先レセプタクルを示すことができる。幾つかの実施態様では、インジケータは、エージェントによってアイテムがピッキング及び/又はスキャンされる前、例えばピッキングされることになる次のアイテムが分かり次第起動される。
【0023】
幾つかの実施態様では、各レセプタクルはセンサ(例えば動作検出器又はRFIDセンサ)を有することができ、センサは、レセプタクル内にアイテムが収納される時点を感知し、アイテムが正しいレセプタクル内に収納されたことを検証するのに用いられる。一実施態様では、センサは、インジケータを有するモートに結合され、或いは、レセプタクル上の別個のモートに結合され、更に、アイテムがレセプタクル内に収納された時に制御システムと通信してメッセージを送信するように構成される。一実施態様では、センサは、レセプタクル上のモートに組み込まれてもよい。他の実施態様では、センサを、レセプタクル上のモートから分離することができる。センサは、正しいレセプタクル内へのアイテムの収納、及び幾つかの実施態様では、正しくないレセプタクルへのアイテムの収納を検出する。幾つかの実施態様では、正しいレセプタクル内へのアイテムの収納が検出された場合、モート上のインジケータを起動して、アイテムが正しいレセプタクルに収納されたことを示すことができる。幾つかの実施態様では、正しくないレセプタクルへのアイテムの収納が検出された場合、モート上のインジケータを起動して、アイテムが間違ったレセプタクルに収納されたことをエージェントに示すことができる。
【0024】
一実施態様では、各レセプタクルは、モートとセンサを有するがインジケータを含まない場合もある。この実施態様では、モートに結合されたインジケータ以外の他の何らかの方法を用いて、どのレセプタクルがアイテムに対する送り先レセプタクルであるかをエージェントに示すことができ、例えば、どのレセプタクルがピッキングアイテムに対する送り先レセプタクルであるかに関する指示を、エージェントが携帯する通信デバイスのユーザインターフェースを通じてエージェントに提供することができる。一実施態様では、エージェントがレセプタクル内にピッキングアイテムを収納する時に、レセプタクル上のセンサは、アイテムの収納を検出することができ、モートは、この情報を制御システムに中継することができ、次いで、制御システムは、アイテムが正しいレセプタクル又は正しくないレセプタクルのいずれかに収納されたかどうかを、例えばエージェントが携帯する通信デバイスのユーザインターフェースを通じてエージェントに示すことができる。
【0025】
起動されたモートによって示されたようにアイテムが正しいレセプタクルに収納された後、モートに結合されたインジケータを停止させることができる。センサを用いた一実施態様では、センサによるレセプタクル内へのアイテムの収納の検出によって、そのセンサは制御システムにメッセージを送信し、その結果、制御システムは、モートにメッセージを送信し、インジケータを停止させる。或いは、センサは、モートに直接信号を送信し、インジケータを停止させることができる。一実施態様では、センサはモートに組み込むことができる点に留意されたい。他の実施態様では、モート上のインジケータを停止させるために他の方法を用いることができ、例えば、モートを、ある時間間隔の後にインジケータを停止させるように構成することができ、或いは各モート又はインジケータは、エージェントが押下してインジケータを停止させることができるボタン又はスイッチを含むことができる。
【0026】
マテリアルハンドリング施設内のモートを、無線通信を用いてネットワーク上にメッセージを送信し、受信し、伝播させるアドホックネットワークを動的に協働して形成するように構成することができる点に留意されたい。モートは、アドホックネットワーク上でパケット(メッセージ)を伝播するために互いのサービスを用いることができる。マテリアルハンドリング施設制御システムは、アドホックネットワーク内でモートと無線通信し且つ互いに通信するように構成された1つ又はそれ以上の制御ステーションを含み、また、アドホックネットワークに参加するように構成することができ、エージェントが携帯する携帯通信デバイスや様々な他の固定又は携帯ワークステーションもしくはデバイスを含むことができる。
【0027】
本明細書では、幾つかの実施形態及び例示的図面について例証として本発明を説明するが、本発明は、説明される実施形態又は図面に限定されない点は当業者には理解されるであろう。図面及びこれらに対する詳細な説明は、開示される特定の形態に対して本発明を限定することを意図するものではなく、反対に、添付の請求項によって定義される本発明の精神及び範囲に含まれる全ての修正形態、均等物、及び代替形態を保護することを意図している点を理解されたい。本明細書で用いられる見出しは、単に編成の目的のものであり、本明細書又は請求項の範囲を限定するために用いるものではない。本出願全体を通して用いられる用語「することができる」は、強制的な意味(すなわち、しなければならないを意味する)ものではなく、許容的な意味(すなわち可能性を有することを意味する)で用いられる。同様に用語「含む」は、非限定的に含むことを意味する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
ピッキング処理の概要
図2を参照すると、エージェント又はピッカー42は、在庫30内の場所に行き、アイテムリストをこの場所からピッキングするように、RF接続無線端末、ハンドヘルドスキャナ、又は他のデバイスなどのデバイス上の制御システムから命令を受け取る。ピッカー42は通常、ピッキングアイテムをスキャンして、正しいアイテムがピッキングされたかどうかを判断する。次いで、ピッカー42は、ピッキングアイテムを受け取るためのレセプタクル内にピッキングアイテムを収納する。幾つかの実施形態では、レセプタクルは、いずれかのタイプの移動カート上に配置されるか、又は一体化することができる。カート上には1つよりも多いレセプタクルがあってもよい。
【0029】
本明細書で用いるレセプタクルは、マテリアルハンドリング施設内でピッキングアイテムを受け取るように構成されたあらゆる固定又は移動機構、物体、備品、棚、コンテナ、ビン、トート、バスケット、箱、スロット、区画等を含むことができる。レセプタクルは、限定ではないが、固定又は移動のビン、トート、バスケット、又は箱;仕切られたビン、トート、バスケット、箱、又は同様のコンテナ内の区画;コンベヤベルト上のビン、トート、スロット、箱、コンテナ、区画、又は他の何らかの形態のレセプタクル;固定又は移動棚ユニット上の棚又は仕切り棚の区分;車輪付きコンテナ;ホッパー;自動仕分け機構上の誘導レーン;或いは一般的なマテリアルハンドリング施設内でピッキングアイテムを受け取るように構成されたあらゆるデバイス、物体、備品、コンテナ、スロット、区画等のうちの1つ又はそれ以上を含むことができる。幾つかの実施形態では、トート又はビン等の1つ又はそれ以上のレセプタクルは移動体とすることができ、従って、手押しカート、コンベヤベルト、ローラー、又はマテリアルハンドリング施設内でレセプタクルを搬送するための他のデバイス上に配置し、又は取り除くように構成することができる。幾つかの実施形態では、レセプタクルは、例えばビン、トート、又は棚の区画、分割部分、又は仕切りとすることができる。一実施形態では、レセプタクルは、出荷箱、パッケージ、外囲器、又はレセプタクルの送り先に向けた全てのアイテムがピッキングされて、レセプタクル内に収納された後に処理され、出荷されるように構成されたあらゆる他のタイプの出荷コンテナとすることができる。幾つかの実施形態では、2つ又はそれ以上の区画に細分化することができ且つその各々がレセプタクルであるビン、トート、バスケット、又は同様のコンテナは、組み込み車輪、ローラー、又はマテリアルハンドリング施設内でコンテナを搬送するための他の何らかの機構を含むことができる。他の実施形態では、レセプタクルを固定することができ、例えばフロア又は棚ユニット上に固定することができる。
【0030】
従来、ピッカー42は、一度に1つのピッキング送り先50だけに対して在庫30からアイテムをピッキングしている。例えば、ピッカー42は、一度に1つの注文に対してアイテムをピッキングするか、又は全て1つのピッキング送り先50(例えば特定の自動仕分けステーション、手作業の仕分けステーション、梱包ステーション、又は他の処理ステーション)に向かう注文バッチに対してアイテムをピッキングするか、或いは全て特定のピッキング送り先に向かう様々な注文からのアイテムリストをピッキングする等のように指示を受けることができる。従って、ピッカー42は、アイテムに対して1つのストリーム又は処理経路においてアイテムをピッキングし、ピッキングアイテムをこれらの共通のピッキング送り先50に送り、これらの個々の注文へのピッキングアイテムの処理と仕分けを下流側のステーションに任せる。従来、ピッカー42は、アイテムを正しい注文と照合せず、ピッカーはアイテムリストをピッキングしこれらのアイテムを特定のピッキング送り先50に運ぶように制御システムによって指示される。次にピッカーは、場合によっては異なるピッキング送り先50に対する別のアイテムリストの処理を繰り返す。
【0031】
ピッカー42が一度に1つのピッキング送り先50に対してだけピッキングするように制限されることがある1つの理由は、ピッカー42に在庫30からアイテムを位置特定してピッキングさせながら、複数のピッキング送り先50に応じてアイテムを仕分けさせるとことに関して複雑さとリスクが加わることである。複数のピッキング送り先に対してのピッキングは、ピッカー42が間違いを犯し、従って、1つ又はそれ以上のアイテムを間違ったピッキング送り先50に送ることになるリスクを招く。かかるエラーが見つかった場合には、エラーは下流側で修正する必要があり、下流ステーションにおける処理に複雑さが加わる。例えば、ピッカー42が2つの異なるピッキング送り先50に対してピッキングを行っており、ピッキングアイテムを2つの異なる下流ステーションに送られるべき2つの異なるレセプタクルに収納しているとすると、いずれかのアイテムが間違ったレセプタクルの中に入れられた場合には、仕分けステーション等の下流ステーションにおいて誰かがエラーを検出して修正しなければならなくなる。エラーが検出されない場合には、場合によっては誤って仕分けされたアイテムが間違った顧客に送られる可能性がある。従って、複数のピッキング送り先に対するピッキングは、ピッキング処理と、下流ステーションの1つ又はそれ以上において実行される処理の両方に複雑さが加わる可能性がある。
【0032】
しかしながら、一度に1つのピッキング送り先50に対して在庫30からアイテムをピッキングすることをピッカー42に要求することにより、ピッカーは在庫30を往来して、各ピッキング送り先50に対して別個にアイテムをピッキングすることが必要となり、これはピッキング処理の効率(ピッキング密度と呼ばれる)が低下する点に留意されたい。所与の空間内のピッキングの数が多くなると、ピッキング間の平均距離が短く、ピッキング密度が高くなり、従って、ピッキング密度が増大する結果としてピッキングの生産性の向上がもたらされる。ピッカー42が一度に2つ又はそれ以上のピッキング送り先50に対してピッキング可能になると、ピッカーは、より少ない在庫30の往来でより多くのアイテムをピッキングすることが可能になり、ピッキング密度が増大する。1つの解決策は、ピッカー42が複数のピッキング送り先50に対してアイテムをピッキングし、1つのレセプタクルが各ピッキング送り先に割り当てられているレセプタクルにアイテムを収納することを可能にする一方で、誤仕分けを回避するのを助けるために、ピッキングした各アイテムについて送り先レセプタクルをスキャンすることをピッカー42に要求することである。しかしながらこの要件は、ピッキング処理に複雑さと時間を付加し、場合によってはピッカー42の効率を低下させることがある。また異なる送り先に割り当てられた複数のレセプタクルに対してピッキングを行うことによって、エージェントがアイテムを正しくないレセプタクルに収納するリスクが加わり、その結果、下流ステーションにおいて修正しなければならなくなる。エージェントがアイテムを間違ったレセプタクル内に収納した場合には、1つの下流ステーションは1つのアイテムが足りないレセプタクルを受け取る可能性があると共に、別のステーションは、余分のアイテムを有するレセプタクルを受け取る可能性がある。そのため、両方のステーションがエラーを修正する措置を取る必要がある。このように、ピッキング処理中の1つのエラーが、2つ(又はそれ以上)の下流処理ステーションにおいて修正されるべき問題を発生させる可能性がある。
【0033】
マテリアルハンドリング施設制御システム
図2の注文処理センター80等のマテリアルハンドリング施設は、マテリアルハンドリング施設制御システムすなわち略して制御システムを実装することができる。図9の制御システム190等の制御システムは、顧客の注文を履行する際に注文処理センター80においてエージェントを支援及び/又は誘導するように構成されたハードウェア及びソフトウェアを含む。在庫30内のアイテムは、限定ではないが、ピッキング、仕分け、梱包を含む注文処理センター80の業務を容易にするために、バーコード、万国製品コード(UPC)、最小在庫保管単位(SKU)コード、シリアル番号、及び/又は他の呼称(商標名を含む)でマーキング又はタグ付けすることができる。これらの呼称又はコードは、アイテムをタイプ毎に識別することができる、及び/又はあるタイプのアイテムの中で個々のアイテムを識別することができる。制御システムは、ハンドヘルド、モバイル、及び/又は固定のスキャナ或いはスキャンデバイスを含むことができ、これらは、個々のアイテム上のマーク又はタグをスキャンし、受信し、又は他の方法で検出し、制御システムの1つ又は複数の制御ステーションと通信してアイテム及び/又はアイテムのアイテムタイプを判定及び記録することができる。
【0034】
制御システムは、注文を履行するためにピッキングされることになる1つ又は複数のアイテムを指定する各注文についての注文情報を受け取ることができる。各注文には、注文処理処理において使用するために一意の注文番号を割り当てられる。関連アイテム及び/又はアイテムタイプの呼称又はコード並びに場合によっては他の記述的情報を含む、アイテム及び/又はアイテムタイプ情報を、在庫からピッキングされた各アイテムについてエージェントが制御システムに入力することができる。この情報は、アイテム上のマーク又はタグから制御システムにスキャンすることができ、或いは手作業で入力することができる。ピッキング中にスキャンと手作業入力との組み合わせを用いてもよい。
【0035】
モートを用いた複数送り先ピッキング
販売業者及び製造業者によって用いられるマテリアルハンドリング施設のような、マテリアルハンドリング施設においてモートを用いて複数送り先ピッキングを可能にする方法及び装置の実施形態を説明する。本実施形態では、マテリアルハンドリング施設のエージェントに一度に2つ又はそれ以上のピッキング送り先(又はバッチ処理施設ではバッチ)に対してアイテムをピッキングさせることによってピッキング密度を高めることができ、従って、ピッキング中に少なくともある程度の注文の事前仕分けを実行する。ピッキング送り先は、以下では単に送り先と呼ぶことができる。従来、複数送り先ピッキングを実行するには、ピッカーは、誤仕分けを回避するためにピッキングされた各アイテムについて送り先レセプタクルをスキャンすることが必要となり、ピッキング処理に複雑さが加わり、エラーの可能性が増大し、従って生産性が低下する場合があった。一実施形態では、ピッキングされた各アイテムについてレセプタクルをスキャンする必要性を排除し、下流処理の間に修正することが必要になるピッキング処理におけるエラーの防止を助けるために、各レセプタクルを送り先に割り当てることができ、レセプタクルは、発光ダイオード(LED)等のインジケータを含むモートを有する又は含むことができ、そのインジケータは、レセプタクルがピッキングアイテムに対する送り先レセプタクルであることをエージェントに示すために起動される。このようにして、エージェントは、指示送り先レセプタクル内にアイテムを収納することができ、従って、誤仕分けが回避される。一実施形態では、各レセプタクルは、そのレセプタクルへのアイテムの収納を感知するセンサを有するか又は含むことができ、これを用いて複数送り先ピッキング業務中のエラー(例えばピッキングアイテムを正しくないレセプタクルに収納する)を検出して修正することができ、これにより、下流処理中にピッキングエラーを修正する必要性が軽減又は排除される。
【0036】
「起動」と「停止」は、本明細書のモート及びインジケータに関連して用いる場合には、何らかの動作又は検出状態に応答してインジケータをオン、オフ、或いはエージェントへの何らかの信号又は表示を修正させる(例えば点灯又は消灯、視覚表示の色の変更、テキストメッセージの表示又は変更、可聴信号又はメッセージの放出、変更、又は中止など)ことを意味し、これによってエージェントに情報及び/又は指示を提供する点に留意されたい。モート/インジケータの起動と停止によって提供されるこの情報は、限定ではないが、モート/インジケータを含むレセプタクルが特定のピッキングアイテム又はピッキングされるアイテムに対する正しい送り先レセプタクルであること、アイテムを収納したレセプタクルがそのアイテムに対する正しい(又は場合によっては不正な)送り先レセプタクルであること、完了したレセプタクルがその割り当てられた送り先に近接していること、或いは一般的に、マテリアルハンドリング施設内でピッキングを実行するエージェント又は更に他の機能を実行する他のエージェントにとって有益な他のあらゆる情報を含むことができる。モート及び/又はインジケータを起動し、停止することによって、必須ではないが、モート及び/又はインジケータの電源をオン又はオフにすることができる。種々の実施形態において説明されるモート、インジケータ、及び/又はセンサは、低出力又はゼロ出力デバイスとすることができ、電源が供給される場合、安価な電源を有することができ、従って、幾つかの実施形態では常時「電源オン」にすることができる点に留意されたい。
【0037】
幾つかの実施形態では、複数の注文を選択しエージェントに割り当てて在庫保管庫内のアイテムの場所に基づいてピッキングを行い、異なる注文においてアイテムの局在性を利用するようにすることができる。ピッカーが一度に複数の送り先に対してピッキングするのを可能にすることによって、アイテムをピッキングするために各場所間を進む平均距離を短縮することができ、これによってピッキング密度が増大する。更に、複数の送り先に対するピッキングによって、ピッカーはピッキングアイテムの少なくとも何らかの事前仕分けを実施することが可能になり、これによりアイテムの下流処理における仕分けの必要性が軽減される。幾つかの実施形態では、複数の送り先に対するピッキングによって、所与の注文についての全ての仕分けをピッキング処理中に完了することが可能になり、これによって施設内での個別の仕分け区域又は機構に対する必要性を軽減又は排除することができる。モートを用いた複数送り先ピッキングを可能にするための方法及び装置の実施形態は、エージェントが高い効率と精度で一度に2つ又はそれ以上の送り先にピッキングを行うことを可能にする。これはまた、ピッキング中に事前仕分けすることができる注文の最小アイテム数についての閾値を低下させることができ、これによって下流側でアイテムをそれぞれの注文に仕分けする必要性が軽減される。
【0038】
従来、マテリアルハンドリング施設における幾つかの場合では、1つの送り先に対してピッキングするエージェントによって効率的にピッキングすることができる注文のアイテムの最小数についての閾値(例えば25アイテム)を設定することができる。単一の顧客注文が少なくとも多くの数のアイテム(例えば少なくとも25アイテム)を含む場合、1つの顧客注文に対して単にそのアイテムだけをエージェントにピッキングさせることが効率的な場合がある。従来の施設では、より少いアイテムを有する注文に対しては、エージェントは個々の注文への仕分けをせずに、注文の2つ又はそれ以上に対するアイテムを共通の1つ又は複数のレセプタクルにピッキングすることができ、次いで、仕分けはピッキング処理の下流側で実行することができる。従来の施設では、ピッカーに複数の送り先(例えば複数の異なる注文に対する)に対してアイテムをピッキングさせるには、アイテムがピッキングされるときにピッカーが異なるレセプタクルにアイテムを正確に仕分けすることが必要とされる。かかる仕分けをピッキング業務と組み合わせることから生じる非効率さとエラーが、このタイプの業務をこれまで実施不可能にしてきた。しかしながら、本明細書に説明するようにレセプタクルにモートを用いることで、マテリアルハンドリング施設内の複数送り先ピッキング業務において効率を改善し、エラー率を低下させることができる。実施形態では、従来のピッキング法よりも多くの注文の事前仕分け又は仕分けをピッキング処理中に実行することが可能となる。ピッキング実行中に、アイテムをピッキングする2つ又はそれ以上の注文にエージェントを割り当てることができる。例えば、複数の小さな注文(例えば上述の閾値よりも少ないアイテムを有する注文)をピッキング用に単一のエージェントに割り当てることができる。各注文は、ピッキングされる「送り先」とみることができ、従って、各注文に固有のレセプタクルを割り当てることができる。レセプタクル上のモートを、注文に対するピッキングアイテムをその注文に割り当てられた正しいレセプタクル又は区画に収納する際に、エージェントを誘導するために用いることができる。実施形態を用いると、エージェントは、1回のピッキングセッション中に複数の送り先(例えば注文)に対してピッキングを行うことができる。エージェントは、複数の送り先(例えば、一度に3つの注文)対してピッキングを行うことができるので、ピッカーにおけるピッキング密度と仕分け作業の許容可能レベルを維持しながら、エージェントが効率的にピッキングを行うことができる注文の最小サイズの閾値を低くし又は排除することができる。これにより、ピッキング処理中にエージェントによって注文のより高い割合を仕分けることが可能になり、従って、仕分け作業が軽減され、場合によってはマテリアルハンドリングプロセスの下流側での追加の高価な仕分け機構に対する必要性が減少する。
【0039】
一実施形態では、大きな注文等の少なくとも幾つかの注文は、ピッキングに対して2つ又はそれ以上のエージェントで分割することができ、各エージェントは、分割された注文に対するアイテムを異なる送り先レセプタクルにピッキングする。次いで、下流ステーションにおいてレセプタクル内のアイテムを組み合わせることができる。各々が特定の注文に対するアイテムを含む2つのレセプタクルは、異なる送り先に送ることができ、アイテムは後で下流ステーションにおいて組み合わせられる点に留意されたい。
【0040】
レセプタクルが移動体である一実施形態では、エージェントは、レセプタクルを他のエージェントに渡し、送り先に対するアイテムのピッキングを継続することができる。例えば幾つかのマテリアルハンドリング施設では、特定のピッキングエージェントを特定の在庫区域に割り当てることができる。エージェントが、そのエージェントの割り当て区域でレセプタクルへのアイテムのピッキングを完了した後に、エージェントはレセプタクルを別のエージェントに渡し、レセプタクルへのアイテムのピッキングを継続することができる。この例では、第2のエージェントは、第1のエージェントにおけるレセプタクルに対する「ピッキング送り先」とみることができる。レセプタクルは、1つ又はそれ以上の他のエージェントに渡され、ピッキングを継続することができる。レセプタクルが完了した後(下流送り先に対する全てのアイテムをレセプタクルにピッキングした)、レセプタクルを完了したエージェントは、続いて、その下流送り先にレセプタクルを送ることができる。
【0041】
また、エージェントは、1つの注文からのアイテムを異なる下流送り先に割り当てられた2つの異なるレセプタクルにピッキングすることができる点に留意されたい。例えば、ある注文内の幾つかのアイテムは、ギフト包装等の付加価値処理のステーションに割り当てられ、一方で、異なるレセプタクル内の他のアイテムは、仕分けステーション等の異なるステーションに向かうように割り当てられ、ここで、これらのアイテムを、後で仕分けステーションに到着した時に第1のレセプタクル内のアイテムと併合することができる。
【0042】
マテリアルハンドリング施設は、複数の送り先に割り当てられた2つ又はそれ以上のレセプタクルにアイテムをピッキングする上述の方法のうちの1つ又はそれ以上、及び/又は上述の方法のうちの2つ又はそれ以上を組み合わせて用いることができる点に留意されたい。
【0043】
一実施形態では、モートは、1つ又はそれ以上の発光ダイオード(LED)等のインジケータと、アドホックネットワーク内でマテリアルハンドリング施設制御システムや他のモートと通信するために無線ネットワークインターフェース等のRF(無線周波数)通信インターフェースとを含むことができる。一実施形態では、送り先レセプタクル上のモートを、ピッキングアイテムがエージェントによってスキャンされる時に起動することができる。スキャンデバイスは、どのアイテムがピッキングされたかを示すために制御システムと通信することができる。次いで、制御システムは、このアイテムに対する送り先レセプタクル上のモートを起動する要求メッセージを送信することによって応答することができる。特定のモートがその通信インターフェースを介してメッセージを受信する時に、そのモートがこれに応答して、そのインジケータデバイスを起動することができるように、各モートは一意のコードによって識別される。
【0044】
ピッキングアイテムに対する送り先レセプタクルを示すためにモートを起動する他の方法を用いることができる。例えば一実施形態では、マテリアルハンドリング施設内の指示された場所又は在庫ビンにエージェントが到着したのに応じて、制御システムは、特定のモートにメッセージを送信することができ、その場所からピッキングアイテムを収納する必要のある特定のレセプタクルをエージェントに示すようにこのモートを起動させる。
【0045】
幾つかの実施形態では、各レセプタクルはまた、アイテムがレセプタクルに収納される時点を検出し、そのアイテムが正しいレセプタクルに収納されたことを検証するのに用いることができるセンサ(例えば動作検出器、RFIDセンサ、光カーテン等)を含むこともできる。センサは、インジケータを有するモートに結合され、或いは、レセプタクル上の別個のモートに結合され、アイテムがレセプタクル内に収納された時に制御システムと通信して制御システムにメッセージを送信するように構成される。レセプタクル内へのアイテムの収納を検出するためにセンサを用いてもよい点に留意されたい。幾つかの実施形態では、センサを用いて、正しいレセプタクル内へのアイテムの収納と正しくないレセプタクル内へのアイテムの収納とを区別することができる。幾つかの実施形態では、正しいレセプタクル内へのアイテムの収納が判明した場合、モート上の視覚及び/又は可聴インジケータを起動し、アイテムが正しいレセプタクルに収納されたことを示す。例えば、インジケータはLEDを点滅させることができ、或いは、エージェントに正しいレセプタクルを示すLEDとは異なる色又は異なる場所のLEDを起動させることができる。幾つかの実施形態では、正しくないレセプタクルへのアイテムの収納を検出した場合、モート上のインジケータを起動し、アイテムが間違ったレセプタクルに収納されたことをエージェントに示すことができる。例えばインジケータはLEDを点滅させることができ、又は正しいレセプタクルを示すLEDとは異なる色又は異なる場所のLEDを起動させることができる。或いは、インジケータは、レセプタクル内へのアイテムの正しい及び/又は正しくない収納を示すためにテキストメッセージを表示することができる。例えば、アイテムが正しいレセプタクル中に収納された時にはテキストメッセージは「正しいレセプタクル」又は同様のものを表示することができ、アイテムが正しくないレセプタクル内に収納された時には、「正しくないレセプタクル」又は同様のものを表示することができる。一実施形態では、インジケータは、アイテムが間違ったレセプタクル内に収納された時には、例えば「このアイテムはレセプタクル3に収納して下さい」又は同様のメッセージのような正しいレセプタクルを指定することができる。幾つかの実施形態では、インジケータにテキストメッセージを発生させるのではなく、場合によっては手押しカート結合されたピッカーの通信デバイス、通信デバイスの付属品、又は他の何らかのデバイスを用いて、レセプタクル内へのアイテムの正しい及び/又は正しくない収納を示すテキストメッセージ、及び/又はレセプタクル内に収納されたピッキングアイテムに関する他のテキスト情報を生成させることができる。
【0046】
正しい又は正しくないレセプタクル内へのアイテムの収納を示すために、可聴トーン又はビープ音等の他の方法を用いることができ、例えば、1つのトーン又はビープ音が正しい収納を示し、別のトーン又はビープ音が正しくない収納を示し、或いは、アイテムが正しくないレセプタクル内に収納された場合にのみ可聴トーン又はビープ音を鳴らしてもよい。或いはインジケータは、正しい及び/又は正しくないレセプタクル内へのアイテムの収納を示す可聴メッセージを生成することができる。例えばアイテムが正しいレセプタクル内に収納された時には、可聴メッセージは「正しいレセプタクル」又は同様のものを発声することができ、アイテムが正しくないレセプタクル内に収納された時には「正しくないレセプタクル」又は同様のものを発声することができる。一実施形態では、アイテムが間違ったレセプタクル内に収納された時に、インジケータは正しいレセプタクルを指定することができ、例えば「このアイテムはレセプタクル3に収納して下さい」又は何らかの同様のメッセージを発声することができる。幾つかの実施形態では、正しい及び/又は正しくないレセプタクル内へのアイテムの収納を示すために、上記に説明した方法のうちの2つ又はそれ以上の組み合わせを用いることができる点に留意されたい。例えば、インジケータは、レセプタクル内へのアイテムの正しい及び/又は正しくない収納を示すために、LEDの起動及び可聴メッセージの発生の両方を行うことができる。幾つかの実施形態では、インジケータに可聴トーン又はメッセージを発生させるのではなく、場合によっては手押しカートに結合されるピッカーの通信デバイス、通信デバイスの付属品、又は他の何らかのデバイスを用いて、レセプタクル内へのアイテムの正しい及び/又は正しくない収納を示す可聴トーン又はメッセージ、及び/又はレセプタクル内に収納されたピッキングアイテムに関する他の可聴情報を発生させることができる。
【0047】
起動されたモートによって示されるようにアイテムが正しいレセプタクルに収納された後、モートのインジケータを停止させることができる。センサを用いた一実施形態では、センサによるレセプタクル内へのアイテムの収納の検出によって、センサは図9の制御システム190等の制御システムにメッセージを送信することができ、次いで、制御システムは、モート上のインジケータの停止(すなわちインジケータを「オフ」)を要求するメッセージを送信することができる。或いはセンサは、モートに直接信号を送信し、モートにインジケータを停止させるようにすることができる。他の実施形態では、モート上のインジケータを停止させるために他の方法を用いることができ、例えば、モートを、10秒等のある時間間隔の後にそのインジケータを停止させるように構成することができる。別の例として、各モートは、モート上のインジケータを停止又は「リセット」するためにエージェントが押すことができるボタン又はスイッチを含むことができる、或いはエージェントは、そのエージェントの通信デバイスのユーザインターフェース(UI)を介してモート上のインジケータを停止させることができる。
【0048】
インジケータを、上記に説明したように起動し、停止することができることに留意されたい。センサを含む実施形態では、センサは、制御システムがセンサに何か感知することを期待する時だけでなく、連続的に動作又は「感知」することができる。一実施形態では、特定のカートで動作するピッカーの通信デバイスは、カート上の全てのレセプタクル上のモートから連続的にメッセージを受信することができる。一実施形態では、センサは「饒舌」であり、全ての感知した動きを通信デバイスに報告することができる。この実施形態では、通信デバイスは、特定のモートのセットからあらゆるセンサメッセージを「購読」することができる。ピッカーが1つのレセプタクルを配送中であることを通信デバイスに示しているが、実際には別のレセプタクルを配送する場合、レセプタクル/モートがピッキング送り先に配送された時、或いは配送後のある時間期間の時点で購読中止にすることができる。別の実施形態では、モートは「静粛」とすることができ、通信デバイスは「饒舌」とすることができる。この実施形態では、通信デバイスは、動きが期待されるか否かに関して特定のカート上のモート/センサに通知するのを維持することができる。期待通りにセンサが動き(又は動きの欠如)を検出する限り、通信デバイスには何も報告を返さなくてもよく、センサは突発的な事象のみを報告すればよい。
【0049】
マテリアルハンドリング施設内のレセプタクル上のモートを、ネットワーク上にメッセージを送信し、受信し、伝播するために無線通信を用いるアドホックネットワークを協働して形成するように構成することができることに留意されたい。モートは、アドホックネットワーク上でパケット(メッセージ)を伝播するために互いのサービスを用いることができる。マテリアルハンドリング施設制御システムは、アドホックネットワーク内でモートと無線通信し、互いに(有線又は無線接続を介して)通信するように構成された1つ又はそれ以上の制御ステーションを含み、さらに、アドホックネットワークに参加するように同様に構成することができる、エージェントが携帯する携帯通信デバイスや種々の他の固定又は携帯ワークステーションもしくはデバイスを含むことができる。モートは、制御ステーションの範囲外にあってもよく、よって、制御ステーションからモートへのメッセージは、マテリアルハンドリング施設内の1つ又はそれ以上の他のモート或いは他のものを介して伝播させることができ、その逆もまた同様である。一実施形態では、マテリアルハンドリング施設制御システムの中央サーバ又は制御ステーションに対してのモートのゲートウェイとしての役割を果たす1つ又は複数のゲートウェイポイントが存在することができる。ストック保管ビン、カート、ステーション等のマテリアルハンドリング施設の他の構成要素は、アドホックネットワークに参加するように同様に構成させることができる種々の他の用途に用いられるモートを含むことができる点に留意されたい。
【0050】
モートを有する複数送り先レセプタクルにピッキングを行うエージェントの一実施形態を図3に示す。この実施形態では、エージェント142は、マテリアルハンドリング施設の従業員とすることができ、手押しカート110は、複数の保管ビン又はトートを保持するように構成され、ここで各トート(或いは、トートの1つ又はそれ以上内の1つ又はそれ以上の区画の各々)はレセプタクル100である。カート上のレセプタクル100の数及び配列は図示したものと異なるようにすることができる。レセプタクル100は移動体とすることができ、従って、レセプタクル100は、カート110から取り外し、又はカート110に追加し、異なるカートへ移動し、カート上で再配列される、その他を行うことができる。エージェント142は、対応する通信デバイス144と対話することができ、その通信デバイス144は、種々の実施形態においてハンドヘルドデバイス、エージェントが身に着けるか又はエージェントに取り付けられたデバイス、或いは手押しカートに組み込まれるか又は装着されたデバイスとすることができる。
【0051】
通信デバイス144は、マテリアルハンドリング施設内で行う行動内容に関してエージェント142に命令を伝えるように構成されることができる。一実施形態では、通信デバイス144は、ピッキングモジュールと呼ぶことができる、在庫内のビン又は場所からピッキングされるアイテムリストをマテリアルハンドリング施設制御システムから受け取ることができ、画面等のデバイスのディスプレイ部分を介してエージェント142にピッキングされるアイテムとピッキングモジュールを提示することができる。また通信デバイス144は、マテリアルハンドリング施設内でピッキングアイテムに対する1つ又はそれ以上の送り先のリストを制御システムから受け取り、表示することができる。次に、エージェント142は、指示送り先に対するレセプタクル100を収集し、これらをカート上に置くことができる。レセプタクル100を送り先に割り当てるために様々な方法のいずれかを用いることができる。
【0052】
モート102を、各レセプタクル100に結合することができる。一実施形態では、図3に示すように、モート102を、レセプタクル100の上縁部又はその近傍に位置付けることができ、或いはレセプタクル100の外周部に組み込むことができる。一実施形態では、センサをモート102と一体化し、レセプタクル100の内側の事象、例えばレセプタクル100内へのピッキングアイテムの収納を感知することができる。他の実施形態では、センサをモート102に組み込むのではなく、レセプタクル100上でモート102から離間して、例えばレセプタクル100の反対側の上縁部上にセンサを位置付けることができる。レセプタクル100の上縁部又はその近傍にモート102を装着することによって、レセプタクル100が入れ子状に積み重なったときにモート102が見えるようにすることが可能になる。他の実施形態では、モート102とセンサは、存在する場合には、図示する位置ではなくレセプタクル100の内側又は外側の他の位置、すなわち、レセプタクル100の上縁部又は側部又は底部の他の場所のいずれかに位置付けることができる点に留意されたい。
【0053】
一実施形態では、各レセプタクル100に、バーコード、無線周波数識別(RFID)タグ、シリアル番号、及び/又はマテリアルハンドリング施設内のレセプタクルの中からレセプタクル100を一意的に識別する他の呼称(商標名を含む)を用いてマーキング又はタグ付けすることができる。同様にレセプタクル100に取り付けられたモート102にこの一意の識別子を割り当てることができ、モート102をレセプタクル100と関連付けるために制御システムがこの識別子を用いることができる。一実施形態では、エージェント142は、マテリアルハンドリング施設内のレセプタクル100の収納場所からレセプタクル100を選択することができ、エージェント142がレセプタクルの一意の識別子を通信デバイス144内にスキャンし、又は他の方法で入力することができる。次に、制御システムは、その特定のレセプタクル100を特定の送り先と関連付けることができる。この処理は、通信デバイス144上でエージェント142に対して示された各送り先について繰り返すことができる。或いは、各送り先に対して1つのレセプタクル100を選択してカート110上に置くことができ、次いで、エージェントは、各レセプタクルをスキャンし、送り先をレセプタクル100に割り当てることができる。一実施形態では、カート110上に置いたレセプタクル100を特定の順序(例えば左から右)でスキャンすることができ、レセプタクル100への送り先の割り当てをエージェント142に呈示された送り先リストに対応して実施することができ、例えば、一番左又は最初にスキャンしたレセプタクル100を第1の送り先に割り当て、次の又は2番目にスキャンしたモート100を第2の送り先に割り当てる、以下同様である。或いは、エージェントは、前回のピッキングセッションから手押しカート110上に1つ又はそれ以上のレセプタクル100を既に有している場合があり、次回のピッキングセッションに対してレセプタクルを異なる送り先に割り当て直すことによって、カート110上のレセプタクル100の1つ又はそれ以上を次回のピッキングセッションにおいて再使用することができる。
【0054】
幾つかの実施形態では、選択したレセプタクル100は特定の送り先に最初に割り当てなくてもよい。その代わり、例えば、ある送り先に対して最初にピッキングされたアイテムをレセプタクル100内に収納したことがレセプタクル上のセンサによって検出された時に、レセプタクル100をその送り先に割り当てることができる。或いは、エージェント142がある送り先に対して最初のアイテムをピッキングしスキャンすると、エージェント142は、カート110上の空のレセプタクル100の一意の識別子をスキャン又は他の方法で入力することができ、次いで、レセプタクル100をこの送り先に割り当てることができる。その後、その送り先に対してピッキングしたアイテムをスキャンすることによって、その送り先に割り当てられたレセプタクル100上のモート102を起動させることができる。一実施形態では、例えば、ピッキングした特定のアイテムがカート上のレセプタクル100に既に割り当てられているピッキング送り先のいずれに向かうものではない場合には、エージェント142は、カート上の1つ又はそれ以上の非割り当てレセプタクルからこの特定のアイテムを収納するレセプタクル100を選択することができる。次に、エージェント142は、通信デバイス144を介して、図9の制御システム190のような制御システムと対話し、レセプタクル100をアイテムの送り先に割り当てることができる。この送り先に対してピッキングされる後続のアイテムは、レセプタクル上のモート102と対話する制御システムによって示されたレセプタクル100内に収納することができる。一実施形態では、エージェント142は、レセプタクル100に割り当てられた送り先を無効にさせ、その代わりに、場合によっては非割り当ての異なるレセプタクル、例えば、送り先に割り当てられたレセプタクルの大きさが不十分である場合にはより大きなレセプタクル、もしくはアイテムの送り先に割り当てられたレセプタクルがそのアイテムに対する十分なスペースが無い場合には場合によっては非割り当ての空のレセプタクルにピッキングアイテムを収納させることが可能である。次いで、エージェント142は、通信デバイス144を介して制御システムと対話し、レセプタクル100を、アイテムに対する送り先に割り当てることができる。次に、その送り先に対してピッキングされた後続のアイテムは、レセプタクル上のモート102と対話する制御システムによって示されるアイテムと共にレセプタクル100内に収納することができる。
【0055】
種々のアイテムをピッキングする命令を受け取るのに応答して、エージェント142は、最初の指示ピッキングモジュール(或いは、代替的に、指示ピッキングモジュールが制御システムによって具体的に順序付けされていない場合には、最も近い指示ピッキングモジュール)に手押しカート110を進めることができる。指示ピッキングモジュールでは、エージェント142は、指示ピッキングモジュールから指示アイテムの事例を選択することができる。例えば、エージェント142は、ビン、パレット、シュート、又はピッキングモジュールの他の構成体からアイテムを取り出すことができる。場合によっては、エージェント142はまた、アイテムの状態を検査し、アイテムが適切な状態にある(例えば、汚れていない、損傷が無い、未開封である、適切な有効期限を有する、又は他の何らかの基準セットを満たす)場合にのみそのアイテムを選択することができる。
【0056】
在庫内のアイテムは、限定ではないが、ピッキング、仕分け、梱包を含むマテリアルハンドリング施設業務を容易にするために、バーコード、無線周波数識別(RFID)タグ、万国製品コード(UPC)、最小在庫保管単位(SKU)コード、シリアル番号、及び/又は他の名称(商標名を含む)を用いてマーキング又はタグ付けされることができる。これらの呼称又はコードは、タイプによってアイテムを識別することができ、及び/又はあるタイプのアイテムの中で個々のアイテムを識別することができる。一実施形態では、アイテムがピッキングされると、エージェント142は、通信デバイス144においてピッキングアイテムのコードをスキャンし、又は他の方法で入力することができる。或いは、エージェントは、アイテムに対応する通信デバイス144上のボタン又は他の機構を選択し、アイテムをピッキングしたことを示すことができる。次いで、通信デバイス144は、図9の制御システム190等の制御システムにメッセージを送信し、ピッキングアイテムを指示することができる。次に、制御システムは、その送り先に割り当てられたレセプタクル100上のモート102のインジケータを起動することができる。レセプタクル100上にセンサを含む実施形態では、センサは常に動作状態であり、感知した事象を制御システムに、及び/又はエージェントの通信デバイスを介してエージェントに通信し続けることができる点に留意されたい。一実施形態では、手押しカート110、各レセプタクル100、又は通信デバイス144は、近接検出機構を含むことができ、この機構は、ピッキングされたアイテムがその機構の範囲内にある場合に各アイテム上のRFIDタグを検出することができる。次に近接検出機構は、アイテムに関する情報を制御システムに中継することができ、次いで、制御システムは、アイテムの送り先に割り当てられたレセプタクル100上のモート102のインジケータを起動させることができる。
【0057】
幾つかの実施形態では、インジケータは、エージェントによってアイテムがピッキング及び/又はスキャンされる前に、例えばピッキングされることになる次のアイテムが分かり次第起動される。アイテムがピッキング及び/又はスキャンされる前にインジケータを起動することによって、1つ又はそれ以上の利点を得ることができる。1つの利点は、例えば、アイテムをピッキングする時にエージェントがカートの最適な側に立っていることを確認することによって、アイテムのピッキング前に特定の指示レセプタクル100内にアイテムを収納する準備をエージェントが物理的に開始することができる点である。別の利点は、アイテムのスキャン後に起動されることになる送り先レセプタクル上のインジケータをエージェントに待機させるのではなく、レセプタクル上のインジケータを起動するメッセージをそのインジケータに届ける際に発生する可能性のあるネットワーク遅延をエージェントがアイテムをピッキングしている間に吸収することができる点である。一実施形態では、例えば、エージェント142がピッキングセッションを開始すると、ピッキングされることになる最初のアイテムに対する送り先レセプタクルであるレセプタクル100上のインジケータを起動することができる。そのアイテムがピッキングされ、指示されたレセプタクル100内に収納された後、ピッキングされることになる次のアイテムに対する送り先レセプタクルであるレセプタクル上のインジケータを起動することができ、以下同様である。別の実施形態では、エージェント142は、ピッキングされることになる次のアイテムをそのエージェントが携帯する通信デバイスのユーザインターフェース上で選択することができる。通信デバイスは、この情報を制御システムに通信することができ、次いで、その制御システムは、このアイテムの送り先レセプタクル100上のモート102に対して、レセプタクル上のインジケータを起動するようにメッセージを送信することができる。或いは、通信デバイスは、インジケータを起動するように送り先レセプタクル上のモートに直接メッセージを送信することができる。更に別の実施形態では、上記に説明したような近接検出機構は、ストック保管庫又はマテリアルハンドリング施設内の他の何らかの場所においてピッキングされるアイテムのための保管区域にカートが近接した時点を検出し、送り先レセプタクル上のインジケータを起動させることができる。他の実施形態では、他の機構を用いて、エージェントによってアイテムがピッキング及び/又はスキャンされる前に送り先レセプタクル上のインジケータを起動させることができる。例えば、一実施形態では、アイテムが配置される保管ビンは、アイテムをピッキングする時のエージェントの動きを検出し、この情報を制御システムに中継する動作検出器を含むことができる。次いで、制御システムは、このアイテムに対する送り先レセプタクル上のモートにインジケータを起動するようメッセージを送信することができる。別の例として、一実施形態では、制御システムは、マテリアルハンドリング施設内でのエージェント、カート、及び/又はレセプタクルの位置を追跡することができ、エージェント/カートがピッキングされるアイテムの位置又はその近傍にいるときにレセプタクル上のモートにレセプタクル上のインジケータを起動するようにメッセージを送信することができる。
【0058】
一実施形態では、通信デバイス及び/又は制御システムは、ピッキング中の現在のアイテムに対する正しいレセプタクルにおける動きを適切なセンサが感知したことの確認通知を受け取るまで、ピッキングされることになる後続のアイテムについての指示をエージェントに与えなくてもよい。或いは、正しくないレセプタクルにおいてセンサによって検出された動きにより例外が発生するか、さもなければエラーが解決されるまでエージェントがピッキングセッションを継続するのを阻止することができる。
【0059】
送り先に対する最初のアイテムがピッキングされるまでは、レセプタクルが送り先に割り当てられない幾つかの実施形態では、ピッキングアイテムが特定の送り先に対する最初のアイテムである場合には、上記に説明したようないずれかの方法を用いて、送り先に対するカート110上のレセプタクル100の割り当てを実施することができる点に留意されたい。次いで、エージェント142は、ピッキングアイテムをカート102上の指示レセプタクル100内に収納することができる。センサを含む実施形態では、レセプタクル100内へのアイテムの収納を検出することができ、そのアイテムがレセプタクル内に収納されたことを制御システムに通知することができる。センサは、正しい又は正しくないレセプタクル100内へのアイテムの収納を検出することができ、制御システムは、アイテムが収納されたレセプタクル100上のモート102を起動し、正しい(又は正しくない)レセプタクル100内にアイテムが収納された場合にエージェント142に信号で伝えることができる点に留意されたい。レセプタクル100内にアイテムを収納した後、これまでに説明したいずれかの方法を用いてモート102を停止させることができる。次いで、エージェント142は、ピッキングされるアイテムリスト上の各アイテムについてピッキング処理を繰り返すことができる。
【0060】
エージェント142は、エージェントに割り当てられた全ての送り先に対して全ての指示アイテムをピッキングした後、カート102上の各レセプタクル100をその割り当てられた送り先に送ることができる。制御システムは、通信デバイス144を介してエージェント142と通信し、エージェントを各レセプタクル100に対する送り先に誘導することができる。一実施形態では、エージェントがステーションに接近すると、制御システムは、そのステーションが送り先として割り当てられた、エージェントのカート上の1つ又はそれ以上のレセプタクルを検出し、レセプタクル上のインジケータを起動させて、レセプタクルがそのステーションに送られることになることをエージェントに示すことができる。或いは、マテリアルハンドリング施設は、コンベヤベルト等の搬送機構を含むことができ、エージェントは完了したレセプタクル100をこの上に誘導することができる。次いで、搬送機構は、マテリアルハンドリング施設内の送り先として割り当てられたステーションにレセプタクル100を送ることができる。一実施形態では、搬送機構を、マテリアルハンドリング施設制御システムによって指示された正しい送り先(ステーション)にレセプタクル100を自動的に送るように構成することができる。例えば、搬送機構が、各レセプタクル100の一意の識別子をスキャン又は検出し、制御システムは、レセプタクル100がどの送り先に送られることになるかに関して搬送機構に指示する。一実施形態では、搬送機構は、レセプタクル100上のモート102と通信し、レセプタクル100に対する送り先を制御システムによって指示された通りに判断するように構成されてもよい。他の実施形態では、ステーションの他のエージェントは、搬送機構上のレセプタクル100をスキャン又は入力し、レセプタクル100がそのステーションに割り当てられているかどうかを制御システムによって指示された通りに判断することができる。或いは、レセプタクルが搬送機構上でステーションに接近すると、制御システムは、レセプタクルがその送り先としてそのステーションに割り当てられていることを検出し、更に、レセプタクルがそのステーションに向けたものであることをそのステーションのエージェントに示すためにレセプタクル上のインジケータを起動することができる。
【0061】
レセプタクル100内のアイテムの処理が完了した後、更なる処理のために別のステーションにアイテムを送ることができる。例えば、手作業又は自動仕分けステーションにおいてアイテムをそれぞれの注文に仕分けて、次いで、1つ又は複数の梱包ステーションに送る。別の例として、アイテムを、ギフト包装ステーションにおいてギフト包装し、次いで、それぞれの注文に仕分けされる仕分けステーションに送ることができる。一実施形態では、処理したアイテムは、レセプタクル100に戻すか、或いは異なる1つ又は複数のレセプタクル100に収納することができ、その後、制御システムによりレセプタクル100内のアイテムに対する次の1つ又は複数のステーションに送ることができる。幾つかの実施形態では、レセプタクル100上のモート102、インジケータ、センサは、レセプタクルの1つ又はそれ以上の下流ステーションにおける処理を容易にするために、ピッキング処理について本明細書で説明する機能以外の他の機能を制御システムの指示の下で実行するように構成されることができる点に留意されたい。
【0062】
通信デバイス144の多くの異なる実施形態が実施可能であり企図される。幾つかの実施形態では、通信デバイス144は、オペレーティングシステム及び1つ又はそれ以上のアプリケーションを実行するように構成された携帯汎用コンピュータシステムを含むことができ、他の実施形態では、通信デバイス144は、カスタマイズされたソフトウェアアプリケーションを実行するように構成された埋め込みコンピュータシステムを含むことができる。種々の実施形態では、通信デバイス144は、様々なサイズと解像度のビデオディスプレイ、オーディオ入力/出力性能(例えば音声通信)、光(例えばバーコード)スキャンデバイス、RFID検出器、無線又は有線ネットワークインターフェース、或いはこれらの様々な組み合わせ等の多くの異なるインターフェース機構をサポートすることができ、これらは、通信デバイス144内に直接組み込むことができ、又は通信デバイス144とインターフェース接続された別個のデバイスにより実装することができる。
【0063】
幾つかの実施形態では、エージェント142の行動は、自律ロボットによって部分的に又は完全に実行することができる。例えば幾つかの実施形態では、アイテムピッキング及び移送を両方共、ロボットによって実行することができ、これに対し他の実施形態では、人間のピッカーとは関係なくロボットによる手押しカート110が作動している間、人間の従業員によってアイテムをピッキングすることができる。或いは、手押しカート110は、コンベヤベルト、軌道カート、AGV(無人搬送車)、車輪付き棚ユニット等のような他の搬送システムと置き換えることができ、或いは、エージェント142によっては、手押しカート110を用いることなく1つ又はそれ以上のレセプタクル100を運ぶことができる。上述のように、手押しカート110を用いる実施形態では、レセプタクル100の構成は様々な実施形態によって変わる可能性がある。例えば、手押しカート110は、図示よりも多く又は少なくレセプタクル100を有することができ、レセプタクル100は、カート上の様々な高さでレセプタクル100に接近し易くするためにレセプタクル100の装着角度を変えることによるなど、様々な方式で配列される。
【0064】
一実施形態では、図9の制御システム190のような制御システムは、例えばGPSシステムを用いるか、又は近接検出器を用いた近接検出及び/又はアドホックネットワーク内の他のモートを通じて施設内のモートの位置の検出を可能にすることができる。この実施形態では、制御システムは、各レセプタクル100又はモートが取り付けられた他の構成要素がマテリアルハンドリング施設内でどこに配置されているかを近似的に検出可能にすることができる。一実施形態では各カート110は、カートに結合されたモートを有することができ、制御システムは、マテリアルハンドリング施設においてカート上のモートを介して各カート110の場所、従ってエージェント142を追跡することができる。制御システムは、この位置情報を用いて、ピッキング処理においてエージェント142を誘導することができ、例えば、レセプタクル上のインジケータを起動する要求メッセージを送信することによって、ピッキングすべきどのアイテムが近くにあるかを示し、又は別の位置にエージェント142を誘導して1つ又はそれ以上のアイテムをピッキングし、或いは1つ又はそれ以上のレセプタクル100をそのレセプタクルに割り当てられた送り先の近くのステーションで降ろすべきであることをエージェント142に示すことができる。或いは、マテリアルハンドリング施設内のエージェント142の位置は、エージェントの通信デバイス144を用いて追跡することができる。
【0065】
図4は、一実施形態によるレセプタクル上のモートについての例示的な構成を示すブロック図である。モートのコア104は、無線通信性能を備えた本質的に極めて小さな低コスト低出力のコンピュータである。モートコア104の構成要素は、限定ではないが、CPU、メモリ、無線送信器/受信器等の通信インターフェースなどを含む。コア104は、限定ではないが、バッテリ又は他の電源(図示せず)、アンテナ106、インジケータ160、1つ又はそれ以上のセンサ(図示せず)を含む1つ又はそれ以上の他の構成要素に結合される。インジケータ160は、本明細書で説明する制御システムの指示の下で複数の送り先に対するピッキングを可能にするために、マテリアルハンドリング施設のピッキングエージェントと視覚的及び/又は可聴的に通信する1つ又はそれ以上の照明灯、LED、LCD、又は他の機構を含む。これらの構成要素の全ては、レセプタクルの内側又は外側に取り付けることができる小さなパッケージであるモート102内に一緒にパッケージ化される。モート102は、本明細書で説明する複数送り先ピッキング処理の機能のような、望ましい1つ又は複数の機能をモートが行うのを構成するようにプログラムすることができる。
【0066】
図4は、インジケータ160が2つの照明灯162A、162Bを含む実施形態を示している。他の実施形態では、1つ又は2つよりも多くの照明灯を含んでもよい。一実施形態では、モート102は、レセプタクルの内側の動き、例えばレセプタクル内のアイテムの収納を検出するために組み込みセンサ(図示せず)を含むことができる。他の実施形態では、レセプタクルは、有線又は無線接続によってモート102に結合されるが組み込まれてはいないセンサを含むことができる。2つの照明灯162を有する実施形態では、例えば第1の照明灯(照明灯162A)を、レセプタクルがピッキングアイテムに対する送り先レセプタクルであることを示すのに起動されるように構成することができ、第2の照明灯(照明灯162B)を、間違ったレセプタクル内へのアイテムの収納を示し、及び/又は正しいレセプタクル内へのアイテムの収納を示すのに起動されるように構成することができる。照明灯は、必須ではないが、異なる色、例えば緑と赤、或いは緑と黄色とすることができる。あらゆる色又は色の組み合わせを用いることができる。1つの照明灯162を有する実施形態では、照明灯は、例えばレセプタクルがピッキングアイテムに対する送り先レセプタクルであることを示すために連続的に点灯するか、或いは点滅又は明滅するように構成することができる。幾つかの実施形態では、単一の照明灯は正しい又は正しくないレプタクル内へのアイテムの収納を示すように構成することができる。例えば照明灯は、正しい及び/又は正しくないレセプタクル内への収納を示すために色を変更するように構成することができ、異なる色が正しい又は正しくない収納を示す。代替的又は追加として、照明灯を、正しい及び/又は正しくないレセプタクル内へのアイテムの収納を示すために異なる速度で点滅又は明滅するように構成することができる。幾つかの実施形態では、可聴信号を用いて、正しい及び/又は正しくないレセプタクル内へのアイテムの収納を示すことができる。
【0067】
図5Aは、一実施形態に従ってレセプタクル(例えばトート)の外側に取り付けられた図4に示すモートを示している。モート102は、レセプタクル100上の他の場所、例えば外側の代わりに内側に取り付けることができる点に留意されたい。またモート102は、本明細書で説明するように(正しい又は不正な)レセプタクル内へのアイテムの収納を検出するために動作検出器又はRFIDセンサのようなセンサ180に結合される。センサ180は、有線又は無線接続を介してモート102に結合される。一実施形態は、レセプタクル100に取り付けられた異なるモートをセンサ180に結合し、モート102及び/又は図9の制御システム190のような制御システムにセンサデータを通信するように、構成されてもよい。モート102、センサ180、レセプタクル100は、必ずしも一定の縮尺で図示しておらず、モート102は通常は、レセプタクル100と比較して極めて小さい点に留意されたい。
【0068】
図4及び5Aは、モートコア104に隣接するインジケータ160を示している。幾つかの実施形態では、インジケータ160は、コア104に隣接していなくてもよく、その代わりに、レセプタクル100上でコア104からある程度離れた位置に配置することができる点に留意されたい。
【0069】
図5Bは、図5Aに示す例示的なモートやレセプタクルなどの、モートを含むレセプタクルを示しており、そこに例示的なアイテムが保管されている。アイテム170は、バーコード、RFIDタグ、又は他のタイプのコードとすることができるアイテムコード(IC)172を含む。幾つかのタイプのアイテムでは、アイテムコード172は、アイテム170の各個々の具体例を一意的に識別することができ、一意のシリアル番号と類似のものであり、一方、他のアイテムでは、アイテムコード172は、アイテム170のタイプのみを一意的に識別することができる。一実施形態では、アイテムコード172は、ピッキング時にエージェントがスキャンするか、さもなければ通信デバイスに入力することができる。スキャンしたアイテム170が収納されることになる、特定の送り先に対する特定のレセプタクル100の識別は、レセプタクル100内にアクティブ技術(モート102)を組み込むことによって可能とすることができる。モート102は、発光ダイオード(LED)等のインジケータだけでなく、無線ネットワークインターフェース等の通信インターフェースを含む。特定のモート102が通信インターフェースを介してメッセージを受け取ったときにモートがインジケータデバイスを応答可能に起動することができるように、各モート102は、一意のコード又は識別子によって識別される。例えば、一実施形態では、エージェント142がアイテム170のアイテムコード172をスキャンするのに応答して、制御システムはモート102にメッセージを送信することができ、これにより、モートにLEDを照明させ、アイテムに対する特定の送り先に割り当てられたレセプタクル100内にアイテムを収納すべきであることをエージェント142に示す。幾つかの実施形態では、モート102を、例えば、動作検出器、RFIDセンサ、又は他の技術を用いて、アイテム170がレセプタクル100内に収納された時点を検出するように更に構成することができる。
【0070】
一実施形態では、マテリアルハンドリング施設内のトート、ビン、バスケット、棚等の1つ又はそれ以上の容器を、同じ又は異なるサイズの2つ又はそれ以上の区画に仕切り又は細分化し、各区画を特定の送り先に割り当てることができる、ピッキングアイテムを受け取るためのレセプタクルとすることができる。この実施形態では、図5Cに示すように、仕切り容器内の各区画又はレセプタクル100がモート102を含む。各モート102は、モートを、従ってそのモート102が取り付けられるレセプタクル100を一意的に識別する識別子を割り当てられる。一実施形態では、仕切り容器内の各レセプタクル100は、制御システムがマテリアルハンドリング施設内の異なる送り先に割り当てられ、そのレセプタクル100内のモート102は、ピッキングを実行するエージェントが仕切りのない容器について本明細書で説明される方法と同様の方法を用いてピッキングアイテムを収納すべき正しいレセプタクル100を示すために起動される。例えば、エージェントがアイテムをピッキングし、スキャンする時に、制御システムは、エージェントが用いているカート上の仕切り容器の特定のレセプタクル100内のモートに取り付けられたインジケータ上のLEDを点灯することによって応答する。各レセプタクル100はまた、本明細書の他の箇所で仕切りのない容器について説明したように、レセプタクル100内のアイテムの収納を検出するためにセンサを含むことができる点に留意されたい。
【0071】
一実施形態では、仕切り容器の各レセプタクル100がモート102を含むのではなく、各仕切り容器が、他のモート、制御システム、その他との通信を扱う1つの「親」モートを含み、各レセプタクル100が、有線又は無線機構を介して容器上の「親」モートと通信するインジケータ及び/又はセンサを含むようにすることができる。一実施形態では、仕切り容器が、結合又は組み込まれたインジケータを備える1つのモートを含み、各レセプタクル100がモートと通信するセンサを含む。この実施形態では、レセプタクル100内のセンサは、アイテムがレセプタクル100内に収納される時点を感知して、この情報をモートに通信することができ、次いで、そのモートはこの情報を制御システムに中継することができる。次に制御システムは、アイテムが正しいレセプタクル100か又は正しくないレセプタクル100のいずれに収納されたかを示すためにインジケータを起動するメッセージをモートに送信することができる。幾つかの実施形態では、容器上にはインジケータがなくてもよい点に留意されたい。これらの実施形態では、アイテムが正しいレセプタクル100又は正しくないレセプタクル100のいずれに収納されたかをエージェントに信号で伝える他の何らかの方法を用いることができる。例えば、制御システムは、エージェントが携帯する通信デバイスを介してエージェントにその情報を通信することができる。また、各レセプタクル100がインジケータを含まない実施形態では、どのレセプタクル100が送り先に割り当てられるかに関してエージェントに指示する他の何らかの方法を用いることができる点に留意されたい。一実施形態では、この情報は、エージェントが携帯する通信デバイスのユーザインターフェースを介してエージェントに提供することができる。例えば、カート上で2つ又はそれ以上の容器を既知の順序で配列することができ、各レセプタクル100に番号を付けることができる。制御システムは、例えば、通信デバイスを介してピッキングされるアイテム又はピッキングアイテムが、カートの先頭から2番目の行で左から1番目の容器の最前部から2番目のレセプタクル100に収納すべきであること(例えば「容器2Aのレセプタクル2にアイテムXを収納」)をエージェントに示すことができる。
【0072】
図6は、一実施形態によるモートとセンサを含むがインジケータを含まないレセプタクルを示している。この実施形態では、各レセプタクルはモート102に組み込まれるか又はこれに結合されたセンサ180(例えば動作検出器又はRFIDセンサ)を含むことができ、センサ180は、アイテムがレセプタクル内に収納された時点を感知し、且つアイテムが正しいレセプタクル内に収納されたことを検証するのに用いられる。一実施形態では、センサ180を、モート102と通信して、レセプタクル100の中にアイテムが収納されたことを検出した時に制御システムにメッセージを送信するように構成することができる。一実施形態では、センサ180を、レセプタクル100上のモート102に組み込むことができる。他の実施形態では、センサ180を、レセプタクル100上のモート102から分離することができる。センサ180を用いて、正しいレセプタクル内へのアイテムの収納、及び幾つかの実施形態では正しくないレセプタクルへのアイテムの収納を検出することができる。
【0073】
この実施形態では、どのレセプタクル100がアイテムに対する送り先レセプタクルであるかについてエージェントに示すために、レセプタクル上のインジケータ以外の他の何らかの方法を用いることができる。例えば、カート上のどのレセプタクルがピッキングされるアイテム又はピッキングアイテムに対する送り先レセプタクルであるかに関する指示は、エージェントが携帯する通信デバイスのユーザインターフェースを通じてエージェントに提供することができる。一実施形態では、エージェントがレセプタクル100内にピッキングアイテムを収納する時に、レセプタクル100上のセンサ180は、レセプタクル内へのアイテムの収納を検出し、この情報をモート102に通信する。次にモート102は、この情報を図9の制御システム190等の制御システムに中継することができ、次いで、制御システムは、エージェントが携帯する通信デバイスのユーザインターフェースを通じて、アイテムが正しいレセプタクル又は正しくないレセプタクルのいずれに収納されたかをエージェントに示すことができる。
【0074】
一般的に、モート、センサ、インジケータは安価で数が多いので、これらは時折故障する可能性があり、従って、いくつかの実施形態は、耐障害性を有し、モート、センサ、及び/又はインジケータが故障したか又は偽情報を提供しただけの理由では故障しないように設計される。例えば、上記の実施形態の幾つかにおいて用いられる一部のタイプのセンサは「不正確」なものである可能性がある。動作検出器を用いる(例えばRFIDセンサの代わりに)場合には、センサは、レセプタクル内に特定のアイテムが収納されたか否かを見分けることができない可能性があり、アイテムがレセプタクル内に収納されたことだけを検出可能とすることができる。加えて、幾つかのセンサは、ある特定の状況において「偽陽性」を生じる可能性があり、すなわち、例えば、レセプタクルを押すと、そのレセプタクル中にこれまでピッキングしていたアイテムを移動させる可能性があり、この移動がセンサにとっては新しいアイテムがレセプタクル内に収納されるのと同じ様に見えることになり、偽陽性の読み取りを発生させる。別の例として、エージェントは、1つのレセプタクルで物理的に作業している間に別のレセプタクルの動作検出器を偶発的に起動させる可能性があり、これによってゼロ又は1つの真陽性の読み取りに関連して1つ又はそれ以上の偽陽性の読み取りを生じる可能性がある(実際にアイテムが収納されたレセプタクル内のセンサは、正確に読み取る場合もあれば、読み取らない場合もあるため)。更に別の例として、エージェントは、最初にアイテムを間違って1つのレセプタクルに収納し、次いでこのアイテムを取り出して別のレセプタクルに収納する場合がある。実施形態では、「偽陽性」の発生等のセンサにおける不正確さを検出し、修正するのを助ける様々な機構を含むことができる。
【0075】
偽陽性の発生を含む、センサの不正確さに関するこれらの問題に対する1つの解決策は、冗長性を組み込むことである。冗長性はまた、モート、センサ、又はインジケータの障害等の他の発生可能な問題を防止又は解決するのにも役立つであろう。組み込み冗長性はまた、間違ったレセプタクルへのアイテムの収納を低減又は排除するのを助けることができる。例えば、どのレセプタクルにアイテムを収納するかをエージェントに示すためにレセプタクル上のインジケータを用いる一実施形態では、どのアイテムをピッキングすべきか、そのアイテムをピッキングするためにどこへ行けばよいか、その他に関してエージェントに指示する通信デバイスは、ピッキングアイテムを収納するにはどのレセプタクルが正しい送り先レセプタクルであるかに関してエージェントに指示する冗長情報を提供することができる。モート上のインジケータが点灯できない場合には、エージェントは、通信デバイスからどのレセプタクルにアイテムを収納すべきかを知ることができる。別の例として、送り先レセプタクル上のセンサが、レセプタクル内へのアイテムの収納を検出及び/又は報告できず、他のレセプタクルのセンサの全てもまた、他のレセプタクルのいずれかに収納されたアイテムを検出又は報告しておらず、エージェントが通信デバイスを通じてアイテムのピッキングと収納が完了したことを示しており、現時点でアクセス可能なレセプタクルの全てにおけるセンサが直近に作動していたことが認識されている場合には、正しいレセプタクルのセンサがアイテムの収納を検出又は報告できなかったことの方が、正しくないレセプタクルのセンサが事象を検出/報告できず、且つピッカーがまさにこのトランザクション中に収納においてエラーを生じたことよりも可能性が高い場合が多いであろうことに起因して、制御システムは、ピッキングアイテムが正しい送り先レセプタクル内に収納されたと推定することができる。
【0076】
幾つかの実施形態では、レセプタクル上の冗長モート、センサ、及び/又はインジケータを用いることができる。これらの実施形態では、1つより多いモート、センサ、及び/又はインジケータがあってもよく、1つのモート、センサ、及び/又はインジケータが第1のものとして働き、他のものは第1のものが機能しない場合の「バックアップ」として働く。他の実施形態では、上記に説明したように、アイテムに対して正しい送り先レセプタクルを冗長的に表示するのに用いられる通信デバイス等の他の冗長機構を用い、及び/又は、センサがレセプタクル内へのアイテムの収納を検出及び/又は報告できない場合でもアイテムが正しいレセプタクル内に収納されたことを確かに推定されると判断するのに用いられるロジックのような冗長ロジックを用いることができる。
【0077】
図7と図8は、実施形態による完成したレセプタクルを複数の送り先に配送することを例示している。図7では、ピッキングを実行するエージェント142が、そのエージェントに割り当てられた全ての送り先に対して全ての指示アイテムをピッキングした後、エージェント142は続いて各レセプタクル100をその割り当てられた送り先150に配送することができる。制御システムは、通信デバイスを介してエージェント142と通信し、各レセプタクル100に対する送り先150にエージェントを誘導することができる。2つ又はそれ以上のエージェント142は、アイテムのピッキング及び/又は送り先150への完了したレセプタクル100の配送を同時に実行することができ、各エージェントは、マテリアルハンドリング施設内の同じ又は異なる送り先150のうちの1つ又はそれ以上に対してアイテムをピッキングするか、又は完了したレセプタクル100を配送する点に留意されたい。
【0078】
図8に示すように、マテリアルハンドリング施設は、コンベヤベルト等の搬送機構200を含むことができ、各エージェント142はこの上に完成したレセプタクル100を誘導することができる。次いで、搬送機構200は、マテリアルハンドリング施設内の送り先150(ステーション)にレセプタクル100を配送する。一実施形態では、搬送機構200は、マテリアルハンドリング施設制御システムによって指示された正しい送り先150にレセプタクル100を自動的に配送するように構成されてもよい。例えば、搬送機構200は、各レセプタクル100の一意の識別子をスキャンするか、さもなければ検出することができ、制御システムは、どの送り先150(ステーション)にレセプタクル100を配送すべきかに関して搬送機構200に指示する。一実施形態では、搬送機構200は、レセプタクル100上のモート102と通信し、制御システムによって指示されたようにレセプタクル100に対する送り先150を決定するように構成される。他の実施形態では、送り先150(ステーション)の他のエージェント(例えば梱包ステーションのパッカー、又は仕分けステーションのエージェント)は、搬送機構200上のレセプタクル100をスキャンするか、さもなければ入力し、制御システムによって指示されたようにレセプタクル100がそのステーションに宛てられているかどうかを判断することができる。
【0079】
図7、8の両方において、送り先150に配送されたレセプタクル100でのアイテム処理の完了後、追加の処理のためにアイテムを別のステーションに配送することができる。例えば、アイテムは、手作業又は自動仕分けステーションにおいてそのアイテムのそれぞれの注文に仕分けされ、次いで、1つ又は複数の梱包ステーションに配送される。別の例として、ギフト包装ステーションにおいてアイテムをギフト包装し、その後、それぞれの注文に仕分けされる仕分けステーションに配送される。一実施形態では、処理したアイテムを、レセプタクル100に戻すか、或いは代替として1つ又は複数の異なるレセプタクル100に収納することができ、次いで、そのレセプタクルは、制御システムによってレセプタクル100内のアイテムに対する次の1つ又は複数のステーションに割り当てるられる。幾つかの実施形態では、レセプタクル100上のモート102、インジケータ、センサは、1つ又はそれ以上の下流ステーションにおける処理を可能にするために、ピッキング処理について本明細書で説明する機能以外の他の機能を制御システムの指示の下で実行するように構成することができる点に留意されたい。
【0080】
図9は、一実施形態によるモートを備えたレセプタクルと制御システムを実装する例示的なマテリアルハンドリング施設の業務を示す。この実施形態では、マテリアルハンドリング施設の少なくとも一部の業務は、マテリアルハンドリング施設制御システム190によって指示、制御、監視、及び/又は記録される。制御システム190は、限定ではないが、ピッキング、仕分け、梱包、出荷のうちの1つ又はそれ以上を含む、マテリアルハンドリング施設の様々な業務において、マテリアルハンドリング施設の従業員(エージェント142等)に指示するように構成されたハードウェア及びソフトウェアを含むことができる。制御システム190のハードウェアは、限定ではないが、パーソナルコンピュータシステム、デスクトップコンピュータ、ラップトップ又はノートブックコンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、ネットワークコンピュータ、記憶装置システム、プリンタ、又は他のデバイスを含む、種々のタイプのデバイスのいずれかの1つ又はそれ以上を含むことができるがこれらに限定されない。
【0081】
通信デバイス144は、例えば無線通信、無線ネットワーク、及び/又は有線通信プロトコルを介して制御システム190と通信し、マテリアルハンドリング施設内の複数の送り先に対してアイテムをピッキングする間に実行されることになる行動の内容に関して制御システム190からエージェント142に命令を伝送するように構成される。通信デバイス144は、限定ではないが、ハンドヘルドデバイス、エージェント142が身に着けるか又はエージェント142に取り付けられるデバイス、並びに手押しカート、ビン、トート、ラック、棚、テーブル、作業台等のマテリアルハンドリング施設のいずれかの移動体又は固定機器に組み込まれるか又は装着されたデバイスのうちの1つ又はそれ以上を含むことができる。通信デバイス142は、限定ではないが、パーソナルコンピュータシステム、デスクトップコンピュータ、ラックマウントコンピュータ、ラップトップ又はノートブックコンピュータ、ワークステーション、ネットワークコンピュータ、「ダム」端末(統合処理能力が僅かか又は全く有さないコンピュータ端末)、携帯情報端末(PDA)、又は他のハンドヘルドデバイス、専有デバイス、プリンタ、或いは制御システム190との通信に好適な他の何らかのデバイスのうちの1つ又はそれ以上を含むことができる。一般に、通信デバイス144は、制御システム190と通信して、エージェント142に命令を伝送することができるいずれかのデバイスとすることができる。一実施形態では、通信デバイス144は、在庫内のアイテム132のコードを含む、マテリアルハンドリング施設内の様々な構成要素のコード又は識別子をスキャンし、さもなければ読み取り又は受け取り、且つピッキング処理においてエージェント142に指示する際に使用する制御システム190に入力したコードを通信するように構成されることができる。通信デバイス144によってスキャン、さもなければ読み取り又は受け取りを行うことができるこうしたコード又は識別子を含むことができる構成要素は、限定ではないが、アイテム132、注文、仕分け又は他のステーション、ビン、トート、仕切りトートの区画、更にはエージェントのうちの1つ又はそれ以上を含むことができる。
【0082】
ピッキングにおいて、一実施形態では、通信デバイス144はストック保管庫130又はマテリアルハンドリング施設内の他の場所からピッキングされるアイテムリストを制御システムから受信し、画面等のこのデバイスのディスプレイ部分を介してエージェント142にピッキングするアイテムリストを呈示することができる。ピッキングされるアイテムについての位置情報や、ピッキングアイテムが対象とされる注文に関する情報のような追加情報も表示することができる。通信デバイス144はまた、ピッキングされるアイテムリストに対するマテリアルハンドリング施設内の1つ又はそれ以上の送り先150のリストを制御システムから受け取って表示することができる。次いで、エージェント142は、指示送り先150向けのレセプタクル100(例えば、トート等の容器、又は各仕切りがレセプタクル100である仕切り容器)を集め、これらをカート110上に置く。図3において前に説明したようにレセプタクル100を送り先150に割り当てるために様々な方法のいずれかを用いることができる。
【0083】
次に、エージェント142は、ストック保管庫130又はマテリアルハンドリング施設内の他の場所からアイテム132をピッキングする。一実施形態では、各アイテムがピッキングされると、アイテム132のアイテムコードを、通信デバイス144上でスキャンし、さもなければ入力することができる。或いは、エージェントは、アイテムをピッキングしたことを示すために、通信デバイス144上でアイテムに対応するボタン又は他の機構を選択する。次いで、通信デバイス144は、アイテムがピッキングされたことを示すメッセージを制御システム190に送信する。続いて制御システム190は、ピッキングアイテム132がどの送り先150に向けられているかを判断し、その送り先150に割り当てられたレセプタクル100上のモート102にメッセージを送信してそのモートを起動し、このようにして、カート110上のどのレセプタクル100内にアイテムを収納すべきかをエージェント142に示す。或いは、手押しカート110、各レセプタクル100、又は通信デバイス144は、近接検出機構を含むことができ、その機構が、ピッキングアイテムが機構の範囲内にある時に各アイテムのRFIDタグを検出する。次いで、近接検出機構は、ピッキングアイテムに関する情報を制御システムに中継し、次に、制御システムは、適切なモート102に要求メッセージを送信し、このアイテムに対する送り先150に割り当てられたレセプタクル100上のモート102のインジケータを起動する。
【0084】
幾つかの実施形態では、インジケータは、エージェントによってアイテムがピッキング及び/又はスキャンされる前、例えばピッキングされることになる次のアイテムが分かり次第起動させられることがある。一実施形態では、例えば、エージェント142がピッキングセッションを開始したときに、ピッキングされることになる最初のアイテムに対する送り先レセプタクルであるレセプタクル100上のインジケータを起動する。このアイテムがピッキングされ、指示されたレセプタクル100内に収納された後、ピッキングされることになる次のアイテムに対する送り先レセプタクルであるレセプタクル上のインジケータを起動する、以下同様である。別の実施形態では、エージェント142は、そのエージェントが携帯する通信デバイスのユーザインターフェース上でピッキングすべき次のアイテムを選択することができる。通信デバイスは、この情報を制御システムに通信することができ、次いで、制御システムは、上記アイテムに対する送り先レセプタクル100上のモート102にメッセージを送信し、レセプタクル上のインジケータを起動する。或いは、通信デバイスは、インジケータを起動するように送り先レセプタクル上のモートに直接メッセージを送信することができる。更に別の実施形態では、上記に説明したように、近接検出機構は、ストック保管区域又はマテリアルハンドリング施設内の他の場所においてピッキングされるアイテムのための保管区域にカートが近接する時点を検出し、送り先レセプタクル上のインジケータを起動させることができる。他の実施形態では、他の機構を用いて、エージェントによってアイテムがピッキング及び/又はスキャンされる前に送り先レセプタクル上のインジケータを起動することができる。例えば、一実施形態では、アイテムが配置される保管ビンは、アイテムをピッキングする時のエージェントの動きを検出し、この情報を制御システムに中継する動作検出器を含むことができる。次いで、制御システムは、アイテムに対する送り先レセプタクル上のモートにメッセージを送信し、インジケータを起動するようにすることができる。別の例として、一実施形態では、制御システムは、マテリアルハンドリング施設内でエージェント、カート、及び/又はレセプタクルの位置を追跡し、エージェント/カートがピッキングされるアイテムの位置又はその近傍にあるときにレセプタクル上のモートにメッセージを送信し、レセプタクル上のインジケータを起動するようにすることができる。
【0085】
幾つかの実施形態では、レセプタクル100の1つ又はそれ以上は、2つ又はそれ以上の区画に仕切られ、各区画がモートを含む点に留意されたい。この実施形態では、特定の区画内のモートを起動させ、レセプタクル100内のどの区画にアイテムが収納されることになるかをエージェント142に示す。また、幾つかの実施形態では、各レセプタクル100(又は各レセプタクル内の各区画)は、レセプタクル内へのアイテムの収納を検出するセンサも含むことができる点に留意されたい。この情報を、制御システム190に送信し、その制御システムは、その情報を用いてモートを停止し、及び/又はアイテムが正しいレセプタクル内に収納されたかどうかを判断する。アイテム132が正しくないレセプタクル内に収納されたことを検出した場合には、制御システム190は、モートを起動し、アイテムが間違ったレセプタクル内に収納されたことをエージェント142に示すことができる。
【0086】
この特定のピッキングセッションにおいてエージェント142に割り当てられた全ての送り先150に対する全てのアイテム132がピッキングされ、正しいレセプタクル100内に収納された後、完了したレセプタクルが、制御システム190の指示の下でこれらのレセプタクル100の割り当てられた送り先150に配送又は搬送される。この例では、最初のレセプタクル100は送り先150Aに割り当てられて、完了時に配送され、2番目のレセプタクル100は、送り先150Bに割り当てられて配送され、3番目のレセプタクル100は送り先150Cに割り当てられて配送される。1回のピッキングセッションにおいて、エージェント142が2つ又はそれ以上のレセプタクル100を1つの送り先150に割り当てて配送することができる点に留意されたい。レセプタクル100をこれらの割り当て送り先150に配送した後、次いで、エージェント142は、アイテムと送り先の新しいリストを受信し、その処理を繰り返すことができる。
【0087】
図10は、一実施形態に従ってコンベヤに隣接する、モートを備えたホッパーを実装する例示的なマテリアルハンドリング施設を示している。この実施形態では、コンベヤ210に隣接する1つ又はそれ以上のホッパー200をエージェント142がピッキングセッションでピッキングする送り先とすることができる。一実施形態では、エージェント142は、エージェント142が保持する通信デバイス144を通じて制御システム190によって指示されるようにストック保管庫130又はマテリアルハンドリング施設の他の箇所からアイテムをピッキングする。次いで、エージェントは、制御システム190の制御の下で、ホッパー200に取り付けられたモート202に組み込まれ又は結合されたインジケータによる指示のように、ピッキングアイテム132を直接ホッパー内に収納する。
【0088】
ピッキングにおいて、一実施形態では、通信デバイス144は、ストック保管庫130又はマテリアルハンドリング施設内の他の場所からピッキングされるアイテムリストを制御システムから受信し、画面等のデバイスのディスプレイ部分を介してエージェント142にピッキングするためのアイテムリストを呈示する。ピッキングされるアイテムの位置情報、ピッキングアイテムが対象とされる注文に関する情報のような追加情報も表示することができる。通信デバイス144はまた、ピッキングされるアイテムリストに対する送り先であるマテリアルハンドリング施設内の1つ又はそれ以上のホッパー200のリストを制御システムから受け取り表示することができる。
【0089】
次いで、エージェント142は、ストック保管庫130又はマテリアルハンドリング施設内の他の場所からアイテム132をピッキングする。一実施形態では、各アイテムがピッキングされると、或いは全てのアイテムがピッキングされた後(例えば共通のビン又はトート内に)、各アイテム132のアイテムコードを通信デバイス144上でスキャンし、さもなければ入力する。或いは、エージェントは、アイテムをピッキングしたことを示すために、通信デバイス144上でアイテムに対応するボタン又は他の機構を選択する。次いで、通信デバイス144は、アイテムがピッキングされたことを示すメッセージを制御システム190に送信する。次に、制御システム190は、ピッキングアイテム132がどのホッパー200に向けられているかを判断し、ホッパー200上のモート202にメッセージを送信してそのモートを起動し、アイテムがどのホッパー200内に収納されることになるかをエージェント142に示す。或いは、各ホッパー200又はホッパー200のグループは、ピッキングアイテムがホッパーの範囲内にある時に各アイテム上のRFIDタグを検出することができる近接検出機構を含む。次いで、近接検出機構は、ピッキングアイテムに関する情報を制御システムに中継し、次に、制御システムは、適切なモート202に要求メッセージを送信し、このアイテムに対する正しい送り先であるホッパー200上のモート202のインジケータを起動する。
【0090】
本明細書の他の箇所でレセプタクルについて説明するように、モート202は、エージェント142によるホッパー200内へのアイテムの正しい又は正しくない収納に対して検出を行い、エージェント142に報知するのに用いる、ホッパー200上のセンサを含むことができ、又はそのセンサに結合されることができる点に留意されたい。
【0091】
各ホッパー200は、シュート204を含み、ホッパー200内に収納されたアイテムは、シュート204を通じて定期的又は非定期的にホッパー200からコンベヤ210上に移動させられる。コンベヤ210は、一方向又は双方向とすることができる。一実施形態では、2つ又はそれ以上のコンベヤ210があってもよく、各ホッパー200は、シュート204を通じてコンベヤ210の1つ又はそれ以上の上にアイテムを空にする。コンベヤ210上では、追加の処理のために1つ又はそれ以上のステーション220にアイテムを搬送することができる。
【0092】
マテリアルハンドリング施設は、ピッキング処理においてコンベヤ210に隣接するホッパー200を含む、本明細書に説明するインジケータ及び/又はセンサを含むか又はこれらに結合されたモートを有する2つ又はそれ以上の異なるタイプのレセプタクルの組み合わせを用いることができる点に留意されたい。例えば、一実施形態では、エージェント142は、通信デバイス144を通じて制御システム190によって指示されるようにストック保管庫130又はマテリアルハンドリング施設の他の箇所からアイテムをピッキングし、場合によってはレセプタクルに結合されたインジケータを有するモートを介して制御システム190によって指示されるように、ピッキングアイテム132を1つ又はそれ以上のレセプタクル(例えばトート、ビン、カート、箱、トート又はビンの区画、棚等)内に収納する。次いで、エージェントは、ホッパー200に結合されたインジケータを有するモート202を介して制御システム190によって指示されるようにレセプタクルからホッパー200にピッキングアイテム132を移動させる。別の例として、一実施形態では、図9について説明したように1又はそれ以上のエージェントがカート上のレセプタクル内にアイテムをピッキングすることができ、一方、図10について説明したように1つ又はそれ以上の他のエージェントがホッパー200内にアイテムをピッキングすることができる。本明細書に説明するようにモートとホッパーの組み合わせによって、エージェントがピッキングアイテムを正しいホッパーに仕分けることが容易になる。ホッパーから別の送り先にアイテムを移動させるために適切な時点でアイテムをコンベヤ上に放出するようにホッパーの機能を制御することができる。
【0093】
図11は、一実施形態によるモートを有するレセプタクルを用いて複数送り先ピッキングを実行するための方法のフローチャートである。400に示すように、制御システムによってエージェントに2つ又はそれ以上の送り先に対するアイテムリストを割り当てる。一実施形態では、エージェントが使用する通信デバイスは、ストック保管庫又はマテリアルハンドリング施設内の他の場所からピッキングされるアイテムリストを制御システムから受信し、画面等のデバイスのディスプレイ部分を介してピッキングされるアイテムリストをエージェントに呈示する。ピッキングされるアイテムについての位置情報、ピッキングアイテムが対象とされる注文に関する情報等の追加情報も表示することができる。通信デバイスはまた、ピッキングされるアイテムリストに対するマテリアルハンドリング施設内の1つ又はそれ以上の送り先のリストを制御システムとディスプレイから受け取る。402に示すように、次いで、エージェントは、指示送り先に対するレセプタクルを取得し、これらをカート上に配置する。図3について既に説明したように、様々な方法のいずれかを用いてレセプタクルを送り先に割り当てることができる。或いは、エージェントは、前回のピッキングセッションから手押しカート上に1つ又はそれ以上のレセプタクルを既に有している場合があり、ピッキングセッションに対してレセプタクルを異なる送り先に割り当て直すことによって、カート上のレセプタクルの1つ又はそれ以上をピッキングセッションにおいて再使用することができる。
【0094】
次に、エージェントは、ピッキングされるアイテムリスト上のアイテムが保管されているストック保管庫内の位置又はマテリアルハンドリング施設内の他の場所に制御システムによって誘導されるか、或いはエージェントは、単にこれらの場所を選択してそこに向かう。次いで、エージェントは、404に示すようにストック保管庫内の位置又はマテリアルハンドリング施設内の他の場所からアイテムをピッキングすることができる。次に、エージェントは、406に示すようにピッキングアイテムをエージェントの通信デバイスにスキャンし、さもなければ入力する。次いで、ピッキングアイテムに関する情報を制御システムに送信する。制御システムは、ピッキングアイテムに対する送り先を決定し、適切なモートに要求メッセージを送信して、408に示すようにアイテムに対する送り先に割り当てられたレセプタクル上のインジケータを起動して、どのレセプタクル内にアイテムが収納されることになるかをエージェントに示す。幾つかの実施形態において、インジケータは、エージェントによってアイテムがピッキング及び/又はスキャンされる前に、例えば、既に説明したようにピッキングされることになる次のアイテムが分かり次第起動される点に留意されたい。次にエージェントは、起動されたモートによって示されたレセプタクル内にアイテムを収納することができる。次いで、412に示すようにモートを停止する。一実施形態では、レセプタクルは、アイテムの収納を検出するセンサをモート内に含むことができる。センサは、この情報を制御システムに通信することができ、その制御システムは、レセプタクル内へのアイテムの収納の検出に応答してモートにメッセージを送信し、インジケータを停止させることができる。また、センサを用いて、正しいレセプタクル内でのアイテムの収納を判断して、アイテムが正しい(又は不正な)レセプタクル内に収納されたことをモート上のインジケータを通じて示し、ピッキングセッションを継続する前に、送り先レセプタクル内へのアイテムの収納におけるエラーをエージェントが修正することができるようにする点に留意されたい。他の実施形態では、インジケータを停止させるために他の方法を用いてもよい。例えば、モート(又はインジケータ)を、ある時間間隔、例えば10秒後にインジケータを停止させるように構成することができる。別の例として、各モート又はインジケータは、レセプタクル内へのアイテムの収納の後に、インジケータを停止させるようにエージェントが手作業で操作することができるボタン又はスイッチを含むことができる。更に別の例では、エージェントは、そのエージェントが携帯する通信デバイス上でアイテムを選択し、アイテムをピッキングしレセプタクル内に収納したことを示すことができ、次いで、通信デバイスは、モートに要求メッセージを送信し、インジケータを停止させる、或いは、通信デバイスは、制御システムにメッセージを送信し、アイテムがピッキングされ指示レセプタクル内に収納されたことを示すことができる。次に、制御システムは、モートに要求メッセージを送信し、レセプタクルを停止させることができる。
【0095】
414に示すように、ピッキングされるアイテムリスト上に更なるアイテムがある場合には、エージェントは、各残留アイテムについて404から412までを繰り返すことができる。アイテムリスト上のアイテムが全てピッキングされると、前に説明した方法の1つを用いて、完了したレセプタクルをマテリアルハンドリング施設内のこれらの割り当てられた送り先に配送することができる。完了したレセプタクルを配送した後、エージェントは、アイテムと送り先の新しいリストを取得し、複数の送り先に対する別のピッキングセッションを実行する。
【0096】
一実施形態では、本明細書で説明されるモートを備えたレセプタクルは、移動体とすることができ、動的に構成させることができる点に留意されたい。一実施形態では、エージェントがピッキングセッションで用いることができるレセプタクルの数は固定されておらず、異なるピッキングセッションでは、異なる数の送り先に割り当てられた異なる個数のレセプタクルを用いることができる。1回のピッキングセッションに2つのレセプタクルを取り、次のピッキングセッションでは5つのレセプタクルを取る等のようにエージェントに指示することができる。一実施形態では、エージェントは、ピッキングセッションに対して選択したレセプタクルをスキャンし、さもなければ入力することができ、制御システムが、特定のセッションにおいてどのレセプタクルがカート上にあるか、又は更にはカート上のレセプタクルの順序又は配列を認識する。制御システムは、どのレセプタクルがどの送り先に進むかを決定する。本システムでは、ピッキングセッションのための送り先の構成とレセプタクルへの送り先のマッピングに関して動的に行われる。一実施形態では、エージェントは、1回のピッキングセッションで幾つのレセプタクル及び/又は送り先を稼働させるかを選択することができ、制御システムは、エージェントがそのピッキングセッションでピッキングすることになる要求数のレセプタクル又は送り先を割り当てることによって、エージェントが規定した制約条件に対して動的に調整することができる。
【0097】
モートを備えたレセプタクルは、固定位置にはいない可能性があるので、幾つかの実施形態は、マテリアルハンドリング施設内及び/又はカート上でレセプタクル上のモートが存在する場所を動的に判断する機構を提供することができる。一実施形態では、モートは、レセプタクル上の他のモートに対するモートの相対配置をモート間の通信によって検出し、又はマテリアルハンドリング施設内におけるこれらの相対配置を施設内の他のモート或いは他の固定及び/又は移動デバイスと通信することによって検出するように構成することができる。
【0098】
カート上で各レセプタクルが配置されている場所、例えば上部は底部棚、或いは棚上の特定の場所を認識することは制御システムにとって有利である。レセプタクルがカート上に存在する場所を認識することによって、制御システムがカート上で特定の場所にある特定のレセプタクルに送り先を割り当てることが可能となり、例えば、大量のアイテムがピッキングされることになる送り先をカート上でより好都合な場所にあるレセプタクルに割り当てることが可能となることができる。カート上でレセプタクルの相対位置を決定するために、一実施形態において、レセプタクルがカート上で何らかの順序、例えば左から右、上から下に配置されると、そのレセプタクルをスキャンすることができる。或いは、カート上にレセプタクルが置かれた時点を検出し、カート上でのレセプタクルの場所を決定するように構成されたカート上のモート及び/又はセンサがあってもよい。従って、制御システムは、カート上にどのようなレセプタクルが幾つあるか、及びカート上での各レセプタクルの位置を認識し、この情報を用いて送り先をレセプタクルに割り当てることができる。一実施形態では、制御システムは、最初の場所にピッキングされた最初のアイテムに対して1つのレセプタクルを選択し、次いで、最初のアイテムが別の送り先にピッキングされた時には別の空のレセプタクルを選択することができる。送り先に対するレセプタクルの選択は、カート上でのレセプタクルの順序(例えば左から右、上から下)において不規則に実行することができ、或いは、カート上のレセプタクル内へのアイテムのピッキングと収納を最適化する何らかの順序で実行することができる。
【0099】
図12は、一実施形態に従って送り先レセプタクル 内にアイテムを収納する際にエラーを検出して修正する方法のフローチャートである。430に示すように、エージェントは、2つ又はそれ以上のレセプタクルの1つにピッキングアイテムを収納する。一実施形態では、モートは、そのモートに結合されたインジケータを含むことができ、正しい送り先レセプタクル上のインジケータは、そのレセプタクルがアイテムに対する送り先レセプタクルであることをエージェントに示すために予め起動させておくことができる。別の実施形態では、レセプタクル上にセンサがあるがインジケータはなくてもよい。この実施形態では、どのレセプタクルがアイテムに対する送り先レセプタクルであるかをエージェントに示すために他の何らかの方法を用いることができる。例えば、エージェントが携帯する通信デバイス上で送り先レセプタクルをそのエージェントに示すことができる。他の実施形態では、どのレセプタクルがアイテムに対する送り先レセプタクルであるかをエージェントに示すために他の方法を用いてもよい。
【0100】
432に示すように、動作検出器等のレセプタクル上のセンサが、レセプタクル内に収納されるアイテムを感知する。この情報は、制御システム及び/又はエージェントが携帯する通信デバイスに送信される。434に示すように、アイテムの収納を検出したレセプタクルが正しいレセプタクルである場合には、ピッキング処理を継続する。アイテムの収納を検出したレセプタクルが正しいレセプタクルでない場合には、436に示すように、アイテムが正しくないレセプタクル内に収納されたことをエージェントに知らせるためにエージェントに表示する。実施形態において、前に説明したようにこの表示は、レセプタクル上の照明灯又は他の視覚表示;レセプタクル上、エージェントの通信デバイス上、又は他の何らかのデバイス上に表示されるテキストメッセージ;レセプタクル、エージェントの通信デバイス、又は他の何らかのデバイスからの可聴トーンもしくはメッセージ;或いは他の何らかの表示とすることができる。この表示は、正しいレセプタクル内へのアイテムの収納が検出されるまで作動状態を維持することができ、又は前に停止していた場合には、アイテムの正しくない収納が検出された後に再起動できる点に留意されたい。次に、438に示すように、エージェントは、アイテムをそのアイテムに対する送り先レセプタクルに移動させるように修正措置をとる。この場合も同様に、アイテムが収納されるレセプタクル上のセンサは、アイテムの収納を検出することができ、従って、アイテムが正しいレセプタクル内に収納されるまで432から436までを1回又はそれ以上繰り返すことができる。
【0101】
図13は、一実施形態による複数の送り先に対してアイテムをピッキングする際に、1又はそれ以上のエージェントを指示する制御システムのシステムレベルフローチャートである。450に示すように、図9の制御システム190のような制御システムは、2つ又はそれ以上の送り先に対するアイテムリストをマテリアルハンドリング施設内の1又はそれ以上のエージェントに割り当てることができる。次いで、各エージェントは送り先に向けたレセプタクルを取得するか、或いは再使用することができる。452に示すように、制御システムは、各エージェントが取得したレセプタクルをそのエージェントに割り当てられた送り先に割り当てる。
【0102】
次に、454に示すように、制御システムは、送り先に向けてアイテムをピッキングするためにマテリアルハンドリング施設内のある位置にエージェントを誘導する。この位置において、エージェントは、制御システムによって指定されたようにアイテムをピッキングする。各ピッキングアイテムは、エージェントが携帯する通信デバイス上にスキャンし、さもなければ入力し、或いはエージェントは、アイテムがピッキングされたことを制御システムに示すために、通信デバイス上のボタン又は他の機構を起動する。或いは、カートに結合されたモートは、アイテムがカートの範囲内に持ち込まれた時にそのアイテムを検出し、アイテムに関する情報を制御システムに中継する。次いで、456に示すように、制御システムは、ピッキングアイテムに対する送り先に割り当てられたレセプタクル上のモートに結合されたインジケータを起動して、レセプタクルがアイテムを収納すべき正しいレセプタクルであることをエージェントに示す。一実施形態では、各レセプタクルは、レセプタクル内へのアイテムの収納を検出するために、動作検出器又は光カーテン等の何らかの感知デバイスを含むことができる。この実施形態では、前に説明したように正しい及び/又は正しくないレセプタクル内へのアイテムの収納は、レセプタクル上のモート及びインジケータを介してエージェントに示すことができる。
【0103】
エージェントが、そのエージェントに割り当てられた全ての送り先に対する全てのアイテムのピッキングを完了すると、エージェントは次に、これらの送り先にレセプタクルを配送する。458に示すように、制御システムは、エージェントをレセプタクルに対する送り先に誘導する。一実施形態では、制御システムは、レセプタクルが送り先に近接する時点を検出し、更に、レセプタクルがその送り先で降ろされることになることをエージェントに示すためにレセプタクル上のインジケータを起動する。460において、ピッキングされる更なるアイテムがある場合には、新しいピッキングセッションを開始するために1つ又はそれ以上の送り先に対するアイテムの1つ又はそれ以上の新しいリストをエージェントに割り当てる。ピッキングされることになる更なるアイテムが現時点で存在しない場合には、制御システムは、ピッキングされるアイテムに対する更なる注文又は要求を待機し、注文又は要求を、次いで、ピッキングに向けてエージェントに割り当てる。
【0104】
制御システムは、上記の処理を2つ又はそれ以上のエージェントに同時に指示することができる点に留意されたい。幾つかの実施形態では、制御システムは、エージェントの能力を利用する機構を含み、本明細書で説明するように、レセプタクル上のモートによって提供される各ピッキングセッションにおいて2つ又はそれ以上の送り先に対してピッキングを行って、ピッキング密度を増大させる(例えば、在庫からアイテムをピッキングする際にエージェントが進む距離、従って時間を最短にする)ことができる。制御システムは、2つ又はそれ以上の送り先と、各エージェントに対して割り当てられたアイテムに対するピッキング経路とを選択して、ピッキング経路に沿ってエージェントを誘導してアイテムをピッキングし、更に、完了したレセプタクルを配送する際に最短経路に沿ってエージェントを誘導することができる。各エージェントは、単に1つの送り先だけではなく複数の送り先に対してピッキングを行うことができるので、制御システムは、エージェントが一度に1つの送り先に対してピッキングするように制限される従来のピッキング法よりも、在庫を通る経路に沿った1回の通過でより多くのアイテムをピッキングすることができるように、エージェントに送り先を割り当ててピッキング経路を構成することができる。制御システムは、同じ又は同様の経路に沿うアイテムを含む、送り先に対するアイテムの2つ又はそれ以上のリストをエージェントに割り当てることによって、各ピッキングセッションにおいてマテリアルハンドリング施設内で各エージェントが進む経路を最短にするように試みることができる。上述のように、一実施形態では、レセプタクルに対する送り先は、制御システムによって指示された別のピッキングエージェントであってもよく、従って、このエージェントは引き続きレセプタクル内にアイテムをピッキングすることができ、これによりエージェントがマテリアルハンドリング施設の割り当て区域でピッキング可能になることで、ピッキング効率を改善することができる。
【0105】
一実施形態では、図9に示す制御システム190等のマテリアルハンドリング施設制御システムは、図14に示すコンピュータシステム500等の1つ又はそれ以上のコンピュータアクセス可能媒体を含むか、又はその媒体にアクセスするように構成された汎用コンピュータシステムを含むことができる。例示の実施形態では、コンピュータシステム500は更に、入力/出力(I/O)インターフェース530を介してシステムメモリ520に結合された1つ又はそれ以上のプロセッサ510を含む。コンピュータシステム500は、I/Oインターフェース530に結合されたネットワークインターフェース540を更に含む。幾つかの実施形態では、コンピュータシステム500は、制御システム190を例であり、一方、他の実施形態では制御システム190は、コンピュータシステム500に加えて要素を含むことができる。
【0106】
種々の実施形態では、コンピュータシステム500は、1つのプロセッサ510を含むユニプロセッサシステムか、又は幾つかのプロセッサ510(例えば2個、4個、8個、又は別の適切な個数)を含むマルチプロセッサシステムとすることができる。プロセッサ510は、命令を実行することができるあらゆる好適なプロセッサとすることができる。例えば、種々の実施形態において、プロセッサ510は、x86、PowerPC、SPARC、又はMIPS ISA、或いは他の何らかの好適なISA等の様々な命令セットアーキテクチャ(ISA)のいずれかを実装する汎用又は埋め込みプロセッサとすることができる。マルチプロセッサシステムでは、プロセッサ510の各々は、必須ではないが、同じISAを共通して実装することができる。
【0107】
システムメモリ520は、プロセッサ510によってアクセス可能な命令とデータを記憶するように構成される。種々の実施形態において、システムメモリ520は、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、同期型ダイナミックRAM(SDRAM)、不揮発性/フラッシュ型メモリ、又は他の何らかのタイプのメモリなどのあらゆる好適なメモリ技術を用いて実装することができる。例示の実施形態では、マテリアルハンドリング施設制御システムについて上記で説明した方法及び技術のような所望の機能を実装するプログラム命令とデータがコード525としてシステムメモリ520内に記憶されるように図示されている。
【0108】
一実施形態では、I/Oインターフェース530は、プロセッサ510やシステムメモリ520との間、さらにはネットワークインターフェース540又は他の周辺インターフェースを含むデバイス内のあらゆる周辺デバイスとの間でI/Oトラフィックを協働するように構成することができる。幾つかの実施形態では、I/Oインターフェース530が何らかの必要なプロトコル、タイミング、又は他のデータ変換を実施して、1つの構成要素(例えばシステムメモリ520)からのデータ信号を別の構成要素(例えばプロセッサ510)による使用に好適なフォーマットに変換することができる。幾つかの実施形態では、I/Oインターフェース530は、例えば、周辺コンポーネント相互接続(PCI)バス規格、又はユニバーサルシリアルバス(USB)規格の変形形態のような周辺バスの種々のタイプを介して取り付けられたデバイスに対するサポートを含むことができる。幾つかの実施形態では、I/Oインターフェース530の機能は、例えば、ノースブリッジやサウスブリッジ等の2つ又はそれ以上の別個の構成要素に分割することができる。同様に幾つかの実施形態では、システムメモリ520へのインターフェースのようなI/Oインターフェース530の機能の一部又は全ては、プロセッサ510に直接組み込むことができる。
【0109】
ネットワークインターフェース540を、コンピュータシステム500と、例えば他のコンピュータシステムのようなネットワーク上の他のデバイスとの間でデータを交換することを可能にするように構成することができる。特に、ネットワークインターフェース540を、コンピュータシステム500と、上記で説明した種々の通信デバイス144及びモート100との間の通信を可能にするように構成することができる。ネットワークインターフェース540は、1つ又はそれ以上の無線ネットワークプロトコル(例えばWi−Fi/IEEE802.11又は他の無線ネットワーク規格)を一般にサポートすることができる。しかしながら、種々の実施形態において、ネットワークインターフェース540は、例えば他のタイプのEthernet(登録商標)ネットネットワーク等のあらゆる好適な有線又は無線汎用データネットワークを介した通信をサポートすることができる。加えて、ネットワークインターフェース540は、アナログ音声ネットワーク又はデジタルファイバ通信ネットワーク等の電気通信網/電話網、Fibre Channel SANのようなストレージエリアネットワーク、或いは他の何らかの好適なネットワーク及び/又はプロトコルを介した通信をサポートすることができる。
【0110】
幾つかの実施形態では、システムメモリ520は、上記で説明したようにプログラム命令とデータを記憶するように構成されたコンピュータアクセス可能媒体の一実施形態とすることができる。しかしながら、他の実施形態では、プログラム命令及び/又はデータは、異なるタイプのコンピュータアクセス可能媒体上で受信、送信、又は記憶を行うことができる。一般的に言えば、コンピュータアクセス可能媒体は、I/Oインターフェース530を介してコンピュータシステム500に結合された、例えばディスク又はDVD/CDである磁気又は光媒体などの記憶媒体又はメモリ媒体を含むことができる。コンピュータアクセス可能媒体はまた、コンピュータシステム500の幾つかの実施形態においてシステムメモリ520又は別のタイプのメモリとして含めることができる、RAM(例えばSDRAM、DDR SDRAM、RDRAM、SRAM)、ROM等のあらゆる揮発性/不揮発性媒体を含むことができる。更に、コンピュータアクセス可能媒体は、ネットワークインターフェース540を介して実装することができるような、ネットワーク及び/又は無線リンク等の通信媒体を介して伝送される電気、電磁気、又はデジタル信号等の伝送媒体又は信号を含むことができる。
【0111】
一実施形態では、制御システム190と通信デバイス144との間の関係は、サーバ/クライアント型の関係とすることができる。例えば、制御システム190を、通信デバイス144とレセプタクル100に命令を伝え、これらから肯定応答を受け取るサーバコンピュータシステム500として構成することができる。かかる実施形態では、通信デバイス144は、比較的単純な、又は「シン」クライアントデバイスとすることができる。例えば、通信デバイス144は、ディスプレイ、データ入力、通信機能を備えるが、他の点では僅かなコンピューティング機能しか備えないダム端末として構成させてもよい。しかしながら、幾つかの実施形態では、通信デバイス144は、1つ又はそれ以上のプロセッサ510や様々な他のデバイスを含むコンピュータシステム500と同様に構成されるコンピュータシステムとすることができることが企図される(但し、幾つかの実施形態では、通信デバイス144を実装するコンピュータシステム500は、コンピュータシステム190を実装するコンピュータシステム500と比較して、ある程度異なるデバイス又は異なるクラスのデバイスを有することができる)。幾つかの実施形態では、制御システム190の機能は、通信デバイス144及び/又はレセプタクル100の一部又は全てにわたって分散させることができることが更に企図される。すなわち、幾つかの実施形態では、注文処理センターエージェントの活動に関する制御の中心点がない場合があり、その代わりに、通信デバイス144、レセプタクル100、その他のデバイスが、注文処理センターの活動を協働させるために協働分散方式で機能することができる。
【0112】
結論
種々の実施形態は、コンピュータアクセス可能媒体に関する前述の説明に従って実装された命令及び/又はデータを受信、送信、又は記憶する段階を更に含むことができる。一般的に言えば、コンピュータアクセス可能媒体は、例えば、ディスク又はDVD/CD−ROM、RAM(例えばSDRAM、DDR、RDRAM、SRAM等)、ROM等のような揮発性又は不揮発性媒体等の磁気又は光学媒体のような記憶媒体又はメモリ媒体を含むことができる。更に、ネットワーク及び/又は無線リンク等の通信媒体を介して伝送される電気、電磁気、又はデジタル信号のような伝送媒体又は信号を含むことができる。
【0113】
図に例示し本明細書で説明した様々な方法は、方法の例示的な実施形態を表す。これらの方法は、ソフトウェア、ハードウェア、又はこれらの組み合わせにおいて実施することができる。方法の順序は変更することができ、様々な要素の追加、順序の変更、組み合わせ、省略、修正などを行うことができる。
【0114】
本開示の恩恵を有する当業者には明らかであろうが、様々な修正及び変更を加えることができる。本発明は全てのかかる修正及び変更を包含し、従って、上記の説明は制限的意味ではなく例示的な意味とみなされるべきであることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】従来のマテリアルハンドリング施設の業務の概略図である。
【図2】従来の注文処理施設の例示的な物理レイアウト図である。
【図3】マテリアルハンドリング施設内でモートを有する複数送り先レセプタクルにエージェントがピッキングを行う一実施形態を示すブロック図である。
【図4】一実施形態によるモートにおける例示的構成を示すブロック図である。
【図5】A:一実施形態によるレセプタクルの外側に取り付けられた図4に示すモートを示す図である。 B:図5Aに示す例示的なモート及びレセプタクル等のモートを有するレセプタクルを例示的アイテムが中に保管された状態で示す図である。 C:各区画がレセプタクルであり、各区画がモートを有する、一実施形態による区画に仕切られた例示的トートを示す図である。
【図6】一実施形態によるモートとセンサを有しインジケータを有さないレセプタクルを示す図である。
【図7】一実施形態によるマテリアルハンドリング施設内の複数の送り先に対し完成したレセプタクルを配送するエージェントを示す図である。
【図8】一実施形態によるマテリアルハンドリング施設内の複数の送り先にレセプタクルを搬送するための搬送機構に対して完成したレセプタクルを配送するエージェントを示す図である。
【図9】一実施形態によるモートを有するレセプタクル及び制御システムを実装する例示的なマテリアルハンドリング施設の操作を示す図である。
【図10】一実施形態によるモートを有するホッパーをコンベヤに隣接して実装する例示的なマテリアルハンドリング施設を示す図である。
【図11】一実施形態によるモートを有するレセプタクルを用いて複数送り先ピッキングを実行するための方法のフローチャートである。
【図12】一実施形態による送り先レセプタクル内にアイテムを収納する際のエラーを検出し修正するための方法のフローチャートである。
【図13】一実施形態による複数の送り先に対してアイテムをピッキングする際に1又はそれ以上のエージェントを誘導する制御システムのシステムレベルのフローチャートである。
【図14】コンピュータシステムの例示的な実施形態を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0116】
100 レセプタクル、102 モート、110 手押しカート、130 ストック保管庫、132 ピッキングアイテム、142 通信デバイス、150A〜C 送り先、190 制御システム
【技術分野】
【0001】
本発明は、注文処理用在庫選択システム等の在庫選択システムに関する。
【背景技術】
【0002】
様々なタイプの企業は、アイテムを選択できる在庫を維持することができる。例えば小売業者、卸売業者、その他の製品販売業者(総称的に販売業者と呼ぶことができる)は通常、クライアント又は顧客が注文する様々なアイテムの在庫を維持する。別の例として、製造業者は、部品、原材料、及び/又は部分的又は完全に組み立てられた製品の在庫を維持する場合がある。この在庫は、限定ではないが、倉庫、流通センター、クロスドッキング施設、注文処理施設、梱包施設、出荷施設、又は他の施設、或いはマテリアル(在庫)ハンドリングの1つ又はそれ以上の機能を実施するための施設の組み合わせのうちの1つ又はそれ以上を含むマテリアルハンドリング施設において維持及び処理する。顧客が注文をすると、その注文で指定された1つ又は幾つかの在庫アイテムは、在庫から取り出されすなわち「ピッキング」され、顧客への配達に向けて準備される。ピッキングされたアイテムの配達を準備するために、ピッキングアイテムは、限定ではないが、仕分けステーションや梱包ステーションを含むマテリアルハンドリング施設内の様々な送り先のいずれかに送り出すことができる。
【0003】
図1は、従来のマテリアルハンドリング施設の作業の概略を示している。販売業者に対して複数の顧客10が注文20を出すことができ、各注文20は、在庫30から、注文を出した顧客に対して出荷されることになる1つ又はそれ以上のアイテムを特定する。顧客の注文20を履行するために、各注文で指定された1つ又はそれ以上のアイテムは、40で示すように在庫30(ストック保管庫とも呼ぶことができる)から、及び/又はマテリアルハンドリング施設内の他の場所から取り出し又は「ピッキング」する。ピッキングアイテムは、そのアイテムを注文に仕分けするための仕分けステーション等などのマテリアルハンドリング施設内の1つ又はそれ以上のピッキング送り先に送る。これらのピッキング送り先50は、限定ではないが、仕分けステーション54、仕分けステーション54に向かう待ち列52、他の処理のためのステーション58、他の処理ステーションに向かう待ち列56、梱包ステーション60のうちの1つ又はそれ以上を含む。ピッキング送り先50とすることができる他の処理ステーション58は、例えば付加価値サービスを提供する様々なステーションを含むことができる。付加価値サービスの例は、限定ではないが、ギフト包装、モノグラミング、バッテリ充電、その他の同様のものの1つ又はそれ以上を含む。一般に、ピッキングの後で且つ顧客への出荷前にアイテムに対して実施するあらゆるサービス又は処理は、ピッキングアイテムに対して実施可能なピッキング送り先50とすることができる。マテリアル処理施設におけるこれらのピッキング送り先50の物理的な場所は、本明細書では「ステーション」と呼ぶことがある。ステーションは、追加処理用の1つ又はそれ以上の他のステーションからアイテムを受け取ることもできる点に留意されたい。
【0004】
バッチ処理は、1つのピッキング送り先50に対して複数の注文を共にグループ化するための1つの手法である点に留意されたい。マテリアルハンドリング施設を、バッチ処理又は非バッチ処理施設として稼働するように構成することができる。バッチ処理施設では、バッチ自体をピッキング送り先50と考えることができる。バッチは、バッチが作成された時に発生し、バッチが終了し処理された時に消滅するピッキング送り先とみることができる。バッチ処理状態では、従来、ピッカーは一度に単一のバッチ(又は送り先)にピッキングを行う。
【0005】
一部のピッキングアイテムは、そのアイテムをそれぞれの注文に仕分けすることができる仕分けステーション54に向けた仕分け待ち列52に送る。高優先注文に対するアイテム等の他のピッキングアイテムについては、仕分け待ち列52をバイパスし、直接仕分けステーション54に送ることができる。仕分けされた注文品は、仕分けステーション54から梱包ステーション60に直接搬送することができ、或いは、追加仕分け用の別の仕分けステーション54に搬送することができることに留意されたい。図示しないが、幾つかの実施においては、仕分けされた注文品は、梱包ステーション60に搬送される前に追加処理のために他の処理ステーション58又は処理ステーション待ち列56に搬送される。
【0006】
従来、仕分けは、自動仕分け機構又は手作業仕分けシステムを用いて実施されていた。マテリアルハンドリング施設における仕分けステーション54は、1つ又はそれ以上の自動仕分け機構、1つ又はそれ以上の手作業仕分けステーション、或いは、1つ又はそれ以上の自動仕分け機構と1つ又はそれ以上の手作業仕分けステーションとの組み合わせを含むことができる。個々の注文に従って特定のタイプの在庫アイテムを仕分けするための自動仕分け機構は、限定ではないが、Crisplant(登録商標)仕分け機、Eurosort(登録商標)仕分け機、その他の供給メーカから提供される自動仕分け機構を含む。自動仕分け機構を用いると、複数の異なる顧客注文に対する入来ピッキングアイテムのバッチ又はストリームは自動仕分け機構において受け取られ、個々の注文に従って自動機構によって仕分けられる。
【0007】
マテリアルハンドリング施設内の異なる仕分けステーション54は、アイテムの異なるタイプ及び/又はサイズ、或いは、注文の異なるタイプ又はサイズの仕分けを実施するように構成させることができる。本明細書で用いるように、注文のサイズとは一般に、組み立てられた注文アイテムの物理的寸法を意味し、その注文での個々のアイテムの個数を意味するものではない。従って、ピッキングアイテムの「バッチ」に対するピッキング送り先50は、そのアイテムのタイプ又はサイズ、或いはそのアイテムがピッキングされた注文のタイプ又はサイズを仕分けするように構成された特定の仕分けステーション54とすることができる。
【0008】
一部のマテリアルハンドリング施設では、あるピッキングアイテムは、仕分けステーション54ではなく他の何らかの処理ステーション58の待ち列56に配送することができ、ここでは、何らかの付加価値サービスの実施などのピッキングアイテムの追加処理を実施することができる。優先注文に対するアイテム等の他のピッキングアイテムは、待ち列56をバイパスして、処理ステーション58に直接送られる。処理されたアイテムを、注文に仕分けするために仕分けステーション54又は仕分けステーション待ち列52に搬送することができ、或いは、処理ステーション58から直接梱包ステーション60に搬送することができる点に留意されたい。アイテムによっては、仕分け及び/又は梱包の前に追加処理のために他の何らかの処理ステーション58に搬送することができる点に留意されたい。
【0009】
仕分け又は他の処理を必要としない完了した注文を構成する1つ又はそれ以上のアイテムのグループなどの一部のピッキングアイテムは、直接梱包ステーション60に配送され
る。梱包後、注文品は顧客10に出荷されることになる出荷70に送られる。
【0010】
マテリアルハンドリング施設内の異なる梱包ステーション60を、注文の異なるタイプ及び/又はサイズを梱包するように構成することができる。本明細書で用いるように、注文のサイズとは一般に、注文の集められたアイテムの物理的寸法を意味し、注文における個々のアイテムの個数を意味するものではない。従って、ピッキングアイテムの「バッチ」に対するピッキング送り先は、アイテムがピッキングされた注文のタイプ又はサイズを梱包するように構成された特定の梱包ステーション60である。
【0011】
ピッキングされ、梱包され、出荷された注文は、必ずしも顧客が注文したアイテムの全てを含む必要はなく、出荷した注文は、1つの在庫保管場所から一度に出荷することが可能な注文アイテムのサブセットだけを含めてもよい点に留意されたい。また、マテリアルハンドリング施設は通常、様々な供給メーカからストックの発送品を受け取り、受け取ったストックをストック保管庫内に収納するための受け取り業務を含む点にも留意されたい。更に、マテリアルハンドリング施設の様々の業務は、1つのビルディング又は施設内に配置することができ、或いは、2つ又はそれ以上のビルディング又は施設にわたって展開し、細分化することができる点に留意されたい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
図2は、従来のマテリアルハンドリング施設、具体的には注文処理施設又は注文処理センターの例示的な物理レイアウトを示している。常時、販売業者の1又はそれ以上のエージェント42は各々、1つ又はそれ以上の注文の一部又は全てを履行するために在庫30からアイテムをピッキングする。これによって、複数の不完全な注文又は完全な注文に対するピッキングアイテムのストリーム及び/又はバッチが生じ、次いで、これらを出荷70前の処理のためにマテリアルハンドリング施設内の例えば仕分け又は梱包ステーションなどの様々なステーション(ピッキング送り先50)に送ることができる。ストリームは、ステーションに到着するピッキングアイテムの連続した又はほぼ連続した流れとすることができ、一方、ステーションに定期的又は非定期的に到着するアイテムのグループをバッチと呼ぶことができる。注文の一部は、異なる時間においてステーションでピッカー42から、又は他のステーションから受け取る可能性があり、従って、ステーションにおける処理は、注文処理の完了前にピッキング及び/又は別のステーションからステーションに送られるべきある注文に対する1つ又はそれ以上のアイテムを待機しなければならない場合がある点に留意されたい。
【0013】
従来、ピッカー42は、一度に1つだけのピッキング送り先50用に在庫30からアイテムをピッキングする。例えば、ピッカー42に対して、一度に1つの注文のアイテム、又は全て1つのピッキング送り先50(例えば特定の自動仕分けステーション、手作業の仕分けステーション、梱包ステーション、又は他の処理ステーション)に向かう注文バッチのアイテム、或いは全て特定の送り先に向かう種々の注文からのアイテムリストなどをピッキングするように指示することができる。従って、ピッカー42は、そのアイテムの1つのストリーム又は処理経路に対してアイテムをピッキングし、ピッキングしたアイテムをこれらの共通のピッキング送り先50に送り、そのピッキングアイテムの個々の注文への処理と仕分けを下流側のステーションに任せる。次いで、ピッカーは、場合によっては異なるピッキング送り先50用に別のアイテムリストの処理を繰り返す。
【0014】
入来ピッキングアイテムのストリーム又はバッチはステーションにおいて処理され、例えば、仕分けステーションにおいてこれらのそれぞれの注文に仕分けされる。ステーションにおいて注文に対するアイテムの処理が完了すると、これらのアイテムは、注文に仕分けされることになる仕分けステーション、又は出荷70においてパッケージ化されることになる梱包ステーション等、別の処理のために別のステーションに送ることができる。注文処理センターはまた、様々な供給メーカからのストックの発送品を受け取るために1つ又はそれ以上の受け取りステーションを含むことができる点に留意されたい。次いで、受け取ったストックはストック保管庫に置くことができる。更に、注文処理センターの様々な業務とステーションは、1つのビルディング又は施設内に配置することができ、或いは、2つ又はそれ以上のビルディング又は施設にわたって展開又は細分化することができる点に留意されたい。
【0015】
モート
モートの「コア」は、本質的に極めて小さく、低コスト・低出力で、無線通信能力を有するコンピュータであり、モートの目的とする機能に応じて様々なタイプの1つ又はそれ以上の外部構成要素に結合することができる。モートの演算コアは、小さな回路基板又はカード、或いは単一の「チップ」上に実装することができる。モートの構成要素は、限定ではないが、CPU、メモリ、無線送信器/受信器か他のタイプの無線送信器/受信器を含むことができる。モートのコアは、センサデータ用のA/Dコンバータ等の他の構成要素を含むことができる。モートのこの演算「コア」を、限定ではないが、バッテリ又は他の電源、アンテナを含む1つ又はそれ以上の他の構成要素に結合することができる。現在、モートは通常、バッテリによって電力が供給されているが、代替的には、特定の用途において電力網を活用してもよい。センサ等の他の構成要素も同様にモートに結合することができる。
【0016】
モートは、無線リンクを介して外部と接続する。モートは小さく、低価格の低出力デバイスであるので、低出力無線リンクが一般的である。モートにおいて用いられる最も一般的な無線リンクは、モートが10から200フィート(3から61メートル)の範囲で送信を行うことを可能にする。より長い送信範囲の障壁となるのは、電力消費量、サイズ、価格である。一部のモートはより大きくすることができ、及び/又はより強力な電力供給を有することができ、従って、これらのモートはより強力な無線リンクを有することができる点に留意されたい。技術の進歩及び/又はより高価な構成要素の使用により、幾つかのモートは典型的なモートよりも強力な無線リンクを備えることができる点にも留意されたい。
【0017】
これらの構成要素の全ては、小さなパッケージにまとめてパッケージとすることができる。本明細書で用語「モート」を用いる場合には、モートの構成要素の全てを含むこの「パッケージ」のことを意味する点に留意されたい。現在、バッテリやアンテナを含むモートは、5枚又は6枚の25セント硬貨を積み重ねたサイズから1組のトランプのサイズまでの範囲にわたる。バッテリは典型的にはモートの最も大きな要素である。将来的には小さなモートが実施可能である。モートのサイズ及び電力消費が小さくなると、太陽電力又は振動電力等の他の電源を導入することができる。
【0018】
プログラマーは、望ましい機能を実行するようにモートを制御し、構成するソフトウェアを書くことができる。モートは、ある用途において、互いに通信し一方から他方にデータを渡すことができる、ほぼ2から1000のモートのアドホックネットワークを生成するのに用いることができる。1つ又は複数のモートがかかる実装に付加されると、各モートは「起動」し、次いで隣接するモートを見つけるために無線電信信号を送出する。この実装におけるモートは、中央モート又は他の受信ステーションに配信されることになるある領域からのセンサデータを収集する等、何らかのタスクを実行するための不定形アドホックネットワークを生成するように協働することができる。
【課題を解決するための手段】
【0019】
販売業者及び/又は製造業者によって用いられるマテリアルハンドリング施設等のマテリアルハンドリング施設においてモートを用いた複数送り先アイテム選択(又はピッキング)を可能にするための方法及び装置の実施態様を説明する。実施態様では、ピッキング密度は、マテリアルハンドリング施設のエージェントに一度に2つ又はそれ以上のピッキング送り先(以下単に送り先と呼ぶことができる)に対するアイテムをピッキングさせ、その結果、ピッキング中に少なくともある程度の注文の事前仕分を実行することによって高めることができる。実施態様では、ピッキングアイテムを受け取るための各レセプタクルを送り先に割り当て、そのレセプタクルは、インジケータを含むか又はこれに結合させることができるモートを有することができ、そのインジケータは、特定のレセプタクルがピッキングアイテムに対する送り先レセプタクルであることをエージェントに示すために起動される。次いで、エージェントは、指示された送り先レセプタクル内にアイテムを収納することができ、これにより誤仕分けが回避される。
【0020】
本明細書で用いるレセプタクルは、マテリアルハンドリング施設内でピッキングアイテムを受け取るように構成された、あらゆる固定又は移動機構、物体、備品、棚、コンテナ、ビン、トート、バスケット、箱、スロット、区画等を含むことができる。幾つかの実施態様では、トート又はビン等の1つ又はそれ以上のレセプタクルは、移動体とすることができ、従って、手押しカート、コンベヤベルト、ローラー、又はマテリアルハンドリング施設内でレセプタクルを搬送するための他のデバイス上に置き又は取り除くように構成させることができる。一実施態様では、レセプタクルは、例えばビン、トート、又は棚における区画又は分割部分とすることができる。一実施態様では、2つ又はそれ以上の区画に細分化することができ各々がレセプタクルであるビン、トート、バスケット、又は同様の容器は、組み込み車輪、ローラー、又はマテリアルハンドリング施設内でこれらの容器を搬送するための他の何らかの機構を含むことができる。他の実施態様では、レセプタクルを固定することができ、例えばフロア又は棚ユニット上に固定することができる。
【0021】
一実施態様では、マテリアルハンドリング施設のエージェントは、2つ又はそれ以上の送り先に対してピッキングされるアイテムリストを取得する。エージェントは、そのエージェントが携帯する通信デバイスを介して制御システムと対話し、このリストを受信してピッキング処理を誘導する。一実施態様では、エージェントは、保管ビン、箱、又はトート、或いは2つ又はそれ以上の区画に仕切られ各区画がレセプタクルであるビン、トート、又は同様の容器等の複数のレセプタクルを保持するように構成されたカートを備えている。エージェントは、エージェントに割り当てられた送り先に対応する特定の送り先に割り当てられた2つ又はそれ以上のレセプタクルを取得し、これらのレセプタクルをカート上に置くことができる。カート上のレセプタクルの個数と配列を変えることができる。レセプタクルは移動体とすることができ、従って、レセプタクルを、カートからの取り外し又はカートへ追加すること、異なるカートへ移動すること、カート上での再配列すること、送り先へ配送すること、ピッキング処理を継続するための別のエージェントへの受け渡しすることなどを行うことができる。
【0022】
一実施態様では、モートは、アドホックネットワーク内のマテリアルハンドリング施設制御システムや他のモートと通信するための通信インターフェースを含むことができる。幾つかの実施態様では、各モートは、1つ又はそれ以上の発光ダイオード(LED)等のインジケータを含み、又はこれに結合されることができる。一実施態様では、正しい送り先レセプタクル上のモートのインジケータは、エージェントによってそのエージェントの通信デバイス上でピッキングアイテムがスキャンされるか、或いはさもなければ入力され又は指示された時に起動される。スキャンデバイスは制御システムと通信し、どのアイテムがピッキングされたかを示す。次に、制御システムは、要求メッセージを送信してアイテムに対する正しい送り先レセプタクル上のモートのインジケータを起動することによって応答する。各モートは一意のコードによって識別され、その結果、特定のモートがその通信インターフェースを介してメッセージを受信した時に、そのモートが応答してそのインジケータを起動することができる。他の方法を用いてモートを起動し、ピッキングアイテムに対する送り先レセプタクルを示すことができる。幾つかの実施態様では、インジケータは、エージェントによってアイテムがピッキング及び/又はスキャンされる前、例えばピッキングされることになる次のアイテムが分かり次第起動される。
【0023】
幾つかの実施態様では、各レセプタクルはセンサ(例えば動作検出器又はRFIDセンサ)を有することができ、センサは、レセプタクル内にアイテムが収納される時点を感知し、アイテムが正しいレセプタクル内に収納されたことを検証するのに用いられる。一実施態様では、センサは、インジケータを有するモートに結合され、或いは、レセプタクル上の別個のモートに結合され、更に、アイテムがレセプタクル内に収納された時に制御システムと通信してメッセージを送信するように構成される。一実施態様では、センサは、レセプタクル上のモートに組み込まれてもよい。他の実施態様では、センサを、レセプタクル上のモートから分離することができる。センサは、正しいレセプタクル内へのアイテムの収納、及び幾つかの実施態様では、正しくないレセプタクルへのアイテムの収納を検出する。幾つかの実施態様では、正しいレセプタクル内へのアイテムの収納が検出された場合、モート上のインジケータを起動して、アイテムが正しいレセプタクルに収納されたことを示すことができる。幾つかの実施態様では、正しくないレセプタクルへのアイテムの収納が検出された場合、モート上のインジケータを起動して、アイテムが間違ったレセプタクルに収納されたことをエージェントに示すことができる。
【0024】
一実施態様では、各レセプタクルは、モートとセンサを有するがインジケータを含まない場合もある。この実施態様では、モートに結合されたインジケータ以外の他の何らかの方法を用いて、どのレセプタクルがアイテムに対する送り先レセプタクルであるかをエージェントに示すことができ、例えば、どのレセプタクルがピッキングアイテムに対する送り先レセプタクルであるかに関する指示を、エージェントが携帯する通信デバイスのユーザインターフェースを通じてエージェントに提供することができる。一実施態様では、エージェントがレセプタクル内にピッキングアイテムを収納する時に、レセプタクル上のセンサは、アイテムの収納を検出することができ、モートは、この情報を制御システムに中継することができ、次いで、制御システムは、アイテムが正しいレセプタクル又は正しくないレセプタクルのいずれかに収納されたかどうかを、例えばエージェントが携帯する通信デバイスのユーザインターフェースを通じてエージェントに示すことができる。
【0025】
起動されたモートによって示されたようにアイテムが正しいレセプタクルに収納された後、モートに結合されたインジケータを停止させることができる。センサを用いた一実施態様では、センサによるレセプタクル内へのアイテムの収納の検出によって、そのセンサは制御システムにメッセージを送信し、その結果、制御システムは、モートにメッセージを送信し、インジケータを停止させる。或いは、センサは、モートに直接信号を送信し、インジケータを停止させることができる。一実施態様では、センサはモートに組み込むことができる点に留意されたい。他の実施態様では、モート上のインジケータを停止させるために他の方法を用いることができ、例えば、モートを、ある時間間隔の後にインジケータを停止させるように構成することができ、或いは各モート又はインジケータは、エージェントが押下してインジケータを停止させることができるボタン又はスイッチを含むことができる。
【0026】
マテリアルハンドリング施設内のモートを、無線通信を用いてネットワーク上にメッセージを送信し、受信し、伝播させるアドホックネットワークを動的に協働して形成するように構成することができる点に留意されたい。モートは、アドホックネットワーク上でパケット(メッセージ)を伝播するために互いのサービスを用いることができる。マテリアルハンドリング施設制御システムは、アドホックネットワーク内でモートと無線通信し且つ互いに通信するように構成された1つ又はそれ以上の制御ステーションを含み、また、アドホックネットワークに参加するように構成することができ、エージェントが携帯する携帯通信デバイスや様々な他の固定又は携帯ワークステーションもしくはデバイスを含むことができる。
【0027】
本明細書では、幾つかの実施形態及び例示的図面について例証として本発明を説明するが、本発明は、説明される実施形態又は図面に限定されない点は当業者には理解されるであろう。図面及びこれらに対する詳細な説明は、開示される特定の形態に対して本発明を限定することを意図するものではなく、反対に、添付の請求項によって定義される本発明の精神及び範囲に含まれる全ての修正形態、均等物、及び代替形態を保護することを意図している点を理解されたい。本明細書で用いられる見出しは、単に編成の目的のものであり、本明細書又は請求項の範囲を限定するために用いるものではない。本出願全体を通して用いられる用語「することができる」は、強制的な意味(すなわち、しなければならないを意味する)ものではなく、許容的な意味(すなわち可能性を有することを意味する)で用いられる。同様に用語「含む」は、非限定的に含むことを意味する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
ピッキング処理の概要
図2を参照すると、エージェント又はピッカー42は、在庫30内の場所に行き、アイテムリストをこの場所からピッキングするように、RF接続無線端末、ハンドヘルドスキャナ、又は他のデバイスなどのデバイス上の制御システムから命令を受け取る。ピッカー42は通常、ピッキングアイテムをスキャンして、正しいアイテムがピッキングされたかどうかを判断する。次いで、ピッカー42は、ピッキングアイテムを受け取るためのレセプタクル内にピッキングアイテムを収納する。幾つかの実施形態では、レセプタクルは、いずれかのタイプの移動カート上に配置されるか、又は一体化することができる。カート上には1つよりも多いレセプタクルがあってもよい。
【0029】
本明細書で用いるレセプタクルは、マテリアルハンドリング施設内でピッキングアイテムを受け取るように構成されたあらゆる固定又は移動機構、物体、備品、棚、コンテナ、ビン、トート、バスケット、箱、スロット、区画等を含むことができる。レセプタクルは、限定ではないが、固定又は移動のビン、トート、バスケット、又は箱;仕切られたビン、トート、バスケット、箱、又は同様のコンテナ内の区画;コンベヤベルト上のビン、トート、スロット、箱、コンテナ、区画、又は他の何らかの形態のレセプタクル;固定又は移動棚ユニット上の棚又は仕切り棚の区分;車輪付きコンテナ;ホッパー;自動仕分け機構上の誘導レーン;或いは一般的なマテリアルハンドリング施設内でピッキングアイテムを受け取るように構成されたあらゆるデバイス、物体、備品、コンテナ、スロット、区画等のうちの1つ又はそれ以上を含むことができる。幾つかの実施形態では、トート又はビン等の1つ又はそれ以上のレセプタクルは移動体とすることができ、従って、手押しカート、コンベヤベルト、ローラー、又はマテリアルハンドリング施設内でレセプタクルを搬送するための他のデバイス上に配置し、又は取り除くように構成することができる。幾つかの実施形態では、レセプタクルは、例えばビン、トート、又は棚の区画、分割部分、又は仕切りとすることができる。一実施形態では、レセプタクルは、出荷箱、パッケージ、外囲器、又はレセプタクルの送り先に向けた全てのアイテムがピッキングされて、レセプタクル内に収納された後に処理され、出荷されるように構成されたあらゆる他のタイプの出荷コンテナとすることができる。幾つかの実施形態では、2つ又はそれ以上の区画に細分化することができ且つその各々がレセプタクルであるビン、トート、バスケット、又は同様のコンテナは、組み込み車輪、ローラー、又はマテリアルハンドリング施設内でコンテナを搬送するための他の何らかの機構を含むことができる。他の実施形態では、レセプタクルを固定することができ、例えばフロア又は棚ユニット上に固定することができる。
【0030】
従来、ピッカー42は、一度に1つのピッキング送り先50だけに対して在庫30からアイテムをピッキングしている。例えば、ピッカー42は、一度に1つの注文に対してアイテムをピッキングするか、又は全て1つのピッキング送り先50(例えば特定の自動仕分けステーション、手作業の仕分けステーション、梱包ステーション、又は他の処理ステーション)に向かう注文バッチに対してアイテムをピッキングするか、或いは全て特定のピッキング送り先に向かう様々な注文からのアイテムリストをピッキングする等のように指示を受けることができる。従って、ピッカー42は、アイテムに対して1つのストリーム又は処理経路においてアイテムをピッキングし、ピッキングアイテムをこれらの共通のピッキング送り先50に送り、これらの個々の注文へのピッキングアイテムの処理と仕分けを下流側のステーションに任せる。従来、ピッカー42は、アイテムを正しい注文と照合せず、ピッカーはアイテムリストをピッキングしこれらのアイテムを特定のピッキング送り先50に運ぶように制御システムによって指示される。次にピッカーは、場合によっては異なるピッキング送り先50に対する別のアイテムリストの処理を繰り返す。
【0031】
ピッカー42が一度に1つのピッキング送り先50に対してだけピッキングするように制限されることがある1つの理由は、ピッカー42に在庫30からアイテムを位置特定してピッキングさせながら、複数のピッキング送り先50に応じてアイテムを仕分けさせるとことに関して複雑さとリスクが加わることである。複数のピッキング送り先に対してのピッキングは、ピッカー42が間違いを犯し、従って、1つ又はそれ以上のアイテムを間違ったピッキング送り先50に送ることになるリスクを招く。かかるエラーが見つかった場合には、エラーは下流側で修正する必要があり、下流ステーションにおける処理に複雑さが加わる。例えば、ピッカー42が2つの異なるピッキング送り先50に対してピッキングを行っており、ピッキングアイテムを2つの異なる下流ステーションに送られるべき2つの異なるレセプタクルに収納しているとすると、いずれかのアイテムが間違ったレセプタクルの中に入れられた場合には、仕分けステーション等の下流ステーションにおいて誰かがエラーを検出して修正しなければならなくなる。エラーが検出されない場合には、場合によっては誤って仕分けされたアイテムが間違った顧客に送られる可能性がある。従って、複数のピッキング送り先に対するピッキングは、ピッキング処理と、下流ステーションの1つ又はそれ以上において実行される処理の両方に複雑さが加わる可能性がある。
【0032】
しかしながら、一度に1つのピッキング送り先50に対して在庫30からアイテムをピッキングすることをピッカー42に要求することにより、ピッカーは在庫30を往来して、各ピッキング送り先50に対して別個にアイテムをピッキングすることが必要となり、これはピッキング処理の効率(ピッキング密度と呼ばれる)が低下する点に留意されたい。所与の空間内のピッキングの数が多くなると、ピッキング間の平均距離が短く、ピッキング密度が高くなり、従って、ピッキング密度が増大する結果としてピッキングの生産性の向上がもたらされる。ピッカー42が一度に2つ又はそれ以上のピッキング送り先50に対してピッキング可能になると、ピッカーは、より少ない在庫30の往来でより多くのアイテムをピッキングすることが可能になり、ピッキング密度が増大する。1つの解決策は、ピッカー42が複数のピッキング送り先50に対してアイテムをピッキングし、1つのレセプタクルが各ピッキング送り先に割り当てられているレセプタクルにアイテムを収納することを可能にする一方で、誤仕分けを回避するのを助けるために、ピッキングした各アイテムについて送り先レセプタクルをスキャンすることをピッカー42に要求することである。しかしながらこの要件は、ピッキング処理に複雑さと時間を付加し、場合によってはピッカー42の効率を低下させることがある。また異なる送り先に割り当てられた複数のレセプタクルに対してピッキングを行うことによって、エージェントがアイテムを正しくないレセプタクルに収納するリスクが加わり、その結果、下流ステーションにおいて修正しなければならなくなる。エージェントがアイテムを間違ったレセプタクル内に収納した場合には、1つの下流ステーションは1つのアイテムが足りないレセプタクルを受け取る可能性があると共に、別のステーションは、余分のアイテムを有するレセプタクルを受け取る可能性がある。そのため、両方のステーションがエラーを修正する措置を取る必要がある。このように、ピッキング処理中の1つのエラーが、2つ(又はそれ以上)の下流処理ステーションにおいて修正されるべき問題を発生させる可能性がある。
【0033】
マテリアルハンドリング施設制御システム
図2の注文処理センター80等のマテリアルハンドリング施設は、マテリアルハンドリング施設制御システムすなわち略して制御システムを実装することができる。図9の制御システム190等の制御システムは、顧客の注文を履行する際に注文処理センター80においてエージェントを支援及び/又は誘導するように構成されたハードウェア及びソフトウェアを含む。在庫30内のアイテムは、限定ではないが、ピッキング、仕分け、梱包を含む注文処理センター80の業務を容易にするために、バーコード、万国製品コード(UPC)、最小在庫保管単位(SKU)コード、シリアル番号、及び/又は他の呼称(商標名を含む)でマーキング又はタグ付けすることができる。これらの呼称又はコードは、アイテムをタイプ毎に識別することができる、及び/又はあるタイプのアイテムの中で個々のアイテムを識別することができる。制御システムは、ハンドヘルド、モバイル、及び/又は固定のスキャナ或いはスキャンデバイスを含むことができ、これらは、個々のアイテム上のマーク又はタグをスキャンし、受信し、又は他の方法で検出し、制御システムの1つ又は複数の制御ステーションと通信してアイテム及び/又はアイテムのアイテムタイプを判定及び記録することができる。
【0034】
制御システムは、注文を履行するためにピッキングされることになる1つ又は複数のアイテムを指定する各注文についての注文情報を受け取ることができる。各注文には、注文処理処理において使用するために一意の注文番号を割り当てられる。関連アイテム及び/又はアイテムタイプの呼称又はコード並びに場合によっては他の記述的情報を含む、アイテム及び/又はアイテムタイプ情報を、在庫からピッキングされた各アイテムについてエージェントが制御システムに入力することができる。この情報は、アイテム上のマーク又はタグから制御システムにスキャンすることができ、或いは手作業で入力することができる。ピッキング中にスキャンと手作業入力との組み合わせを用いてもよい。
【0035】
モートを用いた複数送り先ピッキング
販売業者及び製造業者によって用いられるマテリアルハンドリング施設のような、マテリアルハンドリング施設においてモートを用いて複数送り先ピッキングを可能にする方法及び装置の実施形態を説明する。本実施形態では、マテリアルハンドリング施設のエージェントに一度に2つ又はそれ以上のピッキング送り先(又はバッチ処理施設ではバッチ)に対してアイテムをピッキングさせることによってピッキング密度を高めることができ、従って、ピッキング中に少なくともある程度の注文の事前仕分けを実行する。ピッキング送り先は、以下では単に送り先と呼ぶことができる。従来、複数送り先ピッキングを実行するには、ピッカーは、誤仕分けを回避するためにピッキングされた各アイテムについて送り先レセプタクルをスキャンすることが必要となり、ピッキング処理に複雑さが加わり、エラーの可能性が増大し、従って生産性が低下する場合があった。一実施形態では、ピッキングされた各アイテムについてレセプタクルをスキャンする必要性を排除し、下流処理の間に修正することが必要になるピッキング処理におけるエラーの防止を助けるために、各レセプタクルを送り先に割り当てることができ、レセプタクルは、発光ダイオード(LED)等のインジケータを含むモートを有する又は含むことができ、そのインジケータは、レセプタクルがピッキングアイテムに対する送り先レセプタクルであることをエージェントに示すために起動される。このようにして、エージェントは、指示送り先レセプタクル内にアイテムを収納することができ、従って、誤仕分けが回避される。一実施形態では、各レセプタクルは、そのレセプタクルへのアイテムの収納を感知するセンサを有するか又は含むことができ、これを用いて複数送り先ピッキング業務中のエラー(例えばピッキングアイテムを正しくないレセプタクルに収納する)を検出して修正することができ、これにより、下流処理中にピッキングエラーを修正する必要性が軽減又は排除される。
【0036】
「起動」と「停止」は、本明細書のモート及びインジケータに関連して用いる場合には、何らかの動作又は検出状態に応答してインジケータをオン、オフ、或いはエージェントへの何らかの信号又は表示を修正させる(例えば点灯又は消灯、視覚表示の色の変更、テキストメッセージの表示又は変更、可聴信号又はメッセージの放出、変更、又は中止など)ことを意味し、これによってエージェントに情報及び/又は指示を提供する点に留意されたい。モート/インジケータの起動と停止によって提供されるこの情報は、限定ではないが、モート/インジケータを含むレセプタクルが特定のピッキングアイテム又はピッキングされるアイテムに対する正しい送り先レセプタクルであること、アイテムを収納したレセプタクルがそのアイテムに対する正しい(又は場合によっては不正な)送り先レセプタクルであること、完了したレセプタクルがその割り当てられた送り先に近接していること、或いは一般的に、マテリアルハンドリング施設内でピッキングを実行するエージェント又は更に他の機能を実行する他のエージェントにとって有益な他のあらゆる情報を含むことができる。モート及び/又はインジケータを起動し、停止することによって、必須ではないが、モート及び/又はインジケータの電源をオン又はオフにすることができる。種々の実施形態において説明されるモート、インジケータ、及び/又はセンサは、低出力又はゼロ出力デバイスとすることができ、電源が供給される場合、安価な電源を有することができ、従って、幾つかの実施形態では常時「電源オン」にすることができる点に留意されたい。
【0037】
幾つかの実施形態では、複数の注文を選択しエージェントに割り当てて在庫保管庫内のアイテムの場所に基づいてピッキングを行い、異なる注文においてアイテムの局在性を利用するようにすることができる。ピッカーが一度に複数の送り先に対してピッキングするのを可能にすることによって、アイテムをピッキングするために各場所間を進む平均距離を短縮することができ、これによってピッキング密度が増大する。更に、複数の送り先に対するピッキングによって、ピッカーはピッキングアイテムの少なくとも何らかの事前仕分けを実施することが可能になり、これによりアイテムの下流処理における仕分けの必要性が軽減される。幾つかの実施形態では、複数の送り先に対するピッキングによって、所与の注文についての全ての仕分けをピッキング処理中に完了することが可能になり、これによって施設内での個別の仕分け区域又は機構に対する必要性を軽減又は排除することができる。モートを用いた複数送り先ピッキングを可能にするための方法及び装置の実施形態は、エージェントが高い効率と精度で一度に2つ又はそれ以上の送り先にピッキングを行うことを可能にする。これはまた、ピッキング中に事前仕分けすることができる注文の最小アイテム数についての閾値を低下させることができ、これによって下流側でアイテムをそれぞれの注文に仕分けする必要性が軽減される。
【0038】
従来、マテリアルハンドリング施設における幾つかの場合では、1つの送り先に対してピッキングするエージェントによって効率的にピッキングすることができる注文のアイテムの最小数についての閾値(例えば25アイテム)を設定することができる。単一の顧客注文が少なくとも多くの数のアイテム(例えば少なくとも25アイテム)を含む場合、1つの顧客注文に対して単にそのアイテムだけをエージェントにピッキングさせることが効率的な場合がある。従来の施設では、より少いアイテムを有する注文に対しては、エージェントは個々の注文への仕分けをせずに、注文の2つ又はそれ以上に対するアイテムを共通の1つ又は複数のレセプタクルにピッキングすることができ、次いで、仕分けはピッキング処理の下流側で実行することができる。従来の施設では、ピッカーに複数の送り先(例えば複数の異なる注文に対する)に対してアイテムをピッキングさせるには、アイテムがピッキングされるときにピッカーが異なるレセプタクルにアイテムを正確に仕分けすることが必要とされる。かかる仕分けをピッキング業務と組み合わせることから生じる非効率さとエラーが、このタイプの業務をこれまで実施不可能にしてきた。しかしながら、本明細書に説明するようにレセプタクルにモートを用いることで、マテリアルハンドリング施設内の複数送り先ピッキング業務において効率を改善し、エラー率を低下させることができる。実施形態では、従来のピッキング法よりも多くの注文の事前仕分け又は仕分けをピッキング処理中に実行することが可能となる。ピッキング実行中に、アイテムをピッキングする2つ又はそれ以上の注文にエージェントを割り当てることができる。例えば、複数の小さな注文(例えば上述の閾値よりも少ないアイテムを有する注文)をピッキング用に単一のエージェントに割り当てることができる。各注文は、ピッキングされる「送り先」とみることができ、従って、各注文に固有のレセプタクルを割り当てることができる。レセプタクル上のモートを、注文に対するピッキングアイテムをその注文に割り当てられた正しいレセプタクル又は区画に収納する際に、エージェントを誘導するために用いることができる。実施形態を用いると、エージェントは、1回のピッキングセッション中に複数の送り先(例えば注文)に対してピッキングを行うことができる。エージェントは、複数の送り先(例えば、一度に3つの注文)対してピッキングを行うことができるので、ピッカーにおけるピッキング密度と仕分け作業の許容可能レベルを維持しながら、エージェントが効率的にピッキングを行うことができる注文の最小サイズの閾値を低くし又は排除することができる。これにより、ピッキング処理中にエージェントによって注文のより高い割合を仕分けることが可能になり、従って、仕分け作業が軽減され、場合によってはマテリアルハンドリングプロセスの下流側での追加の高価な仕分け機構に対する必要性が減少する。
【0039】
一実施形態では、大きな注文等の少なくとも幾つかの注文は、ピッキングに対して2つ又はそれ以上のエージェントで分割することができ、各エージェントは、分割された注文に対するアイテムを異なる送り先レセプタクルにピッキングする。次いで、下流ステーションにおいてレセプタクル内のアイテムを組み合わせることができる。各々が特定の注文に対するアイテムを含む2つのレセプタクルは、異なる送り先に送ることができ、アイテムは後で下流ステーションにおいて組み合わせられる点に留意されたい。
【0040】
レセプタクルが移動体である一実施形態では、エージェントは、レセプタクルを他のエージェントに渡し、送り先に対するアイテムのピッキングを継続することができる。例えば幾つかのマテリアルハンドリング施設では、特定のピッキングエージェントを特定の在庫区域に割り当てることができる。エージェントが、そのエージェントの割り当て区域でレセプタクルへのアイテムのピッキングを完了した後に、エージェントはレセプタクルを別のエージェントに渡し、レセプタクルへのアイテムのピッキングを継続することができる。この例では、第2のエージェントは、第1のエージェントにおけるレセプタクルに対する「ピッキング送り先」とみることができる。レセプタクルは、1つ又はそれ以上の他のエージェントに渡され、ピッキングを継続することができる。レセプタクルが完了した後(下流送り先に対する全てのアイテムをレセプタクルにピッキングした)、レセプタクルを完了したエージェントは、続いて、その下流送り先にレセプタクルを送ることができる。
【0041】
また、エージェントは、1つの注文からのアイテムを異なる下流送り先に割り当てられた2つの異なるレセプタクルにピッキングすることができる点に留意されたい。例えば、ある注文内の幾つかのアイテムは、ギフト包装等の付加価値処理のステーションに割り当てられ、一方で、異なるレセプタクル内の他のアイテムは、仕分けステーション等の異なるステーションに向かうように割り当てられ、ここで、これらのアイテムを、後で仕分けステーションに到着した時に第1のレセプタクル内のアイテムと併合することができる。
【0042】
マテリアルハンドリング施設は、複数の送り先に割り当てられた2つ又はそれ以上のレセプタクルにアイテムをピッキングする上述の方法のうちの1つ又はそれ以上、及び/又は上述の方法のうちの2つ又はそれ以上を組み合わせて用いることができる点に留意されたい。
【0043】
一実施形態では、モートは、1つ又はそれ以上の発光ダイオード(LED)等のインジケータと、アドホックネットワーク内でマテリアルハンドリング施設制御システムや他のモートと通信するために無線ネットワークインターフェース等のRF(無線周波数)通信インターフェースとを含むことができる。一実施形態では、送り先レセプタクル上のモートを、ピッキングアイテムがエージェントによってスキャンされる時に起動することができる。スキャンデバイスは、どのアイテムがピッキングされたかを示すために制御システムと通信することができる。次いで、制御システムは、このアイテムに対する送り先レセプタクル上のモートを起動する要求メッセージを送信することによって応答することができる。特定のモートがその通信インターフェースを介してメッセージを受信する時に、そのモートがこれに応答して、そのインジケータデバイスを起動することができるように、各モートは一意のコードによって識別される。
【0044】
ピッキングアイテムに対する送り先レセプタクルを示すためにモートを起動する他の方法を用いることができる。例えば一実施形態では、マテリアルハンドリング施設内の指示された場所又は在庫ビンにエージェントが到着したのに応じて、制御システムは、特定のモートにメッセージを送信することができ、その場所からピッキングアイテムを収納する必要のある特定のレセプタクルをエージェントに示すようにこのモートを起動させる。
【0045】
幾つかの実施形態では、各レセプタクルはまた、アイテムがレセプタクルに収納される時点を検出し、そのアイテムが正しいレセプタクルに収納されたことを検証するのに用いることができるセンサ(例えば動作検出器、RFIDセンサ、光カーテン等)を含むこともできる。センサは、インジケータを有するモートに結合され、或いは、レセプタクル上の別個のモートに結合され、アイテムがレセプタクル内に収納された時に制御システムと通信して制御システムにメッセージを送信するように構成される。レセプタクル内へのアイテムの収納を検出するためにセンサを用いてもよい点に留意されたい。幾つかの実施形態では、センサを用いて、正しいレセプタクル内へのアイテムの収納と正しくないレセプタクル内へのアイテムの収納とを区別することができる。幾つかの実施形態では、正しいレセプタクル内へのアイテムの収納が判明した場合、モート上の視覚及び/又は可聴インジケータを起動し、アイテムが正しいレセプタクルに収納されたことを示す。例えば、インジケータはLEDを点滅させることができ、或いは、エージェントに正しいレセプタクルを示すLEDとは異なる色又は異なる場所のLEDを起動させることができる。幾つかの実施形態では、正しくないレセプタクルへのアイテムの収納を検出した場合、モート上のインジケータを起動し、アイテムが間違ったレセプタクルに収納されたことをエージェントに示すことができる。例えばインジケータはLEDを点滅させることができ、又は正しいレセプタクルを示すLEDとは異なる色又は異なる場所のLEDを起動させることができる。或いは、インジケータは、レセプタクル内へのアイテムの正しい及び/又は正しくない収納を示すためにテキストメッセージを表示することができる。例えば、アイテムが正しいレセプタクル中に収納された時にはテキストメッセージは「正しいレセプタクル」又は同様のものを表示することができ、アイテムが正しくないレセプタクル内に収納された時には、「正しくないレセプタクル」又は同様のものを表示することができる。一実施形態では、インジケータは、アイテムが間違ったレセプタクル内に収納された時には、例えば「このアイテムはレセプタクル3に収納して下さい」又は同様のメッセージのような正しいレセプタクルを指定することができる。幾つかの実施形態では、インジケータにテキストメッセージを発生させるのではなく、場合によっては手押しカート結合されたピッカーの通信デバイス、通信デバイスの付属品、又は他の何らかのデバイスを用いて、レセプタクル内へのアイテムの正しい及び/又は正しくない収納を示すテキストメッセージ、及び/又はレセプタクル内に収納されたピッキングアイテムに関する他のテキスト情報を生成させることができる。
【0046】
正しい又は正しくないレセプタクル内へのアイテムの収納を示すために、可聴トーン又はビープ音等の他の方法を用いることができ、例えば、1つのトーン又はビープ音が正しい収納を示し、別のトーン又はビープ音が正しくない収納を示し、或いは、アイテムが正しくないレセプタクル内に収納された場合にのみ可聴トーン又はビープ音を鳴らしてもよい。或いはインジケータは、正しい及び/又は正しくないレセプタクル内へのアイテムの収納を示す可聴メッセージを生成することができる。例えばアイテムが正しいレセプタクル内に収納された時には、可聴メッセージは「正しいレセプタクル」又は同様のものを発声することができ、アイテムが正しくないレセプタクル内に収納された時には「正しくないレセプタクル」又は同様のものを発声することができる。一実施形態では、アイテムが間違ったレセプタクル内に収納された時に、インジケータは正しいレセプタクルを指定することができ、例えば「このアイテムはレセプタクル3に収納して下さい」又は何らかの同様のメッセージを発声することができる。幾つかの実施形態では、正しい及び/又は正しくないレセプタクル内へのアイテムの収納を示すために、上記に説明した方法のうちの2つ又はそれ以上の組み合わせを用いることができる点に留意されたい。例えば、インジケータは、レセプタクル内へのアイテムの正しい及び/又は正しくない収納を示すために、LEDの起動及び可聴メッセージの発生の両方を行うことができる。幾つかの実施形態では、インジケータに可聴トーン又はメッセージを発生させるのではなく、場合によっては手押しカートに結合されるピッカーの通信デバイス、通信デバイスの付属品、又は他の何らかのデバイスを用いて、レセプタクル内へのアイテムの正しい及び/又は正しくない収納を示す可聴トーン又はメッセージ、及び/又はレセプタクル内に収納されたピッキングアイテムに関する他の可聴情報を発生させることができる。
【0047】
起動されたモートによって示されるようにアイテムが正しいレセプタクルに収納された後、モートのインジケータを停止させることができる。センサを用いた一実施形態では、センサによるレセプタクル内へのアイテムの収納の検出によって、センサは図9の制御システム190等の制御システムにメッセージを送信することができ、次いで、制御システムは、モート上のインジケータの停止(すなわちインジケータを「オフ」)を要求するメッセージを送信することができる。或いはセンサは、モートに直接信号を送信し、モートにインジケータを停止させるようにすることができる。他の実施形態では、モート上のインジケータを停止させるために他の方法を用いることができ、例えば、モートを、10秒等のある時間間隔の後にそのインジケータを停止させるように構成することができる。別の例として、各モートは、モート上のインジケータを停止又は「リセット」するためにエージェントが押すことができるボタン又はスイッチを含むことができる、或いはエージェントは、そのエージェントの通信デバイスのユーザインターフェース(UI)を介してモート上のインジケータを停止させることができる。
【0048】
インジケータを、上記に説明したように起動し、停止することができることに留意されたい。センサを含む実施形態では、センサは、制御システムがセンサに何か感知することを期待する時だけでなく、連続的に動作又は「感知」することができる。一実施形態では、特定のカートで動作するピッカーの通信デバイスは、カート上の全てのレセプタクル上のモートから連続的にメッセージを受信することができる。一実施形態では、センサは「饒舌」であり、全ての感知した動きを通信デバイスに報告することができる。この実施形態では、通信デバイスは、特定のモートのセットからあらゆるセンサメッセージを「購読」することができる。ピッカーが1つのレセプタクルを配送中であることを通信デバイスに示しているが、実際には別のレセプタクルを配送する場合、レセプタクル/モートがピッキング送り先に配送された時、或いは配送後のある時間期間の時点で購読中止にすることができる。別の実施形態では、モートは「静粛」とすることができ、通信デバイスは「饒舌」とすることができる。この実施形態では、通信デバイスは、動きが期待されるか否かに関して特定のカート上のモート/センサに通知するのを維持することができる。期待通りにセンサが動き(又は動きの欠如)を検出する限り、通信デバイスには何も報告を返さなくてもよく、センサは突発的な事象のみを報告すればよい。
【0049】
マテリアルハンドリング施設内のレセプタクル上のモートを、ネットワーク上にメッセージを送信し、受信し、伝播するために無線通信を用いるアドホックネットワークを協働して形成するように構成することができることに留意されたい。モートは、アドホックネットワーク上でパケット(メッセージ)を伝播するために互いのサービスを用いることができる。マテリアルハンドリング施設制御システムは、アドホックネットワーク内でモートと無線通信し、互いに(有線又は無線接続を介して)通信するように構成された1つ又はそれ以上の制御ステーションを含み、さらに、アドホックネットワークに参加するように同様に構成することができる、エージェントが携帯する携帯通信デバイスや種々の他の固定又は携帯ワークステーションもしくはデバイスを含むことができる。モートは、制御ステーションの範囲外にあってもよく、よって、制御ステーションからモートへのメッセージは、マテリアルハンドリング施設内の1つ又はそれ以上の他のモート或いは他のものを介して伝播させることができ、その逆もまた同様である。一実施形態では、マテリアルハンドリング施設制御システムの中央サーバ又は制御ステーションに対してのモートのゲートウェイとしての役割を果たす1つ又は複数のゲートウェイポイントが存在することができる。ストック保管ビン、カート、ステーション等のマテリアルハンドリング施設の他の構成要素は、アドホックネットワークに参加するように同様に構成させることができる種々の他の用途に用いられるモートを含むことができる点に留意されたい。
【0050】
モートを有する複数送り先レセプタクルにピッキングを行うエージェントの一実施形態を図3に示す。この実施形態では、エージェント142は、マテリアルハンドリング施設の従業員とすることができ、手押しカート110は、複数の保管ビン又はトートを保持するように構成され、ここで各トート(或いは、トートの1つ又はそれ以上内の1つ又はそれ以上の区画の各々)はレセプタクル100である。カート上のレセプタクル100の数及び配列は図示したものと異なるようにすることができる。レセプタクル100は移動体とすることができ、従って、レセプタクル100は、カート110から取り外し、又はカート110に追加し、異なるカートへ移動し、カート上で再配列される、その他を行うことができる。エージェント142は、対応する通信デバイス144と対話することができ、その通信デバイス144は、種々の実施形態においてハンドヘルドデバイス、エージェントが身に着けるか又はエージェントに取り付けられたデバイス、或いは手押しカートに組み込まれるか又は装着されたデバイスとすることができる。
【0051】
通信デバイス144は、マテリアルハンドリング施設内で行う行動内容に関してエージェント142に命令を伝えるように構成されることができる。一実施形態では、通信デバイス144は、ピッキングモジュールと呼ぶことができる、在庫内のビン又は場所からピッキングされるアイテムリストをマテリアルハンドリング施設制御システムから受け取ることができ、画面等のデバイスのディスプレイ部分を介してエージェント142にピッキングされるアイテムとピッキングモジュールを提示することができる。また通信デバイス144は、マテリアルハンドリング施設内でピッキングアイテムに対する1つ又はそれ以上の送り先のリストを制御システムから受け取り、表示することができる。次に、エージェント142は、指示送り先に対するレセプタクル100を収集し、これらをカート上に置くことができる。レセプタクル100を送り先に割り当てるために様々な方法のいずれかを用いることができる。
【0052】
モート102を、各レセプタクル100に結合することができる。一実施形態では、図3に示すように、モート102を、レセプタクル100の上縁部又はその近傍に位置付けることができ、或いはレセプタクル100の外周部に組み込むことができる。一実施形態では、センサをモート102と一体化し、レセプタクル100の内側の事象、例えばレセプタクル100内へのピッキングアイテムの収納を感知することができる。他の実施形態では、センサをモート102に組み込むのではなく、レセプタクル100上でモート102から離間して、例えばレセプタクル100の反対側の上縁部上にセンサを位置付けることができる。レセプタクル100の上縁部又はその近傍にモート102を装着することによって、レセプタクル100が入れ子状に積み重なったときにモート102が見えるようにすることが可能になる。他の実施形態では、モート102とセンサは、存在する場合には、図示する位置ではなくレセプタクル100の内側又は外側の他の位置、すなわち、レセプタクル100の上縁部又は側部又は底部の他の場所のいずれかに位置付けることができる点に留意されたい。
【0053】
一実施形態では、各レセプタクル100に、バーコード、無線周波数識別(RFID)タグ、シリアル番号、及び/又はマテリアルハンドリング施設内のレセプタクルの中からレセプタクル100を一意的に識別する他の呼称(商標名を含む)を用いてマーキング又はタグ付けすることができる。同様にレセプタクル100に取り付けられたモート102にこの一意の識別子を割り当てることができ、モート102をレセプタクル100と関連付けるために制御システムがこの識別子を用いることができる。一実施形態では、エージェント142は、マテリアルハンドリング施設内のレセプタクル100の収納場所からレセプタクル100を選択することができ、エージェント142がレセプタクルの一意の識別子を通信デバイス144内にスキャンし、又は他の方法で入力することができる。次に、制御システムは、その特定のレセプタクル100を特定の送り先と関連付けることができる。この処理は、通信デバイス144上でエージェント142に対して示された各送り先について繰り返すことができる。或いは、各送り先に対して1つのレセプタクル100を選択してカート110上に置くことができ、次いで、エージェントは、各レセプタクルをスキャンし、送り先をレセプタクル100に割り当てることができる。一実施形態では、カート110上に置いたレセプタクル100を特定の順序(例えば左から右)でスキャンすることができ、レセプタクル100への送り先の割り当てをエージェント142に呈示された送り先リストに対応して実施することができ、例えば、一番左又は最初にスキャンしたレセプタクル100を第1の送り先に割り当て、次の又は2番目にスキャンしたモート100を第2の送り先に割り当てる、以下同様である。或いは、エージェントは、前回のピッキングセッションから手押しカート110上に1つ又はそれ以上のレセプタクル100を既に有している場合があり、次回のピッキングセッションに対してレセプタクルを異なる送り先に割り当て直すことによって、カート110上のレセプタクル100の1つ又はそれ以上を次回のピッキングセッションにおいて再使用することができる。
【0054】
幾つかの実施形態では、選択したレセプタクル100は特定の送り先に最初に割り当てなくてもよい。その代わり、例えば、ある送り先に対して最初にピッキングされたアイテムをレセプタクル100内に収納したことがレセプタクル上のセンサによって検出された時に、レセプタクル100をその送り先に割り当てることができる。或いは、エージェント142がある送り先に対して最初のアイテムをピッキングしスキャンすると、エージェント142は、カート110上の空のレセプタクル100の一意の識別子をスキャン又は他の方法で入力することができ、次いで、レセプタクル100をこの送り先に割り当てることができる。その後、その送り先に対してピッキングしたアイテムをスキャンすることによって、その送り先に割り当てられたレセプタクル100上のモート102を起動させることができる。一実施形態では、例えば、ピッキングした特定のアイテムがカート上のレセプタクル100に既に割り当てられているピッキング送り先のいずれに向かうものではない場合には、エージェント142は、カート上の1つ又はそれ以上の非割り当てレセプタクルからこの特定のアイテムを収納するレセプタクル100を選択することができる。次に、エージェント142は、通信デバイス144を介して、図9の制御システム190のような制御システムと対話し、レセプタクル100をアイテムの送り先に割り当てることができる。この送り先に対してピッキングされる後続のアイテムは、レセプタクル上のモート102と対話する制御システムによって示されたレセプタクル100内に収納することができる。一実施形態では、エージェント142は、レセプタクル100に割り当てられた送り先を無効にさせ、その代わりに、場合によっては非割り当ての異なるレセプタクル、例えば、送り先に割り当てられたレセプタクルの大きさが不十分である場合にはより大きなレセプタクル、もしくはアイテムの送り先に割り当てられたレセプタクルがそのアイテムに対する十分なスペースが無い場合には場合によっては非割り当ての空のレセプタクルにピッキングアイテムを収納させることが可能である。次いで、エージェント142は、通信デバイス144を介して制御システムと対話し、レセプタクル100を、アイテムに対する送り先に割り当てることができる。次に、その送り先に対してピッキングされた後続のアイテムは、レセプタクル上のモート102と対話する制御システムによって示されるアイテムと共にレセプタクル100内に収納することができる。
【0055】
種々のアイテムをピッキングする命令を受け取るのに応答して、エージェント142は、最初の指示ピッキングモジュール(或いは、代替的に、指示ピッキングモジュールが制御システムによって具体的に順序付けされていない場合には、最も近い指示ピッキングモジュール)に手押しカート110を進めることができる。指示ピッキングモジュールでは、エージェント142は、指示ピッキングモジュールから指示アイテムの事例を選択することができる。例えば、エージェント142は、ビン、パレット、シュート、又はピッキングモジュールの他の構成体からアイテムを取り出すことができる。場合によっては、エージェント142はまた、アイテムの状態を検査し、アイテムが適切な状態にある(例えば、汚れていない、損傷が無い、未開封である、適切な有効期限を有する、又は他の何らかの基準セットを満たす)場合にのみそのアイテムを選択することができる。
【0056】
在庫内のアイテムは、限定ではないが、ピッキング、仕分け、梱包を含むマテリアルハンドリング施設業務を容易にするために、バーコード、無線周波数識別(RFID)タグ、万国製品コード(UPC)、最小在庫保管単位(SKU)コード、シリアル番号、及び/又は他の名称(商標名を含む)を用いてマーキング又はタグ付けされることができる。これらの呼称又はコードは、タイプによってアイテムを識別することができ、及び/又はあるタイプのアイテムの中で個々のアイテムを識別することができる。一実施形態では、アイテムがピッキングされると、エージェント142は、通信デバイス144においてピッキングアイテムのコードをスキャンし、又は他の方法で入力することができる。或いは、エージェントは、アイテムに対応する通信デバイス144上のボタン又は他の機構を選択し、アイテムをピッキングしたことを示すことができる。次いで、通信デバイス144は、図9の制御システム190等の制御システムにメッセージを送信し、ピッキングアイテムを指示することができる。次に、制御システムは、その送り先に割り当てられたレセプタクル100上のモート102のインジケータを起動することができる。レセプタクル100上にセンサを含む実施形態では、センサは常に動作状態であり、感知した事象を制御システムに、及び/又はエージェントの通信デバイスを介してエージェントに通信し続けることができる点に留意されたい。一実施形態では、手押しカート110、各レセプタクル100、又は通信デバイス144は、近接検出機構を含むことができ、この機構は、ピッキングされたアイテムがその機構の範囲内にある場合に各アイテム上のRFIDタグを検出することができる。次に近接検出機構は、アイテムに関する情報を制御システムに中継することができ、次いで、制御システムは、アイテムの送り先に割り当てられたレセプタクル100上のモート102のインジケータを起動させることができる。
【0057】
幾つかの実施形態では、インジケータは、エージェントによってアイテムがピッキング及び/又はスキャンされる前に、例えばピッキングされることになる次のアイテムが分かり次第起動される。アイテムがピッキング及び/又はスキャンされる前にインジケータを起動することによって、1つ又はそれ以上の利点を得ることができる。1つの利点は、例えば、アイテムをピッキングする時にエージェントがカートの最適な側に立っていることを確認することによって、アイテムのピッキング前に特定の指示レセプタクル100内にアイテムを収納する準備をエージェントが物理的に開始することができる点である。別の利点は、アイテムのスキャン後に起動されることになる送り先レセプタクル上のインジケータをエージェントに待機させるのではなく、レセプタクル上のインジケータを起動するメッセージをそのインジケータに届ける際に発生する可能性のあるネットワーク遅延をエージェントがアイテムをピッキングしている間に吸収することができる点である。一実施形態では、例えば、エージェント142がピッキングセッションを開始すると、ピッキングされることになる最初のアイテムに対する送り先レセプタクルであるレセプタクル100上のインジケータを起動することができる。そのアイテムがピッキングされ、指示されたレセプタクル100内に収納された後、ピッキングされることになる次のアイテムに対する送り先レセプタクルであるレセプタクル上のインジケータを起動することができ、以下同様である。別の実施形態では、エージェント142は、ピッキングされることになる次のアイテムをそのエージェントが携帯する通信デバイスのユーザインターフェース上で選択することができる。通信デバイスは、この情報を制御システムに通信することができ、次いで、その制御システムは、このアイテムの送り先レセプタクル100上のモート102に対して、レセプタクル上のインジケータを起動するようにメッセージを送信することができる。或いは、通信デバイスは、インジケータを起動するように送り先レセプタクル上のモートに直接メッセージを送信することができる。更に別の実施形態では、上記に説明したような近接検出機構は、ストック保管庫又はマテリアルハンドリング施設内の他の何らかの場所においてピッキングされるアイテムのための保管区域にカートが近接した時点を検出し、送り先レセプタクル上のインジケータを起動させることができる。他の実施形態では、他の機構を用いて、エージェントによってアイテムがピッキング及び/又はスキャンされる前に送り先レセプタクル上のインジケータを起動させることができる。例えば、一実施形態では、アイテムが配置される保管ビンは、アイテムをピッキングする時のエージェントの動きを検出し、この情報を制御システムに中継する動作検出器を含むことができる。次いで、制御システムは、このアイテムに対する送り先レセプタクル上のモートにインジケータを起動するようメッセージを送信することができる。別の例として、一実施形態では、制御システムは、マテリアルハンドリング施設内でのエージェント、カート、及び/又はレセプタクルの位置を追跡することができ、エージェント/カートがピッキングされるアイテムの位置又はその近傍にいるときにレセプタクル上のモートにレセプタクル上のインジケータを起動するようにメッセージを送信することができる。
【0058】
一実施形態では、通信デバイス及び/又は制御システムは、ピッキング中の現在のアイテムに対する正しいレセプタクルにおける動きを適切なセンサが感知したことの確認通知を受け取るまで、ピッキングされることになる後続のアイテムについての指示をエージェントに与えなくてもよい。或いは、正しくないレセプタクルにおいてセンサによって検出された動きにより例外が発生するか、さもなければエラーが解決されるまでエージェントがピッキングセッションを継続するのを阻止することができる。
【0059】
送り先に対する最初のアイテムがピッキングされるまでは、レセプタクルが送り先に割り当てられない幾つかの実施形態では、ピッキングアイテムが特定の送り先に対する最初のアイテムである場合には、上記に説明したようないずれかの方法を用いて、送り先に対するカート110上のレセプタクル100の割り当てを実施することができる点に留意されたい。次いで、エージェント142は、ピッキングアイテムをカート102上の指示レセプタクル100内に収納することができる。センサを含む実施形態では、レセプタクル100内へのアイテムの収納を検出することができ、そのアイテムがレセプタクル内に収納されたことを制御システムに通知することができる。センサは、正しい又は正しくないレセプタクル100内へのアイテムの収納を検出することができ、制御システムは、アイテムが収納されたレセプタクル100上のモート102を起動し、正しい(又は正しくない)レセプタクル100内にアイテムが収納された場合にエージェント142に信号で伝えることができる点に留意されたい。レセプタクル100内にアイテムを収納した後、これまでに説明したいずれかの方法を用いてモート102を停止させることができる。次いで、エージェント142は、ピッキングされるアイテムリスト上の各アイテムについてピッキング処理を繰り返すことができる。
【0060】
エージェント142は、エージェントに割り当てられた全ての送り先に対して全ての指示アイテムをピッキングした後、カート102上の各レセプタクル100をその割り当てられた送り先に送ることができる。制御システムは、通信デバイス144を介してエージェント142と通信し、エージェントを各レセプタクル100に対する送り先に誘導することができる。一実施形態では、エージェントがステーションに接近すると、制御システムは、そのステーションが送り先として割り当てられた、エージェントのカート上の1つ又はそれ以上のレセプタクルを検出し、レセプタクル上のインジケータを起動させて、レセプタクルがそのステーションに送られることになることをエージェントに示すことができる。或いは、マテリアルハンドリング施設は、コンベヤベルト等の搬送機構を含むことができ、エージェントは完了したレセプタクル100をこの上に誘導することができる。次いで、搬送機構は、マテリアルハンドリング施設内の送り先として割り当てられたステーションにレセプタクル100を送ることができる。一実施形態では、搬送機構を、マテリアルハンドリング施設制御システムによって指示された正しい送り先(ステーション)にレセプタクル100を自動的に送るように構成することができる。例えば、搬送機構が、各レセプタクル100の一意の識別子をスキャン又は検出し、制御システムは、レセプタクル100がどの送り先に送られることになるかに関して搬送機構に指示する。一実施形態では、搬送機構は、レセプタクル100上のモート102と通信し、レセプタクル100に対する送り先を制御システムによって指示された通りに判断するように構成されてもよい。他の実施形態では、ステーションの他のエージェントは、搬送機構上のレセプタクル100をスキャン又は入力し、レセプタクル100がそのステーションに割り当てられているかどうかを制御システムによって指示された通りに判断することができる。或いは、レセプタクルが搬送機構上でステーションに接近すると、制御システムは、レセプタクルがその送り先としてそのステーションに割り当てられていることを検出し、更に、レセプタクルがそのステーションに向けたものであることをそのステーションのエージェントに示すためにレセプタクル上のインジケータを起動することができる。
【0061】
レセプタクル100内のアイテムの処理が完了した後、更なる処理のために別のステーションにアイテムを送ることができる。例えば、手作業又は自動仕分けステーションにおいてアイテムをそれぞれの注文に仕分けて、次いで、1つ又は複数の梱包ステーションに送る。別の例として、アイテムを、ギフト包装ステーションにおいてギフト包装し、次いで、それぞれの注文に仕分けされる仕分けステーションに送ることができる。一実施形態では、処理したアイテムは、レセプタクル100に戻すか、或いは異なる1つ又は複数のレセプタクル100に収納することができ、その後、制御システムによりレセプタクル100内のアイテムに対する次の1つ又は複数のステーションに送ることができる。幾つかの実施形態では、レセプタクル100上のモート102、インジケータ、センサは、レセプタクルの1つ又はそれ以上の下流ステーションにおける処理を容易にするために、ピッキング処理について本明細書で説明する機能以外の他の機能を制御システムの指示の下で実行するように構成されることができる点に留意されたい。
【0062】
通信デバイス144の多くの異なる実施形態が実施可能であり企図される。幾つかの実施形態では、通信デバイス144は、オペレーティングシステム及び1つ又はそれ以上のアプリケーションを実行するように構成された携帯汎用コンピュータシステムを含むことができ、他の実施形態では、通信デバイス144は、カスタマイズされたソフトウェアアプリケーションを実行するように構成された埋め込みコンピュータシステムを含むことができる。種々の実施形態では、通信デバイス144は、様々なサイズと解像度のビデオディスプレイ、オーディオ入力/出力性能(例えば音声通信)、光(例えばバーコード)スキャンデバイス、RFID検出器、無線又は有線ネットワークインターフェース、或いはこれらの様々な組み合わせ等の多くの異なるインターフェース機構をサポートすることができ、これらは、通信デバイス144内に直接組み込むことができ、又は通信デバイス144とインターフェース接続された別個のデバイスにより実装することができる。
【0063】
幾つかの実施形態では、エージェント142の行動は、自律ロボットによって部分的に又は完全に実行することができる。例えば幾つかの実施形態では、アイテムピッキング及び移送を両方共、ロボットによって実行することができ、これに対し他の実施形態では、人間のピッカーとは関係なくロボットによる手押しカート110が作動している間、人間の従業員によってアイテムをピッキングすることができる。或いは、手押しカート110は、コンベヤベルト、軌道カート、AGV(無人搬送車)、車輪付き棚ユニット等のような他の搬送システムと置き換えることができ、或いは、エージェント142によっては、手押しカート110を用いることなく1つ又はそれ以上のレセプタクル100を運ぶことができる。上述のように、手押しカート110を用いる実施形態では、レセプタクル100の構成は様々な実施形態によって変わる可能性がある。例えば、手押しカート110は、図示よりも多く又は少なくレセプタクル100を有することができ、レセプタクル100は、カート上の様々な高さでレセプタクル100に接近し易くするためにレセプタクル100の装着角度を変えることによるなど、様々な方式で配列される。
【0064】
一実施形態では、図9の制御システム190のような制御システムは、例えばGPSシステムを用いるか、又は近接検出器を用いた近接検出及び/又はアドホックネットワーク内の他のモートを通じて施設内のモートの位置の検出を可能にすることができる。この実施形態では、制御システムは、各レセプタクル100又はモートが取り付けられた他の構成要素がマテリアルハンドリング施設内でどこに配置されているかを近似的に検出可能にすることができる。一実施形態では各カート110は、カートに結合されたモートを有することができ、制御システムは、マテリアルハンドリング施設においてカート上のモートを介して各カート110の場所、従ってエージェント142を追跡することができる。制御システムは、この位置情報を用いて、ピッキング処理においてエージェント142を誘導することができ、例えば、レセプタクル上のインジケータを起動する要求メッセージを送信することによって、ピッキングすべきどのアイテムが近くにあるかを示し、又は別の位置にエージェント142を誘導して1つ又はそれ以上のアイテムをピッキングし、或いは1つ又はそれ以上のレセプタクル100をそのレセプタクルに割り当てられた送り先の近くのステーションで降ろすべきであることをエージェント142に示すことができる。或いは、マテリアルハンドリング施設内のエージェント142の位置は、エージェントの通信デバイス144を用いて追跡することができる。
【0065】
図4は、一実施形態によるレセプタクル上のモートについての例示的な構成を示すブロック図である。モートのコア104は、無線通信性能を備えた本質的に極めて小さな低コスト低出力のコンピュータである。モートコア104の構成要素は、限定ではないが、CPU、メモリ、無線送信器/受信器等の通信インターフェースなどを含む。コア104は、限定ではないが、バッテリ又は他の電源(図示せず)、アンテナ106、インジケータ160、1つ又はそれ以上のセンサ(図示せず)を含む1つ又はそれ以上の他の構成要素に結合される。インジケータ160は、本明細書で説明する制御システムの指示の下で複数の送り先に対するピッキングを可能にするために、マテリアルハンドリング施設のピッキングエージェントと視覚的及び/又は可聴的に通信する1つ又はそれ以上の照明灯、LED、LCD、又は他の機構を含む。これらの構成要素の全ては、レセプタクルの内側又は外側に取り付けることができる小さなパッケージであるモート102内に一緒にパッケージ化される。モート102は、本明細書で説明する複数送り先ピッキング処理の機能のような、望ましい1つ又は複数の機能をモートが行うのを構成するようにプログラムすることができる。
【0066】
図4は、インジケータ160が2つの照明灯162A、162Bを含む実施形態を示している。他の実施形態では、1つ又は2つよりも多くの照明灯を含んでもよい。一実施形態では、モート102は、レセプタクルの内側の動き、例えばレセプタクル内のアイテムの収納を検出するために組み込みセンサ(図示せず)を含むことができる。他の実施形態では、レセプタクルは、有線又は無線接続によってモート102に結合されるが組み込まれてはいないセンサを含むことができる。2つの照明灯162を有する実施形態では、例えば第1の照明灯(照明灯162A)を、レセプタクルがピッキングアイテムに対する送り先レセプタクルであることを示すのに起動されるように構成することができ、第2の照明灯(照明灯162B)を、間違ったレセプタクル内へのアイテムの収納を示し、及び/又は正しいレセプタクル内へのアイテムの収納を示すのに起動されるように構成することができる。照明灯は、必須ではないが、異なる色、例えば緑と赤、或いは緑と黄色とすることができる。あらゆる色又は色の組み合わせを用いることができる。1つの照明灯162を有する実施形態では、照明灯は、例えばレセプタクルがピッキングアイテムに対する送り先レセプタクルであることを示すために連続的に点灯するか、或いは点滅又は明滅するように構成することができる。幾つかの実施形態では、単一の照明灯は正しい又は正しくないレプタクル内へのアイテムの収納を示すように構成することができる。例えば照明灯は、正しい及び/又は正しくないレセプタクル内への収納を示すために色を変更するように構成することができ、異なる色が正しい又は正しくない収納を示す。代替的又は追加として、照明灯を、正しい及び/又は正しくないレセプタクル内へのアイテムの収納を示すために異なる速度で点滅又は明滅するように構成することができる。幾つかの実施形態では、可聴信号を用いて、正しい及び/又は正しくないレセプタクル内へのアイテムの収納を示すことができる。
【0067】
図5Aは、一実施形態に従ってレセプタクル(例えばトート)の外側に取り付けられた図4に示すモートを示している。モート102は、レセプタクル100上の他の場所、例えば外側の代わりに内側に取り付けることができる点に留意されたい。またモート102は、本明細書で説明するように(正しい又は不正な)レセプタクル内へのアイテムの収納を検出するために動作検出器又はRFIDセンサのようなセンサ180に結合される。センサ180は、有線又は無線接続を介してモート102に結合される。一実施形態は、レセプタクル100に取り付けられた異なるモートをセンサ180に結合し、モート102及び/又は図9の制御システム190のような制御システムにセンサデータを通信するように、構成されてもよい。モート102、センサ180、レセプタクル100は、必ずしも一定の縮尺で図示しておらず、モート102は通常は、レセプタクル100と比較して極めて小さい点に留意されたい。
【0068】
図4及び5Aは、モートコア104に隣接するインジケータ160を示している。幾つかの実施形態では、インジケータ160は、コア104に隣接していなくてもよく、その代わりに、レセプタクル100上でコア104からある程度離れた位置に配置することができる点に留意されたい。
【0069】
図5Bは、図5Aに示す例示的なモートやレセプタクルなどの、モートを含むレセプタクルを示しており、そこに例示的なアイテムが保管されている。アイテム170は、バーコード、RFIDタグ、又は他のタイプのコードとすることができるアイテムコード(IC)172を含む。幾つかのタイプのアイテムでは、アイテムコード172は、アイテム170の各個々の具体例を一意的に識別することができ、一意のシリアル番号と類似のものであり、一方、他のアイテムでは、アイテムコード172は、アイテム170のタイプのみを一意的に識別することができる。一実施形態では、アイテムコード172は、ピッキング時にエージェントがスキャンするか、さもなければ通信デバイスに入力することができる。スキャンしたアイテム170が収納されることになる、特定の送り先に対する特定のレセプタクル100の識別は、レセプタクル100内にアクティブ技術(モート102)を組み込むことによって可能とすることができる。モート102は、発光ダイオード(LED)等のインジケータだけでなく、無線ネットワークインターフェース等の通信インターフェースを含む。特定のモート102が通信インターフェースを介してメッセージを受け取ったときにモートがインジケータデバイスを応答可能に起動することができるように、各モート102は、一意のコード又は識別子によって識別される。例えば、一実施形態では、エージェント142がアイテム170のアイテムコード172をスキャンするのに応答して、制御システムはモート102にメッセージを送信することができ、これにより、モートにLEDを照明させ、アイテムに対する特定の送り先に割り当てられたレセプタクル100内にアイテムを収納すべきであることをエージェント142に示す。幾つかの実施形態では、モート102を、例えば、動作検出器、RFIDセンサ、又は他の技術を用いて、アイテム170がレセプタクル100内に収納された時点を検出するように更に構成することができる。
【0070】
一実施形態では、マテリアルハンドリング施設内のトート、ビン、バスケット、棚等の1つ又はそれ以上の容器を、同じ又は異なるサイズの2つ又はそれ以上の区画に仕切り又は細分化し、各区画を特定の送り先に割り当てることができる、ピッキングアイテムを受け取るためのレセプタクルとすることができる。この実施形態では、図5Cに示すように、仕切り容器内の各区画又はレセプタクル100がモート102を含む。各モート102は、モートを、従ってそのモート102が取り付けられるレセプタクル100を一意的に識別する識別子を割り当てられる。一実施形態では、仕切り容器内の各レセプタクル100は、制御システムがマテリアルハンドリング施設内の異なる送り先に割り当てられ、そのレセプタクル100内のモート102は、ピッキングを実行するエージェントが仕切りのない容器について本明細書で説明される方法と同様の方法を用いてピッキングアイテムを収納すべき正しいレセプタクル100を示すために起動される。例えば、エージェントがアイテムをピッキングし、スキャンする時に、制御システムは、エージェントが用いているカート上の仕切り容器の特定のレセプタクル100内のモートに取り付けられたインジケータ上のLEDを点灯することによって応答する。各レセプタクル100はまた、本明細書の他の箇所で仕切りのない容器について説明したように、レセプタクル100内のアイテムの収納を検出するためにセンサを含むことができる点に留意されたい。
【0071】
一実施形態では、仕切り容器の各レセプタクル100がモート102を含むのではなく、各仕切り容器が、他のモート、制御システム、その他との通信を扱う1つの「親」モートを含み、各レセプタクル100が、有線又は無線機構を介して容器上の「親」モートと通信するインジケータ及び/又はセンサを含むようにすることができる。一実施形態では、仕切り容器が、結合又は組み込まれたインジケータを備える1つのモートを含み、各レセプタクル100がモートと通信するセンサを含む。この実施形態では、レセプタクル100内のセンサは、アイテムがレセプタクル100内に収納される時点を感知して、この情報をモートに通信することができ、次いで、そのモートはこの情報を制御システムに中継することができる。次に制御システムは、アイテムが正しいレセプタクル100か又は正しくないレセプタクル100のいずれに収納されたかを示すためにインジケータを起動するメッセージをモートに送信することができる。幾つかの実施形態では、容器上にはインジケータがなくてもよい点に留意されたい。これらの実施形態では、アイテムが正しいレセプタクル100又は正しくないレセプタクル100のいずれに収納されたかをエージェントに信号で伝える他の何らかの方法を用いることができる。例えば、制御システムは、エージェントが携帯する通信デバイスを介してエージェントにその情報を通信することができる。また、各レセプタクル100がインジケータを含まない実施形態では、どのレセプタクル100が送り先に割り当てられるかに関してエージェントに指示する他の何らかの方法を用いることができる点に留意されたい。一実施形態では、この情報は、エージェントが携帯する通信デバイスのユーザインターフェースを介してエージェントに提供することができる。例えば、カート上で2つ又はそれ以上の容器を既知の順序で配列することができ、各レセプタクル100に番号を付けることができる。制御システムは、例えば、通信デバイスを介してピッキングされるアイテム又はピッキングアイテムが、カートの先頭から2番目の行で左から1番目の容器の最前部から2番目のレセプタクル100に収納すべきであること(例えば「容器2Aのレセプタクル2にアイテムXを収納」)をエージェントに示すことができる。
【0072】
図6は、一実施形態によるモートとセンサを含むがインジケータを含まないレセプタクルを示している。この実施形態では、各レセプタクルはモート102に組み込まれるか又はこれに結合されたセンサ180(例えば動作検出器又はRFIDセンサ)を含むことができ、センサ180は、アイテムがレセプタクル内に収納された時点を感知し、且つアイテムが正しいレセプタクル内に収納されたことを検証するのに用いられる。一実施形態では、センサ180を、モート102と通信して、レセプタクル100の中にアイテムが収納されたことを検出した時に制御システムにメッセージを送信するように構成することができる。一実施形態では、センサ180を、レセプタクル100上のモート102に組み込むことができる。他の実施形態では、センサ180を、レセプタクル100上のモート102から分離することができる。センサ180を用いて、正しいレセプタクル内へのアイテムの収納、及び幾つかの実施形態では正しくないレセプタクルへのアイテムの収納を検出することができる。
【0073】
この実施形態では、どのレセプタクル100がアイテムに対する送り先レセプタクルであるかについてエージェントに示すために、レセプタクル上のインジケータ以外の他の何らかの方法を用いることができる。例えば、カート上のどのレセプタクルがピッキングされるアイテム又はピッキングアイテムに対する送り先レセプタクルであるかに関する指示は、エージェントが携帯する通信デバイスのユーザインターフェースを通じてエージェントに提供することができる。一実施形態では、エージェントがレセプタクル100内にピッキングアイテムを収納する時に、レセプタクル100上のセンサ180は、レセプタクル内へのアイテムの収納を検出し、この情報をモート102に通信する。次にモート102は、この情報を図9の制御システム190等の制御システムに中継することができ、次いで、制御システムは、エージェントが携帯する通信デバイスのユーザインターフェースを通じて、アイテムが正しいレセプタクル又は正しくないレセプタクルのいずれに収納されたかをエージェントに示すことができる。
【0074】
一般的に、モート、センサ、インジケータは安価で数が多いので、これらは時折故障する可能性があり、従って、いくつかの実施形態は、耐障害性を有し、モート、センサ、及び/又はインジケータが故障したか又は偽情報を提供しただけの理由では故障しないように設計される。例えば、上記の実施形態の幾つかにおいて用いられる一部のタイプのセンサは「不正確」なものである可能性がある。動作検出器を用いる(例えばRFIDセンサの代わりに)場合には、センサは、レセプタクル内に特定のアイテムが収納されたか否かを見分けることができない可能性があり、アイテムがレセプタクル内に収納されたことだけを検出可能とすることができる。加えて、幾つかのセンサは、ある特定の状況において「偽陽性」を生じる可能性があり、すなわち、例えば、レセプタクルを押すと、そのレセプタクル中にこれまでピッキングしていたアイテムを移動させる可能性があり、この移動がセンサにとっては新しいアイテムがレセプタクル内に収納されるのと同じ様に見えることになり、偽陽性の読み取りを発生させる。別の例として、エージェントは、1つのレセプタクルで物理的に作業している間に別のレセプタクルの動作検出器を偶発的に起動させる可能性があり、これによってゼロ又は1つの真陽性の読み取りに関連して1つ又はそれ以上の偽陽性の読み取りを生じる可能性がある(実際にアイテムが収納されたレセプタクル内のセンサは、正確に読み取る場合もあれば、読み取らない場合もあるため)。更に別の例として、エージェントは、最初にアイテムを間違って1つのレセプタクルに収納し、次いでこのアイテムを取り出して別のレセプタクルに収納する場合がある。実施形態では、「偽陽性」の発生等のセンサにおける不正確さを検出し、修正するのを助ける様々な機構を含むことができる。
【0075】
偽陽性の発生を含む、センサの不正確さに関するこれらの問題に対する1つの解決策は、冗長性を組み込むことである。冗長性はまた、モート、センサ、又はインジケータの障害等の他の発生可能な問題を防止又は解決するのにも役立つであろう。組み込み冗長性はまた、間違ったレセプタクルへのアイテムの収納を低減又は排除するのを助けることができる。例えば、どのレセプタクルにアイテムを収納するかをエージェントに示すためにレセプタクル上のインジケータを用いる一実施形態では、どのアイテムをピッキングすべきか、そのアイテムをピッキングするためにどこへ行けばよいか、その他に関してエージェントに指示する通信デバイスは、ピッキングアイテムを収納するにはどのレセプタクルが正しい送り先レセプタクルであるかに関してエージェントに指示する冗長情報を提供することができる。モート上のインジケータが点灯できない場合には、エージェントは、通信デバイスからどのレセプタクルにアイテムを収納すべきかを知ることができる。別の例として、送り先レセプタクル上のセンサが、レセプタクル内へのアイテムの収納を検出及び/又は報告できず、他のレセプタクルのセンサの全てもまた、他のレセプタクルのいずれかに収納されたアイテムを検出又は報告しておらず、エージェントが通信デバイスを通じてアイテムのピッキングと収納が完了したことを示しており、現時点でアクセス可能なレセプタクルの全てにおけるセンサが直近に作動していたことが認識されている場合には、正しいレセプタクルのセンサがアイテムの収納を検出又は報告できなかったことの方が、正しくないレセプタクルのセンサが事象を検出/報告できず、且つピッカーがまさにこのトランザクション中に収納においてエラーを生じたことよりも可能性が高い場合が多いであろうことに起因して、制御システムは、ピッキングアイテムが正しい送り先レセプタクル内に収納されたと推定することができる。
【0076】
幾つかの実施形態では、レセプタクル上の冗長モート、センサ、及び/又はインジケータを用いることができる。これらの実施形態では、1つより多いモート、センサ、及び/又はインジケータがあってもよく、1つのモート、センサ、及び/又はインジケータが第1のものとして働き、他のものは第1のものが機能しない場合の「バックアップ」として働く。他の実施形態では、上記に説明したように、アイテムに対して正しい送り先レセプタクルを冗長的に表示するのに用いられる通信デバイス等の他の冗長機構を用い、及び/又は、センサがレセプタクル内へのアイテムの収納を検出及び/又は報告できない場合でもアイテムが正しいレセプタクル内に収納されたことを確かに推定されると判断するのに用いられるロジックのような冗長ロジックを用いることができる。
【0077】
図7と図8は、実施形態による完成したレセプタクルを複数の送り先に配送することを例示している。図7では、ピッキングを実行するエージェント142が、そのエージェントに割り当てられた全ての送り先に対して全ての指示アイテムをピッキングした後、エージェント142は続いて各レセプタクル100をその割り当てられた送り先150に配送することができる。制御システムは、通信デバイスを介してエージェント142と通信し、各レセプタクル100に対する送り先150にエージェントを誘導することができる。2つ又はそれ以上のエージェント142は、アイテムのピッキング及び/又は送り先150への完了したレセプタクル100の配送を同時に実行することができ、各エージェントは、マテリアルハンドリング施設内の同じ又は異なる送り先150のうちの1つ又はそれ以上に対してアイテムをピッキングするか、又は完了したレセプタクル100を配送する点に留意されたい。
【0078】
図8に示すように、マテリアルハンドリング施設は、コンベヤベルト等の搬送機構200を含むことができ、各エージェント142はこの上に完成したレセプタクル100を誘導することができる。次いで、搬送機構200は、マテリアルハンドリング施設内の送り先150(ステーション)にレセプタクル100を配送する。一実施形態では、搬送機構200は、マテリアルハンドリング施設制御システムによって指示された正しい送り先150にレセプタクル100を自動的に配送するように構成されてもよい。例えば、搬送機構200は、各レセプタクル100の一意の識別子をスキャンするか、さもなければ検出することができ、制御システムは、どの送り先150(ステーション)にレセプタクル100を配送すべきかに関して搬送機構200に指示する。一実施形態では、搬送機構200は、レセプタクル100上のモート102と通信し、制御システムによって指示されたようにレセプタクル100に対する送り先150を決定するように構成される。他の実施形態では、送り先150(ステーション)の他のエージェント(例えば梱包ステーションのパッカー、又は仕分けステーションのエージェント)は、搬送機構200上のレセプタクル100をスキャンするか、さもなければ入力し、制御システムによって指示されたようにレセプタクル100がそのステーションに宛てられているかどうかを判断することができる。
【0079】
図7、8の両方において、送り先150に配送されたレセプタクル100でのアイテム処理の完了後、追加の処理のためにアイテムを別のステーションに配送することができる。例えば、アイテムは、手作業又は自動仕分けステーションにおいてそのアイテムのそれぞれの注文に仕分けされ、次いで、1つ又は複数の梱包ステーションに配送される。別の例として、ギフト包装ステーションにおいてアイテムをギフト包装し、その後、それぞれの注文に仕分けされる仕分けステーションに配送される。一実施形態では、処理したアイテムを、レセプタクル100に戻すか、或いは代替として1つ又は複数の異なるレセプタクル100に収納することができ、次いで、そのレセプタクルは、制御システムによってレセプタクル100内のアイテムに対する次の1つ又は複数のステーションに割り当てるられる。幾つかの実施形態では、レセプタクル100上のモート102、インジケータ、センサは、1つ又はそれ以上の下流ステーションにおける処理を可能にするために、ピッキング処理について本明細書で説明する機能以外の他の機能を制御システムの指示の下で実行するように構成することができる点に留意されたい。
【0080】
図9は、一実施形態によるモートを備えたレセプタクルと制御システムを実装する例示的なマテリアルハンドリング施設の業務を示す。この実施形態では、マテリアルハンドリング施設の少なくとも一部の業務は、マテリアルハンドリング施設制御システム190によって指示、制御、監視、及び/又は記録される。制御システム190は、限定ではないが、ピッキング、仕分け、梱包、出荷のうちの1つ又はそれ以上を含む、マテリアルハンドリング施設の様々な業務において、マテリアルハンドリング施設の従業員(エージェント142等)に指示するように構成されたハードウェア及びソフトウェアを含むことができる。制御システム190のハードウェアは、限定ではないが、パーソナルコンピュータシステム、デスクトップコンピュータ、ラップトップ又はノートブックコンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、ネットワークコンピュータ、記憶装置システム、プリンタ、又は他のデバイスを含む、種々のタイプのデバイスのいずれかの1つ又はそれ以上を含むことができるがこれらに限定されない。
【0081】
通信デバイス144は、例えば無線通信、無線ネットワーク、及び/又は有線通信プロトコルを介して制御システム190と通信し、マテリアルハンドリング施設内の複数の送り先に対してアイテムをピッキングする間に実行されることになる行動の内容に関して制御システム190からエージェント142に命令を伝送するように構成される。通信デバイス144は、限定ではないが、ハンドヘルドデバイス、エージェント142が身に着けるか又はエージェント142に取り付けられるデバイス、並びに手押しカート、ビン、トート、ラック、棚、テーブル、作業台等のマテリアルハンドリング施設のいずれかの移動体又は固定機器に組み込まれるか又は装着されたデバイスのうちの1つ又はそれ以上を含むことができる。通信デバイス142は、限定ではないが、パーソナルコンピュータシステム、デスクトップコンピュータ、ラックマウントコンピュータ、ラップトップ又はノートブックコンピュータ、ワークステーション、ネットワークコンピュータ、「ダム」端末(統合処理能力が僅かか又は全く有さないコンピュータ端末)、携帯情報端末(PDA)、又は他のハンドヘルドデバイス、専有デバイス、プリンタ、或いは制御システム190との通信に好適な他の何らかのデバイスのうちの1つ又はそれ以上を含むことができる。一般に、通信デバイス144は、制御システム190と通信して、エージェント142に命令を伝送することができるいずれかのデバイスとすることができる。一実施形態では、通信デバイス144は、在庫内のアイテム132のコードを含む、マテリアルハンドリング施設内の様々な構成要素のコード又は識別子をスキャンし、さもなければ読み取り又は受け取り、且つピッキング処理においてエージェント142に指示する際に使用する制御システム190に入力したコードを通信するように構成されることができる。通信デバイス144によってスキャン、さもなければ読み取り又は受け取りを行うことができるこうしたコード又は識別子を含むことができる構成要素は、限定ではないが、アイテム132、注文、仕分け又は他のステーション、ビン、トート、仕切りトートの区画、更にはエージェントのうちの1つ又はそれ以上を含むことができる。
【0082】
ピッキングにおいて、一実施形態では、通信デバイス144はストック保管庫130又はマテリアルハンドリング施設内の他の場所からピッキングされるアイテムリストを制御システムから受信し、画面等のこのデバイスのディスプレイ部分を介してエージェント142にピッキングするアイテムリストを呈示することができる。ピッキングされるアイテムについての位置情報や、ピッキングアイテムが対象とされる注文に関する情報のような追加情報も表示することができる。通信デバイス144はまた、ピッキングされるアイテムリストに対するマテリアルハンドリング施設内の1つ又はそれ以上の送り先150のリストを制御システムから受け取って表示することができる。次いで、エージェント142は、指示送り先150向けのレセプタクル100(例えば、トート等の容器、又は各仕切りがレセプタクル100である仕切り容器)を集め、これらをカート110上に置く。図3において前に説明したようにレセプタクル100を送り先150に割り当てるために様々な方法のいずれかを用いることができる。
【0083】
次に、エージェント142は、ストック保管庫130又はマテリアルハンドリング施設内の他の場所からアイテム132をピッキングする。一実施形態では、各アイテムがピッキングされると、アイテム132のアイテムコードを、通信デバイス144上でスキャンし、さもなければ入力することができる。或いは、エージェントは、アイテムをピッキングしたことを示すために、通信デバイス144上でアイテムに対応するボタン又は他の機構を選択する。次いで、通信デバイス144は、アイテムがピッキングされたことを示すメッセージを制御システム190に送信する。続いて制御システム190は、ピッキングアイテム132がどの送り先150に向けられているかを判断し、その送り先150に割り当てられたレセプタクル100上のモート102にメッセージを送信してそのモートを起動し、このようにして、カート110上のどのレセプタクル100内にアイテムを収納すべきかをエージェント142に示す。或いは、手押しカート110、各レセプタクル100、又は通信デバイス144は、近接検出機構を含むことができ、その機構が、ピッキングアイテムが機構の範囲内にある時に各アイテムのRFIDタグを検出する。次いで、近接検出機構は、ピッキングアイテムに関する情報を制御システムに中継し、次に、制御システムは、適切なモート102に要求メッセージを送信し、このアイテムに対する送り先150に割り当てられたレセプタクル100上のモート102のインジケータを起動する。
【0084】
幾つかの実施形態では、インジケータは、エージェントによってアイテムがピッキング及び/又はスキャンされる前、例えばピッキングされることになる次のアイテムが分かり次第起動させられることがある。一実施形態では、例えば、エージェント142がピッキングセッションを開始したときに、ピッキングされることになる最初のアイテムに対する送り先レセプタクルであるレセプタクル100上のインジケータを起動する。このアイテムがピッキングされ、指示されたレセプタクル100内に収納された後、ピッキングされることになる次のアイテムに対する送り先レセプタクルであるレセプタクル上のインジケータを起動する、以下同様である。別の実施形態では、エージェント142は、そのエージェントが携帯する通信デバイスのユーザインターフェース上でピッキングすべき次のアイテムを選択することができる。通信デバイスは、この情報を制御システムに通信することができ、次いで、制御システムは、上記アイテムに対する送り先レセプタクル100上のモート102にメッセージを送信し、レセプタクル上のインジケータを起動する。或いは、通信デバイスは、インジケータを起動するように送り先レセプタクル上のモートに直接メッセージを送信することができる。更に別の実施形態では、上記に説明したように、近接検出機構は、ストック保管区域又はマテリアルハンドリング施設内の他の場所においてピッキングされるアイテムのための保管区域にカートが近接する時点を検出し、送り先レセプタクル上のインジケータを起動させることができる。他の実施形態では、他の機構を用いて、エージェントによってアイテムがピッキング及び/又はスキャンされる前に送り先レセプタクル上のインジケータを起動することができる。例えば、一実施形態では、アイテムが配置される保管ビンは、アイテムをピッキングする時のエージェントの動きを検出し、この情報を制御システムに中継する動作検出器を含むことができる。次いで、制御システムは、アイテムに対する送り先レセプタクル上のモートにメッセージを送信し、インジケータを起動するようにすることができる。別の例として、一実施形態では、制御システムは、マテリアルハンドリング施設内でエージェント、カート、及び/又はレセプタクルの位置を追跡し、エージェント/カートがピッキングされるアイテムの位置又はその近傍にあるときにレセプタクル上のモートにメッセージを送信し、レセプタクル上のインジケータを起動するようにすることができる。
【0085】
幾つかの実施形態では、レセプタクル100の1つ又はそれ以上は、2つ又はそれ以上の区画に仕切られ、各区画がモートを含む点に留意されたい。この実施形態では、特定の区画内のモートを起動させ、レセプタクル100内のどの区画にアイテムが収納されることになるかをエージェント142に示す。また、幾つかの実施形態では、各レセプタクル100(又は各レセプタクル内の各区画)は、レセプタクル内へのアイテムの収納を検出するセンサも含むことができる点に留意されたい。この情報を、制御システム190に送信し、その制御システムは、その情報を用いてモートを停止し、及び/又はアイテムが正しいレセプタクル内に収納されたかどうかを判断する。アイテム132が正しくないレセプタクル内に収納されたことを検出した場合には、制御システム190は、モートを起動し、アイテムが間違ったレセプタクル内に収納されたことをエージェント142に示すことができる。
【0086】
この特定のピッキングセッションにおいてエージェント142に割り当てられた全ての送り先150に対する全てのアイテム132がピッキングされ、正しいレセプタクル100内に収納された後、完了したレセプタクルが、制御システム190の指示の下でこれらのレセプタクル100の割り当てられた送り先150に配送又は搬送される。この例では、最初のレセプタクル100は送り先150Aに割り当てられて、完了時に配送され、2番目のレセプタクル100は、送り先150Bに割り当てられて配送され、3番目のレセプタクル100は送り先150Cに割り当てられて配送される。1回のピッキングセッションにおいて、エージェント142が2つ又はそれ以上のレセプタクル100を1つの送り先150に割り当てて配送することができる点に留意されたい。レセプタクル100をこれらの割り当て送り先150に配送した後、次いで、エージェント142は、アイテムと送り先の新しいリストを受信し、その処理を繰り返すことができる。
【0087】
図10は、一実施形態に従ってコンベヤに隣接する、モートを備えたホッパーを実装する例示的なマテリアルハンドリング施設を示している。この実施形態では、コンベヤ210に隣接する1つ又はそれ以上のホッパー200をエージェント142がピッキングセッションでピッキングする送り先とすることができる。一実施形態では、エージェント142は、エージェント142が保持する通信デバイス144を通じて制御システム190によって指示されるようにストック保管庫130又はマテリアルハンドリング施設の他の箇所からアイテムをピッキングする。次いで、エージェントは、制御システム190の制御の下で、ホッパー200に取り付けられたモート202に組み込まれ又は結合されたインジケータによる指示のように、ピッキングアイテム132を直接ホッパー内に収納する。
【0088】
ピッキングにおいて、一実施形態では、通信デバイス144は、ストック保管庫130又はマテリアルハンドリング施設内の他の場所からピッキングされるアイテムリストを制御システムから受信し、画面等のデバイスのディスプレイ部分を介してエージェント142にピッキングするためのアイテムリストを呈示する。ピッキングされるアイテムの位置情報、ピッキングアイテムが対象とされる注文に関する情報のような追加情報も表示することができる。通信デバイス144はまた、ピッキングされるアイテムリストに対する送り先であるマテリアルハンドリング施設内の1つ又はそれ以上のホッパー200のリストを制御システムから受け取り表示することができる。
【0089】
次いで、エージェント142は、ストック保管庫130又はマテリアルハンドリング施設内の他の場所からアイテム132をピッキングする。一実施形態では、各アイテムがピッキングされると、或いは全てのアイテムがピッキングされた後(例えば共通のビン又はトート内に)、各アイテム132のアイテムコードを通信デバイス144上でスキャンし、さもなければ入力する。或いは、エージェントは、アイテムをピッキングしたことを示すために、通信デバイス144上でアイテムに対応するボタン又は他の機構を選択する。次いで、通信デバイス144は、アイテムがピッキングされたことを示すメッセージを制御システム190に送信する。次に、制御システム190は、ピッキングアイテム132がどのホッパー200に向けられているかを判断し、ホッパー200上のモート202にメッセージを送信してそのモートを起動し、アイテムがどのホッパー200内に収納されることになるかをエージェント142に示す。或いは、各ホッパー200又はホッパー200のグループは、ピッキングアイテムがホッパーの範囲内にある時に各アイテム上のRFIDタグを検出することができる近接検出機構を含む。次いで、近接検出機構は、ピッキングアイテムに関する情報を制御システムに中継し、次に、制御システムは、適切なモート202に要求メッセージを送信し、このアイテムに対する正しい送り先であるホッパー200上のモート202のインジケータを起動する。
【0090】
本明細書の他の箇所でレセプタクルについて説明するように、モート202は、エージェント142によるホッパー200内へのアイテムの正しい又は正しくない収納に対して検出を行い、エージェント142に報知するのに用いる、ホッパー200上のセンサを含むことができ、又はそのセンサに結合されることができる点に留意されたい。
【0091】
各ホッパー200は、シュート204を含み、ホッパー200内に収納されたアイテムは、シュート204を通じて定期的又は非定期的にホッパー200からコンベヤ210上に移動させられる。コンベヤ210は、一方向又は双方向とすることができる。一実施形態では、2つ又はそれ以上のコンベヤ210があってもよく、各ホッパー200は、シュート204を通じてコンベヤ210の1つ又はそれ以上の上にアイテムを空にする。コンベヤ210上では、追加の処理のために1つ又はそれ以上のステーション220にアイテムを搬送することができる。
【0092】
マテリアルハンドリング施設は、ピッキング処理においてコンベヤ210に隣接するホッパー200を含む、本明細書に説明するインジケータ及び/又はセンサを含むか又はこれらに結合されたモートを有する2つ又はそれ以上の異なるタイプのレセプタクルの組み合わせを用いることができる点に留意されたい。例えば、一実施形態では、エージェント142は、通信デバイス144を通じて制御システム190によって指示されるようにストック保管庫130又はマテリアルハンドリング施設の他の箇所からアイテムをピッキングし、場合によってはレセプタクルに結合されたインジケータを有するモートを介して制御システム190によって指示されるように、ピッキングアイテム132を1つ又はそれ以上のレセプタクル(例えばトート、ビン、カート、箱、トート又はビンの区画、棚等)内に収納する。次いで、エージェントは、ホッパー200に結合されたインジケータを有するモート202を介して制御システム190によって指示されるようにレセプタクルからホッパー200にピッキングアイテム132を移動させる。別の例として、一実施形態では、図9について説明したように1又はそれ以上のエージェントがカート上のレセプタクル内にアイテムをピッキングすることができ、一方、図10について説明したように1つ又はそれ以上の他のエージェントがホッパー200内にアイテムをピッキングすることができる。本明細書に説明するようにモートとホッパーの組み合わせによって、エージェントがピッキングアイテムを正しいホッパーに仕分けることが容易になる。ホッパーから別の送り先にアイテムを移動させるために適切な時点でアイテムをコンベヤ上に放出するようにホッパーの機能を制御することができる。
【0093】
図11は、一実施形態によるモートを有するレセプタクルを用いて複数送り先ピッキングを実行するための方法のフローチャートである。400に示すように、制御システムによってエージェントに2つ又はそれ以上の送り先に対するアイテムリストを割り当てる。一実施形態では、エージェントが使用する通信デバイスは、ストック保管庫又はマテリアルハンドリング施設内の他の場所からピッキングされるアイテムリストを制御システムから受信し、画面等のデバイスのディスプレイ部分を介してピッキングされるアイテムリストをエージェントに呈示する。ピッキングされるアイテムについての位置情報、ピッキングアイテムが対象とされる注文に関する情報等の追加情報も表示することができる。通信デバイスはまた、ピッキングされるアイテムリストに対するマテリアルハンドリング施設内の1つ又はそれ以上の送り先のリストを制御システムとディスプレイから受け取る。402に示すように、次いで、エージェントは、指示送り先に対するレセプタクルを取得し、これらをカート上に配置する。図3について既に説明したように、様々な方法のいずれかを用いてレセプタクルを送り先に割り当てることができる。或いは、エージェントは、前回のピッキングセッションから手押しカート上に1つ又はそれ以上のレセプタクルを既に有している場合があり、ピッキングセッションに対してレセプタクルを異なる送り先に割り当て直すことによって、カート上のレセプタクルの1つ又はそれ以上をピッキングセッションにおいて再使用することができる。
【0094】
次に、エージェントは、ピッキングされるアイテムリスト上のアイテムが保管されているストック保管庫内の位置又はマテリアルハンドリング施設内の他の場所に制御システムによって誘導されるか、或いはエージェントは、単にこれらの場所を選択してそこに向かう。次いで、エージェントは、404に示すようにストック保管庫内の位置又はマテリアルハンドリング施設内の他の場所からアイテムをピッキングすることができる。次に、エージェントは、406に示すようにピッキングアイテムをエージェントの通信デバイスにスキャンし、さもなければ入力する。次いで、ピッキングアイテムに関する情報を制御システムに送信する。制御システムは、ピッキングアイテムに対する送り先を決定し、適切なモートに要求メッセージを送信して、408に示すようにアイテムに対する送り先に割り当てられたレセプタクル上のインジケータを起動して、どのレセプタクル内にアイテムが収納されることになるかをエージェントに示す。幾つかの実施形態において、インジケータは、エージェントによってアイテムがピッキング及び/又はスキャンされる前に、例えば、既に説明したようにピッキングされることになる次のアイテムが分かり次第起動される点に留意されたい。次にエージェントは、起動されたモートによって示されたレセプタクル内にアイテムを収納することができる。次いで、412に示すようにモートを停止する。一実施形態では、レセプタクルは、アイテムの収納を検出するセンサをモート内に含むことができる。センサは、この情報を制御システムに通信することができ、その制御システムは、レセプタクル内へのアイテムの収納の検出に応答してモートにメッセージを送信し、インジケータを停止させることができる。また、センサを用いて、正しいレセプタクル内でのアイテムの収納を判断して、アイテムが正しい(又は不正な)レセプタクル内に収納されたことをモート上のインジケータを通じて示し、ピッキングセッションを継続する前に、送り先レセプタクル内へのアイテムの収納におけるエラーをエージェントが修正することができるようにする点に留意されたい。他の実施形態では、インジケータを停止させるために他の方法を用いてもよい。例えば、モート(又はインジケータ)を、ある時間間隔、例えば10秒後にインジケータを停止させるように構成することができる。別の例として、各モート又はインジケータは、レセプタクル内へのアイテムの収納の後に、インジケータを停止させるようにエージェントが手作業で操作することができるボタン又はスイッチを含むことができる。更に別の例では、エージェントは、そのエージェントが携帯する通信デバイス上でアイテムを選択し、アイテムをピッキングしレセプタクル内に収納したことを示すことができ、次いで、通信デバイスは、モートに要求メッセージを送信し、インジケータを停止させる、或いは、通信デバイスは、制御システムにメッセージを送信し、アイテムがピッキングされ指示レセプタクル内に収納されたことを示すことができる。次に、制御システムは、モートに要求メッセージを送信し、レセプタクルを停止させることができる。
【0095】
414に示すように、ピッキングされるアイテムリスト上に更なるアイテムがある場合には、エージェントは、各残留アイテムについて404から412までを繰り返すことができる。アイテムリスト上のアイテムが全てピッキングされると、前に説明した方法の1つを用いて、完了したレセプタクルをマテリアルハンドリング施設内のこれらの割り当てられた送り先に配送することができる。完了したレセプタクルを配送した後、エージェントは、アイテムと送り先の新しいリストを取得し、複数の送り先に対する別のピッキングセッションを実行する。
【0096】
一実施形態では、本明細書で説明されるモートを備えたレセプタクルは、移動体とすることができ、動的に構成させることができる点に留意されたい。一実施形態では、エージェントがピッキングセッションで用いることができるレセプタクルの数は固定されておらず、異なるピッキングセッションでは、異なる数の送り先に割り当てられた異なる個数のレセプタクルを用いることができる。1回のピッキングセッションに2つのレセプタクルを取り、次のピッキングセッションでは5つのレセプタクルを取る等のようにエージェントに指示することができる。一実施形態では、エージェントは、ピッキングセッションに対して選択したレセプタクルをスキャンし、さもなければ入力することができ、制御システムが、特定のセッションにおいてどのレセプタクルがカート上にあるか、又は更にはカート上のレセプタクルの順序又は配列を認識する。制御システムは、どのレセプタクルがどの送り先に進むかを決定する。本システムでは、ピッキングセッションのための送り先の構成とレセプタクルへの送り先のマッピングに関して動的に行われる。一実施形態では、エージェントは、1回のピッキングセッションで幾つのレセプタクル及び/又は送り先を稼働させるかを選択することができ、制御システムは、エージェントがそのピッキングセッションでピッキングすることになる要求数のレセプタクル又は送り先を割り当てることによって、エージェントが規定した制約条件に対して動的に調整することができる。
【0097】
モートを備えたレセプタクルは、固定位置にはいない可能性があるので、幾つかの実施形態は、マテリアルハンドリング施設内及び/又はカート上でレセプタクル上のモートが存在する場所を動的に判断する機構を提供することができる。一実施形態では、モートは、レセプタクル上の他のモートに対するモートの相対配置をモート間の通信によって検出し、又はマテリアルハンドリング施設内におけるこれらの相対配置を施設内の他のモート或いは他の固定及び/又は移動デバイスと通信することによって検出するように構成することができる。
【0098】
カート上で各レセプタクルが配置されている場所、例えば上部は底部棚、或いは棚上の特定の場所を認識することは制御システムにとって有利である。レセプタクルがカート上に存在する場所を認識することによって、制御システムがカート上で特定の場所にある特定のレセプタクルに送り先を割り当てることが可能となり、例えば、大量のアイテムがピッキングされることになる送り先をカート上でより好都合な場所にあるレセプタクルに割り当てることが可能となることができる。カート上でレセプタクルの相対位置を決定するために、一実施形態において、レセプタクルがカート上で何らかの順序、例えば左から右、上から下に配置されると、そのレセプタクルをスキャンすることができる。或いは、カート上にレセプタクルが置かれた時点を検出し、カート上でのレセプタクルの場所を決定するように構成されたカート上のモート及び/又はセンサがあってもよい。従って、制御システムは、カート上にどのようなレセプタクルが幾つあるか、及びカート上での各レセプタクルの位置を認識し、この情報を用いて送り先をレセプタクルに割り当てることができる。一実施形態では、制御システムは、最初の場所にピッキングされた最初のアイテムに対して1つのレセプタクルを選択し、次いで、最初のアイテムが別の送り先にピッキングされた時には別の空のレセプタクルを選択することができる。送り先に対するレセプタクルの選択は、カート上でのレセプタクルの順序(例えば左から右、上から下)において不規則に実行することができ、或いは、カート上のレセプタクル内へのアイテムのピッキングと収納を最適化する何らかの順序で実行することができる。
【0099】
図12は、一実施形態に従って送り先レセプタクル 内にアイテムを収納する際にエラーを検出して修正する方法のフローチャートである。430に示すように、エージェントは、2つ又はそれ以上のレセプタクルの1つにピッキングアイテムを収納する。一実施形態では、モートは、そのモートに結合されたインジケータを含むことができ、正しい送り先レセプタクル上のインジケータは、そのレセプタクルがアイテムに対する送り先レセプタクルであることをエージェントに示すために予め起動させておくことができる。別の実施形態では、レセプタクル上にセンサがあるがインジケータはなくてもよい。この実施形態では、どのレセプタクルがアイテムに対する送り先レセプタクルであるかをエージェントに示すために他の何らかの方法を用いることができる。例えば、エージェントが携帯する通信デバイス上で送り先レセプタクルをそのエージェントに示すことができる。他の実施形態では、どのレセプタクルがアイテムに対する送り先レセプタクルであるかをエージェントに示すために他の方法を用いてもよい。
【0100】
432に示すように、動作検出器等のレセプタクル上のセンサが、レセプタクル内に収納されるアイテムを感知する。この情報は、制御システム及び/又はエージェントが携帯する通信デバイスに送信される。434に示すように、アイテムの収納を検出したレセプタクルが正しいレセプタクルである場合には、ピッキング処理を継続する。アイテムの収納を検出したレセプタクルが正しいレセプタクルでない場合には、436に示すように、アイテムが正しくないレセプタクル内に収納されたことをエージェントに知らせるためにエージェントに表示する。実施形態において、前に説明したようにこの表示は、レセプタクル上の照明灯又は他の視覚表示;レセプタクル上、エージェントの通信デバイス上、又は他の何らかのデバイス上に表示されるテキストメッセージ;レセプタクル、エージェントの通信デバイス、又は他の何らかのデバイスからの可聴トーンもしくはメッセージ;或いは他の何らかの表示とすることができる。この表示は、正しいレセプタクル内へのアイテムの収納が検出されるまで作動状態を維持することができ、又は前に停止していた場合には、アイテムの正しくない収納が検出された後に再起動できる点に留意されたい。次に、438に示すように、エージェントは、アイテムをそのアイテムに対する送り先レセプタクルに移動させるように修正措置をとる。この場合も同様に、アイテムが収納されるレセプタクル上のセンサは、アイテムの収納を検出することができ、従って、アイテムが正しいレセプタクル内に収納されるまで432から436までを1回又はそれ以上繰り返すことができる。
【0101】
図13は、一実施形態による複数の送り先に対してアイテムをピッキングする際に、1又はそれ以上のエージェントを指示する制御システムのシステムレベルフローチャートである。450に示すように、図9の制御システム190のような制御システムは、2つ又はそれ以上の送り先に対するアイテムリストをマテリアルハンドリング施設内の1又はそれ以上のエージェントに割り当てることができる。次いで、各エージェントは送り先に向けたレセプタクルを取得するか、或いは再使用することができる。452に示すように、制御システムは、各エージェントが取得したレセプタクルをそのエージェントに割り当てられた送り先に割り当てる。
【0102】
次に、454に示すように、制御システムは、送り先に向けてアイテムをピッキングするためにマテリアルハンドリング施設内のある位置にエージェントを誘導する。この位置において、エージェントは、制御システムによって指定されたようにアイテムをピッキングする。各ピッキングアイテムは、エージェントが携帯する通信デバイス上にスキャンし、さもなければ入力し、或いはエージェントは、アイテムがピッキングされたことを制御システムに示すために、通信デバイス上のボタン又は他の機構を起動する。或いは、カートに結合されたモートは、アイテムがカートの範囲内に持ち込まれた時にそのアイテムを検出し、アイテムに関する情報を制御システムに中継する。次いで、456に示すように、制御システムは、ピッキングアイテムに対する送り先に割り当てられたレセプタクル上のモートに結合されたインジケータを起動して、レセプタクルがアイテムを収納すべき正しいレセプタクルであることをエージェントに示す。一実施形態では、各レセプタクルは、レセプタクル内へのアイテムの収納を検出するために、動作検出器又は光カーテン等の何らかの感知デバイスを含むことができる。この実施形態では、前に説明したように正しい及び/又は正しくないレセプタクル内へのアイテムの収納は、レセプタクル上のモート及びインジケータを介してエージェントに示すことができる。
【0103】
エージェントが、そのエージェントに割り当てられた全ての送り先に対する全てのアイテムのピッキングを完了すると、エージェントは次に、これらの送り先にレセプタクルを配送する。458に示すように、制御システムは、エージェントをレセプタクルに対する送り先に誘導する。一実施形態では、制御システムは、レセプタクルが送り先に近接する時点を検出し、更に、レセプタクルがその送り先で降ろされることになることをエージェントに示すためにレセプタクル上のインジケータを起動する。460において、ピッキングされる更なるアイテムがある場合には、新しいピッキングセッションを開始するために1つ又はそれ以上の送り先に対するアイテムの1つ又はそれ以上の新しいリストをエージェントに割り当てる。ピッキングされることになる更なるアイテムが現時点で存在しない場合には、制御システムは、ピッキングされるアイテムに対する更なる注文又は要求を待機し、注文又は要求を、次いで、ピッキングに向けてエージェントに割り当てる。
【0104】
制御システムは、上記の処理を2つ又はそれ以上のエージェントに同時に指示することができる点に留意されたい。幾つかの実施形態では、制御システムは、エージェントの能力を利用する機構を含み、本明細書で説明するように、レセプタクル上のモートによって提供される各ピッキングセッションにおいて2つ又はそれ以上の送り先に対してピッキングを行って、ピッキング密度を増大させる(例えば、在庫からアイテムをピッキングする際にエージェントが進む距離、従って時間を最短にする)ことができる。制御システムは、2つ又はそれ以上の送り先と、各エージェントに対して割り当てられたアイテムに対するピッキング経路とを選択して、ピッキング経路に沿ってエージェントを誘導してアイテムをピッキングし、更に、完了したレセプタクルを配送する際に最短経路に沿ってエージェントを誘導することができる。各エージェントは、単に1つの送り先だけではなく複数の送り先に対してピッキングを行うことができるので、制御システムは、エージェントが一度に1つの送り先に対してピッキングするように制限される従来のピッキング法よりも、在庫を通る経路に沿った1回の通過でより多くのアイテムをピッキングすることができるように、エージェントに送り先を割り当ててピッキング経路を構成することができる。制御システムは、同じ又は同様の経路に沿うアイテムを含む、送り先に対するアイテムの2つ又はそれ以上のリストをエージェントに割り当てることによって、各ピッキングセッションにおいてマテリアルハンドリング施設内で各エージェントが進む経路を最短にするように試みることができる。上述のように、一実施形態では、レセプタクルに対する送り先は、制御システムによって指示された別のピッキングエージェントであってもよく、従って、このエージェントは引き続きレセプタクル内にアイテムをピッキングすることができ、これによりエージェントがマテリアルハンドリング施設の割り当て区域でピッキング可能になることで、ピッキング効率を改善することができる。
【0105】
一実施形態では、図9に示す制御システム190等のマテリアルハンドリング施設制御システムは、図14に示すコンピュータシステム500等の1つ又はそれ以上のコンピュータアクセス可能媒体を含むか、又はその媒体にアクセスするように構成された汎用コンピュータシステムを含むことができる。例示の実施形態では、コンピュータシステム500は更に、入力/出力(I/O)インターフェース530を介してシステムメモリ520に結合された1つ又はそれ以上のプロセッサ510を含む。コンピュータシステム500は、I/Oインターフェース530に結合されたネットワークインターフェース540を更に含む。幾つかの実施形態では、コンピュータシステム500は、制御システム190を例であり、一方、他の実施形態では制御システム190は、コンピュータシステム500に加えて要素を含むことができる。
【0106】
種々の実施形態では、コンピュータシステム500は、1つのプロセッサ510を含むユニプロセッサシステムか、又は幾つかのプロセッサ510(例えば2個、4個、8個、又は別の適切な個数)を含むマルチプロセッサシステムとすることができる。プロセッサ510は、命令を実行することができるあらゆる好適なプロセッサとすることができる。例えば、種々の実施形態において、プロセッサ510は、x86、PowerPC、SPARC、又はMIPS ISA、或いは他の何らかの好適なISA等の様々な命令セットアーキテクチャ(ISA)のいずれかを実装する汎用又は埋め込みプロセッサとすることができる。マルチプロセッサシステムでは、プロセッサ510の各々は、必須ではないが、同じISAを共通して実装することができる。
【0107】
システムメモリ520は、プロセッサ510によってアクセス可能な命令とデータを記憶するように構成される。種々の実施形態において、システムメモリ520は、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、同期型ダイナミックRAM(SDRAM)、不揮発性/フラッシュ型メモリ、又は他の何らかのタイプのメモリなどのあらゆる好適なメモリ技術を用いて実装することができる。例示の実施形態では、マテリアルハンドリング施設制御システムについて上記で説明した方法及び技術のような所望の機能を実装するプログラム命令とデータがコード525としてシステムメモリ520内に記憶されるように図示されている。
【0108】
一実施形態では、I/Oインターフェース530は、プロセッサ510やシステムメモリ520との間、さらにはネットワークインターフェース540又は他の周辺インターフェースを含むデバイス内のあらゆる周辺デバイスとの間でI/Oトラフィックを協働するように構成することができる。幾つかの実施形態では、I/Oインターフェース530が何らかの必要なプロトコル、タイミング、又は他のデータ変換を実施して、1つの構成要素(例えばシステムメモリ520)からのデータ信号を別の構成要素(例えばプロセッサ510)による使用に好適なフォーマットに変換することができる。幾つかの実施形態では、I/Oインターフェース530は、例えば、周辺コンポーネント相互接続(PCI)バス規格、又はユニバーサルシリアルバス(USB)規格の変形形態のような周辺バスの種々のタイプを介して取り付けられたデバイスに対するサポートを含むことができる。幾つかの実施形態では、I/Oインターフェース530の機能は、例えば、ノースブリッジやサウスブリッジ等の2つ又はそれ以上の別個の構成要素に分割することができる。同様に幾つかの実施形態では、システムメモリ520へのインターフェースのようなI/Oインターフェース530の機能の一部又は全ては、プロセッサ510に直接組み込むことができる。
【0109】
ネットワークインターフェース540を、コンピュータシステム500と、例えば他のコンピュータシステムのようなネットワーク上の他のデバイスとの間でデータを交換することを可能にするように構成することができる。特に、ネットワークインターフェース540を、コンピュータシステム500と、上記で説明した種々の通信デバイス144及びモート100との間の通信を可能にするように構成することができる。ネットワークインターフェース540は、1つ又はそれ以上の無線ネットワークプロトコル(例えばWi−Fi/IEEE802.11又は他の無線ネットワーク規格)を一般にサポートすることができる。しかしながら、種々の実施形態において、ネットワークインターフェース540は、例えば他のタイプのEthernet(登録商標)ネットネットワーク等のあらゆる好適な有線又は無線汎用データネットワークを介した通信をサポートすることができる。加えて、ネットワークインターフェース540は、アナログ音声ネットワーク又はデジタルファイバ通信ネットワーク等の電気通信網/電話網、Fibre Channel SANのようなストレージエリアネットワーク、或いは他の何らかの好適なネットワーク及び/又はプロトコルを介した通信をサポートすることができる。
【0110】
幾つかの実施形態では、システムメモリ520は、上記で説明したようにプログラム命令とデータを記憶するように構成されたコンピュータアクセス可能媒体の一実施形態とすることができる。しかしながら、他の実施形態では、プログラム命令及び/又はデータは、異なるタイプのコンピュータアクセス可能媒体上で受信、送信、又は記憶を行うことができる。一般的に言えば、コンピュータアクセス可能媒体は、I/Oインターフェース530を介してコンピュータシステム500に結合された、例えばディスク又はDVD/CDである磁気又は光媒体などの記憶媒体又はメモリ媒体を含むことができる。コンピュータアクセス可能媒体はまた、コンピュータシステム500の幾つかの実施形態においてシステムメモリ520又は別のタイプのメモリとして含めることができる、RAM(例えばSDRAM、DDR SDRAM、RDRAM、SRAM)、ROM等のあらゆる揮発性/不揮発性媒体を含むことができる。更に、コンピュータアクセス可能媒体は、ネットワークインターフェース540を介して実装することができるような、ネットワーク及び/又は無線リンク等の通信媒体を介して伝送される電気、電磁気、又はデジタル信号等の伝送媒体又は信号を含むことができる。
【0111】
一実施形態では、制御システム190と通信デバイス144との間の関係は、サーバ/クライアント型の関係とすることができる。例えば、制御システム190を、通信デバイス144とレセプタクル100に命令を伝え、これらから肯定応答を受け取るサーバコンピュータシステム500として構成することができる。かかる実施形態では、通信デバイス144は、比較的単純な、又は「シン」クライアントデバイスとすることができる。例えば、通信デバイス144は、ディスプレイ、データ入力、通信機能を備えるが、他の点では僅かなコンピューティング機能しか備えないダム端末として構成させてもよい。しかしながら、幾つかの実施形態では、通信デバイス144は、1つ又はそれ以上のプロセッサ510や様々な他のデバイスを含むコンピュータシステム500と同様に構成されるコンピュータシステムとすることができることが企図される(但し、幾つかの実施形態では、通信デバイス144を実装するコンピュータシステム500は、コンピュータシステム190を実装するコンピュータシステム500と比較して、ある程度異なるデバイス又は異なるクラスのデバイスを有することができる)。幾つかの実施形態では、制御システム190の機能は、通信デバイス144及び/又はレセプタクル100の一部又は全てにわたって分散させることができることが更に企図される。すなわち、幾つかの実施形態では、注文処理センターエージェントの活動に関する制御の中心点がない場合があり、その代わりに、通信デバイス144、レセプタクル100、その他のデバイスが、注文処理センターの活動を協働させるために協働分散方式で機能することができる。
【0112】
結論
種々の実施形態は、コンピュータアクセス可能媒体に関する前述の説明に従って実装された命令及び/又はデータを受信、送信、又は記憶する段階を更に含むことができる。一般的に言えば、コンピュータアクセス可能媒体は、例えば、ディスク又はDVD/CD−ROM、RAM(例えばSDRAM、DDR、RDRAM、SRAM等)、ROM等のような揮発性又は不揮発性媒体等の磁気又は光学媒体のような記憶媒体又はメモリ媒体を含むことができる。更に、ネットワーク及び/又は無線リンク等の通信媒体を介して伝送される電気、電磁気、又はデジタル信号のような伝送媒体又は信号を含むことができる。
【0113】
図に例示し本明細書で説明した様々な方法は、方法の例示的な実施形態を表す。これらの方法は、ソフトウェア、ハードウェア、又はこれらの組み合わせにおいて実施することができる。方法の順序は変更することができ、様々な要素の追加、順序の変更、組み合わせ、省略、修正などを行うことができる。
【0114】
本開示の恩恵を有する当業者には明らかであろうが、様々な修正及び変更を加えることができる。本発明は全てのかかる修正及び変更を包含し、従って、上記の説明は制限的意味ではなく例示的な意味とみなされるべきであることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】従来のマテリアルハンドリング施設の業務の概略図である。
【図2】従来の注文処理施設の例示的な物理レイアウト図である。
【図3】マテリアルハンドリング施設内でモートを有する複数送り先レセプタクルにエージェントがピッキングを行う一実施形態を示すブロック図である。
【図4】一実施形態によるモートにおける例示的構成を示すブロック図である。
【図5】A:一実施形態によるレセプタクルの外側に取り付けられた図4に示すモートを示す図である。 B:図5Aに示す例示的なモート及びレセプタクル等のモートを有するレセプタクルを例示的アイテムが中に保管された状態で示す図である。 C:各区画がレセプタクルであり、各区画がモートを有する、一実施形態による区画に仕切られた例示的トートを示す図である。
【図6】一実施形態によるモートとセンサを有しインジケータを有さないレセプタクルを示す図である。
【図7】一実施形態によるマテリアルハンドリング施設内の複数の送り先に対し完成したレセプタクルを配送するエージェントを示す図である。
【図8】一実施形態によるマテリアルハンドリング施設内の複数の送り先にレセプタクルを搬送するための搬送機構に対して完成したレセプタクルを配送するエージェントを示す図である。
【図9】一実施形態によるモートを有するレセプタクル及び制御システムを実装する例示的なマテリアルハンドリング施設の操作を示す図である。
【図10】一実施形態によるモートを有するホッパーをコンベヤに隣接して実装する例示的なマテリアルハンドリング施設を示す図である。
【図11】一実施形態によるモートを有するレセプタクルを用いて複数送り先ピッキングを実行するための方法のフローチャートである。
【図12】一実施形態による送り先レセプタクル内にアイテムを収納する際のエラーを検出し修正するための方法のフローチャートである。
【図13】一実施形態による複数の送り先に対してアイテムをピッキングする際に1又はそれ以上のエージェントを誘導する制御システムのシステムレベルのフローチャートである。
【図14】コンピュータシステムの例示的な実施形態を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0116】
100 レセプタクル、102 モート、110 手押しカート、130 ストック保管庫、132 ピッキングアイテム、142 通信デバイス、150A〜C 送り先、190 制御システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マテリアルハンドリング施設であって、
そのマテリアルハンドリング施設内でピッキングされるアイテムに対する複数の送り先と、
制御システムと、
を備え、前記制御システムが、
前記マテリアルハンドリング施設内の前記送り先の2つ又はそれ以上に対するアイテムを含むピッキングされるアイテムリストを前記マテリアルハンドリング施設内のエージェントに割り当て、
前記ピッキングされるアイテムリストに対する前記送り先の各々に対して、前記制御システムと通信するための通信インターフェースを備えるモートを各々有し且つインジケータに結合されたレセプタクルを割り当て、
ピッキングされる特定のアイテムに対する前記マテリアルハンドリング施設内のある位置に前記エージェントを誘導し、
前記アイテムに対する前記送り先に割り当てられた前記レセプタクルの1つの上にある前記モートにメッセージを送信し、前記モートに結合された前記インジケータを起動して、前記指示レセプタクル中に前記アイテムが収納されることを前記エージェントに示すように構成される
ことを特徴とするマテリアルハンドリング施設。
【請求項2】
前記複数の送り先が、仕分けステーション、梱包ステーション、付加価値サービスを実施するためのステーションのうちの1つ又はそれ以上を含むことを特徴とする請求項1に記載のマテリアルハンドリング施設。
【請求項3】
各レセプタクルが、そのレセプタクル内へのアイテムの収納を検出するためのセンサを更に有し、前記制御システムが、前記センサによる前記レセプタクル内への前記アイテムの収納の検出に応答して前記起動されたインジケータを停止させるように更に設定されることを特徴とする請求項1に記載のマテリアルハンドリング施設。
【請求項4】
各レセプタクルが、そのレセプタクル内へのアイテムの収納を検出するためのセンサを更に有し、前記制御システムが、前記センサによる前記レセプタクル内へのそのアイテムの収納の検出に応答して前記アイテムの送り先に割り当てられた正しいレセプタクル内への前記アイテムの収納を検証して表示するように更に構成されることを特徴とする請求項1に記載のマテリアルハンドリング施設。
【請求項5】
前記制御システムが、入力された情報を前記制御システムに通信するように構成された通信デバイス上で、前記エージェントが前記アイテムに関する情報を入力するのに応答して前記アイテムに対する送り先に割り当てられた前記レセプタクル上のインジケータを起動するように更に構成されることを特徴とする請求項1に記載のマテリアルハンドリング施設。
【請求項6】
前記モートと前記制御システムが、前記マテリアルハンドリング施設内のアドホックネットワークに参加するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のマテリアルハンドリング施設。
【請求項7】
マテリアルハンドリング施設のエージェントが、アイテムリスト上のアイテムを2つ又はそれ以上のレセプタクル内にピッキングするステップを含み、
各レセプタクルがマテリアルハンドリング施設制御システムと通信するための通信インターフェースを備えるモートを有し、そのモートがインジケータに結合され、前記アイテムのリストが、前記マテリアルハンドリング施設内の2つ又はそれ以上の送り先に対するアイテムを含み、前記2つ又はそれ以上のレセプタクルの各々が前記送り先の特定の1つに割り当てられており、
前記ピッキングするステップが、ピッキングされた各アイテムに対して、
前記入力された情報を前記制御システムに通信するように構成された通信デバイス上に前記アイテムに関する情報を入力するステップと、
前記制御システムが、前記アイテムに対する前記送り先に割り当てられた前記レセプタクルの1つの上の前記モートにメッセージを送信し、前記入力された情報に応答して前記モートに結合された前記インジケータを起動し、前記指示レセプタクル内に前記アイテムが収納されることになることを前記エージェントに表示するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
前記エージェントが、前記マテリアルハンドリング施設からピッキングされる前記アイテムリストを前記通信デバイス上の前記制御システムから受け取るステップと、
前記エージェントが、2つ又はそれ以上のレセプタクルを取得するステップと、
前記アイテムリスト上の前記アイテムに対する前記2つ又はそれ以上の送り先のうちの1つに各取得されたレセプタクルを割り当てるステップと、
を更に含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記送り先は、仕分けステーション、梱包ステーション、付加価値サービスを実施するためのステーションのうちの1つ又はそれ以上を含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】
各レセプタクルがそのレセプタクル内へのアイテムの収納を検出するためのセンサを更に有し、前記方法が、
前記センサが、前記レセプタクル内への前記アイテムの収納を検出するステップと、
前記制御システムが、前記レセプタクル内への前記アイテムの収納を検出するステップに応答して前記起動されたインジケータを停止させるステップと、
を更に含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項11】
各レセプタクルがそのレセプタクル内へのアイテムの収納を検出するためのセンサを更に有し、前記方法が、
前記センサが、前記レセプタクル内への前記アイテムの収納を検出するステップと、
前記制御システムが、前記レセプタクル内への前記アイテムの収納を検出する前記ステップに応答して正しいレセプタクル内への前記アイテムの収納を検証するステップと、
を更に含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記モートと前記制御システムが、前記マテリアルハンドリング施設内のアドホックネットワークに参加するように構成されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項13】
各レセプタクルが、トート、バスケット、箱、ビン、ホッパー、棚、自動仕分け機構の誘導レーンのうちの1つであることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項14】
各レセプタクルが、仕切りトート、仕切りバスケット、仕切り箱、仕切りビン、仕切り棚のうちの1つにおける区画であることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項15】
プログラム命令を含むコンピュータアクセス可能媒体であって、そのプログラム命令が、
マテリアルハンドリング施設内でピッキングされる、前記マテリアルハンドリング施設内の2つ又はそれ以上の送り先に対するアイテムを含むアイテムリストを、前記マテリアルハンドリング施設のエージェントに提供し、
前記アイテムリスト上の前記アイテムに対する前記2つ又はそれ以上の送り先の各々に対して、通信インターフェースを備え且つインジケータに結合されたモートを各々が有するレセプタクルを割り当て、
前記アイテムリスト上の前記アイテムを前記マテリアルハンドリング施設からピッキングする際に前記エージェントを前記2つ又はそれ以上のレセプタクル内に誘導することを含み、その誘導することが、ピッキングした各アイテムに対して、
前記エージェントによって入力された情報を送信するように構成された通信デバイスから前記アイテムに関する情報を受け取り、
前記アイテムに対する前記送り先に割り当てられた前記レセプタクルのうちの1つの上の前記モートにメッセージを送信し、前記情報の受け取りに応答して前記モートに結合された前記インジケータを起動し、前記指示されたレセプタクル内に前記アイテムが収納される前記エージェントに表示すること
を含むことを特徴とするコンピュータアクセス可能媒体。
【請求項16】
前記送り先は、仕分けステーション、梱包ステーション、付加価値サービスを実施するためのステーションのうちの1つ又はそれ以上を含むことを特徴とする請求項15に記載のコンピュータアクセス可能媒体。
【請求項17】
各レセプタクルが、前記レセプタクル内へのアイテムの収納を検出するためのセンサを更に有し、前記プログラム命令は、前記センサによる前記レセプタクル内への前記アイテムの収納の検出ステップに応答して前記起動されたインジケータを停止させることを実施するように更に構成されることを特徴とする請求項15に記載のコンピュータアクセス可能媒体。
【請求項18】
各レセプタクルが前記レセプタクル内へのアイテムの収納を検出するためにセンサを更に有し、前記プログラム命令は、前記レセプタクル内への前記アイテムの収納を検出することに応答して前記正しいレセプタクル内への前記アイテムの収納を検証することを実施するように構成されることを特徴とする請求項15に記載のコンピュータアクセス可能媒体。
【請求項19】
マテリアルハンドリング施設からピッキングされたアイテムを受け取り、そのアイテムを前記マテリアルハンドリング施設内の複数の送り先のうちの1つに移送する装置であって、その装置が、
前記アイテムを保持するためのレセプタクルと、
モートとを備え、前記モートが、
プロセッサと、メモリと、通信インターフェースとを備えるモートコアと、
前記モートコアに結合されたインジケータとを含み、
前記モートは、マテリアルハンドリング施設制御システムと通信して、前記制御システムにより受け取られたアイテムに関する情報に応答して前記インジケータを起動し、前記アイテムが前記レセプタクル内に収納されることを前記材料ハンドリング施設のエージェントに表示するように構成されている、
ことを特徴とする移送する装置。
【請求項20】
前記レセプタクル内への前記アイテムの収納を検出するように構成されたセンサを更に備えることを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記モートは、前記センサが前記レセプタクル内への前記アイテムの収納を検出することに応答して前記起動したインジケータを停止させるように更に構成されることを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記インジケータが照明灯を備え、前記インジケータを起動することが前記照明灯を起動することであることを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項1】
マテリアルハンドリング施設であって、
そのマテリアルハンドリング施設内でピッキングされるアイテムに対する複数の送り先と、
制御システムと、
を備え、前記制御システムが、
前記マテリアルハンドリング施設内の前記送り先の2つ又はそれ以上に対するアイテムを含むピッキングされるアイテムリストを前記マテリアルハンドリング施設内のエージェントに割り当て、
前記ピッキングされるアイテムリストに対する前記送り先の各々に対して、前記制御システムと通信するための通信インターフェースを備えるモートを各々有し且つインジケータに結合されたレセプタクルを割り当て、
ピッキングされる特定のアイテムに対する前記マテリアルハンドリング施設内のある位置に前記エージェントを誘導し、
前記アイテムに対する前記送り先に割り当てられた前記レセプタクルの1つの上にある前記モートにメッセージを送信し、前記モートに結合された前記インジケータを起動して、前記指示レセプタクル中に前記アイテムが収納されることを前記エージェントに示すように構成される
ことを特徴とするマテリアルハンドリング施設。
【請求項2】
前記複数の送り先が、仕分けステーション、梱包ステーション、付加価値サービスを実施するためのステーションのうちの1つ又はそれ以上を含むことを特徴とする請求項1に記載のマテリアルハンドリング施設。
【請求項3】
各レセプタクルが、そのレセプタクル内へのアイテムの収納を検出するためのセンサを更に有し、前記制御システムが、前記センサによる前記レセプタクル内への前記アイテムの収納の検出に応答して前記起動されたインジケータを停止させるように更に設定されることを特徴とする請求項1に記載のマテリアルハンドリング施設。
【請求項4】
各レセプタクルが、そのレセプタクル内へのアイテムの収納を検出するためのセンサを更に有し、前記制御システムが、前記センサによる前記レセプタクル内へのそのアイテムの収納の検出に応答して前記アイテムの送り先に割り当てられた正しいレセプタクル内への前記アイテムの収納を検証して表示するように更に構成されることを特徴とする請求項1に記載のマテリアルハンドリング施設。
【請求項5】
前記制御システムが、入力された情報を前記制御システムに通信するように構成された通信デバイス上で、前記エージェントが前記アイテムに関する情報を入力するのに応答して前記アイテムに対する送り先に割り当てられた前記レセプタクル上のインジケータを起動するように更に構成されることを特徴とする請求項1に記載のマテリアルハンドリング施設。
【請求項6】
前記モートと前記制御システムが、前記マテリアルハンドリング施設内のアドホックネットワークに参加するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のマテリアルハンドリング施設。
【請求項7】
マテリアルハンドリング施設のエージェントが、アイテムリスト上のアイテムを2つ又はそれ以上のレセプタクル内にピッキングするステップを含み、
各レセプタクルがマテリアルハンドリング施設制御システムと通信するための通信インターフェースを備えるモートを有し、そのモートがインジケータに結合され、前記アイテムのリストが、前記マテリアルハンドリング施設内の2つ又はそれ以上の送り先に対するアイテムを含み、前記2つ又はそれ以上のレセプタクルの各々が前記送り先の特定の1つに割り当てられており、
前記ピッキングするステップが、ピッキングされた各アイテムに対して、
前記入力された情報を前記制御システムに通信するように構成された通信デバイス上に前記アイテムに関する情報を入力するステップと、
前記制御システムが、前記アイテムに対する前記送り先に割り当てられた前記レセプタクルの1つの上の前記モートにメッセージを送信し、前記入力された情報に応答して前記モートに結合された前記インジケータを起動し、前記指示レセプタクル内に前記アイテムが収納されることになることを前記エージェントに表示するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
前記エージェントが、前記マテリアルハンドリング施設からピッキングされる前記アイテムリストを前記通信デバイス上の前記制御システムから受け取るステップと、
前記エージェントが、2つ又はそれ以上のレセプタクルを取得するステップと、
前記アイテムリスト上の前記アイテムに対する前記2つ又はそれ以上の送り先のうちの1つに各取得されたレセプタクルを割り当てるステップと、
を更に含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記送り先は、仕分けステーション、梱包ステーション、付加価値サービスを実施するためのステーションのうちの1つ又はそれ以上を含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】
各レセプタクルがそのレセプタクル内へのアイテムの収納を検出するためのセンサを更に有し、前記方法が、
前記センサが、前記レセプタクル内への前記アイテムの収納を検出するステップと、
前記制御システムが、前記レセプタクル内への前記アイテムの収納を検出するステップに応答して前記起動されたインジケータを停止させるステップと、
を更に含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項11】
各レセプタクルがそのレセプタクル内へのアイテムの収納を検出するためのセンサを更に有し、前記方法が、
前記センサが、前記レセプタクル内への前記アイテムの収納を検出するステップと、
前記制御システムが、前記レセプタクル内への前記アイテムの収納を検出する前記ステップに応答して正しいレセプタクル内への前記アイテムの収納を検証するステップと、
を更に含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記モートと前記制御システムが、前記マテリアルハンドリング施設内のアドホックネットワークに参加するように構成されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項13】
各レセプタクルが、トート、バスケット、箱、ビン、ホッパー、棚、自動仕分け機構の誘導レーンのうちの1つであることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項14】
各レセプタクルが、仕切りトート、仕切りバスケット、仕切り箱、仕切りビン、仕切り棚のうちの1つにおける区画であることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項15】
プログラム命令を含むコンピュータアクセス可能媒体であって、そのプログラム命令が、
マテリアルハンドリング施設内でピッキングされる、前記マテリアルハンドリング施設内の2つ又はそれ以上の送り先に対するアイテムを含むアイテムリストを、前記マテリアルハンドリング施設のエージェントに提供し、
前記アイテムリスト上の前記アイテムに対する前記2つ又はそれ以上の送り先の各々に対して、通信インターフェースを備え且つインジケータに結合されたモートを各々が有するレセプタクルを割り当て、
前記アイテムリスト上の前記アイテムを前記マテリアルハンドリング施設からピッキングする際に前記エージェントを前記2つ又はそれ以上のレセプタクル内に誘導することを含み、その誘導することが、ピッキングした各アイテムに対して、
前記エージェントによって入力された情報を送信するように構成された通信デバイスから前記アイテムに関する情報を受け取り、
前記アイテムに対する前記送り先に割り当てられた前記レセプタクルのうちの1つの上の前記モートにメッセージを送信し、前記情報の受け取りに応答して前記モートに結合された前記インジケータを起動し、前記指示されたレセプタクル内に前記アイテムが収納される前記エージェントに表示すること
を含むことを特徴とするコンピュータアクセス可能媒体。
【請求項16】
前記送り先は、仕分けステーション、梱包ステーション、付加価値サービスを実施するためのステーションのうちの1つ又はそれ以上を含むことを特徴とする請求項15に記載のコンピュータアクセス可能媒体。
【請求項17】
各レセプタクルが、前記レセプタクル内へのアイテムの収納を検出するためのセンサを更に有し、前記プログラム命令は、前記センサによる前記レセプタクル内への前記アイテムの収納の検出ステップに応答して前記起動されたインジケータを停止させることを実施するように更に構成されることを特徴とする請求項15に記載のコンピュータアクセス可能媒体。
【請求項18】
各レセプタクルが前記レセプタクル内へのアイテムの収納を検出するためにセンサを更に有し、前記プログラム命令は、前記レセプタクル内への前記アイテムの収納を検出することに応答して前記正しいレセプタクル内への前記アイテムの収納を検証することを実施するように構成されることを特徴とする請求項15に記載のコンピュータアクセス可能媒体。
【請求項19】
マテリアルハンドリング施設からピッキングされたアイテムを受け取り、そのアイテムを前記マテリアルハンドリング施設内の複数の送り先のうちの1つに移送する装置であって、その装置が、
前記アイテムを保持するためのレセプタクルと、
モートとを備え、前記モートが、
プロセッサと、メモリと、通信インターフェースとを備えるモートコアと、
前記モートコアに結合されたインジケータとを含み、
前記モートは、マテリアルハンドリング施設制御システムと通信して、前記制御システムにより受け取られたアイテムに関する情報に応答して前記インジケータを起動し、前記アイテムが前記レセプタクル内に収納されることを前記材料ハンドリング施設のエージェントに表示するように構成されている、
ことを特徴とする移送する装置。
【請求項20】
前記レセプタクル内への前記アイテムの収納を検出するように構成されたセンサを更に備えることを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記モートは、前記センサが前記レセプタクル内への前記アイテムの収納を検出することに応答して前記起動したインジケータを停止させるように更に構成されることを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記インジケータが照明灯を備え、前記インジケータを起動することが前記照明灯を起動することであることを特徴とする請求項19に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2008−532888(P2008−532888A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−500826(P2008−500826)
【出願日】平成18年3月3日(2006.3.3)
【国際出願番号】PCT/US2006/008008
【国際公開番号】WO2006/098943
【国際公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(507303550)アマゾン・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (17)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月3日(2006.3.3)
【国際出願番号】PCT/US2006/008008
【国際公開番号】WO2006/098943
【国際公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(507303550)アマゾン・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (17)
【Fターム(参考)】
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