説明

ユーザーアカウント管理システムおよびそのプログラム

【課題】ユーザーから削除したいユーザーアカウントの指定が無くても、不要と思われるユーザーアカウントを自動的に判断して削除可能とするユーザーアカウント管理システムを提供する。
【解決手段】各種サービスを提供するサーバと、このサーバとネットワークを介して接続されるコンピュータであって、前記各種サービスの提供を受けるために必要なソフトウエアがインストールされているコンピュータとを有して構成されるユーザーアカウント管理システムであって、サーバ1は、ソフトウエアのアカウント総数を減らす場合に、アカウント編集の権限を備えていないアカウントを削除する第1削除手段105を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種サービスを提供するサーバと、このサーバとネットワークを介して接続されるコンピュータであって、前記各種サービスの提供を受けるために必要なソフトウエアがインストールされているコンピュータとを有して構成されるユーザーアカウント管理システムおよびそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、各店舗(写真店またはミニラボ店)とその各店舗を統括する本部とからなる写真プリント事業体がある。このような本部と複数の店舗からなる写真注文システムにおいては、各店舗に複数の注文処理端末(コントローラともいう)を備えて処理の分散化を行うと共に、各店舗の各種処理情報を注文処理端末から本部サーバに送信して、本部サーバで各店舗の各種処理情報を管理する。さらに、本部サーバは、各店舗の注文処理端末から送信された各種処理情報を集計したり、加工したりして、各店舗ユーザに有益となる集計、統計データ(以下、サービスデータという。)等を提供するサービスを行う。
【0003】
そして、そのようなサービスデータを本部サーバから各店舗ユーザに提供する場合には、上記の注文処理端末にサービスデータを送信する以外に、他のコンピュータ(パソコンや携帯端末等)でもそのサービスデータを利用できるようにすることが、注文処理端末の稼動率を低下させずにすみ、かつ店舗以外でもそのサービスデータの提供を受けられるのであるから店舗ユーザにとって大変好都合である。
【0004】
このように、本部サーバで作成された集計、統計データ等のサービスデータを店舗ユーザが自由に利用できるようにするために、本部サーバのサービスデータを閲覧することができる閲覧ソフトを各店舗に所定期間の利用制限を設けて販売することが提案される。そして、この閲覧ソフトと共に複数のユーザーアカウント(数)を設定して販売する。店舗ユーザはアカウント数に応じて自由に所望のコンピュータに閲覧ソフトをインストールすることができる。
【0005】
しかしこのように、閲覧ソフトに所定期間の利用制限が設定されていると、その更新が必要になる。その更新の際に、店舗ユーザからアカウント数を減らしたいとの要求があった場合に、本部では、どのユーザーアカウントを削除していいのか判断できない場合がある。店舗ユーザが自ら不要なユーザーアカウントを削除できる(アンインストールできる)ように構成していても、店舗ユーザが更新期限までに削除せずにそのまま不要なユーザーアカウントを残していることもあると考えられる。一方、本部では、店舗ユーザからアカウント数を減らしたいとの要求があっても、削除するユーザーアカウントを指定されなければ、どのユーザーアカウントを削除していいか分からず、本部オペレータの裁量で自由に削除してしまっては後々混乱を招くため好ましくない。
【0006】
なお、ネットワークシステムに接続された全ての機器のシステム管理者のシステムアカウント情報を一括して管理し、所定の方針に従って、システムアカウントのパスワードを定期的に自動変更してセキュリティ性を向上するシステムアカウント管理装置が知られているが(特許文献1)、これは、複数のユーザーアカウントの内どのユーザーアカウントを削除してよいかを判断する構成を記載しているものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−65662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザーから削除したいユーザーアカウントの指定が無くても、不要と思われるユーザーアカウントを自動的に判断して削除可能とするユーザーアカウント管理システムおよびそのプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため本発明に係るユーザーアカウント管理システムは、
各種サービスを提供するサーバと、このサーバとネットワークを介して接続されるコンピュータであって、前記各種サービスの提供を受けるために必要なソフトウエアがインストールされているコンピュータとを有して構成されるユーザーアカウント管理システムであって、
前記サーバは、
前記ソフトウエアのアカウント総数を減らす場合に、アカウント編集の権限を備えていないアカウントを削除する第1削除手段を有する。
【0010】
この構成の作用効果は以下のとおりである。ユーザーアカウント管理システムは、各種サービスを提供するサーバと、このサーバとネットワークを介して接続されるコンピュータであって、各種サービスの提供を受けるために必要なソフトウエアがインストールされているコンピュータとを有して構成される。「コンピュータ」としては、例えば、写真プリントシステムを構成する、注文入力部で受け付けた注文に係る写真プリント処理をコントロールする機能を提供するコントローラや、携帯端末、パソコン等が挙げられる。「サーバ」は、各店舗の写真プリントシステムとネットワークを介して接続され、各店舗の処理情報を管理し、各店舗の処理情報を集計し、加工したサービスデータを提供可能に構成されている。処理情報は、例えば、プリント処理に関する処理情報であり、例えば、日・週・月毎の写真プリントオーダー数、オーダーの詳細情報(プリント枚数、プリントサイズ、写真の種類(通常、フォトブック、アルバム、テンプレートの有無等)、使用ペーパーの種類・サイズ(片面用ペーパー、両面用ペーパー、ロール状ペーパー等)、プリントエラー情報、メンテナンス履歴情報、消耗品(インク、ペーパー)の残量情報等が挙げられる。
【0011】
コンピュータにインストールされる「ソフトウエア」としては、例えば、上記サービスデータを閲覧するための閲覧ソフトが挙げられる。閲覧ソフトには、所定のアカウント数が予め設定されており、アカウント数に応じて、コンピュータにインストール可能であり、インストール時に、ユーザーごとにアカウント編集権限の有無を設定したり、ユーザー名、パスワードを設定できる。また、インストールされたソフトウエアは、アンインストールできる。
【0012】
そして、サーバの第1削除手段は、ソフトウエアのアカウント総数を減らす場合に、アカウント編集の権限を備えていないアカウントを削除する。「アカウント編集」は、例えば、ユーザーID、パスワードの変更が可能であることを意味する。アカウント編集の権限のないユーザーアカウントであれば、アカウント編集の権限のあるものよりも存続性、必要性が低いと考えられるからである。これによって、アカウント数を減らしたい場合に、ユーザーから削除したいユーザーアカウントの指定が無くても、また、ユーザーに確認することなく、不要と思われるユーザーアカウントを自動的に判断して削除できる。
【0013】
また、上記発明の一実施形態として、サーバは、第1削除手段によるアカウント削除処理の後で、コンピュータからサーバへ送信される特定情報の情報量が所定値よりも少ないアカウントから順に削除する第2削除手段をさらに有する。
【0014】
この構成によれば、第2削除手段は、第1削除手段によるアカウント削除処理の後で、コンピュータからサーバへ送信される特定情報の情報量が所定値よりも少ないアカウントから順に削除することができる。第1削除手段でユーザーアカウントを1つも削除できなかった場合や削除したい数に達しなかった場合に、この第2削除手段でユーザーアカウントを削除できる。「コンピュータからサーバへ送信される特定情報の情報量が所定値よりも少ない」ユーザーアカウントであれば、特定情報の情報量が所定値よりも多いものよりも、存続性、必要性が低いと考えられるからである。
【0015】
「特定情報」は、例えば、ユーザーアカウントごとの所定期間内におけるアクセスに関する情報(例えばLogin回数)、ユーザーアカウントに紐付けされたプリント処理に関する情報(例えば、ユーザーアカウントで識別される店舗のプリントオーダー数)であってサーバで管理される情報が挙げられる。Login回数が無いまたは所定値より少なければ、存続性が低いと判断できる。また、プリントオーダー数が無いまたは所定値よりも少なければ、存続性が低いと判断できる。
【0016】
また、上記発明の一実施形態として、サーバは、アカウント数の削除数を設定する削除数設定手段と、第1削除手段による削除されたアカウント削除数が、設定された削除数未満であった場合に、第2削除手段によるアカウント削除処理を実行する削除制御手段と、をさらに備える。
【0017】
この構成によれば、第1削除手段によって削除されたアカウント削除数が、削除数設定手段で設定された削除数未満であった場合に、第2削除手段によるアカウント削除処理を実行することができる(削除制御手段の機能)。
【0018】
また、上記発明の一実施形態として、削除制御手段は、ソフトウエアの利用継続のための更新期限に応じて、自動的に、第1削除手段によるアカウント削除処理を開始させる構成である。
【0019】
この構成によれば、ソフトウエアの利用継続のための更新期限に応じて、自動的に、第1削除手段によるアカウント削除処理を開始させることができる。また、更新期限に応じて、上記削除数設定手段による削除数が設定(例えば、削除数を手入力、コンピュータから送信された削除数を受信して設定)されるように構成し、第1削除手段によるアカウント削除処理が開始される構成もできる。
【0020】
また、上記発明の一実施形態として、削除制御手段は、削除数設定手段によってアカウント数の削除数が設定された後に、第1削除手段によるアカウント削除処理を開始させる構成である。
【0021】
この構成によれば、ソフトウエアの更新時に限定されずに、任意のタイミングで、第1削除手段によるアカウント削除処理を開始できる。
【0022】
また、他の本発明は、コンピュータに、アカウント数の削除数を設定する削除数設定ステップと、ソフトウエアのアカウント総数を減らす場合に、アカウント編集の権限を備えていないアカウントを削除する第1削除ステップと、前記第1削除ステップによって削除されたアカウント数が、設定された前記削除数未満であった場合に、コンピュータからサーバへ送信される特定情報の情報量が所定値よりも少ないアカウントから順に削除する第2削除ステップと、を実行させるためのユーザーアカウント管理プログラムである。
【0023】
本発明の「サーバ」は、本部に設置されたサーバ装置や、クラウドコンピューティングを利用した形態のクラウドサーバ(クラウドプロバイダとも称する。)およびそのクラウドサーバとネットワーク接続された本部に設置された情報処理装置との組み合わせシステムを含む概念であり、サーバは、単体または複数のコンピュータ(分散型コンピューティングとも称する。)で構成されていてもよい。クラウドコンピューティングは、例えば、ネットワーク・コンピューティング、ユーティリティコンピューティング、SaaS、PaaS、HaaS等の要素を含み、さらに発展させたものである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】写真プリント情報ネットワークシステムの機能構成の一例を示す図
【図2】ユーザーアカウントを削除する処理動作の一例を示すフローチャート
【図3】写真プリント処理の処理情報の一例を示す図
【図4】店舗情報記憶部に記憶されている処理情報の一例を示す図
【図5】付与されたライセンス情報の一例を示す図
【図6】ライセンスID(L001)の詳細情報の一例を示す図
【図7】処理情報を用いて作成したデータの閲覧表示の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下において、ユーザーアカウント管理システムの一例として写真プリント情報ネットワークシステムを用いて説明する。その機能構成を図1を参照して説明する。図1に示す写真プリント情報ネットワークシステムは、複数の店舗のそれぞれに設置される写真プリントシステム2と、複数の写真プリントシステム2をインターネットを介して接続される本部サーバ1(ユーザーアカウント管理システムのサーバに相当する)とで構成されている。写真プリントシステム2は、注文入力部21によって複数種類の注文形態で注文を受け付けでき、例えば、店舗内受付端末(不図示)、スキャナー(不図示)、ネット受付端末(不図示)を有して構成されている。店舗内受付端末は顧客が自ら操作して、写真プリント注文を行える機能構成を提供している。また、スキャナーは、現像済みフィルムから画像を読みとって、デジタル画像データに変換する機能を提供している。また、ネット受付端末は、公知のオンラインプリント注文システムの店舗内受付端末であり、自宅PCや携帯端末等からまたは当該システムのサーバから画像データを含む注文情報を受け付ける機能を提供している。
【0026】
注文入力部21で注文を受け付けた注文情報は、写真プリント処理をコントロールする機能のコントローラ部に送信される。コントローラ部は、2以上のコントローラで構成され、図1では、第1コントローラ22a、第2コントローラ22b、第3コントローラ22c、第4コントローラ22dのみ記載しているが、これ以上のコントローラで構成されていてもよい。
【0027】
このコントローラ部から送信されたプリント処理に関するプリントデータに基づいて写真プリントを出力するためにプリンター部23が構成されている。プリンター部23は、2以上のプリンターで構成され、プリンターの種類としては、例えば、銀塩式プリンター、ドライ式プリンター(インクジェットプリンタ)等が挙げられる。銀塩式プリンターは、画像データに基づいて写真プリントの作成を行える。写真プリントの作成を行う場合は、プリント用に処理されたプリント用画像データを露光エンジンに送信し、ペーパー等の写真感光材料に画像を焼付露光する。画像が焼付露光されたペーパーを現像処理することで、写真プリントを作成することができる。インクジェットプリンタは、公知のインクジェットプリンタを用いることができる。また、インク吐出の方法としては、インクが充填された圧力室内の容積がピエゾ素子によって変化することで、圧力室に連通するインク吐出ノズルからインクを吐出する一般的なピエゾ方式が例示される。
【0028】
次に第1コントローラ22aの機能について説明するが、これら機能は他のコントローラにも備えられている機能である。注文管理部221は、出力するためのプリンターを決定する振り分け処理機能を有し、決定されたプリンターにプリントデータを送信する。
【0029】
処理情報送信制御部223は、本部サーバ1に写真プリント処理に関する処理情報を本部サーバ1に送受信部224を用いて送信するように制御する。この写真プリント処理に関する処理情報は、例えば、個々のプリンターの記憶部(不図示)に記憶されている場合や、コントローラの記憶部(不図示)に記憶されている。図3は、この処理情報の一例を示しており、オーダーID,処理されたプリンターのプリンターID,プリントサイズ、プリント枚数等のデータが例示される。この処理情報は、コントローラID(例えばC22a)と紐付けされて本部サーバに送信される。
【0030】
また、第1コントローラ22aは、注文に関する画像データの画像処理の条件設定操作、画像処理、プリント条件(枚数、サイズ、自動補正等)の設定を行う機能部(不図示)を有している。また、写真プリントシステムは、CD−R(記憶媒体の一例)等のメディアに画像データの書き込みを行う機能を有する記憶媒体書き込み装置が設置されている場合もある。第1コントローラ22aは、汎用のコンピュータで構成できる。モニター(不図示)は、液晶表示装置、有機EL表示装置等で構成される。入出力手段(不図示)は、マウス、キーボード等で構成される。
【0031】
(閲覧ソフトウエアのインストール)
第1コントローラ22aに、閲覧ソフトウエアをインストールすることができる。閲覧ソフトウエアは、各店舗のプリント処理に関する処理情報を加工したサービスデータを受信しモニターに閲覧できるようにするソフトウエアである。なお、本発明のソフトウエアはこの閲覧ソフトウエアに限定されないことはいうまでもない。
【0032】
閲覧ソフトウエア(例えばCD−ROMに記憶された形態)には、予め所定のアカウント数(ライセンス数ともいう)が設定されており、このアカウント数に応じて、店舗では、コントローラやパソコンにインストールできる。インストール時に、ユーザーアカウントごとにアカウント編集権限の有無を設定でき、ユーザーID、パスワードを設定し本部サーバ1に登録される(後述するアカウント管理部101の機能により、記憶部102に記憶される)。ユーザーID等の登録に際し、コントローラIDも紐付けされて登録されることが好ましい。また、インストールされた閲覧ソフトウエアは、自由にアンインストールすることができ、アンインストールされることで、ユーザーID等の登録情報が削除され、またはアクセス禁止の状態としてフラグ管理される。
【0033】
インストールされた閲覧ソフトウエアの機能部を閲覧制御部222として説明する。閲覧制御部222は、例えば、モニター画面の閲覧アイコンをクリックして閲覧ソフトウエアを起動することで機能し、例えば、図7に示すような閲覧画面をモニターに表示させ、所定の入力操作で所定の指示情報(例えば、所定の表示規則の情報)を受け付けでき、この指示情報を本部サーバ1に送信して、この指示情報に応じて本部サーバ1からサービスデータを受信し、サービスデータを閲覧することができる。
【0034】
(パソコンへのインストール)
第1コントローラ22aと同様にパソコン3に閲覧ソフトウエアをインストールすることができる。パソコン3は、写真プリントシステムの一部を構成していてもいなくてもよく、インターネット接続(送受信部32の機能)を介して本部サーバ1にアクセスできる機能を少なくとも有している。閲覧制御部31は、上記の閲覧制御部222と同様の機能を提供する。
【0035】
(本部サーバ)
本部サーバ1は、各店舗に関する情報を管理する店舗情報管理部12を有している。店舗情報管理部12は、各店舗に関する情報の一例として、上述のプリント処理に関する処理情報を少なくとも各プリンターおよびそれと接続されているコントローラを識別するための識別情報(プリンターIDおよびコントローラID)と共に、店舗情報記憶部121に記憶して管理する。店舗情報管理部12は、第1〜第4コントローラ22a、22b、22c、22dから送受信部11で受信したそれぞれの処理情報をプリンターIDおよびコントローラIDと紐付けされて店舗情報記憶部121に記憶するように制御する。
【0036】
本部サーバ1の表示指令受付部15は、本部サーバ1のモニターで処理情報を表示するための表示指令と共に、所定の表示規則を入力して受け付けることができる。また、表示指令受付部15は、第1コントローラ22a等から受信した所定の表示規則の情報を受け付けることができる。第1コントローラ22aにインストールされた閲覧ソフトウエアを起動し、閲覧画面からの所定の表示規則を入力することで、入力された所定の表示規則が本部サーバ1に送信される。例えば、図7に示すように、表示目的に応じた表示の種類、ソート、期間等を入力することができる。
【0037】
本部サーバ1のデータ加工演算部13は、表示指令受付部15で入力または受信された表示規則と表示指令に応じて、店舗情報記憶部121から処理情報(図4参照)を読み出し、当該表示規則に基づいて、処理情報を加工して表示用データ(サービスデータに相当する)を作成する。表示の指示入力がなされてから、表示用データを作成することで、ユーザーが表示させたい表示態様に応じたデータをその都度作成すればよく効率が良い。これに対し表示用データを予め作成しておく場合にはユーザーの表示要望が多種多様であるため、作成される表示用データが膨大になりコンピュータ資源の無駄であり非効率である。
【0038】
データ制御部14は、データ加工演算部13で作成された表示用データを表示制御する表示制御部141と、表示用データを外部装置に送信制御する送信制御部142を有して構成されている。送信制御部142は、表示用データを要求元のコントローラ等に送信し、表示用データは当該コントローラの閲覧ソフト画面に表示される。
【0039】
(ユーザーアカウント管理部100の機能)
アカウント管理部101は、閲覧ソフトウエアのライセンスを管理しており、例えば、図5に示すように、ライセンスID、アカウント総数、ライセンス更新日等の情報を記憶部102に記憶して管理する。ライセンスごとにアカウント総数が予め設定されており、このアカウント数に応じた数のコンピュータにインストールが可能である。インストール実行の際に、ユーザーID,パスワード、アカウント編集権限の有無、関係するコントローラID等の情報が、本部サーバ1に送信され、図6に示すように記憶部102に記憶されて管理される。コントローラ以外のコンピュータにインストールされる場合には、関係するコントローラIDを必ずしも登録する必要がなく、店舗IDやプリンターIDで代用してもよく、またコントローラIDを複数個登録するように構成できる。また、アカウント管理部101は、ユーザーIDごとにLogin履歴およびその回数を算出して図6に示すように記憶部102に記憶して管理する。
【0040】
削除設定部103(削除設定手段に相当する)は、アカウント数の削除数を設定する機能であり、例えば、本部サーバ1の入力手段(不図示)を用いて削除数を手入力して設定でき、また、第1コントローラ22a等のコントローラ部や、パソコン3からの電子メール、データ通信によって、削除数を受信した場合に、この削除数をそのまま設定するように構成できる。なお、削除数が直接得られない場合に、アカウント数の必要数から削除数を算出するように構成してもよい。
【0041】
削除制御部104(削除制御手段に相当する)は、第1削除部105(第1削除手段に相当する)によるアカウント削除処理を実行し、次いで、第2削除部106(第2削除手段に相当する)によるアカウント削除処理を実行するように制御する。実施形態の一例として、削除制御部104は、第1削除部105によって削除されたアカウント削除数が、削除数設定部103で設定された削除数未満であった場合に、第2削除部106によるアカウント削除処理を実行する。また、別の実施形態の一例として、削除制御部104は、ソフトウエアの利用継続のための更新期限に応じて、自動的に、第1削除部105によるアカウント削除処理を開始させる。また、さらに別の実施形態の一例として、削除制御部104は、削除数設定部103によってアカウント数の削除数が設定された後に、第1削除部105によるアカウント削除処理を開始させる。
【0042】
本部サーバ1の第1削除部105は、ソフトウエアのアカウント総数を減らす場合に、アカウント編集の権限を備えていないアカウントを削除する。第2削除部106は、第1削除部105によるアカウント削除処理の後で、特定情報の情報量が所定値よりも少ないアカウントから順に削除する。特定情報としては、Login回数やプリント処理に関する処理情報が例示される。「所定値」は、予め設定されていてもよく、削除処理の際に手入力するように設定することもできる。
【0043】
(アカウント削除処理のフロー)
アカウント削除処理の動作を図2のフローチャートを用いて説明する。ライセンサー(図5のライセンスID「L001」)は、閲覧ソフトウエアの更新でアカウント数を「5」から「3」に減少させたい旨の連絡を本部サーバ1に通知している。しかしながら、ライセンサー自らがアカウントの削除(アンインストール)を実行せず、更新日時が経過したため、本部サーバ1のオペレータは、本部サーバ1(ライセンシー)の権限によりアカウントの削除処理を実行する。先ず、入力手段(不図示)を用いて削除数(2)を設定する。(ステップS1)。次いで、第1削除部105は、図6に示すように、アカウント編集権限のないユーザID「shop001−04」のユーザーアカウントを削除する(ステップS2)。S2の削除数「1」とS1の削除処理すべき削除数「2」が比較され(ステップS3)、S2の削除数(「1」)が、S1の削除数(「2」)未満であるため、ステップS4に進み、第2削除部106による削除処理が実行される。なお、S2の削除数が、S1の削除数(「2」)未満でない場合には、削除処理は終了する。
【0044】
第2削除部106は、Login回数が所定値(例えば2回)よりも少ないユーザID「shop001−03」のユーザーアカウントを削除する(ステップS4)。削除数が「2」になるまで、ステップS4は繰り返される。Login回数が所定値よりも少なく、かつLogin回数の少ないほうから順に削除していく。
【0045】
以上の削除処理動作フローにおいて、特定情報として、Login回数を用いたが、これに限定されず、例えば、特定情報としてプリント処理に関する処理情報であるプリントオーダー数を用いることができ、例えば、ユーザーIDに紐付けされたコントローラIDから図4に示すようなデータ群から直近の所定期間(例えば1ヶ月)でプリントオーダー数が所定値より小さいものから順に削除するように構成できる。
【0046】
また、第1削除部105の削除処理において、アカウント編集権限の無いユーザーIDが、所望の削除数(「2」)よりも多い場合には、アカウント編集権限がなく、かつ第2削除部106による削除処理ルールに基づいて削除していく構成ができる。
【0047】
(閲覧ソフトウエアの閲覧動作)
閲覧ソフトウエアを起動して、ユーザーID、パスワードを入力し、図7に示すような閲覧画面をモニターに表示させる。表示規則の入力として、例えば、図7に示すような、集計する期間を限定したり、プリンター別のプリント総数の集計や、店舗別かつプリンター別のプリント総数の集計や、写真プリントの種類(L判プリント、フォトブック、ポストカード等)別のプリント総数の集計等が挙げられ、メニュータブから「Consumable Information」を選択し、表示の種類(Kind)として「Merchandise Info」を選択し、ソート(Sort)として「Printer」を選択し、期間(Term)として「All available data」を選択することが例示される。これら入力された情報が本部サーバ1に送信される。本部サーバ1の表示指示受付部15がそれら情報を受け付け、次いで、データ加工演算部13は、店舗情報記憶部121から処理情報(図4参照)を読み出し、受信した情報(表示規則)に従って、データを加工し、表示用データ(サービスデータに相当する)を作成する。送信制御部142によって、要求元のコンピュータに表示用データが送信され、図7に示すような、各店舗のプリンター毎における処理情報の集計結果(Total Print:プリント総数)を閲覧することができる。
【0048】
(別実施態様)
上記のアカウント削除処理の動作を実行するためのプログラムは以下のように構成できる。
コンピュータに、
アカウント数の削除数を設定する削除数設定ステップと、
ソフトウエアのアカウント総数を減らす場合に、アカウント編集の権限を備えていないアカウントを削除する第1削除ステップと、
前記第1削除ステップによって削除されたアカウント数が前記削除数未満であった場合に、コンピュータからサーバへ送信される特定情報の情報量が所定値よりも少ないアカウントから順に削除する第2削除ステップと、を実行させるためのプログラムである。
【符号の説明】
【0049】
1 本部サーバ
12 店舗情報管理部
121 店舗情報記憶部
13 データ加工演算部
14 データ制御部
15 表示指示受付部
100 ユーザーアカウント管理部
101 アカウント管理部
102 記憶部
103 削除数設定部
104 削除制御部
105 第1削除部
106 第2削除部
2 写真プリントシステム
22a 第1コントローラ
221 注文管理部
222 閲覧制御部
223 処理情報送信制御部
23 プリンター部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種サービスを提供するサーバと、このサーバとネットワークを介して接続されるコンピュータであって、前記各種サービスの提供を受けるために必要なソフトウエアがインストールされているコンピュータとを有して構成されるユーザーアカウント管理システムであって、
前記サーバは、
前記ソフトウエアのアカウント総数を減らす場合に、アカウント編集の権限を備えていないアカウントを削除する第1削除手段を有するユーザーアカウント管理システム。
【請求項2】
前記サーバは、
前記第1削除手段によるアカウント削除処理の後で、前記コンピュータからサーバへ送信される特定情報の情報量が所定値よりも少ないアカウントから順に削除する第2削除手段をさらに有する請求項1に記載のユーザーアカウント管理システム。
【請求項3】
前記サーバは、
前記アカウント数の削除数を設定する削除数設定手段と、
前記第1削除手段による削除されたアカウント削除数が、設定された前記削除数未満であった場合に、前記第2削除手段によるアカウント削除処理を実行する削除制御手段と、を備える請求項2に記載のユーザーアカウント管理システム。
【請求項4】
前記削除制御手段は、
前記ソフトウエアの利用継続のための更新期限に応じて、自動的に、前記第1削除手段によるアカウント削除処理を開始させる請求項1から3のいずれか1項に記載のユーザーアカウント管理システム。
【請求項5】
前記削除制御手段は、
前記削除数設定手段によってアカウント数の削除数が設定された後に、前記第1削除手段によるアカウント削除処理を開始させる請求項1から4のいずれか1項に記載のユーザーアカウント管理システム。
【請求項6】
コンピュータに、
アカウント数の削除数を設定する削除数設定ステップと、
ソフトウエアのアカウント総数を減らす場合に、アカウント編集の権限を備えていないアカウントを削除する第1削除ステップと、
前記第1削除ステップによって削除されたアカウント数が、設定された前記削除数未満であった場合に、コンピュータからサーバへ送信される特定情報の情報量が所定値よりも少ないアカウントから順に削除する第2削除ステップと、を実行させるためのユーザーアカウント管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−198094(P2011−198094A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−64669(P2010−64669)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(311001347)NKワークス株式会社 (96)
【Fターム(参考)】