説明

ライダーサドルを備えた電動車両

【課題】エネルギ貯蔵器及びドライブトレーンの間において、接続導線が露出しておらず、また、造られた車両のドライブトレーンが、周知の一般的な電動車両の場合よりも少ないエネルギ損失とする。
【解決手段】ライダーサドル7及び車両フレーム10を有し、車両フレーム10は、ステアリングヘッド5まで延びると共に、互いに離間した2つの外形フレームを有する。車両1は、車両フレーム10の前輪ガイド2で案内される少なくとも1つの前輪3と、後輪ガイドで案内される少なくとも1つの後輪17とを含む。また、車両は、電気駆動モータ及び電気エネルギ貯蔵器、並びに駆動モータ制御装置を有する。また、駆動モータ及び駆動輪の間には、ドライブトレーンが設けられる。また、エネルギ貯蔵器は、駆動モータの上方において、外形フレームの間に取り付けであると共に、エネルギ貯蔵器は、駆動モータを支持する駆動ユニットに取り外し可能に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ライダーサドル及び車両フレームを有する車両に関し、車両フレームは、ステアリングヘッドまで上方に延びると共に、互いに離間した2つの外形フレームを有する。また、車両は、車両フレームの前輪ガイドで案内される少なくとも1つの前輪と、後輪ガイドで案内される少なくとも1つの後輪とを含む。また、車両は、電気駆動モータ並びに電気エネルギ貯蔵器と、駆動モータ制御装置とを有する。また、駆動モータ及び駆動輪の間には、ドライブトレーンが設けられると共に、エネルギ貯蔵器は、駆動モータの上方において、外形フレームの間に取り付け可能である。
【背景技術】
【0002】
本明細書で説明される車両は、単一軌道、即ち1つの前輪及び1つの後輪を有する二輪車両であってよく、或いは1つの前輪及び2つの後輪又は2つの前輪及び1つの後輪を有する複列軌道車両を含んでもよい。
【0003】
車両は、推進のための電気駆動モータを含んでおり、その結果、内燃機関から生じる排気ガスは存在しない。車両を駆動するためのエネルギは、電気エネルギ貯蔵器から得られ、また、駆動モータ制御装置は、走行に際して、特定の用途のために必要に応じて、電気駆動モータに電気エネルギをエネルギ貯蔵器から供給する。
【0004】
特許文献1には、二輪電気自動車が開示されている。本文献は、電気駆動モータを含む二輪自動車を開示しており、電気駆動モータの出力トルクは、周知の二輪自動車の後輪へ伝達される。電池の形態をなすエネルギ貯蔵器は、駆動モータの上方に、即ち電気駆動モータを含む駆動ユニットから離間して配置される。
【0005】
特許文献2には、電気駆動モータを含む電動自動二輪車が開示されており、電気駆動モータは、その出力トルクを、ドライブチェーンを介して、後輪へ伝達する。電池の形態をなす電気エネルギ貯蔵器は、2つの箱形の外形フレームの間、即ち電気駆動モータの上方且つそこから離間して配置される。
【0006】
特許文献3には、電池を有する電動自動二輪車が開示されており、電池は、この周知の自動二輪車のフレームのステアリングヘッドチューブに連結される2つの横方向の外形フレームの間に配置される。電池は、駆動モータの上方に、且つそこから離間して配置される。本文献には、駆動モータの上方及び下方の両方に電池を有する実施形態も開示されており、駆動モータは、その駆動エネルギを、一次駆動装置及び二次駆動装置を含むドライブトレーンを介して、自動二輪車の後輪へ伝達する。本構成の一次駆動装置は、CVTバリエータであり、このCVTバリエータにより、変速比が連続的に変更され得、また、駆動モータ軸及び動力伝達装置入力端の両方において、一対の傘歯車を特徴としており、一対の傘歯車は、遠心クラッチによって、トルク伝達装置に結合され得る。
【0007】
特許文献4には、電池を備えた一般的な車両構成が開示されており、電池は、電力を電気モータへ供給する。
特許文献5からは、車両のサドル支持体上に配置され得る電池アセンブリを有する電気車両が知られている。駆動モータとして作用するのは、後輪に配置される駆動アセンブリである。駆動アセンブリは、電池アセンブリから物理的に離れて配置される車輪ハブモータである。
【0008】
特許文献6には、可変バッテリボックス用フレームが開示されており、バッテリボックスは、そのバッテリボックスが備え付けられる二輪車のフレームチューブ間に配置されることを特徴としており、電気モータに関連するバッテリボックスの構成の更なる詳細については、本文献には開示されていない。
【0009】
特許文献7には、フレーム支柱の間に配置され得るバッテリトレイを備えた二輪車のフレーム構造が開示されている。
特許文献8には、2つのフレームリンク間におけるバッテリボックスを特徴とする電動二輪車が開示されており、駆動モータは、バッテリボックスから離れて配置される。
【0010】
上記に記載される電動自動二輪車は、定期的に再充電を要するエネルギ貯蔵器を有する。このため、エネルギ貯蔵器は、充電器等に連結されたり、或いはそれに変えて、放電させられたエネルギ貯蔵器が、新たに充電されたエネルギ貯蔵器、又は未だ十分な容量を有するエネルギ貯蔵器と取り換えられたりする。
【0011】
このため、上述の公知の自動二輪車では、接続ケーブルの形態をなす導電接続が、駆動ユニット及びエネルギ貯蔵器の間において切断され、次に、新しいエネルギ貯蔵器が、自動二輪車に嵌め入れられる時に同様に必要とされる工具の利用を要して、放電したエネルギ貯蔵器が自動二輪車から取り外され、また、導電接続が、駆動ユニット及びエネルギ貯蔵器の間に再形成される必要がある。
【0012】
これを行うことは、時間及び労力を使う。これに加えて、ケーブルの形態をなすエネルギ貯蔵器及び駆動ユニットの間の導電接続の存在は、また、安全及び作動リスクを負う。コード化されたプラグ及びソケットユニットは、分極に役立つが、自由に配置された又は接近可能な電気配線は、高電圧及び高電流が、パワフルな自動二輪車において、駆動ユニット及びエネルギ貯蔵器の間に存在するので、怪我の危険を引き起こす。
【0013】
電動自動二輪車は、また、困難な地形を通り抜けるために配置される時に、バイクが転倒し、又は車輪の一方が意図しない状態で把持力を失い、且つ、駆動ユニット及びエネルギ貯蔵器を接続する電気ケーブルが破損させられる可能性が、加えて存在する。
【0014】
また、上述の周知の自動二輪車は、複雑に構成されたドライブトレーンを有する場合もある。所望の駆動力を得るために、電気モータは、ドライブトレーンの一次駆動装置で減少させられなければならない相対的に高い回転速度を達成する必要がある。このため、CVT動力伝達装置が、上記に引用された自動二輪車において、一次駆動装置として設けられる。また、CVT動力伝達装置に代えて、一次駆動装置として、チェーン駆動装置を設けることも開示されている。これらの解決策のいずれもが、ベルト又はチェーンの形態をなす牽引手段に起因して、特に一次駆動装置の長手方向に、多くの空間を取ることから、欠点を有している。これに加えて、この種の一次駆動装置は、牽引手段の長手方向における振動が生じるかもしれず、一次駆動装置において駆動力を消費し、また騒音をも生じさせる一方、牽引手段に必要とされる余分な隔室がまた、一次駆動装置、ひいては車両全体の重量に加わり、望まれる車両の動的応答へ害を及ぼすので、この一次駆動装置が嵌合される車両の動的性能に関して不都合である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開平2004−210072号公報
【特許文献2】特開平05−065085号公報
【特許文献3】米国特許第5501292号明細書
【特許文献4】米国特許第5657830号明細書
【特許文献5】独国特許発明第60300636号明細書
【特許文献6】独国特許出願第102007019803号明細書
【特許文献7】国際公開第2005/044602号
【特許文献8】独国特許出願公開第4201207号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上記に基づいて、本発明の目的は、エネルギ貯蔵器及びドライブトレーンの間において、接続導線が露出しておらず、また、造られた車両のドライブトレーンが、周知の一般的な電動車両の場合よりも少ないエネルギを損失するように、車両を精巧にする際に、上述の欠点を排除することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本目的を達成するために、本発明は、請求項1に列挙されている特徴を含む。その有利な態様は、他の請求項から読み取ることができる。
本発明は、ライダーサドル及び車両フレームを有する車両を提供する。車両フレームは、ステアリングヘッドまで上方へ延びると共に、互いに離間した2つの外形フレームを有する。また、車両は、車両フレームの前輪ガイドで案内される少なくとも1つの前輪と、後輪ガイドで案内される少なくとも1つの後輪とを含む。また、車両は、電気駆動モータ及び電気エネルギ貯蔵器、並びに駆動モータ制御装置を有する。また、駆動モータ及び駆動輪の間には、ドライブトレーンが設けられると共に、エネルギ貯蔵器は、駆動モータの上方において、外形フレームの間に取り付け可能である。エネルギ貯蔵器は、駆動モータを支持する駆動ユニットにおいて取り外し可能に配置される。
【0018】
それ故、本発明は、電動車両をもたらすものであり、エネルギ貯蔵器及び駆動ユニットの配置により、導電接続が、エネルギ貯蔵器及び駆動ユニットの間において、夫々の駆動モータに形成される。これは、使用者が配線プラグ及びソケットコネクタを、エネルギ貯蔵器及び駆動ユニットの間に接続することなく、エネルギ貯蔵器を駆動ユニットに嵌合させた時に、自動的に達成される。それ故、使用者がエネルギ貯蔵器を駆動ユニットから取り外した時には、エネルギ貯蔵器及び駆動ユニットの間の導電接点に外部から接近可能となる前に、導電接続が切断されるように、使用者はまた、エネルギ貯蔵器及び駆動ユニットの間の導電接続を自動的に切断する。逆に、エネルギ貯蔵器を駆動ユニットに嵌合する際には、導電接続は、エネルギ貯蔵器を駆動ユニットに嵌合した時に、自動的に形成される。このため、例えば、エネルギ貯蔵器及び駆動ユニットの導電接点へ、外部の使用者から自由接近不能となるまで、エネルギ貯蔵器及び駆動ユニットの間の導電接続が形成されないように、駆動ユニットの一嵌合位置へのエネルギ貯蔵器の配置を許容する形状及び寸法等が相補的な戻り止めタング等が、エネルギ貯蔵器及び駆動ユニットに設けられてもよい。
【0019】
それ故、この導電接続は、使用者が巻き込まれる必要がなく、自動的に形成されることから、使用者は、エネルギ貯蔵器及び駆動ユニットの間に、導電接続を形成することを心配する必要がもはやないので、これは同時に、迅速交換システムをもたらす。
【0020】
本発明に従い提供される車両が、例えば、クロスカントリースポーツ又は競技バイク用に設計されるオールテライン競技用自動二輪車である時には、エネルギ貯蔵器が外形フレームの間に設けられるという構成はまた、乗り手がバイクと共に、偶発的に転倒するならば、結果的にエネルギ貯蔵器が、外形フレームによって、地面上の石等による破損から保護されることとなる。関係する外形フレームは、断面が閉塞したものであっても、或いは中空であってよく、円形管状、楕円又は箱形状に構成されてよく、また車両のステアリングヘッドまで上方に延びてもよい。ステアリングヘッドは、前輪ガイドを車両に枢動可能に配置するためのステアリングヘッド軸受を含む。
【0021】
加えて、駆動ユニット及びエネルギ貯蔵器を、本発明に係る車両の外形フレーム内に配置すると、結果的に、極めて良好な駆動及び操縦性能を有する車両が得られ、車両の重心が、外形フレームによって形成される収容隔室内において、乗り手のサドル下方に位置させられる構成が生じる。乗り手の正常なサドル着座位置において、例えば、サドルに構成される中空形状をなす最下位置の部分では、車両下側面から見られた乗り手が、乗り手の重心によって、車両の重心の上方に垂直に配置されて、本発明に係る車両の、車両の重心を通り延びるヨー軸周りにおけるダイナミックな操縦が、このヨー軸周りにおける低い慣性モーメントを伴い許容される。車両の前進方向に見た時に、駆動ユニットは、車両の後輪ガイド用支持体の前に位置させられる。
【0022】
本発明の更なる一実施形態において、駆動ユニット及びエネルギ貯蔵器には、エネルギ貯蔵器の駆動ユニットへの配置に際して、導電接続を生じさせるプラグ及びソケットコネクタが設けられる。エネルギ貯蔵器の駆動ユニットへの配置は、嵌合を含んでよく、この間において、エネルギ貯蔵器は、既に上述したような戻り止めタング結合によって、又は導電接続を形成する際の幾つかの他の迅速交換結合によって、駆動ユニットに配置される。この配置はまた、エネルギ貯蔵器が既に駆動ユニットに配置されるが、導電接続は、例えば、エネルギ貯蔵器及び駆動ユニットの間に戻り止めが存在するまで形成されないという作用を含んでよい。
【0023】
本発明の更に別の実施形態において、駆動ユニットは、駆動モータ及び動力伝達装置を収容する第1ハウジングを有する。エネルギ貯蔵器を電気的に接続するためのプラグ又はソケットは、エネルギ貯蔵器と対向するハウジングの一側面に設けられる。エネルギ貯蔵器を占める第2ハウジングが設けられてもよく、駆動ユニットと対向するハウジングの一側面には、駆動ユニットとの電気的接続用プラグ又はソケットが設けられており、即ち換言すれば、プラグが第1ハウジングに、またソケットが第2ハウジングに設けられ、或いは、ソケットが第1ハウジングに、またプラグが第2ハウジングに設けられており、エネルギ貯蔵器を駆動ユニットに配置する際に、夫々の構成において、エネルギ貯蔵器及び駆動ユニットの間に、安全な電気接点が結果的に生じる。エネルギ貯蔵器を駆動ユニットから接続を断つ時には、それらの導電接続は、電気接点に使用者が接近可能である前に切り離される。エネルギ貯蔵器には、エネルギ貯蔵器及び駆動ユニットの間の物理的な接続が切断されるとすぐに、そこに設けられた電気接点を回路から取り出す手段が設けられてもよい。
【0024】
本発明の更に別の実施形態において、駆動ユニットは、車両の後輪ガイドを取り付けるための支持体を有する。後輪ガイドは、例えば、駆動ユニットの第1ハウジング内に配置されるスイングアーム支点を含む車両の後輪を案内するように作用する後輪スイングアームであってよく、結果的に、本発明によって、車両の小型構成が得られる。
【0025】
本発明の更に別の実施形態において、駆動モータ制御装置は、駆動ユニットに配置される。従って、駆動モータ制御装置は、車両の使用者が接近不能な第1ハウジングに収容され得、ひいては、車両使用者の電流伝達構成部品との偶発的な接触が阻止される。本構成はまた、例えば、好ましくは車両の冷却空気流に位置する車両の領域において、熱くなる冷却フィン等の形態をなすハウジングの構成部品を設置して、第1ハウジングが、駆動モータ及び駆動モータ制御装置を冷却するように構成され、他方では、汚れることから保護されると共に、車両があるべき状態で走行する時に、車両の使用者と接触しなくなるようにすることも可能にする。
【0026】
空或いは略空になった時に、エネルギ貯蔵器を、十分に又は完全に充電されたエネルギ貯蔵器と迅速に取り換えるために、本発明の更に別の実施形態において、エネルギ貯蔵器及び駆動ユニットは、エネルギ貯蔵器及び駆動モータの間に導電接続を形成する際に、工具による援助を必要としない迅速交換結合によって、相互接続可能である。この迅速交換結合は、戻り止め結合、自己固定結合、クランプ結合等であり、例えば、エネルギ貯蔵器が、駆動ユニットの一位置にのみ固定され得るように、エネルギ貯蔵器及び駆動ユニットに分極要素を含み、これにより、迅速交換結合は、エネルギ貯蔵器を駆動ユニットに嵌合させる時に、自動的に戻り止めする一方で、同時に、エネルギ貯蔵器及び駆動モータの間に導電接続を形成する。
【0027】
本発明の更に別の実施形態において、電気エネルギをエネルギ貯蔵器へ供給する充電機器を接続するために、第1ハウジングに接続機器が設けられる。この接続機器は、例えば泥や砂利等の形態をなして、駆動輪によって投げ上げられる飛散物にさらされる部分の上方において、第1ハウジングに配置される。しかしながら、本発明では、第2ハウジングに代えて、又は加えて、充電機器を接続するための接続機器が配置される。従って、本発明に係る車両の使用者が、例えば一日の終わりに、エネルギ貯蔵器を車両から離れた所で充電するのを許容するために、第2ハウジングを備えたエネルギ貯蔵器を駆動ユニットから切り離すことが可能になる。従って、エネルギ貯蔵器は、車両上で、また車両から離れて、充電され得る。
【0028】
本発明の更に別の実施形態において、ドライブトレーンは、駆動モータの出力軸及び駆動ユニットの出力軸の間に、一段階式非牽引一次駆動を含む。
本構成は、一次駆動の小型構成に有用であり、ひいては、例えば電気駆動モータの出力軸及び動力伝達装置の入力軸の間のベルト牽引無段動力伝達装置の場合のように、損失の大きい複雑な動力伝達装置を排除する場合には、極めて力強い車両に有用である。
【0029】
本発明の更に別の実施形態において、一次駆動は、2つの歯部を特徴とする一片中間ホイールを含む。第1歯部は、駆動モータの出力軸の歯部と噛合すると共に、第2歯部は、駆動ユニットの出力軸の歯部と噛合する。これにより、本発明では、2つの歯部が、互いに軸方向に離間して中間ホイールに設けられるので、一次駆動の極めて小型の構成がもたらされる。中間ホイールの長手方向中央線は、電気駆動モータの出力軸の長手方向中央線と平行に、また駆動ユニットの出力軸と平行に延びる。これにより、上記に引用された電動自動二輪車では存在する遠心クラッチの必要性が排除されると共に、また必要とされるかさが大きく加わる牽引手段をなしですまして、極めて小型且つ費用効果的な構成を達成する。
【0030】
本発明の更に別の実施形態において、ドライブトレーンは、駆動ユニットの出力軸及び後輪の間に、牽引手段を有する。動力伝達装置は、チェーン又はベルトであってもよいが、後輪は、例えば、本発明に係る電動二輪車の後輪であってもよい。
【0031】
本発明の更に別の実施形態において、駆動ユニットは、冷却フィンが駆動ユニットの長手方向に延びた状態で、少なくとも駆動ユニット及び駆動モータ制御装置の領域に、また冷却フィンの一部が、垂直方向に延びた状態で、駆動モータ制御装置の領域に設けられ、駆動ユニットの出力軸が貫通する後輪ガイドを取り付けるための支持体を有する。長手方向に延びる冷却フィンに代えて、又は加えて、駆動ユニットを冷却するように作用する半径方向冷却フィンが設けられてもよい。
【0032】
従って、これにより、駆動モータ制御装置の領域に、垂直方向に延び、上面及び下面の両方に開放する冷却フィンを有する駆動ユニットが結果的に得られ、ひいては、駆動ユニットの長手方向を横断して延び、回転軸が貫通する穿孔が構成される冷却フィンブロックが形成され、これにより、上記に既に述べたように、後輪スイングアームは、この冷却フィンブロックに取り付け可能であり、それ故、後輪スイングアームを車両フレームに取り付けるための別個の面を必要としないで済むので、ひいては、コンパクトな機能統合がもたらされる。
【0033】
本発明の更に別の実施形態において、駆動ユニットは、駆動モータを収容するために、カバーによって閉鎖される隔室を有し、また、駆動モータの出力軸は、カバーの回転接触軸受によって取り付け可能であり、且つカバーには、冷却フィンが設けられる。これにより、例えばモジール式システムによって、本発明に係る出力が異なる車両を得ることが可能になる構成がもたらされる。従って、1つの駆動モータは、例えば、カバー及び電気駆動モータの出力軸において中間ホイールと組み合うギアの1つを取り外した後に、駆動モータを駆動ユニットの第1ハウジングの外へ持上げると共に、それを例えばより力のある駆動モータと取り換えることだけで、より力のある駆動モータと取り換えられ得る。本発明の有利な一実施形態によれば、これは、車両フレームに嵌合された駆動ユニットであっても行われる。エネルギ貯蔵器は、駆動ユニットにおいて取り外し可能に配置されるので、エネルギ貯蔵器は同様に、駆動ユニットから簡単に取り外されると共に、例えば別の電池セルを有する別のエネルギ貯蔵器と取り換えられ、本発明に係るより強力な車両を、結果的に利用することができる。
【0034】
結論として、本発明によれば、本発明に係る車両は、ただ1つの前輪及びただ1つの後輪を有する単一軌道、即ち二輪車型であり、駆動ユニットが、エネルギ貯蔵器の下方において、外形フレームの間に配置され、また車両は、前輪ガイドと機能的に結合されるステアリング機器を含むと共に、後輪は、駆動ユニットに取り付けられるスイングアームによって案内される。従って、本発明に係る二輪車車両は、例えば、オフロード走行用にも構成されると共に、クロスカントリースポーツイベントに適するように良好に跳躍する自動二輪車であってもよい。
【0035】
本発明に係るこの車両には、エネルギ貯蔵器が、ライダーサドルの下方に配置され、この部分には、たとえ車両がでこぼこの地形を通り抜けている時に、またこのような状況で転倒した後であっても、破損からの包括的な保護をエネルギ貯蔵器が有するように、横向きに配向された外形フレームによる側方保護を有する。このような車両は、既に嵌合させられたエネルギ貯蔵器に加えて、第1エネルギ貯蔵器が長時間の走行後に空になった時の迅速交換として、第2エネルギ貯蔵器を特徴としてもよい。
【0036】
また、ライダーサドルが工具の助けなく取り外され得るように、戻り止め又はクランプ型連結機器によって、車両フレームに結合されたライダーサドルを取り外すことが、必要な全てである。ライダーサドルが取り外されると、エネルギ貯蔵器には上方から自由に接近することができ、また、再度工具の助けがなくとも、外形フレームの間のフレーム部分から、容易に取り外し可能である。適当に充電された第2エネルギ貯蔵器を、2つの外形フレームの間の部分に挿入すると共に、この第2エネルギ貯蔵器を、駆動ユニットに配置すると、導電接続が、駆動ユニット及びエネルギ貯蔵器の間に、ここでもまた工具の助けがなくとも形成されることを自動的に保証する。ライダーサドルを再嵌合し、且つ例えばこのライダーサドルを、車両フレームの所定位置に固定した後に、車両は直ぐに、更新走行の準備ができている。
【0037】
第2エネルギ貯蔵器の走行の間に、第1エネルギ貯蔵器は完全に再充電され得、第2エネルギ貯蔵器が空になるとすぐに、作動の準備ができおり、従って、本発明に係る車両は、無制限走行能力を結果的に得られる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両の側面図。
【図2】幾つかの構成部品を取り除いた後の図1に示される車両の図。
【図3】図2に図示された車両の下向き図。
【図4A】エネルギ貯蔵器が嵌合された状態を示す図1に図示される車両の駆動ユニットの拡大図。
【図4B】充電機器を接続するためにエネルギ貯蔵器に設けられたコネクタ機器を示す図4Aと同様の図。
【図5】図4に示される駆動ユニットのV−V線視断面図。
【発明を実施するための形態】
【0039】
次に、本発明について図面を参照して詳細に説明する。
次に、図1を参照すると、車両1が、オンロード及びオフロードの両方での走行用に構成された自動二輪車の形態をなす二輪車である態様が図示されている。
【0040】
車両1は、前輪ガイド2に回転可能に取り付けられた前輪3を含み、前輪ガイド2は、前輪フォークの形態をとると共に、ブレーキディスク4及びブレーキアセンブリ(図示なし)による制動のために設けられる。前輪ガイド2は、ステアリングヘッド5において、所定の回転角度の周りを回転するように取り付けられる。ステアリング機器6の形態をなすハンドルバー6によって、前輪ガイド2は、ライダーサドル7に座る乗り手により、旋回させられ得る。
【0041】
ライダーサドル7及びサイドフェアリング、即ちトリム要素8並びにリアフレームアセンブリ9は、多数の外形フレームによって形成される車両フレーム10に、取り外し可能に配置され得る。
【0042】
次に、図2を参照すると、本図は、図1に示される自動二輪車の側面図であり、フェアリング8及びリアフレームアセンブリ9が取り外されており、車両フレーム10が、とりわけ、スイングアームの形態をなす後輪ガイド13を取り付ける下側フレームデルタ12から互いに離間して、図示される実施形態ではステアリングヘッドチューブ14によって形成されるステアリングヘッド5まで延びる2つ(図3も参照)の外形フレーム11を含む態様が図示されており、これにより、外形フレーム11の互いに離間した配置により、図4に更に詳細に図示されるエネルギ貯蔵器16を収容する隔室15が形成される。
【0043】
外形フレーム11は、閉断面又は開断面の管状形状であり、優れた軽量剛性を特徴として、エネルギ貯蔵器16をそれらの間で収容するために、互いに離間しており、車両1が転倒するならば、エネルギ貯蔵器16は良好に保護される。
【0044】
後輪ガイドの夫々のスイングアーム13に回転可能に取り付けられるのは、ブレーキディスク18に加えて、スプロケット19を有する後輪17であり、スプロケット19には、チェーンの形態をなして、鎖歯車20と係合する動力伝達装置(図示なし)が配置され得、これにより、車両1は進められ得る。
【0045】
更に、図2から明白であるように、スイングアーム13は、車両フレーム10の支持体24によって、調整ばね22及び調整減衰要素23を伴うばね機器21を介して支持され、支持体24は更に、外形フレーム25を介して、外形フレーム11により支持される。
【0046】
本構成において、外形フレーム25は、外形フレーム11及び支持体24の間に延在し、支持体24は、フレームデルタ12から、ステアリングヘッドチューブ14の方向へ上方に傾斜する外形フレーム11と共に、エネルギ貯蔵器16を収容するための前記隔室15を形成するように、フレームデルタ12から略垂直に上向きに傾斜させられた2つの管によって形成される。
【0047】
加えて、車両フレーム10は、ブレーシングの形態をなす2つの追加の外形フレーム、即ちフレームトラス部材26を含み、フレームトラス部材26は、主にフレームデルタ12から延び、当初はフレームデルタ12から多少なりとも水平方向に延び、次にステアリングヘッドチューブ14まで、「S」字形状と同様に連続するように、ステアリングヘッドチューブ14の方向に湾曲している。
【0048】
これらのブレーシング26は、前述された追加の外形フレームと共に、図4に更に詳細に示される駆動ユニット28を収容する隔室27を形成する。
駆動ユニット28は、図5に更に詳細に示されるように、電気駆動モータ30及び動力伝達装置31が配置される第1ハウジング29を含む。
【0049】
第1ハウジング29は、エネルギ貯蔵器16を取り付けるための接合面32によって頂部をなす。エネルギ貯蔵器16は、多数の電池が配置される第2ハウジング33を有する。エネルギ貯蔵器16を駆動ユニット28に配置させた時に、車両1の使用者が、エネルギ貯蔵器16と組み合わせた駆動ユニット28の電流の通じた、即ち電流を伝送する構成部品と接触することなく、エネルギ貯蔵器16及び駆動ユニット28の間に、導電接続が自動的に形成されるように、エネルギ貯蔵器16の駆動ユニット28への取り付けは構成される。
【0050】
このため、接合面32及びエネルギ貯蔵器16の相補的接合面34には、駆動ユニット28へのエネルギ貯蔵器16の配置における好ましい確実な接続において、工具の助けを要することなく、第1ハウジング29を第2ハウジング33に自動的に戻り止め又は挟持させる戻り止め可能な、自己スナップ作用又は自己固定式又は自己クランプ構成部品を有する迅速交換結合が設けられる。
【0051】
駆動ユニット28へのエネルギ貯蔵器16の取り付けは、エネルギ貯蔵器16及び駆動ユニット28の間の導電接続を自動的に形成し、プラグ及びソケットコネクタ35は、このために、エネルギ貯蔵器16及び駆動ユニット28の間に、導電接続を形成する。
【0052】
図示される実施形態において、プラグ及びソケットコネクタ35は、第1ハウジング29が内部電気接点を備えた円形ソケット60を含み、またソケット60は、第2ハウジング33に形状及び寸法が相補的に形成されるプラグ61に止められ得るように構成され、このプラグ61は、ソケット60の内部電気接点と物理的に結合させられ得る内部電気接点を有することにより、ケーブル接続機器がこのために必要とされることなく、エネルギ貯蔵器16及び駆動ユニット28の間に、導電接続が生じる。本構成において、プラグ及びソケットコネクタ35は、同時に、エネルギ貯蔵器16及び駆動ユニット28を、工具を必要とすることなく、簡易な取り外しのために所定位置に固定する、エネルギ貯蔵器16及び駆動ユニット28の間の迅速交換結合である。
【0053】
第1ハウジング29のプラグ及びソケットコネクタ35と反対側の端部には、接続機器36が設けられ、接続機器36を介して、エネルギ貯蔵器16はまた、車両1に取り付けられた時であっても、充電機器によって充電される。
【0054】
次に、図4Bを参照すると、本発明に係る車両の使用者が、エネルギ貯蔵器16を車両に嵌合されていない時に充電し得るように、充電機器を接続するための接続機器36もまた、第2ハウジング33に設けられる態様が図示されている。これは、例えば使用者が、車両からまた切り離されたエネルギ貯蔵器16を、例えば夜通し充電したい時に、或いは、1つのエネルギ貯蔵器16が充電される一方で、別のエネルギ貯蔵器16が既に車両に嵌合されている時に有利である。
【0055】
第1ハウジング29は、多数の長手状冷却フィン38が配置されると共に、ボルト39によって、第1ハウジング29に取り外し可能に固定され得る円形カバー37を含む。第1ハウジング29において、接続機器36の下方の領域には、第1ハウジング29のこの部分内に配置される駆動モータ制御装置(図示なし)を冷却するように作用する長手状冷却フィン40を特徴とする部分が構成される。駆動モータ制御装置は、車両1の使用者が、エネルギ貯蔵器16から電気駆動モータ30に適用された駆動エネルギを、ハンドルバー6に配置された作動機器によって、制御するように、電気駆動モータ30への出力を制御するための電気回路が設けられた機器であってもよい。
【0056】
第1ハウジング29には、スイングアーム13を第1ハウジング29に取り付けるための回転軸を配置させる支持体42が設けられる。
次に、図5を参照すると、支持体42がハウジングブロック44を貫通する態様が更に詳細に図示されており、ハウジングブロック44は、長手状冷却フィン40が設けられた部分の下方に配置される垂直方向冷却フィン43を特徴としており、これらの冷却フィン43はまた、第1ハウジング29の内部且つ長手方向冷却フィン40の下方に配置される駆動モータ制御装置を冷却するように作用する。
【0057】
第1ハウジング29の内部に形成された収容隔室45内に配置される電気駆動モータ30は、ブラシレスDCモータであってよく、収容隔室45に取り付けられるステータ46、及び回転接触軸受49並びにカバー37に配置される別の回転接触軸受50によって、第1ハウジング29に取り付けられるロータ軸48に回転不能に係合するロータ47を有する。しかしながら、駆動モータが、局所的且つ遠隔的に電流が流される3相モータであることも同時に可能である。
【0058】
ドライブトレーン51は、電気駆動モータ30のロータ軸、即ち出力軸48と、駆動ユニット28の出力軸53の間に、一段式非牽引一次駆動52を含む。
第1ハウジング29に回転するように取り付けられた出力軸53に回転不能に固定されるのは、前記鎖歯車20であり、鎖歯車20と反対側の端部において、歯車54は歯部55に回転不能に固定される。
【0059】
歯車54は、二重歯車として構成されると共に、2つの歯部57,58を特徴とする中間ホイール56と噛合する。
第1歯部57は、出力軸53に回転不能に固定される歯車54と噛合する第2歯部58よりも小さい基礎円直径を有する。第2歯部58は、回転軸48の回転速度が、二重歯車、即ち中間ホイール56を介して、出力軸53の方向に減少させられるように、ロータ軸48に回転不能に固定される歯車59と組み合う。
【0060】
中間ホイール56を伴うこの一段式非牽引一次駆動は、鎖式動力伝達装置又はベルト式CVT動力伝達装置と比較すると、電気駆動モータ30からの動力を出力軸53へ伝えるのに、著しく良好な効率を保証する。
【0061】
これに加えて、中間ホイール56は、前記牽引動力伝達装置と比較すると、ロータ軸48の中央及び出力軸53の中央の間の水平方向の空間「h」が、著しく小さくなるのを可能にするので、極めてよりコンパクトな構成を得る。
【0062】
図1及び図2並びに図3から特に明白であるように、エネルギ貯蔵器16は、外形フレーム11及び外形フレーム25の間の収容隔室15に配置される。エネルギ貯蔵器16の電池の充電容量が著しく低下していることに、車両1の乗り手が気付くと直ぐに、乗り手は次に、エネルギ貯蔵器を接続機器36を介して充電機器に接続すると共に充電する。代わりに、乗り手はまた、幾つかの簡単な操作だけを伴い、放電されたエネルギ貯蔵器を、第2の十分に充電されたエネルギ貯蔵器と取替え得る。
【0063】
これを達成するために、乗り手がしなくてはならないことは、例えば工具を必要とすることなく、上方から収容隔室15に配置されたエネルギ貯蔵器16に自由に接近できるように、取り外し可能な戻り止めにより、車両フレーム10と結合されたライダーサドル7を車両フレーム10から取り外し、且つ、また工具を必要とすることなく、エネルギ貯蔵器16を駆動ユニット28から取り外すと共に、収容隔室15の外へ持上げることが全てである。
【0064】
次に、十分に充電された第2エネルギ貯蔵器が、上方から収容隔室15に挿入されると共に、駆動ユニット28の接合面32に、別々に駆動ユニット28に接続され得、そこで所定位置に固定される。これを自動的に行うことにより、導電接続が、第2エネルギ貯蔵器及び駆動ユニット28の間に再形成されることが保証され、即ち、取り外しの際に、駆動ユニット28及びエネルギ貯蔵器の間のケーブルを取り外すと共に、新しいエネルギ貯蔵器を嵌合させる時に、そのケーブルを再接続する必要がない。
【0065】
電池が消費された古いエネルギ貯蔵器を取り外すと、導電接続を自動的に切断し、また、新しい適当に充電されたエネルギ貯蔵器16を収容隔室15に挿入して、駆動ユニットの所定位置に固定すると、エネルギ貯蔵器16及び駆動ユニット28の間の導電接続を自動的に再形成する。次に、行われる必要があることは、ライダーサドルを再度取り付けると共に所定位置に固定することが全てであり、また車両1は、走行の準備ができている。ライダーサドル7は車両フレーム10に簡易に止められることが、上記から読み取ることができるが、工具を必要とすることなく取り外し可能なウィングナットの形態をなす取り外し可能なボルト固定具、或いは市販の工具の援助を得て取り外し可能なボルト固定具が、ライダーサドル7及び車両フレーム10の間に設けられてもよい。
【0066】
当然のことながら、上記に詳細に説明されていない本発明の特徴に関しては、請求項及び図面に、明白に言及される。
【符号の説明】
【0067】
1…車両、2…前輪ガイド、3…前輪、4…ブレーキディスク、5…ステアリングヘッド、6…ハンドルバー、7…ライダーサドル、8…フェアリング、9…リアフレームアセンブリ、10…車両フレーム、11…外形フレーム、12…フレームデルタ、13…後輪ガイド、スイングアーム、14…ステアリングヘッドチューブ、15…収容隔室、16…エネルギ貯蔵器、17…後輪、18…ブレーキディスク、19…スプロケット、20…鎖歯車、21…ばね機器、22…ばね、23…緩衝要素、24…支持体、25…外形フレーム、26…ブレーシング、27…収容隔室、28…駆動ユニット、29…第1ハウジング、30…電気駆動モータ、31…動力伝達装置、32…接合面、33…第2ハウジング、34…接合面、35…プラグ及びソケットコネクタ、36…接続機器、37…カバー、38…冷却フィン、39…ボルト、40…冷却フィン、41…駆動モータ制御装置、42…支持体、43…冷却フィン、44…ハウジングブロック、45…収容隔室、46…ステータ、47…ロータ、48…ロータ軸、49…回転接触軸受、50…回転接触軸受、51…ドライブトレーン、52…一次駆動、53…出力軸、54…歯車、55…歯部、56…中間ホイール、57…歯部、58…歯部、59…歯車、60…ソケット、61…プラグ、h…空間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライダーサドル(7)及び車両フレーム(10)を有する車両(1)であって、該車両フレーム(10)は、ステアリングヘッド(5)まで延びると共に、互いに離間した2つの外形フレーム(11)を有しており、前記車両は、前記車両フレーム(10)の前輪ガイド(2)で案内される少なくとも1つの前輪と、後輪ガイド(13)で案内される少なくとも1つの後輪(17)とを含み、かつ前記車両(1)は、電気駆動モータ(30)及び電気エネルギ貯蔵器(16)並びに駆動モータ制御装置(41)を有しており、前記駆動モータ(30)及び駆動輪の間にはドライブトレーンが設けられ、前記エネルギ貯蔵器(16)は、前記駆動モータ(30)の上方において、前記外形フレームに取り付け可能であり、かつ前記エネルギ貯蔵器(16)は、前記駆動モータ(30)を支持する駆動ユニット(28)において取り外し可能に配置されることを特徴とする車両(1)。
【請求項2】
前記駆動ユニット(28)及び前記エネルギ貯蔵器(16)には、該エネルギ貯蔵器(16)を該駆動ユニット(28)に配置する際に、導電接続をもたらすプラグ及びソケットコネクタ(35)が設けられることを特徴とする請求項1に記載の車両(1)。
【請求項3】
前記駆動ユニット(28)は、前記駆動モータ(30)及び動力伝達装置(31)を収容する第1ハウジング(29)を有し、前記エネルギ貯蔵器(16)との電気的接続のためのプラグ(61)又はソケット(60)が、該エネルギ貯蔵器(16)と対向する該第1ハウジングの一側面に設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両(1)。
【請求項4】
前記エネルギ貯蔵器(16)を収容する第2ハウジング(33)を備え、ソケット(60)又はプラグ(61)が、前記駆動ユニット(28)を電気的に接続するために、該駆動ユニット(28)と対向する該第2ハウジングの一側面に設けられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両(1)。
【請求項5】
前記駆動ユニット(28)は、後輪ガイド(13)を取り付けるための支持体(42)を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の車両(1)。
【請求項6】
前記駆動モータ制御装置(41)は、前記駆動ユニット(28)内に配置されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の車両(1)。
【請求項7】
前記エネルギ貯蔵器(16)及び前記駆動ユニット(28)は、該エネルギ貯蔵器(16)及び前記駆動モータ(30)の間に導電接続を形成する際に、工具による援助を必要としない迅速交換結合によって、相互接続されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の車両(1)。
【請求項8】
電気エネルギを前記エネルギ貯蔵器(16)へ供給するべく、充電機器を接続するために、前記接続機器(36)が前記第1ハウジング(29)及び/又は第2ハウジング(33)に設けられることを特徴とする請求項3乃至7のいずれか1項に記載の車両(1)。
【請求項9】
前記ドライブトレーン(51)は、前記駆動モータ(30)の出力軸(48)及び前記駆動ユニット(28)の出力軸(53)の間に、一段式非牽引一次駆動装置(52)を含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の車両(1)。
【請求項10】
前記一次駆動装置(52)は、2つの歯部(57,58)を特徴とする一片中間ホイール(56)を含み、該歯部の第1歯部(58)は、前記駆動モータ(30)の出力軸(48)の歯車(59)と噛合すると共に、該歯部の第2歯部(57)は、前記駆動ユニット(28)の出力軸(53)の歯部(55)と噛合することを特徴とする請求項9に記載の車両(1)。
【請求項11】
前記ドライブトレーン(51)は、前記駆動ユニット(28)の出力軸(53)及び後輪(17)の間に、牽引手段を有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の車両(1)。
【請求項12】
前記駆動ユニット(28)には、少なくとも前記駆動モータ(30)及び前記駆動モータ制御装置(41)の領域に、該駆動ユニット(28)の長手方向に延びる冷却フィン(38,40)が設けられると共に、該駆動モータ制御装置(41)の領域に、垂直方向に延びる冷却フィン(43)の一部が設けられ、かつ該駆動ユニット(28)の出力軸(53)が貫通する後輪ガイド(13)を取り付けるための支持体(42)を有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の車両(1)。
【請求項13】
前記駆動ユニット(28)は、前記駆動モータ(30)を収容するために、カバー(37)によって閉塞される隔室(45)を有し、且つ該駆動モータ(30)の前記出力軸(48)は、該カバー(37)に回転接触軸受(50)によって取り付け可能であり、かつ該カバー(37)には冷却フィン(38)が設けられることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の車両(1)。
【請求項14】
1つのみの前輪(3)及び1つのみの後輪(17)を有する二輪車であり、前記駆動ユニット(28)は、前記エネルギ貯蔵器(16)の下方において、前記外形フレーム(11)の間に載置されており、且つ前記車両(1)は、前記前輪ガイド(2)に機能的に結合されるステアリング機器(6)を含み、該後輪(17)は、前記駆動ユニット(28)に取り付けられたスイングアーム(13)によって案内されることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の車両(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−18270(P2010−18270A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−159963(P2009−159963)
【出願日】平成21年7月6日(2009.7.6)
【出願人】(507163703)カーテーエム スポーツモーターサイクル アクチェンゲゼルシャフト (7)
【氏名又は名称原語表記】KTM SPORTMOTORCYCLE AG
【Fターム(参考)】