説明

ライン給電式ネットワーク要素システムにおける電力上昇方法

【課題】通信媒体に電力を供給する電源装置を立上げる方法を提供する。
【解決手段】本発明の方法は、通信媒体に電力を供給する電源装置を、第1設定点にて動作させながら、この通信媒体に電力を供給する段階と、過負荷状態が存在するか否かを決定する段階と、過負荷状態が存在しなければ、第1警報を発する段階とを含み、過負荷状態が存在するなら、電源装置を第2設定点にて動作させながら、通信媒体に電力が供給される。また、本発明では、電源装置を第2設定点にて動作させながら、過負荷状態が存在し続けるか否かが決定され、電源装置を第2設定点にて動作させている間に過負荷状態が存在し続けるなら、第2警報が発せられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2002年4月29日に出願されて“ライン給電式ネットワーク要素において電力を管理する方法(MANAGING POWER IN A LINE POWERED NETWORK ELEMENT)”と称された同時係属の米国特許出願第10/134,323号(第'323号出願)に関連する。該第'323号出願は言及したことにより本明細書中に援用される。
本出願はまた、本出願と同日に出願されると共に全てが言及したことにより本明細書中に援用されるという以下の出願にも関している:
“ライン給電式ネットワークにおけるネットワーク要素(NETWORK ELEMENT IN A LINE POWERED NETWORK)”と称された米国特許出願第10/449,259号、代理人処理番号第100.359US01号(第'359出願);
“ライン給電式ネットワークにおける要素管理システム(ELEMENT MANAGEMENT SYSTEM IN A LINE POWERED NETWORK)”と称された米国特許出願第10/449,682号、代理人処理番号第100.360US01号(第'360出願);
“スプリッタ(SPLITTER)”と称された米国特許出願第10/449,546号;代理人処理番号第100.592US01号(第'592出願);
“ライン給電式ネットワーク要素における電流検知回路(CURRENT SENSE CIRCUIT IN A LINE POWERED NETWORK ELEMENT)”と称された米国特許出願第10/449,917号、代理人処理番号第100.589US01号(第'589出願);
“ライン給電式ネットワーク要素における入力電圧検知回路(INPUT VOLTAGE SENSE CIRCUIT IN A LINE POWERED NETWORK ELEMENT)”と称された米国特許出願第10/449,496号、代理人処理番号第100.590US01(第'590出願);
“ネットワーク要素に対する避雷保護(LIGHTNING PROTECTION FOR A NETWORK ELEMENT)”と称された米国特許出願第10/448,884号、代理人処理番号第100.591US01号(第'591出願);及び、
“ライン給電式ネットワーク要素を制御するための機能(FUNCTION FOR CONTROLLING LINE POWERED NETWORK ELEMENT)”と称された米国特許出願第10/449,910号、代理人処理番号第100.358US01号(第'358出願)。
本発明は概略的に電気通信の分野に関し、特に、アクセス・ネットワーク(access network)におけるネットワーク要素に対するライン電力を管理する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気通信ネットワークは、多様な箇所におけるユーザ機器間で信号を伝達する。また電気通信ネットワークは多数の構成要素を含んでいる。例えば、電気通信ネットワークは典型的に、ネットワーク要素間における信号の選択的ルーティングを提供する多数のスィッチング要素を含んでいる。これに加えて電気通信ネットワークは、スィッチ間で信号を伝達する撚り線対(ツイストペア)、光ファイバ・ケーブル、同軸ケーブル等の通信媒体を含んでいる。更に、一定の電気通信ネットワークはアクセス・ネットワークを含んでいる。
【0003】
本明細書に対してアクセス・ネットワークという語句は、電気通信ネットワークの一部分であって、加入者の機器またはデバイスがコア・ネットワークに接続されることを許容する、例えば公衆加入電話網(PSTN)等の、電気通信ネットワークの一部分を意味する。例えば、アクセス・ネットワークは、通常は中央局(central office)もしくは屋外施設キャビネット(outside plant cabinet)内に配置されるケーブル施設/機器であって、サービス・エリア内の加入者に対してサービス・インタフェースを直接的に提供するケーブル施設/機器である。アクセス・ネットワークは、加入者のサービス端点と、所定のサービスを提供する通信ネットワークとの間のインタフェースを提供する。アクセス・ネットワークは典型的に、多数のネットワーク要素を含んでいる。ネットワーク要素とは、アクセス・ネットワークにおける設備、もしくは機器であって、供給準備された電気通信サービスに対するサービス・インタフェースを提供する設備、もしくは機器である。ネットワーク要素は、独立型装置(スタンドアロン・デバイス)でも良く、または、多数のデバイス間に分散されていてもよい。
【0004】
アクセス・ネットワークには多数の従来形態が在る。例えばデジタル・ループ・キャリヤはアクセス・ネットワークの初期の形態である。従来のデジタル・ループ・キャリヤは、2つのネットワーク要素を用いて加入者機器に対して、及び加入者機器から、信号を伝達していた。コア・ネットワーク側においては、中央局端末が配備される。上記中央局端末は、例えば多数のT1ライン、または他の適切な高速デジタル伝達媒体等の高速デジタル回線を介して遠隔端末に接続される。またデジタル・ループ・キャリヤの遠隔端末は典型的には、従来のツイストペア引込み線を介して加入者に接続される。
【0005】
デジタル・ループ・キャリヤの遠隔端末は多くの場合、顧客サービス・エリアの奥深く展開される。該遠隔端末は典型的には、適切に動作するために電力を必要とするライン・カード(line card)及び他の電子回路を有している。一定の用途において遠隔端末はローカル的に給電される。しかし残念ながら、ローカル電力の喪失に依る遠隔端末の障害を防止するために典型的にはローカル的なバッテリ設備が使用される。これにより、広範な温度範囲にわたる動作を条件とする屋外施設の動作要件の故に、上記遠隔端末のコストが増大し且つその保守が複雑となる。
【0006】
いくつかのネットワークにおける遠隔端末には、中央局からのラインを介して電力が送給される。これはライン送給もしくはライン給電と称されると共に、ACもしくはDC供給源を用いて達成される。故にローカル電力が不調となっても遠隔端末は依然として機能する、と言うのも、それは典型的にバッテリによりバックアップされた電力供給源を用いてラインを介して給電されるからである。これによれば遠隔端末は、停電の間においてさえもライフラインの従来式電話サービス(POTS)の如き重要な機能を提供する。
【0007】
これまで、電気通信ネットワークを介して提供される種々のサービスは変化して来た。元来、電気通信ネットワークはナローバンドすなわち音声トラフィックを搬送すべく設計された。更に最近では、上記ネットワークはブロードバンドを提供するために変更された。これらのブロードバンド・サービスとしては、ディジタル加入者回線(DSL)サービスの如きサービスが挙げられる。そして更に、時間の経過につれて、他のブロードバンド・サービスもまたサポートされるであろう。これらの新たなサービスは多くの場合、更に大きな電力を必要とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしサービス提供内容は変化したが、遠隔端末に給電する様式は変化していない。現在提供されている種々のサービスは、全てが等しい基盤上に在るのではない。ライフラインのPOTS(従来の電話サービス)とは異なり、今日のデータ・サービスは必需品とは見なされないのが一般的である。更に、他のブロードバンド・サービス間においてさえも、所定の加入者が望み且つ喜んでそのために支払いを行うというサービスのレベルに影響を及ぼす広範囲な変動要因が在る。サービス提供におけるこれらの変化にも関わらず、アクセス機器に対して電力が提供される様式は、サービスの進歩に追随する様には変化していない。
【0009】
故に当業界においては、アクセス・ネットワークにおけるネットワーク要素に電力を提供する様式の改良に対する要望が在る。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態において、通信媒体に対して電力を供給する電源装置を立上げる方法は、上記電源装置は第1設定点にて動作しながら、上記通信媒体に電力を供給する段階を含む。該方法は更に、過負荷状態が存在するか否かを決定する段階を含む。上記過負荷状態が存在しなければ、第1警報が発せられる。上記過負荷状態が存在するなら、上記電源装置は第2設定点にて動作しながら、上記通信媒体に電力が供給される。上記方法は更に、上記電源装置が上記第2設定点にて動作しながら上記通信媒体に電力を供給している間に、上記過負荷状態が存在し続けるか否かを決定する段階を含む。上記電源装置が上記第2設定点にて動作しながら上記通信媒体に電力を供給している間に上記過負荷状態が存在し続けるなら、第2警報が発せられる。
【0011】
別実施形態において、ネットワーク要素は、通信回線に対するトラフィックを含む電気通信サービス信号を生成する通信インタフェースを含む。上記ネットワーク要素はまた、当該ネットワーク要素を電力供給源に連結し得る電力インタフェースも含む。該電力インタフェースは、電力信号を生成する電源装置を含む。上記ネットワーク要素はまた、上記電源装置の動作を制御するコントローラと、上記電気通信サービス信号を上記電力信号と組み合わせ、且つ、該組合せ信号を通信媒体に付与するスプリッタとを含む。上記コントローラは、上記電源装置を第1設定点にて動作させながら、該電源装置を以て上記通信媒体に電力を供給する。上記コントローラはまた、過負荷状態が存在するか否かも決定する。上記コントローラはまた、上記過負荷状態が存在しなければ、第1警報を発する。上記コントローラはまた、上記過負荷状態が存在するなら、上記電源装置を第2設定点にて動作させながら、該電源装置を以て上記通信媒体に電力を供給する。上記コントローラは、上記電源装置を上記第2設定点にて動作させながら、該電源装置を以て上記通信媒体に電力を供給している間に、上記過負荷状態が存在し続けるか否かを決定する。上記コントローラはまた、上記電源装置を上記第2設定点にて動作させながら該電源装置を以て上記通信媒体に電力を供給している間に上記過負荷状態が存在し続けるなら、第2警報を発する。
【0012】
別実施形態において、ネットワーク要素は、当該ネットワーク要素を通信媒体に連結し得るインタフェースを含む。該ネットワーク要素は更に、当該ネットワーク要素を電力供給源に連結し得る電源装置を含む。上記電源装置が第1設定点にて動作しながら、上記通信媒体には電力が供給される。当該ネットワーク要素は、過負荷状態が存在するか否かを決定する。上記過負荷状態が存在しなければ、当該ネットワーク要素は第1警報を発する。上記過負荷状態が存在するなら、上記電源装置は第2設定点にて動作しながら、該電源装置は上記通信媒体に電力を供給する。当該ネットワーク要素は、上記電源装置を上記第2設定点にて動作させながら、該電源装置が上記通信媒体に電力を供給している間に、上記過負荷状態が存在し続けるか否かを決定する。上記電源装置が上記第2設定点にて動作しながら、該電源装置が上記通信媒体に電力を供給している間に上記過負荷状態が存在し続けるなら、当該ネットワーク要素は第2警報を発する。
【0013】
別実施形態において、ネットワークは、電力供給源に連結された電源装置を含む供給源ネットワーク要素と、上記供給源ネットワーク要素に対して通信媒体を介して連結されたシンク・ネットワーク要素とを含む。上記電源装置が第1設定点にて動作しながら、上記通信媒体に対して電力が供給されることで上記シンク・ネットワーク要素が給電される。上記ネットワーク要素は、過負荷状態が存在するか否かを決定する。上記過負荷状態が存在しなければ、上記ネットワーク要素は第1警報を発する。上記過負荷状態が存在するなら、上記電源装置は第2設定点にて動作しながら、該電源装置は上記通信媒体に電力を供給することで上記シンク・ネットワーク要素に給電を行う。上記ネットワーク要素は、上記電源装置が上記第2設定点にて動作しながら、該電源装置が上記通信媒体に電力を供給して上記シンク・ネットワーク要素に給電を行う間に、上記過負荷状態が存在し続けるか否かを決定する。上記電源装置が上記第2設定点にて動作しながら、該電源装置が上記通信媒体に電力を供給して上記シンク・ネットワーク要素に給電を行う間に、上記過負荷状態が存在し続けるなら、上記ネットワーク要素は第2警報を発する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、ライン給電される少なくとも一個のネットワーク要素を含むネットワーク100の一実施例のブロック図である。ネットワーク100は、(ここでは“電力通信媒体(power communication medium)”と称される)通信媒体106を介して(ここでは“シンク・ネットワーク要素(sink network element)”と称される)少なくとも一個の他のネットワーク要素104に対して電力を提供する(ここでは“供給源ネットワーク要素(source network element)”と称される)少なくとも一個のネットワーク要素102を含む。一実施例において、供給源ネットワーク要素102はサービス・プロバイダの中央局に配置された中央局端末であり、且つ、シンク・ネットワーク要素104は屋外施設内、例えば環境に対して耐久性を有するエンクロージャ内に配置された遠隔端末である。このような実施例においては、中央局端末102及び遠隔端末104の両方が、(例えばモデム、無線アクセスポイントまたは電話機等の)顧客が配置した一台以上の機器を、インターネットもしくは公衆加入電話網(PSTN)等の通信ネットワークに対して連結するアクセス・ネットワーク内に包含される。上記中央局端末は、少なくとも一本のツイストペア(撚り線対)電話回線を介して上記遠隔端末に対し電力を提供する。すなわち、このような実施例においてツイストペア電話回線は電力通信媒体106である。
【0015】
供給源ネットワーク要素102は、該供給源ネットワーク要素102に対して給電すべく且つ電力通信媒体106を介してシンク・ネットワーク要素104に対して電力を提供すべく使用される電力を獲得するために、電力供給源108に連結される。一実施例において電力供給源108は、バッテリ及び/または主電力網(main power grid)に対する接続等の直流(DC)及び/または交流(AC)の電力供給源を含む。他の実施例においては、他の電力供給源が使用される。
【0016】
供給源ネットワーク要素102及びシンク・ネットワーク要素104は、一定形式の通信回線を用いて相互に通信する。例えば一実施例において中央局端末及び遠隔端末は、該中央局端末と遠隔端末との間に配備されたDSL通信回線を介して通信する。DSL通信回線の例としては、高ビット速度DSL(HDSL)回線、高ビット速度デジタル加入者ライン2(HDSL2)回線、高ビット速度デジタル加入者ライン4(HDSL4)回線、非対称ディジタル加入者回線(ADSL)、または、国際電気通信連合(ITU)規格G.991.2(G.SHDSL回線)に準ずる対称DSL回線が挙げられる。他の実施例においては、他の形式の通信回線が用いられる。
【0017】
図1に示された実施例において通信回線(communication link)は、供給源ネットワーク要素102からシンク・ネットワーク要素104に対して電力を供給するために使用されるのと同一の通信媒体上に設けられる。他の実施例においては、このような通信回線を供給源ネットワーク要素102とシンク・ネットワーク要素104との間に設けるために、別の通信媒体が使用される。
【0018】
供給源ネットワーク要素102及びシンク・ネットワーク要素104は両者ともに、夫々が他のネットワーク要素に連結されるのが典型的である。例えば一実施例において、供給源ネットワーク要素102はスイッチ等の上流ネットワーク要素に連結されると共に、シンク・ネットワーク要素104は(例えばモデム、無線アクセスポイントまたは電話機等の)顧客が配置した種々の機器のような、一個以上の下流ネットワーク要素に連結される。
【0019】
図2は、中央局端末200の一実施例のブロック図である。中央局端末200の各実施例は、一本以上のツイストペア電話回線(または他の通信媒体)を介して一個以上の遠隔端末(または他のネットワーク要素)に対して電力を提供するに適している。図2に示された中央局端末200の実施例は、通信インタフェース202及び電力インタフェース204を含んでいる。通信インタフェース202は、中央局端末200により提供される種々の電気通信サービスを提供するための適切な構成要素を含んでいる。例えば図1に示された実施例において通信インタフェース202は中央局端末200を、少なくとも一本の上流G.SHDSL通信回線及び(以下に記述されるスプリッタ230を介して)少なくとも一本の下流G.SHDSL通信回線に対して連結する。上記下流G.SHDSL通信回線は、少なくとも一本のツイストペア電話回線206により提供される。一実施例においてツイストペア電話回線206は、中央局端末200により給電される一個以上の遠隔端末(図2には図示せず)に対して連結される。
【0020】
電力インタフェース204は、電力供給源(power source)210に連結された電源装置(power supply)208を含む。概略的に電源装置208はツイストペア電話回線206に連結された遠隔端末に給電するために、電力供給源210から電力を受けると共に、電力を調整してツイストペア電話回線206に供給する。このような一実施例において、電源装置208はフライバック電源装置(fly-back power supply)として実現される。中央局端末200は、通信インタフェース202からの出力通信信号及び電力インタフェース204からの出力電力信号を組み合わせるスプリッタ230であって、組み合わされた出力信号をツイストペア電話回線206に対して付与するスプリッタ230を含む。スプリッタ230はまた、ツイストペア電話回線206から入力信号を受信し、受信した入力信号の一部であって下流通信回線を提供するために使用される一部を分割すると共に、それを適切な処理のために通信インタフェース202に対して提供する。スプリッタ230の一実施例は、第'592出願に記述されている。
【0021】
電力インタフェース204はまた、電源装置208の動作を制御するコントローラ212も含む。このような一実施例においてコントローラ212は、(例えばアナログ及び/またはデジタル回路を用いる)ハードウェア、及び/または、(例えばプログラム可能プロセッサを適切な命令でプログラムすることで本明細書中に記述された種々の制御機能を実施することにより)ソフトウェアにおいて実現される。他の実施例においてコントローラ212は、他の様式で実現される。コントローラ212は図2において電力インタフェース204の一部として示されているが、他の実施例においてコントローラ212は中央局端末200に対する包括的コントローラ、もしくは制御回路機構の一部である。他の実施例において、コントローラ212により実施される機能は、電源装置208の制御回路機構内に直接的に取り入れられる。
【0022】
図2に示された実施例において、コントローラ212と電源装置208との間には電圧信号214が提供される。電圧信号214はコントローラ212により使用されることで、ツイストペア電話回線206に連結された遠隔端末に対して給電するために、該ツイストペア電話回線206上に電源装置208が電力を供給する公称電圧が設定される。またコントローラ212と電源装置208との間には、電力限界信号216が提供される。電力限界信号216はコントローラ212により、電源装置208に対する電力限界を設定すべく使用される。上記電力限界は、電源装置208がツイストペア電話回線206に提供する最大電力である。
【0023】
コントローラ212に対しては、電源装置208により、過負荷信号218が提供される。過負荷信号218が電源装置208により使用されることでコントローラ212に対しては、電圧信号214にて特定された上記公称電圧より低い出力電圧を以て電源装置208が電力を現在供給しつつあることが伝えられる。本明細書においてこれは“過負荷状態(overload condition)”と称され、または、電源装置208が“電圧変動範囲外”であると称される。例えば、ツイストペア電話回線206に連結された遠隔端末が所定量の電流を吸引し、該電流の故に、電源装置208により供給される電力の量が、電力限界信号216により特定された上記電力限界を超えた場合、電源装置208は出力電圧を低下させることから、該電源装置208により供給される総電力量は上記電力限界を超えない。過負荷状態が存在する場合に電源装置208は、過負荷信号218により、このような過負荷状態が存在することを表す。
【0024】
図2に示された実施例においては、電源装置208により種々の電流測定信号がコントローラ212に対して供給される。例えば、電源装置208により現在供給されている電流が一定の比較的低いスレッショルド電流値より低いことを表す低電流信号220が、該電源装置208によりコントローラ212に対して供給される。また、電源装置208により現在供給されている電流が一定の比較的高い電流値より高いことを表す高電流信号222が、該電源装置208によりコントローラ212に対して供給される。他の実施例においては、電源装置208により現在供給されている電流の量が測定されてコントローラ212に対して提供される。
【0025】
図3は、無線ネットワーク300の一実施例のブロック図である。図3に示された無線ネットワーク300の実施例は、電力供給源304に連結された中央局電源プラグ302を含む。一実施例において中央局電源プラグ302は、上述の中央局端末200の実施例を用いて実現される。中央局電源プラグ302に対しては、(例えばツイストペア電話回線等の)上流通信媒体により上流G.SHDSL通信回線306が提供される。上流G.SHDSL通信回線306は、中央局電源プラグ302をG.SHDSL回線インタフェース・ユニット308に対して連結する。G.SHDSL回線インタフェース・ユニット308は、インターネット等の上流ネットワーク(図示せず)に連結される。このような一実施例においてG.SHDSL回線インタフェース・ユニット308は、該G.SHDSL回線インタフェース・ユニット308を上記上流ネットワークに連結するために加入者アクセス・マルチプレクサ(図示せず)に挿入される。
【0026】
無線ネットワーク300は、遠隔ネットワーク要素310も含む。遠隔ネットワーク要素310は、中央局電源プラグ302と該遠隔ネットワーク要素310との間に連結されたツイストペア電話回線312により給電される。ツイストペア電話回線312により、下流G.SHDSL通信回線314が設けられる。中央局電源プラグ302は遠隔ネットワーク要素310に対する電力をツイストペア電話回線312に対し、図2に関して上述されたのと同一の様式で供給する。遠隔ネットワーク要素310は、ツイストペア電話回線312に連結された電源装置318を含む。電源装置318は、中央局電源プラグ302によりツイストペア電話回線312上に供給された電力を取り出す。取り出された電力は、遠隔ネットワーク要素310の種々の構成要素に給電するために使用される。
【0027】
遠隔ネットワーク要素310はまた、ツイストペア電話回線312を介して搬送されたG.SHDSL信号を変調かつ復調するG.SHDSLモデム320も含む。モデム320は、イーサネット(登録商標)接続324を介して無線アクセスポイント322に連結される。無線アクセスポイント322は無線リンク326を介し、種々の無線デバイス(図示せず)に対してトラフィックを送信し、且つそれらからトラフィックを受信する。無線デバイスの例としては、無線送受信機を有するコンピュータ、またはパーソナル・デジタル・アシスタントが挙げられる。一実施例において無線アクセスポイント322は、(“W1-F1”とも称される)電気電子技術者協会(IEEE)の802.11b規格をサポートする無線アクセスポイントである。
【0028】
無線ネットワーク300はまた、該無線ネットワーク300を介して提供される無線サービスを管理する無線サービス・マネージャ328も含む。例えば一実施例において無線サービス・マネージャ328は、遠隔認証ダイアルイン・ユーザ・サービス(RADIUS)プロトコルを用い、認証、及び、他の加入者及びサービス関連情報を管理する。一実施例において無線サービス・マネージャ328は、(例えばイーサネット(登録商標)接続等の)ローカル・エリア・ネットワーク接続を用いてG.SHDSL回線インタフェース・ユニット308に連結される。無線トラフィックは、ツイストペア電話回線312を介してG.SHDSLモデム320により中央局電源プラグ302へと送信される。スプリッタ(図3では図示されない)は、上記G.SHDSL通信回線を提供するために使用される信号の一部分を分割し、該信号部分を、適切な処理のために中央局電源プラグ302の通信インタフェース(図3では図示されない)に対して提供する。上記通信インタフェースはトラフィックを、上流G.SHDSL通信回線306を介してG.SHDSL回線インタフェース・ユニット308に送信し、そこでトラフィックは処理されて回線インタフェース・ユニット308により上流ネットワークへと転送される。下流方向において、上流ネットワークからのトラフィックはG.SHDSL回線インタフェース・ユニット308により受信される。トラフィックは、上流通信回線306を介して中央局電源プラグ302に送信される。トラフィックは中央局電源プラグ302の電源装置(図3では図示されない)からの電力と組み合わされると共に、組み合わされた信号はツイストペア電話回線312に対して送信される。上記信号はG.SHDSLモデム320により受信され、該モデムはトラフィックを各無線デバイスに対する送信のために無線アクセスポイント322へと転送する。
【0029】
図4は、ライン給電式ネットワーク要素を含むネットワークにおいて、電力を上昇(ramp up)させる方法400の一実施例のフローチャートである。方法400の各実施例は、本明細書中に記述される供給源ネットワーク要素及びシンク・ネットワーク要素と共に使用され得る。図4には、図2の中央局端末200を用いて実現された方法400の実施例が示される。このような一実施例において、方法400の機能性はコントローラ212の実施例を用いて実現される。方法400の他の実施例は、他の形式の供給源ネットワーク要素を用いて実現される。
【0030】
方法400は、ブート・トリガ状態(boot trigger condition)が存在するか否かを決定する段階を含む(ブロック402)。ブート・トリガ状態が存在するならば、以下に記述される電力上昇プロセス404が実行される。一実施例において中央局端末200の電源装置208に対しては、ツイストペア電話回線206のリングライン(ring line)及びチップライン(tip line)を相互に短絡させることにより、または、リングライン及びチップライン間に低電圧を印加することにより、ツイストペア電話回線206に対する電力供給を、指示により停止することができる。このような短絡が検出されたとき、電源装置208はツイストペア電話回線206に対する電力供給を停止する。次に電源装置208に対しては、リングライン及びチップライン間の短絡(または低電圧)を除去することにより、電力上昇プロセス404を指示により開始することができる。これは、例えばツイストペア電話回線206に対して連結された遠隔端末を設置し、または保守を行う現場技術者により行われ得る。
【0031】
別実施例においてコントローラ212は、定期的に電力上昇プロセス404を呼び出す。このような実施例においては、電源装置208が電力上昇プロセス404を最後に呼び出し、及び/又は遠隔端末に対する電力供給を停止してから所定期間が経過した時点を決定すべく、タイマ、もしくは同様のデバイスが使用される。このような実施例におけるブート・トリガ状態とは、上記所定期間が経過したことである。
【0032】
電力上昇プロセス404は、電源装置208は第1設定点にて動作しながら、通信媒体(すなわちここで論じられている実施例におけるツイストペア電話回線)に対して電力を供給する段階を含む(ブロック406)。本明細書で使用される如く設定点(set point)とは、電源装置208の公称電圧及び電力限界の特定の設定値を指している。一実施例において、上記第1設定点にて電源装置208を動作させる段階は、該電源装置208の公称電圧を第1電圧値まで上昇させる段階と、電源装置208の電力限界を第1電力限界値まで上昇させる段階とを含む。上記公称電圧及び電力限界が上昇される速度は、ツイストペア電話回線206上の過渡現象であって該ツイストペア電話回線206に連結されたデバイスを損なう可能性のある過渡現象を引き起こすことを回避(または発生頻度を減少)すべく選択される。別実施例において、電源装置208の公称電圧は上記第1電圧値に設定され、且つ該電源装置208の電力限界は第1電力限界値に設定される。その場合、上記電源装置は何らの上昇段階なしで上記第1設定点にて動作される。
【0033】
上記第1電圧値及び上記第1電力限界値は、ツイストペア電話回線206に対して十分な電力が供給されることにより遠隔端末が始動されるが、該遠隔端末を通常的に動作させるに十分な電力は供給されない様に選択される。すなわち上記遠隔端末に対しては、該遠隔端末が自身の電源装置をブートするに十分な電力が提供される。但し上記遠隔端末に対し、該遠隔端末が通常的に全速(full speed)で動作するに十分な電力は提供されない。一実施例において上記第1電圧及び第1電力限界は、通常的な全速動作の間において上記遠隔端末に対して供給される電力量の半分を電源装置208が供給する様に選択される。一実施例においてコントローラ212は、電圧信号214及び電力限界信号216を用いて電源装置208の公称電圧及び電力限界を夫々設定する。
【0034】
次に、過負荷状態が生じたか否かがチェックされる(ブロック408)。例えば一実施例において、過負荷状態は、電源装置208により過負荷信号218が明示されたときに検出される。ツイストペア電話回線206に対して遠隔端末が連結されて好首尾に始動したならば、該遠隔端末は、該遠隔端末が全速で通常的に動作するに必要な電力の全量吸引を試行する。これにより、電源装置208には過負荷状態が生ずる。過負荷状態が生じなければ(例えば特定の期間内に生じなければ)、警報が発せられる(ブロック410)。電力上昇プロセス404を開始した後の特定の期間内に過負荷状態が生じなければ、一定形式の障害が存在し、例えば、上記ツイストペア電話回線に遠隔端末は連結されておらず、または、上記ツイストペア電話回線に開回路が在り、または、上記ツイストペア電話回線にツイストペア電話回線が連結されているが作用可能ではない。一実施例において上記警報は、通信媒体上に何らのシンク・ネットワーク要素が検出されないことを表す。図4に示された実施例において電源装置208は、過負荷状態が生じないときには上記通信媒体に対する電力供給を停止する(ブロック412)。次に、方法400が再開始される。
【0035】
過負荷状態が検出されたならば、電源装置208は第2設定点にて動作しながら上記通信媒体(すなわちここで論じられる実施例における上記ツイストペア電話回線)に対して電力を供給する(ブロック414)。一実施例において電源装置208を上記第2設定点にて動作させる段階は、電源装置208の公称電圧を第2電圧値まで上昇させる段階と、電源装置208の電力限界を第2電力限界値まで上昇させる段階とを含む。上記公称電圧及び電力限界が上昇される速度は、ツイストペア電話回線206上の過渡現象であって該ツイストペア電話回線206に連結されたデバイスを損なう可能性のある過渡現象を引き起こすことを回避(または発生頻度を減少)すべく選択される。別実施例において、電源装置208の公称電圧は上記第2電圧値に設定され、且つ該電源装置208の電力限界は第2電力限界値に設定される。その場合、上記電源装置は何らの上昇段階なしで上記第2設定点にて動作される。一実施例において上記第2設定点は、ツイストペア電話回線206に連結された遠隔端末を、通常様式で全速にて動作させるに必要な電力量を提供すべく選択される。
【0036】
図4に示された実施例においては、上記電源装置が上記第1設定点から上記第2設定点まで立上げられ(または別様に増進され)る間、上記通信媒体上に地絡(ground fault)が存在するか否かが決定される(ブロック416)。もし地絡が存在するなら、警報が発せられ(ブロック418)、且つ、電源装置208は上記通信媒体に対する電力供給を停止する(ブロック412)。発せられる上記警報は、地絡が存在することを表している。次に方法400は再開始される。
【0037】
次に、電源装置208を上記第2設定点で動作させている間に、過負荷状態が存在し続けているか否かがチェックされる(ブロック420)。過負荷状態が存在し続けている(例えば電源装置208が上記第2設定点における動作を開始してから特定の期間が経過した)ならば、警報が発せられる(ブロック422)。電源装置208が上記第2設定点にて動作される間に過負荷状態が存在し続けるならば一定形式の障害が存在し、例えば、ツイストペア電話回線206おいて、及び/又は、該ツイストペア電話回線206に連結された遠隔端末において短絡が在る。一実施例において、発せられる上記警報は、上記通信媒体上で有効なシンク・ネットワーク要素以外の何かが検出されたことを表す。図3に示された実施例において、電源装置208が上記第2設定点にて動作しながら上記通信媒体に対して電力を供給する間に、過負荷状態が存在し続けるなら、該電源装置208は上記通信媒体に対する電力供給を停止する(ブロック412)。次に、方法400が再開始される。
【0038】
電源装置208が上記第2設定点にて動作している間に過負荷状態が存在し続けなければ、電力上昇プロセス404は完了される。代替実施例 (点線を用いて図4に示される)において、電源装置208が動作する設定点は、該電源装置208を最終設定点にて動作させるべく動的に調節される(ブロック424)。例えば図4に示された実施例においては、電力関連属性が監視され(ブロック426)、且つ、監視された電力関連属性に基づき電源装置208の動作が調節される(ブロック428)。例えば一実施例においては電源装置208により供給された電流の量及び/または電力の量が監視されると共に、電源装置208が動作される公称電圧は、電流、及び/または電力に基づき増大もしくは減少される。一実施例において電力関連属性は、遠隔端末が中央局端末200からどれだけ離れているかを決定するために監視される。これにより、ツイストペア電話回線206に対して電源装置208により供給される電力量は、遠隔端末が中央局端末200からどれだけ離れているかに基づいて調節され得る。例えば、遠隔端末が中央局端末200に対して比較的に近ければ、電源装置208によりツイストペア電話回線206に供給される電力の量は減少される。遠隔端末が中央局端末200から比較的に遠ければ、電源装置208によりツイストペア電話回線206に供給される電力の量は増大される。他の実施例においては、他の調節が為される。
【0039】
本明細書中において方法400の各実施例は順次的な段階として記述されるが、この機能性は多くの様式で実現され得る。例えば上記機能性は、アナログ及び/またはデジタル電子回路機構において、または、(例えば特殊用途プロセッサ、もしくは、コンピュータ等の汎用プロセス等の)プログラム可能プロセッサ、ファームウェア、ソフトウェア、或いは、それらの組み合わせにより実現され得る。一実施例において、これらの技術を具現する装置は、適切な入力及び出力デバイスと、プログラム可能プロセッサと、該プログラム可能プロセッサにより実行されるプログラム命令を実体的に具現する記憶媒体とを含む。一実施例において、これらの技術を具現するプロセスは、入力データに基づき動作する所望機能であって適切な出力を生成する所望機能を実施するためにプログラム命令を実行するプログラム可能プロセッサにより実施される。一実施例において上記技術は好適には、データ記憶システムと、少なくとも一個の入力デバイスと、少なくとも一個の出力デバイスとからデータ及び命令を受信すると共にそれらに対してデータ及び命令を送信すべく、それらに連結された少なくとも一個のプログラム可能プロセッサを含むプログラム可能システム上で実行可能な一個以上のプログラムにおいて実現される。概略的にプロセッサは、読出専用メモリ及び/またはランダム・アクセス・メモリから命令及びデータを受信する。コンピュータ・プログラム命令及びデータを実体的に具現するに適した記憶デバイスとしては、例示的に、EPROM、EEPROM等の半導体メモリデバイス、及び、フラッシュメモリデバイス等の、全ての形態の不揮発メモリ、内蔵ハードディスク及び着脱式ディスク等の磁気ディスク、光磁気ディスク、及びCD-ROMディスク、が挙げられる。上記の任意の要素は、特別に設計された特定用途集積回路(ASIC)により補完され、または、それに取入れられ得る。
【0040】
添付の各請求項により定義される本発明の多数の実施例が記述された。但し、権利請求された発明の有効範囲から逸脱せずに記述実施例に対する種々の改変が為され得ることは理解される。故に、他の実施例は添付の各請求項の有効範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】ライン給電される少なくとも一個のネットワーク要素を含むネットワークの一実施例のブロック図である。
【図2】中央局端末の一実施例のブロック図である。
【図3】無線ネットワークの一実施例のブロック図である。
【図4】ライン給電されるネットワーク要素を含むネットワークにおいて電力を上昇させる方法の一実施例のフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信媒体に対して電力を供給する電源装置を立上げる方法であって、
上記電源装置を第1設定点にて動作させながら、上記通信媒体に電力を供給する段階と、
過負荷状態が存在するか否かを決定する段階と、
上記過負荷状態が存在しない場合に、第1警報を発する段階と、
上記過負荷状態が存在する場合に、
上記電源装置を第2設定点にて動作させながら、上記通信媒体に電力を供給する段階と、
上記電源装置を上記第2設定点にて動作させながら、上記通信媒体に電力を供給している間に、上記過負荷状態が存在し続けるか否かを決定する段階と、
上記電源装置を上記第2設定点にて動作させながら、上記通信媒体に電力を供給している間に、上記過負荷状態が存在し続けるなら、第2警報を発する段階とを備える方法。
【請求項2】
当該方法は、ブート・トリガ状態が存在するか否かを決定する段階を更に備え、且つ、
上記ブート・トリガ状態が存在するときには、前記電源装置を前記第1設定点にて動作させながら、前記通信媒体に対して電力が供給される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ブート・トリガ状態は前記通信媒体における短絡である、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記ブート・トリガ状態は前記通信媒体における低電圧である、請求項2記載の方法。
【請求項5】
前記ブート・トリガ状態は、前記電源装置が前記通信媒体に電力を供給してから所定期間が経過したときに存在する、請求項2記載の方法。
【請求項6】
前記電源装置を前記第1設定点にて動作させながら前記通信媒体に電力を供給する段階は、上記電源装置の公称電圧を第1電圧値まで上昇させる段階と、上記電源装置の電力限界を第1電力限界値まで上昇させる段階とを含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記第1設定点は、前記通信媒体に連結されたシンク・ネットワーク要素に対して十分な電力が供給されることにより該シンク・ネットワーク要素が始動されるが、該ネットワーク要素を通常的に動作させるに十分な電力は供給されない様に選択される、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記第1設定点は、前記シンク・ネットワーク要素の通常動作の間において供給される電力量の半分の電力が供給される様に選択される、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記第2設定点は、通常様式で前記通信媒体に連結されたシンク・ネットワーク要素を動作させるに必要な電力量を前記電源装置が供給する様に選択される、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記電源装置を前記第2設定点にて動作させながら前記通信媒体に電力を供給する前記段階は、上記電源装置の公称電圧を第2電圧値まで上昇させる段階と、上記電源装置の電力限界を第2電力限界値まで上昇させる段階とを含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
地絡が存在するか否かを決定する段階と、
地絡が存在するならば第3警報を発する段階とを更に備える、請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記通信媒体は少なくとも一本のツイストペア電話回線を含む、請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記電源装置の前記設定点を動的に調節する段階を更に備える、請求項1記載の方法。
【請求項14】
電力関連属性を監視する段階と、
監視された上記電力関連属性に基づき前記電源装置の動作を調節する段階とを更に備える、請求項13記載の方法。
【請求項15】
通信回線に対するトラフィックを含む電気通信サービス信号を生成する通信インタフェースと、
当該ネットワーク要素を電力供給源に連結し得る電力インタフェースであって、電力信号を生成する電源装置を含む電力インタフェースと、
上記電源装置の動作を制御するコントローラと、
上記電気通信サービス信号を上記電力信号と組み合わせ、且つ、該組合せ信号を通信媒体に付与するスプリッタとを備えたネットワーク要素であって、
上記コントローラは、
上記電源装置は第1設定点にて動作しながら、該電源装置を以て上記通信媒体に電力を供給し、
過負荷状態が存在するか否かを決定し、
上記過負荷状態が存在しなければ、第1警報を発し、
上記過負荷状態が存在するなら、上記電源装置を第2設定点にて動作させながら、該電源装置を以て上記通信媒体に電力を供給し、
上記電源装置を上記第2設定点にて動作させながら該電源装置を以て上記通信媒体に電力を供給している間に上記過負荷状態が存在し続けるか否かを決定し、
上記電源装置を上記第2設定点にて動作させながら該電源装置を以て上記通信媒体に電力を供給している間に上記過負荷状態が存在し続けるなら、第2警報を発する、
ネットワーク要素。
【請求項16】
前記コントローラはハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方を含む、請求項15記載のネットワーク要素。
【請求項17】
前記コントローラは前記電力インタフェースに含まれる、請求項15記載のネットワーク要素。
【請求項18】
前記通信インタフェースは当該ネットワーク要素を上流通信媒体に連結する、請求項15記載のネットワーク要素。
【請求項19】
前記通信媒体上にはディジタル加入者回線用の通信回線が配備される、請求項15記載のネットワーク要素。
【請求項20】
当該ネットワーク要素は中央局端末である、請求項15記載のネットワーク要素。
【請求項21】
前記コントローラと前記電源装置との間には電圧信号が提供され、
前記通信媒体に対して前記電源装置が電力を供給する公称電圧を設定すべく、上記電圧信号は上記コントローラにより使用される、請求項15記載のネットワーク要素。
【請求項22】
前記コントローラと前記電源装置との間には電力限界信号が提供され、
上記電源装置に対する電力限界を設定すべく上記電力限界信号は上記コントローラにより使用され、
上記電力限界は、上記電源装置が前記通信媒体に提供する最大電力である、請求項15記載のネットワーク要素。
【請求項23】
前記電源装置により前記コントローラに対しては過負荷信号が提供され、
過負荷状態が存在することを上記コントローラに伝えるべく上記過負荷信号は上記電源装置により使用される、請求項15記載のネットワーク要素。
【請求項24】
当該ネットワーク要素を通信媒体に連結し得るインタフェースと、
当該ネットワーク要素を電力供給源に連結し得る電源装置とを備えたネットワーク要素であって、
上記電源装置を第1設定点にて動作させながら、上記通信媒体に電力を供給し、
当該ネットワーク要素は、過負荷状態が存在するか否かを決定し、
上記過負荷状態が存在しなければ、当該ネットワーク要素は第1警報を発し、
上記過負荷状態が存在するなら、上記電源装置を第2設定点にて動作させながら、該電源装置は上記通信媒体に電力を供給し、
当該ネットワーク要素は、上記電源装置を上記第2設定点にて動作させながら該電源装置が上記通信媒体に電力を供給している間に上記過負荷状態が存在し続けるか否かを決定し、
上記電源装置を上記第2設定点にて動作させながら該電源装置が上記通信媒体に電力を供給している間に上記過負荷状態が存在し続けるなら、当該ネットワーク要素は第2警報を発する、
ネットワーク要素。
【請求項25】
前記通信媒体上には第1通信回線が配備される、請求項24記載のネットワーク要素。
【請求項26】
当該ネットワーク要素を上流通信回線と前記第1通信回線とに対して連結する通信インタフェースを更に備える、請求項25記載のネットワーク要素。
【請求項27】
前記通信媒体はツイストペア電話回線を含む、請求項24記載のネットワーク要素。
【請求項28】
電力供給源に連結された電源装置を含む供給源ネットワーク要素と、
上記供給源ネットワーク要素に対して通信媒体を介して連結されたシンク・ネットワーク要素とを備えたネットワークであって、
上記電源装置を第1設定点にて動作させながら、上記通信媒体に対して電力を供給することにより上記シンク・ネットワーク要素に給電し、
上記ネットワーク要素は、過負荷状態が存在するか否かを決定し、
上記過負荷状態が存在しなければ、上記ネットワーク要素は第1警報を発し、
上記過負荷状態が存在するなら、上記電源装置を第2設定点にて動作させながら、該電源装置は上記通信媒体に電力を供給することで上記シンク・ネットワーク要素に給電を行い、
上記ネットワーク要素は、上記電源装置を上記第2設定点にて動作させながら該電源装置が上記通信媒体に電力を供給して上記シンク・ネットワーク要素に給電を行う間に上記過負荷状態が存在し続けるか否かを決定し、
上記電源装置を上記第2設定点にて動作させながら該電源装置が上記通信媒体に電力を供給して上記シンク・ネットワーク要素に給電を行う間に上記過負荷状態が存在し続けるなら、上記ネットワーク要素が第2警報を発する、
ネットワーク。
【請求項29】
前記供給源ネットワーク要素は中央局電源プラグである、請求項28記載のネットワーク。
【請求項30】
前記シンク・ネットワーク要素は無線アクセスポイントを含む遠隔ネットワーク要素である、請求項28記載のネットワーク。
【請求項31】
前記供給源ネットワーク要素に連結された回線インタフェース・ユニットを更に備える、請求項28記載のネットワーク。
【請求項32】
無線サービス・マネージャを更に備える、請求項28記載のネットワーク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−525863(P2007−525863A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−514967(P2006−514967)
【出願日】平成16年5月26日(2004.5.26)
【国際出願番号】PCT/US2004/016541
【国際公開番号】WO2004/111756
【国際公開日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【出願人】(505222794)エーディーシー ディーエスエル システムズ,インコーポレイティド (8)
【Fターム(参考)】