説明

ランダム(メタ)アクリレート含有プレポリマー形成プロセス

本発明は、少なくとも1つの(メタ)アクリレート成分と少なくとも1つの(メタ)アクリルアミド成分とを含むランダムプレポリマーを形成するプロセスに関する。より具体的には、本発明はプロセスに関するものであり、このプロセスは、第1の反応速度定数kを有する少なくとも1つの(メタ)アクリレート成分を含む第1の反応混合物を提供する工程と、この第1の反応混合物に、反応時間を含む反応条件下で、約0.5k未満である第2の反応速度定数kを有する少なくとも1つの(メタ)アクリルアミド成分を添加する工程と、を含み、(メタ)アクリレート成分と(メタ)アクリルアミド成分とのうち少なくとも1つがシリコーンを含み、(メタ)アクリレート成分と(メタ)アクリルアミド成分とのうち少なくとも1つが少なくとも1つの親水性成分を含み、少なくとも1つの(メタ)アクリルアミド成分がある反応時間にかけてプレポリマー反応条件下で徐々に添加されてプレポリマーを形成する。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔発明の背景〕
コンタクトレンズは、1950年代以来、視力を改善するために商業的に使用されてきた。ほとんどの現在のコンタクトレンズは、HEMAのような親水性モノマーとビニルピロリドンを少量の架橋剤存在下で重合することによって形成されるヒドロゲルで作製されている。
【0002】
骨格鎖PVAを有するプレポリマー及びアクリル基の反応基はすでに開示されている。単独及び他のモノマー又は共反応物質とのコポリマーとしての2−ヒドロキシエチルメタクリレート反復単位を含有するプレポリマーも、また、開示されている。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【図1】実施例1〜10のそれぞれに対応する反応混合物の転換率を時間の関数として示すグラフ。
【図2】実施例1〜10のそれぞれに対応する反応混合物の転換率を時間の関数として示すグラフ。
【図3】実施例1〜10のそれぞれに対応する反応混合物の転換率を時間の関数として示すグラフ。
【図4】実施例1〜10のそれぞれに対応する反応混合物の転換率を時間の関数として示すグラフ。
【図5】比較例1のバッチ反応混合物の転換率を時間の関数として示すグラフ。
【図6】実施例1〜10のそれぞれに対応する反応混合物の転換率を時間の関数として示すグラフ。
【図7】実施例1〜10のそれぞれに対応する反応混合物の転換率を時間の関数として示すグラフ。
【図8】実施例1〜10のそれぞれに対応する反応混合物の転換率を時間の関数として示すグラフ。
【図9】実施例1〜10のそれぞれに対応する反応混合物の転換率を時間の関数として示すグラフ。
【図10】実施例1〜10のそれぞれに対応する反応混合物の転換率を時間の関数として示すグラフ。
【0004】
〔発明の概要〕
本発明はプロセスに関するものであり、このプロセスは、
第1の混合物を形成する工程であって、この第1の混合物が、少なくとも1つの溶剤と、少なくとも一分量の重合開始剤(at least a portion of polymerization initiator)と、一分量の反応成分と、を含み、この反応成分が、プロセス中に付加される、第1の反応速度定数kを有する少なくとも1つの第1の成分全てに基づき1〜約40重量%の第1の成分と、約0.5k未満の第2の反応速度定数kを有する少なくとも1つの第2の成分とを含み、第2及び第1の成分が少なくとも約k/kの比率でこの第1の反応混合物に存在する、工程と、
プレポリマー形成条件下で、反応成分の全ての残分量及び開始剤を含む第2の混合物を、添加工程全体を通して、第1及び第2の構成成分のプレポリマーへの転換を実質的に一致させるのに十分な速度で添加する工程と、を含む。
【0005】
本発明は、更に、プロセスに関するものであり、このプロセスは、
プレポリマー形成条件下で、溶剤を含む第2の混合物に、第1の反応速度定数kを有する少なくとも1つの第1の成分と、約0.5k未満の第2の反応速度定数kを有する少なくとも1つの第2の成分と、少なくとも1つの重合開始剤と、所望により少なくとも1つの溶剤と、を含む第1の混合物を添加する工程を含み、
前記添加工程が、添加工程全体を通して、第1及び第2の成分のプレポリマーへの転換を実質的に一致させるように制御される。
【0006】
別の実施形態において、本発明は、プレポリマーを形成するプロセスに関するものであり、このプロセスは、
プレポリマー形成条件下で、反応速度定数kを有する少なくとも1つの成分を含む第1の混合物を、少なくとも1つの溶剤と約0.5k未満の反応速度定数kを有する少なくとも1つの第2の成分とを含む第2の混合物に添加する工程を含み、添加工程が、添加工程全体を通して、第1及び第2の成分のプレポリマーへの転換を実質的に一致させるように制御される。
【0007】
〔発明の説明〕
本明細書で使用される用語(メタ)アクリレートとは、式CH=CRCOX−を有する基を指し、式中Rは水素又はメチルであり、XはO又はNである。
【0008】
「生物医学装置」とは、ヒトの組織又は体液のいずれか又は両方に使用されるよう設計された任意の装置を意味する。そのような装置の例としては、ステント、インプラント、カテーテル、包帯、および眼用レンズが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、生物医学装置は眼科用具である。眼科用具は、角膜、結膜、瞼、涙点、又はこれらの任意の組み合わせのような眼環境の任意の部位内に置かれる又は接触する任意の装置である。眼科用具の例としては、ハード及びソフトコンタクトレンズのようなコンタクトレンズ、涙点栓子、眼用挿入物、眼内レンズなどが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、装置はコンタクトレンズである。
【0009】
出願者らは、特定のシリコーン含有プレポリマー材料が、得られる眼科用具の光学品質に影響し得ることを発見している。驚くべきことに、プレポリマー成分の添加率を制御することによって、前記プレポリマーで作製された眼科用具が、実質的に低減された光学的ひずみを示すことが発見されている。
【0010】
本発明は、光学的特性が望まれる一実施形態において、実質的に異なる反応速度定数kを有する反応成分からランダムプレポリマーを形成するプロセスに関する。一実施形態において、本発明は、光学的装置、例えば眼用レンズの形成に有用なランダムプレポリマーに関する。更に別の実施形態において、本発明は、コンタクトレンズ、特にヒドロゲルコンタクトレンズを形成するために有用なプレポリマーに関する。
【0011】
本明細書において使われる「プレポリマー」とは、ビニル重合又は付加重合によって形成される任意の材料である。プレポリマーは、約20,000〜約200,000の分子量、一部の実施形態では約25,000〜150,000の分子量を有することができる。一実施形態において、プレポリマーは官能基化され、フリーラジカル反応基を含む。
【0012】
本発明は、ランダムプレポリマーを形成するものと実質的に異なる反応速度定数kを有するプレポリマー形成成分の添加を制御することに関する。本明細書で使用される「実質的に異なる」とは、少なくとも1つの第1の構成成分が、少なくとも1つの第2の構成成分の反応速度定数kより少なくとも50%大きい反応速度定数kを有することを意味する。したがって、一実施形態において、k≦0.5kである。別の実施形態では、k≦0.2kである。反応速度定数は次のように測定することができる。プレポリマー反応成分を、バッチ条件下で、プレポリマーを作製するために使用される反応条件(温度、溶媒系、構成成分(重合開始剤を含む)の濃度)を用いて反応させる。反応混合物試料を10分間隔で採取し、被分析成分(単数又は複数)の濃度を分析する。試料は、第2の構成成分が50%転換されるまで採取すべきである。約1時間以内に完了する反応の場合は、少なくとも約10個のデータポイントをもたらすために、より短い間隔で試料を採取して評価を繰り返すべきである。
【0013】
反応速度定数kは、反応時間に対してプロットされる成分濃度の自然対数(ln)の線の負の勾配である。成分濃度は、重量%、モル%、又は、ピークエリアが濃度に比例するGC方法によってもたらされるピークエリアのような任意の単位で測定することができる。
【0014】
一実施形態において、ランダムプレポリマーはフリーラジカル反応成分から形成される。第1の成分の好適な例としては、(メタ)アクリレート含有反応成分、スチレン含有反応成分、及びこれらの混合物などが挙げられる。好適な第1の成分の例としては、シリコーン含有(メタ)アクリレートモノマー及び親水性(メタ)アクリレート成分が挙げられる。
【0015】
第2の成分は任意のフリーラジカル反応成分であり、上記の反応速度定数kを有するものである。好適な第2の成分の例としては、(メタ)アクリルアミドモノマー(シリコーン含有(メタ)アクリルアミドモノマー及び親水性(メタ)アクリルアミド成分など)、ビニル含有成分(N−ビニルラクタム及びN−ビニルアミドなど)、及びこれらの組み合わせなどが挙げられる。そのような化合物の例としては、N,N−ジメタクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、バイナル(VINAL)、TRIS−VC、及びこれらの組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0016】
シリコーン含有(メタ)アクリレートモノマーは、少なくとも1つの[−Si−O−]及び1つの(メタ)アクリレート基を含有する。一実施形態において、このシリコーン含有(メタ)アクリレートモノマーに存在するSiと結合Oの合計は、シリコーン含有(メタ)アクリレートモノマーの合計分子量の約20重量%より多く、一部の実施形態ではその30重量%より多い。シリコーン含有(メタ)アクリレートモノマーは、また、親水性の基、例えばヒドロキシル、アミン、及びハロゲン、ヒドロキシル、アミン、1〜4炭素含有エーテル又は1〜4炭素含有エステルで置換可能なC1〜5アルキル基又はC6〜10アリール基を含むことができる。一部の実施形態では、少なくとも1つのシリコーン含有(メタ)アクリレートモノマーは、少なくとも1つのヒドロキシル基又はヒドロキシル基で置換されたC1〜5アルキル基を含む。
【0017】
好適なシリコーン含有(メタ)アクリレートモノマーの例としては、少なくとも2つの[−Si−O−]反復単位を含むポリジアルキルシロキサン(「PDMS」)型モノマー、平均分子量が約3.32×10−21g(約2000ダルトン)未満でありヒドロキシル基と少なくとも1つの「−Si−O−Si−」基を有する重合可能な基を含むシリコーンアルキルグリセロール(メタ)アクリレート(「SiGMA」)型モノマー、及び少なくともSi(OSi−)基を有するトリメチルシロキシ(「TRIS」)型モノマーが挙げられる。好適なTRISモノマーの例としては、メタアクリルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、メタアクリルオキシプロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、メタアクリルオキシプロピルペンタメチルジシロキサン、及びこれらの混合物などが挙げられる。
【0018】
一実施形態では、PDMS型モノマーは、シリコーン含有モノマーの合計分子量の20重量%より多い量、さらに好ましくはその30重量%より多い量のSi及び結合Oを含む直鎖のモノアルキル末端モノマー(「mPDMSモノマー」)である。
【0019】
好適なmPDMSモノマーの例として、次のものが挙げられ、
【化1】

b=0〜100であり、式中、bは表示値とほぼ等しいモードを有する分布であり、一実施形態では3〜30、別の実施形態では4〜16、別の実施形態では6〜14であり、
58はメタクリレート部分を含み、
それぞれのR59は独立に、C1〜5一価アルキル、又は更にアルコール、アミン、ケトン、カルボン酸、又はエーテルの基で置換することができるC6〜10アリール基であり、
60はC1〜5一価アルキル、又は更にアルコール、アミン、ケトン、カルボン酸、又はエーテルの基で更に置換することができるC6〜10アリール基であり、
61は独立に、C1〜5アルキル又はC6〜10芳香族であり、一部の実施形態ではエチル、メチル、ベンジル、フェニル、又は1〜100の反復Si−O単位を含む一価シロキサン鎖から選択されることが理解される。
【0020】
一部の実施形態では、それぞれのR59は、C1〜5未置換一価アルキル又はC6〜10未置換アリール基から独立に選択され、別の実施形態では、それぞれのR59はメチルである。
【0021】
一部の実施形態では、R60は、C1〜10脂肪族アルキル基又はC6〜10芳香族基であり、いずれも未置換であるかヘテロ原子を含むことができ、別の実施形態ではC3〜8アルキル基である。別の実施形態において、R60はブチルである。
【0022】
mPDMS型モノマーの例としては、モノ−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピロキシ)プロピル末端(mono-(3-methacryloxy-2-hydroxypropyloxy)propyl terminated)、モノ−ブチル末端ポリジメチルシロキサン(mono-butyl terminated polydimethylsiloxanes)、モノメタクリロキシプロピル末端モノ−n−ブチル末端ポリジメチルシロキサン(monomethacryloxypropyl terminated mono-n-butyl terminated polydimethylsiloxanes)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。mPDMS型モノマーの追加的な例は、米国特許第5,998,498号に開示されており、前記特許はこの参照により本明細書に組み込まれる。
【0023】
別の実施形態において、少なくとも1つのシリコーンメタクリレートは、少なくとも1つのSiGMA型モノマーを含む。SiGMA型モノマーでは、シリコーン及びそれに結合した酸素は、前記モノマーを約10重量%含み、一部の実施形態では、約20重量%より多く含む。SiGMA型モノマーの例としては、式IIのモノマーが挙げられ、
【化2】

式中、Rは(メタ)アクリレート基であり、
は1〜8個の炭素原子を有する、選択的にエーテル基又はヒドロキシル基を含むことができるアルキレンであり、
は1〜10個の炭素原子を有する、選択的にエーテル基又はヒドロキシル基を含むことができるアルキレンであり、
R1はH、又は最高6個の炭素原子を有する一価アルキルであり、
、R及びRは、独立に、メチル、エチル、ベンジル、フェニル、又は一価トリアルキルシロキサンから選択されるが、R、R及びRのうち少なくとも1つは一価トリアルキルシロキサンであることが条件である。
【0024】
好適なSiGMA型モノマーの具体的な例としては、2−プロペン酸、2−メチル−2−ヒドロキシー3−[3−[1,3,3,3−テトラメチル−1−[トリメチルシリル]オキシ]ジシロキサニル]プロポキシ]プロピルエステル(2-methyl-2-hydroxy-3-[3-[1,3,3,3-tetramethyl-1-[trimethylsilyl)oxy]disiloxanyl]propoxy]propyl ester)、
【化3】

及び(3−メタクリロキシ−2−ヒドロシキプロピロキシ)プロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン((3-methacryloxy-2-hydroxypropyloxy)propyltris(trimethylsiloxy)silane)が挙げられる。
【化4】

【0025】
追加的な好適なヒドロキシル官能基化されたシリコーン含有モノマーは、米国特許第4,235,985号、同第4,139,513号、及び同第4,139,692号に開示されており、これらの特許はこの参照により本明細書に組み込まれる。
【0026】
なお追加的なSiGMA型モノマーの例としては、限定はしないが、3−メタクリロキシ−2−((2−ヒドロキシエトキシ)プロピロキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン(3-methacryloxy-2-((2-hydroxyethoxy)propyloxy)propylbis(trimethylsiloxy)methylsilane)が挙げられ、
【化5】

nは1〜15であり、
3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(3-methacryloxypropyltris(trimethylsiloxy)silane)、3−メタクリロキシプロピル(ペンタメチルジシロキサン)(3-methacryloxypropyl(pentamethyldisiloxane))、3−メタクリロキシプロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン(3-methacryloxypropylbis(trimethylsiloxy)methylsilane)、及びこれらの混合物などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
一部の実施形態において、シリコーン含有成分は(メタ)アクリルアミド成分である。シリコーン含有(メタ)アクリルアミド成分の例としては、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルカルバミン酸ビニル(tris(trimethylsiloxy)silylpropyl vinyl carbamate)、米国特許第5,260,000号に開示されているようなシリコーン含有ビニルカーボネート、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0028】
一実施形態において、少なくとも1つのシリコーン含有(メタ)アクリレートモノマーは、少なくとも1つのヒドロキシル基、又は、少なくとも1つのヒドロキシル基で置換された少なくとも1つのC1−5アルキル基で置換されている。別の実施形態において、少なくとも1つのシリコーン含有(メタ)アクリレートモノマーは、3−メタクリロキシ−2−(ヒドロキシプロピロキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン)(3-methacryloxy-2-(hydroxypropyloxy)propylbis(trimethylsiloxy)methylsilane))、3−メタクリロキシ−2−(ヒドロキシプロピロキシ)プロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(3-methacryloxy-2-(hydroxypropyloxy)propyltris(trimethylsiloxy)silane)、モノ−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピロキシ)プロピル末端、モノ−ブチル末端ポリジメチルシロキサン、モノメタクリロキシプロピル末端モノ−n−ブチル末端ポリジメチルシロキサン、及びこれらの混合物から選択されたモノマーを含む。
【0029】
このシリコーン含有成分は、反応混合物中に、全ての反応成分の合計量に基づき約20〜約80重量%の量、一部の実施形態では約30〜約80重量%の量、その他では約40〜約70重量%の量で存在する。
【0030】
本発明のランダムプレポリマーは、また、少なくとも1つの親水性モノマーから誘導された反復単位を含む。親水性モノマーは、適切な触媒とホモ重合されたときに、少なくとも約20%の水分を含有するポリマーを形成するものである。親水性モノマーは、(メタ)アクリレート反応成分、(メタ)アクリルアミド成分、及びこれらの混合物を含むことができる。(メタ)アクリルアミド親水性モノマーの例としては、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルメタアセトアミド、2−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、2−ビニル−4,4−ジメチル−2−オキサゾリン−5−オン、N−ビニルオキシカルボニルアラニン、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。(メタ)アクリレート親水性モノマーの例としては、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリセロールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、メタクリル酸、アクリル酸、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、親水性モノマーは、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリセロールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、及びこれらの組み合わせから選択された少なくとも1つの親水性(メタ)アクリレートモノマーを含む。別の実施形態において、親水性(メタ)アクリレートモノマーは、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを含む。
【0031】
親水性モノマーは、反応混合物中に、添加終了時の全ての反応成分の合計量に基づき約20〜約80重量%の量、一部の実施形態では約20〜約70重量%の量、その他では約30〜約60重量%の量で存在する。
【0032】
一実施形態では、本発明は、反応成分を含有する(メタ)アクリレートからランダムプレポリマーを形成するプロセスに関するものであり、
40〜70重量%の1つ以上のシリコーン含有(メタ)アクリレートモノマーと、
30〜60重量%の1つ以上の親水性モノマーと、
0〜5重量%の1つ以上の他の(メタ)アクリレート系モノマーと、を含み、これらのモノマーの合計が100%である。
【0033】
別の実施形態において、反応成分は、
3−メタクリロキシ−2−(ヒドロキシプロピロキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン)、モノ−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピロキシ)プロピル末端、又はこれらの混合物を含む1つ以上のシリコーン含有(メタ)アクリレートモノマーを40〜70重量%と、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート及びN,N−ジメチルアクリルアミドを含む1つ以上の親水性モノマーを30〜60重量%と、
1つ以上の他の(メタ)アクリレート系モノマーを0〜5重量%含み、これらのモノマーの合計が100%である。
【0034】
その他の(メタ)アクリレートモノマーもまた含むことができる。(メタ)アクリレート反応基に加えて、これらのモノマーは、また、染色、紫外線吸収、光発色、濡れ、及びこれらの組み合わせなど追加的な機能を提供することができる。
【0035】
重合開始剤もまた使用することができる。限定はしないが、熱活性化された開始剤、紫外線及び/又は可視光線光開始剤など、及びこれらの組み合わせなど、任意の望ましい開始剤を使用することができる。好適な熱活性化された開始剤としては、過酸化ラウリル、過酸化ベンゾイル、過炭酸イソプロピル(isopropyl percarbonate)、アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス−2−メチルブチロニトリルなどが挙げられる。一実施形態において、これらの開始剤は、2,2−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(AMBM)及び/又は2,2−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を含む。
【0036】
開始剤は、例えば約0.005〜約2重量%、好ましくは反応性モノマーの100重量部当たり約0.1〜約2重量部である有効量で、反応混合物に使用される。
【0037】
重合は、モノマー及び重合の際に結果的にもたらされるランダムプレポリマーを溶解する能力のある任意の溶剤中で実行される。溶剤及び溶剤系の例は、エタノール、イソプロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、三級アミルアルコール、エタノール/ヘプタン混合物(例えばエタノール/ヘプタンが3:1)である。特に好ましい溶剤及び溶剤混合物は、約50℃〜約110℃の沸点を有するもの、一部の実施形態では約60℃〜約80℃の沸点を有するものである。
【0038】
反応速度を高めるために溶剤系を加熱することができ、例えば約50℃〜約110℃の範囲の温度、一部の実施形態では約60〜約80℃の温度である。
【0039】
シリコーン含有(メタ)アクリレートモノマー及び親水性モノマーの両方を含む反応混合物からプレポリマーを形成するプロセスは、米国特許第2003−0236376号に開示されており、この開示はこの参照により本明細書に組み込まれる。しかし、これらのプレポリマーから作製されるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、像のひずみをもたらす可能性のある望ましくない光学特性を示す場合がある。出願者らは、第1及び第2の成分の転換速度を実質的に一致させるために、重合条件を制御することによって、第1及び第2の成分の両方が実質的に同等の成分を有するプレポリマー鎖を生成できることを発見している。本発明による第1及び第2の成分の添加が制御されないとき、反応の始めに形成されるポリマー鎖は第1の成分の濃度がより高く、反応の終わりに形成されるポリマー鎖は第2の成分の濃度がより高い。また、本発明による第1及び第2の成分の添加を制御することによって、驚くべきことに、本発明のプレポリマーから形成された物品において、望ましくない光学的ひずみが除去されることが発見された。
【0040】
この少なくとも第1及び第2の成分の添加は、様々な方法で達成することができる。1つの混合物をもう一方の混合物に連続的又は定期的に計量注入することによって添加を制御することができ、また、計量ポンプのような(ただし限定せず)従来型の装置を使用して添加を制御することもできる。本明細書に記述するように、第1及び第2の混合物中の第1及び第2の成分の濃度の釣り合いを取ることによって添加を更に制御することもできる。
【0041】
したがって、一実施形態において、反応成分及び重合開始剤は、ある時間をかけて溶剤系に徐々に添加されて、約50重量%の反応成分の累積量の添加が、反応成分の添加の開始から約0.5時間〜約5時間以内で達成される。
【0042】
したがって、本明細書で使用される「徐々に添加する」とは、反応成分が時間をかけて例えば比較的小さい分量で添加されること、及び連続的又は断続的に添加され得ることを意味する。更に、異なる反応成分を組み合わせて添加すること、又は成分の添加を交互にすることが可能であると理解される。
【0043】
別の実施形態において、反応成分及び重合開始剤は、ある時間をかけて溶剤系に添加されて、全ての反応成分(100重量%の累積量)の添加が、反応成分の添加の開始から約2時間〜約24時間以内で達成される。
【0044】
別の実施形態において、第2の成分が反応の始めに溶剤と混合され、残りの反応成分が、望ましい反応時間にかけて上述のように徐々に添加される。
【0045】
例えば、(メタ)アクリレートモノマーOH−mPDMS,2−ヒドロキシエチルメタクリレート、(メタ)アクリルアミドモノマーN,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)及び他の(メタ)アクリレート系モノマー、ノーブロク(Norbloc)及びブルー(Blue)のHEMAを有する実施例1の処方においては、実施例1で使用した条件下でDMAが最も遅い転換速度を有する。DMAの反応速度定数は0.1795hr−1であり、これに対しHEMAでは1.1433hr−1である。したがって、この実施形態では、他の(メタ)アクリレートモノマーの投与が開始する前に溶剤中にDMAの合計量が存在する。
【0046】
溶剤、モノマー及び開始剤の残分量は、上述の実施形態のいずれかに記述されたように徐々に添加される。
【0047】
一実施形態において、第1の反応混合物は、また、少なくとも一分量の開始剤を含む。
【0048】
別の実施形態において、本発明はプロセスに関するものであり、このプロセスにおいて、第1の混合物は、少なくとも1つの溶剤と、少なくとも一分量の重合開始剤と、(a)このプロセス中に添加される第1の成分全てに基づき1〜約40重量%の少なくとも1つの第1の成分及び(b)第1の反応混合物中の第2と第1の成分の濃度比率がk/k以上である前記第2の成分の一分量を含む、反応成分の一分量と、を含む。反応成分の全ての残分量及び開始剤を含む第2の混合物は、添加工程全体を通して、第1及び第2の構成成分のプレポリマーへの転換を実質的に一致させるのに十分な速度で第1の混合物に添加される。
【0049】
一実施形態において、本発明は、反応成分を含有する(メタ)アクリレートからランダムプレポリマーを形成するプロセスに関係するものであり、
40〜70重量%の1つ以上のシリコーン含有(メタ)アクリレートモノマーと、
30〜60重量%の1つ以上の親水性モノマーと、
0〜5重量%の、1つ以上の他の(メタ)アクリレート系モノマーと、を含む(反応混合物中のモノマーの総重量に基づく重量百分率)。
【0050】
例えば、(メタ)アクリレートモノマーが60重量%のOH−mPDMSと、11.5重量%の2−ヒドロキシエチルメタクリレートと、27重量%のN,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)とを含む一実施形態では、DMAが最低の反応速度を有する。DMAと他の任意のモノマー構成成分の反応速度定数の間の相対比は、1:3より高く、上記のように、kHEMA:kDMAの比率は約6である。この実施形態では(実施例7及び10に開示するように)少なくともDMAの一部が第1の反応混合物中に存在し、(メタ)アクリレート成分及び残りの(メタ)アクリルアミドがこの反応混合物に徐々に導入される。したがって、この実施形態において、HEMAは、反応混合物全体に添加されるHEMA全てに基づき約1〜約40重量%の量で第1の反応混合物に存在する。追加的な(メタ)アクリレート成分も、また、この第1の反応混合物中に含まれることができる。第2の成分(この場合はDMA)は、[DMA]:[HEMA]の比率が少なくとも約kHEMA:kDMA以上になるような量で存在することができる。したがって、この実施例では、DMAは反応全体を通して添加されるDMA全ての重量に基づき約5〜約100重量%の量で第1の混合物中に存在することができる。
【0051】
残りのモノマーは適切な溶剤と混合され、本明細書に記述したように反応の過程にかけて徐々に添加される。
【0052】
自動投与システムを使用することができる。例えば、(メタ)アクリレートモノマー成分の添加を制御するためにポンプを使うことができる。構成は、それぞれの(メタ)アクリレートモノマー成分用ポンプ、それぞれのタイプの(メタ)アクリレートモノマー用ポンプ、又は反応混合物用ポンプを含む。開始剤は、予めモノマー成分と混合されるか、又は別途に添加されることができ、一部の実施形態では後者が好ましい。モノマー及び開始剤の両方とも、添加の前に溶剤系で希釈することができる。
【0053】
第2の反応混合物の添加が完了すると、反応成分及びポリマーは、通常、ポリマー溶液の約10〜約50重量%、一部の実施形態では約15〜約40重量%を成す。
【0054】
重合は、プレポリマー重合条件下で、例えば、フリーラジカル開始剤及び好適な放射線源の存在下で、約50℃〜約110℃の温度で行われる。上限は、利用可能な装置の圧力制限及び重合熱を扱う能力によって決定される。下限は、最大許容反応時間及び/又は開始剤の特性よって決定される。ほぼ周囲圧力での重合では、好ましい温度範囲は約60℃〜約80℃であり、望ましい転換の程度をもたらすために必要な時間行われる。反応時間は約1〜約24時間の範囲、一部の実施形態では約1〜約12時間の範囲であってよい。
【0055】
一部の実施形態では、連鎖移動剤は反応から除外される。この場合、アルコールが溶剤として使用され、好ましくは、1〜4個の炭素原子を有するアルコールであり、好ましくはこの溶剤はメタノール、エタノール、イソプロパノール、及びこれらの混合物である。
【0056】
本発明によって形成されるランダムプレポリマーは、米国特許第4,963,159号及び同第2003/0236376号に開示されたような分別分画によって精製され得る。
【0057】
分別分画の後に、ろ過、遠心分離などのような追加的な従来の分離手段を行ってもよい。更なる分離が望まれる場合は、溶剤パラメーターを更に下げることによって分別分画を繰り返すことができる。
【0058】
一実施形態において、本発明のランダムプレポリマーは、架橋可能なプレポリマーを形成するために官能基化及び精製され、コンタクトレンズのような眼科用具のような医療装置の作製に使用可能なものとなる。別の実施形態において、本発明のランダムプレポリマーは、米国特許第5,760,100号に開示されたようなシリコーン及びフッ素含有メタクリレート系マクロマー、米国特許第5,314,960号、同第5,331,067号、同第5,244,981号、同第5,371,147号に開示されたようなGTPマクロマーのようなマクロマー及びプレポリマーである場合がある。
【0059】
架橋可能なプレポリマーは、よく定義された多分散性及び分子量を有することができる。あくまで一例として、従来の方法ではこれまで入手され得なかった非常に望ましい特性を有するコンタクトレンズを形成するために、架橋可能なプレポリマーは、極めて短時間に光重合によって架橋可能なアクリル基を有することができる。
【0060】
ランダムプレポリマーは、架橋可能な官能基を結合することによって官能基化されて、架橋可能なプレポリマーを形成する。概して、この官能基は、プレポリマーに、架橋して架橋ポリマー又はハイドロゲルを形成する能力をもたらす。架橋可能な官能基を提供する好適な架橋可能な反応物質は、A−S−F構造を有し、Aはプレポリマーにおいてヒドロキシル基との共有結合を形成する能力のある結合基であり、Sはスペーサであり、Fはエチレン性不飽和部分を含む官能基である。好適な結合基Aとしては、塩素、イソシアナート、酸、酸無水物、酸塩化物、エポキシ、アザラクトン、及びこれらの組み合わせなどが挙げられる。好ましい結合基としては、酸無水物が挙げられる。
【0061】
スペーサは直接結合、直列、分岐状、又は環状のアルキル基又はアリール基で1〜8個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を有するもの、又は式−(CH−CH−O)−のポリエーテル鎖で式中nが1〜8、好ましくは1〜4であるものが可能である。
【0062】
好ましい官能基は、フリーラジカルの重合可能なエチレン性不飽和部分を含む。好ましいエチレン性不飽和基は次の式を有し、
−C(R10)=CR1112
10、R11及びR12は、独立に、H、C1〜6アルキル、カルボニル、アリール、及びハロゲンから選択される。好ましくは、R10、R11及びR12は、独立に、H、メチル、アリール及びカルボニルから選択され、より好ましくは、一部の実施形態において、H及びメチルから選択される。
【0063】
好ましい架橋可能な反応物質としては、メタクリル酸塩、2−イソシアナートエチルアクリレート、イソシアナートエチルメタクリレート(IEM)、グリシジルメタクリレート、桂皮酸塩、メタクリル酸無水物、アクリル酸無水物、及び2−ビニル−4−ジメチルアザラクトンが挙げられる。メタクリル酸無水物が好ましい。
【0064】
プレポリマーに結合される架橋可能な官能基の好ましい量としては、プレポリマー中で利用可能なヒドロキシル基の量に基づき、化学量論的に約1〜20%、好ましくは約1.5〜約10%、最も好ましくは約2〜約5%が挙げられる。官能基化の程度は、不飽和基の特定のような既知の方法によって、又は官能基反応物質とポリマーとの間の結合を加水分解してからHPLCにより放出される酸を特定することによって測定可能である。
【0065】
選択される結合基に依存して、従来の触媒を用いて、又は用いずに、官能基化を行うことができる。好適な溶剤としては、選択された反応条件でプレポリマーを溶解することができる極性、非プロトン性溶剤が挙げられる。好適な溶剤の例としては、ジメチルホルムアミド(DMF)、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPT)、ジメチルスルフォキシド(DMSO)、ピリジン、ニトロメタン、アセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)及びN−メチルピロリドン(NMP)が挙げられる。好ましい溶剤としては、ホルムアミド、DMF、DMSO、ピリジン、NMP及びTHFが挙げられる。IEMが使用されるとき、触媒はスズ触媒であり、好ましくはジブチルスズジラウレート(dibutyl tin dilaurate)である。
【0066】
官能基化反応混合物は、また、官能基化によって生成された部分と反応可能なスカベンジャーを含有することができる。例えば、酸無水物が結合基として使用されるときは、生成されるカルボキシル基と反応する少なくとも1つの三級アミン、非プロトン性窒素を有する複素環化合物又は他のルイス塩基を含めることが有利である場合がある。好ましい三級アミンとしては、ピリジン、トリエチレンジアミン、及びトリエチルアミンが挙げられ、トリエチルアミンが好ましい。三級アミンを含める場合、わずかにモル過剰に(約10%)含めることができる。好ましい実施形態において、溶剤はNMPであり、反応物質はメタクリル酸無水物、アクリル酸無水物又はこれらの混合物であり、トリエチルアミンが存在する。最も好ましい反応物質はメタクリル酸無水物である。
【0067】
反応はほぼ室温で実行される。それぞれの官能基は、当業者により理解される特定の温度範囲を要求する。範囲は約0℃〜50℃好ましくは約5℃〜約45℃が好適である。周囲気圧を使用することができる。例えば、架橋可能な官能基が酸無水物であるとき、官能基化は、約5℃〜約45℃の温度で、約20〜約80時間の範囲の時間行われる。選択される時間と温度のバランスを取ることによってこれらの特定した範囲外の範囲も許容され得ることが当業者には理解されるであろう。
【0068】
反応を実行して、架橋可能なプレポリマーを生成する。
【0069】
架橋可能な側基の結合とは別に、その他の側基は、架橋のための光開始剤、医薬活性など(ただし限定せず)を含む付加的機能を提供することができる。更に他の官能基は、分析診断用途に架橋されたゲルが使用されるときに特定の化合物と結合及び/又は反応可能な部分を含有することができる。
【0070】
架橋可能なプレポリマーが形成されたら、実質的に全ての未反応の反応物質及び副生成物を取り除かなくてはならない。「実質的に全て」とは、洗浄後に約0.1重量%未満が残ることを意味する。これは例えば限外ろ過のような従来の手段で行うことができる。あるいは、選択された溶剤(一部の実施形態ではN−メチルピロリドンである場合がある)中にまだ溶解されている架橋可能なプレポリマー反応生成物を、少なくとも1つの方向に約1mmの最大寸法を有する細い液体のストリングのように、水(一部の実施形態では脱イオン水)にゆっくりと注ぐことによって、架橋可能なプレポリマーを精製することが可能である。この寸法は、水に注がれるポリマーストリングから溶剤を比較的速く拡散することを可能にする(ポリマーストリングが粘着性でないとして)。この注ぎ込みは、ポリマーストリングの正しい寸法を確保するようにノズルを通して用量ポンプによって行うことができる。最大寸法が達成される限りは、ノズルの形は重要ではない。官能基化されたプレポリマーの溶液に対する水の量は、通常、少なくとも10:1であり、一部の実施形態では約20:1〜約500:1である。
【0071】
官能基化されたプレポリマーは、洗浄によって更に精製することができ、通常、水を使って、固体ポリマー材料比が少なくとも10:1、例えば20:1〜500:1で行われる。それぞれの洗浄は最低約10分間、一部の実施形態では1時間行うことができる。官能基化されたプレポリマーは、洗浄後に乾燥することができ、例えば一部の実施形態では室温で20〜48時間、低圧力(1〜5kPa(10〜50mBar))で行われる。
【0072】
架橋可能なプレポリマーが精製されたら、次にそれを水置換可能な希釈剤中に溶解して粘性溶液を作る。希釈剤は、架橋可能な官能基化されたプレポリマーを溶解可能で、架橋反応又は硬化をもたらすことができる媒体として機能しなくてはならない。希釈剤は非反応性でなくてはならない。好適な希釈剤としては、粘性溶液の総重量に基づき約30重量%〜約60重量%の架橋可能なプレポリマーを65℃以下で溶解可能なものが含まれる。具体的な例としては、1〜10個の炭素原子を有するアルコール、5〜15個の炭素原子を有するアルコールエーテル、及びこれらの混合物が挙げられる。ヒドロゲルの場合、希釈剤は、最終的なヒドロゲル中に存在する水の量とほぼ同等又は同等の量で架橋可能なプレポリマーに加えなくてはならない。結果的にもたらされる粘性溶液の約40〜約70重量%の量の希釈剤が許容される。
【0073】
本発明の粘性溶液は、約5,000cps〜約1,000,000cpsの粘度を25℃で有し、一部の実施形態では25℃で約5,000cps〜約200,000cpsである。
【0074】
重合開始剤もまた添加することができる。この開始剤は、プロセス条件で活性な任意の開始剤でよい。好適な開始剤としては、熱活性化された開始剤、光開始剤(紫外線及び可視光線開始剤を含む)などが挙げられる。好適な熱活性化された開始剤としては、過酸化ラウリル、過酸化ベンゾイル、過炭酸イソプロピル、アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス2−メチルブチロニトリルなどが挙げられる。好適な光開始剤としては、芳香族アルファヒドロキシケトン、又は三級アミンとジケトンの組み合わせが含まれる。光開始剤系の例示的な例は、1−ヒドロキシシクロヘキシフェニルケトン(1-hydroxycyclohexylphenyl ketone)、2−ヒドロキシ−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、ベンゾフェノン、チオキサンテン−9−オン、カンフォルキノンとエチル−4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンゾアート(ethyl-4-(N,N-dimethylamino)benzoate)又はN−メチルジエタノールアミンとの組み合わせ、ヒドロキシシクロヒキシルフェニルケトン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド(bis(2,4,6-trimethylbenzoyl)-phenyl phosphine oxide)、及びビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド(bis(2,6-dimethoxybenzoyl)-2,4,4-trimethylpentyl phosphine oxide)、(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ジフェニルホスフィンオキシド((2,4,6-trimethylbenzoyl)diphenyl phosphine oxide)、及びこれらの組み合わせなどである。光開始剤によるのが好ましい方法であり、好ましい光開始剤は、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド、及び2−ヒドロキシ−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンである。その他の開始剤は当該技術分野で既知であり、例えば米国特許第5,849,841号第16列に開示されており、この開示はこの参照により本明細書に組み込まれる。
【0075】
プレポリマー又は粘性溶液に組み込まれることができるその他の添加剤としては、紫外線吸収性化合物、反応性染料、有機及び無機顔料、染料、光互変化合物、剥離剤、抗菌性化合物、医薬品、成形型潤滑剤、湿潤剤、一貫した製品使用を維持するために望ましい他の添加剤、並びにこれらの組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されない。これらの組成物は、およそどの段階でも添加されてよく、結合又は付随又は分散したコポリマーであってよい。
【0076】
粘性溶液は、好ましくは、硬化の間に網目に結合されないポリマー材料を与える及び/又は抽出可能な残留物質を与える可能性のあるフリーモノマーのような化合物を含有すべきでない。
【0077】
ポリマーの溶液におけるレオロジー特性はかなりの程度で最長の分子によっておよそ決定される。本発明のプレポリマーは非常に高分子量の分子が少なく、このために多くの望ましい性状が溶液に与えられる。
【0078】
本発明のプレポリマーは、官能基化プレポリマー及びヒドロゲルを作製するための出発原料、コンタクトレンズのティントの結合剤、止血栓及びインクジェット印刷用インクの結合剤などに使用することができる。
【0079】
本発明の粘性溶液は、多様な物品の形成に使用することができる。例えば成形品、プロファイル、プレフォーム、パリソン、フィルム、ファイバー、管、シート、コーティングなどである。より具体的には、好適な物品としては、生物医学装置、医療用グレードのコーティング、反応基を有するポリマー又はポリマーなどに結合される生検マーカーが挙げられる。
【0080】
本明細書で使用される「生物医学装置」とは、哺乳動物組織又は体液に使用されるように設計された任意の物品である。これらの装置の例としては、カテーテル、インプラント、ステント、体液収集袋、センサー、ヒドロゲル包帯、管、前記物品のいずれかのためのコーティング、抗生剤・診断薬・治療薬の担体、及び眼科用具が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい生物医学装置の一分類としては眼科用具が含まれ、特にコンタクトレンズである。
【0081】
本明細書で使用する場合、「レンズ」及び「眼科用具」は、眼球内又は上にある用具をさす。これらの用具は、視覚補正、傷の手当、薬物送達、診断機能を提供することができ、化粧品用である場合もある。レンズという用語は、ソフトコンタクトレンズ、ハードコンタクトレンズ、眼内レンズ、オーバーレイレンズ、眼内挿入物、光学挿入物及びメガネレンズを含むが、これらに限定されない。
【0082】
本発明の物品を形成するために多くの方法を使用することができ、射出成形、押出し成形、回転成形、押出しコーティング、密閉型成形、鋳型成形、及びこれらの組み合わせなどが含まれる。この形成方法の後に、次に説明する硬化工程が行われる。
【0083】
本発明の一実施形態において、プレポリマー溶液を使用してレンズが形成される。本発明の粘性溶液からレンズを製造するための好ましい方法は、直接成形によるものである。レンズ形成量のプレポリマー溶液を、最終的に望まれるヒドロゲルの形を有する成形型に投入する。この成形型は、ポリプロピレン、ポリスチレン、及び環状ポリオレフィンを含む(ただし限定せず)任意の好適な材料で作製することができる。
【0084】
「レンズ形成量」とは、望ましい寸法及び厚さのレンズの製造に十分な量を意味する。典型的には、コンタクトレンズ当たり約10〜約50μLの粘性溶液が使用される。次に、粘性溶液が成形型の窪みを充填するように、成形型部品を組み立てる。本発明の利益は、成形型部品の組み立てから硬化までに必要な保持時間が非常に短いことである。
【0085】
粘性溶液を含有する成形型を、例えば電子ビーム、X線、紫外線又は可視光線のようなイオン又は光線放射、すなわち、約280〜約650nmの範囲の波長を有する電磁放射線又は粒子放射線に曝す。また、多重周波数を有する紫外線ランプ、HE/Cd、アルゴンイオン又は窒素又は金属蒸気又はNdYAGレーザー光線も好適である。放射線源及び開始剤の選択は当業者には周知である。当業者は、また、粘性溶液への放射線の浸透の深さ及び架橋速度が、選択された光開始剤の分子吸収係数及び濃度と直接相関することを理解するであろう。好ましい実施形態において、放射線源は、高強度にある、UVA(約315〜約400nm)、UVB(約280〜約315nm)又は可視光(約400〜約450nm)から選択される。本明細書で使用される「高強度」とは、約100mW/cm〜約10,000mW/cmである。硬化時間は短く、概して約30秒未満、好ましくは約10秒未満である。硬化温度は、ほぼ周囲温度から約90℃までの高温である。簡便にするために、硬化は好ましくはほぼ周囲温度で行われる。正確な条件は、選択されたレンズ材料の構成成分に依存し、当業者の技能の範囲で決定される。
【0086】
硬化条件は、架橋可能なプレポリマーからポリマー網目を形成するために十分なものでなくてはならない。結果的にもたらされるポリマー網目は、希釈剤によって膨張し、成形型の窪みの形状を有する。
【0087】
硬化が完了したら、成形型を開く。成形後に未反応成分又は副産物を取り除くための精製工程は、本発明では従来の成形方法より簡易であるか、又は必要ない。生体適合性の希釈剤を使用した場合は、この段階で洗浄工程も蒸発工程も必要ない。生体適合性の希釈剤が使用されたときに成形後の抽出工程も希釈剤交換工程も必要とされないことは本発明の利点である。低沸点の希釈剤を使用した場合は、希釈剤を蒸発させてレンズを水で水和しなくてはならない。
【0088】
その結果もたらされるレンズは、水で膨張するとヒドロゲルになるポリマー網目を含む。本発明のヒドロゲルは、約20〜約75重量%、好ましくは約20〜約65重量%の水を含むことができる。本発明のヒドロゲルは、弾性率及び破断点伸びを含む優れた機械的特性を有する。弾性率は少なくとも約138kPa(約20psi)、好ましくは約138〜約1379kPa(約20〜約200psi)、より好ましくは約138〜約1034kPa(約20〜約150psi)である。
【0089】
破断点伸びは約100%より大きく、好ましくは約120%より大きい。
このようにして製造されたレンズを、緩衝生理食塩水を含有する個別レンズパッケージに移動することができる。食塩水溶液は、レンズを移動する前又は後のどちらにパッケージに加えてもよい。生体適合性の希釈剤を含有するレンズは、生理食塩水内に置かれたとき、希釈剤を水と交換して望ましいヒドロゲルを形成する。これは、また、希望により別の工程で達成することもできる。パッケージに保管中、ポリマー網目は、ポリマーの親水性によって特定される特定量の水を取り込む。平衡水含有量(水和されたレンズの重量%として表される)は、硬化工程中に存在する希釈剤の量より高い場合又は低い場合がある。コンタクトレンズの作製に有用な典型的なヒドロゲルは、約20〜約75重量%の水を含む。このヒドロゲルは、このように、水と平衡のときに膨張又は収縮することができる。しかし、完全に水和した物品のサイズは可変であるが、形は成形型の窪みの形の真の複製となるということが本質的な特徴である。
【0090】
適正なパッケージ設計及び材料は当該技術分野で既知である。プラスチックパッケージはフィルムで解放可能に密封される。好適な密封フィルムは当該技術分野で既知であり、箔、ポリマーフィルム、及びこれらの混合物を含む。
【0091】
レンズを含有する密封パッケージを、次に、滅菌して滅菌製品を確保する。好適な滅菌手段及び条件は当該技術分野で既知であり、例えば、オートクレーブ工程を含む。
【0092】
当業者は、上述の成形及びパッケージプロセスに他の工程を含められることを理解するであろう。そのような他の工程としては、形成されたレンズのコーティング、成形中のレンズの表面処理(例えば成形型移動によって)、レンズの検査、欠陥レンズの廃棄、半成形型の洗浄、半成形型の再使用、及びこれらの組み合わせなどが含まれる。プロセス及びコーティング組成は、米国特許第3,854,982号、同第3,916,033号、同第4,920,184、同第5,002,794号、同第5,779,943号、同第6,087,415号、国際特許第91/04283号、及び欧州特許第93/810,399号に開示されており、これらはこの参照により本明細書に組み込まれる。
【0093】
本明細書で使用される用語「ヒドロゲル」とは、平衡状態において水を含有する水和された架橋ポリマー系を意味する。ヒドロゲルは、通常、酸素浸透性かつ生体適合性であるので、生物医学装置、特にコンタクトレンズ又は眼内レンズの製造に好適な材料である。
【0094】
本特許出願において、全ての分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)分析(サイズ排除クロマトグラフィーとも呼ばれる)によって測定される分子量と理解される。SEC装置は、PE LCシリーズ200のポンプ及びシリーズ200のオートサンプラーを具備する。検出器はRIバリアンスター(Varian Star)9040である。
【0095】
カラムの組み合わせは、ポリマーラボラトリーズ(Polymer Laboratories)の2つのPL−ゲルカラム(MIXED−C+MIXED−D)とガードカラムからなる。
【0096】
溶離剤は、BHTで安定化したTHFである。
【0097】
流量は0.1mL/分である。注入容量は100μLであり、実行時間は30分である。
【0098】
較正曲線は、基準参照として6035000〜580の範囲のピーク分子量のPSを用いる三次回帰により得た。これらの基準ポリマーは、ポリマーラボラトリーズ社(Polymer Laboratories Inc)(マサチューセッツ州アムハースト)から購入した。
【0099】
ピーク積分は手作業で行った。積分の開始及び終了ポイントは手作業で、グローバルベースラインの有意差をもとに特定した。結果レポートは、M、M、M及びMピークをPS単位で与える。
【0100】
注入液は、約10mg/mLのポリマー濃度を得るためにTHFを用いて調製した。
【0101】
本発明では、ポリマー試料の多分散性Pdは、次のように定義される。
Pd=M/Mn。ピーク分子量Mpは、分子量分布曲線の最高ピークの分子量である。
【0102】
引張り特性(伸長及び引張り弾性力)は、初期ゲージ高さに下げたロードセルを備える一定速度移動型引張試験機のクロスヘッドを用いて測定した。適切な試験機には、インストロンモデル1122(Instron model 1122)が含まれる。長さ1.326cm(0.522インチ)、「耳」の幅0.701cm(0.276インチ)、「首」の幅0.5499(0.213インチ)を有する犬骨の形の試料をグリップに乗せ、破断するまで5cm/分(2インチ/分)の一定のひずみ率で伸長した。サンプルの初期ゲージ長さ(Lo)及び破断サンプル長さ(Lf)を測定した。組成毎に12検体を測定し、平均値を報告する。伸長率=[(Lf−Lo)/Lo]×100である。
【0103】
応力/ひずみ曲線の初期直線部分で引張弾性率を測定した。
【0104】
粘度は、Haake循環恒温槽及び温度制御器を備えるHaake RS100 RheoStressで測定した。複素粘性は、40Hzで開始して1mHzに下がり、再び40Hzに上がる周波数掃引で、1ディケード当たり3周波数を取り、それぞれの周波数を3回繰り返し、それぞれの測定の間に1周期待つことにより、測定した。測定は、約0.22mLの試料体積に相当する直径20mm、ギャップサイズ(試料の厚さ)0.7mmを有する平行平板構造を用いて、25℃+1℃で行った。コックス−メルツの法則(ジョンフェリー著「ポリマーの粘弾性(Visco-elastic properties of polymers)」、第3版、マッグローヒル出版社、1980年)を参照し、報告された粘度数値(η)は、低周波数の複素粘度値(η)である。
【0105】
具体的には、HPLC装置は、25℃のカラムオーブン、メルクL6000ポンプ、及びパーキンエルマーLC290UV検出器からなる。このカラムの組み合わせは、メルクRP18カラム(125mm/4mm)及びガードカラム(Guardcolumn)を具備する。
【0106】
移動相は、トリフルオロ酢酸でpH2.5に調整したアセトニトリルと水の混合物(1/9重量%)である。流量は1mL/分に固定し、注入容量は10μLである。
【0107】
検出は、波長230nmで行う。データ収集時間は8分である。5〜25ppmの範囲の濃度の移動相にあるメタクリル酸希釈剤から一連のキャリブレータを生成する。
【0108】
注入液は、移動相及び10mLのHCl(1M)で希釈した加水分解試料から調製する。注入を行う前にこの溶液を13mm GD/X 0.45μmワットマン(Whatmann)フィルターでろ過する。
【0109】
以下の実施例は本発明を限定するものではない。これらの実施例は本発明を実施する方法を提案することのみを目的としたものである。ソフトコンタクトレンズ、並びに他の専門分野に精通した当業者は、本発明を実行する他の方法を見出すことができる。しかしながら、それらの方法は本発明の範囲内に含まれるものと見なされる。
【0110】
実施例では、以下の略称を用いる。
【表1】

【0111】
(実施例1〜4)
表1に記載のモノマーからプレポリマーを形成した。AMBMを開始剤として使用した。反応は、電磁攪拌器、還流凝縮器、モノマー/開始剤用量入口を備える1リットルの3首丸底ガラスリアクター、及び加熱マントル内で行った。溶剤は、表2に記載した量をリアクターに予め充填した。容器を窒素でフラッシュし、反応中、窒素ブランケット下に維持した。表2に記載した量により溶剤、モノマー、開始剤を加え、反応温度(実施例1及び2では還流を伴い78℃、実施例3及び4では還流を伴い70℃)に加熱した。反応温度に達した後、モノマーの用量をt=0で開始し、表2に記載される時間をかけて連続計量した。添加前、計量された成分は室温であった。
【表2】

【表3】

H/E = ヘプタン/エタノール
ゾル=溶剤、開始剤=開始剤
MA:メタクリレート(HO−mPDMS、HEMA、Norbloc及びブルーHEMA)
単位は全てグラム。バッチサイズは120gのポリマー。
【0112】
次に行ったモノマーの転換を図1〜4に示す。図5は、バッチプロセスを使用して作製したプレポリマーの、時間の関数としての転換率を示す(全てのモノマーは反応の始めにまとめて添加した)。グラフは、従来のバッチ重合(比較例1)に比べ、本発明のプロセスのDMAの転換がHEMAの転換により近いことを示している。
【0113】
比較例1
全てのモノマーを反応の開始時にまとめて加えたことを除き、実施例1を繰り返した。
【0114】
(実施例5〜6)
表3の成分からプレポリマーを形成した。AMBMを開始剤として使用した。反応は、電磁攪拌器、還流凝縮器、モノマー/開始剤用量入口を備える1リットルの3首丸底ガラスリアクター及び加熱マントル内で行った。実施例5では、HEMAを除き、160グラムのエタノール及び表3に記載されている成分全てを第1の反応混合物としてリアクターに予め充填した。この第1の反応混合物を78℃まで加熱した。第2の反応混合物(25グラムのエタノールと5.75グラムのHEMA、合計36mL)を毎15分、3mLの速度で第1の反応混合物に加えた。反応全体を通して、反応温度は還流を伴い78℃に維持した。
【0115】
実施例6では、表3が示すように反応成分を溶液A及びBにした。溶液A及び40重量%の溶液Bを第1の反応混合物としてリアクターに予め充填した。容器を窒素でフラッシュし、反応中、窒素ブランケット下に保持した。この第1の反応混合物を68℃まで加熱した。溶液Bの残分量を、表4に示す量に従ってリアクターに加えた。還流をせずに、反応全体を通して、反応温度は68℃で維持した。モノマーの用量はt=0で開始し、表4に記載したように計量した。
【表4】

【表5】

【0116】
次に行った実施例5のモノマー転換を図6に示す。グラフは、従来のバッチ重合(図5)に比べ、本発明のプロセスのDMAの転換がHEMAの転換により近いことを示している。
【0117】
(実施例7〜10)
表5に記載した(メタ)アクリレートモノマーからポリマーを形成した。AMBMを開始剤として使用した。反応は、電磁攪拌器、還流凝縮器、モノマー/開始剤用量入口を備える1リットルの3首丸底ガラスリアクター及び加熱マントル内で行った。反応成分を、表6に示すように溶液A及びBとして形成した。溶剤Aは、表6に記載した量をリアクターに予め充填した。容器を窒素でフラッシュし、反応中、窒素ブランケット下に保持した。溶液Bは、表6に記載した量を4時間かけて連続的に加えた。実施例7、9、及び10は還流して70℃に温め、実施例8は還流して78℃に加熱した。時間0に反応容器中に存在する溶剤及び反応物質を、反応開始前に予め反応温度に加熱した。
【表6】

【0118】
次に行ったモノマー転換を図7〜10に示す。グラフは、従来のバッチ重合(図5)に比べ、本発明のプロセスのDMAの転換がHEMAの転換により近いことを示している。
【表7】

溶剤:EtOH=エタノール、H/E=ヘプタン/エタノール
MA:メタクリレート(HO−mPDMS、HEMA、Norbloc及びBlue HEMA)
【0119】
〔実施の態様〕
(1) プロセスにおいて、
第1の混合物を形成する工程であって、前記第1の混合物が、少なくとも1つの溶剤と、少なくとも一分量の重合開始剤と、一分量の反応成分と、を含み、この反応成分が、前記プロセス中に付加される、第1の反応速度定数kを有する少なくとも1つの第1の成分全てに基づき1〜約40重量%の前記第1の成分と、約0.5k未満の第2の反応速度定数kを有する少なくとも1つの第2の成分とを含み、前記第2及び第1の成分が少なくとも約k/kの比率でこの第1の反応混合物中に存在する、工程と、
プレポリマー形成条件下で、前記反応成分の全ての残分量及び前記開始剤を含む第2の混合物を、添加工程全体を通して、前記第1及び第2の構成成分のプレポリマーへの転換を実質的に一致させるのに十分な速度で添加する工程と、を含む、プロセス。
(2) プロセスにおいて、
プレポリマー形成条件下で、溶剤を含む第2の混合物に、第1の反応速度定数kを有する少なくとも1つの第1の成分と、約0.5k未満の第2の反応速度定数kを有する少なくとも1つの第2の成分と、少なくとも1つの重合開始剤と、所望により少なくとも1つの溶剤と、を含む第1の混合物を添加する工程を含み、
前記添加工程が、前記添加工程全体を通して、前記第1及び第2の成分のプレポリマーへの転換を実質的に一致させるように制御される、プロセス。
(3) プレポリマーを形成するプロセスにおいて、
プレポリマー形成条件下で、反応速度定数kを有する少なくとも1つの成分を含む第1の混合物を、少なくとも1つの溶剤と約0.5k未満の反応速度定数kを有する少なくとも1つの第2の成分とを含む第2の混合物に添加する工程を含み、前記添加工程が、前記添加工程全体を通して、前記第1及び第2の成分の前記プレポリマーへの転換を実質的に一致させるように制御される、プロセス。
(4) 前記第1及び第2の成分のうち少なくとも1つが、シリコーンを含み、前記第1及び第2の成分のうち少なくとも1つが、少なくとも1つの親水性成分を含む、実施態様1に記載のプロセス。
(5) 前記第2の混合物が、反応時間の間、間隔をおいて前記第1の混合物に徐々に添加される、実施態様1に記載のプロセス。
(6) 前記第1の成分が、少なくとも1つのシリコーン含有(メタ)アクリレートモノマーを含有する、実施態様1に記載のプロセス。
(7) 前記第1の混合物が、少なくとも1つの親水性(メタ)アクリレートモノマーを更に含有する、実施態様6に記載のプロセス。
(8) 前記第2の成分が、親水性モノマーである、実施態様6に記載のプロセス。
(9) 前記親水性モノマーが、スチレン基、n−ビニルラクタム基、ビニルアミド基、フマル酸塩、及びこれらの組み合わせを含む親水性モノマーからなる群から選択される少なくとも1つの(メタ)アクリルアミド成分を含む、実施態様8に記載のプロセス。
(10) 前記(メタ)アクリルアミド成分が、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルメタアセトアミド、2−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、2−ビニル−4,4−ジメチル−2−オキサゾリン−5−オン、N−ビニルオキシカルボニルアラニン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、実施態様9に記載のプロセス。
【0120】
(11) 前記親水性(メタ)アクリレートモノマーが、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリセロールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、メタクリル酸、アクリル酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、実施態様7に記載のプロセス。
(12) 前記親水性(メタ)アクリレートモノマーが2−ヒドロキシエチルメタクリレートを含む、実施態様7に記載のプロセス。
(13) 前記少なくとも1つのシリコーン含有(メタ)アクリレートモノマーが、PDMSモノマー、SiGMA型モノマー、TRIS型モノマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される、実施態様6に記載のプロセス。
(14) 前記少なくとも1つのシリコーン含有(メタ)アクリレートモノマーが、モノ−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピロキシ)プロピル末端モノ−ブチル末端ポリジメチルシロキサン、モノメタクリロキシプロピル末端モノ−n−ブチル末端ポリジメチルシロキサン、及びこれらの組み合わせからからなる群から選択される少なくとも1つのPDMSモノマーを含む、実施態様6に記載のプロセス。
(15) 前記少なくとも1つのシリコーン含有(メタ)アクリレートモノマーが、3−メタクリロキシ−2−(ヒドロキシプロピロキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、3−メタクリロキシ−2−(ヒドロキシプロピロキシ)プロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、モノ−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピロキシ)プロピル末端、モノ−ブチル末端ポリジメチルシロキサン、モノメタクリロキシプロピル末端モノ−n−ブチル末端ポリジメチルシロキサン、及びこれらの混合物からなる群から選択されるモノマーを含む、実施態様6に記載のプロセス。
(16) 前記第2の成分が、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルメタアセトアミド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される(メタ)アクリルアミド成分を含む、実施態様15に記載のプロセス。
(17) 前記(メタ)アクリルアミド成分が、N,N−ジメチルアクリルアミドを含む、実施態様15に記載のプロセス。
(18) 前記プレポリマーが反応混合物から形成され、この反応混合物が、全ての成分の添加後に、全ての反応成分に基づき約20〜約80重量%の親水性成分及び約20〜約80重量%のシリコーン含有成分を含む、実施態様1に記載のプロセス。
(19) 前記プレポリマーが反応混合物から形成され、この反応混合物が、全ての成分の添加後に、全ての反応成分に基づき約30〜約60重量%の親水性成分及び約40〜約60重量%のシリコーン含有成分を含む、実施態様1に記載のプロセス。
(20) 前記第1及び第2の成分の前記プレポリマーへの前記転換が、前記添加する工程全体を通して30%以内である、実施態様1に記載のプロセス。
【0121】
(21) 前記第1及び第2の成分の前記転換が、前記添加する工程全体を通して10%以内である、実施態様1に記載のプロセス。
(22) 前記プレポリマーが、約4.98×10−20〜約3.32×10−19g(約30〜約200kD)の分子量及び約3未満の多分散性を有する、実施態様1に記載のプロセス。
(23) 前記プレポリマーが、約4.98×10−20〜約3.32×10−19g(約30〜約200kD)の分子量及び約1.5〜約3の多分散性を有する、実施態様1に記載のプロセス。
(24) 約50重量%の前記少なくとも1つの(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリルアミド成分の累積量の添加が、前記反応混合物の添加の開始から約0.5〜約5時間以内で達成される、実施態様1に記載のプロセス。
(25) 前記第1の混合物が、前記少なくとも1つの重合開始剤の一分量を更に含む、実施態様2又は3に記載のプロセス。
(26) 前記第1の混合物が、前記添加工程全体を通してある反応温度に維持される、実施態様1に記載のプロセス。
(27) 前記第1の混合物が前記溶剤の一分量を含み、前記第2の混合物が残りの溶剤を含む、実施態様24に記載のプロセス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスにおいて、
第1の混合物を形成する工程であって、前記第1の混合物が、少なくとも1つの溶剤と、少なくとも一分量の重合開始剤と、一分量の反応成分と、を含み、この反応成分が、前記プロセス中に付加される、第1の反応速度定数kを有する少なくとも1つの第1の成分全てに基づき1〜約40重量%の前記第1の成分と、約0.5k未満の第2の反応速度定数kを有する少なくとも1つの第2の成分とを含み、前記第2及び第1の成分が少なくとも約k/kの比率でこの第1の反応混合物中に存在する、工程と、
プレポリマー形成条件下で、前記反応成分の全ての残分量及び前記開始剤を含む第2の混合物を、添加工程全体を通して、前記第1及び第2の構成成分のプレポリマーへの転換を実質的に一致させるのに十分な速度で添加する工程と、を含む、プロセス。
【請求項2】
プロセスにおいて、
プレポリマー形成条件下で、溶剤を含む第2の混合物に、第1の反応速度定数kを有する少なくとも1つの第1の成分と、約0.5k未満の第2の反応速度定数kを有する少なくとも1つの第2の成分と、少なくとも1つの重合開始剤と、所望により少なくとも1つの溶剤と、を含む第1の混合物を添加する工程を含み、
前記添加工程が、前記添加工程全体を通して、前記第1及び第2の成分のプレポリマーへの転換を実質的に一致させるように制御される、プロセス。
【請求項3】
プレポリマーを形成するプロセスにおいて、
プレポリマー形成条件下で、反応速度定数kを有する少なくとも1つの成分を含む第1の混合物を、少なくとも1つの溶剤と約0.5k未満の反応速度定数kを有する少なくとも1つの第2の成分とを含む第2の混合物に添加する工程を含み、前記添加工程が、前記添加工程全体を通して、前記第1及び第2の成分の前記プレポリマーへの転換を実質的に一致させるように制御される、プロセス。
【請求項4】
前記第1及び第2の成分のうち少なくとも1つが、シリコーンを含み、前記第1及び第2の成分のうち少なくとも1つが、少なくとも1つの親水性成分を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
前記第2の混合物が、反応時間の間、間隔をおいて前記第1の混合物に徐々に添加される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
前記第1の成分が、少なくとも1つのシリコーン含有(メタ)アクリレートモノマーを含有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項7】
前記第1の混合物が、少なくとも1つの親水性(メタ)アクリレートモノマーを更に含有する、請求項6に記載のプロセス。
【請求項8】
前記第2の成分が、親水性モノマーである、請求項6に記載のプロセス。
【請求項9】
前記親水性モノマーが、スチレン基、n−ビニルラクタム基、ビニルアミド基、フマル酸塩、及びこれらの組み合わせを含む親水性モノマーからなる群から選択される少なくとも1つの(メタ)アクリルアミド成分を含む、請求項8に記載のプロセス。
【請求項10】
前記(メタ)アクリルアミド成分が、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルメタアセトアミド、2−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、2−ビニル−4,4−ジメチル−2−オキサゾリン−5−オン、N−ビニルオキシカルボニルアラニン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項9に記載のプロセス。
【請求項11】
前記親水性(メタ)アクリレートモノマーが、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリセロールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、メタクリル酸、アクリル酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項7に記載のプロセス。
【請求項12】
前記親水性(メタ)アクリレートモノマーが2−ヒドロキシエチルメタクリレートを含む、請求項7に記載のプロセス。
【請求項13】
前記少なくとも1つのシリコーン含有(メタ)アクリレートモノマーが、PDMSモノマー、SiGMA型モノマー、TRIS型モノマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項6に記載のプロセス。
【請求項14】
前記少なくとも1つのシリコーン含有(メタ)アクリレートモノマーが、モノ−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピロキシ)プロピル末端モノ−ブチル末端ポリジメチルシロキサン、モノメタクリロキシプロピル末端モノ−n−ブチル末端ポリジメチルシロキサン、及びこれらの組み合わせからからなる群から選択される少なくとも1つのPDMSモノマーを含む、請求項6に記載のプロセス。
【請求項15】
前記少なくとも1つのシリコーン含有(メタ)アクリレートモノマーが、3−メタクリロキシ−2−(ヒドロキシプロピロキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、3−メタクリロキシ−2−(ヒドロキシプロピロキシ)プロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、モノ−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピロキシ)プロピル末端、モノ−ブチル末端ポリジメチルシロキサン、モノメタクリロキシプロピル末端モノ−n−ブチル末端ポリジメチルシロキサン、及びこれらの混合物からなる群から選択されるモノマーを含む、請求項6に記載のプロセス。
【請求項16】
前記第2の成分が、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルメタアセトアミド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される(メタ)アクリルアミド成分を含む、請求項15に記載のプロセス。
【請求項17】
前記(メタ)アクリルアミド成分が、N,N−ジメチルアクリルアミドを含む、請求項15に記載のプロセス。
【請求項18】
前記プレポリマーが反応混合物から形成され、この反応混合物が、全ての成分の添加後に、全ての反応成分に基づき約20〜約80重量%の親水性成分及び約20〜約80重量%のシリコーン含有成分を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項19】
前記プレポリマーが反応混合物から形成され、この反応混合物が、全ての成分の添加後に、全ての反応成分に基づき約30〜約60重量%の親水性成分及び約40〜約60重量%のシリコーン含有成分を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項20】
前記第1及び第2の成分の前記プレポリマーへの前記転換が、前記添加する工程全体を通して30%以内である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項21】
前記第1及び第2の成分の前記転換が、前記添加する工程全体を通して10%以内である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項22】
前記プレポリマーが、約4.98×10−20〜約3.32×10−19g(約30〜約200kD)の分子量及び約3未満の多分散性を有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項23】
前記プレポリマーが、約4.98×10−20〜約3.32×10−19g(約30〜約200kD)の分子量及び約1.5〜約3の多分散性を有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項24】
約50重量%の前記少なくとも1つの(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリルアミド成分の累積量の添加が、前記反応混合物の添加の開始から約0.5〜約5時間以内で達成される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項25】
前記第1の混合物が、前記少なくとも1つの重合開始剤の一分量を更に含む、請求項2又は3に記載のプロセス。
【請求項26】
前記第1の混合物が、前記添加工程全体を通してある反応温度に維持される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項27】
前記第1の混合物が前記溶剤の一分量を含み、前記第2の混合物が残りの溶剤を含む、請求項24に記載のプロセス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2011−502198(P2011−502198A)
【公表日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−532016(P2010−532016)
【出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【国際出願番号】PCT/US2008/011999
【国際公開番号】WO2009/058207
【国際公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【出願人】(500092561)ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド (153)
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Vision Care, Inc.
【出願人】(310022279)
【氏名又は名称原語表記】KINDT−LARSEN, Ture
【住所又は居所原語表記】Soelleroedvej 40, DK−2840, Holte, DENMARK
【出願人】(310022280)
【氏名又は名称原語表記】SPANGGAARD, Holger
【住所又は居所原語表記】Nordre Fasanvey 230A, 2tv, DK−2200, Copenhagen N, DENMARK
【出願人】(310022291)
【氏名又は名称原語表記】MAGNUSSON, Bent
【住所又は居所原語表記】Stenloekken 11, DK−3460, Birkeroed, DENMARK
【出願人】(310022305)
【氏名又は名称原語表記】ROSSIGNOL, Helene
【住所又は居所原語表記】Martensens Alle 8, st.th., DK−1828, Frederiksberg, DENMARK
【出願人】(310022316)
【氏名又は名称原語表記】SOERENSEN, Jens−Erik
【住所又は居所原語表記】Judithsvej 6, DK−2900, Hellerup, DENMARK
【出願人】(310022327)
【氏名又は名称原語表記】WOOD, Joe M.
【住所又は居所原語表記】1888 Edgewood Avenue South, Jacksonville, Florida 32205, United States of America
【Fターム(参考)】