説明

リアクトル冷却システム

【課題】リアクトルを冷媒によって直接的に冷却することを可能とすることである。
【解決手段】リアクトル冷却システム20は、冷媒を用いる冷却装置60と、リアクトル側循環路64と、リアクトル30とを含んで構成される。リアクトル30のリアクトルケース32の内部は、リアクトル側循環路64に接続される。リアクトルケース32の内部には、リアクトル30を構成するコア34とコイル36が収納されており、その収納空間の余地部分に冷媒66が循環して通過する。冷媒66は燃料電池の反応生成水等の絶縁流体であるので高絶縁抵抗値を有する。また、コイル36の巻線を中空導線で構成し、中空部に冷媒を流すものとすることもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリアクトル冷却システムに係り、特に、電源回路において用いられる電圧変換用リアクトルを冷却するリアクトル冷却システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、車両用の電源回路には、蓄電装置の低電圧と、インバータ回路用の高電圧との間の電圧変換のために電圧変換器が用いられる。電圧変換器は、リアクトルとスイッチング素子等で構成されるが、リアクトルは作動に伴い振動と発熱をするので、振動の他への伝達の抑制と、その冷却が必要である。従来技術では、リアクトルをケース内に収容し、ケース内に樹脂ポッティングを行い、ケースを冷却していることが多い。
【0003】
例えば、リアクトルの冷却の例として、特許文献1には、コイル用冷却構造として、リアクトル用ケーシングの中にモータ冷却水を循環させ、リアクトル用ケーシングに収容されるコイルを冷却することが開示されている。ここでは、コイルは伝熱絶縁シートで覆われている。また、特許文献2には、リアクトルの放熱構造として、リアクトルとケース内側を埋める放熱用樹脂を用いず、放熱シート等の放熱材でリアクトルのコイルとケースとの間を充填し、コイル間にケースに接続される隔壁を設けることが開示されている。
【0004】
なお、リアクトルの冷却に限られず、電源回路等の冷却には様々な工夫が行われている。例えば、特許文献3には、燃料電池搭載車両の電子部品冷却装置として、燃料電池の冷却水は、発電反応で生成される絶縁流体である純水を用い、その冷却水タンクに電力変換装置の発熱電子部品と収容することが開示されている。また、特許文献4には、電気部品の冷却装置として、DC/DCコンバータのハウジング内に、燃料電池から排出される純水を循環させて、スイッチング素子等の発熱体を直接冷却することが開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2006−156678号公報
【特許文献2】特開2006−41353号公報
【特許文献3】特開2004−328914号公報
【特許文献4】特開2004−164952号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、リアクトルをケース内に収容し、ケース内に樹脂ポッティングを行い、ケースを冷却する方法の他に、特許文献1ではコイルを伝熱絶縁シートで覆いその上でモータ冷却水を用いる方法が述べられ、特許文献2では放熱シートでケース内を充填することが述べられている。これらは、いずれも伝熱絶縁シートや放熱シートを用いるものであり、放熱が間接的になっている。このように、放熱が間接的な構造となっているので、大電流を流す場合に、その放熱性が問題となることがある。なお、従来技術において、放熱が間接的になっている原因の1つは、リアクトルが高電圧を用いるものであるので、冷媒とリアクトルとが直接接触すると、その間の絶縁性の確保が問題となることがあるためである。
【0007】
本発明の目的は、リアクトルを冷媒によって直接的に冷却することを可能とするリアクトル冷却システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るリアクトル冷却システムは、冷媒を用いて燃料電池を冷却する電池冷却装置と、電源回路において用いられる電圧変換用リアクトルと、を有し、電圧変換用リアクトルは、電池冷却装置に用いられる冷媒で冷却されることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るリアクトル冷却システムにおいて、電圧変換用リアクトルを収納するリアクトルケースと、電池冷却装置に用いられる冷媒をリアクトルケース内に通過させ、電圧変換用リアクトルにポッティング樹脂を介さずに接触させる冷却手段と、を有することが好ましい。
【0010】
また、本発明に係るリアクトル冷却システムにおいて、電圧変換用リアクトルのコアに巻回され、軸方向に貫通中空部を有するコイル巻線と、電池冷却装置に用いられる冷媒をコイル巻線の貫通中空部を通過させて冷却する冷却手段と、を有することが好ましい。
【0011】
また、本発明に係るリアクトル冷却システムにおいて、リアクトルケースは防振支持材で支持されることが好ましい。
【0012】
また、本発明に係るリアクトル冷却システムにおいて、リアクトルケースは、電圧変換用リアクトルからの端子線を外部に引き出す防水シール付引出穴を有することが好ましい。
【0013】
また、本発明に係るリアクトル冷却システムにおいて、コイル巻線は、電圧変換用リアクトルの使用周波数によって定まる表皮深さに基づいて設定される肉厚を有することが好ましい。
【0014】
また、本発明に係るリアクトル冷却システムにおいて、電圧変換用リアクトルは、コアに巻回され、矩形断面形状を有する平角線コイル巻線を有することが好ましい。
【0015】
また、本発明に係るリアクトル冷却システムにおいて、電圧変換用リアクトルは、コアに巻回され、円形断面形状を有する丸線コイル巻線を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
上記構成により、リアクトル冷却システムは、燃料電池を冷却する電池冷却装置に用いられる冷媒で電圧変換用リアクトルが冷却される。ここで、燃料電池を冷却する冷媒としては、絶縁流体を用いることとすれば、リアクトルを冷媒によって直接的に冷却することが可能となる。絶縁流体としては、絶縁性を有する材質の流体を用いることのほか、燃料電池の反応生成水の絶縁抵抗が高いので、これを用いるものとできる。
【0017】
また、リアクトル冷却システムにおいて、電池冷却装置に用いられる冷媒をリアクトルケース内に通過させ、電圧変換用リアクトルにポッティング樹脂を介さずに接触させる。これによって、電圧変換用リアクトルの表面を冷媒で直接冷却することができる。
【0018】
また、リアクトル冷却システムにおいて、電池冷却装置に用いられる冷媒をコイル巻線の貫通中空部を通過させて冷却する。これによって、電圧変換用リアクトルを構成するコイルを冷媒で直接冷却することができる。
【0019】
また、リアクトル冷却システムにおいて、コイル巻線は、電圧変換用リアクトルの使用周波数によって定まる表皮深さに基づいて設定される肉厚を有する。これにより、例えば渦電流による損失の増加を抑制しつつ、冷却性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。以下では、リアクトル冷却システムが適用される電源回路として、燃料電池、燃料電池側電圧変換器、インバータ回路、バッテリ側電圧変換器、バッテリを含んで構成されるものを説明するが、燃料電池と、燃料電池側電圧変換器またはバッテリ側電圧変換器の少なくともいずれか一方を含めばよく、それ以外の要素は適宜省略してもよく、またこれ以外の要素を加えてもよい。なお、以下では、リアクトル冷却システムとして、燃料電池側電圧変換器に含まれるリアクトルの冷却を説明するが、同様の構成をバッテリ側電圧変換器に含まれるリアクトルの冷却に用いることができる。勿論、燃料電池側電圧変換器に含まれるリアクトルと、バッテリ側電圧変換器に含まれるリアクトルとを、同じリアクトル冷却システムで冷却するものとしてもよい。
【0021】
図1は、リアクトル冷却システム20を含む電源回路10の構成図である。この電源回路10は、車両に用いられる回転電機8に接続される電源回路で、燃料電池12を含む高電圧電源回路である。電源回路10は、燃料電池12と、燃料電池側電圧変換器14と、平滑コンデンサ16と、インバータ回路18と、バッテリ側電圧変換器22と、バッテリ24とを含んで構成される。また、燃料電池12は、燃料電池側循環路62を介して冷却装置60に接続され、冷却装置60は、リアクトル側循環路64を介して、燃料電池側電圧変換器14に含まれるリアクトル30に接続されている。リアクトル冷却システム20は、この冷却装置60と、リアクトル側循環路64と、リアクトル30とを含んで構成される。
【0022】
電源回路10の構成要素ではないが、回転電機8は、車両に搭載されるモータ・ジェネレータ(M/G)であって、燃料電池12から電力が供給されるときはモータとして機能し、制動時には発電機として機能し、蓄電装置であるバッテリ24を充電する三相同期型回転電機である。
【0023】
燃料電池12は、燃料電池セルを複数組み合わせて、200Vから400V程度の高電圧の発電電力を取り出せるように構成された一種の組電池で、燃料電池スタックと呼ばれる。ここで、各燃料電池セルは、アノード側に燃料ガスとして水素を供給し、カソード側に酸化ガスとして空気を供給し、固体高分子膜である電解質膜を通しての化学反応によって必要な電力を取り出す機能を有する。
【0024】
燃料電池12における化学反応の結果、反応生成物として水が生成され、使用済みガスと共に排出される。排出される水は、化学反応によって生成されたものであるので、不純物をほとんど含まない純水で、その絶縁抵抗値は高く、導電率は低い。この反応生成水の高絶縁性を利用して、燃料電池12の冷却用に用いることができる。例えば、反応生成水を回収し、冷却装置60に送ることで、冷却水、すなわち冷却用冷媒として利用することができる。そして、この冷却水を、リアクトル30の冷却に用いることができるが、その詳細については後述する。
【0025】
燃料電池側電圧変換器14は、リアクトル30と、スイッチング素子26と整流器28とを含む回路装置で、ここでは、燃料電池12の電圧を昇圧してインバータ回路18に供給する機能を有する。燃料電池側電圧変換器14は、その昇圧機能に注目して、単に、昇圧コンバータと呼ぶこともできる。
【0026】
リアクトル30は、コアにコイルが巻回された装置である。図2には、リアクトル30の構造図が示されている。リアクトル30は、リアクトルケース32の中に、コア34と、コア34に巻回されたコイル36とが収納されたものである。コア34は、磁性体で構成され、コイル36は絶縁被覆を有する導線がコア34に複数回巻きつけられたものである。
【0027】
リアクトル30は、そのコイルに交流信号を流すことで、電磁エネルギを蓄積することができる。そこで、燃料電池側電圧変換器14のスイッチング素子26と整流器28の作用によって、燃料電池12の直流エネルギを、交流の電磁エネルギとし、リアクトル30にこの電磁エネルギを蓄積することができる。蓄積された電磁エネルギは、スイッチング素子26と整流器28の作用により、スイッチングの半周期ごとに平滑コンデンサ16に送り込まれるので、次第に平滑コンデンサ16の電位が上昇し、これによって、昇圧を行うことができる。このように、リアクトル30は、スイッチング素子の高周波信号によって作動するので、その作動に伴い発熱し、また振動する。リアクトル30に流れる電流の周波数は、一例を上げると、約4kHzから約50kHzの範囲とすることができる。
【0028】
インバータ回路18は、高圧直流電力を交流三相駆動電力に変換し、回転電機8に供給する機能を有する回路である。なお、車両が制動時のときは、回転電機8からの交流三相回生電力を高圧直流電力に変換する機能を有する。
【0029】
バッテリ側電圧変換器22は、燃料電池側電圧変換器14と同様に、リアクトル、スイッチング素子、整流器を含む構成を有する回路で、バッテリ24の直流電圧を昇圧してインバータ回路18に供給する機能を有する。また、双方向電圧変換機能を有するものとするときは、インバータ回路18によって交流電力から変換された直流電力を降圧して、バッテリ24に充電電力として供給する機能を有する。
【0030】
バッテリ24は、蓄電装置であって、例えば、約200Vの端子電圧を有するリチウムイオン組電池あるいはニッケル水素組電池、またはキャパシタ等を用いることができる。
【0031】
冷却装置60は、熱交換器と循環ポンプ等を含む装置で、燃料電池側循環路62を介して、熱交換器と燃料電池12との間に冷媒、例えば冷却水を循環させ、リアクトル側循環路64を介して、熱交換器とリアクトル30との間に冷媒を循環させる機能を有する。熱交換器としては、車両用ラジエータを用いることができる。冷媒としては、絶縁性を有する材質の流体である絶縁流体が用いられる。また、上記のように、燃料電池12の反応生成水は不純物をほとんど含まない純水で、その絶縁抵抗は高いので、これを絶縁流体として、冷却装置60の冷媒として用いることができる。
【0032】
次に、リアクトル冷却システム20の詳細について説明する。図3は、リアクトル冷却システム20について、リアクトル30周辺の構成を示す図である。ここでは、リアクトル冷却システム20を構成する冷却装置60とリアクトル側循環路64は、符号でのみ示されている。リアクトル冷却システム20において、リアクトル30のリアクトルケース32の内部は、リアクトル側循環路64に接続される。リアクトルケース32の内部には、図2で説明したように、コア34とコイル36が収納されており、その収納空間の余地部分に冷媒66が循環して通過する。
【0033】
従来技術では、コア34、コイル36は、リアクトルケース32の内部空間に樹脂モールドあるいは樹脂ポッティングにより、樹脂に覆われているが、図3の例では、樹脂が用いられない。すなわち、リアクトル30を構成するコア34、コイル36は、樹脂を介することなく、冷媒66に直接接触し、熱交換が行われ、リアクトル30の作動による発熱を冷媒66によって運び出すことができる。この冷媒66は、上記のように燃料電池12を冷却する絶縁冷媒であり、高絶縁抵抗値を有しているので、高電圧で作動するリアクトル30を構成するコア34、コイル36に直接接触しても、絶縁性に問題が生じることが少ない。
【0034】
このようにして、リアクトル30を冷媒によって直接的に冷却することが可能となり、ポッティング樹脂でリアクトル30を覆う構造に比べ、放熱性が格段に向上する。また、樹脂ポッティング等を用いないので、コスト削減が可能となる。
【0035】
リアクトル側循環路64は、内部に冷媒を流すことができる適当なパイプを用いることができる。そして、リアクトルケース32との接続は、適当な防水シール等を用いて行うことができる。
【0036】
リアクトルケース32に設けられる防水シール付引出穴72は、リアクトル30を構成するコイル36からの端子線74を外部に引き出すための穴である。防水シールは、弾性に富む樹脂等を用いることができる。これにより、リアクトルケース32から冷媒66が漏れることを防止できる。
【0037】
リアクトルケース32の底部には、取付基台6との間に防振支持部材70が設けられる。防振支持部材70は、適当な防振バネ、防振ゴム、あるいはこれらの組合せを用いることができる。これにより、リアクトル30の作動に伴う振動が取付基台6等の外部へ伝達されることを抑制することができる。
【0038】
上記では、リアクトル30を構成するコア34、コイル36のそれぞれの外表面に冷媒66を直接接触させて熱交換が行われる。図4は、コイル36を構成する導線の内部に冷媒を流して冷却を行う構成を示す図である。以下では、図1から図3と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。また、図1から図3の符号を用いて説明する。
【0039】
図4に示すリアクトル冷却システム21も、図3と同様に、リアクトル31周辺の構成を示す図である。ここでは、リアクトル冷却システム21を構成する冷却装置60とリアクトル側循環路64は、符号でのみ示されている。リアクトル冷却システム21において、リアクトル31のリアクトルケース32の内部は、従来技術と同様に、コア34、コイル36が樹脂モールドあるいは樹脂ポッティングによって樹脂に覆われている。樹脂ポッティング等は、リアクトル31の放熱性、固定性等のために用いられるので、以下に述べるように、放熱性に問題がない場合には、樹脂ポッティング等を省略してもよい。
【0040】
そして、リアクトル31を構成するコイル36の巻線90は、リアクトルケース32の外に引き出され、リアクトル側循環路64に接続される。すなわち、巻線90は、軸方向に貫通中空部を有する導線であって、その貫通中空部とリアクトル側循環路64とが適当な接続手段によって冷媒66が漏れないように接続される。
【0041】
図5(a)は、図4におけるA部において、巻線90の断面図を示すものである。この例で巻線90は、断面外形が矩形の平角線で、その中央部に貫通中空部94を有している。貫通中空部94の周りは導体部92で、その外周は適当な絶縁被覆がなされている。貫通中空部94の内面は、絶縁被覆を行ってもよく、行わなくてもよい。導体部92の肉厚、すなわち、断面において導体部分の厚さtは、リアクトル31のコイル36に流れる電流の周波数で定まる表皮深さに基づいて定められる。表皮深さは、渦電流による損失を表すものであるので、厚さtは、表皮深さより大きな厚さに設定される。
【0042】
図5(b)は、断面外形が円形の丸線、あるいはリッツ線と呼ばれる巻線91の例を示す図である。この巻線91は、その中央部に円形の貫通中空部95を有している。貫通中空部95の周りは導体部93で、その外周は適当な絶縁被覆がなされており、貫通中空部95の内面は、絶縁被覆を行ってもよく、行わなくてもよい。この点は、図5(a)の巻線90と同様である。また、導体部93の肉厚、すなわち、断面において導体部分の厚さtが、リアクトル31のコイル36に流れる電流の周波数で定まる表皮深さに基づいて定められることも、図5(a)の巻線90の場合と同様である。
【0043】
このように、巻線90の軸方向に沿って設けられる貫通中空部94に、冷媒66を直接通すことで、リアクトル31の作動によるコイル36の発熱を冷媒66によって運び出すことができる。冷媒66は、上記のように、燃料電池12の反応生成水等の絶縁流体であるので、高絶縁抵抗値を有し、絶縁性に問題が生じることが少ない。
【0044】
再び図4に戻り、リアクトルケース32は、その底部において、冷却路82に接触するように配置される。冷却路82は、その中を冷媒が流れるもので、これにより、リアクトルケース32を冷却し、樹脂によって覆われるリアクトル31のコア34、コイル36の熱を奪って外部に運び出す機能を有する。冷却路82は、冷却装置60を通るものでもよく、あるいは、別の冷媒循環路であってもよい。例えば、車両の回転電機8の冷却等に用いられる冷媒循環路を用いることができる。
【0045】
このようにして、巻線90の貫通中空部94、または巻線91の貫通中空部95に、冷媒66を直接流してコイル36の発熱を外部に運び出す。これによってリアクトル31を冷媒によって直接的に冷却することが可能となり、放熱性が格段に向上する。これらによって、放熱性に十分余裕がある場合には、上記のように、樹脂ポッティング等を省略することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係る実施の形態のリアクトル冷却システムを含む電源回路の構成図である。
【図2】本発明に係る実施の形態のリアクトルの構造図である。
【図3】本発明に係る実施の形態のリアクトル冷却システムについて、リアクトル周辺の構成を示す図である。
【図4】本発明に係る実施の形態のリアクトル冷却システムについて、リアクトル周辺の別の構成を示す図である。
【図5】別の構成において、コイル巻線の2つの種類についての断面図である。
【符号の説明】
【0047】
6 取付基台、8 回転電機、10 電源回路、12 燃料電池、14 燃料電池側電圧変換器、16 平滑コンデンサ、18 インバータ回路、20,21 リアクトル冷却システム、22 バッテリ側電圧変換器、24 バッテリ、26 スイッチング素子、28 整流器、30,31 リアクトル、32 リアクトルケース、34 コア、36 コイル、60 冷却装置、62 燃料電池側循環路、64 リアクトル側循環路、66 冷媒、70 防振支持部材、72 防水シール付引出穴、74 端子線、82 冷却路、90,91 巻線、92,93 導体部、94,95 貫通中空部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒を用いて燃料電池を冷却する電池冷却装置と、
電源回路において用いられる電圧変換用リアクトルと、
を有し、
電圧変換用リアクトルは、電池冷却装置に用いられる冷媒で冷却されることを特徴とするリアクトル冷却システム。
【請求項2】
請求項1に記載のリアクトル冷却システムにおいて、
電圧変換用リアクトルを収納するリアクトルケースと、
電池冷却装置に用いられる冷媒をリアクトルケース内に通過させ、電圧変換用リアクトルにポッティング樹脂を介さずに接触させる冷却手段と、
を有することを特徴とするリアクトル冷却システム。
【請求項3】
請求項1に記載のリアクトル冷却システムにおいて、
電圧変換用リアクトルのコアに巻回され、軸方向に貫通中空部を有するコイル巻線と、
電池冷却装置に用いられる冷媒をコイル巻線の貫通中空部を通過させて冷却する冷却手段と、
を有することを特徴とするリアクトル冷却システム。
【請求項4】
請求項2に記載のリアクトル冷却システムにおいて、
リアクトルケースは、防振支持部材で支持されることを特徴とするリアクトル冷却システム。
【請求項5】
請求項2に記載のリアクトル冷却システムにおいて、
リアクトルケースは、
電圧変換用リアクトルからの端子線を外部に引き出す防水シール付引出穴を有することを特徴とするリアクトル冷却システム。
【請求項6】
請求項3に記載のリアクトル冷却システムにおいて、
コイル巻線は、電圧変換用リアクトルの使用周波数によって定まる表皮深さに基づいて設定される肉厚を有することを特徴とするリアクトル冷却システム。
【請求項7】
請求項1から請求項6に記載のリアクトル冷却システムにおいて、
電圧変換用リアクトルは、
コアに巻回され、矩形断面形状を有する平角線コイル巻線を有することを特徴とするリアクトル冷却システム。
【請求項8】
請求項1から請求項6に記載のリアクトル冷却システムにおいて、
電圧変換用リアクトルは、
コアに巻回され、円形断面形状を有する丸線コイル巻線を有することを特徴とするリアクトル冷却システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−49082(P2009−49082A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−211903(P2007−211903)
【出願日】平成19年8月15日(2007.8.15)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】