説明

リチウムイオンバッテリー用の無機セパレータ電極ユニット、その製造方法及びリチウムバッテリーにおけるその使用

本発明は、リチウムバッテリー用のセパレータ電極ユニット、並びにその製造方法に関する。このセパレータ電極ユニット(SEA)は、電極、すなわち正極(カソード)又は負極(アノード)としてリチウムバッテリーにおいて好適な多孔性電極と、この電極上に施与されたセパレータ層とを有する。このSEAは、セパレータ電極ユニットが、平均粒度及び/又は金属が異なる少なくとも2つの金属酸化物粒子の分画を有する無機セパレータ層と、活物質粒子が無機接着剤により互いに、かつ導体電極に結合された電極とを有することを特徴とする。本発明にかかるセパレータ電極ユニットは、容易に製造することができるという利点、及び、この製造の際に慣用のセパレータ電極ユニットの製造の際の温度と比べて顕著に高い温度を適用することができるという利点を有する。それというのも、この電極はいかなる熱感受性有機材料をも有さないからである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオンバッテリー用のセパレータ電極ユニット、その製造方法及びその使用に関する。
【0002】
電気的セパレータは、電極を、例えばイオン伝導性を維持しつつ、相互に隔てなければならないバッテリー及び他の装置中で使用されるセパレータである。
【0003】
このセパレータは通常では、高いイオン伝導性、良好な機械強度及び系中に、例えばバッテリーの電解質中に使用された化学薬品及び溶剤に対して長時間安定性を有する、薄い多孔性の絶縁性材料である。このセパレータは、バッテリー中でカソードとアノードとを電気的に完全に絶縁すべきであるが、電解質に対しては透過性であるべきである。更に、このセパレータは弾性を持続しなければならず、かつ系中で、例えば電極パッケージ中で充電及び放電の際の動きに追従しなければならない。
【0004】
セパレータは、セパレータが使用される装置、例えばバッテリー電池の寿命を特に決定する。従って、再充電可能なバッテリーの開発は、適当なセパレータ材料の開発によって影響を受ける。
【0005】
電気セパレータ及びバッテリーに関する一般的な情報は、例えばJ.O. Besenhard著 "Handbook of Battery Materials"(VCH-Verlag, Weinheim 1999)に記載されている。
【0006】
このときに使用されたセパレータは、主として多孔性の有機ポリマーフィルム(例えばEP0892448、EP0967671)若しくは無機不織布材料、例えばガラス材料又はセラミック材料からなる不織布又はセラミックペーパーからなる。これらは様々な会社により製造されている。主な製造元は:Celgard、Tonen、Ube、Asahi、Binzer、Mitsubishi、Daramic等である。一般的な有機セパレータは、例えばポリプロピレンからなるか、又はポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレン−複合材料からなる。
【0007】
今日では一般に、Li二次バッテリーの製造のために、電極とセパレータとは別々に製造され、バッテリー製造元で初めて組み立てられる。これは、例えば高圧及び高温でのラミネーションによって行われる。セパレータを2つの電極の一方の上に直接設けることがより簡単である。正の電極(カソード)は、少なくとも多孔性のリチウムを有する化合物、例えばLiCoO2又はLiMnO2からなり、これらは耐熱性のポリマーマトリックス、例えばポリビニリデンフルオリド中に組み込まれるか又は前記の耐熱性のポリマーマトリックスによって結合されている。負の電極(アノード)は、頻繁に黒鉛からなり、これも同様にポリマーにより接着されている。通常のセパレータ材料、例えばPP及びPE上に薄い、多孔性の層又はフィルムを適用することは困難である。
【0008】
従って今日では通常、電極及びセパレータはラミネーションにより組み立てられている。従って、このラミネーションは比較的熱安定性のポリマーを有するセパレータを使用して行われている。EP1049188では、セパレータは、リチウム−ガラス−セラミック−粉末を製造し、この粉末をアセトン中のポリビニリデンフルオリド(PVDF)及びヘキサフルオロプロピレンの溶液中に懸濁させ、この懸濁液から引き続きフィルムを作成することにより製造される。こうして製造されたセパレータは正極上にラミネートされている。DE19918856に記載されたセパレータも個別に製造され、引き続き正極上にラミネートされている。DE19918856に記載されたセパレータは、同様に、この場合に窒素を有する芳香族ポリマー(著しく耐熱性のポリマーとして)の溶液及びセラミック粉末を有する懸濁液から皮膜の製造により得られる。
【0009】
更に、先行技術からは、同様に負極(黒鉛)を多孔性ポリマー層で直接被覆することは公知であり(WO01/91219、WO01/89022)、この多孔性ポリマー層は充填物としてセラミック粒子、例えばTiO2、SiO2又はAl23を有することができる。電極、すなわちアノード又はカソードを純粋なセラミックで直接被覆することは技術水準からは公知ではなかった。
【0010】
Liイオンバッテリー用のセラミックセパレータも同様にほとんど公知ではなかった。WO99/15262には、セラミック粒子を多孔性の担体上及び担体中に導入し、そしてそこに固定することにより製造される複合材料が記載されている。この複合材料は、同様にセパレータとしても好適である。セパレータ電極ユニットの直接的な製造は、WO99/15262には記載されていない。更に、そこに記載された材料及びそこに記載された技術を用いてもセパレータ電極ユニットを製造することはできないことが調査によって示された。
【0011】
DE10238943は、有利に被覆すべき電極の孔径と比べて大きい粒度を有するAl23及びZrO2から選択される金属酸化物粒子のゾル中の懸濁液を施与して、次いで固定して電極上に多孔性無機層を得ることにより、これを薄いセパレータ層で被覆することができ、このセパレータは電解質溶液又は電解質ゲルで含浸した後に、優れたイオン伝導性を有しかつ更に焼き切れ(メルトダウン)に対して可能な限り高い安全性を示すことを記載している。かかるセパレータ電極ユニットは、更に柔軟性を有することができ、この柔軟性は使用された正極又は負極にも適合する。
【0012】
しかし、この技術の欠点は、セパレータ電極ユニット(SEA)を、電極の製造のために使用された有機ポリマーの融点、軟化点又は分解温度未満でのみ乾燥させ、そして固定できるにすぎないことである。しかし、大きい温度安定性は、種々の欠点を解消するために望ましい。従って、小さい温度安定性により、低温の場合にのみ乾燥させることができ、このことは、SEA及びこれから製造される(電解質での充填前の)バッテリーの製造のために相応の長期かつ高価な乾燥手順をもたらす。
【0013】
SEAを用いて技術水準により製造されたバッテリーは、電極材料を互いに、かつ電極上に結合するポリマー結合剤を含有する。本出願人により、このポリマーが電極材料表面の一部を阻害し、その結果活物質中への完全に妨げられないイオン輸送及びイオン導入が得られないことが目下のところ見出された。更に、多くの結合剤材料はより高い温度で分解可能であり、その結果ポリマー結合剤が関与する故障の際に不所望な部分的発熱分解反応をバッテリー電池中でもたらす。
【0014】
従って、本発明の課題は、いかなる有機ポリマーをも含有せず、かつ、より高い温度でも依然として安定性を有する無機セパレータ電極ユニット(i−SEA)を提供することであった。
【0015】
驚くべきことに、電極活物質、例えばLiCoO2;LiMnO2;LiNiO2;LiFe(PO4)等をポリマー結合剤ではなく無機接着剤で導体電極上に強固に施与し、そして導電的に結合させると、電極がいかなる有機材料をも有さないセパレータ電極ユニット(SEA)を製造することが可能であることを見出した。
【0016】
従って、本発明の対象は、リチウムバッテリーにおいて電極として好適な多孔性電極と、この電極上に施与されたセパレータ層とを有するセパレータ電極ユニットであって、セパレータ電極ユニットが、平均粒度及び/又は金属が互いに異なる少なくとも2つの金属酸化物粒子の分画を有する無機セパレータ層と、活物質粒子が導無機導電性接着剤により互いに、かつ導体電極と結合された電極とを有することを特徴とするセパレータ電極ユニットである。
【0017】
同様に本発明の対象は、本発明にかかるセパレータ電極ユニットの製造方法においてリチウムバッテリー中の正極(カソード)又は負極(アノード)として好適な多孔性電極を、ゾル中にか又は溶剤中のナノスケール活物質粒子からの懸濁液中に懸濁された活物質を有する懸濁液を施与し、そしてこの懸濁液を、少なくとも1回の加熱処理により固定して純粋な無機多孔性電極層を導体電極上で得ることにより製造すること、及びこの基材としての電極上に、セパレータ層としての多孔性無機被覆物を、ゾル中に金属酸化物粒子を有する懸濁液を施与し、そして少なくとも1回の加熱処理によりこの電極上に無機セパレータ層を固定することにより製造することを特徴とする方法、並びに本発明にかかる方法により製造されたセパレータ電極ユニットである。
【0018】
更に、本発明の対象は、本発明にかかるセパレータ電極ユニットをリチウムバッテリーにおいて用いる使用、並びに本発明にかかるセパレータ電極ユニットを有するリチウムバッテリーである。
【0019】
本発明にかかる無機セパレータ電極ユニットは、この電極材料の表面全体を使用することができるという利点を有する。この温度安定性は、この活物質の温度安定性によってのみ定められる。このことは、バッテリーの負荷状態に強く依存する。この詳細については、文献に教示されている(J.O. Besenhard,"Handbook of Battery Materials"(VCH-Verlag, Weinheim 1999))。一般的に、本発明にかかるi−SEAは200℃より高く700℃までの温度では、それぞれ使用される活物質の安定性に応じて安定性を有する。
【0020】
好ましくは無機接着剤として使用されるコバルト及び/又はマンガン及び/又はチタンの酸化物により、若しくはナノスケール活物質粒子の使用により、この大きい活物質粒子の極めて良好な導電的な結合が達せられる。これらの材料においては、更にまた、リチウムが堆積し、このために接着剤は接着機能の他に活物質としても機能することができ、従って慣用のSEAに対して貯蔵容量が改善される。それというのも、不活物質、すなわちリチウムイオンを受容することができないか若しくは導電性を有さない材料が電極中に存在しないからである。更に、この活物質粒子の表面は阻害されない。それというのも、この接着剤はそれ自体リチウムイオン導電性を有し、従ってこのリチウムはこの接着により移動することができるからである。
【0021】
更に本発明にかかるi−SEAは、極めて容易に製造することができるという利点、及び、この製造の際に慣用のセパレータ電極ユニットの製造の際の温度と比べて顕著に高い温度を適用することができるという利点を有する。それというのも、この電極はいかなる熱感受性の有機材料をも有さないからである。この製造方法に基づいて、更に、セパレータが極めて強固に電極上に付着することが確保される。セパレータ層としては、多孔性ポリマーを使用するのではなく、多孔性セラミック層を使用する。このセラミック層は、懸濁液(スラリ(Schlichker))を介して電極上に施与し、そしてそこで固定する。これにより、電解質の浸透後に極めて小さい抵抗のみを有するにすぎない、極めて薄いセパレータ層を施与することが可能である。従って、このセパレータ電極ユニットは、高出力及び高エネルギーバッテリーにおける使用に特に良好に好適である。本発明にかかるセパレータ電極ユニットは更に、極めて良好な機械的安定性を有し、かつ特に柔軟性を有することができる。多孔性セラミックセパレータ層を使用することにより、セパレータ内における若しくはセパレータを介してのホイスカの増大は、ほとんど不可能である。更に、このセラミック層は、両電極の機械的短絡からの極めて良好な保護物であり、決して単体のセパレータではあり得ない。この無機セラミックセパレータにより、更に、バッテリー若しくはセパレータの焼き切れ(メルトダウン)が生じることは不可能である。本明細書に記載されたセパレータ電極ユニットにおけるセパレータ層は、全種のポリマーセパレータと比べて顕著に安全であり、かつ担体としてのポリマー不織布を基礎とするセラミックセパレータと比べても安全である。
【0022】
この安全性は、リチウムバッテリーにおいては極めて重要な役割を担う。他のバッテリー型(Pb、NiCd、NiMeH)とは異なり、電解質用の溶剤としては、水ではなく燃焼性溶剤、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)を使用する。それというのも、Li電池内において高電圧の際に水が分解されるからである。この理由から、このセパレータは、高エネルギーバッテリーの安全性に決定的に寄与し得、かつ寄与するはずである。すなわちこの電池の加熱及び分解の場合においては、リチウムバッテリーの場合には、燃焼又は爆発が生ずることがある。
【0023】
電池の過熱の際には、特に正極材料、例えばLiCoO、LiMnO又はLiNiOからの分解による酸素の遊離が生ずることがある。有機結合剤及び/又は有機セパレータが存在する場合には、この遊離した酸素がこれらの有機材料と反応し、そしてこれにより本来の熱暴走が生ずることがある。本発明にかかるi−SEAによれば、かかる反応は、この反応の傾向がある有機材料を避けることにより妨げられる。
【0024】
安全性というテーマの場合には、基本的に2つの見地が区別されなければならない:
1 電池の故障による加熱
2 外部加熱
【0025】
第1の場合は、バッテリーの作動時に内部短絡が生ずる場合に生ずることがある。次いでこのバッテリーは、危険な反応において極めて迅速にそれ自体放電することがある。次いでこの場合、大電流が生ずるので、この不利な場合には閉じられたバッテリー電池が爆発することさえある。
【0026】
ポリマーセパレータは、所定の温度(約120℃のシャットダウン温度)以上で電解質によるそれぞれの電流輸送を妨げることにより、例えば、リチウムバッテリーのために現在要求されている安全性をもたらす。これは、前記温度でセパレータの多孔構造が崩壊し、かつ全ての細孔が閉塞されることにより生じる。イオンをもはや輸送することができないことにより、爆発を招き得る危険な反応を停止することができる。
【0027】
しかし、第2の場合においては、電池が外部の状況に基づいて更に加熱された場合、例えば約150℃でメルトダウン温度を越える。この温度以上で、慣用的にPPからなるセパレータは溶融し、その際、このセパレータは収縮する。そうなると、バッテリー電池中の多くの箇所で両電極間が直接接触するため、大面積の内部短絡が生じる。それにより、電池の爆発をもたらす制御されない反応が生じるか、若しくは生じる圧力が過圧弁(破裂板)によりしばしば火炎発生下に解放される。
【0028】
本発明にかかる無機セパレータ層を有するセパレータ電極ユニットにおいては、いわゆるメルトダウンは生じない。それというのも、耐熱性無機粒子によりこのセパレータが溶融しないからである。従って、大面積の短絡をもたらし得る作動状態が生じないことが確保される。電池を200℃を上回って加熱する外部燃焼の場合でさえ、このセラミックセパレータは引き続いてその機能を実行する。
【0029】
遮断メカニズム(シャットダウンメカニズム)が望まれる場合には、このことは、セパレータ層の表面を、所定の温度の達成の際に溶融し、こうしてこのセパレータ層の細孔を閉塞し更なるイオンの流れを妨げる物質の粒子で被覆することにより簡単に達成できる。このことは、例えば付加的に施与された、融点が所望の範囲内であるポリマー層又はワックス層により達成できる。
【0030】
例えば事故により引き起こされるであろう内部短絡の場合にも、本発明にかかるセパレータ電極ユニットは極めて安全である。例えば釘がバッテリーに貫通した場合、セパレータに応じて次のことが生じる:ポリマーセパレータは、貫通箇所で(短絡流が釘の上を流れ、かつこれを加熱する)溶融し、収縮すると考えられる。これにより、短絡箇所は益々大きくなり、かつ反応は制御不能になる。本発明にかかる遮断メカニズムを有するセパレータ層によれば、この遮断層のポリマー材料は溶融するが、無機セパレータ層は溶融しない。従ってかかる事故の後に、バッテリー電池の内部の反応は、極めて緩やかに進行する。従ってこのバッテリーは、ポリマーセパレータを備えたバッテリーと比べて安全であり、これにより本発明にかかるセパレータ電極ユニットを有するバッテリーは特に固定又は携帯分野と比べて事故の危険性が顕著に大きい移動分野で使用することができる。
【0031】
本発明にかかるセパレータ電極ユニットの製造の簡単な技術により、慣用のように製造されたユニットと比べて顕著に費用的な利点を更に有する。それというのも、この場合には付加的な方法工程、すなわちセパレータと電極との結合を実施しなければならないからである。
【0032】
粒度が正確に調整された金属酸化物粒子を多孔性セラミックセパレータ層の製造に用いる好ましい使用により、完成したセパレータ層の特に大きい多孔率が達成され、その際、この多孔率は依然として十分に小さく、このセパレータを介するリチウムホイスカの混入が妨げられる。この場合、このセパレータの理想的な孔径若しくは多孔率を達成するために、使用される金属酸化物粒子を懸濁前に空気分級又は湿式分級により分級し、可能な限り同一サイズの金属酸化物粒子を使用できることが特に有利であることが明らかになった。それというのも、市販の金属酸化物粒子の場合には、製造、貯蔵及び/又は移送の間にしばしば相当な割合の顕著に小さい粒子(例えば破片等)又は顕著に大きい粒子(例えばアグリゲート、アグロメレート)が存在するからである。しかし、より小さい粒子の数が多く存在すると、セパレータ層の細孔又は更には電極の細孔がこれらの小さい粒子により部分的に小さくなるか又は完全に閉塞されることがもたらされる。この場合、このセパレータの理想的な孔径若しくは多孔率は、もはや達成することができない。
【0033】
セパレータ層の薄い厚さと関連する大きい多孔率に基づき、かつ親水性セラミック層の極めて良好な極性溶剤での湿潤性に基づき、更にこのセパレータを完全に又は少なくともほぼ完全に電解質で含浸させることができ、その結果このセパレータの個々の領域及びひいてはバッテリー電池の所定の巻物内において電解質が存在しない死空間が生じることはない。このことは、特に、この金属酸化物粒子の粒度の維持により、得られるセパレータが、電解質が侵入できない閉塞された細孔を有さないか若しくはほとんど有さないことにより達成される。セパレータ層の小さい厚さ及び大きい多孔率に基づいて、セパレータ電極ユニットは特にリチウム高エネルギーバッテリー若しくは高出力バッテリーにおける使用に好適である。
【0034】
本発明にかかるセパレータ電極ユニット及びその製造方法を、本発明をこの実施態様に限定することなく以下に記載する。
【0035】
本発明にかかるセパレータ電極ユニットは、リチウムバッテリー中の電極としてに好適な多孔性電極と、この電極上に施与されたセパレータ層とを有し、セパレータ電極ユニットが、平均粒度及び/又は金属が互いに異なる少なくとも2つの金属酸化物粒子の分画を有する無機(導電性でない、セラミック)セパレータ層と、活物質粒子が導電性の無機接着剤により互いに、かつ導体電極と結合した電極とを有することを特徴とするセパレータ電極ユニットである。本発明の有利な実施態様において、このセパレータ層中の2つの粒子分画は、金属も粒度も異なる金属酸化物粒子を有する。この無機セパレータ層は、無機成分の他に少量の有機化合物、特に有機ケイ素化合物を有してよい。しかし、この無機セパレータ層に対するこの有機成分の割合は、好ましくは5質量%未満、特に好ましくは1質量%未満、特に好ましくは0.1質量%未満である。セラミックと電極とのより良好な結合を達成するために、シランを定着剤として利用してよい。
【0036】
セパレータ層中の2つの粒子分画は、これらが金属酸化物として同じ金属の酸化物を有するか又は異なる金属の酸化物を有するかにかかわらず、好ましくは、粒度(Dg)及び(Dk)が少なくとも10倍だけ、特に好ましくは少なくとも100倍だけ異なる粒子を有する。好ましくは、本発明にかかるセパレータ電極ユニットは、多孔性正極の細孔と比べて小さい粒度(Dk)を有する金属酸化物粒子により接着された多孔性正極の細孔の平均孔径(d)と比べて大きいか又は小さい平均粒度(Dg)を有する金属酸化物粒子を有するセパレータ層を有し、その際、このセパレータ層は、多孔性電極の細孔の平均孔径(d)と比べて小さい平均粒度(Dg)を有する金属酸化物粒子が存在する場合に、好ましくは20未満、特に好ましくは1〜10の粒径、特に好ましくは1〜3の粒径(Dg)でこの電極の細孔中に侵入する層を形成する。このセパレータ層の厚さ(z)は、正極又は負極の表面から好ましくは100Dg未満でかつ1.5Dg以上であり、特に好ましくは20Dg未満でありかつ5Dg以上である。
【0037】
多孔性正極の細孔の平均孔径(d)と比べて大きいか又は小さい平均粒度(Dg)を有する金属酸化物粒子は、好ましくはAl23粒子及び/又はZrO2粒子である。多孔性正極の細孔の平均孔径(d)と比べて小さい平均粒度(Dk)を有する金属酸化物粒子は、好ましくはSiO2粒子及び/又はZrO2粒子である。
【0038】
特に好ましくは、本発明にかかるセパレータ電極ユニットは、多孔性電極の細孔の平均孔径(d)と比べて大きいか又は小さい平均粒度(Dg)を有し、10μm未満、好ましくは5μm未満、殊に特に好ましくは3μm未満の平均粒度(Dg)を有する金属酸化物粒子を有するセパレータ層を有する。従って、セパレータ層の厚さが5Dgである場合、3μmの平均粒度を有する粒子に対して最大約15μmのセパレータ層の厚さが生じる。セパレータ層の好ましい層厚は25μm未満、好ましくは10〜15μmの厚さを有する。しかし、必要な場合には、このセパレータ層の厚さは10μm未満であってもよい。この塗布重量は、好ましくは10〜200g/m2、好ましくは100g/m2未満、殊に好ましくは50g/m2未満である。
【0039】
本発明にかかるセパレータ電極ユニットのセパレータ層は、好ましくは30〜70%の多孔率(水銀ポロシメトリーにより測定)を有する。このセパレータ層の大きい多孔率、良好な湿潤性及び小さい厚さにより、このセパレータ層は電解質で良好に含浸させるか若しくは充填させることができ、これによりこのセパレータ層は比較的大きいイオン伝導性を有する。この小さい厚さにより、電解質での適用でセパレータの特に低い電気抵抗が達成される。従ってこのセパレータ電極ユニットは高出力バッテリーに特に良好に好適である。このセパレータそれ自体は、当然のことながら極めて高い電気抵抗を有している。それというのもセパレータそれ自体は絶縁特性を有していなければならないためである。更に、より薄いセパレータはバッテリースタック中での高められた充填密度を可能にするため、同じ体積でより大きなエネルギー量を蓄えることができる。従ってこのセパレータ電極ユニットは高エネルギーバッテリーに特に良好に好適である。
【0040】
本発明にかかるセパレータ電極ユニット中の電極は、100nm〜25μm、好ましくは200nm〜15μm、特に好ましくは500nm〜10μmの平均粒度を有する活物質粒子を有する。
【0041】
SEAが正極として使用されるのが望ましいユニットであれば、これは活物質として好ましくは元素Co、Ni、Mn、V、Fe又はPの少なくとも1種を有する活物質を有する。好ましくは、この正極は、LiNi1-yCoy2(y=0〜1)、LiMn24、LiMnO2、LiFePO4、LiVOPO4及び/又はLiNiVO4から選択された活物質を有する。導体電極(集電体)として、正極として使用されるユニットは好ましくはアルミニウムを有する電極を有する。導体電極は、好ましくは、この材料を有するか若しくはこの材料から製造された箔又はエキスパンデッドメタルである。好ましくは、本発明により使用される正極は、可能な限り大きい多孔率、好ましくは20〜50%の範囲内の多孔率(Hg多孔度測定法を用いて測定)を有し、可能な限り大きな活性表面を提供する。特に好ましくは、この正極は、0.1〜20μm、好ましくは1〜10μmの平均孔径(d)を有する。
【0042】
導体電極は、片面被覆又は好ましくは両面被覆の何れかがなされていてもよい。両面被覆された正極は、好ましくは、20〜250μmの厚さ及び50〜800g/m2の単位面積当たりの質量を有する。
【0043】
本発明にかかるSEAが負極として使用されるのが望ましいユニットであれば、これは活物質として好ましくは元素C、Si、Nb、Ti、Mo又はWの少なくとも1種を有する活物質を有する。特に好ましくは、負極は、黒鉛、ケイ素、黒鉛−ケイ素混合物、リチウム−ケイ素−又はリチウム−スズ含有合金、LiNb25、LiTiO2、Li4Ti512、LiMoO2及び/又はLiWO2から選択された活物質を有する。導体電極(集電体)としては、負極として使用されるユニットは、好ましくは銅又は炭素化されたポリアクリロニトリルを有する電極を有する。導体電極は、好ましくは、これらの材料を有するか若しくはこれらの材料から製造された箔又はエキスパンデッドメタルである。好ましくは、本発明により使用される電極は、可能な限り大きい多孔率、好ましくは20〜50%の範囲内の多孔率(Hg多孔度測定法を用いて測定)を有し、可能な限り大きな活性表面を提供する。特に好ましくは、本発明にかかる電極は、0.1〜20μm、好ましくは1〜10μmの平均孔径(d)を有する。導体電極は、片面被覆又は有利に両面被覆の何れかがなされていてもよい。両面被覆された負極は、好ましくは、20〜250μmの厚さ及び50〜800g/m2の単位面積当たりの質量を有する。
【0044】
しかし、正極又は負極として使用されるSEAのための上述の値は、バッテリー製造元の要求に応じて顕著に異なってもよい。高出力バッテリーのためには、慣用的に可能な限り薄い電極層を有する電極が望ましい。高エネルギーバッテリーのためには、可能な限り厚い電極層が望ましいが、その際、可能な厚さは、増大された厚さで迅速に減少する充電/放電速度により制限される。好ましい電極は、10〜50μmの厚さを有する集電体を有する。高出力バッテリーのための好ましい電極は、電極層につき5〜25μmの厚さを有する。高エネルギーバッテリーのための好ましい電極は、電極層につき15〜100μmの厚さを有する。これらの記載は、それぞれ正極及び負極に当てはまる。
【0045】
活物質粒子を互いに、かつ導体電極と結合させる接着剤は、好ましくは、1〜100nm、好ましくは5〜50nmの平均一次粒度を有するナノスケール粒子を有する。この粒度の測定は、比較的困難である。それというのも、この粒子は、使用されるナノスケール粒子を除いて、ゾルから生ずるからである。無機の導電性接着剤は、好ましくは電極の活物質のナノスケール粒子であり、その際、これは正極のために好ましい元素Co、Ni、Mn、V、Fe又はPの少なくとも1種、及び負極のために好ましい元素C、Si、Nb、Ti、Mo又はWの少なくとも1種を有するか、又は、亜酸化チタン、窒化チタン、炭化チタン、ドープされた(例えばフッ素又はアンチモンで)又はドープされていない酸化スズ、インジウム−スズ酸化物(ITO)及びドープされた又はドープされていない酸化亜鉛から選択された化合物を有するか又はこれからなるナノスケールの導電性粒子である。好ましくは、無機接着剤として使用されるナノスケール活物質粒子は、この活物質粒子それ自体と同じ組成を有する。接着剤として存在するナノスケール活物質は、論理的に、それぞれ正極又は負極としての電極の使用に適合する材料である。
【0046】
両方の電極において、両面に多孔性電極を備えた導体電極の場合に、バッテリー需要者にとってこのプロセスについて何が望ましいのかに応じて、セパレータ層を片面又は両面に施与することができる。
【0047】
このセパレータ電極ユニットの機械的特性は、セパレータ層の小さい厚さに基づき、実質的に電極により定められる。典型的な引張強度は、製造のために使用された金属担体の引張強度の範囲内である。エキスパンデッドメタルの場合には、この引張強度は使用されたエキスパンデッドメタルに応じて、約10N/cm及びそれを上回り、金属箔の使用の場合には15N/cmを上回る。このセパレータ電極ユニットは柔軟性を示すことができ、その際、この柔軟性は実質的に導体電極の柔軟性により定められる。好ましくは、本発明にかかるセパレータ電極ユニットは、100mまでの各半径にまで、好ましくは100m〜1cmまでの半径にまで、特に好ましくは1cm〜5、4、3、2又は1mmまでの半径にまで曲げることができる。
【0048】
従って、本発明にかかるセパレータ電極ユニットが遮断メカニズム(シャットダウンメカニズム)を提供するために、セパレータ層が、所望の遮断温度で溶融する粒子、いわゆる遮断粒子(Abschaltpartikel)、好ましくはワックス粒子又はポリマー粒子を有する被覆物を有する場合が有利であり得る。この遮断粒子を構成し得る殊に有利な材料は、例えば天然又は人工ワックス、低融点ポリマー、例えばポリオレフィンであり、その際、遮断粒子の材料は、粒子が所望の遮断温度で溶融し、かつセパレータの細孔を閉塞することで更なるイオン流が妨げられるように選択される。
【0049】
遮断粒子を有する被覆物は、セパレータ層上に、及び/又はセパレータ層と電極との間に存在することができる。しかし、所望の遮断温度に応じて、遮断粒子を有する被覆物がセパレータ層上に施与されている場合が好ましい。これは、特に遮断粒子被覆物の製造方法の種類によって予め定められる。セパレータ層と電極との間の被覆は、電極上に遮断粒子層を施与し、次いでセパレータ層を施与することによって実施しなければならず、従って、遮断温度ひいては遮断粒子として使用された材料、例えば天然又は人工のワックス、低融点ポリマー、例えばポリオレフィンの融点が、セパレータ層の固定の際に適用しなければならない温度を上回っている場合にのみ可能である。
【0050】
この遮断粒子は、セパレータ層の細孔の平均孔径(ds)と比べて大きいか又は同じ平均粒度(Dw)を有することが好ましく、セパレータと電極との間に遮断粒子が存在する場合には、同様に多孔性電極の細孔の平均孔径(d)と比べて大きいことが好ましい。このことは、セパレータの細孔容積の減少、ひいてはセパレータの伝導率の低下及びバッテリーの性能の低下を引き起こしかねない電極又はセパレータ層の細孔の侵入及び閉塞が防止されるため、特に有利である。遮断粒子層の厚さは、厚すぎる層がバッテリー系中の抵抗を不必要に高めない限り重要ではない。より確実な遮断を達成するために、この遮断粒子層は、遮断粒子の平均粒度(Dw)とほぼ同じ〜10Dw、有利に2Dw〜Dwの厚さ(zw)を有するのが好ましい。
【0051】
このセパレータ電極ユニットの全体の厚さ(付加的な遮断粒子層を有さない)は電極の厚さに強く依存する。一般的にこの厚さは、両面被覆された電極の場合、同時に電池の一定容量の場合、350μmより小さく、好ましくは250μmより小さく、殊に好ましくは200μmより小さい。
【0052】
本発明にかかるセパレータ電極ユニットは、好ましくは、リチウムバッテリー中の正極(カソード)又は負極(アノード)として好適な多孔性電極を、ゾル中に又は溶剤中のナノスケール活物質粒子からの懸濁液中に懸濁された活物質を有する懸濁液を施与し、そしてこの懸濁液を、少なくとも1回の加熱処理により固定して純粋な多孔性無機電極層を導体電極上で得ることにより製造すること、及びこの基材としての電極上に、セパレータ層としての多孔性無機被覆物を、ゾル中に金属酸化物粒子を有する懸濁液を施与し、そして少なくとも1回の加熱処理によりこの電極上に無機セパレータ層を固定することにより製造することを特徴とする方法により製造する。
【0053】
電極の製造
電極若しくはそれを用いて製造されたSEAが正極又は負極として使用される望ましいかに応じて、それぞれの使用目的に好適な活物質粒子を有する懸濁液を使用する。正極の多孔性電極層の製造のためには、好ましくは、元素Co、Ni、Mn、V、Fe又はPの少なくとも1種を有する粒子から選択された活物質を有する懸濁液を使用する。好ましくは、LiNi1-yCoy2(y=0〜1)、LiMn24、LiMnO2、LiFePO4、LiVOPO4及び/又はLiNiVO4から選択された化合物を有するか又はこれからなる活物質粒子を使用する。負極の多孔性電極層の製造のためには、好ましくは、元素C、Si、Nb、Ti、Mo又はWの少なくとも1種を有する粒子から選択された活物質を有する懸濁液を使用する。特に好ましくは、黒鉛、カーボンブラック、ケイ素、黒鉛−ケイ素混合物、リチウム−ケイ素−又はリチウム−スズ含有合金、LiNb25、LiTiO2、Li4Ti512、LiMoO2及び/又はLiWO2から選択された化合物/元素を有するか又はこれからなる活物質粒子を使用する。好ましくは、0.1〜25μmの平均粒度を有する活物質を使用する。上述の範囲での活物質粒子の使用により、多孔性電極層の特に大きい多孔率を達成することができ、これにより、バッテリーにおいてより大きい貯蔵容量を達成することができる。
【0054】
正極層製造用の懸濁液の製造のために、好ましくは、元素Co、Ni、Mn、V、Fe、Pの少なくとも1種を、例えばLiNi1-yCoy2(y=0〜1)、LiMn24、LiMnO2、LiFePO4、LiVOPO4及び/又はLiNiVO4の形で有するか、又は亜酸化チタン、窒化チタン、炭化チタン、ドープされた又はドープされていない酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)及びドープされた又はドープされていない酸化亜鉛から選択された化合物を有するゾルを使用する。同様に、正極層製造用の懸濁液の製造のために、元素Co、Ni、Mn、V、Fe又はPの少なくとも1種を有するか、又は、亜酸化チタン、窒化チタン、炭化チタン、ドープされた又はドープされていない酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)及びドープされた又はドープされていない酸化亜鉛から選択された化合物を有するか又はこれらの化合物からなる50nm未満の平均一次粒度を有するナノスケール粒子の分散液を使用する場合も考えられる。好ましくは、使用されるナノスケール粒子は、LiNi1-yCoy2(y=0〜1)、LiMn24、LiMnO2、LiFePO4、LiVOPO4及び/又はLiNiVO4から選択された化合物を有するか又はこれからなるナノスケール活物質粒子である。負極層製造用の懸濁液の製造のために、例えば、元素Nb、Ti、Mo、Wの少なくとも1種を例えばLiNb25、LiTiO2、LiTi512、LiMoO2及び/又はLiWO2の形で有するか又は、亜酸化チタン、窒化チタン、炭化チタン、ドープされた又はドープされていない酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)及びドープされた又はドープされていない酸化亜鉛から選択された化合物を有するゾルを使用できる。この場合でも、負極層製造用の懸濁液の製造のために、元素C(例えば、カーボンブラックとして)、Si、Nb、Ti、Mo又はWの少なくとも1種を有するか、又は、亜酸化チタン、窒化チタン、炭化チタン、ドープされた又はドープされていない酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)及びドープされた又はドープされていない酸化亜鉛から選択された少なくとも1種の化合物を有するか又はこれらの化合物からなる50nm未満の平均一次粒度を有するナノスケール粒子の分散液を使用することも可能である。好ましくは、使用されるナノスケール粒子は、黒鉛、ケイ素、黒鉛−ケイ素混合物、リチウム−ケイ素−又はリチウム−スズを含有する合金、LiNb25、LiTiO2、Li4Ti512、LiMoO2及び/又はLiWO2から選択された化合物/元素を有するか又はこれからなるナノスケール活物質粒子である。多孔性電極層の製造のための懸濁液は、好ましくは、印刷、圧縮、圧入、ローラ塗布、ブレード塗布、刷毛塗り、浸漬、吹き付け又は流延塗布により導体電極上に施与する。
【0055】
このゾルは、上述の元素の少なくとも1種の化合物を加水分解することにより得られる。加水分解すべき化合物を加水分解の前にアルコール又は酸又はこれらの液体の組み合わせに添加することが有利であり得る。加水分解されるべき化合物としては、好ましくは、元素Ti、Co又はMnの少なくとも1種の硝酸塩、塩化物、炭酸塩又はアルコレート化合物、例えばTiCl4又はMn(NO32を加水分解する。この加水分解は、好ましくは水、水蒸気、氷又は酸又はこれらの化合物の組合物の存在下で実施する。
【0056】
本発明にかかる方法の実施変法においては、加水分解すべき化合物の加水分解により粒子ゾルを製造する。この粒子ゾルは、ゾルの中に、加水分解により生じた化合物が粒子で存在することを特徴とする。この粒子ゾルは、上記のように、又はWO99/15262に記載されているように製造することができる。このゾルは、通常では極めて大きい含水率を有し、この含水率は好ましくは50質量%より大きい。加水分解すべき化合物を加水分解の前にアルコール又は酸又はこれらの液体の組み合わせに添加することが有利であり得る。この加水分解された化合物は、解膠のために、少なくとも1種の有機酸又は無機酸を用いて、好ましくは10〜60%の有機酸又は無機酸を用いて、特に好ましくは硫酸、塩酸、過塩素酸、リン酸及び硝酸又はこれらの酸の混合物から選択された鉱酸を用いて処理することができる。こうして製造された粒子ゾルは、次いで懸濁液の製造に使用することができる。
【0057】
本発明にかかる方法の他の実施変法において、加水分解すべき化合物の加水分解によりポリマーのゾルを製造する。このポリマーのゾルは、ゾルの中に、加水分解により生じた化合物がポリマーで(すなわち、より大きな空間にわたって鎖状に架橋して)存在することを特徴とする。このポリマーのゾルは、慣用的に水及び/又は水性の酸を、50質量%より小さく、好ましくは20質量%よりはるかに少なく有する。好ましい割合の水及び/又は水性の酸をもたらすために、加水分解すべき化合物を、加水分解可能な化合物の加水分解可能な基に対して0.5〜10倍のモル比、有利に半分のモル比の水、水蒸気又は氷で加水分解するというように加水分解を実施することが好ましい。10倍までの量の水は、極めて緩慢に加水分解する化合物の場合に、例えばテトラエトキシシランの場合に使用することができる。極めて急速に加水分解する化合物、例えばジルコニウムテトラエチラートは、この条件下で既に十分に粒子ゾルを形成することができ、従って、このような化合物の加水分解のために好ましくは0.5倍の量の水を使用する。好ましい量と比べて少ない量の水、水蒸気又は氷を用いた加水分解も、同様に良好な結果をもたらす。その際に、半分のモル比の好ましい量を、50%よりも多く下回ることも可能であるが、それほど好ましくはない。それというのもこの値を下回る場合には加水分解はもはや完全ではなく、かつかかるゾルを基礎とする被覆物はそれほど安定ではないからである。
【0058】
ゾル中に所望の極めて僅かな割合の水及び/又は酸を有するこのゾルの製造のために、本来の加水分解が行われる前に、加水分解すべき化合物を、有機溶剤、特にエタノール、イソプロパノール、ブタノール、アミルアルコール、ヘキサン、シクロヘキサン、エチルアセテート及び/又はこれらの化合物の混合物中に溶解させる場合が有利であり得る。
【0059】
上述のとおり、活物質粒子とゾルとの懸濁液の使用の他に、溶剤中のナノスケール活物質粒子の分散液中に懸濁された活物質粒子を有する懸濁液を使用できる。ナノスケール活物質粒子又は導電性材料の粒子は、50nm未満、好ましくは1〜50nm、特に好ましくは5〜25nmの平均一次粒度を有する。かかるナノスケール活物質粒子は、例えば熱分解法、例えばアエロジル製造又はゾルゲル化学を介して得ることができる。この懸濁液のための溶剤としては、水の他に、特にアルコール、特にC1〜C4アルコール、好ましくはメタノール、エタノール又はプロパノール、例えばイソプロパノールが好適である。
【0060】
活物質粒子は、好ましくは激しい混合により、ゾル又は溶剤中のナノスケール活物質粒子からの分散液中に懸濁させる。電極層の製造のためのこの懸濁液は、例えば印刷、圧縮、圧入、ローラ塗布、ブレード塗布、刷毛塗り、浸漬、吹き付け又は流延塗布により導体電極上に施与することができる。好ましくは、電極層の製造のために、活物質粒子と、ゾル又はナノスケール(活物質)粒子を有する分散液との質量比が1:100〜2:1、好ましくは1:50〜1:5、特に好ましくは1:4〜1:1である懸濁液を使用する。
【0061】
本発明にかかる多孔性電極層は、この懸濁液を固定により導体電極上に施与し、こうして本発明にかかるセパレータ電極ユニットに好適な電極を得る。この原理は既にWO99/15262に記載されている。好ましくは、この導体電極上に施与される懸濁液を、50〜700℃、好ましくは100〜600℃、殊に好ましくは300〜500℃に加熱することにより固定する。この加熱は、有利に最大で60分、好ましくは最大で10分、特に好ましくは0.1〜10分にわたって、好ましくは300〜500℃の温度で実施する。この処理の温度及び時間は、使用される導体電極中に存在する材料の温度安定性により予め定められ、かつ相応して適合されるべきである。本発明による加熱は、加熱された空気、熱風、赤外線照射又は先行技術による他の加熱方法により実施することができる。
【0062】
導体電極の本発明による被覆は、不連続的に又は連続的に実施することができる。好ましくは、この被覆、すなわちセパレータ層の製造は、基材として使用された導体電極を、1m/h〜2m/sの速度で、好ましくは0.5m/min〜20m/minの速度で、特に好ましくは1m/min〜5m/minの速度でロールから巻き出し、懸濁液を電極の表面上に施与する少なくとも1つの装置、例えばローラ又はブレード、及び、例えばエキスパンデッドメタルを使用する場合にはこの懸濁液を加熱により導体電極表面上に、及び場合により導体電極内部に固定することが加熱により可能な少なくとも1つの更なる装置、例えば電気加熱炉を通過させて、こうして製造された電極を第2のロールに巻き取ることにより実施することができる。このように、本発明にかかるセパレータ電極ユニットに必要な電極を連続法で製造することができる。
【0063】
セパレータ層の製造
セパレータ層が施与される基材として、上述のように製造された電極を使用する。SEAを何の目的で使用することが望ましいかに応じて、正極又は負極として好適な電極を使用する。
【0064】
本発明による、セラミックセパレータ層での負極の被覆が好ましい。それというのも、これは大抵は、一般的にLi化合物を含有する正極と比べて湿分感受性が小さいからである。基礎として正極を使用するのであれば、SEAがバッテリーの組み立て前に絶対的に水不含であることを確保しなければならない。
【0065】
使用される電極は、導体電極の片面又は両面上に多孔性電極層で設けられていてよい。好ましい電極は、可能な限り高い多孔率、好ましくは20〜50%の範囲内の多孔率(Hg多孔度測定法を用いて測定)を有し、可能な限り大きな活性表面を提供する。この多孔率は、例えば、Carlo Erba Instruments社製のPorosimeter4000を用いて測定することができる。水銀ポロシメトリーは、ウォッシュバーン(Washburn)の式に基づく(E. W. Washburn, "Note on a Method of Determining the Distribution of Pore Sizes in a Porous Material", Proc. Natl. Acad. Sci., 7, 115-16(1921))。
【0066】
特に好ましい電極は、0.1〜20μm、好ましくは1〜10μmの平均孔径(d)を有する。基材として使用されるべき両面被覆された正極は、好ましくは、20〜250μmの厚さ及び50〜800g/m2の単位面積当たりの質量を有する。基材として使用可能な両面被覆された負極は、好ましくは、200〜250μmの厚さ及び350〜450g/m2の単位面積当たりの質量を有する。
【0067】
本発明によりセパレータ層の製造のために使用される懸濁液は、好ましくは、多孔性正極の細孔の平均孔径(d)と比べて大きいか、同じか又は小さい平均粒度(Dg)を有する金属酸化物粒子を有し、その際、多孔性電極の平均孔径(d)と比べて小さいか又は同じ平均粒度Dgを有する粒子が存在する場合、懸濁液が多孔性電極中に深く浸透しすぎるのを防ぐことができるようにするために、付加的にこの懸濁液中にこの懸濁液の粘度を高める物質が存在しなければならない。金属酸化物粒子として、又は使用される電極の多孔性電極の細孔の平均孔径(d)と比べて大きいか又は小さい平均粒度(Dg)を有する金属酸化物粒子として、懸濁液の製造のために好ましくはAl23粒子及び/又はZrO2粒子を使用する。特に好ましくは、金属酸化物粒子として使用される粒子は、10μm未満、好ましくは5μm未満、殊に好ましくは3μm未満の平均粒度Dgを有する。
【0068】
市販の金属酸化物粒子を使用すると、場合により不十分な結果をもたらすことが判明している。それというのも、しばしば極めて広い粒度分布が存在するからである。従って、好ましくは、慣用の方法、例えば空気分級及び湿式分級により分級された金属酸化物粒子を使用する。この手段により、無機多孔性セパレータ層が極めて一定の孔径分布を有することが達成される。
【0069】
この懸濁液は、例えば、印刷、圧縮、圧入、ローラ塗布、ブレード塗布、刷毛塗り、浸漬、吹き付け又は流延塗布により基材上に施与することができる。好ましくは、金属酸化物粒子とゾルとの質量比が1:1000〜2:1、好ましくは1:100〜1:5、特に好ましくは1:4〜1:1である懸濁液を使用する。
【0070】
被覆物の製造のために使用される懸濁液は、アルミニウム、ケイ素及び/又はジルコニウムの無機酸化物の少なくとも1種と、元素Al、Zr及び/又はSiのゾルの少なくとも1種を有し、これは少なくとも1種の酸化物の粒子をこのゾルの少なくとも1種の中に懸濁することにより製造する。
【0071】
このゾルは、元素Zr、Al、Siの化合物の少なくとも1種の加水分解により得られる。
【0072】
同様に、加水分解すべき化合物を加水分解の前にアルコール又は酸又はこれらの液体の組合物に添加することが有利であり得る。加水分解すべき化合物として、好ましくは元素Zr、Al又はSiの少なくとも1種の硝酸塩、塩化物、炭酸塩又はアルコラート化合物を加水分解する。この加水分解は、好ましくは水、水蒸気、氷又は酸又はこれらの化合物の組合物の存在下で実施する。
【0073】
粒子ゾル又はポリマーのゾルを再度使用することができる。このゾルの製造に関しては、文献"Herstellung der Elektrode"にゾルの製造が教示されている。使用される電極がいかなる有機化合物、特にポリマーを有しないことにより、ゾルへの定着剤の添加を省くことができる。
【0074】
使用される懸濁液の種類に応じて、この懸濁液の粘度を調節することが必要なことがある。このことは特に、多孔性電極層の細孔の平均孔径と比べて小さい粒子を有する懸濁液を使用する場合に必要である。懸濁液の粘度を相応して高く調節することにより、外部剪断力の不存在下で、電極の細孔中への懸濁液の侵入が防止される(構造粘性、非ニュートン挙動)。かかる挙動は、流動挙動に影響を及ぼす助剤の添加によって達成することができる。この懸濁液の粘度の調節のために、助剤として同様に好ましくは無機材料が使用する。特に好ましくは、懸濁液に、懸濁液の粘度の調節のために、熱分解法シリカ、例えばDegussa AG社のAerosile、例えばAerosile 200を添加する。この物質は粘度の調節のための助剤として極めて有効であるため、懸濁液に対するシリカの質量割合は0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%で十分である。
【0075】
本発明にかかるセパレータ層は、この懸濁液を基材上で、すなわち電極の表面上で固定させることにより施与し、こうしてセパレータ電極ユニットが得られる。この原理は既にWO99/15262に記載されている。好ましくは、この電極上に施与される懸濁液を、50〜700℃、好ましくは100〜600℃、殊に好ましくは300〜500℃に加熱することにより固定させる。
【0076】
この加熱は、有利に最大で60分、好ましくは最大で10分、特に好ましくは0.1〜10分にわたって、好ましくは300〜500℃の温度で実施する。この処理の温度及び時間は、使用される電極中に存在する材料の温度安定性により予め定められ、かつ相応して適合されるべきである。
【0077】
本発明による複合材料の加熱は、加熱された空気、熱風、赤外線照射又は先行技術による他の加熱方法により実施することができる。
【0078】
本発明による電極の被覆は、不連続的に又は連続的に実施することができる。好ましくは、この被覆、すなわちセパレータ層の製造は、基材として使用された電極を、1m/h〜2m/sの速度で、好ましくは0.5m/min〜20m/minの速度で、殊に好ましくは1m/min〜5m/minの速度でロールから巻き出し、懸濁液を電極の表面上に施与する少なくとも1つの装置、例えばローラ、及び懸濁液を加熱により電極表面上に固定することができる少なくとも1つの他の装置、例えば電気加熱炉を通過させて、こうして製造されたセパレータ電極ユニットを第2のロールに巻き取ることにより実施することができる。このように、本発明にかかるセパレータ電極ユニットに必要な電極を連続法で製造することができる。
【0079】
セパレータ電極ユニットが自動的な遮断メカニズムを備えることが望ましいのであれば、このことは、例えば、電極上に施与される懸濁液の固定後に、所望の温度で溶融し、かつセパレータ層の細孔を閉塞する粒子、いわゆる遮断粒子からの層を遮断メカニズムの発生のためにこのセパレータ電極ユニット上に施与し、そして固定させることにより生じさせることができる。遮断粒子からの層は、例えば、セパレータ層の平均孔径と比べて大きい平均粒度を有するワックス粒子の、ゾル、水、溶剤又は溶剤混合物中の懸濁液の施与により製造することができる。
【0080】
この粒子の施与のための懸濁液は、好ましくは1〜50質量%、好ましくは5〜40質量%、特に好ましくは10〜30質量%のワックス粒子をこの懸濁液中で含有する。
【0081】
この無機セパレータ層はしばしば極めて大きい親水特性を有するので、セパレータ電極ユニットがポリマーのゾル中の定着剤としてのシランの使用下で製造し、ひいては疎水化した場合に有利であることが判明した。親水性多孔質無機セパレータ層に対しても遮断層内の遮断粒子の良好な付着性及び均一な分布を達成するために、幾つかの変法が可能である。
【0082】
本発明にかかる方法の実施変法において、多孔性無機セパレータ層を遮断粒子の施与の前に疎水化することが有利であることが判明した。同じ原理により機能する疎水性膜の製造は、例えばWO99/62624に記載されている。好ましくは、多孔性無機セパレータ層は、例えばDegussa社からDynasilanの商標名で市販されているようなアルキル−、アリール−又はフルオロアルキルシランを用いた処理により疎水化する。この場合に、例えば、特に織物に対して適用される公知の疎水化方法(D. Knittel ; E. Schollmeyer ; Melliand Textilber. (1998) 79(5), 362-363)を、配合をわずかに変更させて、多孔性セパレータ層若しくはセパレータ電極ユニットのために適用してもよい。この目的のために、このセパレータ電極ユニットを少なくとも1種の疎水性物質を有する溶液で処理する。この溶液は、溶剤として、好ましくは酸、有利に酢酸又は塩酸でpH値1〜3に調節された水、及び/又はアルコール、好ましくはエタノールを有するのが有利であり得る。この溶剤に対する、酸で処理された水もしくはアルコールの割合は、それぞれ0〜100容量%であってよい。好ましくは、この溶剤中の水の割合は0〜60容量%であり、アルコールの割合は40〜100容量%である。この溶液の製造のために、溶剤中に疎水性物質0.1〜30質量%、好ましくは1〜10質量%を添加する。疎水性物質としては、例えば上述のシランを使用することができる。驚くべきことに、著しく疎水性である化合物、例えばトリエトキシ(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−トリデカフルオロオクチル)シランを用いた場合にのみ良好な疎水化が生じるわけでなく、所望の効果を達成するためには、メチルトリエトキシシラン又はi−ブチルトリエトキシシランを用いた処理で完全に十分である。この溶液は、溶液中での疎水性物質の均質な分布のために、室温で撹拌し、次いでこのセパレータ電極ユニットのセパレータ層上に施与し、そして乾燥させる。この乾燥は、25〜100℃の温度での処理により促進させることができる。
【0083】
本発明にかかる方法の更なる実施変法においては、多孔性無機セパレータ層を、遮断粒子の施与の前に、他の定着剤で処理することもできる。上記の定着剤の1種を用いた処理は前記の方法と同様に実施でき、すなわち、多孔性無機層を、定着剤としてシランを有するポリマーのゾルで処理することにより実施することができる。
【0084】
遮断粒子からの層は、好ましくは、ゾル、水又は溶剤、例えばアルコール、炭化水素、エーテル又はケトン又は溶剤混合物から選択された懸濁剤中の遮断粒子の懸濁液をセパレータ層上に施与し、次いで乾燥させることにより製造する。懸濁液中に存在する遮断粒子の粒度は、原則的に任意である。しかしながら、懸濁液中に、多孔性無機セパレータ層の細孔の平均孔径(ds)と比べて大きいか又は同じ、好ましくは大きい平均粒度(Dw)を有する遮断粒子が存在する場合が有利である。それというのも、この無機層の細孔が本発明にかかるセパレータの製造の際に遮断粒子によっては閉塞されないことが確保されるからである。好ましくは、使用される遮断粒子は平均孔径(ds)より大きくかつ5dsより小さい、特に好ましくは2dsより小さい平均粒度(Dw)を有する。
【0085】
多孔性無機層の細孔の孔径と比べて小さい粒度を有する遮断粒子を使用することが望ましい場合には、多孔性無機セパレータ層の細孔中に粒子が侵入するのを防がなければならない。かかる粒子の使用の理由は、例えば大きな価格差並びにかかる粒子の利用性に存在する。多孔性無機層の細孔中に遮断粒子が侵入するのを防ぐための可能性は、外部剪断力の不存在下で、無機セパレータ層の細孔中への懸濁液の侵入が行われないように懸濁液の粘度を調節することである。懸濁液のこのように高い粘度は、例えば懸濁液に、流動挙動に影響を及ぼす助剤、例えばシリカ(Aerosil、Degussa)を添加することにより達成することができる。助剤、例えばAerosil 200を使用した場合、懸濁液の十分に高い粘度を達成するためには、しばしば、懸濁液に対して、シリカ0.1〜10質量%、有利に0.5〜50質量%の割合で既に十分である。この助剤の割合は、それぞれ簡単な予備試験により決定することができる。
【0086】
使用された遮断粒子を有する懸濁液が定着剤を有する場合が有利であり得る。かかる定着剤を有する懸濁液は、セパレータ層が施与の前に疎水化されていない場合でも、前記のセパレータ層に直接施与することができる。勿論、定着剤を有する懸濁液は、疎水化されたセパレータ層又は製造時に定着剤が使用されたセパレータ層上にも施与することができる。この遮断粒子を有する懸濁液中の定着剤として、好ましくは、アミノ−、ビニル−又はメタクリル側鎖基を有するシランを使用する。かかる定着剤は、例えばAMEO(3−アミノプロピルトリエトキシシラン)、MEMO(3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン)、Silfin(ビニルシラン+開始剤+触媒)、VTEO(ビニルトリエトキシシラン)又はVTMO(ビニルトリメトキシシラン)である。かかるシランは、例えばDegussa社から、水溶液として、商標名Dynasilan2929、2907又は2781で入手できる。最大10質量%の定着剤の割合は、多孔性無機セパレータ層への遮断粒子の十分に大きな付着性を確保するために十分であることが判明した。好ましくは、遮断粒子の定着剤含有懸濁液は、懸濁液に対して0.1〜10質量%、好ましくは1〜7.5質量%、殊に好ましくは2.5〜5質量%の定着剤を有する。
【0087】
遮断粒子としては、定義された融点を有する全ての粒子を使用することができる。この粒子の材料は、この場合所望の遮断温度に応じて選択する。大抵のバッテリーの場合には比較的低い遮断温度が望ましいため、ポリマー、ポリマー混合物、天然及び/又は人工のワックスからの粒子から選択された遮断粒子を使用するのが有利である。特に好ましくは、遮断粒子としてポリプロピレンワックス又はポリエチレンワックスからの粒子を使用する。
【0088】
遮断粒子を有する懸濁液の施与は、多孔性無機セパレータ層の上への印刷、圧縮、圧入、ローラ塗布、ブレード塗布、刷毛塗り、浸漬、吹き付け又は流延塗布により実施することができる。この遮断層は、好ましくは、施与された懸濁液を室温ないし100℃、好ましくは40〜60℃の温度で乾燥させることにより得られる。
【0089】
この粒子を、多孔性無機セパレータ層上への施与の後にガラス転移温度を上回る温度に少なくとも1回加熱することにより、本来の形を変化させることなく粒子の溶融を達成し、固定させる場合が有利であり得る。このように、遮断粒子を特に良好に多孔性無機セパレータ層に付着させることを達成できる。
【0090】
この懸濁液の施与、引き続く乾燥並びに場合によるガラス転移温度を上回る温度での加熱は、連続的に、又は半連続的に実施することができる。柔軟なセパレータ電極ユニットを出発材料として使用する場合、該セパレータ電極ユニットを再度ロールから巻き出し、被覆装置、乾燥装置及び場合により加熱装置を通過させ、次いで再度巻き取ることができる。
【0091】
本発明によるセパレータ電極ユニットは、バッテリー、特にリチウムバッテリー中で使用することができる。本発明にかかるセパレータ電極ユニットは、一次及び二次(再充電可能な)リチウムバッテリーに好適である。このセパレータ電極ユニットバッテリーにおいて用いる本発明にかかる使用の場合に、これは、例えば対電極と接続し、かつ電解質で含浸させる。セパレータ層の特に高い多孔率及び孔径並びに小さい層厚により、本発明にかかるセパレータ電極ユニットは、リチウム高出力及び高エネルギーバッテリーにおいて使用するために特に好適である。
【0092】
本発明の対象は、本発明にかかるセパレータ電極ユニットを有するリチウムバッテリーそれ自体でもあり、その際、このバッテリーは一次及び二次バッテリーであってもよい。かかるバッテリーは、リチウム高出力−及び高エネルギーバッテリーであってもよい。本発明にかかるセパレータ電極ユニットのセパレータ層は、かかるリチウムバッテリーの場合には、通常では電解質として、溶剤としてのカーボネート中での大きなアニオンを有するリチウム塩を有する。好適なリチウム塩は、例えばLiClO4、LiBF4、LiAsF6、LiCF3SO3又はLiPF6であり、その際、LiPF6が特に好ましい。溶剤として好適な有機カーボネートは、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート又はジエチルカーボネート又はこれらの混合物である。
【0093】
同様に、本発明にかかるセパレータは、急速充電されるのが望ましいバッテリーにおける使用のために特に好適である。本発明にかかるセパレータの高い温度安定性により、このセパレータを備えたバッテリーは温度感受性を示さず、従って、セパレータを不利に変形させず若しくはバッテリーを損傷させずに、急速充電に基づく温度上昇に耐えることができる。従って、このバッテリーは明らかに急速充電することができる。このことは、この種のバッテリーを電気自動車において使用する場合に明らかに有利である、それというのも、このバッテリーは何時間にもわたり充電する必要がなく、明らかに短時間、すなわちわずかな時間のうちで、有利に1時間未満のうちに充電を実施できるからである。
【0094】
本発明は以下の実施例により説明されるが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0095】
実施例1:本発明にかかる正極の製造
TiO2ゾルの製造のために、10gのTi(i−OProp)4を89gのイソプロパノール中に溶解させる。この溶液に1gの5%HNO3を添加する。生じた沈殿を3日間にわたって室温で磁気撹拌機を用いて撹拌する。80gのLiCoO2(Ferro)、10gの黒鉛(KS6、Timcal)及び2gのカーボンブラック(Superior Graphite)を上述のTiO2ゾル中に分散させる。30μmの厚さを有するアルミニウム箔を、この分散液でブレード塗布工程(ブレード間隔:200μm)により被覆する。この電極を、80〜100℃で温風で乾燥させ、次いで250℃で30分にわたって固定する。
【0096】
実施例2:本発明にかかる負極の製造
TiO2ゾルの製造のために、10gのTi(i−OProp)4を89gのイソプロパノール中に溶解させる。この溶液に1gの5%HNO3を添加する。生じた沈殿を3日間にわたって室温で磁気撹拌機を用いて撹拌する。79gのLiTiO3(試験製品、Degussa、火炎熱分解により製造)、1gのLi2O(Merck)、10gの黒鉛(KS6、Timcal)及び2gのカーボンブラック(Superior Graphite)を上述のTiO2ゾル中に分散させる。
【0097】
30μmの厚さを有するアルミニウム箔を、この分散液でブレード塗布工程(ブレード間隔:200μm)により被覆する。この電極を、80〜100℃で温風で乾燥させ、次いで250℃で30分にわたって固定する。
【0098】
実施例3:本発明にかかるセパレータカソードユニットSEA100Kの製造
75gのAl23(AlCoA、CT3000SG)を160gのエタノール中に分散させる。この溶液に、20gのテトラエトキシシラン(Dynasilan A、Degussa AG)並びに15gの5%HNO3を添加する。この混合物を一晩中撹拌し、Al23粉末の良好な分散液を得る。
【0099】
不連続的なブレード塗布工程(ブレード間隔:50μm、送り:0.5m/min)において、実施例1による電極を被覆し、そいて250℃で30分にわたって乾燥させ、そして固定する。この塗布質量は、約45g/m2であり、セパレータ層厚は20μm足らずである。このセパレータ層の平均孔径は約100nmである。
【0100】
実施例4:本発明にかかるセパレータアノードユニットSEA240Aの製造
75gのAl23(AlCoA、CT3000SG)を160gのエタノール中に分散させる。この溶液に、20gのテトラエトキシシラン(Dynasilan A、Degussa AG)並びに15gの5%HNO3を添加する。この混合物を一晩中撹拌し、Al23粉末の良好な分散液を得る。
【0101】
不連続的なブレード塗布工程(ブレード間隔:50μm、送り:0.5m/min)において、実施例2による電極を被覆し、そいて250℃で30分にわたって乾燥させ、そして固定する。この塗布質量は、約45g/m2であり、セパレータ層厚は20μm足らずである。このセパレータ層の平均孔径は約240nmである。
【0102】
実施例5:本発明にかかるセパレータアノードユニットSEA240Aの製造
50gのZrO2(Degussam、Aerosil VPH)を80gのエタノール及び80gの水中に分散させる。この溶液に、20gのテトラエトキシシラン(Dynasilan A、Degussa AG)並びに15gの5%HNO3を添加する。この混合物を一晩中撹拌し、Al23粉末の良好な分散液を得る。
【0103】
不連続的なブレード塗布工程(ブレード間隔:50μm、送り:0.5m/min)において、実施例2による電極を被覆し、そして250℃で30分にわたって乾燥させ、そして固定する。この塗布質量は、約10g/m2であり、セパレータ層厚は5μm足らずである。このセパレータ層の平均孔径は約30nmである。
【0104】
実施例6:
本発明にかかるセパレータ電極ユニットを収容するリチウムバッテリー
実施例3のセパレータカソードユニット及び実施例2からのアノードから、このセパレータ電極ユニットの負極でのラミネートによりバッテリー電池を作成する。このバッテリーを、エチレンカーボネート/ジメチルカーボネート中のLiPF6の1モル溶液からの電解質で含浸させる。このバッテリーは数百のサイクルにわたって安定して作動する。不可逆的な全損失率は20%未満である。
【0105】
実施例7:
本発明にかかるセパレータ電極ユニットを収容するリチウムバッテリー
実施例1のカソード及び実施例4からのセパレータアノードユニットから、このセパレータ電極ユニットの正極でのラミネートによりバッテリー電池を組み立てる。このバッテリーを、エチレンカーボネート/ジメチルカーボネート中のLiPF6の1モル溶液からの電解質で浸漬させる。このバッテリーは数百のサイクルにわたって安定して作動する。不可逆的な全損失率は20%未満である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リチウムバッテリー中の電極として好適な多孔性電極と、この電極上に施与されたセパレータ層とを有するセパレータ電極ユニットであって、
セパレータ電極ユニット(SEA)が、平均粒度及び/又は金属が互いに異なる少なくとも2つの金属酸化物粒子の分画を有する無機セパレータ層と、活物質粒子が導電性の無機接着剤により互いに、かつ導体電極と結合した電極とを有することを特徴とするセパレータ電極ユニット。
【請求項2】
セパレータ層が、多孔性電極の細孔の平均孔径(d)と比べて大きいか又は小さい平均粒度(Dg)を有する金属酸化物粒子を有し、該金属酸化物粒子は、この多孔性の正極又は負極の細孔と比べて小さい粒度(Dk)を有する金属酸化物粒子により接着されており、その際、このセパレータ層は、多孔性電極の細孔の平均孔径(d)と比べて小さい平均粒度(Dg)を有する金属酸化物粒子が存在する場合に、20Dg未満でこの細孔中に侵入する層を形成することを特徴とする、請求項1に記載のセパレータ電極ユニット。
【請求項3】
セパレータ層が、100Dg未満でかつ1.5Dg以上である厚さ(z)を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のセパレータ電極ユニット。
【請求項4】
多孔性正極の細孔の平均孔径(d)と比べて大きいか又は小さい平均粒度(Dg)を有する金属酸化物粒子がAl23粒子及び/又はZrO2粒子であることを特徴とする、請求項1から3までの何れか1項に記載のセパレータ電極ユニット。
【請求項5】
多孔性正極又は負極の細孔の平均孔径(d)と比べて小さい平均粒度(Dk)を有する金属酸化物粒子がSiO2粒子及び/又はZrO2粒子であることを特徴とする、請求項1から4までの何れか1項に記載のセパレータ電極ユニット。
【請求項6】
多孔性正極又は負極の細孔の平均孔径(d)と比べて大きいか又は小さい平均粒度(Dg)を有する金属酸化物粒子が、10μm未満の平均粒度(Dg)を有することを特徴とする、請求項1から5までの何れか1項に記載のセパレータ電極ユニット。
【請求項7】
セパレータ層が、所望の遮断温度で溶融する粒子、いわゆる遮断粒子を有する更なる被覆物を有することを特徴とする、請求項1から6までの何れか1項に記載のセパレータ電極ユニット。
【請求項8】
セパレータ層が30〜70%の多孔率を有することを特徴とする、請求項1から7までの何れか1項に記載のセパレータ電極ユニット。
【請求項9】
活物質粒子が0.1〜25μmの平均粒度を有することを特徴とする、請求項1から8までの何れか1項に記載のセパレータ電極ユニット。
【請求項10】
正極が、元素Co、Ni、Mn、V、Fe又はPの少なくとも1種を有する活物質を有し、かつ負極が、元素C、Si、Nb、Ti、Mo又はWの少なくとも1種を有する活物質を有することを特徴とする、請求項1から9までの何れか1項に記載のセパレータ電極ユニット。
【請求項11】
正極が、LiNi1-yCoy2(y=0〜1)、LiMn24、LiMnO2、LiFePO4、LiVOPO4及び/又はLiNiVO4から選択された活物質を有し、かつ負極が、黒鉛、ケイ素、黒鉛−ケイ素混合物、リチウム−ケイ素−又はリチウム−スズ含有合金から選択された活物質を有することを特徴とする、請求項10に記載のセパレータ電極ユニット。
【請求項12】
導電性無機接着剤が、1〜100nmの平均粒度を有することを特徴とする、請求項1から11までの何れか1項に記載のセパレータ電極ユニット。
【請求項13】
無機接着剤の粒子が、電極用の活物質の粒子から選択され、その際、正極用の活物質は元素Co、Ni、Mn、V、Fe又はPの少なくとも1種を有し、かつ負極用の活物質は元素C、Si、Nb、Ti、Mo又はWの少なくとも1種を有するか、又は亜酸化チタン、窒化チタン、炭化チタン、ドープされた又はドープされていない酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)及びドープされた又はドープされていない酸化亜鉛から選択された化合物の粒子から選択されることを特徴とする、請求項1から12までの何れか1項に記載のセパレータ電極ユニット。
【請求項14】
ユニットを損傷することなしに1cmまでの半径にまで曲げることができることを特徴とする、請求項1から13までの何れか1項に記載のセパレータ電極ユニット。
【請求項15】
請求項1から14までの何れか1項に記載のセパレータ電極ユニットの製造方法において、
リチウムバッテリー中の正極(カソード)又は負極(アノード)として好適な多孔性電極を、ゾル中に又は溶剤中のナノスケール活物質粒子からの懸濁液中に懸濁された活物質粒子を有する懸濁液を施与し、そしてこの懸濁液を、少なくとも1回の加熱処理により固定して純粋な多孔性無機電極層を導体電極上で得ることにより製造すること、及びこの基材としての電極上に、セパレータ層としての多孔性無機被覆物を、ゾル中に金属酸化物粒子を有する懸濁液を施与し、そして少なくとも1回の加熱処理によりこの電極上に無機セパレータ層を固定することにより製造することを特徴とする方法。
【請求項16】
正極の多孔性電極層の製造のために、元素Co、Ni、Mn、V、Fe又はPの少なくとも1種を有する粒子から選択された活物質粒子を有する懸濁液を使用するか、又は負極の多孔性電極層の製造のために、元素C、Si、Nb、Ti、Mo又はWの少なくとも1種を有する粒子から選択された活物質粒子を有する懸濁液を使用することを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
0.1〜20μmの平均粒度を有する活物質粒子を使用することを特徴とする、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
正極層製造用の懸濁液の製造のために、元素Co、Ni、Mn、V、Fe、P又は亜酸化チタン、窒化チタン、炭化チタン、ドープされた又はドープされていない酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)及びドープされた又はドープされていない酸化亜鉛から選択された化合物の少なくとも1種を有するゾルを使用し、かつ、負極層製造用の懸濁液の製造のために、元素Nb、Ti、Mo、W又は亜酸化チタン、窒化チタン、炭化チタン、ドープされた又はドープされていない酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)及びドープされた又はドープされていない酸化亜鉛から選択された化合物の少なくとも1種を有するゾルを使用するか、又は正極層製造用の懸濁液の製造のために、元素Co、Ni、Mn、V、Fe又はP又は亜酸化チタン、窒化チタン、炭化チタン、ドープされた又はドープされていない酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)及びドープされた又はドープされていない酸化亜鉛から選択された化合物の少なくとも1種を有する50nm未満の平均一次粒度を有するナノスケール粒子の分散液を使用し、かつ負極層製造用の懸濁液の製造のために、元素C、Si、Nb、Ti、Mo又はW又は亜酸化チタン、窒化チタン、炭化チタン、ドープされた又はドープされていない酸化スズ、スズインジウム酸化物(ITO)及びドープされた又はドープされていない酸化亜鉛から選択された化合物の少なくとも1種を有する50nm未満の平均一次粒度を有するナノスケール粒子の分散液を使用し、そしてこの懸濁液を、印刷、圧縮、圧入、ローラ塗布、ブレード塗布、刷毛塗り、浸漬、吹き付け又は流延塗布により導体電極上に施与することを特徴とする、請求項15から17までの何れか1項に記載の方法。
【請求項19】
電極層の製造のために、活物質粒子と、ゾル又はナノスケール活物質粒子を有する懸濁液との質量比が1:100〜2:1である懸濁液を使用することを特徴とする、請求項15から18までの何れか1項に記載の方法。
【請求項20】
導体電極上に施与された懸濁液を50〜700℃に加熱することにより固定することを特徴とする、請求項15から19までの何れか1項に記載の方法。
【請求項21】
加熱を0.1〜10分にわたって300〜500℃の温度で実施することを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
セパレータ層の製造のために、多孔性電極の細孔の平均孔径(d)と比べて大きいか又は小さい平均粒度(Dg)を有する金属酸化物粒子を有する懸濁液を使用し、その際、多孔性電極の平均孔径dと比べて小さい平均粒度Dgを有する粒子が存在する場合、付加的にこの懸濁液中にこの懸濁液の粘度を高める物質が存在し、そしてこの懸濁液をセパレータ層の製造のために、印刷、圧縮、圧入、ローラ塗布、ブレード塗布、刷毛塗り、浸漬、吹き付け又は流延塗布により基材上に施与することを特徴とする、請求項15から21までの何れか1項に記載の方法。
【請求項23】
金属酸化物粒子として、又は使用される電極の多孔性電極の細孔の平均孔径(d)と比べて大きいか又は小さい平均粒度(Dg)を有する金属酸化物粒子として、Al23粒子及び/又はZrO2粒子を使用して懸濁液を製造することを特徴とする、請求項15から22までの何れか1項に記載の方法。
【請求項24】
セパレータ層の製造のために、元素Al、Zr又はSiのゾルの少なくとも1種又はこのゾルの混合物を有し、かつ金属酸化物粒子をこのゾルの少なくとも1種の中に懸濁させることにより製造された懸濁液を使用することを特徴とする、請求項15から23までの何れか1項に記載の方法。
【請求項25】
ゾルを、それぞれの元素の少なくとも1種のアルコレート化合物を水若しくは酸又はこれらの化合物の組合物で加水分解することにより得ることを特徴とする、請求項15から24までの何れか1項に記載の方法。
【請求項26】
電極上に施与された懸濁液を50〜700℃に加熱することにより固定することを特徴とする、請求項15から25までの何れか1項に記載の方法。
【請求項27】
加熱を0.1〜10分にわたって300〜500℃の温度で実施することを特徴とする、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
電極上に施与された懸濁液の固定後に、所望の遮断温度で溶融する粒子、いわゆる遮断粒子からの更なる層を施与して、セパレータ電極ユニットに遮断メカニズムを生じさせることを特徴とする、請求項15から27までの何れか1項に記載の方法。
【請求項29】
請求項1から14までの何れか1項に記載のセパレータ電極ユニットをリチウムバッテリーにおいて用いる使用。
【請求項30】
請求項1から14までの何れか1項に記載のセパレータ電極ユニットを有するリチウムバッテリー。

【公表番号】特表2008−517435(P2008−517435A)
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−537121(P2007−537121)
【出願日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【国際出願番号】PCT/EP2004/052605
【国際公開番号】WO2006/045339
【国際公開日】平成18年5月4日(2006.5.4)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】