リニアガイド装置
【課題】転動体が循環しないタイプで、保持器がスライダより長いリニアガイド装置において、保持器のスライダから外れた部分で、転動体にゴミなどの異物が付着することを防止し、転動体が保持器に安定的に保持されるようにする。
【解決手段】スライダ2の直動方向両端にカバー5を取り付けて、保持器4のスライダ2から外れる部分が全て、スライダ2の移動可能範囲内で常にカバー5に覆われるようにする。
【解決手段】スライダ2の直動方向両端にカバー5を取り付けて、保持器4のスライダ2から外れる部分が全て、スライダ2の移動可能範囲内で常にカバー5に覆われるようにする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、転動体が循環しないタイプで、保持器がスライダより長いリニアガイド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の一般的なリニアガイド装置は、案内レールと、スライダと、複数個の転動体と、を備え、循環経路を転動体が循環することにより、案内レールおよびスライダの一方が他方に対して相対的に直線運動するように構成されている。循環経路は、案内レールおよびスライダに対向配置された転動面で形成される転動通路と、スライダに形成された転動体の戻し通路および方向転換路とからなり、方向転換路が戻し通路と転動通路をつないで転動体を循環させている。
【0003】
近年、工作機械業界では超精密加工のニーズが高まっているが、上述の転動体が循環するタイプのリニアガイド装置では、転動体の循環に伴う微小うねりが避けられず、このタイプのリニアガイド装置を光学部品等の金型を加工するような超精密加工機に適用した場合には、加工物に微小うねりが発生する問題が生じていた。そのため、加工物に対して磨き加工等の後加工が必要となっていた。
【0004】
下記の特許文献1には、エアスライド装置などの高価な装置ではなく、既存の転動体を有するリニアガイド装置を用いて上述の問題が生じないようにできる、転動体が循環しないタイプのリニアガイド装置(移動装置)が記載されている。
このリニアガイド装置では、転動体が案内レールに沿って延びる保持器に回転可能に保持され、この保持器の案内レールに沿った長さがスライダよりも長く形成されている。そして、転動体が保持器のポケット内で回転しながら、案内レールおよびスライダに対向配置された転動面で形成される転動通路を転動することにより、保持器の案内レールに沿った長さに応じた所定距離の範囲で、案内レールおよびスライダの一方が他方に対して相対的に直線運動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−115921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載されたリニアガイド装置は、保持器の案内レールに沿った長さがスライダより長いため、保持器のスライダから外れた部分が露出した状態にある。そのため、使用環境によっては、保持器のスライダから外れた部分で転動体にゴミなどの異物が付着し、損傷の原因になる場合がある。また、リニアガイド装置が外部から大きな振動を受ける使用環境では、保持器のポケット内で転動体がぐらついて騒音が生じたり、保持器から転動体が外れたりすることを防止する必要がある。
【0007】
この発明の課題は、転動体が循環しないタイプで、保持器がスライダより長いリニアガイド装置において、保持器のスライダから外れた部分で、転動体にゴミなどの異物が付着することを防止することと、転動体が保持器に安定的に保持されるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、この発明のリニアガイド装置は、案内レールと、スライダと、複数個の転動体と、を備え、案内レールおよびスライダは、互いに対向配置されて転動体の転動通路を形成する転動面を有し、転動体は案内レールに沿って延びる保持器に回転可能に保持され、保持器の案内レールに沿った長さはスライダよりも長く、転動体が保持器のポケット内で回転しながら前記転動通路を転動することにより、案内レールおよびスライダの一方が他方に対して相対的に直線運動するリニアガイド装置であって、前記スライダの直動方向の少なくとも一端に、前記案内レールに沿って延び、前記保持器のスライダから外れた部分を覆うカバーを設けたことを特徴とする。
【0009】
この発明のリニアガイド装置によれば、前記カバーを設けたことで、保持器に保持されている転動体にゴミなどの異物が付着することを防止できる。また、保持器のスライダから外れた部分がカバーで覆われているため、保持器に保持された転動体とカバーとの隙間を、転動体の直径より小さい適正値に設定することで、転動体が保持器に安定的に保持されるようにできる。
【0010】
案内レールの軌道面に接触するリップ部を有するシールまたは前記軌道面との間に僅かな(例えば0.1〜0.2mmの)隙間を有するシールを、前記カバーのスライダ側とは反対の端部に設けてもよい。
前記カバーとスライダが一つの部材として形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0011】
この発明のリニアガイド装置によれば、保持器のスライダから外れた部分で転動体にゴミなどの異物が付着することを防止でき、転動体が保持器に安定的に保持されるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1実施形態のリニアガイド装置を示す斜視図である。
【図2】図1のリニアガイド装置からカバーを外した斜視図である。
【図3】図1のA−A断面図である。
【図4】図1のリニアガイド装置の部分拡大斜視図である。
【図5】図1のリニアガイド装置の保持器を示す斜視図である。
【図6】図5の保持器の内面側を示す斜視図である。
【図7】図1のリニアガイド装置の保持器と案内レールとボールとの位置関係を示す断面図である。
【図8】図1のリニアガイド装置において、スライダが移動した時の保持器とカバーの動きを示す模式図である。
【図9】第2実施形態のリニアガイド装置を示す斜視図である。
【図10】図9のリニアガイド装置において、スライダが移動した時の保持器とカバーの動きを示す模式図である。
【図11】図9のリニアガイド装置において、シールの固定位置だけを変えた例を示す、スライダと保持器とカバーの関係を示す模式図である。
【図12】第3実施形態のリニアガイド装置を示す斜視図である。
【図13】図12のリニアガイド装置を構成する、スライダとカバーが一体化された部材の内面側を示す斜視図である。
【図14】図12のリニアガイド装置を説明する模式図である。
【図15】2台のスライダを有するリニアガイド装置であって、カバーを外した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明の実施形態について説明する。
図1および図2に示すように、第1実施形態のリニアガイド装置は、案内レール1と、スライダ2と、複数個のボール(転動体)3と、保持器4と、カバー5と、シール6とで構成されている。
図3に示すように、案内レール1およびスライダ2は、互いに対向配置されてボール3の転動通路を形成する転動溝(転動面)11,12,21,22を有する。案内レール1の一方の転動溝11は、スライダ2の脚部2Aと対向する側面に形成されている。案内レール1の他方の転動溝12は上角部に形成されている。スライダ2の両端面にはカバー5を取り付けるねじ穴29が形成されている。
【0014】
スライダ2の脚部2Aおよび胴部2Bには、案内レール1とスライダ2との間に保持器4が入る空間を確保するための凹部23,24が形成されている。スライダ2の一方の転動溝21は、脚部2Aの凹部23の下側から案内レール1側に向く突出部25に形成されている。スライダ2の他方の転動溝22は、胴部2Bの凹部24と両脚部2Aの凹部23との境界部に形成されている。
【0015】
図5〜図7に示すように、保持器4は、案内レール1の上側を覆う上部材41と、案内レール1の側面に配置される側部材42と、側部材42の長手方向両端に配置された端部材43と、端部材43と平行に配置される多数の仕切り板44と、上部材41の長手方向一端から突出するT字状突部45と、上部材41の上面の他方の端部に形成されたT字状凹部46とからなる。
【0016】
保持器4の案内レール1に沿った長さはスライダ2よりも長い。また、保持器4には、上部材41と側部材42との角部に長手方向に延びる開口部が形成されている。仕切り板44は、この開口部で直角に曲がり、側部材42に沿って下端に至る形状である。
この開口部の隣り合う仕切り板44で仕切られた部分と、端部材43と仕切り板44との間の部分が、案内レール1の上角部に形成された転動溝12とこれに対向するスライダ2の転動溝22との間に配置されたボール3のポケット47になっている。ポケット47のスライダ2側の開口寸法(図7のA)は、ボール3の直径より小さい。そのため、カバー5が無くても通常の使用状態でボール3はポケット47から外れない。
【0017】
また、側部材42の下部の隣り合う仕切り板44で仕切られた部分と、端部材43と仕切り板44との間の部分が、案内レール1の側面に形成された転動溝11とこれに対向するスライダ2の転動溝21との間に配置されたボール3のポケット48になっている。ポケット48では、側部材42および仕切り板44が、ボール3を中心線(図7のラインB)より少し下の位置まで保持している。そのため、カバー5が無くても通常の使用状態でボール3はポケット48から外れない。
【0018】
図3、図4、図8に示すように、カバー5は、ボール3が保持された状態の保持器4の全体を覆う本体51と、本体51の長さ方向一端をスライダ2へ固定するための取り付け部52a,52bと、先端にシール6を固定するためのシール固定部53とからなる。
本体51は、図3に示すように、保持器4の上部材41の上側に配置される上側部51aと、保持器4の側部材42の外側に配置される側部51bと、上部材51aから側部51bに向けて斜めに下がる上傾斜部51cと、側部51bから案内レール1側に向けて斜めに下がり、スライダ2の脚部2Aの内側面まで至る下傾斜部51dとからなる。
【0019】
上傾斜部51cは、カバー5の取り付け状態で、ポケット47に保持された(軌道溝12,22間を転動する)ボール3に対して僅かな隙間を有するように形成されている。下傾斜部51dは、カバー5の取り付け状態で、ポケット48に保持された(軌道溝11,21間を転動する)ボール3に対して僅かな隙間を有するように形成されている。これらの隙間を例えばボール3の直径の1/10とする。
【0020】
上傾斜部51cは、保持器4のポケット47に保持されたボール3の斜め上方への動きを規制する。下傾斜部51dは、保持器4のポケット48に保持されたボール3の斜め下方への動きを規制する。よって、このカバー5の存在により、使用状態で強い衝撃が加わった場合でも、ボール3はポケット47,48から外れない。
また、下傾斜部51dがスライダ2の脚部2Aの内側面まで至る形状であるため、カバー5と案内レール1との隙間の最小値は、スライダ2と案内レール1との隙間と同じになっている。なお、カバー5と案内レール1との隙間の最小値は0.1mm〜0.2mmとすることが望ましい。
【0021】
取り付け部52aは、本体51の長さ方向一端で上側部51aから上側に延び、スライダ2の胴部2Bに対してねじ止めされる。取り付け部52bは、本体51の両側部51bから外側に延び、スライダ2の脚部2Aに対してねじ止めされる。
図8に示すように、この実施形態のリニアガイド装置は、スライダ2が距離Sだけ案内レール1に対して移動する際に、保持器4は案内レール1に対して距離S/2だけ移動する。図8(a)は、スライダ2が案内レール1の長さ方向中心に配置された状態を示す。図8(b)は、スライダ2が案内レール1に対する移動可能範囲で最も左側に配置された状態を示し、この状態でも保持器4のスライダ2から外れる部分が全て、カバー5に覆われている。このように、カバー5の本体51の長さ(案内レール1に沿った寸法)は、保持器4のスライダ2から外れる部分が、スライダ2の移動可能範囲内で常にカバー5に覆われた状態になるように設定されている。
【0022】
カバー5は、例えば、鋼やアルミニウムなどからなる金属板の板金加工、ポリアミドやポリアセタールなどの合成樹脂の射出成形で作製することができる。カバー5の下傾斜部51dの先端を案内レール1に接触させる場合には、接触させる部分をエラストマー(合成ゴムや熱可塑性エラストマー)製にして、案内レール1に傷が生じないようにすることが望ましい。
【0023】
シール6は、図4に示すように、案内レール1の軌道溝11,12に接触するリップ部61,62と、カバー5のシール固定部53に対応させた固定部63を有する。このシール6は、固定部63をカバー5のシール固定部53にねじ止めすることで、カバー5のシール固定部53側の端面に配置されて、カバー5の本体51と案内レール1との隙間を塞ぐ。
【0024】
以上のように、この実施形態のリニアガイド装置によれば、スライダ2の直動方向両端にカバー5を取り付けて、保持器4のスライダ2から外れる部分が全て、スライダ2の移動可能範囲内で常にカバー5に覆われるようにしてあるため、保持器4に保持されているボール3に、スライダ2から外れた部分でゴミなどの異物が付着することを防止できる。また、カバー5の先端にシール6を固定しているため、カバー5の先端からカバー5内に異物が入ることが防止できる。
【0025】
また、カバー5の本体51の上傾斜部51cおよび下傾斜部51dにより、保持器4のポケット47,48に保持されたボール3の斜め上方および下方への動きが規制されることで、使用状態で強い衝撃が加わった場合でも、ボール3が保持器4に安定的に保持される。
なお、この実施形態では、案内レール1の軌道溝11,12に接触するリップ部61,62を有するシール6を使用しているため、高い防塵性能が発揮される。しかし、摺動抵抗の増加を抑えたい場合には、案内レール1の軌道溝11,12との間に僅かな(例えば0.1〜0.2mmの)隙間を有するシールを用いることで、摺動抵抗を低く保ちながら一定の防塵効果を得ることができる。
【0026】
第2実施形態のリニアガイド装置は、図9および図10に示すように、第1実施形態と断面形状が同じで長さが長い本体51を有するカバー5を備えている。また、カバー5の先端は開放され、案内レール1の長さ方向両端にシール7がボルトで固定されている。これ以外の点は第1実施形態のリニアガイド装置と同じである。
図9に示すように、シール7は、案内レール1の端面に対応させた下側部分71と、案内レール1より上側に配置される上側部分72とからなる。上側部分72は案内レール1とカバー5の間を塞ぎ、その外縁部がカバー5の内面に摺接する。
【0027】
図10に示すように、この実施形態のリニアガイド装置も、スライダ2が距離Sだけ案内レール1に対して移動する際に、保持器4は案内レール1に対して距離S/2だけ移動する。図10(a)は、スライダ2が案内レール1の長さ方向中心に配置された状態を示す。
図10(b)は、スライダ2が案内レール1に対する移動可能範囲で最も左側に配置された状態を示し、この状態でも案内レール1のスライダ2から外れる部分が全てカバー5に覆われている。このように、カバー5の本体51の長さ(案内レール1に沿った寸法)は、案内レール1がスライダ2の移動可能範囲内で常にカバー5に覆われた状態になるように設定されている。
【0028】
これにより、保持器4のスライダ2から外れる部分が全て常にカバー5に覆われた状態となり、案内レール1に固定されたシール7で、カバー5の長さ方向端部からカバー5内に異物が入ることが防止される。そのため、保持器4に保持されているボール3に、スライダ2から外れた部分でゴミなどの異物が付着することを防止できる。
また、第1実施形態のシール6は、案内レール1の軌道溝11、12に対応させた複雑な形状のリップ部61,62が必要であるが、第2実施形態のシール7はカバー5の本体51の内側形状に合わせればよいため、単純な形状にすることができる。
【0029】
図9のリニアガイド装置では、シール7を案内レール1の両端面に固定しているが、図11に示すように、シール7Aを、案内レール1の長さ方向両端より内側で保持器4の移動範囲外となる位置に固定してもよい。このシール7Aは、図9のシール7の下側部分71に案内レール1に嵌める凹部を設けた形状を有する。
図12に示すように、第3実施形態のリニアガイド装置は、スライダとカバーが一体化されたスライド部材8を備え、その両端面にシール7Bが固定されている。それ以外の点は図1の第1実施形態のリニアガイド装置と同じである。
【0030】
スライド部材8は、スライダ部81とカバー部82とからなり、スライダ部81の取り付け穴81Aが形成されている部分が、カバー部82より高く形成されている。スライダ部81は第1実施形態のスライダ2と同じ形状であり、その長さ方向両端に略同じ断面形状のカバー部82が一体に形成されている。
スライダ部81には、第1実施形態のスライダ2と同じ軌道溝21,22が形成され、カバー部82には軌道溝21,22に連続する保持溝が形成されている。カバー部82の保持溝は、スライダ部81の軌道溝21,22より断面が少し大きく形成され、保持溝と接触しているボール3に負荷が生じないようにしてある。
【0031】
この実施形態のリニアガイド装置は、第1および第2実施形態のリニアガイド装置よりも部品点数が減るため、製造コストを低減することができる。
スライド部材8は、通常のスライダと同じ方法で作製することができる。軌道溝および保持溝は共に研削加工で形成してもよいし、保持溝を切削加工した後に軌道溝を研削加工してもよい。軌道溝および保持溝を共に研削加工で形成する場合、ボールに負荷が生じない範囲で保持溝の形状を軌道溝に近づける(保持溝とボールとの隙間を例えば数μm〜数十μmとする)ことにより、カバー部82内でのボールのぐらつきを小さくできる。その結果、騒音の発生が防止できる。
【0032】
複数台のスライダ2を有するリニアガイド装置の場合(図15は2台有する例を示す)には、隣り合うスライダ2の間にもカバーを固定して、保持器4を全長に渡って覆うことが望ましい。
なお、上記各実施形態では転動体がボールの例を示しているが、転動体がローラの場合にはローラー用の保持器を使用し、これを覆うカバーを設ければよい。
【符号の説明】
【0033】
1 案内レール
11,12 案内レールの転動溝(転動面)
2 スライダ
21,22 スライダの転動溝(転動面)
3 ボール(転動体)
4 保持器
5 カバー
6 シール
7 シール
7A シール
8 スライド部材
81 スライダ部
82 カバー部
【技術分野】
【0001】
この発明は、転動体が循環しないタイプで、保持器がスライダより長いリニアガイド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の一般的なリニアガイド装置は、案内レールと、スライダと、複数個の転動体と、を備え、循環経路を転動体が循環することにより、案内レールおよびスライダの一方が他方に対して相対的に直線運動するように構成されている。循環経路は、案内レールおよびスライダに対向配置された転動面で形成される転動通路と、スライダに形成された転動体の戻し通路および方向転換路とからなり、方向転換路が戻し通路と転動通路をつないで転動体を循環させている。
【0003】
近年、工作機械業界では超精密加工のニーズが高まっているが、上述の転動体が循環するタイプのリニアガイド装置では、転動体の循環に伴う微小うねりが避けられず、このタイプのリニアガイド装置を光学部品等の金型を加工するような超精密加工機に適用した場合には、加工物に微小うねりが発生する問題が生じていた。そのため、加工物に対して磨き加工等の後加工が必要となっていた。
【0004】
下記の特許文献1には、エアスライド装置などの高価な装置ではなく、既存の転動体を有するリニアガイド装置を用いて上述の問題が生じないようにできる、転動体が循環しないタイプのリニアガイド装置(移動装置)が記載されている。
このリニアガイド装置では、転動体が案内レールに沿って延びる保持器に回転可能に保持され、この保持器の案内レールに沿った長さがスライダよりも長く形成されている。そして、転動体が保持器のポケット内で回転しながら、案内レールおよびスライダに対向配置された転動面で形成される転動通路を転動することにより、保持器の案内レールに沿った長さに応じた所定距離の範囲で、案内レールおよびスライダの一方が他方に対して相対的に直線運動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−115921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載されたリニアガイド装置は、保持器の案内レールに沿った長さがスライダより長いため、保持器のスライダから外れた部分が露出した状態にある。そのため、使用環境によっては、保持器のスライダから外れた部分で転動体にゴミなどの異物が付着し、損傷の原因になる場合がある。また、リニアガイド装置が外部から大きな振動を受ける使用環境では、保持器のポケット内で転動体がぐらついて騒音が生じたり、保持器から転動体が外れたりすることを防止する必要がある。
【0007】
この発明の課題は、転動体が循環しないタイプで、保持器がスライダより長いリニアガイド装置において、保持器のスライダから外れた部分で、転動体にゴミなどの異物が付着することを防止することと、転動体が保持器に安定的に保持されるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、この発明のリニアガイド装置は、案内レールと、スライダと、複数個の転動体と、を備え、案内レールおよびスライダは、互いに対向配置されて転動体の転動通路を形成する転動面を有し、転動体は案内レールに沿って延びる保持器に回転可能に保持され、保持器の案内レールに沿った長さはスライダよりも長く、転動体が保持器のポケット内で回転しながら前記転動通路を転動することにより、案内レールおよびスライダの一方が他方に対して相対的に直線運動するリニアガイド装置であって、前記スライダの直動方向の少なくとも一端に、前記案内レールに沿って延び、前記保持器のスライダから外れた部分を覆うカバーを設けたことを特徴とする。
【0009】
この発明のリニアガイド装置によれば、前記カバーを設けたことで、保持器に保持されている転動体にゴミなどの異物が付着することを防止できる。また、保持器のスライダから外れた部分がカバーで覆われているため、保持器に保持された転動体とカバーとの隙間を、転動体の直径より小さい適正値に設定することで、転動体が保持器に安定的に保持されるようにできる。
【0010】
案内レールの軌道面に接触するリップ部を有するシールまたは前記軌道面との間に僅かな(例えば0.1〜0.2mmの)隙間を有するシールを、前記カバーのスライダ側とは反対の端部に設けてもよい。
前記カバーとスライダが一つの部材として形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0011】
この発明のリニアガイド装置によれば、保持器のスライダから外れた部分で転動体にゴミなどの異物が付着することを防止でき、転動体が保持器に安定的に保持されるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1実施形態のリニアガイド装置を示す斜視図である。
【図2】図1のリニアガイド装置からカバーを外した斜視図である。
【図3】図1のA−A断面図である。
【図4】図1のリニアガイド装置の部分拡大斜視図である。
【図5】図1のリニアガイド装置の保持器を示す斜視図である。
【図6】図5の保持器の内面側を示す斜視図である。
【図7】図1のリニアガイド装置の保持器と案内レールとボールとの位置関係を示す断面図である。
【図8】図1のリニアガイド装置において、スライダが移動した時の保持器とカバーの動きを示す模式図である。
【図9】第2実施形態のリニアガイド装置を示す斜視図である。
【図10】図9のリニアガイド装置において、スライダが移動した時の保持器とカバーの動きを示す模式図である。
【図11】図9のリニアガイド装置において、シールの固定位置だけを変えた例を示す、スライダと保持器とカバーの関係を示す模式図である。
【図12】第3実施形態のリニアガイド装置を示す斜視図である。
【図13】図12のリニアガイド装置を構成する、スライダとカバーが一体化された部材の内面側を示す斜視図である。
【図14】図12のリニアガイド装置を説明する模式図である。
【図15】2台のスライダを有するリニアガイド装置であって、カバーを外した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明の実施形態について説明する。
図1および図2に示すように、第1実施形態のリニアガイド装置は、案内レール1と、スライダ2と、複数個のボール(転動体)3と、保持器4と、カバー5と、シール6とで構成されている。
図3に示すように、案内レール1およびスライダ2は、互いに対向配置されてボール3の転動通路を形成する転動溝(転動面)11,12,21,22を有する。案内レール1の一方の転動溝11は、スライダ2の脚部2Aと対向する側面に形成されている。案内レール1の他方の転動溝12は上角部に形成されている。スライダ2の両端面にはカバー5を取り付けるねじ穴29が形成されている。
【0014】
スライダ2の脚部2Aおよび胴部2Bには、案内レール1とスライダ2との間に保持器4が入る空間を確保するための凹部23,24が形成されている。スライダ2の一方の転動溝21は、脚部2Aの凹部23の下側から案内レール1側に向く突出部25に形成されている。スライダ2の他方の転動溝22は、胴部2Bの凹部24と両脚部2Aの凹部23との境界部に形成されている。
【0015】
図5〜図7に示すように、保持器4は、案内レール1の上側を覆う上部材41と、案内レール1の側面に配置される側部材42と、側部材42の長手方向両端に配置された端部材43と、端部材43と平行に配置される多数の仕切り板44と、上部材41の長手方向一端から突出するT字状突部45と、上部材41の上面の他方の端部に形成されたT字状凹部46とからなる。
【0016】
保持器4の案内レール1に沿った長さはスライダ2よりも長い。また、保持器4には、上部材41と側部材42との角部に長手方向に延びる開口部が形成されている。仕切り板44は、この開口部で直角に曲がり、側部材42に沿って下端に至る形状である。
この開口部の隣り合う仕切り板44で仕切られた部分と、端部材43と仕切り板44との間の部分が、案内レール1の上角部に形成された転動溝12とこれに対向するスライダ2の転動溝22との間に配置されたボール3のポケット47になっている。ポケット47のスライダ2側の開口寸法(図7のA)は、ボール3の直径より小さい。そのため、カバー5が無くても通常の使用状態でボール3はポケット47から外れない。
【0017】
また、側部材42の下部の隣り合う仕切り板44で仕切られた部分と、端部材43と仕切り板44との間の部分が、案内レール1の側面に形成された転動溝11とこれに対向するスライダ2の転動溝21との間に配置されたボール3のポケット48になっている。ポケット48では、側部材42および仕切り板44が、ボール3を中心線(図7のラインB)より少し下の位置まで保持している。そのため、カバー5が無くても通常の使用状態でボール3はポケット48から外れない。
【0018】
図3、図4、図8に示すように、カバー5は、ボール3が保持された状態の保持器4の全体を覆う本体51と、本体51の長さ方向一端をスライダ2へ固定するための取り付け部52a,52bと、先端にシール6を固定するためのシール固定部53とからなる。
本体51は、図3に示すように、保持器4の上部材41の上側に配置される上側部51aと、保持器4の側部材42の外側に配置される側部51bと、上部材51aから側部51bに向けて斜めに下がる上傾斜部51cと、側部51bから案内レール1側に向けて斜めに下がり、スライダ2の脚部2Aの内側面まで至る下傾斜部51dとからなる。
【0019】
上傾斜部51cは、カバー5の取り付け状態で、ポケット47に保持された(軌道溝12,22間を転動する)ボール3に対して僅かな隙間を有するように形成されている。下傾斜部51dは、カバー5の取り付け状態で、ポケット48に保持された(軌道溝11,21間を転動する)ボール3に対して僅かな隙間を有するように形成されている。これらの隙間を例えばボール3の直径の1/10とする。
【0020】
上傾斜部51cは、保持器4のポケット47に保持されたボール3の斜め上方への動きを規制する。下傾斜部51dは、保持器4のポケット48に保持されたボール3の斜め下方への動きを規制する。よって、このカバー5の存在により、使用状態で強い衝撃が加わった場合でも、ボール3はポケット47,48から外れない。
また、下傾斜部51dがスライダ2の脚部2Aの内側面まで至る形状であるため、カバー5と案内レール1との隙間の最小値は、スライダ2と案内レール1との隙間と同じになっている。なお、カバー5と案内レール1との隙間の最小値は0.1mm〜0.2mmとすることが望ましい。
【0021】
取り付け部52aは、本体51の長さ方向一端で上側部51aから上側に延び、スライダ2の胴部2Bに対してねじ止めされる。取り付け部52bは、本体51の両側部51bから外側に延び、スライダ2の脚部2Aに対してねじ止めされる。
図8に示すように、この実施形態のリニアガイド装置は、スライダ2が距離Sだけ案内レール1に対して移動する際に、保持器4は案内レール1に対して距離S/2だけ移動する。図8(a)は、スライダ2が案内レール1の長さ方向中心に配置された状態を示す。図8(b)は、スライダ2が案内レール1に対する移動可能範囲で最も左側に配置された状態を示し、この状態でも保持器4のスライダ2から外れる部分が全て、カバー5に覆われている。このように、カバー5の本体51の長さ(案内レール1に沿った寸法)は、保持器4のスライダ2から外れる部分が、スライダ2の移動可能範囲内で常にカバー5に覆われた状態になるように設定されている。
【0022】
カバー5は、例えば、鋼やアルミニウムなどからなる金属板の板金加工、ポリアミドやポリアセタールなどの合成樹脂の射出成形で作製することができる。カバー5の下傾斜部51dの先端を案内レール1に接触させる場合には、接触させる部分をエラストマー(合成ゴムや熱可塑性エラストマー)製にして、案内レール1に傷が生じないようにすることが望ましい。
【0023】
シール6は、図4に示すように、案内レール1の軌道溝11,12に接触するリップ部61,62と、カバー5のシール固定部53に対応させた固定部63を有する。このシール6は、固定部63をカバー5のシール固定部53にねじ止めすることで、カバー5のシール固定部53側の端面に配置されて、カバー5の本体51と案内レール1との隙間を塞ぐ。
【0024】
以上のように、この実施形態のリニアガイド装置によれば、スライダ2の直動方向両端にカバー5を取り付けて、保持器4のスライダ2から外れる部分が全て、スライダ2の移動可能範囲内で常にカバー5に覆われるようにしてあるため、保持器4に保持されているボール3に、スライダ2から外れた部分でゴミなどの異物が付着することを防止できる。また、カバー5の先端にシール6を固定しているため、カバー5の先端からカバー5内に異物が入ることが防止できる。
【0025】
また、カバー5の本体51の上傾斜部51cおよび下傾斜部51dにより、保持器4のポケット47,48に保持されたボール3の斜め上方および下方への動きが規制されることで、使用状態で強い衝撃が加わった場合でも、ボール3が保持器4に安定的に保持される。
なお、この実施形態では、案内レール1の軌道溝11,12に接触するリップ部61,62を有するシール6を使用しているため、高い防塵性能が発揮される。しかし、摺動抵抗の増加を抑えたい場合には、案内レール1の軌道溝11,12との間に僅かな(例えば0.1〜0.2mmの)隙間を有するシールを用いることで、摺動抵抗を低く保ちながら一定の防塵効果を得ることができる。
【0026】
第2実施形態のリニアガイド装置は、図9および図10に示すように、第1実施形態と断面形状が同じで長さが長い本体51を有するカバー5を備えている。また、カバー5の先端は開放され、案内レール1の長さ方向両端にシール7がボルトで固定されている。これ以外の点は第1実施形態のリニアガイド装置と同じである。
図9に示すように、シール7は、案内レール1の端面に対応させた下側部分71と、案内レール1より上側に配置される上側部分72とからなる。上側部分72は案内レール1とカバー5の間を塞ぎ、その外縁部がカバー5の内面に摺接する。
【0027】
図10に示すように、この実施形態のリニアガイド装置も、スライダ2が距離Sだけ案内レール1に対して移動する際に、保持器4は案内レール1に対して距離S/2だけ移動する。図10(a)は、スライダ2が案内レール1の長さ方向中心に配置された状態を示す。
図10(b)は、スライダ2が案内レール1に対する移動可能範囲で最も左側に配置された状態を示し、この状態でも案内レール1のスライダ2から外れる部分が全てカバー5に覆われている。このように、カバー5の本体51の長さ(案内レール1に沿った寸法)は、案内レール1がスライダ2の移動可能範囲内で常にカバー5に覆われた状態になるように設定されている。
【0028】
これにより、保持器4のスライダ2から外れる部分が全て常にカバー5に覆われた状態となり、案内レール1に固定されたシール7で、カバー5の長さ方向端部からカバー5内に異物が入ることが防止される。そのため、保持器4に保持されているボール3に、スライダ2から外れた部分でゴミなどの異物が付着することを防止できる。
また、第1実施形態のシール6は、案内レール1の軌道溝11、12に対応させた複雑な形状のリップ部61,62が必要であるが、第2実施形態のシール7はカバー5の本体51の内側形状に合わせればよいため、単純な形状にすることができる。
【0029】
図9のリニアガイド装置では、シール7を案内レール1の両端面に固定しているが、図11に示すように、シール7Aを、案内レール1の長さ方向両端より内側で保持器4の移動範囲外となる位置に固定してもよい。このシール7Aは、図9のシール7の下側部分71に案内レール1に嵌める凹部を設けた形状を有する。
図12に示すように、第3実施形態のリニアガイド装置は、スライダとカバーが一体化されたスライド部材8を備え、その両端面にシール7Bが固定されている。それ以外の点は図1の第1実施形態のリニアガイド装置と同じである。
【0030】
スライド部材8は、スライダ部81とカバー部82とからなり、スライダ部81の取り付け穴81Aが形成されている部分が、カバー部82より高く形成されている。スライダ部81は第1実施形態のスライダ2と同じ形状であり、その長さ方向両端に略同じ断面形状のカバー部82が一体に形成されている。
スライダ部81には、第1実施形態のスライダ2と同じ軌道溝21,22が形成され、カバー部82には軌道溝21,22に連続する保持溝が形成されている。カバー部82の保持溝は、スライダ部81の軌道溝21,22より断面が少し大きく形成され、保持溝と接触しているボール3に負荷が生じないようにしてある。
【0031】
この実施形態のリニアガイド装置は、第1および第2実施形態のリニアガイド装置よりも部品点数が減るため、製造コストを低減することができる。
スライド部材8は、通常のスライダと同じ方法で作製することができる。軌道溝および保持溝は共に研削加工で形成してもよいし、保持溝を切削加工した後に軌道溝を研削加工してもよい。軌道溝および保持溝を共に研削加工で形成する場合、ボールに負荷が生じない範囲で保持溝の形状を軌道溝に近づける(保持溝とボールとの隙間を例えば数μm〜数十μmとする)ことにより、カバー部82内でのボールのぐらつきを小さくできる。その結果、騒音の発生が防止できる。
【0032】
複数台のスライダ2を有するリニアガイド装置の場合(図15は2台有する例を示す)には、隣り合うスライダ2の間にもカバーを固定して、保持器4を全長に渡って覆うことが望ましい。
なお、上記各実施形態では転動体がボールの例を示しているが、転動体がローラの場合にはローラー用の保持器を使用し、これを覆うカバーを設ければよい。
【符号の説明】
【0033】
1 案内レール
11,12 案内レールの転動溝(転動面)
2 スライダ
21,22 スライダの転動溝(転動面)
3 ボール(転動体)
4 保持器
5 カバー
6 シール
7 シール
7A シール
8 スライド部材
81 スライダ部
82 カバー部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
案内レールと、スライダと、複数個の転動体と、を備え、
案内レールおよびスライダは、互いに対向配置されて転動体の転動通路を形成する転動面を有し、
転動体は案内レールに沿って延びる保持器に回転可能に保持され、保持器の案内レールに沿った長さはスライダよりも長く、
転動体が保持器のポケット内で回転しながら前記転動通路を転動することにより、案内レールおよびスライダの一方が他方に対して相対的に直線運動するリニアガイド装置であって、
前記スライダの直動方向の少なくとも一端に、前記案内レールに沿って延び、前記保持器のスライダから外れた部分を覆うカバーを設けたことを特徴とするリニアガイド装置。
【請求項2】
保持器に保持された転動体とカバーとの隙間が、転動体の直径より小さく形成された請求項1記載のリニアガイド装置。
【請求項3】
案内レールの軌道面に接触するリップ部を有するシールまたは前記軌道面との間に僅かな隙間を有するシールを、前記カバーのスライダ側とは反対の端部に設けた請求項1または2記載のリニアガイド装置。
【請求項4】
前記カバーとスライダが一つの部材として形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のリニアガイド装置。
【請求項1】
案内レールと、スライダと、複数個の転動体と、を備え、
案内レールおよびスライダは、互いに対向配置されて転動体の転動通路を形成する転動面を有し、
転動体は案内レールに沿って延びる保持器に回転可能に保持され、保持器の案内レールに沿った長さはスライダよりも長く、
転動体が保持器のポケット内で回転しながら前記転動通路を転動することにより、案内レールおよびスライダの一方が他方に対して相対的に直線運動するリニアガイド装置であって、
前記スライダの直動方向の少なくとも一端に、前記案内レールに沿って延び、前記保持器のスライダから外れた部分を覆うカバーを設けたことを特徴とするリニアガイド装置。
【請求項2】
保持器に保持された転動体とカバーとの隙間が、転動体の直径より小さく形成された請求項1記載のリニアガイド装置。
【請求項3】
案内レールの軌道面に接触するリップ部を有するシールまたは前記軌道面との間に僅かな隙間を有するシールを、前記カバーのスライダ側とは反対の端部に設けた請求項1または2記載のリニアガイド装置。
【請求項4】
前記カバーとスライダが一つの部材として形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のリニアガイド装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−276076(P2010−276076A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−127711(P2009−127711)
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】
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