リブ形成装置およびリブ形成方法
【課題】リブの端部近傍における形状の乱れを抑制する。
【解決手段】リブ形成装置は、基板9の主面91に向かうとともに主面91に対して傾斜する吐出方向に吐出口422からリブ形成材料81を吐出する吐出部を備え、吐出口422からリブ形成材料81が吐出される間に、吐出側とは反対の方向に主面91に沿って吐出口422を基板9に対して相対的に移動することにより、主面91上に吐出されつつ硬化するリブ形成材料81にてリブが形成される。リブ形成装置では、リブ形成材料81の吐出開始時に、吐出口422に近接する位置にリブ支持部61が配置され、吐出開始直後のリブ形成材料81がリブ支持部61に付着することによりリブの端部が支持される。これにより、リブの端部近傍における形状の乱れが抑制される。
【解決手段】リブ形成装置は、基板9の主面91に向かうとともに主面91に対して傾斜する吐出方向に吐出口422からリブ形成材料81を吐出する吐出部を備え、吐出口422からリブ形成材料81が吐出される間に、吐出側とは反対の方向に主面91に沿って吐出口422を基板9に対して相対的に移動することにより、主面91上に吐出されつつ硬化するリブ形成材料81にてリブが形成される。リブ形成装置では、リブ形成材料81の吐出開始時に、吐出口422に近接する位置にリブ支持部61が配置され、吐出開始直後のリブ形成材料81がリブ支持部61に付着することによりリブの端部が支持される。これにより、リブの端部近傍における形状の乱れが抑制される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上にリブを形成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、プラズマ表示装置等の平面表示装置に用いられるパネルにリブを形成する様々な手法が知られており、微細な吐出口を有するノズルを走査しつつノズルからペースト状のリブ形成材料を吐出してガラスの基板上にリブを形成するリブ形成装置も提案されている。また、通常、幅に対する高さの比であるアスペクト比が1以上のリブの形成が必要となり、近年では、平面表示装置の種類によっては、アスペクト比が10以上となるリブが必要となる場合もある。
【0003】
なお、特許文献1では、吐出口から吐出される蛍光体インキを基板上の隔壁(リブ)間の溝との間で架橋させた状態で、吐出口を隔壁に沿って走査して隔壁間に蛍光体インキを精度よく付与する技術が開示されている。
【特許文献1】特開平11−40065号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記リブ形成装置にて高アスペクト比のリブを形成する場合に各種条件によっては、リブ形成の開始位置近傍にて重力の影響によりリブが倒れる等、形状が乱れることがある。このように、一旦、形状が乱れた部分は、通常、走査方向に長く連続してしまうため、基板において表示装置として利用することができない部分が大きくなってしまい、表示装置を効率よく製造することができなくなる。光硬化性を有するリブ形成材料を用いつつ吐出口の極近傍にてリブ形成材料に光を照射してリブ形成材料を硬化させることにより、上記の形状の乱れを防止することも考えられるが、この場合、吐出口にてリブ形成材料が硬化してノズルが詰まるという別の問題が生じてしまう。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、リブの端部近傍における形状の乱れを抑制することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、基板上にリブを形成するリブ形成装置であって、基板の主面に向かうとともに前記主面に対して傾斜する吐出方向に吐出口からリブ形成材料を吐出する吐出部と、前記吐出口からリブ形成材料が吐出される間に、吐出側とは反対の方向に前記主面に沿って前記吐出口を前記基板に対して相対的に移動することにより、前記主面上に吐出されつつ硬化するリブ形成材料にて前記反対の方向に伸びるリブを形成する移動機構と、リブ形成材料の吐出開始時に前記吐出口に近接する位置に配置され、吐出開始直後のリブ形成材料が付着することによりリブの端部を支持するリブ支持部とを備える。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のリブ形成装置であって、前記リブ支持部が、前記リブの形成方向に向かって突出するとともに吐出開始直後のリブ形成材料が付着する突出部を備える。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のリブ形成装置であって、前記リブ支持部が、前記リブの形成方向に向かって突出するとともに吐出開始直後のリブ形成材料が付着する複数の突出部を備え、前記複数の突出部の前記基板の前記主面からの高さが異なる。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のリブ形成装置であって、前記複数の突出部が、スペーサを介して積層された複数のプレートの一部である。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項2ないし4のいずれかに記載のリブ形成装置であって、前記基板の前記主面に平行に前記リブ支持部を移動して前記リブの前記端部から分離する機構をさらに備える。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載のリブ形成装置であって、前記吐出口の全体または大部分が形成される前記吐出部の開口面が、その法線が吐出側にて前記基板と交差するように傾斜している。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のリブ形成装置であって、前記リブ支持部の前記吐出口側の部位が、前記吐出部の前記開口面におよそ平行な傾斜部となっている。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載のリブ形成装置であって、前記主面上に吐出されたリブ形成材料に光を照射する光照射部をさらに備え、前記リブ形成材料が光硬化性を有する。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし8のいずれかに記載のリブ形成装置であって、前記吐出部がリブ形成材料を吐出する複数の吐出口を配列して備える。
【0015】
請求項10に記載の発明は、基板上にリブを形成するリブ形成方法であって、a)基板の主面上にリブ支持部を配置する工程と、b)吐出部の吐出口を前記リブ支持部に近接させる工程と、c)前記基板の前記主面に向かうとともに前記主面に対して傾斜する吐出方向に前記吐出口からリブ形成材料を吐出しつつ、吐出側とは反対の方向に前記主面に沿って前記吐出口を前記基板に対して相対的に移動することにより、前記吐出口から前記主面上に吐出されつつ硬化するリブ形成材料にて前記反対の方向に伸びるリブを形成する工程とを備え、前記c)工程において、吐出開始直後のリブ形成材料が前記リブ支持部に付着して前記リブの端部が前記リブ支持部に支持される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、リブの端部をリブ支持部にて支持することにより、リブの端部近傍における形状の乱れを抑制することができる。
【0017】
また、請求項2ないし5の発明では、リブの端部近傍における形状の乱れを安定して抑制することができ、請求項3および4の発明では、リブの端部を安定して支持することにより、リブの端部近傍における形状の乱れを確実に抑制することができ、請求項4の発明では、複数の突出部を有するリブ支持部を容易に作製することができる。
【0018】
また、請求項5の発明では、突出部を有するリブ支持部をリブから容易に分離することができ、請求項6および7の発明では、アスペクト比の高い状態でリブ形成材料を安定して吐出することができ、請求項7の発明では、傾斜した開口面を有する吐出部からリブ形成材料を吐出することにより形成されるリブの端部を安定して支持することができる。
【0019】
また、請求項8の発明では、リブ形成材料を容易に硬化させることができ、請求項9の発明では、互いに隣接するリブ間の接触を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1はリブ形成装置1の構成を示す図である。リブ形成装置1は、プラズマ表示装置や電界放出表示装置(Field Emission Display)等の平面表示装置用のガラス基板(以下、「基板」という。)9上にリブ(平面表示装置の種類によっては、スペーサとも呼ばれる。)のパターンを形成する装置であり、リブが形成された基板9は他の工程を介して平面表示装置の組立部品であるパネルとなる。
【0021】
リブ形成装置1では、基台11上にステージ移動機構2が設けられ、ステージ移動機構2により基板9を保持するステージ20が図1中に示すX方向に移動可能とされる。基台11にはステージ20を跨ぐようにしてフレーム12が固定され、フレーム12にはヘッド移動機構3を介してヘッド部4が取り付けられる。
【0022】
ステージ移動機構2は、モータ21にボールねじ22が接続され、さらに、ステージ20に固定されたナット23がボールねじ22に取り付けられた構造となっている。ボールねじ22の上方にはガイドレール24が固定され、モータ21が回転すると、ナット23とともにステージ20がガイドレール24に沿ってX方向に滑らかに移動する(すなわち、ヘッド部4が基板9に対して相対的に主走査する。)。また、ステージ20上には、リブの形成の際に、後述するリブ支持部61を基板9上に配置する支持部移動機構62が設けられる。
【0023】
ヘッド移動機構3はフレーム12に支持されたモータ31、モータ31の回転軸に接続されたボールねじ32、および、ボールねじ32に取り付けられたナット33を有し、モータ31が回転することによりナット33が図1中のY方向に移動する。ナット33にはヘッド部4のベース40が取り付けられ、これにより、ヘッド部4がY方向に移動(副走査)可能とされる。ベース40はフレーム12に固定されたガイドレール34に接続され、ガイドレール34により滑らかに案内される。
【0024】
ヘッド部4は、基板9上にペースト状のリブ形成材料を吐出する吐出部42、および、基板9に向けて紫外線を出射する光照射部43を有し、吐出部42および光照射部43はベース40に固定される昇降機構41の下部に取り付けられる。リブ形成材料は、紫外線により硬化(架橋反応)が開始する光開始剤や、バインダである樹脂、さらには、ガラスの粉体である低軟化点ガラスフリットを含む。吐出部42の下面には、Y方向に配列された複数の吐出口を有するノズル421が着脱可能に取り付けられる。光照射部43は吐出部42の(−X)側において基板9に向かって光を出射し、各吐出口に対応する光のスポットを基板9上に形成する。
【0025】
吐出部42には逆止弁441を有する供給管442が取り付けられ、供給管442は分岐しており、一方がポンプ443に接続され、他方が制御弁444を介してリブ形成材料を貯溜するタンク445に接続される。光照射部43は光ファイバ431を介して紫外線を発生する光源ユニット432に接続される。
【0026】
図2はノズル421の先端近傍を拡大して示す図である。図2に示すように、ノズル421において各吐出口422へと連続する流路423(図2では、1つの吐出口422および1つの流路423のみに符号を付している。後述する図6および図7において同様。)は、ZX平面に平行かつZ方向に対して傾斜した方向(例えば、45度だけ傾斜した方向)に伸びている。これにより、基板9の主面91に向かうとともに主面91に対して傾斜する吐出方向に吐出口422からリブ形成材料81が吐出される。また、ノズル421の開口面424(ノズル421の先端における複数の吐出口422を含む面)も、同様にその法線がZX平面に平行かつZ方向に対して傾斜している。ノズル421の図2中の(−Z)側の部位には、基板9の主面91に平行な対向面425が形成され、リブ形成装置1では、必要に応じて昇降機構41がノズル421をZ方向に移動することにより、リブの形成時におけるノズル421の対向面425と基板9の主面91との間の間隙がほぼ一定の微小な幅にて保たれ、ノズル421が常時、基板9の主面91に近接した状態とされる。本実施の形態では、200個の吐出口422が、Y方向に約100mmの幅に亘ってピッチ500μmにて並んでいる。
【0027】
図3は、リブ支持部61および支持部移動機構62を示す図であり、図4は、リブ支持部61を示す正面図である。図4に示すように、リブ支持部61はノズル421の複数の吐出口422(図4中に二点鎖線にて仮想的に示している。)の配列方向と同じY方向に長くなっており、例えば、長さ110mmとされる。リブ支持部61は、ステンレス鋼にて形成されるとともに基板9の主面91に平行な水平方向に伸びる複数のプレート611(テープと捉えることもできる。)をスペーサ612を介してZ方向に積層し、これらの部材を上支持部材613および下支持部材614にて挟んで固定することにより形成される。図4に示すように、各吐出口422に正確に対向する複数のプレート611の部位のYZ平面に平行な断面の面積は、吐出口422のYZ平面に平行な断面の面積よりも十分に小さくなっている。なお、各プレート611の厚さは例えば50〜100μmとされ、図3および図4では図示の都合上、各プレート611を実際よりも厚く示している(後述する図6および図7において同様)。
【0028】
図3に示すように、複数のプレート611では基板9の主面91側((−Z)側)に配置されるものほどX方向に長くされ、複数のスペーサ612も同様に主面91側に配置されるものほどX方向に長くされる。各スペーサ612のX方向の長さは隣接するプレート611よりも短くされ、複数のプレート611および複数のスペーサ612の(−X)側の端部はX方向の同一の位置に配置される。したがって、リブ支持部61では、各プレート611の(+X)側の端部が(+X)側に所定の長さ(好ましくは1mm以上であり、本実施の形態では2mm)だけ突出する突出部615となっている。複数の突出部615は基板9の主面91を基準として高さ600μm〜5000μmの範囲内で互いに異なる高さに配置されており、(−Z)側に配置されるものほど先端が(+X)側に位置している。このように、リブ支持部61の最も(+X)側の部位である複数の突出部615の先端の集合は、基板9の主面91の法線に対して傾斜する傾斜部となっている。
【0029】
また、リブ支持部61の(−X)側の部位は支持棒621を介して支持部移動機構62に接続される。支持部移動機構62は例えばエアシリンダ622を有し、高圧のエアを用いて支持棒621をX方向に移動することにより、リブ支持部61が基板9の主面91上または支持部移動機構62に近接した位置(図3中にて二点鎖線にて示す位置)に配置される。
【0030】
図1に示すように、ステージ移動機構2のモータ21、ポンプ443、制御弁444、光源ユニット432、ヘッド移動機構3のモータ31、ヘッド部4の昇降機構41および支持部移動機構62は制御部6に接続され、これらの構成が制御部6により制御されることにより、リブ形成装置1による基板9上へのリブの形成が行われる。
【0031】
次に、リブ形成装置1がリブを形成する動作について説明を行う。図5はリブ形成装置1が基板9上にリブを形成する動作の流れを示す図である。図1のリブ形成装置1では、外部の搬送機構により基板9が搬入されてステージ20上に載置されると、支持部移動機構62によりリブ支持部61が基板9の主面上の所定位置に配置される(ステップS11)。続いて、ステージ移動機構2およびヘッド移動機構3によりノズル421が基板9に対して所定の初期位置に配置され、図6に示すように、ノズル421の各吐出口422がリブ支持部61の複数の突出部615に対向しつつ近接する(ステップS12)。このとき、ノズル421の開口面424とリブ支持部61の複数の突出部615の先端との間の距離(図6中にて符号D1を付して示す距離)は例えば1mmとされる。
【0032】
続いて、光照射部43から紫外線の出射が開始された後(ステップS13)、吐出部42からのリブ形成材料の吐出が開始される(ステップS14)。吐出部42からのリブ形成材料の吐出は、図1に示す逆止弁441、ポンプ443および制御弁444により行われる。まず、制御部6の制御により制御弁444が開放された状態でポンプ443が吸引動作を行う。このとき、逆止弁441によりリブ形成材料の逆流が阻止されるため、タンク445からポンプ443へとリブ形成材料が引き込まれる。次に、制御弁444が閉じられ、ポンプ443が押出動作を行う。これにより、吐出部42から連続的にリブ形成材料が吐出される。
【0033】
また、リブ形成材料の吐出が開始されるのとほぼ同時に、制御部6がステージ移動機構2のモータ21を駆動制御して、吐出部42の下方にてステージ20を(−X)方向に移動することにより、ノズル421の吐出口422が基板9に対して(+X)方向に相対移動を開始する(ステップS15)。このとき、図7に示すように吐出開始直後のリブ形成材料81の上側((+Z)側)から下側((−Z)側)に亘る各部位がリブ支持部61の対応する突出部615に付着しつつ、図8に示すように突出部615(ただし、図8では1つの突出部615のみを図示している。)の表面に沿って僅かに広がって(すなわち、突出部615の表面に濡れて)リブ支持部61にて保持される。実際には、図7に示すように、各吐出口422からリブ形成材料81を吐出しつつ、複数の吐出口422がリブ形成材料81の吐出側とは反対の方向(すなわち、(+X)方向)に主面91に沿って基板9に対して相対的に連続して移動することにより、各吐出口422から吐出されたリブ形成材料81はリブ支持部61から伸びるようにして基板9上に順次付着する。
【0034】
また、基板9上のリブ形成材料81には、ノズル421の基板9に対する相対的な進行方向の後方に配置されている光照射部43により紫外線が照射される。既述のように、リブ形成材料は光開始剤が添加されて光硬化性を有しており、光照射部43からの紫外線の照射により基板9上のリブ形成材料を容易に硬化させることが可能となっている。これにより、端部がリブ支持部61により支持されつつノズル421の相対的な進行方向に伸びる高精細なリブが形成される。なお、リブ形成材料は紫外線以外の光に対する硬化性を有するものであってもよい。
【0035】
このとき、リブ形成装置1では、図2に示すように、ノズル421の開口面424が、その法線が吐出側((−X)側)にて基板9の主面91と交差するように傾斜していることにより、リブのYZ平面に平行な各断面では、(−Z)側から(+Z)側に向かってリブ形成材料を積み重ねるようにしてリブの各部位が形成されることとなる。このように、アスペクト比の高い状態で吐出口422からリブ形成材料が安定して吐出されることにより、高アスペクト比のリブが基板9上に形成される。
【0036】
図9は、形成途上のリブ8のYZ平面に平行な断面を示す図である。図9に示すリブ8では、Y方向の幅は100μm、Z方向の高さは6000μmとなっている。実際には、基板9上には吐出部42における吐出口422の個数と同じ200個のリブ8が、Y方向に約100mmの範囲に亘って吐出口422と同じピッチ500μmにて並んでいる。
【0037】
リブ形成材料の吐出が続けられ、基板9上のリブ形成の終点がノズル421の真下に達すると、リブ形成材料の吐出が停止される(ステップS16)。その後、終点近傍のリブ形成材料の硬化を行うために基板9がさらに僅かな距離だけ移動した後停止し(ステップS17)、光照射部43からの紫外線の出射も停止される(ステップS18)。このようにして、基板9上に複数のリブが形成されると、支持部移動機構62がリブ支持部61を基板9の主面に平行な(−X)方向に水平移動することにより(図3参照)、リブ支持部61の突出部615がリブの端部から容易に分離される(ステップS19)。このとき、リブの端部は光照射部43からの光の照射により硬化しているとともに、リブとプレート611との剥離性は良好であるため、リブの端部の形状が大きく乱れることはない。
【0038】
また、リブ形成装置1では、ヘッド部4をY方向に約100mmだけ移動し、基板9も元の位置へと移動した後、上記ステップS11〜S19を繰り返すことにより、Y方向に関して基板9上の広範囲に亘って多数のリブを形成することも可能である。ただし、この場合、Y方向への移動後のノズル421によるリブ形成時に、全ての吐出口422からの吐出開始直後のリブ形成材料がリブ支持部61に付着するように、Y方向の長さがさらに長いリブ支持部61が用いられる。
【0039】
以上の工程にて形成されたリブは他の工程において焼成され、リブ形成材料中の樹脂分が除去されるとともに、低軟化点ガラスフリットが融着する。そして、適宜、他の必要な工程を経て平面表示装置の組立部品であるパネルが完成する。
【0040】
以上に説明したように、リブ形成装置1では、吐出口422からのリブ形成材料の吐出開始時に吐出口422が基板9上に配置されたリブ支持部61に近接する位置に配置され、吐出口422からリブ形成材料が吐出される間に、吐出口422が基板9の主面91に沿ってリブ支持部61とは反対側に基板9に対して相対的かつ連続的に移動することにより、主面91上に吐出されつつ硬化するリブ形成材料にてリブが形成される。
【0041】
ここで、リブ支持部61を省略した比較例のリブ形成装置にてアスペクト比の高いリブを形成しようとすると、多くの場合、リブ形成の開始位置近傍にて、図10に示すように、重力の影響によりリブ92が傾いたり(この場合、上部が垂れ下がることもある。)、吐出開始直後のリブ形成材料が表面張力により膨らむ等して、互いに隣接するリブ92同士が接触してしまう。このような現象は、通常、ノズル421の走査方向に連続して生じてしまうため、基板において表示装置として利用することができない領域が大きくなってしまう。
【0042】
これに対し、図1のリブ形成装置1では、各吐出口422からの吐出開始直後のリブ形成材料81が、リブの形成方向に突出するリブ支持部61の複数の突出部615に付着して突出部615の表面に沿って僅かに広がることにより、吐出開始直後のリブ形成材料81が表面張力にて膨らむことを防止しつつリブの端部がリブ支持部61にて支持され、リブの端部近傍においてリブの傾きや倒壊等の形状の乱れを抑制することができる。これにより、高アスペクト比の複数のリブを、互いに隣接するリブ間の接触を防止しつつ微小なピッチにて配列形成することができ、基板において表示装置として利用することができない領域を小さくして、表示装置を効率よく製造することが実現される。
【0043】
また、リブ支持部61の吐出口422側の部位が、その法線が基板9に交差するように傾斜した吐出部42の開口面424におよそ平行な傾斜部となっていることにより、開口面424を有する吐出部42から吐出されるリブ形成材料を開口面424に平行かつ吐出口422の配列方向に垂直な方向に関しておよそ均一にリブ支持部61に付着させることができ、リブの端部をより安定して支持することができる。
【0044】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0045】
リブ形成装置1では、図11に示すように、突出部が省略されたブロック状のリブ支持部61a(図11では、吐出口422側の面が基板9の主面91に垂直となっているが、吐出部42の開口面424におよそ平行な傾斜部となっていてもよい。)を用いてリブの端部をリブ支持部61aにて支持し、リブの端部近傍における形状の乱れが抑制されてもよい。ただし、この場合に、リブ形成材料の吐出開始時刻が、基板9の移動開始時刻よりも早くなり過ぎると、リブ形成材料がリブ支持部61aの吐出口422側の端面に沿って不必要に広がって、互いに隣接するリブ同士が接触してしまう可能性があり、リブ形成材料の吐出開始時刻が基板9の移動開始時刻よりも遅くなり過ぎると、リブ形成材料がリブ支持部61aと付着しない可能性がある。
【0046】
これに対し、図7に示すように、リブの形成方向に向かって突出する突出部615がリブ支持部61に設けられる場合には、リブ形成材料の吐出開始時刻が基板9の移動開始時刻よりも多少早くなり過ぎても、リブ形成材料が突出部615の表面に沿って吐出方向へと滑らかに広がって隣接する他のリブ側へと広がることが抑制され、互いに隣接するリブ同士が接触することが回避される。したがって、通常のリブ形成処理においてリブ形成材料の吐出開始時刻を基板9の移動開始時刻よりも僅かに早くなるように設定することができ、この場合、リブ形成材料の吐出開始時刻または基板9の移動開始時刻に多少の変動が生じても、上記のような不具合が発生する可能性が低くなり(すなわち、プロセスのマージンが広がり)、リブの端部近傍における形状の乱れを安定して抑制することが可能となる。
【0047】
また、リブ支持部61には、必ずしも複数の突出部が設けられる必要はなく、1つの突出部が設けられるのみであっても、リブの端部近傍における形状の乱れが安定して抑制される。この場合に、リブの端部近傍における形状の乱れを確実に抑制するには、吐出開始直後のリブ形成材料の上部(すなわち、(+Z)側の部位)が付着する位置に突出部を設け、リブの端部における上側の部位を突出部により支持してリブが倒れるまたは傾くことを防止することが重要となる。リブの端部近傍における形状の乱れをより確実に抑制するには、複数の突出部が基板9の主面91からの高さが異なるように配置され、吐出開始直後のリブ形成材料の上部から下部までが突出部に付着して、リブの端部が安定して支持されることが好ましい。
【0048】
基板9上に形成されるリブのピッチや幅によっては、リブ支持部61には、図12に示すようにZ方向に長い突出部615aや、図13に示すようにピン状の突出部615bを設けることも可能である。もちろん、複数の突出部615を有するリブ支持部61を容易に作製するには、スペーサ612を介して基板9の法線方向に積層された複数のプレート611の一部により突出部615を構成することが好ましく、この場合、複数のリブの端部を同じ条件にて安定して支持することも実現される。なお、基板9上にリブを形成する毎にリブ支持部を交換することを許容する場合等には、リブ支持部61に孔を設ける(例えば、図11のリブ支持部61aを多孔質材料にて形成する)ことにより、リブの端部近傍における形状の乱れを安定して抑制することも可能である。
【0049】
上記実施の形態では、吐出口422の全体が形成される吐出部42の開口面424が、その法線が吐出側にて基板9の主面91と交差するように傾斜していることにより、アスペクト比が高いリブが精度よく形成されるが、リブ形成装置1では、図2のノズル421において吐出口422の一部を対向面425にまで広げて形成して、アスペクト比が高いリブを形成することも可能である。すなわち、吐出口422の全体または大部分が形成される吐出部42上の開口面424が、その法線が吐出側にて基板9と交差するように傾斜していればよい。
【0050】
また、アスペクト比が高いリブを形成するには、ノズル421から吐出されるリブ形成材料は吐出直後に硬化する必要があるが、リブ形成材料の硬化は光開始剤がペーストに添加されて光の照射により実現される以外に、例えば、熱硬化性を有する樹脂等がリブ形成材料に添加されて吐出直後のリブ形成材料が適宜加熱されることにより実現されてもよい。さらに、吐出口422から吐出されるリブ形成材料は、低軟化点ガラスフリットを含むものが好ましいが、リブが形成される基板の用途によっては、他の材料を用いることも可能である。
【0051】
リブ形成装置1では、ステージ20上の基板9がノズル421に対してX方向に移動するが、ノズル421を基板9に対してX方向に移動する機構が設けられてもよい。すなわち、リブ形成装置におけるノズル421の基板9に対するX方向への相対的な移動は、いかなる機構にて実現されてもよい。
【0052】
リブ形成装置においてリブが形成される基板は、ガラス以外の材料により形成されるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】リブ形成装置の構成を示す図である。
【図2】ノズルの先端近傍を拡大して示す図である。
【図3】リブ支持部および支持部移動機構を示す図である。
【図4】リブ支持部を示す正面図である。
【図5】リブ形成装置が基板上にリブを形成する動作の流れを示す図である。
【図6】基板上へのリブの形成を説明するための図である。
【図7】基板上へのリブの形成を説明するための図である。
【図8】基板上へのリブの形成を説明するための図である。
【図9】リブを示す断面図である。
【図10】比較例のリブ形成装置にて形成されたリブを示す断面図である。
【図11】リブ支持部の他の例を示す図である。
【図12】突出部の他の例を示す図である。
【図13】突出部のさらに他の例を示す図である。
【符号の説明】
【0054】
1 リブ形成装置
2 ステージ移動機構
8 リブ
9 基板
42 吐出部
43 光照射部
61,61a リブ支持部
62 支持部移動機構
81 リブ形成材料
91 主面
422 吐出口
424 開口面
611 プレート
612 スペーサ
615,615a,615b 突出部
S11,S12,S14,S15 ステップ
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上にリブを形成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、プラズマ表示装置等の平面表示装置に用いられるパネルにリブを形成する様々な手法が知られており、微細な吐出口を有するノズルを走査しつつノズルからペースト状のリブ形成材料を吐出してガラスの基板上にリブを形成するリブ形成装置も提案されている。また、通常、幅に対する高さの比であるアスペクト比が1以上のリブの形成が必要となり、近年では、平面表示装置の種類によっては、アスペクト比が10以上となるリブが必要となる場合もある。
【0003】
なお、特許文献1では、吐出口から吐出される蛍光体インキを基板上の隔壁(リブ)間の溝との間で架橋させた状態で、吐出口を隔壁に沿って走査して隔壁間に蛍光体インキを精度よく付与する技術が開示されている。
【特許文献1】特開平11−40065号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記リブ形成装置にて高アスペクト比のリブを形成する場合に各種条件によっては、リブ形成の開始位置近傍にて重力の影響によりリブが倒れる等、形状が乱れることがある。このように、一旦、形状が乱れた部分は、通常、走査方向に長く連続してしまうため、基板において表示装置として利用することができない部分が大きくなってしまい、表示装置を効率よく製造することができなくなる。光硬化性を有するリブ形成材料を用いつつ吐出口の極近傍にてリブ形成材料に光を照射してリブ形成材料を硬化させることにより、上記の形状の乱れを防止することも考えられるが、この場合、吐出口にてリブ形成材料が硬化してノズルが詰まるという別の問題が生じてしまう。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、リブの端部近傍における形状の乱れを抑制することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、基板上にリブを形成するリブ形成装置であって、基板の主面に向かうとともに前記主面に対して傾斜する吐出方向に吐出口からリブ形成材料を吐出する吐出部と、前記吐出口からリブ形成材料が吐出される間に、吐出側とは反対の方向に前記主面に沿って前記吐出口を前記基板に対して相対的に移動することにより、前記主面上に吐出されつつ硬化するリブ形成材料にて前記反対の方向に伸びるリブを形成する移動機構と、リブ形成材料の吐出開始時に前記吐出口に近接する位置に配置され、吐出開始直後のリブ形成材料が付着することによりリブの端部を支持するリブ支持部とを備える。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のリブ形成装置であって、前記リブ支持部が、前記リブの形成方向に向かって突出するとともに吐出開始直後のリブ形成材料が付着する突出部を備える。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のリブ形成装置であって、前記リブ支持部が、前記リブの形成方向に向かって突出するとともに吐出開始直後のリブ形成材料が付着する複数の突出部を備え、前記複数の突出部の前記基板の前記主面からの高さが異なる。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のリブ形成装置であって、前記複数の突出部が、スペーサを介して積層された複数のプレートの一部である。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項2ないし4のいずれかに記載のリブ形成装置であって、前記基板の前記主面に平行に前記リブ支持部を移動して前記リブの前記端部から分離する機構をさらに備える。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載のリブ形成装置であって、前記吐出口の全体または大部分が形成される前記吐出部の開口面が、その法線が吐出側にて前記基板と交差するように傾斜している。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のリブ形成装置であって、前記リブ支持部の前記吐出口側の部位が、前記吐出部の前記開口面におよそ平行な傾斜部となっている。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載のリブ形成装置であって、前記主面上に吐出されたリブ形成材料に光を照射する光照射部をさらに備え、前記リブ形成材料が光硬化性を有する。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし8のいずれかに記載のリブ形成装置であって、前記吐出部がリブ形成材料を吐出する複数の吐出口を配列して備える。
【0015】
請求項10に記載の発明は、基板上にリブを形成するリブ形成方法であって、a)基板の主面上にリブ支持部を配置する工程と、b)吐出部の吐出口を前記リブ支持部に近接させる工程と、c)前記基板の前記主面に向かうとともに前記主面に対して傾斜する吐出方向に前記吐出口からリブ形成材料を吐出しつつ、吐出側とは反対の方向に前記主面に沿って前記吐出口を前記基板に対して相対的に移動することにより、前記吐出口から前記主面上に吐出されつつ硬化するリブ形成材料にて前記反対の方向に伸びるリブを形成する工程とを備え、前記c)工程において、吐出開始直後のリブ形成材料が前記リブ支持部に付着して前記リブの端部が前記リブ支持部に支持される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、リブの端部をリブ支持部にて支持することにより、リブの端部近傍における形状の乱れを抑制することができる。
【0017】
また、請求項2ないし5の発明では、リブの端部近傍における形状の乱れを安定して抑制することができ、請求項3および4の発明では、リブの端部を安定して支持することにより、リブの端部近傍における形状の乱れを確実に抑制することができ、請求項4の発明では、複数の突出部を有するリブ支持部を容易に作製することができる。
【0018】
また、請求項5の発明では、突出部を有するリブ支持部をリブから容易に分離することができ、請求項6および7の発明では、アスペクト比の高い状態でリブ形成材料を安定して吐出することができ、請求項7の発明では、傾斜した開口面を有する吐出部からリブ形成材料を吐出することにより形成されるリブの端部を安定して支持することができる。
【0019】
また、請求項8の発明では、リブ形成材料を容易に硬化させることができ、請求項9の発明では、互いに隣接するリブ間の接触を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1はリブ形成装置1の構成を示す図である。リブ形成装置1は、プラズマ表示装置や電界放出表示装置(Field Emission Display)等の平面表示装置用のガラス基板(以下、「基板」という。)9上にリブ(平面表示装置の種類によっては、スペーサとも呼ばれる。)のパターンを形成する装置であり、リブが形成された基板9は他の工程を介して平面表示装置の組立部品であるパネルとなる。
【0021】
リブ形成装置1では、基台11上にステージ移動機構2が設けられ、ステージ移動機構2により基板9を保持するステージ20が図1中に示すX方向に移動可能とされる。基台11にはステージ20を跨ぐようにしてフレーム12が固定され、フレーム12にはヘッド移動機構3を介してヘッド部4が取り付けられる。
【0022】
ステージ移動機構2は、モータ21にボールねじ22が接続され、さらに、ステージ20に固定されたナット23がボールねじ22に取り付けられた構造となっている。ボールねじ22の上方にはガイドレール24が固定され、モータ21が回転すると、ナット23とともにステージ20がガイドレール24に沿ってX方向に滑らかに移動する(すなわち、ヘッド部4が基板9に対して相対的に主走査する。)。また、ステージ20上には、リブの形成の際に、後述するリブ支持部61を基板9上に配置する支持部移動機構62が設けられる。
【0023】
ヘッド移動機構3はフレーム12に支持されたモータ31、モータ31の回転軸に接続されたボールねじ32、および、ボールねじ32に取り付けられたナット33を有し、モータ31が回転することによりナット33が図1中のY方向に移動する。ナット33にはヘッド部4のベース40が取り付けられ、これにより、ヘッド部4がY方向に移動(副走査)可能とされる。ベース40はフレーム12に固定されたガイドレール34に接続され、ガイドレール34により滑らかに案内される。
【0024】
ヘッド部4は、基板9上にペースト状のリブ形成材料を吐出する吐出部42、および、基板9に向けて紫外線を出射する光照射部43を有し、吐出部42および光照射部43はベース40に固定される昇降機構41の下部に取り付けられる。リブ形成材料は、紫外線により硬化(架橋反応)が開始する光開始剤や、バインダである樹脂、さらには、ガラスの粉体である低軟化点ガラスフリットを含む。吐出部42の下面には、Y方向に配列された複数の吐出口を有するノズル421が着脱可能に取り付けられる。光照射部43は吐出部42の(−X)側において基板9に向かって光を出射し、各吐出口に対応する光のスポットを基板9上に形成する。
【0025】
吐出部42には逆止弁441を有する供給管442が取り付けられ、供給管442は分岐しており、一方がポンプ443に接続され、他方が制御弁444を介してリブ形成材料を貯溜するタンク445に接続される。光照射部43は光ファイバ431を介して紫外線を発生する光源ユニット432に接続される。
【0026】
図2はノズル421の先端近傍を拡大して示す図である。図2に示すように、ノズル421において各吐出口422へと連続する流路423(図2では、1つの吐出口422および1つの流路423のみに符号を付している。後述する図6および図7において同様。)は、ZX平面に平行かつZ方向に対して傾斜した方向(例えば、45度だけ傾斜した方向)に伸びている。これにより、基板9の主面91に向かうとともに主面91に対して傾斜する吐出方向に吐出口422からリブ形成材料81が吐出される。また、ノズル421の開口面424(ノズル421の先端における複数の吐出口422を含む面)も、同様にその法線がZX平面に平行かつZ方向に対して傾斜している。ノズル421の図2中の(−Z)側の部位には、基板9の主面91に平行な対向面425が形成され、リブ形成装置1では、必要に応じて昇降機構41がノズル421をZ方向に移動することにより、リブの形成時におけるノズル421の対向面425と基板9の主面91との間の間隙がほぼ一定の微小な幅にて保たれ、ノズル421が常時、基板9の主面91に近接した状態とされる。本実施の形態では、200個の吐出口422が、Y方向に約100mmの幅に亘ってピッチ500μmにて並んでいる。
【0027】
図3は、リブ支持部61および支持部移動機構62を示す図であり、図4は、リブ支持部61を示す正面図である。図4に示すように、リブ支持部61はノズル421の複数の吐出口422(図4中に二点鎖線にて仮想的に示している。)の配列方向と同じY方向に長くなっており、例えば、長さ110mmとされる。リブ支持部61は、ステンレス鋼にて形成されるとともに基板9の主面91に平行な水平方向に伸びる複数のプレート611(テープと捉えることもできる。)をスペーサ612を介してZ方向に積層し、これらの部材を上支持部材613および下支持部材614にて挟んで固定することにより形成される。図4に示すように、各吐出口422に正確に対向する複数のプレート611の部位のYZ平面に平行な断面の面積は、吐出口422のYZ平面に平行な断面の面積よりも十分に小さくなっている。なお、各プレート611の厚さは例えば50〜100μmとされ、図3および図4では図示の都合上、各プレート611を実際よりも厚く示している(後述する図6および図7において同様)。
【0028】
図3に示すように、複数のプレート611では基板9の主面91側((−Z)側)に配置されるものほどX方向に長くされ、複数のスペーサ612も同様に主面91側に配置されるものほどX方向に長くされる。各スペーサ612のX方向の長さは隣接するプレート611よりも短くされ、複数のプレート611および複数のスペーサ612の(−X)側の端部はX方向の同一の位置に配置される。したがって、リブ支持部61では、各プレート611の(+X)側の端部が(+X)側に所定の長さ(好ましくは1mm以上であり、本実施の形態では2mm)だけ突出する突出部615となっている。複数の突出部615は基板9の主面91を基準として高さ600μm〜5000μmの範囲内で互いに異なる高さに配置されており、(−Z)側に配置されるものほど先端が(+X)側に位置している。このように、リブ支持部61の最も(+X)側の部位である複数の突出部615の先端の集合は、基板9の主面91の法線に対して傾斜する傾斜部となっている。
【0029】
また、リブ支持部61の(−X)側の部位は支持棒621を介して支持部移動機構62に接続される。支持部移動機構62は例えばエアシリンダ622を有し、高圧のエアを用いて支持棒621をX方向に移動することにより、リブ支持部61が基板9の主面91上または支持部移動機構62に近接した位置(図3中にて二点鎖線にて示す位置)に配置される。
【0030】
図1に示すように、ステージ移動機構2のモータ21、ポンプ443、制御弁444、光源ユニット432、ヘッド移動機構3のモータ31、ヘッド部4の昇降機構41および支持部移動機構62は制御部6に接続され、これらの構成が制御部6により制御されることにより、リブ形成装置1による基板9上へのリブの形成が行われる。
【0031】
次に、リブ形成装置1がリブを形成する動作について説明を行う。図5はリブ形成装置1が基板9上にリブを形成する動作の流れを示す図である。図1のリブ形成装置1では、外部の搬送機構により基板9が搬入されてステージ20上に載置されると、支持部移動機構62によりリブ支持部61が基板9の主面上の所定位置に配置される(ステップS11)。続いて、ステージ移動機構2およびヘッド移動機構3によりノズル421が基板9に対して所定の初期位置に配置され、図6に示すように、ノズル421の各吐出口422がリブ支持部61の複数の突出部615に対向しつつ近接する(ステップS12)。このとき、ノズル421の開口面424とリブ支持部61の複数の突出部615の先端との間の距離(図6中にて符号D1を付して示す距離)は例えば1mmとされる。
【0032】
続いて、光照射部43から紫外線の出射が開始された後(ステップS13)、吐出部42からのリブ形成材料の吐出が開始される(ステップS14)。吐出部42からのリブ形成材料の吐出は、図1に示す逆止弁441、ポンプ443および制御弁444により行われる。まず、制御部6の制御により制御弁444が開放された状態でポンプ443が吸引動作を行う。このとき、逆止弁441によりリブ形成材料の逆流が阻止されるため、タンク445からポンプ443へとリブ形成材料が引き込まれる。次に、制御弁444が閉じられ、ポンプ443が押出動作を行う。これにより、吐出部42から連続的にリブ形成材料が吐出される。
【0033】
また、リブ形成材料の吐出が開始されるのとほぼ同時に、制御部6がステージ移動機構2のモータ21を駆動制御して、吐出部42の下方にてステージ20を(−X)方向に移動することにより、ノズル421の吐出口422が基板9に対して(+X)方向に相対移動を開始する(ステップS15)。このとき、図7に示すように吐出開始直後のリブ形成材料81の上側((+Z)側)から下側((−Z)側)に亘る各部位がリブ支持部61の対応する突出部615に付着しつつ、図8に示すように突出部615(ただし、図8では1つの突出部615のみを図示している。)の表面に沿って僅かに広がって(すなわち、突出部615の表面に濡れて)リブ支持部61にて保持される。実際には、図7に示すように、各吐出口422からリブ形成材料81を吐出しつつ、複数の吐出口422がリブ形成材料81の吐出側とは反対の方向(すなわち、(+X)方向)に主面91に沿って基板9に対して相対的に連続して移動することにより、各吐出口422から吐出されたリブ形成材料81はリブ支持部61から伸びるようにして基板9上に順次付着する。
【0034】
また、基板9上のリブ形成材料81には、ノズル421の基板9に対する相対的な進行方向の後方に配置されている光照射部43により紫外線が照射される。既述のように、リブ形成材料は光開始剤が添加されて光硬化性を有しており、光照射部43からの紫外線の照射により基板9上のリブ形成材料を容易に硬化させることが可能となっている。これにより、端部がリブ支持部61により支持されつつノズル421の相対的な進行方向に伸びる高精細なリブが形成される。なお、リブ形成材料は紫外線以外の光に対する硬化性を有するものであってもよい。
【0035】
このとき、リブ形成装置1では、図2に示すように、ノズル421の開口面424が、その法線が吐出側((−X)側)にて基板9の主面91と交差するように傾斜していることにより、リブのYZ平面に平行な各断面では、(−Z)側から(+Z)側に向かってリブ形成材料を積み重ねるようにしてリブの各部位が形成されることとなる。このように、アスペクト比の高い状態で吐出口422からリブ形成材料が安定して吐出されることにより、高アスペクト比のリブが基板9上に形成される。
【0036】
図9は、形成途上のリブ8のYZ平面に平行な断面を示す図である。図9に示すリブ8では、Y方向の幅は100μm、Z方向の高さは6000μmとなっている。実際には、基板9上には吐出部42における吐出口422の個数と同じ200個のリブ8が、Y方向に約100mmの範囲に亘って吐出口422と同じピッチ500μmにて並んでいる。
【0037】
リブ形成材料の吐出が続けられ、基板9上のリブ形成の終点がノズル421の真下に達すると、リブ形成材料の吐出が停止される(ステップS16)。その後、終点近傍のリブ形成材料の硬化を行うために基板9がさらに僅かな距離だけ移動した後停止し(ステップS17)、光照射部43からの紫外線の出射も停止される(ステップS18)。このようにして、基板9上に複数のリブが形成されると、支持部移動機構62がリブ支持部61を基板9の主面に平行な(−X)方向に水平移動することにより(図3参照)、リブ支持部61の突出部615がリブの端部から容易に分離される(ステップS19)。このとき、リブの端部は光照射部43からの光の照射により硬化しているとともに、リブとプレート611との剥離性は良好であるため、リブの端部の形状が大きく乱れることはない。
【0038】
また、リブ形成装置1では、ヘッド部4をY方向に約100mmだけ移動し、基板9も元の位置へと移動した後、上記ステップS11〜S19を繰り返すことにより、Y方向に関して基板9上の広範囲に亘って多数のリブを形成することも可能である。ただし、この場合、Y方向への移動後のノズル421によるリブ形成時に、全ての吐出口422からの吐出開始直後のリブ形成材料がリブ支持部61に付着するように、Y方向の長さがさらに長いリブ支持部61が用いられる。
【0039】
以上の工程にて形成されたリブは他の工程において焼成され、リブ形成材料中の樹脂分が除去されるとともに、低軟化点ガラスフリットが融着する。そして、適宜、他の必要な工程を経て平面表示装置の組立部品であるパネルが完成する。
【0040】
以上に説明したように、リブ形成装置1では、吐出口422からのリブ形成材料の吐出開始時に吐出口422が基板9上に配置されたリブ支持部61に近接する位置に配置され、吐出口422からリブ形成材料が吐出される間に、吐出口422が基板9の主面91に沿ってリブ支持部61とは反対側に基板9に対して相対的かつ連続的に移動することにより、主面91上に吐出されつつ硬化するリブ形成材料にてリブが形成される。
【0041】
ここで、リブ支持部61を省略した比較例のリブ形成装置にてアスペクト比の高いリブを形成しようとすると、多くの場合、リブ形成の開始位置近傍にて、図10に示すように、重力の影響によりリブ92が傾いたり(この場合、上部が垂れ下がることもある。)、吐出開始直後のリブ形成材料が表面張力により膨らむ等して、互いに隣接するリブ92同士が接触してしまう。このような現象は、通常、ノズル421の走査方向に連続して生じてしまうため、基板において表示装置として利用することができない領域が大きくなってしまう。
【0042】
これに対し、図1のリブ形成装置1では、各吐出口422からの吐出開始直後のリブ形成材料81が、リブの形成方向に突出するリブ支持部61の複数の突出部615に付着して突出部615の表面に沿って僅かに広がることにより、吐出開始直後のリブ形成材料81が表面張力にて膨らむことを防止しつつリブの端部がリブ支持部61にて支持され、リブの端部近傍においてリブの傾きや倒壊等の形状の乱れを抑制することができる。これにより、高アスペクト比の複数のリブを、互いに隣接するリブ間の接触を防止しつつ微小なピッチにて配列形成することができ、基板において表示装置として利用することができない領域を小さくして、表示装置を効率よく製造することが実現される。
【0043】
また、リブ支持部61の吐出口422側の部位が、その法線が基板9に交差するように傾斜した吐出部42の開口面424におよそ平行な傾斜部となっていることにより、開口面424を有する吐出部42から吐出されるリブ形成材料を開口面424に平行かつ吐出口422の配列方向に垂直な方向に関しておよそ均一にリブ支持部61に付着させることができ、リブの端部をより安定して支持することができる。
【0044】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0045】
リブ形成装置1では、図11に示すように、突出部が省略されたブロック状のリブ支持部61a(図11では、吐出口422側の面が基板9の主面91に垂直となっているが、吐出部42の開口面424におよそ平行な傾斜部となっていてもよい。)を用いてリブの端部をリブ支持部61aにて支持し、リブの端部近傍における形状の乱れが抑制されてもよい。ただし、この場合に、リブ形成材料の吐出開始時刻が、基板9の移動開始時刻よりも早くなり過ぎると、リブ形成材料がリブ支持部61aの吐出口422側の端面に沿って不必要に広がって、互いに隣接するリブ同士が接触してしまう可能性があり、リブ形成材料の吐出開始時刻が基板9の移動開始時刻よりも遅くなり過ぎると、リブ形成材料がリブ支持部61aと付着しない可能性がある。
【0046】
これに対し、図7に示すように、リブの形成方向に向かって突出する突出部615がリブ支持部61に設けられる場合には、リブ形成材料の吐出開始時刻が基板9の移動開始時刻よりも多少早くなり過ぎても、リブ形成材料が突出部615の表面に沿って吐出方向へと滑らかに広がって隣接する他のリブ側へと広がることが抑制され、互いに隣接するリブ同士が接触することが回避される。したがって、通常のリブ形成処理においてリブ形成材料の吐出開始時刻を基板9の移動開始時刻よりも僅かに早くなるように設定することができ、この場合、リブ形成材料の吐出開始時刻または基板9の移動開始時刻に多少の変動が生じても、上記のような不具合が発生する可能性が低くなり(すなわち、プロセスのマージンが広がり)、リブの端部近傍における形状の乱れを安定して抑制することが可能となる。
【0047】
また、リブ支持部61には、必ずしも複数の突出部が設けられる必要はなく、1つの突出部が設けられるのみであっても、リブの端部近傍における形状の乱れが安定して抑制される。この場合に、リブの端部近傍における形状の乱れを確実に抑制するには、吐出開始直後のリブ形成材料の上部(すなわち、(+Z)側の部位)が付着する位置に突出部を設け、リブの端部における上側の部位を突出部により支持してリブが倒れるまたは傾くことを防止することが重要となる。リブの端部近傍における形状の乱れをより確実に抑制するには、複数の突出部が基板9の主面91からの高さが異なるように配置され、吐出開始直後のリブ形成材料の上部から下部までが突出部に付着して、リブの端部が安定して支持されることが好ましい。
【0048】
基板9上に形成されるリブのピッチや幅によっては、リブ支持部61には、図12に示すようにZ方向に長い突出部615aや、図13に示すようにピン状の突出部615bを設けることも可能である。もちろん、複数の突出部615を有するリブ支持部61を容易に作製するには、スペーサ612を介して基板9の法線方向に積層された複数のプレート611の一部により突出部615を構成することが好ましく、この場合、複数のリブの端部を同じ条件にて安定して支持することも実現される。なお、基板9上にリブを形成する毎にリブ支持部を交換することを許容する場合等には、リブ支持部61に孔を設ける(例えば、図11のリブ支持部61aを多孔質材料にて形成する)ことにより、リブの端部近傍における形状の乱れを安定して抑制することも可能である。
【0049】
上記実施の形態では、吐出口422の全体が形成される吐出部42の開口面424が、その法線が吐出側にて基板9の主面91と交差するように傾斜していることにより、アスペクト比が高いリブが精度よく形成されるが、リブ形成装置1では、図2のノズル421において吐出口422の一部を対向面425にまで広げて形成して、アスペクト比が高いリブを形成することも可能である。すなわち、吐出口422の全体または大部分が形成される吐出部42上の開口面424が、その法線が吐出側にて基板9と交差するように傾斜していればよい。
【0050】
また、アスペクト比が高いリブを形成するには、ノズル421から吐出されるリブ形成材料は吐出直後に硬化する必要があるが、リブ形成材料の硬化は光開始剤がペーストに添加されて光の照射により実現される以外に、例えば、熱硬化性を有する樹脂等がリブ形成材料に添加されて吐出直後のリブ形成材料が適宜加熱されることにより実現されてもよい。さらに、吐出口422から吐出されるリブ形成材料は、低軟化点ガラスフリットを含むものが好ましいが、リブが形成される基板の用途によっては、他の材料を用いることも可能である。
【0051】
リブ形成装置1では、ステージ20上の基板9がノズル421に対してX方向に移動するが、ノズル421を基板9に対してX方向に移動する機構が設けられてもよい。すなわち、リブ形成装置におけるノズル421の基板9に対するX方向への相対的な移動は、いかなる機構にて実現されてもよい。
【0052】
リブ形成装置においてリブが形成される基板は、ガラス以外の材料により形成されるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】リブ形成装置の構成を示す図である。
【図2】ノズルの先端近傍を拡大して示す図である。
【図3】リブ支持部および支持部移動機構を示す図である。
【図4】リブ支持部を示す正面図である。
【図5】リブ形成装置が基板上にリブを形成する動作の流れを示す図である。
【図6】基板上へのリブの形成を説明するための図である。
【図7】基板上へのリブの形成を説明するための図である。
【図8】基板上へのリブの形成を説明するための図である。
【図9】リブを示す断面図である。
【図10】比較例のリブ形成装置にて形成されたリブを示す断面図である。
【図11】リブ支持部の他の例を示す図である。
【図12】突出部の他の例を示す図である。
【図13】突出部のさらに他の例を示す図である。
【符号の説明】
【0054】
1 リブ形成装置
2 ステージ移動機構
8 リブ
9 基板
42 吐出部
43 光照射部
61,61a リブ支持部
62 支持部移動機構
81 リブ形成材料
91 主面
422 吐出口
424 開口面
611 プレート
612 スペーサ
615,615a,615b 突出部
S11,S12,S14,S15 ステップ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上にリブを形成するリブ形成装置であって、
基板の主面に向かうとともに前記主面に対して傾斜する吐出方向に吐出口からリブ形成材料を吐出する吐出部と、
前記吐出口からリブ形成材料が吐出される間に、吐出側とは反対の方向に前記主面に沿って前記吐出口を前記基板に対して相対的に移動することにより、前記主面上に吐出されつつ硬化するリブ形成材料にて前記反対の方向に伸びるリブを形成する移動機構と、
リブ形成材料の吐出開始時に前記吐出口に近接する位置に配置され、吐出開始直後のリブ形成材料が付着することによりリブの端部を支持するリブ支持部と、
を備えることを特徴とするリブ形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載のリブ形成装置であって、
前記リブ支持部が、前記リブの形成方向に向かって突出するとともに吐出開始直後のリブ形成材料が付着する突出部を備えることを特徴とするリブ形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載のリブ形成装置であって、
前記リブ支持部が、前記リブの形成方向に向かって突出するとともに吐出開始直後のリブ形成材料が付着する複数の突出部を備え、
前記複数の突出部の前記基板の前記主面からの高さが異なることを特徴とするリブ形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載のリブ形成装置であって、
前記複数の突出部が、スペーサを介して積層された複数のプレートの一部であることを特徴とするリブ形成装置。
【請求項5】
請求項2ないし4のいずれかに記載のリブ形成装置であって、
前記基板の前記主面に平行に前記リブ支持部を移動して前記リブの前記端部から分離する機構をさらに備えることを特徴とするリブ形成装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載のリブ形成装置であって、
前記吐出口の全体または大部分が形成される前記吐出部の開口面が、その法線が吐出側にて前記基板と交差するように傾斜していることを特徴とするリブ形成装置。
【請求項7】
請求項6に記載のリブ形成装置であって、
前記リブ支持部の前記吐出口側の部位が、前記吐出部の前記開口面におよそ平行な傾斜部となっていることを特徴とするリブ形成装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載のリブ形成装置であって、
前記主面上に吐出されたリブ形成材料に光を照射する光照射部をさらに備え、
前記リブ形成材料が光硬化性を有することを特徴とするリブ形成装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載のリブ形成装置であって、
前記吐出部がリブ形成材料を吐出する複数の吐出口を配列して備えることを特徴とするリブ形成装置。
【請求項10】
基板上にリブを形成するリブ形成方法であって、
a)基板の主面上にリブ支持部を配置する工程と、
b)吐出部の吐出口を前記リブ支持部に近接させる工程と、
c)前記基板の前記主面に向かうとともに前記主面に対して傾斜する吐出方向に前記吐出口からリブ形成材料を吐出しつつ、吐出側とは反対の方向に前記主面に沿って前記吐出口を前記基板に対して相対的に移動することにより、前記吐出口から前記主面上に吐出されつつ硬化するリブ形成材料にて前記反対の方向に伸びるリブを形成する工程と、
を備え、
前記c)工程において、吐出開始直後のリブ形成材料が前記リブ支持部に付着して前記リブの端部が前記リブ支持部に支持されることを特徴とするリブ形成方法。
【請求項1】
基板上にリブを形成するリブ形成装置であって、
基板の主面に向かうとともに前記主面に対して傾斜する吐出方向に吐出口からリブ形成材料を吐出する吐出部と、
前記吐出口からリブ形成材料が吐出される間に、吐出側とは反対の方向に前記主面に沿って前記吐出口を前記基板に対して相対的に移動することにより、前記主面上に吐出されつつ硬化するリブ形成材料にて前記反対の方向に伸びるリブを形成する移動機構と、
リブ形成材料の吐出開始時に前記吐出口に近接する位置に配置され、吐出開始直後のリブ形成材料が付着することによりリブの端部を支持するリブ支持部と、
を備えることを特徴とするリブ形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載のリブ形成装置であって、
前記リブ支持部が、前記リブの形成方向に向かって突出するとともに吐出開始直後のリブ形成材料が付着する突出部を備えることを特徴とするリブ形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載のリブ形成装置であって、
前記リブ支持部が、前記リブの形成方向に向かって突出するとともに吐出開始直後のリブ形成材料が付着する複数の突出部を備え、
前記複数の突出部の前記基板の前記主面からの高さが異なることを特徴とするリブ形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載のリブ形成装置であって、
前記複数の突出部が、スペーサを介して積層された複数のプレートの一部であることを特徴とするリブ形成装置。
【請求項5】
請求項2ないし4のいずれかに記載のリブ形成装置であって、
前記基板の前記主面に平行に前記リブ支持部を移動して前記リブの前記端部から分離する機構をさらに備えることを特徴とするリブ形成装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載のリブ形成装置であって、
前記吐出口の全体または大部分が形成される前記吐出部の開口面が、その法線が吐出側にて前記基板と交差するように傾斜していることを特徴とするリブ形成装置。
【請求項7】
請求項6に記載のリブ形成装置であって、
前記リブ支持部の前記吐出口側の部位が、前記吐出部の前記開口面におよそ平行な傾斜部となっていることを特徴とするリブ形成装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載のリブ形成装置であって、
前記主面上に吐出されたリブ形成材料に光を照射する光照射部をさらに備え、
前記リブ形成材料が光硬化性を有することを特徴とするリブ形成装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載のリブ形成装置であって、
前記吐出部がリブ形成材料を吐出する複数の吐出口を配列して備えることを特徴とするリブ形成装置。
【請求項10】
基板上にリブを形成するリブ形成方法であって、
a)基板の主面上にリブ支持部を配置する工程と、
b)吐出部の吐出口を前記リブ支持部に近接させる工程と、
c)前記基板の前記主面に向かうとともに前記主面に対して傾斜する吐出方向に前記吐出口からリブ形成材料を吐出しつつ、吐出側とは反対の方向に前記主面に沿って前記吐出口を前記基板に対して相対的に移動することにより、前記吐出口から前記主面上に吐出されつつ硬化するリブ形成材料にて前記反対の方向に伸びるリブを形成する工程と、
を備え、
前記c)工程において、吐出開始直後のリブ形成材料が前記リブ支持部に付着して前記リブの端部が前記リブ支持部に支持されることを特徴とするリブ形成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−335084(P2007−335084A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−161790(P2006−161790)
【出願日】平成18年6月12日(2006.6.12)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月12日(2006.6.12)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】
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