説明

リモコン付きステレオイヤホンマイク

【課題】音楽再生機能を有する携帯電話機でのステレオによる臨場感のある音楽再生とハンズフリーでありながら周囲の雑音などに影響を受けない明瞭な通話を実現できるリモコン付きステレオイヤホンマイクを提供する。
【解決手段】耳の穴に差し込むカナル型の2つのイヤホン本体3,4の一方に直接マイクロホン19を組み込み、周囲の雑音などを拾うことなく耳内に発生する音声のみを拾う。また、リモコン7に設けられているフックスイッチ5によって、2つのイヤホン用スピーカ17のみを動作させるステレオイヤホンモードと、1つのマイクロホン19を動作させ、かつ、マイクロホン19が動作している方のイヤホン用スピーカ17は動作させず、他方のイヤホン用スピーカ17を動作させるイヤホンマイクモードとに切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音楽再生機能を有する携帯電話機でのステレオによる臨場感のある音楽再生とハンズフリーでありながら周囲の雑音などに影響を受けない明瞭な通話を実現するリモコン付きステレオイヤホンマイクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リモコン付きステレオイヤホンマイクは2つのイヤホン本体と携帯電話機とを接続するケーブル上にフックスイッチを設けたリモコンがあり、そのリモコンにマイクロホンを搭載したものが主流である(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平5−91584号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のリモコン付きステレオイヤホンマイクでは、通話時にマイクロホンが音声と一緒に周囲の雑音や風雑音を拾ってしまうとともに、衣服などがリモコンに擦れて雑音も入ってしまうため、相手方が聞き取りにくいという問題があった。
【0004】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたもので、リモコン付きステレオイヤホンに耳内に発生する音声のみを拾うようにマイクロホンを搭載してリモコン付きステレオイヤホンマイクとし、音楽再生機能を有する携帯電話機でのステレオによる臨場感のある音楽再生とハンズフリーでありながら周囲の雑音などに影響を受けない明瞭な通話を実現できるリモコン付きステレオイヤホンマイクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため本発明は、音楽再生機能を有する携帯電話機に接続し使用するリモコン付きステレオイヤホンマイクであって、耳の穴に差し込む型の2つのイヤホン本体の一方又は両方にマイクロホンを組み込み、リモコンに、2つのイヤホン用スピーカのみを動作させるステレオイヤホンモードと、1つのマイクロホンを動作させ、かつ、マイクロホンが動作している方のイヤホン用スピーカは動作させず、他方のイヤホン用スピーカを動作させるイヤホンマイクモードとに切り替える切替スイッチを設けたことを特徴とするものである。
【0006】
上記構成を有する本発明において、2つのイヤホン本体の両方にマイクロホンを組み込む場合、リモコンに、イヤホンマイクモードに切り替えたときにどちらのイヤホン用スピーカを使用するかを選択するための選択スイッチを設けることが望ましい。また、リモコンに設けられているフックスイッチを切替スイッチとして使用し、フックスイッチをオン(オンフック/終話状態)にすることでステレオイヤホンモードにし、フックスイッチをオフ(オフフック/受話状態)にすることでイヤホンマイクモードにすることが望ましい。さらに、マイクロホンを組み込むイヤホン本体にさらに第2のマイクロホンを組み込み、第2のマイクロホンはそれを組み込むイヤホン本体を耳に装着したときに耳外の音を拾うことが望ましい。
【発明の効果】
【0007】
上記本発明によれば、マイクロホンを直接イヤホン本体に組み込むから、イヤホンマイクモードに切り替えたときに周囲の雑音などを拾うことなく耳内に発生する音声のみを拾うことができるようになり、相手方が聞き取りやすくなる。こうして、音楽再生機能を有する携帯電話機でのステレオによる臨場感のある音楽再生とハンズフリーでありながら周囲の雑音などに影響を受けない明瞭な通話を実現できる。また、イヤホンマイクモードではマイクロホンが動作している方のイヤホン用スピーカは動作させず、他方のイヤホン用スピーカを動作させる(同じイヤホン本体に組み込んでいるイヤホン用スピーカとマイクロホンは同時に動作させない)から、エコーが発生せず、相手方がより聞き取りやすくなるとともに、複雑なエコーキャンセラー構造や回路が不要となる。こうして、コストを抑えながら、より明瞭な通話を実現できる。
【0008】
2つのイヤホン本体の両方にマイクロホンを組み込む場合、リモコンに、イヤホンマイクモードに切り替えたときにどちらのイヤホン用スピーカを使用するかを選択するための選択スイッチを設けることにより、使用者の自由度が広がり、例えば携帯電話機のレシーバを当てる方の耳に装着されたイヤホン本体のイヤホン用スピーカを選択するなど使用者が使いやすいように設定できるようになる。こうして、イヤホンマイクとしての使い勝手の向上を図りながら、より明瞭な通話を実現できる。なお、例えば2つのイヤホン本体のケーブル長に差を付けるなど装着する耳が設定されている2つのイヤホン本体の一方にマイクロホンを組み込む場合、マイクロホンは左耳用のイヤホン本体(ケーブル長が短い方のイヤホン本体)に組み込むことにより、言語処理機能を有する左脳に相手側の音声をストレートに伝えることができるようになり、相手側の音声が聞き取りやすくなる。なぜならば、耳の聴覚神経は脳内で交差しており、左耳は右脳に、右耳は左脳につながっている。左耳から入った音声は右脳を経由して左脳の言語中枢に届き、右耳から入った音声はストレートに左脳の言語中枢に入る。右脳経由の情報処理は、左脳に直接インプットする場合よりも長く、100分の1から200分の1の時間差があり、外国語の習得や相手側の話しを正確に聞くには、右耳が利き耳である方が有利と言われているからである。こうして、スムーズな通話を実現できる。また、リモコンに設けられているフックスイッチを切替スイッチとして兼用し、フックスイッチをオン(オンフック)にすることでステレオイヤホンモードにし、フックスイッチをオフ(オフフック)にすることでイヤホンマイクモードにすることにより、専用の切替スイッチが不要となる。こうして、コストを抑え、使い勝手も向上しながら、より明瞭な通話を実現できる。さらに、マイクロホンを組み込むイヤホン本体にさらに第2のマイクロホンを組み込み、第2のマイクロホンはそれを組み込むイヤホン本体を耳に装着したときに耳外の音を拾うことにより、第2のマイクロホンを外部の騒音を拾ってノイズキャセル用として使用したり、外の音を拾い同じイヤホン本体に組み込んでいるイヤホン用スピーカとで補聴用として使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0010】
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1に係るリモコン付きステレオイヤホンマイクの全体図であり、図1において、1は音楽再生機能を有し所謂「音楽携帯」と呼ばれる携帯電話機、2は携帯電話機1に接続して使用するリモコン付きステレオイヤホンマイクである。リモコン付きステレオイヤホンマイク2は、一方の耳の穴(外耳道)に差し込んで使用するカナル型のイヤホン本体3および他方の耳の穴に差し込んで使用するカナル型のイヤホン本体4の2つと、フックスイッチ5およびボリューム6を設けたリモコン7と、携帯電話機1の側面に設けられている平型イヤホンジャック(図示省略)に抜き差し可能な平型イヤホンプラグ8とをケーブル9で接続して構成したもので、平型イヤホンプラグ8を平型イヤホンジャックに差し込むことで携帯電話機1と接続できるようになっている。
【0011】
図2は一方のイヤホン本体3の断面図、図3は他方のイヤホン本体4の断面図であり、図2,図3に示すように、各イヤホン本体3,4は、上側に大径部10を設け、耳の穴に差し込む下側の小径部11の閉鎖端(底)に音孔12を設けた段付きの有底円筒状のハウジング本体13と、ハウジング本体13の上部開口縁に下部開口縁を突き合わせて接合一体化しハウジング本体13とで中空のハウジング14を構成するとともに、ハウジング本体13とは垂直な筒状のケーブル挿通部15を設けたドーム状のカバー16と、周縁部がハウジング本体13の上部開口縁で支えられてハウジング本体13の上部に嵌合され、放音面を下側の音孔12に向けた状態でハウジング14内に組み込まれるダイナミック型で円形のイヤホン用スピーカ17と、ハウジング本体13の小径部11に外嵌し、イヤホン本体3,4の装着時にフィット感、耳内から外部への音漏れおよび外部から耳内への音の侵入を防止する遮音性を得るための弾性材料(例えばシリコンラバー)からなるイヤーピース(耳栓)18とで構成されるカナル型のイヤホン構造を有している。
【0012】
また、図3に示す一方のイヤホン本体4内には無指向性又は単一指向性のエレクトレットコンデンサ型のマイクロホン19を1つ組み込むもので、そのマイクロホン19を組み込む一方のイヤホン本体4は、ハウジング本体13における大径部10の周側壁の肉厚内に上面開放のマイク収納部20を設けるとともに、音孔12とイヤホン用スピーカ17との間に形成されるハウジング本体13と同心な主音道21からイヤホン用スピーカ17の直前で直角に分岐させて、マイク収納部20を主音道21に連通させる細い分岐音道22を設けている。そして、マイクロホン19は、マイク収納部20に内向きで収納され、集音孔を分岐音道21に対向させ、カバー16で上から押さえられて、一方のイヤホン本体4内に組み込まれている。こうして、マイクロホン19を直接一方のイヤホン本体4内に組み込むことで、使用者の口から出される音声や周囲の雑音など耳の外の音を拾うことなく使用者が声を出すときに耳内に発生する音声のみを拾うことができるように構成している。
【0013】
さらに、リモコン7に、同じイヤホン本体4に組み込んでいるイヤホン用スピーカ17とマイクロホン19とを択一的に携帯電話機1に切り替え接続する切替スイッチを設けるのであるが、その切替スイッチをフックスイッチ5で兼用するもので、フックスイッチ5のオン(オンフック)時にイヤホン用スピーカ17を携帯電話機1に接続し、フックスイッチ5のオフ(オフフック)時にマイクロホン19を携帯電話機1に接続している。こうして、リモコン付きステレオイヤホンマイク2を、リモコン7に設けられているフックスイッチ5のオン/オフ(オンフック/オフフック)に連動して、2つのイヤホン用スピーカ17のみを動作させるステレオイヤホンモードと、1つのマイクロホン19を動作させ、かつ、マイクロホン19が動作している方のイヤホン用スピーカ17は動作させず、他方のイヤホン用スピーカ17を動作させる(同じイヤホン本体4に組み込んでいるイヤホン用スピーカ17とマイクロホン19は同時に動作させない)イヤホンマイクモードとに切り替えるように構成している。
【0014】
なお、フックスイッチ5は、それをオフ(オフフック)にすることで、携帯電話機1で電話をかけようとして相手方の電話番号を発信するときや携帯電話機1に着信があった場合に電話を受けるときに、携帯電話機1に設けられている発信スイッチの代わりに、リモコン7に内蔵の制御回路を介して携帯電話機1に内蔵の制御回路に対して発信・応答信号を出力し、オン(オンフック)にすることで、電話を切るときに携帯電話機1に設けられている終話スイッチの代わりに、リモコン7に内蔵の制御回路を介して携帯電話機1に対して終話信号を出力し、携帯電話機1をリモートコントロールするもので、リモコン付きステレオイヤホンマイク2のステレオイヤホンモードとイヤホンマイクモードの切り替えもリモコン7に内蔵の制御回路を介して行われる。リモコン7にはそのような制御回路の他、2つのイヤホン用スピーカ17の音量をボリューム6操作に基づいて調整する音量調整回路、マイクロホン19の周波数特性補正回路が組み込まれている。マイクロホン19は耳内で発生した音声のみを拾うが、耳内では高域が減退する傾向にあり、それをマイクロホン19で拾いそのまま相手方に伝えると聞き取りにくい面があるため、ハイパスフィルターとアンプからなる周波数特性補正回路を使用し、高域を持ち上げて明瞭度を上げるようにしている。ハイパスフィルターとアンプの代わりに、プログラムによって自由に調整ができる専用のイコライジング用ICかららなる周波数特性補正回路を使用してもよい。
【0015】
上記のように構成したリモコン付きステレオイヤホンマイク2は、それを携帯電話機1に接続し、例えばマイクロホン19を組み込んでいないイヤホン本体3を右耳の穴に差し込んで装着するとともに、マイクロホン19を組み込んでいるイヤホン本体4を左耳の穴に差し込んで装着した使用状態で、携帯電話機1の音楽再生機能を起動させると、携帯電話機1からそれに保存された音楽データなどが各イヤホン本体3,4に組み込んでいる2つのイヤホン用スピーカ17に入力されて、そこで再生される。これにより、使用者は両耳で音楽を聴くことができる(ステレオイヤホンモード)。
【0016】
また、音楽を聴いている際に着信があった場合、その着信中にフックスイッチ5をオフ(オフフック)にすることで、それを携帯電話機1に内蔵の制御部が確認し、割り込み処理として音楽再生を一時停止して電話機能を起動させるとともに、リモコン付きステレオイヤホンマイク2側ではステレオイヤホンモードからイヤホンマイクモードに切り替えられ、使用者の発声に伴って周囲の雑音などを拾うことなく左耳内に発生する音声のみがマイクロホン19で拾われ、そこで電気信号に変換されて携帯電話機1に出力され、相手側の音声信号が携帯電話機1から右耳に装着したイヤホン本体3のイヤホン用スピーカ17に入力されて、そこで再生される。これにより、使用者は右耳で相手側の音声を聞き取りながら、ハンズフリーで通話を行うことができる。
【0017】
そして、フックスイッチ5をオン(オンフック)にして終話すると、音楽再生の一時停止が解除され、音楽再生が再開されるとともに、リモコン付きステレオイヤホンマイク2側ではイヤホンマイクモードからステレオイヤホンモードに戻される。これにより、使用者は再び両耳で音楽を聴くことができる。
【0018】
以上、実施の形態1のリモコン付きステレオイヤホンマイク2は、音楽再生機能を有する携帯電話機1に接続し使用するリモコン付きステレオイヤホンマイクであって、耳の穴に差し込む型の2つのイヤホン本体3,4の一方にマイクロホン19を組み込み、リモコン7に、2つのイヤホン用スピーカ17のみを動作させるステレオイヤホンモードと、1つのマイクロホン19を動作させ、かつ、マイクロホン19が動作している方のイヤホン用スピーカ17は動作させず、他方のイヤホン用スピーカ17を動作させるイヤホンマイクモードとに切り替える切替スイッチ5を設けたもので、マイクロホン19を直接一方のイヤホン本体4内に組み込むから、イヤホンマイクモードに切り替えたときに周囲の雑音などを拾うことなく耳内に発生する音声のみを拾うことができるようになり、相手側が聞き取りやすくなる。こうして、音楽再生機能を有する携帯電話機1でのステレオによる臨場感のある音楽再生とハンズフリーでありながら周囲の雑音などに影響を受けない明瞭な通話を実現している。また、イヤホンマイクモードではマイクロホン19が動作している方のイヤホン用スピーカ17は動作させず、他方のイヤホン用スピーカ17を動作させる(同じイヤホン本体4に組み込んでいるイヤホン用スピーカ17とマイクロホン19は同時に動作させない)から、エコーが発生せず、相手側がより聞き取りやすくなるとともに、複雑なエコーキャンセラー構造や回路が不要となる。こうして、コストを抑えながら、より明瞭な通話を実現している。さらに、リモコン7に設けられているフックスイッチ5を切替スイッチとして兼用し、フックスイッチ5をオン(オンフック)にすることでステレオイヤホンモードにし、フックスイッチ5をオフ(オフフック)にすることでイヤホンマイクモードにすることにより、専用の切替スイッチが不要となる。こうして、コストを抑え、使い勝手も向上しながら、より明瞭な通話を実現している。
【0019】
また、実施の形態1のリモコン付きステレオイヤホンマイク2では、耳の穴に差し込む型の2つのイヤホン本体3,4の一方にマイクロホン19を組み込んでいるが、例えば2つのイヤホン本体3,4のケーブル長(リモコン7とイヤホン本体3,4との間のケーブル長)に差を付けて、2つのイヤホン本体3,4の装着する耳を設定した場合、マイクロホン19は左耳用のイヤホン本体(ケーブル長が短い方のイヤホン本体)に組み込むことにより、右耳用のイヤホン本体(ケーブル長が長い方のイヤホン本体)のイヤホン用スピーカ17によって、言語処理機能を有する左脳に相手側の音声をストレートに伝えることができるようになり、相手側の音声が聞き取りやすくなる。こうして、スムーズな通話を実現できる。
【0020】
[実施の形態2]
図4は本発明の実施の形態2に係るリモコン付きステレオイヤホンマイクの全体図である。なお、図4に示す実施の形態2のリモコン付きステレオイヤホンマイク23において、図1に示した実施の形態1のリモコン付きステレオイヤホンマイク2と同じ部分は同じ符号を付してその説明を省略する。
【0021】
図4に示す実施の形態2のリモコン付きステレオイヤホンマイク23は、それに設ける2つのイヤホン本体の両方に図3に示したイヤホン本体4を使用し、音楽再生機能を有する携帯電話機1に接続し使用するリモコン付きステレオイヤホンマイクであって、耳の穴に差し込む型の2つのイヤホン本体4,4の両方にマイクロホン19を組み込み、リモコン7に、2つのイヤホン用スピーカ17のみを動作させるステレオイヤホンモードと、1つのマイクロホン19を動作させ、かつ、マイクロホン19が動作している方のイヤホン用スピーカ17は動作させず、他方のイヤホン用スピーカ17を動作させるイヤホンマイクモードとに切り替える切替スイッチ5と、イヤホンマイクモードに切り替えたときにどちらのイヤホン用スピーカ17を使用するかを選択するための選択スイッチ24を設け、また、リモコン7に設けられているフックスイッチ5を切替スイッチとして兼用し、フックスイッチ5をオン(オンフック)にすることでステレオイヤホンモードにし、フックスイッチ5をオフ(オフフック)にすることでイヤホンマイクモードにするものである。
【0022】
ここで、実施の形態2のリモコン付きステレオイヤホンマイク23では、同じイヤホン本体4に組み込んでいない1つのイヤホン用スピーカ17および1つのマイクロホン19の組が2組存在し、選択スイッチ24は、フックスイッチ5のオフ(オフフック)時に2組のうちのどちらか1組を択一的に携帯電話機1に切り替え接続するものである。
【0023】
上記のように構成したリモコン付きステレオイヤホンマイク23では、音楽を聴いている際に着信があり、フックスイッチ5をオフ(オフフック)にしてステレオイヤホンモードからイヤホンマイクモードに切り替えたとき、携帯電話機1のレシーバを当てない利き耳でない方の例えば右耳に装着されたイヤホン本体4のイヤホン用スピーカ17で相手側の音声が再生され、使用者が違和感を感じたとしても、選択スイッチ24により利き耳の左耳に装着されたイヤホン本体4のイヤホン用スピーカ17を選択することで、直ちに、左耳に装着されたイヤホン本体4のイヤホン用スピーカ17で相手側の音声が再生され、使用者は利き耳の左耳で違和感なく相手側の音声を聞き取りながら、ハンズフリーで通話を行うことができる。
【0024】
以上、実施の形態2のリモコン付きステレオイヤホンマイク23は、2つのイヤホン本体4,4の両方にマイクロホン19を組み込み、リモコン7に、イヤホンマイクモードに切り替えたときにどちらのイヤホン用スピーカを使用するかを選択するための選択スイッチ24を設けることにより、使用者の自由度が広がり、例えば携帯電話機のレシーバを当てる方の耳に装着されたイヤホン本体4のイヤホン用スピーカ17を選択するなど使用者が使いやすいように設定できるようになる。こうして、イヤホンマイクとしての使い勝手の向上を図りながら、より明瞭な通話を実現している。
【0025】
[実施の形態3]
上記実施の形態1、2のリモコン付きステレオイヤホンマイク2、3における、マイクロホン19を1つ組み込んだイヤホン本体4に代えて、図5に示すようなマイクロホンを2つ組み込んだイヤホン本体25を使用し、実施の形態3のリモコン付きステレオイヤホンマイクを構成している。図5において、図3に示したイヤホン本体4と同じ部分には同じ符号を付してその説明を省略する。図5に示すイヤホン本体25は、マイク収納部20と点対称の位置に第2のマイク収納部26を設けるとともに、そのマイク収納部26をイヤホン本体25の外部に連通させる第2の音孔27を設け、無指向性又は単一指向性のエレクトレットコンデンサ型の第2のマイクロホン28を第2のマイク収納部26に外向きで収納し、集音孔を第2の音孔27に対向させ、カバー16で上から押さえ、イヤホン本体25内に2つのマイクロホン19,28を組み込んでいる。そして、第2のマイクロホン28は、外部の騒音を拾ってノイズキャセル用として使用したり、外の音を拾い同じイヤホン本体25に組み込んでいるイヤホン用スピーカ17とで補聴用として使用することができる。
【0026】
以上、実施の形態1乃至3は本発明の好適な実施の形態を携帯電話機1に有線で接続するカナル型のもので説明したが、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形実施することができる。
【0027】
例えば、リモコン付きステレオイヤホンマイクと携帯電話機との有線接続用の平型イヤホンプラグに代えて、丸型イヤホンプラグ(Φ3.5mmのステレオミニプラグ)を設け、携帯電話機の平型イヤホンジャックには変換アダプタを介して接続し、携帯オーディオ機器に接続して使用できるようにしてもよい。また、リモコン付きステレオイヤホンマイクと携帯電話機との接続は、2.4GHzや3.1〜10.6GHz帯の電波を使用する近距離無線通信で行ってもよい。この場合、平型や丸型のプラグ、それとリモコンとの間のケーブルの代わりに、無線接続用の送受信回路やバッテリがリモコン内に設けられる。また、カナル型のイヤホン本体に代えて、カナル型よりも浅く耳の穴に差し込んで使用するインナーイヤー型のイヤホン本体を使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態1に係るリモコン付きステレオイヤホンマイクの全体図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るリモコン付きステレオイヤホンマイクのマイクロホンを組み込んでいない一方のイヤホン本体の断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係るリモコン付きステレオイヤホンマイクのマイクロホンを組み込んでいる他方のイヤホン本体の断面図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係るリモコン付きステレオイヤホンマイクの全体図である。
【図5】本発明の実施の形態3に係るリモコン付きステレオイヤホンマイクのマイクロホンを組み込んでいるイヤホン本体の断面図である。
【符号の説明】
【0029】
1 携帯電話機
2,23 リモコン付きステレオイヤホンマイク
5 フックスイッチ(切替スイッチ)
7 リモコン
17 イヤホン用スピーカ
19 マイクロホン
24 選択スイッチ
28 第2のマイクロホン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音楽再生機能を有する携帯電話機に接続し使用するリモコン付きステレオイヤホンマイクであって、耳の穴に差し込む型の2つのイヤホン本体の一方又は両方にマイクロホンを組み込み、リモコンに、2つのイヤホン用スピーカのみを動作させるステレオイヤホンモードと、1つのマイクロホンを動作させ、かつ、マイクロホンが動作している方のイヤホン用スピーカは動作させず、他方のイヤホン用スピーカを動作させるイヤホンマイクモードとに切り替える切替スイッチを設けたことを特徴とするリモコン付きステレオイヤホンマイク。
【請求項2】
2つのイヤホン本体の両方にマイクロホンを組み込む場合、リモコンに、イヤホンマイクモードに切り替えたときにどちらのイヤホン用スピーカを使用するかを選択するための選択スイッチを設けることを特徴とする請求項1に記載のリモコン付きステレオイヤホンマイク。
【請求項3】
リモコンに設けられているフックスイッチを切替スイッチとして兼用し、フックスイッチをオンにすることでステレオイヤホンモードにし、フックスイッチをオフにすることでイヤホンマイクモードにすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のリモコン付きステレオイヤホンマイク。
【請求項4】
マイクロホンを組み込むイヤホン本体にさらに第2のマイクロホンを組み込み、第2のマイクロホンはそれを組み込むイヤホン本体を耳に装着したときに耳外の音を拾うことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のリモコン付きステレオイヤホンマイク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−147982(P2010−147982A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−325326(P2008−325326)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【出願人】(000194918)ホシデン株式会社 (527)
【Fターム(参考)】