説明

リモート式プラズマ処理方法

【課題】リモートプラズマ処理方法において、プラズマ処理効率を向上させることである。
【解決手段】相対向する一対の電極4A、4B、および一対の電極のうち少なくとも一方の電極の対向面に設置された固体誘電体層5もしくは6を備えているプラズマ処理装置を使用する。放電空間8中に大気圧以上の圧力の処理ガス9を導入し、一対の電極へのパルス電圧の印加による放電を用いて処理ガス9を活性化し、活性化した処理ガスを被処理物11に照射する。放電空間のギャップ間隔dが0.3mm以下であり、電極間の平均電界強度が10kV/cm以上であり、パルス電圧のパルス幅が5マイクロ秒以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リモート式プラズマ処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1においては、大気圧近傍の圧力下で、対向電極の少なくとも一方の対向面に固体誘電体を設置し、対向電極間に電界を印加することによりグロー放電プラズマ処理を行う方法が開示されている。ここで、印加される電界がパルス化されたものであり、電圧立ち上がり時間が100μs以下、電界強度が1〜100kV/cmとなされている。これによって、例えば窒素ガスをグロー放電プラズマ処理し、基板の表面改質処理を行うことに成功したとされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1記載の方法は、大気圧近傍の処理ガスを用い、電極間でグロー放電させて表面改質を行う方法である。本発明者が検討したところでは、加圧した処理ガスを用いてプラズマ・ジェットを発生させ、プラズマ・ジェットを被処理物に吹き付ける方式(リモートプラズマ方式)に応用すると、処理効率が非常に低くなった。
【特許文献1】特許第3040358号
【0004】
また、グロー放電方式であるため、プラズマ密度が低く、表面改質処理などで十分に高い処理効率は得られなかった。
【0005】
特許文献1では、更に、インバーター方式のパルス発生装置を用いているため、パルス電流密度をあげることができず、十分な処理効果が得られない。更に、パルス電源のスイッチング素子として、IGBTなどのMOS型素子を用いているが、パルス回路中のノイズなどで誤動作する頻度が高く、場合によってはアーク発生時には素子破壊に至るケースもある。
【0006】
本発明の課題は、リモートプラズマ処理方法において、プラズマ処理効率を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、相対向する一対の電極、および一対の電極のうち少なくとも一方の電極の対向面上に設置された固体誘電体層を備えているプラズマ処理装置を使用し、
一対の電極間に設けられた放電空間中に大気圧以上の圧力の処理ガスを導入し、一対の電極へのパルス電圧の印加による放電を用いて処理ガスを活性化し、活性化した処理ガスを被処理物に接触させるのに際して、放電空間のギャップ間隔が0.3mm以下であり、電極間の平均電界強度が10kV/cm以上であり、パルス電圧のパルス幅が5マイクロ秒以下であることを特徴とする、リモート式プラズマ処理方法に係るものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、リモート式プラズマ処理に際して、放電空間のギャップ間隔を0.3mm以下と狭くし、この狭いギャップ空間内に高エネルギー密度のストリーマー放電を発生させることによって、プラズマジェット中のラジカル発生量が多く、処理効果の高いプラズマ処理を実現できた。
【0009】
放電空間のギャップ間隔dを0.3mm以下とすることによって、ギャップ内を通過する処理ガス中のエネルギー密度を高くし、処理効率を向上させることができる。この観点からは、放電空間のギャップ間隔dは0.2mm以下が更に好ましい。また、ギャップ間隔を0.05mm以下にすると、電極面全体をに均一の間隔に保つことが困難となり処理効果が不均一となってしまうため、工業的に安定したプラズマ処理装置を得る という観点からは、ギャップ間隔dは0.05mm以上が好ましい。
【0010】
電極間の平均電界強度は、本発明の観点からは、40kV/cm以上とすることが更に好ましい。
【0011】
また、パルス電圧のパルス幅を5マイクロ秒以下とすることによって、処理ガス中フロー中のラジカル発生量を増やし、処理効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
好適な実施形態においては、パルス電圧を印加するためのパルス電源として、誘導蓄積型パルス電源を用いる。これによって、高い電流密度のストリーマー放電を発生させることが可能となり、この結果、プラズマジェット中のラジカルの発生量が多く、処理効果を向上させることができる。
【0013】
また、好適な実施形態においては、パルス電源のスイッチング素子として、静電誘導型サイリスタ素子を用いる。これはノイズによる誤動作、素子破壊が少なく、メインテナンスがし易いので、生産性を向上させることができる。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態を模式的に示す図である。電極装置4Aと4Bは誘電体固体層5、6、12、13で覆われた電極装置であり、これを対向させることにより放電空間8を形成する。すなわち放電空間8は電極間にはさまれるような位置に形成する。本例では、放電空間8は、2つの誘電体層12、13間に形成されている。一方の電極上のみに誘電体層5(または6)を設ける場合は、電極装置と誘電体層間によって形成される空間が放電空間8となるが、放電空間8はやはり一対の電極間に設けられている。本例では、電極4Aおよび4Bの各外側にも誘電体層5、6を有しているが、これらは必須ではない。放電空間8のギャップ間隔dは、本発明に従い、0.3mm以下とする。また、電極間隔Xは、電極装置4A、4Bの放電空間ギャップ側の短面間の距離で定義する。
【0015】
一対の電極4Aと4Bとに対して電源1からパルス電圧を供給する。これと同時に、ガス管2から9のように処理ガスを空間8内へと噴出させ、プラズマ処理し、矢印10のように被処理物11の被処理面11aに対して処理済みのガスを噴出させる。
【0016】
上記電極としては、銅、アルミニウム等の金属単体、ステンレス、真鍮等の合金、金属間化合物等からなるものが挙げられる。上記対向電極は、電界集中によるアーク放電の発生を避けるために、対向電極間の距離が略一定となる構造であることが好ましい。この条件を満たす電極構造としては、平行平板型、円筒対向平板型、球対向平板型、双曲面対向平板型、同軸円筒型構造等が挙げられる。
【0017】
上記固体誘電体は、上記電極の対向面の一方又は双方に設置する。この際、固体誘電体と設置される側の電極が密着し、かつ、接する電極の対向面を完全に覆うようにする。固体誘電体によって覆われずに電極同士が直接対向する部位があると、そこからアーク放電が生じるためである。
【0018】
電極の一方または双方を固体誘電体によって被覆することができる。この固体誘電体としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチック、ガラス、二酸化珪素、酸化アルミニウム、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン等の金属酸化物、チタン酸バリウム等の複合酸化物を例示できる。
【0019】
また、上記固体誘電体は、比誘電率が2以上(25°C環境下)であることが好ましい。比誘電率が2以上の誘電体の具体例としては、ポリテトラフルオロエチレン、ガラス、金属酸化膜等を挙げることができる。さらに高密度の放電プラズマを安定して発生させるためには、比誘電率が10以上の固定誘電体を用いことが好ましい。比誘電率の上限は特に限定されるものではないが、現実の材料では18,500程度のものが知られている。比誘電率が10以上の固体誘電体としては、酸化チタニウム5〜50重量%、酸化アルミニウム50〜95重量%で混合された金属酸化物皮膜、または、酸化ジルコニウムを含有する金属酸化物皮膜からなり、その被膜の厚みが10〜1000μmであるものを用いることが好ましい。
【0020】
本発明において、各電極の平面的パターンは特に限定されず、触媒の種類、反応の種類に合わせて設計できる。例えば、電極の平面的パターンを櫛歯状としたり、網目状とすることができる。
【0021】
電極が網状または櫛歯状をなしている場合には、貫通孔を網目状に形成したり、櫛歯の間の隙間に規則的に形成することが容易であり、好ましい。この実施形態においては、網目の形状は特に限定されず、円形、楕円形、レーストラック形状、四辺形、三角形等の多角形などであってよい。また櫛歯状電極の櫛歯の形状も特に限定されないが、長方形や平行四辺形であることが特に好ましい。
【0022】
本発明においては、パルス電圧を対向電極間に印加し、プラズマを生成させる。この際、パルス電圧の波形は特に限定されず、インパルス型、方形波型(矩形波型)、減衰振動型のいずれであってもよい。直流バイアス電圧を同時に印加することができる。
【0023】
本発明においては、パルス電圧のパルス幅を5マイクロ秒以下とする。パルス幅パルス電圧が電圧ピーク値の半分となる半値幅の期間をいう。減衰波形のパルスでは、一連の複数のパルスが連続的に減衰していくが、この場合には、初期波の半値幅を意味する。例えば、図2(a)に示す波形の場合には、一つのインパルス型パルス電圧なので、パルス幅はそのパルスの半値幅となる。図2(b)においては、パルスが減衰振動しているので、パルス幅は、初期波の半値幅となる。図2(c)に示す方形波についても同様に、パルス電圧の半値幅でパルス幅を定義する。また、平均電界強度 Eav は下式で示すように、電圧ピーク値 Vpを電極間隔Xで除した値で定義する。
【0024】
Eav=Vp/ X
【0025】
パルスの立ち上がり時間が短いほど、プラズマ発生の際のガスの電離が効率よく行われる。この観点からは、パルスの立ち上がり時間は0.05マイクロ秒以下であることが好ましい。また現実的にはパルスの立ち上がり時間は、パルス発生回路に用いるスイッチング素子の動作時間、回路インピーダンスによる過渡現象のため0.1マイクロ秒以上である。立ち上がり時間とは、電圧変化が連続して正である時間を指すものとする。
【0026】
また、パルス電界の立ち下がり時間も急峻であることが好ましく、0.05マイクロ秒以下であることが好ましい。
【0027】
パルス電界の周波数は、0.5kHz〜100kHzであることが好ましい。0.5kHz未満であるとプラズマ密度が低いため処理に時間がかかりすぎ、100kHzを超えるとアーク放電が発生しやすくなる。
【0028】
前述のようなパルス電圧は、急峻パルス発生電源によって印加できる。このような電源としては、磁気圧縮機構を必要としない静電誘導サイリスタ素子を用いた誘導蓄積型パルス電源、磁気圧縮機構を備えたサイラトロン、ギャップスイッチ、IGBT素子、MOF−FET素子、静電誘導サイリスタ素子を用いた容量蓄積型パルス電源を例示できる。パルス電圧を印加するためのパルス電源として、誘導蓄積型パルス電源が特に好ましい。
【0029】
本発明によって発生させたプラズマによる処理対象は特に限定されない。以下、基体の表面処理方法について詳述する。
【0030】
被処理物としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、アクリル樹脂等のプラスチック、ガラス、セラミック、金属等が挙げられる。基材の形状としては、板状、フィルム状等のものが挙げられるが、特にこれらに限定されない。本発明の表面処理方法によれば、様々な形状を有する基材の処理に容易に対応することが出来る。
【0031】
処理用ガスとしてフッ素含有化合物ガスを用いることによって、基材表面にフッ素含有基を形成させて表面エネルギーを低くし、撥水性表面を得ることが出来る。
【0032】
フッ素元素含有化合物としては、4フッ化炭素(CF4 )、6フッ化炭素(C2 F6 )、6フッ化プロピレン(CF3 CFCF2 )、8フッ化シクロブタン(C4 F8 )等のフッ素−炭素化合物、1塩化3フッ化炭素(CClF3 )等のハロゲン−炭素化合物、6フッ化硫黄(SF6 )等のフッ素−硫黄化合物等が挙げられる。安全上の観点から、有害ガスであるフッ化水素を生成しない4フッ化炭素、6フッ化炭素、6フッ化プロピレン、8フッ化シクロブタンを用いることが好ましい。
【0033】
処理用ガスとして以下のような酸素元素含有化合物、窒素元素含有化合物、硫黄元素含有化合物を用いて、基材表面にカルボニル基、水酸基、アミノ基等の親水性官能基を形成させて表面エネルギーを高くし、親水性表面を得ることが出来る。
【0034】
酸素元素含有化合物としては、酸素、オゾン、水、一酸化炭素、二酸化炭素、一酸化窒素、二酸化窒素の他、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、メタナール、エタナール等のアルデヒド類等の酸素元素を含有する有機化合物等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を混合して用いてもよい。さらに、上記酸素元素含有化合物と、メタン、エタン等の炭化水素化合物のガスを混合して用いてもよい。また、上記酸素元素含有化合物の50体積%以下でフッ素元素含有化合物を添加することにより親水化が促進される。フッ素元素含有化合物としては上記例示と同様のものを用いればよい。
【0035】
窒素元素含有化合物としては、窒素、アンモニア等が挙げられる。上記窒素元素含有化合物と水素を混合して用いてもよい。
【0036】
硫黄元素含有化合物としては、二酸化硫黄、三酸化硫黄等が挙げられる。また、硫酸を気化させて用いることも出来る。これらは単独でも2種以上を混合して用いてもよい。
【0037】
分子内に親水性基と重合性不飽和結合を有するモノマーの雰囲気下で処理を行うことにより、親水性の重合膜を堆積させることも出来る。上記親水性基としては、水酸基、スルホン酸基、スルホン酸塩基、1級若しくは2級又は3級アミノ基、アミド基、4級アンモニウム塩基、カルボン酸基、カルボン酸塩基等の親水性基等が挙げられる。また、ポリエチレングリコール鎖を有するモノマーを用いても同様に親水性重合膜を堆積が可能である。
【0038】
前記モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カリウム、スチレンスルホン酸ナトリウム、アリルアルコール、アリルアミン、ポリエチレングリコールジメタクリル酸エステル、ポリエチレングリコールジアクリル酸エステル等が挙げられる。これらのモノマーは、単独または混合して用いられる。
【0039】
前記親水性モノマーは一般に固体であるので、溶媒に溶解させたものを減圧等の手段により気化させて用いる。上記溶媒としては、メタノール、エタノール、アセトン等の有機溶媒、水、及び、これらの混合物等が挙げられる。
【0040】
さらに、Si、Ti、Sn等の金属の金属−水素化合物、金属−ハロゲン化合物、金属アルコラート等の処理用ガスを用いて、SiO2 、TiO2 、SnO2等の金属酸化物薄膜を形成させ、基材表面に電気的、光学的機能を与えることが出来る。
【0041】
以下に挙げるような希釈ガスによって希釈された雰囲気中で処理を行うことが好ましい。希釈ガスとしては、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノン等の希ガス、窒素気体等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を混合して用いてもよい。また、希釈ガスを用いる場合、処理用ガスの割合は1〜10体積%であることが好ましい。
【0042】
本発明の方法によれば、アルゴン、窒素気体中における安定した処理が可能である。特に本発明では、窒素を70%以上含有する雰囲気を処理ガスとして用いた各種のリモートプラズマ処理が可能である点で画期的である。
【0043】
処理ガスの圧力は大気圧以上とするが0.2MPa以上が好ましく、0.4MPa以上が更に好ましい。
【実施例】
【0044】
図1に模式的に示した装置を使用し、ガラス基板表面のリモートプラズマによる有機汚染物質の洗浄処理を行った。
【0045】
具体的には誘電体板5、7として、縦90mm、横50mm、厚さ1mmのアルミナ板(純度95%)を準備した。モリブデン金属製の電極6A、6Bを、アルミナ板の厚さ方向中央部に埋設した誘電体層5、7の厚さはそれぞれ0.5mmである。
【0046】
放電空間のギャップ間隔dは、表1、表2に示すように変更した。間隔dはスペーサーによって調整した。
【0047】
電源としては、図3に示すような回路構成の誘導蓄積型パルス電源を使用した。また、パルス電圧のパルス波形は図4に示す。パルス電圧のパルス幅は、2または5μmとし、周波数を16kHzとし、出力を400Wとした。
【0048】
図5に示す回路の容量蓄積型パルス電源も使用した。パルス波形は図6に示す。パルス継続時間は10μmまたは20μmとした。バルス周波数は16kHzとし、出力を400Wとした。なお、波高値、電界強度は、表1、2に示す。
【0049】
処理ガスとしては、高純度窒素ガス(純度99.999%)を使用し、ガス圧力を0.5MPaとし、流量は、表1、2に示すように変更した。
【0050】
被処理物としては、ホウケイ酸ガラスからなる円盤状基板を用いた(直径30mm、厚さ3mm)。円盤状基板の被処理面11aを鏡面研磨仕上げした。初期水接触角を50〜53度とした。基板の搬送速度を5cm/秒とした。処理済みの基板表面における水接触角をエルマ販売社「G-1型」によって測定した(超純水を使用)。測定結果を表1、2に示す。
【0051】
【表1】

【0052】
【表2】

【0053】
このように本発明のリモートプラズマ処理方法によれば、基板表面の水接触角を著しく低減することができた。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の方法で使用可能なリモートプラズマ処理装置を模式的に示す図である。
【図2】(a)、(b)、(c)、および(d)は、それぞれ、波形とパルス幅との関係を示すグラフである。
【図3】誘導蓄積型パルス電源の回路図である。
【図4】誘導蓄積型パルス電源のパルス電圧のパルス波形を示すグラフである。
【図5】容量蓄積型パルス電源の回路図である。
【図6】容量蓄積型パルス電源のパルス波形を示すグラフである。
【符号の説明】
【0055】
1 電源 2 ガス管 3 チャンバー 4A、4B 電極装置 5、6、12、13 誘電体層 8 放電空間 9 処理ガス 10 プラズマ処理された処理ガス 11 非処理物 d 放電空間のギャップ間隔 X 電極間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相対向する一対の電極、および前記一対の電極のうち少なくとも一方の電極の対向面上に設置された固体誘電体層を備えているプラズマ処理装置を使用し、
前記一対の電極間に設けられた放電空間中に大気圧以上の圧力の処理ガスを導入し、前記一対の電極へのパルス電圧の印加による放電を用いて、前記処理ガスを活性化し、活性化した処理ガスを被処理物に接触させるのに際して、前記放電空間のギャップ間隔が0.3mm以下であり、前記電極間の平均電界強度が10kV/cm以上であり、前記パルス電圧のパルス幅が5マイクロ秒以下であることを特徴とする、リモート式プラズマ処理方法。
【請求項2】
前記パルス電圧を印加するためのパルス電源として、誘導蓄積型パルス電源を用いることを特徴とする、請求項1記載のプラズマ処理方法。
【請求項3】
前記パルス電圧を印加するためのバルス電源のスイッチング素子として、静電誘導型サイリスタ素子を用いることを特徴とする、請求項1または2記載のプラズマ処理方法。
【請求項4】
前記処理ガスにおける窒素ガス濃度が70体積%以上であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載のプラズマ処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−188748(P2007−188748A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−5714(P2006−5714)
【出願日】平成18年1月13日(2006.1.13)
【出願人】(000004064)日本碍子株式会社 (2,325)
【Fターム(参考)】