説明

リヤエンジン車両の車体構造

【課題】リヤエンジン車両の車体構造に関し、簡素な構成で、スペース効率及びメンテナンス性を向上させる。
【解決手段】エンジンルーム1の形状を車両後方へ向けて上昇する階段形状に形成し、水平面1a,頂面1b及び縦壁1cを設ける。また、上記階段形状に合わせて着座シート2を配置し、頂面1bの前端縁をシートバック2bへと車両前方に突出させて突出面3を形成する。
縦壁1c,シートバック2b及び突出面3で囲まれた空間部4に電装機器7を配置し、シートバック2bを回動可能に軸支する軸支部5を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両後端にエンジンルームを配置されたリヤエンジン車両の車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジンを車両の後端に配置して車室を低床化したリヤエンジン車両が開発されている。リヤエンジン車両では、エンジンルームに隣接する周囲の空間を車室空間として有効に利用するために、フロアパネルを車両後部で階段状に上昇させたものが知られている。
例えば特許文献1には、車両の後端に配置されたエンジンルームの前方にエアリザーバの配置空間を設け、フロアパネルをエアリザーバの形状に合わせて上方へ段状に突出させたリヤエンジンバスの構造が記載されている。この技術では、エアリザーバの配置空間を車両側方に設定し、車室の通路部分及び乗降口付近を他の部分よりもさらに低床化することで、室内空間を拡大させている。
【特許文献1】特開平10−258776号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、リヤエンジン車両では、エンジンを制御するための電子制御装置や各種リレー,ヒューズ類といった電装機器をエンジンルームの外部に配置して、エンジンルーム内のスペースを節約している。一般に、これらの電装機器は格納ボックスの内部に収納されて、エンジンに近接したエンジンルームの上方の車室内に配置される。
しかしながら、これらの電装機器には定期的なメンテナンスが要求される部品が含まれており、随時点検できる状態とする必要があるため、格納ボックスを配置したスペースの周囲に他の装備品を装着することができず、スペース効率を高めることができない。
【0004】
また、特許文献1に記載されたようなリヤエンジンバスの場合には、乗客による不用意なアクセスや荷物との接触から保護する必要がある。そのため、容易に取り外すことができないようにボルト締結等で蓋をした頑丈な格納ボックスが用いられており、整備点検作業が煩雑であるという課題もある。
一方、電装機器をエンジンルーム内に配置した場合には良好な整備性が得られず、またエンジンから発生する熱への対策が必要となり、コスト的にも不利である。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、簡素な構成で、スペース効率及びメンテナンス性を向上させることができるようにした、リヤエンジン車両の車体構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のリヤエンジン車両の車体構造(請求項1)は、水平に配設された水平面と、上記水平面よりも車両後方かつ上方に配設された頂面と、上記水平面及び上記頂面の間を縦方向に接続する縦壁とを具備し、車両後方へ向けて上昇する階段形状に形成されるとともに、車両後端に配置されたエンジンルームと、上記水平面上に配置され乗員の尻部を支持するシートクッションと、上記縦壁の前方に配置され上記乗員の背部を支持するシートバックとを具備し、上記エンジンルームの上記階段形状に合わせて配置された着座シートと、上記頂面の前端縁から上記シートバックへと車両前方に突出するように形成された突出面と、上記縦壁,上記シートバック及び上記突出面によって囲繞され、エンジンの駆動に係る電装機器が配置された空間部と、上記シートバックを上記エンジンルームに対して回動可能に軸支する軸支部と、を備えたことを特徴としている。
【0007】
また、本発明のリヤエンジン車両の車体構造(請求項2)は、請求項1記載の構成に加え、上記軸支部が、上記シートバックの上部を上記突出面の前端部近傍に対して軸支することを特徴としている。
一方、本発明のリヤエンジン車両の車体構造(請求項3)は、請求項1記載の構成に加え、上記軸支部が、上記シートバックの下部を上記縦壁の下部又は上記水平面に対して軸支することを特徴としている。
【0008】
なお、上記軸支部が上記シートバックの上部を軸支する構成では、上記シートバックの下端が上方へ開放されることになる。一方、上記軸支部が上記シートバックの下部を軸支する構成では、上記シートバックの上端が下方へ開放されることになる。
一方、本発明のリヤエンジン車両の車体構造(請求項4)は、請求項1〜3の何れか1項に記載の構成に加え、上記縦壁に形成され、上記電装機器に接続されるワイヤハーネスを挿通させる貫通穴をさらに備えたことを特徴としている。
【0009】
また、本発明のリヤエンジン車両の車体構造(請求項5)は、請求項1〜3の何れか1項に記載の構成に加え、上記頂面に形成され、上記電装機器に接続されるワイヤハーネスを挿通させる第二貫通穴をさらに備えたことを特徴としている。
また、本発明のリヤエンジン車両の車体構造(請求項6)は、請求項1〜5の何れか1項に記載の構成に加え、上記空間部の内側において、上記シートバックに対し所定の間隙を空けて配設されるとともに、上記電装機器を固設された板部材をさらに備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明のリヤエンジン車両の車体構造(請求項1)によれば、シートバックを回動させるという簡単な操作で、空間部を車室側に向けて開放し電装機器にアクセスすることができ、電装機器のメンテナンス性を向上させることができる。また、エンジンルームの階段形状とシートバックとの間隙として形成される空間部を電装機器の配置スペースとして利用することができ、車両のスペース効率を高めることができる。
【0011】
また、本発明のリヤエンジン車両の車体構造(請求項2)によれば、軸支部をシートバックの上部に設けることで、その上部を回動中心としてシートバック全体を上方へ持ち上げることができる。これにより、シートバックの裏面に配設された電装機器が高い位置に移動するため、楽な姿勢で整備点検を行うことが可能となり、整備性及び作業性を向上させることができる。
【0012】
また、本発明のリヤエンジン車両の車体構造(請求項3)によれば、軸支部をシートバックの下部に設けることで、その下部を回動中心としてシートバック全体をシートクッションに倒すことができる。これにより、シートバックがシートクッションのカバーになるため、整備点検時におけるシートクッションの汚れや破損を防止することができる。また、シートバック全体が略水平となるため、空間部の開放時の安定性が高い。さらに、シートバック裏面を簡便な作業台として利用することができ、整備性及び作業性を向上させることができる。
【0013】
また、本発明のリヤエンジン車両の車体構造(請求項4)によれば、ワイヤハーネス用の貫通穴を縦壁に設けることにより、エンジンルーム側から配索されるワイヤハーネスの延長距離を短縮することができ、コスト,部品重量を低減させることができる。また、ワイヤハーネスを室内側に対して隠蔽することができ、室内の美観を向上させることができる。
【0014】
また、本発明のリヤエンジン車両の車体構造(請求項5)によれば、ワイヤハーネス用の第二貫通穴をエンジンルームの頂面に設けることにより、エンジンルームからの熱気を空間部内へ流入しにくくすることができ、電装機器の動作環境を容易に確保することができる。
また、本発明のリヤエンジン車両の車体構造(請求項6)によれば、板部材を用いて電装機器とシートバックとの間に間隙を設けることにより、空間部の閉鎖時におけるシートバック表面への荷重を吸収する構造とすることができ、電装機器を保護することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面により、本発明の一実施形態について説明する。図1〜図4は、本発明の一実施形態に係るリヤエンジン車両の車体構造を説明するためのものであり、図1は本発明に係る車体構造を備えたリヤエンジン車両の車室内を示す斜視図、図2は同リヤエンジン車両の空間部を開放した状態を示す斜視図、図3は本車体構造に係るエンジンルーム及び着座シートの断面図(図1のA−A断面図)、図4はその要部を拡大して示す断面図である。
【0016】
なお、図5(a),(b)は変形例としての車体構造を示す断面図であり、(a)はシートバックの下方に回転軸が配設されたもの、(b)はワイヤハーネスの貫通穴がエンジンルームの頂面に形成されたものを示す。
【0017】
[1.構成]
本車体構造は、図1に示すリヤエンジン方式のバス車両10に適用されている。バス車両10の後端にはエンジンルーム1が配設されている。エンジンルーム1と車室との隔壁は車両後方へ向けて上昇する階段形状に形成されており、この段差を利用して着座シート2が配設されている。
【0018】
エンジンルーム1の段差部分をなす隔壁として、水平面1a,頂面1b及び縦壁1cが設けられている。水平面1aは着座面の土台となる部位であり、略水平に配設されている。頂面1bは水平面1aよりも車両後方かつ上方に配設された部位であり、水平面1aと同様に略水平に配設されている。前述の従来の車体構造に係る電装機器の格納ボックスは、頂面1bの上に固設されるのが一般的である。なお、勾配を設けて頂面1bを配設してもよい。
【0019】
縦壁1cは水平面1a及び頂面1bの間を縦方向に接続する部位であり、着座シート2の傾斜に合わせてその上端がやや車両後方へ向けて傾斜配置されている。これらの水平面1a,頂面1b及び縦壁1cの下面(エンジンルーム1の内側)には断熱材層1dが形成されており、エンジンルーム1内の熱気の客室への伝達を防止している。
着座シート2はバス車両10における最後部に配置された座席であり、車室内における全車幅に渡って延在している。この着座シート2は、シートクッション2a及びシートバック2bを備えて構成されている。
【0020】
シートクッション2aは、水平面1a上に配置された部位であり、乗員の尻部や大腿部を支持する適度の柔軟性を備えて水平面1aに固定されている。一方、シートバック2bは乗員の背部や腰部を支持する背もたれの部位である。図1に示すように、シートバック2bは車幅方向に三つの部位に分割形成されており、中央のシートバック2bにおける車室側の表面には手かけ2cが設けられている。
【0021】
以下、図3を用いて中央のシートバック2bに係る車体構造を詳述する。
エンジンルーム1の頂面1bは、その前端縁がシートバック2bへと突出するように前方へ延長形成されている。図3に示すように、縦壁1cよりも車両前方へ延びている頂面1bの一部位を突出面3と呼ぶ。シートバック2bの裏面は突出面3の先端に近接しており、縦壁1c,シートバック2bの背面及び突出面3によって囲繞された空間部4が形成されている。空間部4の内部には、エンジンを制御するための電子制御装置や各種リレー,ヒューズ類といった各種電装機器7が収納されている。
【0022】
電装機器7は、空間部4のシートバック2b側及び縦壁1c側の双方に固設されている。これらのうち、シートバック2b側の電装機器7は、図3に示すように板部材8を介して取り付けられている。板部材8とは、空間部4の内部方向(車両後方)へ凸形状に形成された板状の台座である。電装機器7を板部材8の上に固定することで、シートバック2bの裏面に対して所定の間隙dが確保されている。
【0023】
なお、板部材8は、シートバック2bの裏面において、上端部近傍及び下端部近傍に対して取り付けることが好ましい。あるいは、シートバック2bに骨組みとしてのフレームが内蔵されている場合には、そのフレームの近傍に固定することが好ましい。
空間部4の内部における縦壁1cの底部には、電装機器7に接続されるワイヤハーネス12を通す貫通穴6が穿孔されている。貫通穴6に挿通されるワイヤハーネス12の周囲にはグロメット6aが介装され、エンジンルーム1側からの熱気の流入が遮断されている。
【0024】
エンジンルーム1の頂面1b上にはブラケット11が固定されている。図2に示すように、ブラケット11はシートバック2bの後方において、中央のシートバック2bと略同一の幅で設けられており、その上端部には一対のヒンジ5(軸支部)が取り付けられている。
ヒンジ5は、シートバック2bの上端部を突出面3の前端部近傍に対して回動可能に軸支している。ヒンジ5によるシートバック2bの回転軸Cは、突出面3の前端部近傍においてバス車両10の車幅方向かつ水平に配向されている。これにより、シートバック2bは、図3に示すように空間部4を車室に対して閉鎖した閉鎖姿勢と、図3中に破線で示すように空間部4を車室側に開放した開放姿勢との間で、起伏揺動することができるようになっている。
【0025】
なお、図2に示すように、本実施形態ではワイヤハーネス12の配索経路の中途において、回転軸Cに近接した位置で回転軸Cと略平行に配向される中間部12aを設けている。中間部12aのワイヤハーネス12はブラケット11に対して遊着されており、シートバック2bの回動時におけるねじれを吸収できるようになっている。中間部12a以外の部分は、固定金具13によって固定された状態で配索されている。
【0026】
また、図3に示すように、シートバック2bの下端部にはラッチ式の固定具9が固定されている。固定具9とは、シートバック2bが不用意に開放されないように固定するための固定具である。
図4に示すように、固定具9はフック部9a,係合部9b及び支持軸9cを備えて構成される。支持軸9cはシートバック2bに固定された軸状の部材であり、支持軸9cに対してフック部9aが回動自在に釣支されている。一方、係合部9bは縦壁1cに対して固定されている。フック部9aは鉤形に形成された部材であり、シートバック2bを閉鎖した閉鎖姿勢では自重によって係合部9bと係合するように設けられている。
【0027】
また、フック部9aの操作は、シートクッション2aの後部とシートバック2bの下部との隙間から手を入れて行う。ここでは、シートクッション2a及びシートバック2bの中身が発泡性軟質ウレタン製であって、表皮がビニール又は布製の柔軟材でできているため、これらの隙間には手を容易に挿入できるとともに、外部からはフック部9aが見えないようになっている。
【0028】
[2.作用効果]
図1に示すように、シートバック2bが閉鎖姿勢にあるときには、空間部4が車室に対して閉鎖されるため、空間部4の内部に配設された電装機器7を隠蔽することができ、乗客による不用意なアクセスや荷物との接触から保護することができる。また、エンジンルーム1の頂面1bの上方の空間を利用することが可能となり、荷台としてスペースを有効活用することができる。
【0029】
また、乗客が着座シート2に着座する際の荷重がシートバック2bに作用したとしても、図3に示すように、シートバック2dの裏面と電装機器7との間には間隙dが設けられているため、シートバック2dのたわみが板部材8によって吸収される。このように、板部材8を介して電装機器7をシートバック2dの裏面に固定することで、電装機器7をより確実に保護することができる。
【0030】
電装機器7の整備点検時には、固定具9を操作してフック部9aと係合部9bとの係合を解除しながら手かけ2cを車両前方に引き上げると、シートバック2bが回転軸Cを中心として上方へ回動し、図2に示すように空間部4が開放される。つまり、シートバック2bが空間部4の開閉ドアとして機能することになる。このように、シートバック2bを回動させるという簡単な操作で、空間部4に収納された電装機器7にアクセスすることができ、良好なメンテナンス性を獲得できる。
【0031】
また、シートバック2bが開放姿勢にあるときにはシートバック2bの裏面に配設された電装機器7が高い位置に移動するため、楽な姿勢で整備点検を行うことが可能となり、整備性及び作業性を向上させることができる。さらに、エンジンルーム1の階段形状とシートバック2bとの間隙として形成される空間部4を電装機器7の配置スペースとして利用することができ、車両のスペース効率を高めることができる。
【0032】
電装機器7のワイヤハーネス12は、空間部4の内部の縦壁1cに穿孔された貫通穴6から導入されているため、エンジンルーム1から側から配索されるワイヤハーネス12の延長距離を短縮することができ、コスト,部品重量を低減させることができる。また、ワイヤハーネス12を車室に対して隠蔽することができ、車室内の美観を向上させることができる。さらに、ワイヤハーネス12の中間部12aが回転軸Cに近接した位置で回転軸Cと略平行に配向されて遊着されているため、シートバック2bの開閉時のねじれを効果的に吸収することができる。
【0033】
[3.その他]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態等に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上述の実施形態ではヒンジ5がシートバック2bの上部を突出面3に対して軸支しているが、このような構成に代えて、ヒンジ5′をシートバック2bの下方に設け、シートバック2bの下端部を縦壁1cや水平面1a等のエンジンルーム1側に対して軸支する構成としてもよい。つまり、図5(a)中に破線で示すように、シートバック2bの下部を回動中心としてシートクッション2aに倒すような構成である。
【0034】
このような構成により、シートバック2bがシートクッション2aの保護カバーとして機能することになるため、整備点検時におけるシートクッション2aの汚れや破損を防止することができる。また、シートバック2b全体が略水平となるため、空間部4の開放時の安定性が高い。さらに、シートバック2bの裏面を簡便な作業台として利用することができ、整備性及び作業性を向上させることができる。
【0035】
また、ワイヤハーネス12の配索経路は上述の実施形態のものに限定されない。例えば、図5(b)に示すように、エンジンルーム1の頂面1bに貫通穴6′(第二貫通穴)を設けてワイヤハーネス12を通す構成としてもよい。この場合、エンジンルーム1からの熱気を空間部4内へ流入しにくくすることができ、電装機器7の動作環境を容易に確保することができる。
【0036】
また、上述の実施形態では固定具9を用いてシートバック2bを固定する構成を例示したが、これに代えて、ボルト締結等の公知の手段を用いてもよい。
また、上述の実施形態では本発明をバス車両10に適用したものを例示したが、本発明の適用対象はこれに限定されず、エンジンルームを車両後端に配置されたリヤエンジン自動車やボックス型車両等に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係る車体構造を備えたリヤエンジン車両の車室内を示す斜視図である。
【図2】同リヤエンジン車両の空間部を開放した状態を示す斜視図である。
【図3】本車体構造に係るエンジンルーム及び着座シートの断面図(図1のA−A断面図)である。
【図4】本車体構造に係るエンジンルーム及び着座シートの拡大断面図である。
【図5】変形例としての車体構造を示す断面図であり、(a)はシートバックの下方に回転軸が配設されたもの、(b)はハーネスの貫通穴がエンジンルームの頂面に形成されたものを示す。
【符号の説明】
【0038】
1 エンジンルーム
1a 水平面
1b 頂面
1c 縦壁
1d 断熱材
2 着座シート
2a シートクッション
2b シートバック
2c 手かけ
3 突出面
4 空間部
5 ヒンジ(軸支部)
6 貫通穴
6a グロメット
7 電装機器
8 板部材
9 固定具
10 バス車両
11 ブラケット
12 ハーネス
13 固定金具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平に配設された水平面と、上記水平面よりも車両後方かつ上方に配設された頂面と、上記水平面及び上記頂面の間を縦方向に接続する縦壁とを具備し、車両後方へ向けて上昇する階段形状に形成されるとともに、車両後端に配置されたエンジンルームと、
上記水平面上に配置され乗員の尻部を支持するシートクッションと、上記縦壁の前方に配置され上記乗員の背部を支持するシートバックとを具備し、上記エンジンルームの上記階段形状に合わせて配置された着座シートと、
上記頂面の前端縁から上記シートバックへと車両前方に突出するように形成された突出面と、
上記縦壁,上記シートバック及び上記突出面によって囲繞され、エンジンの駆動に係る電装機器が配置された空間部と、
上記シートバックを上記エンジンルームに対して回動可能に軸支する軸支部と、を備えた
ことを特徴とする、リヤエンジン車両の車体構造。
【請求項2】
上記軸支部が、上記シートバックの上部を上記突出面の前端部近傍に対して軸支する
ことを特徴とする、請求項1記載のリヤエンジン車両の車体構造。
【請求項3】
上記軸支部が、上記シートバックの下部を上記縦壁の下部又は上記水平面に対して軸支する
ことを特徴とする、請求項1記載のリヤエンジン車両の車体構造。
【請求項4】
上記縦壁に形成され、上記電装機器に接続されるワイヤハーネスを挿通させる貫通穴をさらに備えた
ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載のリヤエンジン車両の車体構造。
【請求項5】
上記頂面に形成され、上記電装機器に接続されるワイヤハーネスを挿通させる第二貫通穴をさらに備えた
ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載のリヤエンジン車両の車体構造。
【請求項6】
上記空間部の内側において、上記シートバックに対し所定の間隙を空けて配設されるとともに、上記電装機器を固設された板部材をさらに備えた
ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載のリヤエンジン車両の車体構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2010−120395(P2010−120395A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−293042(P2008−293042)
【出願日】平成20年11月17日(2008.11.17)
【出願人】(303002158)三菱ふそうトラック・バス株式会社 (1,037)
【Fターム(参考)】