説明

レジストパターン形成方法、弾性表面波装置の製造方法、および弾性表面波装置

【課題】 マスクが不要でレジストが節約でき、さらにレジストパターンの識別が容易なレジストパターン形成方法を提供する。
【解決手段】 レジストパターン形成方法が、レジストと、可視光域において下地物体の反射率・波長特性とは異なる反射率・波長特性を呈する微粒子と、を含有した液状材料を前記下地物体上に配置して、前記下地物体上に材料パターン10Aを形成する工程と、前記材料パターンを乾燥してレジストパターン10Bを形成する工程と、を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レジストパターン形成方法に関し、特に、弾性表面波装置およびその製造に好適なレジストパターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
弾性表面波装置の交差指電極(IDT)の表面を陽極酸化する際に、接続ランドに対応する部分にレジストを塗布することが知られている。
【0003】
【特許文献1】特開平11−330882号公報(段落0053)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、そのような場合には、スピンコート法でレジスト材料を塗布するので、塗布工程中にレジスト材料の殆どが排出されてしまう。また、後の現像工程によってレジスト材料が除去されてしまう部分にも、レジスト材料が塗布されてしまう。これらのことから、従来のレジストパターンの形成方法によれば、レジスト材料の使用効率が極めて悪い。加えて、目的とするレジストパターンの形状が変われば、その都度、レジストをパターニングするためのフォトマスクの変更が必要になる。
【0005】
また、通常のレジスト材料は、紫外光域の光を吸収するが、可視光域の光に対して透過性を有しているので、目視でレジストパターンを識別することは困難である。
【0006】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、レジストパターンの識別を容易にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のレジストパターン形成方法は、レジストと、可視光域において下地物体の反射率・波長特性とは異なる反射率・波長特性を呈する微粒子と、を含有した液状材料を前記下地物体上に配置して、前記下地物体上に材料パターンを形成する工程(A)と、前記材料パターンを乾燥してレジストパターンを形成する工程(B)と、を有している。また、本発明のレジストパターン形成方法は、レジスト材料と、可視光域において下地物体の反射率・波長特性とは異なる反射率・波長特性を呈する微粒子と、を含有した液状材料を下地物体上に配置して、前記下地物体上に材料パターンを形成する工程(A)と、前記材料パターンを硬化してレジストパターンを形成する工程(B)と、を有している。ここで、上記レジストパターン形成方法が、前記材料パターンの形状または前記レジストパターンの形状を検査する工程(C)、をさらに有していることが好ましい。
【0008】
上記特徴によれば、材料パターンおよびレジストパターンに含まれる微粒子が、可視光域において下地物体が反射する光の波長域とは異なる波長域の光を反射するので、下地物体上に形成された材料パターンの形状またはレジストパターンの形状が、予定していた形状であるかを検査しやすい。
【0009】
本発明のある態様では、前記下地物体は、圧電体上に位置する櫛歯状電極に電気的に連結された導電パッドである。そして、前記工程(A)は、前記液状材料を前記導電パッドの表面形状に一致するように配置して、前記導電パッド上に前記材料パターンを形成する工程を含んでいる。
【0010】
上記特徴によれば、導電パッド上に正確にレジストパターンが設けられたかどうかを判別する検査が容易になる。
【0011】
本発明の他の態様では、前記工程(A)は、前記可視光域において前記櫛歯状電極の反射率・波長特性とは異なる前記反射率・波長特性を呈する前記微粒子を含有した前記液状材料を前記導電パッド上に配置する工程を含んでいる。また、前記櫛歯状電極および前記導電パッドは第1の金属からなる場合には、前記工程(A)は、前記第1の金属とは異なる第2の金属を含む前記微粒子を含有した前記液状材料を前記導電パッド上に配置する工程を含んでいてもよい。
【0012】
上記特徴によれば、液状材料(レジストパターンの前身)が誤って配置された櫛歯状電極の識別が容易である。
【0013】
本発明によれば、圧電体と、前記圧電体上に位置する櫛歯状電極と、前記櫛歯状電極に電気的に連結された導電パッドと、を備えた弾性表面波装置の製造方法が、レジストと、可視光域において前記櫛歯状電極の反射率・波長特性とは異なる反射率・波長特性を呈する微粒子と、を含有した液状材料を前記導電パッドの表面形状に一致するように配置して、前記導電パッド上に材料パターンを形成する工程(A)と、前記材料パターンを乾燥してレジストパターンを形成する工程(B)と、前記材料パターンおよび前記レジストパターンの少なくとも一方の形状を検査する工程(C)と、前記少なくとも一方の形状が前記導電パッドの表面形状に一致する場合に前記櫛歯状電極の表面を酸化する工程(D)と、を有している。
【0014】
また、本発明によれば、圧電体と、前記圧電体上に位置する櫛歯状電極と、前記櫛歯状電極に電気的に連結された導電パッドと、を備えた弾性表面波装置の製造方法が、レジスト材料と、可視光域において前記櫛歯状電極の反射率・波長特性とは異なる反射率・波長特性を呈する微粒子と、を含有した液状材料を前記導電パッドの表面形状に一致するように配置して、前記導電パッド上に材料パターンを形成する工程(A)と、前記材料パターンを硬化してレジストパターンを形成する工程(B)と、前記材料パターンおよび前記レジストパターンの少なくとも一方の形状を検査する工程(C)と、前記少なくとも一方の形状が前記導電パッドの表面形状に一致する場合に前記櫛歯状電極の表面を酸化する工程(D)と、を有している。
【0015】
上記特徴によれば、誤って液状材料(レジストパターンの前身)が配置されてしまった櫛歯状電極の識別が容易になる。このため、櫛歯状電極上に、不均一な酸化膜を形成してしまう惧れがない。
【0016】
好ましくは、前記工程(A)は、前記導電パッドの反射率・波長特性とは異なる前記反射率・波長特性を呈する前記微粒子を含有した前記液状材料を前記導電パッド上に配置する工程を含んでいる。
【0017】
上記特徴によれば、レジストパターンが導電パッドの表面形状に一致しているかどうかの検査が容易になる。
【0018】
本発明のある態様では、前記櫛歯状電極および前記導電パッドは第1の金属からなる。そして、前記工程(A)は、前記第1の金属とは異なる第2の金属を含む前記微粒子を含有した前記液状材料を前記導電パッド上に配置する工程を含んでいる。
【0019】
また、本発明の弾性表面波装置は、上記弾性表面波装置の製造方法によって製造されている。このため、櫛歯状電極上に不均一な酸化膜が形成される可能性が低いので、弾性表面波装置の歩留まりを上げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(A.基体の構造)
図1に示す基体1aは、後述する処理を経て、図7に示す弾性表面波装置(SAWデバイス)1となる構造を有している。具体的には、基体1aは、水晶から成る圧電体ウエハ50と、櫛歯状電極2,3と、導電パッド4,5と、反射器6,7と、を備えている。ここで、櫛歯状電極2,3と、導電パッド4,5と、反射器6,7と、はいずれも、圧電体ウエハ50上に位置している。
【0021】
櫛歯状電極2,3は、どちらもアルミニウムからなる電極パターンである。櫛歯状電極2は、ベース部2Bと、それぞれがストライプ形状を有する複数の櫛歯部2Aと、からなる。複数の櫛歯部2Aは、いずれもベース部2Bから突出しており、かつ互いに平行に並んでいる。そして、複数の櫛歯部2Aのピッチは、入力信号(後述)と同じ周波数を有する弾性表面波の波長λにほぼ等しく設計されている。また、複数の櫛歯部2Aのそれぞれの幅は、上記波長λのほぼ1/4である。
【0022】
櫛歯状電極3も、ベース部3Bと、それぞれがストライプ形状を有する複数の櫛歯部3Aと、からなる。複数の櫛歯部3Aは、いずれもベース部3Bから突出しており、かつ互いに平行に並んでいる。そして、複数の櫛歯部3Aのピッチは、上記波長λにほぼ等しく設計されている。また、複数の櫛歯部3Aのそれぞれの幅は、上記波長λのほぼ1/4である。なお、本実施形態では、櫛歯部2Aの数と櫛歯部3Aの数とは異なる。
【0023】
櫛歯状電極2と櫛歯状電極3とは、複数の櫛歯部2Aと複数の櫛歯部3Aとが互いに間挿するように、位置している。具体的には、互いに隣合う2つの櫛歯部2Aの中間に、1つの櫛歯部3Aが位置するように、櫛歯状電極2,3が構成されている。このため、櫛歯部2A,3Aは互いに平行であり、しかも、互いに隣合う2つの櫛歯部2A,3Aの中心間距離は、波長λのほぼ半分(つまりλ/2)である。そして、互いに隣合う2つの櫛歯部2A、3Aの間に位置する隙間の幅は、波長λのほぼ1/4である。
【0024】
反射器6,7のいずれも、アルミニウムからなるパターンである。そして、反射器6,7は、反射器6と反射器7との間に櫛歯状電極2,3が位置するように、配置されている。より具体的には、反射器6,7は、複数の櫛歯部2A,3Aが並ぶ方向に位置している。ここで、複数の櫛歯部2A,3Aが並ぶ方向とは、複数の櫛歯部2A,3Aに対応する部分で発生した弾性波(後述)が伝播する方向でもある。反射器6,7のそれぞれの形状は、上述の弾性波を櫛歯状電極2,3側に反射できるように、設計されている。また、反射器6,7を構成するパターンの幅は、波長λのほぼ1/4である。
【0025】
導電パッド4,5は、どちらもアルミニウムからなるランドパターンである。そして、導電パッド4,5はSAWデバイス1の入力端子および出力端子としてそれぞれ機能するように、櫛歯状電極2,3にそれぞれ電気的に連結されている。具体的には、導電パッド4は櫛歯状電極2のベース部2Bに電気的に連結されており、導電パッド5は櫛歯状電極3のベース部3Bに電気的に連結されている。
【0026】
なお、櫛歯状電極2,3の表面には、SAWデバイス1の性能維持を目的として、後に酸化膜13(図7)が形成されることになる。酸化膜13が設けられていれば、半田くずなどの異物がSAWデバイス1上に付着しても、異物が櫛歯状電極2,3に直接接することを防止でき、この結果、異物によるトラブルを防げるからである。一方、導電パッド4,5はどちらも、SAWデバイス1が完成した後で、外部回路と電気的に接続される部位なので、導電パッド4,5の表面には酸化膜13は設けられない。
【0027】
本実施形態では、2つの櫛歯状電極2,3と、2つの反射器6,7と、2つの導電パッド4,5と、からなるセットを「導電パターン」とも表記する。なお、本実施形態では、導電パッド4,5のそれぞれは、本発明の「下地物体」に対応している。
【0028】
さて、基体1aから得られるSAWデバイス1(図7)は、180°移相器として機能する。具体的には、導電パッド4に入力信号を供給する場合、導電パッド5に現れる出力信号の位相は、入力信号の位相に対してπラジアン(180°)だけ遅れる。このように、SAWデバイス1が出力する出力信号の位相は、入力信号の位相に対して反転しているので、SAWデバイス1は差動増幅回路におけるバラン(平衡不平衡変成器)として使用される。
【0029】
(B.液滴吐出装置)
SAWデバイス1の製造方法を説明する前に、説明の便宜上、導電パッド4,5に液状材料を配置または付与して、導電パッド4,5を覆う材料パターン10Aを形成する液滴吐出装置について、構造と機能とを説明する。なお、後述するように、材料パターン10Aは、乾燥工程または硬化工程を経て、導電パッド4,5を覆うレジストパターン10Bになる。
【0030】
図2に示す液滴吐出装置100は、基本的にはインクジェット装置である。より具体的には、液滴吐出装置100は、液状材料10を保持するタンク101と、チューブ110と、グランドステージGSと、吐出ヘッド部103と、ステージ106と、第1位置制御装置104と、第2位置制御装置108と、制御部112と、支持部104aと、を備えている。
【0031】
ステージ106は、圧電体ウエハ50を固定するための平面を有している。一方、吐出ヘッド部103は、図示しないキャリッジと、キャリッジに固定されたヘッド114(図3)と、を有している。ヘッド114は、制御部112からの駆動波形に応じて、液状材料10の液滴Dを、ステージ106側へ吐出する。なお、ヘッド114は、チューブ110によってタンク101に連結されており、このため、タンク101からヘッド114に液状材料10が供給される。
【0032】
第1位置制御装置104は、支持部104aによって、グランドステージGSから所定の高さの位置に固定されている。この第1位置制御装置104は、制御部112からの信号に応じて、吐出ヘッド部103をX軸方向と、X軸方向に直交するZ軸方向と、に沿って移動させる機能を有する。さらに、第1位置制御装置104は、Z軸に平行な軸の回りで吐出ヘッド部103を回転させる機能も有する。ここで、本実施形態では、Z軸方向は、鉛直方向(つまり重力加速度の方向)に平行な方向である。
【0033】
第2位置制御装置108は、制御部112からの信号に応じて、ステージ106をグランドステージGS上でY軸方向に移動させる。ここで、Y軸方向は、X軸方向およびZ軸方向の双方に直交する方向である。
【0034】
上記のような機能を有する第1位置制御装置104の構成と第2位置制御装置108の構成とは、リニアモータまたはサーボモータを利用した公知のXYロボットを用いて実現できる。このため、ここでは、それらの詳細な構成の説明を省略する。なお、本明細書では、第1位置制御装置104および第2位置制御装置108を、「ロボット」または「走査部」とも表記する。
【0035】
さて上述のように、第1位置制御装置104によって、吐出ヘッド部103はX軸方向に移動する。そして、第2位置制御装置108によって、圧電体ウエハ50はステージ106と共にY軸方向に移動する。これらの結果、圧電体ウエハ50に対する吐出ヘッド部103の相対位置が変わる。より具体的には、これらの動作によって、吐出ヘッド部103、ヘッド114(図3)、またはノズル118(図3)は、圧電体ウエハ50から所定距離を維持しながら、圧電体ウエハ50に対してX軸方向およびY軸方向に相対的に移動する。
【0036】
制御部112は、液状材料10の液滴Dを吐出すべき相対位置を表す吐出データを外部情報処理装置から受け取るように構成されている。制御部112は、受け取った吐出データを内部の記憶装置に格納するとともに、格納された吐出データに応じて、第1位置制御装置104と、第2位置制御装置108と、ヘッド114と、を制御する。
【0037】
上記構成を有する液滴吐出装置100は、吐出データに応じて、ヘッド114のノズル118を圧電体ウエハ50のような対象物に対して相対移動させるとともに、導電パッド4,5のような被吐出部に向けてノズル118から液状材料10を吐出する。なお、液滴吐出装置100によるヘッド114の相対移動と、ヘッド114からの液状材料10の吐出と、をまとめて「塗布走査」または「吐出走査」と表記することもある。
【0038】
なお、インクジェット法で層、膜、またはパターンを形成することは、液滴吐出装置100のような装置を用いて、所定の物体上に、層、膜、またはパターンを形成することである。
【0039】
次に、図3(a)および(b)を参照しながら、吐出ヘッド部103におけるヘッド114の内部構造を簡単に説明する。ヘッド114は、振動板126と、液たまり129と、複数の隔壁122と、複数の振動子124と、複数のキャビティ120と、複数のノズル118のそれぞれの開口を規定するノズルプレート128と、供給口130と、孔131と、を備えている。液たまり129は、振動板126と、ノズルプレート128と、の間に位置しており、この液たまり129には、図示しない外部タンクから孔131を介して供給される液状材料10が常に充填される。
【0040】
複数の隔壁122は、振動板126と、ノズルプレート128と、の間に位置している。そして、振動板126と、ノズルプレート128と、一対の隔壁122と、によって囲まれた部分がキャビティ120である。キャビティ120はノズル118に対応して設けられているため、キャビティ120の数とノズル118の数とは同じである。キャビティ120には、一対の隔壁122間に位置する供給口130を介して、液たまり129から液状材料10が供給される。なお、本実施形態では、ノズル118の直径は、約27μmである。
【0041】
さて、振動板126上には、それぞれのキャビティ120に対応して、それぞれの振動子124が位置する。振動子124のそれぞれは、ピエゾ素子124Cと、ピエゾ素子124Cを挟む一対の電極124A、124Bと、を含む。制御部112が、この一対の電極124A、124Bの間に駆動波形を与えることで、対応するノズル118から液状材料10の液滴Dが吐出される。ここで、ノズル118から吐出される材料の体積は、0pl以上42pl(ピコリットル)以下の間で可変である。なお、ノズル118からZ軸方向に液状材料10の液滴Dが吐出されるように、ノズル118の形状が調整されている。このため、吐出された液滴Dは、Z軸方向の速度成分を有することになる。
【0042】
本明細書では、1つのノズル118と、ノズル118に対応するキャビティ120と、キャビティ120に対応する振動子124と、を含んだ部分を「吐出部127」とも表記する。この表記によれば、1つのヘッド114は、ノズル118の数と同じ数の吐出部127を有する。また、吐出部127は、ピエゾ素子の代わりに電気熱変換素子を有してもよい。つまり、吐出部127は、電気熱変換素子による材料の熱膨張を利用して材料を吐出する構成を有していてもよい。
【0043】
次に、図4を参照しながら、制御部112の構成を説明する。図4に示す制御部112は、入力バッファメモリ200と、記憶装置202と、処理部204と、走査駆動部206と、ヘッド駆動部208と、バス(不図示)と、を備えている。そして、入力バッファメモリ200と、処理部204と、記憶装置202と、走査駆動部206と、ヘッド駆動部208とは、上記バスによって相互に通信可能に接続されている。
【0044】
入力バッファメモリ200は、液滴吐出装置100の外部に位置する外部情報処理装置(不図示)から、液状材料10の液滴Dを吐出するための吐出データを受け取る。入力バッファメモリ200は、吐出データを処理部204に供給し、処理部204は吐出データを記憶装置202に格納する。図4では、記憶装置202はRAMである。
【0045】
処理部204は、記憶装置202内の吐出データに基づいて、ステージ106に対するノズル118の相対位置を示すデータを走査駆動部206に与える。走査駆動部206はこのデータと、所定の吐出周期と、に応じたステージ駆動信号を第1位置制御装置104および第2位置制御装置108に与える。この結果、圧電体ウエハ50に対する吐出ヘッド部103の相対位置が変わる。一方、処理部204は、記憶装置202に記憶された吐出データに基づいて、液状材料10の吐出に必要なノズル118を選択するノズル選択信号をヘッド駆動部208に与える。そうすると、ヘッド駆動部208は、ノズル選択信号が示すノズル118に対応した吐出部127へ駆動波形を与える。この結果、ヘッド114における対応するノズル118から、液状材料10の液滴Dが吐出される。
【0046】
制御部112は、CPU、ROM、RAM、バスを含んだコンピュータである。したがって、制御部112の上記機能は、コンピュータによって実行されるソフトウェアプログラムによって実現される。もちろん、制御部112は、専用の回路(ハードウェア)によって実現されてもよい。
【0047】
(C.液状材料)
ここで、「液状材料10」とは、ヘッド114のノズル118から液滴Dとして吐出されうる粘度を有する材料をいう。ここで、液状材料10が水性であると油性であるとを問わない。ノズル118から吐出可能な流動性(粘度)を備えていれば十分で、固体物質が混入していても全体として流動体であればよい。さらに、液状材料10の粘度は1mPa・s以上50mPa・s以下であるのが好ましい。粘度が1mPa・s以上である場合には、液状材料10の液滴Dを吐出する際にノズル118の周辺部が液状材料10で汚染されにくい。一方、粘度が50mPa・s以下である場合は、ノズル118における目詰まり頻度が小さく、このため円滑な液滴Dの吐出を実現できる。
【0048】
後述するように、本実施形態の液状材料10は固体物質を含有している。具体的には、液状材料10は、少なくとも400nm以上800nm以下の波長範囲(つまり可視光域)に対して上述の導電パターンが呈する反射率・波長特性とは異なる反射率・波長特性を呈する微粒子11を含有している。ここで、微粒子11の平均粒径は1μm以下である。このような条件を満足する微粒子11であれば、液状材料10が含有する微粒子11の種類は問わない。なお、微粒子11の平均粒径の上限は、ノズル118の開口の大きさが大きくなれば、1μmより大きくなり得る。要するに、ノズル118から吐出され得る平均粒径であればよい。
【0049】
微粒子11の例は、金属粒子または無機粒子である。例えば、微粒子11は、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、亜鉛(Zn)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、タングステン(W)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、ゲルマニウム(Ge)、錫(Sn)、アンチモン(Sb)、ガリウム(Ga)、およびインジウム(In)のうちの1種以上の元素を含む金属、合金、または金属酸化物からなる粒子であってよい。特に、金、銀、銅、ニッケル、マンガン、ITO(インジウム錫酸化物)、またはATO(アンチモン錫酸化物)を含む粒子が好ましい。そして、分散剤によってそれらの粒子の表面が覆われるように、それらの粒子に表面処理が施されていてもよい。また、微粒子11は、シリカ(SiO2)からなる粒子であってもよい。なお、吐出の安定性の見地からは、液状材料10における微粒子11の量は15重量%以下であるのが好ましい。
【0050】
(D.製造方法)
図5(a)から(e)および図6を参照しながら、本実施形態のレジストパターン形成方法を利用したSAWデバイス1の製造方法を説明する。なお、図5(a)から(e)のいずれも、図1のA−A断面を示している。
【0051】
まず、蒸着法を用いて、水晶からなる圧電体ウエハ50上に約0.1μmのアルミニウム膜を形成する。そして、フォトリソグラフィー法を用いて、アルミニウム膜をパターニングして、圧電体ウエハ50上に前出の図1で示した導電パターンを形成する。ここで、導電パターンと、導電パターンに対応する圧電体ウエハ50の部分とが、1つの基体1aに相当する。なお、前出の図1には1つの基体1aが図示されているが、実際の製造の際には、1つの圧電体ウエハ50に、複数の基体1aが設けられてよい。
【0052】
(1.吐出工程)
次に、図5(a)に示すように、インクジェット法を用いて、基体1aの導電パターンのうち、導電パッド4,5上に材料パターン10Aを設ける。ここで、導電パターンのうち、櫛歯状電極2,3は、材料パターン10Aに覆われないようにする。なお、後述するように、材料パターン10Aは、レジストパターン10Bの前身である。
【0053】
具体的には、まず、圧電体ウエハ50を、液滴吐出装置100のステージ106上に載置する。その後、液滴吐出装置100は、基体1aに対するノズル118の相対位置を2次元的に変化させる。そして、ノズル118が導電パッド4,5に対応する領域内に達した場合に、液滴吐出装置100のヘッド114は、そのノズル118から液状材料10の液滴Dを吐出する。そうすると、導電パッド4,5上に液滴Dが着弾して濡れ広がり、この結果、導電パッド4,5を覆う材料パターン10Aが形成される。ここで、ノズル118が導電パッド4,5に対応する領域以外にある場合には、ヘッド114は液滴Dを何ら吐出しない。このため、導電パターンのうち、導電パッド4,5は材料パターン10Aで覆われる。その一方で、導電パターンのうち、櫛歯状電極2,3および反射器6,7は、露出したままとなる。
【0054】
ここで、本実施形態の液状材料10は、微粒子11とレジストとを含有している。具体的には、液状材料10は、平均粒径が約500nmの銅粒子と、レジストであるポリマー(つまり樹脂)と、を含有している。より具体的には、液状材料10は、ポリマーが溶けている有機溶液と、この有機溶液中に分散している銅粒子と、を含有している。なお、後述するように、液状材料10を乾燥すると、ポリマーと、銅粒子と、からなるレジスト層(またはレジストパターン10B)が得られる。
【0055】
(2.検査工程)
次に、図5(b)に示すように、材料パターン10Aの形状が適切か否かを検査する。具体的には、顕微鏡12で導電パッド4,5を観察して、導電パッド4,5の表面形状に従って液状材料10が配置または付与されているか否かを判定する。本実施形態では、まず、顕微鏡12を用いた目視に基づいて、櫛歯状電極2,3上に誤って液状材料10が付与されたか否か、を検査する。
【0056】
ここで、材料パターン10Aにおける微粒子11は銅を含んでいる。一方、櫛歯状電極2,3は、アルミニウムからなる。400nm以上800nm以下の波長範囲、つまり可視光域、において、銅の反射率・波長特性とアルミニウムの反射率・波長特性とは、互いに異なる。具体的には、可視光域の長波長成分に対する銅の反射率は、短波長成分に対する銅の反射率よりも高い。一方、アルミニウムは可視光域の全域で高い反射率を示す。このように、2つの金属の間でそれぞれの反射率の波長依存性が互いに異なるため、観察者には、材料パターン10Aの色と櫛歯状電極2,3の色とが異なって見える。したがって、観察者には、材料パターン10Aと櫛歯状電極2,3との識別が容易である。特に、櫛歯状電極2,3上に材料パターン10Aが位置しているか否かを、判別し易い。
【0057】
さて、櫛歯状電極2,3上のどこかに液状材料10が付与されている場合には、その基体1aを「不良品」としてラベルしておく。なお、櫛歯状電極2,3上に液状材料10が付与されてしまう事態は、液滴Dの吐出に伴って液状材料10のミストが発生している場合、または、液滴Dの飛翔経路がずれている場合に、起こり得る。
【0058】
櫛歯状電極2,3の表面は、後述する工程において、酸化膜13が形成されるべき部位である。仮に、櫛歯状電極2,3の表面の一部に液状材料10(レジストパターンの前身)が位置してしまうと、後述の酸化工程を行っても、それら表面の一部に酸化膜13が形成されない。この結果、櫛歯状電極2,3上で酸化膜13が不均一に形成されることになる。酸化膜13の不均一さは、酸化膜13をも含めた櫛歯状電極2,3の総質量が設計値からずれることにつながるので、この結果、SAWデバイスが所期の性能を発揮しない。
【0059】
基体1aが「不良品」でない場合には、顕微鏡を用いた目視によって、次のような判定を行う。なお、基体1aが「不良品」でない場合とは、櫛歯状電極2,3が完全に露出している場合に対応する。
【0060】
まず、導電パッド4,5が材料パターン10Aで完全に覆われているか否か、を判定する。そして、導電パッド4,5の表面形状に一致して、材料パターン10Aが導電パッド4,5を覆っている場合には、その基体1aを「良品」としてラベルする。一方、導電パッド4,5が材料パターン10Aで完全に覆われていない場合には、材料パターン10Aが不足している部分に、液滴吐出装置100を用いて再び液状材料10を配置または付与する。そして、検査工程を再び行う。このような検査工程と吐出工程との繰り返しは、基体1aが「不良品」としてラベルされない限り、続けられてよい。
【0061】
ここで、櫛歯状電極2,3だけでなく、導電パッド4,5も、アルミニウムからなる。そして、上述のように、材料パターン10Aにおける微粒子11は銅を含んでいる。このため、観察者にとって、材料パターン10Aの色と導電パッド4,5の色とが異なって見える。したがって、観察者には、材料パターン10Aと導電パッド4,5との識別が容易である。特に、導電パッド4,5の表面形状に一致して、材料パターン10Aが導電パッド4,5を覆っているか否かを、判別し易い。
【0062】
(3.乾燥工程)
次に、図5(c)に示すように、導電パッド4,5上の材料パターン10Aからレジストパターン10Bを形成する。本実施形態では、図示しないオーブンを用いて、材料パターン10Aが乾燥するように、熱量Qを与えて基体1aを加熱する。そうすると、材料パターン10Aから溶媒が蒸発し、レジストパターン10Bを構成する微粒子11とポリマーとが残る。本実施形態によれば、「良品」としてラベルされた基体1aには、適切なパターンで液状材料10が付与されているので、適切な形状を有するレジスト層、つまりレジストパターン10B、が得られる。
【0063】
(4.酸化工程)
次に、図5(d)に示すように、櫛歯状電極2,3の表面に酸化膜13を設ける。具体的には、図6に示すように、まず、圧電体ウエハ50に設けられた導電ターミナル53を、導電クリップ56で保持する。そして、圧電体ウエハ50が、槽55における酸化液59に浸るように、導電クリップ56を槽55に対して位置させる。なお、本実施形態では、酸化液59は、リン酸塩の水溶液である。次に、電源57から導電クリップ56を介して、圧電体ウエハ50側が陽極となるように電流を流す。ここで導電ターミナル56と、櫛歯状電極2,3とは、図示しない接続パターンによって導電可能に接続されているので、電源57から櫛歯状電極2,3に電流が流れることになる。また、電源57は酸化液59に浸った陰極58にも接続されている。これらのことから、櫛歯状電極2,3の表面に、陽極酸化によって酸化膜13が形成される。
【0064】
ここで、導電パッド4,5は、櫛歯状電極2,3とそれぞれ電気的に連結されているので、陽極酸化の際には、導電パッド4,5の電位と櫛歯状電極2,3の電位とは等しくなる。しかしながら、レジストパターン10Bがそれぞれの導電パッド4,5を覆っているので、導電パッド4,5は酸化液59に接しない。つまり、レジストパターン10Bが酸化に対して保護層として機能する。そして、このため、導電パッド4,5の表面には酸化膜13が形成されない。なお、酸化工程は、上記で説明した陽極酸化による工程に代えて、熱酸化による工程であってもよい。
【0065】
酸化工程の後で、図5(e)に示すように、導電パッド4,5上のレジストパターン10Bを剥離する。この結果、図7に示すような、弾性表面波装置(SAWデバイス)1が得られる。
【0066】
本実施形態によれば、インクジェット法で導電パッド4,5上に材料パターン10A(レジストパターン10Bの前身)を形成する。このため、レジスト層をパターニングするための露光工程と現像工程とが不要である。特に現像工程が不要であるため、現像工程で用いられる処理液が櫛歯状電極2,3に悪影響を与えることがない。さらに、本実施形態によれば、レジストパターン10Bを形成するための液状材料10に含まれる微粒子11が、可視光域において櫛歯状電極2,3および導電パッド4,5が反射する光の波長域とは異なる波長域の光を反射する。このため、レジストパターン10Bが所望のパターンか否かを、観察者が目視によって容易に検査できる。
【0067】
(変形例1)
上記実施形態では、検査工程の後で乾燥工程を行う。このため、上記実施形態の検査工程では、材料パターン10Aの形状が、導電パッド4,5のパターンの形状(つまり下地物体の表面形状)にほぼ一致するか否かを検査することになる。ただし、このような方法に代えて、乾燥工程の後で検査工程を行ってもよい。このような場合には、検査工程において、レジストパターン10Bの形状が、導電パッド4,5のパターンの形状(つまり下地物体の表面形状)にほぼ一致するか否かを検査すればよい。
【0068】
(変形例2)
本変形例では、液状材料10は、微粒子11と感光性のレジスト材料とを含有している。具体的には、液状材料10は、平均粒径が約500nmの銅粒子と、光官能基を有するモノマーと、を含有している。より具体的には、液状材料10は、上記モノマーが溶けている有機溶液と、この有機溶液中に分散している銅粒子と、を含有している。このような液状材料10におけるモノマーを重合させると、モノマーの重合反応によって得られるポリマーと、銅粒子と、からなるレジスト層(またはレジストパターン10B)が得られる。なお、本変形例のモノマーとして、光硬化性イミドモノマーが利用できる。
【0069】
このような液状材料10を用いる場合には、上記実施形態の吐出工程の後で、以下の硬化工程を行えばよい。具体的には、吐出工程によって得られる材料パターン10Aに、例えば波長365nmの光hνを照射する(図5(c))。そうすると、材料パターン10Aにおけるモノマーの重合反応が進行し、この結果、材料パターン10Aからレジストパターン10Bが得られる。ここで、材料パターン10Aは、完全に硬化されなくてもよい。具体的には、得られるレジストパターン10Bが後の酸化工程において導電パッド4,5を保護できる程度に、材料パターン10Aが重合されていればよい。このように、本明細書では、材料パターン10Aが完全に硬化していなくても、材料パターン10Aに含まれるモノマー/ポリマーの重合度が十分であれば、硬化していると表記している。
【0070】
その後、レジストパターン10Bが乾燥するように、基体1aを加熱することで、レジストパターン10Bから有機溶媒を蒸発させる。
【0071】
なお、レジスト材料が熱重合によって硬化可能なモノマーである場合には、上記硬化工程において、上記モノマーの重合反応が進行するように、基体1aを加熱すればよい。そして、この場合には、基体1aを加熱するだけでも材料パターン10Aからレジストパターン10Bが得られるので、材料パターン10Aへの光hνの照射を、上記硬化工程から省略してもよい。つまり、硬化工程は、加熱工程だけからなってもよい。
【0072】
(変形例3)
上記変形例2において、レジスト材料であるモノマー自体がノズル118からの吐出に適した流動性を有する場合には、モノマーが溶けた有機溶液を用いる代わりに、モノマーそれ自体(つまりモノマー液)を用いてもよい。この場合には、液状材料10は、微粒子11と、レジスト材料であるモノマー液と、を含有している。ここで、液状材料10において微粒子11は、モノマー液に分散している。このような液状材料10を用いる場合でも、上記製造方法でレジストパターン10Bを形成できる。
【0073】
(変形例4)
上記実施形態のSAWデバイス1は、移相器として構成されているが、本発明のSAWデバイスは、移相器に代えて、SAW共振子として構成されてもよいし、SAWフィルタとして構成されてもよい。また、上記実施形態の圧電体ウエハ50は水晶からなるが、水晶に代えて、リチウムタンタレート(LiTaO3)またはリチウムナイオベート(LiNbO3)などの圧電体からなってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本実施形態の基体を示す平面図。
【図2】液状材料を配置する液滴吐出装置の構造を示す模式図。
【図3】(a)および(b)は、図2の液滴吐出装置におけるヘッドの内部構造を示す模式図である。
【図4】図2の液滴吐出装置における制御部を示す機能ブロック図。
【図5】(a)から(e)は、本実施形態の製造方法を説明する図であり、いずれも図1のA−A断面を示す図である。
【図6】本実施形態の製造方法における酸化工程を説明する図。
【図7】本実施形態の製造方法によって得られる弾性表面波装置を示す模式図。
【符号の説明】
【0075】
1…弾性表面波装置(SAWデバイス)、1a…基体、2,3…櫛歯状電極、2B,3B…ベース部、2A,3A…櫛歯部、4,5…導電パッド、6,7…反射器、10…液状材料、10A…材料パターン、10B…レジストパターン、11…微粒子、12…顕微鏡、13…酸化膜。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レジストと、可視光域において下地物体の反射率・波長特性とは異なる反射率・波長特性を呈する微粒子と、を含有した液状材料を前記下地物体上に配置して、前記下地物体上に材料パターンを形成する工程(A)と、
前記材料パターンを乾燥してレジストパターンを形成する工程(B)と、
を有したレジストパターン形成方法。
【請求項2】
レジスト材料と、可視光域において下地物体の反射率・波長特性とは異なる反射率・波長特性を呈する微粒子と、を含有した液状材料を下地物体上に配置して、前記下地物体上に材料パターンを形成する工程(A)と、
前記材料パターンを硬化してレジストパターンを形成する工程(B)と、
を有したレジストパターン形成方法。
【請求項3】
請求項1または2記載のレジストパターン形成方法であって、前記材料パターンおよび前記レジストパターンの少なくとも一方の形状を検査する工程(C)、をさらに有したレジストパターン形成方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一つに記載のレジストパターン形成方法であって、
前記下地物体は、圧電体上に位置する櫛歯状電極に電気的に連結された導電パッドであり、
前記工程(A)は、前記液状材料を前記導電パッドの表面形状に一致するように配置して、前記導電パッド上に前記材料パターンを形成する工程を含んでいる、
レジストパターン形成方法。
【請求項5】
請求項4記載のレジストパターン形成方法であって、
前記工程(A)は、前記可視光域において前記櫛歯状電極の反射率・波長特性とは異なる前記反射率・波長特性を呈する前記微粒子を含有した前記液状材料を前記導電パッド上に配置する工程を含んでいる、
レジストパターン形成方法。
【請求項6】
請求項5記載のレジストパターン形成方法であって、
前記櫛歯状電極および前記導電パッドは第1の金属からなり、
前記工程(A)は、前記第1の金属とは異なる第2の金属を含む前記微粒子を含有した前記液状材料を前記導電パッド上に配置する工程を含んでいる、
レジストパターン形成方法。
【請求項7】
圧電体と、前記圧電体上に位置する櫛歯状電極と、前記櫛歯状電極に電気的に連結された導電パッドと、を備えた弾性表面波装置の製造方法であって、
レジストと、可視光域において前記櫛歯状電極の反射率・波長特性とは異なる反射率・波長特性を呈する微粒子と、を含有した液状材料を前記導電パッドの表面形状に一致するように配置して、前記導電パッド上に材料パターンを形成する工程(A)と、
前記材料パターンを乾燥してレジストパターンを形成する工程(B)と、
前記材料パターンおよび前記レジストパターンの少なくとも一方の形状を検査する工程(C)と、
前記少なくとも一方の形状が前記導電パッドの表面形状に一致する場合に前記櫛歯状電極の表面を酸化する工程(D)と、
を有した弾性表面波装置の製造方法。
【請求項8】
圧電体と、前記圧電体上に位置する櫛歯状電極と、前記櫛歯状電極に電気的に連結された導電パッドと、を備えた弾性表面波装置の製造方法であって、
レジスト材料と、可視光域において前記櫛歯状電極の反射率・波長特性とは異なる反射率・波長特性を呈する微粒子と、を含有した液状材料を前記導電パッドの表面形状に一致するように配置して、前記導電パッド上に材料パターンを形成する工程(A)と、
前記材料パターンを硬化してレジストパターンを形成する工程(B)と、
前記材料パターンおよび前記レジストパターンの少なくとも一方の形状を検査する工程(C)と、
前記少なくとも一方の形状が前記導電パッドの表面形状に一致する場合に前記櫛歯状電極の表面を酸化する工程(D)と、
を有した弾性表面波装置の製造方法。
【請求項9】
請求項7または8に記載の弾性表面波装置の製造方法であって、
前記工程(A)は、前記導電パッドの反射率・波長特性とは異なる前記反射率・波長特性を呈する前記微粒子を含有した前記液状材料を前記導電パッド上に配置する工程を含む、
弾性表面波装置の製造方法。
【請求項10】
請求項9記載の弾性表面波装置であって、
前記櫛歯状電極および前記導電パッドは第1の金属からなり、
前記工程(A)は、前記第1の金属とは異なる第2の金属を含む前記微粒子を含有した前記液状材料を前記導電パッド上に配置する工程を含んでいる、
弾性表面波装置の製造方法。
【請求項11】
請求項7から10のいずれか一つに記載の弾性表面波装置の製造方法によって製造された弾性表面波装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−245360(P2006−245360A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−60032(P2005−60032)
【出願日】平成17年3月4日(2005.3.4)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】