説明

レチノイン酸療法の効力を妨げることなくレチノイン酸療法の副作用を軽減する方法、および/又は、その効力を改善する方法

本発明は、レチノイン酸療法の副作用を抑制するためのニコチン酸アルキルエステル、特に、ニコチン酸ミリスチル、の利用に関する。又、前記ニコチン酸アルキルエステルを、カスパーゼ14とフィラグリンとの発現を増加させるのに十分な量、投与することによって皮膚細胞の分化を改善する方法も本発明の一部である。これによってこれらの分子の発現の不足も治療することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、ここにその全体を参考文献として合体させる2007年2月28日出願の出願番号60/903,937号の優先権を主張するものである。
【0002】
発明の分野
本発明は、レチノイン酸療法の効力を妨げることなくレチノイン酸療法から生じる副作用を軽減する、および/又は、その効力を改善するためのナイアシン誘導体の利用に関する。詳しくは、直鎖ニコチン酸アルキルエステル、特にニコチン酸ミリスチル等のナイアシン誘導体は、後述するように、非限定的に、つっぱり感(tightness)/乾燥、刺痛感(ピリピリ感:stinging)、灼熱感(burning)、刺痛感(チクチク感:tingling)等が挙げられるレチノイン酸療法から生じる副作用を軽減する。又、カスパーゼ14とフィラグリンとの発現を増加させることによる皮膚細胞の分化の改善も本発明の一部である。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
ビタミンA(レチノール)の天然代謝産物及び合成類似体である、レチノイドは、皮膚機能の重要な調整因子である。フィッシャー(Fisher)他著、Faseb J.、1996年、第10巻、第1002〜13頁。主要な自然発生生物活性レチノイドであるオールトランス型レチノイン酸(ビタミンA酸)は、長年に渡って、光損傷を受けた皮膚の局所治療におけるその利用可能性の研究において注目されてきた。1986年、レチノイン酸が、数ヶ月の治療後、より平滑で、皺が少なく、色素沈着の少ない皮膚を作り出することができることが報告された。クリグマン(Kligman)他著、J Am Acad Dermatol、1986年、第15巻、第836〜59頁。
【0004】
日光に皮膚を長期間晒すと、皮膚組織および色調の損失から表皮及び角質層の菲薄化(ジルクレスト(Gilchrest)著、Br J Dermatol、1996年、第135巻、第867〜75頁)、真皮・表皮接合部の平坦化(ベネデット(Benedetto)著、Clin Dermatol、1998年、第16巻、第129〜39頁)、色素沈着過剰領域の形成(ジルクレスト(Gilchrest)著、前出)、皺、恐らくは光線性角化症および非メラノーマ性皮膚がんの前兆であるケラチノサイトの蓄積(チョウ(Cho)著、J Am Acad Dermatol、2005年、第53巻、第769〜74頁;ローバー(Lober)他著、J Am Acad Dermatol、2000年、第43巻、第881〜2頁)にいたる一連の漸次的変化が生じる。光損傷は、表皮コンパートメントと真皮コンパートメントとの両方で生じるが、これらにおいてレチノイドが顕著な薬効を有することが示されている。ジェンディメニコ(Gendimenico)他著、Skin Pharmacol、1993年6 Suppl 1、第23〜34頁;ヴァラニ(Varani)他著、J Invest Dermatol、2000年、第114巻、第480〜6頁;チョウ(Cho)他著、前出。光損傷を受けた表皮において、長期の局所的レチノイド療法は、投与量に依存する、皮膚の表皮及び顆粒層の厚みの増大、角質層の緊密化、メラニン含有率の減少、表皮異型性の改善をもたらす。フィッシャー(Fisher)他著、前出;チョウ(Cho)他著、前出;オルセン(Olsen)他著、J Am AcadDermatol、1992年、第26巻、第215〜24頁;マハティンガー(Machtinger)他著、Br J Dermatol、2004年、第151巻、第1245〜52頁。ケラチノサイトにおいては、レチノイドは、恐らくは、表皮過形成をもたらす表皮成長因子レセプタ活性化に仲介されて、増殖を誘導する。リッティ(Rittie)他著、J Invest Dermatol、2006年、第126巻、第732〜9頁。
【0005】
過増殖性表皮細胞において一般的に発現されるケラチンK6,K16及びK17のレチノイン酸誘導発現は、レチノイドが表皮の基底層および/又は下部有棘層における細胞増殖を増加させるということを示している。アイヒナー(Eichner)他著、Br J Dermatol、1996年、第135巻、第687〜95頁。レチノイドは、又、過剰色素沈着皮膚の色を薄め、培養されたメラノサイト細胞におけるチロシナーゼ活性を減少させ (ホール(Hoal)他著、Cancer Res、1982年、第42巻、第5191〜5頁;カン(Kang)他著、Am J Clin Dermatol、2005年、第6巻、第245〜53頁)、増殖及び脂質合成を抑制し、培養ヒト脂腺細胞(sebocyte)におけるケラチン発現を変化させることができる。ゾウボウリス(Zouboulis)他著、J Invest Dermatol、1991年、第96巻、第792〜7頁。真皮では、その効果は、繊維芽細胞増殖の増加(ヴァラニ(Varani)他著、前出)、コラーゲン産生の増加(グリフィス(Griffiths)他著、N Engl J Med、1993年、第329巻、第530〜5頁)、及び細胞外マトリクス分解の減少(フィッシャー(Fisher)及びヴォーリーズ(Voorhees)著、前出)、がある。
【0006】
真皮におけるコラーゲンの分解は、皮膚の皺の形成の主な要因である。レチノイン酸を長期に使用することによって、真皮修復領域におけるコラーゲン基質の堆積が大幅に増加し、この作用が、光損傷皮膚のレチノイン酸治療に伴う皺の減少に寄与しているものと考えられる(チョウ(Cho)他著、前出;カン(Kang)他著、前出)。
【0007】
レチノイン酸は、光損傷皮膚に対して多数の利点を提供するものではあるが(カン(Kang)他著、前出)、それには重度の皮膚の刺激感(irritation)が伴うことが多く、これによって治療法の順守が制限される。ロウ(Lowe)他著、J Cosmet Laser Ther、2004年、第6巻、第79〜85頁。レチノイン酸治療法による有害作用として最も一般的に報告されているのは、刺激感、乾燥、剥離、紅斑および皮膚上の灼熱する感覚である。ロウ(Lowe)他著、前出。これらの副作用により、多くの場合、治療は中止される。
【0008】
従って、レチノイン酸療法に関連する前記副作用を軽減又は除去する方法が求められている。
【0009】
レチノイドの副作用をもたらす機序についてはいまだに完全に理解されているものではないが、レチノイン酸療法がTEWL測定による評価で角質層のバリア機能を損傷させるものであることは知られている。タガミ(Tagami)他著、Br. J Dermatol、1992年、第127巻、第 470〜5頁。バリア損傷が、レチノイド誘導表皮過形成(ヴァラニ(Varani)他著、Arch Dermatol Res、2003年、第295巻、第255〜62頁)と、最終分化プログラムの変化(フィッシャー(Fisher)他著、前出)の原因であるとされている。レチノイドによって刺激されたケラチノサイト増殖から直接的に、又は、表皮バリア損傷の結果として、IL−1等の表皮サイトカインの産生を反映する紅斑が生じるかもしれない。ウッド(Wood)他著、J Invest Dermatol、1996年、第106巻、第397〜403頁;ブラントン(Blanton)他著、Proc Natl Acad Sci USA、1989年、第86巻、第1273〜7頁。角質層の厚みがバリア機能の主要決定要因であるので、レチノイド誘導角質層緊密化(オルセン(Olsen)他著、前出;マハティンガー(Machtinger)他著、前出)が、恐らくバリア損傷に関連している(ヤ−シャン(Ya-Xian)他著、Arch Dermatol Res、1999年、第291巻、第555〜9頁;デ・ジョン(de Jongh)他著、Br J Dermatol、2006年、第154巻、第651〜7頁)。
【0010】
皮膚へのニコチン酸の最適局所投与のためのナイアシン誘導体が開発されており(ジェイコブソン(Jacobson)他著、Developing Topical Prodrugsfor Skin Cancer Prevention. In: Fundamentals of Cancer Prevention (Alberts DS, Hess, Lisa M.編集)、Berlin, Heidelberg: Springer-Verlag、2005年、第139〜60頁)、そしてこれらが光障害を受けた皮膚における表皮分化を促進し、その結果として、角質層及び表皮厚みの増大、TEWLの減少によって評価される皮膚バリア機能の促進をもたらすものであることが示されている。ジェイコブソン(Jacobson)他著、Experimental Dermatology、印刷中。ナイアシン誘導体は、又、ここにそのそれぞれを参考文献として合体させる、米国特許第6,337,065号、第6,677,361号、第6,750,234号及び第6,924,299号にも記載されている。
【0011】
そのようなナイアシン誘導体の1つがニコチン酸ミリスチルであるが、これは皮膚へのニコチン酸の最適局所投与のために開発されたものである。ニコチン酸ミリスチルは、光障害を受けた皮膚において表皮分化を促進し、その結果として、角質層及び表皮厚みの増大、TEWLの減少によって評価される皮膚バリア機能の促進をもたらすものであることが示されている。ジェイコブソン(Jacobson)他著、 Experimental Dermatology、印刷中。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第6,337,065号
【特許文献2】米国特許第6,677,361号
【特許文献3】米国特許第6,750,234号
【特許文献4】米国特許第6,924,299号
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】フィッシャー(Fisher)他著、Faseb J.、1996年、第10巻、第1002〜13頁
【非特許文献2】クリグマン(Kligman)他著、J Am Acad Dermatol、1986年、第15巻、第836〜59頁。
【非特許文献3】ジルクレスト(Gilchrest)著、Br J Dermatol、1996年、第135巻、第867〜75頁
【非特許文献4】ベネデット(Benedetto)著、Clin Dermatol、1998年、第16巻、第129〜39頁
【非特許文献5】チョウ(Cho)著、J Am Acad Dermatol、2005年、第53巻、第769〜74頁
【非特許文献6】ローバー(Lober)他著、J Am Acad Dermatol、 2000年、第43巻、第881〜2頁
【非特許文献7】ジェンディメニコ(Gendimenico)他著、Skin Pharmacol、1993年6 Suppl 1、第23〜34頁
【非特許文献8】ヴァラニ(Varani)他著、J Invest Dermatol 2000年、第114巻、第480〜6頁
【非特許文献9】オルセン(Olsen)他著、J Am Acad Dermatol、1992年、第26巻、第215〜24頁
【非特許文献10】マハティンガー(Machtinger)他著、Br J Dermatol、2004年、第151巻、第1245〜52頁
【非特許文献11】リッティ(Rittie)他著、J Invest Dermatol、2006年、第126巻、第732〜9頁
【非特許文献12】アイヒナー(Eichner)他著、Br J Dermatol、1996年、第135巻、第687〜95頁
【非特許文献13】ホール(Hoal)他著、Cancer Res、1982年、第42巻、第5191〜5頁
【非特許文献14】カン(Kang)他著、Am J Clin Dermatol、2005年、第6巻、第245〜53頁
【非特許文献15】ゾウボウリス(Zouboulis)他著、J Invest Dermatol、1991年、第96巻、第792〜7頁
【非特許文献16】グリフィス(Griffiths)他著、N Engl J Med、1993年、第329巻、第530〜5頁
【非特許文献17】ロウ(Lowe)他著、J Cosmet Laser Ther、2004年、第6巻、第79〜85頁
【非特許文献18】タガミ(Tagami)他著、Br. J Dermatol、1992年、第127巻、第 470〜5頁
【非特許文献19】ヴァラニ(Varani)他著、Arch Dermatol Res、2003年、第295巻、第255〜62頁
【非特許文献20】ウッド(Wood)他著、J Invest Dermatol、1996年、第106巻、第397〜403頁
【非特許文献21】ブラントン(Blanton)他著、Proc Natl AcadSci USA、1989年、第86巻、第1273〜7頁
【非特許文献22】ヤ−シャン(Ya-Xian)他著、Arch Dermatol Res、1999年、第291巻、第555〜9頁
【非特許文献23】デ・ジョン(de Jongh)他著、Br J Dermatol、2006年、第154巻、第651〜7頁
【非特許文献24】ジェイコブソン(Jacobson)他著、Developing Topical Prodrugsfor Skin Cancer Prevention. In: Fundamentals of Cancer Prevention(Alberts DS, Hess, Lisa M.編集)、Berlin, Heidelberg: Springer-Verlag、2005年、第139〜60頁
【非特許文献25】ジェイコブソン(Jacobson)他著、Experimental Dermatology、印刷中
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従って、本発明の課題は、ナイアシン誘導体とのレチノイン酸療法によって引き起こされる前記副作用を治療することにある。本発明のもう1つの課題は、これらのナイアシン誘導体の使用による皮膚細胞分化の改善にある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、レチノイン酸療法の効力を妨げることなくレチノイン酸療法から生じる副作用を軽減する、および/又は、その効力を改善するためのナイアシン誘導体の利用に関する。詳しくは、直鎖ニコチン酸アルキルエステル、特にニコチン酸ミリスチル等のナイアシン誘導体は、後述するように、非限定的に、つっぱり感(tightness)/乾燥、刺痛感(ピリピリ感:stinging)、灼熱感(burning)、刺痛感(チクチク感:tingling)等が挙げられるレチノイン酸療法から生じる副作用を軽減する。又、カスパーゼ14とフィラグリンとの発現を増加させることによる皮膚細胞の分化の改善も本発明の一部である
【発明を実施するための形態】
【0016】
ニコチン酸エステル等のニコチン酸誘導体を投与することによって、レチノイン酸療法の副作用を軽減する方法、および/又は前記療法を受ける患者においてその療法の効力を改善するおよび/又はその効力を妨げることのない方法を含む本発明の種々の特徴構成を記載したものである。好ましくは、これはニコチン酸アルキルエステルである。そのエステル成分が10〜18の炭素原子を有するニコチン酸アルキルエステルが特に好適である。
【0017】
前記ニコチン酸アルキルエステルを対象体に投与する態様は様々なものとすることができる。経口、時限放出、静脈内、経皮、その他の投与形態が考えられ、局所投与も考えられる。
【0018】
局所投与とは、ニコチン酸アルキルエステルを、皮膚又は粘膜(鼻、肺及び口の表面膜を含む)の外表面に対して、そのニコチン酸アルキルエステルが皮膚又は粘膜の外表面を横断してその下部組織に入るような適用をいう。好適な形態において、前記ニコチン酸アルキルエステルは、ニコチン酸の真皮又は経皮投与のために局所投与される。経皮投与とは、ニコチン酸エステルが皮膚のバリアを通して分散し、その後、それが皮膚エステラーゼによってニコチン酸に生物変換されることをいう。無傷の皮膚を通す吸収は、ニコチン酸アルキルエステルを、皮膚への適用の前に、油性賦形剤中に置くこと(塗油(inunction)として知られる方法)によって促進することができる。受動的な局所投与は、ニコチン酸エステルを直接処置部位に、皮膚軟化剤又は経皮吸収促進剤と共に、適用するものとすることができる。
【0019】
そのような局所投与が特に好適であり、これは、クリーム、ローション、液体、エアロゾル、ボディソープ、口腔洗浄剤、歯磨き、胃管栄養(gavage)、又はその他の形態の経口投与によるものとすることができる。例えば、時限放出適用、ニコチンの時限放出に使用されるタイプのような「パッチ」、絆創膏、ラップ等を使用することができる。
【0020】
前記ニコチン酸エステルは、レチノイン酸療法の副作用を軽減するのに十分な量が投与される。使用される投与量は様々なものとなりうる。
【0021】
本発明のもう1つの特徴は、ニコチン酸アルキルエステルを、上述したように、カスパーゼ14とフィラグリンの発現を増大させるのに十分な量、投与することによって成熟皮膚細胞の分化を改善する方法に関する。これら二つの分子の発現が増大することによって、その相互作用が増加し、それによって、皮膚細胞分化の改善がもたらされる。ニコチン酸ミリスチルが特に好適である。
【実施例】
【0022】
(好適実施例の詳細な説明)
例1
軽症から中程度の顔面光障害を有する対象体において皮膚バリア機能を促進するナイアシンの親油性誘導体である、ニコチン酸ミリスチル(MN)との併用でのレチノイン酸療法を調べるために臨床研究を行った。
【0023】
この研究のために選択された全ての対象体は、30〜60歳の女性で、Fitzpatrick皮膚分類上でI〜IVのスコアーを持ち、改変Glogau分類I及びIIによって定義される軽症ないし中程度の光損傷皮膚を有し、ウッド灯視覚走査による測定で顔面に色素異常症を有するものであった。
【0024】
前記対象体を、それぞれ20名の対象体から成る三つのグループにランダムに割り当てた。レチノイン酸療法開始の1ヶ月前に、前記グループの1つ(グループ3)は、顔全体に、朝と晩との両方に、5%のニコチン酸ミリスチルを含有する製剤の塗布を開始した。グループ1と2とは、同様にして、ニコチン酸ミリスチルをミリスチルミリストレイン酸に置き換えたプラセボ製剤を同様に塗布した。レチノイン酸療法の開始後(ベースライン)、グループ1(プラセボ/プラセボ+RA)は上述のプラセボ製剤の使用を継続し、グループ2(プラセボ/MN+RA)は、前記5%ニコチン酸ミリスチル製剤の使用を開始し、グループ3(MN/MN+RA)は前記5%ニコチン酸ミリスチル製剤の使用を継続した。レチノイン酸療法は、前記プラセボ又はニコチン酸ミリスチル含有製剤の塗布の直後、夜に0.025%濃度の前記薬剤を塗布するものであった。この研究用に前記強度のレチノイン酸を選択した理由は、前記対象体が軽症から中程度の光損傷を有しているものであったからである。
【0025】
対象体には、研究の全期間を通じて、顔面の洗浄と日焼け防止のためにマイルドな液体洗浄剤とサンスクリーンとが提供された。対象体は、与えられたテスト保湿剤(ニコチン酸ミリスチル(5%)又はニコチン酸ミリスチルの代わりにミリスチルミリストレイン酸を含むプラセボ)を洗浄後に一日に二回顔全体に塗布した。研究の使用段階中に、対象体は、毎晩一日一回のテスト保湿剤塗布後、彼らの顔に前記レチノイン酸製剤(0.025%)を塗布した。
【0026】
皮膚バリア機能、臨床的及び感覚上の刺激感、及びレチノイン酸使用に関連する臨床効力の代替マーカーに対する前記5%ニコチン酸ミリスチル製剤の作用を評価した。角質層の厚みについて、眼窩周囲皮膚生検サンプルを評価し、経表皮性水分損失量(TWEL)を、バリア機能の代替測定値として測定し、耐容性を臨床的類別によって評価し、効力を、臨床的類別、患者の自己評価、及び表皮厚みの生検サンプルの分析によって評価した。
【0027】
レチノイン酸治療には通常、角質層緊密化が伴い、増大したバリア機能を角質層厚みの増大に関連付ける研究(ヤ−シャン(Ya-Xian)他著、前出;デ・ジョン(de Jongh)他著、前出)は、角質層緊密化がレチノイン酸療法に関連するバリア障害に関連する1つの要因である可能性を生じさせる。
【0028】
従って、研究対象体から得た眼窩周囲生検サンプルの角質層厚みを評価した。有資格皮膚科医によって、ベースラインと、12週間の治療後における、各グループからランダムに選択された7名の対象体の無作為化構成による測定で、顔の右側又は左側から2mmのパンチ生検を収集した。これらのパンチ生検をホルマリン固定し、パラフィン中に包埋し、5μmの断面にカットし、スライド上にマウントし、ヘマトキシリン−エオシン(H&E)で染色した。
【0029】
10×0.45のApochromat対物レンズを使用するオリンパス社製の倒立型顕微鏡とニコン社製のデジタルCCDカメラとによって、これらのH&E染色断面の組織画像を撮った。ImageJ画像解析ソフトウエア(NIH)を使用して、前記画像を調べ、測定を行った。乳頭表皮厚み(皮膚乳頭上部から顆粒層の上部までの測定)と角質層厚み(顆粒層の上部から角質層の上部までの測定)とを測定した。各標本につき、五つの異なる部位を測定し、その平均を計算した。
【0030】
ベースラインにおいて、前記プラセボ/MN+RAグループの平均角質層厚み値は、前記プラセボ/プラセボ+RAグループよりも僅かに高かったが、その差は統計的に有意のものではなかった。5%ニコチン酸ミリスチルでの処置を1ヶ月間予め受けていた前記MN/MN+RAグループの平均角質層厚みは、他の二つのグループよりも高かったが、その差はP<0.05の統計的有意性には達しなかった。しかしながら、以前の研究は、3ヶ月間の5%のニコチン酸ミリスチルでの光障害皮膚の治療によって角質層厚みが50%以上も増加することが示されている。従って、その他のグループと比較してMN/MN+RAグループの平均値が約11%高いということはニコチン酸ミリスチルの公知の作用に一致している。
【0031】
前記12週間のレチノイン酸治療中において、前記プラセボ/プラセボ+RAグループは、約24%の角質層厚みの減少(p=0.006対ベースライン)を経験したのに対して、ニコチン酸ミリスチルとレチノイン酸との同時使用では角質層厚みの減少は起こらなかった。12週間の治療時での前記プラセボ/プラセボ+RAグループとプラセボ/MN+RAグループとの間の平均角質層厚みの差は、高度に統計的に有意(p=0.005)なものであった。12週間の前記MN/MN+RAグループと前記プラセボ/プラセボ+RAグループとの間の差も高度に統計的に有意(p=0.003)なものであった。これらの結果は、ニコチン酸ミリスチルの同時又は、事前及び同時使用によってレチノイン酸療法に関連する角質層の緊密化が緩和されることを示している。
【0032】
TEWL量の測定によって、相対的な皮膚バリア機能の非観血式での評価が提供される。従って、TEWL測定を研究対象体の顔から行い、これらをプラセボ処置グループとニコチン酸ミリスチル処置グループとを比較するためのバリア機能の代替マーカーとして使用した。前記TEWL測定のために、器具は、最適機能のための特定の温度及び湿度範囲を必要としたので、対象体は測定の少なくとも20分間前に周囲条件に対して平衡化することが求められた。温度は66〜72F゜の範囲で、そして相対湿度は15〜55%の範囲に維持された。コンピュータリンクされたDermalab器具を使用して、研究対象体の右頬の皮膚表面上の二つのポイントでTEWLを測定し、水分損失量を計算した。各TEWL測定は、一分間の測定時間に渡って平均化した。
【0033】
TEWL量は、前記プラセボ/プラセボ+RAグループにおいて、前記12週間の期間中までに約45%増加したが、これは高度に統計的に有意なものであった(p<0.0001)。TEWL量は、前記プラセボ/MN+RA及びMN/MN+RAグループでも増加したが、これらのグループの場合のベースラインからの変化は統計的に有意なものではなかった。12週間における前記プラセボ/プラセボ+RAグループとMN/MN+RAグループとの間の差(p=0.056)は、統計的有意性への強い傾向を示した。
【0034】
これらの結果は、ニコチン酸ミリスチルの同時使用がバリア損傷を軽減するものであること、そして、事前使用プラス同時使用が、同時使用のみよりもより大きなバリア保護を提供すること、を示している。
【0035】
臨床的類別
レチノイン酸療法の耐容性と効力を評価するために、対象体を更に、ベースラインと、2,4,8及び12週間時とにおいて、効力/パフォーマンスパラメーター及び刺激感/安全性パラメーターとに関して、顔の右側および/又は左側上で臨床的に類別した。
【0036】
落屑(scaling)/剥離及び紅斑の程度等の耐容性の最も厳格なパラメーターは、2,4,8及び12週間時に3ポイント臨床スケールで類別し、平均値を決定した。レチノイン酸療法に典型的な耐容性のより厳格度の低いパラメーター(つっぱり感/乾燥、刺痛感(ピリピリ感)、灼熱感、刺痛感(チクチク感)等)も評価した。
【0037】
落屑/剥離の度合いは全てのグループにおいて非常に低く、紅斑の程度も比較的低く、0.025%の濃度のレチノイン酸および/又は治療前及び治療中一日二回の保湿剤の規則的使用の全体としての高い耐容性を示した。いずれのパラメーターにおいてもプラセボグループとニコチン酸ミリスチルグループとの間に有意な差は無かったが、紅斑の類別は、ニコチン酸ミリスチル処置された対象体において一貫して僅かに高かった。
【0038】
低レベルの落屑/剥離又は紅斑にも関わらず、研究においては、レチノイン酸の低い重篤度ではあるが一般的に遭遇される副作用が有意な頻度で観察された。これらの耐容性パラメーターに関して、ニコチン酸ミリスチルの同時使用がつっぱり感/乾燥、刺痛感(ピリピリ感)、灼熱感の頻度を減少させ、そして、ニコチン酸ミリスチルの同時使用が更にこれらのパラメーターそれぞれの頻度を低減させた、一貫したパターンが観察された。報告された刺痛感(チクチク感)の頻度は極めて低い(2%)ものであったが、その副作用の発生はMN/MN+RAグループの場合にゼロにまで減少した。
【0039】
前記臨床的類別けに加えて、研究対象体は、前記療法の耐容性に関連する情報を求める自己評価アンケートに記入した。これらの自己評価は、同じパラメーターが評価された全てのケースにおける臨床的類別に対応するものであった。全体として、その結果は、ニコチン酸ミリスチルの使用がレチノイン酸療法の耐容性を改善したことを示している。
【0040】
更に、レチノイン酸療法の効力に対するニコチン酸ミリスチルの作用を調べるために、専門家臨床的類別、患者自己分析及び表皮厚みの生検サンプルの分析も使用した。
【0041】
臨床的類別は、処置時間(2,4,8及び12週間)の関数としての、色素異常症、微細な皺(fine line)、浅い皺(shallow wrinkle)、触覚上の粗さ、及びこめかみの弛緩、を評価するものであった。グループ間で初期の光損傷の程度において幾分違いがあったにも関わらず、これら三つのグループ全てにおいて色素異常症、微細な皺及び浅い皺に関して類似の率での改善が観察された。これは、触覚上の粗さについても観察されたが、但し、前記MN/MN+RAグループのスコアーは4〜12週間にかけて大幅な改善を示した。こめかみの弛緩の類別は、12週間において前記プラセボ/プラセボ+RAとの比較において,MN/MN+RAグループにおいて統計的に有意な改善(p=0.02)を示し、プラセボ/プラセボ+RAに対するプラセボ/MN+RAついてより大きな改善が観察されたが、これはp<0.05で統計的有意性には達しなかった。
【0042】
研究対象体は、又、効力に関する彼らの評価に関連する自己評価アンケートを研究の完了時に記入した。このアンケートは、質問に対して5つの選択肢(大いに同意する、同意する、同意でも否定でもない、否定する、大いに否定する)から1つで応えるように研究対象体に求めるものであった。いずれのケースにおいても、ニコチン酸ミリスチルを使用した前記グループの対象体が、プラセボ/プラセボ+RAグループの対象体よりも効果を低く評価した場合は無く、5つの質問のうちの4つにおいて、ニコチン酸ミリスチルを使用した研究対象体の方がプラセボグループよりも効力の改善に気づいた割合が高かった。これらの結果は、ニコチン酸ミリスチルの同時又は事前及び同時使用がレチノイン酸の効果に干渉せず、いくつかのパラメーターにおいて効力の改善をもたらすものであったことを示している。
【0043】
長期のレチノイド療法は表皮厚みの増大を伴うので、前記グループのそれぞれにおける12週間のレチノイン酸療法における表皮厚みの変化も評価した。前記ベースラインにおけるプラセボ/プラセボ+RA、プラセボ/MN+RA及びMN/MN+RAグループの平均値は、それぞれ、37.9、38.8及び39.3μmであった。レチノイン酸と前記プラセボクリームとを受けたグループの平均表皮厚みは、12週間の研究において約5%減少した。ニコチン酸ミリスチルを同時に受けたグループの表皮厚みは、約3%増大し、レチノイン酸と同時又はその前にニコチン酸ミリスチルを受けたグループは約10%増加した。12週間における前記プラセボ/プラセボ+RAとMN/MN+RAグループ間の差は、統計的に有意なもの(p=0.0007)であったのに対して、前記プラセボ/プラセボグループとプラセボ/MN+RAグループとの間の差はp<0.05で統計的有意性に届かない傾向を示した。12週間における前記プラセボ/MN+RAグループとMN/MN+RAグループとの間の差も統計的有意性(p=0.05)に達した。
【0044】
臨床的類別、自己評価、及び表皮厚み測定の結果は、レチノイン酸療法の効力がニコチン酸ミリスチルによって悪影響を受けなかったことを示している。更に、これらの結果は、ニコチン酸ミリスチルの使用がレチノイン酸療法の効力を増大させたことを示している。
【0045】
例2
カスパーゼ14は、表皮の成熟をコントロールするユニークなプロテーゼであることが示されている。このコントロールは、皮膚細胞分化の後期段階に関与するものとして認識されているタンパク質である、フィラグリンのタンパク質分解プロセシングから生じる。フィラグリンに対する カスパーゼ14の作用の生成物によってUVB光障害、更に水分の損失、が防止される。ここにその両方を参考文献として合体させるニコテラ(Nicotera)他著、Nature Cell Biology、第9巻、第 621〜622頁(2007年);デネッカー(Denecker)他著、Nature Cell Biology、第9巻、第666〜674頁(2007年)を参照。
【0046】
ここに参考文献として合体させるレンドル(Rendl)他著、J. Investigative Dermatol、第119巻、第1150〜1155頁(2002年)は、レチノイドがカスパーゼ14をダウンレギュレートすることを示した。
【0047】
カスパーゼ14と、フィラグリンとレチノイドとの間の相互関係は、それらがニコチン酸ミリスチルによって影響されるかもしれないということを示唆した。
【0048】
これを調べるために、カスパーゼ14とフィラグリンとの両方の発現レベルを、上述した対象体グループ(即ち、1ヶ月間プラセボのみを受け、その後、プラセボとレチノイン酸とを受けた対象体と、一ヶ月間プラセボのみを受け、その後、治療段階においてニコチン酸ミリスチルとレチノイン酸とを受けた対象体)において調べた。
【0049】
プラセボとレチノイン酸とを3ヶ月間受けた対象体において平均で5%のカスパーゼ14の増大が見られたのに対して、プラセボ、レチノイン酸及びニコチン酸ミリスチルを3ヶ月間受けた対象体は、同じ期間で24%のカスパーゼ14の増大を示した。
【0050】
フィラグリン発現に関しては、プラセボ、レチノイン酸及びニコチン酸ミリスチルを受けた対象体は、平均で13%の増加を示したのに対してニコチン酸ミリスチルで処置されなかった対象体はなんら変化を示さなかった。
【0051】
これらの結果は、上述したように、皮膚細胞分化に対する、ニコチン酸ミリスチルと、カスパーゼ14とフィラグリンとの相互作用の有用な効果の関連性を明確に確立するものである。
【0052】
以上の説明は、とりわけ、ニコチン酸エステル等のニコチン酸誘導体を投与することによって、レチノイン酸療法の副作用を軽減する方法、および/又は前記療法を受ける患者においてその療法の効力を改善するおよび/又はその効力を妨げることのない方法を含む本発明の種々の特徴構成を記載したものである。好ましくは、これはニコチン酸アルキルエステルである。そのエステル成分が10〜18の炭素原子を有するニコチン酸アルキルエステルが特に好適である。
【0053】
前記ニコチン酸アルキルエステルを対象体に投与する態様は様々なものとすることができる。経口、時限放出、静脈内、経皮、その他の投与形態が考えられ、局所投与も考えられる。
【0054】
局所投与とは、ニコチン酸アルキルエステルを、皮膚又は粘膜(鼻、肺及び口の表面膜を含む)の外表面に対して、そのニコチン酸アルキルエステルが皮膚又は粘膜の外表面を横断してその下部組織に入るような適用をいう。好適な形態において、前記ニコチン酸アルキルエステルは、ニコチン酸の真皮又は経皮投与のために局所投与される。経皮投与とは、ニコチン酸エステルが皮膚のバリアを通して分散し、その後、それが皮膚エステラーゼによってニコチン酸に生物変換されることをいう。無傷の皮膚を通す吸収は、ニコチン酸アルキルエステルを、皮膚への適用の前に、油性賦形剤中に置くこと(塗油(inunction)として知られる方法)によって促進することができる。受動的な局所投与は、ニコチン酸エステルを直接処置部位に、皮膚軟化剤又は経皮吸収促進剤と共に、適用するものとすることができる。
【0055】
そのような局所投与が特に好適であり、これは、クリーム、ローション、液体、エアロゾル、ボディソープ、口腔洗浄剤、歯磨き、胃管栄養(gavage)、又はその他の形態の経口投与によるものとすることができる。例えば、時限放出適用、ニコチンの時限放出に使用されるタイプのような「パッチ」、絆創膏、ラップ等を使用することができる。
【0056】
前記ニコチン酸エステルは、レチノイン酸療法の副作用を軽減するのに十分な量が投与される。使用される投与量は様々なものとなりうる。
【0057】
本発明のもう1つの特徴は、ニコチン酸アルキルエステルを、上述したように、カスパーゼ14とフィラグリンの発現を増大させるのに十分な量、投与することによって成熟皮膚細胞の分化を改善する方法に関する。これら二つの分子の発現が増大することによって、その相互作用が増加し、それによって、皮膚細胞分化の改善がもたらされる。ニコチン酸ミリスチルが特に好適である。
【0058】
本発明のその他の態様は当業者にとって明らかであろうからここに記載する必要はない。これまで使用した用語及び表現は、記載の用語として使用されたものであり、限定的なものではなく、これらの用語及び表現を使用するにあたって図示され記載された特徴構成のいかなる均等物も除外する意図はなく、種々の改変が本発明の範囲内において可能であると理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レチノイン酸療法の効力の障害となることなく、レチノイン酸療法の副作用を軽減する、及び/又は、その療法の効力を改善する方法であって、前記レチノイン酸療法を受ける対象体に対して、前記副作用を軽減するのに十分な量のニコチン酸アルキルエステルを投与する工程を含む方法。
【請求項2】
前記ニコチン酸アルキルエステルが、局所投与される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ニコチン酸アルキルエステルが、皮膚又は経皮投与によって投与される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ニコチン酸アルキルエステルが、8〜18の炭素原子の無分岐アルキル鎖を含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ニコチン酸アルキルエステルが、ニコチン酸ミリスチル、又はニコチン酸パルミトイルである請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ニコチン酸アルキルエステルを、前記レチノイン酸療法と同時に投与する請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ニコチン酸アルキルエステルを、前記レチノイン酸療法の後で投与する請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ニコチン酸アルキルエステルを、前記対象体に対して、角質層厚み又は皮膚バリア機能を増大させるのに十分な時間投与し、前記ニコチン酸アルキルエステルは、前記レチノイン酸療法の投与前に投与される請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ニコチン酸アルキルエステルを、前記対象体に対して、レチノイン酸療法に耐容する前記対象体の能力を高めるのに十分な時間投与し、前記ニコチン酸アルキルエステルは、前記レチノイン酸療法の投与前に投与される請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ニコチン酸アルキルエステルを、前記対象体に対して、前記レチノイン酸療法の投与の前の少なくとも1ヶ月間、投与する工程を有する請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記ニコチン酸アルキルエステルを、前記対象体に対して、前記レチノイン酸療法の投与の前の少なくとも1ヶ月間、投与する工程を有する請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記対象体が、哺乳動物である請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記哺乳動物が、ヒトである請求項12に記載の方法。
【請求項14】
皮膚細胞分化を改善する方法であって、それを必要とする対象体に、カスパーゼ14とフィラグリンの発現を増大させ、それらの間の相互作用を増大させて皮膚細胞分化の改善をもたらすのに十分な量のニコチン酸アルキルエステルを投与する工程を有する、皮膚細胞分化を改善する方法。
【請求項15】
前記ニコチン酸アルキルエステルが、ニコチン酸ミリスチルである請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ニコチン酸アルキルエステルを、局所投与する請求項14に記載の方法。

【公表番号】特表2010−520202(P2010−520202A)
【公表日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−551718(P2009−551718)
【出願日】平成20年2月27日(2008.2.27)
【国際出願番号】PCT/US2008/002605
【国際公開番号】WO2008/106177
【国際公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(500505968)ユニバーシティー オブ ケンタッキー リサーチ ファウンデイション (1)
【出願人】(504387676)アリゾナ・ボード・オブ・リージェンツ・オン・ビハーフ・オブ・ザ・ユニバーシティ・オブ・アリゾナ (5)
【住所又は居所原語表記】888 NORTH EUCLID AVENUE,TUCSON, AZ 85721−0158, UNITED STAES OF AMERICA
【Fターム(参考)】