説明

レンズ交換式デジタルカメラ

【課題】撮影光路内にハーフミラーを配置したレンズ交換式デジタルカメラにおいて、ハーフミラー付着した塵埃を効果的に除去するレンズ交換式デジタルカメラを提供する。
【解決手段】撮影レンズの光路内において撮影レンズを通過した被写体光束の一部を透過するハーフミラー401と、光路内におけるハーフミラー401の位置を規制するように、ハーフミラーに当接する電歪素子207を設け、電歪素子207の振動によってハーフミラー401に付着した塵埃を除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スルー画表示機能を有するレンズ交換式デジタルカメラに関し、詳しくは、撮像素子で取得した画像を動画像として表示装置に表示する所謂スルー画表示機能(ライブビュー表示機能、電子ファインダ機能とも言う)を有するレンズ交換式デジタルカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のデジタルカメラにおいては、被写体像の観察は、光学式ファインダにより行っていたが、最近は、光学式ファインダをなくし、代わりに被写体画像データの記録用に設けられている撮像素子の出力を表示にも利用している。即ち、撮像素子で取得した画像を、被写体像観察用に液晶モニタ等の表示装置によって表示するスルー画像表示機能を有しているものが多くなってきている。
【0003】
このようなスルー画表示機能を有するデジタルカメラとして、例えば、特許文献1には、可動ミラーを撮影光路から退避させるとともにフォーカルプレーンシャッタを全開状態にして被写体像を撮像素子に導き、それによって得られた被写体像を連続的に液晶モニタに表示するようにしたレンズ交換式一眼レフカメラが開示されている。ただし、この特許文献1では、スルー画表示中に可動ミラーを撮影光路外に退避させるために、従来の一眼レフカメラで一般的に採用されているTTL(Trough The Lens)位相差AF(Auto Focus)を行うことができないという問題がある。
【特許文献1】特開2002−369042号公報
【0004】
そこで、特許文献2には、可動ミラーをハーフミラーで構成し、撮影光学系を通過した被写体光束を撮像素子と位相差AFセンサの両方に導くようにしたデジタルカメラが提案されている。この構成によれば、スルー画表示を行いながら位相差AFも可能となり、前述の問題を解決することができる。
【特許文献2】特開2002−6208号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2のように撮影光路内にハーフミラーを配置する構成をレンズ交換式デジタルカメラに適用した場合には次のような問題が生ずるおそれがある。すなわち、レンズ交換式カメラの場合は撮影レンズの交換に伴ってカメラ本体内に塵埃が進入し、ハーフミラーに付着することがある。この塵埃は、スルー画表示の際に被写体像に重なって表示されるので、被写体像の観察にあたって見苦しいものとなってしまう。また、測距精度の低下を招くおそれもある。
【0006】
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、撮影光路内にハーフミラーを配置したレンズ交換式デジタルカメラにおいて、ハーフミラーに付着した塵埃を効果的に除去可能としたレンズ交換式デジタルカメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため第1の発明に係わるレンズ交換式デジタルカメラは、撮影レンズの光路内に進退可能であって、上記光路内において上記撮影レンズを通過した被写体光束の一部を透過するハーフミラーと、上記光路内における上記ハーフミラーの位置を規制するように、上記ハーフミラーに当接する規制手段と、上記ハーフミラーを透過した上記被写体光束を受光して被写体像信号を出力する撮像手段と、上記被写体像信号に基づいて被写体の動画像を表示装置に表示するスルー画表示手段を具備しており、上記規制手段は、上記ハーフミラーに当接した状態で上記ハーフミラーを振動させる加振手段を含んでいる。
【0008】
第2の発明に係わるレンズ交換式デジタルカメラは、上記第1の発明において、上記加振手段は、上記ハーフミラーに当接する当接部材と、この当接部材を駆動して上記ハーフミラーを振動させるアクチュエータとを含んでいる。
また、第3の発明に係わるレンズ交換式デジタルカメラは、上記第2の発明において、上記アクチュエータは、周期的な電圧を印加した際に収縮運動する電歪素子を用いたアクチュエータである。
さらに、第4の発明に係わるレンズ交換式デジタルカメラは、上記第1の発明において、上記加振手段は、上記ハーフミラーに当接する非円形の回転部材と、この回転部材を回転させる電磁駆動手段とを含んでいる。
さらに、第5の発明に係わるレンズ交換式デジタルカメラは、上記第1の発明において、上記ハーフミラーを上記規制手段に対して付勢する付勢手段を含み、上記加振手段は上記付勢手段の付勢力に抗する方向に上記ハーフミラーを周期的に押圧する。
【0009】
上記目的を達成するため第6の発明に係わるデジタルカメラは、撮影レンズの光路内に配置され、上記撮影レンズを通過した被写体光束の少なくとも一部を反射する可動ミラーと、
この可動ミラーが上記光路に対して反射位置にあるときに当接する位置に配置され、上記可動ミラーに当接した状態で上記可動ミラーを振動させる加振手段を具備する。
【0010】
第7の発明に係わるデジタルカメラは、上記第6の発明において、上記加振手段は、電気機械変換素子を含んでいる。
また、第8の発明に係わるデジタルカメラは、上記第6の発明において、上記加振手段は、上記可動ミラーに当接する非円形部材と、この非円形部材を回転させる電磁駆動手段とからなる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ハーフミラーに当接する規制手段は、上記ハーフミラーに当接した状態で上記ハーフミラーを振動させる加振手段を含んでいるので、ハーフミラーに付着した塵埃を効果的に除去可能としたレンズ交換式デジタルカメラを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面に従って本発明を適用したデジタルカメラを用いて好ましい第1実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係るデジタルカメラについて背面からみた外観斜視図である。このカメラは、カメラ本体20と、交換レンズとしてのレンズ鏡筒10とから構成されている。レンズ鏡筒10はカメラ本体20の前面のマウント開口部(不図示)に着脱自在となっている。マウント開口部を介してレンズ鏡筒10内のレンズ101a、101b等(図2参照)からなる撮影レンズによる被写体光束がカメラ本体20内に導かれる。本実施形態では、レンズ鏡筒10とカメラ本体20は別体で構成され、通信接点300(図2参照)を介して電気的に接続されている。また、カメラ本体20に設けた着脱検知スイッチ259(図2参照)によって着脱状態を検出可能となっている。
【0013】
カメラ本体20の上面にはレリーズ釦21、モードダイヤル22、パワースイッチレバー23、コントロールダイヤル24等が配置されている。レリーズ釦21は、撮影者が半押しするとオンする第1レリーズスイッチと、全押しするとオンする第2レリーズスイッチを有している。この第1レリーズスイッチ(以下、1Rと称する)のオンによりカメラは焦点検出、撮影レンズのピント合わせ、被写体輝度の測光等の撮影準備動作を行い、第2レリーズスイッチ(以下、2Rと称する)のオンにより撮像素子としてのCCD(Charge Coupled Devices)221(図2参照)の出力に基づいて被写体像の画像データの取り込みを行う撮影動作を実行する。
【0014】
モードダイヤル22は回転可能に構成された操作部材であり、モードダイヤル22上に設けられた撮影モードを表す絵表示または記号を指標に合致させることにより、フルオート撮影モード(AUTO)、プログラム撮影モード(P)、絞り優先撮影モード(A)、シャッタスピード優先撮影モード(S)、マニュアル撮影モード(M)、ポートレート撮影モード、風景撮影モード、マクロ撮影モード、スポーツ撮影モード、夜景撮影モード等の各撮影モードを選択することができる。パワースイッチレバー23はデジタルカメラの電源のオン・オフを行うための操作部材であり、オン・オフの2つの位置に回動可能に構成されている。コントロールダイヤル24は回転可能に構成された操作部材であり、情報表示画面等において、コントロールダイヤル24の回転操作により所望の設定値やモード等を選択することができる。
【0015】
カメラ本体20の背面には、背面液晶モニタ26、再生釦27、メニュー釦28、十字釦30、OK釦31、ファインダ接眼部33が配置されている。背面液晶モニタ26は、被写体像を観察用にスルー画として表示したり、撮影済みの被写体像を再生表示したり、カメラ情報やメニューを表示するための表示装置である。これらの表示を行うことができるものであれば、液晶に限らない。なお、カメラ本体20に対して角度を自在に変更できるよう構成しても良い。ファインダ接眼部33は、被写体像を観察するための接眼窓であり、内部には後述するファインダ内液晶モニタ29が配置されており、このファインダ接眼部33を通じて被写体像を観察可能となっている。再生釦27は、撮影後に記録した被写体画像を背面液晶モニタ26に表示させることを指示するための操作釦である。再生釦27の操作に応じて、後述するSDRAM238または記録媒体245にJPEG等の圧縮モードで記憶されている被写体の画像データが伸張された後、背面液晶モニタ26に表示される。
【0016】
十字釦30は背面液晶モニタ26上で、X方向とY方向の2次元方向にカーソルの移動を指示するための操作部材であり、また、記録媒体245に記録された被写体像を表示するにあたって、再生画像の選択にも使用する。なお、アップ、ダウン、左、右用の4つの釦を設ける以外にも、タッチスイッチのように2次元上で操作方向を検出できるスイッチ等の2次元方向に操作できるスイッチに置き換えることも可能である。OK釦31は、十字釦30やコントロールダイヤル24等によって選択された各種項目を確定するための操作部材である。メニュー釦28は、このデジタルカメラの各種モードを設定するためのメニューモードに切換えるための釦であり、このメニュー釦28の操作によってメニューモードを選択すると、背面液晶モニタ26にメニュー画面が表示される。メニュー画面は複数の階層構造となっており、十字釦30で各種項目を選択し、OK釦31の操作により選択を決定する。
【0017】
これらのレリーズ釦21、パワースイッチレバー23、再生釦27、メニュー釦28、十字釦30、OK釦31はいずれもオン・オフスイッチと連動している。これらのオン・オフスイッチに連動する操作釦と、モードダイヤル22、コントロールダイヤル24等の操作釦の操作に応じて発生する信号がASIC(Application Specific Integrated Circuit 特定用途向け集積回路)262内のスイッチ検出回路253(図2参照)に送信される。
【0018】
次に、図2を用いて、デジタルカメラの電気系を主とする全体構成を説明する。
レンズ鏡筒10の内部には、焦点調節および焦点距離調節用のレンズ101a、101bと、開口量を調節するための絞り103が配置されている。レンズ101aおよびレンズ101bは光学系駆動機構107によって駆動され、絞り103は絞り駆動機構109によって駆動されるよう接続されている。光学系駆動機構107、絞り駆動機構109はそれぞれレンズCPU111に接続されており、このレンズCPU111は通信接点300を介してカメラ本体20に接続されている。レンズCPU111はレンズ鏡筒10内の制御を行うものであり、光学系駆動機構107を制御してピント合わせや、ズーム駆動を行うとともに、絞り駆動機構109を制御して絞り値制御を行う。
【0019】
カメラ本体20内のミラーボックス内には、レンズ101a、101bを通過した光束の一部を透過する特性を有する可動の反射ミラー(以下、便宜上、可動ハーフミラーという)201が配置されている。この可動ハーフミラー201は、可動ミラー駆動機構215によって駆動され、回動軸201aを中心に紙面垂直方向の軸に沿って回動可能である。可動ハーフミラー201がレンズ101a、101bの光路に対して45度に傾いた反射位置(図2において実線の位置)にあるときには、被写体光束の一部(例えば30%)が反射され、測距/測光センサ217に導かれる。また被写体光束の残り(70%)は、可動ハーフミラー201を透過してCCD221の方向に導かれる。なお、本実施形態においては、可動ハーフミラー201の回動中心は、ミラーボックス内の下側であるが、これに限らず、上側でも良く、また左右のいずれかに紙面に対して並行な回動中心にしても勿論構わない。回動中心を変更する場合には、併せて測距/測光センサ217、シャッタ203およびCCD221等の位置も変更する。また、本実施形態においては、ハーフミラーの反射率と透過率はそれぞれ30%と70%であるが、この比率に限られず、適宜変更できる。
【0020】
前述の測距/測光センサ217は、カメラ本体20内のミラーボックスの上部であって、可動ハーフミラー201によって反射された光束が導かれる位置に配置されており、測距用のセンサと測光センサから構成されている。測光センサは被写体像を分割して測光する多分割測光素子で構成され、また測距センサはTTL位相差法によって測距するためのセンサである。測距/測光センサ217の出力は測距/測光処理回路219に送られる。測距/測光処理回路219は、測光センサの出力に基づいて評価測光値を出力し、また測距センサの出力に基づいて、レンズ101、101bによって結像される被写体像の焦点ズレ量を測定する。なお、測距センサと測光センサは別体に構成しても、一体に構成しても良い。
【0021】
可動ハーフミラー201が反射位置にある際に、可動ハーフミラー201の一部に当接する位置に電歪素子207が配設されている。この電歪素子207は電圧を印加した際に機械的ひずみが生ずる素子であって、電歪素子駆動回路211に接続されている。電歪素子207は電歪素子駆動回路211によって駆動され、所定の振動数で機械的振動し、可動ハーフミラー201が当接しているときには、可動ハーフミラー201も一緒に振動する。なお、電歪素子207はチタン酸バリウムやチタン酸ジルコン酸鉛などの狭義の電歪素子に限らず、圧電効果を利用した圧電素子も含んでいる。いずれにしても電気振動を機械振動に変換できる電気機械変換素子であれば利用できる。
【0022】
電歪素子207は、カメラ本体20のマウント開口部や本体内部で発生した塵埃が可動ハーフミラー201等の光学素子に付着して塵埃の影が被写体像に写しこまれ、見苦しくなることを防止するための除塵部材である。電歪素子207は可動ハーフミラー201の周縁部の全周または一部に当接するようにミラーボックス内に固着されている。電歪素子207は電歪素子駆動回路211によって、可動ハーフミラー201が所定の周期で振動するよう駆動される。そして、その振動を利用して可動ハーフミラー201の前面に付着した塵埃が除去される。
【0023】
可動ハーフミラー201の後方であって、レンズ101a、101bの光軸上であって、撮影光路上には、露光時間制御およびCCD221の遮光用のフォーカルプレーンタイプのシャッタ203が配置されており、このシャッタ203はシャッタ駆動機構213によって駆動制御される。シャッタ203の後方には、被写体光束から赤外光成分をカットするための赤外カットフィルタ209が配置され、その後方には被写体光束から高周波成分を取り除くための光学的ローバスフィルタ210が配置されている。そして、光学的ローパスフィルタ210の後方には、撮像素子としてのCCD221が配置されており、レンズ101a、101bによって結像される被写体像を電気信号に光電変換する。これらの赤外カットフィルタ209、光学的ローパスフィルタ210およびCCD211は、図示しない密封されたパッケージに一体に収納されており、塵埃がこのパッケージ内に侵入しないように構成されている。なお、本実施形態では撮像素子としてCCDを用いているが、これに限らずCMOS(Complementary Metal Oxide
Semiconductor)等の二次元撮像素子を使用できることはいうまでもない。
【0024】
CCD221は撮像素子駆動回路223に接続され、入出力回路239からの制御信号によって駆動制御される。撮像素子駆動回路223によって、CCD221から出力された光電アナログ信号が増幅され、アナログデジタル変換(AD変換)される。撮像素子駆動回路223は画像処理回路227に接続され、この画像処理回路227によってデジタル画像データのデジタル的増幅(デジタルゲイン調整処理)、色補正、ガンマ(γ)補正、コントラスト補正、白黒・カラーモード処理、スルー画像処理といった各種の画像処理がなされる。画像処理回路227は、データバス261に接続されている。このデータバス261には、画像処理回路227の他、後述するシーケンスコントローラ(以下、「ボディCPU」と称す)229、圧縮伸張回路231、ビデオ信号出力回路233、SDRAM制御回路237、入出力回路239、通信回路241、記録媒体制御回路243、フラッシュメモリ制御回路247、スイッチ検出回路253が接続されている。
【0025】
データバス261に接続されているボディCPU229は、このデジタルカメラの動作を制御するものである。またデータバス261に接続されている圧縮伸張回路231はSDRAM238に記憶された画像データをJPEGやTIFFで圧縮するための回路である。なお、画像圧縮はJPEGやTIFFに限らず、他の圧縮方法も適用できる。データバス261に接続されたビデオ信号出力回路233は液晶モニタ駆動回路235を介して背面液晶モニタ26とファインダ内液晶モニタ29(図中F内液晶モニタと略記)に接続される。ビデオ信号出力回路233は、SDRAM238または記録媒体245に記憶された画像データを、背面液晶モニタ26および/またはファインダ内液晶モニタ29に表示するためのビデオ信号に変換するための回路である。背面液晶モニタ26はカメラ本体20の背面に配置されるが、撮影者が観察できる位置であれば、背面に限らないし、また液晶に限らず他の表示装置でも構わない。ファインダ内液晶モニタ29は、ファインダ接眼部33を介して撮影者によって観察できる位置に配置されており、背面液晶モニタ26と同様、液晶に限らず他の表示装置でも構わない。なお、被写体像の観察として背面液晶モニタ26のみとし、ファインダ接眼部33およびファインダ内液晶モニタ29を省略することも可能である。
【0026】
SDRAM238は、SDRAM制御回路237を介してデータバス261に接続されており、このSDRAM238は、画像処理回路227によって画像処理された画像データまたは圧縮伸張回路231によって圧縮された画像データを一時的に記憶するためのバッファメモリである。上述の電歪素子駆動回路211、シャッタ駆動機構213、可動ミラー駆動機構215、測距/測光処理回路219、撮像素子駆動回路223に接続される入出力回路239は、データバス261を介してボディCPU229等の各回路とデータの入出力を制御する。レンズCPU111と通信接点300を介して接続された通信回路241は、データバス261に接続され、ボディCPU229等とのデータのやりとりや制御命令の通信を行う。
【0027】
データバス261に接続された記録媒体制御回路243は、記録媒体245に接続され、この記録媒体245への画像データ等の記録の制御を行う。記録媒体245は、xDピクチャーカード(登録商標)、コンパクトフラッシュ(登録商標)、SDメモリカード(登録商標)またはメモリスティック(登録商標)等の書換え可能な記録媒体のいずれかが装填可能となるように構成され、カメラ本体20に対して着脱自在となっている。その他、通信接点を介してマイクロドライブ(登録商標)の様なハードディスクユニットや無線通信ユニットを接続可能に構成してもよい。
【0028】
データバス261に接続されているフラッシュメモリ制御回路247は、フラッシュメモリ(Flash Memory)249に接続され、このフラッシュメモリ249は、デジタルカメラのフローを制御するためのプログラムが記憶されており、ボディCPU229はこのフラッシュメモリ249に記憶されたプログラムに従ってデジタルカメラの制御を行う。なお、フラッシュメモリ249は、電気的に書換可能な不揮発性メモリである。
【0029】
カメラ本体20やレンズ鏡筒10のパワー供給の制御を行うためのパワースイッチレバー23に連動してオン・オフするパワースイッチ257と、シャッタレリーズ釦21の第1ストロークや第2ストロークを検出するスイッチ、再生モードを指示する再生釦27に連動するスイッチ、背面液晶モニタ26の画面でカーソルの動きを指示する十字釦30に連動するスイッチ、撮影モードを指示するモードダイヤル22に連動するスイッチ、選択された各モード等を決定するOK釦31に連動するOKスイッチ、着脱検知スイッチ259等の各種スイッチ255は、スイッチ検出回路253を介してデータバス261に接続されている。なお、着脱検知スイッチ259の構造については、図6を用いて後述する。
【0030】
次に、図3を用いて、電歪素子207等からなる加振手段と可動ハーフミラー201の構造について説明する。被写体光束の一部を透過し一部を反射するハーフミラー401はミラー枠403によって保持され、このミラー枠403は軸411の回りに回動自在である。ミラー枠403に固設された駆動ピン405はカメラ本体20に回動自在に軸支された駆動レバー413の一端のY字状部に挟持されている。そして、駆動レバー413の他端とカメラ本体20との間にはバネ407が設けられており、駆動レバー413の他端はバネ407の付勢力によって、カメラ本体20側(B方向)に引っ張られている。このためミラー枠403は反時計方向に付勢力を受け、図3(A)の実線で図示される反射位置に回動され、位置決め部材を兼ねた電歪素子207に当接して位置決めされる。
【0031】
駆動レバー413の他端は、可動ミラー駆動機構421を構成するプランジャ421bに、図示しない機構により連動している。そして、プランジャ421bはソレノイド421aによって通電時にA方向に引き上げられ、非通電時にはバネ407の付勢力によって下降位置にある。レンズ鏡筒10が離脱される等の場合には、ソレノイド421aに通電され、可動ハーフミラー201は退避位置(図3(A)の二点鎖線の位置)に移動する。可動ハーフミラー201が、図3(A)に示すような反射位置にあるときに、ミラー枠403の一部と当接する位置に、当接部材としての電歪素子207が配置され、この電歪素子207は支持部材208によって、カメラ本体20に固定されている。可動ハーフミラー201は電歪素子207に圧接するようにバネ407の付勢力を受けている。
【0032】
このように電歪素子207等からなる加振手段と可動ハーフミラー201を構成し、かつプランジャ421bの引力(A方向)がバネ407の付勢力(B方向)を上回るようにしておけば、可動ミラー駆動機構421のソレノイド421aの通電時には、図3(B)に図示する如く、駆動レバー413の他端がA方向に引き上げられ、ミラー枠403はC方向の退避位置に移動する。また、可動ミラー駆動機構421のソレノイド421aの非通電時には、バネ407の付勢力によって駆動レバー413の他端は反時計方向に回動し、ミラー枠403は撮影光路中に介挿され反射位置となる。この状態では、図3(C)に示すように、ミラー枠403の先端部分において、電歪素子207は当接する。電歪素子207は電歪素子駆動回路211によって振動電圧が印加されると振動し、可動ハーフミラー201を振動させる。その結果、ハーフミラー401に付着した塵埃は、振動によって下部に移動し、除塵される。なお、本実施形態の如く、軸411を前側、すなわちマウント開口面側にすると、塵埃はハーフミラー401の回動軸側に移動する。この位置はCCD221より遠方側であるので、塵埃の影がCCD221の撮像面に大きな影響を与えず、塵埃の影を無視することができる。
【0033】
図6は、カメラ本体20とレンズ鏡筒10の着脱状態を検出する着脱検知スイッチ259の構成を示すブロック図である。カメラ本体20のレンズ鏡筒10を装着するマウント部に設けられた連動ピン137は、押圧バネ138によってカメラ本体20から突出する方向に付勢されている。この連動ピン137のカメラ本体側の一端はレンズ着脱スイッチ139に接触しており、このレンズ着脱スイッチ139は開放方向にバネ付勢されている。符号131は、レンズ鏡筒10のレンズ側マウント部である。
【0034】
このように着脱検知スイッチ259は構成されているので、カメラ本体20にレンズ鏡筒10が装着されているときは、図6(A)に示すように、連動ピン137はレンズ側マウント部131によって、図面左方に押し込まれ、レンズ着脱スイッチ139はオン、すなわち着脱検知スイッチ259はオンとなる。一方、レンズ鏡筒10がカメラ本体から外されると、図6(B)に示すように、連動ピン137は押圧バネ138の付勢力によって、図面右方に突出するので、レンズ着脱スイッチ139はオフ、すなわち着脱検知スイッチ259はオフとなる。なお、レンズ鏡筒10の着脱状態の検出は、本実施形態のように機械的検知スイッチに限らず、例えば、フォトセンサを用いた光電検出スイッチでも良く、またレンズCPU111との通信による方法や、レンズ鏡筒10と接する二接点の通電状態の検出など種々の方法がある。
【0035】
次に、本発明の第1実施形態におけるデジタルカメラの動作について図4および図5に示すフローチャートを用いて説明する。図4に示すパワーオンリセットのフローに入ると、カメラ本体20のパワースイッチ257がオンとなったかを判定する(S1)。判定の結果、パワースイッチ257がオフの場合には、ステップS3に進み、低消費電力の状態であるスリープ状態となる。このスリープ状態ではパワースイッチ257がオンとなった場合のみに割り込み処理を行い、ステップS7以下においてパワースイッチオンのための処理を行う。パワースイッチがオンとなるまでは、パワースイッチ割り込み処理以外の動作を停止し、電源電池の消耗を防止する。ステップS1において、パワースイッチ257がオンであった場合には、ステップS3に進み、着脱検知スイッチ259がオフか否かを判定する。前述したように着脱検知スイッチ259は、レンズ鏡筒10がカメラ本体20から外されると、オフとなるスイッチである。オフであった場合、すなわちレンズ鏡筒10が離脱していた場合には、後述するステップS51に進む。これは、レンズ鏡筒10が離脱している状態でカメラ本体20のパワースイッチレバー23が操作され、パワーオンとなった場合に、レンズ離脱時と同様な処理をするためである。ステップS3において、着脱検知スイッチ259がオンであった場合には、ステップS7以下に進み、パワースイッチオンのための処理を行う。
【0036】
ステップS7において、電歪素子207による塵埃除去動作を行う(S7)。可動ハーフミラー201はバネ407の引張り力により、ソレノイド421aに非通電状態では光路中に介挿され反射位置にある。この際、電歪素子207はミラー枠403に当接状態にあるので、電歪素子207に電歪素子駆動回路211から駆動電圧を印加すると、可動ハーフミラー201は超音波振動し、この振動によってハーフミラー401に付着した塵埃等を除去することができる。
【0037】
続いて、シャッタ駆動回路213によってシャッタ203の開放動作を行う(S9)。これによって、可動ハーフミラー201を透過した被写体光束は、シャッタ203によって遮られないので、CCD221上に被写体像が結像される。このCCD221によって撮像された画像データを用いて背面液晶モニタ26に被写体像を動画表示するスルー画表示の開始を指示する(S11)。なお、スルー画表示動作の制御はこの開始指示を受けて画像処理回路227にて行われる。
【0038】
次に、モードダイヤル22等によって設定された撮影モードや、ISO感度、マニュアル設定されたシャッタ速度や絞り値等の情報があればそれらの撮影条件の読み込みを行う(S13)。そして、測距/測光センサ217によって被写体輝度を測光し、露光量を演算し、この露光量を用いて撮影モード・撮影条件に従ってシャッタ速度や絞り値等の露光制御値の演算を行う(S15)。また、測光値や露光量等を用い、スルー画表示設定を行う(S17)。このステップでは、CCD221の駆動にあたっての電子シャッタスピードと感度の条件設定を行うために、ステップS15で求めた測光・露光量の演算結果、もしくは前回の表示画像を用いて、背面液晶モニタ26および/またはファインダ内液晶29に適切な明るさ(明度)の像を表示するための演算と設定を行う。
【0039】
次に、ステップS19に進み、再生モードか否かの判定を行う。この再生モードは、再生釦27が操作された際に、記録媒体245に記録された静止画データを読み出して背面液晶モニタ26および/またはファインダ内液晶29に表示するモードである。判定の結果、再生モードが設定された場合には、ステップS31に進み、画像処理回路227に対してスルー画表示を停止するよう指示する。そのあと、シャッタ203の閉じ動作を行ってから(S33)、記録媒体245に記録されている静止画データを読出し、圧縮伸張回路231にて画像データを伸張し、ビデオ信号出力回路233および液晶モニタ駆動回路235を介して、背面液晶モニタ26および/またはファインダ内液晶29に静止画を再生表示する(S35)。再生動作中にレリーズ釦21の半押し等、他の手動操作がなされた場合には、再生動作を終了してステップS7に戻り、前述の動作を繰り返す。
【0040】
ステップS19に戻り、再生モードが設定されていなかった場合には、ステップS21に進み、メニューモードが設定されているか否かを判定する。これは、メニュー釦28が操作され、メニューモードが設定されているか否かを判定する。判定の結果、メニューモードが設定されていた場合には、再生モードが設定されていた場合と同様に、スルー画停止指示が出力され(S37)、シャッタ203に閉じ指令を出力する(S39)。この後、メニュー設定動作を行う(S41)。メニュー設定動作によって、ホワイトバランス、ISO感度設定、ドライブモードの設定等、各種の設定動作を行うことができる。メニュー設定動作が終了すると、ステップS7に戻り、前述の動作を繰り返す。
【0041】
ステップS21に戻り、判定の結果、メニューモードが設定されていなかった場合には、ステップS23に進み、レリーズ釦21が半押しされたか、すなわち1Rスイッチがオンか否かの判定を行う。判定の結果、1Rがオンであった場合には、ステップS43に進み、撮影準備と撮影を行う撮影動作のサブルーチンを実行する。このサブルーチンの詳細は図5を用いて後述する。撮影動作のサブルーチンが終了すると、ステップS7に戻り、前述のステップを繰り返す。
【0042】
ステップS23に戻り、判定の結果、1Rスイッチがオフであった場合には、ステップS25に進み、ステップS2と同様に、着脱検知スイッチ259がオフか否かを判定する。レンズ鏡筒10が離脱されると、再生モードにおけるステップS31およびS33と同様に、スルー画停止指示を出力し(S45)、シャッタ203の閉じ動作を行う(S47)。この後、可動ハーフミラー201の退避動作を行う(S49)。これはレンズ鏡筒10が離脱した状態であるので、カメラ本体20のマウント開口部からクリーニング用具や撮影者の指等が挿入され、可動ハーフミラー201が汚れたり、破損するおそれがあるので、可動ハーフミラー201の退避動作を行う。退避動作は、前述したように、プランジャ421bに通電し、駆動レバー413をバネ407の付勢力に抗して時計方向に回動させ、可動ハーフミラー201を退避位置に移動させる(図2および図3の二点鎖線の位置)。
【0043】
可動ハーフミラー201の退避が終わると、またはステップS2で着脱検知スイッチ259がオフであると判定された場合(すなわち、レンズ鏡筒10が離脱している場合)には、ステップS51に進み、着脱検知スイッチ259がオンか否かを判定する。ステップS25において、レンズ鏡筒10が離脱されたことを検出した後、レンズ鏡筒10が再び装着されたか否かを判定するものである。判定の結果、装着されていた場合には、ステップS55に進み、可動ハーフミラー201を復帰させる。これは、前述したように、ソレノイド421aを通電状態から非通電状態にすることにより、プランジャ421bの引っ張り力を消失させ、駆動レバー413をバネ407の付勢力によって反時計方向に回動し、反射位置に復帰させるものである。
【0044】
ステップS51に戻り、着脱検知スイッチ259がオフであった場合には、ステップS53に進み、パワースイッチ257がオンか否かを判定する。レンズ鏡筒10が離脱され、パワースイッチ257がオンの場合には、各種操作釦が操作されても、マウント開口部が開放のままなので、誤動作防止の観点から、カメラ動作を行わないようにしている。そのため、ステップS51にてレンズ鏡筒10の装着状態と、ステップS5においてパワースイッチレバー23の操作状態の判定を繰り返し行う待機状態となる。ステップS53において、パワースイッチ257がオフと判定されると、ステップS54に進み、ステップS55と同様に可動ハーフミラー201の復帰を行う。これは、レンズ鏡筒10が離脱した状態では可動ハーフミラー201は退避位置にあるが、ステップS5に戻りスリープ状態となる前に可動ハーフミラー201を復帰させ電源の消耗を防止するためである。この可動ハーフミラー201の復帰動作が終わると、ステップS5に戻り、スリープ状態になる。なお、ステップS51において、レンズ鏡筒10が離脱されたままであることを検出した場合に、ステップS53の判定を省略して、ステップS5に進みスリープ状態としてもよく、また、ステップS9に進み、各種操作釦による操作に基づく動作を行う等の変形は可能である。
【0045】
ステップS25に戻り、判定の結果、着脱検知スイッチ259がオン、すなわちレンズ鏡筒10がカメラ本体に装着されていた場合には、ステップS27に進み、パワースイッチ257がオンか否かを判定する。判定の結果、オンであった場合には、ステップS13に戻り、前述のステップを繰り返す。ステップS11において、スルー画表示が開始された後、ステップS19以降において各種操作釦等が操作されない限り、可動ハーフミラー201を透過した被写体光束は、シャッタ203によって妨げられないので、CCD221上に被写体像が結像し、このCCD221によって撮像された画像データが背面液晶モニタ26および/またはファインダ内液晶29に動画像としてスルー画表示される。ステップS27において、パワースイッチ257がオフと判定された場合には、ステップS31、S33と同様に、画像処理回路227に対してスルー画表示を停止するよう指示し(S28)、シャッタ203の閉じ動作を行う(S29)。シャッタ203の閉じ動作が終了すると、ステップS5に戻り、スリープ状態となる。
【0046】
このように、本実施形態においては、スルー画表示可能なデジタルカメラにおいて、パワーオン時に可動ハーフミラー201を撮影光路中に介挿し、被写体光束の一部を測距/測光センサ217に反射させているので、パワーオン時に直ちに測光や測距を行うことができ便利である。
【0047】
また、可動ハーフミラー201が反射位置に移動した際に、電歪素子207によって可動ハーフミラー201に振動を加え、この振動によって可動ハーフミラー201のハーフミラー401に付着した塵埃を除去するようにしている。このためハーフミラー401に付着した塵埃を効果的に除去することができる。
【0048】
次に、ステップS43の撮影動作のサブルーチンについて図5を用いて説明する。このサブルーチンは前述したように、レリーズ釦21の半押しがなされると実行される。まず、測距・自動焦点調節を行う(S71)。これは、可動ハーフミラー201が撮影光路中に介挿され、被写体光束の一部が測距/測光センサ217に反射しているので、この被写体光束を用いて測距/測光処理回路219やボディCPU229等はTTL位相差法によってレンズ101a、101bの焦点ズレ量を検出し、この検出された焦点ズレ量に基づいて、レンズCPU111を介して、光学系駆動機構107によってピント位置にレンズ101a、101bを駆動する。
【0049】
次に、測光/露光量演算を行う(S73)。これも可動ハーフミラー201によって反射された被写体光束を測距/測光センサ217が受光し、測距/測光処理回路219によって処理することにより、被写体輝度BVを検出する。ボディCPU229は、この被写体輝度BVを用いて露光量EVを求め、さらに撮影モード等に従ってシャッタ速度や絞り等の露出条件を求める。
【0050】
次に、レリーズ釦21の全押し操作がなされているか、すなわち2Rがオンか否かについて判定する(S75)。判定の結果、オフであった場合には、ステップS77に進み、1Rがオンか否かの判定を行う。レリーズ釦21の半押し動作で、この撮影動作のサブルーチンにジャンプしてきて、レリーズ釦21が半押しのままの場合には、このステップS75とS77で繰り返し判定を行う待機状態となる。レリーズ釦21から手が離れ、1Rがオフとなると、パワーオンリセットのステップS7に戻る。
【0051】
ステップS75に戻り、判定の結果、2Rスイッチがオンであった場合、すなわちレリーズ釦21が全押しされた場合には、静止画像取得のための撮像動作に移る。まず、ステップS79において、画像処理回路227に対してスルー画停止の指示を出力する。これは静止画像取得にあたって、可動ハーフミラー201の退避位置への移動動作、シャッタ203の開閉動作等により、CCD221に入射する被写体像に乱れが生じ、背面液晶モニタ26および/またはファインダ内液晶29においてスルー画像が見苦しくなることを防止するためである。続いて、ステップS49と同様にして可動ハーフミラー201の退避動作を行う(S81)。
【0052】
続いて、設定絞り値またはS73で演算された絞り値まで絞り103の絞込み動作を、レンズCPU111を介し絞り駆動機構109によって行う。絞込み動作が終わると、次にCCD221による露光動作を行う(S85)。すなわち、可動ハーフミラー201は退避位置に移動していることから、レンズ101a、101bを通過した被写体光束の全部が、CCD221上で結像している。この状態でCCD221の電子シャッタのリセットを解除し、被写体像の光電変換電流の電荷蓄積を開始する。予め手動設定若しくはステップS73で設定された露光時間が経過すると、CCD221の電子シャッタは光電変換信号の電荷蓄積を停止する。なお、ステップS85の露光動作において、CCD221の電子シャッタによって露光時間を制御していたが、これに限らず、シャッタ203によっても露光時間を制御することができる。この場合には、露光動作の開始前に、一旦、シャッタ203の先幕・後幕を初期位置に移動させることが必要となる。
【0053】
続いて、シャッタ203の閉じ動作を行い(S87)、絞り103の開放動作の指示をレンズCPU111に出力する(S89)。また、CCD221で電荷蓄積された画像信号の読み出しを行い(S91)、画像処理回路227等にて画像処理を行う(S93)。圧縮伸張回路231において信号圧縮等の処理を行った後、記録媒体245に画像データの記録を行う(S95)。画像データの記録が終わると、ステップS97において、1Rスイッチがオンであるか、すなわちレリーズ釦21が半押し状態であるか否かを判定する。1Rスイッチがオフとなると、ステップS97に進み、ステップS55と同様にして、可動ハーフミラー201の復帰動作を行う。復帰動作が終わると、パワーオンリセットのルーチンに戻る。
【0054】
本実施形態の撮影動作のサブルーチンにおいては、静止画像を取得する撮像動作の際に可動ハーフミラー201を退避させている(S81参照)。このため可動ハーフミラー201における透過光量の減少をなくし、静止画像取得にあたって被写体光量を増加させることができ、高速シャッタ速度での撮影が可能となる。さらに、撮像動作が終わると、ステップS99において、可動ハーフミラー201を復帰させているので、撮影後、レリーズ釦21が再び半押しされたときには、直ちに測光や測距をスルー画表示と並行して行うことができる。
【0055】
次に、本発明の第2の実施形態について図7を用いて説明する。第1の実施形態では、可動ハーフミラー201への加振手段として電歪素子207を用いていたが、第2の実施形態においては、電磁アクチュエータを用いて非円形回転部材によって可動ハーフミラー201に振動を印加するようにしている。この第2の実施形態は、第1の実施形態において、加振手段が異なり他の構成は同じであるので、相違点について説明する。可動ハーフミラー201が、図7(A)に示すような反射位置にあるときに、ミラー枠403と当接する位置に、当接部材としての非円形回転部材431が配置され、この非円形回転部材431の回転軸はモータ433の駆動軸に連結されている。
【0056】
このように第1実施形態の電歪素子207に代えて、非円形回転部材431がミラー枠403と当接するように構成しているので、基本動作は第1実施形態とほぼ同様である。まず、可動ミラー駆動機構421のソレノイド421aの通電時には、図7(B)に図示する如く、駆動レバー413の他端がA方向に引き上げられ、可動ハーフミラー201は退避位置に移動する。また、可動ミラー駆動機構421のソレノイド421aの非通電時には、バネ407の付勢力によって駆動レバー413の他端は反時計方向に回動し、可動ハーフミラー201は撮影光路中に介挿され反射位置となる。この状態では、図7(C)に示すように、ミラー枠403はその先端部分において、バネ407の付勢力によって非円形回転部材431と圧接する。非円形回転部材431がモータ433によって回転駆動されると、ハーフミラー枠403はD方向に振動し、ハーフミラー201に付着した塵埃は、その振動によって下部に移動し、除塵される。
【0057】
以上説明したように、本実施形態においては、可動ハーフミラー201が反射位置にある際、この可動ハーフミラー201と当接する位置に、電歪素子207や非円形回転部材といった当接部材を配置し、この当接部材によって可動ハーフミラー201を振動させるようにしたので、可動ハーフミラー201付着した塵埃を効果的に除去することができる。ハーフミラーが可動に構成されている場合には、ハーフミラー自体に振動部材を設けることは、自重が重くなり、ハーフミラーの保持部材を堅固なもので構成しなければならなくなる。そのため大型化し、また高価となり、また回動の高速化が図れない。それに対して本実施形態では、電歪素子207等の振動を与える部材をハーフミラーとは別体にしたので、このような問題が生じない。
【0058】
さらに、本実施形態では、スルー画表示可能なデジタルカメラにおいて、カメラの作動時に可動ハーフミラー201を撮影光路中に介挿し、被写体光束の一部を測距/測光センサ217に反射させているので、スルー画表示中にレリーズ釦21が半押しされ、1Rがオンとなったとき、直ちに測光や測距をスルー画表示と並行して行うことができ便利である。
【0059】
なお、本実施形態においては、電歪素子207による除塵動作をパワーオンリセット時と撮影動作が終了してパワーオンリセットのルーチンに戻った際に行っていたが、これに限らず、例えば、レンズ鏡筒10が離脱された後、再びステップS51で再装着したことを検出し、ステップS55において可動ハーフミラー201が反射位置に復帰した後、除塵動作を行っても良く、またレリーズ釦21の半押し動作がなされた際に、ステップS71、S73の前後で行うなど、適宜必要なタイミングで行っても良いことは勿論である。
【0060】
また、本実施形態においては、電源オンの通常状態において、バネ407の付勢力によって可動ハーフミラー201は撮影光路中に介挿される反射位置に移動され、反射位置に位置するにあたって特段エネルギを消耗していないが、電源オフ時に可動ハーフミラー201を退避位置に位置させるにあたって、エネルギを消耗しないように構成しても良い。さらに、本実施形態においては、可動ハーフミラー201を電歪素子207等の振動によって除塵するようにしたが、ハーフミラーに限らず全反射ミラーに付着した塵埃を除去する場合にも、本発明を適用することもできる。
【0061】
また、本実施形態においては、撮像素子としてのCCD221は可動ハーフミラー201の透過光を受光し、測距/測光センサ217は可動ハーフミラー201の反射光を受光していたが、これとは逆にCCD221は反射光を、測距/測光センサ217は透過光を受光するように構成しても良い。
【0062】
本実施形態においては、本発明を一般的なデジタルカメラに適用したものであったが、これに限らず、携帯等の各種装置内の撮影装置でもよく、またベローズ、エクステンションチューブ等を装着するものでも良く、さらに顕微鏡、双眼鏡等の各種装置に取り付けられる専用カメラにも適用できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の第1実施形態におけるデジタルカメラを背面から見た外観斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態におけるデジタルカメラの電気系の全体構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態における可動ハーフミラーの部品構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態におけるパワーオンリセットの動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1実施形態における撮影動作のフローチャートである。
【図6】本発明の第1実施形態における着脱検知スイッチの構成を示す図である。
【図7】本発明の第2実施形態における可動ハーフミラーの部品構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0064】
10 レンズ鏡筒
20 カメラ本体
21 レリーズ釦
23 パワースイッチレバー
26 背面液晶モニタ
29 ファインダ内液晶モニタ
33 ファインダ接眼部
101a、101b レンズ
103 絞り
111 レンズCPU
201 可動ハーフミラー
203 シャッタ
207 電歪素子
209 赤外カットフィルタ
210 光学的ローパスフィルタ
211 電歪素子駆動回路
215 可動ミラー駆動機構
217 測距/測光センサ
219 測距/測光処理回路
221 CCD
227 画像処理回路
229 ボディCPU
253 スイッチ検出回路
255 各種スイッチ
257 パワースイッチ
259 着脱検知スイッチ
261 データバス
401 ハーフミラー
403 ミラー枠
413 駆動レバー
421a ソレノイド
421b プランジャ
433 非円形回転部材
433 モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影レンズの光路内に進退可能であって、上記光路内において上記撮影レンズを通過した被写体光束の一部を透過するハーフミラーと、
上記光路内における上記ハーフミラーの位置を規制するように、上記ハーフミラーに当接する規制手段と、
上記ハーフミラーを透過した上記被写体光束を受光して被写体像信号を出力する撮像手段と、
上記被写体像信号に基づいて被写体の動画像を表示装置に表示するスルー画表示手段と、
を具備しており、
上記規制手段は、上記ハーフミラーに当接した状態で上記ハーフミラーを振動させる加振手段を含むことを特徴とするレンズ交換式デジタルカメラ。
【請求項2】
上記加振手段は、上記ハーフミラーに当接する当接部材と、この当接部材を駆動して上記ハーフミラーを振動させるアクチュエータとを含むことを特徴とする請求項1に記載のレンズ交換式デジタルカメラ。
【請求項3】
上記アクチュエータは、周期的な電圧を印加した際に収縮運動する電歪素子を用いたアクチュエータであることを特徴とする請求項2に記載のレンズ交換式デジタルカメラ。
【請求項4】
上記加振手段は、上記ハーフミラーに当接する非円形の回転部材と、この回転部材を回転させる電磁駆動手段とを含むことを特徴とする請求項1に記載のレンズ交換式デジタルカメラ。
【請求項5】
上記ハーフミラーを上記規制手段に対して付勢する付勢手段を含み、上記加振手段は上記付勢手段の付勢力に抗する方向に上記ハーフミラーを周期的に押圧することを特徴とする請求項1に記載のレンズ交換式デジタルカメラ。
【請求項6】
撮影レンズの光路内に配置され、上記撮影レンズを通過した被写体光束の少なくとも一部を反射する可動ミラーと、
この可動ミラーが上記光路に対して反射位置にあるときに当接する位置に配置され、上記可動ミラーに当接した状態で上記可動ミラーを振動させる加振手段と、
を具備したことを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項7】
上記加振手段は、電気機械変換素子を含んでいることを特徴とする請求項6に記載のデジタルカメラ。
【請求項8】
上記加振手段は、上記可動ミラーに当接する非円形部材と、この非円形部材を回転させる電磁駆動手段とからなることを特徴とする請求項6に記載のデジタルカメラ。

【図3】
image rotate

【図7】
image rotate

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2007−336041(P2007−336041A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−163251(P2006−163251)
【出願日】平成18年6月13日(2006.6.13)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】