説明

レーザスキャナ装置

【課題】スライド上に配置され、蛍光色素を用いて処理された蛍光サンプルを画像化するための代替のレーザスキャナ装置を提案する。
【解決手段】レーザスキャナ装置(1)はスライドを保管ユニット(4)からサンプルテーブル(2)へ行き来させるためのモータ付搬送装置(3)を備える。保管ユニット(4)は、サンプルスライド(8)のためのサンプル部分(7)と、テストスライド(10)のためのテスト部分(9)を含み、各部分は保管場所(6)を有し、レーザスキャナ装置(1)の動作中に、搬送装置(3)に対してアクセス可能である。テスト部分(9)はサンプル部分(7)とは分離して構成され、テストスライド(10)のためのテスト部分マガジン(9’)としてレーザスキャナ装置(1)に常に連結されており、テスト部分(9)に保管されたテストスライド(10)は、レーザスキャナ装置(1)の動作状態では、操作者に対して手動でアクセスできない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連特許出願)
本特許出願は、
スイス特許出願第2007 01301/07号、2008年8月17日出願の優先権を主張する。その内容全体は、全ての意図および目的について明示の参照により、ここに組み込まれる。
【0002】
本発明は、スライド上に配置され、蛍光色素を用いて処理された蛍光サンプルを画像化するためのレーザスキャナ装置に関する。
【背景技術】
【0003】
従来の光学走査顕微鏡は、スライド上に配置された蛍光サンプルを画像化するために、ある期間使用さている。共焦点光学走査顕微鏡も、改善された解像度のため、より頻繁に使用されている。こうした顕微鏡は、例えば、英国公開第GB2184321A号から知られている。市販されている顕微鏡の多くは、サンプルによって放射された光を、異なる波長範囲を有するビームに分割するためのビームスプリッタまたはフィルタを有する。2つの蛍光色素を用いてもよく、これらの発光は2つの異なる検出器を用いて測定可能である。
【0004】
こうした走査顕微鏡または光学スキャナを用いた場合、装置の物理的性質を少なくとも散発的に検査するのが一般的である。例えば、強度検査および感度検査は、例えば、米国特許第6794424B2号、米国特許第7205045B2号から知られているように、蛍光テスト対象物に対して実施される。
【0005】
しかしながら、こうした検査を実施する場合、テスト対象物の損傷や汚染を生じさせることがあり、装置内で適切なテスト対象物を使用する必要がある。さらに、不正にまたは誤って使用したテスト対象物は、敏感な装置を較正するために使用できる適切な結果を提供しない。検査の実施もかなり複雑であり、さらに、蛍光テスト対象物の段階的な色落ち(bleaching)という問題が起こり得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、スライド上に配置され、蛍光色素を用いて処理された蛍光サンプルを画像化するための代替のレーザスキャナ装置を提案することであり、これにより必要な較正および検査がより高い信頼性で実施できる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的は、ここで開示した特徴に係るレーザスキャナ装置によって達成される。
スライド上に配置され、蛍光色素を用いて処理された蛍光サンプルを画像化及び/又は測定するための本発明に係るレーザスキャナ装置は、
サンプル面を規定するサンプルテーブルと、
スライドを保管ユニットからサンプルテーブルへ行き来させるためのモータ付搬送装置とを備え、
保管ユニットは、サンプルスライドのための1つのサンプル部分と、テストスライドのための1つのテスト部分を含み、各部分は、少なくとも1つの保管場所を有し、レーザスキャナ装置の動作中に、搬送装置に対してアクセス可能である。
【0008】
本発明に係るレーザスキャナ装置は、テスト部分は、サンプル部分とは分離して構成され、1つ又はそれ以上のテストスライドのためのテスト部分マガジンとして、レーザスキャナ装置に常に連結されており、
テスト部分に保管されたテストスライドは、レーザスキャナ装置の動作状態では、操作者に対して手動でアクセスできない。
【0009】
追加の好ましい特徴および本発明に係る特徴は、下記の明細書および従属請求項からもたらされる。
【0010】
本発明に係るレーザスキャナ装置の利点は、下記のようになる。
【0011】
・1つ又はそれ以上のテスト対象物は、装置内に常に保管してもよく、強度検査および感度検査、例えば、クロストーク、解像度、ダイナミクス(dynamics)、レーザノイズ、レーザ強度測定、フィルタ阻止およびフィルタ透過の検査、そして、光学部品の調整、幾何学的画像パラメータ、画像の向きを点検するための検査を実施するのが何時でも用意されている。
【0012】
・自動較正サイクルが用意され、該較正は、装置によってのみ決定され、一般使用者によっては影響されない予め定めた時間間隔で生ずる。
【0013】
・任意の操作者によって置換可能なサンプルマガジンを装置内で使用できるが、テスト対象物は、装置の動作状態で、これらの操作者にとってアクセス可能なだけであり、そして手動ではない。
【0014】
・通常、1人のサービス技術者だけが、装置内のテスト対象物の交換及び/又は置換が可能である。
【0015】
・同じ機構が、サンプルスライドおよびテストスライドをサンプルテーブルに運ぶために、及び/又は、サンプルテーブルからこれらのスライドの各々を除去するために使用できる。
【0016】
・装置内に保管されたテスト対象物は、環境の影響から可能な限り保護され、実際には、経年変化に曝されない。
【0017】
・実質的に光学的安定したテスト対象物の使用により、より一貫した結果を達成できる。
【0018】
本発明に係るレーザスキャナ装置について、本発明の範囲を限定せずに、特に好ましい実施形態の例を表した概略的な図面に基づいて説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は、サンプルマガジンから対象物テーブルへのスライドの移送中において、2つのスライドマガジンおよびこれらの前方に配置された対象物テーブルを通る垂直部分断面図を示す。
【0020】
これら2つのスライドマガジンは、スライド上に配置され、蛍光色素を用いて処理された蛍光サンプルを画像化及び/又は測定するための本発明に係るレーザスキャナ装置1に含まれる。このレーザスキャナ装置は、サンプル面49を規定するサンプルテーブル2と、スライドを保管ユニット4からサンプルテーブル2へ行き来させるためのモータ付搬送装置3とを備える。
【0021】
保管ユニット4は、サンプルスライド8のための1つのサンプル部分7と、テストスライド10のための1つのテスト部分9を含み、各部分は、少なくとも1つの保管場所6を有し、レーザスキャナ装置1の動作中に、搬送装置3に対してアクセス可能である。
【0022】
本発明に係るこのレーザスキャナ装置において、テスト部分9は、サンプル部分7とは分離しており、1つ又はそれ以上のテストスライドのためのテスト部分マガジン9’として、レーザスキャナ装置1に常に連結されている。テスト部分9に保管されたテストスライド10は、レーザスキャナ装置の動作状態では、操作者に対して手動でアクセスできない。これは、テストスライド10が操作者による不適切な操作によって汚染したり損傷しないように、適切なテストスライドをいつでも提供できるという利点を有する。ここで示したテスト部分マガジン9’は、開放した挿入側面15を備える。
【0023】
ここで示した実施形態では、サンプル部分7は、テスト部分9の上方に軸方向に配置され、保管ユニット4のテスト部分9は、レーザスキャナ装置1のサンプルテーブル2に対して移動可能な保管ユニット4の位置決めプレート11に常に連結されている。保管ユニット4の位置決めプレート11は、サンプルテーブル2のサンプル面49に対して実質的に垂直に変位可能である。任意のスライド8,10は、サンプルテーブル2によって規定され、サンプルテーブル2への直線搬送のために設けられたサンプル面49の水平面(level)に運ばれる。
【0024】
図1の例にもかかわらず、位置決めプレートは、固定して、レーザスキャナ装置1とテスト部分マガジン9’との間の静止連結を設けてもよい。こうした場合、任意のスライド8,10の直線搬送が、サンプル部分マガジン7’またはテスト部分マガジン9’からサンプルテーブル2へ生ずるのであれば、サンプルテーブル2はテスト部分マガジン9’に対して移動する必要がある。
【0025】
位置決めプレート11はまた、全体として省いてもよく、テスト部分マガジン9’をレーザスキャナ装置1のどこかに固定して、レーザスキャナ装置の動作状態では、テスト部分9に保管されたテストスライド10が、通常、操作者に対してアクセス可能でないようにしてもよい。
【0026】
さらに、代替物(不図示)は、静止状態のサンプルテーブル2に対して、このサンプル面49における、サンプルテーブル2のサンプル面49に既に置かれたテストスライド10の移動、または、静止状態のテスト部分マガジン9’に対して、このサンプル面49におけるサンプルテーブル2の移動、または、サンプルテーブル2およびテスト部分マガジン9’の相互移動を含む。
【0027】
これら全ての場合において、サンプル部分マガジン7’またはテスト部分マガジン9’からサンプルテーブル2への任意のスライド8,10の直線搬送が可能になる。さらに、マガジン7’,9’の1つからスライド8,10を除去して、サンプルテーブル2上に戴置するロボットの使用が想定できる。この場合、マガジン7’,9’およびサンプルテーブル2は、実際には、互いに任意の位置を想定できる。
【0028】
しかしながら、スライド8,10を上方に支持するサンプルテーブル2のサンプル面49は、実質的に水平に位置することが好ましい。サンプルテーブル2はまた、頭上に位置して、使用するスライド8,10がサンプルテーブル2の下方に位置するようにしてもよい。空間内でサンプル面49の任意の他の場所も基本的に想定できるが、あまり好ましくはない。
【0029】
図1に示す第1実施形態に係るレーザスキャナ装置1は、好ましくは、ハウジング5を備え、サンプル部分7は、外部からレーザスキャナ装置1のハウジング5の中に挿入可能な複数のサンプルスライド8のためのマガジン7’として構成されている。サンプル部分7は、好ましくは、保管ユニット4の位置決めプレート11に反転可能(reversibly)に搭載される。図示した実施形態において、差し込み式の蟻継ぎ(dovetail)が、サンプル部分マガジン7’を、ここでは垂直方向に移動可能な位置決めプレート11に対して連結している。サンプル部分マガジン7’は、ハンドル42に保持して、ハウジング5の中へ実質的に垂直な方向に降ろして、位置決めプレート11の蟻継ぎ43に差し込んでもよい。2つのマガジン7’,9’は、ここでは一方の上方に他方が来るように垂直に配置しているため、位置決めプレート11に対して永久にねじ止めされたテスト部分マガジン9’は、好ましくは、蟻継ぎ43の中に挿入されるサンプル部分マガジン7’のための下部ストップを意味する。
【0030】
サンプル部分マガジン7’及び/又はテスト部分マガジン9’での保管場所6は、光学顕微鏡のための標準スライドの寸法を実質的に有するスライドを受けるように構成されている。これらの保管場所6は、好ましくは、支持(bearing)ウエブ12によって互いに分離しており、これらのスライドは、スライド8,10の全体長さに渡って実質的に延びる2つの支持ウエブ12の上に静止している。
【0031】
図2は、テスト対象物マガジンから対象物テーブルへのテストスライドの移送中において、図1に示したスライドマガジンを通る水平部分断面図と、その前方に配置された対象物テーブルの上面図を示す。ここで示したテスト部分マガジン9’は、開放した挿入側面15を備え、これは、マガジン9’の全体スタック高さに渡って実質的に延びる個別の折り曲げフラップ16によって、幅方向に少なくとも部分的に覆われることがある。このフラップ16は、ここでは遠くに折れ曲がっており、図示したテストスライドが、テスト部分マガジン9’の挿入側面15から押し出し可能なように、折り曲げフラップ16によって邪魔されないようにしている。
【0032】
テスト部分マガジン9’の場合、この折り曲げフラップ16は、レーザスキャナ装置1の動作状態では、テスト部分9に保管されたテストスライド10が操作者に対して手動でアクセスできないようにするロックの一部を形成している。サンプル部分マガジン7’の場合は、この折り曲げフラップ16は、折り込み状態で、この対象物スライドが脱落する心配をすることなく、少なくとも1つのサンプルスライド8が収納されたマガジン7’の取り扱い(例えば、旋回または傾斜)を可能にしている。
【0033】
好ましくは、サンプル部分マガジン7’およびテスト部分マガジン9’の両方、あるいは少なくともサンプル部分マガジン7’は、挿入側面15の反対側で全体スタック高さに渡って実質的に延び、この側面の幅の一部を覆う阻止プレート20を有する。この阻止プレート20は、特に、サンプル部分マガジン7’を扱う場合、対象物スライドが別の側から脱落するのを防止している。
【0034】
個別の折り曲げフラップ16は、好ましくは、マガジン7’,9’ごとに、マガジン7’,9’の側方に配置された軸17の周りに回転可能なように取り付けられる。これらの個別の折り曲げフラップ16は、好ましくは、マガジン7’,9’の全体スタック高さに渡って実質的に延びるアングルプレート18をそれぞれ備える。これらの個別の折り曲げフラップ16は、好ましくは、特定のマガジン7’,9’に対してモータによって駆動される回転可能な偏心ローラ19を用いて押され、マガジン7’,9’の1つの挿入側面15を露出させる。図示していない変形例は、レバー、タペットまたはスライダを用いて、折り曲げフラップ16の移動を含む。
【0035】
スライド8,10をマガジン7’,9’内に実質的に遊び無しで戴置するために、これらの保管場所6の各々は、好ましくは、挿入したスライドの長手エッジ14に弾性的に突き当たる接触押圧スプリング13を備える。さらに、スライド8,10のその反対側の長手エッジ14は、対応するマガジン7’,9’によって規定され、座標系の原点を定義するのに適切な場所にスプリング力によって保持される。
【0036】
サンプルテーブル2には、好ましくは、同じ長手エッジ14を所定の場所に固定するローラ形状の接触押圧部品39(図2参照)が設けられ、そのため、座標系の同じ原点がサンプルテーブル2にも適用される。
【0037】
挿入側面15の反対隅部において、少なくともサンプル部分マガジン7’は、好ましくは、全体スタック高さに渡って実質的に延びて、特定の保管場所6での存在または不存在を確認するための検査開口21を備える。特定の保管場所6でのスライド8,10の存在または不存在は、種々の方法および装置を用いて確認できる。例えば(図2参照)、検査開口21がこの光ビーム23に対して透過である場合、検査装置22の実質的に水平に延びる光ビーム23または光ゲートが、マガジン7’,9’を通って斜めに向くことになる。保管場所6に存在するスライド8,10による光ビーム23の偏向、散乱または減衰は、感光センサを用いて容易に確認できる。
【0038】
図2では「切り欠きコーナー」の形状の検査開口21を示したが、光ビーム23を挿入側面15を通ってマガジン7’,9’の中に伝送し、反対側にあるセンサに入射させてもよい。これは、切り欠き方式ではない。スライド8,10の搬送方向に対して斜め配向、及び/又は、偏向ミラーの装着(不図示)により、近接するサンプルテーブル2とともに、これらのマガジン内でのスライドの検出が可能になる。
【0039】
2つのマガジン7’,9’の1つの特定の保管場所6におけるスライドの存在または不存在を確認するための更なる変形例は、例えば、容量近接検出をベースとする。
【0040】
レーザスキャナ装置1の搬送装置3は、好ましくは、マガジン7’,9’の挿入側面15とは反対側を通って、サンプル面49と実質的に平行に係合して、サンプルスライド8またはテストスライド10を、その保管場所6から挿入側面15を出てサンプルテーブル2に搬送する除荷(unloading)スライダ31を備える。
【0041】
この搬送装置3は、好ましくは、サンプルスライド8またはテストスライド10を、サンプルテーブル2から挿入側面15を通ってマガジン7’,9’の1つでの保管場所6に搬送するようにした装荷(loading)スライダ32も備える。
【0042】
特に好ましくは、装荷スライダ32は、旋回フラップ33を備え、これは、上方に旋回して、このフラップ33無しでサンプルテーブル2に挿入されたスライド8,10の上を離れて移動してもよく、フラップ33は軸47の周りに傾斜可能であり、スライドと接触する。このフラップは、スライド8,10の上を移動して、その後ろに降下して、その後、スライドは、フラップ33と係合して、サンプルテーブル2から引き出してもよい。
【0043】
図3は、開放したテスト対象物マガジンを有するスライドマガジンの垂直図である。図3Aは、対象物テーブルから見た正面図における2つのスライドマガジンの挿入側面を示す。垂直に移動可能な位置決めプレート11は、右側に見えており、その移動性は両矢印で示している。サンプル部分7は、テスト部分9の正に上方に位置しており、保管場所6に静止している、ここでは8個のサンプルスライド8を有するサンプル部分マガジン7’は、ここでは2個のテストスライド10を有するテスト部分マガジン9’の上方に軸方向に取り付けられる。
【0044】
サンプル部分マガジン7’の折り曲げフラップ16は閉じているが、一方、テスト部分マガジン9’の折り曲げフラップ16は開いており、テスト部分マガジン9’の挿入側面の幅全体を実質的に露出させている。
【0045】
テスト部分マガジン9’の折り曲げフラップ16の遠くに折れ曲がるのは、このフラップのアングルプレート18を押す偏心ローラ19によって生ずる。偏心ローラ19は、好ましくは、サンプルテーブル2によって規定されるサンプル面49に少なくとも接近して配置され、そのため、保管ユニット4の高さ変位にも拘わらず、常に適正なフラップ16が遠くに折れ曲がるようになる。テスト部分マガジン9’の接触押圧スプリングは、テストスライド10の1つの側方エッジ14を弾性的に押しているため、よく見えている。
【0046】
図3Bは、対象物テーブルに向けて見た垂直断面における2つのスライドマガジンを示す。垂直に移動可能な位置決めプレート11は、左側に見えており、その移動性は両矢印で示している。サンプル部分マガジン7’は、位置決めプレート11の蟻継ぎ43の上に押されて、テスト部分マガジン9’によって、位置決めプレート11の接触位置で保持されている。テスト部分マガジン9’は、ここでは位置決めプレート11に永久にねじ止めされている。サンプル部分マガジン7’およびテスト部分マガジン9’の接触押圧スプリング13は、スライド積み重ねの右側によく見えている。
【0047】
図4は、対象物テーブルを通る垂直部分断面と、その高さ調整および長手方向傾斜の装置を示す。サンプルテーブル2によって規定されるサンプル面49は、Z方向(ここでは垂直方向)に実質的に調整可能であり、サスペンション83に直線的に装着され、直線的に変位可能なサンプルテーブルが、このサスペンション83と共に、モータによって駆動される偏心器80の上に静止しており、旋回可能なようにフレーム82の片側に取り付けられている。
【0048】
偏心器80が幾らか回転した場合、サンプルテーブル2と共にサスペンション83が上昇または降下する。この動きを用いて、サンプルテーブル2のサンプル面49は、保管ユニット4のサンプル部分マガジン7’またはテスト部分マガジン9’での保管場所6の面と一致するようになり、直線搬送がこれらのマガジン7’,9’の1つとサンプルテーブル2との間で生ずることになる。
【0049】
対応するマガジンは、好ましくは、移動可能な位置決めプレート11の変位によるZ方向に設けており、そのため、サンプルテーブルのサスペンション83の偏心器80を用いて、何らかの微調整を行う必要がある。
【0050】
こうしたスライド移送の目的のため、サンプルテーブル2は、好ましくは、実質的に水平なY方向に、保管ユニット4に対して可能な限り近くまで接近する。サンプルテーブル2の保管ユニット4への接近の際、凹部に挿入した心棒(mandrel)88がサンプルテーブル2の中に押し入って、サンプルテーブル2の受け部34の支持を下げて、スライドを受け取る。こうしてサンプルテーブル2は、スライド8,10を受け取るために設けられる。
【0051】
この手法は、好ましくは、サスペンション83に搭載されたスピンドルドライブ84を用いて、直線ガイド85に沿って生ずる。スピンドルドライブ84は、弾性継手86を介してモータ87と連結しており、そのため、サンプル面49が水平に対して僅かな角度傾斜を包含した場合でも、実質的にY方向のサンプルテーブル2の正確な直線ガイドが生ずる。
【0052】
偏心器80を用いてサンプルテーブル2が調整可能であることの目標は、主として、X方向(ここでは図面紙面に垂直)に振動する、レーザスキャナ装置1のスキャナヘッド50によって規定される焦点ライン101に対するサンプル面49の配向である。このスキャナヘッド50は、仕切りプレート99の上面において、X方向に極めて高速で移動する。この仕切りプレートは、走査開口90を有する。スキャナヘッド50は、好ましくは、この走査開口90の中に降下して、ここから放射される光ビームが、僅かな距離でサンプルに入射し、スキャナヘッド50は、サンプルから来る蛍光放射を可能な限り効率的に取り込んで、検出器61またはマルチ検出器61へ伝送する。
【0053】
図5は、励起光を供給するための第1光学系53および誘起されたサンプルの蛍光放射を検出するための第2光学系58の必要な光学素子と、スキャナ装置72と、対象物テーブル2と、保管ユニット4とを有するレーザスキャナ装置1を通る水平部分断面図を示す。全ての必要な光学素子およびスキャナ装置72は、好ましくは、共有する仕切りプレート99の上に配置され、サンプルテーブル2は、好ましくは、この仕切りプレート99の下方に配置される(図4参照)。
【0054】
第1光学系53の必要な光学素子は、ハウジング5内に配置され、少なくとも1つのレーザ51と、任意である第2レーザ52と、レーザ51,52から来るレーザビーム54,55のためのフィルタ円板(wheel)97と、多数のダイクロイックミラー62と、レーザ51,52からのレーザビーム54,55をX方向と平行な方向に偏向するための単純なミラー67とを備える。
【0055】
第2光学系58の必要な光学素子は、同じハウジング5内に配置され、1つ又はそれ以上の検出器61と、これらの前方に配置されたフィルタ円板(wheel)97と、サンプルから来る放射ビーム束59,60のためのアパーチャ48と、多数のダイクロイックミラー62と、X方向と平行な方向からの放射ビーム束59,60を検出器61の方向に偏向するための単純なミラー67とを備える。
【0056】
スキャナ装置72は、ドライブ71と、スキャナヘッド50と、好ましくは、スキャナヘッド50と等しいか少なくとも等価な質量を有し、モーメント荷重補償のためのカウンタ振動子73とを備える。スキャナヘッドおよびカウンタ振動子は、連結ロッド70,70’を用いてドライブ71と連結され、それぞれ精密な直線ガイド(不図示)に取り付けられている。スキャナヘッド50は、ドライブ71によって、ある運動方向(両矢印を参照)での高速な往復運動を行うようになり、これは同時に走査軸75を規定する。カウンタ振動子73は、常に反対の運動を行い、このためスキャナヘッド50の好ましい高い走査速度にも拘わらず、仕切りプレート99および全体のレーザスキャナ装置1が安定に保持される。
【0057】
走査軸75は、X軸と平行か、あるいはこれと正確に一致している。スキャナヘッド50は、例えば、ダイクロイックミラー62とした光学偏向素子56を備える。この偏向素子56は、固体ミラー、プリズム、ペンタプリズム、ペンタミラーの構成でもよく、あるいはここで列挙した素子の組合せでもよい。この偏向素子56は、一方では、第1光学系53のレーザビーム54,55をサンプルテーブル2上にあるサンプルに偏向し、他方では、サンプルから放射された放射ビーム束59,60を第2光学系58の方向に偏向させる。
【0058】
X軸および走査軸75に対して垂直である、仕切りプレート99の下方に配置されたサンプルテーブル2の運動方向は、Y軸の方向になる。サンプル部分マガジン7’に保管されたサンプルスライド8を有する保管ユニット4およびテスト部分マガジン9’に保管されたテストスライド10は、好ましくは、仕切りプレート99の外側エリアに配置される。これらのマガジン7’,9’の特定の保管場所におけるスライド8,10の存在は、好ましくは、検査装置22を用いて監視される。この検査装置22は、好ましくは、これらの検査目的のために、検査開口21を貫通する光ビーム23を備える。
【0059】
レーザスキャナ装置1は、好ましくは、換気扇25、活性炭フィルタ27を有する空気入口26、および空気出口28を含む換気装置24を有し、サンプル部分マガジン7’に保管されたサンプルでの蛍光色素が新鮮な空気(ozone)に露出するのを低減している。換気装置24は、特に好ましくは、サンプルスライド8を有するサンプル部分7を実質的に閉じ込める追加のハウジング29を備える。この追加ハウジング29は、好ましくは、レーザスキャナ装置1のハウジング5の内側に配置して、遠へ旋回できる実質的な閉鎖エリアとして構成される。換気装置24は、この追加ハウジング29内に収容して、レーザスキャナ装置1の換気とは独立であることが特に好ましい。
【0060】
例えば、サービス技術者がこの追加ハウジング29を開けてもよく、必要に応じて、1つ又はそれ以上のテストスライドを、他のアクセス不可能なテスト部分マガジン9’に挿入または置換してもよい。この追加ハウジング29は、仕切りプレート99から遠くへ旋回可能なように構成し、スライド8,10をサンプルテーブル2またはマガジン7’,9’へ搬送するための装荷開口100を有する。サンプル部分7は、好ましくは、保管ユニット4のテスト部分9の上方に軸方向に配置され、追加ハウジング29と共に、あるいはこの追加ハウジング29の少なくとも一部とともに、遠くへ旋回する(これは、サービス技術者のために開く)。
【0061】
サービス技術者は、1つ又はそれ以上のテストスライド10をサンプル部分マガジン7’に挿入し、このサンプル部分マガジン7’を、レーザスキャナ装置1の適正な経路に挿入することが特に好ましい。
【0062】
そして、レーザスキャナ装置1のコントローラ40において相応にプログラム化したファームウェアが、好ましくは、サービス技術者の個人識別番号(PIN)の入力、及び/又はサービス社員のためのコードの入力によって活性化される。ファームウェアにより、レーザスキャナ装置1のコントローラ40は、サンプル部分マガジン7’からサンプルテーブル2へ、さらに、テスト部分マガジン9’の保管場所6へのこれらのテストスライド10の各々の自動搬送を制御可能になる。
【0063】
この特に好ましい方法によれば、テスト部分マガジン9’への手動介入が不可能になる。サービス技術者だけが、好ましくは追加ハウジング29内に閉じ込められているテストスライド10を回収でき、特別な緊急の場合、適切なツールを用いて回収できる。本発明に係るレーザスキャナ装置1のコントローラ40は、好ましくは、テストスライド10に基づいて実行される自動内部測定器検査を制御するように構成される。
【0064】
サンプルテーブル2は、好ましくは、保管ユニット4の前方に直接達するまでモータによって駆動されて移動して、その場所および運動は、コントローラ40によって制御される。これは、研究すべきスライド8,10を選択するための保管ユニット4の位置決めプレート11に関して、そして、フラップ16を遠くへ旋回するための回転可能な偏心ローラ19に関しても当てはまる。
【0065】
さらに、除荷(unloading)スライダ31は、サンプルテーブル2上にあるサンプルスライド8またはテストスライド10の自動選択および供給のために、対象物スライド8,10を、モータによって駆動され、その場所および運動がコントローラ40によって制御されるサンプルテーブル2へ搬送することが好ましい。これはまた、サンプル部分マガジン7’またはテスト部分マガジン9’の保管場所に戻す場合、スライド8,10を保管ユニット4へ搬送するための装荷(loading)スライダ32についても当てはまる。
【0066】
図6は、光学顕微鏡のための標準スライドのフォーマットを有し、専ら実質的に光学的に安定なテスト構造41を備えたテストスライド10を示す。「実質的に光学的に安定」とは、通常使用の際、即ち、典型的にはテスト方法の際に生ずる放射負荷の際、測定可能な損傷を受けない場合のテスト構造を意味する。レーザビーム54,55を用いてテストスライド10の分単位または時間単位の長い照射は、「通常使用」とはいえない。
【0067】
下記表1は、光学顕微鏡のための最も典型的なガラススライドの概要を示す。
【0068】
【表1】

【0069】
図6に示した例示のテストスライド10は、75mmの長さAと25mmの幅Bを有する表面、および1mmの厚さCを有する。表面の半分A/2は、つや消しである(matted)(例えば、研削を用いて)。他の半分は、好ましくは、20mmの幅Dを含むラインパターンを有する。
【0070】
このラインパターンは、好ましくは、マスクを用いて調製した、気相成長のクロム層を含む。大文字E,F,Gは、下記のように、特定の数字の1ミリメートル当たりのラインペア(lp/mm)を示し、小文字l,m,n,oは、特定の量を示す。
【0071】
E=50(lp/mm);F=100(lp/mm);G=10(lp/mm)
l=0.5mm;m=2mm;n=1mm;o=7mm
【0072】
これらのテスト構造41の全ては、専ら実質的に光学的に安定であり、非蛍光性である。
【0073】
本発明に係るレーザスキャナ装置1は、2次元対象物を画像化し測定するために設計されている。これに対応して、これらの「平坦な」対象物について、感度較正が正確に有効とする必要がある。長期間に渡って光学的に安定で化学的に耐性がある2次元蛍光サンプルは、全くできないか、困難さを伴って製造できるのみである。
【0074】
これに対して、3次元拡張を有する対象物が測定可能であろう。しかしながら、こうした3次元対象物について測定した強度は、レーザスキャナ装置の被写界深度(depth of field)および焦点での特定の位置決め(即ち、Z方向)に強く依存しているため、こうした3次元対象物は、信号強度または感度を較正するのに直接には適していない。しかしながら、材料102が、例えば、プラスチックまたはドープしたガラスに埋め込まれた蛍光色素など、いわゆる「バルク材料」として存在しており、これは可能な限り広範囲に光学的に安定で化学的に耐性がある。
【0075】
サンプルテーブル2およびレーザスキャナ装置1の保管ユニットの空間での向きは、実際には任意である。これは、カウンタ振動子73を用いて良好にバランスし、及び/又はモーメント荷重が補償されたスキャナ装置72についても当てはまる。サンプルテーブル2のサンプル面49は、実質的に水平で、頭上に吊り下げて配置してもよい。しかしながら、図1と図2または図4と図5に示したようなサンプルテーブルの垂直配置が好ましい。
【0076】
本発明に係るレーザスキャナ装置1の同一の特徴または要素は、それぞれ同一の参照符号を設けており、これらの要素は全てのケースにおいて詳細には説明していない。
【0077】
さらに、スライド上に配置され、蛍光色素を用いて処理された蛍光サンプルを画像化及び/又は測定するためのレーザスキャナ装置1を動作するための本発明に係る方法が開示されている。この方法は、テスト部分9が、サンプル部分7から分離したテスト部分マガジン9’として構成されて、レーザスキャナ装置1に常に連結されており、1つ又はそれ以上のテストスライド10については、測定器検査を実施するためのテストスライド10用の少なくとも1つの保管場所6が設けられ、これは、レーザスキャナ装置1の動作状態では、操作者に対して手動でアクセスできないようにしたことを特徴としている。
【0078】
強度の性能、感度テスト、クロストーク、分解能、動的測定、レーザノイズ、強度測定、フィルタの阻止および伝達検査、そして、光学コンポーネントの調整確認、幾何学的画像パラメータ、および画像配向を含むグループから選択される測定器検査が、特に好ましい。幾何学的画像パラメータは、例えば、画像スケール、歪みの確定とパラメータ化である。2つ又はそれ以上の励起チャネル及び/又は検出チャネルの重なり合いも検査してもよい。さらに、レーザスキャナ装置1は、自動合焦機能を検査することが可能である。
【0079】
感度検査は、好ましくは、少なくとも近似的には光学顕微鏡のための標準スライドのフォーマットを有し、専ら実質的に光学的に安定なテスト構造41を備えた、少なくとも1つのテストスライド10を用いて、蛍光物質なしで実施する。
【0080】
上述のように、蛍光物質なしで実質的に2次元テスト構造41についての感度検査の代替または追加として、3次元蛍光テスト構造について強度測定も実施してもよい。
【0081】
通常の走査、及び/又は、XY方向に、サンプル面49に対して平行に通常に走査したフィールドの代わりに、XZ方向(Zプロファイル)に走査を行い、サンプル面49に対して少なくとも実質的に垂直にフィールドが走査される。直接測定されるZプロファイルは、測定した強度をZ座標の関数として表す(I=I(Z))。このZプロファイルの代わりに、対応する強度の第1導関数(dI=dI(z)/dz)を計算するのが好ましく、これにより2次元強度分布が提供される。第1導関数の最大値は、サンプルの表面でレーザスキャナ装置1によって測定された強度の測定値である。
【0082】
この較正方法に適した材料102は、同じテストスライド10または別個のテストスライドの上に、気相成長したラインパターンとともに配置してもよい。これらの平坦な3次元材料102は、好ましくは、2×2mmから10×10mmのサンプル面49に対して平行な拡張を有し、そして、約0.1〜2mmの厚さ、好ましくは、約1mmの厚さ(図6参照)を有する。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】サンプルマガジンから対象物テーブルへのスライドの移送中において、2つのスライドマガジンおよびこれらの前方に配置された対象物テーブルを通る垂直部分断面図を示す。
【図2】テスト対象物マガジンから対象物テーブルへのテストスライドの移送中において、スライドマガジンを通る水平断面図と、これらの前方に配置された対象物テーブルの上面図を示す。
【図3】開放したテスト対象物マガジンを有するスライドマガジンの垂直図であり、図3Aは、対象物テーブルから見た正面図における2つのスライドマガジンの挿入側面を示し、図3Bは、対象物テーブルに向けて見た垂直断面における2つのスライドマガジンを示す。
【図4】対象物テーブルを通る垂直断面と、その高さ調整および長手方向傾斜の装置を示す。
【図5】必要な光学素子を有するレーザスキャナ装置、スキャナヘッドを有するスキャナユニットおよびスライドマガジンを有する対象物テーブルを通る水平部分断面図を示す。
【図6】光学顕微鏡のための標準スライドのフォーマットを有し、専ら実質的に光学的に安定なテスト構造を備えるテストスライドを示す。
【符号の説明】
【0084】
1 レーザスキャナ装置
2 サンプルテーブル
3 搬送装置
4 保管ユニット
5 ハウジング
6 保管場所
7 サンプル部分
7’ サンプル部分マガジン
8 サンプルスライド
9 テスト部分
9’ テスト部分マガジン
10 テストスライド
12 支持ウエブ
13 接触押圧スプリング
14 スライドの長手エッジ
15 挿入側面
16 折り曲げフラップ
17 軸
18 アングルプレート
19 偏心ローラ
20 阻止プレート
21 検査開口
22 検査装置
23 光ビーム
24 換気装置
25 換気扇
26 空気入口
27 活性炭フィルタ
28 空気出口
29 追加ハウジング
31 除荷スライダ
32 装荷スライダ
33 旋回フラップ
34 受け部
39 可動接触押圧部品
40 コントローラ
41 テスト構造
42 ハンドル
43 蟻継ぎ
47 旋回フラップ33の傾斜軸
48 アパーチャ
49 面、サンプル面
50 スキャナヘッド
51 第1レーザ
52 第2レーザ
53 第1光学系
54 第1レーザビーム
55 第2レーザビーム
56 光学偏向素子
58 第2光学系
59 放射ビーム束
60 放射ビーム束
61 検出器
62 ダイクロイックミラー
67 単純なミラー
70,70’ 連結ロッド
71 ドライブ
72 スキャナ装置
73 カウンタ振動子
75 運動方向、走査軸
80 モータ付き偏心器
82 フレーム
83 サスペンション
84 スピンドルドライブ
85 直線ガイド
86 継手
87 モータ
88 凹部に挿入した心棒
90 走査開口
97 フィルタ円板
99 仕切りプレート
100 装荷開口
101 焦点ライン
102 平坦な材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライド上に配置され、蛍光色素を用いて処理された蛍光サンプルを画像化及び/又は測定するためのレーザスキャナ装置(1)であって、
サンプル面(49)を規定するサンプルテーブル(2)と、
スライドを保管ユニット(4)からサンプルテーブル(2)へ行き来させるためのモータ付搬送装置(3)とを備え、
保管ユニット(4)は、サンプルスライド(8)のための1つのサンプル部分(7)と、テストスライド(10)のための1つのテスト部分(9)を含み、各部分は、少なくとも1つの保管場所(6)を有し、レーザスキャナ装置(1)の動作中に、搬送装置(3)に対してアクセス可能であり、
テスト部分(9)は、サンプル部分(7)とは分離して構成され、1つ又はそれ以上のテストスライド(10)のためのテスト部分マガジン(9’)として、レーザスキャナ装置(1)に常に連結されており、これによりテスト部分(9)に保管されたテストスライド(10)は、レーザスキャナ装置(1)の動作状態では、操作者に対して手動でアクセスできないようにしたレーザスキャナ装置。
【請求項2】
テスト部分(9)は、レーザスキャナ装置(1)のサンプルテーブル(2)に対して移動可能である、保管ユニット(4)の位置決めプレート(11)に常に連結されている請求項1記載のレーザスキャナ装置。
【請求項3】
サンプル部分(7)は、保管ユニット(4)の位置決めプレート(11)に反転可能に搭載される請求項2記載のレーザスキャナ装置。
【請求項4】
保管ユニット(4)の位置決めプレート(11)は、サンプルテーブル(2)のサンプル面(49)に対して実質的に垂直に変位可能である請求項2記載のレーザスキャナ装置。
【請求項5】
ハウジング(5)をさらに備え、
サンプル部分(7)は、外部からレーザスキャナ装置(1)のハウジング(5)の中に挿入可能な複数のサンプルスライド(8)のためのマガジン(7’)として構成されている請求項1記載のレーザスキャナ装置。
【請求項6】
サンプル部分マガジン(7’)及び/又はテスト部分マガジン(9’)での保管場所(6)は、光学顕微鏡のための標準スライドの寸法を実質的に有するスライドを受けるように構成され、
これらの保管場所6は、支持ウエブ(12)によって互いに分離している請求項5記載のレーザスキャナ装置。
【請求項7】
各保管場所(6)は、挿入したスライドの長手エッジ(14)に弾性的に突き当たる接触押圧スプリング(13)を備える請求項6記載のレーザスキャナ装置。
【請求項8】
サンプル部分マガジン(7’)及び/又はテスト部分マガジン(9’)は、開放した挿入側面(15)を備え、
挿入側面(15)は、特定のマガジン(7’,9’)の全体スタック高さに渡って実質的に延びる折り曲げフラップ(16)によって、幅方向に少なくとも部分的に覆われことがある請求項5記載のレーザスキャナ装置。
【請求項9】
折り曲げフラップ(16)は、マガジン(7’,9’)の側方に配置された軸(17)の周りに回転可能なように取り付けられ、マガジン(7’,9’)の全体スタック高さに渡って実質的に延びるアングルプレート(18)をそれぞれ備える請求項8記載のレーザスキャナ装置。
【請求項10】
少なくともサンプル部分マガジン(7’)は、挿入側面(15)の反対側で全体スタック高さに渡って実質的に延び、この側面の幅の一部を覆う阻止プレート(20)を備える請求項8記載のレーザスキャナ装置。
【請求項11】
少なくともサンプル部分マガジン(7’)は、マガジン(7’,9’)の少なくとも1つにおいて特定の保管場所(6)でのスライドの存在または不存在を確認するための1つ又はそれ以上の検査開口(21)を備える請求項8記載のレーザスキャナ装置。
【請求項12】
換気扇(25)、活性炭フィルタ(27)を有する空気入口(26)、および空気出口(28)を含む換気装置(24)を有し、サンプル部分マガジン7’に保管されたサンプルでの蛍光色素が新鮮な空気に露出するのを低減している請求項5記載のレーザスキャナ装置。
【請求項13】
換気装置(24)は、サンプルスライド(8)を有するサンプル部分(7)を実質的に閉じ込める追加のハウジング(29)を備える請求項12記載のレーザスキャナ装置。
【請求項14】
搬送装置(3)は、マガジン(7’,9’)の挿入側面(15)とは反対側を通って、サンプル面(49)と実質的に平行に係合して、サンプルスライド(8)またはテストスライド(10)を、その保管場所(6)から挿入側面(15)を出てサンプルテーブル(2)に搬送する除荷スライダ(31)を備える請求項8記載のレーザスキャナ装置。
【請求項15】
搬送装置(3)は、サンプルスライド(8)またはテストスライド(10)を、サンプルテーブル(2)から挿入側面(15)を通ってマガジン(7’,9’)の1つでの保管場所(6)に搬送するようにした装荷スライダ(32)を備える請求項8記載のレーザスキャナ装置。
【請求項16】
サンプルテーブル(2)は、サンプルスライド(8)またはテストスライド(10)の搬送のために、保管ユニット(4)の直ぐ前方に達するまで移動可能なように構成される請求項1記載のレーザスキャナ装置。
【請求項17】
テストスライド(10)に基づいて実行される自動内部測定器検査を制御するように構成されたコントローラ(40)を備える請求項1記載のレーザスキャナ装置。
【請求項18】
光学顕微鏡のための標準スライドのフォーマットを有し、専ら実質的に光学的に安定なテスト構造(41)を備えたテストスライド(10)を有する請求項1記載のレーザスキャナ装置。
【請求項19】
テスト構造(41)は、実質的に2次元のラインパターンおよび平坦な3次元材料(102)を含むグループから選択される請求項18記載のレーザスキャナ装置。
【請求項20】
サンプルテーブル(2)のサンプル面(49)は、実質的に水平に配置される請求項1記載のレーザスキャナ装置。
【請求項21】
スライド上に配置され、蛍光色素を用いて処理された蛍光サンプルを画像化及び/又は測定するためのレーザスキャナ装置の動作方法であって、
該レーザスキャナ装置(1)は、
サンプル面(49)を規定するサンプルテーブル(2)と、
スライドを保管ユニット(4)からサンプルテーブル(2)へ行き来させるためのモータ付搬送装置(3)とを備え、
保管ユニット(4)は、サンプルスライド(8)のための1つのサンプル部分(7)と、テストスライド(10)のための1つのテスト部分(9)を含み、各部分は、少なくとも1つの保管場所(6)を有し、レーザスキャナ装置(1)の動作中に、搬送装置(3)に対してアクセス可能であり、
テスト部分(9)は、サンプル部分(7)とは分離して構成され、1つ又はそれ以上のテストスライド(10)のためのテスト部分マガジン(9’)として、レーザスキャナ装置(1)に常に連結されており、
測定器検査を実施するためのテストスライド(10)用の少なくとも1つの保管場所(6)が設けられ、テストスライド(10)は、レーザスキャナ装置(1)の動作状態では、操作者に対して手動でアクセスできないようにした方法。
【請求項22】
測定器検査は、強度の性能、感度テスト、クロストーク、分解能、動的測定、レーザノイズ、強度測定、フィルタの阻止および伝達検査、そして、光学コンポーネントの調整確認、幾何学的画像パラメータ、および画像配向を含むグループから選択される請求項21記載の方法。
【請求項23】
感度検査は、光学顕微鏡のための標準スライドのフォーマットを有し、専ら実質的に光学的に安定なテスト構造(41)を備えた、少なくとも1つのテストスライド(10)を用いて、蛍光物質なしで実施するようにした請求項21記載の方法。
【請求項24】
(a)1つ又はそれ以上のテストスライド(10)を、サンプル部分マガジン(7’)に挿入するステップと、
(b)このサンプル部分マガジン(7’)をレーザスキャナ装置(1)に挿入するステップと、
(c)レーザスキャナ装置(1)のコントローラ(40)内のファームウェアを活性化するステップと、
(d)活性化したファームウェアにより、レーザスキャナ装置(1)のコントローラ(40)は、サンプル部分マガジン(7’)からサンプルテーブル(2)へ、さらに、テスト部分マガジン(9’)の保管場所(6)へのこれらのテストスライド(10)の各々の自動搬送を制御可能になるようにした請求項21記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−58504(P2009−58504A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−207695(P2008−207695)
【出願日】平成20年8月12日(2008.8.12)
【出願人】(501442699)テカン・トレーディング・アクチェンゲゼルシャフト (26)
【氏名又は名称原語表記】TECAN Trading AG
【Fターム(参考)】