説明

レーザー溶着接合用接着剤

【課題】種々の材料同士の接合、特に異種材料のレーザー溶着による接合において、より優れた接合強度を付与することのできるレーザー溶着接合用接着剤及びレーザー溶着接合用積層体を提供すること。
【解決手段】 分子末端部を変性したエラストマーを含有するレーザー溶着接合用接着剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザー溶着接合用接着剤及びレーザー溶着接合用積層体に関する。特に、本発明は、レーザー光に対して透過性を有する第1部材と、第1部材とは異なる材料からなる第2部材とをレーザー溶着により接合する際に、優れた接合強度を付与することのできるレーザー溶着接合用接着剤及びレーザー溶着接合用積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
異種の樹脂同士又は樹脂と樹脂以外の材料等の異なった材料からなる部材同士を接合する方法として、レーザー光の照射による接合方法(いわゆるレーザー溶着法)が以前から用いられている。これは、レーザー光に対して透過性のある透過性部材と、レーザー光に対して透過性のない非透過性部材とを当接させた後、透過性部材側からレーザー光を照射し、透過性部材と非透過性部材の当接部分を加熱溶融させて両者を一体的に接合する方法である。このような方法では、接合させる部材をレーザー透過性と非透過性の材料の組み合わせとする必要があったり、互いに親和性の低い材料同士を良好に接合することができなかったりする等、接合可能な樹脂の組み合わせが制限されていた。また、接合することができても、その強度や信頼性が十分でないことが多かった。
【0003】
レーザー透過性の材料同士をレーザー溶着法により接合する方法として、レーザー透過性の部材同士の接合界面に、レーザー光を吸収するトナーや塗料等を含む樹脂部材を介在させて積層し、これにレーザービームを照射する方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。この方法は、レーザー透過性材料同士の接合界面に介在させたレーザー吸収体がレーザー光のエネルギーを吸収することにより、両者の接合界面が溶融して接合するため、透明部材同士の接合が可能であるとされている。しかし、このような方法により異種材料同士を接合する場合、線膨張係数の違いに起因して接合界面において応力が発生しやすく、このため十分な接合強度が得られず、剥がれやすいという問題があった。
【0004】
特許文献4には、互いに親和性の低い樹脂同士を接合する方法として、レーザー透過性を有する第1樹脂材料からなる第1樹脂部材と、第1樹脂部材と相溶性が低くレーザー透過性を有する第2樹脂材料からなる第2樹脂部材との間に、第1樹脂材料からなる第1樹脂粉末及び第2樹脂材料からなる第2樹脂粉末との混合粉末であって、少なくとも一方の樹脂粉末にレーザー吸収性を有するものを含有させた混合粉末を介在させた状態でレーザー光を照射する方法が開示されている。この方法では、レーザー溶着に際し、第1樹脂部材と第2樹脂部材の接合界面にレーザー吸収性の両者の混合粉末を介在させることにより、互いに相溶性の低い樹脂材料同士でも良好に接合することができるとされている。
しかしながら、上記接合方法では接合対象の2種の混合樹脂粉末を用いる必要があるため、接合する樹脂の組み合わせに応じた混合粉末を用意する必要があった。また、このような方法は樹脂材料同士の接合には使用できるものの、樹脂と金属等の無機物との接合に使用することは困難であった。更に、樹脂同士の接合界面に混合粉末を介在させることで、接合界面において樹脂同士の線膨張の違いに生じる応力をある程度は緩和させることができると推測されるが、接合対象の樹脂の組み合わせによっては不十分な場合もあった。
【0005】
【特許文献1】特開2003−181931号公報
【特許文献2】特開2004−1071号公報
【特許文献3】特開2005−238462号公報
【特許文献4】特開2006−26974号公報
【特許文献5】特開2006−188800号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、種々の材料同士の接合、特に異種材料のレーザー溶着による接合において、より優れた接合強度を付与することのできるレーザー溶着接合用接着剤及びレーザー溶着接合用積層体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、分子末端部を変性したエラストマーを含有するレーザー溶着接合用接着剤が、種々の材料同士をレーザー溶着により接合する際に、材料間に生じる応力を緩和させ、優れた接合強度を付与することができることを見出し本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
分子末端部を変性したエラストマーを含有するレーザー溶着接合用接着剤。
[2]
前記分子末端部を変性したエラストマーは、変性オレフィン系エラストマー、変性スチレン系エラストマー及び変性アクリル系エラストマーからなる群から選ばれる少なくとも1種である、上記[1]記載のレーザー溶着接合用接着剤。
[3]
前記変性スチレン系エラストマーは、変性水添スチレン系エラストマーである、上記[2]記載のレーザー溶着接合用接着剤。
[4]
前記変性水添スチレン系エラストマー中のビニル芳香族単量体単位の含有量が70質量%以下である、上記[3]記載のレーザー溶着接合用接着剤。
[5]
前記分子末端部を変性したエラストマーは、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、アミド基、酸無水物基及びシラノール基からなる群から選ばれる官能基を有する少なくとも1種の変性剤で変性されたものである、上記[1]〜[4]のいずれか記載のレーザー溶着接合用接着剤。
[6]
上記[1]〜[5]のいずれか記載のレーザー溶着接合用接着剤を含有してなるレーザー溶着接合用接着シート。
[7]
レーザー光に対して透過性を有する第1部材と、
前記第1部材とは異なる材料からなり、前記第1部材と対向して配設される第2部材と、
上記[1]〜[5]のいずれか記載のレーザー溶着接合用接着剤を含有し、前記1部材と前記第2部材との間に挟まれた接着剤層と、
を含むレーザー溶着接合用積層体。
[8]
前記接着剤層の厚みが1〜1000μmである、上記[7]記載のレーザー溶着接合用積層体。
[9]
前記第1部材及び前記第2部材が樹脂からなり、両樹脂の溶解性パラメーター(Fedorsの式から算出)の差が1(cal/cm1/2以上である、上記[7]又は[8]記載のレーザー溶着接合用積層体。
[10]
前記第1部材が樹脂からなり、前記第2部材が、金属、ガラス、セラミックス又は無機フィラー含有樹脂組成物からなる、上記[7]又は[8]記載のレーザー溶着接合用積層体。
[11]
前記第1部材が無機フィラーを実質的に含有しない樹脂からなり、前記第2部材が無機フィラー含有樹脂組成物からなる、上記[7]又は[8]記載のレーザー溶着接合用積層体。
[12]
前記第1部材がガラスからなり、前記第2部材が、金属、セラミックス、無機フィラーを実質的に含有しない樹脂又は無機フィラー含有樹脂組成物からなる、上記[7]又は[8]記載のレーザー溶着接合用積層体。
[13]
前記接着剤層がレーザー光の吸収剤を含有する、上記[7]〜[12]のいずれか記載のレーザー溶着接合用積層体。
[14]
レーザー光に対して透過性を有する第1部材と、
前記第1部材とは異なる材料からなり、前記第1部材と対向して配設される第2部材と、
上記[1]〜[5]のいずれか記載のレーザー溶着接合用接着剤を含有し、前記1部材と前記第2部材との間に挟まれた接着剤層と、
を含むレーザー溶着接合用積層体において、前記第1部材と前記第2部材とを接合させる接合方法であって、
少なくとも前記第1部材側からレーザー光を照射することによって、前記第1部材及び前記第2部材と接着剤層との接合部を溶融させる工程を含む接合方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明のレーザー溶着接合用接着剤は、種々の材料同士の接合、特に異種材料同士のレーザー溶着による接合において、材料間に生じる応力を緩和させ、優れた接合強度を付与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、本実施の形態)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
【0011】
[レーザー溶着接合用接着剤]
本実施の形態のレーザー溶着接合用接着剤は、分子末端部を変性したエラストマーを含有する。ここで、分子末端部を変性したエラストマーとは、分子中の末端部が官能基により変性されたエラストマーを意味し、末端部とは、分子の最末端から好ましくは分子量1000以内の範囲のことを意味する。末端官能基の位置は、より優れた接着性を実現する観点から、分子の最末端から分子量500以内の範囲であるのがより好ましく、分子量300以内の範囲であるのがさらに好ましい。
【0012】
分子末端部を変性したエラストマーとしては特に限定されず、例えば、変性した架橋ゴムや熱可塑性エラストマー等の任意の高分子材料を用いることができる。変性した架橋ゴムとしては、変性イソプレン系ゴム、変性ブタジエン系ゴム等の公知の種々のものを用いることができる。また、変性熱可塑性エラストマーとしては、変性オレフィン系エラストマー、変性アクリル系エラストマー、変性スチレン系エラストマー、変性ポリエステル系エラストマー、変性ポリウレタン系エラストマー、変性ポリアミド系エラストマー、変性シリコン系エラストマー、変性フッ素系エラストマー等を用いることができる。上記エラストマーは、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0013】
上記エラストマーの中でも、溶融接着性、加工容易性の観点から、変性熱可塑性エラストマーが好ましく、変性オレフィン系エラストマー、変性アクリル系エラストマー、変性スチレン系エラストマーがより好ましく、変性水添スチレン系エラストマーがさらに好ましい。
【0014】
変性剤としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、カルボニル基、チオカルボニル基、酸ハロゲン化物基、酸無水物基、チオカルボン酸基、アルデヒド基、チオアルデヒド基、カルボン酸エステル基、アミド基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、リン酸基、リン酸エステル基、アミノ基、イミノ基、ニトリル基、ピリジル基、キノリン基、エポキシ基、チオエポキシ基、スルフィド基、イソシアネート基、ウレタン基、イソチオシアネート基、シラノール基、ハロゲン化ケイ素基、アルコキシケイ素基、ハロゲン化スズ基、ボロン酸基、ホウ素含有基、ボロン酸塩基、アルコキシスズ基、フェニルスズ基等から選ばれる官能基を少なくとも1種含有する化合物が挙げられ、中でも、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、アミド基、酸無水物基、シラノール基、エステル基等の極性基を有するものが好ましく、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、アミノ基、アミド基を有するものがより好ましい。特に、カルボキシル基及び/又は酸無水物基と、アミノ基及び/又はアミド基を有する変性剤との併用は、より優れた接合強度が得られる傾向にあるため好ましい。
【0015】
変性水添スチレン系エラストマーは、例えば、ビニル芳香族単量体単位を主体とするブロック重合体と、共役ジエン単位を主体とするブロック重合体とを有するブロック共重合体を変性剤により変性し、水素添加することにより得ることができる。ここで、「主体とする」とは、50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは95質量%以上であることを意味する。
【0016】
ビニル芳香族単量体単位を形成するビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルエチレン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン等が挙げられ、これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0017】
共役ジエン単位を形成する共役ジエンとしては、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。中でも、より優れた機械強度を実現する観点から、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましく、1,3−ブタジエンがより好ましい。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよいが、併用する場合には、共役ジエン中の1,3−ブタジエンの含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。
【0018】
変性水添スチレン系エラストマーのビニル芳香族単量体単位の含有量は、好ましくは13質量%以上70質量%以下、より好ましくは14質量%以上60質量%以下、さらに好ましくは15質量%以上40質量%以下、特に好ましくは13質量%以上30質量%以下である。ビニル芳香族単量体単位の含有量が13質量%以上であると、エラストマー性及び接着性が高くなると共に、変性水添スチレン系エラストマーのペレット製造性が向上する傾向にあり、70質量%以下であると、柔軟性及び接着性が高くなる傾向にある。
【0019】
変性水添スチレン系エラストマーの共役ジエンブロック中の共役ジエン単位のビニル結合量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは25質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上であり、上限としては、好ましくは80質量%以下、より好ましくは65質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下である。
【0020】
変性水添スチレン系エラストマーの共役ジエン単位の不飽和基の水素添加率は、高い耐熱性、耐老化性を実現する観点から、好ましくは60mol%以上であり、より好ましくは80mol%以上であり、さらに好ましくは95mol%以上である。
【0021】
末端官能基を除いた水添スチレン系エラストマーの構造としては、特に制限はなく、いかなる構造のものでも使用できるが、好ましい構造としては、下記の一般式のものが挙げられる。
(A−B) A−(B−A) 、A−(B−A)−B
[(A−B)−X、 [(A−B)−A]−X
(ここで、Aはビニル芳香族単量体単位を主体とするブロック、Bは共役ジエン単位を主体とするブロックの水素添加ブロックを示す。Xは例えば四塩化ケイ素、四塩化スズ、エポキシ化大豆油、ポリハロゲン化炭化水素化合物、カルボン酸エステル化合物、ポリビニル化合物、ビスフェノール型エポキシ化合物、アルコキシシラン化合物、ハロゲン化シラン化合物、エステル系化合物等のカップリング剤の残基又は多官能有機リチウム化合物等の開始剤の残基を示す。n、k及びmは1以上の整数を示し、一般的には1〜5である。)
【0022】
前記のA、B或いはAとBとの界面部のビニル芳香族単量体単位の分布は特に限定されず、均一に分布していても、テーパー状或いは階段状に分布していてもよい。また、ビニル芳香族単量体単位の含有量が異なるセグメントが複数個共存していてもよい。
【0023】
また、Bの共役ジエン単位を主体とするブロックの水素添加率には分布があってもよい。二重結合の分布の制御方法としては、重合中にビニル化剤を添加する、重合中の温度を変化させる、或いは、イソプレンとブタジエンを共重合した後に、Tiを含む化合物を用いて水素添加し、イソプレンとブタジエンの水素添加速度の差を利用する方法等が挙げられる。
【0024】
より高い接着性を実現する観点から、変性水添スチレン系エラストマー中には、ビニル芳香族単量体単位及び共役ジエン単量体単位を主体とする水添共重合体ブロック(SEB)を有していてもよい。SEB構造と、さらに、共役ジエンを水添した水添共役ジエンブロックを共に有していてもよい。
【0025】
上記構造の中でも、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(S1)を2個含有し、かつ、末端部変性水添スチレン系エラストマー中のビニル芳香族単量体単位の含有量が、35質量%以下となる構造を有するのが好ましく、S1を2個有し、かつ、ビニル芳香族単量体単位の含有量が、30質量%以下となる構造を有するのがより好ましい。
【0026】
変性水添スチレン系エラストマーの重量平均分子量は、高い接着性及び耐久性を実現する観点から、好ましくは5万以上であり、成型性の観点から、好ましくは40万以下である。5万〜20万の範囲がより好ましく、5万〜15万の範囲がさらに好ましい。
【0027】
後述する接着剤層中の変性水添スチレン系エラストマーの含有量は、より高い接着性を実現する観点から、好ましくは3質量%以上であり、より好ましくは10質量%以上であり、さらに好ましくは30質量%以上であり、特に好ましくは70質量%以上である。
【0028】
分子末端部を変性した水添スチレン系エラストマー(変性水添スチレン系エラストマー)の製造方法としては、特に限定されず、例えば、官能基を有する重合開始剤や官能基を有する不飽和単量体を用いて重合した後に水素添加する方法(一次変性)が挙げられる。また、例えば特公平4−39495号公報(米国特許第5,115,035号公報)のように、有機アルカリ金属化合物を重合触媒にして得た重合体のリビング末端に変性剤を付加反応させた後、水素添加する方法を用いてもよい。さらに、ブロック共重合体に有機アルカリ金属化合物を反応(メタレーション反応)させ、変性剤を反応させた後、水素添加する方法を用いてもよい。また、非変性の水添スチレン系エラストマーを製造後に、二次変性する方法を用いてもよい。上記方法の中でも、経済性の観点から、重合体のリビング末端に変性剤を付加反応させた後、水素添加する方法が好ましい。
【0029】
変性剤の種類によっては、変性剤を反応させた段階で水酸基やアミノ基等は有機金属塩となっていることもある。その場合には、水やアルコール等の活性水素を有する化合物で処理することにより、水酸基やアミノ基等にすることができる。また、変性剤に保護基が結合していてもよく、水素添化中や終了後に保護基を外してもよい。
【0030】
上記の末端部を変性した水添スチレン系エラストマーを、さらに、官能基を有する化合物(変性剤)を用いて反応(二次変性)させてもよい。
【0031】
その場合、より高い接着性を実現する観点から、末端部を変性した水添スチレン系エラストマー中の官能基(変性部)と反応する化合物を用いることが好ましい。
【0032】
二次変性剤としては、例えば、カルボキシル基を2個以上有するカルボン酸又はその酸無水物、或いは、酸無水物基、イソシアネート基、エポキシ基、シラノール基、アルコキシシラン基を2個以上有する化合物が挙げられる。具体的には、無水マレイン酸、無水ピロメリット酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、トルイレンジイソシアナート、テトラグリジジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)−テトラスルファン等が挙げられる。
【0033】
また、α、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体、例えばその無水物、エステル化物、アミド化物、イミド化物を用いて、水添スチレン系エラストマーをグラフト変性することもできる。α、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体の具体例としては、無水マレイン酸、無水マレイン酸イミド、アクリル酸又はそのエステル、メタアクリル酸又はそのエステル、エンド−シス−ビシクロ〔2,2,1〕−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸又はーの無水物等が挙げられる。α、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体の付加量は、水添重合体100重量部当たり、好ましくは0.01以上20重量部以下、より好ましくは0.1以上10重量部以下である。
【0034】
グラフト変性する場合の反応温度は、好ましくは100〜300℃、より好ましくは120〜280℃である。グラフト変性する方法の詳細については、例えば、特開昭62−79211号公報を参照できる。
【0035】
末端部を変性した水添スチレン系エラストマーの、末端官能基の平均個数は、より優れた接着性を実現する観点から、好ましくは0.3個以上、より好ましくは0.5個以上、さらに好ましくは0.6個以上、特に好ましくは0.7個以上である。
【0036】
また、変性水添スチレン系エラストマーは、分子末端部だけではなく、分子鎖中が変性されていても構わない。この場合、より高い接着性を実現する観点から、分子鎖中の官能基の平均個数は、好ましくは15個以下、より好ましくは10個以下、さらに好ましくは5個以下である。
【0037】
水素添加の方法としては、例えば、水添触媒の存在下で水素を供給し、不飽和部を水素添加する方法が挙げられる。水添触媒としては、特に制限されず、従来から公知である(1)Ni、Pt、Pd、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等に担持させた担持型不均一系水添触媒、(2)Ni、Co、Fe、Cr等の有機酸塩又はアセチルアセトン塩等の遷移金属塩と有機アルミニウム等の還元剤とを用いる、いわゆるチーグラー型水添触媒、(3)Ti、Ru、Rh、Zr等の有機金属化合物等のいわゆる有機金属錯体等の均一系水添触媒が用いられる。具体的な水添触媒としては、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、特公昭63−4841号公報、特公平1−37970号公報、特公平1−53851号公報、特公平2−9041号公報等に記載された水添触媒を使用することができる。
【0038】
[レーザー溶着接合用積層体]
本実施の形態のレーザー溶着接合用積層体は、レーザー光に対して透過性を有する第1部材と、前記第1部材とは異なる材料からなり、前記第1部材と対向して配設される第2部材と、上記のレーザー溶着接合用接着剤を含有し、前記1部材と前記第2部材との間に挟まれた接着剤層を含む。ここで、積層体は、前記1部材と前記第2部材の間に、前記接着剤層以外にも、接着性の改良のため、接着剤層と極性を少し変更させた層や、レーザー吸収層等の他の組成物からなる層を含む多層構造であってもよい。
【0039】
第1部材は、レーザー光に対して透過性を有する材料からなる。ここで、レーザー光に対して透過性を有するとは、加熱源としてのレーザー光をほとんど反射も吸収もせずに透過させるか、レーザー光を一部吸収及び/又は反射しても溶融することなく残りのレーザー光を透過し、接着剤層まで到達させうる透過率を有することをいう。
【0040】
第1部材はレーザー光に対し透過性を有する材料からなるものであれば特に限定されず、例えば、樹脂やガラス等からなるものが好適なものとして挙げられる。樹脂としては、ナイロン6やナイロン66等のポリアミド樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂;ポリオキシメチレン;ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂;ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリ塩化ビニル;ポリスチレンやABS等のスチレン系樹脂、エポキシ樹脂等の公知の種々の樹脂を用いることができる。ガラスとしては、ソーダ石灰ガラス、鉛ガラス、ホウケイ酸ガラス等の公知の種々のガラスを用いることができる。また、強化ガラス、合わせガラス、複層ガラス等も、レーザー光に対し透過性を有するものであれば用いることができる。
【0041】
第2部材は第1部材とは異なった材料からなるが、同種であってもよい。本実施の形態のレーザー溶着接合用接着剤は、両部材が異なる材料からなる場合であっても、高い接着効果を発現し、優れた接合強度を付与することができる。
【0042】
第2部材は、レーザー透過性の材料でも、それ以外の材料でも用いることができる。レーザー透過材料としては、上記第1部材に用いることのできる材料のうち、第1部材とは異なるいずれのものも用いることができる。また、第2部材としては、レーザー透過性の材料以外に、レーザー光に対して吸収性を有する材料も用いることができる。
【0043】
本実施の形態においてレーザー光に対して吸収性を有するとは、熱源としてのレーザー光を一部透過及び/又は反射しても残りを吸収し、これにより加熱されうる性質を有することをいう。このようなレーザー吸収性の材料としては、金属、セラミックス及び樹脂に無機フィラーを含有させてなる無機フィラー含有樹脂組成物等が挙げられる。また、上記レーザー透過性材料に染料、有機色素、無機色素、或いは、顔料等を添加してレーザー吸収性としたものを用いてもよい。
【0044】
第2部材の金属としては、単体のものであってもよいし、2種以上の金属の合金であってもよい。また、セラミックスとしては、ジルコニアやアルミナ等の酸化物系(複合酸化物も含む)、炭化ケイ素等の炭化物系、窒化ケイ素等の窒化物系、アパタイト等のリン酸塩系等、公知の種々のものを用いることができる。更に、上記金属とセラミックスの複合材料等も使用可能である。無機フィラー含有樹脂組成物に使用される樹脂としては、上記レーザー透過材料の説明において例示したような各樹脂を用いることができる。また、無機フィラーとしては、ガラス繊維、炭素繊維、シリカ、アルミナ、タルク、カーボンブラック及びレーザーを吸収する材料をコートした無機粉末等のレーザー光を吸収しうるフィラーが使用される。このような無機フィラーを樹脂に含有させてなる樹脂組成物は、組成物全体としてレーザー吸収性を有する。
【0045】
レーザー溶着接合用積層体の接着剤層には、本実施の形態のレーザー溶着接合用接着剤が含まれるが、それ以外にも種々の添加物が含まれていてもよい。そのような添加物としては、例えば、可塑剤、粘着付与剤、熱重合防止剤、紫外線吸収剤、ハレーション防止剤、光安定剤、レーザー吸収剤等が挙げられる。
【0046】
可塑剤としては、ナフテン油、パラフィン油等の炭化水素油、液状ポリブタジエン、液状ポリイソプレン、液状ポリブタジエンの変性物、液状アクリルニトリル−ブタジエン共重合体、液状スチレン−ブタジエン共重合体、数平均分子量2,000以下のポリスチレン、セバチン酸エステル、フタル酸エステル等が挙げられる。
【0047】
粘着付与剤としては、クマロン系樹脂、テルペン系樹脂、ロジン誘導体、テレピン系粘着付与剤及び水素添加炭化水素樹脂等が挙げられる。
【0048】
レーザー吸収剤は、接着剤層のレーザー吸収性を向上させる目的で用いられ、例えば、カーボンブラックや複合酸化物系顔料等の無機顔料;フタロシアニン系顔料、レーキ顔料、多環式系顔料等の有機顔料や、使用するレーザー光の波長に応じた各種染料等の公知のものを適宜使用できる。
【0049】
本実施の形態のレーザー溶着接合用接着剤を含有する接着剤層の厚さは、より高い接着性を実現する観点から、好ましくは1〜1000μm、より好ましくは20〜800μm、さらに好ましくは50〜600μmである。接着剤層の厚さが1μm以上であると、両部材の接合界面に生じる応力を緩和し、より優れた接合強度が付与される傾向にあり、1000μm以下であると、溶融接着性が高くなると共に、コストが低減される傾向にある。
【0050】
レーザー溶着接合用積層体の製造方法としては、特に限定されないが、少なくとも、上記レーザー接合用接着剤を、押出機を用いて溶融押出成型する、或いは、トルエン等の溶媒に溶解した溶液をコート後、乾燥することにより、レーザー溶着接合用接着シート(以下、単に接着シートともいう)を得て、それを第1部材と第2部材の間に挟む方法が挙げられる。また、第2部材の上面に、接着剤を溶解した溶液を塗布した後、第1部材を重ねる方法も挙げられる。中でも、簡便性の観点から、常温で流動性の小さいレーザー溶着接合用接着シートを得た後に、第1部材と第2部材の間に挟む方法が好ましい。レーザー溶着接合用シートを挟む際には、適宜、圧力や熱を加えてもよい。
【0051】
[接合方法]
本実施の形態の接合方法は、レーザー光に対して透過性を有する第1部材と、前記第1部材とは異なる材料からなり、前記第1部材と対向して配設される第2部材と、上記のレーザー溶着接合用接着剤を含有し、前記1部材と前記第2部材との間に挟まれた接着剤層と、を含むレーザー溶着接合用積層体において、前記第1部材と前記第2部材とを接合させる接合方法であって、少なくとも前記第1部材側からレーザー光を照射することによって、前記第1部材及び前記第2部材と、接着剤層との接合部を溶融させる工程を含む方法である。
【0052】
図1は、本実施の形態によるレーザー溶着接合用積層体を接合させた接合品を示す。図1に示すように、本実施の形態によるレーザー溶着接合用積層体を接合させた接合品1は、レーザー光に対して透過性を有する第1部材2と、前記第1部材2とは異なる材料からなり、前記第1部材と対向して配設される第1部材4と、上記のレーザー溶着接合用接着剤3とを含有し、前記レーザー溶着接合用接着剤3は前記第1部材2と前記第2部材4との間に挟まれている。
【0053】
照射するレーザー光の種類としては、特に限定されず、例えば、ガスレーザー、固体レーザー、半導体レーザー等の公知のレーザー光を用いることができ、第1部材、第2部材及び接着剤層の種類や厚さに応じて、最適な波長及び出力のものを選択して用いることできる。また、レーザー光源は1つの波長からなるものに限らず、2以上の波長が混合されたものであってもよい。
【0054】
また、接合範囲がレーザー光の照射径より広い場合、必要に応じてレーザー光源又はレーザー溶着接合用積層体を移動させながら、レーザー光の照射を行ってもよい。
【0055】
第1部材はレーザー光に対して透過性を有しているので、第1部材側から照射されたレーザー光の少なくとも一部はこの第1部材を透過して接着剤層に到達する。接着剤層がレーザー光を吸収する材質からなる場合、接着剤層自体が吸収したレーザー光のエネルギーにより接着剤層が加熱溶融される。このとき、第1部材及び第2部材の少なくとも一方が樹脂からなる場合、接着剤層の熱がこれらの樹脂にも伝わって溶融する。レーザー光の照射が終了すると、接着剤層並びに第1部材及び/又は第2部材の樹脂が冷却されてそれぞれが再度固化することにより、接着剤層と樹脂が溶着される。
【0056】
一方、第1部材及び第2部材の少なくとも一方が樹脂以外の材料(金属、ガラス又はセラミックス等)からなる場合、レーザー光の照射により加熱溶融された接着剤層はこれら樹脂以外の材料に融着し、レーザー光の照射終了後冷却されて再度固化することにより、接着剤層と樹脂以外の材料が溶着される。このように、接着剤層と、第1部材及び第2部材がそれぞれ接合界面において溶着されることにより、第1部材と第2部材の接合がなされる。
【0057】
また、接着剤層がレーザー透過性である場合、接着剤層に到達したレーザー光の少なくとも一部が接着剤層を透過して第2部材に到達する。レーザー透過性の接着剤層が加熱溶融されるためには、第2部材がレーザー光により加熱されて発熱する必要があるため、第2部材がレーザー吸収性材料からなる必要がある。第2部材がレーザー光により加熱されて発生した熱によって接着剤層が加熱溶融し、その後冷却固化することにより、第1部材と第2部材の接合がなされる。このようにして、第1部材と、第2部材と、これらの間に挟まれかつ第1部材及び第2部材のそれぞれに対して融着された接着剤層とから、異なる部材の接合品を得ることができる。
【0058】
本実施の形態の接合方法は、レーザー光の照射により、分子末端部が変性したエラストマーを含む接着剤層を溶融し、異なる材料同士を接合させるものである。よって、上述したように、接着剤層と、第1部材及び第2部材の接着剤層側の接合界面が、レーザー光の照射により加熱されてその後冷却されるという熱サイクルを受ける。このとき、第1部材と第2部材の線膨張係数の違いに起因した応力が接合界面に生じるが、本実施の形態の接合方法で得られる部材接合品は、分子末端部を変性したエラストマーを含有してなる接着剤層を両部材の接合界面に有しているため、このような応力を緩和することができ、接合強度の低下や剥がれを防止することができると推定される。また、エラストマーの末端部が変性されていることで、異なる材料への接着時に、分子鎖を変性したエラストマーに比べて分子配向し易く、これにより接合の信頼性を向上させることができると考えられる。
【0059】
このように、本実施の形態の接合方法は、従来のレーザー溶着法による接合が困難であった線膨張係数の異なる種々の異種材料同士の接合や、互いに親和性の低い材料同士の接合に好適に用いることができる。以下に、好適な材料の組み合わせ例を示す。
【0060】
〈第1実施形態〉
第1部材が樹脂からなり、第2部材が金属又はセラミックスからなる場合
本実施形態では、レーザー透過性の樹脂と、無機物のレーザー吸収性材料(金属又はセラミックス)を接合する場合について説明する。本実施形態では第2部材がレーザー吸収性材料からなるため、レーザー光の照射により第2部材が加熱され、その熱伝導によりレーザー溶着接合用接着剤を含む接着剤層が加熱溶融する。レーザー光の照射終了後、溶融した接着剤層が冷却固化することにより、接着剤層と第1部材及び接着剤層と第2部材がそれぞれ界面において溶着される。これにより、第1部材と第2部材の接合がなされる。
本実施形態では、第2部材が吸収したレーザー光のエネルギーにより接着剤層が加熱溶融するため、接着剤層はレーザー吸収性のものであってもレーザー透過性のものであってもよい。しかし、レーザー光を照射した際に接着剤層をより効率的に加熱溶融や反応させるために、上記レーザー吸収剤を含有させる等して、レーザー吸収性のものとすることが好ましい。また、金属は極性基との親和性が高いため、第2部材として金属を用いる場合、第1部材が非極性の樹脂である場合にも、本実施の形態の接着剤層を用いることで、より、両部材を良好に接合することができるため好ましい。極性基との親和性が高い一部のセラミックスを第2部材として用いる場合も同様である。
従来は、樹脂と金属又はセラミックスとでは親和性が低く、しかも線膨張係数も大きく異なっているため、レーザー溶着法による接合が困難であり、また接合できた場合にも両者の接合界面において応力やひずみが発生しやすく、十分な接合強度を得ることが困難であった。しかしながら、本実施の形態のレーザー溶着接合用接着剤を含む接着剤層を用いることにより、両部材の接合界面における応力を緩和することができる。更に、樹脂、及び、金属又はセラミックスの双方に対して親和性が高いため、上記応力緩和の効果と相まって高い接合強度を達成することができる。
【0061】
〈第2実施形態〉
第1部材が無機フィラーを実質的に含有しない樹脂からなり、第2部材が無機フィラー含有樹脂組成物からなる場合
本実施形態では、無機フィラーを実質的に含有しないレーザー透過性の樹脂と、無機フィラー含有樹脂組成物とを接合する場合について説明する。従来の(レーザー溶着接合用接着剤を含む接着剤層を用いない)レーザー溶着法により樹脂と無機フィラー含有樹脂組成物とを接合させた場合、無機フィラーがレーザー光を吸収することにより無機フィラー含有樹脂組成物が焼けてしまうという問題があったため、無機フィラー含有樹脂組成物をレーザー溶着に用いることは困難であった。しかしながら、一般的に熱可塑性エラストマーは樹脂よりも融点又は軟化点が低いことが多いため、本実施の形態のように第1部材としての樹脂と第2部材としての無機フィラー含有樹脂組成物との接合界面にエラストマーを含む接着剤層を挟むことにより、接着剤層を用いない場合よりも低い温度でレーザー溶着することが可能となる。また、接着剤層が一定のレーザー光を吸収する場合には、このレーザー光の吸収により第2部材に到達するレーザー光のエネルギーをある程度減少させることができる。結果として、第2部材が接着剤層により保護されることとなる。このため、無機フィラー含有樹脂組成物が焼けることなく、両部材を良好に接合することができる。
無機フィラー含有樹脂組成物も組成物中の無機フィラーがレーザー吸収性を有するため、組成物全体としてレーザー吸収性を有する。従って、第1実施形態と同様、接着剤層はレーザー吸収性のものであってもレーザー透過性のものであってもよい。しかしながら、接着剤層がレーザー吸収性である場合、第2部材としての無機フィラー含有樹脂組成物に入射するレーザー光のエネルギーが減少するため、上述のレーザー照射の際に無機フィラー含有樹脂組成物が焼けてしまうというリスクをより低減することができる。従って、本実施形態においても、レーザー吸収剤を含有させる等して、レーザー吸収性のものとすることが好ましい。
【0062】
〈第3実施形態〉
第1部材又は第2部材の一方が樹脂からなり、他方がガラスからなる場合
本実施形態では、樹脂とガラスを接合する場合について説明する。樹脂及びガラスの両方がレーザー透過性を有する場合には、両部材の間に挟まれるレーザー溶着接合用接着剤を含む接着剤層がレーザー光に対して吸収性を有する必要がある。従って、接着剤層にレーザー吸収剤を含有させる等して、レーザー吸収性のものとする必要がある。この接着剤層を樹脂とガラスの間に挟み、レーザー光を照射することにより、両者の接合を行う。このとき、樹脂を第1部材、ガラスを第2部材としてレーザー光を樹脂側から照射してもよいし、ガラスを第1部材、樹脂を第2部材としてレーザー光をガラス側から照射してもよい。
また、樹脂又はガラスの一方がレーザー透過性を有し、他方がレーザー吸収性を有する場合には、レーザー透過性を有する方を第1部材として、第1部材側からレーザー光を照射することにより両部材の接合を行う。この場合、第1実施形態と同様に、接着剤層はレーザー吸収性のものであってもレーザー透過性のものであってもよいが、レーザー光を照射した際に接着剤層をより効率的に加熱溶融させるために、レーザー吸収性のものとすることが好ましい。
また、ガラスも金属と同様に極性基との親和性が高いため、本実施の形態の接着剤層を用いると、より両部材を良好に接合することができるため好ましい。
本実施形態のように、樹脂とガラスのような線膨張係数の異なる材料同士でも、接着剤層に含まれるエラストマーが両者の線膨張係数の違いに起因する応力を吸収するため、高い接合強度を維持することができる。また、レーザー透過性の異種材料同士を接合する場合にも、レーザー吸収性を有する接着剤層を用いれば、レーザー照射により接着剤層が加熱溶融するため、両部材を好適に接合することが可能である。
【0063】
〈第4実施形態〉
第1部材がガラスからなり、第2部材が金属、セラミックス又は無機フィラー含有樹脂組成物からなる場合
本実施形態では、レーザー透過性のガラスと、レーザー吸収性材料(金属、セラミックス又は無機フィラー含有樹脂組成物)を接合する場合について説明する。本実施形態は、第1及び第2実施形態と同様に、第2部材がレーザー吸収性材料からなるため、レーザー光の照射により第2部材が加熱され、その熱伝導により接着剤層が加熱溶融する。レーザー光の照射終了後、溶融した接着剤層が冷却固化されることにより、接着剤層と第1部材及び接着剤層と第2部材がそれぞれ界面において溶着される。これにより、第1部材と第2部材の接合がなされる。
本実施形態では、第2部材が吸収したレーザー光のエネルギーにより接着剤層が加熱溶融するため、接着剤層はレーザー吸収性のものであってもレーザー透過性のものであってもよい。しかし、レーザー光を照射した際に接着剤層がより効率的に加熱溶融や反応させるために、レーザー吸収剤を含有させる等して、レーザー吸収性のものとすることが好ましい。
このように、本実施の形態の接合方法によれば、レーザー光が照射される側の部材として、樹脂のみでなくガラスを用いてレーザー溶着を行うことも可能である。また、他の実施形態と同様に、ガラスと、金属又はセラミックス又は無機フィラー樹脂組成物との接合界面に挟まれた接着剤層のエラストマーが接合界面における応力を緩和するため、高い接合強度を維持することができる。
【0064】
〈第5実施形態〉
第1部材及び第2部材が樹脂からなり、かつ、両樹脂の溶解性パラメーター(Fedorsの式から算出)の差が1(cal/cm1/2以上である場合
本実施形態では、Fedorsの式から算出される溶解性パラメーターの差が1(cal/cm1/2以上である樹脂同士を接合する場合について説明する。従来は、互いに親和性の低い疎水性樹脂と極性樹脂を、レーザー溶着法を用いて接合することが困難であった。しかしながら、本実施の形態のように、分子末端部を変性したエラストマーを含む接着剤層を用いることにより、溶解性パラメーターの差が1(cal/cm1/2以上であるような親和性の低い樹脂同士でも、より容易に接合することができ、しかも高い接合強度を維持することができる。このような親和性の低い樹脂同士を良好に接合できる本発明の効果をより発揮するためには、上記溶解性パラメーターの差が2以上であることがより好ましく、3以上であることがさらに好ましい。
本実施の形態において、溶解性パラメーターはFedorsの式より算出される値を言い、「Polymer Engineering and Science,Vol.14,No.2,p147〜154(1974)」に記載された方法によって求められる。この溶解性パラメーターの差が1(cal/cm1/2以上である樹脂の組み合わせとして、ポリオレフィン樹脂とポリオキシメチレン、ポリオレフィン樹脂とポリ塩化ビニル、ポリオレフィンとエポキシ樹脂、ポリオレフィン樹脂とポリアミド樹脂、アクリル樹脂とポリアミド樹脂及びスチレン系樹脂とポリアミド樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、本実施形態は疎水性樹脂と極性樹脂との接合にも好適に用いることができる。
本実施形態において、第2部材となる樹脂がレーザー吸収性材料であり、第2部材が吸収したレーザー光のエネルギーによって接着剤層を加熱溶融できる場合には、接着剤層はレーザー吸収性のものであってもレーザー透過性のものであってもよい。しかしながら、第2部材として用いる樹脂も第1部材と同様にレーザー透過性材料である場合には、両部材の間に挟まれる接着剤層はレーザー光に対して吸収性を有する必要がある。従って、接着剤層に上述したようなレーザー吸収剤を含有させる等して、レーザー吸収性のものとする必要がある。
【実施例】
【0065】
次に、実施例及び比較例を挙げて本実施の形態をより具体的に説明するが、本実施の形態はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0066】
(1)測定方法
[ビニル芳香族単量体(スチレン)単位の含有量]
測定機器にJNM−LA400(JEOL製、商品名)、溶媒に重水素化クロロホルムを用いて核磁気共鳴スペクトル解析(NMR)により測定した。測定条件としては、サンプル濃度50mg/ml、観測周波数は400MHz、化学シフト基準に、TMS(テトラメチルシラン)、パルスディレイ2.904秒、スキャン回数64回、パルス幅45°及び測定温度26℃で行った。
[共役ジエン(ブタジエン)単位のビニル結合量]
上記と同様の測定機器及び測定条件で、核磁気共鳴スペクトル解析(NMR)により測定した。
[水素添加率]
上記と同様の測定機器及び測定条件で、核磁気共鳴スペクトル解析(NMR)により測定した。
[重量平均分子量及び分子量分布]
装置としてLC−10(島津製作所製、商品名)、カラムにTSKgelGMHXL(4.6mmID×30cm)2本を使用して、オーブン温度40℃、溶媒にはテトラヒドロフラン(1.0ml/min)を用いて測定を行い、ポリスチレン換算分子量として重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
【0067】
(2)エラストマーの製造
(分子末端部変性水添スチレン系エラストマー:A−1)
内容積が10Lの攪拌装置及びジャケット付き槽型反応器を使用してバッチ重合を行った。はじめに、シクロヘキサン6.4L、スチレン150g、テトラヒドロフラン1gを加え、予めテトラメチルエチレンジアミン(以下、TMEDAとも略記される)をn−ブチルリチウムのLiモル数の0.3倍モルになるように添加し、n−ブチルリチウム開始剤のLiのモル数として17.8ミリモルとなるように添加して初期温度60℃で重合した。重合終了後、ブタジエン700gを加えて重合し、重合終了後、さらにスチレン150gを添加して重合した。重合終了後、トリイソブチルアルミニウムを添加してから、マレイン酸ジ−t−ブチルを添加し反応させることで末端にコハク酸ジ−t−ブチルエステル基を有する共重合体を得て、Ni/Al系Ziegler系触媒を用いて水素添加を施した後、熱処理を行い、末端部に酸無水物基を有する変性水添スチレン系エラストマーを得た。
得られた変性水添スチレン系エラストマーは、スチレン含有量30質量%、ポリブタジエンブロック部のビニル結合量33質量%、重量平均分子量7.5万、分子量分布1.1、分子中の末端官能基の平均個数は0.85個、水素添加率はブタジエンの二重結合中の95mol%であった。
得られたエラストマーに、安定剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを重合体100質量部に対して0.3質量部添加した。
【0068】
(分子末端部変性水添スチレン系エラストマー:A−2)
内容積が10Lの攪拌装置及びジャケット付き槽型反応器を使用してバッチ重合を行った。はじめに、シクロヘキサン6.4L、スチレン150g、テトラヒドロフラン1gを加え、予めTMEDAをn−ブチルリチウムのLiモル数の0.3倍モルになるように添加し、n−ブチルリチウム開始剤のLiのモル数として17.8ミリモルとなるように添加して初期温度60℃で重合した。重合終了後、ブタジエン700gを加えて重合し、重合終了後、さらにスチレン150gを添加して重合した。重量終了後、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを、Liモル数と等モル反応させた後、メタノールをLiと等モル量添加した。得られた共重合体に、シクロヘキサン溶液中で、ビスシクロペンタジエニルチタニウムジクロリドを添加し、十分に攪拌しながらトリメチルアルミニウムを含むn−ヘキサン溶液を添加して、室温にて約3日間反応させた水添触媒の存在下で水素添加を施して、末端部にアミノ基を有する変性水添スチレン系エラストマーを得た。
得られた変性水添スチレン系エラストマーは、スチレン含有量30質量%、ポリブタジエンブロック部のビニル結合量40質量%、重量平均分子量7.5万、分子量分布1.1、分子中の末端官能基の平均個数は0.85個、水素添加率はブタジエンの二重結合中の70mol%であった。
得られたエラストマーに、安定剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを重合体100質量部に対して0.3質量部添加した。
【0069】
(分子末端部変性水添スチレン系エラストマー:A−3)
(A−2)で得られた重合体に、(A−2)の重合体に含まれる官能基(1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン)量の1.2倍モル量の無水マレイン酸を加え、30mmφ二軸押出機を用いて、220℃、スクリュー回転数100rpmで溶融混練して反応させ、二次変性重合体を得た。
【0070】
(分子鎖変性スチレン系エラストマー:B−1)
内容積が10Lの攪拌装置及びジャケット付き槽型反応器を使用してバッチ重合を行った。はじめに、シクロヘキサン6.4L、スチレン150g、テトラヒドロフラン1gを加え、予めTMEDAをn−ブチルリチウムのLiモル数の0.3倍モルになるように添加し、n−ブチルリチウム開始剤のLiのモル数として17.8ミリモルとなるように添加して初期温度60℃で重合した。重合終了後、ブタジエン700gを加えて重合し、重合終了後、さらにスチレン150gを添加して重合した。重量終了後、メタノールをLiと等モル量添加した。得られた共重合体に、シクロヘキサン溶液中で、ビスシクロペンタジエニルチタニウムジクロリドを添加し、十分に攪拌しながらトリメチルアルミニウムを含むn−ヘキサン溶液を添加して、室温にて約3日間反応させた水添触媒の存在下で水素添加を施して、水添スチレン系エラストマーを得た。
得られた水添スチレン系エラストマー100質量部に、無水マレイン酸を0.25質量部、パーオキサイドを0.2質量部添加し、30mmφ二軸押出機を用いて、180℃、スクリュー回転数150rpmで溶融混練して反応させ、分子鎖中にアミノ基とカルボキシル基を有する変性水添スチレン系エラストマーを得た。
得られた変性水添スチレン系エラストマーは、スチレン含有量30質量%、ポリブタジエンブロック部のビニル結合量40質量%、重量平均分子量7.5万、分子量分布1.1、分子鎖中の官能基の平均個数は0.85個、水素添加率はブタジエンの二重結合中の98mol%であった。
得られたエラストマーに、安定剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを重合体100質量部に対して0.3質量部添加した。
【0071】
(非変性スチレン系エラストマー:C−1)
TUFTEC H1041(旭化成ケミカルズ社製、商品名、スチレン含有量:31質量%、重量平均分子量6.3万)を用いた。
【0072】
(3)レーザー溶着接合用接着シートの製造
表1に示す組成及び温度で、二軸押出機を用いて150rpmで混合し、厚み150μm、幅25mmのシート状に溶融成型し、レーザー溶着接合用接着シートを得た。
【0073】
【表1】

【0074】
(4)接合対象の部材
(4−1)ポリプロピレン(PP)
幅25mm、長さ50mm、厚さ2mmのポリプロピレン(製品名:PP−N−BN、新神戸電機株式会社製)からなる板を用いた。PPの溶解性パラメーターは8.0(cal/cm1/2である。
(4−2)ポリオキシメチレン(POM)
幅25mm、長さ50mm、厚さ2mmのポリオキシメチレン(POM)樹脂(製品名:ポリペンコアセタール コポリマー、日本ポリペンコ株式会社製)からなる板を用いた。このPOMの溶解性パラメーターは9.6〜10.0(cal/cm1/2である。
(4−3)ガラス繊維強化ナイロン(G−Ny)
幅25mm、長さ50mm、厚さ2mmの、ガラス繊維強化ナイロンからなる板を用いた。このガラス繊維強化ナイロンの溶解性パラメーターは12.7〜13.6(cal/cm1/2である。
(4−4)ガラス
幅25mm、長さ50mm、厚さ1mmのスライドガラスを用いた。
【0075】
(5)接合方法及び接合強度の測定
(5−1)接合方法
表2に示す第1部材、第2部材及びレーザー溶着接合用接着シートをそれぞれ用いた。
図2に示すように、第1部材2と第2部材4を長さ方向に30mmずらして第1部材2が上になるように重ね、第1部材2と第2部材4の間(図2のAで示す重ね合わせ部分)に接着シート(図中の3)を挟んで積層体を得た。得られた積層体の上記重ねあわせ部分に対し、上方(第1部材側)から、レーザー出力200Wの条件で、レーザー照射による加熱を行った。レーザーの熱源として800、940及び980nmの3波長混合の半導体レーザーを用いた。レーザー光線のコリメート径は46mm、焦点距離は100mmであり、最小スポット径は600μmであった。レーザー光の照射は、出力250W、照射距離105mmの条件で行い、ディフォーカス距離12mmとし、表2に示されたレーザーエネルギー入力量分を照射した。照射終了後、空冷し、異種部材からなる接合品を得た。
【0076】
(5−2)接合(せん断)強度の測定
(5−1)で得られた接合品の剥離時のせん断試験は、インストロン3382(インストロンコーポレーション社製)を用いて行った。図3に示すように、第1部材2と同様の部材5を第2部材4の接合面と同じ面上にナットで接合し、第1部材2及び部材5に対して平行(図の矢印方向)に引張力を加え、せん断試験を行った。その際、せん断速度を10mm/secとし、最大強度を求めた。得られた最大強度をせん断強度とした。
【0077】
[実施例1〜7、比較例1〜3]
試験結果を表2及び表3に示す。せん断試験後の接合品の破断面を目視で観察したところ、各部材又は接着剤層にはレーザー照射による焼けや変色等はなく、外観上の問題はなかった。
実施例1〜3と比較例1及び2の比較や、実施例4及び5と比較例3の比較より、接着剤層に、少なくとも分子末端部を変性したエラストマーを含有することで、レーザー溶着による接合において、より優れた接合強度が得られることが分かった。
また、実施例1〜3の比較と、実施例4〜5の比較より、同じ分子末端部を変性したエラストマーの中では、変性部に窒素含有基とカルボン酸含有基を共に有することで、より優れた接合強度が得られることが分かった。
【0078】
【表2】

【0079】
【表3】

【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の接合方法により得られる接合品の模式的断面図である。
【図2】実施例において第1部材、接着シート及び第2部材を積層する方法を説明するための模式的上面図及び断面図である。
【図3】実施例においてせん断強度の測定方法を説明するための概略斜視図である。
【符号の説明】
【0081】
1 接合品
2 第1部材
3 接着シート
4 第2部材
5 せん断試験用部材
A 重ね合わせ部分
L レーザー光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子末端部を変性したエラストマーを含有するレーザー溶着接合用接着剤。
【請求項2】
前記分子末端部を変性したエラストマーは、変性オレフィン系エラストマー、変性スチレン系エラストマー及び変性アクリル系エラストマーからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1記載のレーザー溶着接合用接着剤。
【請求項3】
前記変性スチレン系エラストマーは、変性水添スチレン系エラストマーである、請求項2記載のレーザー溶着接合用接着剤。
【請求項4】
前記変性水添スチレン系エラストマー中のビニル芳香族単量体単位の含有量が70質量%以下である、請求項3記載のレーザー溶着接合用接着剤。
【請求項5】
前記分子末端部を変性したエラストマーは、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、アミド基、酸無水物基及びシラノール基からなる群から選ばれる官能基を有する少なくとも1種の変性剤で変性されたものである、請求項1〜4のいずれか1項記載のレーザー溶着接合用接着剤。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項記載のレーザー溶着接合用接着剤を含有してなるレーザー溶着接合用接着シート。
【請求項7】
レーザー光に対して透過性を有する第1部材と、
前記第1部材とは異なる材料からなり、前記第1部材と対向して配設される第2部材と、
請求項1〜5のいずれか1項記載のレーザー溶着接合用接着剤を含有し、前記1部材と前記第2部材との間に挟まれた接着剤層と、
を含むレーザー溶着接合用積層体。
【請求項8】
前記接着剤層の厚みが1〜1000μmである、請求項7記載のレーザー溶着接合用積層体。
【請求項9】
前記第1部材及び前記第2部材が樹脂からなり、両樹脂の溶解性パラメーター(Fedorsの式から算出)の差が1(cal/cm1/2以上である、請求項7又は8記載のレーザー溶着接合用積層体。
【請求項10】
前記第1部材が樹脂からなり、前記第2部材が、金属、ガラス、セラミックス又は無機フィラー含有樹脂組成物からなる、請求項7又は8記載のレーザー溶着接合用積層体。
【請求項11】
前記第1部材が無機フィラーを実質的に含有しない樹脂からなり、前記第2部材が無機フィラー含有樹脂組成物からなる、請求項7又は8記載のレーザー溶着接合用積層体。
【請求項12】
前記第1部材がガラスからなり、前記第2部材が、金属、セラミックス、無機フィラーを実質的に含有しない樹脂又は無機フィラー含有樹脂組成物からなる、請求項7又は8記載のレーザー溶着接合用積層体。
【請求項13】
前記接着剤層がレーザー光の吸収剤を含有する、請求項7〜12のいずれか1項記載のレーザー溶着接合用積層体。
【請求項14】
レーザー光に対して透過性を有する第1部材と、
前記第1部材とは異なる材料からなり、前記第1部材と対向して配設される第2部材と、
請求項1〜5のいずれか1項記載のレーザー溶着接合用接着剤を含有し、前記1部材と前記第2部材との間に挟まれた接着剤層と、
を含むレーザー溶着接合用積層体において、前記第1部材と前記第2部材とを接合させる接合方法であって、
少なくとも前記第1部材側からレーザー光を照射することによって、前記第1部材及び前記第2部材と接着剤層との接合部を溶融させる工程を含む接合方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−155402(P2009−155402A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−332993(P2007−332993)
【出願日】平成19年12月25日(2007.12.25)
【出願人】(303046314)旭化成ケミカルズ株式会社 (2,513)
【出願人】(591060980)岡山県 (96)
【出願人】(591000506)早川ゴム株式会社 (110)
【Fターム(参考)】