説明

レーザ加工装置、及び、レーザ加工方法

【課題】 高品質のレーザ加工を行う。
【解決手段】 レーザビームを出射するレーザ光源と、加工対象物を保持するステージと、レーザ光源を出射したレーザビームを、その入射位置がステージに保持された加工対象物上で移動するように走査する第1の光偏向器を含む光学系と、 第2の光偏向器と、第1及び第2の光偏向器を介して、ステージに保持された加工対象物の表面上の一部の領域を撮像する撮像素子と、ステージに保持された加工対象物の表面のうちレーザビームの入射している位置とは異なる領域が、撮像素子で撮像されるように第2の光偏向器を制御する制御装置とを有するレーザ加工装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工対象物にレーザビームを照射して加工を行うレーザ加工装置、及び、レーザ加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板のパターニングにおけるレーザビームの走査方法には、XYステージを用いて基板を移動させ、レーザビームの基板への入射位置を変化させる方法と、たとえばガルバノスキャナを用いてレーザビームの出射方向を変えることで、レーザビームの基板上の入射位置を変化させる方法とがある。
【0003】
前者の方法においては、ステージをX方向及びY方向に駆動させる必要があるため、装置のフットプリントが大きくなるという欠点がある。後者の方法においては、XYステージを用いる場合よりも、レーザビームの照射位置精度が悪くなるという欠点がある。
【0004】
図6を参照して、ガルバノスキャナを用いて行うレーザ加工の問題点について説明する。
【0005】
たとえば基板上の近接する目標加工軌跡81、83で示す位置にレーザビームを照射してパターニングを行おうとする場合、ガルバノスキャナによるレーザビームの照射位置精度が原因で、実際の加工軌跡が加工痕82、84となってしまう場合がある。図6においては、目標加工軌跡81に沿ってレーザビームを入射させる制御を行った場合に、実際にレーザビームが入射して得られる加工軌跡が加工痕82であり、同様に目標加工軌跡83に対応する加工軌跡が加工痕84である。
【0006】
図示するように2つの加工痕82、84は相互に交わっている。パターニング加工において加工痕が交わりをもつことは好ましくない。
【0007】
加工対象物の表面にアライメントマークを形成し、これをCCDカメラで観察することによって、レーザビームの照射位置精度を高める技術が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】特開2006−35227号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、高品質の加工を行うことのできるレーザ加工装置を提供することである。
【0010】
また、本発明の他の目的は、高品質の加工を行うことのできるレーザ加工方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一観点によれば、レーザビームを出射するレーザ光源と、加工対象物を保持するステージと、前記レーザ光源を出射したレーザビームを、その入射位置が前記ステージに保持された加工対象物上で移動するように走査する第1の光偏向器を含む光学系と、第2の光偏向器と、前記第1及び第2の光偏向器を介して、前記ステージに保持された加工対象物の表面上の一部の領域を撮像する撮像素子と、前記ステージに保持された加工対象物の表面のうち前記レーザビームの入射している位置とは異なる領域が、前記撮像素子で撮像されるように前記第2の光偏向器を制御する制御装置とを有するレーザ加工装置が提供される。
【0012】
また、本発明の他の観点によれば、レーザ加工すべき第1の目標線と第2の目標線とが画定された加工対象物を準備する工程と、前記加工対象物上の第1の目標線上をレーザビームが走査するようにレーザ照射光学系を制御してレーザ加工を行い第1の加工痕を形成する工程と、前記第1の目標線に対する前記第1の加工痕のずれを測定し、測定結果に基づいて第2の目標線を補正し、補正後の第2の目標線上をレーザビームが走査するように前記レーザ照射光学系を制御してレーザ加工を行い第2の加工痕を形成する工程とを有するレーザ加工方法が提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、高品質の加工を行うことの可能なレーザ加工装置を提供することができる。
【0014】
また、高品質の加工を行うことの可能なレーザ加工方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1(A)及び(B)に、実施例によるレーザ加工装置及び方法で加工される加工対象物であるパネル50を示す。パネル50は、太陽電池の製造工程で加工されるパネルである。
【0016】
図1(A)は、太陽電池製造の一工程におけるパネル50を示す概略的な平面図である。パネル50は、たとえば縦1000mm、横1400mmの矩形状である。
【0017】
図1(B)に、パネル50の概略的な断面を示す。パネル50は、たとえば厚さ0.5〜0.7mmのガラス基板51上に、厚さ0.1〜0.2μmの透明電極膜、たとえばITO(Indium Tin Oxide)膜52、厚さ1μmのアモルファスシリコン膜53、及び厚さ0.1μmのAg(銀)膜54がこの順に積層されて形成される。
【0018】
太陽電池製造の各工程で、レーザビームをパネル50に照射して、照射位置のITO膜52、アモルファスシリコン膜53、及びAg膜54を除去し、パターニングを行う。本図においては、ITO膜52、アモルファスシリコン膜53、及びAg膜54の除去される部分を、除去部52a〜54aとして示した。太陽電池の製造においては、ITO膜52のパターニングが終了した後、ITO膜52上にアモルファスシリコン膜53を形成し、アモルファスシリコン膜53のパターニングが終了した後、その上にAg膜54を形成する。
【0019】
以下の実施例に示すレーザ加工方法は、たとえばアモルファスシリコン膜53とAg膜54との間に適用されるだけでなく、ITO膜52とアモルファスシリコン膜53との間や、ITO膜52とAg膜54との間に適用することもできる。また、上下の膜間だけでなく、同一膜内、たとえばITO膜52内におけるパターニングに適用することも可能である。
【0020】
図2は、実施例によるレーザ加工装置を示す概略図である。実施例によるレーザ加工装置は、レーザ光源21、バリアブルアッテネータ22、エキスパンダ23、均一光学系24、マスク25、可動式イメージングレンズ26、32、ダイクロイックミラー27、ガルバノスキャナ28、31、照明光源29、ステージ30、CCDカメラ33、及び制御装置34を含んで構成される。
【0021】
レーザ光源21が、制御装置34から送られるトリガ信号を受けて、パルスレーザビーム35を出射する。レーザ光源21は、たとえばNd:YAGレーザ発振器、及び非線形光学結晶を含む。パルスレーザビーム35は、たとえばNd:YAGレーザの2倍高調波である。パルスレーザビーム35のパルス幅は、たとえば30nsecである。
【0022】
パルスレーザビーム35は、入射するレーザビームの光量を減衰率可変で減衰させるバリアブルアッテネータ22、及び、入射するレーザビームのビーム径を拡大して出射するエキスパンダ23を経て、たとえばホモジナイザを含んで構成される均一光学系24に入射する。なお、バリアブルアッテネータ22によるパルスレーザビーム35の光量の減衰率は、制御装置34から送信される制御信号によって制御される。
【0023】
均一光学系24は、ホモジナイザのホモジナイズ面において、パルスレーザビーム35のビーム断面内の光強度分布を均一化する。ホモジナイズ面には、透光領域と遮光領域とを有し、パルスレーザビーム35の断面形状を整形するマスク25が配置されている。
【0024】
マスク25によって断面形状を整形されたパルスレーザビーム35は、可動式イメージングレンズ26に入射する。
【0025】
ステージ30上には、パネル50が載置されている。パネル50は、たとえば図1(A)及び(B)を参照して説明したパネル50である。ただしAg膜54のパターニングは行われていない。
【0026】
可動式イメージングレンズ26は、マスク25面におけるパルスレーザビーム35をパネル51のAg膜54上に結像する。
【0027】
可動式イメージングレンズ26を出射したパルスレーザビーム35は、ダイクロイックミラー27を透過する。ダイクロイックミラー27を透過したパルスレーザビーム35は、ガルバノスキャナ28を経てパネル50に入射する。ガルバノスキャナ28は、2枚の揺動鏡(ガルバノミラー)を含んで構成され、入射するレーザビームの出射方向を2次元方向に変化させて出射する。ガルバノスキャナ28により、パルスレーザビーム35は、パネル50のAg膜54上を走査し、入射位置のAg膜54を除去してパターニングを行う。可動式イメージングレンズ26は、パルスレーザビーム35のパネル50上の入射位置が変化しても、常にマスク25面におけるパルスレーザビーム35がパネル50のAg膜54上に結像されるように、パルスレーザビーム35の光軸方向(進行方向)と平行な方向に変位される。
【0028】
ガルバノスキャナ28によるパルスレーザビーム35の走査、及び、可動式イメージングレンズ26の変位は、制御装置34によって制御される。
【0029】
ステージ30の上方に、照明光源29が設置されている。照明光源29から出射した照明光により、ステージ30に載置されたパネル50が照明される。
【0030】
パネル50の所定位置で反射された照明光は、本図に一点鎖線で示した経路を進行して、すなわち、ガルバノスキャナ28、ダイクロイックミラー27、ガルバノスキャナ31、及び可動式イメージングレンズ32を経て、CCDカメラ33に入射する。
【0031】
可動式イメージングレンズ32は、パネル50の所定位置をCCDカメラ33の受光面上に結像させる。CCDカメラ33で撮像され得られたパネル50の画像情報は、制御装置34に送信される。
【0032】
ガルバノスキャナ28、31を動作させることによって、パネル50の全領域の画像情報を得ることが可能である。また、ガルバノスキャナ31は、ガルバノスキャナ28と直列に配置されているため、Ag膜54のパターニングと同時に、これと対応して、パネル50の画像情報を得ることができる。なお、ガルバノスキャナ31の動作は、制御装置34によって制御される。
【0033】
可動式イメージングレンズ32は、パネル50上の撮像位置が変化しても、撮像位置で反射された照明光が常にCCDカメラ33の受光面上に結像されるように、照明光の光軸方向(進行方向)と平行な方向に変位される。可動式イメージングレンズ32の変位に関する制御も、制御装置34によって行われる。
【0034】
制御装置34は、記憶装置34aを含む。記憶装置34aは、たとえばレーザ光源21から出射されたパルスレーザビーム35を入射させるべきパネル50上の位置を表す目標入射位置情報を記憶している。以下詳述するように、制御装置34は、CCDカメラ33で撮像されたパネル50の画像情報に基づいて、記憶装置34aに記憶されている目標入射位置情報を補正し、補正後の目標入射位置情報で表される位置にパルスレーザビーム35が入射するように、ガルバノスキャナ28を制御する。
【0035】
図3を参照して、実施例によるレーザ加工装置を用いて行うレーザ加工方法について説明する。
【0036】
目標加工軌跡81は、たとえば直線であり、Ag膜54の下層であるアモルファスシリコン膜53のパターニング加工を行うために、当該加工に先立ち、記憶装置34aに記憶された目標入射位置情報によって画定された、レーザビームの目標照射位置である。また加工痕85は、目標加工軌跡81上をレーザビームが走査するように照射光学系を制御したにもかかわらず、たとえばガルバノスキャナによるレーザビームの照射位置精度が原因で、目標加工軌跡81とは異なる位置のアモルファスシリコン膜53に、実際にレーザビームが入射し形成されたパターニング軌跡である。更に、目標加工軌跡83は、Ag膜54のパターニング加工を行うために、当該加工に先立って画定された、レーザビームの目標照射位置であり、パネル50の鉛直方向から見た場合、たとえば目標加工軌跡81と平行な直線である。
【0037】
以後の説明の便宜のために、目標加工軌跡81、83の直線の延在方向(図3においては図面下方向)をX軸方向、X軸方向と直交する方向(図3においては図面右方向)をY軸方向とする。
【0038】
図3は、Ag膜54のパターニング加工途中の一状態を示している。図示した時点までにレーザビームによって除去されたAg膜54の除去部54aの軌跡(パターニング軌跡)が加工痕86であり、図示した時点においては、加工位置89にレーザビームが入射し、加工位置89のAg膜54を除去している。Ag膜54のパターニング加工は全体としてX軸方向に向かって行われている。
【0039】
この状態において、CCDカメラ33は撮像領域87を撮影している。撮像領域87は、たとえば加工位置89とX座標の等しい目標加工軌跡81上の点から50〜100mm、たとえば50mmX軸方向に位置する点を中心に画定され、その点とX座標が等しい加工痕85上の点(観察点88)を含む領域である。
【0040】
CCDカメラ33で撮像された撮像領域87の画像情報は、制御装置34に送信され、観察点88のY座標、及び、目標加工軌跡81を基準とした場合の、観察点88のY軸方向への変位ΔYが検出される。
【0041】
そして本図に示すAg膜54のパターニング加工において、観察点88とX座標の等しい位置が加工されるとき、目標加工軌跡83からY軸方向へΔYだけ変位させた位置を、レーザビームの新たな目標照射位置と定める。
【0042】
このように実施例によるレーザ加工方法においては、レーザ加工(パターニング加工)中に、下層の近接する加工痕85(パターニング軌跡)のうち、現加工の進行方向に存在する位置に対応する位置をモニタし、加工前に画定されていたレーザビームの目標照射位置(目標加工軌跡83)を補正しながら加工を行う。
【0043】
たとえばガルバノスキャナ28に含まれる2枚の揺動鏡(ガルバノミラー)のうちの1枚がレーザビームをX方向に走査し、他の1枚がレーザビームをY方向に走査しているとき、レーザビームをY方向に走査する揺動鏡(ガルバノミラー)に、加工前に与えられることになっていた指令値(制御装置34から送信される制御信号)の補正を行う。
【0044】
図4を参照して、実施例によるレーザ加工方法の説明を続ける。
【0045】
前述のように、実施例によるレーザ加工方法は、加工中に、加工の進行方向に存在する加工痕85の、基準位置(目標加工軌跡81)からのずれ量を検出し、それに基づき新たなレーザビームの目標照射位置を定め、その位置に向けてレーザビームを出射して加工を行う。
【0046】
図4には、目標加工軌跡83を補正して得られた、新たなレーザビームの目標照射位置である目標加工軌跡90を一点鎖線で示した。目標加工軌跡81と83とが相互に平行であるため、加工痕85と目標加工軌跡90とは相互に平行である。
【0047】
Ag膜54のパターニング加工においては、レーザビームが目標加工軌跡90上の点に結像されて入射するように、制御装置34により、ガルバノスキャナ28や可動式イメージングレンズ26の動作が制御される。
【0048】
加工痕86は、目標加工軌跡90上の点に向けてレーザビームを出射し、実際にAg膜54に入射したレーザビームによってパターニングされたパターニング軌跡である。
【0049】
下層(アモルファスシリコン膜53)の加工痕85に基づいて、新たにレーザビームの目標照射位置を定めているため、ガルバノスキャナのレーザビーム照射位置に誤差が生じても、下層(アモルファスシリコン膜53)の加工痕85と交差しない加工痕86をAg膜54に形成(パターニング)することができる。
【0050】
図5を参照する。次に加工するときは、たとえば加工痕86と目標加工軌跡83とのずれを測定し、目標加工軌跡83と平行に画定された目標加工軌跡91を補正して加工痕86と平行な目標加工軌跡92を得、目標加工軌跡92上をレーザビームが走査するようにレーザ照射光学系を制御して新たな加工痕を形成する。
【0051】
以上、実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0052】
たとえば、実施例によるレーザ加工装置においては結像光学系を用いたが、結像光学系ではなく集光光学系を採用してもよい。
【0053】
その他、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者には自明であろう。
【産業上の利用可能性】
【0054】
レーザ加工一般、たとえばレーザビームを照射して行うパターニング加工に好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】(A)及び(B)は、実施例によるレーザ加工装置及び方法で加工される加工対象物であるパネル50を示す。
【図2】実施例によるレーザ加工装置を示す概略図である。
【図3】実施例によるレーザ加工方法を説明するための図である。
【図4】実施例によるレーザ加工方法を説明するための図である。
【図5】実施例によるレーザ加工方法を説明するための図である。
【図6】ガルバノスキャナを用いて行うレーザ加工の問題点について説明するための図である。
【符号の説明】
【0056】
21 レーザ光源
22 バリアブルアッテネータ
23 エキスパンダ
24 均一光学系
25 マスク
26 可動式イメージングレンズ
27 ダイクロイックミラー
28 ガルバノスキャナ
29 照明光源
30 ステージ
31 ガルバノスキャナ
32 可動式イメージングレンズ
33 CCDカメラ
34 制御装置
34a 記憶装置
35 パルスレーザビーム
50 パネル
51 ガラス基板
52 ITO膜
53 アモルファスシリコン膜
54 Ag膜
52a〜54a 除去部
81、83 目標加工軌跡
82、84 加工痕
85、86 加工痕
87 撮像領域
88 観察点
89 加工位置
90、91、92 目標加工軌跡

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザビームを出射するレーザ光源と、
加工対象物を保持するステージと、
前記レーザ光源を出射したレーザビームを、その入射位置が前記ステージに保持された加工対象物上で移動するように走査する第1の光偏向器を含む光学系と、
第2の光偏向器と、
前記第1及び第2の光偏向器を介して、前記ステージに保持された加工対象物の表面上の一部の領域を撮像する撮像素子と、
前記ステージに保持された加工対象物の表面のうち前記レーザビームの入射している位置とは異なる領域が、前記撮像素子で撮像されるように前記第2の光偏向器を制御する制御装置と
を有するレーザ加工装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記レーザ光源から出射されたレーザビームを入射させるべき位置を表す目標入射位置情報を記憶する記憶装置を有し、前記撮像素子で撮像された前記加工対象物の表面の画像情報に基づいて、前記目標入射位置情報を補正し、補正後の目標入射位置情報で表される位置にレーザビームが入射するように、前記第1の偏向器を制御する請求項1に記載のレーザ加工装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記撮像素子で撮像された前記加工対象物の表面の加工痕の位置に基づいて、前記目標入射位置情報を補正する請求項2に記載のレーザ加工装置。
【請求項4】
レーザ加工すべき第1の目標線と第2の目標線とが画定された加工対象物を準備する工程と、
前記加工対象物上の第1の目標線上をレーザビームが走査するようにレーザ照射光学系を制御してレーザ加工を行い第1の加工痕を形成する工程と、
前記第1の目標線に対する前記第1の加工痕のずれを測定し、測定結果に基づいて第2の目標線を補正し、補正後の第2の目標線上をレーザビームが走査するように前記レーザ照射光学系を制御してレーザ加工を行い第2の加工痕を形成する工程と
を有するレーザ加工方法。
【請求項5】
前記加工対象物の表面にXY直交座標系を定義したとき、
前記第1の目標線及び第2の目標線が、X方向と平行であり、
前記第2の加工痕を形成する工程が、
現時点でレーザビームが入射している第1のX座標よりも走査方向前方の第2のX座標の位置における前記第1の加工痕を観測し、該第1の加工痕のY座標を算出する工程と、
前記第2のX座標の位置における前記第1の目標線から前記第2の加工痕までのY軸方向のずれ量を計測する工程と、
計測されたずれ量に基づいて、前記第2のX座標の位置における第2の目標線のY座標を補正する工程と、
前記第2のX座標の位置にレーザビームが入射するとき、前記第2のX座標の位置における前記第2の目標線の補正後のY座標の位置にレーザビームが入射するように前記レーザ照射光学系を制御する工程と
を含む請求項4に記載のレーザ加工方法。
【請求項6】
前記加工対象物に、さらにレーザ加工すべき第3の目標線が画定されており、
前記第2の加工痕を形成した後、さらに、
前記第2の目標線に対する前記第2の加工痕のずれを測定し、測定結果に基づいて前記第3の目標線を補正し、補正後の第3の目標線上をレーザビームが走査するように前記レーザ照射光学系を制御してレーザ加工を行い第3の加工痕を形成する工程を有する請求項4または5に記載のレーザ加工方法。
【請求項7】
前記加工対象物に、さらにレーザ加工すべき第3の目標線が画定されており、
前記第2の加工痕を形成した後、さらに、
前記第1の目標線に対する前記第1の加工痕のずれを測定し、測定結果に基づいて前記第3の目標線を補正し、補正後の第3の目標線上をレーザビームが走査するように前記レーザ照射光学系を制御してレーザ加工を行い第3の加工痕を形成する工程を有する請求項4または5に記載のレーザ加工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−6339(P2009−6339A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−168532(P2007−168532)
【出願日】平成19年6月27日(2007.6.27)
【出願人】(000002107)住友重機械工業株式会社 (2,241)
【Fターム(参考)】