説明

レーザ加工装置及びレーザ加工方法

【課題】 加工時間が短く、かつ形成される穴の側面を所望の形状に近づけるレーザ加工装置および加工方法を提供する。
【解決手段】伝搬光学系10により、第1のレーザ光源1Aから出射されたパルスレーザビーム及び第2のレーザ光源1Bから出射されたパルスレーザビームを、ステージ12に保持された加工対象物20に入射させるとともに、加工対象物20の表面において、第2のレーザ光源1Bから出射されたパルスレーザビームのビームスポットの外周線よりも内側に、第1のレーザ光源1Aから出射されたパルスレーザビームのビームスポットを配置させる。第1のレーザ光源から出射されたパルスレーザビームがステージに保持された加工対象物に入射した後に、第2のレーザ光源から出射されたパルスレーザビームが入射するように、第1及び第2のレーザ光源を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ加工装置およびレーザ加工方法に関し、特に加工対象物への穴の形成に適したレーザ加工装置及びレーザ加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、プリント基板等の微細加工においてはレーザ光を利用した加工が主流になっている。
【0003】
レーザ加工装置で用いられるレーザの種類には、波長で区分すると赤外又は可視域のレーザビームを出射するレーザと、紫外域のレーザビームを出射するレーザに分けられる。赤外又は可視域のレーザビームを用いた場合、加工時間は紫外域のレーザビームを用いた場合よりも短いが、形成される穴の品質に問題が生じる。例えば、複数のプリント基板が積層された多層プリント基板にバイアホールを形成する工程においては、形成された穴の底面、すなわち露出させようとする導電層の表面の一部又は全面に薄い残渣成分が残ってしまう。また、樹脂基板等に貫通孔を形成するスルーホール加工においては、形成される穴が樽状になるという問題がある。紫外域のレーザビームを用いた場合、形成される穴にこれらの問題は生じないが、加工時間は赤外又は可視域のレーザビームを用いた場合に比べて長くなる。
【0004】
下記の特許文献1に、Nd:YAGレーザの基本波または2倍高調波と3倍または4倍高調波とを加工対象物に重畳して照射することで、多層プリント基板の穴あけ加工における加工時間の短縮と穴の底面の残渣成分除去との両立を図ったレーザ加工方法が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2000−343261
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された方法でスルーホール加工を行うと、赤外または可視域の波長のレーザビームによる熱的影響により、穴の側面から横方向に除去が進み、樽状の穴になってしまう。本発明の目的は、形成される穴の側面の形状を所望の形状に近づけるレーザ加工装置及びレーザ加工方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一観点によれば、パルスレーザビームを出射する第1のレーザ光源と、前記第1のレーザ光源から出射されるパルスレーザビームよりも波長及びパルス幅の短いパルスレーザビームを出射する第2のレーザ光源と、加工対象物を保持するステージと、前記第1のレーザ光源から出射されたパルスレーザビーム及び前記第2のレーザ光源から出射されたパルスレーザビームを、前記ステージに保持された加工対象物に入射させるとともに、該加工対象物の表面において、前記第2のレーザ光源から出射されたパルスレーザビームのビームスポットの外周線よりも内側に、前記第1のレーザ光源から出射されたパルスレーザビームのビームスポットを配置させる伝搬光学系と、前記第1のレーザ光源から出射されたパルスレーザビームが前記ステージに保持された加工対象物に入射した後に、前記第2のレーザ光源から出射されたパルスレーザビームが入射するように、前記第1及び第2のレーザ光源を制御する制御装置とを有するレーザ加工装置が提供される。
【0008】
本発明の他の観点によると、加工対象物に、第1のパルスレーザビームを入射させて穴を形成する工程と、前記第1のパルスレーザビームよりも波長が短く、前記加工対象物の表面において、ビームスポットの外周線が前記穴を取り囲む第2のパルスレーザビームを前記加工対象物に入射させて、前記穴の側面を整形する工程とを有するレーザ加工方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
第1のレーザ光源及び第2のレーザ光源から出射されたパルスレーザビームが加工対象物に照射され、穴を形成する。第1のレーザ光源から出射するパルスレーザビームは、長波長でパルス幅が長く、その加工速度は速いが、穴の周囲に熱的影響を与えるため、単独で用いると加工品質が低下する。第2のレーザ光源から出射するパルスレーザビームは短波長でパルス幅が短く、加工対象物への熱的影響は、第1のレーザ光原から出射したパルスレーザビームに比べて小さいが、単独で用いると加工速度が遅くなる。本願では、まず第1のレーザ光源から長波長のパルスレーザビームを加工対象物に照射した後に、第2のレーザ光源から短波長のパルスレーザビームを照射させることにより、穴の中央部分の加工速度を速くしている。また、短波長のパルスレーザビームのビームスポットの外周線が、長波長のパルスレーザビームにより形成された穴を取り囲むように照射させることにより、穴の側面の加工が短波長のパルスレーザビームによって行われ、穴の側面の形状を所望の形状に近づけることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1に、本願の実施例におけるレーザ加工装置の概略図を示す。
【0011】
レーザ光源1Aがパルスレーザビームを出射する。レーザ光源1Aは、例えばNd:YLFレーザであり、2倍高調波(波長527nm)もしくは3倍高調波(波長351nm)のパルスレーザビームを出射する。出力は30W以下であり、そのパルス幅は20〜500nsが望ましい。
【0012】
レーザ光源1Aから出射したレーザビームが、リレーレンズ2Aを介してマスク3Aに入射する。マスク3Aは、レーザビームを遮光する遮光領域内に、レーザビームを透過させる透過領域を有する板状構造物である。マスク3Aの配置された位置におけるレーザビームのビームスポット内に透過領域が内包される。
【0013】
マスク3Aを透過したレーザビームが、ダイクロイックミラー4Aで反射して、ガルバノスキャナ5に入射する。
【0014】
レーザ光源1Bがパルスレーザビームを出射する。パルスレーザビームの出射のタイミングについては、図2を用いて後述する。レーザ光源1Bは、例えばNd:YLFレーザであり、4倍高調波(波長263nm)のパルスレーザビームを出射する。出力は10W以下であり、そのパルス幅は500ps以下が望ましい。
【0015】
レーザ光源1Bから出射したレーザビームが、リレーレンズ2Bを介してビームプロファイル整形ユニット7に入射する。ビームプロファイル整形ユニット7は、1対の円錐プリズムからなり、その中心軸同士が一致するように配置されている。レーザ光源1Bから出射したレーザビーム、及びリレーレンズ2Bを通過したレーザビームは、通常ガウシアンビームであり、ビームスポットの中心において光強度が大きく、中心から離れるに従って光強度が低下する。ビームプロファイル整形ユニット7は、ビーム断面の外周近傍に、ビームスポットの中央よりも盛り上がった盛り上がり部を有するプロファイルになるように、レーザビームのプロファイルを整形する。また、ビームプロファイル整形ユニット7は、調整により、加工対象物20の表面上におけるビーム断面が環状になるようにレーザ光源1Bから出射したレーザビームのビーム断面を整形することもできる。
【0016】
ビームプロファイル整形ユニット7を通過したレーザビームが、マスク3Bに入射する。マスク3Bは、レーザビームを遮光する遮光領域内に、レーザビームを透過させる透過領域を有する板状構造物である。マスク3Bの配置された位置におけるレーザビームのビームスポット内に透過領域が内包される。
【0017】
マスク3Bを透過したレーザビームが、折り返しミラー4Bで反射し、ダイクロイックミラー4Aを透過して、ガルバノスキャナ5に入射する。
【0018】
ガルバノスキャナ5は、1対の揺動可能な反射鏡を含んで構成され、入射するレーザビームを2次元方向に走査する。ガルバノスキャナ5で走査されたレーザビームがfθレンズ6で収束され、XYステージ12に保持された加工対象物20に入射する。fθレンズ6は、マスク3A及び3Bの透過領域を加工対象物20の表面上に結像させる。加工対象物20は、例えばポリイミド等の絶縁樹脂からなる。加工対象物20に入射したパルスレーザビームは加工対象物20にスルーホールを形成する。
【0019】
なお、リレーレンズ2A及び2B、マスク3A及び3B、折り返しミラー4A及び4B、ガルバノスキャナ5、fθレンズ6、並びにビームプロファイル整形ユニット7をまとめて伝播光学系10と呼ぶこととする。
【0020】
制御装置11が、レーザ光源1A及び1Bからパルスレーザビームを出射させるタイミングを制御する。
【0021】
図2に、パルスレーザビームのタイミングチャートを示す。図2上段のように、レーザ光源1AからパルスレーザビームAのレーザパルスPAが出射する。レーザ光源1Aから出射するレーザパルスPAの立ち上がり時刻から時間tだけ経過した後、図2下段のようにレーザ光源1BからパルスレーザビームBのレーザパルスPBが出射する。パルスレーザビームAのレーザパルスPAの照射が終了した後、パルスレーザビームBのレーザパルスPBのみが照射される期間が存在する。レーザビームA及びBの次のレーザパルスPA及びPBについても、レーザパルスPBの立ち上がりがレーザパルスPAの立ち上がりよりも時間tだけ遅れ、レーザパルスPBのみが照射される期間が存在する。
【0022】
図3に、加工対象物の表面上における、第1のレーザ光源から照射されたレーザビームのビームスポットAsと第2のレーザ光源から照射されたレーザビームのビームスポットBsとの大きさを比較した図を示す。
【0023】
図3に示すように、加工対象物20の表面上において、パルスレーザビームAのビームスポットAsの中心と、パルスレーザビームBのビームスポットBsの中心とが一致するようにパルスレーザビームA及びBが照射される。パルスレーザビームA及びBが、マスク3A及び3Bをそれぞれ通過することにより、パルスレーザビームAの、加工対象物20の表面上におけるビームスポットAsの半径が、パルスレーザビームBの加工対象物20の表面上におけるビームスポットBsの半径よりも小さくなる。例えば、パルスレーザビームAのビームスポットAsの半径は12〜140μm、パルスレーザビームBのビームスポットBsの半径は15〜150μmの範囲である。一例として、パルスレーザビームAのビームスポットAsの半径が12μm、パルスレーザビームBのビームスポットBsの半径が15μmのようにビームスポット半径の大きさを調整する。このように、パルスレーザビームBのビームスポットBsの外周線よりも内側に、パルスレーザビームAのビームスポットAsが配置されるように伝播光学系10が調整される。
【0024】
次に図4を参照して、本願の実施例によるレーザ加工方法について説明する。まず、加工対象物20に、レーザ光源1Aから出射されたパルスレーザビームAのレーザパルスPAを入射させ、スルーホールを形成する。
【0025】
図4(A)に、レーザ光源1Aから出射し、加工対象物20に照射されたパルスレーザビームAのビームプロファイル30および加工対象物20の断面図を示す。
【0026】
レーザ光源1Aから出射し、伝播光学系10を通過して加工対象物に照射されたパルスレーザビームAのビームプロファイルは、通常ガウシアン分布であり、図4(A)上段のように、ビームスポットの中心において光強度が大きく、中心から離れるに従って光強度が低下する。さらに、マスク3Aを通過することによりビームプロファイルの裾野の部分が遮られ、端において光強度は急激に下がっている。このようなビームプロファイルを持つパルスレーザビームAにより、加工対象物20には側面が樽状に窪んだ、例えば図4(A)下段のような穴21が形成される。これは、長波長のパルスレーザビームAを用いたことで、穴を形成する過程で発生した熱が横方向に伝わり、厚さ方向に関して、中央近傍の部分に熱が蓄積されて過剰に除去されたことによるものである。
【0027】
パルスレーザビームAのレーザパルスPAの照射が終了した後も、パルスレーザビームBのレーザパルスPBの照射期間が存在するように、レーザパルスPBを加工対象物20に入射させる。図4(B)に、レーザ光源1Bから出射し、加工対象物20に照射されたパルスレーザビームBのビームプロファイル31および加工対象物20の断面図を示す。パルスレーザビームBはパルスレーザビームAよりも短波長であるため、側面に対する熱的影響が少ないので、側面が過剰に除去されることはない。加えて、図3で示したように、パルスレーザビームBのビームスポットBsは、パルスレーザビームAのビームスポットAsを内包するように配置される。このため、パルスレーザビームBの照射によって、パルスレーザビームAで形成された穴の側面を窪みなく除去することができ、図4(B)下段のように、側面22が加工対象物20の表面に対してほぼ垂直な穴21が形成される。
【0028】
パルスレーザビームBのみが照射されている期間は、パルスレーザビームAの熱的影響を受けない。したがって、パルスレーザビームBのみの照射時間が十分取られていれば、形成される穴を所望の形状に加工することができる。穴を所望の形状に加工するために必要なパルスレーザビームBのみの照射時間は0.1ps以上とすることが好ましい。
【0029】
また、パルスレーザビームAのビームスポット半径は、パルスレーザビームBのビームスポット半径に比べて小さくすることが必要だが、一方で、パルスレーザビームBによる穴の側面の加工を妨げない程度に十分大きくすることが望ましい。パルスレーザビームAにより加工する穴の中央部分の面積が広いほど、一穴あたりの加工時間が短くできるからである。パルスレーザビームAのビームスポット半径は、パルスレーザビームBのビームスポット半径の9/10以下とすることが好ましい。
【0030】
相対的に長波長のパルスレーザビームAを単独で照射した場合、加工速度は速いが、側面が窪んだ形状の穴が形成される。相対的に短波長のパルスレーザビームBを単独で用いた場合、所望の形状に近い穴を形成することはできるが、加工速度が遅くなってしまう。そのため、上述のように、穴の中央部分を加工速度の速いパルスレーザビームAを用いて加工し、穴の側面をパルスレーザビームBを用いて加工することで、加工速度の向上と、穴の側面を所望の形状に近づけることの両立がなされている。
【0031】
本願の実施例では、ビームプロファイル整形ユニット7により、加工対象物20の表面上におけるパルスレーザビームBのビームプロファイルが、中央よりも周辺部に盛り上がった盛り上がり部を有するようにパルスレーザビームBのビーム断面を整形している。これにより、パルスレーザビームBにより加工を行う穴の周辺部分にビームのエネルギーを集中させることができ、エネルギーの利用効率を高めることができる。さらに、ビームプロファイル整形ユニット7を調整することにより、パルスレーザビームBのビーム断面を環状に整形することができる。形成すべき穴の中央部は、パルスレーザビームAにより既に除去されている。既に除去されている部分には、パルスレーザビームBを入射させる必要はない。このためパルスレーザビームBのビーム断面を、その中央の光強度がほぼ0となる環状に整形してもよい。パルスレーザビームBのビーム断面を環状にすると、そのエネルギー利用効率をより高めることができる。
【0032】
上述のように、伝播光学系10及び制御装置11により、2つのレーザビームを整形し照射位置とタイミングを調整して加工対象物に照射させることで、穴の側面が所望の形状に近づいた穴を従来より短い時間で形成することができる。
【0033】
上述の実施例では、パルスレーザビームAのパルス幅をパルスレーザビームBのパルス幅よりも長くしたが、パルス幅の長短の関係を逆にしてもよい。例えば、パルスレーザビームBのパルス幅は、加工対象物20を加工するために必要なピークパワーが得られるように調整される。
【0034】
また、パルスレーザビームBの出射を、パルスレーザビームAの熱的影響がでないようになるまで待ってもよい。例えば、レーザパルスPAが立ち下がった後に、レーザパルスPBが立ち上がるように、両者のタイミングを制御しても良い。その場合でも、上述のように、従来に比べ加工時間が短く、側面の形状が所望の形状に近づいた加工を行うことができる。
【0035】
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本願の実施例で用いられるレーザ加工装置の概略図である。
【図2】レーザビームの出力信号を示した線図である。
【図3】加工対象物の表面上における、第1のレーザ光源から照射されたレーザビームのビームスポットと第2のレーザ光源から照射されたレーザビームのビームスポットとの大きさを比較した図である。
【図4】レーザビームの加工対象物の表面上におけるビームプロファイルと加工対象物の断面図である。
【符号の説明】
【0037】
1A、1B レーザ光源
2A、2B リレーレンズ
3A、3B マスク
4A ダイクロイックミラー
4B 折り返しミラー
5 ガルバノスキャナ
6 fθレンズ
7 ビームプロファイル整形ユニット
10 伝播光学系
11 制御装置
12 XYステージ
20 加工対象物
21 穴
22 側面
30、31 ビームプロファイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルスレーザビームを出射する第1のレーザ光源と、
前記第1のレーザ光源から出射されるパルスレーザビームよりも波長及びパルス幅の短いパルスレーザビームを出射する第2のレーザ光源と、
加工対象物を保持するステージと、
前記第1のレーザ光源から出射されたパルスレーザビーム及び前記第2のレーザ光源から出射されたパルスレーザビームを、前記ステージに保持された加工対象物に入射させるとともに、該加工対象物の表面において、前記第2のレーザ光源から出射されたパルスレーザビームのビームスポットの外周線よりも内側に、前記第1のレーザ光源から出射されたパルスレーザビームのビームスポットを配置させる伝搬光学系と、
前記第1のレーザ光源から出射されたパルスレーザビームが前記ステージに保持された加工対象物に入射した後に、前記第2のレーザ光源から出射されたパルスレーザビームが入射するように、前記第1及び第2のレーザ光源を制御する制御装置と
を有するレーザ加工装置。
【請求項2】
前記伝搬光学系は、前記第2のレーザ光源から出射されたパルスレーザビームの、前記ステージに保持された加工対象物の表面における光強度分布が、中央よりも周辺部が盛り上がった形状を有するように、前記第2のレーザ光源から出射されたパルスレーザビームのビームプロファイルを整形する請求項1に記載のレーザ加工装置。
【請求項3】
前記伝搬光学系は、前記第2のレーザ光源から出射されたパルスレーザビームの、前記ステージに保持された加工対象物の表面におけるビーム断面が環状になるように、前記第2のレーザ光源から出射されたパルスレーザビームのビーム断面を整形する請求項1または2に記載のレーザ加工装置。
【請求項4】
パルスレーザビームを出射する第1のレーザ光源と、
前記第1のレーザ光源から出射されるパルスレーザビームよりも波長の短いパルスレーザビームを出射する第2のレーザ光源と、
加工対象物を保持するステージと、
前記第1のレーザ光源から出射されたパルスレーザビーム及び前記第2のレーザ光源から出射されたパルスレーザビームを、前記ステージに保持された加工対象物に入射させるとともに、該加工対象物の表面において、前記第2のレーザ光源から出射されたパルスレーザビームのビームスポットの外周線よりも内側に、前記第1のレーザ光源から出射されたパルスレーザビームのビームスポットを配置させ、さらに、前記第2のレーザ光源から出射されたパルスレーザビームの、前記ステージに保持された加工対象物の表面における光強度分布が、中央よりも周辺部が盛り上がった形状を有するように、前記第2のレーザ光源から出射されたパルスレーザビームのビームプロファイルを整形する伝搬光学系と、
前記第1のレーザ光源から出射されたパルスレーザビームが前記ステージに保持された加工対象物に入射した後に、前記第2のレーザ光源から出射されたパルスレーザビームが入射するように、前記第1及び第2のレーザ光源を制御する制御装置と
を有するレーザ加工装置。
【請求項5】
パルスレーザビームを出射する第1のレーザ光源と、
前記第1のレーザ光源から出射されるパルスレーザビームよりも波長の短いパルスレーザビームを出射する第2のレーザ光源と、
加工対象物を保持するステージと、
前記第1のレーザ光源から出射されたパルスレーザビーム及び前記第2のレーザ光源から出射されたパルスレーザビームを、前記ステージに保持された加工対象物に入射させるとともに、該加工対象物の表面において、前記第2のレーザ光源から出射されたパルスレーザビームのビームスポットの外周線よりも内側に、前記第1のレーザ光源から出射されたパルスレーザビームのビームスポットを配置させ、さらに、前記第2のレーザ光源から出射されたパルスレーザビームの、前記ステージに保持された加工対象物の表面におけるビーム断面が環状になるように、前記第2のレーザ光源から出射されたパルスレーザビームのビーム断面を整形する伝搬光学系と、
前記第1のレーザ光源から出射されたパルスレーザビームが前記ステージに保持された加工対象物に入射した後に、前記第2のレーザ光源から出射されたパルスレーザビームが入射するように、前記第1及び第2のレーザ光源を制御する制御装置と
を有するレーザ加工装置。
【請求項6】
加工対象物に、第1のパルスレーザビームを入射させて穴を形成する工程と、
前記第1のパルスレーザビームよりも波長が短く、加工対象物の表面において、ビームスポットの外周線が前記穴を取り囲む第2のパルスレーザビームを前記加工対象物に入射させて、前記穴の側面を整形する工程と
を有するレーザ加工方法。
【請求項7】
前記第2のパルスレーザビームの、前記加工対象物の表面における光強度分布は、中央よりも周辺部が盛り上がった形状を有している請求項6に記載のレーザ加工方法。
【請求項8】
前記第2のパルスレーザビームの、前記加工対象物の表面におけるビーム断面が環状である請求項6または7に記載のレーザ加工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−29952(P2007−29952A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−212109(P2005−212109)
【出願日】平成17年7月22日(2005.7.22)
【出願人】(000002107)住友重機械工業株式会社 (2,241)
【Fターム(参考)】